説明

通信システム

【課題】携帯端末を内線端末として利用することにより行動範囲の制約を受けず、かつ通信コストの抑制を可能とする通信システムを提供する。
【解決手段】この通信システムは、携帯通信回線又は無線LAN回線を介して通信を行う通信システム10であって、内線電話番号が付与され、音声通信を行う音声通話手段を備えた携帯端末24及び内線端末23a,23bと、携帯端末がネットワーク40を通じて発着信する音声通話及び端末間の音声通話を交換接続する機能と、前記携帯端末及び前記内線端末の内線番号及びプライベートアドレスを管理する機能とを有する内線端末管理手段22と、ネットワークを介して外部端末に接続するための光回線終端装置25と、携帯端末、内線端末、内線端末管理手段及び光回線終端装置を接続するための仮想ネットワーク21と、を備え、携帯端末は、ネットワークを介して仮想ネットワークに接続する際に、携帯通信回線又は無線LAN回線のいずれかにより接続されることを特徴とする通信システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信システムであって、特にたとえば、携帯端末を用いた通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの企業における経営者は、限られた人員によりサービスの質を落とすことなく事業経営を継続して行うことが求められている。そのような制約の中での経費の削減や業務の効率化といった課題は、企業におけるどの業種やどの組織であっても共通に存在している。
しかしながら、現在のような情報化社会において、通信費は益々増加する一方である。そこで、企業は、経費の削減等の解決策として、通信費を抑えつつ端末を効率よく活用する必要があるところ、それにより、当然ながらサービスの質まで落とすことはできない。従って、企業は、費用面・機能面から優れたサービスがより求められる時期に来ているといえる。
【0003】
一方、現在、携帯端末は広く普及しており、通信費は別として通信インフラとしては非常に充実してきている。加えて、近年では、スマートフォンなる各種アプリケーションをインストールできるPC並みの携帯端末が市場に出回っている。さらに、通信方法も同様に進化しており、携帯電話通信や無線LAN通信といった、より多くの通信方式で情報伝達が行えるようになっている。
【0004】
上述したような状況の中、効率的な通信運用を目的とした技術として、例えば、複数の構内間を移動する回線交換式の携帯端末に対しても呼接続可能とする通信システムが開示されている(特許文献1参照)。
すなわち、この通信システムは、固有の外線番号が付与された回線交換式の携帯端末と、外線番号を記憶したSIPサーバが接続されたデータ通信網と、IPアドレスが付与されたゲートウェイ装置を介してデータ通信網と接続された構内ネットワークと、第1構内または第2構内に位置する携帯端末が構内ネットワークに無線接続されたことを検知する構内基地局と、構内基地局に検知された携帯端末の外線番号を取得する制御装置と、制御装置が取得した外線番号とゲートウェイ装置のIPアドレスを、データ通信網を通じてSIPサーバに送信する代理登録装置とを備え、SIPサーバが、外線番号とゲートウェイ装置のIPアドレスとを関連付けて記憶することを特徴とする、通信システムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−225399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の通信システムは、代理登録装置が設置されている構内ネットワークに携帯端末の移動が制限されることから、たとえ携帯端末を構内ネットワークにおける内線端末として利用しても、その行動範囲が前記構内ネットワークに制限されてしまうという問題があった。また、上記システムは、携帯端末や他の内線端末を一括に管理が行えない問題があった。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、携帯端末を内線端末として利用しつつ、携帯端末の持つ利便性を生かすこと、すなわち、行動範囲の制約を受けない通信システムを提供することである。また、通信コストの抑制を可能とする通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明にかかる通信制御システムは、携帯通信回線又は無線LAN回線を介して通信を行う通信システムであって、内線電話番号が付与され、音声通信を行う音声通話手段を備えた携帯端末及び内線端末と、携帯端末がネットワークを通じて発着信する音声通話及び端末間の音声通話を交換接続する機能と、携帯端末及び内線端末の内線番号及びプライベートアドレスを管理する機能とを有する内線端末管理手段と、ネットワークを介して外部端末に接続するための光回線終端装置と、携帯端末、内線端末、内線端末管理手段及び光回線終端装置を接続するための仮想ネットワークと、を備え、携帯端末は、ネットワークを介して仮想ネットワークに接続する際に、携帯通信回線又は無線LAN回線のいずれかにより接続する内線機能制御部を有することを特徴とする、通信システムである。
また、この発明にかかる通信システムでは、内線機能制御部が、携帯通信回線又は無線LAN回線を通信コスト情報に基づいて自動的に選択することが好ましい。
また、この発明にかかる通信システムでは、携帯端末は、受付端末であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
この発明にかかる通信システムによれば、携帯端末を内線端末として使用するので、その携帯端末を使用に際して発生する通信コストが、携帯端末と仮想ネットワークとの間で生じるコストのみであることから、通信費抑制することができる。また、携帯端末を使用することから、行動範囲に制約を受けることなく使用することができる。さらに、携帯端末を内線端末として内線端末管理手段において一括に管理することができる。
また、この発明にかかる通信システムでは、内線機能制御部において、携帯通信回線または無線LAN回線のいずれかを通信コスト情報に基づいて自動的に選択するようにすると、携帯端末と仮想ネットワークとの間で生じるコストについて手間をかけることなく抑制することができる。
さらに、本発明にかかる通信システムによれば、携帯端末を受付端末として使用すると、受付担当者を別途配置させる必要がないことから、無人の受付端末に使用することができるので、人件費を抑制することができる。
【0010】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明にかかる通信システムの一実施形態を示す概略図である。
【図2】この発明にかかる携帯端末の構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明にかかる内線端末管理装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】この発明にかかる内線端末管理装置における管理データベース部のデータ構成を示した図である。
【図5】この発明にかかる通信システムの他の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明にかかる通信システムは、携帯端末を内線端末の1つとして利用することで、通信費を大幅に抑制することを可能とした通信システムである。図1は、本発明にかかる通信システムの一実施形態を示す図解図である。図2ないし図4を参照しながら通信システム10の構成例等について説明する。
【0013】
本実施形態に係る通信システム10は、第1構内20及び第2構内30を備える。第1構内20および第2構内30とは、例えば、本社、支社等に対応する。すなわち、第1構内10及び第2構内20は、ネットワーク40を介して離れた場所に構築されている。
【0014】
第1構内20には、仮想的に構築された仮想ネットワーク21(例えば、VPN:Virtual Private Network)に接続された内線端末管理装置22(例えば、IP−PBX:Internet Protocol Private Breach eXchange)と、この内線端末管理装置22により管理される複数の内線端末23a,23b及び携帯端末24とにより構成される。さらに、光通信ネットワークの終端に設置される光回線終端装置25(ONU:Optical Network Unit)を備え、それらがインターネットを通じて接続されている。また、第2構内30には、仮想ネットワーク31及びそれらに接続される内線端末33a,33b及び光回線終端装置35を備える。
【0015】
内線端末23a,23b,33a,33bは、いわゆる内線電話であり、外部端末50との音声通信を行うことはもちろん、内線通話を行うための端末である。内線端末23a,23b,33a,33bは、個別に仮想ネットワーク21,31においてIPアドレスが付与され、内線端末管理装置22において、内線電話番号が付与される。そして、ネットワーク40や仮想ネットワーク21,31を通じて、他の端末と音声通信を行う音声通信手段を備えた端末である。
【0016】
携帯端末24は、例えば、スマートフォンを含む、いわゆる携帯電話等である。携帯端末24は、内線端末23a,23b,33a,33bと音声通信を行い、内線端末管理装置22を介して外部端末と音声通信を行うための端末である。また、携帯電話通信や無線LAN通信を介して仮想ネットワーク21に接続するための手段(リモートVPN)を備える。さらに、外部端末50及び内線端末23a,23b,33a,33bと音声通信するための音声通信手段を備える。図2に、携帯端末24の構成例のブロック図を示す。
【0017】
携帯端末24は、CPU等の演算処理装置として制御部243を備え、この制御部243には記憶装置であるメモリ240が接続されている。メモリ240には、種々のアプリケーションやデータが記憶されており、必要に応じて制御部243に読み出される。
【0018】
また、携帯端末24は、音声通信系のモジュールとして、音声通信機能241と、音声通信プロトコル制御部242と、音声通信用アプリケーション243aと、通話系ミドルウェア243dと、スピーカやマイク等の通話部246とを備えている。
【0019】
音声通信機能241は、音声信号やVoIPのIPパケット等を送受信するインターフェースであり、その送受信は、音声通信プロトコル制御部242で制御される通信プロトコルに従う。通話部246は、音声と電気信号である音声信号とを相互に変換するインターフェースであり、マイクにより音声取得し、スピーカにより音声を出力する。この通話部246による音声の入出力は、通話系ミドルウェア243dにより制御される。そして、音声通話プロトコル制御部242や通話系ミドルウェア243dは、制御部243上で実行され、且つ、同じく制御部243上で実行される音声通話用アプリケーション243aにより動作・制御される。
【0020】
また、携帯端末24は、データ通信系のモジュールとしてデータ通信機能244、データ通信プロトコル制御部245、データ通信用アプリケーション243c、入力系ミドルウェア243e、表示系ミドルウェア243f、操作部247及び表示部248とを備えている。
【0021】
データ通信機能244は、データ通信用のIPパケット等を送受信するインターフェースであり、各通信媒体(無線LANやXDSL、光通信)におけるパケットの送受信を行い、その送受信は、データ通信プロトコル制御部245で制御される通信プロトコルに従う。操作部247は、テンキーやボタン等のユーザーインターフェースであり、ユーザが行った操作を電気信号である制御信号に変換する。表示部248は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置である。これらの操作部247や表示部248によるデータの入出力は、入力系ミドルウェア243e及び表示系ミドルウェア243fにより制御される。そして、データ通信プロトコル制御部245や入力・表示系ミドルウェア243e及び243fは、CPUである制御部243上で実行され、且つ同じく制御部243上で実行されるデータ通信用アプリケーション243cにより動作・制御される。また、データ通信用アプリケーション243cは、HTML等の表示データを、データ通信機能244を経由して取得し、その解析を行って、表示すべき画像データを生成し、表示系ミドルウェアを経由して表示部248に表示する。
【0022】
さらに、制御部243では、内線機能専用アプリケーション243bが起動実行される。なお、この制御部243で実行されるアプリケーションとしては、音声通信用アプリケーション243aと汎用データ通信用アプリケーション243cの組み合わせによって実現可能であるが、ユーザの操作性を高めるために、本実施形態では、汎用データ通信用アプリケーションの代わりに内線機能専用アプリケーション243bを用いている。
【0023】
この内線機能専用アプリケーション243bは、仮想ネットワーク21への接続を行うための機能(いわゆる、リモートVPNの機能)及びユーザ操作の電気信号への変換とその送信機能については、汎用データ通信アプリケーション243cと同等の機能を持ち、さらに、内線電話の発着信時のアプリケーション自動起動の機能と、データ通信の宛先の設定および認証手順を自動化する機能を追加したものである。
【0024】
具体的に、上記内線機能専用アプリケーション243bは、上記音声通信系モジュールによる音声通話と並行して、データ通信系モジュールを通じ、内線端末管理装置22から表示情報を受信し、表示部248に表示情報を表示させるとともに、操作部247からの内線端末管理装置22に対する制御信号を送信させる。なお、この内線機能専用アプリケーション243bは、携帯端末24が、内線端末管理装置22と通信可能なエリアに在圏し、内線端末管理装置22からの着信又は内線端末管理装置22への発信あった際に、自動的に起動される。
【0025】
次に、図3に、内線端末管理装置22の構成例のブロック図を示す。
第1構内20に備えられる内線端末管理装置22は、代表組みされた電話番号に対する通信を、内線端末23a,23b,33a,33bに交換接続する一般的な内線交換機の機能に加え、データ通信経由で内線交換のための制御信号を送受信する機能を備えたPBX/IP−PBX等を提供する装置である。また、例えば、内線端末23a,23b,33a,33b及び携帯端末24を管理するために備えられる。また、仮想ネットワーク21,31において設定された各内線端末23a,23b,33a,33bの内線番号とIPアドレスとを関連付ける機能を有する。例えば、この内線端末管理装置22において、内線端末23a,23b,33a,33bと携帯端末24とは、一括して管理される。
【0026】
また、内線端末管理装置22は、一般的な外部端末50や携帯端末24に対して、グローバルに付与された公衆回線電話番号と、内線グループ内における各内線端末23a,23b,33a,33bとを紐付けし、内線番号をダイヤルすることによって、公衆回線電話番号による交換接続が行われ、グループ内の他の端末と通話することができる。従って、これにより、内線機能を有さない汎用の携帯端末24を内線電話のように扱うことができる。
【0027】
この内線端末管理装置22は、内線交換のためのモジュールとして、公衆回線接続部22a、接続制御部22b、管理データベース部22c及び音声通信部22dを有する。
【0028】
公衆回線接続部22aは、ネットワーク40に接続するためのインターフェースであり、公衆回線を経由した外線通話の発着信を可能とする。なお、この公衆回線接続部22aとしては、音声信号とパケット信号とを相互に交換し、音声信号をIPパケットとして送受信するVoIP機能を備えたものである。
【0029】
接続制御部22bは、端末同士の音声通話及び端末装置がネットワーク40を通じて発着信する音声通話の交換接続に関して制御を行うモジュールである。
【0030】
管理データベース部22cは、内線端末23a,23b,33a,33b等に割り当てられた内線番号とプライベートアドレスとを関連付けて記憶するテーブルデータが格納されたデータベースの装置である。図4に、本発明にかかる通信システム10において利用されるデータベースのテーブルの構成例について説明する。図4は、各内線端末23a,23b,33a,33b及び携帯端末24におけるIPアドレスと内線番号との対応関係を示したものである。
【0031】
音声通信部22dは、内線端末管理装置22と内線端末23a,23b,33a,33bとの間で、音声通信伝送路を確立するためのインターフェースであり、IP−PBXの場合には、イーサネット(登録商標)・無線LAN等によるVoIPに対応し、仮想ネットワーク21,31において、公衆回線または携帯電話のネットワーク40に対応したモジュールである。
【0032】
光回線終端装置25,35は、光通信ネットワークの終端に設置され、光信号・電気信号間の変換と光信号の多重・分離をする装置である。本実施形態においては、光回線終端装置25,35は、それぞれ、第1構内20及び第2構内30において、ネットワーク40の終端に設置されており、外部端末50との接続のために利用される。
【0033】
外部端末50は、例えば、取引先等に設置される端末であり、いわゆる固定電話等である。本実施形態においては、例えば、携帯端末24から外部端末50への接続は、内線端末管理装置22を介して光回線終端装置25,35を通じて接続される。なお、外部端末50に対して、内線端末23a,23b及び携帯端末24のいずれから呼び出しても、該外部端末50は、第1構内20から発呼しているものと認識される。
【0034】
以下、具体的に上述した通信システム10を用いた通話をするための接続処理を説明する。
【0035】
(携帯端末から外部端末への接続処理)
まず、携帯端末24から外部端末50への接続処理について説明する。図1は、本発明にかかる通信システム10の一実施形態を示す概略図である。
【0036】
最初の処理として、携帯端末24から内線機能専用アプリケーション423bを使用することにより仮想ネットワーク21に接続される。このとき、接続するための通信回線は、携帯電話通信や無線LAN通信を利用することができる。いずれを利用するかは、内線機能専用アプリケーション243bにより選択するようにしてもよい。また、その選択は、予め設定されている通信コスト情報に基づいてより通信費用が抑えられるような通信方式を自動的に実行するようにしてもよい。なお、仮想ネットワーク21への接続のための特定は、仮想ネットワーク21において予め定められたグローバルアドレスによって行われる。
【0037】
そして、携帯端末24から、発信元情報(例えば、携帯端末24の内線番号、プライベートアドレス等)及び送信先情報(外部端末50の電話番号等)が送信される。続いて、仮想ネットワーク21を介して、内線端末管理装置22は、送信された発信元情報及び送信先情報を受け取る。そして、内線端末管理装置22は、送信先情報に基づき光回線終端装置25を介して携帯端末24を外部端末50に接続する。このように、外部端末50への接続は、光回線終端装置25を介して行われるので、外部端末50は、携帯端末24からの発信と認識されず、外部端末50に表示される外線番号等から第1構内20からの発信されているものと認識される。
【0038】
(携帯端末から内線端末への接続処理)
続いて、携帯端末24から、例えば、内線端末33aへの接続処理について説明する。図5は、本発明にかかる通信システム100の他の実施形態を示す概略図である。
【0039】
まず、最初の処理として携帯端末24から内線機能専用アプリケーション243bを使用することにより仮想ネットワーク21に接続される。そして、携帯端末24から、発信元情報(携帯端末24の内線番号、プライベートアドレス等)及び送信先情報(内線端末33aの内線番号等)が送信される。続いて、仮想ネットワーク21を介して、内線端末管理装置22は、送信された発信元情報及び送信先情報を受け取る。そして、内線端末管理装置22は、送信先情報と管理データベース部22cのデータとを照会し、内線端末33aが接続される仮想ネットワーク31を特定する。そして、内線端末管理装置22は、仮想ネットワーク31を介して、携帯端末24を内線端末33aと接続する。
【0040】
本発明にかかる通信システム10,100によれば、携帯端末を使用することによる通信コストは、携帯端末と仮想ネットワークとの間で生じるコストのみであり、さらに本通信システムの導入に際しては、携帯端末や内線端末管理装置等は広く一般に市販されているものにより実現可能であるので、システムの導入に要するコストも低廉化することができる。また、携帯端末は、第1構内の内線端末として管理されることから、外部端末に対して、携帯端末からの発信ではなく、外部端末に表示される外線番号等から第1構内からの発信による呼び出しと認識させることができる。
【0041】
また、本発明にかかる通信システム10,100によれば、携帯端末から仮想ネットワークに接続するための通信回線について、携帯通信回線または無線LAN回線のいずれかを自動的に選択するので、携帯端末と仮想ネットワークとの間で生じるコストについて手間をかけることなく抑制させることができる。
【0042】
なお、本発明にかかる通信システム10,100において、携帯端末を利用しているが、これを、受付端末として使用してもよい。そうすると、受付担当者を別途配置させる必要がないことから、無人の受付端末に使用することができるので、人件費を抑制することができる。このとき、内線機能専用アプリケーションは、受付端末用に適宜変更される。
【0043】
また、音声通話を中心に述べたが、これに限られるものではなく、テレビ電話のような形態で使用してもよい。このとき、上述したように、携帯端末を受付端末として使用した場合、受付端末に来た相手を観ながら会話が可能となる。
【0044】
また、この発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、実施の形態で述べた構成に新たな構成要素を追加したり、削除したり、変更等したりして種々の変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0045】
10 通信システム
20 第1構内
21,31 仮想ネットワーク
22 内線端末管理装置
22a 公衆回線接続部
22b 接続制御部
22c 管理データベース部
22d 音声通信部
23a,23b,33a,33b 内線端末
24 携帯端末
240 メモリ
241 音声通信機能
242 音声通信プロトコル制御部
243 制御部
243a 音声通信用アプリケーション
243b 内線機能専用アプリケーション
243c データ通信用アプリケーション
243d 通信系ミドルウェア
243e 入力系ミドルウェア
243f 表示系ミドルウェア
244 データ通信機能部
245 データ通信プロトコル制御部
246 通話部
247 操作部
248 表示部
25,35 光回線終端装置
30 第2構内
40 ネットワーク
50 外部端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯通信回線又は無線LAN回線を介して通信を行う通信システムであって、
内線電話番号が付与され、音声通信を行う音声通話手段を備えた携帯端末及び内線端末と、
前記携帯端末がネットワークを通じて発着信する音声通話及び端末間の音声通話を交換接続する機能と、前記携帯端末及び前記内線端末の内線番号及びプライベートアドレスを管理する機能とを有する内線端末管理手段と、
前記ネットワークを介して外部端末に接続するための光回線終端装置と、
前記携帯端末、前記内線端末、前記内線端末管理手段及び前記光回線終端装置を接続するための仮想ネットワークと、を備え、
前記携帯端末は、
ネットワークを介して前記仮想ネットワークに接続する際に、携帯通信回線又は無線LAN回線のいずれかにより接続する内線機能制御部を有することを特徴とする、通信システム。
【請求項2】
前記内線機能制御部は、
携帯通信回線又は無線LAN回線を通信コスト情報に基づいて自動的に選択することを特徴とする、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、受付端末であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−15981(P2012−15981A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−166461(P2010−166461)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(508138232)
【Fターム(参考)】