説明

遊技機、及び、この遊技機のシミュレーションプログラム

【課題】 待ち演出による演出効果を高めることが可能な遊技機、及び、この遊技機のシミュレーションプログラムを提供する。
【解決手段】 所定の操作受付時間内において行われた選択ボタン11に対する操作に基づいて、複数種類の操作結果演出の中からいずれかを選択する選択結果演出選択部42cと、所定の操作受付時間が経過した後に、選択結果演出選択部42cによって選択された操作結果演出を行うVDP53と、選択ボタン11に対する操作が行われてから所定の操作受付時間が経過するまでの残余時間を特定し、特定した残余時間に基づいて、操作結果演出を開始するまでの間に行われる待ち演出の演出態様である待ち演出態様を決定する待ち演出態様決定部42bとを遊技機が備え、VDP53が、待ち演出態様決定部42bによって特定された残余時間内において、残余時間に対応する待ち演出態様で待ち演出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
遊技者による操作に基づいて、複数種類の操作結果演出の中からいずれかを選択する遊技機、及び、この遊技機のシミュレーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技盤上に設けられた始動口に遊技球が入球したことを条件として、識別図柄(特別図柄)の変動表示を行うとともに、特別図柄の変動表示が行われているときに、複数の選択肢の中からいずれかの選択肢を遊技者に選択させる演出(以下、選択演出)を行う遊技機が知られている。
【0003】
上述した遊技機は、選択演出を開始してから所定の時間(以下、操作受付時間)が経過するまで、遊技者が選択肢を選択する操作(以下、選択操作)を受け付けるとともに、操作受付時間が経過した後に、遊技者による選択操作に対応する操作結果演出を行う。
【0004】
また、上述した遊技機は、選択操作を受け付けてから操作受付時間が経過するまでの間(残りの操作受付時間が経過するまでの間)、選択演出を開始してから操作結果演出を開始するまでの時間を一定に保つための待ち演出を行う。
【特許文献1】特開2004−135949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した遊技機では、選択演出を開始してから選択結果演出を開始するまでの時間を一定に保つために行われる待ち演出は、単に、遊技者による選択操作の結果が表示されるものであるため、待ち演出が単調なものになるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、待ち演出による演出効果を高めることが可能な遊技機、及び、この遊技機のシミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、遊技者によって操作可能な操作手段と、所定の操作受付時間内において行われた操作手段に対する操作に基づいて、複数種類の操作結果演出の中からいずれかを選択する操作結果演出選択手段と、所定の操作受付時間が経過した後に、操作結果演出選択手段によって選択された操作結果演出を行う操作結果演出実行手段と、操作手段に対する操作が行われてから所定の操作受付時間が経過するまでの残余時間を特定する残余時間特定手段と、残余時間特定手段によって特定された残余時間に基づいて、操作結果演出を開始するまでの間に行われる待ち演出の演出態様である待ち演出態様を決定する待ち演出態様決定手段と、残余時間特定手段によって特定された残余時間内において、待ち演出態様決定手段によって決定された待ち演出態様で待ち演出を行う待ち演出実行手段とを遊技機が備えることを要旨とする。
【0008】
かかる特徴によれば、待ち演出態様決定手段が、残余時間特定手段によって特定された残余時間に基づいて待ち演出態様を決定する(すなわち、特定された残余時間に応じて待ち演出態様を異ならせる)ことにより、遊技機は、待ち演出による演出効果を高めることができる。
【0009】
なお、待ち演出態様とは、待ち演出が実行される速度である実行速度(例えば、カードの回転速度)、待ち演出の表示態様(例えば、カードの回転方向、カードの大きさ)である。
【0010】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴において、待ち演出が実行される実行速度の基準となる基準実行速度を記憶する基準実行速度記憶手段を遊技機が備え、待ち演出態様決定手段は、基準実行速度記憶手段に記憶された基準実行速度と残余時間特定手段によって特定された残余時間とに基づいて、待ち演出の実行速度を算出する実行速度算出手段を有し、待ち演出実行手段が、実行速度算出手段によって算出された実行速度に基づいて待ち演出を行うことを要旨とする。
【0011】
かかる特徴によれば、実行速度算出手段が、基準実行速度記憶手段に記憶された基準実行速度と残余時間特定手段によって特定された残余時間とに基づいて、待ち演出の実行速度を算出することにより、遊技機は、残余時間と実行速度とを対応付けるテーブルを用いる必要がなく(記憶容量を低減することができ)、待ち演出の実行速度に多様性を持たせることができる。
【0012】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1の特徴又は第2の特徴において、 識別図柄の変動表示を所定の表示領域上で行う変動表示手段と、所定の表示領域上で行われる識別図柄の変動表示の結果が特定の表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に遊技状態を移行する遊技状態移行手段と、所定の表示領域上で行われる識別図柄の変動表示の結果が特定の表示態様となるか否か判定する判定手段と、識別図柄の変動表示が行われているときに、所定の操作受付条件が成立すると、操作手段に対する操作を受付可能であることを報知する操作受付報知手段とを遊技機が備え、待ち演出態様決定手段が、所定の表示領域上で行われる識別図柄の変動表示の結果が特定の表示態様となると判定手段によって判定された場合に、複数種類の待ち演出態様のうちの特定の待ち演出態様で待ち演出を待ち演出実行手段に行わせると決定することを要旨とする。
【0013】
かかる特徴によれば、待ち演出実行手段が、所定の表示領域上で行われる識別図柄の変動表示の結果が特定の表示態様となると判定手段によって判定された場合に、特定の待ち演出態様で待ち演出を行うことにより、遊技機は、識別図柄の変動表示が終了する前に、特定の待ち演出態様によって、特定の表示態様が導出表示される可能性があること(遊技状態が特定遊技状態に移行される可能性があること)を遊技者に報知することができる。
【0014】
すなわち、遊技機は、遊技状態が特定遊技状態に移行されることに対する期待感を遊技者に持たせながら、操作手段に対する操作を遊技者に行わせることができる。
【0015】
本発明の第4の特徴は、遊技者によって操作可能な操作手段と、所定の操作受付時間内において行われた操作手段に対する操作に基づいて、複数種類の操作結果演出の中からいずれかを選択する操作結果演出選択手段と、所定の操作受付時間が経過した後に、操作結果演出選択手段によって選択された操作結果演出を行う操作結果演出実行手段と、操作手段に対する操作が行われてから所定の操作受付時間が経過するまでの残余時間を特定する残余時間特定手段と、残余時間特定手段によって特定された残余時間に基づいて、待ち演出の演出態様である待ち演出態様を決定する待ち演出態様決定手段と、残余時間特定手段によって特定された残余時間内において、待ち演出態様決定手段によって決定された待ち演出態様で待ち演出を行う待ち演出実行手段とを備える遊技機のシミュレーションをシミュレーションプログラムがコンピュータに実行させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、待ち演出による演出効果を高めることが可能な遊技機、及び、この遊技機のシミュレーションプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(遊技機の構成)
以下において、本発明の一実施形態に係る遊技機10の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機10を示す外観図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、遊技場に遊技機10を設置するために設けられている外枠1と、外枠1の内側に開閉可能に設けられている内枠2と、内枠2の前面側に設けられている遊技盤3と、回転操作されることにより遊技盤3上の遊技領域に向けて遊技球を発射するように構成された発射ハンドル24と、遊技状態に応じて効果音や音声などを出力するスピーカ25L及び25Rと、遊技状態に応じて所定のパターンで点灯・消灯するランプ26L及び26Rとを備える。
【0019】
また、遊技機10には、プリペイドカードなどが挿入されると、該プリペイドカードの残高に応じて、遊技球が貸し出されるように構成されたカードユニット20が併設されている。
【0020】
遊技盤3上の遊技領域には、液晶表示装置4と、特別図柄表示装置5と、始動口6と、普通図柄作動ゲート7と、大入賞口8と、アウト口9と、一般入賞口16とが設けられている。
【0021】
液晶表示装置4上には、遊技を盛り上げるために、遊技状態に応じた演出内容(演出画像)が表示される。ここで、演出内容には、複数の選択肢の中からいずれかを遊技者に選択させる選択演出、遊技者によって選択された選択肢に対応する選択結果演出、選択演出を開始してから選択結果演出を開始するまでの時間を一定に保つための待ち演出、遊技状態が大当り状態に移行される可能性があることを遊技者に報知するリーチ演出や予告演出等が含まれる。
【0022】
特別図柄表示装置5上では、始動口6内に設けられた始動領域を遊技球が通過したことを条件として、識別図柄(以下、特別図柄)の変動表示が行われる。具体的には、特別図柄の変動表示は、始動領域を遊技球が通過したことを条件として抽出される大当り判定用乱数値や大当り表示態様決定用乱数値などに基づいて行われる。
【0023】
また、特別図柄表示装置5上には、特別図柄の変動表示が行われた後に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(本実施形態では、大当り状態)に遊技状態が移行されるか否かを示す表示結果(以下、停止表示態様)が導出表示される。
【0024】
なお、停止表示態様には、遊技状態が大当り状態に移行されないことを示すハズレ表示態様と、遊技状態が大当り状態に移行されることを示す特定の表示態様(以下、大当り表示態様)とが含まれる。
【0025】
また、大当り表示態様には、遊技状態が大当り状態に移行された後に、大当り状態に移行される確率が向上する高確率状態(以下、確変状態)に遊技状態が移行されることを示す確変大当り表示態様と、遊技状態が大当り状態に移行された後に、大当り状態に移行される確率が向上しない状態(以下、通常状態)に遊技状態が移行されること(遊技状態が確変状態に移行されないこと)を示す通常大当り表示態様とが含まれる。
【0026】
なお、大当り判定用乱数値とは、遊技状態を大当り状態に移行させるか否か判定するために用いられる乱数値である。また、大当り表示態様決定用乱数値とは、大当り表示態様の種類を決定するために用いられる乱数値である。
【0027】
始動口6は、遊技球が入球し易い開放状態と遊技球が入球し難い閉鎖状態とに変化可能であり、始動口6内に設けられた始動領域を遊技球が通過したことを条件として、大当り判定用乱数値や大当り表示態様決定用乱数値などが抽出されるように構成される。また、始動口6は、始動口6に遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として払出されるように構成される。
【0028】
普通図柄作動ゲート7は、普通図柄作動ゲート7を遊技球が通過したことを条件として、普通図柄当り判定用乱数値が抽出されるように構成される。
【0029】
大入賞口8は、遊技球が入球し易い開放状態と遊技球が入球し難い閉鎖状態とに変化可能なものである。また、大入賞口8は、遊技状態が大当り状態に移行されると、閉鎖状態である大入賞口8が開放状態となってから、再び閉鎖状態となるまでを1ラウンドとして制御される。なお、大当り状態においては、所定回数(本実施形態では、15回)を上限として、ラウンドが繰り返されるものとする。さらに、大入賞口8は、大入賞口8に遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として払出されるように構成される。
【0030】
アウト口9は、始動口6、大入賞口8及び一般入賞口16等のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れる。
【0031】
一般入賞口16は、一般入賞口16に遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として払い出されるように構成される。
【0032】
また、遊技盤3の下方には、上述した選択演出において、遊技者が選択肢を選択するために用いる選択ボタン(選択ボタン11a及び選択ボタン11b)が設けられている。
【0033】
なお、本実施形態において、選択ボタン11a及び選択ボタン11bは、遊技者によって操作可能な操作手段を構成する。
【0034】
以下において、本発明の一実施形態に係る遊技機10の制御部について、図面を参照しながら説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る遊技機10の制御部を示すブロック図である。
【0035】
図2に示すように、遊技機10の制御部は、主制御回路30と、副制御回路40と、払出・発射制御回路80とによって構成される。
【0036】
主制御回路30は、I/O31と、メインCPU32と、メインROM33と、メインRAM34と、コマンド出力ポート35とによって構成される。
【0037】
また、主制御回路30には、大入賞口8内に設けられた特定領域(Vゾーン)を通過した遊技球を検出するV・カウントスイッチ28Sと、大入賞口8内に設けられた一般領域を通過した遊技球を検出するカウントスイッチ29Sと、一般入賞口16に入球した遊技球を検出する一般入賞球スイッチ16Sと、普通図柄作動ゲート7を通過した遊技球を検出する通過球スイッチ7Sと、始動口6内に設けられた始動領域を通過した遊技球を検出する始動入賞球スイッチ6Sと、始動口6を開放状態(又は、閉鎖状態)とする始動口ソレノイド6aと、大入賞口8を開放状態(又は、閉鎖状態)とする大入賞口ソレノイド8aと、大入賞口8に入球した遊技球を特定領域と一般領域とに振り分けるシーソーを駆動するシーソーソレノイド8bと、上述した特別図柄表示装置5とが接続されている。
【0038】
I/O31は、上述した各スイッチ及び上述した各ソレノイドとメインCPU32との間で、信号を入出力するためのインターフェースである。
【0039】
メインCPU32は、後述する「システムタイマ割込処理」(図11(a)を参照)、及び、「メイン処理」(図11(b)を参照)における各処理を行う。なお、メインCPU32の動作の詳細については後述する(図11〜図13を参照)。
【0040】
メインROM33には、後述する「システムタイマ割込処理」(図11(a)を参照)、及び、「メイン処理」(図11(b)を参照)における各処理を行うためのプログラムやテーブルなどが記憶されている。例えば、メインROM33には、特別図柄の変動表示のパターン(以下、変動表示パターン)を選択する際に参照される変動表示パターン選択テーブル(図6を参照)が記憶されている。
【0041】
メインRAM34は、DRAMなどによって構成され、始動記憶(始動口6内に設けられた始動領域を遊技球が通過した際に抽出される大当り判定用乱数値や大当り表示態様決定用乱数値を含む)などを記憶する。
【0042】
コマンド出力ポート35は、メインCPU32によってセットされた各コマンドを副制御回路40に出力するためのポートである。
【0043】
副制御回路40は、コマンド入力ポート41と、サブCPU42と、サブROM43と、サブRAM44と、画像制御回路45と、音声制御回路46と、ランプ制御回路47とによって構成される。また、副制御回路40には、上述した選択ボタン11a及び選択ボタン11bが接続されている。
【0044】
コマンド入力ポート41は、主制御回路30によって出力された各コマンドをサブCPU42に入力するためのポートである。
【0045】
サブCPU42は、後述する「コマンド受信処理」(図14(a)を参照)、「メイン処理」(図14(b)を参照)、及び、「システムタイマ割込処理」(図17を参照)における各処理を行う。具体的には、サブCPU42は、コマンド入力ポート41を経由して入力された各コマンド(メインCPU32によってセットされた各コマンド)に基づいて、画像制御回路45、音声制御回路46及びランプ制御回路47を制御するための制御データをセットする。なお、サブCPU42の動作の詳細については後述する(図14〜図20を参照)。
【0046】
サブROM43は、画像制御回路45、音声制御回路46及びランプ制御回路47を制御するためのプログラムやテーブルを記憶している。例えば、サブROM43は、液晶表示装置4上に表示される演出内容のパターン(演出パターン)を選択する際に参照される演出パターン選択テーブル(図7を参照)が記憶されている。
【0047】
サブRAM44は、DRAMなどによって構成され、コマンド入力ポート41を経由して入力された各コマンド(主制御回路30によって出力された各コマンド)、入力された各コマンドに応じて各制御回路を制御するためのデータ等を記憶する。
【0048】
画像制御回路45は、サブCPU42によってセットされた制御データに基づいて、遊技状態に応じた演出内容(演出画像)を液晶表示装置4上に表示する。なお、画像制御回路45の詳細については後述する(図3を参照)。
【0049】
音声制御回路46は、サブCPU42によってセットされた制御データに基づいて、遊技状態に応じた音声や効果音等をスピーカ25L及び25Rから出力する。
【0050】
ランプ制御回路47は、サブCPU42によってセットされた制御データに基づいて、遊技状態に応じた所定のパターンで、ランプ26L及び26Rを点灯・消灯する。
【0051】
払出・発射制御回路80は、始動口6、大入賞口8及び一般入賞口16等に遊技球が入球した際に、主制御回路30から入力されるコマンド(払出コマンド)に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出装置81、及び、発射ハンドル24に対する回転操作に応じて、遊技盤3上の遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置82を制御する。
【0052】
また、払出・発射制御回路80には、カードユニット20が接続され、該カードユニット20にプリペイドカードが挿入されると、払出・発射制御回路80は、該プリペイドカードの残高に応じた数を上限として、所定数の遊技球を貸し出すように払出装置81を制御する。
【0053】
以下において、上述した画像制御回路45の詳細について、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る画像制御回路45を示すブロック図である。
【0054】
図3に示すように、画像制御回路45は、画像ROM51と、フレームバッファ52と、VDP53と、D/Aコンバータ54とによって構成される。
【0055】
画像ROM51は、液晶表示装置4上に表示される演出画像(演出画像の背景となる背景画像、演出画像の主な構成要素となる主構成画像(キャラクタやアイテムの画像等))に対応する画像データを記憶するものである。具体的には、画像ROM51は、画像データと、その画像データのアドレスとを関連付けて記憶している。
【0056】
フレームバッファ52は、第1フレームバッファ52aと第2フレームバッファ52bとによって構成される。第1フレームバッファ52a及び第2フレームバッファ52bは、液晶表示装置4上に表示される演出画像の1フレームに対応する画像データが書き込まれるバッファ領域である。
【0057】
具体的には、第1フレームバッファ52aに書き込まれた画像データに対応するフレームが液晶表示装置4上に表示されているときには、そのフレームの次に液晶表示装置4上に表示されるフレームに対応する画像データが第2フレームバッファ52bに書き込まれる。同様に、第2フレームバッファ52bに書き込まれた画像データに対応するフレームが液晶表示装置4上に表示されているときには、そのフレームの次に液晶表示装置4上に表示されるフレームに対応する画像データが第1フレームバッファ52aに書き込まれる。
【0058】
VDP53は、第1フレームバッファ52aに書き込まれた画像データに基づいて、演出画像の1フレームを液晶表示装置4上に表示するとともに、そのフレームの次に液晶表示装置4上に表示されるフレームに対応する画像データを第2フレームバッファ52bに書き込む。同様に、VDP53は、第2フレームバッファ52bに書き込まれた画像データに基づいて、演出画像の1フレームを液晶表示装置4上に表示するとともに、そのフレームの次に液晶表示装置4上に表示されるフレームに対応する画像データを第1フレームバッファ52aに書き込む。すなわち、VDP53は、上述した処理を繰り返すことによって、液晶表示装置4上に演出画像をフレーム毎に表示する。
【0059】
具体的には、VDP53は、サブCPU42によってセットされた制御データ(画像データのアドレス、その画像データに対応する画像を表示する位置(座標)等)に基づいて、画像ROM51から画像データを読み出すとともに、読み出した画像データを第1フレームバッファ52a(又は、第2フレームバッファ52b)に書き込む。
【0060】
また、VDP53は、液晶表示装置4の表示領域上における水平方向(走査方向)の直線画像(以下、走査線画像)に対応する画像データを、第1フレームバッファ52a(又は、第2フレームバッファ52b)に書き込む。なお、VDP53は、液晶表示装置4の表示領域上において走査線画像が走査方向に対する垂直方向に所定の間隔で配置されるように、走査線画像に対応する画像データを書き込む。
【0061】
ここで、VDP53は、液晶表示装置4の表示領域において最前面に位置するレイヤ1、レイヤ1よりも背面側に位置するレイヤ2、及び、レイヤ2よりも背面側に位置するレイヤ3のうち、いずれかのレイヤに対応付けて画像データを第1フレームバッファ52a(又は、第2フレームバッファ52b)に書き込む。
【0062】
具体的には、VDP53は、背景画像に対応する画像データをレイヤ3に対応付けて書き込み、主構成画像に対応する画像データをレイヤ2に対応付けて書き込み、走査線画像に対応する画像データをレイヤ1に対応付けて書き込む。
【0063】
さらに、VDP53は、演出画像(主構成画像、又は、背景画像)が走査線画像を通じて透過表示される位置(座標)、演出画像が走査線画像を通じて透過表示される度合い(透過度)を特定する制御データがサブCPU42によってセットされた場合には、セットされた制御データに基づいて、走査線画像と重ね合わさる位置に表示される演出画像が走査線画像を通じて透過表示されるように、第1フレームバッファ52a(又は、第2フレームバッファ52b)に書き込む画像データを調整する。
【0064】
例えば、VDP53は、サブCPU42によってセットされた透過度が60%、サブCPU42によってセットされた座標(透過位置)に対応する走査線画像のRGB比率が「R=150、G=120、B=180」、サブCPU42によってセットされた座標(透過位置)に対応する主構成画像(又は、背景画像)のRGB比率が「R=0、G=200、B=90」である場合には、走査線画像のRGB比率を「R=60(150×0.4)、G=48(120×0.4)、B=72(180×0.4)」に変更するとともに、主構成画像(又は、背景画像)のRGB比率を「R=0(0×0.6)、G=120(200×0.6)、B=54(90×0.6)」に変更する。
【0065】
また、VDP53は、各レイヤに対応付けて書き込まれた画像データに基づいて、液晶表示装置4上に演出画像及び走査線画像を表示する。
【0066】
具体的には、VDP53は、レイヤ1に対応付けられた走査線画像と、レイヤ2に対応付けられた主構成画像と、レイヤ3に対応付けられた背景画像とを重ね合わせて、液晶表示装置4上に表示する。
【0067】
このとき、VDP53は、演出画像を透過表示させない場合には、レイヤ1(走査線画像)をレイヤ2(主構成画像)及びレイヤ3(背景画像)に優先して表示する。また、VDP53は、レイヤ2(主構成画像)をレイヤ3(背景画像)に優先して表示する。
【0068】
例えば、レイヤ1(走査線画像)のRGB比率が「R=150、G=120、B=180」、レイヤ2(主構成画像)のRGB比率が「R=0、G=200、B=90」、レイヤ3(背景画像)のRGB比率が「R=100、G=100、B=100」である場合には、VDP53は、レイヤ1をレイヤ2及びレイヤ3よりも優先して表示するため、液晶表示装置4上には、RGB比率が「R=150、G=120、B=180」である走査線画像のみが表示される。
【0069】
一方、主構成画像(又は、背景画像)を透過表示させる場合には、上述したように、VDP53は、主構成画像(又は、背景画像)が走査線画像を通じて透過表示されるように、画像データを調整する。
【0070】
例えば、サブCPU42によってセットされた透過度が60%、サブCPU42によってセットされた座標(透過位置)に対応するレイヤ1(走査線画像)のRGB比率が「R=150、G=120、B=180」、サブCPU42によってセットされた座標(透過位置)に対応するレイヤ2(主構成画像)のRGB比率が「R=0、G=200、B=90」、サブCPU42によってセットされた座標(透過位置)に対応するレイヤ3(背景画像)のRGB比率が「R=100、G=100、B=100」である場合には、VDP53は、走査線画像のRGB比率を「R=60(150×0.4)、G=48(120×0.4)、B=72(180×0.4)」に変更するとともに、主構成画像のRGB比率を「R=0(0×0.6)、G=120(200×0.6)、B=54(90×0.6)」に変更する。また、VDP53は、変更後のRGB比率を合算して、RGB比率が「R=60(60+0)、G=168(48+120)、B=126(72+54)」である画像を液晶表示装置4上に表示する。
【0071】
従って、液晶表示装置4上には、RGB比率が「R=60、G=48、B=72」である走査線画像と、RGB比率が「R=0、G=120、B=54」である主構成画像とを混合させた画像が表示される。すなわち、液晶表示装置4上には、主構成画像が60%の透過度で走査線画像を通じて透過表示される。
【0072】
なお、レイヤ3(背景画像)は、レイヤ2(主構成画像)がレイヤ3(背景画像)よりも優先して表示されるため、液晶表示装置4上には表示されない。
【0073】
D/Aコンバータ54は、VDP53の指示に応じて画像データをデジタル信号からアナログ信号に変換する。
【0074】
以下において、本発明の一実施形態に係る遊技機10の制御部の機能ブロックについて、図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る遊技機10の制御部の機能ブロックを示す図である。なお、図4では、上述した図2に示す制御部の一部が省略されている。
【0075】
図4に示すように、主制御回路30は、始動記憶部34aと、当り判定部32aと、停止表示態様決定部32bと、変動表示パターン選択部32cと、変動表示実行部32dと、大入賞口制御部32eとによって構成される。
【0076】
始動記憶部34aは、始動口6内に設けられた始動領域を遊技球が通過したことが始動入賞球スイッチ6Sによって検出された際に抽出される乱数値(大当り判定用乱数値及び大当り表示態様決定用乱数値)を始動記憶として記憶する。また、始動記憶部34aは、所定数(本実施形態では、特別図柄表示装置5上で行われている特別図柄の変動表示に対応するものも含めて、5個)を上限として始動記憶を記憶する。
【0077】
当り判定部32aは、遊技状態を大当り状態に移行させるか否かを判定する。具体的には、当り判定部32aは、大当り判定用乱数値と所定の大当り判定値とが一致するか否かを判定する。
【0078】
停止表示態様決定部32bは、当り判定部32aによる判定結果等に基づいて、特別図柄表示装置5上に導出表示される特別図柄の停止表示態様の種類を決定する。
【0079】
具体的には、停止表示態様決定部32bは、大当り判定用乱数値と所定の大当り判定値とが一致すると当り判定部32aによって判定された場合には、始動記憶に含まれる大当り表示態様決定用乱数値に基づいて、大当り表示態様(通常大当り表示態様又は確変大当り表示態様)を決定する。
【0080】
一方、停止表示態様決定部32bは、大当り判定用乱数値と所定の大当り判定値とが一致しないと当り判定部32aによって判定された場合には、ハズレ表示態様選択用乱数値を抽出するとともに、抽出したハズレ表示態様選択用乱数値に基づいて、ハズレ表示態様を決定する。
【0081】
また、停止表示態様決定部32bは、決定した特別図柄の停止表示態様に対応する停止表示態様指定コマンドをセットする。
【0082】
変動表示パターン選択部32cは、停止表示態様決定部32bによって決定された特別図柄の停止表示態様の種類(ハズレ表示態様、通常大当り表示態様、又は、確変大当り表示態様)に基づいて、特別図柄の変動表示のパターン(変動表示パターン)を選択する。
【0083】
具体的には、変動表示パターン選択部32cは、特別図柄の停止表示態様の種類に応じた変動表示パターン選択テーブルを参照して、変動表示パターンを選択する。また、変動表示パターン選択部32cは、選択した変動表示パターンに対応する変動表示パターン指定コマンドをセットする。なお、変動表示パターン選択テーブルの詳細については後述する(図6を参照)。
【0084】
変動表示実行部32dは、変動表示パターン選択部32cによって選択された変動表示パターンに応じて、特別図柄表示装置5上で特別図柄の変動表示を行う。また、変動表示実行部32dは、特別図柄の変動表示を行った後に、停止表示態様決定部32bによって決定された特別図柄の停止表示態様を導出表示する。
【0085】
大入賞口制御部32eは、大当り判定用乱数値と所定の大当り判定値とが一致すると当り判定部32aによって判定された場合に、大入賞口8を開放状態(又は、閉鎖状態)とするように、大入賞口ソレノイド8aを制御する。
【0086】
なお、本実施形態において、当り判定部32a、停止表示態様決定部32b、変動表示パターン選択部32c、変動表示実行部32d及び大入賞口制御部32eは、上述したメインCPU32に備えられている。
【0087】
また、本実施形態において、始動記憶部34aは、上述したメインRAM34に備えられている。
【0088】
なお、本実施形態において、変動表示実行部32dは、識別図柄(特別図柄)の変動表示を所定の表示領域(特別図柄表示装置5)上で行う変動表示手段を構成する。
【0089】
また、本実施形態において、大入賞口制御部32eは、所定の表示領域(特別図柄表示装置5)上で行われる識別図柄(特別図柄)の変動表示の結果が特定の表示態様(大当り表示態様)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)に遊技状態を移行する遊技状態移行手段を構成する。
【0090】
また、副制御回路40は、演出パターン選択部42aと、待ち演出態様決定部42bと、選択結果演出選択部42cと、演出指示部42dと、履歴報知指示部42eと、基準実行速度記憶部43a、履歴情報記憶部44aと、演出画像生成部53aと、走査線画像生成部53bと、画像重合部53cとによって構成される。
【0091】
演出パターン選択部42aは、主制御回路30から入力された変動表示パターン指定コマンドに基づいて、演出内容のパターン(演出パターン)を選択する。具体的には、演出パターン選択部42aは、入力された変動表示パターン指定コマンドに対応する演出パターン選択テーブルを参照して、演出パターンを選択する。なお、演出パターン選択テーブルの詳細については後述する(図7を参照)。
【0092】
待ち演出態様決定部42bは、選択ボタン11a又は選択ボタン11b(以下、総称して選択ボタン11)に対する遊技者の操作に基づいて、待ち演出態様を決定する。具体的には、待ち演出態様決定部42bは、所定の操作受付時間内において選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けた場合に、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けてから所定の操作受付時間が経過するまでの残余時間を算出するとともに、算出した残余時間に対応する待ち演出態様を決定する。
【0093】
なお、所定の操作受付時間とは、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けることが可能な上限時間である。
【0094】
また、待ち演出態様とは、待ち演出(本実施形態では、カードを回転させる演出)が実行される速度である実行速度(本実施形態では、カードの回転速度)、待ち演出の表示態様(本実施形態では、回転するカードを装飾する画像を表示するか否か)である。
【0095】
ここで、待ち演出態様決定部42bは、後述する基準実行速度記憶部43aに記憶された基準実行速度(例えば、6000rpm)と、算出した残余時間とに基づいて、待ち演出態様の実行速度(カードの回転速度)を決定する。
【0096】
具体的には、待ち演出態様決定部42bは、残余時間「p」/所定の操作受付時間「q」×基準実行速度=待ち演出態様の実行速度という式に、算出した残余時間を適用することによって、待ち演出態様の実行速度を決定する。
【0097】
従って、待ち演出態様決定部42bは、算出した残余時間が短い場合には、速い回転速度をカードの回転速度として決定し、算出した残余時間が長い場合には、遅い回転速度をカードの回転速度として決定する。
【0098】
なお、カードは、回転することによって、カードの数字が表示された状態(表面が表示された状態)とカードが伏せられた状態(裏面が表示された状態)とが繰り返され、カードの数字が次々に切り替わるように表示される。すなわち、カードの回転速度は、カードの数字が切り替わるタイミングである。
【0099】
また、待ち演出態様決定部42bは、演出パターン選択部42aによって選択される演出パターンに基づいて、特別図柄の変動表示の結果(特別図柄の停止表示態様)が大当り表示態様となるか否かを判定し、特別図柄の停止表示態様が大当り表示態様となると判定した場合には、特定の待ち演出態様で待ち演出(回転するカードを装飾する演出)を行うことを決定する。
【0100】
選択結果演出選択部42cは、変動表示パターン選択部32cによって選択された変動表示パターン(演出パターン選択部42aによって選択された演出パターン)の種類に基づいて、選択ボタン11に対する遊技者の操作(遊技者によって選択された選択肢、又は、所定の操作受付時間が経過した際に自動的に決定された選択肢)に対応する選択結果演出の種類を選択する。
【0101】
演出指示部42dは、演出パターン選択部42aによって選択された演出パターン、待ち演出態様決定部42bによって決定された待ち演出態様、及び、選択結果演出選択部42cによって選択された選択結果演出に基づいて、液晶表示装置4上に表示される演出画像を生成するよう演出画像生成部53aに指示する。
【0102】
具体的には、演出指示部42dは、演出画像の1フレームに対応する制御データ(背景画像の種類、主構成画像(カード)の種類、主構成画像(カード)を表示する位置(座標)等)をセットする。また、演出指示部42dは、待ち演出態様に対応する制御データ(主構成画像(カード)を装飾する画像、主構成画像(カード)を装飾する画像を表示する位置(座標)等)をセットする。さらに、演出指示部42dは、選択結果演出に対応する制御データ(主構成画像(カード)の種類、主構成画像(カード)を表示する位置(座標)等)をセットする。
【0103】
また、演出指示部42dは、選択演出を開始する際に、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けることが可能であることを遊技者に報知する画像を生成するよう演出画像生成部53aに指示する。
【0104】
さらに、演出指示部42dは、走査線画像を通じて演出画像を透過表示させる度合い(透過度)、及び、走査線画像を通じて演出画像を透過表示させる位置(透過位置)を決定するとともに、決定した透過度及び透過位置を特定する制御データをセットする。
【0105】
履歴報知指示部42eは、後述する履歴情報記憶部44aに記憶されている履歴情報に基づいて、選択結果演出選択部42cによって選択された選択演出結果の履歴に対応する履歴画像を生成するよう演出画像生成部53aに指示する。
【0106】
具体的には、履歴報知指示部42eは、選択結果演出選択部42cによって選択された選択演出結果の履歴に対応する制御データ(選択演出結果の履歴(カードの種類)、選択演出結果の履歴が表示される位置(座標)等)をセットする。
【0107】
基準実行速度記憶部43aは、上述した基準実行速度(例えば、6000rpm)を記憶する。
【0108】
履歴情報記憶部44aは、選択結果演出選択部42cによって選択された選択演出結果の履歴を履歴情報として記憶する。
【0109】
演出画像生成部53aは、演出指示部42dによってセットされた制御データに基づいて、液晶表示装置4上に表示する演出画像を生成する。また、演出画像生成部53aは、履歴報知指示部42eによってセットされた制御データに基づいて、液晶表示装置4上に表示する履歴画像を生成する。
【0110】
具体的には、演出画像生成部53aは、演出指示部42dによってセットされた制御データに基づいて、背景画像に対応する画像データをレイヤ3に対応付けてフレームバッファ52に書き込むとともに、主構成画像(カード)に対応する画像データをレイヤ2に対応付けてフレームバッファ52に書き込む。
【0111】
また、演出画像生成部53aは、履歴報知指示部42eによってセットされた制御データに基づいて、選択演出結果の履歴(カード)に対応する画像データをレイヤ2に対応付けてフレームバッファ52に書き込む。
【0112】
さらに、演出画像生成部53aは、透過度及び透過位置を含む制御データがセットされた場合には、レイヤ2(又はレイヤ3)に対応付けて書き込まれる画像データ(演出画像又は背景画像)のRGB比率を変更する。
【0113】
走査線画像生成部53bは、液晶表示装置4の表示領域上における水平方向の直線画像(走査線画像)を生成する。具体的には、走査線画像生成部53bは、走査線画像に対応する画像データをレイヤ1に対応付けてフレームバッファ52に書き込む。
【0114】
また、走査線画像生成部53bは、透過度及び透過位置を含む制御データがセットされた場合には、レイヤ1に対応付けて書き込まれる画像データ(走査線画像)のRGB比率を変更する。
【0115】
画像重合部53cは、各レイヤに対応付けてフレームバッファ52に書き込まれた画像データに基づいて、各レイヤに対応する画像(背景画像、主構成画像及び走査線画像)を重ね合わせて液晶表示装置4上に表示する。
【0116】
このとき、画像重合部53cは、走査線画像を通じて演出画像を透過表示させない場合には、レイヤ1(走査線画像)をレイヤ2(主構成画像)及びレイヤ3(背景画像)よりも優先して表示し、レイヤ2(主構成画像)をレイヤ3(背景画像)よりも優先して表示する。
【0117】
具体的には、画像重合部53cは、走査線画像を通じて演出画像(主構成画像及び背景画像)を透過表示させない場合には、主構成画像のRGB比率及び背景画像のRGB比率を合算せずに、走査線画像のみを表示する。
【0118】
一方、画像重合部53cは、走査線画像を通じて演出画像(主構成画像又は背景画像)を透過表示させる場合には、変更された走査線画像のRGB比率と、変更された演出画像のRGB比率とを合算することによって、走査線画像を通じて演出画像を透過表示させる。
【0119】
なお、本実施形態において、演出パターン選択部42a、待ち演出態様決定部42b、選択結果演出選択部42c、演出指示部42d及び履歴報知指示部42eは、上述したサブCPU42に備えられている。
【0120】
また、本実施形態において、基準実行速度記憶部43aは、上述したサブROM43に備えられ、履歴情報記憶部44aは、サブRAM44に備えられている。
【0121】
さらに、本実施形態において、演出画像生成部53a、走査線画像生成部53b及び画像重合部53cは、上述したVDP53に備えられている。
【0122】
なお、本実施形態において、選択結果演出選択部42cは、所定の操作受付時間内において行われた操作手段(選択ボタン11)に対する操作に基づいて、複数種類の操作結果演出の中からいずれかを選択する操作結果演出選択手段を構成する。
【0123】
また、本実施形態において、演出画像生成部53a及び画像重合部53cは、所定の操作受付時間が経過した後に、操作結果演出選択手段(選択結果演出選択部42c)によって選択された操作結果演出を行う操作結果演出実行手段、特定された残余時間内において、待ち演出態様決定手段(待ち演出態様決定部42b)によって決定された待ち演出態様で待ち演出を行う待ち演出実行手段、識別図柄(特別図柄)の変動表示が行われているときに、所定の操作受付条件が成立すると(選択演出を開始する時間となると)、操作手段(選択ボタン11)に対する操作を受付可能であることを報知する操作受付報知手段を構成する。
【0124】
さらに、本実施形態において、待ち演出態様決定部42bは、操作手段に対する操作が行われてから所定の操作受付時間が経過するまでの残余時間を特定する残余時間特定手段、特定された残余時間に基づいて、操作結果演出を開始するまでの間に行われる待ち演出の演出態様である待ち演出態様を決定する待ち演出態様決定手段、及び、所定の表示領域(特別図柄表示装置5)上で行われる識別図柄(特別図柄)の変動表示の結果が特定の表示態様(大当り表示態様)となるか否か判定する判定手段を構成する。
【0125】
また、本実施形態において、基準実行速度記憶部43aは、待ち演出が実行される実行速度の基準となる基準実行速度を記憶する基準実行速度記憶手段を構成する。
【0126】
以下において、本発明の一実施形態に係る演出内容と、その演出内容によって遊技者に報知される内容との関係について、図面を参照しながら説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る演出内容と、その演出内容によって遊技者に報知される内容との関係を示す図である。なお、本発明の一実施形態に係る演出内容は、ポーカーに係る演出内容である。
【0127】
図5に示すように、液晶表示装置4上で行われる演出内容において、4カード以上の手役(4カード、ストレートフラッシュ、ロイヤルストレートフラッシュ及び5カード)が揃った場合には、大当り状態が終了した後の遊技状態が確変状態となる確変大当り状態に移行される。
【0128】
また、液晶表示装置4上で行われる演出内容において、フラッシュ又はフルハウスの手役が揃った場合には、大当り状態が終了した後の遊技状態が通常の遊技状態となる通常大当り状態に移行される。また、フラッシュ又はフルハウスの手役が揃った場合には、遊技状態が確変大当り状態に移行される可能性もある。
【0129】
さらに、液晶表示装置4上で行われる演出内容において、2ペア、3カード又はストレートの手役が揃った場合には、遊技状態が通常大当り状態(又は、確変大当り状態)に移行される可能性がある。
【0130】
以下において、上述した変動表示パターン選択テーブルについて、図面を参照しながら説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る変動表示パターン選択テーブルを示す図である。
【0131】
なお、図6(a)は、ハズレ表示態様が特別図柄の停止表示態様として決定された際に参照される変動表示パターン選択テーブル(ハズレ時)である。
【0132】
また、図6(b)は、通常大当り表示態様が特別図柄の停止表示態様として決定された際に参照される変動表示パターン選択テーブル(通常大当り時)である。
【0133】
さらに、図6(c)は、確変大当り表示態様が特別図柄の停止表示態様として決定された際に参照される変動表示パターン選択テーブル(確変大当り時)である。
【0134】
図6(a)〜図6(c)に示すように、変動表示パターン選択テーブルでは、変動表示パターンの種類とダブルアップ回数と変動表示時間とが対応付けられている。
【0135】
なお、ダブルアップ回数とは、遊技者に選択肢を選択させる選択演出が行われる回数である。本実施形態において、選択演出は、伏せられたカードが7よりも大きいカードであるか、伏せられたカードが7よりも小さいカードであるかを遊技者に選択させる「High&Lowゲーム」(以下、ダブルアップゲーム)に係る演出である。
【0136】
また、伏せられたカードが遊技者によって選択された選択肢の条件(7よりも大きいカード/7よりも小さいカード)と同じであった場合(ダブルアップゲームに遊技者が勝った場合)には、手役が1ランク上の手役に変更される。例えば、手役がストレートであるときに、伏せられたカードが遊技者によって選択された選択肢の条件と同じであった場合には、手役がフラッシュに変更される。
【0137】
以下において、上述した演出パターン選択テーブルについて、図面を参照しながら説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る演出パターン選択テーブルを示す図である。
【0138】
なお、図7(a)は、ハズレ表示態様が特別図柄の停止表示態様として決定された際に選択される変動表示パターン(変動表示パターン1〜変動表示パターン4)に対応する変動表示パターン指定コマンドが入力された際に参照される演出パターン選択テーブルである。
【0139】
また、図7(b)は、通常大当り表示態様が特別図柄の停止表示態様として決定された際に選択される変動表示パターン(変動表示パターン5〜変動表示パターン7)に対応する変動表示パターン指定コマンドが入力された際に参照される演出パターン選択テーブルである。
【0140】
図7(c)は、確変大当り表示態様が特別図柄の停止表示態様として決定された際に選択される変動表示パターン(変動表示パターン8〜変動表示パターン11)に対応する変動表示パターン指定コマンドが入力された際に参照される演出パターン選択テーブルである。
【0141】
図7(a)〜図7(c)に示すように、演出パターン選択テーブルでは、変動表示パターンの種類と、ダブルアップ回数(上述したダブルアップゲームが行われる回数)と、演出パターンの種類と、ダブルアップゲームを開始するときに表示される手役の種類(当初の手役)と、各ダブルアップゲームにおける勝敗と、全てのダブルアップゲームが終了したときに表示される手役の種類(最終的な手役)とが対応付けられている。
【0142】
例えば、図7(a)に示すように、演出パターン8は、当初の手役が3カードを構成するようにカードが配布され、1回目のダブルアップゲームに勝った後に、2回目のダブルアップゲームで負けるという演出パターンである。同様に、演出パターン9は、当初の手役がストレートを構成するようにカードが配布され、1回目のダブルアップゲームで引き分けた後に、2回目のダブルアップゲームで負けるという演出パターンである。
【0143】
以下において、上述した液晶表示装置4の表示領域を構成するレイヤについて、図面を参照しながら説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るレイヤを示す図である。
【0144】
図8(a)に示すように、液晶表示装置4の表示領域は、液晶表示装置4の表示領域において最前面側に位置するレイヤ1と、レイヤ1よりも背面側に位置するレイヤ2と、レイヤ2よりも背面側に位置するレイヤ3とによって構成される。
【0145】
また、上述したように、レイヤ1には、液晶表示装置4の表示領域上における水平方向の直線画像(走査線画像)が対応付けられ、レイヤ2には、演出画像の主な構成要素となる主構成画像(本実施形態では、カードの画像)が対応付けられ、レイヤ3には、演出画像の背景となる背景画像が対応付けられる。
【0146】
また、図8(b)に示すように、液晶表示装置4には、レイヤ1〜レイヤ3を重ね合わせることによって、走査線画像及び演出画像(図8(b)では不図示)が表示される。また、走査線画像は、走査線画像と重複する位置に表示される演出画像を透過表示させない部分(非透過走査線画像4p)と、走査線画像と重複する位置に表示される演出画像を透過表示させる部分(透過走査線画像4q)とによって構成される。
【0147】
以下において、演出内容(選択演出、待ち演出及び選択結果演出)を切替えるタイミングと、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けるタイミングとの関係について、図面を参照しながら説明する。図9は、本発明の一実施形態において、演出内容を切替えるタイミングと選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けるタイミングとの関係を示す図である。なお、図9は、ダブルアップゲーム(選択演出)が2回行われる場合について示す図である。
【0148】
また、図9において、t0(又は、t3)は、1回目(又は、2回目)のダブルアップゲームにおいて、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けることが可能な時間(所定の操作受付時間)である。なお、t0及びt3は、予め定められた時間である。
【0149】
図9(a)に示すように、ポーカーに係る演出内容において、カードが配布される画像(カード配布画像)が表示され、配布されたカードによって構成される手役を示す画像(手役(当初)画像)が表示される。
【0150】
なお、配布されたカードを交換する画像が表示された後に、手役(当初)画像が表示されてもよい。
【0151】
その後、1回目のダブルアップゲームに対応する画像(選択演出画像)が表示され、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けることが可能な状態となる。
【0152】
この状態で、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けると、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けてから、所定の操作受付時間(t0)が経過するまでの残余時間(t0−t1)内において、残余時間に対応する待ち演出態様で待ち演出画像が表示される。
【0153】
そして、選択ボタン11に対する遊技者の操作(遊技者によって選択された選択肢)に応じて、1回目のダブルアップゲームの結果(勝敗)を示す画像(選択結果演出画像)が表示される。
【0154】
同様に、2回目のダブルアップゲームに対応する画像(選択演出画像)が表示され、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けることが可能な状態となる。
【0155】
この状態で、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けると、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けてから、所定の操作受付時間(t3)が経過するまでの残余時間(t3−t4)内において、残余時間に対応する待ち演出態様で待ち演出画像が表示される。
【0156】
そして、選択ボタン11に対する遊技者の操作(遊技者によって選択された選択肢)に応じて、2回目のダブルアップゲームの結果(勝敗)を示す画像(選択結果演出画像)が表示される。
【0157】
さらに、ダブルアップゲームの結果に応じて、最終的な手役を示す画像(手役(最終)画像)が表示され、遊技状態が通常大当り状態(又は、確変大当り状態)に移行されるか否かが遊技者に報知される。
【0158】
また、図9(b)に示すように、1回目のダブルアップゲームにおいて、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けるタイミングが異なる場合であっても、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けてから、所定の操作受付時間(t0)が経過するまでの残余時間(t0−t2)内において、残余時間に対応する待ち演出態様で待ち演出画像が表示される。
【0159】
さらに、図9(b)に示すように、2回目のダブルアップゲームにおいて、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けなかった場合には、待ち演出画像が表示されることなく、ダブルアップゲームの結果を示す画像(選択結果演出)が表示される。なお、2回目のダブルアップゲームにおける選択肢は、所定の操作受付時間(t3)が経過した際に自動的に決定される。
【0160】
このように、ダブルアップゲーム(選択演出)を開始してから、ダブルアップゲームの結果を示す画像の表示(選択結果演出)を開始するまでの時間(t0又はt3)は、残余時間内において待ち演出画像が表示されることによって一定に保たれる。
【0161】
以下において、演出内容(選択演出、待ち演出及び選択結果演出)の一例について、図面を参照しながら説明する。図10は、本発明の一実施形態に係る演出内容を示す画面遷移図である。なお、図10は、上述した演出パターン選択テーブルを参照して、演出パターン24が選択されたときに行われる演出内容を示す図である。
【0162】
図10(a)に示すように、液晶表示装置4上には、非透過走査線画像4p及び透過走査線画像4qがレイヤ1に対応付けられて表示され、配布されたカードに対応する画像(主構成画像)がレイヤ2に対応付けられて表示され、背景画像(図10(a)では不図示)がレイヤ3に対応付けられて表示される。
【0163】
図10(b)に示すように、液晶表示装置4上には、カードを交換することによって揃った手役(3カード)に対応する画像が表示されるとともに、「GET STEP UP CHANCE」が表示されることによって、ダブルアップゲームが開始することが遊技者に報知される。
【0164】
図10(c)に示すように、液晶表示装置4上には、1回目ダブルアップゲームに対応する画像が表示される。このとき、液晶表示装置4上には、遊技者によって選択可能な選択肢(「LOW」及び「HIGH」)に対応する選択ボタン11を示す画像(「LOW」に対応する選択ボタン11aを示す画像「A」、及び、「HIGH」に対応する選択ボタン11bを示す画像「B」)が表示される。
【0165】
また、液晶表示装置4上には、選択ボタン11に対する操作を受け付けることが可能であることを遊技者に報知する報知画像(選択ボタン11aを示す画像「A」及び選択ボタン11bを示す画像「B」が点灯する画像)が表示される。
【0166】
図10(d)に示すように、液晶表示装置4上には、残余時間に応じた回転速度(待ち演出態様)で、カードが回転する演出(待ち演出)が行われる。なお、図10(d)では、選択演出を開始してから選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けるまでの時間が短い(残余時間が長い)ため、カードが回転する速度が速いものとする。
【0167】
図10(e)に示すように、液晶表示装置4上には、1回目のダブルアップゲームの結果を示す画像(ダイヤの10のカード及び「WIN」)が選択結果演出画像として表示される。
【0168】
図10(f)に示すように、液晶表示装置4上には、2回目ダブルアップゲームに対応する画像が表示される。このとき、液晶表示装置4上には、1回目のダブルアップゲームと同様に、遊技者によって選択可能な選択肢(「LOW」及び「HIGH」)に対応する選択ボタン11を示す画像(「LOW」に対応する選択ボタン11aを示す画像「A」、及び、「HIGH」に対応する選択ボタン11bを示す画像「B」)が表示される。また、液晶表示装置4上には、1回目のダブルアップゲームの結果(ダイヤの10のカード)が選択結果演出の履歴として表示される。
【0169】
また、液晶表示装置4上には、選択ボタン11に対する操作を受け付けることが可能であることを遊技者に報知する報知画像(選択ボタン11aを示す画像「A」及び選択ボタン11bを示す画像「B」が点灯する画像)が表示される。
【0170】
図10(g)に示すように、液晶表示装置4上には、残余時間に応じた回転速度(待ち演出態様)で、カードが回転する演出(待ち演出)が行われる。このとき、液晶表示装置4上には、回転するカードを装飾する演出(待ち演出)が行われることによって、特別図柄の変動表示の結果が大当り表示態様となる可能性が高いこと(遊技状態が大当り状態に移行される可能性が高いこと)が遊技者に報知される。なお、図10(g)では、選択演出を開始してから選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けるまでの時間が長い(残余時間が短い)ため、カードが回転する速度が遅いものとする。
【0171】
図10(h)に示すように、液晶表示装置4上には、2回目のダブルアップゲームの結果を示す画像(ハートのエースのカード及び「WIN」)が選択結果演出画像として表示される。
【0172】
以下、液晶表示装置4上では、決定された変動表示パターンに対応する回数となるまで(変動表示パターンに対応する演出パターンに応じて)、ダブルアップゲームが実行されることとなる。
【0173】
(遊技機の動作)
以下において、本発明の一実施形態に係る遊技機の動作について、図面を参照しながら説明する。図11は、本発明の一実施形態に係る遊技機の動作を示すフロー図である。
【0174】
まず、システムタイマ割込処理について、図面を参照しながら説明する。なお、システムタイマ割込処理とは、所定の周期(本実施形態では、2msec)毎にメイン処理に割り込む処理である。
【0175】
図11(a)に示すように、ステップ100において、メインCPU32は、レジスタに格納されている情報を退避させる。
【0176】
ステップ110において、メインCPU32は、大当り判定用乱数や大当り表示態様決定用乱数などの値を更新する。
【0177】
ステップ120において、メインCPU32は、各スイッチ(始動入賞球スイッチ6S、通過球スイッチ7S、一般入賞球スイッチ16S、V・カウントスイッチ28S及びカウントスイッチ29S)からの信号がI/O31に入力されたか否か判定する。また、メインCPU32は、I/O31に入力された信号がある場合には、入力された信号に応じた処理を行う。
【0178】
具体的には、メインCPU32は、始動入賞球スイッチ6Sからの信号がI/O31に入力された場合には、大当り判定用乱数値及び大当り表示態様決定用乱数値を抽出するとともに、抽出された大当り判定用乱数値及び大当り表示態様決定用乱数値等を始動記憶としてメインRAM34に記憶する。
【0179】
ステップ130において、メインCPU32は、待ち時間タイマ(t)及び大入賞口開放時間タイマ(t)等の値を更新する。
【0180】
なお、待ち時間タイマ(t)とは、後述する特別図柄制御処理(図12を参照)の各処理において、メインCPU32が次の処理に移るまでの待ち時間がセットされるタイマである。また、大入賞口開放時間タイマ(t)とは、1ラウンド内において、大入賞口8が開放状態とされる最大時間(大入賞口開放時間)がセットされるタイマである。
【0181】
なお、本実施形態では、上述した各タイマは、該タイマにセットされた時間をカウントダウンするように構成されるものとするが、これに限定されるものではなく、時間をカウントアップするように構成されていてもよい。
【0182】
ステップ140において、メインCPU32は、所定数(例えば、10個)の遊技球が賞球として払出されたことを示す情報、遊技状態が大当り状態に移行されたことを示す情報等を、遊技場に設置されているホールコンピュータに出力する。
【0183】
ステップ150において、メインCPU32は、始動口6が開放状態(又は、閉鎖状態)となるように始動口ソレノイド6aを制御するための信号、及び、大入賞口8が開放状態(又は、閉鎖状態)となるように大入賞口ソレノイド8aを制御するための信号を出力する。
【0184】
ステップ160において、メインCPU32は、セットされたコマンド(例えば、変動表示パターン指定コマンドや停止表示態様指定コマンド)を副制御回路40に出力する。
【0185】
ステップ170において、メインCPU32は、玉切れや下皿満タンなどのエラーを報知するためのランプ等を制御する。
【0186】
ステップ180において、メインCPU32は、遊技球が入球した入賞口の種類(始動口6、大入賞口8及び一般入賞口16)に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出すことを指示する払出コマンドを払出・発射制御回路80に出力する。
【0187】
ステップ190において、メインCPU32は、ステップ100で退避した情報をレジスタに復帰させる。
【0188】
次に、メイン処理について、図面を参照しながら説明する。図11(b)に示すように、ステップ10において、メインCPU32は、遊技機10における各種設定を前回電源断となったときの設定に復帰する(又は、遊技機10における各種設定を初期化する)。
【0189】
ステップ20において、メインCPU32は、特別図柄制御処理を行う。具体的には、メインCPU32は、遊技状態を大当り状態に移行させるか否かの判定(大当り判定)、変動表示パターンの決定、大当り状態におけるラウンド制御等を行う。なお、特別図柄制御処理の詳細については後述する(図12を参照)。
【0190】
ステップ30において、メインCPU32は、普通図柄制御処理を行う。具体的には、メインCPU32は、始動口6を開放状態とするか否かの判定(普通図柄当り判定)、始動口6を開放状態(又は、閉鎖状態)とする制御等を行う。
【0191】
ステップ40において、メインCPU32は、変動表示パターンを決定するために用いられる変動表示パターン選択用乱数等を更新する。
【0192】
なお、メインCPU32は、上述のステップ20からステップ40までの処理を繰り返し行うものとする。
【0193】
以下において、上述した特別図柄制御処理について、図面を参照しながら説明する。図12は、本発明の一実施形態に係る特別図柄制御処理を示すフロー図である。
【0194】
図12に示すように、ステップ20−1において、メインCPU32は、制御状態フラグをロードする処理を実行する。なお、制御状態フラグとは、特別図柄ゲームにおける遊技の状態を示すフラグであり、メインCPU32は、この制御状態フラグに基づいて、ステップ20−2〜ステップ20−10における各処理を実行するか否か判別する。
【0195】
ステップ20−2において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)であり、始動記憶の数が“1”以上である場合に、大当り判定用乱数値が所定の大当り判定値と一致するか否か判定する(大当り判定)。また、メインCPU32は、大当り判定用乱数値が所定の大当り判定値と一致する場合には、大当り表示態様決定用乱数値に基づいて、特別図柄の停止表示態様を大当り表示態様(通常大当り表示態様又は確変大当り表示態様)に決定するとともに、変動表示パターン選択用乱数値に基づいて、変動表示パターンを決定する。一方、メインCPU32は、大当り判定用乱数値が所定の大当り判定値と一致しない場合には、特別図柄の停止表示態様をハズレ表示態様に決定するとともに、変動表示パターン選択用乱数値に基づいて、変動表示パターンを選択する。
【0196】
また、メインCPU32は、特別図柄変動時間管理処理を示す値(01)を制御状態フラグにセットするとともに、選択した変動表示パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。なお、特別図柄記憶チェック処理の詳細については後述する(図13を参照)。
【0197】
ステップ20−3において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(01)であり、変動表示時間がセットされた待ち時間タイマ(t)の値が“0”である場合に、特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)を制御状態フラグにセットするとともに、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。
【0198】
ステップ20−4において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)であり、確定後待ち時間がセットされた待ち時間タイマ(t)の値が“0”であり、大当り判定において大当り判定用乱数値が所定の大当り判定値と一致すると判定された場合に、大当り開始インターバル管理処理を示す値(03)を制御状態フラグにセットするとともに、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。また、メインCPU32は、高確率フラグがオンである場合には、高確率フラグをオフにする。一方、メインCPU32は、大当り判定において大当り判定用乱数値が所定の大当り判定値と一致しないと判定された場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。
【0199】
ステップ20−5において、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(03)であり、大当り開始インターバルに対応する時間がセットされた待ち時間タイマ(t)の値が“0”である場合には、大入賞口8を開放状態とするように大入賞口ソレノイド8aを制御する。また、メインCPU32は、大入賞口開放中処理を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、1ラウンド内において大入賞口8が開放状態とされる最大時間(大入賞口開放時間)を大入賞口開放時間タイマ(t)にセットする。
【0200】
ステップ20−6において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04)である場合に、大入賞口開放時間がセットされた大入賞口開放時間タイマ(t)の値が“0”であるという条件、又は、大入賞口カウンタの値が所定値(例えば、“10”以上)となったという条件のうち、いずれかの条件が成立しているか否か判定する。なお、大入賞口カウンタとは、1ラウンド内に大入賞口8に入球した遊技球の数を計数するためのカウンタである。
【0201】
また、メインCPU32は、上述した条件のうち、いずれかの条件が成立している場合には、大入賞口8を閉鎖状態とするように大入賞口ソレノイド8aを制御する。さらに、メインCPU32は、大入賞口内残留球監視処理を示す値(05)を制御状態フラグにセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。
【0202】
ステップ20−7において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間がセットされた待ち時間タイマ(t)の値が“0”である場合には、大入賞口8内に設けられた特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、又は、大入賞口開放回数カウンタの値が所定値(本実施形態では、“15”以上)であるという条件(ラウンド数が最終ラウンドであるという条件)のうち、いずれかの条件が成立しているか否か判定する。なお、大入賞口開放回数カウンタとは、大当り状態におけるラウンド数をカウントするためのものである。
【0203】
メインCPU32は、上述した条件のうち、いずれかの条件が成立している場合には、大当り終了インターバル管理処理を示す値(07)を制御状態フラグにセットするとともに、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。一方、メインCPU32は、上述した条件のうち、いずれの条件も成立していない場合には、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(06)を制御状態フラグにセットするとともに、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。
【0204】
ステップ20−8において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間がセットされた待ち時間タイマ(t)の値が“0”である場合には、大入賞口開放回数カウンタの値に“1”を加算する。また、メインCPU32は、大入賞口開放中処理を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、大入賞口開放時間を大入賞口開放時間タイマ(t)にセットする。
【0205】
ステップ20−9において、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り終了インターバル管理処理を示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間がセットされた待ち時間タイマ(t)の値が“0”である場合には、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU32は、特別図柄表示装置5上で導出表示された特別図柄の停止表示態様が確変大当り表示態様である場合には、高確率フラグをオンにする。一方、メインCPU32は、特別図柄表示装置5上で導出表示された特別図柄の停止表示態様が通常大当り表示態様である場合には、高確率フラグをオフのままにする。
【0206】
ステップ20−10において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(08)である場合に、特別始動記憶の数を“1”減算するとともに、特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)を制御状態フラグにセットする。
【0207】
以下において、上述した特別図柄記憶チェック処理について、図面を参照しながら説明する。図13は、本発明の一実施形態に係る特別図柄記憶チェック処理を示すフロー図である。
【0208】
図13に示すように、ステップ20−2−1において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)であるか否か判定する。また、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)である場合には、ステップ20−2−2の処理に移り、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)でない場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
【0209】
ステップ20−2−2において、メインCPU32は、メインRAM34に記憶されている始動記憶の数が“0”であるか否かを判定する。また、メインCPU32は、始動記憶の数が“0”である場合には、ステップ20−2−3の処理に移り、始動記憶の数が“1”以上である場合には、ステップ20−2−4の処理に移る。
【0210】
ステップ20−2−3において、メインCPU32は、所定のデモンストレーション画像を特別図柄表示装置5上に表示するための制御データをセットする。なお、所定のデモンストレーション画像とは、特別図柄表示装置5上で特別図柄の変動表示が行われていないときに、遊技者を飽きさせないようにするための画像である。
【0211】
ステップ20−2−4において、メインCPU32は、特別図柄変動時間管理処理を示す値(01)を制御状態フラグにセットする。
【0212】
ステップ20−2−5において、メインCPU32は、特別図柄の変動表示を行った後に、遊技状態を大当り状態に移行させるか否か判定する(大当り判定)。具体的には、メインCPU32は、始動記憶に含まれる大当り判定用乱数値と所定の大当り判定値とが一致するか否か判定する。
【0213】
ステップ20−2−6において、メインCPU32は、大当り判定を行った結果、遊技状態を大当り状態に移行させると判定したか否か確認する。また、メインCPU32は、遊技状態を大当り状態に移行させると判定した場合には、ステップ20−2−8の処理に移り、遊技状態を大当り状態に移行させないと判定した場合には、ステップ20−2−7の処理に移る。
【0214】
ステップ20−2−7において、メインCPU32は、特別図柄表示装置5上で特別図柄を変動表示させた結果、特別図柄表示装置5上で導出表示される特別図柄の停止表示態様をハズレ表示態様に決定する。また、メインCPU32は、決定したハズレ表示態様に対応する停止表示態様指定コマンドをセットする。
【0215】
ステップ20−2−8において、メインCPU32は、始動記憶に含まれる大当り表示態様決定用乱数値に基づいて、特別図柄表示装置5上で特別図柄の変動表示を行った結果、特別図柄表示装置5上で導出表示される大当り表示態様(通常大当り表示態様又は確変大当り表示態様)を決定する。また、メインCPU32は、決定した大当り表示態様に対応する停止表示態様指定コマンドをセットする。
【0216】
ステップ20−2−9において、メインCPU32は、ステップ20−2−5で遊技状態を大当り状態に移行させると判定したか否か、及び、ステップ20−2−8で決定された大当り表示態様の種類に対応する変動表示パターン選択テーブル(図6を参照)を特定する。また、メインCPU32は、特定した変動表示パターン選択テーブルを参照するとともに、抽出した変動表示パターン選択用乱数値に対応する変動表示パターンを選択する。さらに、メインCPU32は、選択した変動表示パターンに対応する変動表示パターン指定コマンドをセットする。
【0217】
ステップ20−2−10において、メインCPU32は、選択した変動表示パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。
【0218】
ステップ20−2−11において、メインCPU32は、選択した変動表示パターンに対応する制御データをセットする。なお、メインCPU32は、セットされた制御データに基づいて、特別図柄表示装置5上で特別図柄の変動表示を行う。
【0219】
以下において、本発明の一実施形態に係るサブCPU42の動作について、図面を参照しながら説明する。図14は、本発明の一実施形態に係るサブCPU42の動作を示すフロー図である。
【0220】
まず、コマンド受信割込処理について、図面を参照しながら説明する。なお、コマンド受信割込処理は、主制御回路30からのコマンドがコマンド入力ポート41に入力される毎にメイン処理に割り込む処理である。図14(a)に示すように、ステップ200において、サブCPU42は、レジスタに格納されている情報を退避させる。
【0221】
ステップ210において、サブCPU42は、コマンド入力ポート41に入力されたコマンドを受信バッファに格納する。
【0222】
ステップ220において、サブCPU42は、ステップ200で退避させた情報をレジスタに復帰させる。
【0223】
次に、メイン処理について、図面を参照しながら説明する。図14(b)に示すように、ステップ300において、サブCPU42は、サブRAM44に記憶された各種設定を前回電源断となったときの設定に復帰する(又は、サブRAM44に記憶された各種設定を初期化する)。
【0224】
ステップ310において、サブCPU42は、演出パターン選択用乱数などの値を更新する。なお、演出パターン選択用乱数とは、変動表示パターンに基づいて、演出パターンを選択する際に用いられる乱数である。
【0225】
ステップ320において、サブCPU42は、受信バッファに格納されたコマンド(主制御回路30から入力されたコマンド)を解析するとともに、解析した結果に応じた処理を行う。なお、コマンド解析処理の詳細については後述する(図15を参照)。
【0226】
ステップ330において、サブCPU42は、コマンド解析処理でセットした演出データ(演出データに基づいて生成される表示制御データ)に応じて、画像制御回路45を制御する。なお、表示制御処理の詳細については後述する(図16を参照)。
【0227】
ステップ340において、サブCPU42は、コマンド解析処理でセットした演出データ(演出データに基づいて生成される音制御データ)に応じて、音声制御回路46を制御する。具体的には、サブCPU42は、音声制御回路46を制御することによって、スピーカ25L及び25Rから効果音や音声等を出力する。
【0228】
ステップ350において、サブCPU42は、コマンド解析処理でセットした演出データ(演出データに基づいて生成される点灯・消灯パターン制御データ)に応じて、ランプ制御回路47を制御する。具体的には、サブCPU42は、ランプ制御回路47を制御することによって、ランプ26L及び26Rを所定のパターンで点灯・消灯する。
【0229】
以下において、上述したコマンド解析処理について、図面を参照しながら説明する。図15は、本発明の一実施形態に係るコマンド解析処理を示すフロー図である。
【0230】
図15に示すように、ステップ320−1において、サブCPU42は、受信バッファにコマンドが格納されているか否か判定する。また、サブCPU42は、受信バッファにコマンドが格納されている場合には、ステップ320−2の処理に移り、受信バッファにコマンドが格納されていない場合には、コマンド解析処理を終了する。
【0231】
ステップ320−2において、サブCPU42は、受信バッファに格納されているコマンドを読み出す。
【0232】
ステップ320−3において、サブCPU42は、読み出したコマンドが変動表示パターン指定コマンドであるか否か判定する。また、サブCPU42は、読み出したコマンドが変動表示パターン指定コマンドでない場合には、ステップ320−4の処理に移り、読み出したコマンドが変動表示パターン指定コマンドである場合には、ステップ320−5の処理に移る。
【0233】
ステップ320−4において、サブCPU42は、受信バッファに格納されているその他のコマンド(変動表示パターン指定コマンド以外のコマンド)に応じた処理を行う。例えば、サブCPU42は、遊技状態が大当り状態に移行されることを示す大当りコマンドが受信バッファに格納されている場合には、大当り演出画像に対応する演出データをセットする。
【0234】
ステップ320−5において、サブCPU42は、受信バッファに格納された変動表示パターン指定コマンド(変動表示パターン)に対応する演出パターン選択テーブル(図7を参照)を特定する。また、サブCPU42は、特定した演出パターン選択テーブルを参照するとともに、抽出した演出パターン選択用乱数値に対応する演出パターンを選択する。
【0235】
ステップ320−6において、サブCPU42は、選択した演出パターンに対応する勝敗データ(各ダブルアップゲームの結果を特定するデータ)を記憶するとともに、操作受付開始時間を記憶する。
【0236】
ここで、操作受付開始時間とは、特別図柄の変動表示に応じて行われる演出内容において、各ダブルアップゲームを開始する時間を特定するものである。例えば、操作受付開始時間は、演出パターン8が選択された場合(ダブルアップゲームが2回行われる場合)には、1回目のダブルアップゲームが開始する時間(10秒後)、2回目のダブルアップゲームが開始する時間(20秒後)を特定するものである。
【0237】
ステップ320−7において、サブCPU42は、ステップ320−5で選択した演出パターンに対応する演出データをセットする。
【0238】
なお、演出データには、液晶表示装置4上に表示する演出画像(背景画像及び主構成画像等)の種類、液晶表示装置4上に演出画像を表示する位置(座標)、液晶表示装置4上に演出画像を表示するタイミング等を特定するデータが含まれる。また、演出データには、スピーカ25L及び25Rから出力する演出音の種類、スピーカ25L及び25Rから演出音を出力するタイミング、ランプ26L及び26Rを点灯・消灯するパターン(点灯・消灯パターン)等を特定するデータも含まれる。
【0239】
ステップ320−8において、サブCPU42は、受信バッファに格納された変動表示パターン指定コマンド(変動表示パターン)に対応する変動表示時間を変動表示時間タイマ(t)にセットする。なお、本実施形態では、変動表示時間タイマ(t)は、セットされた変動表示時間がカウントダウンされるように構成される。
【0240】
以下において、上述した表示制御処理について、図面を参照しながら説明する。図16は、本発明の一実施形態に係る表示制御処理を示すフロー図である。
【0241】
図16に示すように、ステップ330−1において、サブCPU42は、VDPカウンタの値が“2”であるか否か判定する。また、サブCPU42は、VDPカウンタの値が“2”である場合には、ステップ330−2の処理に移り、VDPカウンタの値が“2”でない場合には、表示制御処理を終了する。
【0242】
なお、VDPカウンタとは、1/60秒毎にカウントアップされるカウンタである。すなわち、サブCPU42は、VDPカウンタの値が“2”であるか否か判定することによって、演出画像の1フレーム(1/30秒)に対応する制御データを出力するタイミングを調整する。
【0243】
ステップ330−2において、サブCPU42は、演出画像の1フレーム(1/30秒)に対応する制御データを画像制御回路45(VDP53)に出力する。
【0244】
なお、制御データには、1フレームに対応する演出画像(背景画像及び主構成画像等)の種類、その演出画像を表示する位置(座標)を特定するデータが含まれている。また、制御データには、走査線画像を通じて演出画像を透過表示させる度合い(透過度)及び走査線画像を通じて演出画像を透過表示させる位置(座標)等を特定するデータも含まれている。また、この制御データは、後述する制御データ生成処理で演出データに基づいて生成される。
【0245】
ステップ330−3において、サブCPU42は、VDPカウンタに“0”をセットする。
【0246】
ステップ330−4において、サブCPU42は、液晶表示装置4上に表示される演出画像に対応するフレームバッファ52を切替える(第1フレームバッファ52a→第2フレームバッファ52b、又は、第2フレームバッファ52b→第1フレームバッファ52a)ことを指示するバンク切替指示データを画像制御回路45(VDP53)に出力する。
【0247】
以下において、上述したメイン処理(サブCPU42)に所定の周期(例えば、2msec)毎に割り込むシステムタイマ割込処理(サブCPU42)について、図面を参照しながら説明する。図17は、本発明の一実施形態に係るシステムタイマ割込処理を示すフロー図である。
【0248】
図17に示すように、ステップ400において、サブCPU42は、待ち演出態様を決定する際に、回転するカードを装飾する画像を表示するか否かを決定するために用いる乱数(予告判定用乱数)、演出画像が走査線画像を通じて透過表示される度合い(透過度)や演出画像が走査線画像を通じて透過表示される位置(座標)を決定するために用いる乱数(透過度決定用乱数及び透過位置決定用乱数)を更新する。
【0249】
ステップ410において、サブCPU42は、ダブルアップゲームを開始するタイミング等を監視する。なお、タイマ監視処理の詳細については後述する(図18を参照)。
【0250】
ステップ420において、サブCPU42は、ダブルアップゲームにおいて選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けるタイミング等を監視する。なお、選択ボタン監視処理の詳細については後述する(図19を参照)。
【0251】
ステップ430において、サブCPU42は、演出画像の1フレーム(1/30秒)に対応する制御データを更新(生成)する。
【0252】
具体的には、サブCPU42は、上述したステップ320−7でセットされる演出データ、後述するステップ410−5でセットされる演出データ(履歴演出データ)、後述するステップ420−6でセットされる演出データ(待ち演出データ)、及び、後述するステップ420−7−9でセットされる演出データ(選択結果演出データ)に基づいて、1フレームに対応する演出画像(背景画像及び主構成画像等)の種類、その演出画像を表示する位置(座標)を特定する制御データを生成する。
【0253】
また、サブCPU42は、走査線画像を通じて演出画像を透過表示させる度合い(透過度)及び走査線画像を通じて演出画像を透過表示させる位置(座標)を特定する制御データを生成する。このとき、サブCPU42は、透過度決定用乱数値及び透過位置決定用乱数値に基づいて、透過度及び透過位置を決定する。
【0254】
以下において、上述したタイマ監視処理について、図面を参照しながら説明する。図18は、本発明の一実施形態に係るタイマ監視処理を示すフロー図である。
【0255】
図18に示すように、ステップ410−1において、サブCPU42は、上述したステップ320−8で変動表示時間がセットされた変動表示時間タイマ(t)の値が“0”であるか否か判定する。また、サブCPU42は、変動表示時間タイマ(t)の値が“0”である場合には、タイマ監視処理を終了し、変動表示時間タイマ(t)の値が“0”でない場合には、ステップ410−2の処理に移る。
【0256】
すなわち、サブCPU42は、変動表示時間タイマ(t)の値を監視することによって、特別図柄の変動表示が行われているか否か(ポーカーに係る演出が行われているか否か)判定する。
【0257】
ステップ410−2において、サブCPU42は、変動表示時間タイマ(t)の値が上述したステップ320−6で記憶された操作受付開始時間であるか否か判定する。また、サブCPU42は、変動表示時間タイマ(t)の値が操作受付開始時間である場合には、ステップ410−3の処理に移り、変動表示時間タイマ(t)の値が操作受付開始時間でない場合には、タイマ監視処理を終了する。
【0258】
すなわち、サブCPU42は、変動表示時間タイマ(t)の値を監視することによって、ダブルアップゲームを開始するタイミングを判定する。
【0259】
ステップ410−3において、サブCPU42は、操作受付時間タイマ(t)によるカウントアップを開始する。なお、操作受付時間タイマ(t)とは、ダブルアップゲームを開始してから、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けるまでの時間を計測するタイマである。
【0260】
ステップ410−4において、サブCPU42は、選択ボタン11に対する操作を受け付けることが可能であることを遊技者に報知するための報知データをセットする。
【0261】
ステップ410−5において、サブCPU42は、後述するステップ420−7−10でサブRAM44に記憶される履歴情報に基づいて、ダブルアップゲームで選択されたカードの履歴(選択結果演出の履歴)に対応する演出データ(履歴演出データ)をセットする。
【0262】
具体的には、サブCPU42は、2回目のダブルアップゲームが開始する場合には、1回目のダブルアップゲームで選択されたカードの種類に対応する履歴演出データをセットし、3回目のダブルアップゲームが開始する場合には、1回目のダブルアップゲーム及び2回目のダブルアップゲームで選択されたカードの種類に対応する履歴演出データをセットする。
【0263】
以下において、上述した選択ボタン監視処理について、図面を参照しながら説明する。図19は、本発明の一実施形態に係る選択ボタン監視処理を示すフロー図である。
【0264】
図19に示すように、ステップ420−1において、サブCPU42は、上述したステップ320−8で変動表示時間がセットされた変動表示時間タイマ(t)の値が“0”であるか否か判定する。また、サブCPU42は、変動表示時間タイマ(t)の値が“0”である場合には、選択ボタン監視処理を終了し、変動表示時間タイマ(t)の値が“0”でない場合には、ステップ420−2の処理に移る。
【0265】
ステップ420−2において、サブCPU42は、操作受付時間タイマ(t)の値が所定の操作受付終了時間であるか否かを判定する。また、サブCPU42は、操作受付時間タイマ(t)の値が操作受付終了時間である場合には、ステップ420−3の処理に移り、操作受付時間タイマ(t)の値が操作受付終了時間でない場合には、ステップ420−4の処理に移る。
【0266】
なお、操作受付終了時間とは、上述したように、ダブルアップゲームにおいて選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けることが可能な上限時間である。
【0267】
ステップ420−3において、サブCPU42は、操作受付終了時間となるまでに選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けなかったため、ダブルアップゲームにおける選択肢を自動的に決定する。
【0268】
ステップ420−4において、サブCPU42は、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けたか否か判定する。また、サブCPU42は、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けた場合には、ステップ420−5の処理に移り、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けなかった場合には、選択ボタン監視処理を終了する。
【0269】
ステップ420−5において、サブCPU42は、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けてから、ダブルアップゲームの結果を示す画像の表示を開始するまでの残余時間を算出する。具体的には、サブCPU42は、操作受付終了時間から操作受付時間タイマ(t)の値を減算することによって、残余時間を算出する。
【0270】
ステップ420−6において、サブCPU42は、ステップ420−5で算出した残余時間に応じた待ち演出態様(カードの回転速度)を特定する演出データ(待ち演出データ)をセットする。
【0271】
また、サブCPU42は、変動表示パターン指定コマンドが、停止表示態様が大当り表示態様である際に選択される変動表示パターンに対応するものである場合(演出パターンが、その変動表示パターンに応じて選択される演出パターンである場合)には、予告判定用乱数値を抽出するとともに、抽出した予告判定用乱数値に基づいて、回転するカードを装飾する画像を表示するか否か判定する。さらに、サブCPU42は、回転するカードを装飾する画像を表示すると判定した場合には、回転するカードを装飾する画像に対応する演出データ(待ち演出データ)をセットする。
【0272】
ステップ420−7において、サブCPU42は、遊技者によって選択された選択肢(又は、自動的に決定された選択肢)に対応するダブルアップゲームの結果演出(選択結果演出)を決定する。
【0273】
以下において、この選択結果演出決定処理の詳細について、図面を参照しながら説明する。図20は、本発明の一実施形態に係る選択結果演出決定処理を示すフロー図である。
【0274】
図20に示すように、ステップ420−7−1において、サブCPU42は、ステップ320−6で記憶された勝敗データに基づいて、該当するダブルアップゲームの結果が引き分けであるか否か判定する。また、サブCPU42は、該当するダブルアップゲームの結果が引き分けである場合には、ステップ420−7−2の処理に移り、該当するダブルアップゲームの結果が引き分けでない場合には、ステップ420−7−3の処理に移る。
【0275】
ステップ420−7−2において、サブCPU42は、ダブルアップゲームの結果を示す画像として「7」のカードの画像を選択する。
【0276】
ステップ420−7−3において、サブCPU42は、該当するダブルアップゲームの結果が勝ちであるか否か判定する。また、サブCPU42は、該当するダブルアップゲームの結果が勝ちである場合には、ステップ420−7−4の処理に移り、該当するダブルアップゲームの結果が負けである場合には、ステップ420−7−6の処理に移る。
【0277】
ステップ420−7−4において、サブCPU42は、選択肢「HIGH」が選択されたか否か判定する。また、サブCPU42は、選択肢「HIGH」が選択された場合には、ステップ420−7−5の処理に移り、選択肢「LOW」が選択された場合には、ステップ420−7−8の処理に移る。
【0278】
なお、選択肢「HIGH」が選択される場合とは、選択ボタン11bに対する遊技者の操作を受け付けた場合、自動的に決定された選択肢が「HIGH」である場合である。同様に、選択肢「LOW」が選択される場合とは、選択ボタン11aに対する遊技者の操作を受け付けた場合、自動的に決定された選択肢が「LOW」である場合である。
【0279】
ステップ420−7−5において、サブCPU42は、「8」以上のカード(「8」〜「K」のカード)の中からいずれかのカードを、ダブルアップゲームの結果を示す画像として選択する。
【0280】
ステップ420−7−6において、サブCPU42は、選択肢「HIGH」が選択されたか否か判定する。また、サブCPU42は、選択肢「HIGH」が選択された場合には、ステップ420−7−8の処理に移り、選択肢「LOW」が選択された場合には、ステップ420−7−9の処理に移る。
【0281】
ステップ420−7−7において、サブCPU42は、「8」以上のカード(「8」〜「K」のカード)の中からいずれかのカードを、ダブルアップゲームの結果を示す画像として選択する。
【0282】
ステップ420−7−8において、サブCPU42は、「6」以下のカード(「1」〜「6」のカード)の中からいずれかのカードを、ダブルアップゲームの結果を示す画像として選択する。
【0283】
ステップ420−7−9において、サブCPU42は、選択したカードに対応する演出データ(選択結果演出データ)をセットする。
【0284】
ステップ420−7−10において、サブCPU42は、選択したカードの種類を履歴情報としてサブRAM44に記憶する。
【0285】
なお、本実施形態において、サブCPU42は、選択ボタン11に対する遊技者の操作を受け付けてから、ダブルアップゲームの結果を示す画像の表示を開始するまでの残余時間に応じて、待ち演出におけるカードの回転速度を変化させるように構成されているが、これに限定されるものではなく、残余時間に応じて待ち演出におけるカードの表示態様(例えば、カードの回転態様(横回転や縦回転等))を変化させるように構成されていればよい。
【0286】
また、本実施形態において、サブCPU42は、基準実行速度と残余時間とに基づいて、待ち演出におけるカードの回転速度を決定するように構成されているが、これに限定されるものではなく、残余時間とカードの回転速度とが対応付けられたテーブルを参照して、待ち演出におけるカードの回転態様を決定するように構成されていてもよい。
【0287】
ここで、このテーブルとは、例えば、残余時間“0〜2秒”とカードの回転速度(6000rpm)とを対応付けるとともに、残余時間“2〜4秒”とカードの回転速度(4000rpm)とを対応付けるものである。
【0288】
さらに、本実施形態において、サブCPU42は、1回(今回)の特別図柄の変動表示中におけるダブルアップゲームで選択されたカードの種類(選択結果演出の履歴)に対応する履歴画像のみを表示するように構成されているが、これに限定されるものではなく、所定回数の特別図柄の変動表示(例えば、過去の10分間に行われた特別図柄の変動表示)におけるダブルアップゲームで選択されたカードの種類に対応する履歴画像を表示するように構成されていてもよい。
【0289】
また、本実施形態において、操作手段は、遊技者によって直接押下される選択ボタン11であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、接触型のタッチセンサや非接触のセンサであってもよい。
【0290】
さらに、本実施形態において、ダブルアップゲームで選択されたカードの種類(選択結果演出の履歴)は、液晶表示装置4上に表示される履歴画像によって報知されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、スピーカ25L及び25Rから出力される音やランプ26L及び26Rの点灯・消灯パターンによって報知されてもよい。
【0291】
また、本実施形態において、VDP53は、レイヤ1に対応付けて走査線画像をフレームバッファ52に書き込むように構成されていたが、これに限定されるものではなく、レイヤ2(主構成画像と同じレイヤ)やレイヤ3(背景画像と同じレイヤ)に対応付けて走査線画像をフレームバッファ52に書き込むように構成されていてもよい。
【0292】
さらに、本実施形態において、VDP53は、走査線画像を通じて演出画像を透過表示させるように構成されているが、これに限定されるものではなく、走査線画像を通じて演出画像を透過表示させなくてもよい。
【0293】
(遊技機の作用、及び、効果)
本発明の一実施形態に係る遊技機10によれば、サブCPU42の待ち演出態様決定部42b(待ち演出態様決定手段)が、算出した残余時間に基づいてカードの回転速度(待ち演出態様)を決定する(すなわち、算出した残余時間に応じてカードの回転速度を異ならせる)ことにより、遊技機10は、待ち演出による演出効果を高めることができる。
【0294】
また、サブCPU42の待ち演出態様決定部42b(実行速度算出手段)が、サブROM43の基準実行速度記憶部43a(基準実行速度記憶手段)に記憶された基準実行速度と、算出した残余時間とに基づいて、カードの回転速度(待ち演出の実行速度)を算出することにより、遊技機10は、残余時間と実行速度とを対応付けるテーブルを用いる必要がなく(記憶容量を低減することができ)、カードの回転速度に多様性を持たせることができる。
【0295】
さらに、サブCPU42の待ち演出態様決定部42b(実行速度算出手段)が、特別図柄表示装置5(所定の表示領域)上で行われる特別図柄(識別図柄)の変動表示の結果が大当り表示態様(特定の表示態様)となると判定された場合に、回転するカードを装飾する演出(特定の待ち演出態様の待ち演出)を行うことにより、遊技機10は、特別図柄の変動表示が終了する前に、回転するカードを装飾する演出によって、大当り表示態様が導出表示される可能性があること(遊技状態が特定遊技状態に移行される可能性があること)を遊技者に報知することができる。
【0296】
すなわち、遊技機10は、遊技状態が特定遊技状態に移行されることに対する期待感を遊技者に持たせながら、選択ボタン11に対する操作を遊技者に行わせることができる。
【0297】
また、サブCPU42の履歴報知指示部42e及びVDP53(履歴報知手段)が、履歴情報記憶部44a(履歴情報記憶手段)に記憶された履歴情報に基づいて、選択結果演出選択部42c(操作結果演出選択手段)によって選択されたダブルアップゲームの結果であるカード(操作結果演出)の履歴を遊技者に報知することにより、遊技者は、報知されたダブルアップゲームの結果であるカードの履歴を、選択肢を選択する際の指標として利用することができる。すなわち、遊技機10は、選択ボタン11を操作する際の指標を遊技者に提供するとともに、ダブルアップゲーム(選択演出)による演出効果を高めることができる。
【0298】
さらに、サブCPU42の選択結果演出選択部42cが、操作受付終了時間までに受け付けた選択ボタン11に対する操作に加えて、メインCPU32の変動表示パターン選択部32c(変動表示パターン選択手段)によって選択された変動表示パターンに基づいて、回転するカードを装飾する画像を表示するか否か選択することにより、遊技機10は、遊技状態が大当り状態に移行されるか否かとダブルアップゲームの結果(遊技者による操作の結果)とに関連性を持たせることができる。従って、遊技者は、報知されたダブルアップゲームの結果であるカードの履歴を、遊技状態が大当り状態に移行されるであろう選択肢を選択する際の指標として利用することができる。
【0299】
すなわち、遊技機10は、遊技状態が大当り状態に移行されることに対する期待感を遊技者に持たせながら、選択肢を遊技者に選択させることにより、ダブルアップゲーム(選択演出)による演出効果をさらに高めることができる。
【0300】
また、VDP53の画像重合部53c(画像重合表示手段)が、走査線画像(水平方向の直線画像)をその走査線画像に対する垂直方向に所定の間隔で表示するとともに、走査線画像を演出画像に重ね合わせて表示することにより、副制御回路40及び液晶表示装置4(画像表示装置)は、所定の表示領域上に表示される演出画像の画質を意図的に低くすることができる。
【0301】
すなわち、副制御回路40及び液晶表示装置4(画像表示装置)は、演出画像の画質を意図的に低くすることにより、旧遊技機等で遊技を行っていた当時を遊技者に思い起こさせることができる。
【0302】
さらに、VDP53の走査線画像生成部53b(直線画像生成手段)が、レイヤ1(最前面レイヤ)に対応付けて走査線画像を生成し、VDP53の演出画像生成部53a(演出画像生成手段)が、レイヤ2及びレイヤ3(背面側レイヤ)に対応付けて演出画像を生成することにより、副制御回路40及び液晶表示装置4(画像表示装置)は、走査線画像を演出画像に容易に重ね合わせて表示することができる。すなわち、副制御回路40及び液晶表示装置4(画像表示装置)は、副制御回路40(表示制御手段)による表示制御の効率を向上させることができる。
【0303】
また、VDP53の画像重合部53c(画像重合表示手段)が、レイヤ1(走査線画像)をレイヤ2及びレイヤ3(主構成画像及び背景画像)に優先して表示することにより、副制御回路40及び液晶表示装置4(画像表示装置)は、所定の表示領域上に表示される演出画像の画質を容易に低くすることができる。
【0304】
さらに、VDP53の画像重合部53c(画像重合表示手段)が、サブCPU42(透過度決定手段)によって決定された透過度に応じて、走査線画像を通じて演出画像を透過表示させることにより、副制御回路40及び液晶表示装置4(画像表示装置)は、旧画像表示装置において画像が走査される態様を擬似的に表示することができる。
【0305】
すなわち、副制御回路40及び液晶表示装置4(画像表示装置)は、旧画像表示装置において画像が走査される態様を擬似的に表示することにより、旧遊技機等で遊技を行っていた当時を更にリアルに遊技者に思い起こさせることができる。
【0306】
また、サブCPU42(透過表示位置決定手段)が、VDP53の画像重合部53c(画像重合表示手段)によって演出画像を透過表示させる位置を決定することにより、副制御回路40及び液晶表示装置4(画像表示装置)は、旧画像表示装置において画像が走査される態様を更に忠実に再現することができる。
【0307】
(変更例1)
以下において、上述した実施形態の変更例について説明する。具体的には、上述した実施形態における遊技機10によって提供される遊技(パチンコ)は、サーバなどに記憶されているシミュレーションゲームプログラムを実行することによって、パーソナルコンピュータなどの端末の画面上で再現される。なお、以下において、端末の画面上で再現される遊技のことをシミュレーション遊技と呼ぶ。
【0308】
以下において、端末によってシミュレーション遊技を実行する方法について、図面を参照しながら説明する。また、以下においては、上述の実施形態との差異のみを説明するものとする。
【0309】
図21(a)は、端末によってシミュレーション遊技を実行する方法について説明するための図である。また、図21(b)は、本発明の一変更例に係る端末110の環境を示す図である。
【0310】
図21(a)に示すように、端末110aとサーバ100とはLANを介して接続され、端末110bとサーバ100とは通信回線網120を介して接続されている。
【0311】
サーバ100は、端末110の画面111上においてシミュレーション遊技を実行するためのシミュレーションゲームプログラムを記憶している。また、サーバ100は、シミュレーションプログラムを実行することによって、端末110の画面111上にシミュレーション遊技を表示する。
【0312】
なお、シミュレーションゲームプログラムには、特別図柄制御処理(ステップ20)や普通図柄制御処理(ステップ30)などを含むメイン処理を実行するためのプログラム、乱数更新処理(ステップ110)やスイッチ入力検出処理(ステップ120)などを含むシステムタイマ割込処理を実行するためのプログラム、シミュレーション遊技を端末110の画面111上に表示するためのプログラムなどが含まれている。
【0313】
端末110は、LAN又は通信回線網120などを介してサーバ100に接続され、WEBブラウザなどによって画面111上にシミュレーション遊技を表示する。なお、端末110は、シミュレーションゲームプログラムをサーバ100からダウンロードすることによって、サーバ100に依存することなくシミュレーションゲームプログラムを実行するように構成されていてもよい。
【0314】
具体的には、図21(b)に示すように、端末110は、画面111と、本体部112と、操作部113とを具備する。なお、端末110は、所定の遊技状態(当り遊技状態や大当り遊技状態)を遊技者に報知する効果音や音声等を出力するスピーカを具備している。
【0315】
画面111は、液晶表示装置4や始動口6などを含む遊技領域の画像を表示し、当該遊技領域の画像上における遊技球の挙動や特別図柄の変動表示などの画像を表示する。
【0316】
本体部112は、CPU・ROM・RAMなどにより構成され、端末110における各処理を制御する。なお、本体部112は、シミュレーションゲームプログラムをダウンロードした際には、当該シミュレーションゲームプログラムを記憶する。
【0317】
操作部113は、キーボードなどにより構成され、発射ハンドル24等と同様の機能を有する。
【0318】
通信回線網120は、サーバ100と端末110とを接続するインターネット網や衛星通信回線網などである。
【0319】
なお、端末110は、CD−ROMやDVD−ROMやROMカートリッジなどの記憶媒体から読み込んだシミュレーションゲームプログラムに基づいて、シミュレーション遊技を実行するように構成されていてもよい。
【0320】
また、シミュレーション遊技は、所定の表示領域を備えた携帯端末130によって再現されてもよい。図22は、本発明の一変更例に係る携帯端末130の概観図である。図22に示すように、携帯端末130は、上述した画面111と同様の機能を有する画面131と、上述したスピーカと同様の機能を有するスピーカ132と、上述した操作部113と同様の機能を有する操作部133とを具備する。
【0321】
本変更例によれば、サーバ100(端末110又は携帯端末130)が、シミュレーションゲームプログラムに基づいてシミュレーション遊技を再現することにより、遊技者は、端末110又は携帯端末130によって、上述した遊技機10のシミュレーション遊技を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0322】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技機10を示す外観図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る遊技機10の制御部を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像制御回路45を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る遊技機10の制御部を示す機能ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る演出内容とその演出内容によって報知される内容との関係を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る変動表示パターン選択テーブルを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る演出パターン選択テーブルを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るレイヤを示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る演出内容が切替えられるタイミングを示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る演出内容の一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るメインCPU32の動作を示すフロー図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る特別図柄制御処理を示すフロー図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る特別図柄記憶チェック処理を示すフロー図である。
【図14】本発明の一実施形態に係るサブCPU42の動作を示すフロー図である。
【図15】本発明の一実施形態に係るコマンド解析処理を示すフロー図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る表示制御処理を示すフロー図である。
【図17】本発明の一実施形態に係るシステムタイマ割込処理(サブCPU側)を示すフロー図である。
【図18】本発明の一実施形態に係るタイマ監視処理を示すフロー図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る選択ボタン監視処理を示すフロー図である。
【図20】本発明の一実施形態に係る選択結果演出決定処理を示すフロー図である。
【図21】本発明の一変更例において、遊技機10のシミュレーションを実行する方法について説明するための図である(その1)。
【図22】本発明の一変更例において、遊技機10のシミュレーションを実行する方法について説明するための図である(その2)。
【符号の説明】
【0323】
1・・・外枠、2・・・内枠、3・・・遊技盤、4・・・液晶表示装置、5・・・特別図柄表示装置、6・・・始動口、6a・・・始動口ソレノイド、6S・・・始動入賞球スイッチ、7・・・普通図柄作動ゲート、7S・・・通過球スイッチ、8・・・大入賞口、8a・・・大入賞口ソレノイド、8b・・・シーソーソレノイド、9・・・アウト口、10・・・遊技機、11・・・選択ボタン、16・・・一般入賞口、16S・・・一般入賞球スイッチ、20・・・カードユニット、24・・・発射ハンドル、25・・・スピーカ25、26・・・ランプ26、28S・・・V・カウントスイッチ、29S・・・カウントスイッチ、30・・・主制御回路、31・・・I/O、32・・・メインCPU、32a・・・当り判定部、32b・・・停止表示態様決定部、32c・・・変動表示パターン選択部、32d・・・変動表示実行部、32e・・・大入賞口制御部、33・・・メインROM、34・・・メインRAM、34a・・・始動記憶部、35・・・コマンド出力ポート、40・・・副制御回路、41・・・コマンド入力ポート、42・・・サブCPU、42a・・・演出パターン選択部、42b・・・待ち演出態様決定部、42c・・・選択結果演出選択部、42d・・・演出指示部、42e・・・履歴報知指示部、43・・・サブROM、43a・・・基準実行速度記憶部、44・・・サブRAM、44a・・・履歴情報記憶部、45・・・画像制御回路、46・・・音声制御回路、47・・・ランプ制御回路、51・・・画像ROM、52・・・フレームバッファ、53・・・VDP、53a・・・演出画像生成部、53b・・・走査線画像生成部、53c・・・画像重合部、54・・・D/Aコンバータ、80・・・払出・発射制御回路、81・・・払出装置、82・・・発射装置、100…サーバ,110…端末,111…画面,112…本体部,113…入力部,120…通信回線網,130…携帯端末,131…画面,132…スピーカ,133…入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者によって操作可能な操作手段と、
所定の操作受付時間内において行われた前記操作手段に対する操作に基づいて、複数種類の操作結果演出の中からいずれかを選択する操作結果演出選択手段と、
前記所定の操作受付時間が経過した後に、前記操作結果演出選択手段によって選択された操作結果演出を行う操作結果演出実行手段と、
前記操作手段に対する操作が行われてから前記所定の操作受付時間が経過するまでの残余時間を特定する残余時間特定手段と、
前記残余時間特定手段によって特定された残余時間に基づいて、前記操作結果演出を開始するまでの間に行われる待ち演出の演出態様である待ち演出態様を決定する待ち演出態様決定手段と、
前記残余時間特定手段によって特定された残余時間内において、前記待ち演出態様決定手段によって決定された待ち演出態様で前記待ち演出を行う待ち演出実行手段とを備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記待ち演出が実行される実行速度の基準となる基準実行速度を記憶する基準実行速度記憶手段を備え、
前記待ち演出態様決定手段は、前記基準実行速度記憶手段に記憶された前記基準実行速度と前記残余時間特定手段によって特定された残余時間とに基づいて、前記待ち演出の実行速度を算出する実行速度算出手段を有し、
前記待ち演出実行手段は、前記実行速度算出手段によって算出された前記待ち演出の実行速度に応じて、前記待ち演出を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
識別図柄の変動表示を所定の表示領域上で行う変動表示手段と、
前記所定の表示領域上で行われる前記識別図柄の変動表示の結果が特定の表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に遊技状態を移行する遊技状態移行手段と、
前記所定の表示領域上で行われる前記識別図柄の変動表示の結果が前記特定の表示態様となるか否か判定する判定手段と、
前記識別図柄の変動表示が行われているときに、所定の操作受付条件が成立すると、前記操作手段に対する操作を受付可能であることを報知する操作受付報知手段とを備え、
前記待ち演出態様決定手段は、前記所定の表示領域上で行われる前記識別図柄の変動表示の結果が前記特定の表示態様となると前記判定手段によって判定された場合に、複数種類の前記待ち演出態様のうちの特定の待ち演出態様で前記待ち演出を待ち演出実行手段に行わせると決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技者によって操作可能な操作手段と、所定の操作受付時間内において行われた前記操作手段に対する操作に基づいて、複数種類の操作結果演出の中からいずれかを選択する操作結果演出選択手段と、前記所定の操作受付時間が経過した後に、前記操作結果演出選択手段によって選択された操作結果演出を行う操作結果演出実行手段と、前記操作手段に対する操作が行われてから前記所定の操作受付時間が経過するまでの残余時間を特定する残余時間特定手段と、前記残余時間特定手段によって特定された残余時間に基づいて、前記操作結果演出を開始するまでの間に行われる待ち演出の演出態様である待ち演出態様を決定する待ち演出態様決定手段と、前記残余時間特定手段によって特定された残余時間内において、前記待ち演出態様決定手段によって決定された待ち演出態様で前記待ち演出を行う待ち演出実行手段とを備える遊技機のシミュレーションをコンピュータに実行させることを特徴とするシミュレーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−94921(P2006−94921A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281765(P2004−281765)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【出願人】(391065769)株式会社セタ (89)
【Fターム(参考)】