説明

通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステム

【課題】 通信装置を介してホームページにアクセスして、所望の機能を選択追加・削除することにより、ユーザ自身が使用する電子機器の機能をカスタマイズすることができる通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステムを提供する。
【解決手段】 ユーザ登録を行い(S302)得た、あるいは以前に得ておいたID番号、パスワードを用いてサーバにログインを行う(S304)。ユーザは表示画面中所望の機能を選択する(S307)。インストール可能(S308Yes)であれば、選択された機能をインストールする(S310)。また、削除する場合、ユーザは表示画面中所望の機能を選択し(S321)、その選択された機能をアンインストールする(S322)ようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットなどの通信ネットワークを用いて顧客の住宅等に設置された電子機器の機能の追加及び削除が容易に行える通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに購入された家電機器において、その機器の持つ機能は決められた仕様のものであり、一度購入したらその機器の持つ機能は変更発展させることはできず、ユーザがカスタマイズすることはできないようになっていた。
【0003】
レンタルに適用される高額の健康器具、あるいは介護器具と通信ネットワーク上に設置されたサービスサーバとを通信装置で接続して、サービスサーバからユーザのニーズに適した稼動プログラムを配信させて、ユーザ側で最適なサービスを選択できるシステムが提案されいる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−16983公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の特許文献1に提案されているカスタマイズサービスシステムは、ユーザ所望のサービスを受けようとする際、健康器具と通信ネットワーク上に設置されたサービスサーバとを通信装置で接続して、サービスサーバからユーザのニーズに適した稼動プログラムを配信させるようにしている。さらに、ユーザの情報をサービスサーバを介してプログラム配信元に通信するよう構成されており、使用する際サービスサーバとを通信装置で接続されていなければ所望の機能が得られないという問題があった。
【0006】
また、サービスサーバからユーザのニーズに適した稼動プログラムを配信させるようにしてユーザの所望の機能にカスタマイズしているが、健康器具側のメニューの表示等はプログラム配信元のものしか存在せず、ユーザの所望の機能に応じて変更ができないという問題があった。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、通信装置を介してホームページにアクセスして、所望の機能を選択追加及び削除することにより、ユーザ自身が使用する電子機器の機能をカスタマイズすることができる通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の1)〜2)に記載手段よりなる。
すなわち、
1)通信ネットワークに接続可能な通信装置を備えた電子機器とサービスサーバとを前記通信ネットワーク介して接続して構成した通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステムであって、
前記サービスサーバは、前記電子機器が提供可能な機能を選択させる機能選択ページと、前記提供可能な機能を稼動するための稼動プログラムとを予め保存しており、
前記電子機器は、前記通信装置を用い前記通信ネットワークを介して前記サービスサーバに接続して前記機能選択ページから所望の機能を選択して、前記選択した機能にの稼動プログラムをインストールあるいはアンインストールして機能のカスタマイズを行うようにし、
前記カスタマイズが行われる際、前記サービスサーバは前記電子機器の稼動プログラム収納容量を予め検出し前記選択した機能に応じた稼動プログラムの容量が前記収納容量より大となる場合には、前記インストールを中止し警告表示ページを前記電子機器に配信する機能を有する通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステム。
2)1)に記載の通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステムにおいて、前記インストールする際には料金を徴収し、前記アンインストールする際には料金を返金する料金徴収返却手段をさらに有することを特徴とする通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステム。
【発明の効果】
【0009】
本発明の「通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステム」によれば、通信装置を介してホームページにアクセスして、所望の機能を選択追加及び削除することにより、ユーザ自身が使用する電子機器の機能をカスタマイズすることができ、利便性の高いオリジナリティのある電子機器を提供することができる。
また、所望の機能を電子機器購入後に追加する際、並びに不要な機能を削除する際に購入するだけではなく返金されるシステムとしたことで経済性の高い電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステムの発明を実施するための最良の形態につき、好ましい実施例により説明する。
図1は本実施例に適用される通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステムの構成を示した概略ブロック図である。同図に示すように家庭内にある様々な家電機器10と、通信ネットワーク12に接続できる通信装置11を接続して構成され、各種家電機器の追加機能の情報を保持しているサーバ14をもつ各メーカーのホームページ13に通信ネットワークを介して接続する構成を有している。
ここではDVDレコーダーを例に挙げているが、上述のネットワークを介し各メーカーのホームページと接続可能な通信機能を有する家電機器であればどのような機器でもよい。
【0011】
ユーザの通信装置11からメーカーのホームページ13アクセスし、ユーザのニーズに適合した追加機能を選択してインストール、および不要機能を選択削除できるようにしている。メーカーのホームページ13に接続するたびに、家電機器10の情報がサーバ14に送信され使用状況や履歴などが更新される。
【0012】
図2は出荷時におけるの家電機器10のソフトウェアの処理能力の一例ををグラフ化したものである。基本機能は削除できない機能で、カスタマイズ可能な部分は便利機能、特殊機能、その他の機能、及び空き領域の部分である。
【0013】
カスタマイズ可能な機能としては、便利機能、特殊機能、その他の機能を含むものである。家電機器によりカスタマイズ可能な機能は、基本機能さえ侵害しなければ自由に設定してよく、編集用素材集、操作メニュー画面素材(色、フォント、モチーフ)、効果音、など表示画面をカスタマイズする機能を含め、表示画面もカスタマイズできるよう構成してもよい。
【0014】
ユーザが追加機能をインストールしようとした時、後述するように処理能力が100%を超える場合にサーバ14から警告が出される。通信機器11はインターネットに接続する機能と、映像表示機能を備えた通信機器であれば、どのような端末で構成されていてもよい。従って、携帯電話、PDA、PCなどで構成されてよい。
また、通信機器11は独立した装置として説明しているが、ネットワークを介し各メーカーのホームページと接続可能な通信機能を内蔵している家電機器として構成してもよい。
【0015】
次にユーザが機器機能を変更する手順について説明する。図3はユーザが機器機能アップデートを完了するまでのフローチャートである。ユーザが機器機能変更を開始すると、ログイン画面表示を行い(S300)、初めての場合ユーザ登録を要求する(S301Yes)。ユーザは、ユーザ登録を行い(S302)ID番号の取得、パスワードの登録を行う(S303)。このようにして得た、あるいは以前に得ておいたID番号、パスワードを用いてサーバにログインを行う(S304)。
【0016】
ログインを行うと次にカスタマイズを選択する画面が表示され、ユーザは表示された機能を選択する(S305)。機能の追加を選択した場合、機能追加の表示画面が表示される(S306)。ユーザは表示画面中所望の機能を選択する(S307)。追加された機能項目が現状家電機器のソフトウェアの処理能力に対してインストール可能かどうかを検出する(S308)。インストール可能(S308Yes)であれば、選択された機能をインストールする(S310)。
【0017】
インストール不可能な容量(S308No)であれば、その旨を警告する表示を行い(S309)、そのインストールを行うために既存の機能を削除するかどうかを選択するステップに進む(S312)。既存の機能を削除する(S312Yes)のであれば、削除の機能選択ステップ(S321)に進む。既存の機能を削除せずに、追加する機能を選択しなおすのであれば(S312Yes)、追加の機能選択ステップ(S307)に進む。
【0018】
選択された機能のインストールが完了すると、機能追加を続行するかどうかを決定する表示を行う(S311)。機能追加を続行する場合(S311Yes)は、所望の機能を選択するステップに戻る(S307)。機能追加を続行しない場合(S311No)は、次のステップに進む。
【0019】
次に、機能を削除する手順について説明する。機能を選択するステップ(S305)で機能の削除を選択した場合、機能削除の表示画面が表示される(S320)。ユーザは表示画面中所望の機能を選択し(S321)、その選択された機能をアンインストールする(S322)。
【0020】
また、選択された機能のアンインストールが完了すると、機能削除を続行するかどうかを決定する表示を行う(S323)。機能削除を続行する場合(S323Yes)は、所望の機能を選択するステップに戻る(S321)。機能削除を続行しない場合(S323No)は、次のステップに進む。
【0021】
機能削除を続行しない場合(S323No)、あるいは機能追加を続行しない場合(S311No)は、カスタマイズを続行するかどうか選択する表示を行い(S340)カスタマイズを続行するか、終了するかを選択する。カスタマイズを続行する場合(S340Yes)は、カスタマイズを選択するステップに戻る(S305)。カスタマイズを続行しない場合(S340No)は、ログアウトを行い(S305)機器機能を変更する動作を終了する。
【0022】
図4は、上述の家電機器機能カスタマイズシステムの通信装置11とサーバ14との情報のやり取りを示す図である。同図に示すように通信装置11とサーバ14とは、ログインするたびに家電機器10の情報をサーバ14が入手し、家電機器10の機能の使用状況を更新する。サーバ14の情報を元に個別ユーザごとのホームページ13を送信する。機能のインストールあるいはアンインストールが行われると、サーバ14の個別ユーザ情報の履歴が書き換えられる。
【0023】
以下に、夫々のステップにおける表示画面の例を示す。図5はインターネット12を用いた家電機器機能カスタマイズシステムのトップ画面(S301)である。初回はユーザ登録をするために初めての方を選択し、図6に示す表示の画面に進む(S302)。2回目以降は会員の方を選択し、ID番号とパスワードとを入力して図7に示すカスタマイズ選択画面(S305)へ進む。
【0024】
カスタマイズ選択へ接続した時に、サーバ14からユーザID固有の情報を得て、過去のインストール・アンインストール履歴が更新され、接続している家電機器10の利用頻度が低い機能のリストも更新される。
【0025】
図6のユーザ登録画面に、住所・氏名・電話番号・E-mailアドレス・アップデートを受ける機種名とその保証書No.・支払い口座番号を入力することで、ユーザにパスワードとユーザID番号がメールにて発行される。今後のアップデートのお知らせも届くようにする。
【0026】
ユーザは図7のカスタマイズ項目選択画面から追加機能アップデートと機能削除を行う。この画面に接続するときに通信機器11に接続されている家電機器10の情報も同時に送るようにし、サーバ14からユーザ固有の情報を得て、過去のインストール・アンインストール履歴が更新され、接続している家電機器10の利用頻度が低い機能のリストも更新される。選択すれば過去のインストール・アンインストール記録の閲覧も可能としている。機能削除を選択すると(S320)図8へ、機能追加を選択すると(S306)図9へ進む。
【0027】
図8は機能削除の選択画面(S321)である。購入時についていた機能を削除する場合は、その分返金される。返金されたお金から新しい追加機能を購入することも可能である。過去の利用頻度を表示するようにしているので、本当に必要な機能とそうでない機能の判別が容易に行えるようになる。
【0028】
削除する項目のクッキーにチェックを入れると、削除後のソフトウェアの処理能力グラフが変化し、空き容量の把握ができる。アンインストール実行ボタンをクリックすることで、アンインストールが実行される。
【0029】
図9は機能追加の選択画面(S307)である。購入時についていた機能を削除してしまっても再び入手することが可能としている。追加する項目のクッキーにチェックを入れ、インストール実行ボタンをクリックすることで、インストールが実行される。追加する項目のクッキーにチェックを入れると、追加後のソフトウェアの処理能力グラフが変化し、空き容量の把握ができるようにしている。
【0030】
ソフトウェア処理能力を超えてしまう場合、クッキーにチェックすることがができないようにし、図10の警告画面(S309)を表示するようにしている。
【0031】
インストール・アンインストール後、カスタマイズを続けるのであれば、図7の画面へ戻り、終了するのであればログアウトして終了する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施例に適用される通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステムの概略構成を示した図である。
【図2】出荷時におけるの家電機器のソフトウェアの処理能力の一例をグラフ化した図である。
【図3】機器機能を変更する手順を説明するためのフローチャートである。
【図4】通信装置とサーバとの通信を説明するための図である。
【図5】本実施例に適用される家電機器機能カスタマイズシステムのトップ画面表示の一例を示す図である。
【図6】本実施例に適用されるユーザ登録画面表示の一例を示す図である。
【図7】本実施例に適用されるカスタマイズ項目選択画面表示の一例を示す図である。
【図8】本実施例に適用される機能削除の選択画面表示の一例を示す図である。
【図9】本実施例に適用される機能追加の選択画面表示の一例を示す図である。
【図10】本実施例に適用される機能追加の際の警告画面表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
10…家電機器
11…通信装置
12…ネットワーク
13…ホームページ
14…サーバ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに接続可能な通信装置を備えた電子機器とサービスサーバとを前記通信ネットワーク介して接続して構成した通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステムであって、
前記サービスサーバは、前記電子機器が提供可能な機能を選択させる機能選択ページと、前記提供可能な機能を稼動するための稼動プログラムとを予め保存しており、
前記電子機器は、前記通信装置を用い前記通信ネットワークを介して前記サービスサーバに接続して前記機能選択ページから所望の機能を選択して、前記選択した機能にの稼動プログラムをインストールあるいはアンインストールして機能のカスタマイズを行うようにし、
前記カスタマイズが行われる際、前記サービスサーバは前記電子機器の稼動プログラム収納容量を予め検出し前記選択した機能に応じた稼動プログラムの容量が前記収納容量より大となる場合には、前記インストールを中止し警告表示ページを前記電子機器に配信する機能を有する通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステムにおいて、前記インストールする際には料金を徴収し、前記アンインストールする際には料金を返金する料金徴収返却手段をさらに有することを特徴とする通信ネットワークを用いた電子機器カスタマイズサービスシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−155285(P2006−155285A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−345693(P2004−345693)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】