説明

通信端末

【課題】PTT電話帳に記録されている通話相手情報の表示の際に、通話相手の識別を容易にするべく、通話相手の画像を表示できるようにした携帯電話機を提供する。
【解決手段】PTT電話帳501の閲覧時、若しくはPTT着信時にPTT電話帳に記録されている通話相手情報を表示する際に、当該通話相手情報に含まれるPTTコールIDを検索キーとして、通常電話帳502から同じPTTコールIDを含む通話相手情報を検索し、検出された通話相手情報に含まれる通話相手の画像等を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシュトゥトーク(Push To Talk:以下、PTTと呼ぶ)機能を備えた通信端末に関し、特にPTT通話の通話相手に関する情報の表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在北米において、VoIP(Voice over Internet Protocol)技術を利用した通話機能であるPTT機能を備えた携帯電話機が普及している。
下記の特許文献1には、PTT機能を備えた無線電話機及びPTTシステムが開示されている。
ここで、簡単にPTTについて説明する。
【0003】
PTT機能を備えた携帯電話機でPTT通話を開始する場合、まず、PTT通話を仲介するサーバにログインする。次に、通話相手である同じくPTT機能を備えた携帯電話機を、PTT用の識別情報(以下、「PTTコールID」という。)で指定する。
指定したPTTコールIDの携帯電話機が、サーバにログインしている状態、すなわち応答可能な状態であれば、自己の携帯電話機に備わるPTT送話用のボタン(以下、「PTTボタン」という。)を押すことで、指定した携帯電話機への送話が可能となり、また、PTTボタンを離すことで、通話相手の送話を聞くことができる。
【0004】
ところで、PTT機能を備えた携帯電話機は、通話相手についての諸情報(以下、「通話相手情報」という。)を記録し、閲覧することのできるデータベースである電話帳を2つ保持している。
1つは、通常の電話用の電話帳(区別するために以下、「通常電話帳」という。)であり、もう1つは、PTT用の電話帳(以下、「PTT電話帳」という。)である。
【0005】
一般的に通常電話帳には、通話相手情報として、通話相手の名前、電話番号、メールアドレス、住所、画像、着信音の設定情報、着信時の発光色の設定情報等を記録することができ、また、記録された通話相手情報は、ユーザの表示指示により閲覧できる他、電話での通話中或いは電話着信時に、その通話相手の通話相手情報を表示させることができる。特に、通話相手情報に含まれる通話相手の画像の表示は、通話相手を容易に識別することができるという効果がある。
【特許文献1】特許公表2002−536928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、PTT電話帳は、PTT通話を仲介するサーバと携帯電話機との間で同期管理されており、この同期管理の都合上、通話相手情報として記録することのできる情報が制限されているのが一般的である。例えば、通話相手の携帯電話機のPTTコールID、通話相手を示すコンタクト名を通話相手情報として記録することができる。
そして、PTT電話帳に記録された通話相手情報は、通常電話帳に記録された通話相手情報と同様に、ユーザの表示指示を受け付け時、PTT通話中及びPTT着信時に表示することができるが、PTT電話帳の通話相手情報は、コンタクト名、PTTコールIDといった文字情報のみなので、通常電話帳の閲覧時、電話通話中及び電話着信時に表示される通話相手の画像に比べると、通話相手の識別が容易ではなかった。
【0007】
このPTTの通話相手の識別が容易でなかったという課題は、PTT機能を備えた携帯電話機に限らず、PTT機能と電話機能、或いはPTT機能とメール送受信機能を備えた通信端末全般において、共通の課題である。
そこで、本発明は、PTT電話帳に記録されている通話相手情報の表示の際に、通話相手を示す画像を表示できるようにした通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明に係る通信端末は、プッシュトゥトーク機能と、電話機能又はメール送受信機能とを備えた通信端末であって、プッシュトゥトーク機能に用いられる、通話相手の通信端末の識別情報を含む第1通話相手情報を記録する第1電話帳と、電話機能又はメール送受信機能に用いられる、通話相手の通信端末の識別情報と通話相手を示す画像を含む第2通話相手情報を記録する第2電話帳と、前記第1電話帳に記録されている第1通話相手情報を報知する際に、前記第2電話帳から当該第1通話相手情報の一部を含む第2通話相手情報を検索する検索手段と、前記第1通話相手情報と共に、前記検索手段により検出された第2通話相手情報の画像を含む、当該第2通話相手情報の少なくとも一部の情報を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
ここでいう報知手段とは、文字情報や画像を表示する手段、音声で情報を出力する手段、光を発光する手段等、なんらかの方法で情報をユーザに報知する手段のことをいう。
また、前記通信端末は、ユーザから第1通話相手情報の報知指示を受け付ける受付手段を更に備え、前記検索手段は、受け付けた報知指示に係る第1通話相手情報に含まれる識別情報を検索キーとして、前記第2電話帳から第2通話相手情報を検索するとしてもよい。
【0010】
また、前記通信端末は、プッシュトゥトーク着信時に、プッシュトゥトーク発信元の通信端末の識別情報を受信する受信手段を更に備え、前記検索手段は、受信した識別情報を検索キーとして、前記第2電話帳から第2通話相手情報を検索するとしてもよい。
また、前記通信端末は、プッシュトゥトーク通話中に、送話を行う通信端末の識別情報を受信する受信手段を更に備え、前記検索手段は、受信した識別情報を検索キーとして、前記第2電話帳から第2通話相手情報を検索するとしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
上記構成により、例えば、ユーザから第1通話相手情報の報知指示を受け付けたとき、或いはプッシュトゥトーク着信時、或いはプッシュトーク通話中に、第1通話相手情報と共に、当該第1通話相手情報の一部を含む第2通話相手情報に含まれる通話相手を示す画像等が通信端末に表示されるので、ユーザは容易に通話相手を識別することができる。
また、プッシュトゥトーク着信時、或いはプッシュトーク通話中に、前記報知手段は、前記検索手段により検出された第2通話相手情報に着信音の設定情報が含まれている場合に、当該第2通話相手情報に含まれる画像の表示と共に、その設定情報に基づいて着信音を出力するとしてもよい。
【0012】
また、プッシュトゥトーク着信時、或いはプッシュトーク通話中に、前記報知手段は、前記検索手段により検出された第2通話相手情報に発光色の設定情報が含まれている場合に、当該第2通話相手情報に含まれる画像の表示と共に、その設定に基づいて発光するとしてもよい。
これらの構成により、通信端末が報知する情報、すなわち、通話相手の画像、当該通話相手と対応付けて設定されている着信音或いは発光色によって、ユーザはプッシュトゥトーク発信元の通話相手或いは送話中の通話相手を容易に識別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて説明する。
<1.PTTシステム>
図1は、PTTシステムの構成を示す図である。
PTTシステム50は、ネットワーク10、複数の携帯電話機1〜8、基地局11〜13、エッジサーバ(Edge Server、以下「ES」という。)21〜23、パソコン(Personal Computer、以下「PC」という。)30、アプリケーションサーバ(Application Server、以下、「AS」という。)40から構成される。
【0014】
なお、携帯電話機1〜8、基地局11〜13、ES21〜23、PC30、AS40は、それぞれ、同図に示す数に限定されるものではなく、例えば、携帯電話機は、数千から数万台存在していてもよい。
基地局11〜13は、それぞれ所定のエリアを管轄しており、エリア内に存在する携帯電話機と無線接続する。
【0015】
ES21〜23は、各基地局11〜13と対応して設けられており(例えば、基地局11に対してES21が設けられている。)、対応する基地局の管轄エリア内の携帯電話機が、モバイルIPアドレスの割り当て要求をしてくると、当該携帯電話機にモバイルIPアドレスを割り当てる。
携帯電話機1〜8はいずれもPTT機能を備えた携帯電話機であって、電源がON状態で、且つPTT機能がON状態に設定されていれば、各々が位置するエリアを管轄する基地局11〜13と無線接続した際に、それぞれの基地局11〜13と対応して設けられているES21〜23に対して、モバイルIPアドレスの割り当て要求を行う。例えば、携帯電話機1〜3は、基地局11と無線接続した際に、ES21に対してモバイルIPアドレスの割り当て要求を行う。
【0016】
ESからモバイルIPアドレスが割り当てられた携帯電話機は、Session Initiation Protocol(以下、「SIP」という。)で、自機が位置するエリアを管轄する基地局及びネットワーク10を介してAS40にログイン要求を行う。
PC30は、AS40にアクセスして、PTT電話帳の記録及び更新を行うことができる。
【0017】
AS40は、携帯電話機間のPTT通話を仲介するサーバであり、SIPでログイン要求を送信してきた携帯電話機の管理や、各携帯電話機のPTT電話帳の同期管理、携帯電話機間のPTT通話の仲介処理を行う。
<2.AS40>
ここで、AS40の機能構成について図2を用いて説明する。
【0018】
AS40は、インターフェース部41、携帯電話機管理部42、PTTコールID記憶部43、PTT電話帳同期管理部44、PTT電話帳記憶部45、PTT仲介処理部46及び音声データ記憶部47を備える。
インターフェース部41は、ネットワーク10に接続されている外部機器と通信を行う機能部である。
【0019】
携帯電話機管理部42は、AS40にログイン要求を送信してきた携帯電話機を管理する機能部である。携帯電話機は、ログイン要求のときに自機の識別情報であるPTTコールIDを送信しており、携帯電話機管理部42は、ログイン要求を認めた携帯電話機のPTTコールIDをPTTコールID記憶部43に記憶して管理する。
PTT電話帳同期管理部44は、ログイン要求を認めた携帯電話機との間で、PTT電話帳の同期管理をする機能部である。
【0020】
ここでいう同期管理とは、AS40と携帯電話機の双方において同じPTT電話帳をニ重に管理することをいい、一方のPTT電話帳に更新があれば、他方も同様に更新するといったことを行う。
例えば、携帯電話機1のPTT電話帳に新たな通話相手情報が記録されると、携帯電話機1は、当該PTT電話帳のバージョン情報を書き換えて、AS40にアップロードする。携帯電話機1からAS40にアップロードされたPTT電話帳は、PTT電話帳同期管理部44によってそのバージョン情報が確認され、携帯電話機1の古いバージョン情報のPTT電話帳がPTT電話帳記憶部45に記憶されていれば、これを上書きして、新しいバージョン情報のPTT電話帳を記憶する。
【0021】
また、PC30からAS40に携帯電話機1用のPTT電話帳がアップロードされた場合、AS40は、当該PTT電話帳がアップロードされたことを携帯電話機1に通知し、通知を受けた携帯電話機1は、当該PTT電話帳をAS40からダウンロードして、携帯電話機1に記憶されているPTT電話帳の更新を行う。
PTT仲介処理部46は、携帯電話機間のPTT通話の仲介処理を行う機能部である。
【0022】
PTT仲介処理部46は、まず、PTT通話の開始要求を携帯電話機から受け付けて、当該携帯電話機が指定する通話相手との通信確立を行う。その後、PTT通話が行われている間は、PTTボタンが押下されることにより送話要求を送信しているいずれか1つの携帯電話機に送話権を与える処理と、PTTボタンが押下されていない携帯電話機への音声データの送信処理を行う。
【0023】
音声データの送受信には、RTP(Real−time Transport Protocol)が用いられ、送話権が付与された携帯電話機から送られてきた音声データは、一旦音声データ記憶部47に記憶され、PTTボタンが押下されていない携帯電話機へ送出される。
PTT通話には、1対1通話とグループ通話の2種類あり、1対1通話は、文字通り、2つの携帯電話機間で行われる通話である。一方、グループ通話は、予めPTT電話帳に記録されているグループに属する複数の携帯電話機間で行われる通話である。
【0024】
1対1通話の仲介処理では、PTT通話の開始を要求した携帯電話機から送られてくる当該携帯電話機のPTTコールIDと通話相手の携帯電話機のPTTコールIDに基づいて、PTT通話の仲介を行う。
一方、グループ通話の仲介処理の場合、グループ通話のアクセス先として設定したURI(Uniform Resource Identifier)を、グループ内の各携帯電話機に送信する。
【0025】
AS40からURIを受信した各携帯電話機は、そのURIをアクセス先としてグループ通話を行う。
<3.携帯電話機>
次に、PTT機能を備えた携帯電話機の構成について説明する。
図3は、PTT機能を備えた携帯電話機の外観の一例を示す図であり、図4は、PTT機能を備えた携帯電話機の機能ブロック図である。図3及び図4において、同じ機能部については同じ符号を付している。
【0026】
図3及び図4に示すように携帯電話機1は、スピーカ部101、マイク部102、操作部103(PTTボタン103Aを含む)、表示部104、アンテナ105、通信部106、制御部107、記憶部108及び発光部109を備える。図1に示した携帯電話機2〜8も同様の機能部を備える。
スピーカ部101は、制御部107から伝送されてきた音声信号や、着信時に制御部107の制御に従って数種類の音色とメロディーパターンから成る着信音を出力する機能を有する。
【0027】
マイク部102は、音声を収集して電気信号として受け付けて制御部107に伝送する機能を有する。
操作部103は、一般的な携帯電話機に備わる0から9までのテンキーボタンや、オンフックボタン、オフフックボタン等の各種機能ボタンの他、図3に示すPTTボタン103Aを有し、各種ボタンが押下されることによってユーザから各種指示を受け付ける。
【0028】
表示部104は、制御部107の制御に従って、待ち受け画面、PTT電話帳表示画面等を表示する機能を有する。
アンテナ105は、一般的な携帯電話機に備わるアンテナと同様であり、音声やデータ等を搬送する搬送波の送受を行う。受信した搬送波信号は、通信部106に送られる。
通信部106は、アンテナ105が受信した搬送波信号及び制御部107から伝送されてきた音声等の圧縮信号に対して、変復調処理、増幅処理、A/D及びD/A変換処理といった、送受信に係る一連の処理を行う機能部である。
【0029】
制御部107は、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)等によって構成されており、記憶部108に記憶されている各種プログラムに従って各機能部の制御を行う。例えば、PTT制御では、PTT機能がON状態に設定されている場合、電源が入ると直ちに基地局と無線接続を行い、当該基地局と対応して設けられているESに対して、モバイルIPアドレスの割り当て要求を行う。また、後述するPTT電話帳表示処理、PTT着信時の通話相手情報表示処理等も行う。
【0030】
記憶部108は、各種プログラムの他に、通常電話帳とPTT電話帳を記憶している。
発光部109は、発光ダイオードで構成されており、制御部107の制御に従って、着信時に数種類あるうちのいずれか1つの色、或いは複数の色の組み合わせで発光を行う機能を有する。
<4.PTT電話帳及び通常電話帳>
次に、PTT電話帳及び通常電話帳について説明する。
【0031】
図5は、携帯電話機とAS40との間で同期管理されているPTT電話帳と、携帯電話機に記憶されている通常電話帳を示した図である。
携帯電話機の記憶部108には、PTT電話帳501と通常電話帳502が記憶されており、PTT電話帳501は、個別の通話相手情報が記録されている1対1通話用PTT電話帳501Aと、複数の通話相手情報が1のグループに属するものとして記録されているグループ通話用PTT電話帳501Bの2種類ある。
【0032】
PTT電話帳501Aは、個々の通話相手の通話相手情報を記録することができるデータベースであり、PTT電話帳501Bは、グループ名、及びグループに属する各通話相手の通話相手情報から構成されるグループ情報を記録することができるデータベースである。
PTT電話帳501に記録される通話相手情報は、コンタクト名、PTTコールIDで構成され、コンタクト名は、ユーザが通話相手を認識し易くするための識別情報であり、通話相手の名前やニックネーム等をユーザが決めて用いることができる。但し、使用できる文字や文字数に制限がある。
【0033】
PTTコールIDは、通話相手情報として入力しなければならない必須情報であり、通話相手の携帯電話機の識別情報である。本実施形態では、10ケタの数字からなる番号を識別情報としており、携帯電話機の電話番号とは異なる番号としている。
一方、通常電話帳502に記録される通話相手情報は、名前、電話番号1(携帯)、電話番号2(例えば、家の電話番号等)、メールアドレス、URL(通話相手のホームページ)、着信音、イラスト、写真、発光色等の他、PTTコールIDで構成されている。
【0034】
従来の携帯電話機の電話帳と異なる点は、PTTコールIDの項目が追加されている点である。
AS40のPTT電話帳同期管理部44は、ログインしている各携帯電話機とPTT電話帳を同期管理しており、PTT電話帳記憶部45には、ログインしている各携帯電話機のPTT電話帳(PTT電話帳503A、503B等)が記憶されている。
【0035】
なお、通話相手情報は、携帯電話機やPCにおいて、ユーザが入力することで作成される。
<5.動作>
次に、携帯電話機1のPTT電話帳表示処理と、PTT着信時の通話相手情報表示処理について説明する。
【0036】
<5.1 PTT電話帳表示処理>
図6は、PTT電話帳表示処理のフローチャートを示す図である。
まず、携帯電話機1がPTT電話帳の表示指示をユーザから受け付けると(ステップS1:YES)、制御部107は表示部104に、記憶部108に記憶されているPTT電話帳の各通話相手情報を一覧表示する(ステップS2)。
【0037】
そして、その一覧表示された通話相手情報の中からいずれかの指定をユーザから受け付けると(ステップS3:YES)、制御部107は、指定された通話相手情報に含まれるPTTコールIDを検索キーとして、通常電話帳の検索を行う。(ステップS4)。
ステップS3において、通話相手情報の指定を受けず(ステップS3:NO)、PTT電話帳の表示終了指示をユーザから受け付けると(ステップS10:YES)、制御部107は、PTT電話帳表示処理を終了し、通常の待ち受け画面に表示を切り替える制御を行う。
【0038】
ステップS10において、PTT電話帳の表示終了指示を受けなければ(ステップS10:NO)、ステップS2に戻る。
ステップS4において、通常電話帳を検索した結果、検索キーのPTTコールIDを含む通話相手情報が検出された場合(ステップS5:YES)、制御部107は、PTT電話帳に記録されている通話相手情報と共に、通常電話帳に記録されている通話相手情報を表示部104に表示させる(ステップS6)。
【0039】
一方、検索キーのPTTコールIDを含む通話相手情報が、通常電話帳から検出されなかった場合(ステップS5:NO)、制御部107は、PTT電話帳に記録されている通話相手情報のみを表示部104に表示させる(ステップS7)。
そして、表示部104に表示されている通話相手情報が示す通話相手の携帯電話機に対して、PTT発信する指示をユーザから受け付けた場合(ステップS8:YES)、制御部107は、PTT発信処理を行う(ステップS9)。
【0040】
ステップS8において、ユーザからPTT発信する指示を受け付けなかった場合(ステップS8:NO)、ステップS10に進む。
上述のPTT電話帳表示処理の具体例について図面を用いて説明する。
図8は、電話帳の選択メニュー画面の一例を示す図である。
メニュー画面800には、電話帳(通常電話帳)、1対1通話用PTT電話帳、グループ通話用PTT電話帳の3つの選択項目が示されている。
【0041】
いずれかの選択項目が選択されることで、それぞれの電話帳に記録されている各通話相手情報が一覧表示される。
まず、1対1通話用PTT電話帳が選択された場合に行われる、PTT電話帳表示処理の具体的な動作について説明する。
図9は、1対1通話用PTT電話帳に記録されている各通話相手情報の一覧表示の一例を示す図である。
【0042】
一覧表示画面900には、PTT電話帳に記録されている各通話相手を示すコンタクト名とPTTコールIDが表示されている。
図10は、図9の一覧表示画面900に示されている通話相手の一人である、「一郎」に関する通話相手情報を示した図である。
同図に示すように一対一通話用PTT電話帳には、「一郎」に関する通話相手情報1000として、コンタクト名「一郎」、PTTコールID「913−200−2000」が記憶されている。また、通常電話帳には、「一郎」に関する通話相手情報1001として、名前「一郎」、電話番号1「090−xxxx−△△△△」、メールアドレス「ichi@○○.co.jp」、URL「http://www.xxx.△△/1」、写真「photo000123」、発光色「赤」、PTTコールID「913−200−2000」が記憶されている。
【0043】
上述のPTT電話帳表示処理のステップS3において、一覧の中から「一郎」が選択された場合、通話相手情報1000に含まれているPTTコールIDを検索キーとして、通常電話帳の検索を行い、当該PTTコールIDが含まれている通話相手情報1001が検出される。
図11は、上述のPTT電話帳表示処理のステップS3において、「一郎」が選択された場合に、表示部104に表示される「一郎」に関する詳細画面の一例を示す図である。
【0044】
同図において、詳細画面1100の点線1101で囲った部分の情報は、通常電話帳に記録されている「一郎」に関する通話相手情報の一部である。すなわち、PTT電話帳に記録されている「一郎」に関する通話相手情報と共に、通常電話帳に記録されている「一郎」に関する通話相手情報も表示することができる。
これにより、従来、通話相手に関する情報として貧弱であった、PTT電話帳の通話相手情報の表示において、通常電話帳と同様のボリュームの通話相手に関する情報を表示させることができ、特に、通話相手の写真を表示することによって、通話相手の識別が容易になるというメリットがある。
【0045】
次に、図8に示すメニュー画面で、グループ通話用PTT電話帳が選択された場合に行われる、PTT電話帳表示処理の具体的な動作について説明する。
図12は、グループ通話用PTT電話帳に記録されている各グループの一覧表示の一例を示す図である。
一覧表示画面1200には、PTT電話帳に記録されている各グループを示すグループ名が表示されている。
【0046】
図13は、図12の一覧表示画面1200に示されているグループのうちの1つである、「高校仲間」に関するグループ情報及び当該グループに含まれる各通話相手情報を示した図である。
グループ通話用PTT電話帳には、グループ「高校仲間」のグループ情報1301として、グループ名「高校仲間」、グループ「高校仲間」に属する各通話相手のコンタクト名及びPTTコールIDが記録されている。
【0047】
また、通常電話帳には、「一郎」に関する通話相手情報1302、「花子」に関する通話相手情報1303、「太郎」に関する通話相手情報1304が記録されている。
図13に示すように、「一郎」に関する通話相手情報1302には、PTTコールID「913−200−2000」が、「花子」に関する通話相手情報1303には、PTTコールID「913−201−2090」が、「太郎」に関する通話相手情報1304には、PTTコールID「924−321−4020」が、含まれている。
【0048】
上述のPTT電話帳表示処理のステップS3において、グループ一覧の中から「高校仲間」が選択された場合、グループ情報1301に含まれている各通話相手情報のPTTコールIDを検索キーとして、通常電話帳の検索を行い、これらのPTTコールIDが含まれている通話相手情報1302、1303、1304が検出される。
図14は、上述のPTT電話帳表示処理のステップS3において、「高校仲間」が選択された場合に、表示部104に表示される「高校仲間」に属する各通話相手の一覧表示画面の一例を示す図である。
【0049】
同図に示す一覧表示画面1400には、グループ「高校仲間」に属する「一郎」の顔写真1401、「花子」の顔写真1402、「太郎」の顔写真1403が、それぞれのコンタクト名及びPTTコールIDと共に表示されている。
顔写真1401、1402、1403の表示によって、従来のPTT電話帳より、通話相手の識別が容易になるというメリットがある。
【0050】
<5.2 通話相手情報表示処理>
次に、PTT着信時の通話相手情報表示処理について説明する。
図7は、通話相手情報表示処理のフローチャートを示す図である。
まず、PTT着信時に携帯電話機1は、PTT通話開始要求を行った通話相手のPTTコールIDを受信する(ステップS11)。
【0051】
制御部107は、受信したPTTコールIDを検索キーとして、通常電話帳の検索を行う。(ステップS12)。
ステップS12において、通常電話帳を検索した結果、検索キーのPTTコールIDを含む通話相手情報が検出された場合(ステップS13:YES)、制御部107は、PTT電話帳に記録されている通話相手情報と共に、通常電話帳に記録されている通話相手情報を表示部104に表示させる(ステップS14)。
【0052】
一方、検索キーのPTTコールIDを含む通話相手情報が、通常電話帳から検出されなかった場合(ステップS13:NO)、制御部107は、PTT電話帳に記録されている通話相手情報のみを表示部104に表示させる(ステップS15)。その後、PTT通話処理を行う(ステップS16)。
ここで、上述の通話相手情報表示処理の具体例について図面を用いて説明する。
【0053】
図15は、PTT着信時に表示部104に表示されるPTT着信画面の一例を示す図である。
同図に示すように、呼び出しを行った通話相手の顔写真1501と、通話相手に関する情報がPTT着信画面1500に表示される。点線囲み部分は、通常電話帳に記録されている情報であり、携帯電話番号、メールアドレスが表示されている。
【0054】
これにより、従来のPTT着信時に表示される文字情報だけの着信画面より、通話相手の識別が容易になるというメリットがある。
図15は、1対1通話の場合に着信側の携帯電話機に表示されるPTT着信画面の一例であり、グループ通話着信の場合は、図16に示す着信画面が表示される。
図16は、グループ「高校仲間」のグループ通話着信時に表示されるPTT着信画面を示す図である。
【0055】
同図に示すように、PTT着信画面1600には、グループ「高校仲間」に属する各通話相手の顔写真1601、1602及び1603が表示されている。
これによりグループ通話の着信時においても、顔写真1601、1602、1603の表示によって、従来より通話相手の識別が容易になるというメリットがある。
<補足>
なお、本発明は上記実施形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0056】
(1)上記実施形態において、PTT機能を備えた携帯電話機の電話番号とPTTコールIDは異なるものとして説明したが、同じであってもよい。この場合、通常電話帳にPTTコールIDの項目を備える必要はなく、PTT電話帳に記録されている電話番号と同じ電話番号を含む通話相手情報を通常電話帳から検索すればよい。
(2)PTT着信時に受信したPTTコールIDを検索キーとして通常電話帳を検索し、検出された通話相手情報に着信音の設定情報が含まれる場合、制御部107は、当該設定情報が示す着信音をスピーカ部101から出力させて、ユーザにPTT着信を知らせるようにしてもよい。また、検出された通話相手情報に発光色の設定情報が含まれる場合、制御部107は、当該設定情報が示す発光色を発光部109に発光させて、ユーザにPTT着信を知らせるようにしてもよい。
【0057】
(3)PTT通話を仲介するASは、PTT通話中に、送話を行っている携帯電話機のPTTコールIDを各携帯電話機に送信するので、この送話者を示すPTTコールIDを受信したときに、当該PTTコールIDを検索キーとして通常電話帳を検索し、検出された通話相手情報に着信音の設定情報が含まれる場合、制御部107は、当該設定情報が示す着信音をスピーカ部101から出力させて、ユーザに送話者を知らせるようにしてもよいし、検出された通話相手情報に発光色の設定情報が含まれる場合、制御部107は、当該設定情報が示す発光色を発光部109に発光させて、ユーザに送話者を知らせるようにしてもよい。
【0058】
例えば、グループ通話において、通話者Aが送話しているときには、LEDを青で発光し、通話者Bが送話しているときは、LEDを赤で発光する。これにより、現在送話している者を、発光色で容易に識別することができる。
(4)上記実施形態では、本発明に係る通信端末をPTT機能を備えた携帯電話機であるとして説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、PTT機能を備えた卓上電話機として実現してもよいし、PTT機能とメール送受信機能を備えたPDA(Personal Digital Assistance)として実現してもよい。
【0059】
(5)上記実施形態では、PTTコールIDを検索キーとして、通常電話帳から通話相手情報を検出していたが、コンタクト名を検索キーとしてもよい。この場合、まず、受信したPTTコールIDでPTT電話帳を検索して、対応する通話相手情報に含まれるコンタクト名を検出し、その後、検出されたコンタクト名を検索キーとして、通常電話帳から、対応する通話相手情報を検出するという動作になる。
【0060】
(6)上記実施形態において説明した処理ステップ(図6、図7に示したステップ等)を、プログラム実行機能及びPTT機能を有する携帯電話機に実行させるためのプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することができる。
かかる記録媒体には、ICカード、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM等がある。流通、頒布されたプログラムは、プログラム実行機能を有するPTT機能付き携帯電話機にインストールされることにより利用に供され、そのPTT機能付き携帯電話機は、そのプログラムを実行することにより、上記実施形態に示した機能を実現する。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、PTT機能を備えた携帯電話機として実現することで大変有用である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】PTTシステムの構成を示す図である。
【図2】AS40の機能構成を示す図である。
【図3】PTT機能を備えた携帯電話機の外観の一例を示す図である。
【図4】PTT機能を備えた携帯電話機の機能構成図である。
【図5】PTT電話帳と通常電話帳のデータ内容を示した図である。
【図6】PTT電話帳表示処理のフローチャートを示す図である。
【図7】通話相手情報表示処理のフローチャートを示す図である。
【図8】電話帳の選択メニュー画面の一例を示す図である。
【図9】1対1通話用PTT電話帳に記録されている各通話相手情報の一覧表示の一例を示す図である。
【図10】通話相手情報の具体例を示した図である。
【図11】詳細画面の一例を示す図である。
【図12】グループ通話用PTT電話帳に記録されている各グループの一覧表示の一例を示す図である。
【図13】グループ情報及び当該グループに含まれる各通話相手情報の具体例を示した図である。
【図14】グループに属する各通話相手の一覧表示画面の一例を示す図である。
【図15】PTT着信時に表示部104に表示されるPTT着信画面の一例を示す図である。
【図16】グループ通話着信時に表示されるPTT着信画面を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1〜8 携帯電話機
10 ネットワーク
11〜13 基地局
21〜23 ES
30 PC
40 AS
41 インターフェース部
42 携帯電話機管理部
43 PTTコールID記憶部
44 PTT電話帳同期管理部
45 PTT電話帳記憶部
46 PTT仲介処理部
47 音声データ記憶部
101 スピーカ部
102 マイク部
103 操作部
103A PTTボタン
104 表示部
105 アンテナ
106 通信部
107 制御部
108 記憶部
109 発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プッシュトゥトーク機能と、電話機能又はメール送受信機能とを備えた通信端末であって、
プッシュトゥトーク機能に用いられる、通話相手の通信端末の識別情報を含む第1通話相手情報を記録する第1電話帳と、
電話機能又はメール送受信機能に用いられる、通話相手の通信端末の識別情報と通話相手を示す画像を含む第2通話相手情報を記録する第2電話帳と、
前記第1電話帳に記録されている第1通話相手情報を報知する際に、前記第2電話帳から当該第1通話相手情報の一部を含む第2通話相手情報を検索する検索手段と、
前記第1通話相手情報と共に、前記検索手段により検出された第2通話相手情報の画像を含む、当該第2通話相手情報の少なくとも一部の情報を報知する報知手段とを備える
ことを特徴とする通信端末。
【請求項2】
ユーザから第1通話相手情報の報知指示を受け付ける受付手段を更に備え、
前記検索手段は、受け付けた報知指示に係る第1通話相手情報に含まれる識別情報を検索キーとして、前記第2電話帳から第2通話相手情報を検索する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
プッシュトゥトーク着信時に、プッシュトゥトーク発信元の通信端末の識別情報を受信する受信手段を更に備え、
前記検索手段は、受信した識別情報を検索キーとして、前記第2電話帳から第2通話相手情報を検索する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項4】
プッシュトゥトーク通話中に、送話を行う通信端末の識別情報を受信する受信手段を更に備え、
前記検索手段は、受信した識別情報を検索キーとして、前記第2電話帳から第2通話相手情報を検索する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項5】
前記報知手段は、前記検索手段により検出された第2通話相手情報に着信音の設定情報が含まれている場合に、当該第2通話相手情報に含まれる画像の表示と共に、その設定情報に基づいて着信音を出力することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の通信端末。
【請求項6】
前記報知手段は、前記検索手段により検出された第2通話相手情報に発光色の設定情報が含まれている場合に、当該第2通話相手情報に含まれる画像の表示と共に、その設定に基づいて発光することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−13615(P2006−13615A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183950(P2004−183950)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】