説明

遊技機及びシミュレーションプログラム

【課題】 遊技者に現時点以降の遊技結果の参考となる情報を提供する遊技機及びシミュレーションプログラムを提供する。
【解決手段】 パチンコ遊技機(10)は、遊技者によって行われた遊技結果データを、識別情報が変動表示されてから導出表示されるまでの可変表示ゲームが行われた順に、当該可変表示ゲームにおける識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったか否かを判定可能に記録する。パチンコ遊技機(10)は、現時点までの遊技結果データに基づいて、特定遊技状態に移行する特定タイミングを予測し、その特定タイミングに基づく特定の報知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機及びシミュレーションプログラムに関するものであり、特に、遊技に関する報知を行う遊技機及びシミュレーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機、パチスロ遊技機など、遊技者に有利な大当りとなるか否かの判断や、遊技媒体(例えば、遊技メダル、遊技球など)を払い出す制御など、所定の遊技に関する制御を行う各種の遊技機が遊技場に配設されている。これら各種の遊技機においては、識別情報が変動表示されてから導出表示されるまでの可変表示ゲームが順に行われ、識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となった場合に遊技者に有利な特定遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたものが提供されている。
【0003】
この種の遊技機では、例えば、特許文献1に示すように、遊技者を特定するための情報に対応付けて遊技履歴情報が記憶され、その遊技履歴情報に基づいて、複数の声掛け情報から、提示する声掛け情報を決定し、報知を行うものが開示されている。具体的な一例としては、遊技履歴情報に基づいて、前回、出玉が1万玉以上だった遊技者ということが認識された場合には、「日本一。やるね。今日も大当たりかい」というような声掛け情報が報知される。これによって、遊技者に遊技機などに対する親近感を抱かせ、遊技場への来場や遊技機会を増大させる。
【特許文献1】特開2003−251047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した遊技機では、遊技者に対応する遊技履歴情報に基づいて報知態様が異なるが、単に、親近感を抱かせるに過ぎず、遊技者に対して、現時点以降の遊技結果の参考となる情報を提供するには至っていない。特に、遊技者に有利な特定遊技状態に移行するか否かに関する情報を提供することによって、遊技者に対して、遊技への期待感を高揚させることができるため、特定遊技状態に移行するか否かに関する予測を行うことが望まれている。
【0005】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、遊技者に現時点以降の遊技結果の参考となる情報を提供する遊技機及びシミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0007】
(1) 識別情報の可変表示を行う可変表示手段と、前記可変表示手段における前記識別情報が変動表示されてから導出表示されるまでの可変表示ゲームを順に制御する可変表示制御手段と、前記識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったことを条件に、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させる制御を行う遊技状態移行制御手段と、遊技者によって行われた遊技結果データを記録する遊技結果データ記録手段と、前記遊技結果データ記録手段に記録された遊技結果データに基づいて、所定の報知を行う報知手段とを備えた遊技機であって、前記遊技結果データ記録手段は、前記遊技結果データとして、可変表示ゲームが行われた順に、当該可変表示ゲームにおける識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったか否かを判定可能に記録する機能を有し、前記遊技結果データ記録手段に記録された現時点までの遊技結果データに基づいて、前記特定遊技状態に移行する特定タイミングを予測する特定タイミング予測手段を備え、前記報知手段は、前記特定タイミング予測手段によって予測された前記特定タイミングに基づく特定の報知を行う機能を有することを特徴とする遊技機。
【0008】
(2) (1)に記載の遊技機において、前記報知手段は、前記特定タイミング予測手段によって予測された前記特定タイミングから前後所定数の可変表示ゲームにおいて、前記特定の報知を行う確率を高める機能を有することを特徴とする遊技機。
【0009】
(3) (1)又は(2)に記載の遊技機において、複数の前記特定タイミング予測手段を有し、前記複数の特定タイミング予測手段は、当該複数の特定タイミング予測手段毎に、予測の結果を異ならせて前記特定タイミングを予測する機能を有することを特徴とする遊技機。
【0010】
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の遊技機において、前記特定タイミング予測手段は、識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となるまでに行われた可変表示ゲームの平均回数に基づいて、前記特定タイミングを予測する機能を有することを特徴とする遊技機。
【0011】
(5) 識別情報が変動表示されてから導出表示されるまでの可変表示ゲームを順に制御する可変表示制御処理と、前記識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったことを条件に、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させる制御を行う遊技状態移行制御処理と、遊技者によって行われた遊技結果データを記録する遊技結果データ記録処理と、前記遊技結果データ記録処理において記録された遊技結果データに基づいて、所定の報知を行う報知処理とをコンピュータに実行させるシミュレーションプログラムであって、前記遊技結果データ記録処理において、前記遊技結果データとして、可変表示ゲームが行われた順に、当該可変表示ゲームにおける識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったか否かを判定可能に記録する処理と、前記遊技結果データ記録処理において記録された現時点までの遊技結果データに基づいて、前記特定遊技状態に移行する特定タイミングを予測する特定タイミング予測処理と、前記報知処理において、前記特定タイミング予測処理において予測された前記特定タイミングに基づく特定の報知を行う処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするシミュレーションプログラム。
【0012】
(1)又は(5)に記載の発明によれば、遊技結果データとして、可変表示ゲームが行われた順に、可変表示ゲームにおける識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったか否かが判定可能に記録され、その記録された現時点までの遊技結果データに基づいて、特定遊技状態に移行する特定タイミングを予測し、その特定タイミングに基づく特定の報知が行われるので、特定遊技状態に移行するか否かに関する有益な特定の報知が行われることによって、遊技者に現時点以降の遊技結果の参考となる情報を提供するとともに、遊技への期待感を高揚させることによって、興趣の向上を図ることができる。
【0013】
(2)に記載の発明によれば、予測された特定タイミングから前後所定数の可変表示ゲームにおいて、特定の報知が行われるので、特定の報知が行われることによって、所定数の可変表示ゲームにおいて特定遊技状態に移行するかもしれないというように、より一層、期待感を高揚させ、興趣の向上を図ることができる。
【0014】
(3)に記載の発明によれば、複数の予測系統を有し、それら毎に、予測の結果を異ならせて特定タイミングが予測されるので、予測の結果に比較対象ができ、遊技者に対して、参考となる有益な情報を提供することができる。更には、予測の結果にバリエーションを持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0015】
(4)に記載の発明によれば、識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となるまでに行われた可変表示ゲームの平均回数に基づいて特定タイミングが予測されるので、予測処理を容易に行うことができ、制御負荷を軽減することができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、特定遊技状態に移行するか否かに関する有益な特定の報知が行われることによって、遊技者に現時点以降の遊技結果の参考となる情報を提供するとともに、遊技への期待感を高揚させることによって、興趣の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0018】
[パチンコ遊技機の構成]
上述したパチンコ遊技機を示す正面図を図1に示す。
【0019】
パチンコ遊技機10には、本体枠12と、本体枠12に組み込まれた遊技盤14と、本体枠12の前面に設けられた上皿20及び下皿22と、下皿22の右側に設けられた発射ハンドル26と、が配置されている。また、遊技盤14の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ちこまれている。
【0020】
更には、発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。また、発射ハンドル26の裏側には、発射モータ(図示せず)が設けられている。
【0021】
更にまた、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。
【0022】
尚、発射ハンドル26に設けられるタッチセンサは、遊技者によって発射ハンドル26が握持されたと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
【0023】
発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下する。このように、ガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域を遊技領域と称する。
【0024】
遊技盤14の前面の略中央には、可変表示手段としての液晶表示装置32が設けられている。この液晶表示装置32は、表示領域32aを有するものであり、表示領域32aには、識別情報が可変表示される。また、このような識別情報は、特別図柄ゲームにおいて特別図柄92として構成されるものである。特別図柄ゲームの詳細については後述する。この識別情報は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施形態においては、“0”から“9”までの数字を用いる。
【0025】
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示(可変表示ゲーム)と称する。
【0026】
また、この液晶表示装置32には、複数の図柄列(本実施形態においては3列)に対応する識別情報が可変表示される。これら複数の図柄列において識別情報の導出表示が行われ、導出表示された複数の識別情報の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“0”から“9”のいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(所謂大当り)に移行することとなる。また、導出表示された複数の識別情報の組合せが、特定の表示態様のうちの特別の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“1”、“3”、“5”、“7”、“9”のうちいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「特定大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(所謂大当り)に移行し、その特定遊技状態が終了した場合に、確変状態に移行することとなる。液晶表示装置32には、これらの識別情報の他にも、背景画像、演出用の演出画像、普通図柄画像等が表示される。尚、本実施形態においては、識別情報を複数の図柄列で構成したが、これに限らず、例えば、識別情報を一列の図柄列で構成してもよい。
【0027】
液晶表示装置32の左の側部には、球通過検出器54が設けられている。この球通過検出器54は、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、表示領域32a上において普通図柄94の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。この普通図柄は、数字や記号等からなる情報であり、例えば“○”、“×”等の記号である。また、液晶表示装置32の側方には、普通図柄ゲームにおける保留個数を表示するための普通図柄保留ランプ50が設けられている。また、この普通図柄ゲームにおける保留個数には、上限(例えば、4個)が設定されている。
【0028】
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、後述する始動口44の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)48が閉鎖状態から開放状態となり、始動口44に遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材48を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材48を閉鎖状態として、始動口44に遊技球が入りにくくなるようにする。
【0029】
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32は、遊技機であるパチンコ遊技機10における遊技盤14の前面略中央に設けられている場合を示したが、遊技者により視認可能な位置であれば何処の位置に液晶表示装置32を設けることとしてもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32に識別情報及び普通図柄を可変表示させたが、これに限らず、液晶表示装置32とは別体に普通図柄用の可変表示装置を備えるように構成してもよい。また、可変表示手段として液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、可変表示手段としてドラム、ベルト、リーフ等を可変表示手段として採用してもよい。
【0030】
更にまた、液晶表示装置32の左右の両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための転動誘導部材59a及び59bも設けられている。また、遊技盤14の下左側と下右側とには装飾ランプ36a及び36bが設けられている。
【0031】
上述した液晶表示装置32の上方には4つの保留ランプ34a〜34dが設けられている。また、遊技盤14の下部には、遊技球の一般入賞口56a〜56dが設けられている。
【0032】
この一般入賞口56a〜56dの近傍には、大入賞口39に対して開閉自在なシャッタ40が設けられている。つまり、大入賞口39は、遊技領域に設けられている。上述した導出表示された識別情報の組合せが特定の表示態様である場合には、遊技状態が特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行され、このシャッタ40が遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となるように駆動される。また、この大入賞口39には、V・カウントセンサ102(図2参照)を有する特定領域(図示せず)と、カウントセンサ104(図2参照)を有する一般領域(図示せず)とがあり、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口39を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)となったシャッタ40は、開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ102を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、大入賞口39が開放状態のときに受け入れられた遊技球が、大入賞口39内に設けられた特定領域を通過したことを条件に、閉鎖状態となった後に再度開放状態にする。
【0033】
また、大入賞口39が開放状態において、その大入賞口39へ入賞した遊技球の個数が特定数(例えば、10個)に至った後には、詳しくは後述するが、大入賞口39に入賞した遊技球が後述する上皿20又は下皿22に排出されることとなる。
【0034】
また、液晶表示装置32の下方には、始動入賞球センサ116(図2参照)を有する始動口44が設けられている。この始動口44に遊技球が入賞した場合に、後述する特別図柄ゲームが開始され、複数列の識別情報を変動表示する変動表示状態に移行する。所定の識別情報の可変表示開始条件とは、本実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したことを主な条件とする。また、その他にも、識別情報が導出表示されていることを条件ともする。つまり、所定の識別情報の可変表示開始条件が成立する毎に識別情報の可変表示を行うこととなる。尚、実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したこと等を所定の識別情報の可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
【0035】
また、特別図柄ゲームにおける識別情報の変動表示中に遊技球が始動口44へ入賞した場合には、変動表示中の識別情報が導出表示されるまで、当該始動口44への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行(開始)が保留される。識別情報の可変表示の実行が保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示の実行が開始される。また、識別情報が導出表示された場合に実行される識別情報の可変表示の実行は1回分である。例えば、識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示のうち1回分が実行され、残りの2回分は保留される。
【0036】
保留されている識別情報の可変表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)は、保留ランプ34a〜34dの点灯/消灯によって表示される。例えば、識別情報の可変表示の実行が1回分保留されている場合には、保留ランプ34aが点灯し、保留ランプ34b〜34dが消灯する。識別情報の可変表示の実行が2回分保留されている場合には、保留ランプ34a及び34bが点灯し、保留ランプ34c及び34dが消灯する。識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている場合には、保留ランプ34a〜34cが点灯し、保留ランプ34dが消灯する。識別情報の可変表示の実行が4回分保留されている場合には、保留ランプ34a〜34dが点灯する。
【0037】
保留される識別情報の可変表示の実行回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として識別情報の可変表示が保留される。例えば、識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている状態において、遊技球が始動口44へ入賞した場合には、4回目の実行が保留されるが、識別情報の可変表示の実行が4回分保留されている状態において、遊技球が始動口44へ入賞した場合には、5回目の実行が保留されず、識別情報の可変表示の実行が4回分保留されている状態を維持することとなる。
【0038】
また、普通図柄ゲームにおいても同じように、普通図柄の変動表示中において球通過検出器54の近傍を遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が導出表示されるまで、当該球通過検出器54への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示の実行(開始)が保留される。普通図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、普通図柄が導出表示された場合には、所定時間経過後、保留されている普通図柄の可変表示が開始される。また、普通図柄が導出表示された場合に実行される普通図柄の可変表示の実行は1回分である。この保留された普通図柄の可変表示の実行回数(所謂、「普通図柄に関する保留個数」、「普通図柄ゲームにおける保留個数」)は、普通図柄保留ランプ50の点灯/消灯によって表される。また、普通図柄の可変表示の実行が保留される回数にも上限が設定されており、例えば、4回を上限として普通図柄の可変表示が保留される。
【0039】
尚、本実施形態においては、4回を上限として識別情報の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、識別情報の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、識別情報の可変表示を保留しないように構成してもよい。また、本実施形態においては、4回を上限として普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、普通図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、普通図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。
【0040】
また、上述した始動口44、一般入賞口56a〜56d、大入賞口39における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
【0041】
外枠11の左側面には、球貸用カードユニット150が取り付けられる。球貸用カードユニット150とパチンコ遊技機10は電気的に接続され、球貸用カードユニット150とパチンコ遊技機10との間で、遊技球の貸出に必要な所定の制御信号が送受信される。
【0042】
上皿20の前面には、球貸操作パネル80が備えられている。この球貸操作パネル80の制御は球貸用カードユニット150により行われる。球貸操作パネル80は、球貸し用のプリペイドカードにおける残度数を示す残度数表示LED(図示せず)などの表示部と、球貸操作スイッチ(図示せず)、返却スイッチ(図示せず)などの操作部とで構成される。
【0043】
[遊技機の電気的構成]
上述したパチンコ遊技機10の電気的構成について図2を用いて説明する。
【0044】
パチンコ遊技機10は、図2に示すように、主に、遊技制御手段としての主制御回路60、演出制御手段としての副制御回路200などから構成される。
【0045】
この主制御回路60は、図2に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
【0046】
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0047】
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラム、テーブルについては後述する。
【0048】
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM68を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM70等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。また、本実施形態においてはメインCPU66、メインROM68及びメインRAM70を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用してもよい。
【0049】
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
【0050】
メインRAM70には、制御状態フラグ、特定領域通過フラグ、高確率フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄ゲーム、普通図柄ゲームにおける保留個数を示すデータ等が存在する出力に関する変数、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数等が位置付けられている。
【0051】
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。特定領域通過フラグは、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断するためのものである。高確率フラグは、特定遊技状態である大当り遊技状態に移行する確率を相対的に高めるか否かを示すものである。
【0052】
大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定した場合に、導出表示される識別情報を決定するためのものである。はずれ図柄決定用乱数カウンタは、大当りではない場合に導出表示する識別情報を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、識別情報の変動表示パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。尚、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けてもよい。
【0053】
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。尚、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていてもよい。
【0054】
大入賞口開放回数カウンタは、特定遊技状態における大入賞口39の開放回数(所謂、「ラウンド数」)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口39に入賞し、V・カウントセンサ102又はカウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。更には、保留個数を示すデータは、始動口44へ遊技球が入賞したが、識別情報の変動表示が実行できないときに、当該変動表示を保留するが、その保留されている識別情報の変動回数を示すものである。
【0055】
尚、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0056】
また、この主制御回路60は、後述する各種の装置からの入力信号を受け取るためのI/Oポート61、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路(図示せず)、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのコマンド出力ポート72などを備えている。また、これらのI/Oポート61、リセット用クロックパルス発生回路、初期リセット回路64、コマンド出力ポート72は、メインCPU66に接続されている。尚、このリセット用クロックパルス発生回路は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。尚、このコマンド出力ポート72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
【0057】
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図2に示すように、V・カウントセンサ102、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
【0058】
V・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域に設けられている。このV・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0059】
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0060】
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dに設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0061】
通過球センサ114は、球通過検出器54に設けられている。この通過球センサ114は、球通過検出器54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0062】
始動入賞球センサ116は、始動口44に設けられている。この始動入賞球センサ116は、始動口44を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0063】
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材48に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材48を開放状態又は閉鎖状態とする。
【0064】
大入賞口ソレノイド120は、図1に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
【0065】
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40内部に設けられているシーソーに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、特定領域を通過しやすくなるように又は一般領域を通過しやすくなるように切り替えることとなる。
【0066】
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
【0067】
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、球貸用カードユニット150が接続されている。具体的には、払出・発射制御回路126には、その払出・発射制御回路126を制御するためのCPU(図示せず)と、CPUに処理を実行させるためのプログラムが記憶されているROM(図示せず)と、CPUの作業領域であるRAM(図示せず)とが少なくとも備えられている。
【0068】
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、球貸用カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。尚、払出装置128は、発射(投入)された遊技媒体が所定の領域を通過することにより遊技媒体を払出す払出手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、払出手段の払出制御を行う払出制御手段の一例として採用されている。
【0069】
また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。発射装置130には、上述した発射モータ、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射モータにより遊技盤14に順次発射される。尚、このような発射装置130は、遊技者の操作に応じて遊技媒体を発射(投入)する発射手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、発射手段の駆動制御を行う発射制御手段の一例として採用されている。
【0070】
更には、コマンド出力ポート72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46(図1においては46L及び46R)から発生させる音声に関する制御、保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50、装飾ランプ36a及び36bを含むランプ・LED132の制御等を行う。
【0071】
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
【0072】
また、払出・発射制御回路126には、球貸用カードユニット150が接続されている。この球貸用カードユニット150は、上述したように、遊技球の貸し出しなどを管理するための装置である。この球貸用カードユニット150には、パチンコ遊技機10に配設された球貸操作パネル80が接続されている。この球貸用カードユニット150は、球貸操作パネル80の操作に応じて、払出・発射制御回路126に対して、貸し球制御信号を供給し、その結果、払出装置128に遊技球を払い出させることとなる。
【0073】
一方、副制御回路200は、可変表示制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための画像制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、保留ランプ34a〜34d、装飾ランプ36a及び36bを含むランプ・LED132の制御を行うランプ制御回路240などから構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
【0074】
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0075】
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
【0076】
また、プログラムROM208には、演出パターンが複数種類記憶されている。この演出パターンは、演出表示の進行に関するものである。演出表示は、識別情報の可変表示に応じて実行されるものである。
【0077】
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、記憶手段としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0078】
また、本実施形態において、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200と、を別々に構成したが、これに限らず、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをメインROM68に記憶させ、メインCPU66により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM68に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
【0079】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等各種の変数等が位置付けられている。特に、ワークRAM210には、遊技者により行われた現時点以前の遊技結果データが記録される。
【0080】
尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0081】
可変表示制御手段としての画像制御回路250は、画像データプロセッサ(図示せず)、各種の画像データを記憶する画像データROM(図示せず)、各種の画像データを重ね合わせて一時的に記憶するビデオRAM(図示せず)などから構成されている。画像制御回路250は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROMから、識別情報を示す識別情報画像データ、背景画像データ、演出用画像データ、普通図柄を示す普通図柄画像データ等、各種の画像データを読み出し、ビデオRAMに重ね合わせて記憶することによって、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。そして、画像制御回路250は、生成した画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像を表示させる。従って、可変表示制御手段としてのサブCPU206、画像制御回路250は、液晶表示装置32における識別情報が変動表示されてから導出表示されるまでの可変表示ゲームを順に制御することとなる。
【0082】
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC(図示せず)、各種の音声データを記憶する音声データROM(図示せず)などから構成されている。音声制御回路230は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音声制御回路230は、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号を増幅させ、スピーカ46から音声を発生させる。
【0083】
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路(図示せず)、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROM(図示せず)などから構成されている。ランプ制御回路240は、サブCPU206から供給される命令に基づいて、ランプ・LED132の発光制御を行う。
【0084】
[遊技結果データテーブル]
上述した電気的な構成において、ワークRAM210に記憶されている遊技結果データテーブルについて図3を用いて説明する。尚、以下に説明する遊技結果データテーブルがワークRAM210に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがワークRAM210に記憶されていればよい。
【0085】
ワークRAM210には、図3に示すように、既に行われた遊技の結果を管理するための遊技結果データテーブルが記憶されている。特に、この遊技結果データテーブルには、特定遊技状態に移行する特定タイミングを予測するために、現時点までの特定タイミングについて遊技結果データとして記録されている。この遊技結果データテーブルには、大当り図柄、大当りタイプ、大当りゲーム数、時間、年月日とが対応付けられて記録されている。
【0086】
大当り図柄は、識別情報の可変表示の結果が特定の表示態様となった場合における導出図柄、つまり、特定の表示態様を示す図柄である。
【0087】
大当りタイプは、特定遊技状態が終了した後に、通常遊技状態となる通常大当り、確変状態となる確変大当りなど、特定遊技状態の種類を示す情報である。また、言い換えると、識別情報の可変表示の結果が特定の表示態様となった場合における導出図柄が、特定の表示態様のうち、特別の表示態様となったか否かを示す情報である。
【0088】
大当りゲーム数は、特定遊技状態が終了してから、当該特定遊技状態の次に特定遊技状態に移行するまでの識別情報の可変表示の回数(可変表示ゲーム数)である。
【0089】
時間は、特定遊技状態に移行した時刻を示し、年月日は、特定遊技状態に移行した年月日を示す。
【0090】
このような遊技結果データテーブルが記録されることによって、例えば、図3に示すように、平均可変表示ゲーム間(総合)が267ゲーム、平均可変表示ゲーム間(通常大当り後)が451ゲーム、平均可変表示ゲーム間(確変大当り後)が43ゲームと算出される。
【0091】
詳しくは後述するが、これらの遊技結果データテーブルが参照されることによって、特定遊技状態に移行する特定タイミングが予測され、その特定タイミングに基づく特定の報知が行われることとなる。また、このような特定タイミングの予測、特定の報知は、複数系統によって行われ、複数の予測系統毎に結果を異ならせて特定タイミングが予測されることとなる。例えば、複数の予測系統は、それぞれ、平均可変表示ゲーム間(総合)、平均可変表示ゲーム間(通常大当り後)、平均可変表示ゲーム間(確変大当り後)のなかのいずれを参照することによって、予測の結果が異なってくる。このように、複数の予測系統を有し、それら毎に、予測の結果を異ならせて特定タイミングが予測されるので、予測の結果に比較対象ができ、遊技者に対して、参考となる有益な情報を提供することができる。更には、予測の結果にバリエーションを持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0092】
[表示画面の説明]
また、上述した構成によって実行される遊技情報に関する遊技データの表示画面について図4及び図5を用いて以下に説明する。
【0093】
最初に、図4に示すように、識別情報の可変表示が行われる。例えば、図4においては、「3」−「2」−「1」が導出表示されている。このような識別情報は、所定の識別情報の可変表示開始条件が成立することによって、その可変表示を開始する。また、識別情報の可変表示が開始された場合には、その識別情報は、所定の変動パターンで可変表示を行うこととなる。また、識別情報の全てが導出表示された場合において、図5に示すように、その識別情報の可変表示の結果が特定の表示態様となったときには、遊技者に有利な特定遊技状態に移行される。一方、識別情報の全てが導出表示された場合において、図4に示すように、その識別情報の可変表示の結果が特定の表示態様とならなかったときには、遊技者に不利な通常遊技状態のまま維持される。
【0094】
また、図4に示すように、表示画面の左上には、前回特定遊技状態に移行してからの識別情報の可変表示の回数と、その日に特定遊技状態に移行された回数とが表示されている。
【0095】
更には、表示画面の下方には、図4に示すにように、2つのアシスタントキャラクタが表示されている。一方のアシスタントキャラクタは、コンドルであり、他方のアシスタントキャラクタは、花火職人である。図4において、コンドルは、「当分ダメダクェ」とコメントしており、花火職人は、「そろそろ大当りの予感」とコメントしている。これらアシスタントキャラクタによるコメントは、現時点以降における遊技結果の予測コメントであり、特に、特定遊技状態に移行する特定タイミングに関するコメントである。これらのコメントは、その遊技者によって現時点以前に行われた遊技結果データに基づいて生成されている。上述したようにコメントされることによって、現時点以降における遊技結果、特定遊技状態に移行する特定タイミングの予測を遊技者に対して提供することができる。
【0096】
このように予測コメントがされた後、図5に示すように、識別情報の可変表示の結果が特定の表示態様となった場合には、コンドルは、「たまたまクェ」とコメントしており、花火職人は、「大当りでぃ!」とコメントしている。
【0097】
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図6から図8、図10から図14に示す。また、パチンコ遊技機10で実行される特別図柄制御処理(図8)の状態遷移について図9を用いて説明する。
【0098】
[メイン処理]
最初に、図6に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図8を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32に表示される識別情報に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS15)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS15の処理を繰り返し実行することとなる。
【0099】
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図7を用いて説明する。
【0100】
最初に、図7に示すように、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS42)。そして、始動口44、球通過検出器54、一般入賞口56a〜56d等の遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS43)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS44)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS46)。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
【0101】
ステップS47においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、左列、中列、右列に導出表示される識別情報の種類を示す導出図柄指定コマンド、識別情報の変動表示パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移す。
【0102】
そして、ステップS49の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。また、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
【0103】
[特別図柄制御処理]
図6のステップS15において実行されるサブルーチンについて図8を用いて説明する。尚、図8において、ステップS72からステップS80の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
【0104】
最初に、図8に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
【0105】
尚、後述するステップS72からステップS80において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS80における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
【0106】
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図10を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出識別情報、識別情報の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS73の処理を実行するように設定するのである。一方、保留個数がない場合には、デモ画面が表示される。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
【0107】
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
【0108】
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。従って、ステップS74を実行するメインCPU66は、識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったことを条件に、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させる制御を行う遊技状態移行制御手段の一例に相当する。また、メインCPU66は、通常遊技状態から特定遊技状態に移行する旨の遊技状態指定コマンドを示すデータをセットする。このように記憶された特定遊技状態に移行する旨の遊技状態指定コマンドを示すデータは、図7のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に遊技状態指定コマンドとして供給される。このような処理が実行されることによって、副制御回路200は、遊技状態が特定遊技状態に移行したことを認識可能となる。一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
【0109】
ステップS75においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口39を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
【0110】
ステップS76においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移す。
【0111】
ステップS77においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。尚、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移す。
【0112】
ステップS78においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが“15”以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS76の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移す。
【0113】
ステップS79においては、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。また、メインCPU66は、特定遊技状態が終了し、遊技状態が通常遊技状態に移行する旨の遊技状態指定コマンドを示すデータをセットする。このように記憶された通常遊技状態に移行する旨の遊技状態指定コマンドを示すデータは、図7のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に遊技状態指定コマンドとして供給される。このような処理が実行されることによって、副制御回路200は、遊技状態が通常遊技状態に移行したことを認識可能となる。そして、メインCPU66は、識別情報の可変表示の結果が特別の表示態様として導出表示される場合には、確変状態に移行させる制御を行う。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
【0114】
ステップS80においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0115】
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図9に示すように、特定遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図8に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS80の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、特定遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図8に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技状態への制御を実行することとなる。更には、メインCPU66は、特定遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図8に示すステップS77、ステップS78、ステップS76の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技を実行することとなる。尚、特定遊技が実行されている場合において、特定遊技状態の終了条件(特定遊技終了条件)が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図8に示すステップS77からステップS80の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技状態を終了することとなる。
【0116】
[特別図柄記憶チェック処理]
図8のステップS72において実行されるサブルーチンについて、図10を用いて説明する。
【0117】
最初に、図10に示すように、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS101)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS102においては、保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合には、ステップS103に処理を移し、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS104に処理を移す。
【0118】
ステップS103においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、デモ画面の表示が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0119】
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
【0120】
ステップS105においては、大当り判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。例えば、通常時における大当り判定テーブルでは、2個の大当り判定値が設定されているが、確変時における大当り判定テーブルでは、10個の大当り判定値が設定されており、高確率フラグに基づいて大当り判定テーブルを選択することによって、特定遊技状態に移行する確率が異なることとなる。このように、高確率フラグが所定の値(例えば“77”)である場合、つまり遊技状態が確変状態である場合には、特定遊技状態に移行する確率(識別情報の可変表示の結果を特定の表示態様とする確率)は、通常時よりも向上することとなるのである。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な特定遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
【0121】
ステップS106においては、大当りであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS105の参照の結果に基づいて、大当りであるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、ステップS107に処理を移し、大当りであるとは判別しなかった場合には、ステップS108に処理を移す。
【0122】
ステップS107においては、大当り図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を抽出し、その大当り図柄用乱数値に基づいて、左列、中列、右列に対応する識別情報を決定し、その識別情報を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。特に、メインCPU66は、左列、中列、右列に対応する識別情報を特別の表示態様(大当り図柄が特定図柄である表示態様)として決定する場合には、後述するステップS184、185の処理において確変状態に移行させる制御を行うこととなる。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な有利遊技状態としての確変状態に移行するか否かを決定することとなる。このように記憶された左列、中列、右列に対応する識別情報を示すデータは、図7のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
【0123】
ステップS108においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄決定用乱数カウンタからはずれ図柄決定用乱数値を抽出し、そのはずれ図柄決定用乱数値に基づいて左列、中列、右列に対応する識別情報を決定し、その識別情報を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された左列、中列、右列に対応する識別情報を示すデータは、図7のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。このような処理が実行されることによって、つまり、識別情報の可変表示の結果を決定することとなる。
【0124】
尚、メインCPU66は、左列と右列とが同じ識別情報となり、更には、左列と中列とが同じ識別情報となる場合には、中列の識別情報を、所定のコマ数(例えば3コマ)だけ補正するように決定し、大当りにならないように制御している。つまり、本ステップにより、識別情報の可変表示の結果が、その識別情報の可変表示の結果が導出表示される以前に決定されるのである。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
【0125】
ステップS109においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS107及びステップS108により決定された左列、中列、右列の識別情報に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPU66は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された変動パターンを示すデータは、図7のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
【0126】
ステップS110においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS109の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動演出時間を示す変動演出時間テーブルと、に基づいて、変動演出時間を算出し、その変動演出時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0127】
[副制御回路の動作]
一方、副制御回路200では、主制御回路60から送信される各種のコマンドを受信し、図11に示すようなコマンド受信処理を実行することとなる。
【0128】
[コマンド受信処理]
最初に、図11に示すように、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS301)。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、受信コマンドに基づく変動パターンを決定し、決定された変動パターンを示すデータをワークRAM210の所定領域にセットし(ステップS302)、本サブルーチンを終了する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド以外のコマンドを受信したと判別した場合には、ステップS303に処理を移す。
【0129】
ステップS301の処理により変動パターン指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、導出図柄指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS303)。この処理において、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、受信コマンドに基づく停止図柄を決定し、決定された停止図柄を示すデータをワークRAM210の所定領域にセットし(ステップS304)、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信したとは判別しなかった場合には、ステップS305に処理を移す。
【0130】
ステップS303の処理により導出図柄指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、図柄確定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS305)。この処理において、サブCPU206は、図柄確定コマンドを受信したと判別した場合には、停止図柄の確定処理を実行し(ステップS306)、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、図柄確定コマンドを受信したとは判別しなかった場合には、ステップS307に処理を移す。
【0131】
ステップS305の処理により図柄確定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、遊技状態指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS307)。この処理において、サブCPU206は、遊技状態指定コマンドを受信したと判別した場合には、遊技状態指定コマンドに対応するデータをセットし(ステップS308)、本サブルーチンを終了する。
【0132】
一方、サブCPU206は、遊技状態指定コマンドを受信したとは判別しなかった場合には、その他の受信したコマンドに対応する処理を実行し(ステップS309)、本サブルーチンを終了する。このその他の受信したコマンドには、例えば、始動記憶数指定コマンド、賞球コマンド、導出普通図柄指定コマンド、普通図柄変動パターン指定コマンド等、各種のコマンドが相当する。その他の受信したコマンドに対応する処理には、例えば、導出普通図柄指定コマンドを受信した場合には、サブCPU206が導出普通図柄指定コマンドに基づいて導出表示させる図柄を示すデータをワークRAM210にセットする処理、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信した場合には、その普通図柄変動パターン指定コマンドに基づいて、変動表示させる普通図柄の変動パターンを示すデータをワークRAM210にセットする処理等、各種の処理が含まれる。
【0133】
また、副制御回路200では、所定のタイミングで図12に示すような演出制御処理を実行することとなる。
【0134】
[演出制御処理]
最初に、図12に示すように、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS401)。この処理において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS402に処理を移す。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンドを受信しなかったと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0135】
ステップS402において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドに対応するデータ、導出図柄指定コマンドに対応するデータを、画像制御回路250などに送信する。サブCPU206は、変動パターン指定コマンドに対応するデータ、導出図柄指定コマンドに対応するデータを、画像制御回路250、音声制御回路230、ランプ制御回路240に対して送信する。
【0136】
画像制御回路250、音声制御回路230、ランプ制御回路240は、変動パターン指定コマンドに対応するデータ、導出図柄指定コマンドに対応するデータに基づいて、液晶表示装置32、スピーカ46、ランプ・LED132などに各種の信号を供給する。これによって、副制御回路200は、主制御回路60において決定された変動パターン、導出図柄などに基づいて、各種の演出する制御を行うこととなる。つまり、副制御回路200(例えば、サブCPU206、画像制御回路250など)は、液晶表示装置32における識別情報が変動表示されてから導出表示されるまでの可変表示ゲームを順に制御することとなる。尚、このような演出(識別情報の可変表示を含む)と、後述する予測結果の報知とは別系統で行なわれる。
【0137】
[予測結果報知制御処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミングで図13に示すような予測結果報知制御処理を実行することとなる。尚、この予測結果報知制御処理は、上述した演出制御処理とは、独立した関係である。
【0138】
最初に、図13に示すように、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS411)。この処理において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS412に処理を移す。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンドを受信しなかったと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0139】
ステップS412において、現時点までの遊技履歴データを参照する処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、図3に示す遊技結果データテーブルを参照する。具体的には、サブCPU206は、遊技結果データテーブルを参照し、平均可変表示ゲーム間(総合)、平均可変表示ゲーム間(通常大当り後)、平均可変表示ゲーム間(確変大当り後)を算出し、参照する。このように、平均可変表示ゲーム間(総合)、平均可変表示ゲーム間(通常大当り後)、平均可変表示ゲーム間(確変大当り後)を参照することによって、複数系統による特定タイミングの予測が可能となる。この処理が終了した場合には、ステップS413に処理を移す。
【0140】
ステップS413において、遊技履歴データの参照結果に基づいて、特定タイミングを予測する処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ステップS412において参照された結果に基づいて、特定タイミングを決定する。つまり、サブCPU206は、現時点までの遊技結果データに基づいて、特定遊技状態に移行する特定タイミングを予測することとなる。
【0141】
具体的には、サブCPU206は、平均可変表示ゲーム間(総合)、平均可変表示ゲーム間(通常大当り後)、平均可変表示ゲーム間(確変大当り後)のいずれかを特定タイミングとして決定する。つまり、サブCPU206は、識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となるまでに行われた可変表示ゲームの平均回数に基づいて、特定タイミングを予測することとなる。
【0142】
このように、識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となるまでに行われた可変表示ゲームの平均回数に基づいて特定タイミングが予測されるので、予測処理を容易に行うことができ、制御負荷を軽減することができる。
【0143】
また、サブCPU206は、決定した特定タイミングを異ならせるために、平均可変表示ゲーム間(通常大当り後)、平均可変表示ゲーム間(確変大当り後)のいずれか複数を特定タイミングとして決定する。つまり、サブCPU206は、複数の特定タイミング予測手段を有し、それら複数の特定タイミング予測手段毎に、予測の結果を異ならせて前記特定タイミングを予測することとなる。
【0144】
このように、複数の予測系統を有し、それら毎に、予測の結果を異ならせて特定タイミングが予測されるので、予測の結果に比較対象ができ、遊技者に対して、参考となる有益な情報を提供することができる。更には、予測の結果にバリエーションを持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0145】
また、サブCPU206は、上述したように決定した特定タイミングであると判別した場合には、特定タイミングに基づく特定の報知を行う旨のデータをワークRAM210の所定領域にセットすることとなる。また、サブCPU206は、上述したように決定した特定タイミングから前後所定数の可変表示ゲーム(例えば、特定タイミングから前後4ゲームなど)であると判別した場合には、所定の確率で、特定タイミングに基づく特定の報知を行う旨のデータをワークRAM210の所定領域にセットすることとなる。また、サブCPU206は、上述したように決定した特定タイミングでもなく、特定タイミングから前後所定数の可変表示ゲーム(例えば、特定タイミングから前後4ゲームなど)でもないと判別した場合には、上述した所定の確率より極めて低い確率で、特定タイミングに基づく特定の報知を行う旨のデータをワークRAM210の所定領域にセットすることとなる。
【0146】
尚、本実施形態において、ステップS413を実行するサブCPU206は、特定タイミング予測手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS414に処理を移す。
【0147】
ステップS414において、予測結果を報知する旨のデータを送信する処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ステップS413において予測された結果に基づいて、特定タイミングに基づく特定の報知を行う旨のデータがセットされている場合には、ステップS413において予測された結果を報知する旨のデータを、画像制御回路250、音声制御回路230、ランプ制御回路240に対して送信する。
【0148】
画像制御回路250、音声制御回路230、ランプ制御回路240は、予測された結果を報知する旨のデータに基づいて、液晶表示装置32、スピーカ46、ランプ・LED132などに各種の信号を供給する。
【0149】
これによって、副制御回路200は、ステップS413において予測された特定タイミングから前後所定数の可変表示ゲームにおいて、特定タイミングに基づく特定の報知を行う確率を高める制御を行うこととなる。つまり、液晶表示装置32などの報知手段は、ステップS413において予測された特定タイミングから前後所定数の可変表示ゲームにおいて、特定タイミングに基づく特定の報知を行う確率を高めることとなる。
【0150】
このように、予測された特定タイミングから前後所定数の可変表示ゲームにおいて、特定の報知が行われるので、特定の報知が行われることによって、所定数の可変表示ゲームにおいて特定遊技状態に移行するかもしれないというように、より一層、期待感を高揚させ、興趣の向上を図ることができる。
【0151】
また、副制御回路200は、ステップS413において予測された特定タイミングに基づく特定の報知の制御を行うこととなる。つまり、液晶表示装置32などの報知手段は、ステップS413において予測された特定タイミングに基づく特定の報知を行うこととなる。
【0152】
このように、遊技結果データとして、可変表示ゲームが行われた順に、可変表示ゲームにおける識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったか否かが判定可能に記録され、その記録された現時点までの遊技結果データに基づいて、特定遊技状態に移行する特定タイミングを予測し、その特定タイミングに基づく特定の報知が行われるので、特定遊技状態に移行するか否かに関する有益な特定の報知が行われることによって、遊技者に現時点以降の遊技結果の参考となる情報を提供するとともに、遊技への期待感を高揚させることによって、興趣の向上を図ることができる。
【0153】
[遊技情報記録処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミングで図14に示すような遊技情報記録処理を実行することとなる。尚、この遊技情報記録処理は、上述した演出制御処理、予測結果報知制御処理とは、独立した関係である。
【0154】
最初に、図14に示すように、所定の記録タイミングであるか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、図柄確定コマンドを受信したか否かによって、所定の記録タイミングであるか否かを判断する。サブCPU206は、所定の記録タイミングであると判別した場合には、ステップS422に処理を移す。一方、サブCPU206は、所定の記録タイミングではないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0155】
ステップS422において、導出図柄、時間、年月日を累積的に記録する。この処理において、サブCPU206は、導出表示させた導出図柄と、その導出表示させた時間及び年月日をワークRAM210の所定領域に累積的に記録する。これによって、サブCPU206、ワークRAM210は、遊技者によって行われた遊技結果データとして、可変表示ゲームが行われた順に、当該可変表示ゲームにおける識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったか否かを判定可能に記録することとなる。言い換えると、サブCPU206、ワークRAM210は、遊技結果データを記録することとなる。尚、本実施形態においては、サブCPU206、ワークRAM210は、遊技結果データ記録手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS423に処理を移す。
【0156】
ステップS423において、サブCPU206は、大当りであるか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、受信した導出図柄指定コマンドが特定の表示態様となる旨のコマンドであるか否かによって、大当りであるか否かを判断する。サブCPU206は、大当りであると判別した場合には、ステップS424に処理を移す。一方、サブCPU206は、大当りでないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0157】
ステップS423において、導出図柄、大当りタイプ、大当りゲーム数、時間、年月日を累積的に記録する処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ステップS422において累積的に記録された導出図柄、時間、年月日に基づいて、導出図柄、大当りタイプ、大当りゲーム数、時間、年月日を算出し、ワークRAM210に記録する。これによって、遊技結果データテーブル(図3)が記録されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0158】
つまり、上述したように予測が行われ、その予測結果が報知される遊技機は、推論と学習とを繰り返し行う人工知能(AI、Artificial Intelligence)機能を有するものである。
【0159】
[その他の実施形態]
尚、本実施形態においては、期間を限らずに、平均可変表示ゲーム間(総合)、平均可変表示ゲーム間(通常大当り後)、平均可変表示ゲーム間(確変大当り後)を算出し、参照することによって、上述したような予測、報知を行ったが、これに限らず、例えば、所定のサンプリング期間(例えば、1ヶ月など)における平均可変表示ゲーム間(総合)、平均可変表示ゲーム間(通常大当り後)、平均可変表示ゲーム間(確変大当り後)を算出し、参照することによって、上述したような予測、報知を行うようにしてもよい。
【0160】
また、本実施形態においては、パチンコ遊技機固有の遊技結果データに基づいて、上述したような予測、報知を行ったが、これに限らず、例えば、遊技者毎に行われた遊技に関する遊技結果データに基づいて、上述したような予測、報知を行うようにしてもよい。この場合において、遊技者を特定するための遊技者特定手段(例えば、遊技者認証システムなど)を備え、その遊技者特定手段によって特定された遊技者毎に遊技結果データを記録し、上述したような予測、報知を行うように構成してもよい。また、遊技機のみならず、他の装置も含むような遊技システムとして構成してもよい。
【0161】
また、本実施形態においては、予測された特定タイミングから前後所定数の可変表示ゲームにおいて、特定の報知を行う確率を高めるように構成したが、これに限らず、例えば、予測された特定タイミングから前後所定数の可変表示ゲームにおいても、特定の報知を行う確率を高めなくても問題ない。
【0162】
また、本実施形態においては、複数の予測系統を有するように構成したが、これに限らず、例えば、一つの予測系統を有するように構成してもよい。
【0163】
また、本実施形態においては、識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となるまでに行われた可変表示ゲームの平均回数に基づいて、特定タイミングを予測したが、これに限らず、例えば、識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となるまでに行われた可変表示ゲームの平均回数以外の他の要素に基づいて、特定タイミングを予測してもよい。
【0164】
尚、本実施形態においては、遊技制御手段としての主制御回路60と演出制御手段としての副制御回路200との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、図15に示すように、副制御回路200と主制御回路60とをワンボードに構成してもよい。もちろん、払出・発射制御回路126を、主制御回路60、副制御回路200と一体に構成してもよい。
【0165】
尚、上述した実施形態においては、第1種パチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキと称される第2種パチンコ遊技機、権利ものと称される第3種パチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
【0166】
また、上述した本実施形態においては、液晶表示装置32等の表示装置を可変表示手段として備えたが、これに限らず、円筒状のドラムを可変表示手段として構成してもよい。また、このように、円筒状のドラムを可変表示手段として構成した場合には、その前面(外周)又は背面(内周)に表示装置を備えるように構成し、又は、ドラムを二重に重ねるように構成してもよい。
【0167】
また、上述した実施形態においては、パチンコ遊技機等の遊技機自体に本発明を適用したが、各種の処理をコンピュータに実行させるためのシミュレーションプログラムにも適用可能である。このシミュレーションプログラムは、上述した実施形態における各種の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0168】
[シミュレーションプログラムの実施形態]
パチンコ遊技を模したシミュレーションプログラムについて図16を用いて説明する。尚、図16は、このシミュレーションプログラムを実行するコンピュータを示す概略図である。
【0169】
図16に示すように、コンピュータ300Aは、コンピュータ本体302、表示領域304aに画像を表示する表示装置304、操作部としてのキーボード306を備えている。コンピュータ本体302には、表示装置304と、キーボード306と、が電気的に接続されている。尚、本実施形態においては、キーボード306を操作部として構成したが、本発明はこれに限らず、操作可能であれば他の態様であってもよく、例えば、マウス、コントローラ等でもよい。
【0170】
コンピュータ本体302には、制御回路(図示せず)が内蔵されている。この制御回路は、CPU等からなる制御部(図示せず)と、各種のデータ、プログラム等を記憶する記憶部(図示せず)と、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等、コンピュータ300Aに挿脱可能な記憶媒体からデータを読み出すドライブ装置(図示せず)と、を備えている。また、制御回路は、表示装置304及びキーボード306等の外部装置を制御するためのインターフェイス回路(図示せず)を備えている。
【0171】
尚、本実施形態においては、コンピュータとしてパーソナルコンピュータを用いた構成としたが、本発明はこれに限らず、別の態様であってもよく、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置であってもよい。
【0172】
本実施形態においては、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体にシミュレーションプログラムが記憶されており、制御部がそのシミュレーションプログラムに従い、各種の処理を実行する。
【0173】
また、本実施形態においては、上述した実施形態におけるパチンコ遊技を模したシミュレーションプログラムについて説明する。このシミュレーションプログラムは、具体的には以下のような処理(ステップ)をコンピュータに実行させるためのものである。
【0174】
(A1) 識別情報が変動表示されてから導出表示されるまでの可変表示ゲームを順に制御する可変表示制御処理。
【0175】
(A2) 前記識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったことを条件に、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させる制御を行う遊技状態移行制御処理。
【0176】
(A3) 遊技者によって行われた遊技結果データを記録する遊技結果データ記録処理。
【0177】
(A4) 前記遊技結果データ記録処理において記録された遊技結果データに基づいて、所定の報知を行う報知処理。
【0178】
(A5) 前記遊技結果データ記録処理において、前記遊技結果データとして、可変表示ゲームが行われた順に、当該可変表示ゲームにおける識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったか否かを判定可能に記録する処理。
【0179】
(A6) 前記遊技結果データ記録処理において記録された現時点までの遊技結果データに基づいて、前記特定遊技状態に移行する特定タイミングを予測する特定タイミング予測処理。
【0180】
(A7) 前記報知処理において、前記特定タイミング予測処理において予測された前記特定タイミングに基づく特定の報知を行う処理。
【0181】
(A8) 前記報知処理において、前記特定タイミング予測処理において予測された前記特定タイミングから前後所定数の可変表示ゲームにおいて、前記特定の報知を行う確率を高める処理。
【0182】
(A9) 複数回の特定タイミング予測処理において、当該複数の特定タイミング予測処理毎に、予測の結果を異ならせて前記特定タイミングを予測する処理。
【0183】
(A10) 前記特定タイミング予測処理において、識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となるまでに行われた可変表示ゲームの平均回数に基づいて、前記特定タイミングを予測する処理。
【0184】
このように、(A1)から(A7)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、遊技結果データとして、可変表示ゲームが行われた順に、可変表示ゲームにおける識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったか否かが判定可能に記録され、その記録された現時点までの遊技結果データに基づいて、特定遊技状態に移行する特定タイミングを予測し、その特定タイミングに基づく特定の報知が行われるので、特定遊技状態に移行するか否かに関する有益な特定の報知が行われることによって、遊技者に現時点以降の遊技結果の参考となる情報を提供するとともに、遊技への期待感を高揚させることによって、興趣の向上を図ることができる。
【0185】
また、(A8)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、予測された特定タイミングから前後所定数の可変表示ゲームにおいて、特定の報知が行われるので、特定の報知が行われることによって、所定数の可変表示ゲームにおいて特定遊技状態に移行するかもしれないというように、より一層、期待感を高揚させ、興趣の向上を図ることができる。
【0186】
また、(A9)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、複数の予測系統を有し、それら毎に、予測の結果を異ならせて特定タイミングが予測されるので、予測の結果に比較対象ができ、遊技者に対して、参考となる有益な情報を提供することができる。更には、予測の結果にバリエーションを持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0187】
また、(A10)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となるまでに行われた可変表示ゲームの平均回数に基づいて特定タイミングが予測されるので、予測処理を容易に行うことができ、制御負荷を軽減することができる。
【0188】
尚、本実施形態においては、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等、コンピュータ300Aに挿脱可能な記憶媒体に記憶されたシミュレーションプログラムに従い、制御部を各種の手段として機能させるように構成したが、本発明はこれに限らず、例えば、上述した記憶媒体よりコンピュータ300Aに内蔵された記憶部にプログラムをインストールし、コンピュータ300Aに内蔵された記憶部に記憶されたシミュレーションプログラムに従い、上述した実施形態における各種の手段として制御部を機能させるように構成してもよい。
【0189】
また、上述した実施形態においては、一つのコンピュータ300Aにおいて各種の処理を実行させるように構成したが、本発明はこれに限らず、他のコンピュータ(例えばゲームサーバ)と、それらの処理を別々に分けて実行させるように構成してもよい。
【0190】
他のコンピュータを用いて実行されるシミュレーションプログラムについて図17を用いて説明する。尚、図17は、シミュレーションプログラムを実行するゲームシステムを示す概略図である。
【0191】
図17に示すように、ネットワーク500には、コンピュータ300A、300B、…と、その他のコンピュータであるゲームサーバ400と、が接続されている。つまり、これらのコンピュータ300A、300B、…は、ゲームサーバ400に対して通信可能に接続されている。また、ゲームサーバ400は、制御部(図示せず)と、プログラムを記憶する記憶部(図示せず)と、を備え、制御部は、記憶部に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。
【0192】
この場合には、上述した実施形態において具体的に記載された処理を、コンピュータ300A、300B、…と、ゲームサーバ400とに、別々に分けて実行させるように構成してもよい。
【0193】
本実施形態におけるパチンコ遊技を模するシミュレーションプログラムの一例を挙げると、上述した(A2)の処理を実行させるシミュレーションプログラムをゲームサーバ400の記憶部に記憶し、上述した(A1)、(A3)から(A10)の処理を実行させるシミュレーションプログラムをコンピュータ300A、300B、…の記憶部に記憶する。これにより、ゲームサーバ400の制御部は、(A2)の処理を実行し、コンピュータ300A、300B、…の制御部は、(A1)、(A3)から(A10)の処理を実行することとなる。
【0194】
尚、本実施形態においては、コンピュータ300A、300B、…の各々とゲームサーバ400とに、シミュレーションプログラムに含まれる各種の処理を実行させるように構成したが、本発明はこれに限らず、各種の処理を実行させるためのシミュレーションプログラムをゲームサーバ400に記憶し、コンピュータ300A、300B、…からゲームサーバ400に供給されるダウンロード要求に応じて、ゲームサーバ400からコンピュータ300A、300B、…にシミュレーションプログラムをダウンロードすることにより、コンピュータ300A、300B、…にシミュレーションプログラムを実行させるように構成してもよい。
【0195】
尚、本実施形態においては、遊技場に設置する遊技機としてパチンコ遊技機を用いて説明したが、これに限らず、例えば、スロット遊技機(パチスロ遊技機を含む)、ゲームマシンなど、少なくとも遊技の結果を決定する機能を有する遊技機であればよい。
【0196】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、識別情報の可変表示を行う可変表示手段と、前記可変表示手段における前記識別情報が変動表示されてから導出表示されるまでの可変表示ゲームを順に制御する可変表示制御手段と、前記識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったことを条件に、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させる制御を行う遊技状態移行制御手段と、遊技者によって行われた遊技結果データを記録する遊技結果データ記録手段と、前記遊技結果データ記録手段に記録された遊技結果データに基づいて、所定の報知を行う報知手段とを備えた遊技機であって、前記遊技結果データ記録手段は、前記遊技結果データとして、可変表示ゲームが行われた順に、当該可変表示ゲームにおける識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったか否かを判定可能に記録する機能を有し、前記遊技結果データ記録手段に記録された現時点までの遊技結果データに基づいて、前記特定遊技状態に移行する特定タイミングを予測する特定タイミング予測手段を備え、前記報知手段は、前記特定タイミング予測手段によって予測された前記特定タイミングに基づく特定の報知を行う機能を有することを特徴とするものであるが、可変表示手段、可変表示制御手段、遊技状態移行制御手段、遊技結果データ記録手段、特定タイミング予測手段、報知手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
【0197】
尚、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態の遊技履歴データテーブルを示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態の情報表示端末において表示される表示画面を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態の情報表示端末において表示される表示画面を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態の遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態の遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態の遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理の状態遷移を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施形態の遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態の遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態の遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態の遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態の遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機を示すブロック図である。
【図16】本発明の一実施形態のコンピュータを示す概略図である。
【図17】本発明の一実施形態のゲームシステムを示す概略図である。
【符号の説明】
【0199】
10 パチンコ遊技機
26 発射ハンドル
32 液晶表示装置
40 シャッタ
44 始動口
60 主制御回路
66 メインCPU
68 メインROM
70 メインRAM
92 特別図柄
94 普通図柄
116 始動入賞球センサ
120 大入賞口ソレノイド
200 副制御回路
206 サブCPU
208 プログラムROM
210 ワークRAM
250 画像制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報の可変表示を行う可変表示手段と、
前記可変表示手段における前記識別情報が変動表示されてから導出表示されるまでの可変表示ゲームを順に制御する可変表示制御手段と、
前記識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったことを条件に、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させる制御を行う遊技状態移行制御手段と、
遊技者によって行われた遊技結果データを記録する遊技結果データ記録手段と、
前記遊技結果データ記録手段に記録された遊技結果データに基づいて、所定の報知を行う報知手段とを備えた遊技機であって、
前記遊技結果データ記録手段は、前記遊技結果データとして、可変表示ゲームが行われた順に、当該可変表示ゲームにおける識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったか否かを判定可能に記録する機能を有し、
前記遊技結果データ記録手段に記録された現時点までの遊技結果データに基づいて、前記特定遊技状態に移行する特定タイミングを予測する特定タイミング予測手段を備え、
前記報知手段は、前記特定タイミング予測手段によって予測された前記特定タイミングに基づく特定の報知を行う機能を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記報知手段は、前記特定タイミング予測手段によって予測された前記特定タイミングから前後所定数の可変表示ゲームにおいて、前記特定の報知を行う確率を高める機能を有することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遊技機において、
複数の前記特定タイミング予測手段を有し、
前記複数の特定タイミング予測手段は、当該複数の特定タイミング予測手段毎に、予測の結果を異ならせて前記特定タイミングを予測する機能を有することを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、
前記特定タイミング予測手段は、識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となるまでに行われた可変表示ゲームの平均回数に基づいて、前記特定タイミングを予測する機能を有することを特徴とする遊技機。
【請求項5】
識別情報が変動表示されてから導出表示されるまでの可変表示ゲームを順に制御する可変表示制御処理と、
前記識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったことを条件に、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させる制御を行う遊技状態移行制御処理と、
遊技者によって行われた遊技結果データを記録する遊技結果データ記録処理と、
前記遊技結果データ記録処理において記録された遊技結果データに基づいて、所定の報知を行う報知処理とをコンピュータに実行させるシミュレーションプログラムであって、
前記遊技結果データ記録処理において、前記遊技結果データとして、可変表示ゲームが行われた順に、当該可変表示ゲームにおける識別情報の導出表示の結果が特定の表示態様となったか否かを判定可能に記録する処理と、
前記遊技結果データ記録処理において記録された現時点までの遊技結果データに基づいて、前記特定遊技状態に移行する特定タイミングを予測する特定タイミング予測処理と、
前記報知処理において、前記特定タイミング予測処理において予測された前記特定タイミングに基づく特定の報知を行う処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするシミュレーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−34687(P2006−34687A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220048(P2004−220048)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】