説明

遊技機

【課題】
大当たり遊技選択及び決定と、大当たり後の遊技状態決定において、乱数の抽選に従った液晶演出だけに頼るのではなく、振り分け部材を用いて選択過程が視覚的に認識でき、かつ、振り分け途中からも遊技者の技術介入が可能な遊技機を提供することである。
【解決手段】
上部受入部材31と上部振り分け部材37、下部受入部材42と下部振り分け部材45をそれぞれ通路で繋ぎ、上部振り分け結果が下部受入部材作動に影響を与えると同時に、上部振り分け部材37の振り分け結果と下部振り分け部材45の振り分け結果で1つの大当たり遊技の判定とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を発射する発射装置と、該発射装置によって発射された遊技球が打ち込まれて流下する遊技領域と、前記遊技領域を流下する遊技球(以下、流下球)を受入可能な状態と受入不能な状態とに変化可能であって、前記流下球を受け入れた場合に、異なる振り分け口に振り分けることができる振り分け手段を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より複数の釘が植設された遊技盤面に遊技球を発射して遊技を行う遊技機、特にパチンコ機において、図柄始動口に入賞した遊技球を検出し、その検出結果を契機として乱数を抽出し、抽出した乱数値に基づいて当たりハズレを決定し、その決定に従い複数の図柄を変動表示した後、大当たり図柄を停止表示し、遊技者に利益を付与するという遊技性の機械が広く普及している。
このようなパチンコ機の大当たり確率は概ね1/400から1/300に設定されており、一抽選に対する一変動は10秒程度、一分間にすると6回程度変動表示するとして、大当たりを引き当てるまでには、平均67分から50分掛かる。一方この間に発射操作を続けると、一分間当たり76発(たとえば発射球100個/分の発射条件において、始動口入賞6球に対する賞球24球を差し引いた球数)必要となり、平均5092発から3800発必要となる。遊技者にこれらの時間や球数を消費してもらうために、遊技機を製造する側としては液晶表示装置において様々な映像による変動パターンを用意したり、センターケースのステージ(液晶表示装置前底面部)にスロープや誘導部材を配設して球の動きに変化を与えたりするなど、様々な工夫をこらしている。
【0003】
またこのようなパチンコ機の重要な遊技性として、大当たり遊技終了後に大当たり確率をそれまでと同じとする通常状態と、大当たりの確率が10倍程度高くなる確率変動状態とを備えている。その契機は大当たり遊技選択の契機となった抽選時に同時に決定され、多くの機種の場合大当たり図柄の違いによってその旨を遊技者に報知している。このような内部の乱数抽選結果が先に決まっているにも係わらず、図柄の変動として擬似的に抽選過程を視認させているのが一般的である。この乱数抽選の抽選過程を遊技者に納得できる形で演出することは不可能である。この様な課題に対して大当たり遊技終了後の遊技状態の抽選を乱数を用いた内部処理によらず、複数段連接した振り分け装置で行っているものもある。これにより偶然選択された結果だと遊技者に認識させることには一定の効果があった。しかしこれも単に同じ振り分けを複数回実行するだけで振り分け過程も選択結果も単純であり変化が求められていた。
【0004】
【特許文献1】特開2003−180983
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような振り分け部材を用いたパチンコ機の課題に対して特開2003−180983では、上下に回転体振り分け部材を連接して振り分け箇所を増やしたり、回転体の回転方向を制御して振り分け箇所に至るまでの振り分け過程の違いを、複数の遊技状態に対応させることが述べられている。しかしこれでは遊技状態決定過程を乱数抽選ではなく、振り分け部材によって偶然の選択結果であることを視認できる状態で遊技者に提供できるものの、振り分け部材(回転体)を上下に連接しただけでは単に振り分け先が増えたに過ぎず、逆に、振り分け部材(回転体)の回転方向を制御してしまっては、乱数抽選による遊技者の不信感を払拭するという初期の課題を蔑ろにしてしまうことになる。
またこの上下連接振り分け装置では、上部回転体に入球してしまえば、最終結果に対してはただ行方を見守るだけで遊技者は全く関与できないため、今一つ興趣を維持することが難しかった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、長い遊技期間に亘って大当たりとするか否かの決定処理を乱数抽出による図柄の変動だけに頼るのではなく、また有利遊技状態(例えば、上記した確率変動状態)とするか否かの決定処理を乱数による内部決定によるのではなく、これら2つ決定処理を遊技者が視認可能な振り分け部材で行うことで、その振り分け動作によって不信感を払拭し、しかも遊技者を退屈させない遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明においては、遊技球を発射する発射装置と、該発射装置によって発射された遊技球が打ち込まれて流下する遊技領域(遊技領域12)と、前記遊技領域を流下する遊技球(以下、流下球)を受入可能な状態と受入不能な状態とに変化可能であって、前記流下球を受け入れた場合に、異なる振り分け口に振り分けることができる振り分け手段を備えた遊技機(パチンコ機1)であって、前記振り分け手段は、先行作動契機の発生に基づいて前記流下球を受入不能な状態から受入可能な状態に変化作動する先行流下球受入手段(電動役物J31)を具備してなる先行振り分け手段(上部振り分け部材37)と、後続作動契機の発生に基づいて前記流下球を受入不能な状態から受入可能な状態に変化作動する後続流下球受入手段(電動役物K42)を持つ後続振り分け手段(下部振り分け部材45)とを備え、前記後続振り分け手段は、前記先行振り分け手段の前記異なる振り分け口(振り分け先F1、振り分け先F2)のうちの少なくとも一つの振り分け口(振り分け先F2)と繋がった連通路(連通路39)を更に備え、前記先行振り分け手段は、前記先行流下球受入手段を介して受け入れた遊技球の振り分け結果(振り分け先が振り分け先F1と振り分け先F2の何れであるか)に基づいて、利益獲得条件の成立(振り分け先F4への振り分け、或いはスイッチSW86の検知)に先立って利益度合い(大当たり後の遊技状態を、確変とするか時短とするか)を決定することが可能であり、前記後続振り分け手段は、前記連通路から受け入れた遊技球の振り分け結果(振り分け先が振り分け先F3と振り分け先F4の何れであるか)に基づいて、利益獲得条件の成立か否かを決定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明においては、前記後続作動契機は前記先行振り分け手段の振り分け結果(振り分け先F1へ振り分けられSW83で検知されること)に基づいて発生することを特徴とする。

【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明においては、液晶表示装置において大当たり取得可能図柄に揃える演出(たとえば777)をこれまでより平均して短い時間で表出し、続くステップで振り分け部材において例えば時短(通常確率で特別図柄変動時間短縮状態)か確変(確率変動状態で特別図柄変動時間短縮状態)か、又は時短50回か100回かなどの遊技状態を決め、更に次のステップで大当たりか否かを決めることとした。そのためこの振り分け部材での振り分け過程が目に見えるため遊技者の不信感を払拭でき、かつ、遊技球が上部の振り分け部材に入ったあとでも、更に下部受入部材が作動する時に大当たりかハズレかの選択過程に遊技者が関与できるので最後まで諦める必要がなくなる。また大当たりまでの期間に図柄が揃う回数を増やし、それで図柄が揃う間隔も短くでき、映像による演出と振り分け装置による演出が協働することで退屈しない遊技を提供できることになった。
【0010】
請求項2に係る発明においては、先行振り分け手段の振り分け結果が遊技者に不利な側に振り分けられた場合は、後続振り分け手段でそれを補うような作動をさせ、振り分け過程の途中で諦めず最後まで期待を持って遊技できるようになった。たとえば先行振り分け手段で結果がよければ下部受入手段は作動させず不要な発射球を節約したり、振り分け結果が悪ければ下部受入手段の作動内容を遊技者に有利なように変更し追加の遊技球を入球させることで上部の不利を挽回できる機会を与えることができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
請求項で使用した語句と実施形態で使用した語句の対比
先行流下球受入手段は上部受入部材としての電動役物J、先行振り分け手段は上部振り分け部材37、後続流下球受入手段は下部受入部材としての電動役物K、後続振り分け手段は下部振り分け部材45と実施形態では使っている。
【0012】
盤面構成
図1は遊技機としての一例のパチンコ機1を正面から見た正面図である。但し、図1では便宜上、図2で示す遊技盤11の盤面上に形成された遊技領域12内の構成を空白で示している。
【0013】
パチンコ機1は、縦長長方形に形成された外枠2と、外枠2に対して開閉可能に取り付けられている内枠3とから構成される。さらに内枠3は複層で構成され、前面側の構成として、ガラス枠セット4と球皿パネル5とを上下に備え、背面側の構成として、図示しない遊技盤収納枠、及び、同じく図示しないが遊技球の払出に係わる構造部品など取り付けられた機構盤を備えている。
ガラス枠セット4は、略円形の開口窓部が形成されており、開口窓部6の背面には着脱自在に2枚がペアになったガラスが取り付けられている。また、開口窓部6の周囲は合成樹脂製の装飾部7で囲まれ、装飾部7の内部には演出LEDやスピーカ8a、8bが配置されている。球皿パネル5の中央には発射される遊技球を貯留する球皿9が設けられていおり、右下位置には、図示しない発射装置の発射力を調整するための発射装置ハンドル10が設けられている。
【0014】
一方図示しないパチンコ機1の裏面には、CPUなどを装備した各種基板が備えられている。主な基板としては、本願の制御を司るCPUやROMやRAMを含み遊技の全体的な制御を司る主制御基板、賞球の払い出しを司る払出制御基板、遊技盤11に備えられた表示装置や光源類、音声装置などを司る複数又は単数の演出制御基板、これら各種基板に幾つかの種類の電圧に降圧、又は昇圧した電源を供給する電源基板などがある。またこの他に遊技盤11等のスイッチからの信号を経由したり、遊技盤11に設けられた駆動装置などに接続する中継基板や、遊技場の島設備を経由してホストコンピュータに信号を送る外部接続基板などが備えられている。
また同じく遊技盤11の裏面には、本願の要部である回転体の駆動源としてのステッピングモータや、大入賞口と二つの電動役物の駆動源としてのソレノイドがそれぞれ設けられ、主制御基板からの制御によって作動するように構成されている。
【0015】
図2はこのパチンコ機1の開口窓部6の中に備えられた遊技盤11の正面図である。この遊技盤11には、図示しない発射装置から発射された遊技球が誘導レール25を経由して進入する遊技領域12が備えられている。この遊技領域12の左側上部には液晶演出図柄表示装置13が、右側上部には液晶補助表示装置18が備えられている。また中央下部には特別図柄の始動契機となるスイッチを内部に備えた図柄始動口16が備えられ、その下部には普通図柄の当たり時に作動する普通電動役物17が備えられている。またこの図柄始動口16の下部には特別図柄の大当たり時に作動する特別電動役物19と、その開口部である大入賞口20が備えられている。また普通電動役物17の左側には普通図柄の変動契機となる普通図柄始動ゲート21が配設され、その左側に2つの一般入賞口22a、22bが設けられている。大入賞口20の左側には、4つのLEDで構成される特別図柄始動記憶表示装置14とその下部に2桁の7セグで構成された特別図柄表示装置15が備えられている。一方大入賞口20の右側には2つのLEDで構成される普通図柄表示装置27とその下部の4つのLEDで構成される普通図柄始動記憶表示装置28、2つのLEDで構成された大当たり、小当たり表示装置29がそれぞれ設けられている。また盤面には遊技球を複雑に流下させる多くの釘(図示しない)と、同じく遊技球の流れを左右する風車24a、24b、24c、24dが配設されている。また盤面中央には本発明の要部である変動入賞装置26が備えられている。
【0016】
液晶図柄表示装置13の演出
引き続き図2を参照して、液晶図柄表示装置13の演出について説明する。先述したように、盤面下部中央に設けられた図柄始動口16に遊技球が入球すると、図柄始動口16の内部に設けられたスイッチSW10によって検知され、それを契機に賞球として4球が払い出される。また同じ契機により特別図柄に関して、大当たり取得可能乱数や大当たり取得可能図柄乱数、ハズレ図柄乱数、リーチ乱数など演出に必要な各種乱数を抽出する。特別図柄のうちで、確定表示されることにより、先行流下球受入手段としての電動役物J31及び後続流下球受入手段としての電動役物K42の作動契機となる大当たり取得可能図柄は、1から9までの9種類の数字とし、液晶画面においては当該数字により構成される3つの図柄列として表示され、「222」から「888」までの4種類の偶数グループと、奇数のうち「111」「555」「999」の3種類のグループと、「333」「777」の2種類のグループとで、3つのグループを形成する。
図柄の変動時間に関しては、一回の変動は平均10秒程度で、大当たり取得可能図柄が揃うと、上下の振り分け部材の振り分け結果が確定するまで、又は有効時間の満了まで変動を変動を保留し、振り分け結果が大当たりであればその後大当たり演出画面に切り替わり、大当たり遊技終了まで変動は保留され、振り分け結果がハズレであれば次の変動が開始される。
【0017】
続いてここから説明する処理は、遊技盤11の裏面に配置した主制御基板に備えられたCPUとそれに付随する、プログラムが格納されたROMと入賞検知などのデータを一時的に格納するRAMにより実行される。
特別図柄の内で大当たり取得可能図柄が選択されるか否かの抽選に係わる特別図柄遊技処理(図においては特図遊技処理と記載)は、図5と図6の動作のフローチャートに図示したように、これまでの図柄の変動表示を用いたパチンコ機とほとんど同じである。但し、本パチンコ機1は後述するように最終的な大当たり又はハズレの判断や大当たり後の遊技状態が確変か否かの判断処理を振り分け装置26を用いて決定する。従って、図柄が揃った場合には、振り分け装置26の振り分け作動が終了したと判断するまでの予め決められた一定の猶予時間(待機時間)を必要とする。そのため本実施例では、役物判定期間と該期間を管理するフラグを設け、大当たり取得可能図柄が揃った、すなわち確定表示された場合にはフラグを設定し、それぞれの振り分け段階で振り分けが完了したと判断できたことを条件としてその設定を解除するように構成している。また電動役物J(タイマDT1)や電動役物K(タイマDT2)の時間も必要に応じて管理する。この役物判定期間フラグの解除条件は後述する。
【0018】
特図遊技処理について図5と図6のフローチャートを参照して説明する。まず図5の特図遊技処理300について、S301で特別図柄の図柄始動口入賞があったかどうか判断する。あったと判断するとS302で作動保留球数が4個未満か判断し、未満であれば保留球数に1を加え、図柄始動口スイッチで遊技球を検知した契機で取得した各種乱数値を記憶する(S303)。続いて保留球数があると判断(S304)すると、次に大当たり中か、特図は変動中か、役物作動フラグがONかの判断でいずれもノーであれば(S305とS306とS307)、一番早く記憶された保留分乱数値記憶データを読み出す(S308)。続いて確率変動機能作動時の当たり判断(S310)か確率変動機能未作動時の当たり判断(S311)で異なる判定テーブルで処理を実行する。そして大当たり取得可能図柄が揃ったと判断すると(S312)大当たり取得可能図柄(S314)を、ハズレならばハズレ図柄を設定する(S313)。続いて特図の変動開始(S315)と保留球数表示のマイナス1(S316)を設定しこのルーチンを終了する。
【0019】
実施形態1
実施形態1は下記4手段により構成される変動入賞装置26に関して、遊技球の一連の流れを説明したものである。
本発明の、先行流下球受入手段としての電動役物J31と、先行振り分け手段としての上部振り分け部材37と、後続流下球受入手段としての電動役物K42と、後続振り分け手段としての下部振り分け部材45の構造は図3のようになっている。
上部の電動役物J31は、閉口時に入賞しないように頂部にヨロイ部32を備え、その下部に2枚の開閉片33a、33bと内部の遊技球検知スイッチSW81の3つからなっている。この電動役物J31はその下部の通路34で上部振り分け部材37と繋がっており、この上部振り分け部材37の入口手前には進退式のシャッター36とシャッターの閉鎖契機となるスイッチSW82が配設されている。通路34の途中にはシャッターで流下を妨げられた遊技球を盤面裏に取り込む盤面入口35が設けられている。
上部振り分け部材37は、4つの球受部ア、イ、ウ、エを形成した回転体38と、振り分け先F1とその内部のスイッチSW84と振り分け先F2によって構成されている。回転体38は、図示しない駆動モータの駆動力により、前方視時計回転方向に向かって、後述する予め決められた速度で回転するように構成されている。この回転体38の球受部は回転方向に向かう前側壁部が少し膨らんだ球受部ア、ウと、単に真っ直ぐな壁部を持つお椀のような球受部イ、エの2種類で構成されており、球受部アとウに受け入れられた遊技球は振り分け先F1の通路へは流入せず、振り分け先F2に導かれ、イとエは振り分け先F1の通路に流入する。この振り分け先F1に流入した遊技球はスイッチSW84で検知されそのまま盤面裏に取り込まれ、振り分け先F2に流入した遊技球は連通路39を経由して下部振り分け部材45に導かれる。
またこの連通路39には下部の電動役物K42で受け入れた遊技球が合流して下部振り分け部材45に導かれる進入路40との合流部41が形成されている。
この下部の電動役物K42は上部の電動役物J31と全く同じ構成で、ヨロイ部43と開閉部材44a、44bとスイッチSW83からなっている。
下部振り分け部材45は、3つの球受部カ、キ、クを形成した回転体46と、振り分け先F3とその内部のスイッチSW85、振り分け先F4とその内部のスイッチSW86によって構成されている。回転体46は、図示しない駆動モータの駆動力により、前方視時計回転方向に向かって、後述する予め決められた速度で回転するように構成されている。この回転体46の球受部は回転体46の回転方向に向かう前側壁部が少し膨らんだ球受部カと、単に真っ直ぐな壁部を持つお椀のような球受部キ、クの2種類で構成されており、カは振り分け先F4に導かれ、キとクは振り分け先F3に導かれる。この下部振り分け部材45で振り分けられた遊技球はいずれもそれぞれの振り分け先から盤面裏に取り込まれる。そしてスイッチSW85とスイッチSW86で遊技球が検知されるとそれに対して賞球が払い出される。
また先述したように、上部の回転体38は8秒で1回転、下部の回転体46は6秒で1回転するように制御される。これは球受部1つに2秒程度を割り振った時間から設定している。
【0020】
これ以降スイッチSWを単にSWと記載する。ここでは近接スイッチを念頭に説明しているが、もちろん接点スイッチやフォトスイッチなどでもよく遊技球の通過を正確に検知できればよい。また振り分け先のスイッチは、振り分け先ではなく回転体の球受部に遊技球が入球した時点でフォトスイッチなどを用いて検知し判断しても良い。そうすることで遊技者に視覚的に認識させることと、それとは別のタイミングで振り分け先を先判断し液晶補助表示装置などに遊技球が入ったこと入っていないことを表示し、急いで入球を催促したり、既にこれ以上の入球は不要である旨などを報知できる。
【0021】
遊技の流れをフローチャート図7と図8に従って説明する。このフローチャートやこれ以降で使う仮フラグとは指標として使う前に同じルーチン内で降ろしてしまうことがあるものを「仮」という言葉を付けて記載した。そのため確定したものを区別するために本フラグという言葉を普通に使うフラグと同じ扱いで使った。
振り分け処理1は図柄表示装置13に「222」(どのグループの図柄でも良い)が表示される(S401)と、まず先行流下球受入手段である電動役物J31が作動開始すると同時にシャッターが開き、役物判定期間フラグがONとなりこの電動役物J31の作動開始からの時間を計測するタイマDT1がスタート(S402)する。そしてその下流の通路34に設けられている進退式シャッター36が奥側に退出し、遊技球が上部振り分け部材37へ誘導可能となる。そしてこの電動役物J31は5秒間作動(この作動態様は0.5秒開口−1秒閉口−0.5秒開放−1秒閉口−0.5秒開放−1秒閉口−0.5秒開口、以後は5秒間とのみ記述)するか、若しくは内部のSW81で1球の遊技球が検知されると作動が終了する(S403)。ここで受け入れられた遊技球は通路34を通って上部振り分け部材37の回転体球受部ア、イ、ウ、エの何れかに受け入れられる。また通路34のSW82で1球の遊技球が検知されると(S406)、まずシャッターが閉まり、確変仮フラグ(S407)が設定される。その時退出していたシャッター36が通路に進出し振り分け部材37への通路を閉じると共に、電動役物J31で受け入れた2球目からの遊技球は盤内入口35から盤面裏に取り込まれる。
【0022】
続いてまず回転体球受部イ又はエに受け入れられた遊技球は、球受部が12時の位置から120度回転した所で振り分け先F1に導かれ、通路を流下し内部のSW84で検知され(S408)、先に設定した確変仮フラグをOFFし、代わりに時短仮フラグをONする(S409)。ただしこのあと下部の振り分け先F3の内部のSW85で遊技球が検知されると(S414)、ここまでに設定された仮フラグは仮OFFされ、ハズレ仮フラグが設定される(S415)。但し前後を問わずSW86での遊技球検知があればそれが有効とされ(S416)、ハズレ仮フラグは大当たりフラグに変更され、そこまでに仮OFFされたものを無効にして本フラグに変更する(S417)。回転体46には複数の遊技球が受け入れられる可能性があり、最終的に1回の役物判定期間内にSW86の検知が1回あればそれが判定結果となる。
また次に、振り分け先F1に至りSW84で遊技球が検知されると(S408 YES)、先述したS409を処理後、それを契機として電動役物K42が5秒間若しくは内部のSW83で1球の遊技球が検知されるまで作動する(S410)。すなわち、本実施例の後続流下球受入手段としての電動役物K42は、先行振り分け手段としての上部振り分け部材37の振り分け結果が、振り分け先F1へ振り分けられSW83で検知されることに基づいて開放作動するものである。したがって、本実施例における後続作動契機は、上部振り分け部材37の振り分け結果すなわち振り分け先F1へ振り分けられSW83で検知されることにより発生するものである。
ステップS410で電動役物K42が作動開始すると、図8に示すように、電動役物K42への入賞規定個数(例えば1球)が入賞したか否かの判断が実行され(S411)、入賞していないと判断された場合、電動役物K42が予め決められた規定作動(例えば複数サイクルの開閉作動)を終了したか否かを判断し(S412)、終了したと判断した場合には電動役物k42の作動を終了し(S4131)、S4131の終了に基づいてタイマDT2の計測を開始する(S4132)。
【0023】
回転体球受部ア又はウに受け入れられた遊技球は、球受部が12時の位置から180度回転した所で振り分け先F2を通って連通路39に進入し、下部振り分け部材45に至る。下部振り分け部材45に至った遊技球は回転体球受部カ、キ、クの何れかに受け入れられる。ここで球受部キ又はクに受け入れられた遊技球は、球受部が12時の位置から120度回転した所で振り分け先F3の通路を流下し内部のSW85で検知され(S414)、先に仮設定したフラグが仮OFFされ、仮ハズレとなる。一方球受部カに受け入れられた遊技球は、球受部が12時の位置から180度回転した所で振り分け先F4に導かれ内部のSW86で検知され(S416)、最初のSW82で仮設定された確変仮フラグが本設定され(S417)、合わせて大当たりフラグも設定される。その時ハズレ仮フラグが設定されている場合は解除する。
また前記したように振り分け先F1のSW84で遊技球が検知され、その後電動役物K42が作動して受け入れた遊技球も、回転体球受部のカ、キ、クの何れかに受け入れられる。そのうち球受部カに受入られれば振り分け先F4の内部SW86で検知され、大当たりが確定し、設定された確変仮フラグ若しくは時短仮フラグが本設定される。
一方通路途中に設けられたSW82で遊技球が検知されない(S406)場合はS420で電動役物J31の作動開始から計測し始めたタイマDT1が9秒に達すると、S421でハズレフラグを設定しこのルーチンを終了する。また電動役物K42が作動して5秒経過してもいずれの振り分け先SWで検知されなければ、すなわちタイマDT2の計測値が5秒以上か否かを判断する(S418)。ステップS418の結果が、5秒以上である判断された場合には、確変仮フラグ又は時短仮フラグが立っているのであればOFFし、更にハズレフラグをONしてハズレを決定する(S419)。
【0024】
振り分け部材の振り分け結果決定には有効時間が決められており、電動役物J31に遊技球が入賞しないまま作動開始から9秒経過するとハズレが決定し、電動役物K42作動時は電動役物K42の作動終了時から5秒が経過するまでに、下部振り分け部材45のいずれの振り分け先(スイッチSW85とSW86)でも検知されなければ、そこまでの検知結果は全てクリアされハズレと処理される。そして大当たり取得可能図柄が揃ったあと設定した役物判定期間フラグはS417かS419かS421のあとに解除される。(S422)
【0025】
このように本実施例の遊技機は、後続流下球受入手段の変化作動の終了に基づいて経過時間の計測を実行するタイマ手段(タイマDT2)と、これに先だって先行振り分け手段が決定した、例えば、大当たり後の遊技状態を確変とするか時短とするかといった利益度合いに関する利益度合い情報を記憶する振り分け処理1のステップS407及びステップS409に示す利益度合い情報記憶手段と、経過時間が予め定められた例えば5秒の規定時間に到達したか否かを判断するとともに経過時間が規定時間に到達したとき利益度合い情報記憶手段が記憶した利益度合い情報を消去する振り分け処理1のステップS418及びステップS419に示す利益度合い情報管理手段とを、更に備えたことを特徴とするものである。
このように構成することにより、規定時間が過ぎても大当たりとならなかった場合には、仮に設定した確変仮フラグ若しくは時短仮フラグをクリアする処理を、先行流下球受入手段への遊技球の受け入れ毎に行うので、常に先行流下球受入手段へ遊技球を受け入れた際には前回の利益度合い情報はクリアされている。
【0026】
実施形態1の改変例1
この場合は振り分け手段の構成は全く同じとするが、大当たり取得可能図柄の種類によって電動役物の作動態様が異なる例であり請求項2に対応する実施形態を説明する。
実施形態1ではどの図柄が揃おうと同じということで、例として図柄が「222」で説明したが、この改変例1では図柄が「222」の場合は実施形態1と全く同じ作動とするが、奇数の3種類のグループの図柄である、「111」「555」「999」の場合と、奇数の2種類のグループの図柄である、「333」「777」では電動役物の作動態様が異なるものである。
【0027】
たとえば図柄が「555」の場合、SW84で遊技球が検知された場合は前記と同じように電動役物K42が5秒間若しくは2球の入球を限度として作動する。一方SW84の検知がされなくても、シャッター下のスイッチSW82での遊技球の検知結果があれば、電動役物J31の作動終了後、4秒経過すると電動役物K42が5秒間若しくは1球の入球を限度として作動する。この場合SW84による検知かタイマDT1が4秒となるかの早いほうの結果を優先して電動役物K42は作動する。即ち奇数の3種類の図柄の場合は、下部振り分け部材45の球受部に対して2球の受入を可能にしており、上部は確変確率は1/2で同じであるのに、下部の大当たり確率は2/3の確率となっており、この3種類の奇数図柄は偶数図柄より大当たりの獲得がし易いことになる。
【0028】
同様に図柄が「777」の場合、SW84で遊技球が検知された場合は前記と同じように電動役物K42が5秒間若しくは3球の入球を限度として作動する。一方SW84の検知がされなくても、シャッター下のスイッチSW82で1球の検知結果があれば電動役物J31の作動終了後4秒経過すると電動役物K42が5秒間若しくは3球の入球を限度として作動する。即ち奇数の2種類の図柄の場合は下部振り分け部材45の球受部に対して3球の受入を可能にしており、上部で確変確率は1/2で同じであるのに、下部の大当たり確率は3/3の確率となっており、奇数図柄の3種類のグループに比べて更に有利な作動態様となっている。このように、本実施例においては、先行流下球受入手段としての電動役物J31の先行作動契機は「222」から「999」までの9種類の大当たり取得可能図柄が液晶演出図柄表示装置13に表示されることであり、当該大当たり取得可能図柄が「555」であるか「777」であるか、すなわち当該図柄の種類により電動役物K42の変化作動の作動態様として、入球限度数を異ならしめるようにした。
なお、本実施例では、先行流下球受入手段としての電動役物J31のみが大当たり取得可能図柄の表示を先行作動契機とする場合を説明したが、これに限定せず、大当たり取得可能図柄の表示を後続流下球受入手段としての電動役物K42の後続作動契機として構成するものであってもよい。
換言すれば、本実施例において、前記先行作動契機と前記後続作動契機は大当たり取得可能図柄が表示されることであり、該大当たり取得可能図柄の種類により前記変化作動の作動態様を異ならしめることを特徴とするものである。このように構成することにより、大当たり取得可能図柄が確定表示されると、これを先行作動契機或いは後続作動契機として先行流下球受入部材若しくは後続流下球受入部材が作動することになるが、大当たり取得可能図柄の種類によって変化作動の作動態様が一様ではないので、大当たりまでの長い期間において先行作動契機又は後続作動契機が成立する毎に異なる動きを期待でき、どんな図柄が揃うのかにも興味を抱き退屈せず遊技ができる、という効果を奏する。
また、上記したように、先行作動契機と前記後続作動契機は大当たり取得可能図柄が表示されることであり、該大当たり取得可能図柄の種類により前記変化作動の作動態様を異ならしめることにより、先行振り分け手段の結果に加えて大当たり取得可能図柄の種類によって遊技者の望むような様々な遊技が提供できるようになる。
さらに、本実施例では、表示される大当たり取得可能図柄の種類によって異なるよう設定する対象が、電動役物K42の入球限度数の場合を説明したが、これに限定する必要はない。したがって、変化作動の作動態様であれば、例えば、2枚の開閉片33a、b或いは44a、bの作動時間や、同じく2枚の開閉片33a、b或いは44a、bの開放角度等、を異ならしめるよう構成してもよい。
【0029】
実施形態1の改変例1では図柄の種類によって普通電役Kの規定入賞個数を変更したがもちろん図柄の種類によって、普通電役Jの規定入賞個数を変更して、図柄によって上部の振り分け結果が変わるようにしても良い。即ち「777」の場合は回転体の複数の球受部に入球できることで高い確率で確変が獲得できることとなる。
【0030】
但しこれらの場合、入賞可能球数で有利となっているに過ぎず、運悪く入球しなかった場合や入球しても必ず球受部に連続して受け入れられるとは限らず、遊技者としてはただ漫然と遊技球を発射していればいいわけではない。そのため遊技球を有利な球受部に運良く入れるか、球受部に短時間に連続して入球するよう遊技者自身が努力する必要がある。その反面、大当たり獲得に対して一方的に機械に与えられたのては無く、自分で勝ち取ったという意識が持てるため、大当たり決定過程の全てが目に見えない乱数抽選による場合と比べると、自己責任の範囲がかなりあるのでパチンコ機に対する不信感を払拭すること、そしてそれ以上に遊技者自身が自分で獲得したと実感でき、大当たり獲得に対して更なる満足感を得ることができる。
【0031】
実施形態2
振り分け手段の構成において、実施形態1と異なる部分のみ説明する。また同じように図4の符号も異なる部分のみ新たな番号を付した。
上部振り分け部材37は、4つの球受部ア、イ、ウ、エを形成した回転体と、振り分け先F1と当該振り分け先F1へ振り分けられる遊技球を検知するSW84と振り分け先F2とその内部のSW87によって構成されている。この振り分け先F1に入球した遊技球はSW84で検知され、そのまま盤面の連通路A391に進入して流下し、下部振り分け部材45入口手前で通路B392と合流する。また振り分け先F2に入球した遊技球はSW87で検知されたのち連通路B392に進入して流下し、前記の連通路A391と合流する。また下部電動役物K42で受け入れた遊技球の進入路40も連通路A391と合流位置を少しずらした位置で合流し、3通路の遊技球が一つの合流部から下部振り分け部材45へ導かれる。
【0032】
すなわち、本実施形態の連通路A391と連通路B392は、本発明の後続振り分け手段が備える連通路である。また、振り分け先F1と振り分け先F2は共に、本発明の連通路と繋がる振り分け口である。
【0033】
実施形態2は下記4構成の一連の流れを変動入賞装置261としてまとめたものである。
遊技の流れをフローチャート図9、図10、図11を参考に説明する。
振り分け処理2は、図柄表示装置13に「222」が表示される(S501)と、まず先行流下球受入手段である電動役物J31が作動開始すると同時に役物判定期間フラグがONとなりこの電動役物J31の作動開始からの時間を計測するタイマDT1がスタートする。そしてその下流の通路34に設けられている進退式シャッター36が奥側に退出し、遊技球が上部振り分け部材37へ誘導可能となる(S502)。そしてこの電動役物J31は5秒間作動(この作動態様は0.5秒開口−1秒閉口−0.5秒開放−1秒閉口−0.5秒開放−1秒閉口−0.5秒開口、以後は5秒間とのみ記述)するか、若しくは内部のSW81で1球の遊技球が検知されると作動が終了する(S503.S504.505)。ここで受け入れられた遊技球は通路34を通って上部振り分け部材37の回転体球受部ア、イ、ウ、エの何れかに受け入れられる。その時SW82で1球目が検知されると(S506)、進退式のシャッター36が進出し通路34を閉じる(S507)と共に、2球目からの遊技球は盤内入口35に導かれ盤面裏に取り込まれる。
【0034】
回転体球受部イ、エに受け入れられた遊技球は、球受部が12時の位置から120度回転した所で振り分け先F1の通路を流下し内部のSW84で検知され(S508)、連通路A391を流下して下部振り分け部材45に導かれる。ここで時短仮フラグが設定される(S509)。
また回転体球受部ア又はウに受け入れられた遊技球は、球受部が12時の位置から180度回転した所で振り分け先F2に至りSW87で検知(S510)されたあと、連通路B392に進入し下部振り分け部材45に至る。ここで確変仮フラグが設定される(S511)。
【0035】
続いて下部振り分け部材45に至った遊技球は回転体球受部カ、キ、クの何れかに受け入れられる。ここで球受部キ、クに受け入れられた遊技球は球受部が12時の位置から120度回転した所で振り分け先F3の通路を流下し内部のSW85で検知され(S517)、設定した仮フラグが仮OFFされ、ハズレ仮フラグが設定される(518)。一方球受部カに受け入れられた遊技球は球受部が12時の位置から180度回転した所で振り分け先F4に導かれ、内部のSW86で検知されると(S519)、SW84とSW87で設定された仮フラグが本フラグに設定され、ハズレ仮フラグが設定されていればクリアされ、合わせて大当たりフラグも設定される(S520)。
【0036】
また先に計測開始されたタイマタイマDT1が4秒経過すると(S512)、電動役物K42が、5秒間若しくは内部のSW83で1球の遊技球が検知されるまで作動する(S513)。ここで上部振り分け部材37から流下した1球と電動役物K42で受け入れられた1球とが前記カ、キ、クの球受部の2箇所に受け入れられることになり、概ね2/3の確率で大当たり獲得となる。よってこの偶数の図柄揃いの場合、基本的に確変割合が1/2、大当たり確率が2/3という機械となる。
【0037】
また振り分け部材の振り分け結果決定には有効時間が決められている。例えば、電動役物J31に遊技球が入賞しないまま作動開始から9秒経過したか否かをタイマDT1の計測値が9秒以上となったか否かによって判断し(S523)、9秒以上経過したと判断するとハズレフラグを設定する処理を実行してハズレが決定する(S524)。また、電動役物K42作動時は電動役物K42の作動終了時から5秒が経過したか否か、すなわちタイマDT2の計測値が5秒以上となったか否かを判断し(S521)、5秒以上経過したと判断すると、下部振り分け部材45のいずれの振り分け先(スイッチSW85とSW86)でも検知されなかった結果により、確変仮フラグまたは時短仮フラグが立っているならばこれをOFFして、更にハズレフラグをONしてハズレと処理される(S522)。そして大当たり取得可能図柄が揃ったあと設定した役物判定期間フラグはS520かS522かS524のあとに解除される。(S525)
【0038】
図柄表示装置13に「111」「555」「999」が表示されると、電動役物J31が5秒間若しくは2球の入球を限度として作動する。そのあと前記と同じような作動を実行しSW84とSW87の検知結果両方があればSW87の結果を優先して設定する。また電動役物K42はタイマDT1≧4(S512)を契機に作動し、5秒間若しくは1球を限度として終了する。即ち奇数の3種類の図柄の場合は、下部振り分け部材45の球受部に対して合計3球の受入を可能にしており、大当たり確率はほぼ3/3となり、大当たり獲得の可能性が非常に高い構成になっている。
【0039】
同様に「333」と「777」の場合は、電動役物J31が5秒間もしくは3球の入球を限度とするので、上部の回転体球受部の4箇所に対して3箇所の受入が可能であり、その3球が全て下部振り分け部材45に導かれる。そのため電動役物J31だけの作動で大当たり確率はほぼ3/3となり、電動役物K42の作動は同じように1球を限度としてあるものの、上部の入賞だけで大当たり獲得の可能性が非常に高い。電動役物K42は、電動役物J31で運悪く限度の3球が入らなかった場合などの予備作動のような役割であり、遊技者としては発射を停止して遊技球の減少を抑えても良い。このようにこのグループの図柄の場合は先の奇数図柄の3種類のグループに比べて更に有利な作動態様となっている。
【0040】
但しこの例の場合も、入賞可能球数で有利となっているに過ぎず、運悪く入球しなかった場合や入球しても必ず球受部に連続して受け入れられるとは限らず、遊技者としてはただ漫然と遊技球を発射していればいいわけではない。そのため遊技球を有利な球受部に運良く入れるか、球受部に短時間に連続して入球するよう遊技者自身が努力する必要がある。その反面、大当たり獲得に対して一方的に機械に与えられたのては無く、自分で勝ち取ったという意識が持てる。そのため大当たり決定過程の全てが目に見えない乱数抽選による場合と比べると、自己責任の範囲がかなりあるのでパチンコ機に対する不信感を払拭すること、そしてそれ以上に遊技者自身が自分で獲得したと実感でき、大当たり獲得に対して更なる満足感を得ることができる。
【0041】
また、他の実施の態様として、たとえばこれまでは単に特定の図柄だと一方的に有利だったことに対して、図柄としては有利ではないが振り分け過程で結果が思わしくない場合の挽回チャンスが高い遊技、具体的には555で作動開始すると先行流下球受入手段の受入限度数が多く後続流下球受入手段は先行振り分け結果の如何に係わらず作動態様は一定とすることとし、一方222で作動開始すると先行流下球受入手段の受入限度数は少ないものの後続受入手段は先行振り分け結果が遊技者にとって好ましくない場合は後続流下球受入手段の受入限度数を増やすようにして、途中の振り分け経過で後続受入手段の作動態様を変更することで遊技者の興味を損なわないようにできる。

【産業上の利用可能性】
【0042】
パチンコ機等の遊技球を用いて遊技を行う遊技機に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】パチンコ機1を示す正面図である。
【図2】パチンコ機1の中に備えられる遊技盤11の正面図である。
【図3】パチンコ機1の中央振り分け部材の実施形態1の正面図である。
【図4】パチンコ機1の中央振り分け部材の実施形態2の正面図である。
【図5】実施形態1の特図遊技処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施形態1の特図遊技処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施形態1の振り分け処理1の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施形態1の振り分け処理1の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施形態2の振り分け処理2の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施形態2の振り分け処理2の流れを示すフローチャートである。
【図11】実施形態2の振り分け処理2の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施形態1の特別電動役物処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施形態1の特別電動役物処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1 パチンコ機
2 外枠
3 内枠
4 ガラス枠セット
5 球皿パネル
6 開口窓部
7 装飾部
8a.8b スピーカ
9 球皿
10 発射装置ハンドル
13 液晶演出図柄表示装置(大当たり取得可能図柄表示部)
14 特別図柄始動記憶表示装置
15 特別図柄表示装置
16 図柄始動口
19 特別電動役物
20 大入賞口
26 変動入賞装置 実施形態1
261 変動入賞装置 実施形態2
31 上部受入部材(先行流下球受入手段)
38 上部回転体
37 上部振り分け部材(先行振り分け手段)
42 下部受入部材(後続流下球受入手段)
45 下部振り分け部材(後続振り分け手段)
46 下部回転体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を発射する発射装置と、
該発射装置によって発射された遊技球が打ち込まれて流下する遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球(以下、流下球)を受入可能な状態と受入不能な状態とに変化可能であって、前記流下球を受け入れた場合に、異なる振り分け口に振り分けることができる振り分け手段を備えた遊技機であって、
前記振り分け手段は、先行作動契機の発生に基づいて前記流下球を受入不能な状態から受入可能な状態に変化作動する先行流下球受入手段を具備してなる先行振り分け手段と、後続作動契機の発生に基づいて前記流下球を受入不能な状態から受入可能な状態に変化作動する後続流下球受入手段を具備してなる後続振り分け手段とを備え、
前記後続振り分け手段は、前記先行振り分け手段の前記異なる振り分け口のうちの少なくとも一つの振り分け口と繋がった連通路を更に備え、
前記先行振り分け手段は、前記先行流下球受入手段を介して受け入れた遊技球の振り分け結果に基づいて、利益獲得条件の成立に先立って利益度合いを決定することが可能であり、 前記後続振り分け手段は、前記連通路から受け入れた遊技球と前記後続流下球受入手段を介して受け入れた遊技球のいずれか若しくは両方の遊技球の振り分け結果に基づいて、利益獲得条件が成立するか否かを決定することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記後続作動契機は前記先行振り分け手段の振り分け結果に基づいて発生することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−5901(P2009−5901A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170169(P2007−170169)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(500214864)株式会社銀座 (23)
【Fターム(参考)】