説明

遊技システム

【課題】遊技者の遊技に対する興趣を高めることが可能な遊技システムを提供する。
【解決手段】遊技者は、ユーザ端末1150を利用して発行コンピュータ1300にアクセスし、登録基礎情報やオリジナルキャラクタ情報を入力する。遊技者が遊技機1500のICカードリーダ1510に会員カード1200を載置すると、ユーザIDが管理サーバ1400に送信される。管理サーバ1400は、受信したユーザIDとプレイヤ情報DBに登録されているユーザIDとを比較し、当該会員が正規会員であるか否を判断するとともに、当該会員が正規会員であると判断した場合には、該ユーザIDに対応づけて登録されている遊技機履歴情報やオリジナルキャラクタ情報を遊技機1500に返信する。遊技機1500は、受信したオリジナルキャラクタ情報や、逐次更新される遊技履歴情報に基づき、当該遊技者に固有のオリジナルキャラクタの動作等を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコ機等の遊技機を用いて運営される遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技ごとに行われる抽選に応じて図柄を変動する変動表示部(以下、リール)を備え、各リールの回転及び停止によって表示される図柄の組合せにより、入賞の成否を判定する遊技機(スロットマシンなど)が知られている。スロットマシン等の遊技機は、遊技者が所定枚数の遊技メダル(以下、単に「メダル」ともいう)を遊技機に投入してゲームを楽しむことができる。遊技に必要なメダルは、遊技ホール内に設けられたメダル貸機などで借りることができ、所望の遊技機のメダル投入口にメダルを投入することで、ゲームを開始することができる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような遊技機では、予め決められた最大許容賭け数を上限としてメダル(遊技媒体)を賭ける(いわゆる、ベットする)ことにより遊技が行われる。遊技者が1枚から3枚のメダルをメダル投入口に投入すると、その投入されたメダルが賭け数となり、賭け数に応じて1本から5本の入賞ラインが有効化される。遊技者は、スタートレバーを操作した後、リールごとに設けられた各停止ボタンを操作することで対応するリールを停止させる。かかるリールの停止により、有効化された入賞ライン上に入賞に応じた図柄の組み合わせが表示されると、入賞と判定され、入賞に応じた所定枚数のメダルが遊技者に払い出される。
【0004】
【特許文献1】特開2005−334178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記遊技機においては、遊技者に役の当選の期待感を抱かせるキャラクタによる告知演出など、遊技状態に応じた様々な演出が行われる。しかしながら、従来の遊技機においては、予め決められた内容の演出が繰り返し行われるのみであり、ストーリー性やカスタマイズ性に乏しく、遊技に慣れた遊技者などは単調な遊技に面白みを感じることができず、遊技に対する興趣が薄れてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を高めることが可能な遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る遊技システムは、役の抽選に応じて複数の図柄を表示装置に変動表示するとともに、前記図柄の停止態様に応じて遊技媒体を払い出す遊技機と、各遊技者を管理するための管理サーバとを備えた遊技システムであって、前記管理サーバは、各遊技者を識別するためのユーザIDとキャラクタ情報とを対応づけて記憶する記憶手段を備え、前記遊技機は、外部記憶媒体からユーザIDを読み取る読取手段と、読み取ったユーザIDをネットワークを介して前記管理サーバに送信する送信手段と、前記管理サーバから前記ユーザIDに対応するキャラクタ情報を受信する受信手段と、前記受信したキャラクタ情報に基づき、該遊技者のキャラクタ画像を前記表示装置に表示する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、遊技機の表示装置に、遊技者に固有のキャラクタが表示されるため、単に遊技を行うだけでなく、オリジナルキャラクタの成長等を確認することができ、臨場感に溢れた演出が実現されるとともに、様々な遊技者の遊技に対する興趣を高めることが可能となる。
【0009】
ここで、上記構成にあっては、前記遊技機は、前記遊技者の遊技履歴を履歴情報として保存・更新する更新手段をさらに備え、前記制御手段は、更新される遊技履歴情報に基づき、前記表示装置に表示される前記キャラクタ画像を制御する態様が好ましい。
【0010】
また、上記構成にあっては、前記遊技機の送信手段は、前記外部記憶媒体が取り外された場合に、前記ユーザIDとともに当該時点での前記遊技履歴情報及び前記キャラクタ情報をネットワークを介して前記管理サーバに送信し、前記管理サーバの記憶手段は、各遊技者を識別するためのユーザIDとキャラクタ情報と遊技履歴情報とを対応づけて記憶し、前記管理サーバは、前記遊技機から受信したユーザIDを検索キーとして前記記憶手段を検索し、一致するユーザIDに対応づけて記憶されているキャラクタ情報および遊技履歴情報を、前記遊技機から受信したキャラクタ情報および遊技履歴情報に更新する態様が好ましい。
【0011】
さらにまた、前記外部記憶媒体は、非接触式のICカードであっても良い。ここで、「遊技機」には、特に限定は無いが、回胴式遊技機(スロットマシン)等のほか、例えばパチンコ機(第一種パチンコ機、第二種パチンコ機を含む)を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、遊技者の遊技に対する興趣を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシンを例示するが、その他の遊技機(パチンコ機(第二種、第三種等))やゲーム機にも適用可能である。
【0014】
(定義)
本明細書における用語を以下のように定義する。
「遊技」とはメダルの投入からストップスイッチの操作を経た次のメダルの投入前までの一連の動作をいう。
「通常遊技」とは、デフォルト状態のために設定された期待値で実行される「遊技」をいう。
「特別遊技」とは、「通常遊技」とは異なる「遊技」であって、「通常遊技」よりも多くのメダルを獲得させるための遊技者に有利な「遊技」をいう。
【0015】
「抽選」とは、遊技機が所定の条件(スイッチの操作状態等)になった場合に、乱数等を用いて、予め定められた期待値でコンピュータがくじを引く処理をいう。
「当選」とは、「抽選」の結果をいい、特に、コンピュータによるくじ引きで当たり等になった場合をいい、「ハズレ」を含む概念である。本実施形態では機械的に定まる「入賞」と区別して用いる。
「入賞」とは、停止したリールにより示される有効ライン上の図柄の組合せが、特定の役を示す状態となっていることをいう。
【0016】
「役」とは、抽選の結果が何らかの当選である場合をいい、「小役」、「特別役」、「リプレイ」を含む。
「小役」とは、「入賞役」ともいい、その小役の種類に応じた枚数のメダルを遊技者に払い出すための役である。
「特別役」とは、「通常遊技」から「特別遊技」に移行させるための役であり、一種BB(第一種ビッグボーナス役)、RB(第一種特別役物)、SRB(シフトRB)、二種BB(第二種ビッグボーナス役)、CB(第二種特別役物・チャレンジボーナス役)、SB(普通役物・シングルボーナス役)等を含む。
「リプレイ」とは、再遊技役であり、前回の遊技で投入されたメダル枚数を維持したまま再遊技を行う権利を与えるための役である。
「有効ライン」とは、停止した図柄の並びを便宜上示すもので、有効ライン上に並んだ図柄の組合せによって特定の「役」であるか「ハズレ」であるかを示すものである。複数の「有効ライン」が設定されている場合には、それらをまとめて「有効ライン群」という。
【0017】
(基本構成)
図1は、本実施形態に係る遊技システム1000の概略構成を示す図である。
遊技システム1000は、遊技用記録媒体(外部記憶媒体)である会員カード1200の発行を行う発行コンピュータ1300と、会員となった遊技者に付与されるユニークなID(以下、ユーザID)や、該遊技者の遊技履歴情報、さらには該遊技者が選択、作成するオリジナルキャラクタ(例えば、アバター;インターネットコミュニティ上で利用される自分の分身となるキャラクタなど)をあらわすオリジナルキャラクタ情報を管理する管理サーバ1400と、カードリーダ式の遊技機(以下、単に「遊技機」と略称)1500とを備えて構成される。
【0018】
会員カード1200は、遊技者がユーザ端末1150を利用してネットワーク(例えばインターネット)NWを介して発行コンピュータ1300にアクセスし、所定の手続を行うことで発行される。本実施形態では、ユーザ端末1150として各遊技者が所有するコンピュータや、遊技店などに設置されているコンピュータなどを想定するが、ネットワークNWを介して発行コンピュータ1300にアクセス可能なあらゆる端末に適用可能である。
【0019】
ここで、会員登録を所望する遊技者は、ユーザ端末1150を利用して会員登録に必要な登録基礎情報(例えば、名前や性別、生年月日、住所、電話番号、電子メールアドレスなど)を入力するとともに、自身に固有のオリジナルキャラクタ(例えばアバターなど)を作成するべく、該オリジナルキャラクタの作成に必要なオリジナルキャラクタ情報を入力する。
【0020】
かかる手続が完了すると、発行コンピュータ1300によって各遊技者に固有のユーザIDが付与され、後日、ユーザIDが登録された会員カード1200がカード発行会社(図示略)から遊技者宛てに郵送される。また、各遊技者に付与されたユーザIDとオリジナルキャラクタ情報は、ネットワークNWを経由して発行コンピュータ1300から管理サーバ1400へ送信される。管理サーバ1400は、発行コンピュータ1300から受信したユーザIDとオリジナルキャラクタ情報とを対応づけてプレイヤ情報データベース(以下、プレイヤ情報DB)に格納する。
【0021】
図2は、プレイヤ情報DB(記憶手段)の登録内容を例示した図である。
図2に示すように、プレイヤ情報DBには、ユーザIDと遊技履歴情報とオリジナルキャラクタ情報とが対応づけて登録される。ここで、遊技履歴情報やオリジナルキャラクタ情報は遊技者の遊技状態に応じて更新されるが、この点については後述する。
【0022】
図3は、会員カード1200の概略構成を示す図である。
会員カード(外部記憶媒体)1200は、非接触式のICカードであり、図3に示すようにその内部が凹状とされた樹脂製の基体1210の該凹部外周所定位置に、テープオートボンディング(TAB)実装によりその内部にメモリ(図示せず)を内蔵したICチップ1220が実装されている。この会員カード1200には、ICチップ1220から該基体1210の外周に沿うように設けられたパターンコイル1230を有するフレキシブルプリント基板1240が内挿され、基体1210の凹部全面はフィルム1250にて覆われている。
【0023】
会員カード1200を所有する遊技者は、遊技店に入店後、遊技を行う遊技機1500を選択すると、この遊技機1500に実装された(あるいは接続された)ICカードリーダ(読取手段)1510に会員カード200を載置する(図1参照)。会員カード1200がICカードリーダ1510に載置されると、ICカードリーダ1510から出力される電磁波が、会員カード1200のパターンコイル1230に誘導起電力を生じさせてICチップ1220が動作可能に付勢される。
【0024】
なお、本実施形態では、会員カード1200の内部メモリにカードを所有する遊技者を識別するためのユーザIDが記録されている場合を想定するが、これに加えて該カードに残存する遊技用価値である度数の大きさである遊技用価値情報や、各機器との相互認証を実施する際に使用される機器認証用暗号データや実際の記録データの送受信においてデータの暗号化に使用される暗号鍵データ、並びに書き換え回数データ等を記録するようにしても良い。
【0025】
遊技機1500は、遊技店において複数配置された遊技島に並設され、各遊技機1500には非接触式の会員カード1200を読み取るためのICカードリーダ1510が設けられている。ICカードリーダ1510は、所定位置に会員カード1200が載置されると、この会員カード1200からユーザIDを読み取る。ICカードリーダ1510によって読み取られたユーザIDは、ネットワークNW経由で管理サーバ1400に送信され、管理サーバ1400で正規会員であるか否かの認証に利用される(詳細は後述)。
【0026】
遊技機1500は、会員カード1200から読み取ったユーザIDと、各遊技機1500に付与されている固有のID(以下、遊技機ID)等をネットワークNW経由で管理サーバ1400に送信する外部送信機能や、管理サーバ1400のプレイヤ情報DBに登録されている遊技履歴情報等を、ネットワークNW経由で受信する外部受信機能などを有している(詳細は後述)。
【0027】
次いで、本実施形態に係る遊技機1500の構成について図面を参照しながら説明する。
図4は、遊技機1500の外観を示す正面図である。
図4に示すように、本実施形態に係る遊技機1500の筐体の前面部は、開閉自在にフロントパネル2が取り付けられている。
【0028】
筐体上部には、表示機能を有する液晶表示装置80が設けられている。液晶表示装置80は、液晶パネルを含んで構成されており、種々の演出のための画像や遊技に必要な情報を表示画面に表示可能に構成されている。但し、表示方式は液晶表示に限定されるものではなく、その他の方式、EL表示、プラズマ表示、CRT表示等種々に適用可能である。液晶表示装置80には、1つの透明な表示窓21が設けられている。表示窓21の領域には、画像を表示するための液晶や液晶を構成する部材(偏光板など)や液晶を制御する回路などが設けられておらず、光を透過するようになっており、物理的に画像表示できない領域となっている。
【0029】
筐体内部であって表示窓21を通して視認可能な位置には、3つのリール(回胴)が配置されている。正面から見て左側から、左リール22L、中リール22C、右リール22Rの順番で配置されている。
【0030】
リール22L、22Cおよび22Rは、リング状の中空構造に成形されている。リールの外周は、外周面に貼られるリールテープの幅に成形されており、外周面にはリールテープ上に印刷される図柄の形状に合わせて開口が複数設けられている。リールの内部は中空になっており、外周面から延びるフレームで回転軸が支持されている。
【0031】
リールの外周面には入賞図柄(入賞役を構成する図柄)を印刷したリールテープが各々貼られている。それぞれのリールテープには、例えば21個の図柄が等間隔で配列されて印刷されている。図柄の配列は、リールテープごとに異なるようになっている。リールテープの図柄が、リールの外周面に設けられた開口に対応するようになっている。表示窓21からは、この表示窓を通してリール22L、22C、および22Rが観察されるようになっており、各リール外周面の上下方向で連続する3つの図柄が見えるように表示窓21の大きさが設定されている。図4では、リール群22(リール22L、22Cおよび22Rのまとまりを意味する)上に示された円が、一つの図柄を示している。
【0032】
リール22L、22C、および22Rのそれぞれの回転軸には、ステッピングモータ(図示せず)が各々連結されている。このステッピングモータは、リール22L、22Cおよび22Rを任意の速度で回転させたり、任意の角度(位置)で停止させたりすることが可能になっている。各リールが回転する場合には、リール22L、22C、および22Rの図柄が表示窓21内で上下に移動しているように視認されるようになっている。
【0033】
リール22L、22C、および22Rの内側には、バックランプ(図示せず)が設けられている。バックランプはリールごとに3個ずつ配置されており、リールが停止した時に表示窓21から見える総計で9個の図柄に対して、リール外周面の開口を通して光を照射するようになっている。
【0034】
図4に示す表示窓21上の破線は、有効ライン26a、26b、および26cからなる有効ライン群26を示すものである。有効ライン群26は、水平方向の中段の有効ライン26aと、水平方向の上段および下段の2本の有効ライン26bと、右下がりおよび左下がりの斜め方向の2本の有効ライン26cとから構成されている。そして、リール22L、22C、および22Rに付された図柄は、リール22L、22C、および22Rが停止した時に、表示窓21から見える9個の図柄が全てこれらの有効ライン群26上に位置するような間隔で配置されている。
【0035】
スロットマシン1の筐体の中央部において、液晶表示装置80の右下側に当たる位置には、メダル投入口43(セレクタ)が設けられている。メダル投入口43からメダルが投入されると、投入されたメダル枚数に応じて有効ライン26a、26b、および26cの1ライン乃至5ラインが有効になるように構成されている。すなわち、投入した枚数のメダルが掛け金として徴収される。投入されたメダルが1枚の場合には1つの有効ライン26aが有効になり、2枚のときは水平方向の3つの有効ライン26aおよび26bが有効になり、3枚のときはさらに加えて斜め方向の2つの有効ライン26cを含む総計で5つの有効ライン26a〜26cが有効になる。これらの制御は、後述のメインCPU(中央演算装置)11(図5参照)により行われる。例えば、3枚のメダルが投入されている場合には、リール22L、22C、および22Rが停止した時に、少なくとも1つの有効ライン26a〜26cに特定の図柄の組み合わせが停止していれば、その組み合わせに応じた役に入賞したこととなる。
【0036】
また筐体の中央部には、遊技者によって操作される各種の操作スイッチが設けられている。例えば、本実施形態では、スタートスイッチ46、ストップスイッチ群47およびベットスイッチ群44・45が設けられている。
【0037】
スタートスイッチ46は、リール22L、22Cおよび22Rの回転をスタートさせるときに遊技者が操作するスイッチ、例えばボタンやレバーである。ストップスイッチ群47は、左リール22Lを停止させるときに操作する左リールストップスイッチ47Lと、中リール22Cを停止させるときに操作する中リールストップスイッチ47Cと、右リール22Rを停止させるときに操作する右リールストップスイッチ47Rとから構成されている。これらのストップスイッチ47L、47C、および47Rは、例えばボタンとして並設されている。
【0038】
ベットスイッチ群は、遊技者がクレジット内のメダルを投入する際にベット数(賭数)を指定するスイッチ群であり、1ベット・2ベットスイッチ44およびMAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)45から構成されている。これらのベットスイッチ44および45も、例えばボタンとして配置されている。1ベット・2ベットスイッチ44が操作されると、1枚又は2枚のメダルがベットされ(ゲームの掛け額として徴収され)、MAXベットスイッチ45が操作されると、最大ベット数である3枚のメダルがベットされる。すなわち、ベットスイッチ群の操作で指定されるベット数が、クレジットとなっているメダル数から徴収され、クレジットがベット数だけ減算される。
【0039】
また、筐体の下部の中央部には、会員カード1200から識別ID等を読み取るICカードリーダ(読取手段)1510が設けられている。このICカードリーダ1510の周辺には、ICカードリーダ1510の所定位置に会員カード1200が載置されていることをあらわす載置中ランプ(図示略)などが設けられている。
【0040】
さらに、ICカードリーダ1510の下方には、メダル払出口(ホッパ装置)31が設けられ、メダル払出口31の両側には、スピーカ90(左スピーカ90Lおよび右スピーカ90R)が設けられている。遊技(ゲーム)中には、種々の演出、例えばバックランプの点灯、液晶表示装置80を用いた画像表示およびスピーカ90からの音声の出力等が行われる。
【0041】
これらの構成を有する遊技機500において実施される通常遊技の概要について、図1等を参照しながら簡単に説明する。
会員カード1200を所有する遊技者は、遊技店に入店後、遊技を行う遊技機1500を選択すると、この遊技機1500に実装されたICカードリーダ1510に会員カード1200を載置する。ICカードリーダ1510は、載置された会員カード1200からユーザIDを含む情報を取得すると、自身に付与されている遊技機IDとともにネットワークNW経由で管理サーバ1400に送信する。管理サーバ1400は、受信したユーザIDとプレイヤ情報DBに登録されているユーザIDとを比較し、当該会員が正規会員であるか否を判断(すなわち認証)するとともに、当該会員が正規会員であると判断した場合には、該ユーザIDに対応づけて登録されている遊技機履歴情報やオリジナルキャラクタ情報を取得する(図2参照)。そして、管理サーバ1400は、正規会員であるか否かをあらわす情報(以下、遊技者判別情報)とともに、取得した遊技履歴情報やオリジナルキャラクタ情報を遊技機1500に返信する。
【0042】
遊技機1500は、管理サーバ1400から返信される遊技者判別情報をもとに、当該遊技者による遊技を許可するか否かを判断する。遊技機1500は、当該遊技者による遊技を許可する場合には、メダル投入口43へのメダルの投入等を許可する一方、当該遊技者による遊技を許可しない場合には、メダル投入口43へのメダルの投入等を禁止する。
【0043】
正規会員であると判断された遊技者(別言すれば遊技が許可された遊技者)は、メダル投入口43からメダルを投入するか、ベットスイッチ群44・45を操作する。かかる操作が行われると、有効ライン26a〜26cがベット数に応じて有効化される。
【0044】
ベット数を指定した遊技者がスタートスイッチ46を操作すると、ベット数に応じた役の抽選が行われると共に、リール22L、22C、および22Rが回転し始める。そして、遊技者がストップスイッチ47L、47C、および47Rのいずれかを操作すると、操作されたボタンに応じてリール22L、22Cおよび22Rの回転が停止する。このとき、スタートスイッチ46の操作と同時に行われている役の抽選結果が当選であった場合には、有効化されている有効ライン群26上に並ぶ図柄の組み合わせが、予め定められた何らかの役の図柄の組み合わせに一致するようにリールが停止制御され、その入賞役に応じたメダルの払い出し等が行われる。
【0045】
(システム構成)
次に、遊技機1500の内部構成等のシステム構成について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る遊技機1500のシステム構成を示すブロック図である。遊技機1500の筐体内部には、メイン制御基板10、並びにこのメイン制御基板10に接続されたサブ制御基板50、リール基板20、電源装置基板30、および中央表示基板40が配置されている。
【0046】
(メイン制御基板10)
メイン制御基板10は、当該遊技機500で実施される遊技全体を制御するための基板である。メイン制御基板10には、メインCPU11、乱数発生器12、ROM13、およびRAM14、およびインタフェース回路(I/F回路)15が設けられており、これらはバスを介して互いに接続されている。
【0047】
メインCPU10は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)および実行を行う。そして、メインCPU10は、ROM13に記憶されているプログラムおよびデータ等を読み出し、これらに基づいて遊技機500全体の制御を行う。
【0048】
乱数発生器12は、役抽選のための乱数を発生させるブロックである。具体的に、乱数発生器12はクロック発生回路とカウント回路と記憶回路とを備え、電源投入時にカウント回路がクロック信号に基づいて繰り返し所定のビット数(例えば16ビット)の数値を発生させており、所定のタイミング(例えば遊技者の特定スイッチの操作)において一つの数値を記憶回路にラッチし、乱数値として出力する。
【0049】
ROM13には、メインCPU10に、後述のフローチャートに示すような抽選実行プログラム、その他の遊技の制御に必要なメイン制御プログラム、およびデータ等が記憶されている。特にROM13は、役の抽選処理に用いる役抽選テーブルやリールの停止制御に用いる停止位置決定テーブルを備える。
【0050】
RAM14は、メインCPU10が各種の制御を行う場合に用いられ、特に、役抽選処理、リール停止制御に関するデータを一時的に記憶可能に構成されている。
【0051】
I/F回路15は、メイン制御基板10と、サブ制御基板60、リール基板20、電源装置基板30、中央表示基板40、および外部通信基板90との間でコマンドを送受信するブロックである。
【0052】
(サブ制御基板50)
サブ制御基板50は、画像や音響による演出を制御するための基板であり、メイン制御基板10からのコマンドに基づいて、演出の抽選や演出に係る画像データや音響データを生成する基板である。サブ制御基板50は、大きく、演出制御基板60と、画像音響生成基板70とに分けられる。演出制御基板60は、主として演出全体を制御するための基板であり、メイン制御基板10およびランプ66と電気的に接続されている。演出制御基板60には、サブCPU61、乱数発生器61、ROM63、RAM64、I/F回路65が設けられている。画像音響生成基板70は、液晶表示装置80、スピーカ90、およびバスを介して演出制御基板60と接続されている。画像音響生成基板70は演出制御基板60によって抽選された演出に対応する画像演出および音響演出のためのデータを生成する基板である。画像音響生成基板70には、画像制御回路71、画像ROM72、ビデオRAM73、音源回路74、音源ROM75、およびアンプ76が設けられている。
【0053】
サブCPU61は、演出制御基板60上の動作を司る演算素子であり、ROM63に記憶されている演出制御プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)し、ROM63に記憶されているデータを読み出し、数値計算、情報処理、各種機器制御を行うようになっている。なお、サブCPU61の処理能力や開発言語等には、何らの制約もない。
【0054】
乱数発生器62は、演出抽選のための乱数を発生させるブロックであり、上記乱数発生器12と同様の動作により一つの乱数値を出力するよう構成されている。
【0055】
ROM63には、サブCPU61に実行させるための、後述するフローチャートに示すような演出制御プログラムおよびデータが記憶されている。特にROM63には、演出の抽選処理に用いる演出抽選テーブルが記憶されている。また、RAM63は、サブCPU61が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶可能に構成されている。
【0056】
なお、ROM63およびRAM64は、夫々ROM13およびRAM14と同一のものを用いてもよいが、これらよりも容量の大きいものを用いてもよい。また、ROM13およびRAM14やROM63およびRAM64は、いわゆるワンチップマイコンとしてメインCPU11やサブCPU61と同一チップ上に含まれたものでもよい。
【0057】
I/F回路65は、メイン制御基板10からのコマンドの受信を行う基板であり、メイン制御基板10からのコマンド受信の際に、タイミングの制御等を行う。なお、メイン制御基板10からサブ制御基板50への信号の送信は行われるが、サブ制御基板50からメイン制御基板10への信号の送信は行われない。すなわち、一方向の送信のみが可能となっている。
【0058】
画像制御回路71は、演出制御基板60からの画像演出情報に基づいて、画像ROM72に記憶されている元画像データを読み出しながら画像演出のための画像データを生成する。 画像ROM72は、画像制御回路71のための画像演出に用いるプログラムおよび画像演出のためのキャラクタ、文字および背景等の画像データを生成するための元画像データを記憶するメモリである。ビデオRAM73は、画像ROM72に格納されている画像演出に用いるプログラムおよびデータの一時的な記憶を実行するものであり、複数ページのフレーム画像を記憶可能な容量を備え、画像データROM72から読み出した元画像データ等に基づき生成された画像データがフレーム画像データとして展開されるようになっている。液晶表示装置80は、画像音響生成基板70と電気的に接続されており、画像音響生成基板70で生成された画像データを受信して画像の表示を実施するものである。
【0059】
音源回路74は、主として音響演出のための音響データを生成する。具体的に、音源回路74は、所定のチャネル数、例えば8つの音響チャネルの発音回路を備えており、音響チャネル数分のフレーズの同時再生が可能になっている。音源回路74は、演出制御基板60からの音響演出情報に基づいて音源ROM75から所定の音源データを読み出し音響信号を、右チャネル、左チャネル別に発生させる。そしてD/A変換してアナログ音響信号として出力する。アンプ76は、この左右のチャネルそれぞれのアナログ音響信号を電力増幅して出力することにより、右スピーカ90R・左スピーカ90Rからステレオ音響を送出させる。
【0060】
(リール基板20)
リール基板20は、メイン制御基板10から制御信号を入力し、左リールモータ21L、中リールモータ21C、および右リールモータ21Rに接続されている。またリール基板20は、左リールセンサ23L、中リールセンサ23C、右リールセンサ23R、外部集中端子板24、およびドアスイッチ25に接続されている。
【0061】
左リールモータ21Lは左リール22Lを回転させ、中リールモータ21Cは中リール22Cを回転させ、右リールモータ21Rは右リール22Rを回転させるためのステッピングモータであり、メイン制御基板10からの制御信号に基づいて各リールの加速・減速・強制停止が可能になっている。
【0062】
左リールセンサ23Lは左リール22Lに設けられた検出片を検出し、中リールセンサ23Cは中リール22Cに設けられた検出片を検出し、右リールセンサ23Rは右リール22Rに設けられた検出片を検出して、それぞれのリールの回転角度を表すリールセンサ信号をリール基板20経由でメイン制御基板10に出力する。
【0063】
外部集中端子板24は、メダル払出信号、メダル投入信号等の遊技情報に関する信号、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号等のセキュリティに関する信号をメイン制御基板10から受信し、遊技場で複数の遊技機を管理するホストコンピュータに出力するための基板である。
【0064】
ドアスイッチ25は、遊技機1のフロントパネル2の開閉に応じてドア開閉スイッチ信号をリール基板20経由でメイン制御基板10に出力する。
【0065】
(電源装置基板30)
電源装置基板30は、遊技機1に電源を供給するための基板である。電源装置基板30には、メイン制御基板10、ICカードリーダ1510、ホッパ装置31、リセットスイッチ32、電源スイッチ33、および設定変更有効化スイッチ34が接続されている。
【0066】
電源装置基板30は、メイン制御基板10からの指令を受け、ICカードリーダ1510に電力を供給する。ICカードリーダ(読取手段)1510は、会員カード1200が載置されたか否かを検知し、会員カード1200が載置されたことを検知すると、載置された会員カード1200からユーザIDを含む情報を取得し、I/F回路15経由で演出制御基板60に送信する。
【0067】
また、電源装置基板30は、メイン制御基板10からホッパモータ信号を受信して、ホッパ装置31に供給する。ホッパ装置31に設けられているホッパモータは、このホッパモータ信号に対応する数のメダルを払い出すようになっている。またホッパ装置31に設けられている払出センサはメダルの実際の払出を検出して払出センサ信号として電源装置基板30経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。
【0068】
リセットスイッチ32は、操作されることによりリセットボタン信号を電源装置基板30経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。このリセットボタン信号は、エラー信号の出力を停止させ、遊技機のエラー状態から復旧させるためのものである。電源スイッチ33は、遊技機全体の動作のための直流電圧を供給・遮断を切り替えるためのスイッチである。設定変更有効化スイッチ34は、操作されることにより設定変更有効化信号を電源装置基板30経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。設定変更有効化スイッチ34は設定スイッチ41における設定の変更を可能な状態にする際に操作するスイッチであり、設定変更有効化スイッチ34がオンの状態になっているときに限り、設定スイッチ41を用いた設定の変更が可能になる。
【0069】
(中央表示基板40)
中央表示基板40は、例えばフロントパネル20の裏側の中央部に取り付けられる。中央表示基板40には、設定スイッチ41、精算スイッチ42、セレクタ43、1ベット・2ベットスイッチ44、MAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)45、スタートスイッチ(レバー)46、左リールストップスイッチ(ボタン)47L、中リールストップスイッチ(ボタン)47C、および右リールストップスイッチ(ボタン)47Rが接続されている。
【0070】
設定スイッチ41は、出玉率に対応した複数の段階を設定するためのスイッチであり、メイン制御基板10は設定変更有効化スイッチ34がオン状態となっている場合に当該設定スイッチ41の設定に基づいた確立で抽選を実行するようになっている。
【0071】
精算スイッチ42は、遊技者による投入や入賞により獲得されたメダルを払い出させるためのスイッチであり、操作されることにより精算スイッチ信号を中央表示基板40経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。
【0072】
セレクタ43は、メダル投入口に設けられており、メイン制御基板10から中央表示基板40経由でブロッカ信号を受信するとメダルの投入を阻止するように機能し、メダル投入口からの正規のメダルの投入を検出すると投入センサ信号を中央表示基板40経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。また、投入されたメダルが不正なメダルである場合には、そのような不正なメダルを排除するように構成されている。
1ベット・2ベットスイッチ44は操作に応じてベットスイッチ信号を、MAXベットスイッチ45は操作に応じてMAXベットセンサ信号を、スタートスイッチ46は操作に応じてスタートスイッチセンサ信号を、それぞれ中央表示基板40経由でメイン制御基板10に出力する。各ストップスイッチ47L,47C、および47Rは、操作に応じてストップスイッチセンサ信号を中央表示基板40経由でメイン制御基板10に出力する。
【0073】
(外部通信基板90)
外部通信基板90は、ネットワークNWを介して外部機器との通信を実現するための回路基板であり、送信装置(送信手段)91と受信装置(受信手段)92とを備えて構成されている。送信装置91は、ICカードリーダ1510からI/F回路15を介して会員カード1200のユーザIDを受け取るとともに、演出制御基板60からI/F回路15を介して当該遊技機1500の遊技機IDを受け取ると、これらを含む情報をネットワークNW経由で管理サーバ1400に送信する。
【0074】
一方、受信装置92は、管理サーバ1400からネットワークNW経由で遊技者判別情報やオリジナルキャラクタ情報、遊技履歴情報を含む情報を受信し、受信したこれらの情報をI/F回路15を介して演出制御基板60に転送する。
【0075】
(遊技機1500における機能ブロック)
図6は、遊技機1500の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、遊技機1500は、メイン制御手段100、操作手段170、設定値設定手段180、ICカード読取手段、図柄表示手段190、およびサブ制御手段200、通信手段300を備えている。
【0076】
(操作手段170)
操作手段170は、遊技者によって操作されるスイッチ群およびそれらスイッチ群の操作状態の検知機能に対応した機能ブロックであり、ベット手段171、MAXベット手段172、スタート手段173、左リールストップ手段175L・中リールストップ手段175C・右リールストップ手段175Rを含む停止操作手段174を備えている。
【0077】
ベット手段171は、遊技者がメダル等の遊技媒体を投入する手段の一つであり、1ベット・2ベットスイッチ44およびその操作状態の検出・認識機能に対応している。MAXベット手段172は、遊技者がメダル等の遊技媒体を投入する手段の一つであり、MAXベットスイッチ45およびその操作状態の検出・認識機能に対応している。スタート手段173は、遊技を開始させる手段であり、スタートスイッチ46およびその操作状態の検出・認識機能に対応している。停止操作手段174は、遊技者が各リールを停止させるための操作・操作状態の検出・認識機能を有するものであり、左リールストップ手段175Lは左リールストップスイッチ47Lに、中リールストップ手段175Cは中リールストップスイッチ47Cに、右リールストップ手段175Rは右リールストップスイッチ175Rに、それぞれ対応している。
【0078】
(設定値設定手段180)
設定値設定手段180は、複数の段階の出玉率から一つを設定するための手段であり、設定値変更有効化手段181および設定手段182を備える。
【0079】
設定値変更有効化手段181は、設定値の変更を有効化させるための手段であり、設定値変更有効化スイッチ34およびそのスイッチ状態の検出・認識機能に対応している。設定手段182は、設定値を定める手段であり、設定スイッチ41の操作状態に応じた設定値を検出し、記憶させる手段である。
【0080】
(ICカード読取手段185)
ICカード読取手段(読取手段)185は、所定箇所に載置された会員カード1200からユーザIDを読み取る手段である。ICカード読取手段185によって読み取られたユーザIDは、メイン制御手段100による制御のもと、通信手段300に転送される。
【0081】
(図柄表示手段190)
図柄表示手段190は、役を構成する図柄を表示させるための手段であり、左リール駆動手段191Lおよび左リール位置検出手段192Lを有する左リール22L、中リール駆動手段191Cおよび中リール位置検出手段192Cを有する中リール22C、並びに右リール駆動手段191Rおよび右リール位置検出手段192Rを有する左リール22Rを備えて構成される。
【0082】
各リール駆動手段191L、191C、および191Rは、リール22L、22C、および22Rの加速・減速・強制停止を行う手段であり、左リールモータ21L、中リールモータ21C、および右リールモータ21R並びにそれらの駆動機能が相当している。
【0083】
各リール位置検出手段192L、192C、および192Rは、リール22L、22C、および22Rの回転位置を検出する手段であり、基準位置からの各リールの検出片の検出位置に基づいてリールの回転角度(位置)を検出する。
【0084】
(通信手段300)
通信手段(送信手段、受信手段)300は、ネットワークNWを介して外部機器との通信を実現するための手段であり、送信装置91によって実現されるネットワークNW経由での管理サーバ1400への情報送信機能、受信機装置92によって実現されるネットワーク経由での管理サーバ1400からの情報受信機能に相当する。
【0085】
(メイン制御手段100)
メイン制御手段100は、例えばメインCPU11がROM13内に記録されるプログラムを実行することにより実現される機能ブロックであり、具体的に、メイン制御手段100は、役抽選手段110、リール制御手段120、停止図柄判断手段130、払出制御手段140、特別役持ち越し手段150、および遊技状態制御手段160を備えている。
【0086】
(役抽選手段110)
役抽選手段110は、役(特別役、小役、リプレイ(継続)等)の抽選を行う機能ブロックであり、乱数発生手段111、乱数抽出手段112、乱数判定手段113、および役抽選テーブル記憶手段114を備える。なお、役抽選手段110は乱数発生器12等が相当している。
【0087】
乱数発生手段111は、役抽選のための乱数を発生させる手段であり、例えば、所定のビット数(例えば16ビット)の乱数を定期的に発生させる手段である。乱数抽出手段112は、役抽選を行うための乱数を抽出する手段であり、乱数発生手段111が発生させている乱数を所定のタイミング、例えばスタートスイッチ46の操作がされたタイミングで抽出する。乱数判定手段113は、役抽選を行うための乱数に基づいて入賞役を判定する手段であり、乱数抽出手段112により抽出された乱数に基づいて役抽選テーブル記憶手段114に記憶された役抽選テーブルを参照し、当選役を判定する。
【0088】
役抽選テーブル記憶手段114には、役抽選を行うためのデータが記憶されており、設定値設定手段180により設定された設定値に応じて、抽選される役の種類と各役の当選確率とを定めた役抽選テーブルが記憶されている。
【0089】
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、リール群22の加速・減速・強制停止を制御する手段であり、リール回転制御手段121、リール停止制御手段122、および停止位置決定テーブル123を備えている。
【0090】
リール回転制御手段121は、リールを駆動させる手段であり、スタート手段173によりリールの始動が指示されると、図柄表示手段190の左リール駆動手段191L、中リール駆動手段191C、および右リール駆動手段191Rに回転制御信号を出力してリール群22を始動させる。
【0091】
リール停止制御手段122は、リールを停止させる手段であり、停止操作手段174によりいずれかのリールの停止が指示されると、停止位置決定テーブル123を参照して停止位置を特定し、その停止位置に停止させるための停止制御信号を図柄表示手段190の左リール駆動手段191L、中リール駆動手段191C、および右リール駆動手段191Rに出力して、一定時間以内に各リールを停止させる。
【0092】
停止位置決定テーブル123は、リールの停止位置を決定するために用いるテーブルであり、役抽選手段110により出力された役の抽選結果と停止操作手段174が操作された瞬間の各リールの位置とから、リールの図柄の停止位置を定めたテーブルである。リール停止制御手段122は、この停止位置決定テーブル123を参照して停止操作手段174の操作から数コマ以内にリールの停止位置を決定する。
【0093】
(停止図柄判断手段130)
停止図柄判断手段130は、各リールが停止した時の図柄を判断する手段である。停止図柄判断手段130は、図柄表示手段190の左リール位置検出手段192L、中リール位置検出手段192C、または右リール位置検出手段192Rにより検出されたリールの停止位置を判定して、有効ライン26a〜cのいずれかに停止するリールの図柄の組合せが、予め定めたいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判定する。
【0094】
(払出制御手段140)
払出制御手段140は、入賞に係るメダルの払出を制御する手段であり、停止図柄判断手段130により有効ラインに停止する図柄がいずれかの役に対応する図柄の組合せとなっていると判断された場合に、その入賞役に応じて定まる枚数のメダルを払い出すか、または、クレジットして積算する処理を行う。入賞役が「リプレイ」である場合には、払出制御手段140は、メダルの払出等の処理をすることなく、当該遊技で投入されていたメダルの枚数を再び投入する扱いとする。
【0095】
(特別役持ち越し手段150)
特別役持ち越し手段150は、特別役に入賞した場合に当選役を持ち越す手段であり、当選した特別役に対応する図柄の組合せがいずれかの有効ライン26a〜cに停止するまで、その特別役の当選を持ち越すように制御する手段である。
【0096】
(遊技状態制御手段160)
遊技状態制御手段160は、複数の遊技状態を制御する手段であり、通常遊技制御手段161、特別遊技制御手段162、および再遊技高確率遊技制御手段163を備える。
通常遊技制御手段161は、遊技ごとの連続性を保持させないで遊技させず、通常の利益を遊技者に与えるための「通常遊技」を制御する手段である。特別遊技制御手段162は、通常遊技以上の利益を獲得することが期待できる各種の「特別遊技」を制御する手段である。再遊技高確率遊技制御手段163は、「リプレイ」等の再遊技役に当選しやすいように特別の遊技状態確立テーブルを用いた遊技を制御する手段である。
【0097】
(サブ制御手段200)
サブ制御手段200は、メイン制御手段100の出力した抽選結果に対応した演出を行う手段であり、演出制御手段210、画像音響生成手段220、認証手段230、遊技機ID格納手段235、遊技履歴更新手段240、およびオリジナルキャラクタ制御手段250を備える。
【0098】
(演出制御手段210)
演出制御手段は、メイン制御手段100の出力した抽選結果に対応した演出を決定し、その演出を実行させるための画像演出情報および音響演出情報を画像音響生成手段220に出力する機能ブロックである。これら演出情報は、所定のコマンド形式で送付してもよい。画像演出情報には、次の画像更新タイミングにどのオブジェクトを仮想三次元空間でどのような位置にどのような姿勢で配置するかを規定する情報を含んでいる。
【0099】
例えば、演出制御手段210は、スタート手段173の操作検出に応じて導入演出に係る画像演出情報および音響演出情報を出力する。また、停止操作手段174により最初の停止操作(以下「第1停止」という。)が入力されると第1停止に対応した期待度演出の、第1停止の次の停止操作(以下「第2停止」という。)が入力されると第2停止に対応した期待度演出のそれぞれに対応した画像演出情報および音響演出情報を出力する。さらに、演出制御手段210は、最後に停止操作(以下「第3停止」という。)が入力されると抽選結果に対応させて「特別役」および「小役」等の当選演出、「リプレイ」に対応したリプレイ演出、「ハズレ」に対応したハズレ演出等のそれぞれに係る画像演出情報および音響演出情報を出力する。
【0100】
(画像音響生成手段220)
画像音響生成手段220は、演出制御部210から送出される画像演出情報や遊技者の操作内容をあらわす状態コマンド等に応じて液晶表示装置80に表示する画像を制御する機能や、演出制御部210から送出される音響演出情報や遊技者の操作内容をあらわす状態コマンド等に応じてスピーカ90から出力する楽音(音響)を制御する。
【0101】
(認証手段230)
認証手段230は、管理サーバ1400からネットワークNW経由で受信される遊技者判別情報をもとに、会員登録の認証を行う。具体的には、認証手段230は、管理サーバ1400から正規会員でない旨の遊技者判別情報を受信した場合には、該遊技者による遊技を禁止するべく、操作手段170に対してメダルの投入等を禁止すべき指示を送る。一方、認証手段230は、管理サーバ1400から正規会員である旨の遊技者判別情報を受信した場合には、該遊技者による遊技を許可するべく、操作手段170に対してメダルの投入等を許可すべき指示を送る。
【0102】
(遊技機ID格納手段235)
遊技機ID格納手段235は、当該遊技機に固有の遊技機IDを格納する。遊技機ID格納手段235は、メイン制御手段100からの指令に従って、遊技機IDを通信手段300宛てに送信する。具体的には、ICカード読取手段185によって会員カード1200からユーザIDが読み取られ、該ユーザIDが通信手段300に転送されると、遊技機ID格納手段235は、格納されている遊技機IDを通信手段300に転送する。
【0103】
(遊技履歴情報更新手段240)
遊技履歴情報更新手段(更新手段)240は、メイン制御手段100から送信される役抽選手段110による役(特別役、小役、リプレイ(継続)等)の抽選結果や、当該時点までの総遊技回数、各役の当選回数などをカウントし、これらを遊技履歴情報として記憶する。
【0104】
(オリジナルキャラクタ制御手段250)
オリジナルキャラクタ制御手段(制御手段)250は、管理サーバ1400からネットワークNW経由で受信したオリジナルキャラクタ情報や、遊技履歴情報更新手段240によって逐次更新される遊技履歴情報に基づき、当該遊技者に固有のオリジナルキャラクタの動作等を制御するとともに、更新したオリジナルキャラクタ情報を記憶する。
【0105】
詳述すると、オリジナルキャラクタ制御手段250は、管理サーバ400から受信するオリジナルキャラクタ情報に基づき、該遊技者に固有のオリジナルキャラクタ(例えばアバター)を液晶表示装置80に表示する(例えば図7A参照)。さらに、オリジナルキャラクタ制御手段250は、遊技履歴情報更新手段240によって逐次更新される遊技履歴情報に基づき、当該遊技者に固有のオリジナルキャラクタの表情を変えたり、特別アイテムを装着させたりするなどして、遊技履歴をオリジナルキャラクタに反映させる制御を行う。例えば、図7A、図7B、図7Cに示すように特別役の当選回数が予め設定された回数を越える毎に、オリジナルキャラクタに装着させるアイテム(例えば鎧、剣、盾・・・など)を増やしたり、オリジナルキャラクタに装着するアイテムのランクを変える(例えば、木製の剣→鉄製の剣→・・・など)といった制御を行う。
【0106】
さらに、オリジナルキャラクタ制御手段250は、役の当選率に応じてオリジナルキャラクタの表情を変える制御を行う。例えば、役の当選率が予め設定された閾値を超えた場合には、オリジナルキャラクタの表情を笑顔にしたり、逆に、役の当選率が予め設定された閾値を下回った場合には、オリジナルキャラクタの表情を曇らせるように制御する。もちろん、これらの態様はあくまで一例であり、どのように設定するかは任意である。
【0107】
(動作の説明)
以下、フローチャートを参照しながら、本実施形態における動作を説明する。
<会員登録動作>
図8は、ユーザ端末1150と発行コンピュータ1300と管理サーバ1400による会員登録処理を示すシーケンスチャートである。
会員登録を所望する遊技者は、ネットワーク通信が可能なユーザ端末1150を利用して発行コンピュータ1300へのアクセスを試みる(ステップS10)。
【0108】
発行コンピュータ1300は、ネットワークNWを介してユーザ端末1150からアクセス要求を受け取ると、会員登録に必要な情報を入力するための入力フォーマットファイルをユーザ端末1150に返信する(ステップS20)。
【0109】
ユーザ端末1150は、入力フォーマットファイルを受信すると、これを表示画面(図示略)に表示し、遊技者に必要な情報の入力を促す。遊技者は、ユーザ端末1150のマウスやキーボードなどを利用して会員登録に必要な登録基礎情報(例えば、名前や性別、生年月日、住所、電話番号、電子メールアドレスなど)を入力するとともに、オリジナルキャラクタの作成に必要なオリジナルキャラクタ情報を入力する(ステップS30→ステップS40)。会員登録に必要な情報の入力が完了すると、ユーザ端末1150から発行コンピュータ1300に登録基礎情報およびオリジナルキャラクタ情報が送信される。
【0110】
発行コンピュータ1300は、これらの情報を受信すると、会員登録を行うべく、当該遊技者に固有のユーザIDを付与する(ステップS50)。そして、発行コンピュータ1300は、付与したユーザIDと受信したオリジナルキャラクタ情報とを対応づけて管理サーバ1400宛てに送信する(ステップS60)。
【0111】
管理サーバ1400は、発行コンピュータ1300からネットワークNW経由でユーザIDとオリジナルキャラクタ情報とを受信すると、これらを対応づけてプレイヤ情報DBに登録する(ステップS70)。
【0112】
一方、発行コンピュータ1300は、非接触式のICカードに、遊技者に付与したユーザIDを記録することで会員カード1200を発行し(ステップS80)、処理を終了する。なお、このようにして発行された会員カード1200は、後日、カード発行会社から当該遊技者宛てに郵送される。
【0113】
<ユーザ認証動作>
図9は、遊技機1500と管理サーバ1400によるユーザ認証処理を示すシーケンスチャートである。
会員カード1200を所有する遊技者は、遊技店に入店後、遊技を行う遊技機1500を選択すると、この遊技機1500に実装されたICカードリーダ1510に会員カード1200を載置する。遊技機1500のICカード読取手段185は、載置された会員カード1200からユーザIDを含む情報を取得すると(ステップS210)、メイン制御手段100の指示に従って取得したユーザIDを含む情報を通信手段300に転送する。このように、ICカード読取手段185によって会員カード200からユーザIDが読み取られ、該ユーザIDが通信手段300に転送されると、遊技機ID格納手段235は、メイン制御手段100の指示に従って格納されている遊技機IDを読み出し(ステップS220)、これを通信手段300に転送する。
【0114】
通信手段300は、ユーザIDおよび遊技機IDを含む情報を受け取ると、これらをネットワークNW経由で管理サーバ1400に送信する(ステップS240)。
管理サーバ1400は、遊技機1500から受信したユーザIDとプレイヤ情報DBに登録されているユーザIDとを比較し、当該会員が正規会員であるか等を判断する(ステップS250)。管理サーバ1400は、プレイヤ情報DBに登録されているユーザIDの中に、受信したユーザIDと一致するユーザIDが見つからない場合には(ステップS250;NO)、当該遊技者は正規会員でないと判断し、正規会員でない旨の遊技者判別情報を生成し、これを遊技機1500宛てに送信する(ステップS260)。
【0115】
一方、管理サーバ1400は、プレイヤ情報DBに登録されているユーザIDの中に、受信したユーザIDと一致するユーザIDが見つかった場合には(ステップS250;YES)、正規会員である旨の遊技者判別情報を生成するとともに、該ユーザIDを検索キーとしてプレイヤ情報DBを検索する。そして、管理サーバ1400は、該ユーザIDに対応づけて登録されている遊技履歴情報およびオリジナルキャラクタ情報を取得し(ステップS270)、正規会員である旨の遊技者判別情報と、取得した遊技履歴情報およびオリジナルキャラクタ情報を遊技機1500宛てに送信する(ステップS280)。
【0116】
遊技機1500は、管理サーバ1400から返信される遊技者判別情報をもとに、当該遊技者による遊技を許可するか否かを判断する。具体的には、遊技機1500は、当該遊技者による遊技を許可する場合には、メダル投入口43へのメダルの投入等を許可する一方、当該遊技者による遊技を許可しない場合には、メダル投入口43へのメダルの投入等を禁止し(ステップS290)、処理を終了する。
【0117】
<遊技動作>
図10は、遊技機1500における遊技処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、正規会員である遊技者が遊技を行う場合を想定する。
正規会員であると判断された遊技者(別言すれば遊技が許可された遊技者)は、メダル投入口43からメダルを投入する。遊技者によってメダルが投入されると、メダル投入数に応じてクレジット数が加算されるようになっている。ステップS101において、ベット手段171またはMAXベット手段172が操作されたか否かが判定される。ベット手段171またはMAXベット手段172が操作されると(YES)、ステップS102に移行し、ベット手段171またはMAXベット手段172は対応するベット数のクレジット減算処理を実行する。ベット手段171が操作されると、1枚又は2枚のメダルがクレジットとなっているメダル数から減算され、1枚または2枚のメダルが当該ゲームにベット(ゲームの掛け額として徴収)されたことになる。MAXベット手段172が操作されると、最大ベット数である3枚のメダルがクレジットとなっているメダル数から減算され、3枚のメダルが当該ゲームにベット(ゲームの掛け額として徴収)されたことになる。次いでステップS103に移行し、操作手段170は、サブ制御手段200の演出制御手段210にベット操作がされた旨のベット情報にクレジット数を含めて送信する。なお、ステップS101において、ベット手段171またはMAXベット手段172が操作されなかった場合は(NO)、ステップS104に移行する。
【0118】
ステップS104において、ベット数を指定した遊技者がスタート手段173を操作したか否かが判定される。スタート手段173が操作されていると(YES)、メイン制御手段100の役抽選手段110は、ステップS105において役の抽選処理を行う。すなわち、乱数発生手段111が発生させている乱数を乱数抽出手段112が一つだけ抽出し、乱数判定手段113が役抽選テーブル記憶手段114を参照しながら入賞役を決定する。
【0119】
また、リール制御手段120は、リール22の回転を開始させるように制御する。すなわち、リール回転制御手段121は、総てのリール22L、22C、および22Rについて、図柄表示手段190のリール駆動手段191を制御して、リールの回転を開始させる。
【0120】
次いで、ステップS106において、役抽選手段110は、抽選結果を抽選結果情報として演出制御手段210に送信する。なお、ステップS103において、遊技者によりスタート手段173が操作されなかった場合は(NO)、ステップS107に移行する。
【0121】
ステップS107において、停止操作手段174は、いずれかのストップ手段175L、175C、または175Rが操作されたか否かを判定する。判定の結果、何れか1つのストップ手段175が操作されると(YES)、リール制御手段120は、ステップS108に移行し、当選役が入賞可能となるようなリール制御を行って、操作されたストップ手段175に対応するリール22の回転を停止させるようとする。すなわち、リール停止制御手段122は、対応するリール位置検出手段192からの検出信号に基づいて、対応するリール駆動手段191を制御して、入賞役に応じて決定した図柄の組合せとなるように、対応するリール22の回転を停止させる。最終的に停止した時のリールの位置が検出され記録される。遊技者の操作タイミングに応じて停止させることのできるリールの図柄は変動しうる。
【0122】
次いでステップS109に移行し、リール停止制御手段122は、ストップ手段175のいずれかが操作される度に、対応するストップ手段が押下された旨の操作情報をサブ制御手段200に送信する。スタート手段173の操作後、最初に操作されたストップ手段に対しては第1停止が操作された旨、2番目に操作されたストップ手段に対しては第2停止が操作された旨、最後に操作されたストップ手段に対しては第3停止が操作された旨がそれぞれ通知される。
【0123】
なお、ステップS107において、遊技者によりストップ手段が操作されなかった場合は(NO)、ステップS110に移行する。
【0124】
ステップS110において、停止図柄判断手段130は総てのリールが停止したか(第3停止であるか)否かを判定する。全リールが未だ停止していない場合には(NO)、一旦当該処理を抜ける。
【0125】
リールの引き込み動作が行われ総てのリールの回動が停止したと判断できたら(YES)、停止図柄判断手段130は、ステップS111に移行し、有効化された有効ライン26a〜c上に並んでいる図柄の組合せに基づいて入賞の有無を判断する。すなわち、スタート手段173の操作と同時に行われた乱数判定手段113の役の抽選結果が入賞であり、最終的にリールの引き込み動作により有効ライン群22上に並んで静止した図柄の組み合わせが入賞しているか否かが判断される。この結果、何らかの入賞ある場合には(YES)、入賞した役に対応する入賞処理が実行される(ステップS112)。
【0126】
例えば、「通常遊技」である場合、通常遊技制御手段161は、払出制御手段140に対し入賞役に応じたメダルを払い出すよう制御する。また「特別役」に入賞した場合には、特別役持ち越し手段150は、当選した特別役に対応する図柄の組合せがいずれかの有効ライン26a〜cに停止するまで、その特別役の当選を持ち越すように制御する。特別遊技制御手段162は、「特別役」に入賞したことを検出した場合には、通常遊技以上の利益を獲得することが期待できる各種の「特別遊技」を実行させる。また「再遊技役」に入賞したことを検出した場合には、通常遊技制御手段161は現在のゲームと同じクレジット数で再遊技をさせるよう制御する。
【0127】
ステップS113において、遊技状態制御手段160は、入賞役を含んだ当選情報をサブ制御手段200に送信する。特別役や小役に入賞している場合には該当する入賞役に「当選」したものとして、「リプレイ」に入賞している場合には再遊技役に「当選」したものとして、入賞しなかった場合には「ハズレ」に当選したものとして、当選情報が生成される。サブ制御手段200の演出制御手段210は、メイン制御手段100から送信される抽選結果情報、操作情報、当選情報等に基づき演出制御を行う一方(ステップS114)、遊技履歴更新手段240は、これら抽選結果情報、操作情報、当選情報等に基づき当該遊技者の遊技履歴情報を逐次更新していく(ステップS115)。
【0128】
さらに、オリジナルキャラクタ制御手段250は、更新される遊技履歴情報などに基づき、オリジナルキャラクタの更新タイミングが到来したか否かを判断する(ステップS116)。一例を挙げて説明すると、オリジナルキャラクタ制御手段250は、特別役の当選回数が予め設定された回数を越えたか否か、または役の当選率が予め設定された当選率を超えたか否かを判断し、かかる判断結果に基づきオリジナルキャラクタの更新タイミングが到来したか否かを判断する。例えば、オリジナルキャラクタ制御手段250は、特別役の当選回数が予め設定された回数を越えたと判断すると、オリジナルキャラクタに装着させるアイテムを増やしていく(例えば鎧、剣、・・・など)、あるいは装着するアイテムのランクを変えていく(例えば、木製の剣→鉄製の剣→・・・など)、といった制御を行う(ステップS117;図7A〜図7C参照)。また、オリジナルキャラクタ制御手段250は、役の当選率が予め設定された当選率(閾値)を超えたと判断すると、オリジナルキャラクタの表情を笑顔にする、といった制御を行う(ステップS117)。このようにして、オリジナルキャラクタ制御手段250は、オリジナルキャラクタの動作等を制御するとともに、更新したオリジナルキャラクタ情報を記憶し(ステップS118)、処理を終了する。
【0129】
<遊技終了動作>
図11は、遊技機1500と管理サーバ1400による遊技終了処理を示すシーケンスチャートである。
遊技を終了する際、遊技者は会員カード1200をICカードリーダ1510から取り外す。遊技機1500は、会員カード1200の取り外しを検知すると(ステップS300;YES)、ICカード読取手段185は、これまでICカードリーダ1510に載置されていた会員カード1200のユーザIDを通信手段300に転送する(ステップS310)。また、遊技機ID格納手段235は、メイン制御手段100の指示に従って格納されている遊技機IDを読み出し(ステップS320)、これを通信手段300に転送する。さらに、遊技履歴情報更新手段240およびオリジナルキャラクタ制御手段250は、当該時点で保持している最新の遊技履歴情報およびオリジナルキャラクタ情報を通信手段に転送する(ステップS330)。
【0130】
通信手段300は、ユーザID、遊技機ID、遊技履歴情報およびオリジナルキャラクタ情報を含む情報を受け取ると、これらをネットワークNW経由で管理サーバ1400に送信する(ステップS340)。
管理サーバ1400は、ネットワークNWを介して遊技機1500から情報を受け取ると、該情報に含まれるユーザIDを検索キーとしてプレイヤ情報DBを検索する。そして、管理サーバ1400は一致するユーザIDを見つけると、このユーザIDに対応づけて登録されている遊技履歴情報およびオリジナルキャラクタ情報を、遊技機1500から受信した最新の遊技履歴情報およびオリジナルキャラクタ情報に更新し(ステップS350)、処理を終了する。
【0131】
以上説明したように、本実施形態によれば、遊技者に固有のオリジナルキャラクタが表示されるとともに、遊技者の遊技履歴(特別役の当選回数など)に応じて該オリジナルキャラクタの動作等が制御されるため、単に遊技を行うだけでなく、オリジナルキャラクタの成長等を確認することができ、臨場感に溢れた演出が実現されるとともに、様々な遊技者の遊技に対する興趣を高めることが可能となる。
【0132】
なお、上述した実施形態では、遊技機としてスロットマシンを例示したが、パチンコ機に適用可能である。さらに遊技機の枠を超えて、種々のゲーム装置やシミュレーション装置に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技システムの構成を示すブロック図
【図2】プレイヤ情報DBの登録内容を例示した図
【図3】会員カードの構成を示す図
【図4】遊技機のシステム構成を示すブロック図
【図5】遊技機の機能ブロック図
【図6】遊技機の詳細な機能ブロック図
【図7A】オリジナルキャラクタの画像例
【図7B】オリジナルキャラクタの画像例
【図7C】オリジナルキャラクタの画像例
【図8】会員登録処理を示すシーケンスチャート
【図9】ユーザ認証処理を示すシーケンスチャート
【図10】遊技処理を示すフローチャート
【図11】遊技終了処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0134】
1000 遊技システム
1150 ユーザ端末
1200 会員カード
1300 発行コンピュータ
1400 管理サーバ
1500 遊技機
1510 ICカードリーダ
10 メイン制御基板
50 サブ制御基板
60 演出制御基板
70 画像音響生成基板
80 液晶表示装置
90 外部通信基板
91 送信装置
92 受信装置
100 メイン制御手段
170 操作手段
180 設定値設定手段
185 ICカード読取手段
190 図柄表示手段
200 サブ制御手段
210 演出制御手段
220 画像音響生成手段
230 認証手段
235 遊技機ID格納手段
240 遊技履歴更新手段
250 オリジナルキャラクタ制御手段
300 通信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
役の抽選に応じて複数の図柄を表示装置に変動表示するとともに、前記図柄の停止態様に応じて遊技媒体を払い出す遊技機と、各遊技者を管理するための管理サーバとを備えた遊技システムであって、
前記管理サーバは、
各遊技者を識別するためのユーザIDとキャラクタ情報とを対応づけて記憶する記憶手段を備え、
前記遊技機は、
外部記憶媒体からユーザIDを読み取る読取手段と、
読み取ったユーザIDをネットワークを介して前記管理サーバに送信する送信手段と、
前記管理サーバから前記ユーザIDに対応するキャラクタ情報を受信する受信手段と、
前記受信したキャラクタ情報に基づき、該遊技者のキャラクタ画像を前記表示装置に表示する制御手段と
を備えることを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記遊技機は、
前記遊技者の遊技履歴を履歴情報として保存・更新する更新手段をさらに備え、
前記制御手段は、
更新される遊技履歴情報に基づき、前記表示装置に表示される前記キャラクタ画像を制御することを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記遊技機の送信手段は、
前記外部記憶媒体が取り外された場合に、前記ユーザIDとともに当該時点での前記遊技履歴情報及び前記キャラクタ情報をネットワークを介して前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバの記憶手段は、
各遊技者を識別するためのユーザIDとキャラクタ情報と遊技履歴情報とを対応づけて記憶し、
前記管理サーバは、
前記遊技機から受信したユーザIDを検索キーとして前記記憶手段を検索し、一致するユーザIDに対応づけて記憶されているキャラクタ情報および遊技履歴情報を、前記遊技機から受信したキャラクタ情報および遊技履歴情報に更新することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記外部記憶媒体は、非接触式のICカードであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載の遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−285252(P2009−285252A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142031(P2008−142031)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】