説明

速度に基づくフィードフォワード制御を実装するリフトシステム

【課題】速度に基づくフィードフォワード制御を実装するリフトシステムを提供する。
【解決手段】可動機械の作業器具をリフティングするための液圧システムが開示される。液圧システムは、ポンプ、リフトアクチュエータ、リフト弁装置、および実際のリフト速度を示す第1信号を生成するように構成されたリフトセンサを有してもよい。液圧システムはまた、チルトアクチュエータ、チルト弁装置、および所望のリフト速度を示す第2信号および所望の傾斜角度を示す第3信号を生成するために動くことができる少なくとも1つの操作者インターフェース装置を有してもよい。液圧システムはさらに、第2信号に基づいて加圧流体を計量するようにリフト弁装置に命令を出し、第3信号に基づいて加圧流体を計量するようにチルト弁装置に命令を出し、第1および第2信号に選択的に基づいて加圧流体を計量し、リフティングする間作業器具の所望の傾斜角度を維持するようにチルト弁装置に命令を出すように構成された制御器を有してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にリフトシステムに、より詳細には速度に基づくフィードフォワード制御を実装する並行リフト液圧システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダ、掘削機、ドーザ、モータグレーダおよび他のタイプの重機などの機械は、様々な作業を達成するために、機械の1つ以上のポンプから作動液を供給される複数のアクチュエータを使用する。これらのアクチュエータは、典型的には、とりわけ操作者インターフェース装置の作動位置に基づき速度制御される。例えば、ホイールローダの操作者がジョイスティックコントローラを後方へ引くか前方へ押すと、ジョイスティックコントローラの前方/後方移動位置に関連する速度で、ホイールローダに取り付けられた1つ以上のリフトシリンダが伸長して機械の作業器具を地面からリフティングするか、あるいは収縮して作業器具を地面に向かって下ろす。同様に、操作者が同じまたは別のジョイスティックコントローラを左か右に押すと、ジョイスティックコントローラの左/右移動位置に関連する速度で、ホイールローダに取り付けられたチルトシリンダが伸長して作業器具の中身を地面に向かって下方に放出するか、あるいは収縮して作業器具を作業面から離れるように戻して格納状態にする。
【0003】
特定の機械構成において、作業器具が地面からリフティングされるか、あるいは地面へ下ろされる時、作業機械に接続された機械的連結により、たとえ傾けることが操作者によって要求されていなくても、地面に対する作業器具の傾斜角度は自然に変化する(例えば、作業器具はリフトする間機械の運転室の方へ後方に、物を格納できる状態になり、下ろされている間地面の方へ下方に中身を放出する状態になり得る)。この状況において、作業器具内の物質が、ある場合には機械および/または機械の操作者の上に、作業器具の縁からこぼれる可能性がある。従来より、機械の操作者は、リフティングする間チルトシリンダの動きを同時に調整し、作業器具の傾斜角度を所望の角度に維持する(すなわち、リフティングによって生じる作業器具の自然発生的な傾斜を是正する)ことを確実にする責任があった。しかし、このマニュアルによる二重制御方法は、時に制御が難しいこともあり、間違いの元になり得る。
【0004】
リフティングする間物質が機械の作業器具からこぼれる可能性を自動的に低減する1つの試みが、2009年5月12日にTrifunovicに付与された(特許文献1)に開示されている(’185号特許)。特に(特許文献1)は、バックホウローダ用電子式並行リフトシステムを記載している。電子式並行リフトシステムは、支持用器具の連結、バックホウのブーム、および器具間のどんな特定の機械的関係にもかかわらず、バックホウの器具の角度を、バックホウのフレームに対する器具の角度の測定に基づき、自動的に調整する制御器を備える。制御器は、車両のフレームに対する器具の角度を判定するために少なくとも1つのセンサを使用し、ブームが移動する間に測定される角度に応じて器具の位置を調整するように、器具アクチュエータに対し応答的に命令を出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,530,185号明細書
【発明の概要】
【0006】
一態様において、本開示は液圧システムに関する。液圧システムは流体を加圧するように構成されたポンプと、リフトアクチュエータと、作業器具をリフティングするためにポンプからの加圧流体を計量して、リフトアクチュエータに供給するように構成されたリフト弁装置と、リフトアクチュエータと連動し、作業器具の実際のリフト速度を示す第1信号を生成するように構成されたリフトセンサとを含んでもよい。液圧システムはまたチルトアクチュエータと、作業器具を傾斜させるために、ポンプからの加圧流体を計量してチルトアクチュエータに供給するように構成されたチルト弁装置と、作業器具の所望のリフト速度を示す第2信号ならびに作業器具の所望の傾斜速度を示す第3信号を生成するために操作者により動かすことができる少なくとも1つの操作者インターフェース装置とを含んでもよい。液圧システムはまたリフト弁装置、リフトセンサ、チルト弁装置、および少なくとも1つの操作者インターフェース装置と通信する制御器を含んでもよい。制御器は、第2信号に基づいて加圧流体を計量してリフトアクチュエータに供給するようにリフト弁に対して命令を出すように、第3信号に基づいて加圧流体を計量しチルトアクチュエータに供給するようにチルト弁装置に対して命令を出すように、および第1および第2信号に選択的に基づいて、加圧流体を計量してチルトアクチュエータに供給し、リフティングする間作業機械を所望の傾斜角度に維持するようにチルト弁装置に対して命令を出すように構成されてもよい。
【0007】
別の態様において、本開示は機械を操作する方法に関する。方法は、作業機器具の所望のリフト速度および作業器具の所望の傾斜速度を示す操作者入力を受信するステップ、流体を加圧するステップ、所望のリフト速度に基づいて加圧流体を計量してリフトアクチュエータに供給するステップ、および作業器具の実際のリフト速度を感知するステップを含んでもよい。方法はまた、所望の傾斜速度に基づいて加圧流体を計量してチルトアクチュエータに供給するステップ、および作業器具の所望のリフト速度および実際のリフト速度に選択的に基づき加圧流体をチルトアクチュエータに供給し、リフティングする間作業器具を所望の傾斜角度に維持するステップを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】例証的な開示機械の側面概略図である。
【図2】図1の機械と組み合わせて使用され得る例証的な開示液圧システムの略図である。
【図3】図2の液圧システムによって実行される例証的な開示方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、作業を達成するために協働する複数のシステム及び構成要素を有する例証的な機械10を示す。機械10は鉱業、建設業、農業、運送業などの産業および当該技術分野で公知の他の産業に関連するある種の作業を実行する固定機械または移動機械として具体化されてもよい。例えば、機械10は図1に示すローダなどの物質運搬機械であってもよい。あるいは機械10は掘削機、ドーザ、バックホウ、モータグレーダまたは他の類似機械を具体化することができる。機械10は、とりわけ、作業器具14を動かすように構成された連結システム12と、連結システム12に動力を供給する原動機16とを含んでもよい。
【0010】
連結システム12は作業器具14を動かすために流体アクチュエータによって作用される構造を含んでもよい。特に、連結システム12は、一対の隣接する複動式液圧シリンダ20(図1には1つのみ図示される)によって地面18に対して水平軸28の周りを垂直に枢動可能なブーム(すなわちリフト部材)17を含んでもよい。連結システム12はまた、作業器具14を水平軸30の周りを垂直方向にブーム17に対して傾斜させるように連結された単一の複動式液圧シリンダ26を含んでもよい。ブーム17は、一端で機械10の本体32に枢動可能に連結されてもよく、作業器具14は、ブーム17の反対端に枢動可能に連結されてもよい。代替の連結構成も可能であり得ることに留意されたい。
【0011】
多数の異なる作業器具14が単一の機械10に取り付け可能であってもよく、特定の作業を実行するために制御されてもよい。例えば、作業器具14は、バケット(図1に図示)、フォーク装置、ブレード、ショベル、リッパ、ダンプベッド、ブラシ、除雪器、推進装置、切削装置、把持装置、または当該技術分野で公知の他の作業実行装置として具体化することができる。図1の実施形態では機械10に対してリフティングしかつ傾斜するように連結されているが、作業器具14は、代替的にまたは追加的に枢動、回転、摺動、搖動、または他の任意の適切な方法で移動してもよい。
【0012】
原動機16は、機械10の本体32に支持されかつ機械10および作業器具14の移動に動力を供給するように作動可能な、例えばディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、ガス燃料エンジン、または当該技術分野で公知の他のタイプの燃焼機関などのエンジンとして具体化されてもよい。原動機は代替的には所望であれば燃料電池、電力貯蔵装置(例えばバッテリー)、または当該技術分野で公知の他の動力源などの非燃焼動力源として具体化されてもよいことが考えられる。動力源16は機械的または電気的動力出力を生成してもよく、それは次に、液圧シリンダ20および26を動かすために液圧動力に変換されてもよい。
【0013】
簡略化を目的として、図2は液圧シリンダ26と液圧シリンダ20の1つのみの構成及び接続を示す。しかし、機械10は、所望ならば同様の方法で連結システム12の同じまたは他の構造部材を動かすように接続された同様の構成の他の液圧アクチュエータを含んでもよいことに留意されたい。
【0014】
図2に示されるように、液圧シリンダ20および26の各々は管34と、管34内に配置されたピストンアセンブリ36とを含み、第1チャンバ38と第2チャンバ40とを形成してもよい。一実施例において、ピストンアセンブリ36のロッド部36aが、第2チャンバ40の端部を通って延出してもよい。そのように、第2チャンバ40はそれぞれのシリンダのロッド端部44と関連してもよく、第1チャンバ38はそれぞれのシリンダの反対側ヘッド端部42と関連してもよい。
【0015】
第1および第2チャンバ38、40は各々、選択的に加圧流体が供給され、および加圧流体を排出して、ピストンアセンブリ36を管34内で移動させてもよく、それにより、液圧シリンダ20、26の有効長さが変化し、作業器具14(図1を参照)を動かす。第1および第2チャンバ38、40に流出入する流体の流量は、液圧シリンダ20、26および作業器具14の速度に関連し得る一方、第1および第2チャンバ38、40間の圧力差は、液圧シリンダ20、26によって作業器具14に付与される力に関連し得る。液圧シリンダ20、26の伸長(矢印46によって表される)および収縮(矢印47によって表される)が機能し合い、作業器具14を異なる様式で動かす(例えば作業器具14をリフティングするおよび傾ける)ことを補助し得る。
【0016】
第1および第2チャンバ38、40の充填および排出の調節を助けるために、機械10は、相互接続され協働する多数の流体構成要素を有する液圧制御システム48を含んでもよい。液圧制御システム48は、代表的なものとして、液圧シリンダ20、26、エンジン駆動ポンプ52、およびタンク53間の回路を少なくとも部分的に形成する弁スタック50を含んでもよい。弁スタック50は、並列した態様において加圧流体を受け入れかつ吐出するように流体的に連結された、リフト弁装置54、チルト弁装置56、および特定の実施形態において、1つ以上の補助弁装置(図示せず)を含んでもよい。一実施例において、弁装置54、56は、弁スタック50を形成する互いにボルト締めされた別個の本体を含んでもよい。別の形態において、弁装置54、56の各々は、外部流体通路(図示せず)によってのみ互いに連結される独立型の構成であってもよい。より多い数、より少ない数、または異なる構成の弁装置が、所望なら、弁スタック50内に含まれてもよいことが考えられる。例えば、連結システム12の揺動を制御するように構成された揺動弁装置(図示せず)、1つ以上の移動弁装置、および他の好適な弁装置が、弁スタック50内に含まれてもよい。液圧制御システム48はさらに、液圧シリンダ20、26の対応する動きを制御するために、原動機16および弁装置54、56と通信する制御器58を含んでもよい。
【0017】
リフト弁装置54およびチルト弁装置56の各々は、それらと連動する流体アクチュエータの動きを調節してもよい。特に、リフト弁装置54は液圧シリンダ20の両方の動きを同時に制御し、それによって地面18に対してブーム17をリフティングするように可動な要素を有してもよい。同様に、チルト弁装置56は液圧シリンダ26の動きを制御し、それによってブーム17に対して作業器具14を傾けるように可動な要素を有してもよい。
【0018】
弁装置54、56は、液圧シリンダ20、26に流出入する加圧流体の別個の流れを調節するために、共通の流路を介して連結されてもよい。特に、弁装置54、56は、共通の供給流路60によってポンプ52に、共通の排出流路62によってタンク53に連結されてもよい。リフトおよびチルト弁装置54、56は、それぞれ別個の流路66および68によって共通の供給流路60に並列に連結されてもよく、それぞれ別個の流路72および74によって共通の排出流路62に並列に連結されてもよい。圧力補償弁78および/または逆止弁79が、弁装置54、56への実質的に一定の流れを有する一方向の流体供給を提供するために、各流路66、68内に配置されてもよい。圧力補償弁78は、圧力補償弁78に向けられる流体の圧力が変化するときでさえ、実質的に一定の流体流れが弁装置54および56に提供されるように、差圧に反応して、流れ通過位置と流れ遮断位置との間で可動である前補償(図2に示す)または後補償(図示せず)弁であってもよい。特定の用途において、圧力補償弁78および/または逆止弁79は、所望なら省略されてもよい。
【0019】
リフトおよびチルト弁装置54、56の各々は、実質的に同じで、4個の独立計量弁(IMV)を含んでもよい。4個のIMVのうち、2個が一般的に流体供給機能と関連し、2個が一般的に排出機能と関連してもよい。例えば、リフト弁装置54はヘッド端部供給弁80、ロッド端部供給弁82、ヘッド端部排出弁84およびロッド端部排出弁86を含んでもよい。同様に、チルト弁装置56はヘッド端部供給弁88、ロッド端部供給弁90、ヘッド端部排出弁92およびロッド端部排出弁94を含んでもよい。
【0020】
ヘッド端部供給弁80は、流路66と液圧シリンダ20の第1チャンバ38に接続された流路104との間に配置されてもよく、制御器58からの流れコマンドに応答して第1チャンバ38に流入する加圧流体の流量を調節するように構成されてもよい。ヘッド端部供給弁80は、可変位置・バネ付勢式弁要素、例えばポペットまたはスプール要素を含んでもよく、この弁要素はソレノイド作動され、流体が第1チャンバ38に流入可能になる第1端部位置と流体流が第1チャンバ38から遮断される第2端部位置との間の任意の位置に移動するように構成される。ヘッド端部供給弁80はまた、第1チャンバ38内の圧力がポンプ52内の圧力および/または回生流体を受け入れるチャンバの圧力を超えている回生事象の間、第1チャンバ38からの流体をヘッド端部供給弁80を通して流すように構成されることも考えられる。さらに、ヘッド端部供給弁80は、例えば固定位置弁要素あるいは当該技術分野で公知の他の任意の弁要素などの追加的なまたは上述のものと異なる要素を含んでもよいことが考えられる。また、ヘッド端部供給弁80は代替的に、流体的に作動されても、機械的に作動されても、空圧的に作動されても、または他の好適な方法で作動されてもよいことが考えられる。
【0021】
ロッド端部供給弁82は、流路66と液圧シリンダ20の第2チャンバ40に接続された流路106との間に配置されてもよく、制御器58からの流れコマンドに応答して第2チャンバ40に流入する加圧流体の流量を調節するように構成されてもよい。ロッド端部供給弁82は、可変位置・バネ付勢式弁要素、例えばポペットまたはスプール要素を含んでもよく、この弁要素はソレノイド作動され、流体が第2チャンバ40に流入可能になる第1端部位置と流体が第2チャンバ40から遮断される第2端部位置との間の任意の位置に移動するように構成される。ロッド端部供給弁82はまた、第2チャンバ40内の圧力がポンプ52内の圧力および/または回生流体を受け入れるチャンバの圧力を超えている回生事象の間、第2チャンバ40からの流体をロッド端部供給弁82を通して流すように構成されることも考えられる。さらに、ロッド端部供給弁82は、例えば固定位置弁要素あるいは当該技術分野で公知の他の任意の弁要素などの追加的なまたは異なる要素を含んでもよいことが考えられる。また、ロッド端部供給弁82は代替的に、流体的に作動されても、機械的に作動されても、空圧的に作動されても、または他の好適な方法で作動されてもよいことが考えられる。
【0022】
ヘッド端部排出弁84は、流路104と流路72との間に配置されてもよく、制御器58からの流れコマンドに応答して液圧シリンダ20の第1チャンバ38からタンク53へ流出する加圧流体の流量を調節するように構成されてもよい。ヘッド端部排出弁84は、可変位置・バネ付勢式弁要素、例えばポペットまたはスプール要素を含んでもよく、この弁要素はソレノイド作動され、流体が第1チャンバ38から流出可能になる第1端部位置と流体が第1チャンバ38から流出することが阻止される第2端部位置との間の任意の位置に移動するように構成される。ヘッド端部排出弁84は、例えば固定位置弁要素あるいは当該技術分野で公知の他の任意の弁要素などの追加的なまたは異なる弁要素を含んでもよいことが考えられる。また、ヘッド端部排出弁84は代替的に、流体的に作動されても、機械的に作動されても、空圧的に作動されても、または他の好適な方法で作動されてもよいことが考えられる。
【0023】
ロッド端部排出弁86は、流路106と流路72との間に配置されてもよく、制御器58からの流れコマンドに応答して液圧シリンダ20の第2チャンバ40からタンク53へ流出する加圧流体の流量を調節するように構成されてもよい。ロッド端部排出弁86は、可変位置・バネ付勢式弁要素、例えばポペットまたはスプール要素を含んでもよく、この弁要素はソレノイド作動され、流体が第2チャンバ40から流出可能になる第1端部位置と流体が第2チャンバ40から流出することが阻止される第2端部位置との間の任意の位置に移動するように構成される。ロッド端部排出弁86は、例えば固定位置弁要素あるいは当該技術分野で公知の他の任意の弁要素などの追加的なまたは異なる弁要素を含んでもよいことが考えられる。また、ロッド端部排出弁86は代替的に、流体的に作動されても、機械的に作動されても、空圧的に作動されても、または他の好適な方法で作動されてもよいことが考えられる。
【0024】
ヘッド端部供給弁88は、流路68と液圧シリンダ26の第1チャンバ38に接続された流路108との間に配置されてもよく、制御器58からの流れコマンドに応答して第1チャンバ38に流入する加圧流体の流量を調節するように構成されてもよい。ヘッド端部供給弁88は、可変位置・バネ付勢式弁要素、例えばポペットまたはスプール要素を含んでもよく、この弁要素はソレノイド作動され、流体が第1チャンバ38に流入可能になる第1端部位置と流体流が第1チャンバ38から遮断される第2端部位置との間の任意の位置に移動するように構成される。ヘッド端部供給弁88はまた、第1チャンバ38内の圧力がポンプ52内の圧力および/または回生流体を受け入れるチャンバの圧力を超えている回生事象の間、第1チャンバ38からの流体をヘッド端部供給弁88を通して流すように構成されることも考えられる。さらに、ヘッド端部供給弁88は、例えば固定位置弁要素あるいは当該技術分野で公知の他の任意の弁要素などの追加的なまたは異なる要素を含んでもよいことが考えられる。また、ヘッド端部供給弁88は代替的に、流体的に作動されても、機械的に作動されても、空圧的に作動されても、または他の好適な方法で作動されてもよいことが考えられる。
【0025】
ロッド端部供給弁90は、流路68と液圧シリンダ26の第2チャンバ40に接続された流路110との間に配置されてもよく、制御器58からの流れコマンドに応答して第2チャンバ40に流入する加圧流体の流量を調節するように構成されてもよい。特に、ロッド端部供給弁90は、可変位置・バネ付勢式弁要素、例えばポペットまたはスプール要素を含んでもよく、この弁要素はソレノイド作動され、流体が第2チャンバ40に流入可能になる第1端部位置と流体が第2チャンバ40から遮断される第2端部位置との間の任意の位置に移動するように構成される。ロッド端部供給弁90はまた、第2チャンバ40内の圧力がポンプ52内の圧力および/または回生流体を受け入れるチャンバの圧力を超えている回生事象の間、第2チャンバ40からの流体をロッド端部供給弁90を通して流すように構成されることも考えられる。さらに、ロッド端部供給弁90は、例えば固定位置弁要素あるいは当該技術分野で公知の他の任意の弁要素などの追加的なまたは異なる要素を含んでもよいことが考えられる。また、ロッド端部供給弁90は代替的に、流体的に作動されても、機械的に作動されても、空圧的に作動されても、または他の好適な方法で作動されてもよいことが考えられる。
【0026】
ヘッド端部排出弁92は、流路108と流路74との間に配置されてもよく、制御器58からの流れコマンドに応答して液圧シリンダ26の第1チャンバ38からタンク53へ流出する加圧流体の流量を調節するように構成されてもよい。特に、ヘッド端部排出弁92は、可変位置・バネ付勢式弁要素、例えばポペットまたはスプール要素を含んでもよく、この弁要素はソレノイド作動され、流体が第1チャンバ38から流出可能になる第1端部位置と流体が第1チャンバ38から流出することが阻止される第2端部位置との間の任意の位置に移動するように構成される。ヘッド端部排出弁92は、例えば固定位置弁要素あるいは当該技術分野で公知の他の任意の弁要素などの追加的なまたは異なる弁要素を含んでもよいことが考えられる。また、ヘッド端部排出弁92は代替的に、流体的に作動されても、機械的に作動されても、空圧的に作動されても、または他の好適な方法で作動されてもよいことが考えられる。
【0027】
ロッド端部排出弁94は、流路110と流路74との間に配置されてもよく、制御器58からの流れコマンドに応答して液圧シリンダ26の第2チャンバ40からタンク53へ流出する加圧流体の流量を調節するように構成されてもよい。ロッド端部排出弁94は、可変位置・バネ付勢式弁要素、例えばポペットまたはスプール要素を含んでもよく、この弁要素はソレノイド作動され、流体が第2チャンバ40から流出可能になる第1端部位置と流体が第2チャンバ40から流出することが阻止される第2端部位置との間の任意の位置に移動するように構成される。ロッド端部排出弁94は、例えば固定位置弁要素あるいは当該技術分野で公知の他の任意の弁要素などの追加的なまたは異なる弁要素を含んでもよいことが考えられる。また、ロッド端部排出弁94は代替的に、流体的に作動されても、機械的に作動されても、空圧的に作動されても、または他の好適な方法で作動されてもよいことが考えられる。
【0028】
ポンプ52は、可変容量を有し負荷感知式に制御され、流体をタンク53から吸い込み、特定された高圧で弁装置54、56に吐出してもよい。すなわち、ポンプ52はストローク調整機構96、例えば斜板またはスピル弁を含んでもよく、その位置は液圧制御システム48の感知された負荷に基づいて液圧機械式に調整され、それによりポンプ52の出力(例えば吐出量)を変化させる。ポンプ52の押しのけ量は、実質的に流体がポンプ52から吐出されないゼロ押しのけ位置から、流体が最大量でポンプ52から吐出される最大押しのけ位置まで調整されてもよい。一実施形態において、負荷検知流路(図示せず)が圧力信号をストローク調整機構96に送ってもよく、その信号の値に基づいて(すなわち、流路内の信号流体の圧力に基づいて)、ストローク調整機構96の位置が変化して、ポンプ52の出力を増大するか低減し、それにより、特定された圧力を維持してもよい。ポンプ52は、例えばカウンターシャフト、ベルト、または他の適切な方法で機械10の原動機16に駆動的に連結されてもよい。あるいは、ポンプ52はトルクコンバータ、ギヤボックス、電気回路を介して、または当該技術分野で公知の他の任意の方法で原動機16と間接的に連結されてもよい。
【0029】
タンク53は、供給流体を保持するように構成された貯蔵器を構成してもよい。流体は例えば専用液圧油、エンジン潤滑油、変速機潤滑油、または当該技術分野で公知の他の任意の流体を含んでもよい。機械10内の1つ以上の液圧回路が、タンク53から流体を吸い込み、タンク53へ流体を戻してもよい。また、液圧制御システム48は、所望なら複数の別個の流体タンクに連結されてもよいことが考えられる。
【0030】
制御器58は、とりわけ機械10の操作者からの入力および/または1つ以上の感知された操作パラメータに基づいて、弁装置54、56を制御する構成要素を含む単一のマイクロプロセッサまたは複数のマイクロプロセッサとして具体化されてもよい。多数の市販のマイクロプロセッサを制御器58の機能を実行するように構成することができる。制御器58は、多数の機械機能を制御可能な一般的な機械マイクロプロセッサの中に容易に具体化できることを認識されたい。制御器58はアプリケーションを実行するためのメモリ、二次記憶デバイス、プロセッサ、および他の任意の構成要素を含んでもよい。電力供給回路、信号処理回路、ソレノイドドライバ回路、および他のタイプの回路など、様々な他の回路が制御器58と関連してもよい。
【0031】
制御器58は、機械10の操作者ステーション内に位置付けられた1つ以上のインターフェース装置98を介して、機械10の所望の動きに関連する操作者入力を受信してもよい。インターフェース装置98は、機械上の操作者シートに近接して位置付けられた(機械10が機械上の操作者によって直接制御される場合)、または機械10から離れた遠隔ステーション内に位置付けられた、例えば単軸または多軸ジョイスティック、レバー、または他の公知のインターフェース装置として具体化されてもよい。各インターフェース装置98は、液圧シリンダ20、26によって引き起こされる作業器具14の所望の速度、例えば作業器具14の所望のリフトおよび傾斜速度、を示す対応変位信号を生成するために、ニュートラル位置から最大変位位置までの範囲で可動である比例式装置であってもよい。所望のリフトおよび傾斜速度信号は、同じあるいは異なるインターフェース装置98によって独立してまたは同時に生成され、次の処理のために制御器58に送られてもよい。
【0032】
特定の実施形態において、特定のモードで機械操作を開始するために、モードボタン99または他の類似の作動要素が、インターフェース装置98と関連付けられ、機械10の操作者によって使用されてもよい。例えば、特定のリフトおよび/または傾斜速度を要求するのに利用されるモードボタン99が、同じ操作者インターフェース98上に位置付けられ、操作者によって選択的に作動され、作業器具のリフティングと傾斜の間の関係を固定する操作モードを実行し、リフティングする間操作者が必要とする傾斜調節を緩和してもよい。この固定された関係の操作モードは、一般に並行リフトとして知られているかもしれず、リフティングする間自然発生する作業器具の傾斜を操作者が同時に修正する必要なしに、地面18に対して作業器具14の特定角度を維持する働きをし得る。インターフェース装置98と関連付けられる同じまたは別のボタンが、並行リフトの間特定の角度が維持されるように設定するために、操作者によって利用されてもよい。例えば、操作者は所望の向きに作業器具14を動かし、次にモードボタン99を作動させて現在の向きが所望の向きであることを示してもよい。並行リフトについては以下の節でより詳細に記載される。
【0033】
インターフェース装置信号、対応する所望の作業器具速度、関連付けられる流量、弁要素位置、システム圧力、操作モード、および/または液圧制御システム48の他の特性に関連する1つ以上のマップが制御器58のメモリに記憶されてもよい。これらのマップの各々は、テーブル、グラフ、および/または等式の形態であってもよい。制御器58は、操作者がこれらのマップに直接修正を加えるのを許容し、および/または制御器58のメモリ内に記憶された利用可能な関係マップから特定のマップを選択し、液圧シリンダ20、26の作動に影響を及ぼすように構成されてもよい。また、所望なら、感知されたあるいは決定された機械の操作モードに基づいて、制御器58による使用のためマップが自動的に選択されてもよいことが考えられる。
【0034】
制御器58はインターフェース装置98から入力を受信し、入力に応答しておよび上述の関係マップに基づいて、弁装置54、56の操作に命令を出すように構成されてもよい。特に、制御器58は所望の作業器具リフト/傾斜速度および操作モードを示すインターフェース装置信号を受信して、制御器58のメモリに記憶された選択関係マップおよび/または修正関係マップを参照して、弁装置54、56内の適切な供給および/または排出要素に望まれる流量を決定してもよい。次に、適切な供給および排出要素の望まれる流量が命じられると、選択された操作モードにおける所望の作業器具速度に対応する量で液圧シリンダ20、26内の特定チャンバの充填を引き起こすことができる。
【0035】
制御器58は、少なくとも部分的に、並行リフトの間1つ以上のセンサからの情報を信頼してもよい。情報は例えば地面18に対する作業器具14のリフト速度および向きに関連するセンサ情報を含んでもよい。開示された実施形態において、リフト速度情報は液圧シリンダ20に関連付けられる速度センサ103によって提供され、向き情報は液圧シリンダ26に関連付けられる位置センサ102によって提供される。センサ102、103は各々、異なる液圧シリンダ20、26のピストンアセンブリ36内に埋設される磁石(図示せず)に関連付けられる磁気ピックアップ型センサとして具体化されてもよい。この構成において、センサ102、103は各々、磁石の相対的な位置を監視することによって、対応する液圧シリンダ20、26の伸長位置を検知し、対応する位置信号を生成し、さらなる処理のために制御器58に送るように構成されてもよい。センサ102、103は代替的には、例えば液圧シリンダ20、26に対して内側の導波管(図示せず)に関連付けられる磁気歪み型センサ、液圧シリンダ20、26の外側に取り付けられたケーブル(図示せず)に関連付けられるケーブル型センサ、内側または外側に取り付けられた光学センサ、液圧シリンダ20、26によって枢動可能なジョイント部に関連付けられた回転式センサ、または当該技術分野で公知の他の任意のタイプのセンサなどの他のタイプのセンサとして具体化されてもよい。センサ102、103によって生成された位置信号から、および液圧シリンダ20、26と連結システム12の公知の形状寸法および/または運動力学に基づいて、制御器58は本体32および/または地面18に対する作業器具14のリフト速度および向きを計算するように構成されてもよい。この情報は次に、以下でより詳細に記載されるように、並行リフトの間制御器58によって利用されてもよい。
【0036】
制御器58はまた、弁装置54、56の制御の間圧力情報を信頼してもよい。液圧制御システム48の圧力は、圧力センサ105によって直接または間接的に測定されてもよい。圧力センサ105は液圧制御システム48の圧力を示す信号を生成するように構成された任意のタイプのセンサとして具体化されてもよい。例えば、圧力センサ105は、センサ要素と連通する流体による関連センサ要素の圧縮に比例する信号を生成するように構成されたストレーンゲージ型、静電容量型、または圧電型圧縮センサであってもよい。圧力センサ105によって生成された信号は、さらなる処理のために制御器58に送られてもよい。
【0037】
図3は並行リフトの間制御器58によって実行される例証的な操作を説明する。図3は、開示された概念をさらに説明するために以下の節でより詳細に議論される。
【産業上の利用可能性】
【0038】
開示される液圧制御システムは作業器具をリフティングする間作業器具の特定の向きを維持することが望まれる作業器具を有するあらゆる機械に利用可能であり得る。開示される液圧制御システムは、操作者がほとんどあるいは一切介在することなく作業器具の向きを維持する能力を提供する、並行リフトとして知られる、固定関係操作モードを選択的に実行するために使用されてもよい。次に液圧制御システム48の操作を説明する。
【0039】
機械10を操作する間、機械の操作者は、インターフェース装置98を操作して、作業器具14の対応するリフト移動および傾斜移動を要求してもよい。例えば、操作者はインターフェース装置98を前/後方向に移動させて、作業器具14を、重力に従い地面18の方へ下方へリフティングすること(すなわち下ろすこと)、および重力に対抗して地面18から離れるように上方へリフティングすることをそれぞれ要求してもよい。操作者はまたインターフェース装置98を左/右方向に移動させて、作業器具14を、後方へ傾斜させること(すなわち格納状態にすること)、および前方へ傾斜させること(すなわち中身を放出すること)をそれぞれ要求してもよい。インターフェース装置98の前/後および左/右方向における移動位置は、操作者が望む作業器具14のリフトおよび傾斜速度に関連してもよい。インターフェース装置98は、操作の間操作者が望む作業器具14のリフトおよび傾斜速度を示す第1および第2速度信号を生成し、これらの速度信号をさらなる処理のために制御器58に送ってもよい。一般に、第1および第2速度信号は、上方へのリフティングおよび格納状態にすることに関連付けられる場合は正であり、下げるおよび中身を放出することに関連付けられる場合は負であってもよい。操作者はまた、インターフェース装置98に位置付けられたモードボタン99によって、並行リフトを実行することおよび/または所望の作業器具角度を特定することを選択してもよい。並行リフトの作動を望むことを示すおよび/またはリフティングする間維持される所望の作業器具角度を示す第3信号が、モードボタン99によって生成され、さらなる処理のために制御器58に送られてもよい。
【0040】
所望なら、モードボタン99を介する以外の方法で、並行リフトの実行を引き起こすおよび/または所望の作業器具角度を特定してもよいことが考えられる。例えば、並行リフトの実行は、作業器具をリフティングする間所望の傾斜速度信号が存在しないとき(すなわち操作者が作業器具14の傾斜を要求しなかったとき)はいつでも、あるいは操作者によって要求された所望の傾斜速度が閾値量未満(例えば、リフティングする間所望の角度で作業器具14を維持するのに必要な傾斜速度未満)であるときはいつでも、自動的に引き起こされてもよい。この実施例において、リフティングがインターフェース装置98を介して操作者によって要求される時の作業器具14の現在の角度は、並行リフトの間制御器58によって自動的に維持される所望の角度であってもよい。
【0041】
別の実施形態において、並行リフトは、リフティングする間作業器具14が傾斜角度の特定範囲内に位置決めされている時または特定範囲に入る時はいつでも自動的に引き起こされてもよい。傾斜角度の特定範囲は、作業器具14の特定表面、例えば作業器具14の実質的に平らな底面112と、機械牽引装置116の中心を貫いて走るような図1に示される平面114などの機械10のほぼ水平な平面との間で測定される角度範囲として定義されてもよい。開示される実施形態において、並行リフトを自動的に引き起こすために使用される特定角度範囲は、表面112と平面114との間で約±20°〜30°であってもよい。この実施形態において、並行リフトの間維持されるべき作業器具14の角度は、リフティングする間特定角度範囲に入る時の作業器具14の角度であってもよく、または代替的にはリフティングが要求されて、並行リフトが開始される時の特定角度範囲内の作業器具14の現在の角度であってもよい。所望なら、並行リフトおよび作業器具14の所望の角度を実行したいという操作者の要望を判断する別の方法が利用されてもよいことが考えられる。
【0042】
機械10の操作の間、制御器58はインターフェース装置98を介して操作者入力(例えば、所望の作業器具速度、モード発動、および/または所望の作業器具角度に係る信号)を、およびセンサ102、103、および105を介して位置、速度、および圧力情報を受信してもよい(ステップ300)。操作者及びセンサ入力に基づいて、制御器58は、上述の方法のいずれかを使用して作業器具14の並行リフトが望まれているかどうかを判断してもよい。制御器58が、並行リフトが機械10の操作者によって望まれていないと判断した場合(ステップ305:いいえ)、制御器58は、従来の方法において操作者入力に対応する流量を決定し命令を出し、その結果操作者の所望の作業器具速度をもたらしてもよい(ステップ310)。
【0043】
しかし、ステップ305において、制御器58が、操作者によって並行リフトが望まれていると判断した場合(ステップ305:はい)、制御器58は次に、リフティングする間作業器具14のどんな所望角度が維持されるべきかを判断してもよい(ステップ315)。上述のように、所望の作業器具角度が、操作者がモードボタン99を押す操作によって(または別の手動方法において)手動で決定されてもよいし、あるいは代替的には、並行リフトの開始時における作業器具14の向き(例えば、並行リフトに特定される角度範囲内の作業器具14の向き)によって自動的に決定されてもよい。
【0044】
一実施形態において、制御器58は、並行リフトの間維持されるべき作業器具14の所望角度を格納方向にオフセットするように構成されてもよい(ステップ320)。開示される実施形態において、傾斜角オフセットは、可変であり、並行リフトの開始以降(例えば並行リフトの間維持されるべき所望角度を捕捉して以降)実行されるリフトまたは傾斜量に基づいて変化してもよい。例えば、最初に並行リフトを開始する時、傾斜角度オフセットは約ゼロであり、作業器具14が特定量(例えば約400mm)リフティングされた時および/または特定角度で傾斜された時、格納方向に約1°まで線形に増加されてもよい。作業器具14の所望傾斜角度を格納方向にオフセットすることによって、並行リフトの実行に関連付けられる間違いが、作業器具14が誤って中身を放出するのを許容することなく調整されてもよい。すなわち、作業器具14が誤って中身を放出するのを許容するよりも、作業器具14を所望よりわずかに格納状態にすることがより好ましいことであり得るし、傾斜角度オフセットがこの機能を提供し得る。ステップ320は任意的なものであり、所望なら省略されてもよい。
【0045】
制御器58は、リフティングする間作業器具14を所望の傾斜角度に維持するために必要な傾斜速度を、少なくとも3つの異なる方法で決定してもよい。特に、制御器58は、センサ103を介して受信するような作業器具14の実際のリフト速度のみに応じて(ステップ330)、実際のリフト速度およびインターフェース装置98を介して受信されるような所望のリフト速度の速い方に応じて(ステップ350)、または所望のリフト速度のみに応じて(ステップ345)、傾斜速度を決定してもよい。制御器58は、作業器具14の必要な傾斜速度を決定する方法を確立する時、とりわけ、液圧シリンダ20のこう着状態および液圧シリンダ20によって付与される作業器具14のリフト方向を考慮してもよい。
【0046】
特に、ステップ315が完了した後、および特定の実施形態においては、任意のステップ320が完了した後にも、制御器58は、シリンダ20がこう着しているかどうかを判断し、判断に基づいて傾斜速度計算に選択的に影響を及ぼしてもよい。こう着の1つの兆候は、最大システム圧力に近づく(センサ105によって検知されるような)ポンプ52の吐出圧力に関連付けられてもよい。(センサ102を介して検知されるような)シリンダ20の速度は、単独であるいはシステム圧力と一緒に、こう着の別の兆候を提供してもよい(例えば、シリンダ20がゼロ速度であるが、最大圧力に加圧された流体を供給されている場合、シリンダ20はこう着しているとみなされ得る)。所望なら、こう着を判断する他の方法が同じように利用されてもよいことが考えられる。制御器58が、シリンダ20がこう着状態にあると判断した場合(ステップ325:はい)、制御はステップ330に進んでもよく、ここで制御器58は上述の第1の選択肢を用いて、並行リフトに必要な傾斜速度を計算する。必要な傾斜速度を決定するこの状況において実際のリフト速度のみを用いる理由は、液圧シリンダ20のこう着状態は、所望のリフト速度と実際のリフト速度との間に不一致をもたらし得るためであり(すなわち、所望のリフト速度はゼロでないが、実際のリフト速度は、シリンダこう着の間、約ゼロであり得る)、傾斜制御における正確性は実際のリフト速度の使用を通してのみ可能であり得るからである。こう着が検知されない場合(ステップ325:いいえ)、制御は代わりにステップ335に進んでもよく、ここではリフト方向が傾斜速度計算に影響を与え得る。
【0047】
ステップ335において、制御器58は、並行リフトの間操作者によって要求されるリフト方向が重力に従うかあるいは対抗するかを判断してもよい(ステップ335)。並行リフトの間操作者によって要求されるリフト方向が、地面18から離れるように上方へ向かうものでありかつ重力に対抗する場合(一実施例において正の所望のリフト速度信号により、あるいはインターフェース装置98の後方傾斜移動により現れる)、制御器58は、所望のリフト速度に応じてリフティングする間作業器具14の所望角度を維持するのに必要な対応する傾斜速度を決定してもよい(すなわち、制御はステップ345に続いてもよい)。しかしステップ335において、並行リフトの間操作者によって要求されるリフト方向が地面18の方へ下方に向かうものである場合(一実施例において負の所望のリフト速度信号により、あるいはインターフェース装置98の前方傾斜移動により現れる)、制御器58は、対応する必要な傾斜速度を決定するのに使用する方法を選択する前に、所望のリフト速度の大きさを最初に判断してもよい。特に、制御器58は、ステップ345またはステップ350に進むと決定する前に、所望のリフト速度が約ゼロ(すなわち、ゼロの閾値以内)であるかどうかを最初に判断してもよい(ステップ340)。
【0048】
ステップ340において、制御器58が所望のリフト速度が約ゼロであると判断した場合(ステップ340:はい)、制御はステップ345へ進んでもよく、ここでは、対応する必要傾斜速度が、所望のリフト速度のみに応じて決定されてもよい。所望のリフト速度が約ゼロである時、所望のリフト速度のみが、並行リフトの間対応する傾斜速度を決定するのに使用されてもよい1つの理由は、状況、特に、センサ103/制御器58によって、および/または液圧シリンダ20の応答において実行される実際のリフト速度の測定において顕著な遅延が発生する機械の使用状況があり得るからである。この状況において、時間遅延のため、所望のリフト速度が、インターフェース装置98によって提供される時、約ゼロであるが、実際のリフト速度は、センサ103によって測定される時、遅れをとり、より大きくなる可能性がある。この状況において、実際のリフト速度が、それに続く作業器具14の傾斜速度を決定するのに使用された場合、作業器具14は、作業器具14がもはやリフティングおよび傾斜するべきでない時に傾斜するかもしれない。
【0049】
しかし、ステップ340において、制御器58が所望のリフト速度が約ゼロではないと判断した場合、制御器58は代わりに所望のリフト速度および実際のリフト速度の速い方に応じて、対応する必要な傾斜速度を決定してもよい。所望のリフト速度または実際のリフト速度の速い方が、重力に従うリフト動作の間使用されてもよい1つの理由は(常に所望のリフト速度を使用するのとは反対に)、作業器具14が、重力によって作動される時(例えば、オーバーラン状況において)所望のリフト速度よりも速く実際に動くことが可能であり得るからである。この状況において、所望のリフト速度に応じて必要な傾斜速度を決定することは、作業器具14を望まない角度に誤って位置付ける不正確な傾斜速度(すなわち、遅すぎる速度)をもたらすかもしれない。
【0050】
上述のステップ330、345、または350のいずれかにおいて、並行リフトの間作業器具14の所望の角度を維持するのに必要な傾斜速度を決定するために制御器58によって使用される機能は、スケーリング機能であってもよい。特に制御器58は、(こう着状態、リフト速度の大きさ、およびリフト方向に従い実際あるいは所望の)適切なリフト速度をスケールダウンして、作業器具14の並行リフトの間フィードフォワード制御タームとして使用される必要な傾斜速度を決定するように構成されてもよい。一実施形態において、リフト速度をスケールダウンするのに使用されるスケーリング係数は、傾斜方向、角度、または速度に係らず使用される固定係数であってもよい。別の実施形態において、スケーリング係数は変化し、作業器具14の傾斜方向、角度、および/または速度に少なくとも部分的に依存してもよい。例えば、リフティングする間作業器具14を格納状態にすることが、リフティングする間所望の作業器具角度を維持するために要求される時、第1スケーリング係数が、対応する傾斜速度を決定するために利用されてもよく、リフティングする間作業器具14の中身を放出する状態が要求される時、第1スケーリング係数と異なる第2スケーリング係数(例えば、第1スケーリング係数よりも小さい)が、対応する傾斜速度を決定するために利用されてもよい。格納および放出の間使用されるスケーリング係数における相違は、ヘッド端部およびロッド端部シリンダ形状寸法における内部相違を、および/または重力の影響を、および作業器具14の傾斜速度における他の制御不能な影響を調節するのを助けてもよい。所望なら、他のスケーリング係数戦略を使用してもよいことが考えられる。
【0051】
必要な傾斜速度を決定するために使用される特定のスケーリング係数は、機械、作業器具、および/または連結システム依存物であり、そして公知の運動力学に基づいてもよい。すなわち、所与の機械/器具/連結構成の場合、特定の機械の作業器具14の向きが、リフティングする間自然に変化する態様は公知であるかもしれない。従って、公知の運動力学に基づいて、リフト対傾斜スケーリング係数が計算され、その結果作業器具14の向きが、作業器具14の並行リフトの間ほぼ同じに(すなわち、操作者の所望の角度に)維持されるようにしてもよい。スケーリング係数は、係数値、等式、アルゴリズム、および/またはマップの形態で制御器58に提供されてもよく、制御器58は次に、スケーリングされた傾斜速度を、任意の所与のリフト速度について決定するために利用してもよい。並行リフトの間フィードフォワード制御タームとして使用される必要な傾斜速度を決定するためにリフト速度(実際のあるいは所望の)をスケーリングした後、制御器58は、所望のリフトおよび傾斜速度に対応して、対応するリフトおよびチルト弁装置54、56に命令を送り、液圧シリンダ20、26を移動させてもよい(ステップ355)。
【0052】
機械対機械のバリエーション、機械の使用年数および損耗、機械の損傷、および制御器58がほとんど影響を及ぼさない他の要素のため、傾斜オフセットによって調節可能なものより大きな向きの誤りが、機械10の並行リフト操作の間生じる可能性があり得る。すなわち、スケーリングされた傾斜速度が、リフティングする間作業器具14を所望の向きに必ずしも上手く維持するわけではない可能性があり得る。従って、制御器58はまた、誤りを説明するおよび/または修正するために、特定の実施形態において、センサ102、103からのフィードバックを利用してもよい。特に、制御器58は、作業器具14の実際の傾斜角度(すなわち、実際の傾斜角度の指標)をセンサ102および/または103から受信し(ステップ360)、続いてまたは選択的に、実際の傾斜角度を所望の傾斜角度と比較し、操作者に要求されたリフティングの間スケーリング係数が作業器具14を所望の傾斜角度に上手く維持しているか判断してもよい(ステップ365)。スケーリング係数および関連する傾斜速度がリフティングする間所望の作業器具14の向きを上手く維持しない場合(ステップ350:いいえ)(すなわち、相違が閾値量よりも大きい場合)、それに応じて、制御器58は、スケーリング係数および/または命令された傾斜速度を、選択的に調節するように構成されてもよい(ステップ370)。向きの誤りが十分に低減されるまで、制御はステップ365と370を循環してもよい。特定の実施形態において、所望なら、制御器58はまた、ステップ365の比較が完了し、誤りが判定されるごとに、経時的にスケーリング係数に対して増分調整をしてもよく、それは保存可能であり、将来の並行リフト操作に利用され、それにより将来の作業器具の向きの正確性が改善される。ステップ370が上手く完了した後、制御はステップ300に戻ってもよい。
【0053】
特定の機械利用分野における並行リフト操作の間、連結システム12の特有の構成のため、作業器具14の傾斜は、所望の角度を維持するために、リフティングする間格納状態と放出状態との間で単一の方向に移動する必要があってもよい。すなわち、特有の機械連結構成に関して、作業器具14が1つの方向にリフティングする時、制御器58は、格納状態が作業器具14の所望の角度を維持するために最初に必要であることを判断してもよい。しかし、リフト期間の後、作業器具14が円弧状の移動において特定の地点、例えば頂点に近づく時、制御器58は、引き続いてリフティングする間所望の角度を維持するのに放出状態が次に必要であることを判断してもよい。この状況において、制御器58が、並行リフトの間作業器具14の格納状態制御と放出状態制御との間を移行する時(すなわち、特有の地点に近づく時)、制御器58は、移行地点の境界を示すリフト期間の間計量を止めるようにチルト弁装置56に命令を出すように構成されてもよい(すなわち、制御器58は不感帯を実装してもよい)。この不感帯は、移行の間傾斜制御における不安定性を低減する効果があるかもしれない。
【0054】
一実施例において、上述の不感帯は作業器具14の格納状態と放出状態との間の移行と関連しない他の時間に適用可能であってもよい。特に、制御器58は、操作者によって開始された傾斜命令が非常に小さい傾斜角度変動に至る時、チルト弁装置56に流体の計量を止めるよう選択的に命令を出すように構成されてもよい。これは一般に格納状態と放出状態との移行地点において生じるが、これはまた、例えばリフティングが丁度開始された時および/またはリフティングが非常に遅い速度で命じられている時、生じてもよい。
【0055】
別の実施例において、制御器58は、上述の不感帯の代わりにまたはそれに加えて許容できる誤りの不感帯を開始してもよい。特に、制御器58は、所望の傾斜角度と実際の傾斜角度との間の誤りが閾値量を超えるとき、センサ102、103からのフィードバックに基づいてチルト弁装置56に送られる速度命令の調節のみを行うように構成されてもよい。この誤りが閾値量未満である時、制御器58は、フィードフォワード制御(すなわち、スケーリングされたリフト速度のみに基づく制御)を利用するだけであってもよい。そして、ひとたび誤りの閾値量を上回ると、制御器58は、誤りの量が約ゼロに低減されるまで、フィードフォワード制御とフィードバック制御の両方を利用してもよい。特定の実施形態において、誤りの閾値量は、可変であってもよく、そして例えばフィードフォワード制御タームのサインに基づいて(すなわち、作業器具14が放出状態にあるか格納状態にあるかに基づいて)もよい。
【0056】
特定の用途において、特定の機械10の液圧制御システム48は、並行リフトの間流れが制限される可能性があり得る。すなわち、加圧流体に対する要求が、ポンプ52の供給量を超える可能性があり得る。正の並行リフトの間(すなわち、固定関係操作モードにおいて地面18から離れるようにリフティングする間)、圧力補償弁78は、ポンプ52からの加圧流体の制限された流れをリフト弁装置54およびチルト弁装置56の各々にレシオメトリック的に分配する(すなわち、リフト弁装置54およびチルト弁装置56の流れ領域に基づいて分配する)ように機能してもよい(すなわち、圧力補償弁78は、圧力および流れ領域の比率に基づく量においてリフト弁装置およびチルト弁装置の各々への流れを制限するように機能してもよい)。従って、作業器具14は、機械10が流れ制限されている時でさえ、正の並行リフトの間所望の角度で維持され得るが、リフトおよび傾斜は両方とも、通常よりもゆっくり生じる。しかし、負の並行リフトの間(すなわち、重力に従って地面18の方へリフティングする間)機械10が流れ制限されている時、制御器58は、作業器具14が適切な流体供給未満で所望の角度で維持されることを確実にするのを助けるために、リフトおよび/またはチルト弁装置54、56に送られる速度命令を修正することを必要としてもよい。特に、制御器58は、流れ制限された負の並行リフトの間、リフト弁装置54に送られる速度命令を選択的に軽減するようにおよび/またはチルト弁装置56に送られる速度命令を増大するように構成されてもよい。リフト弁装置54に向けられた速度命令の軽減は、チルト弁装置56による使用のためのある流体の利用可能性をもたらしてもよい一方、重力のリフト速度への効果が、リフト流の軽減を補償してもよい。従って、軽減は、作業器具14を所望の傾斜角度に維持するためチルト弁装置56によって必要とされる量に関連する量であってもよい。チルト弁装置56に向けられた増大された速度命令の結果、圧力補償弁78の流れ分配機能と組み合わせて、元々リフト弁装置54のために意図されていたある流れがチルト弁装置56に転換されてもよい。
【0057】
制御器58は、様々な入力に基づいて並行リフト操作を終了してもよい。例えば、制御器58は、モードボタン99を介して(例えば、モードボタン99が並行リフトの間操作者によって操作される時)受信された操作者入力に基づいて並行リフトを終了してもよい。別の実施例において、並行リフトは、操作者が、約ゼロである所望のリフト速度をインターフェース装置98を介して要求したとき(すなわち、操作者がインターフェース装置98を操作するのをやめたとき)または所望の傾斜速度を要求したとき、終了されてもよい。さらに別の実施例において、制御器58は、センサ102によって知らされるように、作業器具14の傾斜角度が並行リフトの間の使用に特定された角度範囲から逸脱した時(例えば、作業器具14の表面112が平面114に対して約±30°に近づくかまたは超えた時)並行リフトを終了してもよい。最後の実施例において、制御器58は、シリンダ20、26の1つがストローク端部位置に近づくか到達した時あるいは別の物理的限界に達した時など、並行リフトがもはや物理的に実行不可能である時、並行リフトを終了してもよい。並行リフトを終了させる他の入力も可能であり得る。
【0058】
制御器58は、並行リフト操作を段階的に終了してもよい。特に、モードボタン99が並行リフトの間押下される時、所望のリフト速度が約ゼロになる時(すなわち、操作者がインターフェース装置98を操作するのをやめる時)、所望の傾斜速度が操作者から受信される時、傾斜角度が約±30°に近づくか超える時、および/またはシリンダ20、26の1つがストローク端部位置に近づくか到達する時、制御器58は傾斜速度の自動制御を段階的に軽減し、それにより作業器具14の傾斜移動をゼロ傾斜速度(モードボタン99が押されているまたは特定の角度範囲を超えている例において)または操作者制御された傾斜速度(操作者が傾斜速度を要求している例において)に段階的に移行し、結果として作業器具14内の物質の移動またはこぼれをもたらし得る突然の傾斜速度変化を避けるようにしてもよい。例えば、操作者が、所望の傾斜速度を命令するように操作者インターフェース装置98を操作する時、制御器58は、センサ102、103からのフィードバックに基づいてチルト弁装置56に命令を出すのをすぐにやめてもよい。さらに、所望の傾斜速度が増大する時、チルト弁装置56に向けられる速度命令が完全に操作者入力に依存するまで、制御器58によって利用されるフィードフォワード制御タームが軽減されてもよい。一実施例において、制御器58は、インターフェース装置98からの傾斜速度信号が所望の速度、少なくとも閾値量、例えば最大速度の約50%を示すまで、フィードフォワード制御タームの軽減を始めないかもしれない。フィードフォワード制御タームの段階的廃止が、所望なら線形的にまたは曲線的に、そして制御器58のメモリ内に記憶された等式および/またはマップに基づいて実行されてもよいことが考えられる。
【0059】
並行リフト操作に特定角度範囲を利用する実施例において、および/または液圧シリンダ20、26の1つがそのストローク端部位置に達する実施例において、フィードバック制御が非活動状態にされ、特定範囲の終点および/またはストローク端部位置に近づくにつれ、フィードフォワード制御が段階的に約ゼロにされる。同様に、故障状態が制御器58によって検出された時、フィードバック制御がすぐに終了されてもよく、リフトおよび傾斜移動の両方が、設定期間にわたり段階的に約ゼロに低減されて、器具の移動の不安定性を低減する。このリフトおよび傾斜速度の時間ベースの段階的低減の間、作業器具14の並列移動が維持され得るように、傾斜速度は、低減するリフト速度のスケーリング比としてなお決定されてもよい。
【0060】
特定の状況において、並行リフトに利用される所望の作業器具傾斜角度は、並行リフトが早期に終了される時、変化してもよい。特に、終了時において、実際の傾斜角度が、元々操作者に要求された傾斜角度と等しくないことが可能性としてあり得る。この状況において、並行リフトが終了された時、現在の傾斜角度は、並行リフトが再び実行される時、後続の操作で使用される所望の傾斜角度になってもよい。
【0061】
開示される液圧制御システム48は、リフト操作の間所望の作業器具角度を維持する応答的かつ正確な方法を提供してもよい。特に、所望のリフト速度が、所望の向きを維持する傾斜速度を生成するためにスケールダウンされてもよいため、液圧制御システム48は順向型であり、作業器具14の向きを変更し調整する前に、最初に望まない向きにする必要がない。この機能は作業器具14の向きの正確性、ならびに応答性の改善に寄与しうる。実際、液圧制御システム48はスケーリングの間に使用されるスケーリング係数を調整する能力を有し得るため、向きの正確性が、経時的により一層改善され得る。
【0062】
開示された液圧システムに、さまざまな修正および変更を加えてもよいことは当業者には明らかとなろう。他の実施形態が、開示された液圧制御システムの仕様および実施を考慮することから当業者に明らかとなろう。例えば、特定の命令を生じるようにステップ300〜370が示され記載されているが、所望なら、ステップの命令を修正してもよいことが考えられる。仕様および例は、単に例示するものとしてみなされるべきであり、真の範囲は以下の特許請求の範囲およびその均等物によって示されている。
【符号の説明】
【0063】
10 機械
12 連結システム
14 作業器具
16 原動機
17 ブーム
18 地面
20 液圧シリンダ
26 液圧シリンダ
28 水平軸
30 水平軸
32 本体
34 管
36 ピストンアセンブリ
36a ロッド部
38 第1チャンバ
40 第2チャンバ
42 ヘッド端部
44 ロッド端部
46 矢印
47 矢印
48 液圧制御システム
50 弁スタック
52 エンジン駆動ポンプ
53 タンク
54 リフト弁装置
56 チルト弁装置
58 制御器
60 供給流路
62 排出流路
66 流路
68 流路
72 流路
74 流路
78 圧力補償弁
79 逆止弁
80 ヘッド端部供給弁
82 ロッド端部供給弁
84 ヘッド端部排出弁
86 ロッド端部排出弁
88 ヘッド端部供給弁
90 ロッド端部供給弁
92 ヘッド端部排出弁
94 ロッド端部排出弁
96 ストローク調整機構
98 インターフェース装置
102 センサ
103 センサ
104 流路
105 圧力センサ
106 流路
108 流路
110 流路
112 表面
116 機械牽引装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧システムであって、
流体を加圧するように構成されたポンプ、
リフトアクチュエータ、
ポンプからの加圧流体を計量してリフトアクチュエータに供給し、作業器具をリフティングするように構成されたリフト弁装置、
リフトアクチュエータに関連付けられ、作業器具の実際のリフト速度を示す第1信号を生成するように構成されたリフトセンサ、
チルトアクチュエータ、
ポンプからの加圧流体を計量してチルトアクチュエータに供給し、作業器具を傾斜させるように構成されたチルト弁装置、
作業器具の所望のリフト速度を示す第2信号および作業器具の所望の傾斜速度を示す第3信号を生成するために操作者によって移動可能である少なくとも1つの操作者インターフェース装置、および
リフト弁装置、リフトセンサ、チルト弁装置、および少なくとも1つの操作者インターフェース装置と通信する制御器であって、
第2信号に基づいて加圧流体を計量しリフトアクチュエータに供給するようにリフト弁装置に命令を出し、
第3信号に基づいて加圧流体を計量しチルトアクチュエータに供給するようにチルト弁装置に命令を出し、
選択的に第1および第2信号に基づいて、加圧流体を計量しチルトアクチュエータに供給し、リフティングする間、作業器具の所望の傾斜角度を維持するようにチルト弁装置に命令を出す
ように構成された制御器
を含む、液圧システム。
【請求項2】
制御器が、実際のリフト速度および所望のリフト速度の速い方をスケーリングすることによって、作業器具をリフティングする間所望の傾斜角度に維持するチルトコマンドを決定するように構成される、請求項1に記載の液圧システム。
【請求項3】
作業器具が、地面から離れる格納方向に、および地面に向かう放出方向に傾斜可能であり、
制御器が、所望の傾斜角度の捕捉以降に実行されたリフト量に関連する量、チルトコマンドを格納方向にオフセットするように構成される
請求項2に記載の液圧システム。
【請求項4】
制御器が、
第3信号が、閾値量未満の所望の傾斜速度を示す時のみ、作業器具をリフティングする間、チルト弁装置にチルトコマンドの全値を送り、
第3信号の絶対値が、閾値量を超えて増大する所望の傾斜速度を示す時、チルトコマンドを段階的に低減する
ように構成される、請求項2に記載の液圧システム。
【請求項5】
第2信号が約ゼロの所望のリフト速度を示す時、第2信号のみに基づいて、制御器がチルト弁装置に、加圧流体を計量しチルトアクチュエータに供給し、リフティングする間所望の傾斜角度を維持するように命令を出すように構成される、請求項1に記載の液圧システム。
【請求項6】
作業器具のリフト方向に応じて、第1および第2信号に選択的に基づいて、制御器がチルト弁装置に、加圧流体を計量しチルトアクチュエータに供給するように命令を出すように構成される、請求項1に記載の液圧システム。
【請求項7】
制御器が、
リフト方向が重力に対抗し、かつ作業器具が移動可能である時、第2信号のみに基づいて、チルト弁装置に、加圧流体を計量しチルトアクチュエータに供給し、リフティングする間所望の傾斜角度を維持するように命令を出し、
リフト方向が重力に従う時、第1信号のみに基づいて、チルト弁装置に、加圧流体を計量しチルトアクチュエータに供給し、リフティングする間所望の傾斜角度を維持するように命令を出す
ように構成される、請求項6に記載の液圧システム。
【請求項8】
リフトアクチュエータがストローク端部位置に近づく時、制御器が、第1信号に基づくチルト弁装置に送られるコマンドの一部を軽減するようにさらに構成される、請求項1に記載の液圧システム。
【請求項9】
ポンプの出力が最大運転圧力に近づく時、制御器が、第2信号に基づくチルト弁装置に送られるコマンドの一部を軽減するようにさらに構成される、請求項1に記載の液圧システム。
【請求項10】
制御器が、
作業器具の傾斜が、所望の傾斜角度を維持するために、リフティングする間、特定の地点で方向を切り替えなければならないことを決定し、
特定の地点への接近に基づいて、チルト弁装置に加圧流体の計量を停止するように命令を出す
ようにさらに構成される、請求項1に記載の液圧システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−2634(P2013−2634A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−135127(P2012−135127)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【出願人】(391020193)キャタピラー インコーポレイテッド (296)
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
【Fターム(参考)】