説明

輝度傾斜センサー回路および電源回路

【課題】 点灯装置の輝度傾斜を検知して電源回路に出力する輝度傾斜センサー回路、および輝度傾斜の発生および輝度傾斜の発生による回路の損傷を防止することが可能な電源回路を提供すること。
【解決手段】 負荷103である放電管の負荷低圧側端子109からの電流に基いて周波数の掃引方向を決定する信号を与える負荷電流比較回路3104と、二次電極107からの出力電圧に基いて周波数の掃引方向を決定する信号を与える出力電圧比較回路3206と、時分割駆動制御回路306とを備え、低圧側電流の値を希望値近傍に安定させる機能を有し、圧電トランス102の出力電圧と基準電圧とを比較した結果を駆動回路201に出力する出力電圧判定回路207を有し、放電管の時分割駆動における点灯期間中に上記出力電圧値が上記基準電圧以下となった場合に駆動回路201を停止させる機能を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放電管の点灯装置に用いられる電源回路に関し、特に放電管の輝度傾斜の増大および放電管の破壊を防止することを目的とした輝度傾斜センサー回路および電源回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放電管を配置した点灯装置の電源回路としては、従来、例えば特許文献1に記載された圧電トランスを用いた回路が知られている。一般に圧電トランスは、圧電材料に一次側及び二次側電極を設置し、一次側電極に圧電トランスの共振周波数付近の入力交流電圧を印加して圧電トランスを共振させ、機械的振動により二次側電極に発生する出力交流電圧を取り出す素子である。
【0003】
図3は、特許文献1に示された従来の電源回路のブロック図である。図3において、駆動回路201は、圧電トランス102の一次電極106に接続し、周波数掃引発振器205からの周波数掃引信号を圧電トランス102の駆動に必要な交流波形に変換して、圧電トランス102を駆動する。圧電トランス102の二次電極107は放電管である負荷103の負荷高圧側端子108に接続して、圧電トランス102により昇圧した電圧を負荷高圧側端子108に与える。負荷103の負荷低圧側端子109は負荷電流比較回路3104に接続し、負荷からの流出電流を負荷電流比較回路3104に流入する。負荷電流比較回路3104では、流入してきた負荷電流を電圧に変換し予め与えられている希望電流値に相当する基準電圧VrefA110と比較する。負荷電流比較回路3104は周波数掃引発振器205に接続されており上記比較結果を周波数掃引発振器205に与える。周波数掃引発振器205は負荷電流比較回路3104の比較結果に従って周波数掃引の方向を決定する。
【0004】
図4は、圧電トランスの入力交流電圧の周波数に対する出力電力および効率の一般的な依存性を示す図である。圧電トランスは、図4に示すように最大出力電力を示す周波数以上の周波数で効率が大きいことが判明している。従って圧電トランス102を効率良く駆動するためには希望の負荷電流を出力する周波数になるまで周波数を高い方から低い方に掃引し、希望負荷電流を通過した時点で駆動周波数掃引方向を反転し駆動周波数を上昇させ、再び希望負荷電流を通過した時点で周波数掃引方向を反転し駆動周波数を下降させる。この動作を繰り返すことにより負荷電流を希望値近傍に安定させる。このような安定化動作における駆動周波数と負荷電流の時間的な変化の一例を図5に示す。
【0005】
一方、負荷電流が最初の周波数掃引動作で希望負荷電流値に到達しない場合の駆動周波数と負荷電流の時間的な変化の一例を図6に示す。図6に示すように、予め設定してある掃引周波数の下限で駆動周波数掃引方向を反転し駆動周波数を上昇に切り換える。周波数の上昇は予め設定してある掃引周波数の上限まで上昇した時点で駆動周波数掃引方向を反転して駆動周波数を下降し、再び希望の負荷電流になる周波数になるまで周波数を高い方から低い方に掃引をはじめるようにする。このような動作を繰り返すことにより負荷のインピーダンス変化が生じて希望負荷電流値に近づけることができる。この時、周波数掃引の上昇速度を下降速度より大きく設定することにより、負荷電流を希望値近傍に安定させる動作をより高速で行なえるとともに、異常なレベルでの共振の発生を防止している。
【0006】
更に、図3において、出力電圧比較回路3206が圧電トランスの二次電極107に接続されており、出力電圧比較回路3206の判定結果を周波数掃引発振器205に与える。出力電圧比較回路3206は圧電トランス102の二次電極107に出力される電圧を分圧整流する機能を有しており、該分圧整流した電圧を予め設定してある基準電圧VrefB212と比較することにより、二次電極107に出力される電圧が予め設定した出力電圧を越えているか否かを判定する機能を有しており、その判定結果を周波数掃引発振器205に与える。周波数掃引発振器205は、出力電圧比較回路3206の判定結果が予め設定してある出力電圧を越えたと判定した場合は、周波数の掃引方向を周波数が減少する方向から周波数を増加する方向に反転し周波数掃引方向を切り換える機能を有している。この機能により、負荷が何らか理由でオープンになった場合、圧電トランス102の駆動周波数は昇圧比の低い状態に移行し出力電圧を減少させる。
【0007】
すなわち、圧電トランス102は負荷インピーダンスの増加にともない電圧利得が増加する特性を持っているため負荷が何らかの理由でオープンとなった場合には出力電圧が急激に増加し、これに伴い圧電トランス102の振動速度も急激に増加することとなり、そのため圧電トランス102そのものが破壊することが考えられる。このため、図7に示すように、出力電圧を規定の電圧、すなわち、限界出力電圧値以下になるように駆動周波数を制御する出力電圧比較回路3206(図3)を付加することで過振動による破壊を防止する。なお、図7は負荷オープン時に出力電圧が上昇した場合の駆動周波数と出力電圧の時間的な変化の一例を示す図である。
【0008】
図3においては、時分割駆動制御回路306が駆動回路201と周波数掃引発振器205に接続している。時分割駆動制御回路306は圧電トランスの駆動周波数に対して100分の1以下の低い周波数で、デューティ制御電圧Vduty307に従って出力デューティが制御された信号を発生する。駆動回路201は時分割駆動制御回路306からの駆動停止信号により圧電トランス102の一次電極106に与える駆動電圧の出力を一時的に停止する機能を有しており、圧電トランスの平均出力電力を制御している。又、周波数掃引発振器205は時分割駆動制御回路306からの駆動停止信号を受けると周波数掃引を停止し、停止時点の駆動周波数に対して周波数をわずかに高い方向にシフトする。時分割駆動制御回路306からの駆動停止信号解除信号により、再度周波数掃引を開始するときには停止時点の駆動周波数に対してわずかに高い周波数から周波数を減少する方向の周波数掃引を開始する機能を有する。この機能により、時分割駆動の駆動再開時に機械的共振の立ち上がりに伴う駆動波形に対する出力電圧の立ち上がり遅れに起因する負荷電流制御動作の不具合の発生防止をしている。
【0009】
図3の負荷電流比較回路3104と周波数掃引発振器205の詳細が、特許文献2に周波数制御回路として開示されている。この周波数制御回路のブロック図を図8に示す。周波数制御回路28は、電流電圧変換回路22、整流回路23、比較器24、積分器25、比較器26、VCO27から構成されている。なお、電流電圧変換回路22、整流回路23、比較器24が図3の負荷電流比較回路3104に相当し、積分器25、比較器26、VCO27が図3の周波数掃引発振器205に相当する。負荷103から帰還される電流が電流電圧変換回路22内の図示しない分圧抵抗により分圧された電圧に変換され、整流回路23で直流電圧に変換され、比較器24に入力される。この比較器24では基準電圧Vref(図3におけるVrefA110)と比較され、入力電圧が小さい場合、比較器24は積分器25に対して積分器25の出力電圧を一定の割合で上昇させる信号を出力する。積分器25の出力電圧はVCO27に入力される。VCO27は入力された電圧値に反比例した周波数パルスを出力する電圧制御発振器となっており、この周波数が圧電トランスを駆動する周波数となる。よって比較器24に基準電圧Vrefより小さい電圧が入力された場合、圧電トランスの駆動周波数は低下し続ける。このため図4に示すように圧電トランスの駆動周波数が上限周波数f1から低下するように設定した場合、圧電トランスの共振周波数frに近づくことになるので、圧電トランスの出力電流が周波数低下に伴って増加する。積分器25の出力は比較器26にも入力され基準電圧Vminと比較される。積分器25の出力がVminよりも大きくなった場合、比較器26は積分器25に対しリセット信号を出力し、リセット信号を受けた時点で積分器25はその出力を最小値にリセットする。これにより図6に示すように駆動周波数がある一定の範囲の間を掃引することになる。また、出力電圧比較回路3206からのリセット信号を受けた場合も積分器25はその出力を最小値にリセットする。これにより図7に示す動作を実現する。
【0010】
図9に、VCO27の回路の一例を示す。VCO27の出力周波数はコンデンサ40に充放電される周波数で決定され、コンデンサ40に充放電する周波数は充放電電流値で決定され、この充放電電流値は4個の定電流源で得られる電流値である。定電流源34で得られる電流値は積分器25の出力電圧で決定され、積分器25の出力電圧が大きいほど得られる電流値は小さい。定電流源36で得られる電流値は、定電流源34で得られる電流値の2倍になるように設定する。定電流源35で得られる電流値は抵抗39の値で決定され、抵抗39の値が大きい程得られる電流値は小さい。定電流源37で得られる電流値は、定電流源35で得られる電流値の2倍になるように設定する。
【0011】
VCO27の動作を図10にタイミングチャートとして示す。コンデンサ40にチャージされている電荷が無い状態では、比較器38の反転入力端子電圧Vrは非反転入力端子電圧Vnよりもはるかに小さく、比較器38の出力Vcは高レベルとなる。比較器38の出力が高レベルのとき、スイッチ41、スイッチ42、スイッチ43はオフ状態となり反転入力端子電圧Vrと出力電圧Vvcoは一定の割合で上昇を続ける。反転入力端子電圧Vrと非反転入力端子電圧Vnが同じ電圧になると、比較器38の出力Vcは低レベルになり、スイッチ41、スイッチ42、スイッチ43はオン状態になる。非反転入力端子電圧Vnはスイッチ43がオンになることで分圧され低レベルとなる。コンデンサ40に流れ込む定電流源34と定電流源35からの電流の和よりも、コンデンサ40から流れ出る定電流源36と定電流源37の電流の和のほうが大きいので、スイッチ41がオンすることで反転入力端子電圧Vrは一定の割合で下降を続ける。定電流源50で得られる電流はスイッチ42を経てグランドに流れ込むので出力電圧Vvcoは0Vとなる。反転入力端子電圧Vrが非反転入力端子電圧Vnより低くなると、比較器38の出力Vcは高レベルになり、スイッチ41、スイッチ42、スイッチ43は再びオフ状態になり、非反転入力端子電圧Vnは高レベルとなる。反転入力端子電圧Vrと出力電圧Vvcoは再び一定の割合で上昇を続ける。
【0012】
以上の動作を繰り返しVCO27はコンデンサ40の充放電の周期に対応した周波数信号を発生する。また積分器25の出力電圧によりVCO27の発振周波数は変化する。
【0013】
図4に示したVCO27の発振周波数掃引範囲の上限周波数f1は、積分器25の出力電圧下限値を変更しないかぎりは、VCO27内の抵抗39とコンデンサ40の値で決定される。図9に示すように抵抗39を2つの抵抗が並列となる構成にし、一方は直接接地され、一方はスイッチ44を介して接地する構造にした場合、スイッチ44がオン状態の場合のほうが抵抗39の合成抵抗値は小さくなり定電流源35と定電流源37の電流値は大きくなり、Vvcoの周波数は高くなる。よって特許文献2では、負荷が何らか理由でオープンになった場合、出力電圧比較回路3206からVCO27のスイッチ44をONさせる信号を出力し、圧電トランス102の駆動周波数範囲を昇圧比の低い方向、すなわち周波数を高くする方向に拡大し出力電圧を減少させ安全な動作を実現する。
【0014】
特許文献2には時分割調光の機能が記載されていないが、図8の周波数制御回路を図3に示す時分割制御回路のある電源回路に適用する場合には、負荷103に電流を流さない期間は積分器25の出力がその直前の出力電圧値を維持する機能を追加する。更に好ましくは負荷103に電流を流さない期間は積分器25出力がその直前の出力電圧値より僅かに高い電圧値を維持する機能を追加することで、時分割駆動の駆動再開時に圧電トランスの機械的共振の立ち上がりに伴って発生する駆動波形に対する出力電圧の立ち上がり遅れに起因する負荷電流制御動作の不具合を防止する。
【0015】
【特許文献1】特許第2751842号公報
【特許文献2】特許第2842526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従来の図3の回路は負荷低圧側端子109に流れる電流値を希望値近傍に安定させる動作を実現しているが、負荷高圧側端子108に流れる電流値は監視していない。
【0017】
一般に放電管を配置した点灯装置では、図11に示すように負荷103である放電管に近接して反射板51が配置され、これにより図11において放電管の上方向に光が導かれる。反射板51は一般に接地されており、図12に示すように分布定数としての容量が寄生するため、電源回路の出力に接続されている負荷高圧側端子108から流入する電流値は負荷低圧側端子109から流出する電流値よりも大きい。
【0018】
点灯装置の組み立て工程では負荷103と反射板51の間隔は所望値となるよう細心の注意がはらわれてはいるが、組み立て工程での不具合や市場に出てから何らかの理由により負荷103と反射板51の間隔が所望値からずれる場合が生ずる。この場合、負荷103と反射板51の間に寄生する容量値も所望値からずれてしまう。
【0019】
具体的には、負荷103と反射板51の間隔が小さくなる場合には、寄生容量値が大きくなり、負荷高圧側端子108から流入する電流値と負荷低圧側端子109から流出する電流値の差はより大きくなる。この時、負荷103である放電管の輝度は放電電流に対応するので、負荷高圧側端子108付近の輝度は大きく、負荷低圧側端子109付近の輝度は小さくなり、両者の間に輝度の差、すなわち輝度傾斜が発生する。この輝度傾斜が著しく大きくなると視覚的に好ましくない。
【0020】
また、図3に示す電源回路は前述したように負荷低圧側端子109に流れる電流値を希望値近傍に安定させる動作をさせるため、輝度傾斜が大きい場合、負荷低圧側端子109の電流値に対して負荷高圧側端子108に流れる電流値は著しく大きくなる。従って、電源の出力が大きくなり、駆動回路201や圧電トランス102が扱う電力が大きくなるのでこれらの部分の発熱が大きくなり、過度な場合にはこれらの損傷が発生する場合も考えられ、好ましくない状態となる。
【0021】
以上より、本発明の課題は、点灯装置の輝度傾斜を検知してその結果を電源回路に出力する輝度傾斜センサー回路、および、著しい輝度傾斜の発生および輝度傾斜の発生による回路の損傷を防止することが可能な電源回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上述の課題を達成するため本発明の傾斜センサー回路は、電源回路の高圧側端子と低圧側端子との間に接続された放電管の前記高圧側端子より流入する高圧側電流値と前記低圧側端子より流出する低圧側電流値との差が予め設定してある値以上になった場合に輝度傾斜が発生したと判定し、その結果を前記電源回路に出力することを特徴とする。このとき、前記高圧側電流値と低圧側電流値とを検知することにより、前記高圧側電流値と前記低圧側電流値の差を検知してもよい。また、前記高圧側電流値に依存して変化する第一の電圧値と前記低圧側電流値に依存して変化する第二の電圧値とを検知することにより、前記高圧側電流値と前記低圧側電流値の差を検知してもよい。
【0023】
また、本発明による輝度傾斜センサー回路は、電源回路の高圧側端子と低圧側端子との間に接続された放電管の前記高圧側端子より流入する高圧側電流値と前記低圧側端子より流出する低圧側電流値のいずれか一方を希望値近傍に安定させる機能を有する電源回路において使用されるセンサー回路であって、前記高圧側電流値と前記低圧側電流値の他方の電流値を検知し、該他方の電流値が予め設定してある範囲から外れた場合に輝度傾斜が発生したと判定し、その結果を前記電源回路に出力することを特徴としてもよい。このとき、前記高圧側電流値に依存して変化する第一の電圧値、または、前記低圧側電流値に依存して変化する第二の電圧値を検知することにより、前記他方の電流値を検知してもよい。
【0024】
また、本発明による電源回路は、高圧側端子と低圧側端子との間に接続された放電管の前記低圧側端子より流出する低圧側電流値を希望値近傍に安定させる機能を有する電源回路において、前記高圧側端子より流入する高圧側電流値に依存して変化する電圧値を検知し、該電圧値が予め設定してある高圧側電流値に対応する電圧値以上の値を示した場合に輝度傾斜が発生したと判定しその結果を出力する輝度傾斜センサー回路を備え、該輝度傾斜センサー回路より前記輝度傾斜が発生したと判定された結果が出力されたとき出力を停止することを特徴とする。
【0025】
または、本発明による電源回路は、入力交流電圧が印加される一次電極と該一次電極と絶縁され出力交流電圧を出力する二次電極とを有する昇圧トランスと、該昇圧トランスの前記一次電極に必要な交流波形を出力して駆動する駆動回路と、該駆動回路に前記交流波形の周波数信号を出力する周波数掃引発振器と、前記昇圧トランスの二次電極に一方の端子が接続された放電管と、該放電管の他方の端子から流出された低圧側電流を入力して電圧に変換しその値を予め設定してある第1の基準電圧と比較して前記周波数掃引発振器の周波数の掃引方向を決定する信号を与える負荷電流比較回路と、前記昇圧トランスの二次電極からの出力を入力して分圧整流しその値を予め設定してある第2の基準電圧と比較した結果により前記周波数掃引発振器の周波数の掃引方向を決定する信号を与える出力電圧比較回路と、前記昇圧トランスを時分割駆動するために前記駆動回路に対し駆動及び駆動停止の信号を出力する時分割駆動制御回路と、該時分割駆動制御回路の出力信号を入力し前記昇圧トランスの出力電圧と予め設定してある第3の基準電圧を比較した結果を前記駆動回路に出力する出力電圧判定回路とを備え、前記低圧側電流の値を希望値近傍に安定させる機能を有する電源回路において、前記放電管の前記時分割駆動における点灯期間中に前記昇圧トランスの出力電圧値が予め設定してある値以下となった場合に前記駆動回路を停止させることを特徴とする。このとき、前記昇圧トランスは圧電トランスであってもよい。
【0026】
また、本発明の電源回路は、高圧側端子と低圧側端子との間に接続された放電管の前記低圧側端子より流出する低圧側電流値を希望値近傍に安定させる機能を有する電源回路において、前記放電灯の点灯周波数に依存して変化する電圧値を検知し、該電圧値が予め設定してある周波数以下の値に対応する電圧値を示した場合に輝度傾斜が発生したと判定しその結果を出力する輝度傾斜センサー回路を備え、該輝度傾斜センサー回路より前記輝度傾斜が発生したと判定された結果が出力されたとき出力を停止することを特徴としてもよい。
【0027】
また、本発明の電源回路は、入力交流電圧が印加される一次電極と該一次電極と絶縁され出力交流電圧を出力する二次電極とを有する昇圧トランスと、該昇圧トランスの前記一次電極に必要な交流波形を出力して駆動する駆動回路と、該駆動回路に前記交流波形の周波数信号を出力する周波数掃引発振器と、前記昇圧トランスの二次電極に一方の端子が接続された放電管と、該放電管の他方の端子から流出された低圧側電流を入力して電圧に変換しその値を予め設定してある第1の基準電圧と比較して前記周波数掃引発振器の周波数の掃引方向を決定する信号を与える負荷電流比較回路と、前記昇圧トランスの二次電極からの出力を入力し分圧整流しその値を予め設定してある第2の基準電圧と比較した結果により前記周波数掃引発振器の周波数の掃引方向を決定する信号を与える出力電圧比較回路と、前記昇圧トランスを時分割駆動するために前記駆動回路に対し駆動及び駆動停止の信号を出力する時分割駆動制御回路と、前記周波数掃引発振器から出力される該周波数掃引発振器の周波数に対応する電圧値を入力しその値を予め設定してある第4の基準電圧と比較した結果を前記駆動回路に出力する周波数判定回路とを備え、前記低圧側電流の値を希望値近傍に安定させる機能を有する電源回路において、前記放電管の点灯周波数が予め設定してある値以下となった場合に前記駆動回路を停止させることを特徴としてもよく、このとき前記昇圧トランスは圧電トランスであってもよい。
【発明の効果】
【0028】
上記のように、本発明により、放電管の低圧側電流値と高圧側電流値の差を直接的またはそれらに対応する電圧値、または周波数値から間接的に検知し、その検知結果により輝度傾斜の発生を判定し、その結果を電源回路に出力する輝度傾斜センサー回路が得られ、さらに、その輝度傾斜センサー回路からの出力により、放電管に著しい輝度傾斜が発生した時には昇圧トランスの駆動回路の出力を停止することができる電源回路が得られる。すなわち、点灯装置の輝度傾斜を検知して、その結果を電源回路に出力する輝度傾斜センサー回路、および、著しい輝度傾斜の発生および輝度傾斜の発生による回路の損傷を防止することが可能な電源回路が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、本発明による電源回路の第1の実施の形態を示すブロック図である。ここで、本実施の形態は、図3に示した従来の回路と基本的な回路構成は同じであり、入力交流電圧が印加される一次電極106と一次電極106と絶縁され出力交流電圧を出力する二次電極107とを有する圧電トランス102と、圧電トランス102の一次電極106に必要な交流波形を出力して駆動する駆動回路201と、駆動回路201に前記交流波形の周波数信号を出力する周波数掃引発振器205と、圧電トランス102の二次電極107に一方の端子である負荷高圧側端子108が接続された負荷103である放電管と、その放電管の他方の端子である負荷低圧側端子109から流出された低圧側電流を入力して電圧に変換し、その値を予め設定してある第1の基準電圧と比較して周波数掃引発振器205の周波数の掃引方向を決定する信号を与える負荷電流比較回路3104と、圧電トランス102の二次電極107からの出力を入力して分圧整流し、その値を予め設定してある第2の基準電圧と比較した結果により周波数掃引発振器205の周波数の掃引方向を決定する信号を与える出力電圧比較回路3206と、圧電トランス102を時分割駆動するために駆動回路201に対し駆動及び駆動停止の信号を出力する時分割駆動制御回路306とを備え、低圧側電流の値を希望値近傍に安定させる機能を有している。
【0031】
但し、本実施の形態においては、時分割駆動制御回路306の出力信号を入力し圧電トランス102の出力電圧と予め設定してある第3の基準電圧VrefB301を比較した結果を駆動回路201に出力する出力電圧判定回路207を有している点が異なる。さらに、放電管の時分割駆動における点灯期間中に圧電トランス102の出力電圧値が第3の基準電圧VrefB301以下となった場合に駆動回路201を停止させる機能を有している。これらについて、以下、詳細に説明する。
【0032】
出力圧電判定回路207の一実施例のブロック図を図13に示す。圧電トランスの二次電極107から分圧・整流回路15へ入力する。分圧・整流回路15では圧電トランスの出力電圧を分圧後整流しその出力を比較器20の反転入力端子に入力する。比較器20の非反転入力端子へは基準電圧VrefB301を入力する。
【0033】
図14に、放電管の一種である冷陰極管における放電管電流、すなわち高圧側電流の変化に対する放電管電圧、すなわち高圧側電圧の変化の一例を示す。通常使用する範囲では負性インピーダンスを持つため、高圧側電流が増加すれば高圧側電圧は減少する傾向にある。従って放電管の低圧側電流の値を希望値近傍に安定させる電源回路を使用する場合、前述のように負荷103と反射板51の間隔が所望値となっている場合の高圧側電流よりも負荷103と反射板51の間隔が所望値未満となっている場合の高圧側電流のほうが大きいので、負荷103と反射板51の間隔が所望値となっている場合の高圧側電圧よりも負荷103と反射板51の間隔が所望値未満となっている場合の高圧側電圧のほうが小さくなる。よって、基準電圧VrefB301の値は、負荷である放電管の個体毎のばらつきも考慮したうえで、負荷103と反射板51の間隔が所望値となっている場合に比較器20の反転入力端子に入力される電圧値よりも低い値を設定する。これにより、負荷103と反射板51の間隔が所望値よりも下回り、高圧側電流が増加し高圧側電圧が減少し、設定された基準電圧VrefB301の値を下回った場合には、比較器20の反転入力端子に入力される電圧値は非反転入力端子に入力される電圧値を下回り、比較器20はハイレベルの信号を出力し、駆動回路201に対し駆動停止の信号を出力する。
【0034】
電源回路全体が動作開始する以前に比較器20が動作しないようにするために、比較器20の電源は電源回路全体を動作させる主電源に接続する。更に好ましくは、電源回路が動作開始してから比較機20が信号出力するまでには数百μ秒〜数m秒の時間遅れがあることが望ましいため、主電源が投入されてから比較器20の電源に電力を供給するまでに数百μ秒〜数m秒の遅れを発生させるためのタイマー回路14を挿入する。
【0035】
時分割駆動時の点灯停止期間には、負荷高圧側端子108には電圧も電流も印加されないため、この期間の誤動作を防止するために比較器20出力と駆動回路201の間にスイッチ17を挿入する。このスイッチ17は、時分割駆動制御回路306の出力を受け点灯期間のみ導通する機能を有し、バイポーラトランジスタやFETなどで構成可能である。
【0036】
以上の構成により負荷103と反射板51の間隔が所望値未満となっている場合、放電管の低圧側電流値を希望値近傍に安定させる電源回路において、高圧側電流値が増大し高圧側電圧値が減少していることで点灯装置に輝度傾斜が発生していることを検出し、駆動回路201の出力を停止することで著しい傾斜輝度の発生を防ぎ、電源回路の破壊を防止する。
【0037】
図2は、本発明による電源回路の第2の実施の形態を示すブロック図である。ここで、本実施の形態は、図3に示した従来の回路と基本的な回路構成は同じであり、入力交流電圧が印加される一次電極106と一次電極106と絶縁され出力交流電圧を出力する二次電極107とを有する圧電トランス102と、圧電トランス102の一次電極106に必要な交流波形を出力して駆動する駆動回路201と、駆動回路201に前記交流波形の周波数信号を出力する周波数掃引発振器205と、圧電トランス102の二次電極107に一方の端子である負荷高圧側端子108が接続された負荷103である放電管と、その放電管の他方の端子である負荷低圧側端子109から流出された低圧側電流を入力して電圧に変換しその値を予め設定してある第1の基準電圧と比較して周波数掃引発振器205の周波数の掃引方向を決定する信号を与える負荷電流比較回路3104と、圧電トランス102の二次電極107からの出力を入力して分圧整流しその値を予め設定してある第2の基準電圧と比較した結果により周波数掃引発振器205の周波数の掃引方向を決定する信号を与える出力電圧比較回路3206と、圧電トランス102を時分割駆動するために駆動回路201に対し駆動及び駆動停止の信号を出力する時分割駆動制御回路306とを備え、低圧側電流の値を希望値近傍に安定させる機能を有している。
【0038】
但し、本実施の形態においては、周波数掃引発振器205から出力される周波数掃引発振器205の周波数に対応する電圧値を入力しその値を予め設定してある第4の基準電圧VrefB401と比較した結果を駆動回路201に出力する周波数判定回路208を備え、さらに、放電管の点灯周波数が予め設定してある値以下となった場合に駆動回路201を停止させる機能を有している。これらについて、以下詳細に説明する。
【0039】
周波数判定回路208の一実施例を図15に示す。比較器21の反転入力端子へは基準電圧VrefB401を入力する。比較器21の非反転入力端子には周波数掃引発振器205の周波数に対応する電圧値として図8に示した積分器25の出力を接続する。
【0040】
周波数掃引発振器205に含まれるVCO27の動作は前述したとおりなので、積分器25の出力電圧に対するVCO27の発振周波数の関係は図16のとおりとなり、積分器25の出力電圧が増加すればVCO27の発振周波数は低下する。
【0041】
放電管の低圧側電流値を希望値近傍に安定させる電源回路を使用する場合、前述のように負荷103と反射板51の間隔が所望値となっている場合の負荷高圧側電流値よりも負荷103と反射板51の間隔が所望値未満となっている場合の負荷高圧側電流値のほうが大きい。これは図4に示す圧電トランス特性の最も出力電力の大きい周波数よりも高い周波数で駆動する回路においては、負荷103と反射板51の間隔が所望値となっている場合の周波数よりも負荷103と反射板51の間隔が所望値未満となっている場合の周波数のほうが低い周波数で放電管を点灯させることになる。従って、負荷103と反射板51の間隔が所望値となっている場合の積分器25出力電圧よりも負荷103と反射板51の間隔が所望値未満となっている場合の積分器25の出力電圧のほうが高い電圧値となる。よって、基準電圧VrefB401の電圧値は、放電管の個体毎のばらつきも考慮したうえで、負荷103と反射板51の間隔が所望値となっている場合に比較器21非反転入力端子に入力される電圧値より高い値を設定する。これにより、負荷103と反射板51の間隔が所望値よりも下回り、負荷の高圧側電流値が増加し積分器25出力電圧が増加しVCO27発振周波数が低下し、積分器25の出力電圧が設定された基準電圧VrefB401の値を下回った場合には、比較器21の非反転入力端子に入力される電圧値は反転入力端子に入力される電圧値を上回り、比較器21出力はハイレベルの信号を出力し、駆動回路201に対し駆動停止の信号を出力する。
【0042】
以上の構成により負荷103と反射板51の間隔が所望値未満となっている場合、放電灯の低圧側電流値を希望値近傍に安定させる電源回路において、放電管の点灯周波数が予め設定してある値以下となったことを、放電管の点灯周波数に依存して変化する電圧値を検知することにより検知し、これにより点灯装置に輝度傾斜が発生していることを検出し、出力を停止することで著しい傾斜輝度の発生を防ぎ、電源回路の破壊を防止する。
【0043】
上記の第1の実施の形態においては、出力電圧判定回路207を構成要素とする輝度傾斜センサー回路を有し、高圧側電流値と前記低圧側端子より流出する低圧側電流値との差を検知する手段として高圧側電流値に依存して変化する電圧値を検知して輝度傾斜の発生を判定し、第2の実施形態においては、周波数判定回路208を構成要素とする輝度傾斜センサー回路を有し、点灯周波数に依存して変化する電圧値を検知して輝度傾斜の発生を判定しているが、本発明においては、カレントトランス等を使用して高圧側電流値を直接検知して判定することも可能である。
【0044】
また、上記の実施の形態においては、低圧側電流値を希望値近傍に安定させる電源回路となっているが、本発明においては、高圧側電流値を希望値近傍に安定させる電源回路であってもよく、この場合、低圧側電流値、または低圧側電流値に依存して変化する電圧値を検知して輝度傾斜の発生を判定してもよい。
【0045】
また、圧電トランスの代わりに電磁トランスを昇圧トランスとして用いることも可能であり、その場合にも図4に示した特性と類似の周波数特性が得られる場合があるので、本発明を有効に利用し、著しい傾斜輝度の発生を防ぎ、電源回路の破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明による電源回路の第1の実施の形態を示すブロック図。
【図2】本発明による電源回路の第2の実施の形態を示すブロック図。
【図3】圧電トランスを用いた従来の電源回路のブロック図。
【図4】圧電トランスの入力周波数に対する出力電力および効率の一般的な依存性を示す図。
【図5】負荷電流を希望値近傍に安定させる動作における駆動周波数と負荷電流の時間的な変化の一例を示す図。
【図6】負荷電流が最初の周波数掃引動作で希望負荷電流値に到達しない場合の駆動周波数と負荷電流の時間的な変化の一例を示す図。
【図7】負荷オープン時に出力電圧が上昇した場合の駆動周波数と出力電圧の時間的な変化の一例を示す図。
【図8】周波数制御回路を示すブロック図。
【図9】VCOの回路の一例を示す回路図。
【図10】VCOの動作を示すタイミングチャート。
【図11】放電管を配置した点灯装置を示す図。
【図12】放電管を配置した点灯装置に寄生する容量を示す図。
【図13】出力電圧判定回路の一実施例を示すブロック図。
【図14】冷陰極管におけ高圧側電流に対する高圧側電圧の変化の一例を示す図。
【図15】周波数判定回路の一実施例を示す回路図。
【図16】積分器の出力電圧に対するVCOの発振周波数の関係を示す図。
【符号の説明】
【0047】
14 タイマー回路
15 分圧・整流回路
17、41、42、43、44 スイッチ
20、21、24、26、38 比較器
22 電流電圧変換回路
23 整流回路
25 積分器
27 VCO
28 周波数制御回路
34、35,36,37,50 定電流源
39 抵抗
40 コンデンサ
51 反射板
102 圧電トランス
103 負荷
106 一次電極
107 二次電極
108 負荷高圧側端子
109 負荷低圧側端子
201 駆動回路
205 周波数掃引発振器
207 出力電圧判定回路
208 周波数判定回路
306 時分割駆動制御回路
3104 負荷電流比較回路
3206 出力電圧比較回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源回路の高圧側端子と低圧側端子との間に接続された放電管の前記高圧側端子より流入する高圧側電流値と前記低圧側端子より流出する低圧側電流値との差が予め設定してある値以上になった場合に輝度傾斜が発生したと判定し、その結果を前記電源回路に出力することを特徴とする輝度傾斜センサー回路。
【請求項2】
前記高圧側電流値と低圧側電流値とを検知することにより、前記高圧側電流値と前記低圧側電流値の差を検知することを特徴とする請求項1に記載の輝度傾斜センサー回路。
【請求項3】
前記高圧側電流値に依存して変化する第一の電圧値と前記低圧側電流値に依存して変化する第二の電圧値とを検知することにより、前記高圧側電流値と前記低圧側電流値の差を検知することを特徴とする請求項1に記載の輝度傾斜センサー回路。
【請求項4】
電源回路の高圧側端子と低圧側端子との間に接続された放電管の前記高圧側端子より流入する高圧側電流値と前記低圧側端子より流出する低圧側電流値のいずれか一方を希望値近傍に安定させる機能を有する電源回路において使用されるセンサー回路であって、前記高圧側電流値と前記低圧側電流値の他方の電流値を検知し、該他方の電流値が予め設定してある範囲から外れた場合に輝度傾斜が発生したと判定し、その結果を前記電源回路に出力することを特徴とする輝度傾斜センサー回路。
【請求項5】
前記高圧側電流値に依存して変化する第一の電圧値、または、前記低圧側電流値に依存して変化する第二の電圧値を検知することにより、前記他方の電流値を検知することを特徴とする請求項4に記載の輝度傾斜センサー回路。
【請求項6】
高圧側端子と低圧側端子との間に接続された放電管の前記低圧側端子より流出する低圧側電流値を希望値近傍に安定させる機能を有する電源回路において、前記高圧側端子より流入する高圧側電流値に依存して変化する電圧値を検知し、該電圧値が予め設定してある高圧側電流値に対応する電圧値以上の値を示した場合に輝度傾斜が発生したと判定しその結果を出力する輝度傾斜センサー回路を備え、該輝度傾斜センサー回路より前記輝度傾斜が発生したと判定された結果が出力されたとき出力を停止することを特徴とする電源回路。
【請求項7】
入力交流電圧が印加される一次電極と該一次電極と絶縁され出力交流電圧を出力する二次電極とを有する昇圧トランスと、該昇圧トランスの前記一次電極に必要な交流波形を出力して駆動する駆動回路と、該駆動回路に前記交流波形の周波数信号を出力する周波数掃引発振器と、前記昇圧トランスの二次電極に一方の端子が接続された放電管と、該放電管の他方の端子から流出された低圧側電流を入力して電圧に変換しその値を予め設定してある第1の基準電圧と比較して前記周波数掃引発振器の周波数の掃引方向を決定する信号を与える負荷電流比較回路と、前記昇圧トランスの二次電極からの出力を入力して分圧整流しその値を予め設定してある第2の基準電圧と比較した結果により前記周波数掃引発振器の周波数の掃引方向を決定する信号を与える出力電圧比較回路と、前記昇圧トランスを時分割駆動するために前記駆動回路に対し駆動及び駆動停止の信号を出力する時分割駆動制御回路と、該時分割駆動制御回路の出力信号を入力し前記昇圧トランスの出力電圧と予め設定してある第3の基準電圧を比較した結果を前記駆動回路に出力する出力電圧判定回路とを備え、前記低圧側電流の値を希望値近傍に安定させる機能を有する電源回路において、前記放電管の前記時分割駆動における点灯期間中に前記昇圧トランスの出力電圧値が予め設定してある値以下となった場合に前記駆動回路を停止させることを特徴とする電源回路。
【請求項8】
前記昇圧トランスは圧電トランスであることを特徴とする請求項7に記載の電源回路。
【請求項9】
高圧側端子と低圧側端子との間に接続された放電管の前記低圧側端子より流出する低圧側電流値を希望値近傍に安定させる機能を有する電源回路において、前記放電灯の点灯周波数に依存して変化する電圧値を検知し、該電圧値が予め設定してある周波数以下の値に対応する電圧値を示した場合に輝度傾斜が発生したと判定しその結果を出力する輝度傾斜センサー回路を備え、該輝度傾斜センサー回路より前記輝度傾斜が発生したと判定された結果が出力されたとき出力を停止することを特徴とする電源回路。
【請求項10】
入力交流電圧が印加される一次電極と該一次電極と絶縁され出力交流電圧を出力する二次電極とを有する昇圧トランスと、該昇圧トランスの前記一次電極に必要な交流波形を出力して駆動する駆動回路と、該駆動回路に前記交流波形の周波数信号を出力する周波数掃引発振器と、前記昇圧トランスの二次電極に一方の端子が接続された放電管と、該放電管の他方の端子から流出された低圧側電流を入力して電圧に変換しその値を予め設定してある第1の基準電圧と比較して前記周波数掃引発振器の周波数の掃引方向を決定する信号を与える負荷電流比較回路と、前記昇圧トランスの二次電極からの出力を入力し分圧整流しその値を予め設定してある第2の基準電圧と比較した結果により前記周波数掃引発振器の周波数の掃引方向を決定する信号を与える出力電圧比較回路と、前記昇圧トランスを時分割駆動するために前記駆動回路に対し駆動及び駆動停止の信号を出力する時分割駆動制御回路と、前記周波数掃引発振器から出力される該周波数掃引発振器の周波数に対応する電圧値を入力しその値を予め設定してある第4の基準電圧と比較した結果を前記駆動回路に出力する周波数判定回路とを備え、前記低圧側電流の値を希望値近傍に安定させる機能を有する電源回路において、前記放電管の点灯周波数が予め設定してある値以下となった場合に前記駆動回路を停止させることを特徴とする電源回路。
【請求項11】
前記昇圧トランスは圧電トランスであることを特徴とする請求項10に記載の電源回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−97737(P2010−97737A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−265868(P2008−265868)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】