説明

遊技台

【課題】エラー音としての認識が可能な音でありながら、遊技者を不快にさせる音ではないエラー音を出力する遊技台を提供する。
【解決手段】エラーに対するエラー音を、エラー解除操作を受け付けるまで繰り返し出力するエラー音出力手段を備えた遊技台において、エラー音出力手段が、特定のエラーとなった場合に、一の音色からなる第1エラー音を出力する第1出力期間と、複数の音色からなる第2エラー音を出力する第2出力期間とを有し、前記第2出力期間は前記第1出力期間よりも長い期間である、特定エラー音を出力するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコに代表される遊技台において、特に、エラーに対するエラー音を、エラー解除操作を受け付けるまで繰り返し出力するエラー音出力手段を備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットマシンやパチンコに代表される遊技台では、エラーの発生を店員に知らせるために、エラー音を出力するようになっている。このエラー音は、店員に気付かれる態様で出力されることが好ましく、したがって、エラー音が他の演出音とは異なることを印象付ける音となるような工夫、例えば、短周期・単一電子音を繰り返し出力するような工夫がなされている。また、例えば特許文献1に開示されているように、遊技の進行状況に応じた演出音(効果音)の音量が小さくなる調整がされていても、エラー音は最大音量で出力し、エラー音を目立たせる遊技台も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−34354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、エラーの発生に気付いた店員が他の作業をしている最中であれば、すぐにエラーの解除操作ができない場合がある。その間、遊技者は出力されているエラー音を聞き続けなければならず、不快な印象を与える。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、エラー音としての認識が可能な音でありながら、遊技者を不快にさせる音ではないエラー音を出力する遊技台を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技台は、エラーに対するエラー音を、エラー解除操作を受け付けるまで繰り返し出力するエラー音出力手段を備えた遊技台であって、前記エラー音出力手段は、特定のエラーとなった場合に、一の音色からなる第1エラー音を出力する第1出力期間と、複数の音色からなる第2エラー音を出力する第2出力期間とを有し、前記第2出力期間は前記第1出力期間よりも長い期間である、特定エラー音を出力することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遊技台によれば、エラー音の出力があったことを店員等が認識することができるとともに、エラー音の出力で遊技者を不快にさせることもないという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の前面扉を開けた状態のスロットマシンを示す正面図である。
【図3】本発明のメダルセレクタの分解斜視図である。
【図4】本発明のメダルセレクタの斜視図である。
【図5】本発明の主制御部、第1副制御部および第2副制御部を示すブロック図である。
【図6】本発明の主制御部が実行するメイン処理のフローチャートである。
【図7】(a)は本発明の主制御部が実行するメダル投入・スタート操作受付処理のフローチャートであり、(b)は本発明の主制御部が実行するエラー検出確認処理のフローチャートであり、(c)はエラーの種類とその検出方法を示すテーブルである。
【図8】(a)は正常にメダルが投入された場合の第1〜第3のメダルセンサの電気信号の波形であり、(b)はメダルの投入において通過異常エラーが生じている場合の第1〜第3のメダルセンサの電気信号の波形であり、(c)はメダルの滞留エラーが生じている場合の第1〜第3のメダルセンサの電気信号の波形である。
【図9】(a)は本発明の主制御部が実行するエラー処理のフローチャートであり、(b)はエラーの種類とその解除条件を示すテーブルである。
【図10】(a)は本発明の第1副制御部が実行するメイン処理のフローチャートであり、(b)は本発明の第1副制御部が実行するコマンド受信割込処理のフローチャートであり、(c)は本発明の第1副制御部が実行するタイマ割込処理のフローチャートである。
【図11】本発明の音源ICの処理を説明する図であって、(a)は第1副制御部が主制御部から受信するコマンドと音源ICに出力するコマンドとの対応関係を定めたテーブルを示し、(b)は音源ICの受信コマンドと出力音番号との対応関係を定めたテーブルと、上記出力音番号と音データとの対応関係を定めたテーブルを示し、(c)は第1副制御部のCPUと音源ICの処理の流れを示している。
【図12】本発明のメダル通過異常エラーが発生した場合に出力するエラー音を示す図である。
【図13】(a)は本発明のメダル滞留エラーが発生した場合に出力するエラー音を示す図であり、(b)は実際に出力されたエラー音の波形を示す図である。
【図14】本発明を創作するに際して実験した実験結果を示す図であり、(a)はエラー発生から扉キー左回し操作検出までの経過時間の実験結果を示し、(b)はエラー発生からリセットスイッチ操作検出までの経過時間の実験結果を示している。
【図15】本発明のメダル通過異常エラーが発生した場合に出力するエラー音の変形例を示す図である。
【図16】(a)および(b)はともに、本発明のメダル滞留エラーが発生した場合に出力するエラー音の変形例を示す図である。
【図17】本発明のメダル滞留エラーが発生した場合に出力するエラー音の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るスロットマシン(遊技台)について詳細に説明する。
【0010】
<全体構成>
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄(図示省略)が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0011】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0012】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0013】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ライン114として有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
【0014】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0015】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0016】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0017】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0018】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0019】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0020】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0021】
音孔180は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0022】
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
【0023】
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
【0024】
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード264を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード263が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
【0025】
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ600、このメダルセレクタ600が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔180に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
【0026】
<メダルセレクタ>
次に、メダルセレクタ600の詳細について、図3および図4を用いて説明する。
【0027】
メダルセレクタ600は、前面扉102の背面に取り付けられており、メダル投入口141から投入されたメダルが転動しながら通過するメダル通路を形成するとともに、正規のメダルよりも小径のメダルをメダル通路の一方側方に脱落させることにより正規のメダルを選別し、正規のメダルの通過を検出する。なお、上流側、下流側とはメダルが転動しながら流れる方向を基準とし、メダル投入口141側が上流側である。
【0028】
メダルセレクタ600は、セレクタベース610と、ガイド部材620と、フロントカバー630と、アクチュエータ650と、メダル引戻防止部材660と、付勢部材670と、第1〜第3のメダルセンサ681〜683と、を備える。メダル投入口141に投入されたメダルは、まず、セレクタベース610とガイド部材620とにより形成される導入口601に導入され、セレクタベース610に形成された排出口615から排出される。
【0029】
セレクタベース610は、通路壁611を備える。通路壁611は、通過するメダルの側面と周面のうち、側面に面する通路壁の一方を形成する。通路壁611には、メダル通路の幅方向に互いに離間し、メダルの通過方向に延びる複数条のリブ611aと、メダル通路の幅方向に互いに離間し、メダルの通過方向に延びる複数のスリット611bと、が形成されている。スリット611bはリブ611aの間に形成されている。リブ611aを設けたことにより、通過するメダルの側面と接する面積が小さくなり、メダルをより円滑に移動させることができる。
【0030】
通路壁611の下流側には、メダル通路の底部BTおよび当接部614が形成されている。底部BTにはメダルの周面が転動しながら接し、当接部614はメダルの側面に当接する。底部BTの一部は可動底部612により形成されている。可動底部612は、セレクタベース610に設けた可動機構(図示省略)により底部BTの他の部分からずれた位置に移動可能にされており、アクチュエータ650により駆動されて、メダル投入禁止時等において作動するメダルブロッカを構成している。
【0031】
つまり、メダル投入禁止時等において、アクチュエータ650の作動により可動底部612は可動し、これにより底部BTを部分的に非連続なものとして、底部BT上に転動するメダルをメダル通路の一方側方(フロントカバー630側)に脱落するようにしている。メダルブロッカの構成としては、このようにメダル通路の構成部分の一部を可動とする構成のほかに、メダル通路の側方から出没・退避する部材をアクチュエータで駆動する構成でもよい。
【0032】
当接部614は、セレクタベース610の正面側に突出してメダルの流れ方向に形成されており、後述するガイド部材620と共に正規のメダルの脱落を防止するスリットを形成する。セレクタベース610は、フック形状の一対の軸受部613を備える。この軸受部613にはシャフト(ピボットシャフト)640が着脱自在に装着される。排出口615は底部BTの下流端に形成されており、メダルセレクタ600を通過するメダルはこの排出口615から排出され、不図示の案内部材により、メダルを貯留するホッパー装置(図示省略)に導かれることになる。
【0033】
アクチュエータ650は、電磁ソレノイドを有するアクチュエータであり、セレクタベース610の背面側に取り付けられる。第1メダルセンサ681および第2メダルセンサ682はそれぞれ、セレクタベース610に支持され、そのスリット(図示略)を通過するメダルの通過を検出する光センサであるが、光センサ以外のセンサを利用可能である。本実施形態では、相対的に上流側に第1メダルセンサ681、下流側に第2メダルセンサ682が配置され、主制御部300が、これら2個の第1、第2メダルセンサ681,682の検出結果に基づいてメダルの正常投入を判定する。なお、コネクタ685には電気配線が接続される。
【0034】
フロントカバー630は、セレクタベース610の通路壁611に対向する通路壁631を備える。通路壁611および631によりメダル通路の厚み方向に離間した通路壁が形成され、これらの間をメダルが通過する。通路壁631にも、メダル通路の幅方向に互いに離間し、メダルの通過方向に延びる複数条のリブが形成されており、メダルとの摩擦を低下させる。
【0035】
フロントカバー630は、シャフト640の両端部がそれぞれ嵌合する一対の嵌合部632を有する。シャフト640には、スプリング(トーションばね)641が装填されており、シャフト640が嵌合部632に嵌合された状態で、シャフト640を軸受部613に装着することで、フロントカバー630をセレクタベース610に取り付けることができる。セレクタベース610に取り付けられた状態においてフロントカバー630はシャフト640の軸回りに開閉自在とされているが、スプリング641により常時閉方向に付勢されている。
【0036】
フロントカバー630の正面側にはつまみ部634が形成されている。このつまみ部634を利用することで、フロントカバー630の開閉作業や、セレクタベース610との着脱作業を容易化することができる。フロントカバー630はまた、第1メダルセンサ681および第2メダルセンサ682を覆うカバー部633を備える。カバー部633は、第1メダルセンサ681および第2メダルセンサ682の正面側を覆うとともに、第1メダルセンサ681および第2メダルセンサ682の上面側を覆う天井部233aを有する。この天井部633aにより第1メダルセンサ681および第2メダルセンサ682のコネクタ685が覆われるので、コネクタ685に対する不正器具の侵入等を防止することができる。本実施形態では、このようにフロントカバー630が第1メダルセンサ681および第2メダルセンサ682の保護機能を有している。
【0037】
ガイド部材620は、例えば、金属製の板材を曲折して形成され、取付部621と、スリット形成部622と、を備える。取付部621には複数の取付孔が形成されており、セレクタベース610の取付軸がこれに嵌合することで、ガイド部材620がセレクタベース610に固定される。
【0038】
スリット形成部622は、セレクタベース610の当接部614と共に正規メダルの上部が通過するスリットを形成する。このスリットは、正規メダルの上部の僅かな部分のみが挿入されるように、底部BTから正規メダルの直径に応じた距離だけ離間した位置に形成され、正規メダルよりも小径のメダルは挿入されない位置に形成される。
【0039】
したがって、小径メダルは、スリット形成部622および当接部614に支持されず、側方に傾倒してメダルセレクタ600から脱落することになり正規メダルと小径メダルとが選別される。正規メダルはスリット形成部622と当接部614とに支持されることで、第1メダルセンサ681および第2メダルセンサ682に到達し、その通過が検出されることになる。
【0040】
メダル引戻防止部材660は、セレクタベース610の背面側に枢着される。付勢部材670、メダル引戻防止部材660を常時一方向に付勢する。本実施形態の場合、付勢部材670はトーションばねであるが、メダル引戻防止部材660を付勢可能な部材であれば何でもよい。
【0041】
メダル引戻防止部材660は、通路壁611に形成された各スリット611bに対応した進退部661aを複数備えている。各進退部661aは回動することで、対応するスリット611bを貫通してメダル通路の厚み方向に進退する。付勢部材670は、進退部661aをメダル通路内へ進入する方向に常時付勢している。
【0042】
メダル通過時は、メダルの自重により付勢部材670の付勢に抗して進退部661aがメダル通路から退避し、メダルが進退部661a上を通過し終えると、付勢部材670の付勢により進退部661aが進入状態に復帰する。このとき、メダルを例えば釣り糸等で引き上げようとしても、メダルは進退部661aに阻まれるので、不正行為によるメダルの引き戻しを抑制することができる。
【0043】
第3メダルセンサ683は、第1メダルセンサ681および第2メダルセンサ682と同様に、自身のスリットを通過する物体を検出可能に構成された透過型の光センサである。第3メダルセンサ683は具体的には、自身のスリット内に、例えば進退部661aに設けられた被検出片(図示略)を検出することで、メダル引戻防止部材660の回動位置を検出し、その結果、メダルの通過を検出する。
【0044】
<制御部>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0045】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0046】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0047】
主制御部300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0048】
また、主制御部300には、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)および第1〜第3のメダルセンサ681〜683の状態を監視している。
【0049】
なお、センサ回路320がスタートレバー135センサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0050】
スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0051】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0052】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0053】
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ600に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
【0054】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0055】
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0056】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0057】
<第1副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
【0058】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0059】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このS−ROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0060】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
【0061】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。
【0062】
<第2副制御部>
第2副制御部500は、演出表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0063】
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
【0064】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0065】
また、第2副制御部500には、シャッタ163のステッピングモータ(図示省略)を駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータに駆動信号を出力する。
【0066】
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538の状態を監視している。
【0067】
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出表示装置157に画像を表示する。
【0068】
<主制御部メイン処理>
図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図5に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0069】
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0070】
ステップS103では、メダル投入・スタート操作受付処理を実行する。このメダル投入・スタート操作受付処理の詳細については後述する。処理の実行後は、ステップS105へ進む。
【0071】
ステップS105では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
【0072】
ステップS107では、乱数値生成回路316で発生させた乱数値を取得する。
【0073】
ステップS109では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS107で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。
【0074】
ステップS111では、内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
【0075】
ステップS113では、全リール110乃至112の回転を開始させる。
【0076】
ステップS115では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップS111で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップS117へ進む。
【0077】
ステップS117では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。
【0078】
ステップS119では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
【0079】
ステップS121では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。以上により1ゲームが終了する。以降、ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0080】
<メダル投入・スタート操作受付処理>
次に、図7(a)を用いて、メイン処理のステップS103で実行するメダル投入・スタート操作受付処理の詳細について説明する。
【0081】
まず、ステップS201では、現在の遊技状態に応じて、1ゲームの遊技に必要なメダル投入枚数(必要枚数)を設定する。設定後は、ステップS203に進む。
【0082】
ステップS203では、エラー検出確認処理を実行する。このエラー検出確認処理の詳細については後述する。処理の実行後は、ステップS205に進む。
【0083】
ステップS205では、精算ボタン処理を実行し、処理の実行後は、ステップS207に進む。具体的には、精算ボタン134の操作の有無を確認し、精算ボタン134の操作があった場合にはメダルの精算処理を行い、その後にステップS207に進む。一方、精算ボタン134の操作がない場合には、そのままステップS207に進む。
【0084】
ステップS207では、ステップS201で設定された必要枚数のメダルの投入があったか否かを判定する。必要枚数のメダルの投入があればステップS209に進み、そうでなければステップS203に戻る。
【0085】
ステップS209では、メダル投入コマンドを第1副制御部400に送信する。その後、ステップS211に進む。
【0086】
ステップS211では、スタートレバー135センサの検出結果に基づき、スタートレバー135の操作を受け付けたか否かを判定する。スタートレバー135の操作を受け付ければこのメダル投入・スタート操作受付処理を終了し、そうでなければステップS203に戻る。
【0087】
<エラー検出確認処理>
次に、図7(b)を用いて、メダル投入・スタート操作受付処理のステップS203で実行するエラー検出確認処理の詳細について説明する。
【0088】
まず、ステップS221では、第1〜第3のメダルセンサ681〜683によるメダルの検知結果を確認する。具体的には、第1〜第3のメダルセンサ681〜683がメダルを検知したときに出力する電気信号を確認し、確認結果をRAM308の所定領域に記憶し、ステップS223に進む。
【0089】
ステップS223では、ステップS221で記憶した結果に基づき、後述するエラーが検出されたか否かを判定する。エラーが検出されればステップS225に進み、エラーが検出されなければこのエラー検出確認処理を終了する。
【0090】
ステップS225では、エラー処理を実行する。このエラー処理の詳細については後述する。処理の実行後は、このエラー検出確認処理を終了する。
【0091】
ステップS223で検出されるエラーの種類としては、例えば、図7(c)に示すように、メダル通過異常エラーやメダル滞留エラーがある。メダル通過異常エラーは、第2メダルセンサ682がメダルを検知した後に第1メダルセンサ681がメダルを検知した場合のエラーである。また、メダル滞留エラーは、第3メダルセンサ683用の滞留タイマを計測し、一定期間(例えば4秒)メダルの検知を継続した場合のエラーである。
【0092】
正常にメダルが投入された場合であれば、第1〜第3のメダルセンサ681〜683は、図8(a)に示すような波形でメダルを検知したことを示す電気信号を出力するようになっている。つまり、メダル通路の上流側から、第3メダルセンサ683、第1メダルセンサ681、第2メダルセンサ682の順で第1〜第3のメダルセンサ681〜683は配置されているので、正常にメダルがメダル通路を通過した場合には、第3メダルセンサ683がメダルの通過を検知した後(ローレベル→ハイレベル→ローレベルの信号を出力した後)に、第1メダルセンサ681がメダルの通過を検知し、次いで、第2メダルセンサ682がメダルの通過を検知するようになっている。
【0093】
一方、第1〜第3のメダルセンサ681〜683が、図8(b)に示すような波形でメダルを検知したことを示す電気信号を出力した場合には、つまり、第3メダルセンサ683がメダルの通過を検知した後に、第2メダルセンサ682がメダルの通過を検知し、次いで、第1メダルセンサ681がメダルの通過を検知した場合には、メダルの通過順序が正常の場合と異なるため、主制御部300は、メダル通過異常エラーであると判定する。
【0094】
また、図8(c)に示すように、第3メダルセンサ683が一定期間(例えば4秒)メダルの検知を継続した場合には、メダルが第3メダルセンサ683を通過する時間が正常の場合に比べて長いため、主制御部300は、一定期間経過後(例えば、4秒経過後)に、メダル滞留エラーであると判定する。
【0095】
メダル通過異常エラーは不正操作の可能性が大きいエラーであり、緊急度が高い。メダル滞留エラーは不正操作の可能性が低いエラーであり、緊急度はメダル通過異常エラーに比べて低い。
【0096】
<エラー処理>
次に、図9(a)を用いて、エラー検出確認処理のステップS225で実行するエラー処理の詳細について説明する。
【0097】
まず、ステップS231では、エラー検出確認処理のステップS223で検出されたエラーに対応するエラーステータスを設定する。例えば、メダル通過異常エラーが検出された場合には、エラーステータスにメダル通過異常エラーを設定し、メダル滞留エラーが検出された場合には、エラーステータスにメダル滞留エラーを設定する。設定後は、ステップS233に進む。
【0098】
ステップS233では、上記の検出されたエラーに対応する表示エラーコードを設定する。例えば、メダル通過異常エラーが検出された場合には、表示エラーコードに「E001」といった文字情報を設定し、メダル滞留エラーが検出された場合には、表示エラーコードに「E002」といった文字情報を設定する。設定後は、ステップS235に進む。
【0099】
ステップS235では、上記の検出されたエラーに対応するエラーコマンドを第1副制御部400に送信する。例えば、上記ステップS231でエラーステータスにメダル通過異常エラーが設定されている場合には、メダル通過異常エラーを示すエラーコマンドを第1副制御部400に送信し、上記ステップS231でエラーステータスにメダル滞留エラーが設定されている場合には、メダル滞留エラーを示すエラーコマンドを第1副制御部400に送信する。送信後は、ステップS237に進む。
【0100】
ステップS237では、上記の検出されたエラーに対応するエラー解除条件を設定する。例えば、上記ステップS231でエラーステータスにメダル通過異常エラーが設定されている場合には、エラー解除条件として、リセットスイッチ701(図1参照)の操作を示す情報を設定し、上記ステップS231でエラーステータスにメダル滞留エラーが設定されている場合には、エラー解除条件として、扉キーの左回し操作を示す情報を設定する。設定後は、ステップS239に進む。
【0101】
ステップS239では、ステップS237で設定したエラー解除条件が成立したか否かを確認する。エラー解除条件の成立が確認されればステップS241に進み、そうでなければ、エラー解除条件の成立が確認されるまでこのステップS239を繰り返す。
【0102】
ステップS241では、エラー解除コマンドを第1副制御部400に送信する。送信後は、このエラー処理を終了する。
【0103】
上記ステップS237のエラー解除について説明すると、図9(b)に示すように、メダル通過異常エラーに対しては、リセットスイッチセンサ(図示略)によってリセットスイッチ701の操作が検出された場合に、当該エラーが解除されるようになっている。また、メダル滞留エラーに対しては、扉キーセンサ702(図1参照)によって扉キー(図示略)の左回し操作が検出された場合に、当該エラーが解除されるようになっている。
【0104】
リセットスイッチ701は、本体101の背面板242に設けられており、前面扉102が閉じた状態では前面扉102によって隠され、前面扉102を開いた場合に現れて操作可能になっている。つまり、リセットスイッチ701の操作に費やす時間が、扉キーの操作に費やす時間に比して大きくなるようにしている。
【0105】
<第1副制御部の処理>
次に、図10(a)乃至(c)を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。
【0106】
<第1副制御部−メイン処理>
図10(a)に示すように、まず、メイン処理のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0107】
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
【0108】
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
【0109】
ステップS307では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンド(例えば、エラーコマンド)を受信したか否かを判別する。
【0110】
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【0111】
ステップS311では、ステップS309の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC418への命令(音コマンド)がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
【0112】
ステップS313では、ステップS309の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
【0113】
ステップS315では、ステップS309の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
【0114】
<第1副制御部−コマンド受信割込処理>
次に、図10(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
【0115】
コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0116】
<第1副制御部−タイマ割込処理>
次に、図10(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0117】
ステップS501では、第1副制御部メイン処理のステップS303において用いるタイマ変数の値に1を加算してタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0118】
ステップS503では、ステップS315で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0119】
<音源ICの処理>
ここで、図11(a)乃至(c)を用いて、第1副制御部400の音源IC418の処理について説明する。
【0120】
第1副制御部400のCPU404は、メダル通過異常エラーを示すエラーコマンドやメダル滞留エラーを示すエラーコマンドを主制御部300から受信すると(第1副制御部メイン処理のステップS307)、音源IC418へ、そのエラーコマンドに対応するコマンド(音コマンド)を送信する(第1副制御部メイン処理のステップS311)。具体的には、図11(a)に示すように、メダル通過異常エラーコマンドを受信すると、音源IC418に所定の音コマンド(ここでは「Cmd−s1」コマンド)を送信する。また、メダル滞留エラーコマンドを受信すると、音源IC418に所定の音コマンド(ここでは「Cmd−s2」コマンド)を送信する。
【0121】
図11(b)に示すように、「Cmd−s1」コマンドは、そのコマンドに対応する所定の音データ(ここでは、出力音番号0011の音データ)をセットし、「Cmd−s2」コマンドは、そのコマンドに対応する所定の音データ(ここでは、出力音番号0012の音データ)をセットするものである。各出力音番号の音データには、複数のパラメータ(フレーズ、音量、再生範囲等)の情報が予め設定されて、音源IC418のS−ROMに記憶されている。
【0122】
つまり、図11(c)に示すように、第1副制御部400のCPU404が音コマンドとして例えば「Cmd−s1」を音源IC418に送信すると、音源IC418は、その受信した音コマンドを判別し、当該音コマンドに対応する音データをS−ROMから読み出して、音出力の準備を行う。次いで、準備した音データに基づいて、スピーカ272、277から実際にエラー音を出力する。エラー音は、主制御部300がエラー解除操作を受け付けるまで繰り返し出力される。
【0123】
音は、音を構成する周波数とその強度分布の違いによって、違う音色の音として聞こえ、例えば、音を発する発音体(電子機器、人、楽器等)の違いによって音色に違いが生じる。ここでは、電子機器によって機械的に作り出す電子音、人が発する肉声音、様々な楽器が奏でる楽器音を、それぞれ音色が大きく異なる音として取り扱う。なお、電子音の括りの中においても、例えば、「ピピー」、「ピッ」、「ピポッ」、「ピンポンパンポン」などで表現するように、複数の異なる音色が存在するものとして取り扱う。また、楽器音においても、楽器毎にそれぞれ異なった音色を有するものとする。
【0124】
本発明では、このような音色の違いを利用して後述するエラー音(メダル通過異常エラー音およびメダル滞留エラー音)を構成している。
【0125】
前述のS―ROMには、エラー音の音データとして、電子機器を用いて機械的に作り出した様々な電子音(例えば、「ピピー」、「ピッ」、「ピポッ」、「ピンポンパンポン」などで表現される音)、人が発した肉声音、様々な楽器(例えば、ピアノ、鉄琴、ラッパ、太鼓、バイオリン、フルート、ハープ等)が所定の旋律(メロディー、フレーズ)を奏でた楽器音、などの様々な種類の音色の音データが複数記憶されている。
【0126】
本実施形態では、後述するメダル通過異常エラー音の音色Aとして、例えば「ピピー」という電子音が採用されている。また、後述するメダル滞留エラー音の音色Bとして、例えば「メダル詰まりです」と人が発した肉声音が採用されている。また、後述するメダル滞留エラー音の音色Cとして、例えば鉄琴が「キラキラキラー」と奏でた楽器音が採用されている。
【0127】
そして、音源IC418が所定のエラーが発生した場合に所定のエラー音を出力できるように、音色A用の音データとして、例えば「ピピー」という電子音が対応づけられてS−ROMに記憶されている。また、音色B用の音データとして、人が例えば「メダル詰まりです」と発した肉声音が対応づけられてS−ROMに記憶されている。また、音色C用の音データとして、例えば鉄琴が「キラキラキラー」と奏でた楽器音が対応づけられてS−ROMに記憶されている。
【0128】
<メダル通過異常エラー音>
音源IC418は、主制御部300によってメダルの通過異常エラーが確認され、「Cmd−s1」コマンドを受信した場合には、図12に示すように、一の音色からなるエラー音のみを繰り返し出力する(このエラー音を1回出力する期間を第1出力期間とし、この第1出力期間が繰り返される)。一の音色は、前述のように、例えば「ピピー」という電子音で構成される音色Aとする。なお、音色Aは、後述する第1エラー音を構成する音色Aと同じものであり、音データを共有することが可能となっている。また、一の音色とすることにより、出力する音量を最大音量としなくとも、他の遊技台が様々な音を出力する店内で認識しやすい音となっている。
【0129】
<メダル滞留エラー音>
音源IC418は、主制御部300によってメダルの滞留エラーが確認され、「Cmd−s2」コマンドを受信した場合には、図13(a)に示すように、一の音色からなる第1エラー音と、複数の音色からなる第2エラー音とを交互に、主制御部300がエラー解除操作を受け付けるまで繰り返し出力する(この第1エラー音を1回出力する期間を第1出力期間、第2エラー音を1回出力する期間を第2出力期間として、第1出力期間と第2出力期間とが交互に繰り返される)。なお、複数の音色を含めることにより、店員によるエラー解除操作を待つ間の遊技者に不快な印象を与えない音となっている。加えて、複数の音色を出力する前に一の音色を出力することにより、不正にエラーを即解除しようとしても一の音色のエラー音が出力されるようになっている。
【0130】
第1エラー音の一の音色は、例えば「ピピー」という電子音である音色Aで構成され、第2エラー音の複数の音色は、例えば「メダル詰まりです」という肉声音である音色Bと、例えば「キラキラキラー」と鳴る楽器音である音色Cとの複数種類の音色で構成されている。音色Bは、エラーの種別を案内するガイド音として構成され、また、音色Cとは同時に重なって出力されるように構成されている。
【0131】
第1エラー音を出力する第1出力期間はあらかじめ、第2エラー音を出力する第2出力期間よりも短い期間に設定されている。具体的には、第1出力期間は1.7秒未満に設定されている。また、第1出力期間を最初の期間とし、第2出力期間を第1出力期間の後の期間として設定されている。さらに、第1エラー音を出力開始してから1.7秒未満の出力期間に、つまり第1出力期間中に、エラー音全体において音量がピークとなる時点が設定されている。
【0132】
1.7秒未満との数値は、エラー解除操作時間の実験結果に基づいて設定されたものである。エラー解除操作時間の実験結果について、図14(a)および(b)を用いて説明する。本発明者は、エラーが発生してからそのエラーを解除する操作を受け付けるまでにどれだけの時間が経過したかを把握するために、全30回の実験を行った。
【0133】
図14(a)は、エラー発生後、扉キーセンサ702により扉キーの左回しの操作を検出するまでにかかった時間(経過時間)を示しており、全30回の平均値をとると、平均値は1.7秒であった。
【0134】
また、図14(b)は、エラー発生後、リセットスイッチセンサによりリセットスイッチ701の操作を検出するまでにかかった時間(経過時間)を示しており、全30回の平均値をとると、平均値は3.5秒であった。リセットスイッチ701の操作は前面扉102を開けた後に有効となるため、リセットスイッチ701の操作の検出は、扉キーの左回しの操作の検出よりも経過時間が大きくなった。
【0135】
このように、メダル滞留エラーを解除するための操作時間は平均で1.7秒かかるため、エラー解除前に第1エラー音の出力をほぼ確実に1回終えることができるように、第1出力期間は1.7秒未満に設定されることが好ましい。つまり、第1エラー音を1回出力する期間である第1出力期間を、エラー解除操作に費やす期間に比して短い期間としている。
【0136】
図13(b)に、実際に出力されるエラー音の波形を示す。なお、図13(b)の横軸は経過時間、縦軸は音の大きさであり、振れ幅が大きいほど音が大きいことを示している。ここでは、第1出力期間が1.5秒、続く第2出力期間が3.5秒に設定され、全体として5秒間でメロディ調になるようになっている。また、第1出力期間のうちの、第1エラー音を出力開始してから0.4秒の時点に、音量がピークとなる時点が設定されている。
【0137】
<効果>
上述のように構成された本実施形態の遊技台によれば、例えば遊技者が不正にエラーを即解除しようとしても、エラー解除操作に要する平均的な時間より前に、音色Aのエラー音が出力されるので、エラー音の出力があったことを店員等が認識することができる。このとき、1.7秒未満の時点に音量がピークとなる時点が設定されているので、エラー発生後すぐに大音量でエラー音を出力することができ、エラーの発生をより認識しやすくなるという利点がある。
【0138】
また、特に、不正行為の可能性が低いメダル滞留エラー時には、音色Aの出力でエラー音の出力を確実に認識することができるとともに、音色Aの出力後の音色Bおよび音色Cの重複出力で心地のよいエラー音を出力することができ、このエラー音で遊技者を不快にさせることもないという優れた効果を奏し得る。
【0139】
また、メダル滞留エラー時に出力される音色Bは、エラーの種別を案内するガイド音であるので、エラーの種別の認識が容易になるという利点がある。さらに、今回の音色Bの出力と次回の音色Bの出力との間に、音色Bの出力期間に比して短い期間を出力期間として音色Aが出力されるので、音色Bの肉声音の内容(エラーの種別)がより認識しやすいものとなるという利点がある。
【0140】
また、不正行為の可能性が高いメダル通過異常エラーでは、音源IC418は音色Aのみを出力するので、エラー音が始終警戒的な音色となり、警戒レベルが高いことを報知することができる。また、このときのエラー音は一の音色Aからなるので、音データ量も抑制することができる。さらに、メダル通過異常エラーで使用する音色Aとメダル滞留エラーで使用する音色Aを同じものとするので、この点でも音データ量を抑制することができる。
【0141】
<その他>
尚、本発明の遊技台は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0142】
<変形例1>
例えば、上記実施形態では、エラー音は、「第1出力期間→第2出力期間→第1出力期間」というように、各出力期間の間に休みなく連続して出力されるようになっているが、各出力期間の間に休止期間を設けて断続的にエラー音を出力しても良い。つまり、例えば、「第1出力期間→休止期間→第2出力期間→休止期間→第1出力期間」というように、全ての各出力期間の後に休止期間を設けても良い。あるいは、例えば、「第1出力期間→第2出力期間→休止期間→第1出力期間→第2出力期間→休止期間→第1出力期間」というように、第1出力期間および第2出力期間の一組の出力期間の後に休止期間を設けても良い。
【0143】
<変形例2>
また、例えば、上記実施形態では、第2出力期間において音色Bと音色Cとが重複して出力されるようになっているが、第2出力期間において出力される複数の音色の一つとして音色Aを利用しても良い。つまり、第2出力期間において、例えば音色Aと音色Bとを重複して出力してもよいし、音色Aと音色Cとを重複して出力してもよいし、音色Aと他の音色とを重複して出力してもよい。
【0144】
<変形例3>
また、上記実施形態では、メダル通過異常エラーが発生した場合には、音源IC418は音色Aのエラー音を出力し、メダル滞留エラーが発生した場合と音データを共有するように構成したが、例えば、図15に示すように、音色Aを音色Dに替えてもよい。つまり、メダル滞留エラーの場合と音データを共有せずに、メダル通過異常エラー用に他の音色(音色D)の音データを予め用意しておいてもよい。このメダル通過異常エラー時に出力される音色Dで構成される音は、メダル滞留エラー時と共有するものではないので、その出力期間をメダル通過異常エラーの解除操作に費やす時間である1.7秒以内とする必要はない。ただし、メダル滞留エラーの解除操作に費やす時間である3.5秒以内(例えば3秒)に出力期間が設定されていることが好ましい。また、音色Dは音色Aと同様に電子音で構成されていることが好ましい。このとき、例えば、音色Aは「ピピー」という単一の高さの音で構成される電子音であるのに対して、音色Dは「ピンポン」という、異なる高さの音が順に連なってなる電子音、あるいは「ピピピー」という電子音や「ピンポンパンポン」という電子音とすると良い。
【0145】
<変形例4>
また、例えば、上記実施形態では、メダル滞留エラーの場合には、音色Aの第1エラー音を出力する第1出力期間の後に、音色Bおよび音色Cの第2エラー音を出力する第2出力期間が続くようになっており、第1エラー音と第2エラー音とは重なった状態では出力されないようになっていた。しかしながら、図16(a)に示すように、音色Aの第1エラー音の第1出力期間はエラー検出からエラー解除操作受付まで継続し、音色Bおよび音色Cからなる第2エラー音の第2出力期間は所定の長さの休止期間をおいて断続的になるように構成してもよい。つまり、音源IC418は、音色Aについては休みなく連続して出力し、音色Bおよび音色Cについては、音色Aに重ねて断続的に出力するようにしてもよい。
【0146】
<変形例5>
また、図16(b)に示すように、音色Aの第1エラー音も、音色Bおよび音色Cの第2エラー音もそれぞれ断続的に出力されるが、第2エラー音の第2出力期間の一部に、第1エラー音の第1出力期間が重なるようにエラー音が構成されていてもよい。
【0147】
<変形例6>
また、上記実施形態では、1つのチャンネルのみを利用してエラー音を出力しているが、複数のチャンネルを利用してエラー音を出力するようにしてもよい。つまり、例えば、図17に示すように、第1チャンネルに音色Aを割り当て、第2チャンネルに音色Bを割り当て、第3チャンネルに音色Cを割り当てる。そして、第1チャンネルでは音色Aを繰り返し出力し、第2チャンネルでは、所定の休止期間(例えば1.5秒)を置いて音色Bを繰り返し出力し、第3チャンネルでは、第2チャンネルと同様に所定の休止期間(例えば1.5秒)を置いて音色Cを繰り返し出力するようにする。上記の休止期間は、音色Aの1回の出力期間と同じ長さに設定すると好ましい。
【0148】
<変形例7>
また、上記実施形態では、エラーとしてメダル投入に係るエラーを挙げて説明したが、他のエラーに対して上記実施形態のようなエラー音の出力を行ってももちろん良い。
【0149】
<変形例8>
また、上記実施形態では、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンにおいてエラー音を出力する構成について説明したが、ほかの遊技台、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンやパチンコ機などにも、上記の構成を適用することはもちろん可能である。
【0150】
具体的には、本発明に係る遊技台は、「所定の遊技領域に遊技球を発射する発射装置と、発射装置から発射された遊技球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した遊技球を検知する検知手段と、検知手段が遊技球を検知した場合に遊技球(賞球)を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機」にも好適である。
【0151】
さらに、本発明をアレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール、およびカジノマシン等に適用しても、同様の効果を得ることができる。
【0152】
また、例えば、スロットマシンやパチンコ機等の実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。
【0153】
なお、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、実施の形態に記載した複数の構成のうち、1つの構成に記載している内容を、他の構成に適用することでより遊技の幅を広げられる場合がある。
【0154】
<まとめ>
すなわち、本発明は、エラーに対するエラー音を、エラー解除操作を受け付けるまで繰り返し出力するエラー音出力手段(例えば、音源IC418)を備えた遊技台であって、前記エラー音出力手段は、特定のエラーとなった場合に、一の音色(例えば、音色A)からなる第1エラー音を出力する第1出力期間と、複数の音色(例えば、音色Bと音色C)からなる第2エラー音を出力する第2出力期間とを有し、前記第2出力期間は前記第1出力期間よりも長い期間である、特定エラー音を出力することを特徴としている。
【0155】
このような遊技台によれば、エラー音としての認識が可能な音でありながら、遊技者を不快にさせる音ではないエラー音を出力することができる。
【0156】
また、本発明の遊技台は、前記エラー音出力手段が、前記特定エラー音の、前記第1出力期間を最初の期間とし、前記第2出力期間を前記第1出力期間の後の期間として、前記特定エラー音を出力することが好ましい。このような遊技台によれば、短時間で不正に遊技者によってエラー解除された場合であっても、エラー検出直後に、単音のエラー音が即座に出力されるので、店員等がエラーに気付きやすいという利点がある。
【0157】
また、本発明の遊技台は、前記特定エラー音が、前記第1出力期間のうちの、前記第1エラー音を出力してから1.7秒未満の出力期間に、音量がピークとなる時点が設定されていることが好ましい。このような遊技台によれば、店員等がよりエラーに気付きやすいという利点がある。
【0158】
また、本発明の遊技台は、前記エラー音出力手段が、前記特定のエラーとは異なる第2のエラーとなった場合に、一の音色からなるエラー音のみを出力することが好ましい。このような遊技台によれば、単音のエラー音のみが繰り返し出力されるので、エラー音が始終警戒的な音色となり、警戒レベルが高いことを報知することができる。また、音データ量も抑制することができる。
【0159】
また、本発明の遊技台は、前記エラー音出力手段が、前記第2のエラーとなった場合に、前記特定エラー音の第1エラー音のみを出力することが好ましい。このような遊技台によれば、音データを共有できるので、音データ量をより抑制することができる。
【0160】
また、本発明の遊技台は、前記特定エラー音の第2エラー音に、エラーの種別を案内するガイド音が含まれていることが好ましい。このような遊技台によれば、エラーの種別の認識が容易になるという利点がある。
【符号の説明】
【0161】
100 スロットマシン(遊技台)
300 主制御部
400 第1副制御部
418 音源IC(エラー音出力手段)
500 第2副制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラーに対するエラー音を、エラー解除操作を受け付けるまで繰り返し出力するエラー音出力手段を備えた遊技台であって、
前記エラー音出力手段は、
特定のエラーとなった場合に、一の音色からなる第1エラー音を出力する第1出力期間と、複数の音色からなる第2エラー音を出力する第2出力期間とを有し、前記第2出力期間は前記第1出力期間よりも長い期間である、特定エラー音を出力する
ことを特徴とする、遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台において、
前記エラー音出力手段は、
前記特定エラー音の、前記第1出力期間を最初の期間とし、前記第2出力期間を前記第1出力期間の後の期間として、前記特定エラー音を出力する
ことを特徴とする。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技台において、
前記特定エラー音は、
前記第1出力期間のうちの、前記第1エラー音を出力してから1.7秒未満の出力期間に、音量がピークとなる時点が設定されている
ことを特徴とする。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技台において、
前記エラー音出力手段は、
前記特定のエラーとは異なる第2のエラーとなった場合に、一の音色からなるエラー音のみを出力する
ことを特徴とする。
【請求項5】
請求項4に記載の遊技台において、
前記エラー音出力手段は、
前記第2のエラーとなった場合に、前記特定エラー音の第1エラー音のみを出力する
ことを特徴とする。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の遊技台において、
前記特定エラー音の第2エラー音に、エラーの種別を案内するガイド音が含まれている
ことを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−45067(P2012−45067A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187912(P2010−187912)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】