説明

通信システム

本発明は、ビルディングの通信システムにおけるサービスを生成する方法およびシステムを扱うものである。本発明の方法では、通信システムは、ローカルエリア通信に適用可能な少なくとも一つの端末装置と、少なくとも一つの通信手段と、通信システムを制御する少なくとも一つのサーバと、通信システムにおいてローカルエリアネットワークを形成する少なくとも一つの基地局と、前記通信手段、通信システムを制御する前記サーバおよび前記基地局の間で相互データ転送を行うローカルネットワークを含む。本方法において、複数のサービスフォルダが端末装置で生成され、各ケースにおける目的に適用可能なサービスフォルダが選択される。選択したサービスフォルダから、サービス要求が選択され、それは端末装置から通信システムに送信される。このとき、サービス要求は、一つ以上の通信手段を使用して一つ以上の下位段階で実行される。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、ビルディングにおける人々の移動に関するものである。とくに、本発明は、ビルディングの通信システムにおけるサービスを生成する方法およびシステムに関するものである。
【発明の背景】
【0002】
複数階ビルディングは通常、多数のエレベータ、エスカレータ、自動ドア、ゲート、情報ディスプレイおよび類似の通信手段を含み、人々をビルディング内のある場所から別の場所に案内、指示および運搬している。ビルディング内を移動して行先に到達する場合、乗客は、エレベータ呼び、自動ドアに対する操作コマンド、または案内情報および他の情報に関するサービス要求などのサービス要求を通信システムに対して発する必要がある。このようなサービス要求は通常、押しボタン、キーパッド、タッチスクリーンまたは他の対応する手動操作ユーザインターフェースを使用して手動で入力され、それらは、ビルディングに固定的に取り付けられ、または通信手段と組み合わされている。案内および他の情報の表示に対して、ディスプレイパネル、信号および/またはフロア固有の情報ボードが使用される。また、開発されているシステムでは、乗客が、たとえば、RFIDトランスポンダまたは携帯電話などの無線端末を使用してエレベータ呼びを発するものがある。また、ビルディングの所定の箇所に対する乗客の立ち入りが制限されている場合もあり、その場合、乗客はビルディング内の所望の場所に出入りするためにさまざまな個人識別方法を使用する必要がある。
【0003】
従来技術の解決法には、いくつかの重大な欠点がある。ビルディングの通信システムがいくつかの異なる通信手段を含んで、乗客が行先に到達するために利用しなければならないサービスを提供するような状況に対しては、それらは不十分であるか、または適していない。乗客は、通信システムにおいて、たとえば、エレベータ呼びおよび自動ドア操作コマンドなどの複数の連続的なサービス要求を発する必要がある。それは、同じユーザインターフェースまたは端末装置からいくつかの操作を含むサービス要求を入力できないためである。このような状況において、乗客は、行先に到達し、またはビルディングに関する所望の情報を入手するために、いくつかの異なるユーザインターフェースおよび/または端末装置を使用して、必要なサービス要求を入力する必要がある。これにより当然、乗客の行先到達が遅くかつ複雑になる。また、現代のオフィスビルディングは、通常、さまざまなセキュリティレベルのエリアを有し、そこに入るために、乗客は、電気的に読み取り可能な識別コードおよび/またはPINコード/パスワードなどのさまざまな識別方法または識別方法の組み合わせを使用して識別される。従来の解決法では、さまざまなセキュリティレベルを有するエリアに出入りするために、乗客は、さまざまな種類のいくつかのアクセス制御装置を使用することが要求され、ビルディングのアクセス制御システムおよび乗客のビルディング内移動の複雑さが増すことになる。
【0004】
さらに、従来技術の解決法では、乗客は、通信システム内で各自提供されるサービスおよびその方法に関して個人定義を作成(個人化)することができない。なぜなら、端末装置の機能は、端末装置または必要なソフトウエアにおいて恒久的にプログラムされ、所定の通信手段を操作する制御データは、乗客がいずれの手法でも操作できない内容のプログラムおよび制御データを提供する通信サーバから短時間で端末装置にダウンロードされるためである。したがって、乗客は、各自提供されるサービスの内容または機能のみならず、各自提供されるサービスの選択を個人化することができない。また、それらの解決法において、ソフトウエアおよび制御データを端末装置にダウンロードする過程は、乗客が所望のサービス要求を入力可能となるまえに、不合理に長時間を掛けることがあり、乗客を繰り返し不満にさせる。従来技術の解決法における明らかな欠点は、乗客がさまざまな移動状態において各自のニーズを最適に示す組み合わせから各自のサービスを簡単かつ短時間で選択できる論理的な組み合わせで分類されたサービスが乗客に提供されないことである。
【発明の目的】
【0005】
本発明は、従来技術の解決法が有するいくつかの上記の欠点を克服することを目的とする。本発明のさらなる目的は、以下の一つ以上の目的を達成することである。
− 乗客のサービス要求をあらかじめ通信システムに格納させること
− 通信システムに関する情報サービスおよびリアルタイム情報を、サービス要求の起動前、およびサービス要求実行中に乗客に提供すること
− 乗客がおそらく最も必要とするサービスを自動的に提供すること
− ある端末装置から別のものに対する乗客間の相互通信すること
【発明の概要】
【0006】
本発明の方法は、請求項1の特徴部分に開示したものを特徴とする。本発明のシステムは、請求項16の特徴部分に開示したものを特徴とする。本発明の他の実施例は、他の請求項に開示したものを特徴とする。また、発明の実施例は、本願の明細書および図面に示す。また、本願に示される本発明の内容は、上記特許請求の範囲で示す以外の別の手法で定義することもできる。また、本発明の内容は、いくつかの別個の発明から構成することもでき、とくに、本発明は、明示的なもしくは暗黙的な下位機能に照らして、または達成される利点もしくは一連の利点に関して考慮する場合がある。この場合、上記特許請求の範囲に含まれる属性の一部は、別の発明の概念の観点から不要にすることができる。本発明の基本的な概念の構成内において、本発明のさまざまな実施例の構成要件を、他の実施例に関連付けて適用することができる。
【0007】
以下に、本文中で使用する所定の用語の特定の意味を説明する。
− 用語「ビルディング」は、人間を収容するために設計した建造物を示し、たとえば、住居用ビルディング、オフィスビルディング、病院、空港、貿易センター、多階ガレージ、ならびに駐車場、駅および他の該当エリアなどの建造物に隣接したエリアがある。
− 用語「通信手段」は、ローカルデータネットワークを介して通信システムにおけるサーバと通信し、サービス要求に伴う操作を実行するのに用いられるシステムを示す。通信手段に考えられる例としては、エレベータシステム、自動ドア、エスカレータ、乗客コンベヤ、情報ディスプレイ、作業時間監視システム、空調システム、照明制御システム、アクセス制御システム、または他の該当するシステムが含まれる。
− 用語「下位段階」は、たとえば、エレベータ割り当て、エレベータ待ち合わせ、実際の移動、PINコード/パスワードの入力などのサービス要求の実行に関連する移動プロセスを示す。
【0008】
ビルディングにおける通信システムのサービスを生成する本発明の方法は、前記通信システムが、ローカルエリア通信に適した少なくとも一つの端末装置と、少なくとも一つの通信手段と、この通信システムを制御する少なくとも一つのサーバと、この通信システムにおけるローカルエリアネットワークを形成する少なくとも一つの基地局と、この通信手段、この通信システムを制御するこのサーバおよびこの基地局の間における相互データ転送を行うローカルネットワークとを含むもので、該方法は、複数のサービスフォルダをこの端末装置に作成する工程と、各場合における目的のために適用可能なサービスフォルダを選択する工程とを含む。選択したサービスフォルダから、サービス要求が選択され、このサービス要求はこの端末装置からこの通信システムに送信され、一つ以上の通信手段を使用して一つ以上の下位段階において実行される。
【0009】
本発明の実施例では、サービス要求が伴う乗客の実行権が確認されて、このサービス要求を受け入れまたは拒否する。本実施例では、乗客はサービス要求の実行権を得るために別の端末装置を必要としない。
【0010】
本発明の実施例において、一つ以上のデフォルトサービス要求が乗客ごとに定義され、各要求は乗客のサービス要求として、乗客が通信システムにおいて位置するところおよび/または移動時の時間に応じて、自動的に選択される。デフォルトサービス要求は、恒久的であるか、または、乗客が前回発行したサービス要求に基づいて決定される。本実施例によれば、ビルディングにおいて繰り返される移動を乗客に容易にするが、これは、乗客が最も必要とすると考えられるサービスを端末装置が自動的に提供するためである。
【0011】
本発明の実施例によれば、乗客に割り当てた一つ以上のサービス要求は、通信システムにおけるサーバに保存され、このサービス要求は、乗客が通信システムのローカルエリアネットワークの範囲内に入ったときに実行される。本実施例では、乗客は、各自の移動ルートを事前に計画することができ、または、通信システムを利用する他の当事者は、乗客を支援してビルディングにおける各自の目的地へ到達することができる。
【0012】
本発明の実施例によると、端末装置におけるサービスフォルダは、乗客がローカルエリアネットワークの範囲内に入ったときに、通信システムのサーバから自動的に更新することができる。本実施例によれば、乗客は常に、通信システムにおいて使用可能なサービスに関する最新情報にアクセスすることができる。
【0013】
本発明の実施例では、乗客の端末装置に作成されるサービスフォルダのセットは、次のサービスフォルダ:テナントフォルダ;行先フォルダ;情報フォルダ;緊急フォルダ、のうち、少なくとも一つを含む。本実施例では、さまざまな実用的ニーズに基づいてグループ分けした代表的なサービスフォルダが、乗客に使用可能となる。
【0014】
本発明の実施例において、通信システムに登録された乗客は、自身に関する情報に関連して、テナントフォルダの情報内容を定義することができる。本実施例によれば、ビルディングにおける居住者または営業している他の人々は、自身のプライバシに関する情報の転送に関し、通信システムに制約を課すことができる。
【0015】
本発明の実施例によれば、サービスフォルダから選択したサービス要求に関連するステータスデータは、乗客の端末装置に送信される。本実施例では、乗客は通信システムに関するリアルタイム情報を保有でき、ビルディングにおける各自の移動をよりよく計画することができる。
【0016】
本発明の実施例によると、乗客の端末装置に送信されるステータスデータは、アクセス可能性に関するリアルタイム情報、および/またはテナントフォルダから選択した目的物がビルディングの通信システムにおいて位置する場所から構成される。本実施例では、乗客は各自の訪問の時間を正確にし、ビルディングにおける移動の無駄を省くことができる。
【0017】
本発明の実施例では、ビルディングにおける乗客の到着またはビルディングからの各自の退去を示すメッセージが、通信システムに接続された作業時間監視システムに対するサービス要求とともに送信される。本実施例では、乗客は、ただ一つのサービス要求を使用して、各自の作業場所への/からの移動、および、それと同時に、作業時間監視システムへのログイン/からのログアウトが可能となる。
【0018】
本発明の実施例において、サービス要求の一つ以上の下位段階の開始および/または終了は、振動アラームおよび/またはサウンドアラームにより端末装置に示される。本実施例では、乗客に各自の移動に関するイベントを通知することができ、これにより、乗客はビルディングのある場所から別の場所へと素早く、簡単に移動することができる。
【0019】
本発明の実施例によれば、乗客の個人用端末装置は、次の端末装置:携帯電話;PDA装置(Personal Digital Assistant);ポータブルコンピュータ、のうちの一つである。したがって、乗客は、サービス要求を、乗客が別の目的にも使用可能な汎用装置から送信できる。
【0020】
本発明の実施例によると、端末装置の次のプロパティ:
− ハンズフリー機能の起動
− 個人的移動ニーズの定義
− サービス要求の下位段階の開始または終了を示すサウンドおよび/または振動アラームの起動
− サービス要求に関連して端末装置が使用する言語の選択
− 端末装置のサービスフォルダの内容変更
のうち、一つ以上を個人化することができる。
【0021】
乗客は、個人化したプロパティを利用して、各自の端末装置において、通信システムにおいて各自のニーズを最適に満たす機能を設定することができる。
【0022】
本発明の実施例では、乗客がエレベータを通信手段として使用する場合、情報項目が乗客の端末装置に一つ以上の下位段階の間に示される。この項目は、次の情報項目:乗客に割り当てたエレベータ、乗客の行先フロア、乗客に割り当てたエレベータの現在のフロア番号、乗客に割り当てたエレベータの次の停止フロア、サービス要求がさまざまなエレベータで移動すべきいくつかの経路を含む場合のフロア変更、のうち、一つ以上を含む。このような情報は、乗客を案内して、各自が行先フロアに素早くかつ確実に到着できるようする。
【0023】
本発明には、従来技術の解決法に比べて大きな利点を提供する。乗客は一つの端末装置のみを必要とし、これにより、乗客は必要なサービス要求を容易にかつ素早く発行して、移動に必要な通信システム機能を同じ端末装置から起動することができる。また、乗客は、必要に応じて、端末装置の機能およびサービスフォルダを個人化することができる。乗客に提供したサービス要求をグループ化することにより、乗客は、素早くかつ容易に各自が必要なサービス要求を選択することができる。さらに、乗客は、サービス要求を起動する前であって、サービス要求を実行するさまざまな下位段階の間に、通信システムに関するリアルタイム情報を受信する。本発明による他の利点には、本発明のさまざまな実施例に関連して既に説明したものがある。
【発明の詳細な説明】
【0024】
本発明は、ビルディングの通信システムにおいてサービスを生成する方法およびシステムに関するものである。図1は、本発明の通信システムの例を示す。通信システム1は、Bluetooth接続を備えた複数の端末装置100a、100b、ローカルエリアネットワーク103の基地局104a、104b、エレベータグループ制御システム106を含むエレベータグループ(図1に示さず)、通信システムを調整するサーバ107、アクセス制御サーバ108、作業時間監視サーバ109、情報サーバ114および、これらを接続するローカルネットワーク115を含む。基地局のローカルフィールド103a、103bは、通信システムのローカルフィールド103を形成する。サービス要求を生成するために、端末ソフトウエアパッケージは、乗客が選んだ場所、たとえば、通信システムのローカルエリアネットワーク内部、またはインターネット接続を介した乗客の家庭、共通携帯電話ネットワークもしくは他の適当なデータ転送接続点において、端末ソフトウエアパッケージをダウンロード可能なサーバ(図1に示さず)から端末装置にインストールされる。端末ソフトウエアは、図1に対応するすべての通信システムを使用するのに可能な汎用ソフトウエアから構成される。ソフトウエアの機能は、サービス要求および情報を、乗客の端末装置と通信システムの他のものとの間で伝送することである。乗客はいつでも端末ソフトウエアを使用して、アプリケーションに与えられた機能の個人化およびサービス要求の発行が可能である。通信システム1のサービス利用を開始するためには、乗客は、通信システムを使用して乗客として登録する必要があり、乗客自身によって、または登録行為を承認された別の当事者によってそれを行う。登録は、ダウンロード可能な端末ソフトウエアから同じサーバを介して、または通信システムと相互通信する他のサーバ(図1には示さず)を介して実行されてよい。登録に関して、複数のサービスフォルダは、ユーザを登録している通信システムに関連するフォルダのデフォルトセットとして端末装置に保存される。ユーザが自身を一つ以上の通信システムのユーザとして登録する場合、これに対応して、当該通信システムに関するサービスフォルダのセットを自身の端末装置にダウンロード可能である。登録に関連して、乗客の端末装置の識別コードおよび必要な他の登録データが通信システムサーバ107に送信されて保存され、さらに基地局104a、104bに送信される。登録後、乗客の端末装置および通信システム1の基地局は、乗客が通信システムのローカルエリアネットワーク103の範囲内にいるとき、相互通信可能となる。図1の例において、ローカルエリアネットワーク103は、Bluetooth技術を使用して形成されるが、Bluetooth技術の代わりに、WLAN技術または赤外線技術などの短距離通信に適用される通信技術を使用可能である。基地局は、ビルディングにおけるさまざまの場所に設置されて、所望の通信エリアを提供する。
【0025】
図1に示す通信システムにおいて、通信システムに登録した乗客の端末装置は、端末装置識別コード、たとえば端末装置のBluetooth識別コードに基づいて基地局104a、104bによって走査される。通信システムに登録した乗客がビルディングに到着したとき、基地局104a、104bのひとつが乗客の端末装置を端末装置識別コードに基づいて識別し、基地局および端末装置間で通信接続130を開始する。ローカルエリアネットワーク103の範囲内への乗客の到着を通知する情報は、識別を行った基地局から、通信システムサーバおよび他の基地局に送信される。この情報には、たとえば前述の端末装置識別コードなどの乗客識別データおよび、ビルディングにおける基地局の位置を示すデータが含まれる。その同じ接続において、通信システムを示す識別子が基地局から端末装置に送信される。乗客が通信システムにおいて移動する場合、前述の乗客識別および位置データは、乗客が現に存在している基地局のローカルフィールド103a、103bに応じて、通信システムサーバおよび他の基地局上で更新される。したがって、通信システムサーバおよび基地局は、通信システムの範囲内にいる乗客およびビルディングにおける乗客位置に関するリアルタイム情報を有する。
【0026】
通信システムサーバ107の機能の一つは、通信システムにおけるサービス要求の実行を調整することである。それは、乗客が発出したサービス要求を受信し、乗客のサービス要求実行権を確認し、サービス要求を実装している通信手段を起動し、サービス要求に関連するメッセージおよび情報を通信システム内部に送信する。また、通信システムサーバは、通信システムの更新済みサービスフォルダをデータベース110において保有し、乗客がビルディングに到着したとき、乗客の端末装置に対してアップロードおよび更新が可能な状態になる。サービスフォルダは、実用的な要求に従ってサービス要求を異なったカテゴリに分類することによって作成される。これにより、乗客は自身の端末装置によって所望のサービスを簡単に見つけて選択できる。以下に、考えられるサービスフォルダの例を示す。
【0027】
− テナントフォルダ:このフォルダを使用すると、乗客はビルディングにおいて居住している人または業務を有する人にサービス要求を絞ることができる。テナントフォルダにおける所望の人物の名前を選択することにより、乗客は、この名前により決まる行き先フロアに対してサービス要求、たとえばエレベータ行先呼びを発行し、メッセージを送信し、またはその名前により決まる端末装置に電話をかける。また、乗客は、自身の端末装置に、該当する人物のアクセス可能性に関するリアルタイム情報を受信できる。たとえば、その人物がビルディングにおける想定場所もしくはビルディングにおける他の場所に位置するか、またはその人物がビルディングにはいないかという情報、および、その人物の予想戻り時間もしくはアクセス可能性に関する他の状況に係る情報を受信することができる。
【0028】
− 行先フォルダ:このフォルダにより、乗客は、ビルディングにおけるさまざまなフロアに所在する企業、レストラン、オフィスおよび関連するコミュニティにサービス要求を絞ることができる。行先フォルダにおける所望の名称を選択することにより、乗客は、サービス要求として、たとえばエレベータ呼びを会社の受付フロアに発行し、または乗客がビルディングの玄関ホールに到着したことを会社の受付に通報できる。
【0029】
− 情報フォルダ:このフォルダにより、乗客は、ビルディングにおいて使用可能な各種の情報サービスを各自の端末装置に提供することを要求できる。情報サービスには、たとえばニュースサービス、案内情報、天気予報サービス、交通機関スケジュールまたは関連する情報サービスがある。情報サービスの利用は、料金支払いの対象となり、乗客のサービスのユーザとしての登録を必要とすることがある。
【0030】
− 緊急フォルダ:このフォルダにより、乗客は、緊急状態に関するサービス要求を実行できる。たとえば、エレベータにビルディングの脱出フロアを指示し、エレベータがフロア間で動かないことを通報し、急病のケースまたは救助が必要な他の相当するニーズについて通報する。
【0031】
サービスフォルダは、この機能の実施を割り当てられ、または承認された当事者によって管理される。また、テナントフォルダは、名称の保有者によって、各自のデータに関連して管理される。通信システム特有の端末装置のサービスフォルダは、一つ以上の段階で生成され、以下のものが含まれる。
【0032】
− 通信システムのサービスフォルダを、デフォルトにより、通信システムのユーザとして登録している乗客に接続している端末装置にダウンロードする。
【0033】
− サービスフォルダの内容を、端末装置にインストールした端末ソフトウエアを使用して、乗客が変更する。乗客は、端末装置のサービスフォルダからサービスを削除し、変更し、および/またはサービスを追加することができる。また、乗客は、新しいサービスフォルダを作成し、および/または端末装置からサービスフォルダを削除することができる。
【0034】
− 乗客がビルディングのローカルエリアネットワーク範囲内に到着したとき、サービスフォルダに関する更新情報を、通信システムがデータベース110から乗客の端末装置にダウンロードする。更新は、乗客が実行権を有するサービスだけ、および変更したデータだけに関係するのが望ましい。通信システムの一つ以上のサービスフォルダが端末装置からなくなっている場合、紛失したフォルダを端末装置にダウンロードする。
【0035】
− 乗客が通信システムのローカルエリアネットワークの範囲外にいるとき、端末装置のフォルダを、一般携帯電話ネットワーク、インターネット接続または他の適切な通信接続を介して更新する。
【0036】
ビルディングに到着すると、乗客は、当該ビルディングの通信システムに関連するサービスフォルダにアクセスするに過ぎず、そこから乗客が所望のサービス要求を選択して起動する。通信システムにおいて乗客に提供すべきサービスフォルダの選択は、通信システムの識別コードに基づいて端末装置で行われ、この識別コードは乗客が通信システムのローカルエリアネットワークの範囲内に到着したとき、端末装置に送信される。サービス要求がサービス要求フォルダから選択されたことを示すデータは、サービス要求の起動の前に、端末装置から通信システムサーバへと即座に送信される。それに応じて、乗客は、選択したサービス要求に関連するリアルタイムステータス情報、たとえば、会社の開業時間、レストランの予約状況、エレベータシステムの負荷レベル、または他の対応するステータス情報を示す情報を、各自の端末装置に受信する。サービス要求の実行前に、通信システムサーバは、乗客が起動したサービス要求の乗客の実行権を確認し、情報サービスおよび行先に対する乗客のアクセス権などを確認する。図1において、参照番号108で示されるアクセス制御サーバは、通信システムのアクセス権を管理するもので、ビルディングにおけるさまざまな場所に対する乗客のアクセス権を格納しているデータベース112を含む。乗客のアクセス権は、アクセス権を適用する場所、該当場所へアクセスするためのアクセス権コード、およびアクセス権の有効期間を定義する時間属性を示すデータを含む。アクセス権コードは、端末装置の識別コード、PINコード/パスワード、手書き識別子、指紋識別または他の対応する識別子を含む、乗客を識別する一つ以上の識別子から構成される。乗客は、いくつかのさまざまなアクセス権を同時に有効にし、たとえば、その者は、ビルディングの低位階では制限されることなく、ビルディングの中位階では端末装置の識別コードによって、アクセスすることができるが、ビルディングの最上階のアクセスを得るためには、その者は、各自の端末装置からPINコード/パスワードまたは他の対応するさらなる識別子を追加して入力する必要がある。乗客のアクセス権は、この機能を割り当てられ、または承認された当事者によって管理される。また、訪問客に対する最初の一時的アクセス権は、与えられた権利の範囲内で、通信システムを使用する者によって起動することができる。アクセス権の起動に関連して、乗客の端末装置は、起動および可能なPINコード/パスワードに関する情報を受信する。
【0037】
通信システムサーバは、乗客のデフォルトサービス要求を乗客特有の基準に基づいて管理および提供する。この基準は、恒久的に定義されたデフォルトサービス要求、または前回の訪問時に乗客が使用したサービス要求のいずれかでよい。デフォルトサービス要求は、時間および/またはビルディングにおける場所に関連する。乗客は、デフォルトサービス要求を受け入れることも、拒否することもでき、またはそのかわりに別のサービス要求を選択することもできる。
【0038】
通信システムサーバは、サービス要求に関連するメッセージを、通信システムに含まれる通信手段に送信する。このようなメッセージの例は、作業時間監視サーバ109に対するメッセージである。乗客がビルディングの玄関ホールに到着し、サービス要求を各自の作業場所が位置するフロアに発行したとき、通信システムサーバは、各自の作業場所における乗客の到着を示すメッセージを、作業時間監視サーバ109宛てに作成する。したがって、乗客が該当フロアを離れたとき、および、ビルディングの玄関ホールに到着したとき、乗客が発行したサービス要求は、乗客の作業場所からの退出に関して、作業時間監視サーバ宛てにメッセージを作成する。これらのメッセージに応答して、作業時間監視サーバは、たとえば作業時間の差分などの乗客の作業時間に関連する情報を、乗客の端末装置に送信する。
【0039】
図1による解決法では、通信システムサーバは、通信システムの使用に関する履歴データを、後で参照するために、履歴データベース113に格納する。格納すべきデータは、乗客の実際の移動ルートおよび/または乗客が発出したサービス要求とともに、時間および場所のデータを含む。
【0040】
図1による解決法では、バッファメモリ111が備えられて、ここで、サービス要求を乗客のためにあらかじめ格納することができ、その要求の実行は、乗客が通信システムのローカルエリアネットワークの範囲内に到着したとき、自動的に起動される。乗客がローカルエリアネットワークの範囲外にいるとき、その乗客は、一般携帯電話ネットワークなどの適切なデータ転送ネットワークを介して端末装置から自身でサービス要求を格納することができ、または、その格納は、各自の端末装置から通信システムを使用して他の人物が実行してもよい。実行後、バッファメモリに格納されたサービス要求は、バッファメモリから削除される。
【0041】
乗客の端末装置にインストールした端末ソフトウエアは、複数のオプションプロパティを含み、それらから乗客が各自に最適な機能の組み合わせを個人化することができる。個人化可能なプロパティは、一つ以上の以下のようなものを含む。
【0042】
− 端末装置の音声案内情報および/または音声コマンドを使用開始するハンズフリー機能
− 端末装置の振動および/またはサウンドアラームなどのサービス要求に関連する表示の起動
− デフォルトサービス要求を選択する基準。このような基準は、時間および/またはビルディングにおける乗客の位置に基づく恒久的または前回のサービス要求である。
【0043】
− 乗客個人の特殊ニーズ。たとえば、場所使用に対して増大した要求、ドア時間の延長、個人的利用(VIP)のためのエレベータカーの予約
− 端末装置におけるサービスフォルダの内容
− 乗客に対するメッセージにおいて通信システムが使用する言語
また、図1による通信システムに適用可能な発明思想としては、実施例で説明するように、乗客が通信装置のサウンド信号を各自の端末装置を介して設定する。例としては、エレベータの聴覚環境の設定を説明し、ここで、乗客は玄関ホールおよび/またはフロアにおけるエレベータの到着を示すサウンドを個人化する。本実施例において、乗客は、各自の端末装置を使用して、聴覚環境を定義するコードおよび/またはサウンドファイルを通信システムに送信し、それに基づいて、各エレベータ制御システムは、乗客が通信システムにおけるエレベータを使用しているときに、個人化したサウンドを再生する。
【0044】
図1による通信システムにおけるサービス要求の発行を、いくつかの例の見解において説明する。乗客がビルディングに到着したとき、通信システムの最寄りの基地局が、到着した乗客の端末装置を識別し、このとき、相互通信接続が乗客の端末装置と通信システムの残りとの間で立ち上げられる。端末装置における端末ソフトウエアは、相互通信接続が確立したことを示すデータを受信する。そうすると、開始表示(図3a)が端末装置のディスプレイに現れ、端末装置は、サウンドおよび/または振動アラームを生成して相互通信接続が確立したことを示す。相互通信接続が一旦立ち上がると、通信システムサーバは、端末装置のサービスフォルダなどの端末装置のビルディング特有データを確認し、必要であれば、変更および紛失したデータを端末装置に対して更新する。バッファメモリに格納されたサービス要求が乗客のためにある場合、それらは直ちに実行される。開始フェーズが終了後、選択ウィンドウが端末装置のディスプレイに現れ、ここで、乗客のデフォルトサービス要求は、図3bにおける例「My Office」では、選択用に強調表示される。乗客が希望すれば、その者は、デフォルトサービス要求の代わりに他のサービス要求を各自の端末装置上で選択でき、あるいはそれを受け付け、または拒否できる。乗客は、端末装置のOKボタンを押圧することによって、強調表示したサービス要求(My Office)を起動する。そうすると、フロア10の行先フロア呼びが端末装置から通信システムサーバに送信される。通信システムサーバは、このサービス要求を受信および解釈し、乗客のサービス要求の実行権を確認して、そのサービス要求に対応する動作要求をエレベータシステムのグループ制御106に送信し、乗客が使用すべきエレベータを行先フロア10に移動するように割り当てる。端末装置は、受け付けたサービス要求をサウンドおよび/または振動アラームを介して乗客に示し、サービス要求を実行している間に端末装置のディスプレイで実装ウィンドウを開いて、サービス要求の実装に関連する乗客情報を表示する。図3dは、乗客に割り当てたエレベータの識別子(B)をその者に示す実装ウィンドウを示す。割り当てたエレベータBが乗客の玄関フロアに到着したとき、端末装置は、エレベータの到着を、サウンドおよび/または振動アラームを介し、ウィンドウをつぎの実装ウィンドウに切り換えることによって示し、ここで、乗客は、各自に割り当てられたエレベータBに乗り込むように促される(図3f)。移動中、乗客は新たなサービス要求、たとえば、乗客の行先フロアの変更、または情報サービスの申し出を与えることができる。エレベータBが乗客の行先フロア10に到着した時、端末装置は、サービス要求の実行終了を知らせるサウンドおよび/または振動アラームを介してその到着を示す。
【0045】
乗客のサービス要求に含まれるルートは、エレベータ、エスカレータおよび/または自動ドアなどのいくつかのさまざまな通信手段を伴う場合がある。この場合、端末装置は、乗客がある通信手段から別のものに移動するとき、その者を案内する。図4aは、例として、このような状況を図示する。乗客は、ビルディングの玄関ホールに到着し、上述のように、サービス要求を発行する。サービス要求は、フロア96に位置する乗客の作業場所(My Office)に適用される。エレベータシステムは、最初に、エレベータBを乗客に割り当てる(図4b)。移動中、乗客には、各自がエレベータをフロア36で乗り換えるよう通知される(図4c)。エレベータBがフロア36に到着すると、エレベータシステムは、エレベータCを乗客に割り当て、フロア36からフロア96に移動し、乗客には、端末装置を介してこのことが通知される(図4d)。乗客がエスカレータ、自動ドアまたは他の相当する通信手段を各自のルート上で使用する必要がある場合、システムは、それに従ってそのルートにおけるさまざまな段階で乗客を案内する。
【0046】
図2は、行先フォルダから行先フロアを選択するための選択ウィンドウを、例として示す。端末装置のディスプレイ250のパーティション200は、行先フォルダに格納されたサービス要求リストを示し、パーティション210は、そのリストから選択したサービス要求に対する行先フロアを示す。サービス要求リストにおいて、カーソルはサービス要求「My Office」上にあり、選択したサービス要求が強調表示されている。乗客は、OKボタン220を押圧することによって「My Office」サービス要求を起動する。「My Office」サービス要求の代わりに、乗客は、多機能キー230(ナビゲータキー)にてカーソルを上下に移動することによって、または端末装置のキーパッド240から直接的に所望の行先フロア番号をタイプすることによって、他のサービス要求をリスト200から選択することができる。多機能キー230を使用して、乗客は、通信システムの他のサービスフォルダを各自のために選択する。パーティション250において、選択したサービス要求に関連するステータスデータは、アルファベット、グラフィックおよび/または背景色を使用して表示される。背景色は、たとえばエレベータ待ち時間を示すために次のように使用することができる:緑=短い待ち時間(0〜30秒)、黄色=通常の待ち時間(31〜100秒)、赤=長い待ち時間(>100秒)。
【0047】
図5は、テナントフォルダの例を示す。パーティション500には、テナントフォルダに格納された個人名リストがアルファベット順に表示されている。パーティション510には、そのリストから選択した人物に関する、人物の写真、所属、ビルディングにおける行先フロアおよび部屋番号などの情報が表示されている。乗客は、リスト500から所望の人物の名前を選択し、「Make call」キー250を押圧することによって、当該人物に電話をかけることができる。
【0048】
図3eは、乗客がエレベータBを使用して行先フロア(My Office)に移動する場合の実装ウィンドウの例を示す。パーティション350は移動の行先フロア34を、パーティション352は現在のフロア番号13を、パーティション352はエレベータ位置データ(玄関ホールに対する測定した高さ)、パーティション351はエレベータに割り当てられた停止フロア16、19、24、27を停止順に、それぞれ示している。
【0049】
当業者にとって明らかなように、本発明のさまざまな実施例は、上述した実施例に排他的に限定されることはなく、上に示す特許請求の範囲の範囲内で変更されてよい。また、当業者にとって明らかなように、通信システムのサーバは同じサーバコンピュータに統合することができ、また、サーバに接続するローカルネットワークは有線または無線技術により実装されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明による通信システムを示す。
【図2】ないし
【図5】図2〜図6は、乗客の端末装置の使用に関連する、本発明によるいくつかのディスプレイを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルディングの通信システムに対するサービス要求の入力のためにローカルエリア通信に使用可能な少なくとも一つの携帯端末装置と、少なくとも一つの通信手段と、前記通信システムを制御する少なくとも一つのサーバと、前記通信システムにおけるローカルエリアネットワークを形成する少なくとも一つの基地局と、前記通信手段、前記通信システムを制御する前記サーバおよび前記基地局の間における相互データ通信を行うローカルネットワークとを含むビルディングの通信システムにおいてサービスを生成する方法において、該方法は:
− 前記端末装置において複数のサービスフォルダを生成する工程と、
− 前記複数からサービスフォルダを選択し、その選択したサービスフォルダからサービス要求を選択する工程と、
− その選択したサービス要求を前記端末装置から前記通信システムを制御する前記サーバに送信する工程と
− 前記通信システムのサーバに送信した前記サービス要求を、一つ以上の通信手段を使用して、一つ以上の下位段階において実行する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、該方法は:前記サービス要求に伴う乗客の実行権を確認して、前記サービス要求を受け付けまたは拒否する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1ないし2のいずれかに記載の方法において、一つ以上のデフォルトサービス要求が前記乗客ごとに定義され、各サービス要求は、前記乗客が前記通信システムにおいて位置するところおよび/または移動時の時間に応じて、および前記通信システムに設定した選択基準に基づいて、前記乗客のサービス要求として自動的に選択されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法において、デフォルトサービス要求の選択に使用する選択基準は、恒久的選択または乗客の前回のサービス要求選択のいずれかであることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の方法において、該方法はさらに:
− 前記乗客に適用可能な一つ以上のサービス要求を前記通信システムサーバに格納する工程と
− 前記通信システムの前記ローカルエリアネットワークの範囲内における前記乗客の到着に応じて前記格納したサービス要求を実行する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の方法において、該方法は、乗客が前記通信システムの前記ローカルエリアネットワークの範囲内に到着するときに、前記端末装置の一つ以上のサービスフォルダにおけるデータを更新する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の方法において、前記端末装置において生成した前記複数のサービスフォルダは、次のサービスフォルダ:テナントフォルダ、行先フォルダ、情報フォルダ、緊急フォルダ、のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の方法において、前記通信システムに登録した乗客は、テナントフォルダの情報内容を、自身に関する情報に関連して定義することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の方法において、該方法はさらに、サービスフォルダから選択した前記サービス要求に関連するステータス情報を、前記サービス要求の起動前に、前記端末装置に送信する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記乗客の端末装置に送信した前記ステータス情報は、前記テナントフォルダから選択した人物のアクセス可能性および/または人物がビルディングにおいて位置する場所に関するリアルタイム情報を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の方法において、該方法は、サービス要求に関連して、前記乗客の各自の作業場所への到着または前記乗客の各自の作業場所からの退出を示すメッセージを、前記通信システムと接続した作業時間監視システムに送信する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の方法において、該方法はさらに、前記サービス要求の一つ以上の下位段階の開始および/または終了を、前記端末装置の振動アラームおよび/またはサウンドアラームを介して示す工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の方法において、使用される前記端末装置は、携帯電話、PDA装置またはポータブルコンピュータであることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の方法において、該方法はさらに、
− サービス要求のハンズフリー機能の起動
− 個人的移動ニーズの定義
− サービス要求の下位段階の開始および/または終了を示すサウンドおよび/または振動アラームの起動
− サービス要求に関連して前記端末装置が使用する言語の選択
− 前記端末装置の前記サービスフォルダの内容変更
などの、前記端末装置を個人化する工程のうち、一つ以上を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載の方法において、前記通信手段がエレベータであるとき、前記サービス要求の実装中において、次の通知項目:
− 前記乗客に割り当てたエレベータ
− 乗客の行先フロア
− 前記乗客に割り当てたエレベータの現在のフロア番号
− 前記乗客に割り当てたエレベータの次の停止フロア
− 前記サービス要求がさまざまなエレベータで移動すべきいくつかの経路を含む場合のフロア変更
のうち、一つ以上を前記乗客の端末装置に示すことを特徴とする方法。
【請求項16】
ビルディングにおける通信システムに対するサービス要求の生成のためにローカルエリア通信に適用可能な少なくとも一つの携帯端末装置と、少なくとも一つの通信手段と、前記通信システムを制御する少なくとも一つのサーバと、前記通信システムにおけるローカルエリアネットワークを形成する少なくとも一つの基地局とを含むビルディングにおける通信システムのサービスを生成するシステムにおいて、
− 前記端末装置は、該端末装置において作成された複数のサービスフォルダを含み、
− 前記端末装置は、前記複数のサービスフォルダにおけるサービスフォルダからサービス要求を選択する手段を備え、
− 前記端末装置は、前記選択したサービス要求を、前記通信システムを制御するサーバに送信するように構成され、
− 該システムは、前記通信システムの前記サーバに送信された前記サービス要求を、一つ以上の通信手段を用いて一つ以上の下位段階において実行するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムにおいて、該システムは、前記サービス要求に伴う乗客の実行権を確認して、前記該サービス要求を受け付けまたは拒否するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項16ないし17のいずれかに記載のシステムにおいて、一つ以上のデフォルトサービス要求が乗客ごとに定義され、各要求は、前記乗客が前記通信システムにおいて位置するところおよび/または移動時の時間に応じて、および前記通信システムに設定した選択基準に基づいて、前記乗客のサービス要求として自動的に選択されることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項16ないし18のいずれかに記載のシステムにおいて、デフォルトサービス要求の選択基準は、恒久的選択、乗客の前回のサービス要求であることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項16ないし19のいずれかに記載のシステムにおいて、該システムはさらに、前記乗客に割り当てた一つ以上のサービス要求を蓄積し、前記通信システムの前記ローカルエリアネットワークの範囲内における前記乗客の到着に応じて、前記サービス要求を実行する、蓄積媒体(111)を含むことを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項16ないし20のいずれかに記載のシステムにおいて、該システムは、前記乗客が前記通信システムの前記ローカルエリアネットワークの範囲内に到着したとき、前記通信システムにおけるサーバから一つ以上のサービスフォルダにおけるデータを更新するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項16ないし21のいずれかに記載のシステムにおいて、前記端末装置において生成した複数のサービスフォルダは、次のサービスフォルダ:
− テナントフォルダ
− 行先フォルダ
− 情報フォルダ
− 緊急フォルダ
のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記テナントフォルダの情報内容は、自身に関する情報に関連して、前記通信システムに登録した乗客によって定義されることを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項16ないし23のいずれかに記載のシステムにおいて、該システムは、サービスフォルダから選択した前記サービス要求に関連するステータス情報を、前記サービス要求の起動前に、前記端末装置に送信するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムにおいて、該システムは、テナントフォルダから選択した人物のアクセス可能性および/または人物がビルディングにおいて位置する場所に関するリアルタイム情報を含むステータスデータを、前記乗客の端末装置に送信するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項16ないし25のいずれかに記載のシステムにおいて、該システムは、サービス要求に関連して、前記乗客の自身の作業場所への到着または前記乗客の自身の作業場所からの退出を示すメッセージを、前記通信システムと接続した作業時間監視システムに送信するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項16ないし26のいずれかに記載のシステムにおいて、該システムは、前記サービス要求の一つ以上の下位段階の開始および/または終了を、前記端末装置の振動アラームおよび/またはサウンドアラームを介して示すように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項28】
請求項16ないし27のいずれかに記載のシステムにおいて、前記端末装置は、携帯電話、PDA装置またはポータブルコンピュータであることを特徴とするシステム。
【請求項29】
請求項16ないし28のいずれかに記載のシステムにおいて、前記端末装置は、次の機能:
− サービス要求のハンズフリー機能、
− 個人的移動ニーズ、
− サービス要求の下位段階の開始および/または終了を示すサウンドおよび/または振動アラーム、
− サービス要求に関して前記端末装置が使用する言語、
− サービスフォルダの内容
のうち、一つ以上を個人化するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項30】
請求項16ないし29のいずれかに記載のシステムにおいて、前記通信手段がエレベータであるとき、前記サービス要求の実装中において、次の情報項目:
− 前記乗客に割り当てたエレベータ
− 乗客の行先フロア
− 前記乗客に割り当てたエレベータの現在のフロア番号
− 前記乗客に割り当てたエレベータの次の停止フロア
− 前記サービス要求がさまざまなエレベータで移動すべきいくつかの経路を含む場合のフロア変更
のうち、一つ以上を示すように構成されることを特徴とするシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−527936(P2009−527936A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554796(P2008−554796)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【国際出願番号】PCT/FI2007/000028
【国際公開番号】WO2007/093665
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(591159044)コネ コーポレイション (75)
【氏名又は名称原語表記】KONE CORPORATION
【Fターム(参考)】