説明

通信装置および通信方法

【課題】無線通信経路における伝搬環境の変化を迅速に検知でき、到達時間の遅延により再生されずに破棄されるパケット数を最小限に低減することが可能な通信装置および通信方法を提供する。
【解決手段】無線通信経路を介して通信を行う通信装置1において、無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す許容域と無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、無線通信経路における帯域状態を監視する帯域状態監視手段15と、該帯域状態監視手段15による監視結果に基づいて、パケットの送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージを通信相手に送信する送信帯域制御メッセージ送信手段(16,11)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信経路を介して通信を行う通信装置および通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、低価格、定額のADSLサービス並びに高速なパソコンの低価格化に伴って、どの家庭でも、気軽にインターネットにアクセスすることが可能となっている。また、インターネット・アクセスにて扱うデータも、文字を主体としたWebページから画像、音声、映像を主体としたWebページへと変貌し、快適なWebアクセスのために、広帯域化への欲求が高まり、ADSLの広帯域化、また広帯域な光通信が普及してきている。
【0003】
さらに、最近では、安定的で高速なインターネット・アクセス環境の整備に伴って、無料の音声通話ソフトが配布されるようになり、家庭から家庭への音声通話を定額で利用することが可能となっている。また、将来的には、ホームネットワークの普及およびHDDレコーダのHDDサーバ化により、他の場所でネットワークに接続されたパソコンなどで、ホームネットワークにアクセスして、HDDサーバに蓄積されている映像を鑑賞することが普及すると考えられる。これにより、例えば、海外に居ながら、日本のテレビ放送をホームネットワークのサーバを介して鑑賞することが可能となる。
【0004】
ADSLや光通信など、家庭とインターネット網とが有線で接続されている環境下においては、音声通話や映像転送は、接続時のネゴシエーションにより、通信を行うパソコン間の通信帯域およびパソコンの処理能力に応じて符号化レートを選定することで、快適な音声通話や映像鑑賞を実現することが可能となる。
【0005】
一方、音声通話を主体とした携帯通信端末においても、最近は、広帯域化、高機能化の方向にあり、携帯通信端末からインターネット網へアクセスするようなデータ通信を主体とした利用方法が主流化している。これに伴って、携帯通信端末においても、音声通信や映像通信を、データ通信網を用いて行う方向にある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−328593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、携帯通信端末は、無線による接続であるため、家庭のADSLや光通信のような有線による接続と比較して、伝搬伝送路が不安定である。このようなことから、携帯通信端末では、伝搬伝送路の変動に応じて、無線通信の変調方式を選択し、比較的伝搬環境が良い時は、高速な通信を可能とする変調方式を選択し、伝搬環境が悪い時には、エラー耐性の高い(低速な通信となる)変調方式を選択することにより、連続的な通信を可能としている。
【0007】
しかしながら、伝搬環境は、通信している携帯通信端末が静止していたとしても、周囲の環境の変化に応じて変動し、また、通信に利用している周波数の特性に応じても変動を起す。さらに、携帯通信端末が移動すると、伝搬環境は、安定な状態から、急激に変化することもある。
【0008】
このため、無線通信の場合には、有線通信の場合と同様に、接続時のネゴシエーションによって音声や映像の符号化レートを設定して通信を開始すると、伝搬環境の悪化に伴って、音声や映像データが無線環境下にてロストするという現象が生じることになる。
【0009】
また、無線通信においては、高速な通信を実現するため、無線通信網の基地局および端末に、データ(パケット)を蓄積するバッファを設けている。特に、1つの基地局に無線接続されるユーザ(端末)数が増加した場合に、各々のユーザに対して快適な通信サービスを提供するためには、個々の通信における伝送効率を高める必要がある。このため、伝送効率の高い変調方式を利用して、短い時間に隙間無く、多くのデータを高密度に入れ込んで送出する必要があることから、必然的に、その高密度化を実現するに必要とする容量のバッファが用意されることになる。
【0010】
したがって、基地局では有線側から(端末の場合には、アプリケーション側から)受信した音声や映像の符号化レートに応じたデータ(パケット)を、バッファに順次蓄積し、その蓄積したデータ(パケット)を、無線の伝搬環境に応じた通信速度で順次読出して送出することになる。
【0011】
このため、無線伝搬環境が悪化すると、データ(パケット)のバッファからの流出速度が、流入速度を下回って、バッファに蓄積されるデータ量が増大し、この蓄積されたデータが、伝搬環境の回復に伴って遅延して送出されるという現象が生じることになる。
【0012】
しかし、バッファへのデータの蓄積(データの滞留)は、リアルタイム性が要求される音声や映像通信においては、致命傷であり、伝搬環境の回復により、バッファからまとめて送出されたとしても、大半のデータは、再生タイミングを逸していることから、廃棄されることになる。また、バッファからの読出しが遅くなっている期間は、受信側では再生するデータが不足し、ついには、再生データがなくなるため、音声や映像として再生することが困難な状態に陥ることもある。
【0013】
このような事態を回避する方法として、例えば、アプリケーションにおいて、データの到着時間のゆらぎに応じた時間分のデータを蓄積するジッタバッファを配し、受信したデータを一旦、ジッタバッファに蓄積して、ジッタバッファに蓄積されたデータをアプリケーションにおける再生速度に応じて順次読み出すことにより、データの到着時間のゆらぎを吸収することが知られている。
【0014】
しかしながら、無線通情網を介した通信経路では、有線網に比べて到着時間のゆらぎが大きいため、そのゆらぎを吸収するには、非常に大きなジッタバッファを要することになる。そのため、このような大きなジッタバッファ(長い時間に相当するデータ量を蓄積可能なバッファ)を利用すると、通話においては、音声が遅れて届くように再生されて、ユーザに違和感を与えてしまうことになる。
【0015】
また、リアルタイム性を重視した音声や映像通信を実現する方法として、無線の伝搬環境(無線、有線の通信経路の変化に伴う伝搬環境の変化)に適応して、符号化レートを可変化し、伝搬環境が悪化した場合には、低レートの符号化方式に切り換え、伝搬環境が回復した場合には、高品質な音声や画質となる符号化方式に切り換えて、リアルタイム性を保持することが考えられる。
【0016】
この場合、通信経路における伝搬環境を検知する必要があり、その一方法として、例えば、ジッタバッファへのデータの蓄積容量を監視し、蓄積容量が予め定めた閾値以下に低下した場合に、伝搬環境が悪化して通信経路上にデータの滞留が発生していると検知することが考えられる。
【0017】
しかし、この場合、急峻な伝搬環境の悪化(許容帯域の狭帯域化)に対して、悪化の検知が遅れると、遅れた時間分、通信経路上のバッファに滞留(蓄積)するデータ(パケット)数が増大することとなる。このため、伝搬環境の悪化検知によって、符号化レートを低下させたとしても、滞留の解消まではデータが滞ることとなって、リアルタイム性が損なわれることになる。
【0018】
また、無線通信経路における許容帯域の狭帯域化を検知する他の方法として、例えば、ウィンドウTs(所定期間;例えば500ms)での受信パケット数を監視し、受信パケット数が想定パケット数より少ない場合に、許容帯域が狭帯域化したと検知する方法が考えられる。
【0019】
ところが、この場合には、監視期間であるウィンドウTsのタイミングに依存して滞留遅延時間が変動することになる。例えば、図9に示すように、アプリケーション(例えば、VoIP)のパケットの送出間隔が20msの場合において、時刻t1で許容帯域が50%に狭帯域化したものとする。なお、図9において、横軸は時間tを示しており、縦軸はパケットのシーケンス番号(SN)を示している。また、Dpはパケットの送信タイミングから当該経路における理想受信タイミングまでの潜在的遅延時間(ここでは、80ms)を示しており、Tbはパケットの送信タイミングからの再生許容時間(ここでは、200ms)を示しており、Dsは滞留遅延時間を示している。
【0020】
図9において、時刻t1までのウィンドウTsにおける受信パケット数を監視すると、受信パケット数の減少は観られないが、時刻t2において(t2−t1)間のウィンドウTsでの受信パケット数を監視すると、想定受信パケット数(500ms/20ms=25パケット)に対して、受信パケット数は12パケットと半減することになる。このため、符号化レートを低減させる必要があるが、この場合、時刻t2で送信されたパケット(SN4)は、時刻t4にて受信されることになるため、理想的な受信時刻t3に対して、580ms(=t4−t3)の滞留遅延時間Dsが生じることになる。
【0021】
このため、送信タイミングから200msの再生許容時間Tbを超えて受信したパケット(再生許容ラインを超えたパケット)を破棄する(再生から除外する)ものとすると、この場合には、図9においてウィンドウTsの間に送信された25パケットのうち、塗り潰された23パケットが再生に寄与されずに破棄されることになる。
【0022】
このように、ウィンドウTsでの受信パケット数を監視し、受信パケット数が想定パケット数より少ない場合に、当該経路の許容帯域が狭帯域化したと検知すると、監視期間であるウィンドウTsのタイミングに依存して滞留遅延時間が変動することになる。このため、ウィンドウTsのタイミングによっては、当該ウィンドウTs間に送信されたパケットのほとんどが再生に寄与されずに破棄されてしまうことが懸念される。
【0023】
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、無線通信経路における伝搬環境の変化を迅速に検知でき、到達時間の遅延により再生されずに破棄されるパケット数を最小限に低減することが可能な通信装置および通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を達成する請求項1に係る発明は、無線通信経路を介して通信を行う通信装置において、
前記無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す許容域と前記無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記無線通信経路における帯域状態を監視する帯域状態監視手段と、
該帯域状態監視手段による監視結果に基づいて、パケットの送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージを通信相手に送信する送信帯域制御メッセージ送信手段と、
を有することを特徴とするものである。
【0025】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の通信装置において、前記帯域状態監視手段は、受信した所定期間のパケットの受信タイミングに基づいて前記許容域を設定することを特徴とするものである。
【0026】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の通信装置において、さらに、前記通信相手からパケットの送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージを受信する送信帯域制御メッセージ受信手段と、
該送信帯域制御メッセージ受信手段で受信した送信帯域制御メッセージ、または前記帯域状態監視手段による監視結果に基づいて、前記通信相手に送信するパケットの送信帯域を制御する送信帯域制御手段と、
を有することを特徴とするものである。
【0027】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の通信装置において、前記送信帯域制御手段は、前記通信相手に送信するデータの符号化レートまたはファイルの転送を制御することを特徴とするものである。
【0028】
さらに、上記目的を達成する請求項5に係る通信方法の発明は、無線通信経路を介して通信を行うにあたり、
前記無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す許容域と前記無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとに基づいて、前記無線通信経路における帯域状態を監視し、
その監視結果に基づいて、パケットの送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージを通信相手に送信して、該送信帯域制御メッセージにより送信帯域を制御しながら通信することを特徴とするものである。
【0029】
さらに、上記目的を達成する請求項6に係る発明は、無線通信経路を介して1つの通信相手に対して複数の異なるデータのパケットを送受信する通信方法において、
前記複数の異なるデータの各々に対して、前記無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す許容域と前記無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとに基づいて、前記無線通信経路における帯域状態を監視し、
その監視結果に基づいて、いずれか1つのデータに対する送信帯域が狭帯域化したときは、全てのデータの送信レートを低減する送信帯域制御メッセージを前記通信相手に送信することを特徴とするものである。
【0030】
さらに、上記目的を達成する請求項7に係る発明は、無線通信経路を介して1つの通信相手に対して複数の異なるデータのパケットを送受信する通信方法において、
前記無線通信経路における無線状態を監視するとともに、前記複数の異なるデータの各々に対して、前記無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す許容域と前記無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとに基づいて、前記無線通信経路における帯域状態を監視し、
前記無線状態の監視結果と前記帯域状態の監視結果とに基づいて、前記無線状態が良好で、前記帯域状態としていずれか1つのデータに対する送信帯域が狭帯域化したときは、当該1つのデータに対する送信レートを低減またはデータの送出を停止する送信帯域制御メッセージを前記通信相手に送信し、
前記無線状態が悪化し、前記帯域状態としていずれか1つのデータに対する送信帯域が狭帯域化したときは、全てのデータの送信レートを低減するまたはデータの送出を停止する送信帯域制御メッセージを前記通信相手に送信することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す許容域と受信したパケットの受信タイミングとに基づいて帯域状態を監視し、その監視結果に基づく送信帯域制御メッセージを通信相手に送信するようにしたので、無線通信経路における伝搬環境の変化を迅速に検知して、送信側において帯域状態に応じた送信帯域にリアルタイムで適切に制御することが可能となる。したがって、到達時間の遅延により再生されずに破棄されるパケット数を最小限に低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0033】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る通信装置を用いる通信システムの概略構成を示すものである。図1において、通信装置である携帯通信端末1は、無線通信経路を介して無線ネットワーク2に接続可能となっている。無線ネットワーク2は、有線のネットワーク3に接続されており、このネットワーク3にはホームビデオサーバ4が接続されている。本実施の形態では、携帯通信端末1を、無線ネットワーク2およびネットワーク3を含むネットワーク網を介してホームビデオサーバ4に接続して、ホームビデオサーバ4からパケットとして配信されるビデオデータを受信して再生する。
【0034】
図2は、図1に示した携帯通信端末1およびホームビデオサーバ4の要部の概略構成を示す機能ブロック図である。携帯通信端末1は、送受信手段11、画像・音声復号手段12、表示手段13、音声出力手段14、受信パケット監視手段15および制御手段16を有している。送受信手段11は、無線によりパケットを送受信するもので、該送受信手段11で受信したホームビデオサーバ4からのパケットは、画像・音声復号手段12に供給し、ここで画像符号化データおよび音声符号化データをそれぞれ復号して、復号した画像信号を表示手段13に供給して画像を表示し、復号した音声信号を音声出力手段14に供給して音声を出力する。
【0035】
また、送受信手段11で受信したホームビデオサーバ4からの(RTP)パケットは、受信パケット監視手段15に供給し、ここで受信パケットに基づいて無線ネットワーク2における無線通信経路の帯域状態を監視して、その監視結果を制御手段16に供給する。したがって、本実施の形態において、受信パケット監視手段15は、帯域状態監視手段を構成している。なお、この受信パケット監視手段15による無線通信経路の帯域状態の監視方法については、後述する。
【0036】
制御手段16は、送受信手段11を介したホームビデオサーバ4との認証等、携帯通信端末1の全体の動作を制御する。また、制御手段16は、受信パケット監視手段15からの監視結果に基づいて、送信帯域制御メッセージを生成して、その生成した送信帯域制御メッセージを、送受信手段11を介してホームビデオサーバ4に制御パケットとして送信する。すなわち、受信パケット監視手段15において、許容帯域の狭帯域化を示す監視結果が得られたときは、その旨を示す送信帯域制御メッセージを生成してホームビデオサーバ4に送信し、狭帯域化が回復した場合には、同様に、その旨を示す送信帯域制御メッセージを生成して、ホームビデオサーバ4に送信する。したがって、本実施の形態において、制御手段16および送受信手段11は、送信帯域制御メッセージ送信手段を構成している。
【0037】
一方、ホームビデオサーバ4は、映像蓄積手段21、画像・音声復号手段22、画像・音声符号化手段23、送受信手段24および制御手段25を有している。映像蓄積手段21は、映像を蓄積するもので、該映像蓄積手段21に蓄積された映像は、画像・音声復号手段22で画像および音声にそれぞれ復号した後、画像・音声符号化手段23で画像符号化データおよび音声符号化データにそれぞれ符号化して、送受信手段24からパケットとしてネットワーク3に送出する。なお、送受信手段24は、有線にてネットワーク3に接続されてもよいし、または無線ネットワーク2とは異なる無線ネットワークを介してネットワーク3に接続されてもよい。
【0038】
制御手段25は、送受信手段24を介した携帯通信端末1との認証等、ホームビデオサーバ4の全体の動作を制御する。また、制御手段25は、携帯通信端末1から許容帯域の狭帯域化を示す送信帯域制御メッセージを受信したときは、画像・音声符号化手段23における画像データおよび音声データの符号化レートを低減させるように制御し、その後、許容帯域の回復を示す送信帯域制御メッセージを受信したときは、符号化レートを増加(高品質化)させるように制御する。なお、符号化レートは、量子化テーブルや符号化方式自体を変える等の方法によって制御する。
【0039】
次に、携帯通信端末1の受信パケット監視手段15による無線通信経路の帯域状態の監視方法について説明する。
【0040】
本実施の形態では、無線ネットワーク2の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングに基づいて、当該無線通信経路におけるパケットの理想受信タイミングからの許容域を設定し、当該無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングが、設定された許容域内に入っているか否かを監視して、許容域を外れた場合に、許容帯域が狭帯域化したと検知する。
【0041】
図3〜図5は、本実施の形態による帯域状態の監視結果を例示するもので、図3はアプリケーションのパケット送出間隔が80msの場合を例示しており、図4はアプリケーションのパケット送出間隔が40msの場合を例示しており、図5はアプリケーションのパケット送出間隔が20msの場合を例示している。なお、図3〜図5において、横軸は時間tを示しており、縦軸はパケットのシーケンス番号(SN)を示している。また、Tpは、当該無線通信経路におけるパケットの理想受信タイミングからの許容域(ここでは、60ms)を示しており、Dpはパケットの送信タイミングから当該経路における理想受信タイミングまでの潜在的遅延時間(ここでは、80ms)を示しており、Tbはパケットの送信タイミングからの再生許容時間(ここでは、200ms)を示しており、Dsは滞留遅延時間を示している。
【0042】
図3〜図5において、パケットSN1を受信した時刻t1から当該無線通信経路の許容帯域が50%に狭帯域化したものとする。この場合、図3のパケット送出間隔が80msでは、次のパケットSN3(黒丸で示す)を受信した時刻t3で、当該パケットSN3の受信タイミングが許容域Tpを外れることから、この時刻t3の時点で当該無線通信経路の許容帯域が狭帯域化したことが検知される。しかも、時刻t3までに送信されたパケットにて生じる滞留遅延時間Dsは、240msとなるので、この場合は、再生許容ラインを超える破棄パケット数(図中斜線を施した丸)は、2パケットで済むことになる。
【0043】
また、図4のパケット創出間隔40msでは、時刻t1でパケットSN1を受信してから、2個目のパケットSN3(黒丸で示す)を受信した時刻t3で、当該パケットSN3の受信タイミングが許容域Tpを外れることから、この時刻t3の時点で当該無線通信経路の許容帯域が狭帯域化していることが検知される。しかも、時刻t3までに送信されたパケットにて生じる滞留遅延時間Dsは、240msとなるので、この場合は、再生許容ラインを超える破棄パケット数(図中斜線を施した丸)は、3パケットで済むことになる。
【0044】
同様に、図5のパケット創出間隔20msでは、時刻t1でパケットSN1を受信してから、4個目のパケットSN3(黒丸で示す)を受信した時刻t3で、当該パケットSN3の受信タイミングが許容域Tpを外れることから、この時刻t3の時点で当該無線通信経路の許容帯域が狭帯域化していることが検知される。しかも、時刻t3までに送信されたパケットにて生じる滞留遅延時間Dsは、240msとなるので、この場合は、再生許容ラインを超える破棄パケット数(図中斜線を施した丸)は、6パケットで済むことになる。
【0045】
次に、図3〜図5に示した理想受信タイミング及び許容域の設定方法について説明する。理想受信タイミングの設定に当たっては、先ず、図6に示すように、アプリケーション(例えば、VoIP)によるパケットの送信時間(t)とシーケンス番号(SN)との関係(t−SN)を示す傾斜角αの直線Lを求める。例えば、アプリケーションからのパケットの送出間隔が20msの場合には、α=50(SN/s)の直線Lを求める。次に、受信パケットは、直線Lに対して遅れの方向に位置するものとして、通信開始初期の所定期間における受信パケットをSN−tの図面上にプロットした場合に、直線Lを左から右に移動して、移動後の位置の左側に受信パケットのプロットが存在せず、かつ、最も右側に移動した位置の直線L′を理想受信タイミングとして設定する。
【0046】
この場合の理想受信タイミングの具体的な算出例について、以下に説明する。先ず、図6の直線Lに相当する基準直線(SN−tstd)を、下式のように仮定する。
SN=αstd・tstd、tstd=SN/αstd
ここで、αstdはアプリケーションによって定まる傾斜であり、例えば、VoIPの場合には、1SN/20ms(50SN/s)である。
【0047】
次に、基準直線と受信パケットとの時間差(Tstdsub(s))を下式により算出する。
Tstdsub(s)=t(s)−tstd(s)
例えば、s番目に受信したパケットのシーケンス番号をSN(s)とすると、
Tstdsub(s)=t(s)−{SN(s)/αstd}
となる。ここで、受信パケット(s)のうち、時間差(Tstdsub)の最小値(Tsubmin)を求める。
【0048】
【数1】

【0049】
Tsubminを基準とした直線を理想受信タイミング(SN−tass)とすると、
tass=(SN/αstd)+Tsubmin
となる。つまり、受信パケットのうち、(受信時刻−送信時刻)が最小となるパケットを基準とした直線(図6のL′に相当)を理想受信タイミングとする。
【0050】
また、許容域Tpは、例えば、通信方式に応じて、あるいは使用する変調方式や送信帯域に応じて、理想受信タイミングから一義的に設定するか、実際のパケットの受信タイミングに基づいて演算により設定する。
【0051】
演算により許容域Tpを設定する場合には、例えば、通信開始初期の所定期間における受信パケットの平均受信タイミングに基づいて設定する。すなわち、通信開始初期において理想受信タイミングを設定した後、所定期間において、例えば、下式により受信パケットの受信時刻trecと理想受信タイミングにおける受信時刻tideとの差分時間Tsubを算出する。
Tsub(s)=trec(s)−tide(s)
次に、下式により、差分時間Tsubの平均値、すなわち安定通信中の受信パケットの遅れ時間の拡がりの平均値に基づいて許容域Tpを演算する。なお、下式において、sは所定期間に受信したパケットに割り振られた受信番号、βは係数、meanは平均化処理を示している。
【0052】
【数2】

【0053】
このように、無線通信経路における許容域Tpを設定し、パケットの受信タイミングと許容域Tpとを比較することにより、当該無線通信経路における帯域状態を監視すれば、無線通信経路の通信方式に適応して、フェージング等の伝搬環境の変化による許容帯域の変動をほぼリアルタイムで検知することができる。したがって、その監視結果に基づいて、狭帯域化が検知された場合には、その旨を示す送信帯域制御メッセージを生成してその送信帯域制御メッセージをパケットの送り先であるホームビデオサーバ4に送信し、ホームビデオサーバ4において、送信する画像データおよび音声データの符号化レートを低下させれば、リアルタイムアプリケーションにおいて到達時間の遅延により再生されずに破棄されるパケット数を最小限に低減することが可能となる。
【0054】
(第2実施の形態)
図7は、本発明の第2実施の形態に係る通信装置を用いる通信システムの概略構成を示すものである。図7において、通信装置である携帯通信端末51は、無線通信経路を介して無線ネットワーク2に接続可能となっている。無線ネットワーク2は、有線のネットワーク3に接続されており、このネットワーク3には通信装置であるパソコン等の通信端末71が接続されている。携帯通信端末51および通信端末71には、通信用のソフトウェアが搭載されている。本実施の形態では、携帯通信端末51と通信端末71とを、無線ネットワーク2およびネットワーク3を含むネットワーク網を介して接続して、相互に画像データや音声データをリアルタイムで送受信する。なお、通信端末71は、有線にてネットワーク3に接続されてもよいし、または無線ネットワーク2とは異なる無線ネットワークを介してネットワーク3に接続されてもよい。
【0055】
図8は、図7に示した携帯通信端末51および通信端末71の要部の概略構成を示す機能ブロック図である。これら携帯通信端末51および通信端末71は、ほぼ同様の構成を有するので、以下では携帯通信端末51の構成について説明し、通信端末71の構成については、携帯通信端末51と同一構成要素には同一参照符号を付して説明を省略する。
【0056】
携帯通信端末51は、画像入力手段52、音声入力手段53、画像・音声符号化手段54、制御手段55、送信手段56および蓄積手段57を有しており、画像入力手段52にて取得した画像データ、あるいは音声入力手段53にて取得した音声データは、画像・音声符号化手段54において、制御手段55の制御のもとに画像符号化データあるいは音声符号化データに変換して、送信手段56から通信相手にパケットとして送出する。
【0057】
蓄積手段57は、画像、音声、テキスト等のファイルを蓄積し、この蓄積手段57に蓄積されたファイルは、制御手段55からの送出要求に従って、送信手段56から通信相手にパケットとして送出する。
【0058】
また、携帯通信端末51は、受信手段58、画像・音声復号手段59、表示手段60、音声出力手段61、再生手段62および受信パケット監視手段63を有しており、受信手段58で受信した通信相手からの符号化データ(パケット)は、画像・音声復号手段59に供給し、ここでそれぞれ復号して、復号した画像信号を表示手段60に供給して画像を表示し、復号した音声信号を音声出力手段61に供給して音声を出力する。
【0059】
また、受信手段58で受信したファイルは、再生手段62でファイルに対応した再生方法で再生して、再生信号が画像信号等の場合には表示手段60に供給して表示し、音声信号等の場合には音声出力手段61に供給して出力する。
【0060】
さらに、受信手段58で受信した通信相手からの(RTP)パケットは、受信パケット監視手段63に供給し、ここで第1実施の形態の場合と同様にして、受信パケットに基づいて無線ネットワーク2における無線通信経路の帯域状態を監視し、その監視結果を制御手段55に供給する。したがって、本実施の形態において、受信パケット監視手段63は、帯域状態監視手段を構成している。
【0061】
制御手段55では、第1実施の形態の場合と同様に、受信パケット監視手段63からの監視結果に基づいて、送信帯域制御メッセージを生成して、その生成した送信帯域制御メッセージを、送信手段56を介して通信相手に送信する。すなわち、受信パケット監視手段63において、許容帯域の狭帯域化を示す監視結果が得られたときは、その旨を示す送信帯域制御メッセージを生成して通信相手に送信し、狭帯域化が回復した場合には、同様に、その旨を示す送信帯域制御メッセージを生成して通信相手に送信する。したがって、本実施の形態において、制御手段55および送信手段56は、送信帯域制御メッセージ送信手段を構成している。
【0062】
さらに、本実施の形態では、送信帯域制御メッセージを通信相手に送信すると同時に、受信パケット監視手段63からの監視結果に基づいて、自端末から通信相手に送信するパケットの送信帯域を制御する。すなわち、画像入力手段52で取得した画像データ、あるいは音声入力手段53で取得した音声データの送信中に、受信パケット監視手段63において許容帯域の狭帯域化を示す監視結果が得られたときは、自端末の画像・音声符号化手段54に対して、送信するデータの符号化レートの低減あるいは一時送信停止するように制御する。また、蓄積手段57に蓄積されているファイルの転送中に、許容帯域の狭帯域化を示す監視結果が得られたときは、そのファイルの転送を中断するように制御する。なお、符号化レートは、第1実施の形態の場合と同様に、量子化テーブルや符号化方式自体を変える等の方法によって制御する。
【0063】
その後、受信パケット監視手段63において許容帯域が回復した監視結果が得られた場合には、その旨を示す送信帯域制御メッセージを通信相手に送信すると同時に、自端末の画像・音声符号化手段54に対して送信するデータの符号化レートを増加(高品質化)、あるいは送信を開始するように制御する。また、狭帯域化によって蓄積手段57に蓄積されているファイルの転送を中断した場合には、そのファイルの転送を再開するように制御する。
【0064】
一方、通信相手から許容帯域の狭帯域化を示す送信帯域制御メッセージを受信した場合には、同様に、画像・音声符号化手段54を制御して、画像入力手段52で取得した画像データあるいは音声入力手段53で取得した音声データの符号化レートの低減あるいは一時送信を停止する。また、蓄積手段57に蓄積されているファイルの転送中の場合には、そのファイルの転送を中断するように制御する。
【0065】
その後、許容帯域が回復した旨の送信帯域制御メッセージを受信した場合には、同様に、画像・音声符号化手段54に対して送信するデータの符号化レートを増加(高品質化)、あるいは送信を開始するように制御する。また、狭帯域化によって蓄積手段57に蓄積されているファイルの転送を中断した場合には、そのファイルの転送を再開するように制御する。したがって、本実施の形態において、受信手段58は、送信帯域制御メッセージ受信手段を構成しており、制御手段55および画像・音声符号化手段54は、送信帯域制御手段を構成している。
【0066】
なお、本実施の形態において、音声データおよび画像データを、各々異なるRTPパケットにてリアルタイムで送出する場合には、各々のパケットについて狭帯域化を監視して、いずれか一方において狭帯域化が検知された場合には、双方に対して符号化レートの低減処理を実行するか、あるいは無線状態(例えば、RSSI)に応じて、いずれか一方または双方に対して符号化レートの低減処理やデータの送出を制御する。例えば、無線状態が良好であるにも拘わらず、一方のパケット、例えば音声パケットにおける送信帯域の狭帯域化が検知された場合には、検知された通信相手の音声パケットのレートを低減、あるいはデータ送出を停止する。他方、無線状態が悪化している状態で、音声パケットにおける送信帯域の狭帯域化が検知された場合には、音声パケットおよび画像パケットの双方に対してレート低減あるいはデータの送出を停止する。また、複数の通信相手とグループ通話を行うことができる場合には、各通信相手に対して上述の制御を行うようにしても良い。
【0067】
本実施の形態においても、第1実施の形態と同様にして、無線通信経路における許容域を設定し、パケットの受信タイミングと許容域との比較に基づいて、当該無線通信経路における許容帯域の狭帯域化を検知するので、無線通信経路の通信方式に適応して、当該無線通信経路の狭帯域化をほぼリアルタイムで検知することができる。したがって、その検知結果に基づいて、通信相手および自端末から送出するパケットのレートあるいはデータの送出を制御することにより、リアルタイムアプリケーションにおいて到達時間の遅延により再生されずに破棄されるパケット数を、通信相手および自端末の双方において最小限に低減することが可能となる。
【0068】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、受信パケットのタイミングが許容域内にある場合には、受信タイミングと、許容域を決定する最短タイミング或は最長タイミングとの時間差を算出して、その時間差に基づいて現時点の許容帯域を算出し、第1実施の形態においては、その算出した許容帯域を送信帯域制御メッセージとしてホームビデオサーバ4側に送信して、送出するデータの符号化レートを許容帯域に応じたレートに増加させ、第2実施の形態においては、通信相手および自端末から送出するデータの符号化レートを許容帯域に応じて増加せせることもできる。
【0069】
また、第2実施の形態において、特に周波数分割複信(FDD)方式を採用する場合には、自端末での帯域状態の監視結果に基づく自端末における送信パケットのレート制御あるいはデータの送出制御を省略して、通信相手からの送信帯域制御メッセージにより送信パケットのレート制御あるいはデータの送出制御を行うようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る通信装置を用いる通信システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1に示した携帯通信端末およびホームビデオサーバの要部の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】第1実施の形態による帯域状態の監視結果の一例を示す図である。
【図4】第1実施の形態による帯域状態の監視結果の他の例を示す図である。
【図5】第1実施の形態による帯域状態の監視結果の更に他の例を示す図である。
【図6】第1実施の形態による理想受信タイミングの設定方法を説明するための図である。
【図7】本発明の第2実施の形態に係る通信装置を用いる通信システムの概略構成を示す図である。
【図8】図7に示した携帯通信端末および通信端末の要部の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図9】監視期間を用いる送信帯域の判定方法及びその場合の不具合を説明するための図である。
【符号の説明】
【0071】
1 携帯通信端末
2 無線ネットワーク
3 ネットワーク
4 ホームビデオサーバ
11 送受信手段
12 画像・音声復号手段
13 表示手段
14 音声出力手段
15 受信パケット監視手段
16 制御手段
21 映像蓄積手段
22 画像・音声復号手段
23 画像・音声符号化手段
24 送受信手段
25 制御手段
51 携帯通信端末
52 画像入力手段
53 音声入力手段
54 画像・音声符号化手段
55 制御手段
56 送信手段
57 蓄積手段
58 受信手段
59 画像・音声復号手段
60 表示手段
61 音声出力手段
62 再生手段
63 受信パケット監視手段
71 通信端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信経路を介して通信を行う通信装置において、
前記無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す許容域と前記無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記無線通信経路における帯域状態を監視する帯域状態監視手段と、
該帯域状態監視手段による監視結果に基づいて、パケットの送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージを通信相手に送信する送信帯域制御メッセージ送信手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記帯域状態監視手段は、受信した所定期間のパケットの受信タイミングに基づいて前記許容域を設定することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
さらに、前記通信相手からパケットの送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージを受信する送信帯域制御メッセージ受信手段と、
該送信帯域制御メッセージ受信手段で受信した送信帯域制御メッセージ、または前記帯域状態監視手段による監視結果に基づいて、前記通信相手に送信するパケットの送信帯域を制御する送信帯域制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記送信帯域制御手段は、前記通信相手に送信するデータの符号化レートまたはファイルの転送を制御することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
無線通信経路を介して通信を行うにあたり、
前記無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す許容域と前記無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとに基づいて、前記無線通信経路における帯域状態を監視し、
その監視結果に基づいて、パケットの送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージを通信相手に送信して、該送信帯域制御メッセージにより送信帯域を制御しながら通信することを特徴とする通信方法。
【請求項6】
無線通信経路を介して1つの通信相手に対して複数の異なるデータのパケットを送受信する通信方法において、
前記複数の異なるデータの各々に対して、前記無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す許容域と前記無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとに基づいて、前記無線通信経路における帯域状態を監視し、
その監視結果に基づいて、いずれか1つのデータに対する送信帯域が狭帯域化したときは、全てのデータの送信レートを低減する送信帯域制御メッセージを前記通信相手に送信することを特徴とする通信方法。
【請求項7】
無線通信経路を介して1つの通信相手に対して複数の異なるデータのパケットを送受信する通信方法において、
前記無線通信経路における無線状態を監視するとともに、前記複数の異なるデータの各々に対して、前記無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す許容域と前記無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとに基づいて、前記無線通信経路における帯域状態を監視し、
前記無線状態の監視結果と前記帯域状態の監視結果とに基づいて、前記無線状態が良好で、前記帯域状態としていずれか1つのデータに対する送信帯域が狭帯域化したときは、当該1つのデータに対する送信レートを低減またはデータの送出を停止する送信帯域制御メッセージを前記通信相手に送信し、
前記無線状態が悪化し、前記帯域状態としていずれか1つのデータに対する送信帯域が狭帯域化したときは、全てのデータの送信レートを低減するまたはデータの送出を停止する送信帯域制御メッセージを前記通信相手に送信することを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−113225(P2008−113225A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−294826(P2006−294826)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】