説明

透明電極シートおよびその製造方法

【課題】他の部材と貼り合わせるときに気泡が残留し難い透明電極シートを得る。
【解決手段】透光性を有しその表面に電極を支持可能な支持基材と、透光性を有し前記支持基材の表面に備えられた透明電極とを有する透明電極シートで、透明電極の側面が凸凹である。透明電極は、例えばタッチパネルのセンサ電極である。好ましくは、透明電極を支持基材の表面に固定する感光性接着剤層を支持基材と透明電極との間に備え、透明電極が、導電性微粒子の集合体を圧縮して形成した圧縮膜からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明電極シートおよびその製造方法に係り、特に静電容量式タッチパネルのセンサ電極として使用するのに好適な透明電極シートに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置と、位置入力装置であるタッチパネルを組み合わせたタッチパネル付き表示装置が近年様々な電子機器、例えば自動券売機やATM、POS端末などの業務用機器、事務機器、家電製品、あるいはカーナビゲーションシステムのような車載機器、携帯電話機やデジタルオーディオプレイヤー、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機等の携帯機器などの表示入力装置として広く利用されている。
【0003】
かかる電子機器に備えられるタッチパネルには、タッチ位置の検出原理の違いから一般に、抵抗膜式、静電容量式、光学式および超音波式等の各方式が知られているが、静電容量方式のタッチパネルは、タッチ位置に生じる静電容量の変化を捉えて入力位置の検出を行うため、機械的な接触変形を伴う抵抗膜式と比べて入力に力を必要とせず、画面に触れるだけの軽いタッチで入力を行うことが出来る特長を有する。
【0004】
静電容量方式のタッチパネル、特に電極間の静電容量の変化を捉えてタッチ位置の検出を行う投影型静電容量(プロジェクテッド・キャパシティブ/Projected Capacitive)方式のタッチパネルでは、一般にタッチ位置を縦方向の位置と横方向の位置とを検出することにより特定するために、縦方向位置を検出するためのセンサフィルムと、横方向位置を検出するためのセンサフィルムとを積層し、これらセンサフィルムからの検出信号に基づいてタッチ位置の検出を行う。
【0005】
各センサフィルムは、互いに平行に一定の方向(例えば縦方向又は横方向)に延びる複数本のセンサ電極を配列させた透明電極シートからなり、両シートに備えたセンサ電極を直交するように配置することによりセンサグリッドを構成し、表示装置の画面に平行な二次元座標(X‐Y座標)平面内における座標位置(横方向位置と縦方向位置)としてタッチ位置を算出する。
【0006】
また、このようなタッチパネルに使用可能な透明導電膜を開示するものとして下記特許文献がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−15286号公報
【特許文献2】特開平5−325646号公報
【特許文献3】特開2009−76432号公報
【特許文献4】特開2009−53893号公報
【特許文献5】特開2009−259203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記のようなタッチパネルにセンサフィルムとして使用する透明電極シートは、例えば、縦方向位置検出用の透明電極シートと横方向位置検出用の透明電極シートとを貼り合せたり、センサ電極を覆う保護フィルム(カバーシート)を貼り付けるなど、他の基材との貼り合わせが必要となるのが通常である。また、表示装置の前面に配置される性質上、表示装置の表示を邪魔しない良好な透明性(その存在が目立たないこと)がタッチパネルには必然的に要求される。
【0009】
ところが、従来の透明電極シートでは、他基材と貼り合せるときに気泡が残留する問題が生じ、この点でさらなる改良の余地を残している。
【0010】
例えば、透明電極シートをカバーシートで覆う場合について述べると、透明電極シートとカバーシートとを貼り合せるときに両者の間に気泡が混入し、この気泡によってタッチパネルの透明性が損なわれることがある。また、透明電極シートとカバーシートとの間に気泡が混入すると、気泡が存在する部分と気泡が存在しない部分とで誘電率が異なることとなるから、静電容量の変化を捉えてタッチ位置の検出を行う投影型静電容量式のタッチパネルの特性を劣化させ、要求される仕様を満すことが出来ない事態も生じ得る。
【0011】
貼り合せ作業にあたっては、両シートを一端から他端に向け一定方向に順に貼り合わせていき、その際ローラで両シートを圧着して気泡をシートの他端に押し出すことも考えられるが、透明電極シートの貼合わせ面には複数本の電極が設けられて平坦ではなく、電極の段差に引っ掛かって気泡がシート間に残ってしまうことも少なくない。
【0012】
そしてこのようにしてシート間に残留した気泡は、タッチパネルの見栄えを損なうだけでなく、高温環境下で使用された場合に気泡が膨張してカバーシートの剥離を引き起こす原因ともなり得る。さらに、前述のように気泡がシート間に混入することにより画面内の位置によって誘電率に差異が生じ、タッチパネルの性能(電気的特性)にも悪影響を及ぼすおそれがある。
【0013】
したがって、本発明の目的は、他の部材と貼り合わせるときに気泡が残留し難い透明電極シートを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決し目的を達成するため、本発明に係る透明電極シートは、透光性を有しその表面に電極を支持可能な支持基材と、透光性を有し前記支持基材の表面に備えられた透明電極とを有する透明電極シートであって、前記透明電極の側面が凸凹である。
【0015】
本発明の透明電極シートでは、上記のように透明電極の側面を凸凹にし、特に平面から見たときに電極の側面(縁)が直線や滑らかな曲線を描くことがなく凸凹になるように凹凸を形成する。これにより、当該電極シートを他の基材と貼り合わせるときにこれらの間に気泡が混入したとしても気泡をスムーズに押し進めて両部材間から排出することが可能となる。
【0016】
具体的には、両部材(本発明の透明電極シートと他基材)を例えばローラによって押圧しながら一端から他端に向けて順に貼り合わせていくときに(以下、この貼り合わせていく方向を「貼合せ方向」と言う)、両部材間に混入した気泡は貼合せ方向に押し進められていくが、この気泡は透明電極シートの表面に備えられた透明電極にぶつかり、当該電極の側面部に取り残されてしまいやすい。しかしながら、電極側面を凸凹にした本発明の電極シートによれば、電極に衝突した気泡は、貼合せの進行に伴って電極側面の凹部に押し込まれて逃げ場がなくなり、気泡が集中することによって上方へ(電極の天面に向かって)押し上げられて電極を乗り越えやすくなる。したがって、本発明のシート構造によれば、貼合せ時に気泡が混入したとしても電極の段差部に気泡が残り難く、気泡の残留を無くしあるいは少なくすることが出来る。
【0017】
またこのような構造を備えた本発明の電極シートは、その上に他のシート材(例えばカバーフィルム)を積層したときに当該フィルム表面のうねりが目立たなくなる利点をも有する。なぜなら、従来のように透明電極の側面が平滑な面(平面から見て透明電極の縁が直線状)であると、その上にフィルムを被せたときに当該フィルムの表面にも下層の透明電極に追随してストライプ状の段差が生じこれが目立ちやすい。これに対し、本発明のシート構造によれば、透明電極の縁が直線状でなく凸凹となるから、その上に重ねたフィルムに凹凸が出来たとしても段差が一直線の筋とはならず、カバーフィルム表面の凸凹が目立ち難い。
【0018】
本発明において上記支持基材は、表面に電極を支持可能なものであればその種類を問わない。典型的には可撓性を有する樹脂シートであるが、ガラスなど樹脂以外の絶縁材料からなるものであっても良いし、可撓性を有さない基材であっても良い。なお、当該支持基材は、シート、フィルム、基板あるいはその他の名称で呼ばれているものであって良く、その具体的名称は問わない(後に述べる支持フィルムも同様)。
【0019】
一方、透明電極は、典型的にはタッチパネルのセンサ電極であるが、透光性を有しかつ支持基材に備えられるものであれば必ずしもセンサ電極に限られない。さらに、透明電極の平面形状および配置パターンは様々なものであって良い。例えば、当該透明電極を、複数の短冊状の電極を互いに平行に配列させたパターンとすることも出来るし、ダイヤモンド形状(菱形や正方形を45°回転させた形状)のパッド状の電極片を一定の方向に直列に繋げて電気的に接続したようなパターンや、方形の電極片をマトリックス状に配列させたパターン、あるいはその他のパターンとすることも可能である。なお、当該透明電極は、前記支持基材の表面に直接接触するように配置されている必要は必ずしもなく、支持基材と透明電極との間に例えば樹脂層などの1以上の層が介在されていても構わない。
【0020】
さらに、透明電極を、台形の断面形状を有するものとしても良い。透明電極をこのような形状を有するものとすれば、貼り合わせ時に気泡が電極側面の斜面に沿ってより一層上昇しやすくなるから気泡が電極を乗り越えて抜けやすくなると共に、その上にフィルムを積層したときにも段差が滑らかに均されてうねりをより一層目立たなくすることが出来る。
【0021】
また、上記本発明の透明電極シートでは、透明電極を支持基材の表面に固定する樹脂層(例えば接着剤層)を支持基材と透明電極との間に備えることがある。また本発明の透明電極シートでは、前記透明電極が、導電性微粒子の集合体を圧縮して形成した圧縮膜からなる場合がある。この圧縮膜は、例えば、特願2001‐195728(特開2003‐15286)に開示する次のような方法により作製することが出来る。
【0022】
導電性微粒子を液体に分散させ、この分散液を支持体の表面に塗布する。そして、この塗布した分散液を乾燥させた後、ロールプレスやシートプレス等により圧縮する。この圧縮処理により導電性微粒子相互の接触面が増えて膜強度が増大する。このような形成方法によれば、大量のバインダ樹脂を使用することなく、かつ、高温で焼成することもなく、十分な機械的強度を有する導電膜を得ることが出来る。特に、後に述べる本発明の透明電極シートの製造方法において、透明電極としてこのような圧縮膜を好ましく使用することが出来る。
【0023】
また上記樹脂層は、感光性接着剤が硬化した硬化領域と、この硬化領域の周囲に形成されて感光性接着剤が未硬化ではないが硬化領域ほどには硬化していない半硬化領域とを含み、少なくとも当該半硬化領域上に前記透明電極の凹凸の一部が形成されている場合がある。
【0024】
このように接着剤が半硬化状態となった半硬化領域を接着剤層が備えるものとすれば、例えば後に述べるようにブラシ処理によって透明電極の側面に凹凸を形成する場合に、当該半硬化領域にブラシ処理を施すことによって、破壊されて除去される部分と、破壊されずに残る部分とを容易に形成することができ、透明電極の側面に迅速かつより確実に凹凸を形成することが出来る。
【0025】
本発明に係るタッチパネルは、接触位置の検出を行うセンサ電極として上記本発明に係る透明電極シートを1枚以上備える。また、本発明に係るタッチパネル付き表示装置は、情報を画面に表示可能な表示装置と、当該表示装置の画面前面に設置した前記本発明に係るタッチパネルとを備える。
【0026】
さらに、本発明に係る電子機器は、情報を表示しかつ入力する手段として前記本発明に係るタッチパネル付き表示装置を備える。この電子機器としては、例えば、携帯電話機、携帯型のデジタルオーディオプレイヤー、携帯ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、電子手帳、電子辞書等の携帯電子機器が挙げられる。ただし、本発明に言う電子機器は携帯電子機器に限られるものではなく、例えばカーナビゲーションシステムのような車載電子機器、オーディオ機器、各種家電製品、自動券売機、自動販売機、ATM、POS端末などの各種の業務用機器、複写機や複合機のような事務機器、案内板など、タッチパネル付ディスプレイを備えた様々な電子機器に本発明は広く適用することが可能である。
【0027】
また、本発明に言う表示装置には、画素を構成するように複数の有機EL素子をマトリックス状に配列させた表示部を備えた有機EL表示装置のほか、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)やプラズマディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の各種の表示装置が含まれる。
【0028】
上記のような構造を有する透明電極シートは、以下に述べる製造方法により作製することが可能である。
【0029】
本発明に係る透明電極シートの製造方法の一態様は、透光性を有し所定の形状にパターニングされた透明電極を、透光性を有する支持基材の表面に備えた透明電極シートを製造する方法であって、支持フィルムと透明電極膜と感光性接着剤層とが順に積層された電極膜材を、前記感光性接着剤層と前記支持基材とが貼り合わされるように前記支持基材の表面に配置する工程と、前記感光性接着剤層に対してマスクを通じて露光することにより前記感光性接着剤層を硬化領域と未硬化領域とにパターニングし、硬化領域に対応する透明電極膜を、硬化した感光性接着剤層を介して前記支持基材に接着する露光工程と、前記電極膜材を構成する少なくとも支持フィルムを剥離する剥離工程と、当該支持フィルムを剥離した電極膜材のうち前記未硬化領域の感光性接着剤層とこれに対応する透明電極膜とを、前記透明電極の側面が凸凹になるように除去する電極加工工程とを含む。
【0030】
上記電極加工工程は、未硬化領域の感光性接着剤層とこれに対応する透明電極膜とをブラシによって掻き削るブラシ処理を含むことが望ましい。このようなブラシ処理を行えば、未硬化状態の接着剤層とこれに対応する(この上面に積層された)透明電極膜がブラシで叩き割られて所定のパターンにパターニングされかつ側面が凸凹となった透明電極を支持基材の表面に形成することが出来る。また同時に、ブラシによって透明電極シート表面の残渣も除去することが出来る。
【0031】
なお、上記ブラシ処理において使用するブラシは、パターン間隔(隣り合う透明電極と透明電極との間の距離)より小さい(細い)先端径を有するブラシとすることが好ましい。各透明電極の側面に、より確実に凹凸を形成するためである。例えばパターン間隔が100μmの電極の側面に凹凸を形成するためには、毛先の大きさが20μm程度のブラシの毛が1〜数本集まってブラシの先端を形成する、100μmより小さい先端径を有するブラシを用いると良い。
【0032】
さらに上記ブラシ処理にあたっては、ブラシおよび支持フィルムを剥離した電極膜材のうちいずれか一方または双方を音波ないしは超音波振動させながら当該処理を行っても良い。短時間でより確実に凹凸を透明電極の側面に形成するためである。また、このブラシ処理に加えて、未硬化の接着剤を溶解可能な溶剤で洗浄する洗浄処理をさらに行うことが好ましい。透明電極間に残留している未硬化の接着剤を除去するためである。
【0033】
また上記製造方法では、露光工程において、硬化領域と未硬化領域との境界部に、未硬化ではないが感光性接着剤が硬化領域ほどには硬化していない半硬化領域を形成し、電極加工工程が、当該半硬化領域の感光性接着剤層およびこれに対応する透明電極膜を部分的に除去することにより透明電極の側面を凸凹にする処理を含むようにしても良い。このような方法によれば、接着剤層の未硬化領域に加えて半硬化領域の接着剤層とこれらに対応する(これらの上面に積層された)透明電極膜をブラシで叩き割って側面が凸凹となった透明電極を支持基材の表面に形成することが出来る。
【0034】
また上記製造方法では、電極膜材の透明電極膜として、感光性接着剤組成物を含みかつ導電性微粒子の集合体を圧縮して形成した圧縮膜を使用することとし、露光工程において、透明電極膜について、当該感光性接着剤組成物が硬化した電極膜硬化部分(混入された接着剤が硬化することによって圧縮膜の強度が増大された部分)と、当該感光性接着剤組成物が硬化していない電極膜未硬化部分(圧縮膜の強度が増大されない部分)と、これら電極膜硬化部分と電極膜未硬化部分との間に位置して当該感光性接着剤組成物が未硬化ではないが硬化領域ほどには硬化していない電極膜半硬化部分(混入された接着剤が半硬化状態になることによって圧縮膜の強度がやや増大された部分)とを形成し、電極加工工程が、当該電極膜半硬化部分を部分的に除去することにより透明電極の側面を凸凹にする処理を含むようにしても良い。
【0035】
また、前記露光工程では、感光性接着剤層に向け開口が広がったマスクを通して露光を行っても良い。このようにテーパ状に広がった開口を備えたマスクで露光すれば、前記感光性接着剤層や透明電極膜に半硬化領域を広く形成することができ、透明電極の側面に大きな凹凸を形成することが出来る。
【0036】
また同様に半硬化領域を広く形成するには、前記露光工程において、マスクおよび感光性接着剤層に対して垂直な光を照射するだけでなく、露光光がマスクの開口に斜めに入射する光(電磁波)を含むようにしても良い。例えば、ベルト炉を使用して透明電極シートを一定の方向に移動させながら露光を行えばこのような処理を行うことが出来る。
【0037】
なお、本発明の露光において「光」とは接着剤層を硬化させる電磁波を意味し、典型的には紫外線であるが(この場合、感光性接着剤層を構成する接着剤としてUV硬化型接着剤を使用する)、本発明ではこれ以外の電磁波によって硬化する接着剤を接着剤層に使用することも可能であり、露光光は感光性接着剤層の種類に対応した様々な電磁波(長波長・短波長のX線や電子線等)であって良い。
【0038】
また、本発明に係る透明電極シートの製造方法は、必ずしも上述した方法に限定されるものではなく、透光性を有し所定の形状にパターニングされた透明電極を、透光性を有する支持基材の表面に備えた透明電極シートを製造する方法であって、平面から見たときに側面が凸凹となるように透明電極の側面に凹凸を形成する工程を含むものであれば、他の方法であっても構わない。前述した以外の方法であっても、側面が凸凹の透明電極を支持基材の表面に形成することは可能だからである。
【0039】
例えば、支持基材の表面にスパッタ成膜した透明電極膜を縁がギザギザになるようにフォトリソエッチングによりパターニングすることによっても側面が凸凹の透明電極を支持基材の表面に形成することが出来る。また、支持基材の表面に成膜した透明電極膜をレーザで焼き切って透明電極をパターニングする場合に、レーザをジグザグに進行させればパターニングされた透明電極の側面に凹凸を形成することが出来る。さらに、マスク開口の縁がギザギザ(凸凹)のパターンマスクを使用して透明電極材料をスパッタ等によって支持基材の表面に成膜すれば、支持基材表面への透明電極の成膜と電極側面の凹凸形成を同時に行うことが出来る。さらにこれら以外にも様々な方法により側面が凸凹の透明電極を支持基材の表面に形成することが可能である。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、他の部材と貼り合わせるときに気泡が残留し難い透明電極シートを得ることが出来る。
【0041】
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面に基づいて述べる以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。なお、各図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る透明電極シートを模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、前記実施形態に係る透明電極シートを模式的に示す平面図である。
【図3】図3は、前記実施形態に係る透明電極シートの使用状態を示す断面図である。
【図4】図4は、前記実施形態に係る透明電極シートにカバーシートを貼り付ける状態を示す断面図である。
【図5】図5は、前記実施形態に係る透明電極シートにカバーシートを貼り付ける状態を模式的に示す拡大平面図である。
【図6】図6は、前記実施形態に係る透明電極シートの変形例を示す断面図である。
【図7A】図7Aは、本発明に係る透明電極シートの一例を示す平面図である。
【図7B】図7Bは、本発明に係る透明電極シートの別の一例を示す平面図である。
【図8A】図8Aは、本発明に係る透明電極シートのさらに別の一例を示す平面図である。
【図8B】図8Bは、本発明に係る透明電極シートのさらに別の一例を示す平面図である。
【図8C】図8Cは、前記図8Aに示した透明電極シートの透明電極の一部を拡大して示す平面図である。
【図9】図9は、本発明に係る透明電極シートのさらに別の一例を示す平面図である。
【図10A】図10Aは、本発明の一実施形態に係る透明電極シートの製造方法の一工程を示す断面図である。
【図10B】図10Bは、前記実施形態に係る透明電極シートの製造方法の一工程を示す断面図である。
【図10C】図10Cは、前記実施形態に係る透明電極シートの製造方法の一工程を示す断面図である。
【図10D】図10Dは、前記実施形態に係る透明電極シートの製造方法の一工程を示す断面図である。
【図10E】図10Eは、前記実施形態に係る透明電極シートの製造方法の一工程を示す断面図である。
【図11】図11は、前記実施形態に係る透明電極シートの製造方法において適用可能な露光工程の別の例を示す断面図である。
【図12】図12は、前記実施形態に係る透明電極シートの製造方法において適用可能な露光工程のさらに別の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る透明電極シート(以下、単に「電極シート」と言うことがある)11は、静電容量式タッチパネルのセンサ電極として使用可能なもので、支持基材12と、この支持基材12の表面に感光性接着剤層14によって接着した透明電極(以下、単に「電極」と言うことがある)13とを有する。支持基材12は、例えばPETフィルム等の可撓性と透光性を有する樹脂シートからなる。
【0044】
一方、透明電極13は、導電性微粒子の集合体を圧縮して形成した圧縮膜からなり、他の基材と貼り合せたときに気泡が抜けやすいように図2に示すように平面から見たときに側面が凸凹になるように当該電極の側面に凹凸を形成してある。
【0045】
電極シート11は、タッチパネルに使用される場合には、他の透明電極シートやカバーシート等と貼り合せられる。例えば、図3に示すように電極シート11に光学糊22を介してカバーシート21を貼り付ける場合、図4に示すようにローラ1によって押圧しながら両シート11,21の一端部から他端部に向けて順に両シート11,21を貼り合せていく。
【0046】
図5も参照してこのとき両シート11,21の間に混入した気泡2は、貼り合せの進行に伴って矢印Aの方向(貼合せ方向)に押し進められていくが、電極13の側面には凹凸を形成してあるから、電極13に突き当たると当該電極13の側面に沿って移動して電極側面の凹部に集められる。そして、凹部に集められて逃げ場を失った気泡2は、ローラ1の押圧力を受けて透明電極13の天面に押し上げられ、電極13を乗り越える。このようにして両シート11,21間に混入した気泡2は、各電極13を乗り越えてシート11,21の他端から排出される。
【0047】
さらに上記のような気泡2の動き(電極13の乗り越え)を促進するため、透明電極13の断面形状を、図6に示すように台形形状を有するものとしても良い。なお、このような台形状の透明電極13を形成するには、例えば、未硬化領域と硬化領域の境界部に対して、あるいは、後に図11に基づいて述べるように未硬化領域と硬化領域と間に半硬化領域を形成する場合には当該半硬化領域に対して、各電極左右の上縁角部に斜め上方からブラシが当たるようにしてブラシ処理を行い、未硬化領域や半硬化領域を斜めに(斜面を形成するように)破壊すれば良い。また、図12に基づいて述べるように、透明電極膜を構成する圧縮膜に感光性接着剤組成物をしみ込ませた接着剤含有圧縮膜を使用すると共に、露光によって斜めに広がった半硬化部を接着剤層と透明電極の双方に形成することによっても透明電極の断面を台形状にすることが出来る。
【0048】
支持基材12上に形成する透明電極13のパターン(平面形状)は、使用するタッチパネルの種類に応じて様々な形状や配置パターンとすることができ、特定のパターンに限定されない。例えば、図7Aおよび図7Bに示すように、一定の間隔を隔てて平行に延びる複数の短冊状の電極13を形成しても良いし、図8Aおよび図8Bに示すように、ダイヤモンド形状(菱形や正方形を45°回転させた形状)のパッド状の電極片を一定の方向に直列に繋げて電気的に接続したようなパターンとすることも出来る。なお、図8Cは図8Aに示した電極の一部を拡大して示したものである。このように電極13の側面全周に凹凸を形成する。また、図9に示すように方形の電極13をマトリックス状に配列させたパターンとすることも、さらに図示した以外のパターンを形成することも可能である。
【0049】
なお、これらの図において透明電極を符号13乃至13aで示しているが、当該透明電極13(13a)は、後に述べる接着剤層の半硬化領域14cに対応した電極膜部分13c、あるいは圧縮膜に含まれる接着剤が半硬化している半硬化部分33cを電極の縁部に含むものであって良く、これら電極膜部分13c又は半硬化部分33cに前記電極側面の凹凸の一部が形成されているものであって良い(他の図1〜図6等においても同様)。
【0050】
上記実施形態に係る透明電極シートは、次のようにして作製することが出来る。
【0051】
(1)電極膜材の作製
まず、図10Aに示すように、支持フィルム10と、導電性微粒子の集合体を圧縮して成膜した圧縮膜からなる透明電極膜13と、感光性接着剤からなる接着剤層14とを順に積層した電極膜材9を用意する。この電極膜材9は、前述したように特願2001‐195728(特開2003‐15286)に開示する方法に基づいて例えば次のように作製すれば良い。
【0052】
導電性微粒子を液体に分散させ、この分散液を支持フィルム10の表面に塗布する。そしてこの塗布した分散液を乾燥させた後、ロールプレスやシートプレス等により圧縮する。この圧縮処理により導電性微粒子相互の接触面が増え、膜強度が増大して十分な機械的強度を備えた圧縮膜13を作ることが出来る。
【0053】
上記導電性微粒子としては、良好な導電性が得られる錫ドープ酸化インジウム(ITO)を使用する。なお、ITO以外にも、例えば、酸化錫や酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の導電性無機微粒子を用いることが可能である。さらに、ATO、ITO等の無機材料を硫酸バリウム等の透明性を有する微粒子の表面にコーティングしたものを使用することも出来る。
【0054】
また、上記圧縮膜(透明電極膜)13には、感光性接着剤組成物をしみ込ませても良い。このような接着剤含有圧縮膜によって透明電極膜13を形成すれば、露光工程での紫外線の照射により透明電極膜13にしみ込んだ接着剤組成物も硬化するから、硬化領域における透明電極13aと接着剤層14aとの接着強度を高めることが出来ると共に、後に述べる凹凸形成に有利な半硬化部分を透明電極膜に形成することも可能となる。
【0055】
透明電極膜13の上には接着剤層14を形成する。この接着剤層14は、例えば透明電極膜13の表面に感光性接着剤溶液を塗布し乾燥することにより形成する。接着剤としては、例えばアクリル系やエポキシ系の紫外線硬化型樹脂を用いた接着剤を使用すれば良い。
【0056】
(2)貼り合せ処理
次に、図10Bに示すように上記のようにして作製した電極膜材9を支持基材12に配置するが、このとき接着剤層14が支持基材12に接するようにして電極膜材9を支持基材12に重ね合わせる。
【0057】
(3)パターン露光
そして、図10Cに示すように、接着剤層14に対してマスク6を通じて紫外線5を照射することにより接着剤層14を硬化領域14aと未硬化領域14bとにパターニングし、硬化領域14aに対応する透明電極膜13aを、硬化した接着剤層14aによって支持基材12に接着する。なお、図10Cではマスク6を支持基材12の下面側に配置して下側(支持基材12側)から露光を行っているが、支持フィルム10として透光性を有するフィルムを使用すれば、図10Cとは逆に、支持フィルム10の上面側にマスク6を配置して上側(支持フィルム10側)から露光を行うことも可能である。
【0058】
(4)支持フィルムの剥離
パターン露光後、図10Dに示すように支持フィルム10を剥離する。なおこのとき、支持フィルム10に付着して未硬化領域の接着剤層14bとこれに対応する(その上の)透明電極膜13bもある程度剥がれることがあるが、隣り合う透明電極13a(硬化領域)と透明電極13a(硬化領域)の間が狭いほど、当該未硬化領域の接着剤層14bとその上の透明電極膜13bは支持基材12から剥がれにくくなる。
【0059】
(5)ブラシ処理
そして、支持フィルム10を剥離した面、特に未硬化領域部分に対して超音波振動するブラシを当て、衝撃を加えることにより、接着剤層の未硬化部分14bとその上の透明電極膜13bを破壊し除去する(図10E参照)。このとき、接着剤層の未硬化領域14bと硬化領域14aの境界部において透明電極膜13が割れて透明電極13aの側面に凹凸が形成される。なお、このブラシ処理に加えて(ブラシ処理と同時に又はブラシ処理の後に)、各透明電極13a,13a間に残留している未硬化の接着剤14bを溶解して除去するため、未硬化の接着剤14bを溶かす溶剤で洗浄する洗浄処理を行うことが好ましい。
【0060】
また、本発明ないし本実施形態では、接着剤層の硬化領域14aと未硬化領域14bとの間に半硬化領域(接着剤が全く硬化していないわけではないが硬化領域ほどには硬化していない部分)を形成することが好ましい。このような半硬化領域を利用し当該半硬化領域にブラシ処理を適用すれば、電極13aの側面(硬化領域の周囲)に比較的大きな凹凸を容易に形成することが出来るからである。
【0061】
この半硬化領域を形成する方法は特に問わない。例えば、図11に示すように感光性接着剤層に向け広がった開口(テーパ状の開口)7aを有するマスク7を通して露光を行えば、硬化領域14aと未硬化領域14bの間に半硬化領域14cを形成することができ、この接着剤層の半硬化領域14cとその上の透明電極膜13cとにブラシ処理を施すことによって容易に凹凸を形成することが出来る。
【0062】
また例えば、ヘイズ値の高い、紫外線を散乱させる効果のある材料により支持フィルム10を構成すれば、当該支持フィルム10によって露光光5,5aが散乱されるから、この散乱光を利用して硬化領域の周囲に半硬化領域を形成することが出来る。また、前述したようにベルト炉を使用して電極シートを一定の方向(例えば図11の左から右へ)に移動させながら露光を行えば、マスク開口7aに斜めに入射する露光光5aを得ることができ、硬化領域14aと未硬化領域14bとの間に半硬化領域14cを形成することが出来る。さらに、これらの方法を2以上組み合わせて適用しても良い。
【0063】
また図12を参照して、上記のように接着剤層に半硬化領域14cを形成する場合に、透明電極膜33を構成する圧縮膜として前述のような感光性接着剤を含む圧縮膜を使用すれば、接着剤層14だけでなく、透明電極膜33にも露光による硬化部分(混入された接着剤が硬化することによって圧縮膜の強度が増大された部分)33aと、マスク7により覆われて露光されない未硬化部分(圧縮膜の強度が増大されない部分)33bと、これら硬化部分33aと未硬化部分33bの間に形成される半硬化部分(混入された接着剤が半硬化状態になることによって圧縮膜の強度がやや増大された部分)33cとを形成することが出来る。
【0064】
またこのとき、図12に示すように透明電極膜33の半硬化部分33cは、接着剤層14の半硬化領域14cと同様に下方へ(支持基材12に向け)広がった台形状となるから、これら半硬化部分33c,14cにブラシ処理を適用することにより、側面に凹凸を備えると同時に透明電極33(33a,33c)および接着剤層14(14a,14c)を全体として台形断面を有するものとすることができ、前記図6に示したような気泡の残留と表面にフィルム等を貼ったときのうねりをより一層低減することが出来る電極シートを作製することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態において形成する前記凹凸の大きさは、例えばブラシ処理を行う時間や超音波振動の強さ、前記半硬化領域の形成幅、接着剤層に使用する接着剤の種類(接着力)、紫外線の照射時間や強度などを調整することによって様々に設定することが可能であるが、当該電極側面の凹凸は、例えば電極側面の長さ100μmの間隔に対して、大きさ(幅W:図5参照)は、10〜30μm程度で、凹部凸部がそれぞれ2つぐらい存在していることが好ましい。
【0066】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれら図面に基づいて説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことが出来ることは当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0067】
1 ローラ
2 気泡
5,5a 紫外線
6,7 マスク
6a,7a マスクの開口
9 電極膜材
10 支持フィルム
11 透明電極シート
12 支持基材
13 透明電極膜
13a 接着剤層の硬化領域に対応した透明電極膜の部分
13b 接着剤層の未硬化領域に対応した透明電極膜の部分
13c 接着剤層の半硬化領域に対応した透明電極膜の部分
14 感光性接着剤層
14a 接着剤層の硬化領域
14b 接着剤層の未硬化領域
14c 接着剤層の半硬化領域
21 カバーシート
22 光学糊
33 感光性接着剤を含有した透明電極膜
33a 透明電極膜の硬化部分
33b 透明電極膜の未硬化部分
33c 透明電極膜の半硬化部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する支持基材と、
当該支持基材上に配した透光性を有する透明電極と、
を備えた透明電極シートであって、
前記透明電極の側面が凸凹である
ことを特徴とする透明電極シート。
【請求項2】
前記透明電極は、タッチパネルのセンサ電極である
請求項1に記載の透明電極シート。
【請求項3】
前記透明電極は、導電性微粒子の集合体を圧縮して形成した圧縮膜からなる
請求項1または2に記載の透明電極シート。
【請求項4】
前記透明電極を前記支持基材の表面に固定する樹脂層を前記支持基材と前記透明電極との間に備えた
請求項1から3のいずれか一項に記載の透明電極シート。
【請求項5】
前記樹脂層は、感光性接着剤により形成されている
請求項4に記載の透明電極シート。
【請求項6】
前記樹脂層は、感光性接着剤が硬化した硬化領域と、当該硬化領域の周囲に形成され感光性接着剤が硬化領域ほどには硬化していない半硬化領域とを含み、
少なくとも当該半硬化領域の上に前記透明電極の凹凸の一部が形成されている
請求項5に記載の透明電極シート。
【請求項7】
前記透明電極は、台形の断面形状を有する
請求項1から6のいずれか一項に記載の透明電極シート。
【請求項8】
接触位置の検出を行うセンサ電極として前記請求項1から7のいずれか一項に記載の透明電極シートを1枚以上備えた
ことを特徴とするタッチパネル。
【請求項9】
情報を画面に表示可能な表示装置と、
当該表示装置の画面前面に設置した前記請求項8に記載のタッチパネルと、
を備えたタッチパネル付き表示装置。
【請求項10】
情報を表示しかつ入力する手段として前記請求項9に記載のタッチパネル付き表示装置を備えた電子機器。
【請求項11】
透光性を有し所定の形状にパターニングされた透明電極を、透光性を有する支持基材の表面に備えた透明電極シートを製造する方法であって、
前記透明電極の側面に凹凸を形成する工程
を含むことを特徴とする透明電極シートの製造方法。
【請求項12】
透光性を有し所定の形状にパターニングされた透明電極を、透光性を有する支持基材の表面に備えた透明電極シートを製造する方法であって、
支持フィルムと透明電極膜と感光性接着剤層とが順に積層された電極膜材を、前記感光性接着剤層と前記支持基材とが貼り合わされるように前記支持基材の表面に配置する工程と、
前記感光性接着剤層に対してマスクを通じて露光することにより前記感光性接着剤層を硬化領域と未硬化領域とにパターニングし、硬化領域に対応する透明電極膜を、硬化した感光性接着剤層を介して前記支持基材に接着する露光工程と、
前記電極膜材を構成する少なくとも支持フィルムを剥離する剥離工程と、
当該支持フィルムを剥離した電極膜材のうち前記未硬化領域の感光性接着剤層とこれに対応する透明電極膜とを、前記透明電極の側面が凸凹になるように除去する電極加工工程と
を含むことを特徴とする透明電極シートの製造方法。
【請求項13】
前記電極加工工程は、前記未硬化領域の感光性接着剤層とこれに対応する透明電極膜とをブラシによって掻き削るブラシ処理を含む
請求項12に記載の透明電極シートの製造方法。
【請求項14】
前記ブラシおよび前記支持フィルムを剥離した電極膜材のうちいずれか一方または双方を音波または超音波振動させながら前記ブラシ処理を行う
請求項13に記載の透明電極シートの製造方法。
【請求項15】
前記ブラシ処理に加えて、前記透明電極の間に残留している未硬化の接着剤を溶解可能な溶剤で洗浄する洗浄処理をさらに行う
請求項13又は14に記載の透明電極シートの製造方法。
【請求項16】
前記露光工程において、前記硬化領域と前記未硬化領域との境界部に、感光性接着剤が硬化領域ほどには硬化していない半硬化領域を形成し、
前記電極加工工程は、当該半硬化領域の感光性接着剤層およびこれに対応する透明電極膜を部分的に除去することにより前記透明電極の側面を凸凹にする処理を含む
請求項10から15のいずれか一項に記載の透明電極シートの製造方法。
【請求項17】
前記電極膜材の透明電極膜として、感光性接着剤組成物を含みかつ導電性微粒子の集合体を圧縮して形成した圧縮膜を使用し、
前記露光工程において、当該透明電極膜について、当該感光性接着剤組成物が硬化した電極膜硬化部分と、当該感光性接着剤組成物が硬化していない電極膜未硬化部分と、これら電極膜硬化部分と電極膜未硬化部分との間に位置して当該感光性接着剤組成物が硬化領域ほどには硬化していない電極膜半硬化部分とを形成し、
前記電極加工工程は、当該電極膜半硬化部分を部分的に除去することにより前記透明電極の側面を凸凹にする処理を含む
請求項10から15のいずれか一項に記載の透明電極シートの製造方法。
【請求項18】
前記露光工程では、前記感光性接着剤層に向け開口が広がったマスクを通して露光を行う
請求項16または17に記載の透明電極シートの製造方法。
【請求項19】
前記露光工程における露光光は、前記マスクの開口に斜めに入射する電磁波を含む
請求項16または17に記載の透明電極シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−221842(P2011−221842A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91278(P2010−91278)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【出願人】(510086442)TDKマイクロディバイス株式会社 (3)
【Fターム(参考)】