説明

透明フィルムヒーター、ヒーター機能付きガラス、ヒーター機能付き合わせガラスおよび自動車用窓ガラス

【課題】透明性と発熱機能および柔軟性と加工性に優れた透明フィルムヒーターを提供することにあり、さらには、それを用いた製造コストが改善されたヒーター機能付きガラスを提供する。
【解決手段】透明フィルム基材11の表面に透明発熱層21を有する透明フィルムヒーターにおいて、該透明発熱層が少なくとも金属ナノワイヤ31を含むことを特徴とする透明フィルムヒーター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過視認性と発熱性に優れ、かつ加工性に優れた透明フィルムヒーターおよびそれを用いた製造コストが改善されたヒーター機能付きガラスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、透明フィルムヒーターとしては、PETなどの透明フィルム基材上にITO(インジウムと錫の複合酸化物)や酸化スズ等の金属酸化物の透明発熱層をスパッタリング法など真空成膜法により付設したものが知られている(特許文献1)。しかし、これらは抵抗が大きいため大サイズ化した場合、総抵抗値が大きくなってしまい高圧電源が必要となる。このためこれらの透明フィルムヒーターには実用的なサイズに制限があったり、昇圧トランスなどの高電圧回路が必要となるなどの制約があった。また、比熱が大きいこともヒーター材料としては課題であった。加えて、金属酸化物の透明発熱層は柔軟性に劣るため、曲面を有する基材に貼り付け加工する場合等に、透明発熱層にクラックが発生したり破断を起こしたりする場合が多く適用が困難であった。さらに、透明発熱層の付設には大がかりな真空成膜装置が必要であった。
【0003】
また、透明フィルム基材上に透明発熱層として導電性金属パターン構造を有する透明フィルムヒーターも知られているが(特許文献2)、金属パターンの線幅が広いため透明性や透過視認性に劣り、適用できる用途に制限があった。また、金属パターンを形成するためには露光処理や現像処理、メッキ処理等が必要であり、製造プロセスが煩雑でありコストが高いという問題も有していた。
【0004】
一方、ヒーター機能付きガラスとしては、乗用車やトラック、電車等の車両のフロントガラスやリアガラス、あるいは冷凍ショーケースや建物のガラスの防曇、防霜、除曇、除霜等を目的としたヒーター機能付きガラスが提案されている。従来のヒーター機能付きガラスは、一般に、2枚のガラス基材と、この2枚のガラス基材間に挟持されたポリビニルブチラール等からなる中間膜層と、上記2枚のガラス基材の何れか或いは双方の内側の表面に設けられた透明発熱層と、ガラス基材の周辺部の上下または左右の対向する位置に、透明発熱層に接続されて1対で設けられた通電用電極(バスバー)とから構成されている。
【0005】
上記透明発熱層としては、たとえば、ITOや酸化スズ等の金属酸化物の薄膜や、金、銀などの金属の薄膜が使用されているが、金属酸化物を用いた透明発熱層は導電性が不十分であるため抵抗値が高く、一方、金属の薄膜を用いた透明発熱層は着色していたり反射の影響によって光透過率に劣ることが問題であった。また、これらの付設にはスパッタリング法や蒸着法などの真空成膜法が必要であるため、製造コストが高いという課題も有していた。
【0006】
また、ガラス内にニクロム細線を配置したヒーター機能付きガラスも知られているが、ニクロム細線が透過視認性を阻害することや、比較的大きな電力を必要とするためバッテリーの消耗が大きいことが課題であった。
【特許文献1】特開昭64−38990号公報
【特許文献2】特開2008−77879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、現状の透明フィルムヒーターおよびヒーター機能付きガラスにおける上記課題に鑑み、透明性と発熱機能および柔軟性と加工性に優れた透明フィルムヒーターを提供することにあり、さらには、それを用いた製造コストが改善されたヒーター機能付きガラスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述のように、金属酸化物を透明発熱層に用いた透明フィルムヒーターは、発熱機能や柔軟性、加工性に課題を有する。一方、金属の薄膜や金属パターン構造を透明発熱層に用いたフィルムヒーターは、光透過性に劣ることが課題であった。
【0009】
本発明者は、透明フィルムヒーターの透明発熱層に金属ナノワイヤを適用することによって、さらには、透明発熱層の金属ナノワイヤを配向させて該透明発熱層に異方導電性を付与することによって、透明フィルムヒーターに求められる特性(具体的には透明性、発熱機能、柔軟性、加工性、低コスト)を、従来技術から大きく改良できることを見いだし本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明に係る上記課題は以下の手段により解決される。
1.透明フィルム基材の表面に透明発熱層を有する透明フィルムヒーターにおいて、該透明発熱層が少なくとも金属ナノワイヤを含むことを特徴とする透明フィルムヒーター。
2.前記透明発熱層が異方導電性を有することを特徴とする前記1に記載の透明フィルムヒーター。
3.前記透明発熱層に含まれる金属ナノワイヤが銀ナノワイヤであることを特徴とする前記1または2に記載の透明フィルムヒーター。
4.透明ガラス基材の少なくとも一方の表面に、金属ナノワイヤを含む透明発熱層を有することを特徴とするヒーター機能付きガラス。
5.前記透明ガラス基材の少なくとも一方の表面に、前記1〜3の何れか1項に記載の透明フィルムヒーターを有することを特徴とする前記4に記載のヒーター機能付きガラス。
6.前記透明ガラス基材が曲面部分を有することを特徴とする前記4または5に記載のヒーター機能付きガラス。
7.少なくとも2枚の透明ガラス基材の間に、金属ナノワイヤを含む透明発熱層を有することを特徴とするヒーター機能付き合わせガラス。
8.少なくとも2枚の透明ガラス基材の間に中間膜層を有する合わせガラスであって、該中間膜層に前記1〜3の何れか1項に記載の透明フィルムヒーターを含むことを特徴とする前記7に記載のヒーター機能付き合わせガラス。
9.2枚の透明ガラス基材が曲面部分を有することを特徴とする前記7または8に記載のヒーター機能付き合わせガラス。
10.前記4〜6のいずれか1項に記載のヒーター機能付きガラス、または前記7〜9のいずれか1項に記載のヒーター機能付き合わせガラスを用いることを特徴とする自動車用窓ガラス。
【発明の効果】
【0011】
本発明の上記構成によれば、従来技術の課題であった、透明性、発熱効率、柔軟性、加工性といった特性を何れも満足できる透明フィルムヒーターを得ることができ、その効果として、優れた性能を有しながら低コストのヒーター機能付きガラスを提供することができる。また、本発明の透明フィルムヒーターの製造においては、従来の透明発熱層を形成する際に必要だった真空成膜を必要としないため、生産性を向上できエネルギー使用量も少ないため環境面にも優れた透明フィルムヒーターおよびヒーター機能付きガラスを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の透明フィルムヒーターは、透明フィルム基材上に透明発熱層を有する透明フィルムヒーターであって、該透明発熱層が少なくとも金属ナノワイヤを含むことを特徴としている。この特徴は、請求項1〜12に係る発明に共通する技術的特徴である。
【0013】
なお、本発明において、「透明」とは、JIS K 7361−1(ISO 13468−1に対応)の「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法」に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率が70%以上であることをいう。
【0014】
本発明の透明フィルムヒーターの好ましい態様としては、金属ナノワイヤを含む透明発熱層が異方導電性を有する場合、透明フィルム基材の表面に透明発熱層を有する場合、或いは2枚の透明フィルム基材の間に透明発熱層を有する場合、透明発熱層に含まれる金属ナノワイヤが銀ナノワイヤである場合などを挙げることができる。また、本発明のヒーター機能付きガラスの好ましい態様としては、透明ガラス基材の少なくとも一方の表面に本発明の透明フィルムヒーターを有する場合を挙げることができる。さらに、本発明のヒーター機能付き合わせガラスの好ましい態様としては、中間膜層に本発明の透明フィルムヒーターを含む態様を挙げることができる。
【0015】
本発明の透明フィルムヒーターは柔軟性に優れており、曲面部分を有するガラス基材への加工に好ましく適用することができるため、特に自動車用窓ガラスに好ましく用いることができる。
【0016】
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための好ましい態様等について詳細に説明する。
〔透明フィルム基材〕
本発明の透明フィルムヒーターに用いられる透明フィルム基材としては、高い光透過性を有していればそれ以外に特に制限はなく、その材料、形状、構造、厚み、硬度等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜780nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。また、ヒーター機能付きガラスやヒーター機能付き合わせガラスに用いる場合には、接着性に優れたポリビニルブチラールフィルムを好ましく用いることができる。
【0017】
本発明に用いられる透明フィルム基材には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。透明フィルム基材が二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基材と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。また、透明フィルム基材には必要に応じてバリアコート層が予め形成されていてもよいし、ハードコート層が予め形成されていてもよい。
〔透明発熱層〕
一般に、透明フィルムヒーターの透明発熱層は、導電性材料を含む透明な発熱領域と、該発熱領域の周辺部に該発熱領域に接して付設された少なくとも1対の通電用電極を含み構成される。本発明に係わる透明発熱層においては、導電性材料として少なくとも金属ナノワイヤを含むことを特徴とする。該金属ナノワイヤは、本発明に係わる透明発熱層において導電ネットワーク構造を形成し、該導電ネットワーク構造に通電用電極等を介して通電することによって発熱体として機能することができる。
【0018】
本発明において該透明発熱層は、金属ナノワイヤの他に透明な樹脂成分を含んでいてもよい。該透明な樹脂成分は、金属ナノワイヤのバインダーや保護材料、接着剤として機能させることができる。本発明で用いることができる透明な樹脂成分には特に制限はなく、硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。
【0019】
例えば、硬化性樹脂として、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などが挙げられるが、これらの硬化性樹脂のうちでは、樹脂硬化のための設備が簡易で作業性に優れることから、紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。紫外線硬化性樹脂とは紫外線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂で、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられる。例えば、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂等が挙げられる。本発明では、バインダーとしてアクリル系、アクリルウレタン系の紫外線硬化性樹脂を主成分とすることが好ましい。
【0020】
アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物にさらに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号に記載のものを用いることができる。例えば、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
【0021】
紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151112号に記載のものを用いることができる。
【0022】
紫外線硬化性エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることができ、特開平1−105738号に記載のものを用いることができる。
【0023】
紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
【0024】
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
【0025】
これらの中で、バインダーの主成分として、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレートから選択されるアクリル系の活性線硬化性脂が好ましい。
【0026】
これら紫外線硬化性樹脂の光反応開始剤としては、具体的には、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。光増感剤と共に使用してもよい。上記光反応開始剤も光増感剤として使用できる。また、エポキシアクリレート系の光反応開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。紫外線硬化性樹脂組成物に用いられる光反応開始剤また光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜10質量部である。
【0027】
本発明の透明フィルムヒーターは、前記透明発熱層を透明フィルム基材の表面に有することができる。このとき、金属ナノワイヤを透明フィルム基材の表面に埋め込み、該基材の表面部分を透明発熱層として機能させることもできるし、透明フィルム基材の表面上に金属ナノワイヤを含む層を別途形成して透明発熱層として機能させることもできる。また、本発明の透明フィルムヒーターは、前記透明発熱層を保護する目的等により、該透明発熱層を2枚の透明フィルム基材の間に有していてもよい。この場合も、2枚の透明フィルム基材を重ねたり貼り合わせたりする前に、金属ナノワイヤを少なくとも一方の透明フィルム基材の内側表面に埋め込んで透明発熱層として機能させることもできるし、少なくとも一方の透明フィルム基材の表面上に金属ナノワイヤを含む層を別途形成して透明発熱層として機能させることもできる。
【0028】
本発明に係る透明発熱層の厚さは、使用する金属ナノワイヤの直径や含有量、上記透明樹脂の付量によって異なるが、大凡の目安として、金属ナノワイヤの平均直径以上で5μm以下が好ましい。本発明に係る透明発熱層の厚さを薄くすると、金属ナノワイヤの導電ネットワークにおけるナノワイヤ間の接触抵抗を軽減できたり、透明発熱層の熱伝導性を高められたりするため好ましい。
【0029】
本発明の透明フィルムヒーターには、透明発熱層に含まれる金属ナノワイヤに通電するための通電用電極を付設することができる。通電用電極は、透明発熱層の周辺部の対向する位置に、透明発熱層に接続されて1対で設けることもできるし、必要に応じて分割して設けてもよい。本発明の通電用電極には公知の技術を適用することができる。
〔異方導電性〕
本発明の透明フィルムヒーターは、金属ナノワイヤを含む透明発熱層が異方導電性を有することが好ましい。本発明において透明発熱層が異方導電性を有するとは、透明発熱層において最も低い表面抵抗率が得られる方向(m)と、それに直交する方向(n)における表面抵抗率を各々Rm[Ω/□]、Rn[Ω/□]とし、その比をR(=Rm/Rn)としたとき、R>2である場合をいう。なお、本発明においてはR>5であることが好ましく、R>10であることがより好ましく、R>100であることがさらに好ましい。
【0030】
通常、透明フィルムヒーターは、透明発熱層の周辺部の上下または左右の対向する位置に1対で設けられた通電用電極を介して透明発熱層に通電されることによって発熱する。従って、通電用電極間方向と透明発熱層において最も低い表面抵抗率が得られる方向(m)とを一致させ、かつRm[Ω/□]を必要な値に設計しておけば、それに直交する方向(n)の導電性は低下させることが許容される。即ち、本発明の透明フィルムヒーターにおいては、(n)方向の導電性に寄与する金属ナノワイヤを削減することにより、ヒーター機能を損なうことなく透過率の向上と材料コストの削減を同時に達成することが可能となる。
【0031】
従来技術を用いて異方導電性を有する透明発熱層を形成する場合には、金属酸化物や金属の一様な薄膜をスパッタ蒸着で形成した後、新たにフォトリソグラフィ等を用いてエッチング加工する行程が必要となるため製造コストが高くなったり、透明フィルム基材上に金属酸化物や金属の薄膜がストライプ状に配置されるため、干渉縞が発生したりするという問題が生じてしまう。
【0032】
一方、本発明に係わる金属ナノワイヤを含む透明発熱層においては、金属ナノワイヤを透明フィルム基材に塗設する際等に、金属ナノワイヤを特定の方向に配向させることによって異方導電性を発現させることが可能であるため製造コストや材料面でも有利であり、かつナノサイズの材料を用いているため光干渉の影響を受けることなく透過率を大幅に改善できる。また、本発明の透明フィルムヒーターにおいては、金属ナノワイヤの配向度合によって上記Rを制御することが可能であり、金属ナノワイヤの配向の均一を高めることによりRの値を大きくできる。
〔金属ナノワイヤ〕
本発明において金属ナノワイヤとは、金属元素を主要な構成要素とする細線状構造体を意味する。金属ナノワイヤ以外にも、導電性を有する細線状構造体としては、金属でコーティングした有機繊維や無機繊維、繊維状の導電性金属酸化物、炭素繊維、カーボンナノチューブ等があるが、これらの材料を用いた場合には、本発明が目的とする透明性、発熱効率、柔軟性、加工性といった特性を何れも満足するような透明フィルムヒーターを得ることはできない。
【0033】
本発明に係る金属ナノワイヤとしては、原子スケールからnmオーダーの直径(太さ)を有し、かつその長さが直径に比べて十分に大きく、アスペクト比(=長さ/直径)が10以上であることが好ましい。本発明に係る金属ナノワイヤは、透明発熱層において金属ナノワイヤが互いに接触し合うことにより3次元的な導電ネットワークを形成し、通電時に発熱体として機能する。従って、金属ナノワイヤが長い方が導電ネットワーク形成に有利であるため好ましい。一方で、金属ナノワイヤが長くなると金属ナノワイヤ同士が絡み合って凝集体を生じ、透明性を劣化させる場合がある。導電ネットワーク形成や凝集体生成には、金属ナノワイヤの剛性や直径等も影響するため、使用する金属ナノワイヤに応じて好ましい長さを適宜選択することができるが、大凡の目安として、平均長さが3μm以上であることが好ましく、さらには3〜500μmが好ましく、特に、3〜300μmであることが好ましい。併せて、長さの相対標準偏差(=標準偏差/平均値×100%)は40%以下であることが好ましい。
【0034】
また、本発明に係る金属ナノワイヤの直径は、透明性の観点からは小さいことが好ましいが、用途や通電のための回路の構成によって透明発熱層の好ましい抵抗値は異なるため、必要に応じて金属ナノワイヤの直径を適宜選択することができる。本発明に係わる金属ナノワイヤの平均直径の大凡の目安としては、10〜300nmが好ましく、20〜200nmであることがより好ましい。併せて、各金属ナノワイヤ間における発熱機能を均一にするために、直径の相対標準偏差は20%以下であることが好ましい。また、透明発熱層における金属ナノワイヤ密度も、透明性や用途に応じて適宜選択することができる。
【0035】
本発明に係る金属ナノワイヤの金属組成としては特に制限はなく、貴金属元素や卑金属元素の1種または複数の金属から構成することができるが、貴金属(例えば、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)及び鉄、コバルト、銅、錫からなる群に属する少なくとも1種の金属を含むことが好ましく、導電性の観点から少なくとも銀を含むことがより好ましい。また、導電性と安定性(金属ナノワイヤの硫化や酸化耐性、及びマグレーション耐性)を両立するために、銀と、銀を除く貴金属に属する少なくとも1種の金属を含むことも好ましい。本発明に係る金属ナノワイヤが2種類以上の金属元素を含む場合には、例えば、金属ナノワイヤの表面と内部で金属組成が異なっていてもよいし、金属ナノワイヤ全体が同一の金属組成を有していてもよい。
【0036】
本発明において金属ナノワイヤの製造手段には特に制限はなく、例えば、液相法や気相法等の公知の手段を用いることができる。また、具体的な製造方法にも特に制限はなく、公知の製造方法を用いることができる。例えば、Agナノワイヤの製造方法としては、Adv.Mater.,2002,14,833〜837や、US2005/0056118A1公報、WO2008/073143A2公報等、Auナノワイヤの製造方法としては特開2006−233252号公報等、Cuナノワイヤの製造方法としては特開2002−266007号公報等、Coナノワイヤの製造方法としては特開2004−149871号公報等を参考にすることができる。特に、上述した、Adv.Mater.、US2005/0056118A1公報、WO2008/073143A2公報等に記載されたAgナノワイヤの製造方法や、特開2006−233252号公報に記載されたAuナノワイヤの製造方法は、水系で簡便にAgナノワイヤやAuナノワイヤを製造することができるため、本発明に係る金属ナノワイヤの製造方法として好ましく適用することができる。
〔透明ガラス基材〕
本発明で用いられる透明ガラス基材としては、高い光透過性を有していればそれ以外に特に制限はなく、その原料、製法、形状、構造、厚み、硬度等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、石英ガラス、ソーダライムガラス、ケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、フツリン酸塩ガラス等を用いることができる。
【0037】
本発明のヒーター機能付きガラスは、上記透明ガラス基材の少なくとも一方の表面に、金属ナノワイヤを含む透明発熱層を有することを特徴とする。該透明発熱層は、予め通電用電極を形成した本発明の透明フィルムヒーターを、透明ガラス基材の少なくとも一方の表面に重ねたり、貼り合わせたりして構成することができ、通電用電極を介して透明フィルムヒーターに通電することによってヒーター機能を発現させることができる。
【0038】
本発明のヒーター機能付きガラスは、防曇、防霜、除曇、除霜機能が求められる乗用車やトラック、電車等の車両、飛行機、冷凍ショーケース、建物等のガラスに好ましく適用できる。また、本発明のフィルムヒーターは柔軟性を有しており、ガラス基材が曲面部分を有する場合にも好ましく適用することができるため、本発明のヒーター機能付きガラスは、乗用車やトラック、飛行機等のフロントガラスにも好ましく用いることができる。
〔合わせガラス〕
本発明に係わる合わせガラスとは、2枚以上の透明ガラス基材を組み合わせて一体化したガラスであり、一般には、2枚以上の透明ガラス基材の間に樹脂性の中間膜層、例えばポリビニルブチラールフィルム等を挟み加熱圧着して製造される。
【0039】
本発明のヒーター機能付き合わせガラスは、上記合わせガラスを構成する少なくとも2枚の透明ガラス基材の間に、金属ナノワイヤを含む透明発熱層を有することを特徴とする。該透明発熱層は、予め通電用電極を形成した本発明の透明フィルムヒーターを、合わせガラスを構成する少なくとも1枚の透明ガラス基材の内側表面に重ねたり、貼り合わせたりして構成することができ、通電用電極を介して透明フィルムヒーターに通電することによりヒーター機能を発現させることができる。また、合わせガラスが中間膜層を有する場合には、該中間膜層に本発明のフィルムヒーターを貼り合わせて本発明のヒーター機能付き合わせガラスを構成することもできるし、本発明のフィルムヒーター自体を中間膜層として用いて本発明のヒーター機能付き合わせガラスを構成することもできる。
【0040】
本発明のヒーター機能付き合わせガラスは、防曇、防霜、除曇、除霜機能が求められる乗用車やトラック、電車等の車両、飛行機、冷凍ショーケース、建物等のガラスに好ましく適用できる。また、本発明のフィルムヒーターは柔軟性を有しており、ガラス基材が曲面部分を有する場合にも好ましく適用することができるため、本発明のヒーター機能付き合わせガラスは、乗用車やトラック、飛行機等のフロントガラスにも好ましく用いることができる。
【0041】
本発明のヒーター機能付き合わせガラスが中間膜層を有する場合には、該中間膜層にヒーター機能以外にも、防犯性能、防音効果、紫外線カット、意匠性等の機能を付加することもできる。
〔製造方法〕
本発明の透明フィルムヒーターは、透明フィルム基材の表面に金属ナノワイヤを含む透明発熱層を形成することにより作製することができる。本発明において、透明フィルム基材の表面に透明発熱層を形成する方法に特に制限はないが、生産性向上や環境負荷軽減の観点から、金属ナノワイヤを含む分散液を使用し、塗布法や印刷法などの液相成膜法を用いて形成することが好ましい。塗布法としては、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法などを用いることができる。印刷法としては、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法などを用いることができる。なお、必要に応じて、金属ナノワイヤを含む分散液の塗工性や金属ナノワイヤと透明フィルム基材との密着性を向上させるための予備処理として、予め透明フィルム基材表面にコロナ放電処理、プラズマ放電処理などの物理的表面処理を施すことができる。また、上記金属ナノワイヤを含む分散液には、金属ナノワイヤの他に前記の透明な樹脂成分を含んでいてもよい。
【0042】
本発明に係わる透明発熱層は、金属ナノワイヤを一定方向に配向させることにより異方導電性を発現させることができる。金属ナノワイヤを一定方向に配向させる具体的な方法としては、透明フィルム基材上に金属ナノワイヤを含む分散液を塗布する際に、バーコート法やダイコート法、ブレードコート法などを用いて塗布液に十分なシェアがかかる様に塗布して、塗膜中で金属ナノワイヤを塗布方向に配向させる方法や、延伸可能な透明フィルム基材上に金属ナノワイヤを含む透明発熱層を形成した後、透明フィルム基材を縦または横の何れか一方向に延伸したり、縦と横の延伸量に十分な差を設けたりする方法などを用いることができる。
【0043】
少なくとも2枚の透明ガラス基材の間に中間膜層を有する本発明のヒーター機能付き合わせガラスは、例えば、ポリブチラールフィルムを透明フィルム基材として使用した本発明の透明フィルムヒーターを中間膜層として用いることにより作製することができる。通常、ポリブチラールフィルムは2枚のガラスを接着する接着剤としての機能を有する。本発明の透明フィルムヒーターの透明発熱層に含まれる金属ナノワイヤは極細の構造体であり、かつ透明発熱層を形成する金属ナノワイヤのネットワークは十分な開口率が有しているため、上記接着剤としての機能を阻害しない。ポリブチラールフィルムを透明フィルム基材として使用した本発明の透明フィルムヒーターは、上記液相成膜法を用いて、ポリブチラールフィルム表面に金属ナノワイヤを含む透明発熱層を形成することによって作製することもできるし、他のドナーフィルム基材上に金属ナノワイヤを含む透明発熱層を形成した後、特開2003−340851号公報に記載される方法等を応用して、ポリブチラールフィルム表面に上記金属ナノワイヤを含む透明発熱層を転写して作製することもできる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
【0045】
なお、以下の実施態様で用いた銀ナノワイヤは、WO2008/073143A2公報に記載の方法を参考に作製した。
(実施例1)
図1(a)に請求項1の透明フィルムヒーターの構成例を示す。(11)は透明フィルム基材、(21)は透明発熱層、(41)は通電用電極である。
【0046】
図1(b)は、透明フィルム基材としてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ100μm、透過率90%)を、金属ナノワイヤとして銀ナノワイヤ(31)を用いた場合の、請求項1の透明フィルムヒーター例の電子顕微鏡写真である。この透明フィルムヒーターの表面抵抗率を、JIS K 7194:1994(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)に準拠して、三菱化学社製ロレスターGP(MCP−T610型)を用いて測定したところ、銀ナノワイヤが特定の方向に配向していないため、Rr1(=Rm/Rn)≒1であった。また、透過率を、JIS K 7361−1:1997に準拠して、スガ試験機(株)製のヘイズメーターHGM−2Bを用いて測定したところ、透過率は80%であった。
(実施例2)
図2(a)に請求項2の透明フィルムヒーターの構成例を示す。(12)は透明フィルム基材、(22)は異方導電性を有する透明発熱層、(42)は通電用電極である。
【0047】
図2(b)は、透明フィルム基材としてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ100μm、透過率90%)を、金属ナノワイヤとして銀ナノワイヤ(32)を用いた場合の、請求項2の透明フィルムヒーター例の電子顕微鏡写真である。この透明フィルムヒーターの表面抵抗率と透過率を実施例1と同様に測定した。表面抵抗率は、透明発熱層の銀ナノワイヤがmの方向に配向しているため、Rr2(=Rm/Rn)>5であった。また、実施例1との関係では、Rm≒Rn≒Rmであり、図1(b)に示される透明フィルムヒーターと同等の機能を有しながら透過率は85%に改善された。
(実施例3)
上記実施例1及び実施例2で作成した本発明の透明フィルムヒーターに、ポリエチレンテレフタレートフィルムにITOをスパッタ成膜して作製したITOフィルムヒーターを加えて、屈曲耐性の試験を行った。屈曲耐性の評価は、直径10mmのガラス棒にフィルムを巻き付けて戻すという操作を5回繰り返した後、巻き付ける方向を90度変えて巻き付けて戻すという操作を5回繰り返して行った。屈曲耐性試験前後での各試料の表面抵抗率の変化率(=試験後の表面抵抗率/試験前の表面抵抗率)を表1に示す。表1の結果から明らかなように、本発明の透明フィルムヒーターは、従来のITOフィルムヒーターに較べて非常に優れた屈曲耐性(柔軟性)を有することが判る。
【0048】
【表1】

【0049】
(実施例4)
図3(a)に請求項8のヒーター機能付きガラスの構成例を示す。(43)は通電用電極、(53)はガラス基材、(63)は、実施例1または実施例2に示した本発明の透明フィルムヒーターである。実施例3で示されたように、本発明のフィルムヒーターは屈曲耐性(柔軟性)に優れるため、曲面部分を有する透明ガラス基材にも好ましく適用することができる。
【0050】
図3(b)は、上記ヒーター機能付きガラスの断面図である。(13)は透明フィルム基材、(23)は透明発熱層、(53)は透明ガラス基材である。本発明のヒーター機能付きガラスは、透明ガラス基材への熱伝導効率を高め、かつ透明発熱層を保護するために、本発明の透明フィルムヒーターの透明発熱層側を透明ガラス基材と密着させて構成することが好ましい。
(実施例5)
図4(a)に請求項11ヒーター機能付き合わせガラスの構成例を示す。(44)は通電用電極、(54)は合わせガラス、(64)は、透明フィルム基材としてポリビニルブチラールフィルムを用いた、実施例1または実施例2に示した本発明の透明フィルムヒーターである。実施例3で示されたように、本発明のフィルムヒーターは屈曲耐性(柔軟性)に優れるため、曲面部分を有する合わせガラスにも好ましく適用することができる。
【0051】
図4(b)は、上記ヒーター機能付き合わせガラスの断面図である。(24)は透明発熱層、(14)は透明フィルム基材、(74)は透明ガラス基材である。本発明のヒーター機能付き合わせガラスは、透明ガラス基材への熱伝導効率を高めるために、本発明の透明フィルムヒーターの透明発熱層側を、主としてヒーター機能を働かせたい側の透明ガラス基材の内側表面と密着させて構成することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の透明フィルムヒーターの構成を表す概略図と電子顕微鏡写真を表す。
【図2】本発明の透明フィルムヒーターの構成を表す概略図である。
【図3】ヒーター機能付きガラスの構成例である。
【図4】ヒーター機能付き合わせガラスの構成例である。
【符号の説明】
【0053】
11、12、13、14 透明フィルム基材
21、23.24 透明発熱層
22 異方導電性透明発熱層
31 銀ナノワイヤ
41、42、43、44 通電用電極
53 透明ガラス基材
54 合わせガラス
63 透明フィルムヒーター
64 透明フィルムヒーター
74 透明ガラス基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明フィルム基材の表面に透明発熱層を有する透明フィルムヒーターにおいて、該透明発熱層が少なくとも金属ナノワイヤを含むことを特徴とする透明フィルムヒーター。
【請求項2】
前記透明発熱層が異方導電性を有することを特徴とする請求項1に記載の透明フィルムヒーター。
【請求項3】
前記透明発熱層に含まれる金属ナノワイヤが銀ナノワイヤであることを特徴とする請求項1または2に記載の透明フィルムヒーター。
【請求項4】
透明ガラス基材の少なくとも一方の表面に、金属ナノワイヤを含む透明発熱層を有することを特徴とするヒーター機能付きガラス。
【請求項5】
前記透明ガラス基材の少なくとも一方の表面に、請求項1〜3の何れか1項に記載の透明フィルムヒーターを有することを特徴とする請求項4に記載のヒーター機能付きガラス。
【請求項6】
前記透明ガラス基材が曲面部分を有することを特徴とする請求項4または5に記載のヒーター機能付きガラス。
【請求項7】
少なくとも2枚の透明ガラス基材の間に、金属ナノワイヤを含む透明発熱層を有することを特徴とするヒーター機能付き合わせガラス。
【請求項8】
少なくとも2枚の透明ガラス基材の間に中間膜層を有する合わせガラスであって、該中間膜層に請求項1〜3の何れか1項に記載の透明フィルムヒーターを含むことを特徴とする請求項7に記載のヒーター機能付き合わせガラス。
【請求項9】
2枚の透明ガラス基材が曲面部分を有することを特徴とする請求項7または8に記載のヒーター機能付き合わせガラス。
【請求項10】
請求項4〜6のいずれか1項に記載のヒーター機能付きガラス、または請求項7〜9のいずれか1項に記載のヒーター機能付き合わせガラスを用いることを特徴とする自動車用窓ガラス。

【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−103041(P2010−103041A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275448(P2008−275448)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】