説明

遊技場設備及びパチンコ機

【課題】パチンコ機の釘仕様等をより正確に把握し得る遊技場設備及びパチンコ機を提供する。
【解決手段】発射ハンドルの回動操作角度を検知して出力する回動角度検知センサと、該回動角度検知センサの出力を受信し、発射ハンドルの回動操作角度を示す回動操作角度情報を外部出力する回動操作角度出力装置と、遊技中の各種イベント発生を示すイベント発生情報を外部出力するイベント発生出力装置とを備えてなるパチンコ機を遊技場管理システムに接続し、遊技場管理システムが、パチンコ機から受信したイベント発生情報を当該パチンコ機のイベント発生履歴として蓄積記憶するとともに、パチンコ機から受信した回動操作角度情報を当該パチンコ機の操作履歴として、イベント発生履歴と関連付けて蓄積記憶するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発射ハンドルの操作角度によって遊技球の発射強度を調節するパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機の機体前面下部には発射ハンドルが配設されている。この発射ハンドルを遊技者が回動操作すると発射装置が遊技球を1球ずつ打圧して、遊技盤面へ遊技球を発射する。遊技球の発射強度は発射ハンドルの操作角度によって決定される。すなわち、発射ハンドルを大きく回動操作した場合には遊技球が強く打圧され、発射ハンドルを小さく回動操作した場合には遊技球が弱く打圧される。従来、発射ハンドルの操作角度を発射強度に反映する手段としては、発射ハンドルの操作角度を発射装置に機械的に伝達するもの(例えば、特許文献1)と、発射ハンドルの操作角度をセンサで検知して電気的に発射強度の調整を行うもの(例えば、特許文献2)とがある。
【0003】
また、従来の遊技場設備には、遊技場の各種設備を統括的に管理するための遊技場管理システムが配設されている。そして、パチンコ機は直接的又は間接的に遊技場管理システムに接続されて、遊技中に各種のイベントが発生すると当該イベント発生に係るイベント発生情報を遊技場管理システムに出力するようになっている(例えば、特許文献3)。具体的には、従来のパチンコ機は、大当りや、始動口入賞、図柄確定、賞球の払出などのイベントに係るイベント発生情報を出力しており、遊技場管理システムが、かかるイベント発生情報をイベント発生履歴として蓄積記憶することによって各パチンコ機の稼動状況を包括的に監視可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−236097号公報
【特許文献2】特開2007−330547号公報
【特許文献3】特開2007−195619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技場では釘調整を行うに際して、遊技場管理システムに記憶されたイベント発生履歴に基づいて各パチンコ機の釘の仕様を判断し、釘の調整具合を決定している。例えば、入賞頻度の多い台にあっては釘を厳しくする方向に調整し、入賞頻度の少ない台にあっては釘を甘くする方向に調整したりする。しかしながら、イベントの発生は遊技球の発射強度にも依存するため、イベント発生履歴は必ずしも釘の仕様を反映しているわけではない。例えば、熟練した遊技者と初心者では釘の仕様が同じであっても得られる結果は異なる。このため、従来の遊技場設備では、イベント発生履歴に基づいて釘の仕様を判断して釘調整を行っても、必ずしも意図した結果が得られるとは限らなかった。
【0006】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、パチンコ機の釘仕様をより正確に把握し得る遊技場設備及びパチンコ機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技場管理システムと、該遊技場管理システムに接続されたパチンコ機とを備えてなる遊技場設備において、パチンコ機は、回動操作可能な発射ハンドルと、発射ハンドルの回動操作角度に応じた強度で遊技球を発射する発射装置と、発射ハンドルの回動操作角度を検知して出力する回動角度検知センサと、該回動角度検知センサの出力を受信し、発射ハンドルの回動操作角度を示す回動操作角度情報を外部出力する回動操作角度出力装置と、遊技中の各種イベント発生を示すイベント発生情報を外部出力するイベント発生出力装置とを備えており、遊技場管理システムは、パチンコ機から受信したイベント発生情報を当該パチンコ機のイベント発生履歴として蓄積記憶するとともに、パチンコ機から受信した回動操作角度情報を当該パチンコ機の操作履歴として、イベント発生履歴と関連付けて蓄積記憶することを特徴とする遊技場設備である。ここで「イベント」とは、パチンコ遊技中に発生する大当りや入賞、図柄確定などの事象の包括表現であり、遊技場が主催するイベントとは異なる。
【0008】
かかる構成にあっては、イベント発生履歴と操作履歴を合わせて参照することで、パチンコ機のイベント履歴が、どのような操作の結果得られたものであるかがわかる。このため、遊技場の店員は、イベント発生履歴と操作履歴を組み合わせることで、パチンコ機の釘仕様等をより正確に把握可能となる。
【0009】
本発明の遊技場設備にあって、パチンコ機の近傍に配設されて、当該パチンコ機のイベント発生履歴及び操作履歴とを表示するデータ表示ユニットを備えることが提案される。かかる構成にあっては、遊技者は、データ表示ユニットに表示されるパチンコ機の操作履歴を参考にすることによって、当該パチンコ機の適切な操作方法を検討可能となる。したがって、かかる構成によれば、遊技者の攻略意欲を刺激できる。
【0010】
また、上記構成にあって、パチンコ機は、発射ハンドルの現在の回動操作角度を遊技者に報知する回動角度報知手段を備えることが提案される。かかる構成にあっては、遊技者は、データ表示ユニットの操作履歴の回動操作角度と現在の回動操作角度とを対応付けることができ、操作履歴の回動操作角度を容易に再現可能となる。
【0011】
また、上記構成にあって、回動角度報知手段は、発射ハンドルの周囲に回動操作方向に沿って配置された複数のランプからなる回動角度表示装置と、回動角度検知センサの出力を受信し、発射ハンドルの回動操作に伴って、回動角度表示装置のランプを回動操作方向に沿って点灯又は消灯させる回動角度表示装置制御手段とを備えることが提案される。かかる構成にあっては、回動角度表示装置の点灯態様によって、遊技者が現在の回動操作角度を直感的に把握可能となる。
【0012】
また、本発明の別の態様は、上記本発明の遊技場設備に用いられるパチンコ機であって、回動操作可能な発射ハンドルと、発射ハンドルの回動操作角度に応じた強度で遊技球を発射する発射装置と、発射ハンドルの回動操作角度を検知して出力する回動角度検知センサと、該回動角度検知センサの出力を受信し、発射ハンドルの回動操作角度を示す回動操作角度情報を外部出力する回動操作角度出力装置と、遊技中の各種イベント発生を示すイベント発生情報を外部出力するイベント発生出力装置とを備えることを特徴とするパチンコ機である。かかるパチンコ機によれば、遊技場管理システムによって発射ハンドルの操作履歴を把握可能となる。
【発明の効果】
【0013】
以上に述べたように、本発明の遊技場設備によれば、パチンコ機のイベント発生履歴と操作履歴とを合わせて参照することによって、当該パチンコ機の釘の仕様を正確に把握できる。したがって、遊技場の店員は、かかる操作履歴を加味することによって従来よりも効率的な釘調整を行うことができる。また、本発明のパチンコ機によれば、遊技場管理システムによってパチンコ機の発射ハンドルの操作履歴を把握可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】遊技場設備1の概略図である。
【図2】パチンコ機3の正面図である。
【図3】回動角度表示装置28の表示態様を示す説明図である。
【図4】パチンコ機3の制御回路を示すブロック図である。
【図5】ホールコンピュータ12での操作履歴の一表示例である。
【図6】データ表示ユニット4の正面図である。
【図7】データ表示ユニット4での操作履歴の一表示例である。
【図8】データ表示ユニット4の制御回路を示すブロック図である。
【図9】回動角度表示装置28の別の表示態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
【0016】
図1は、実施例の遊技場設備1の概略図である。
遊技場設備1は、複数の遊技島2を備えている。各遊技島2にはパチンコ機3が複数固着される。各パチンコ機3の直上位置にはそれぞれデータ表示ユニット4が配設され、また、各パチンコ機3にはカードユニット5が隣設される。また、各遊技島2には、1台ずつ球計数機6が配設される。
【0017】
遊技場設備1は、パチンコ機3等を管理するための遊技場管理システム7を備えている。遊技場管理システム7は、パチンコ機3ごとに配設される台管理装置8と、遊技島2ごとに配設される島管理装置9と、遊技場の管理事務所等に設けられる中央管理装置10とを備えている。
【0018】
台管理装置8は、パチンコ機3毎に一台ずつ設けられる。台管理装置8は、データ表示ユニット4を介してパチンコ機3と接続されており、データ表示ユニット4を介してパチンコ機3の出力するイベント発生情報や回動操作角度情報などを受信する。また、台管理装置8はカードユニット5が出力する売上情報なども受信する。そして、台管理装置8は、受信したこれらの信号を、所定時間(例えば1分間)毎に島管理装置9へ送信する。また、台管理装置8は、中央管理装置10から出力されるイベント発生履歴や操作履歴などの情報を島管理装置9を経由して受信し、データ表示ユニット4へ出力する。
【0019】
島管理装置9は遊技島2毎に一台ずつ設けられる。この島管理装置9は、球計数機6や複数の台管理装置8と接続されており、これらの装置と中央管理装置10との通信を中継する。島管理装置9は、パチンコ機用の遊技島に限らず、スロットマシン用の遊技島にも設置可能なものである。
【0020】
中央管理装置10は、各島管理装置9と互いに通信可能に接続されたホールサーバー11と、ホールサーバー11に接続されたホールコンピュータ12とで構成されている。ここで、ホールサーバー11は、複数の島管理装置9から出力される各種情報を受信して遊技島2毎及びパチンコ機3毎にデータを記憶する。ホールコンピュータ12は、遊技場設備1の各種装置を統括的に管理するものであり、遊技場内を撮影する監視カメラを備える監視システムや、停電時に備えられた無停電電源装置等とも接続されている。遊技場の店員は、ホールコンピュータ12を用いてホールサーバー11に蓄積されたデータを読み出すことができ、当該データをホールコンピュータ12のディスプレイに種々の態様で表示したり、プリントアウトしたりできる。
【0021】
データ表示ユニット4は、遊技島2にあって各パチンコ機3の直上位置に設けられ、各種情報を遊技者に表示する。このデータ表示ユニット4は、パチンコ機3及び台管理装置8と直接接続されており、パチンコ機3の出力する各種情報を台管理装置8に中継するとともに、台管理装置8を介してホールサーバー11から各種の情報を受信する。
【0022】
以下に、上記パチンコ機3に係る構成を詳細に説明する。
【0023】
パチンコ機3は、図2に示すように、遊技島2に固着される外枠20と、この外枠20に枢着されるパチンコ機本体21とを備えてなる。パチンコ機本体21の上部から中央部にかけては遊技盤22が固定される。遊技盤22には、入賞口や役物、演出表示装置などの遊技部材が配設される。
【0024】
パチンコ機3の遊技内容は、従来、第1種パチンコ機と区分されていたものである。すなわち、遊技球が特別始動口に入賞すると特別図柄が変動し、特別図柄が確定(変動停止)した時に当り図柄で揃って大当りとなった場合には特別電動役物が連続作動して大入賞口が開放される大当り遊技が実行される。また、特別図柄が特定当り図柄で揃った場合には、大当り遊技終了後に通常遊技より高確率で大当りとなる確変遊技に移行し、通常当り図柄で大当りとなった場合は大当り遊技後に通常遊技に移行する。
【0025】
パチンコ機本体21の前面右下部には発射ハンドル24が突設される。発射ハンドル24は、パチンコ機本体21に固定されるベース部材25の外周部に、突起が形成された円板状の操作部26を回動操作可能に配設してなるものである。具体的には、発射ハンドル24の内部には、操作部26を定常角度位置に付勢するバネ(図示省略)が配設されており、遊技者は、該バネの付勢力に抗して操作部26を時計回りに回動操作可能となっている。また、発射ハンドル24の内部には、操作部26の定常角度位置からの回動角度を検知して出力する回動角度検知センサ27が配設される。回動角度検知センサ27は、操作部26の回動角度に応じて出力電圧を増減するものであり、可変抵抗器や電子ボリューム等によって構成される。
【0026】
パチンコ機本体21には、発射ハンドル24の周辺位置に回動角度表示装置28が配設される。この回動角度表示装置28は発射ハンドル24の周囲に、回動操作方向に沿って円弧状に整列配置された10個のLEDからなるものであって、前記操作部26の回動角度に応じた態様で点灯する。すなわち、図3に示すように、操作部26が定常角度位置にある場合は、10個のLEDは全て消灯状態にあり(図3(a)参照)、操作部26を定常位置から時計回りに回動操作すると、回動操作角度の増加に伴って、左端から順番にLEDが一つずつ時計回りに点灯していき(図3(b)参照)、操作部26を可動範囲の限界まで回動すると全てのLEDが点灯状態となる(図3(c)参照)。このように、かかる構成では、発射ハンドル24の回動操作に伴って、回動角度表示装置28のLEDが回動操作方向に沿って点灯していくため、遊技者は現在の回動操作角度を直感的に把握できる。
【0027】
図2に示すように、パチンコ機本体21の下部には発射装置30が設けられる。この発射装置30は、遊技球を打圧する発射鎚31と、該発射鎚31を駆動するロータリーソレノイド32と、打圧された遊技球を案内する発射レール33等を備えてなるものであり、前記操作部26の回動操作角度に応じた強度で遊技球を1球ずつ遊技盤面へ打圧発射する。
【0028】
次に、パチンコ機3を制御する制御回路を、図4を参照して説明する。
【0029】
マイクロコンピュータを構成する主制御基板は、遊技の統括的な制御を実行するものである。主制御基板には、パチンコ機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板の基板回路を構成している。記憶装置ROMには、制御プログラムや、各種テーブルが格納されている。一方、記憶装置RAMには、各種球検知スイッチからの球検知信号等が一時的に記憶される記憶エリア、各種のタイマや乱数カウンタ、計数カウンタ等を構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
【0030】
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成したデータ又はコマンドを各制御基板にそれぞれ出力し、各制御基板の中央制御装置CPUがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0031】
また、この主制御基板の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板からの制御指令が、図柄表示制御基板、音源制御基板、光源制御基板、及び払出制御基板の各入力ポートに向け、一方向に出力されるように接続されている。また、主制御基板の入力ポートには、盤面中継基板を介して、各種始動口や入賞口に内蔵された球検知スイッチの遊技球検知状態を調べ、遊技球検知があると、その球検知信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板の出力ポートには、盤面中継基板を介して普通電動役物や特別電動役物等が接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に、これらに内蔵されたソレノイドやモータを作動させる。
【0032】
また、主制御基板は、出力ポートを介して情報端子基板と接続されており、遊技中に各種のイベントが発生すると、情報端子基板の入力ポートに向けて、当該イベントの発生を示すイベント発生信号を出力する。主制御基板が出力するイベント発生信号には、大当り発生を示す大当り信号や、特別始動口入賞を示す特別始動口信号、特別図柄の確定を示す図柄確定信号、大当り遊技中を示す大当り遊技信号、確変遊技中を示す確変遊技信号などがある。
【0033】
上記の図柄表示制御基板には、演出表示装置の表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、その表示態様に関する固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
【0034】
図柄表示制御基板は、主制御基板から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の表示態様を表示するデータを、出力ポートを介して表示用ドライバに出力する。そして、この表示用ドライバが、前記データに従って演出表示装置に所定態様で表出させる。
【0035】
上記の音源制御基板には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板は、上記の主制御基板より入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを、出力ポートを介してサウンドジェネレータに出力し、このサウンドジェネレータが、前記音データに従ってスピーカに効果音を出力させる。
【0036】
上記の光源制御基板には、各種の図柄表示装置や始動記憶数表示装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、LEDやランプ等の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、LED,装飾ランプ等を所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
【0037】
この光源制御基板は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板等から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを演算処理し、所定の光データを、出力ポートを介して、LEDやランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に出力し、この光源作動基板が、所定のLEDやランプ等を点灯、点滅させる。
【0038】
上記の払出制御基板には、貸球や賞球の払出しを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板は、主制御基板から入力されたデータ又はコマンドに従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを、出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払出しを実行する。また、払出制御基板は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読込みや書込みを行う機外装置であるカードユニット5と、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等をやり取りする。また、払出制御基板には、発射装置30の制御等を行う発射制御基板が接続されており、異常発生時には払出制御基板から発射制御基板へ発射装置30の作動停止を指示する発射停止信号が送信される。
【0039】
上記の発射制御基板は、発射装置30や回動角度表示装置28等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、動作プログラム等が格納されている記憶装置ROMと、入出力信号等を一時的に記憶する記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。発射制御基板の入力ポートには回動角度検知センサ27が接続され、回動角度検知センサ27から発射ハンドル24の回動操作角度に応じた電圧信号が入力される。発射制御基板の出力ポートには発射装置30のロータリーソレノイド32が接続される。発射制御基板は、回動角度検知センサ27からの入力信号に応じた電圧強度でロータリーソレノイド32を間欠的に駆動することで、発射ハンドル24の回動操作角度に応じた強さで遊技球を立て続けに打圧発射する。また、発射制御基板の入力ポートには上記の払出制御基板が接続される。発射制御基板は払出制御基板から発射停止信号を受信すると、発射ハンドル24の回動操作角度とは無関係に発射装置30の作動を停止させる。また、発射制御基板の出力ポートには、情報端子基板が接続される。発射制御基板は、回動角度検知センサ27からの入力信号をデジタル信号に変換し、発射ハンドル24の回動操作角度を示す回動操作角度信号として情報端子基板へ出力する。また、発射制御基板の出力ポートには、上記の光源制御基板が接続される。発射制御基板は、回動角度検知センサ27からの入力信号に基づいて回動角度表示装置28を点灯させるためのコマンドを光源制御基板に出力する。そして、光源制御基板は、当該コマンドに基づいて、発射ハンドル24の回動操作角度に対応する態様で回動角度表示装置28を点灯させる。すなわち、本実施例では、本発明に係る回動角度表示装置制御手段は、発射制御基板及び光源制御基板等によって構成される。また、本実施例では、本発明に係る回動角度報知手段は、発射制御基板、光源制御基板、及び回動角度表示装置28等によって構成される。
【0040】
上記の情報端子基板は、パチンコ機の各種情報を外部出力するためのコネクタを備えており、主制御基板から入力されるイベント発生信号と、発射制御基板から入力される回動操作角度信号とを該コネクタから出力する。すなわち、本実施例では、本発明に係るイベント発生出力装置は主制御基板と情報端子基板によって構成される。また、本発明に係る回動操作角度出力装置は、発射制御基板と情報端子基板によって構成される。
【0041】
情報端子基板からイベント発生信号及び回動操作角度信号として外部出力されるイベント発生情報及び回動操作角度情報は、まず、データ表示ユニット4に送信され、データ表示ユニット4から台管理装置8及び島管理装置9を介してホールサーバー11へ入力される。ホールサーバー11は、各パチンコ機3から受信したイベント発生情報をパチンコ機3毎のイベント発生履歴として蓄積記憶するとともに、受信した回動操作角度情報をパチンコ機3毎の操作履歴として蓄積記憶する。ここで、イベント発生履歴にはイベント発生時刻の情報が含まれ、操作履歴には操作時刻の情報が含まれており、イベント発生履歴と操作履歴とは時刻情報で相互に関連付けられた状態でホールサーバー11に記憶される。また、ホールサーバー11は、記憶する各パチンコ機3のイベント発生履歴と操作履歴を、島管理装置9及び台管理装置8を介して、各パチンコ機3に接続されたデータ表示ユニット4へ定期的に出力する。
【0042】
ホールサーバー11に記憶されたイベント発生履歴と操作履歴は、ホールコンピュータ12によって読み出され、種々の図表形式でディスプレイに表示したり、プリントアウトしたりできる。図5は、一台のパチンコ機3の操作履歴とイベント発生履歴とをグラフ化して表示した時の一表示例である。図5のグラフでは、横軸は時間軸であり、縦軸は発射ハンドルの回動操作角度である。また、横軸には各時刻におけるパチンコ機3の遊技状態が付記される。具体的には、図5のグラフでは、横軸に示されるように、当該パチンコ機の遊技状態は、通常遊技(通常)から大当り遊技(大当り)に移行し、さらに、確変遊技(確変)、大当り遊技、通常遊技へと移行していたことがわかる。そして、各遊技状態における発射ハンドルの回動操作角度を見ると、遊技者は、大当り遊技では発射ハンドルを比較的大きく回動操作し、通常遊技や確変遊技では比較的小さく回動操作していたことがわかる。このように、ホールコンピュータ12によれば、時刻情報で関連付けられたイベント発生履歴と操作履歴とを図表化して表示することで、各パチンコ機3について、各遊技状態で発射ハンドルがどのように操作されていたか、また、発射ハンドルがどのように操作された時に、各種イベントがどのように、どのぐらいの頻度で発生したかを把握可能となる。
【0043】
このように、本実施例の遊技場設備1にあっては、各パチンコ機3からイベント発生情報と操作情報が遊技場管理システム7のホールサーバー11に送信されてイベント発生履歴及び操作履歴として記憶保持される。そして、ホールサーバー11に接続されたホールコンピュータ12によって各パチンコ機3のイベント発生履歴と操作履歴を把握することができる。このため、遊技場の店員は、イベント発生履歴に操作履歴を加味することによって各パチンコ機3の釘の仕様を従来より正確に把握でき、釘調整を効率的に行うことができる。
【0044】
また、本実施例の遊技場設備1によれば、操作履歴を監視することで、遊技者がルールに反した操作をしていないかどうかも簡単にチェックできる。操作履歴の監視はホールコンピュータ12で自動的に実行することも可能である。例えば、不適切な操作パターンを予めホールコンピュータ12に設定して、ホールコンピュータ12に各パチンコ機3の操作履歴を随時チェックさせ、ホールコンピュータ12が当該操作パターンを検知した場合は、遊技場の店員に当該パチンコ機の番号等を報知するようにすることが提案される。
【0045】
図6は、データ表示ユニット4の正面図である。データ表示ユニット4の正面中央には、液晶表示器やドットマトリクス表示器等からなるデータ表示装置40が配設される。データ表示装置40の両側にはLEDランプ41が配設される。また、データ表示装置40の下方には操作ボタン42が配設される。
【0046】
データ表示ユニット4は、直下に配設されるパチンコ機3が出力するイベント発生情報及び回動操作角度情報を台管理装置8に中継するとともに、ホールサーバー11から受信した当該パチンコ機3のイベント発生履歴や操作履歴を記憶保持し、データ表示装置40に表示する。また、データ表示ユニット4は、パチンコ機3の遊技を盛り上げる演出機能や、遊技場の店員を呼び出すための機能も備えている。
【0047】
データ表示ユニット4は、遊技者が操作ボタン42を操作することによって、イベント履歴や操作履歴を様々な図表形式でデータ表示装置40に表示する。図7は、パチンコ機3の操作履歴とイベント発生履歴とをグラフ化して表示した時の一表示例である。図7のグラフは、図5に示したホールコンピュータ12での表示例に対応するものである。遊技者は、かかるデータ表示装置40に表示されたかかるグラフを見れば、当該パチンコ機3で、過去に遊技状態がどのように移行し、各遊技状態において発射ハンドルがどのように操作されていたかを把握できる。ここで、図7のグラフでは、発射ハンドル24の操作角度を10段階で表示している。これは、パチンコ機3の回動角度表示装置28の表示態様に対応している。すなわち、遊技者は、回動角度表示装置28のLEDランプを5つ点灯させれば、図7のグラフで下から5番目の回動操作角度を再現することができ、回動角度表示装置28のLEDランプを8つ点灯させれば、当該グラフで下から8番目の回動操作角度を再現できる。なお、図7に示す表示例は一例であり、データ表示ユニット4は、かかる表示例以外にも操作履歴とイベント履歴を様々な図表形式で表示できる。
【0048】
図8は、データ表示ユニット4を制御する制御回路を示すブロック図である。データ制御基板は、データ表示ユニット4の統括的な制御を実行するものである。この基板回路上にはデータ制御用中央制御装置CPUが配設される。このデータ制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが接続される。記憶装置RAMには、パチンコ機から送信される各種信号を一時的に記憶する領域や、ホールサーバー11から送信されるイベント発生履歴や操作履歴を記憶保持する領域が設けられている。また、データ制御基板の基板回路には、データ制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられている。
【0049】
データ制御基板の入力ポート及び出力ポートは、外部端子を備えた入出力基板と接続されている。入出力基板はパチンコ機3及び台管理装置8と接続されており、該入出力基板を介して、パチンコ機3からの各種信号がデータ制御基板に入力される。データ制御基板に入力されるイベント発生信号や回動操作角度信号は、データ制御基板の記憶装置RAMに一時的に記憶され、所要データ形式に変換された後に入出力基板を介して台管理装置8へ送信される。また、ホールサーバー11から台管理装置8を介して送信されるイベント発生履歴と操作履歴は、入出力基板からデータ制御基板に入力されて記憶装置RAMに記憶保持される。
【0050】
データ制御基板の入力ポートには操作ボタン42が接続されており、データ制御基板は、操作ボタン42からの入力に応じて、データ表示装置40に所要画像を表示させたり、LEDランプ41を所要態様で点灯させたりするためのデータやコマンドを表示制御基板に送信する。
【0051】
表示制御基板は、データ表示装置40及びLEDランプ41の表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、表示態様を制御処理する表示制御用中央制御装置CPUに、その表示態様に関する固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
【0052】
表示制御基板は、データ制御基板から入力されたデータ又はコマンドを表示制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所要の表示態様を表示するデータを、出力ポートを介してデータ表示用ドライバ及びランプ作動基板に出力する。そして、データ表示用ドライバが前記データに従ってデータ表示装置40に所要画像を表出させ、ランプ作動基板がLEDランプ41を所要態様で点灯させる。
【0053】
このように、本実施例にあっては、遊技者は、データ表示ユニット4に表示された操作履歴とイベント履歴を参考にすることで、当該パチンコ機3で、過去にどのようなイベントが発生し、また、そのイベント発生時に発射ハンドルがどのように操作されていたかを把握できる。したがって、遊技者は、これらの情報に基づいて、当該パチンコ機3の適切な操作方法について詳細に検討可能となり、攻略意欲を強く刺激されることとなる。
【0054】
また、データ表示ユニット4が表示する図表における回動操作角度の表示態様は、パチンコ機3の回動角度表示装置28の表示態様に対応しているため、遊技者は、データ表示ユニット4の操作履歴に示された回動操作角度を当該パチンコ機3で簡単に再現できる。
【0055】
なお、本発明に係る遊技場設備及びパチンコ機は、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
【0056】
例えば、実施例では、遊技場設備の全てのパチンコ機が回動操作角度情報を出力する構成であるが、本発明に係る遊技場設備には、回動操作角度情報を出力しないパチンコ機をさらに備えることもできるし、さらに、スロットマシンなどを備えることもできる。また、遊技場設備のパチンコ機の遊技内容は適宜変更可能であり、イベント発生情報も当該遊技内容に応じて適宜変更できる。
【0057】
また、実施例では、パチンコ機3の回動操作角度情報が、データ表示ユニット4を介して遊技場管理システム7(台管理装置8)に出力されているが、パチンコ機3から遊技場管理システム7に直接出力することもできる。また、実施例では、データ表示ユニット4は、遊技場管理システム7(ホールサーバー11)から受信したイベント発生履歴や操作履歴を記憶・表示しているが、データ表示ユニット4が、パチンコ機3から受信するイベント発生情報や回動操作角度情報に基づいてイベント発生履歴や操作履歴の一部又は全部を作成・記憶して表示する構成であってもかまわない。
【0058】
また、実施例のパチンコ機3は、発射ハンドルの操作角度をセンサで検知して電気的に発射強度の調整を行うタイプであったが、本発明に係るパチンコ機は、発射ハンドルの操作によって機械的に発射強度の調整を行うタイプにも適用できる。この場合は、発射ハンドルの操作角度を検知する専用のセンサを別途配設すればよい。
【0059】
上記実施例では、図3に示すように、発射ハンドル24の操作部26の回動操作角度の増加に伴って、回動操作方向に沿って一つずつLEDを点灯させていたが、図9に示すように、操作部26の回動操作角度の増加に伴って、回動操作方向に沿ってLEDの点灯位置を移動させるようにしてもかまわない。
【0060】
また、上記実施例では、パチンコ機3は、発射ハンドル24の回動操作角度をそのまま回動操作角度情報として出力する構成であるが、何らかの要因で発射装置が停止しており、発射ハンドル24の回動操作が無効となっている場合には、エラーを示す回動操作角度情報を出力したり、非回動操作状態を示す回動操作角度情報を出力したりすることも提案される。
【符号の説明】
【0061】
1 遊技場設備
2 遊技島
3 パチンコ機
4 データ表示ユニット
5 カードユニット
6 球計数機
7 遊技場管理システム
8 台管理装置
9 島管理装置
10 中央管理装置
11 ホールサーバー
12 ホールコンピュータ
24 発射ハンドル
26 操作部
27 回動角度検知センサ
28 回動角度表示装置
30 発射装置
40 データ表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場管理システムと、該遊技場管理システムに接続されたパチンコ機とを備えてなる遊技場設備において、
パチンコ機は、回動操作可能な発射ハンドルと、
発射ハンドルの回動操作角度に応じた強度で遊技球を発射する発射装置と、
発射ハンドルの回動操作角度を検知して出力する回動角度検知センサと、
該回動角度検知センサの出力を受信し、発射ハンドルの回動操作角度を示す回動操作角度情報を外部出力する回動操作角度出力装置と、
遊技中の各種イベント発生を示すイベント発生情報を外部出力するイベント発生出力装置とを備えており、
遊技場管理システムは、パチンコ機から受信したイベント発生情報を当該パチンコ機のイベント発生履歴として蓄積記憶するとともに、パチンコ機から受信した回動操作角度情報を当該パチンコ機の操作履歴として、イベント発生履歴と関連付けて蓄積記憶することを特徴とする遊技場設備。
【請求項2】
パチンコ機の近傍に配設されて、当該パチンコ機のイベント発生履歴及び操作履歴とを表示するデータ表示ユニットを備えることを特徴とする請求項1記載の遊技場設備。
【請求項3】
パチンコ機は、発射ハンドルの現在の回動操作角度を遊技者に報知する回動角度報知手段を備えることを特徴とする請求項2記載の遊技場設備。
【請求項4】
回動角度報知手段は、発射ハンドルの周囲に回動操作方向に沿って配置された複数のランプからなる回動角度表示装置と、回動角度検知センサの出力を受信し、発射ハンドルの回動操作に伴って、回動角度表示装置のランプを回動操作方向に沿って点灯又は消灯させる回動角度表示装置制御手段とを備えることを特徴とする請求項3記載の遊技場設備。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の遊技場設備に用いられるパチンコ機であって、
回動操作可能な発射ハンドルと、
発射ハンドルの回動操作角度に応じた強度で遊技球を発射する発射装置と、
発射ハンドルの回動操作角度を検知して出力する回動角度検知センサと、
該回動角度検知センサの出力を受信し、発射ハンドルの回動操作角度を示す回動操作角度情報を外部出力する回動操作角度出力装置と、
遊技中の各種イベント発生を示すイベント発生情報を外部出力するイベント発生出力装置と
を備えることを特徴とするパチンコ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−240002(P2010−240002A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88833(P2009−88833)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】