説明

農産物の包装装置

【課題】多数の農産物貯留コンベアが並列に設置された場合であっても、設置コストの増大を抑制することができる農産物の包装装置を提供する。
【解決手段】所定寸法離間して複数並列に配設され、それぞれが農産物Nを順次搬送する農産物貯留コンベア4と、該農産物貯留コンベアNの上方で略直交した方向に延びて空の包装箱Hを順次搬送する空箱搬送コンベア7と、農産物貯留コンベア4の下流側にそれぞれに配設されて包装箱Hに農産物Nを箱詰めするための箱詰め部6とを具備した農産物の包装装置において、隣接する箱詰め部6の略中間に位置する空箱取出部8aから空箱搬送コンベア7まで傾斜しつつ延びた空箱供給ライン8と、空箱搬送コンベア7で搬送される包装箱Hを当該空箱供給ライン8に順次送り出す空箱送出手段11とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば野菜や果実等の農産物を包装箱に収容して箱詰めすべく、農産物及び空の包装箱をそれぞれ順次搬送するための農産物の包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、選別装置から仕分け排出された農産物と、空の包装箱とをそれぞれ順次搬送し、当該包装箱に農産物を収容して箱詰めするための農産物の包装装置は、例えば特許文献1にて開示されている。かかる農産物の包装装置は、空の包装箱を載置して作業者が箱詰め作業し得る箱詰め部(箱詰め台)を具備しており、当該箱詰め部に向かって、農産物を搬送する農産物貯留コンベア(引き出しコンベア)と、空箱供給コンベア(滑り台)とが延設されていた。
【特許文献1】特開昭63−12421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の農産物の包装装置は、農産物貯留コンベアが所定寸法離間して複数並列に配設され、仕分け排出された農産物を貯留するとともに、当該農産物貯留コンベアのそれぞれに箱詰め部が配置されたものに適用した場合、当該箱詰め部それぞれに対して空箱供給コンベアを設置しなければならず、設置コストが嵩んでしまうという問題があった。即ち、多数の農産物貯留コンベアが並列に設置された場合、各農産物貯留コンベア毎に配設された箱詰め部の数だけ空箱供給コンベアが必要となり、設置コスト(イニシャルコスト及びランニングコスト等)が嵩んでしまうのである。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、多数の農産物貯留コンベアが並列に設置された場合であっても、設置コストの増大を抑制することができる農産物の包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、農産物を所定の仕分区分別に仕分ける選別コンベアと、該選別コンベアと直交する方向に且つ所定寸法離間して複数並列に配設され、前記選別コンベアから仕分けられた農産物を貯留する農産物貯留コンベアと、該農産物貯留コンベアの上方で略直交する方向に配設され、当該農産物貯留コンベアで貯留された農産物を箱詰めするための空の包装箱を順次搬送する空箱搬送コンベアと、前記農産物貯留コンベアの下流側にそれぞれに配設され、前記包装箱を載置し得るとともに、その包装箱に前記農産物貯留コンベアに貯留された農産物を箱詰めするための箱詰め部とを具備した農産物の包装装置において、隣接する箱詰め部の略中間に位置する空箱取出部から前記空箱搬送コンベアまで傾斜しつつ延びた空箱供給ラインと、前記空箱搬送コンベアで搬送される包装箱を当該空箱供給ラインに順次送り出す空箱送出手段とを備え、該空箱送出手段により送り出された包装箱を前記空箱供給ラインを介して前記空箱取出部まで供給することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の農産物の包装装置において、前記空箱供給ラインは、前記空箱搬送コンベアと略平行な方向に延設されたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の農産物の包装装置において、前記空箱供給ラインは、前記空箱搬送コンベアと略直交する方向に延設されたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の農産物の包装装置において、前記空箱供給ラインの上流端に配設され、前記空箱送出手段で送り出された包装箱を略水平状態で受けた後、傾斜させて前記空箱供給ライン上で滑動させる空箱受け手段を具備したことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の農産物の包装装置において、前記空箱供給ラインにおける空箱取出部には、包装箱の側面に所定の印字を行い得る印字手段が設けられたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の農産物の包装装置において、前記印字手段は、包装箱の側面に印字面を押圧して所定の印字を行い得るスタンプから成るとともに、当該包装箱におけるスタンプの押圧面と反対の面を支持する段差が前記空箱供給ラインにおける前記空箱取出部の搬送面に形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6記載の農産物の包装装置において、前記印字手段は、複数種の印字を選択的に行い得ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、空箱供給ラインの下流の空箱取出部を、隣接する箱詰め部の略中間の位置に設け、空箱送出手段にて空箱搬送コンベアで搬送される包装箱を当該空箱供給ラインに順次送り出しするので、隣接する箱詰め部を1組として空箱取出部を共有させることができる。従って、多数の農産物貯留コンベアが並列に設置された場合であっても、設置コストの増大を抑制することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、空箱供給ラインは、空箱搬送コンベアと略平行な方向に延設されているので、包装箱に対する空箱搬送コンベアにおける搬送方向と空箱供給ラインにおける搬送方向とを同一とすることができる。また、空箱供給コンベアの側方から空の包装箱を取り出すことができるため、共有する空箱取出部からの包装箱の取り出しを容易に行うことができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、空箱供給ラインは、空箱搬送コンベアと略直交する方向に延設されているので、当該空箱供給ラインの延設寸法を大きく設定することができ、傾斜角度を緩やかに設定することができるとともに、途中において比較的多くの包装箱を貯留させることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、空箱受け手段にて空箱送出手段で送り出された包装箱を略水平状態で受けた後、傾斜させて空箱供給ライン上で滑動させるので、空箱供給ラインの傾斜角度が大きい場合であっても、包装箱を空箱搬送コンベアから空箱供給ラインへスムーズに送出することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、空箱供給ラインにおける空箱取出部には、包装箱の側面に所定の印字を行い得る印字手段が設けられているので、例えば箱詰めされる農産物の種類や等級、階級などを確実に包装箱に印字して表示させることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、印字手段は、包装箱の側面に印字面を押圧して所定の印字を行い得るスタンプから成るとともに、当該包装箱におけるスタンプの押圧面と反対の面を支持する段差が空箱供給ラインにおける空箱取出部の搬送面に形成されているので、スタンプの押圧時に包装箱が逃げてしまうのを回避し、確実に印字を行わせることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、印字手段は、複数種の印字を選択的に行い得るので、例えば隣接する箱詰め部に対応した任意の印字を容易に行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る農産物の包装装置は、例えば野菜や果実等の農産物を包装箱に収容して箱詰めすべく、農産物及び空の包装箱をそれぞれ順次搬送するためのものであり、図1〜図4に示すように、選別コンベア1と、農産物貯留コンベア4と、箱詰め部6と、空箱搬送コンベア7と、空箱供給ライン8と、空箱受け手段9と、空箱送出手段11と、印字手段16とから主に構成されている。
【0020】
選別コンベア1は、農産物N(例えばりんご等)を載置させたトレイTを搬送させる搬送コンベアから成り、搬送途中に外観測定手段2及び内部品質測定手段3が配設されている。同図中符号Aは、トレイTに農産物Nを載置させる供給部を示しているとともに、符号10は、選別コンベア1から排出される農産物Nが載置されていないトレイTを迂回搬送するための空トレイ用コンベアを示している。
【0021】
農産物貯留コンベア4は、仕分排出領域の選別コンベア1と直交する方向に所定寸法離間して複数並列に配設され、選別コンベア1から排出されたトレイTに載置される農産物Nを貯留するよう構成されたもので、各農産物貯留コンベア4の上流側には振分手段5が配設され、外観測定手段2及び内部品質測定手段3で得られた測定値に基づき判定された仕分区分別に、選別コンベア1を搬送される農産物Nを所定の農産物貯留コンベア4に排出して選別を行うよう構成されている。
【0022】
また、農産物貯留コンベア4は、同図中左右2つのライン(右ライン4a及び左ライン4b)を並設して具備しており、振分手段5は、所定の仕分区分に応じて農産物Nを左右何れかのライン(4a、4b)に搬送するよう構成されている。更に、各農産物貯留コンベア4の下流側には、包装箱Hを載置し得るとともに、その包装箱Hに農産物Nを作業者が箱詰めするための箱詰め部6が配設され、本実施例ではライン4a、4bの下流側に箱詰め部6が並設されている。
【0023】
かかる箱詰め部6は、図4に示すように、上昇及び下降可能な載置台6aを具備しており、包装箱H内に所定量の農産物Nを収容し終わると、載置台6aが下降し、製品搬送コンベア24にて当該農産物Nが収容された包装箱Hを搬送し得るよう構成されている。そして、載置台6aを再び上昇させ、空の包装箱Hを載置した後、その包装箱Hに農産物貯留コンベア4に貯留される農産物Nを収容することとなる。
【0024】
空箱搬送コンベア7は、農産物貯留コンベア4の上方で交差して該農産物貯留コンベア4と略直交した方向に配設され、当該農産物貯留コンベア4に貯留された農産物Nを収容するための空の包装箱Hを順次搬送するための搬送コンベアから成る。即ち、空箱搬送コンベア7は、仕分排出領域の選別コンベア1と略平行な方向に設けられ、農産物貯留コンベア4よりも高い位置に懸架され、全ての農産物貯留コンベア4の上方を横切るよう延設されているのである。尚、搬送される空の包装箱Hは、空箱搬送コンベア7の上流側で組み立てられ、農産物Nを収容し得る状態(上蓋が閉じられていない状態)とされている。
【0025】
空箱供給ライン8は、空箱搬送コンベア7と並設しつつ略平行な方向に延設されたもので、図2及び図3で示すように、隣接する箱詰め部6の略中間に位置する空箱取出部8aから空箱搬送コンベア7まで傾斜しつつ延びた搬送ラインから成る。具体的には、空箱供給ライン8は、その上流端が空箱搬送コンベア7と略同一高さとされて接続されるとともに、そこから下方に傾斜して下流端に至る搬送路が形成されているのである。これにより並列した農産物貯留コンベア4の間の高い位置で包装箱Hが待機することとなる。また、空箱供給ライン8の搬送面は平面とされており、上流側の包装箱Hが重力にて滑動し、下流端の空箱取出部8aに至るよう構成されている。
【0026】
空箱取出部8aは、隣接する箱詰め部6の間であって、互いの箱詰め部6からの距離が略等しくなる位置となるよう設定されており、これにより、隣接する(空箱取出部8aの両側に位置する)箱詰め部6を1組として空箱取出部8aを共有させることができる。即ち、隣接する箱詰め部6でそれぞれ箱詰め作業する作業者は、その間に位置する1の空箱取出部8aから空の包装箱Hをそれぞれ取り出すことができ、取り出した包装箱Hを自分が担当する箱詰め部6の載置台6aに載置することができるのである。
【0027】
更に、空箱供給ライン8における空箱取出部8aの終端には、包装箱Hの更なる滑動を規制する規制板材15が形成されるとともに、包装箱Hの側面に所定の印字を行い得る印字手段16が設けられている。かかる印字手段16は、図5に示すように、選択用シリンダ17と、該選択用シリンダ17により上下動するフレーム18と、該フレーム18に固定された一対のスタンプ用シリンダ19、20と、所定の印字が可能なスタンプ21、22とから主に構成されている。
【0028】
また、規制板材15の略中央には貫通孔15aが形成されており、該貫通孔15aを介してスタンプ21又は22が選択的に包装箱Hの側面に押圧されて印字し得るようになっている。スタンプ21、22は、対応する箱詰め部6にて箱詰めされる農産物Nの種類や等級などを文字又は記号として印字し表示し得るものであり、複数種(本実施形態の場合は2種類)の印字を選択的に行い得るよう、印字が異なる(2つの)ものが用意されている。
【0029】
即ち、印字手段16は、一対の操作ボタン23の操作に応じて制御されるものであり、例えば左側の操作ボタン23が操作されると、スタンプ22が貫通孔15aに臨ませた状態となるよう選択用シリンダ17が作動した後、スタンプ用シリンダ20が作動してスタンプ22が包装箱Hの側面に押圧されて印字がなされる一方、右側の操作ボタン23が操作されると、スタンプ21が貫通孔15aに臨ませた状態となるよう選択用シリンダ17が作動した後、スタンプ用シリンダ19が作動してスタンプ21が包装箱Hの側面に押圧されて印字がなされる。
【0030】
また、空箱供給ライン8における空箱取出部8aの搬送面には、包装箱Hにおけるスタンプ21、22の押圧面と反対の面(側面)を支持する段差8bが形成されている。即ち、段差8bと規制板材15との間隙は、包装箱Hの外形寸法と略等しくなるよう設定されており、空箱供給ライン8の上流から滑動した包装箱Hが、同図の如く当該段差8bと規制板材15との間に収まるようになっているのである。これにより、スタンプ21又は22の押圧時に包装箱Hが逃げてしまうのを回避し、確実に印字を行わせることができる。また、空箱供給ライン8の搬送路の両側にガイド壁が設けられ、図5に示すように、下流側の空箱取出部8aのガイド壁を低くして、作業者が包装箱Hを側方から容易に取り出すことができるようにしている。
【0031】
一方、空箱送出手段11は、空箱搬送コンベア7で搬送される包装箱Hを空箱供給ライン8に順次送り出すものであり、送り出された包装箱Hは、空箱供給ライン8を滑動して空箱取出部8aまで供給される。かかる空箱送出手段11は、図2及び図4に示すように、空箱搬送コンベア7の搬送面上に選択的に突出又は没入し得るストッパ12と、シリンダ13と、該シリンダ13の駆動により動作する押出し部14とから主に構成されている。
【0032】
そして、ストッパ12が空箱搬送コンベア7の搬送面上に突出して包装箱Hの搬送を停止させた状態で、シリンダ13が駆動されると、その作動ロッドに接続された押出し部14が停止した包装箱Hの側面を押圧し、空箱供給ライン8の上流端側(具体的には後述する空箱受け手段9上)に送り出すようになっている。尚、包装箱Hの移送後は、ストッパ12が没入しつつ押出し部14が元の位置となるまでシリンダ13が駆動する。
【0033】
空箱受け手段9は、空箱供給ライン8の上流端に配設され、空箱送出手段11で送り出された包装箱Hを略水平状態で受けた後、傾斜させて空箱供給ライン8上で滑動させるものである。具体的には、空箱受け手段9は、図3に示すように、シリンダ9aにより、揺動軸Lを中心に水平状態(空箱搬送コンベア7の搬送面と略同一な状態)から傾斜した状態(空箱供給ライン8と略同一角度傾斜した状態)まで揺動可能とされている。
【0034】
これにより、空箱送出手段11で送り出された包装箱Hは、水平状態の空箱受け手段9上に至ることとなり、シリンダ9aの駆動により揺動軸Lを中心に揺動させれば、空箱受け手段9が傾斜し、包装箱Hが自重にて空箱供給ライン8の搬送面に滑り落ちるのである。従って、空箱供給ライン8の傾斜角度が大きい場合であっても、包装箱Hを空箱搬送コンベア7から空箱供給ライン8へスムーズに送出することができる。
【0035】
次に、上記実施形態における作用について説明する。
選別コンベア1を搬送される農産物Nは、外観測定手段2及び内部品質測定手段3にて測定された測定値に基づき判定された仕分区分に応じて振分手段5にて各農産物貯留コンベア4に排出される。農産物貯留コンベア4の左右何れかのライン4a、4bに搬送される農産物Nは、その下流端にて一定量貯留され、作業者により箱詰め部6の包装箱Hに収容される。尚、箱詰めにより空となったトレイTは、ライン4a、4bから折り返し延設された空トレイラインに送り出され、空トレイ用コンベア10にて合流搬送されて供給部Aに返還される。
【0036】
箱詰め作業する作業者は、自分の担当する箱詰め部6に包装箱Hを載置し、その中に農産物Nを所定量収容する。空の包装箱Hは、空箱搬送コンベア7にて搬送され、その途中に配設された複数の空箱送出手段11のうち所定のものの動作により空箱受け手段9上に移送される。空箱受け手段9は、空箱送出手段11で送り出された包装箱Hを略水平状態で受けた後、傾斜させ、空箱供給ライン8上に滑動させる。
【0037】
しかして、空箱供給ライン8上を滑動した包装箱Hは、下流端の規制板材15にて停止し、空箱取出部8aで待機することとなる。尚、それ以降送られた包装箱Hは、空箱供給ライン8上で順次貯留されることとなる。ここで、本実施形態においては、空箱取出部8aが隣接する箱詰め部6の略中間の位置に設けられているため、隣接する箱詰め部6を1組として空箱取出部8aを共有させることができる。
【0038】
即ち、空箱供給ラインが各箱詰め部6のそれぞれに向かって延設されたものに比べ、隣接する箱詰め部6を1組として空箱取出部8aを共有させれば、約半分の空箱供給ラインの設置で済むこととなるので、本実施形態の如く多数の農産物貯留コンベア4が並列に設置された場合であっても、設置コスト(イニシャルコスト及びランニングコスト)の増大を抑制することができる。また、本実施形態によれば、空箱供給ライン8は、空箱搬送コンベア7と略平行な方向に延設されているので、包装箱Hに対する空箱搬送コンベア7における搬送方向と空箱供給ライン8における搬送方向とを同一とすることができる。
【0039】
然るに、作業者が空箱取出部8aにある包装箱Hを取り出す際には、その作業者が箱詰め部6の仕分区分に対応した操作ボタン23を操作することにより、包装箱H側面に所定の印字を行わせる。これにより、例えば箱詰めされる農産物Nの種類や等級階級などの仕分区分を確実に包装箱Hに印字して表示させることができる。また、印字手段16は、複数種の印字を選択的に行い得るので、例えば隣接する箱詰め部6で異なる仕分区分の農産物を箱詰めする場合にも対応した任意の印字を容易に行わせることができる。
【0040】
また、空箱供給ライン8を空箱搬送コンベア7に沿った同一方向に設けたので、空箱供給ライン8の終端側に印字手段16を設けることができ、作業者が側方から包装箱Hを取出す際に、印字手段16が取出し作業の妨げになることがない。さらに、隣接する箱詰め部6の間に、作業者が取出し作業や操作ボタン23の操作などの作業を行うための空間を確保することができる。
【0041】
以上、本実施形態に係る農産物の包装装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図6及び図7に示すように、空箱供給ライン25を、空箱搬送コンベア7と略直交した方向に延設するよう構成してもよい。即ち、空箱供給ライン25は、隣接する箱詰め部6の略中間に位置する空箱取出部25aから空箱搬送コンベア7まで傾斜しつつ、当該空箱搬送コンベア7と略直交する方向に延びて構成され、空箱送出手段11にて送り出された包装箱Hが空箱取出部25aまで滑動するよう構成されているのである。
【0042】
かかる空箱供給ライン25によれば、空箱搬送コンベア7と略直交する方向に延設されているので、当該空箱供給ライン25の延設寸法を大きく設定することができ、傾斜角度を緩やかに設定することができるとともに、途中において比較的多くの包装箱Hを貯留させることができる。即ち、空箱供給ライン25を、少なくとも農産物貯留コンベア4の長手方向の寸法と略等しい長さとすることができるので、比較的大きな延設寸法とすることができるのである。
【0043】
また更に、本実施形態においては、農産物貯留コンベア4が左右のライン4a、4bを有しているが、それぞれの農産物貯留コンベア4が単一のラインで構成されつつ所定寸法離間して複数並列に配設されたものとしてもよい。尚、本実施形態においては、農産物Nの仕分区分に応じて農産物Nを農産物貯留コンベア4の左右のラインに振り分けるようにしているが、同じ仕分区分であれば均等に振り分けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
空箱供給ラインの下流の空箱取出部位を、隣接する箱詰め部の略中間の位置に設け、空箱送出手段にて空箱搬送コンベアで搬送される包装箱を当該空箱供給ラインに順次送り出しする農産物の包装装置であれば、各搬送ラインの配置等が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等または、農産物以外の選別を行わない物品を包装するものにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る農産物の包装装置を示す全体概略図
【図2】同農産物の包装装置における空箱搬送コンベア及び空箱供給ラインの周辺を上面から見た概略図
【図3】同農産物の包装装置における空箱搬送コンベア及び空箱供給ラインの周辺を正面から見た概略図
【図4】同農産物の包装装置における空箱搬送コンベア及び空箱供給ラインの周辺を側面から見た概略図
【図5】同農産物の包装装置における空箱供給ラインの空箱取出部近傍及び印字手段を示す拡大模式図
【図6】本発明の他の実施形態に係る農産物の包装装置を示す全体概略図
【図7】同農産物の包装装置における空箱搬送コンベア及び空箱供給ラインの周辺を側面から見た概略図
【符号の説明】
【0046】
1 選別コンベア
2 外観測定手段
3 内部品質測定手段
4 農産物貯留コンベア
5 振分手段
6 箱詰め部
7 空箱搬送コンベア
8、25 空箱供給ライン
8a、25a 空箱取出部
9 空箱受け手段
10 空トレイ用コンベア
11 空箱送出手段
12 ストッパ
13 シリンダ
14 押出し部
15 規制手段
16 印字手段
17 選択用シリンダ
18 フレーム
19、20 スタンプ用シリンダ
21、22 スタンプ
23 操作ボタン
24 製品搬送コンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農産物を所定の仕分区分別に仕分ける選別コンベアと、
該選別コンベアと直交する方向に且つ所定寸法離間して複数並列に配設され、前記選別コンベアから仕分けられた農産物を貯留する農産物貯留コンベアと、
該農産物貯留コンベアの上方で略直交する方向に配設され、当該農産物貯留コンベアで貯留された農産物を箱詰めするための空の包装箱を順次搬送する空箱搬送コンベアと、
前記農産物貯留コンベアの下流側にそれぞれに配設され、前記包装箱を載置し得るとともに、その包装箱に前記農産物貯留コンベアに貯留された農産物を箱詰めするための箱詰め部と、
を具備した農産物の包装装置において、
隣接する箱詰め部の略中間に位置する空箱取出部から前記空箱搬送コンベアまで傾斜しつつ延びた空箱供給ラインと、
前記空箱搬送コンベアで搬送される包装箱を当該空箱供給ラインに順次送り出す空箱送出手段と、
を備え、該空箱送出手段により送り出された包装箱を前記空箱供給ラインを介して前記空箱取出部まで供給することを特徴とする農産物の包装装置。
【請求項2】
前記空箱供給ラインは、前記空箱搬送コンベアと略平行な方向に延設されたことを特徴とする請求項1記載の農産物の包装装置。
【請求項3】
前記空箱供給ラインは、前記空箱搬送コンベアと略直交する方向に延設されたことを特徴とする請求項1記載の農産物の包装装置。
【請求項4】
前記空箱供給ラインの上流端に配設され、前記空箱送出手段で送り出された包装箱を略水平状態で受けた後、傾斜させて前記空箱供給ライン上で滑動させる空箱受け手段を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の農産物の包装装置。
【請求項5】
前記空箱供給ラインにおける空箱取出部には、包装箱の側面に所定の印字を行い得る印字手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の農産物の包装装置。
【請求項6】
前記印字手段は、包装箱の側面に印字面を押圧して所定の印字を行い得るスタンプから成るとともに、当該包装箱におけるスタンプの押圧面と反対の面を支持する段差が前記空箱供給ラインにおける前記空箱取出部の搬送面に形成されたことを特徴とする請求項5記載の農産物の包装装置。
【請求項7】
前記印字手段は、複数種の印字を選択的に行い得ることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の農産物の包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−68874(P2008−68874A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246336(P2006−246336)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(000137328)株式会社マキ製作所 (48)
【Fターム(参考)】