説明

遅延固定ループ

【課題】ノイズの干渉、PVTの変動、及び頻繁に起こるパワーダウンモードへの進入・脱出など、半導体メモリ素子の最悪の状況でも安定的に動作できる遅延固定ループを提供すること。
【解決手段】遅延固定をなすために、ソースクロックの第1のクロックエッジ及び第2のクロックエッジに対応する第1の遅延クロック及び第2の遅延クロックを生成する遅延固定部と、前記第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの位相差を検出して加重値選択信号を出力する位相検出部と、前記第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの遅延固定時点から予定された期間に獲得した前記加重値選択信号を格納する加重値格納部と、該加重値格納部に格納された加重値選択信号に対応する加重値を反映し、前記第1の遅延クロックの位相と第2の遅延クロックの位相とを混合して遅延固定ループクロックとして出力する位相混合部とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体設計技術に関し、特に、遅延固定ループの動作に関し、より詳細には、ノイズの干渉、PVT(Process、Voltage、Temperature)の変動、頻繁に起こるパワーダウンモードへの進入・脱出など、半導体メモリ素子の最悪の状況でも安定的に動作できる遅延固定ループに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、DDR SDRAM(Double Data Rate Synchronous DRAM)のような同期式半導体メモリ素子では、基準となるクロックと入出力されるデータとが常に時間的に同期していなければならない。
【0003】
ここで、基準となるクロックは、主にメモリコントローラのような外部装置から入力される外部クロックCLK、CLKBを意味し、同期式半導体メモリ素子が、基準となるクロックと時間的に同期したデータを伝送しなければならないという意味は、同期式半導体メモリ素子から伝送されるデータの出力時点と外部クロックCLK、CLKBのエッジ又は中心が正確に一致すべきであるということである。
【0004】
しかし、非同期式半導体メモリ素子の例からも分かるように、一般的な半導体メモリ素子にデータを出力させるコマンド及び外部クロックCLK、CLKBを印加したとしても、自動に外部クロックCLK、CLKBに時間的に同期したデータが出力されるのではない。
【0005】
このように、半導体メモリ素子において、データが、外部クロックCLK、CLKBと同期できない理由は、次のとおりである。
【0006】
まず、半導体メモリ素子の外部から入力バッファ回路を介して半導体メモリ素子の内部にバッファリングされた外部クロックCLK、CLKBを内部クロックであるとするならば、内部クロックが、半導体メモリ素子の内部構成要素(制御回路、周辺回路、及びセルアレイなどの半導体メモリ素子に備えられる全ての回路を意味する)を経ながら、その位相が変化するため、内部クロックが出力バッファリング回路に到達して外部に出力されるときには、内部クロック及び外部クロックCLK、CLKBが時間的に同期していない。
【0007】
このとき、半導体メモリ素子から出力されるデータは、内部クロックに同期して出力されるため、内部クロックと外部クロックCLK、CLKBとの間に位相差が発生した分だけ、データと外部クロックCLK、CLKBとの間には位相差が生じるようになる。すなわち、半導体メモリ素子から出力されるデータは、外部クロックCLK、CLKBと非同期した状態となる。
【0008】
したがって、半導体メモリ素子において基準となる外部クロックCLK、CLKBの位相と入出力されるデータとを時間的に同期させて出力するためには、半導体メモリ素子に入力される外部クロックCLK、CLKBから、半導体メモリ素子の動作により出力パッドに印加される内部クロックの位相が遅延される時間を内部クロックに逆補償して、内部クロックの位相が外部クロックCLK、CLKBの位相と同期するようにしなければならない。
【0009】
前述したように、内部クロックの位相が遅延される時間を内部クロックに逆補償して、内部クロックの位相が外部クロックCLK、CLKBの位相と同期するようにする役割を果たすための回路として代表的なものには、位相固定ループ(PLL:Phase Locked Loop)回路及び遅延固定ループ(DLL:Delay Locked Loop)回路がある。
【0010】
まず、位相固定ループPLLは、主に外部から入力される、基準となる外部クロックの周波数と、半導体メモリ素子の内部で用いられる内部クロックの周波数とが互いに異なる場合に、周波数逓倍機能を用いて周波数及び位相を同時に同期させるために用いられる装置である。
【0011】
また、遅延固定ループDLLは、外部から入力される、基準となる外部クロックの周波数と、半導体メモリ素子の内部で用いられる内部クロックの周波数とが同じ場合、位相のみを同期させるために用いられる装置である。このために、遅延固定ループDLLは、遅延動作によって各クロックの位相を同期させ、位相が同期した状態を遅延固定(delay locking)状態という。
【0012】
このように、位相固定ループPLL及び遅延固定ループDLLの特性のみを比較してみると、位相固定ループPLLが遅延固定ループDLLに比べて周波数逓倍機能という更なる機能を有するため、遅延固定ループDLLに比べて位相固定ループPLLがより多く用いられると思われるが、半導体メモリ素子の場合は、位相固定ループPLLより遅延固定ループDLLを更に多く用いる。
【0013】
それには様々な理由があるが、代表的な理由としては、遅延固定ループDLLが、位相固定ループPLLに比べてノイズに対してより強く、より小さな面積をもって実現できるという長所があるためである。
【0014】
図1は、従来の技術に係る遅延固定ループDLLの構成要素を示したブロック図である。
【0015】
同図に示すように、従来の技術に係る遅延固定ループDLLは、遅延固定(delay locking)をなすために、ソースクロックREF_CLKの第1のクロックエッジ(rising edge)に対応する第1の遅延クロックRISING_CLKと、第2のクロックエッジ(falling edge)に対応する第2の遅延クロックFALLING_CLKとを生成する遅延固定部100と、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとの位相差を検出して、加重値選択信号WR_SELを出力する位相検出部120と、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとが遅延固定された時点で加重値選択信号WR_SELに対応する加重値(weight)を反映し、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとの位相を混合(mix)して、遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYとして出力する位相混合部140とを備える。また、遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYの位相をスプリット(split)して第1の位相スプリットクロックRCLKDLL及び第2の位相スプリットクロックFCLKDLLを生成する位相スプリット部160と、当該位相スプリット部160と同じ構成を有するが、実際には動作しないダミー位相スプリット部170とを更に備える。
【0016】
ここで、位相混合部140は、第1の遅延クロックRISING_CLKの遅延固定可否(遅延固定されたか否か)に対応する第1の遅延固定信号LOCK_STATE_R、及び第2の遅延クロックFALLING_CLKの遅延固定可否に対応する第2の遅延固定信号LOCK_STATE_Fに応答して論理レベルが決定される遅延固定イネーブル信号DCC_ENを生成する遅延固定イネーブル信号生成部146と、遅延固定イネーブル信号DCC_ENがアクティブになったとき、加重値選択信号WR_SELに応答して第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとの混合比率を制御するための混合制御信号CTRLを生成する混合制御部142と、混合制御信号CTRLに対応する混合比率で、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとの位相を混合して、遅延固定ループクロックDLL_CLK_USEとして出力するDCC位相混合部144と、当該DCC位相混合部144と同じ構成を有するが、実際には動作しないダミーDCC位相混合部145とを備える。
【0017】
そして、遅延固定部100は、遅延固定をなすために、ソースクロックREF_CLKと第1のフィードバッククロックFEB_CLK1との位相を比較し、決まった時間の分、ソースクロックREF_CLKの第1のクロックエッジRISING_CLKに対応した第1のクロックCLK_IN_Rを遅延させて第1の遅延クロックRISING_CLKとして出力する第1の位相遅延部102と、ソースクロックREF_CLKと第2のフィードバッククロックFEB_CLK2との位相を比較し、決まった時間の分、ソースクロックREF_CLKの第2のクロックエッジFALLING_CLKに対応した第2のクロックCLK_IN_Fを遅延させて第2の遅延クロックFALLING_CLKとして出力する第2の位相遅延部104と、第1の遅延クロックRISING_CLKに第1のクロックCLK_IN_Rの実際の遅延条件を反映させて、第1のフィードバッククロックFEB_CLK1として出力する第1の遅延複製モデル部103と、第2の遅延クロックFALLING_CLKに第2のクロックCLK_IN_Fの実際の遅延条件を反映させて、第2のフィードバッククロックFEB_CLK2として出力する第2の遅延複製モデル部105とを備える。また、外部から入力される外部クロックCLK、CLKBをバッファリングしてソースクロックREF_CLKと、第1のクロックCLK_IN_R及び第2のクロックCLK_IN_Fとを出力するクロックバッファ部106とを更に備える。
【0018】
ここで、遅延固定部100の構成要素のうち、第1の位相遅延部102は、ソースクロックREF_CLKと第1のフィードバッククロックFEB_CLK1との位相を比較して、第1の遅延制御信号DELAY_CON1を生成する第1の位相比較部1022と、第1の遅延制御信号DELAY_CON1に対応して決まった時間の分、第1のクロックCLK_IN_Rを遅延させて第1の遅延クロックRISING_CLKとして出力する第1の遅延ライン1024とを備える。
【0019】
そして、遅延固定部100の構成要素のうち、第2の位相遅延部104は、ソースクロックREF_CLKと第2のフィードバッククロックFEB_CLK2との位相を比較して、第2の遅延制御信号DELAY_CON2を生成する第2の位相比較部1042と、第2の遅延制御信号DELAY_CON2に対応して決まった時間の分、第2のクロックCLK_IN_Fを遅延させて第2の遅延クロックFALLING_CLKとして出力する第2の遅延ライン1044とを備える。
【0020】
前述した従来の技術に係る遅延固定ループの構成に基づいてその動作を説明すると、次のとおりである。
【0021】
図2は、図1に示された従来の技術に係る遅延固定ループの動作過程において、遅延固定動作の波形を示したタイミング図である。
【0022】
同図に示すように、遅延固定ループの動作過程のうち、<遅延固定以前>を参照すると、最初に、遅延固定ループが動作し始めるとき、クロックバッファ部106で外部クロックCLK、CLKBをバッファリングして生成したソースクロックREF_CLKと、第1のクロックCLK_IN_Rとが第1の遅延ライン1024によって初期遅延時間の分遅延された第1の遅延クロックRISING_CLKと、第2のクロックCLK_IN_Fが第2の遅延ライン1044によって初期遅延時間の分遅延された第2の遅延クロックFALLING_CLKと、遅延固定ループの出力端から生成される遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYとがいかなる状態であるかが分かる。
【0023】
具体的に説明すると、ソースクロックREF_CLKは、外部クロックCLK、CLKBをバッファリングしたクロックであるため、実際には、外部クロックCLK、CLKBとほぼ同じクロックである。このとき、図示してはいないが、第1のクロックCLK_IN_R及び第2のクロックCLK_IN_Fも、ソースクロックREF_CLKと同じクロックである。
【0024】
このとき、第1の遅延ライン1024及び第2の遅延ライン1044は、受信したクロックを遅延させる初期遅延時間(1、3)が互いに同じであり、同じクロックがそれぞれ入力されると、互いに相反するクロックを出力するように構成されているため、同じクロックである第1のクロックCLK_IN_Rと第2のクロックCLK_IN_Fとが第1の遅延ライン1024及び第2の遅延ライン1044にそれぞれ入力されると、図示のように、互いに相反した位相を有する第1の遅延クロックRISING_CLK及び第2の遅延クロックFALLING_CLKを出力するようになる。
【0025】
このように生成された第1の遅延クロックRISING_CLK及び第2の遅延クロックFALLING_CLKをソースクロックREF_CLKと対比して説明すると、第1の遅延クロックRISING_CLKは、ソースクロックREF_CLKの第1のエッジ(ここでは、立ち上がりエッジ(rising edge))に対応する時点から初期設定による時間(1)の分が過ぎた後、立ち上がりエッジが発生しており、第2の遅延クロックFALLING_CLKは、ソースクロックREF_CLKの第2のエッジ(ここでは、立下りエッジ(falling egde))に対応する時点から初期設定による時間(3)の分が過ぎた後、立ち上がりエッジが発生することが分かる。
【0026】
そして、遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYが第1の遅延クロックRISING_CLK及び第2の遅延クロックFALLING_CLKと同じであることがわかるが、これは、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとがまだ遅延固定された状態ではないため、位相混合部140が動作しないために発生した結果である。
【0027】
すなわち、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとが遅延固定された状態でなければ、位相混合部140は動作せず、位相混合部140に入力されるクロックは、バイパスされて出力されることが分かる。
【0028】
前述したように、遅延固定ループの動作過程のうち、<遅延固定以前>に示したそれぞれのクロックを変化させるための遅延固定ループの動作は、次のとおりである。
【0029】
まず、第1の遅延ライン1024を適切に制御し、初期設定による時間(1)の分、遅延されていた第1のクロックCLK_IN_Rを一定時間(2)の分、更に遅延させて、第1の遅延ライン1024から出力される第1の遅延クロックRISING_CLKの立ち上がりエッジが基準クロックREF_CLKの立ち上がりエッジと同期して遅延固定される。
【0030】
同時に、第2の遅延ライン1044を適切に制御し、初期設定による時間(3)の分、遅延されていた第2のクロックCLK_IN_Rを一定時間(4)の分、更に遅延させて、第2の遅延ライン1044から出力される第2の遅延クロックFALLING_CLKの立ち上がりエッジが基準クロックREF_CLKの立ち上がりエッジと同期して遅延固定される。
【0031】
そして、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとが遅延固定された後は、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとの位相差を検出して、デューティ比が補正された遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYを生成する。
【0032】
参考に、位相混合部140におけるダミーDCC位相混合部145は、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとが遅延固定される前は、DCC位相混合部144と同様に、受信したクロックをバイパスさせる動作を行い、遅延固定された後は、動作を完全に中止する。すなわち、遅延固定される前に出力していた遅延固定ループクロックDLL_CLK_DUMMYを出力しない。
【0033】
同様に、ダミー位相スプリット部170の場合も、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとが遅延固定される前は、ダミーDCC位相混合部145の出力端に接続されて、ダミーDCC位相混合部145から受信したクロックをバイパスさせるとき、負荷として作用し、遅延固定された後は、バイパスされるクロックがないため、何らの役割もしない。
【0034】
図2に示された遅延固定ループの動作過程のうち、<遅延固定以後>には、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとの位相差を検出し、それにより、デューティ比が補正された遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYが生成される過程が示されている。
【0035】
外部から入力される一般的な外部クロックCLK、CLKBの場合、50対50の正確なデューティ比を有することはほとんど不可能である。したがって、外部クロックCLK、CLKBをバッファリングした内部クロックも50対50の正確なデューティ比を有することはほとんど不可能である。
【0036】
このように、内部クロックの立ち上がりエッジから1つのデータ、内部クロックの立下りエッジから1つのデータを出力する半導体メモリ装置(DDR SDRAM、DDR2 SDRAM、DDR3 SDRAMなどの同期式半導体メモリ素子を全て含む)の場合、50対50の正確なデューティ比を有することができない内部クロックに対応してデータを出力すると、これを受信するメモリコントローラにおいて、誤ったデータを認識する問題が発生するおそれがある。
【0037】
そのため、出力される内部クロックのデューティ比を50対50に正確に補正しなければならないが、その方法は、前述したように、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとの位相差を検出し、検出結果に応じて第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとのうち、いずれか1つのクロックに加重値を更に与えて位相を混合する方法を用いる。このとき、加重値とは、混合信号に対するそれぞれのクロックの駆動力などに差を持たせることをいい、これは、周知の技術であるため、詳しい説明を省略する。
【0038】
具体的に、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとの位相差を検出するときは、第1の遅延クロック及び第2の遅延クロックRISING_CLK、FALLING_CLKが遅延固定された状態であるため、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとにおいて、立ち上がりエッジが発生する時点(5と6)が同じであると仮定し、第1の遅延クロックRISING_CLKで立下りエッジが発生する時点(7)と、第2の遅延クロックFALLING_CLKで立下りエッジが発生する時点(8)とを比較する方法を用いて、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとのうち、いずれの遅延クロックが最も長いアクティブ期間を有するかを検出する方法を用いる。
【0039】
また、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとのうち、いずれか1つのクロックに加重値を更に与えるときは、加重値選択信号WR_SELを用いて第1の遅延クロックRISING_CLKに加重値を更に与えるか、第2の遅延クロックFALLING_CLKに加重値を更に与えるかを選択する方法を用い、このとき、同時に加重値選択信号WR_SELが表す情報を適切に調整することによって、どのくらいの加重値を与えるかを選択することもできる。
【0040】
そして、図2に示された<遅延固定以後>では、デューティ比を補正する方法が2つの状況に分けられていることが分かる。
【0041】
まず、1つ目の状況は、基準クロックREF_CLKの立ち上がりエッジと第1の遅延クロック及び第2の遅延クロックRISING_CLK、FALLING_CLKの立ち上がりエッジとが遅延固定された状態で、第1の遅延クロックRISING_CLKのアクティブ期間が相対的に狭く、第2の遅延クロックFALLING_CLKのアクティブ期間が相対的に広い状態である。
【0042】
また、2つ目の状況は、基準クロックREF_CLKの立ち上がりエッジと第1の遅延クロック及び第2の遅延クロックRISING_CLK、FALLING_CLKの立ち上がりエッジとが遅延固定された状態で、第1の遅延クロックRISING_CLKのアクティブ期間が相対的に広く、第2の遅延クロックFALLING_CLKのアクティブ期間が相対的に狭い状態である。
【0043】
このように、2つの状況に分けて示した理由は、加重値選択信号WR_SELの使用方法を例示するためである。
【0044】
すなわち、1つ目の状況では、第1の遅延クロックRISING_CLKのアクティブ期間が相対的に狭く、第2の遅延クロックFALLING_CLKのアクティブ期間が相対的に広い状態であるため、加重値選択信号WR_SELの論理レベルがロジック「ハイ」になるようにして第1の遅延クロックRISING_CLKにより多くの加重値を与えることにより、最終的に出力される遅延固定ループクロックDLL_CLK_USEのデューティ比が正確に50対50になり得るようにしていることが分かる。
【0045】
同様に、2つ目の状況では、第1の遅延クロックRISING_CLKのアクティブ期間が相対的に広く、第2の遅延クロックFALLING_CLKのアクティブ期間が相対的に狭い状態であるため、加重値選択信号WR_SELの論理レベルがロジック「ロー」になるようにして第2の遅延クロックFALLING_CLKにより多くの加重値を与えることにより、最終的に出力される遅延固定ループクロックDLL_CLK_USEのデューティ比が正確に50対50になり得るようにしていることが分かる。
【0046】
図3は、図1に示された従来の技術に係る遅延固定ループの動作過程において、問題が発生する場合の入出力波形を示したタイミング図である。
【0047】
同図に示すように、従来の技術に係る遅延固定ループの動作過程において問題が発生する場合、ノイズの干渉、PVTの変動、及び頻繁に起こるパワーダウンモードへの進入・脱出など、半導体メモリ素子の最悪な動作において加重値選択信号WR_SELが変動して発生していることが分かる。
【0048】
具体的には、図3に示された遅延固定ループの動作過程のうち、<不良の発生前>に示された遅延固定ループの動作波形は、図2に示された<遅延固定以後>における2つ目の状況である基準クロックREF_CLKの立ち上がりエッジと、第1の遅延クロックRISING_CLK及び第2の遅延クロックFALLING_CLKの立ち上がりエッジとが遅延固定された状態で、第1の遅延クロックRISING_CLKのアクティブ期間が相対的に広く、第2の遅延クロックFALLING_CLKのアクティブ期間が相対的に狭い状態と同じであることがわかる。
【0049】
すなわち、加重値選択信号WR_SELを用いて第2の遅延クロックFALLING_CLKにより高い比重をおくことによって、遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYのデューティ比が50対50に合わせられた状態である。
【0050】
このとき、ノイズの干渉、PVTの変動、及び頻繁に起こるパワーダウンモードへの進入・脱出など、半導体メモリ素子の動作が発生すると、遅延固定されていた第1の遅延クロックRISING_CLK及び第2の遅延クロックFALLING_CLKの立ち上がりエッジが互いにずれてしまうことがある。
【0051】
もちろん、遅延固定部100では、これを認識し、位相がずれた第1の遅延クロックRISING_CLK及び第2の遅延クロックFALLING_CLKの立ち上がりエッジを更に遅延固定させるために動作する。
【0052】
しかし、ノイズの干渉、PVTの変動、及び頻繁に起こるパワーダウンモードへの進入・脱出など、半導体メモリ素子の動作が累積するにしたがって最悪の状態になると、図3に示された遅延固定ループの動作過程のうち、<不良の発生後>に示されているように、第1の遅延クロックRISING_CLKの立ち上がりエッジ時点が、第2の遅延クロックFALLING_CLKの立下りエッジ時点より遅延した状態になり得る。
【0053】
このように、第1の遅延クロックRISING_CLKの立ち上がりエッジ時点(1)が、第2の遅延クロックFALLING_CLKの立下りエッジ時点(2)より遅延すると、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとにおいて、立ち上がりエッジが発生する時点(1と3)が同じであると仮定し、第1の遅延クロックRISING_CLKで立下りエッジが発生する時点(4)と第2の遅延クロックFALLING_CLKで立下りエッジが発生する時点(2)とを比較する方法を用いていた位相検出部120が誤動作し、予定より一周期早く、第1の遅延クロックRISING_CLKで立下りエッジが発生する時点(5)と第2の遅延クロックFALLING_CLKで立下りエッジが発生する時点(2)とを比較するようになる。
【0054】
すなわち、本来、第1の遅延クロックRISING_CLKのアクティブ期間が、第2の遅延クロックFALLING_CLKのアクティブ期間より広いと判断し、それにより、加重値選択信号WR_SELを用いて第2の遅延クロックFALLING_CLKにより高い比重をおいていた位相混合部140がノイズの干渉、PVTの変動、及び頻繁に起こるパワーダウンモードへの進入・脱出など、半導体メモリ素子の最悪の動作のため、第2の遅延クロックFALLING_CLKのアクティブ期間が第1の遅延クロックRISING_CLKのアクティブ期間より広いと判断し、それにより、加重値選択信号WR_SELを用いて第1の遅延クロックRISING_CLKに最も高い比重をおくという問題が発生する。
【0055】
このため、遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYのデューティ比がずれてしまう問題が発生し、デューティ比がずれた遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYに対応してデータを出力しようとしても、これをメモリコントローラで認識できないため、正常的なデータの入出力が不可能であり、システムの誤動作の原因となる。
【0056】
また、前述したような問題は、外部から入力されるクロックCLK、CLKBの周期が短いときに発生する可能性が相対的に大きいが、外部から入力されるクロックCLK、CLKBの周期が短いということは、これを受信して用いる半導体メモリ素子の動作速度が速いことを意味するのであり、今後開発される半導体メモリ素子の動作速度は、より速くなることが予想されることから、今後開発される半導体メモリ素子において、前述のような問題が発生する可能性は、相対的に更に大きい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0057】
本発明は、上記した従来の技術の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ノイズの干渉、PVTの変動、及び頻繁に起こるパワーダウンモードへの進入・脱出など、半導体メモリ素子の最悪の状況でも安定的に動作できる遅延固定ループを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0058】
そこで、上記の目的を達成するための本発明による遅延固定ループは、遅延固定をなすために、ソースクロックの第1のクロックエッジに対応する第1の遅延クロック及びソースクロックの第2のクロックエッジに対応する第2の遅延クロックを生成する遅延固定部と、前記第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの位相差を検出して加重値選択信号を出力する位相検出部と、前記第1の遅延クロック及び第2の遅延クロックの遅延固定時点から予定された期間の間に獲得した前記加重値選択信号を格納する加重値格納部と、該加重値格納部に格納された加重値選択信号に対応する加重値を反映し、前記第1の遅延クロック及び第2の遅延クロックの位相を混合して遅延固定ループクロックとして出力する位相混合部とを備える。
【0059】
また、本発明による遅延固定ループは、遅延固定をなすために、ソースクロックと第1のフィードバッククロックとの位相を比較し、決まった時間の分、前記ソースクロックの第1のクロックエッジに対応した第1のクロックを遅延させて第1の遅延クロックとして出力する第1の位相遅延部と、前記第1の遅延クロックに前記第1のクロックの実際の遅延条件を反映させて、前記第1のフィードバッククロックとして出力する第1の遅延複製モデル部と、遅延固定をなすために、前記ソースクロックと第2のフィードバッククロックとの位相を比較し、決まった時間の分、前記ソースクロックの第2のクロックエッジに対応した第2のクロックを遅延させて第2の遅延クロックとして出力する第2の位相遅延部と、前記第2の遅延クロックに前記第2のクロックの実際の遅延条件を反映させて、前記第2のフィードバッククロックとして出力する第2の遅延複製モデル部と、前記第1の遅延クロックと前記第2の遅延クロックとの位相差を検出して加重値選択信号を出力する位相検出部と、前記第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの遅延固定時点から予定された期間に獲得した前記加重値選択信号を格納する加重値格納部と、該加重値格納部に格納された加重値選択信号に対応する加重値を反映し、前記第1の遅延クロックの位相と第2の遅延クロックの位相とを混合して遅延固定ループクロックとして出力する位相混合部とを備える。
【0060】
なお、本発明の遅延ループの動作方法は、遅延固定をなすために、ソースクロックの第1のクロックエッジ及び第2のクロックエッジに対応する第1の遅延クロック及び第2の遅延クロックを生成するステップと、前記第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの位相差を検出して加重値選択信号を出力するステップと、前記第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの遅延固定時点から予定された期間に獲得した前記加重値選択信号を格納するステップと、前記格納するステップで格納された加重値選択信号に対応する加重値を反映し、前記第1の遅延クロック及び第2の遅延クロックの位相を混合して遅延固定ループクロックとして出力するステップとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明は、以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、それぞれ異なる様々な形態で構成されることができ、ただし、本実施形態は、本発明の開示が完全になるようにし、通常の知識を有した者に、本発明の範疇を明確に知らせるために提供するものである。
【0062】
図4は、本発明の実施形態に係る遅延固定ループDLLの構成要素を示したブロック図である。
【0063】
同図に示すように、本発明の実施形態に係る遅延固定ループDLLは、遅延固定をなすために、ソースクロックREF_CLKの第1のクロックエッジに対応する第1の遅延クロックRISING_CLKと、ソースクロックREF_CLKの第2のクロックエッジに対応する第2の遅延クロックFALLING_CLKとを生成する遅延固定部400と、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとの位相差を検出して加重値選択信号WR_SELを出力する位相検出部420と、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとの遅延固定時点から予定された期間に獲得した加重値選択信号WR_SELを格納する加重値格納部430と、当該加重値格納部430に格納された加重値選択信号NEW_WR_SELに対応する加重値を反映し、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとの位相を混合して遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYとして出力する位相混合部440とを備える。また、遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYの位相をスプリットして、第1の位相スプリットクロックRCLKDLL及び第2の位相スプリットクロックFCLKDLLを生成する位相スプリット部460と、当該位相スプリット部460と同じ構成を有するが、実際には動作しないダミー位相スプリット部470とを更に備える。
【0064】
ここで、位相混合部440は、格納された加重値選択信号NEW_WR_SELに応答して、第1の遅延クロックRISING_CLKと第2の遅延クロックFALLING_CLKとの混合比率を制御するための混合制御信号CTRLを生成する混合制御部442と、混合制御信号CTRLに対応する混合比率で、第1の遅延クロックRISING_CLKの位相と第2の遅延クロックFALLING_CLKの位相とを混合して、遅延固定ループクロックDLL_CLK_USEとして出力するDCC位相混合部444と、当該DCC位相混合部444と同じ構成を有するが、実際には動作しないダミーDCC位相混合部445とを備える。
【0065】
そして、加重値格納部430は、第1の遅延クロックRISING_CLKの遅延固定可否に対応する第1の遅延固定信号LOCK_STATE_R、及び第2の遅延クロックFALLING_CLKの遅延固定可否に対応する第2の遅延固定信号LOCK_STATE_Fに応答して、論理レベルが決定される遅延固定イネーブル信号DCC_ENを生成する遅延固定イネーブル信号生成部432と、遅延固定イネーブル信号DCC_ENに応答して、予定された期間に対応するアクティブ期間を有する加重値選択パルスWR_PULを生成する加重値選択パルス生成部434と、加重値選択パルスWR_PULのアクティブ期間で入力される加重値選択信号WR_SELを格納し、加重値選択パルスWR_PULの非アクティブ期間で入力される加重値選択信号WR_SELを格納しない加重値選択信号格納部436とを備える。
【0066】
また、遅延固定部400は、遅延固定をなすために、ソースクロックREF_CLKと第1のフィードバッククロックFEB_CLK1との位相を比較し、決まった時間の分、ソースクロックREF_CLKの第1のクロックエッジRISING_CLKに対応した第1のクロックCLK_IN_Rを遅延させて第1の遅延クロックRISING_CLKとして出力する第1の位相遅延部402と、ソースクロックREF_CLKと第2のフィードバッククロックFEB_CLK2との位相を比較し、決まった時間の分、ソースクロックREF_CLKの第2のクロックエッジFALLING_CLKに対応した第2のクロックCLK_IN_Fを遅延させて第2の遅延クロックFALLING_CLKとして出力する第2の位相遅延部404と、第1の遅延クロックRISING_CLKに第1のクロックCLK_IN_Rの実際の遅延条件を反映させて、第1のフィードバッククロックFEB_CLK1として出力する第1の遅延複製モデル部403と、第2の遅延クロックFALLING_CLKに第2のクロックCLK_IN_Fの実際の遅延条件を反映させて、第2のフィードバッククロックFEB_CLK2として出力する第2の遅延複製モデル部405とを備える。また、外部から入力される外部クロックCLK、CLKBをバッファリングして、ソースクロックREF_CLKと、第1のクロック及び第2のクロックCLK_IN_R、CLK_IN_Fとを出力するクロックバッファ部406とを更に備える。
【0067】
ここで、遅延固定部400の構成要素のうち、第1の位相遅延部402は、ソースクロックREF_CLKの位相と第1のフィードバッククロックFEB_CLK1の位相とを比較して、第1の遅延制御信号DELAY_CON1を生成する第1の位相比較部4022と、第1の遅延制御信号DELAY_CON1に対応して決まった時間の分、第1のクロックCLK_IN_Rを遅延させて、第1の遅延クロックRISING_CLKとして出力する第1の遅延ライン4024とを備える。
【0068】
そして、遅延固定部400の構成要素のうち、第2の位相遅延部404は、ソースクロックREF_CLKの位相と第2のフィードバッククロックFEB_CLK2の位相とを比較して、第2の遅延制御信号DELAY_CON2を生成する第2の位相比較部4042と、第2の遅延制御信号DELAY_CON2に対応して決まった時間の分、第2のクロックCLK_IN_Fを遅延させて、第2の遅延クロックFALLING_CLKとして出力する第2の遅延ライン4044とを備える。
【0069】
図5は、図4に示された本発明の実施形態に係る遅延固定ループDLLの構成要素のうち、加重値選択パルス生成部を詳細に示した回路図である。
【0070】
同図に示すように、本発明の実施形態に係る遅延固定ループDLLの構成要素のうち、加重値選択パルス生成部434は、遅延固定イネーブル信号DCC_ENを受信して、予定された時間の分遅延させて出力し、その位相を反転させて出力する遅延反転部4342と、遅延固定イネーブル信号DCC_ENと遅延反転部4342の出力信号DCC_ENBとを受信して、予定された期間に対応するアクティブ期間を有する前記加重値選択パルスを出力する加重値選択パルス出力部4344とを備える。
【0071】
ここで、遅延反転部4342は、チェーンの形状に構成された複数のインバータINT1、INT2、INT3、INT4、INT5、INT6、INT7を備える。
【0072】
また、加重値選択パルス出力部4344は、遅延固定イネーブル信号DCC_ENと遅延反転部4342の出力信号DCC_ENBとを受信して出力するNANDゲートと、当該NANDゲートの出力信号を受信して加重値選択パルスWR_PULとして出力するインバータINT8とを備える。
【0073】
図6は、図4に示された本発明の実施形態に係る遅延固定ループDLLの構成要素のうち、加重値選択信号格納部を詳細に示した回路図である。
【0074】
同図に示すように、本発明の実施形態に係る遅延固定ループDLLの構成要素のうち、加重値選択信号格納部436は、正の制御端に印加される加重値選択パルスWR_PULと、負の制御端に印加される加重値選択パルスを反転させたパルスWR_PULBとに応答して、入力端INに印加される加重値選択信号WR_SELの出力端OUTへの印加を制御する伝達ゲートTGと、当該伝達ゲートTGの出力信号をラッチすることにより、格納された加重値選択信号NEW_WR_SELを出力するラッチを備える。
【0075】
図7は、図4に示された本発明の実施形態に係る遅延固定ループDLLの構成要素のうち、DCC位相混合部を詳細に示した回路図である。
【0076】
同図に示すように、本発明の実施形態に係る遅延固定ループDLLの構成要素のうち、DCC位相混合部444は、第1の入力端IN1に印加された第1の遅延クロックRISING_CLKを、混合制御部442から出力された混合制御信号の第1の信号〜第3の信号CTRL_1、CTRL_1B、CTRL_2、CTRL_2B、CTRL_3、CTRL_3Bに対応して変化する駆動力によって出力端OUTに印加する第1のドライバ〜第3のドライバDR1、DR2、DR3と、第2の入力端IN2に印加された第2の遅延クロックFALLING_CLKを、混合制御部442から出力された混合制御信号の第4の信号〜第6の信号CTRL_4、CTRL_4B、CTRL_5、CTRL_5B、CTRL_6、CTRL_6Bに対応して変化する駆動力によって出力端OUTに印加する第4のドライバ〜第6のドライバDR4、DR5、DR6と、予定された論理決定レベルを基準に第1のドライバ〜第6のドライバDR1、DR2、DR3、DR4、DR5、DR6の出力端OUTに印加された電圧を遅延固定ループクロックDLL_CLK_USEとして出力する論理決定ドライバLOGIC_DRとを備える。
【0077】
ここで、予定された論理決定レベルは、ロジック「ハイ」及びロジック「ロー」を区分するとき、その基準となるレベルを意味する。すなわち、出力端OUTに印加された電圧のレベルが、論理決定レベルより高い場合、論理決定ドライバLOGIC_DRからは、ロジック「ハイ」の論理レベルを有する遅延固定ループクロックDLL_CLK_USEが出力され、出力端OUTに印加された電圧のレベルが論理決定レベルより低い場合、論理決定ドライバLOGIC_DRからは、ロジック「ロー」の論理レベルを有する遅延固定ループクロックDLL_CLK_USEが出力される。
【0078】
前述した本発明の実施形態に係る遅延固定ループの構成に基づいて、その動作を説明すれば、次のとおりである。
【0079】
まず、遅延固定ループの動作過程のうち、遅延固定過程を介してソースクロックREF_CLKの第1のクロックエッジ及び第2のクロックエッジに対応する第1の遅延クロックRISING_CLK及び第2の遅延クロックFALLING_CLKを生成することは、従来の技術において詳細に説明したため、ここでは説明しない。
【0080】
図8は、本発明の実施形態に係る遅延固定ループの動作過程において問題が発生した場合の入出力波形を示したタイミング図である。
【0081】
同図に示すように、本発明の実施形態に係る遅延固定ループの動作過程において問題が発生する場合は、従来の技術において説明したとおり、ノイズの干渉、PVTの変動、及び頻繁に起こるパワーダウンモードへの進入・脱出など、半導体メモリ素子の最悪の動作で加重値選択信号WR_SELが所望とは反対に変動して発生していることが分かる。
【0082】
しかし、本発明の実施形態に係る遅延固定ループでは、加重値選択信号WR_SELが所望とは反対に変動する場合も、格納された加重値選択信号NEW_WR_SELの値が変動しないようにすることによって、遅延固定ループクロックDLL_CLK_USEのデューティ比がずれないようにしていることが分かる。
【0083】
具体的には、図8に示された遅延固定ループの動作過程のうち、<不良の発生前>に示された遅延固定ループの動作波形は、従来の技術において説明している、図2に示された<遅延固定以後>において2番目の状況である基準クロックREF_CLKの立ち上がりエッジと、第1の遅延クロックRISING_CLK及び第2の遅延クロックFALLING_CLKの立ち上がりエッジとが遅延固定された状態で、第1の遅延クロックRISING_CLKのアクティブ期間が相対的に広く、第2の遅延クロックFALLING_CLKのアクティブ期間が相対的に狭い状態と同じであることがわかる。
【0084】
このとき、遅延固定イネーブル信号DCC_ENがアクティブになった時点から予定された期間(6)でのみ加重値選択パルスWR_PULがアクティブになって、加重値選択信号WR_SELを格納された加重値選択信号NEW_WR_SELとして格納することができる。
【0085】
すなわち、ロジック「ロー」であって、第2の遅延クロックFALLING_CLKにより高く比重をおくための加重値選択信号WR_SELを、格納された加重値選択信号NEW_WR_SELとして格納して、実際に遅延固定ループクロックDLL_CLK_USEに反映させる。これにより、遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYのデューティ比を正確に50対50に合わせることができる。
【0086】
このような状態で、ノイズの干渉、PVTの変動、及び頻繁に起こるパワーダウンモードへの進入・脱出など、半導体メモリ素子の動作が発生すると、遅延固定されていた第1の遅延クロックRISING_CLK及び第2の遅延クロックFALLING_CLKの立ち上がりエッジが互いにずれ得る。
【0087】
もちろん、遅延固定部400では、これを認識し、位相がずれた第1の遅延クロックRISING_CLK及び第2の遅延クロックFALLING_CLKの立ち上がりエッジを更に遅延固定させるために動作する。
【0088】
しかし、ノイズの干渉、PVTの変動、及び頻繁に起こるパワーダウンモードへの進入・脱出など、半導体メモリ素子の動作の累積によって最悪の状態になると、図8に示された遅延固定ループの動作過程のうち、<不良の発生後>に示すように、第1の遅延クロックRISING_CLKの立ち上がりエッジ時点が、第2の遅延クロックFALLING_CLKの立下りエッジ時点より更に遅延した状態になり得る。
【0089】
このように、第1の遅延クロックRISING_CLKの立ち上がりエッジ時点(1)が、第2の遅延クロックFALLING_CLKの立下りエッジ時点(2)より更に遅延されると、第1の遅延クロックRISING_CLK及び第2の遅延クロックFALLING_CLKで立ち上がりエッジが発生する時点(1と3)が同じと仮定し、第1の遅延クロックRISING_CLKで立下りエッジが発生する時点(4)と第2の遅延クロックFALLING_CLKで立下りエッジが発生する時点(2)とを比較する方法を用いていた位相検出部120が誤動作して、予定より一周期速く、第1の遅延クロックRISING_CLKで立下りエッジが発生する時点(5)と第2の遅延クロックFALLING_CLKで立下りエッジが発生する時点(2)とを比較するようになる。
【0090】
すなわち、本来、第1の遅延クロックRISING_CLKのアクティブ期間が、第2の遅延クロックFALLING_CLKのアクティブ期間より広いと判断し、それにより、第2の遅延クロックFALLING_CLKにより高く比重をおくように設定されていた加重値選択信号WR_SELの論理レベルがロジック「ロー」からロジック「ハイ」に変化し、かつ、第1の遅延クロックRISING_CLKのアクティブ期間が、第2の遅延クロックFALLING_CLKのアクティブ期間より狭いと判断し、第1の遅延クロックRASING_CLKにより高く比重をおくように設定される。
【0091】
しかし、加重値選択信号WR_SELの論理レベルが変動する瞬間は、既に加重値選択パルスWR_PULが非アクティブになった状態であるため、加重値選択信号WR_SELを、格納された加重値選択信号NEW_WR_SELとして格納することができない。したがって、加重値選択信号WR_SELは、ロジック「ハイ」の状態を維持するが、格納された加重値選択信号NEW_WR_SELは、ロジック「ロー」の状態を維持しているため、正確に50対50に合わせられていた遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE、DLL_CLK_DUMMYのデューティ比がそのまま維持され得る。
【0092】
以上で説明したように、本発明の実施形態を適用すると、ノイズの干渉、PVTの変動、及び頻繁に起こるパワーダウンモードへの進入・脱出など、半導体メモリ素子の最悪の状況でも、第1の遅延クロックRISING_CLK及び第2の遅延クロックFALLING_CLKの混合加重値を選択する格納された加重値選択信号NEW_WR_SELが変動しないように制御することにより、半導体メモリ素子の最悪の状況によって、遅延固定ループクロックDLL_CLK_USE)のデューティ比がずれることを防止することができる。これにより、半導体メモリ素子で入出力されるデータが正確なデューティ比が維持できるようにし、システムが誤作動することを防止することができる。
【0093】
前述した本発明は、遅延固定ループの動作のうち、遅延固定動作が発生した時点から予定された期間に決まった加重値選択信号に対応して遅延固定ループクロックを生成し、その後の遅延固定ループの動作では、加重値選択信号が変動しても遅延固定ループクロックには影響を及ぼさないようにすることにより、ノイズの干渉、PVTの変動、及び頻繁に起こるパワーダウンモードへの進入・脱出など、半導体メモリ素子の最悪の状況でも遅延固定ループが安定的に動作できるようにするという効果がある。
【0094】
これにより、半導体メモリ素子から出力されるデータのデューティ比が常に所望の割合を維持できるようにして、データの入出力のエラーを防止できるという効果がある。すなわち、システムの誤動作を防止できるという効果がある。
【0095】
以上で説明した本発明は、前述した実施形態及び添付された図面により限定されるものではなく、本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な置換、変形、及び変更が可能であるということが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有した者において明白であろう。
【0096】
例えば、前述した実施形態において、第1のエッジを立ち上がりエッジとして用い、第2のエッジを立下りエッジとして用いたが、本発明は、第1のエッジが立下りエッジであり、第2のエッジが立ち上がりエッジである場合も含む。
【0097】
また、前述した実施形態において、位相を混合する回路として例示された駆動ドライバの個数及び混合制御信号の個数は、説明の便宜のために限定して示したものであり、本発明は、駆動ドライバの個数及び混合制御信号の個数が例示したものよりも多いか、又はより少ない場合も含む。
【0098】
そして、前述した実施形態において例示した論理ゲート及びトランジスタは、入力される信号の極性によって、その位置及び種類が異なるよう実現されるべきであろう。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】従来の技術に係る遅延固定ループDLLの構成要素を示したブロック図である。
【図2】図1に示された従来の技術に係る遅延固定ループの動作過程において、遅延固定動作の波形を示したタイミング図である。
【図3】図1に示された従来の技術に係る遅延固定ループの動作過程において、問題が発生する場合の入出力波形を示したタイミング図である。
【図4】本発明の実施形態に係る遅延固定ループDLLの構成要素を示したブロック図である。
【図5】図4に示された本発明の実施形態に係る遅延固定ループDLLの構成要素のうち、加重値選択パルス生成部を詳細に示した回路図である。
【図6】図4に示された本発明の実施形態に係る遅延固定ループDLLの構成要素のうち、加重値選択信号格納部を詳細に示した回路図である。
【図7】図4に示された本発明の実施形態に係る遅延固定ループDLLの構成要素のうち、DCC位相混合部を詳細に示した回路図である。
【図8】本発明の実施形態に係る遅延固定ループの動作過程において、問題が発生した場合の入出力波形を示したタイミング図である。
【符号の説明】
【0100】
100、400 遅延固定部
120、420 位相検出部
140、440 位相混合部
430 加重値格納部
142、442 混合制御部
144、444 位相混合部
145、445 ダミーDCC位相混合部
146、432 遅延固定イネーブル信号生成部
434 加重値選択パルス生成部
436 加重値選択信号格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遅延固定をなすために、ソースクロックの第1のクロックエッジに対応する第1の遅延クロック及び前記ソースクロックの第2のクロックエッジに対応する第2の遅延クロックを生成する遅延固定部と、
前記第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの位相差を検出して加重値選択信号を出力する位相検出部と、
前記第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの遅延固定時点から予定された期間に獲得した前記加重値選択信号を格納する加重値格納部と、
該加重値格納部に格納された加重値選択信号に対応する加重値を反映し、前記第1の遅延クロックの位相と第2の遅延クロックの位相とを混合して遅延固定ループクロックとして出力する位相混合部と
を備えることを特徴とする遅延固定ループ。
【請求項2】
前記位相混合部は、
前記格納された加重値選択信号に応答して、前記第1の遅延クロック及び第2の遅延クロックの混合比率を制御するための混合制御信号を生成する混合制御部と、
前記混合制御信号に対応する混合比率で、前記第1の遅延クロックの位相と前記第2の遅延クロックの位相とを混合して、前記遅延固定ループクロックとして出力するDCC位相混合部と、
該DCC位相混合部と同じ構成を有するが、実際には動作しないダミーDCC位相混合部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の遅延固定ループ。
【請求項3】
前記遅延固定ループクロックの位相をスプリットして、第1の位相スプリットクロック及び第2の位相スプリットクロックを生成する位相スプリット部と、
該位相スプリット部と同じ構成を有するが、実際には動作しないダミー位相スプリット部と
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の遅延固定ループ。
【請求項4】
前記加重値格納部は、
前記第1の遅延クロックの遅延固定可否に対応する第1の遅延固定信号、及び前記第2の遅延クロックの遅延固定可否に対応する第2の遅延固定信号に応答して、遅延固定イネーブル信号の論理レベルを決定する遅延固定イネーブル信号生成部と、
前記遅延固定イネーブル信号に応答して、前記予定された期間に対応するアクティブ期間を有する加重値選択パルスを生成する加重値選択パルス生成部と、
前記加重値選択パルスのアクティブ期間で入力される前記加重値選択信号を格納し、前記加重値選択パルスの非アクティブ期間で入力される前記加重値選択信号を格納しない加重値選択信号格納部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の遅延固定ループ。
【請求項5】
前記加重値選択パルス生成部は、
前記遅延固定イネーブル信号を受信して、予定された時間の分遅延させて出力し、その位相を反転させて出力する遅延反転部と、
前記遅延固定イネーブル信号と前記遅延反転部の出力信号とを受信して、前記予定された期間に対応するアクティブ期間を有する前記加重値選択パルスを出力する加重値選択パルス出力部と
を備えることを特徴とする請求項4に記載の遅延固定ループ。
【請求項6】
前記加重値選択信号格納部は、
正の制御端に印加される前記加重値選択パルスと、負の制御端に印加される前記加重値選択パルスを反転させたパルスとに応答して、入力端に印加される前記加重値選択信号が出力端に印加されることを制御する伝達ゲートと、
該伝達ゲートの出力信号をラッチすることにより、前記格納された加重値選択信号を出力するラッチと
を備えることを特徴とする請求項4に記載の遅延固定ループ。
【請求項7】
前記DCC位相混合部は、
第1の入力端に印加された前記第1の遅延クロックを、前記混合制御信号の第1の信号〜第3の信号に対応して変化する駆動力によって出力端に印加する第1のドライバ〜第3のドライバと、
第2の入力端に印加された前記第2の遅延クロックを、前記混合制御信号の第4の信号〜第6の信号に対応して変化する駆動力によって出力端に印加する第4のドライバ〜第6のドライバと、
予定された論理決定レベルを基準に、前記第1のドライバ〜第6のドライバの出力端に印加された電圧を前記遅延固定ループクロックとして出力する論理決定ドライバと
を備えることを特徴とする請求項2に記載の遅延固定ループ。
【請求項8】
遅延固定をなすために、ソースクロックと第1のフィードバッククロックとの位相を比較し、決まった時間の分、前記ソースクロックの第1のクロックエッジに対応した第1のクロックを遅延させて第1の遅延クロックとして出力する第1の位相遅延部と、
前記第1の遅延クロックに前記第1のクロックの実際の遅延条件を反映させて、前記第1のフィードバッククロックとして出力する第1の遅延複製モデル部と、
遅延固定をなすために、前記ソースクロックと第2のフィードバッククロックとの位相を比較し、決まった時間の分、前記ソースクロックの第2のクロックエッジに対応した第2のクロックを遅延させて第2の遅延クロックとして出力する第2の位相遅延部と、
前記第2の遅延クロックに前記第2のクロックの実際の遅延条件を反映させて、前記第2のフィードバッククロックとして出力する第2の遅延複製モデル部と、
前記第1の遅延クロックと前記第2の遅延クロックとの位相差を検出して加重値選択信号を出力する位相検出部と、
前記第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの遅延固定時点から予定された期間に獲得した前記加重値選択信号を格納する加重値格納部と、
該加重値格納部に格納された加重値選択信号に対応する加重値を反映し、前記第1の遅延クロックの位相と第2の遅延クロックの位相とを混合して遅延固定ループクロックとして出力する位相混合部と
を備えることを特徴とする遅延固定ループ。
【請求項9】
前記位相混合部は、
前記格納された加重値選択信号に応答して、前記第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの混合比率を制御するための混合制御信号を生成する混合制御部と、
前記混合制御信号に対応する混合比率で、前記第1の遅延クロックの位相と前記第2の遅延クロックの位相とを混合して、前記遅延固定ループクロックとして出力するDCC位相混合部と、
該DCC位相混合部と同じ構成を有するが、実際には動作しないダミーDCC位相混合部と
を備えることを特徴とする請求項8に記載の遅延固定ループ。
【請求項10】
前記遅延固定ループクロックの位相をスプリットして、第1の位相スプリットクロック及び第2の位相スプリットクロックを生成する位相スプリット部と、
該位相スプリット部と同じ構成を有するが、実際には動作しないダミー位相スプリット部と
を更に備えることを特徴とする請求項8に記載の遅延固定ループ。
【請求項11】
前記加重値格納部は、
前記第1の遅延クロックの遅延固定可否に対応する第1の遅延固定信号、及び前記第2の遅延クロックの遅延固定可否に対応する第2の遅延固定信号に応答して、遅延固定イネーブル信号の論理レベルを決定する遅延固定イネーブル信号生成部と、
前記遅延固定イネーブル信号に応答して、前記予定された期間に対応するアクティブ期間を有する加重値選択パルスを生成する加重値選択パルス生成部と、
前記加重値選択パルスのアクティブ期間で入力される前記加重値選択信号を格納し、前記加重値選択パルスの非アクティブ期間で入力される前記加重値選択信号を格納しない加重値選択信号格納部と
を備えることを特徴とする請求項8に記載の遅延固定ループ。
【請求項12】
前記加重値選択パルス生成部は、
前記遅延固定イネーブル信号を受信して、予定された時間の分遅延させて出力し、その位相を反転させて出力する遅延反転部と、
前記遅延固定イネーブル信号と前記遅延反転部の出力信号とを受信して、前記予定された期間に対応するアクティブ期間を有する前記加重値選択パルスを出力する加重値選択パルス出力部と
を備えることを特徴とする請求項11に記載の遅延固定ループ。
【請求項13】
前記加重値選択信号格納部は、
正の制御端に印加される前記加重値選択パルスと、負の制御端に印加される前記加重値選択パルスを反転させたパルスとに応答して、入力端に印加される前記加重値選択信号が出力端に印加されることを制御する伝達ゲートと、
該伝達ゲートの出力信号をラッチすることにより、前記格納された加重値選択信号を出力するラッチと
を備えることを特徴とする請求項11に記載の遅延固定ループ。
【請求項14】
前記DCC位相混合部は、
第1の入力端に印加された前記第1の遅延クロックを、前記混合制御信号の第1の信号〜第3の信号に対応して変化する駆動力によって出力端に印加する第1のドライバ〜第3のドライバと、
第2の入力端に印加された前記第2の遅延クロックを、前記混合制御信号の第4の信号〜第6の信号に対応して変化する駆動力によって出力端に印加する第4のドライバ〜第6のドライバと、
予定された論理決定レベルを基準に、前記第1のドライバ〜第6のドライバの出力端に印加された電圧を前記遅延固定ループクロックとして出力する論理決定ドライバと
を備えることを特徴とする請求項9に記載の遅延固定ループ。
【請求項15】
遅延固定をなすために、ソースクロックの第1のクロックエッジに対応する第1の遅延クロック及び前記ソースクロックの第2のクロックエッジに対応する第2の遅延クロックを生成するステップと、
前記第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの位相差を検出して加重値選択信号を出力するステップと、
前記第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの遅延固定時点から予定された期間に獲得した前記加重値選択信号を格納するステップと、
前記格納するステップで格納された加重値選択信号に対応する加重値を反映し、前記第1の遅延クロック及び第2の遅延クロックの位相を混合して遅延固定ループクロックとして出力するステップと
を含むことを特徴とする遅延固定ループの動作方法。
【請求項16】
前記位相を混合して遅延固定ループクロックとして出力するステップは、
前記格納された加重値選択信号に応答して、第1の遅延クロックと第2の遅延クロックとの混合比率を制御する混合制御信号を生成するステップと、
該混合制御信号に対応する混合比率で、第1の遅延クロックの位相と第2の遅延クロックの位相とを混合して、前記遅延固定ループクロックとして出力するステップと
を含むことを特徴とする請求項15に記載の遅延固定ループの動作方法。
【請求項17】
前記遅延固定ループクロックの位相をスプリットして第1の位相スプリットクロック及び第2の位相スプリットクロックを生成するステップを更に含むことを特徴とする請求項15に記載の遅延固定ループの動作方法。
【請求項18】
前記加重値選択信号を格納するステップは、
前記第1の遅延クロックの遅延固定可否に対応する第1の遅延固定信号、及び前記第2の遅延クロックの遅延固定可否に対応する第2の遅延固定信号に応答して、遅延固定イネーブル信号の論理レベルを決定するステップと、
前記遅延固定イネーブル信号に応答して、前記予定された期間に対応するアクティブ期間を有する加重値選択パルスを生成するステップと、
前記加重値選択パルスのアクティブ期間で入力される前記加重値選択信号を格納するステップと、
前記加重値選択パルスの非アクティブ期間で入力される前記加重値選択信号を格納しないステップと
を含むことを特徴とする請求項15に記載の遅延固定ループの動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−118458(P2009−118458A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139684(P2008−139684)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】