説明

通信装置および通信方法

【課題】ガードインターバルを付与した信号を送受信する通信で障害迂回が発生する状況において、通信の復旧時間や通信断時間の短縮化を実現する通信装置を得ること。
【解決手段】2つ以上の有線伝送路の中の一つを現用系、残りを予備系として使用する通信装置であって、ガードインターバルを有する通信方式での信号送受信を行うOFDM通信部14と、各伝送路における通信で使用するガードインターバルの長さの情報であるGI長を保持するGI長保持部6と、障害検知を行う障害検知部4と、障害が検知された場合に、現用系として使用する伝送路を切り換える経路切替部5と、新たな現用系とされた伝送路におけるGI長を選択し、選択したGI長のガードインターバルを使用して通信を行うようにOFDM通信部14へ指示を出すGI長指示部7と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガードインターバルを付与した信号を送受信する通信装置に関し、特に、複数の伝送路に接続され、その一部を現用系、残りを予備系として使用する通信装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガードインターバルを付与した信号を送受信する通信方式の一つとして、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)技術を用いた通信方式が知られている。ガードインターバルは、干渉波等の影響を回避、軽減するための目的で設けられ、その効果については、例えば、無線通信の技術分野においては、下記特許文献1で述べられている。
【0003】
一方、下記の特許文献2や特許文献3でも述べられているように、ガードインターバル期間を長く取ると実際の通信に使用できる時間が短くなることになり、通信効率が低下することになる。このため、特許文献2においては、ユニキャストの場合とマルチキャストの場合でガードインターバル長を変更すること。具体的には、多くの通信相手に到達しなければならないマルチキャストの場合に比べ、通信条件のよい相手と通信するユニキャストの場合にはガードインターバル長を短くして通信効率を向上させる方法が提案されている。また、特許文献3には、複数の通信相手に対して共通に制御信号の送受が行われる制御チャネルに比べて、実際の通信に使用される通信チャネルのガードインターバル長を短くして通信効率を向上させる方法が提案されている。さらに、特許文献3においては、ガードインターバル長の決定方法として、例えば、所望波と干渉波との電界強度比(SIR:Signal Interference Ratio)を干渉レベルとして測定し、その測定結果と閾値との比較でガードインターバル長を決定する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3550326号公報
【特許文献2】特開2007−194867号公報
【特許文献3】特開2007−318668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献2や3に記載された従来のガードインターバル長の変更技術においては、通信相手や条件に応じたガードインターバル長の変更が可能であるが、干渉レベルを測定する時間が必要であり、ネットワーク内の一部の経路または機器で障害が発生した場合に早期復旧が要求される通信システムに対しては適用が難しい。例えば、有線通信に適用した場合で、通信線の断線や通信装置の故障等の原因により現用の通信経路が使用できなくなった場合の障害迂回を目的に予備の通信経路に切り替えるような機能を備えた通信装置や通信システムにおいては、通信断時間が長くなってしまう、ガードインターバル長が長くなることにより通信装置や通信システムとして必要となる通信遅延時間を満たせなくなる、といった問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ガードインターバルを付与した信号を送受信する通信で障害迂回が発生する状況において、通信の復旧時間や通信断時間の短縮化を実現する通信装置および通信方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、2つ以上の有線伝送路に接続され、その中の一つを現用系、残りを予備系として使用する通信装置であって、ガードインターバルを有する通信方式での信号送受信処理を行う通信処理手段と、接続されている各伝送路における通信で使用するガードインターバルの長さの情報であるGI長を保持するGI長保持手段と、現用系としている伝送路の障害検知を行う障害検知手段と、障害検知手段で障害が検知された場合に、現用系として使用する伝送路を切り換える切替手段と、前記切替手段における伝送路の切り替え処理で新たな現用系とされた伝送路におけるGI長を前記GI長保持手段で保持されているGI長の中から選択し、当該選択したGI長のガードインターバルを使用して通信を行うように前記通信処理手段へ指示を出すGI長指示手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、通信障害発生時の通信断時間やサービス断時間を短縮するとともに、通信効率のよい通信システムを実現できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明にかかる通信装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、本発明にかかる通信装置を適用した通信システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる通信装置および通信方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態.
図1は、本実施の形態にかかる通信装置の構成例を示す図である。また、図2は、本実施の形態にかかる通信装置を適用した通信システムの構成例を示す図である。
【0012】
図1に示したように、本実施の形態にかかる通信装置1は、伝送路2および3に接続される構成となっており、一方を現用系、他方を予備系として使用する。また、通信装置1は、障害検知部4、経路切替部5、GI長保持部6、GI長指示部7、GI長検出部8、GI長学習部9、許容遅延時間指定部10、最大フレーム長算出部11、最大フレーム長指示部12、最大フレーム長保持部13およびOFDM通信部14を備える。なお、GI長検出部8およびGI長学習部9がGI長決定手段を構成する。
【0013】
通信装置1において、OFDM通信部14(通信手段に相当)は、他の通信装置とOFDM通信を行うための各種処理を実行する。
【0014】
障害検知部4は、現用系の通信経路(伝送路)の状態を監視し、現用系通信経路の通信障害の有無を検知する。
【0015】
経路切替部5(切替手段に相当)は、障害検知部4からの情報(監視結果)を取得し、それが現用系通信経路で通信障害が発生したことを示す場合にはOFDM通信部14が通信に用いる通信経路を予備系の通信経路に切り替える。
【0016】
GI長保持部6は、通信装置1に接続されている各通信経路のそれぞれのガードインターバル長を予め保持しておく。
【0017】
GI長指示部7は、障害検知部4からの情報(監視結果)を取得し、その内容が、経路切替部5で経路が切り替えられたことを示す(障害発生を示す)場合、切り替え後の通信経路(新たに現用系として使用開始された通信経路)に対応するガードインターバル長をGI長保持部6で保持されているものの中から選択して、この内容に従ったガードインターバル長を使用して通信を行うよう、OFDM通信部14に指示する。なお、障害検知部4から情報(監視結果)を取得するのではなく、経路切替部5から情報(通信経路の切り替え結果)を取得するようにしてもよい。また、図1に示したような通信経路が2種類のみの構成であれば、障害検知部4からの情報を用いるように構成してもよいが、通信経路が3種類以上ある場合には、経路切り替え部5から切り替え結果を取得し、それに従ってGI長の指示を行うようにする。
【0018】
GI長検出部8は、SIR等のガードインターバル長を決定するために必要な情報をOFDM通信部14から取得し、その内容に基づいて、現在の通信で使用している通信経路に適切なガードインターバル長を検出する。
【0019】
GI長学習部9は、経路切替部5およびOFDM通信部14に対して、接続されている各通信経路(伝送路2,3)のガードインターバル長をGI長検出部8が検出するための通信を実行するように指示を出し、その結果GI長検出部8で検出された各通信経路のガードインターバル長をGI長保持部6に設定する。
【0020】
許容遅延時間指定部10は、各通信経路(伝送路2,3)のそれぞれを使用した場合の通信遅延値の上限もしくは最大許容遅延値を指定するためのものであり、外部(利用者など)から入力される遅延値を取得して保持しておく。
【0021】
最大フレーム長算出部11は、障害検知部4から取得した情報(監視結果)が通信経路の切り替え発生(障害検知)を示す場合、およびGI長学習部9によって各通信経路のそれぞれの適切なガードインターバル長が変更された場合に、許容遅延時間指定部10の内容(通信遅延値の上限,最大許容遅延値)に基づいて、通信に使用する通信フレーム長の上限値を算出する。
【0022】
最大フレーム長保持部13は、最大フレーム長算出部11での算出結果(各通信経路のそれぞれの最大フレーム長)を保持しておく。
【0023】
最大フレーム長指示部12は、障害検知部4から情報を取得し、その内容から通信経路の切り替えが発生したかどうかを判断し、切り替えが発生した場合には、最大フレーム長保持部13から切り替え先の通信経路に対応する通信フレーム長の上限値を選択して、その内容(フレーム長)に従った通信を行うよう、OFDM通信部14に指示する。
【0024】
つづいて、本実施の形態の通信装置を適用した通信システムの動作について説明する。ここでは、図1に示した通信装置1と同一の通信装置である通信装置1a,1b,1cが図2に示したように接続された通信システムの動作について説明する。2a,2b,3は伝送路であり、通信装置1aと1cの間の通信経路としては、伝送路2aおよび2bからなる通信経路(以下、第1の通信経路と呼ぶ)と伝送路3のみからなる通信経路(以下、第2の通信経路と呼ぶ)の2つが存在する。なお、第1の通信経路を形成している各伝送路(伝送路2a,2b)よりも第2の伝送経路を形成している伝送路3の方が長いものとする。
【0025】
図2に示した構成の通信システムにおいて、通常時には通信装置1aと1bのペアの通信と、通信装置1bと1cのペアで通信が行われているものとし、通信装置1aと1c間は通信装置1bを経由するものとする。この場合、通常時(第1の通信経路使用時)のガードインターバル長としては、伝送路2aと2bを使用した場合に必要となる最短のものを使用することで通信効率がよい通信システムとなる。
【0026】
ところで、通信装置1bが故障した場合や通信経路2aまたは2bにおいて通信ケーブルの断線等が発生した場合には、通信装置1aおよび1cの障害検知部4が、現用の通信経路としている第1の通信経路において通信障害が発生したことを検知する。その結果、予備の通信経路(第2の通信経路)に切り替わり、通信装置1bが切り離されて、障害迂回として通信装置1aと1cの間で直接通信が行われることになる。これは例えば、伝送路2aまたは2bからの通信が途絶えたり、信号が流れたままになったり、もしくは、予備系としていた第2の通信経路(伝送路3)側から通信信号が届くことなどにより検知可能である。そして、切り替え実施後に使用する第2の通信経路(伝送路3)は、それまで使用していた第1の通信経路を形成している伝送路2aや2bよりも長くなるため、ガードインターバル長を変更しないと伝送路3経由での通信ができない可能性がある。最初から伝送路3を前提としたガードインターバル長で運用するシステムも考えられるが、その場合、第1の通信経路使用時には不必要に長いガードインターバルを使用することとなり通信効率が悪いものとなってしまう。
【0027】
そのため、本実施の形態の通信装置1では、障害検知部4からの情報で、通信障害が発生して通信経路を切り替える必要が生じたことを契機に、GI長指示部7が、切り替え先の通信経路に適切なガードインターバル長を使用して通信するように、OFDM通信部14に対して指示を行う。この結果、OFDM通信部14は、切り替えた後の伝送路長に最適なガードインターバル長を使用した通信を開始するので、通信を継続できる。また、ガードインターバルを設けたことによる伝送効率の劣化を最小限に抑えることができ、効率的な通信を実現できる。このとき、予め伝送路長を測定しておくなどにより伝送路ごとのガードインターバル長を把握しておき、これをGI長保持部6に格納しておけば、通信経路の切り替えが発生した場合に、GI長指示部7から瞬時に新たなガードインターバル長をOFDM通信部14に指示することができる。
【0028】
以上のように、本実施の形態の通信装置では、通信可能な各通信経路(伝送路)における最適な(正常に通信を行うために必要な最短の)ガードインターバル長をそれぞれ用意しておき、通信障害による通信経路の切り替えが発生すると、予め用意しておいた、切り替え後の通信経路で最適な長さのガードインターバルを使用した通信を直ちに開始するようにしたので、通信障害発生時の通信断やサービス断時間を短縮することができる。また、最適な長さのガードインターバルを使用した通信が実現できる。
【0029】
次に、予め適切なガードインターバル長を求めておく方法について説明する。上記説明では、有線通信を想定しているために、通信ケーブル長などの通信経路長を予め測定してガードインターバル長を把握し、使用可能な通信経路長(伝送路長)それぞれについての最適なガードインターバル長をGI長保持部6に格納しておく例を説明した。しかし、実際には通信ケーブルが地中や壁の中に埋設されて実測できない場合や、途中の通信ケーブルの分岐状態、インピーダンスの整合状態等が通信装置の設置場所や設置条件で異なる場合があり、すべての設置場所で測定することは現実的ではない。
【0030】
そのため、本実施の形態の通信装置1では、例えば、電源が投入されてから通常時の通信を開始する前、すなわち通常運用状態に移行する前に、使用可能な各伝送路における最適なガードインターバルの長さを検出する。具体的には、GI長学習部9が、伝送路2および3のそれぞれを使用した場合に対してOFDM通信部14を動作させて、ガードインターバルを決定するための試験通信を行うことにより、SIR等のガードインターバル長を決定するために必要な情報をOFDM通信部14からGI長検出部8に対して出力させる。そして、GI長検出部8は、OFDM通信部14から受け取ったSIR等の情報に基づいて、各伝送路におけるガードインターバル長を決定する。例えば、GI長学習部9は、ガードインターバル長を変更しながら通信を行い、ガードインターバル長ごとの通信品質(SIRなど)をGI長検出部8に通知するようOFDM通信部14に指示を出し、GI長検出部8は、所望の通信品質を実現可能なガードインターバル長のうちの最も短いものを該当する伝送路におけるガードインターバル長とする。GI長検出部8における決定結果はGI長保持部6に格納する。これにより、通常運用状態となる前に各通信経路(伝送路)に最適なガードインターバル長が確定し、通常運用状態で通信障害発生を検出した場合には、GI長指示部7から瞬時に新たなガードインターバル長をOFDM通信部14に指示することが可能となる。
【0031】
以上のように、本実施の形態の通信装置は、通信障害による通信経路の切り替えが発生してから切り替え後の通信経路に適切なガードインターバル長を検出する構成ではないため、通信障害発生時の通信断やサービス断時間を短縮することができる。
【0032】
次に、ガードインターバル長を変更することで通信遅延が大きくなってしまい、通信システムとして要求される通信遅延時間を満たせなくことを回避する方法について説明する。上記説明では、伝送路2よりも伝送路3の方がガードインターバルを長くする必要がある場合の例を説明したが、ガードインターバルの期間は実際の通信に寄与しない無駄な時間であるため、伝送路3を使用した場合、元々使用していた伝送路2と比較して通信遅延時間が大きくなる。その結果、伝送路2ではシステムで要求されている通信遅延時間に収まっていたものが伝送路3に切り替わることで収まらなくなり、通信システムとして破綻する可能性がある。
【0033】
このような事態が発生するのを回避するために、本実施の形態の通信装置1では、経路切り替え実施後の通信で使用するガードインターバルの長さに基づいて、通信フレームの長さ(より詳細には最大長)を変更する。具体的には、許容遅延時間指定部10により通信システムで所望の通信遅延値の上限を指定するものとし、GI長学習部9の制御により各伝送路におけるガードインターバル長が確定すると、最大フレーム長算出部11が、許容遅延時間指定部10で指定された許容遅延時間(通信遅延値)に収まる通信フレームの最大長を、GI長学習部9で決定されたガードインターバル長と許容遅延時間とに基づいて算出し、最大フレーム長保持部13に格納しておく。そして、障害検知部4で障害が検出され、通信経路を切り替ええる必要が発生したときに、最大フレーム長指示部12が、切り替え実施後の使用通信経路(伝送路)に対応する通信フレーム長の上限値をOFDM通信部14に通知し、それに従ったフレーム長での通信を行うように指示を行う。
【0034】
なお、最大フレーム長算出部11で行われる処理自体は上述したガードインターバル長の検出のように時間が掛かるものではないため、予め学習しておくのではなく、障害検知部4によって障害が検出され、通信経路を切り替える必要があると判断されてから通信フレームの最大長を算出するようにしてもよい。
【0035】
以上のように、本実施の形態の通信装置は、通信障害による通信経路の切り替えやガードインターバルの切り替えと同時に通信フレーム長の上限値を変更するようにしているので、通信遅延の増大や通信システムの破綻を招くことなく、通信効率のよいより安定した通信システムを構成することができる。
【0036】
なお、本実施の形態では、図2に示したような、通信装置が3台で、通常時の通信経路と障害迂回時の予備の通信経路が1つずつある場合の例を挙げたが、各装置の台数や通信経路の数やその接続形態はこれに限らず任意である。また、上記説明では通常時の現用の通信経路から予備の通信経路に切り替る場合について説明しているが、予備の通信経路から通常時の通信経路に切り替える場合にも同様の効果を得ることが可能である。
【0037】
また、最大フレーム長保持部13が通信経路ごと通信フレーム長の上限値を保持する場合について説明したが、上述したように通信フレームの上限値はガードインターバル長に基づいて決定されるので、ガードインターバル長ごとに通信フレーム長の上限値を保持するようにしてもよい。異なる通信経路で同じガードインターバル長となる可能性もあるので、ガードインターバル長ごとに上限値を保持するようにした場合、上限値を保持するためのメモリ量を削減できる。
【0038】
また、通信方式がOFDMの場合の例を挙げたがガードインターバル期間が存在する通信方式であれば上述した通信装置を適用可能であり、同様の効果を得ることができる。さらに、通信ケーブルを通信経路に使用する例について説明したが、ケーブルの種別、形態は任意であり、電力線を通信経路に使用する電力線通信においてもガードインターバル期間が存在する通信方式であれば適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように、本発明にかかる通信装置は、接続されている複数の伝送路を現用系及び予備系に分けて使用する通信装置に有用であり、特に、ガードインターバル期間を設定して通信を行う通信装置に適している。
【符号の説明】
【0040】
1,1a,1b,1c 通信装置
2,3 伝送路
4 障害検知部
5 経路切替部
6 GI長保持部
7 GI長指示部
8 GI長検出部
9 GI長学習部
10 許容遅延時間指定部
11 最大フレーム長算出部
12 最大フレーム長指示部
13 最大フレーム長保持部
14 OFDM通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の有線伝送路に接続され、その中の一つを現用系、残りを予備系として使用する通信装置であって、
ガードインターバルを有する通信方式での信号送受信処理を行う通信処理手段と、
接続されている各伝送路における通信で使用するガードインターバルの長さの情報であるGI長を保持するGI長保持手段と、
現用系としている伝送路の障害検知を行う障害検知手段と、
障害検知手段で障害が検知された場合に、現用系として使用する伝送路を切り換える切替手段と、
前記切替手段における伝送路の切り替え処理で新たな現用系とされた伝送路におけるGI長を前記GI長保持手段で保持されているGI長の中から選択し、当該選択したGI長のガードインターバルを使用して通信を行うように前記通信処理手段へ指示を出すGI長指示手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通信処理手段、および前記切替手段を制御し、前記各伝送路を使用した通信をそれぞれ実施させることにより、各伝送路を使用した通信で使用するGI長をそれぞれ決定するGI長決定手段、
をさらに備え、
前記GI長保持手段は、前記GI長決定手段で決定されたGI長を保持する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記各伝送路のGI長およびシステムで許容される最大通信遅延時間に基づいて、各伝送路を使用した通信で使用する通信フレームの最大長を算出する最大フレーム長算出手段と、
前記切替手段における伝送路の切り替え処理で新たな現用系とされた伝送路を使用して伝送する通信フレームの最大長を前記最大フレーム長算出手段で算出された最大長とするように前記通信処理手段へ指示を出す最大フレーム長指示手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記最大フレーム長算出手段で算出された最大長を保持する最大フレーム長保持手段、
をさらに備え、
前記最大フレーム長指示手段は、前記通信処理手段へ指示を出す場合には、前記新たな現用系とされた伝送路に対応する最大長を前記最大フレーム長保持手段で保持されている最大長の中から選択し、当該選択した最大長の通信フレームで通信を行うように指示を出す
ことを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
2つ以上の有線伝送路に接続され、その中の一つを現用系、残りを予備系として使用する通信装置で実行する通信方法であって、
現用系としている伝送路の障害検知を行う障害検知ステップと、
障害検知ステップで障害を検知した場合に、現用系として使用する伝送路を切り換える切替ステップと、
前記切替ステップにおける伝送路の切り替え処理で新たな現用系とした伝送路におけるGI長を、伝送路ごとに個別に決定しておいたGI長の中から選択し、当該選択したGI長のガードインターバルを使用した通信を開始するGI長変更ステップと、
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項6】
前記切替ステップにおける伝送路の切り替え処理で新たな現用系とした伝送路のGI長およびシステムで許容される最大通信遅延時間に基づいて、当該伝送路を使用した通信で使用する通信フレームの最大長を算出する最大フレーム長算出ステップ、
をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の通信方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−109235(P2011−109235A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259863(P2009−259863)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】