説明

遊技機

【課題】遊技媒体の投入を迅速に行って、遊技をスムースに進行できる遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技の開始に当たり、投入すべき遊技球を、投入個数振分処理(S813)により3台の投入装置521a〜521cに対して1ずつ振り分け、その投入装置521a〜521cで投入する遊技球の数をほぼ均等にすることができる。よって、3台の投入装置521a〜521cを同時に使用して投入を開始できるので、その投入を短時間で終了し、その後の遊技をスムーズに進行することができる。また、遊技球の投入に必要な最大の待ち時間(タイムアウト時間)が設定され、そのタイムアウト時間が経過したタイミングで遊技球の通過異常を検出し、投入実行処理(S816)を終了するので、最後まで遊技球の通過異常を検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ球等の遊技球を使用して、スロットマシン等の回胴遊技機の遊技を楽しむことができる遊技球使用回胴遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1,2に示す通り、遊技球使用回胴遊技機は、パチンコ球等の遊技球を使用して、スロットマシン等の回胴遊技機の遊技を楽しむことができるものである。遊技者が所定数の遊技球を投入してスタートレバーを操作すると、遊技が開始される。即ち、複数の図柄(識別情報の一種)が所定間隔おきに表示された回胴(環状リール)が回転を開始し、図柄列の変動表示が始まる。通常、回胴は3台設けられており、これらの回胴の回転中に、遊技者によってストップスイッチが押下されると、その押下に対応した回胴が1つずつ回転を停止する。すべての回胴の回転が停止した後、回胴の停止図柄の組合せによって、遊技の当否を決定し、遊技に当たっていれば、その当たりに応じた数の遊技球を払い出して、遊技者に所定の遊技価値を付与するものである(特許文献1,2)。
一般に、スロットマシンの遊技に使用されるメダルは1枚20円で貸し出され、パチンコ機に使用されるパチンコ球(遊技球)は1個4円で貸し出される。このため、スロットマシンにおいて、3枚のメダルを投入して行う遊技を遊技球を使用して行おうとすると、15個の遊技球の投入が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−305167号公報
【特許文献2】特開2003−305168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1,2に開示される遊技球使用回胴遊技機では、遊技球の投入を1条の通路を用いて1個ずつ行っているので、投入動作に長時間を要してしまい、その結果、メダルを投入してスタートレバーを操作することで遊技が開始されるスロットマシンに対して、遊技のスムースな進行が阻害されるという問題点があった。特に、遊技者は、遊技球の投入スイッチを操作した後に、連続してスタートレバーを操作するので、遊技球の投入動作に時間がかかり、スタートレバーを操作した際に遊技球の投入が終了していないと、スタートレバーを操作したにも関わらず遊技が開始されない。そのため、遊技者は、再度、スタートレバーを操作するか、遊技球の投入が終了したことを確認した後にスタートレバーを操作しなければならないので、遊技のスムースな進行が阻害されるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技媒体の投入を迅速に行って、遊技をスムースに進行できる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、複数の遊技媒体を貯留する貯留手段と、その貯留手段に連通され前記遊技媒体が流入する複数の通路と、前記貯留手段に貯留される遊技媒体を遊技機内へ投入するために操作される投入操作手段と、その投入操作手段が操作されることにより投入される所定数の遊技媒体を、前記複数の通路へそれぞれ投入する制御を行う投入制御手段とを備えており、前記複数の通路にそれぞれ設けられ、その通路を前記遊技媒体が通過することを許容又は禁止するゲート手段と、前記通路を遊技媒体が通過する通過方向において前記ゲート手段の下流側に設けられ、前記複数の通路を通過する遊技媒体をそれぞれ検出可能な検出手段とを備え、前記投入制御手段は、前記投入操作手段が操作されることにより投入される所定数の遊技媒体を、前記通路毎にほぼ同数ずつ振り分ける振分手段と、その振分手段により前記通路に振り分けられた遊技媒体の通過開始および通過完了を、前記検出手段の検出結果に基づいて判断する検出判断手段と、前記投入操作手段が操作されて前記通路への遊技媒体の投入が開始される場合に、その通路への遊技媒体の通過を許容するよう前記ゲート手段を制御すると共に、前記振分手段により前記通路に振り分けられた最後の遊技媒体が前記検出判断手段により通過開始と判断されると、その最後の遊技媒体が前記検出判断手段により通過完了と判断される前に、その最後の遊技媒体が通過開始した通路への遊技媒体の通過を禁止するよう前記ゲート手段を制御するゲート制御手段とを備え、前記最後の遊技媒体が前記検出判断手段により通過開始と判断され、前記遊技媒体の通過を禁止するよう前記ゲート手段が前記ゲート制御手段によって制御された後に、前記最後の遊技媒体が前記検出判断手段により通過完了と判断されると第1処理へ移行すると共に、前記最後の遊技媒体が前記検出判断手段により通過完了と判断されないと前記第1処理とは異なる第2処理へ移行する。
【0007】
なお、請求項1において、「遊技機内へ遊技媒体を投入する」とは、遊技機において遊技を開始するために必要な遊技媒体を投入することを意味するものであり、遊技機内に備えられた箱や皿などの貯留部に遊技媒体を投入することや、投入された遊技媒体が遊技機内に貯留されることなく遊技機外部へ排出される場合も含む。ここで遊技機外部とは、例えば、遊技機の背面側などであり、投入された遊技媒体は貯留手段に繋がる経路とは別の経路を介して背面側などに排出される。
【0008】
また、ゲート手段の下流側に設けられる検出手段は、そのゲート手段近傍に設けるものとしても良い。検出手段は、遊技媒体が流下する通路において、ゲート手段に極力近い方が早期に遊技媒体の通過を検出できるので好ましい。また、検出手段が設けられる位置がゲート手段の近傍であっても、少なくともゲート手段を通過した遊技媒体が安定(遊技媒体のがたつきが少ない状態)して通過するように、所定の距離が保たれて設けられる。
【0009】
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技において、前記投入制御手段は、前記振分手段により前記通路に振り分けられた遊技媒体の通過を許容するよう前記ゲート手段が前記ゲート制御手段によって制御されてから経過する第1時間を計測可能であると共に、前記振分手段により振り分けられた遊技媒体が前記検出判断手段により通過開始と判断されてから経過する第2時間を計測可能な計測手段を備え、前記遊技媒体の通過を許容するよう前記ゲート手段が前記ゲート制御手段によって制御されてから経過する前記第1時間が前記計測手段によって第1所定時間計測された場合または前記遊技媒体が前記検出判断手段により通過開始と判断されてから経過する前記第2時間が前記計測手段によって第2所定時間計測された場合で且つ、前記計測手段により前記第1所定時間または第2所定時間が計測された通路以外の全ての通路において、前記振分手段により振り分けられた遊技媒体の通過が完了した場合には、前記第1処理および第2処理とは異なる第3処理へ移行する。
【0010】
なお、第1所定時間は、遊技媒体の通過を許容するようゲート手段がゲート制御手段によって制御されてから経過する第1時間が所定時間に達したか否かを確認するための時間であるので、例えば、貯留手段に遊技媒体が貯留されている状態において、ゲート手段が遊技媒体の通過を許容するよう動作してから最初の遊技媒体が通過開始するまでの時間とすることができる。この場合、ゲート手段より上流側の通路に球詰まりが発生していない正常な状態において、遊技媒体が検出手段を通過するのに有する時間より十分長い時間を第1所定時間としても良い。遊技媒体が検出手段を正常に通過するのに有する時間より十分長い時間を第1所定時間とすることで、遊技媒体が通過した状態と通過しない状態とを確実に区別することができる。また、第2所定時間は、遊技媒体が検出判断手段により通過開始と判断されてから経過する第2時間が所定時間に達したか否かを確認するための時間であるので、例えば、貯留手段に遊技媒体が貯留されている状態において、少なくとも1の遊技媒体が検出手段を通過してから次の遊技媒体が検出手段を通過するまでの時間とすることができる。この場合、検出手段より上流側の通路に球詰まりが発生していない正常な状態において、次の遊技媒体が検出手段を通過して検出判断手段により通過開始と判断されるのに有する時間より十分長い時間を第2所定時間としても良い。次の遊技媒体が検出手段を正常に通過して検出判断手段により通過開始と判断されるのに有する時間より十分長い時間を第2所定時間とすることで、次の遊技媒体が通過開始した状態と次の遊技媒体が通過開始しない状態とを確実に区別することができる。
【0011】
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技において、前記ゲート制御手段は、前記遊技媒体の通過を許容するよう前記ゲート手段が前記ゲート制御手段によって制御されてから経過する前記第1時間が前記計測手段によって第1所定時間計測された場合または前記遊技媒体が前記検出判断手段により通過開始と判断されてから経過する前記第2時間が前記計測手段によって第2所定時間計測された場合には、前記第1所定時間または第2所定時間が前記計測手段により計測された通路への遊技媒体の通過を禁止するよう前記ゲート手段を制御するものであり、前記振分手段は、前記第1所定時間または第2所定時間が前記計測手段により計測されて前記通路への遊技媒体の通過を禁止するよう前記ゲート手段が前記ゲート制御手段により制御されると共に、前記振分手段により振り分けられた最後の遊技媒体が前記検出判断手段により通過開始と判断されて前記通路への遊技媒体の通過を禁止するよう前記ゲート手段が前記ゲート制御手段により制御され、前記通路に設けられた全ての前記ゲート手段が前記遊技媒体の通過を禁止するよう前記ゲート制御手段により制御されると、前記第1所定時間または第2所定時間が前記計測手段により計測された通路において遊技媒体の通過が完了していない未投入分の遊技媒体を、その第1所定時間または第2所定時間が前記計測手段により計測された通路以外の通路へ再度振り分ける。
【0012】
請求項4記載の遊技機は、請求項3記載の遊技において、前記振分手段は、前記複数の通路へ遊技媒体を振り分ける処理と、前記第1所定時間または第2所定時間が前記計測手段により計測された通路以外の通路へ前記未投入分の遊技媒体を再度振り分ける処理とを共通の処理で実行すると共に、前記ゲート制御手段は、その振分手段により振り分けられた遊技媒体および再度振り分けられた遊技媒体の通過を許容する制御を共通の処理で実行する。
【0013】
請求項5記載の遊技機は、請求項3又は4に記載の遊技において、前記計測手段は、前記第1時間または第2時間に対応した値が記憶される時間記憶手段と、その時間記憶手段に記憶される値に所定値を加算または減算する加減算手段と、前記時間記憶手段に記憶される値が前記第1又は第2所定時間に対応した値であるか否かを判断する時間判断手段とを備え、前記振分手段により振り分けられた遊技媒体の通過開始および通過完了を前記検出判断手段により判断する一連の処理は繰り返し実行され、その繰り返し実行される一連の処理が1サイクル行われる間に、前記加減算手段により前記時間記憶手段に記憶される値に所定値を加算または減算する処理と、その加減算手段により加算または減算された値が前記第1又は第2所定時間に対応した値であるか否かを前記時間判断手段により判断する処理とが行われる。
【0014】
請求項6記載の遊技機は、請求項3又は4に記載の遊技において、前記計測手段は、前記第1時間または第2時間に対応した値が記憶される時間記憶手段と、その時間記憶手段に記憶される値に所定値を加算または減算する加減算手段と、前記時間記憶手段に記憶される値が前記第1又は第2所定時間に対応した値であるか否かを判断する時間判断手段と、その時間判断手段により前記時間記憶手段に記憶される値が前記第1又は第2所定時間に対応した値であると判断された場合に、その旨を記憶する時間経過記憶手段とを備え、前記加減算手段により前記時間記憶手段に記憶される値に所定値を加算または減算する処理と、その加減算手段により加算または減算された値が前記第1及び第2所定時間に対応した値であるか否かを前記時間判断手段により判断する処理と、前記時間判断手段により前記時間記憶手段に記憶される値が前記第1又は第2所定時間に対応した値であると判断されたことを前記時間経過記憶手段に記憶する処理とは、所定間隔毎に実行される割込処理で行われ、前記検出判断手段により通過開始と判断された遊技媒体が通過完了したか否かを前記検出判断手段により判断する処理は、前記時間記憶手段に記憶される値が前記第1又は第2所定時間に対応した値であると前記時間判断手段によって判断されたことが前記時間経過記憶手段に記憶されている場合に行われる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の遊技機によれば、投入操作手段が操作されて、所定数の遊技媒体を複数の通路へ投入する場合、複数の通路を遊技媒体がほぼ同数ずつ通過するように各通路毎に振り分けられる。投入操作手段が操作されると、通路への遊技媒体の通過を許容するようゲート手段がゲート制御手段により制御され、振分手段により振り分けられた最後の遊技媒体が検出判断手段により通過開始したと判断されると、通路への遊技媒体の通過を禁止するようゲート手段がゲート制御手段により制御される。その後、最後の遊技媒体が検出判断手段により通過完了と判断されると第1処理へ移行し、最後の遊技媒体が検出判断手段により通過完了と判断されないと第2処理へ移行する。
【0016】
このように、請求項1記載の遊技機によれば、所定数の遊技媒体を投入する場合には、その所定数の遊技媒体を各通路にほぼ同数ずつ振り分けて、その各通路を介して遊技媒体の投入が行われる。よって、各通路で同時に遊技媒体を投入することができるので、遊技媒体の投入を迅速に行うことができる。ここで、一般的な遊技機は、遊技媒体の投入後に開始操作手段を操作することで遊技が開始されるので、遊技者は、投入操作手段の操作に連続して開始操作手段を操作する。そのため、投入操作手段が操作された場合に、遊技媒体の投入が早期に終了しないと、開始操作手段を操作しても遊技が開始されないので、遊技開始までの待ち時間が必要となる。しかし、複数の通路をほぼ同数の遊技媒体が通過するよう振り分けて遊技媒体の投入を行うことで、遊技媒体の投入を迅速に行え、遊技開始までの待ち時間を特許文献1,2に示す遊技機より短くでき、遊技をスムーズに進行することができるという効果がある。
【0017】
また、通路を通過開始したと判断された最後の遊技媒体が検出判断手段により通過完了と判断されない場合には、通路内に遊技媒体が詰まったり、検出手段の異常発生が考えられる。請求項1記載の遊技機によれば、最後の遊技媒体が検出判断手段により通過完了と判断された場合には第1処理へ移行し、最後の遊技媒体が検出判断手段により通過完了と判断されない場合には第2処理へ移行するので、最後の遊技媒体が通過完了したか否かに応じて移行する処理を異なる処理とすることができる。よって、最後の遊技媒体が通過完了した場合には、遊技の開始待ちの処理へ移行できると共に、最後の遊技媒体が通過完了しない場合には、球詰まりや検出手段の異常を報知する処理へ移行することもできる。従って、正常に遊技を進行できる状態と、遊技機に異常が発生した状態とを、確実に区別することができるという効果がある。
【0018】
また、振分手段により振り分けられた遊技媒体のうち、最後の遊技媒体が検出判断手段により通過開始と判断されると、その最後の遊技媒体が検出判断手段により通過完了と判断される前に、その通路を遊技媒体が通過することを禁止するようゲート手段が制御されるので、必要以上の遊技媒体が投入されてしまうことを低減することができるという効果がある。
【0019】
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技媒体の通過を許容するようゲート手段がゲート制御手段により制御されてから経過する第1時間と、遊技媒体が通過開始と検出判断手段により判断されてから経過する第2時間とが計測手段に計測される。そして、第1時間が計測手段により第1所定時間計測された場合または第2時間が計測手段により第2所定時間計測された場合に、その第1所定時間または第2所定時間が計測された通路以外の全ての通路において遊技媒体の通過が完了すると、第1及び第2処理とは異なる第3処理へ移行する。よって、遊技媒体の通過が許容されてから第1所定時間を経過したか否か、又は、遊技媒体が通過開始してから第2所定時間を経過したか否かに応じて異なる処理へ移行することができる。ここで、ゲート手段が遊技媒体の通過を許容するよう動作してから所定時間の間遊技媒体の通過開始が検出されない場合や、遊技媒体の通過開始が確認されてから所定時間の間次の遊技媒体の通過確認ができない場合は、貯留手段内に遊技媒体がない状態や検出手段より上流側の通路に遊技媒体が詰まった状態が考えられる。即ち、第1所定時間または第2所定時間が経過すると、その第1所定時間または第2所定時間が計測された通路へ振り分けられた遊技媒体に未投入分の遊技媒体がある。請求項2記載の遊技機によれば、第1所定時間または第2所定時間が計測され、その第1所定時間または第2所定時間が計測された通路以外の全ての通路において遊技媒体の通過が完了すると、第1及び第2処理とは異なる第3処理へ移行するので、遊技媒体の通過状況に応じて、遊技の開始待ちの処理(正常な状態)と、異常を報知する処理(異常発生状態)と、未投入分の遊技媒体を再度振り分けて投入する処理など、各状態に応じた処理へ移行することができる。従って、正常な状態と異常発生状態とを区別しつつ、さらに未投入分の遊技媒体の再振分を行えるので、遊技機内へ投入されるべき遊技媒体数を確実に投入することができるという効果がある。また、第3処理へ移行する場合に、未投入分の遊技媒体があることを外部に報知する報知手段を備え、その報知手段の報知により遊技者に貯留手段内への遊技媒体の供給を促すものとしても良い。
【0020】
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、第1所定時間または第2所定時間が計測されると、その通路に設けられたゲート手段が遊技媒体の通過を禁止するようゲート制御手段に制御され、振分手段により振り分けられた最後の遊技媒体が検出判断手段により通過開始と判断されると、遊技媒体の通過を禁止するようゲート手段がゲート制御手段により制御される。その後、第1所定時間または第2所定時間が計測された通路以外の通路へ、遊技媒体の通過が完了していない未投入分の遊技媒体が振分手段により再度振り分けられる。よって、投入操作手段が操作されることで投入されるべき所定数の遊技媒体に未投入分があると、その未投入が生じた通路以外の通路へ再度振り分けをし遊技媒体の投入を行うので、投入されるべき遊技媒体を確実に投入することができるという効果がある。また、第1所定時間または第2所定時間が計測された通路への再振り分けは行わないので、遊技媒体が通過不可である通路における投入制御を省くことができ、投入制御を効率良く行うことができるという効果がある。
【0021】
請求項4記載の遊技機によれば、請求項3記載の遊技機の奏する効果に加え、振分手段およびゲート制御手段の各制御処理の少なくとも一部又は全部を、最初に振り分けられた遊技媒体と、再度振り分けられた遊技媒体に対して、共通の処理で実行するので、その分、プログラム容量を小容量化することができるという効果がある。
【0022】
請求項5記載の遊技機によれば、請求項3又は4に記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技媒体の通過開始および通過完了を検出判断手段により判断する一連の処理内で、加減算手段による所定値を加算または減算する処理と、第1又は第2所定時間に対応した値が時間記憶手段に記憶されているか否かを時間判断手段により判断する処理とが行われる。よって、繰り返し実行される1サイクルの間に、加減算手段による加算または減算をし、その加算または減算した値が第1又は第2所定時間に対応した値かを時間判断手段により判断しているので、第1所定時間および第2所定時間に対する時間的な誤差を少なくすることができ、第1所定時間および第2所定時間が計測された場合には早期に第3処理へ移行することができるという効果がある。
請求項6記載の遊技機によれば、請求項3又は4に記載の遊技機の奏する効果に加え、所定間隔毎に実行される割込処理内で、加減算手段による所定値を加算または減算する処理と、第1又は第2所定時間に対応した値が時間記憶手段に記憶されているか否かを時間判断手段により判断する処理と、第1又は第2所定時間に対応した値が時間記憶手段に記憶されていると判断されたことを時間経過記憶手段に記憶する処理とが行われる。よって、第1所定時間および第2所定時間が経過したことを正確に計測することができ、第1所定時間および第2所定時間に対する時間的な誤差を少なくすることができる。また、遊技媒体が通過完了したか否かの判断を、第1又は第2所定時間に対応した値が時間記憶手段に記憶されていると判断されたことが時間経過記憶手段に記憶されている場合に行うので、第1及び第2所定時間を遊技媒体が通路を正常に通過する時間より十分長い時間にすることで、遊技媒体が通路を正常に通過するのに十分な時間が経過した後に遊技媒体の通過完了を判断することができる。よって、遊技媒体が通路を通過完了したか否かの判断を正確に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態における遊技球使用回胴遊技機及びカードユニットを示す斜視図である。
【図2】遊技球使用回胴遊技機及びカードユニットの正面図である。
【図3】面替えブロックの斜視図である。
【図4】遊技機本体部の前面に設けられた前面枠と、受け皿ブロックとを分離して示した斜視図である。
【図5】受け皿ブロックの分解斜視図である。
【図6】投入ユニットが装着された上皿の平面図である。
【図7】投入ユニットの斜視図である。
【図8】投入ユニットの分解斜視図である。
【図9】投入ユニットの内部構造を示した断面図である。
【図10】投入装置の投入動作および排出動作の説明図であり、(a)は、投入動作及び排出動作のいずれもが行われていない待機状態を図示しており、(b)は、遊技球の投入動作(取込動作)の実行状態を図示しており、(c)は、遊技球の排出動作の実行状態を図示している。
【図11】遊技球使用回胴遊技機の電気的構成を示したブロック図である。
【図12】主制御装置のRAMに設けられた各メモリの説明図である。
【図13】主制御装置において、電源投入後に実行される電源立上げ処理を示したフローチャートである。
【図14】主制御装置のMPUで実行されるメイン処理である通常処理を示したフローチャートである。
【図15】通常処理の中で実行される抽選処理を示したフローチャートである。
【図16】通常処理の中で実行されるリール制御処理を示したフローチャートである。
【図17】通常処理の中で実行される遊技球払出処理を示したフローチャートである。
【図18】通常処理の中で実行される特別遊技状態処理を示したフローチャートである。
【図19】ボーナス図柄判定処理を示したフローチャートである。
【図20】通常処理の中で実行される遊技球投入処理を示したフローチャートである。
【図21】投入個数振分処理を示したフローチャートである。
【図22】投入実行処理を示したフローチャートである。
【図23】主制御装置で定期的に実行されるタイマ割込み処理を示したフローチャートである。
【図24】停電時処理を示したフローチャートである。
【図25】NMI割込処理を示したフローチャートである。
【図26】主制御装置のRAMに設けられた各メモリの説明図である。
【図27】第2の実施の形態の通常処理の中で実行される遊技球投入処理を示したフローチャートである。
【図28】第2の実施の形態の投入個数振分処理を示したフローチャートである。
【図29】第2の実施の形態の投入実行処理を示したフローチャートである。
【図30】第2の実施の形態の主制御装置で定期的に実行されるタイマ割込み処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を行う、遊技球使用回胴遊技機1についての一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、遊技機1及びカードユニット20を示す斜視図であり、図2は、遊技機1及びカードユニット20の正面図である。図1及び図2を参照して、遊技機1の外観構成を説明する。本実施形態において遊技機1は、カードユニット20に接続されて使用されるものであり、カードユニット20に挿入されたカードや紙幣など(貸出媒体)の残額(有価価値)の範囲内で、遊技媒体としての遊技球が貸し出され、遊技者は、その貸し出された遊技球を使用して遊技を行うものである。
【0025】
本実施形態の遊技機1は、遊技に際して所定数の遊技媒体としての遊技球(例えば、パチンコ球)の投入を必要とし、所定条件が成立した場合に、複数或いは場合によって大量の遊技球が、遊技価値として払い出されるよう構成されている。本遊技機1には、遊技ホールなどにおいてパチンコ機と共通の遊技球供給システムから遊技球の供給がなされるようにされており、パチンコ機が設置される既存の島設備(パチンコ島)に、本遊技機1を設置することが可能となっている。
【0026】
遊技機1は、本体枠としての外枠2と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体部3とを有している。外枠2は、木製の板材を四辺に連結して構成されたものであって、全体として矩形状をなしている。遊技機1を遊技ホールに設置する際には、外枠2が島設備に取り付けられて固定される。なお、外枠2を合成樹脂やアルミニウムなどの金属によって構成することも可能である。
【0027】
遊技機本体部3の前面上半部には、図柄視認部として略台形状をなす視認窓4が形成されている。視認窓4には、平坦な透明板よりなる透明パネル5が嵌め込まれており、この透明パネル5を介して、本体部3の内方が視認可能となっている。透明パネル5は、上下に分割され僅かに折り曲げ形成された二つのパネル部(上パネル部5a、下パネル部5b)を有している。上パネル部5aは、ほぼ鉛直方向に配設され、下パネル部5bは、若干上方を向くように傾斜して配設されている。上パネル部5aは、後述する液晶表示ユニット81の前面を覆うものであり、この上パネル部5aを介して、液晶表示ユニット81の表示画像が視認される(図3参照)。下パネル部5bは、後述するリールユニット82の前面を覆うものであり、この下パネル部5bを介して、リールユニット82の図柄が視認される(図3参照)。
【0028】
こうした比較的大型に形成される視認窓4(透明パネル5)によれば、大型の液晶表示ユニット81を用いた画像の表示演出によって、遊技者に多大なインパクトを与えることが可能になることに加え、遊技機1の主表示装置たるリールユニット82の図柄の視認性を良好なものとできる。
【0029】
視認窓4の上方には、透明パネル5よりも前方へ張り出した中央ランプ6が設けられ、同様に、視認窓4の両側には、透明パネル5よりも前方へ張り出した一対の側方ランプ7が設けられている。また、一対の側方ランプ7の上方には、それぞれスピーカ8が設けられている。遊技に際し、これらランプ6,7やスピーカ8により、その都度、遊技状況に応じたランプ演出や音演出等が行われる。即ち、ランプ6,7による発光色や発光パターンを適宜変更したり、スピーカ8による音パターンを適宜変更することで、遊技での役の成立などが遊技者に告知される。また、ランプ6,7やスピーカ8を用いて、エラー告知なども行われる。
【0030】
視認窓4の下方には、左右に延びる長板状のサブパネル10が設けられている。サブパネル10の右側には、小役成立時における獲得球数を表示する獲得球数表示器11と、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなどの特別遊技状態の際に残りゲーム数などを表示するゲーム数表示器12とが設けられている。これらは、7セグメントLEDによって構成されるが、液晶表示器等によって代替しても良い。
【0031】
サブパネル10の左側には、貸球操作部13が設けられている。貸球操作部13は、本遊技機1の例えば左側方に配設される縦長のカードユニット(球貸しユニット)20に、紙幣やカードを投入した状態で、球貸し操作、カードなどの返却操作、及び有効度数の確認を行うためのものであり、球貸しボタン14と、返却ボタン15と、度数表示器16とが並設されている。球貸しボタン14は、カードなどに記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるボタンであり、球貸しボタン14の操作により、カードユニット20に挿入されているカード等に残額が存在する限りにおいて、貸出球が払い出される。返却ボタン15は、カードユニット20に挿入されたカードなどの返却を求める際に操作されるボタンである。度数表示器16は、カードユニット20に挿入されているカードなどの残額情報を表示する表示器であり、7セグメントLEDで構成されている。なお、度数表示器16を、液晶表示器で代替しても良い。
【0032】
サブパネル10の下方には、遊技者により操作される各種操作部材等を配設した操作部30が設けられている。操作部30には、スタートレバー31と、3連ボタンからなるストップスイッチ32,33,34とが設けられ、また、操作部30の上端部には、ボタン状のベットスイッチ35が設けられている。
【0033】
ベットスイッチ35は、遊技者によるベット(賭数)の設定を行わせるものであり、その押し操作により上皿36に貯留された遊技球が所定個数分取り込まれる(投入される)。本遊技機1では、ベットスイッチ35として、いわゆるMAXベットスイッチを設けており、有効な1回の押し操作により3ベット相当の15個の遊技球が投入される。なお、後述するJACゲームの実行中にベットスイッチ35が操作されると、1ベット相当の5個の遊技球が投入される。
【0034】
MAXベットスイッチとしてのベットスイッチ35の他に、1ベットスイッチや2ベットスイッチを設けて構成しても良い。1ベットスイッチは、1回の押し操作により1ベット相当の5個の遊技球を投入するスイッチであり、2ベットスイッチは、1回の押し操作により2ベット相当の10個の遊技球を投入するスイッチである。JACゲームの実行中には、2ベットスイッチが操作されても、1ベット相当の5個の遊技球が投入される。
【0035】
スタートレバー31は、図3に示すリールユニット82の各リール82L,82M,82R(回転体)を回転始動させるための操作部材である。スタートレバー31の操作により、各リール82L,82M,82Rが回転を開始し、図柄の可変表示が開始される。なお、スタートレバー31を、ベットスイッチ35やストップスイッチ32〜34などと同様に、ボタン状のスイッチとして構成しても良い。
【0036】
ストップスイッチ32〜34は、左、中、右の三列のリール82L,82M,82Rに対応してそれぞれ設けられており、回転中の各リール82L,82M,82Rを個別に停止させるために操作される。各リール82L,82M,82Rは定速回転となると、対応するストップスイッチ32〜34を押し操作することにより停止させることができる。かかる停止可能な状態中には、各ストップスイッチ32〜34内に設けられたランプがそれぞれ点灯表示されて、停止操作が可能であることが遊技者に報知される。なお、リール82L,82M,82Rの回転が停止すると、そのリール82L,82M,82Rに対応するランプは消灯する。
【0037】
操作部30の右下方には、切り欠け部37が形成されている。この切り欠け部37には、上皿36の遊技球や、遊技機1へ投入された投入済みの遊技球を、下皿41へ返却するための返却レバー38が配設されている。また、下皿41の底部には、開口42が形成されており、その開口42は開閉板43によって閉鎖にされている。下皿41の右下方には左右方向にスライド可能に形成された球抜きレバー44が設けられており、この球抜きレバー44を左方向へ操作することにより、開口42が開放されて、下皿41内の遊技球が下方へ落下し排出される。下皿41の下方に、予め球収容箱(いわゆるドル箱)を配置しておくことにより、下皿41から排出された遊技球を球収容箱に収容することができる。なお、球抜きレバー44の操作を解除することにより、該レバー44は右方向へスライドし、それと共に、開閉板43によって開口42が閉鎖される。更に、下皿41の奥方には、スピーカ45が配設されており、この部分からも効果音などの音出力が行われる。
【0038】
次に、図3を参照して、面替えブロック80について説明する。面替えブロック80は、遊技内容を表示する主要部品を備えたものであり、液晶表示ユニット81と、リールユニット82とを備えて、視認窓4の透明パネル5の奥方に配設されている。例えば、この面替えブロック80を、現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで、機種入れ替えを行うことができるようにされている。
【0039】
面替えブロック80の上方には、液晶表示ユニット81が配設されている。液晶表示ユニット81は、リールユニット82で行われる演出の補助演出を行うための表示装置であり、リールユニット82の各リール82L,82M,82Rの回転駆動時のみならず、その回転駆動前或いは回転駆動後の停止時等において、その時の遊技状態に応じた補助演出が行われる。
【0040】
面替えブロック80の下方には、リールユニット82が配設されている。リールユニット82は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール82L,中リール82M,右リール82Rを備えている。各リール82L,82M,82Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。また、ベルトやドラム等の回胴として構成しても良い。
【0041】
各リール82L,82M,82Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール82L,82M,82Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、各リール82L,82M,82Rの表面の一部は、透明パネル5の下パネル部5bを通じて視認可能な状態となっている。リール82L,82M,82Rが正回転すると、下パネル部5bを通じてリール82L,82M,82Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
【0042】
これら各リール82L,82M,82Rは、それぞれがステッピングモータ91L,91M,91Rに連結されており、各ステッピングモータ91L,91M,91Rの駆動により各リール82L,82M,82Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動される。ステッピングモータ91L,91M,91Rは、例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転するように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ91L,91M,91Rの回転位置、すなわち対応する各リール82L,82M,82Rの回転位置が制御される。
【0043】
各リール82L,82M,82Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、各リール82L,82M,82Rの原点位置を検出するリールインデックスセンサから検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が下パネル部5bから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を下パネル部5bから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
【0044】
次に、主に、図4から図6を参照して、受け皿ブロック50について説明する。図4は、遊技機本体部3の前面に設けられた前面枠3aと、受け皿ブロック50とを分離して示した斜視図であり、図5は、受け皿ブロック50の分解斜視図である。図4では、カードユニット20を省略して図示している。また、図6は、投入ユニット52が装着された上皿36の平面図である。受け皿ブロック50は、カードユニット20の指示に基づいて貸し出される遊技球や、遊技の結果、入賞して払い出される遊技球を一時的に貯留すると共に、遊技を開始するための遊技球を遊技機内に取り込む(投入する)ためのものである。
【0045】
図4に示すように、受け皿ブロック50の前方には、貸し出され或いは払い出された遊技球を一時的に貯留するための上皿36が設けられている。まず、図6を参照して、上皿36の詳細を説明する。
【0046】
図6に示すように、上皿36は、横長の樋状に形成されており、底板部361と、周壁部362とにより囲まれて遊技球貯留領域が形成されている。周壁部362のうち左奥側の壁部には、遊技球を上皿36内へ排出するための排出口363が形成されている。底板部361の右側には、開口部364が穿設されている。上皿36内に貯留された遊技球は、この開口部364から、後述する投入ユニット52を経由して、遊技機1内に取り込まれ、或いは下皿41へ排出される。
【0047】
底板部361は、概して排出口363から開口部364へ向けて(図6の左側から右側へ向けて)低くなる構成とされている。詳しくは、底板部361は、前後二段に形成されており、更に、そのうち奥側領域が左右二段に形成されている。この場合、底板部361において、前側領域R1が最も高位となり、次に奥左側領域R2が高位となり、奥右側領域R3が最も低位となっている。従って、排出口363から上皿36へ排出された遊技球は、領域R2、R1、R3の順の経路で、または、領域R2、R3の順の経路で、下流側たる開口部364へ流れる。
【0048】
なお、底板部361の前側領域R1には、底板部361に突設された突状案内部365が形成されている。よって、前側領域R1に流れ込んだ遊技球は、突状案内部365に当接することによって、奥右側領域R3へ案内される。
【0049】
上皿36の最低位である奥右側領域R3には、2つの仕切部366,367が突設されている。奥右側領域R3の右端は、この2つの仕切部366,367に仕切られて、3列の案内通路371,372,373に分割されている。各案内通路371〜373は、開口部364に連通しており、その幅は遊技球1個分に相当する。よって、上皿36内へ排出された遊技球は、奥右側領域R3の各案内通路371〜373上に一列に整列して、開口部364に配設された投入ユニット52へ投入される。なお、奥右側領域R3は、領域R1側が高く、遊技機1側が低く傾斜して形成されている。よって、上皿36内の遊技球は、奥右側領域R3の遊技機1側の側面に沿って案内通路371〜373へ案内され易く構成されている。
【0050】
図4及び図5に示すように、上皿36の開口部364及び各案内通路371〜373の上方には、これらを覆うカバー部材375が設けられている。カバー部材375は、各案内通路371〜373の高さ方向の寸法を概ね遊技球1個分に規制するための部材であり、このカバー部材375を上皿36に取り付けることにより、各案内通路371〜373から投入ユニット52へ、遊技球が1個ずつ取り込まれる(投入される)ように構成されている。カバー部材375は、その下方に遊技球が有るか否かを視認できるように、透明な材料によって形成されている。
【0051】
上皿36の右下前方には、払出操作伝達装置51が配設されている。払出操作伝達装置51は、返却レバー38を左方向へスライドさせることにより、上皿36に貯留される遊技球を下皿41へ排出させると共に、後述する投入ユニット52によって遊技機1内に投入された(取り込まれた)遊技球を、下皿41へ排出させるものである。
【0052】
上皿36の奥側には、球通路形成体53が設けられている。球通路形成体53は、通路カバー53aと共に、遊技球を遊技機1外部(遊技ホールの島設備)へ排出するための外部排出通路や、遊技球を下皿41へ排出するための下皿排出通路を形成するものである。下皿排出通路を通過した遊技球は、排出口53dから下皿41へ排出される。また、球通路形成体53の左上方(最上流部付近)には、上皿36の排出口363と連通する排出通路53eが形成されている。排出通路53eを通過した遊技球は、上皿36の排出口363から上皿36内へ流入する。
【0053】
排出通路53eの近傍であって球通路形成体53の左上方には、遊技球を、外部排出通路、下皿排出通路、排出通路53eへ分配して排出するための遊技球分配部材53bが取り付けられている。遊技球分配部材53bには、3つの通路53b1〜53b3が形成されており、遊技球分配部材53bを球通路形成体53に取り付けた状態では、通路53b1が外部排出通路に連通し、通路53b2が下皿排出通路に連通し、通路53b3が排出通路53eに連通して、各通路53b1〜53b3を通過する遊技球を、それぞれの通路へ分配する。また、球通路形成体53の上部には、横長薄板状のシート板53cが取り付けられている。このシート板53cは、球通路形成体53に上皿36を装着した状態で取り付けられるものであり、上皿36の奥側の上蓋として機能する。
【0054】
球通路形成体53の右下方には、後述する投入ユニット52を収容するための略正方形状の開口部53fが形成されている。また、球通路形成体53の背面には、払出制御ユニット55が取り付けられている。払出制御ユニット55は、払出制御装置57と電源装置58とを横に並べ、それら各装置57,58を連結具56で連結して構成されている。
【0055】
次に、図7から図10を参照して、投入ユニット52について説明する。本遊技機1は、15個又は5個の遊技球を遊技機1へ投入することを条件に遊技を開始するものであり、投入ユニット52は、遊技球を遊技機1内へ投入するためのものである。図7は、投入ユニット52の斜視図であり、図8は、その投入ユニット52の分解斜視図である。また、図9は、投入ユニット52の内部構造を示した断面図である。図10は、投入装置521aの投入動作および排出動作の説明図である。
【0056】
まず、図7に示すように、投入ユニット52は、3個の投入装置521a〜521cが並設されて、全体として略立方体形状に形成されている。各投入装置521a〜521cの側面(遊技機1を正面視した場合の左側面)は、結合板523によって結合されている。各投入装置521a〜521cの上面には、上方が開放されて外部に露出した入口通路522a〜522cがそれぞれ形成されている。入口通路522a〜522cは、投入ユニット52への遊技球の入り口をなすものであり、上皿36の案内通路371〜373から供給された遊技球は、まず、入口通路522a〜522cへ案内され(図6参照)、その後、投入ユニット52内へ取り込まれる(投入される)。
【0057】
次に、図8及び図9を参照して、各投入装置521a〜521cの構成を説明する。各投入装置521a〜521cは、概ね同様の構成をしているので、ここでは、1の投入装置521aを例に挙げて説明する。
【0058】
投入装置521aは、合成樹脂成型品よりなる表裏一体のハウジング部材521a1,521a2を備え、両ハウジング部材521a1,521a2がネジ等により結合されて略四角箱状の筐体が形成されている。その筐体の内部空間内には、後述する遊技球の通路が形成されると共に、その通路を開閉するための開閉ゲート機構が収容されている。
【0059】
ハウジング部材521a1,521a2の上面には、通路壁524a1,524a2が形成されており、両ハウジング部材521a1,521a2を結合することにより、相対向する通路壁524a1,524a2の間に、前記した入口通路522aが形成される。この入口通路522aの底面は、図9の右側へ僅かに下方に傾斜している。
【0060】
手前側の通路壁524a1には、円弧状の凹部525a1が形成され、一方、奥側の通路壁524a2には、凹部525a1に対向する位置に三角山状の突起部525a2が形成されている。凹部525a1及び突起部525a2は、遊技球の流れを一定に整えるための整流部を構成している。入口通路522aを下流側(図9の右方向)へ流れる遊技球は、凹部525a1及び突起部525a2で構成される整流部に達すると、先ず突起部525a2に衝突し、その後、凹部525a1の内壁に衝突して、流れの向き(進路)を変更しつつ流下する。このように、入口通路522aの整流部(凹部525a1及び突起部525a2)で、遊技球の進路が変更されるので、遊技球の流れの勢いが減じられ、その後の流下速度が低減される。遊技球の検出は整流部の通過後に行われるが、流下速度を低減させることにより、誤検出を減少することができる。また、多数の遊技球が数珠繋ぎとなって投入装置521aに投入された場合、整流部を通過して生じる速度差によって、隣接する遊技球の通過間隔を大きくすることができる。よって、複数の遊技球を1個の遊技球として誤検出する不具合をも解消することができる。このように、整流部(凹部525a1及び突起部525a2)によって、遊技球の検出を確実なものとすることができる。
【0061】
投入装置521aには、入口通路522aの下流側において、両ハウジング部材521a1,521a2により囲まれて形成される投入通路526aと、排出通路527aとが設けられている。投入通路526a及び排出通路527aは、入口通路522aと同様に、遊技球を一列で通過させるに足りるだけの通路幅を有している。投入通路526aは、入口通路522aに連続して設けられ、その途中で鉛直方向に折れ曲がるように形成されている。遊技者によってベットスイッチ35が押下されると、各投入装置521a〜521cの投入通路526a〜526cを通じて、合計で、通常ゲーム時(JACゲーム時以外)には15個の、JACゲーム時には5個の遊技球が遊技機1内へ投入される(取り込まれる)。一方、排出通路527aは、投入通路526aの折れ曲がり部分から、その投入通路526aから分岐して形成されている。遊技終了に伴う精算時などにおいて、本投入装置521a〜521cや上皿36に残留している遊技球が、この排出通路527a〜527cを通じて下皿41へ排出され、遊技者へ返還される。
【0062】
なお、ハウジング部材521a1,521a2は、厚さ方向の寸法が異なっており、入口通路522a、投入通路526a、排出通路527aは、その大部分が一方(図8における手前側)のハウジング部材521a1側に形成されている。これにより、遊技球が実際に接触する経路は、両ハウジング部材521a1,521a2の境界部分(接合部分)から外れた部位となる。ハウジング部材521a1,521a2の境界部分には、ゴミやほこり等が溜まり易い。しかし、かかる境界部分を遊技球が実際に接触する経路から外した構成とすることにより、境界部分に溜まったゴミやほこり等により、遊技球の流れが阻害されるといった不具合を解消することができる。
【0063】
図9において投入通路526aの左側方には、当該投入通路526aの鉛直方向部分に沿うようにして、投入ゲート部材530aが配設されている。投入ゲート部材530aは、支軸531aを軸として揺動可能に支持されており、その支軸531aを支点とする揺動によって、投入ゲート部材530aの先端部に形成された爪部532aが投入通路526aへ出没する。投入通路526aの通路壁には、通路切欠部533aが形成されており、その通路切欠部533aから投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526aへ出没する。通常時には、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526aへ突出され、遊技球の投入通路526aの通過が阻止された状態となっている。一方、遊技球の投入(取り込み)時には、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526aから没入され、遊技球の投入通路526aの通過が許容された状態となる。
【0064】
なお、投入ゲート部材530aの爪部532aの出没位置は、投入通路526aが鉛直方向に曲がるコーナー部分の直ぐ下流位置に設けられている。よって、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526a内へ突出した状態で、投入通路526aのコーナー部分まで流れてきた遊技球が、投入通路526aの鉛直部分に流れ込んでしまうことが無い。従って、後述する排出ゲート部材540を操作して、投入ユニット52内にある遊技球を排出する場合に、遊技球が投入通路526aに詰まって、投入ユニット52内に残量することがない。即ち、該構成により、投入ユニット52内の遊技球を、排出通路527a〜527cを介して、完全に排出することができるのである。
【0065】
次に、投入ゲート部材530aを出没動作させる投入ソレノイド534aについて説明する。ハウジング部材521a1,521a2内には、投入ゲート部材530aの駆動源としての投入ソレノイド534aが配設されている。投入ソレノイド534aは、棒状の出力軸535aを備えており、この出力軸535aは、コイルバネ536aにより、図9に示す如く、伸長状態に保持されている。該状態で投入ソレノイド534aに通電すると、出力軸535aは、コイルバネ536aの付勢力に抗して投入ソレノイド534a内へ引き込まれる。また、出力軸535aの先端には、ガイド537aが取着されている。ガイド537aは、その一部が、軸部538aを中心に揺動する揺動片539aと係合されており、揺動片539aの揺動によって、投入ゲート部材530aが揺動するように構成されている。
【0066】
かかる構成において、投入ソレノイド534aへの通電がない場合には、図9に示す如く、投入ソレノイド534aの出力軸535aは、コイルバネ536aの付勢力によって、伸長した状態に保持され、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526a内へ突出した状態となっている。これにより、投入通路526aが閉鎖されて、遊技球の投入通路526aの通過が阻止される。
【0067】
一方、投入ソレノイド534aへの通電が行われると、出力軸535aは、コイルバネ536aの付勢力に抗して縮み方向に移動する。即ち、出力軸535aは、投入ソレノイド534a内へ引き込まれる。すると、出力軸535aの先端に取着されたガイド537aにより、揺動片539aが軸部538aを中心に、図9における時計回り方向へ揺動回転し、投入ゲート部材530aの爪部532aは、投入通路526aから没入した状態とされる。これにより、投入通路526aが開放され、遊技球の投入通路526aの通過が許容される。
【0068】
その後、投入ソレノイド534aへの通電が中止されると、出力軸535aはコイルバネ536aの付勢力によって伸長され、揺動片539aが軸部538aを中心に、図9における反時計回り方向へ揺動回転し、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526aへ突出した状態に復帰する。このように、投入ソレノイド534aへの通電を行うことにより、投入通路526aが開放され、該通電を中止することにより、投入通路526aが閉鎖される。
【0069】
次に、排出ゲート部材540について説明する。排出ゲート部材540は、投入ユニット52内にある遊技球を排出する場合に作動させる部材である。排出ゲート部材540が作動すると、入口通路522aと排出通路527aとが連通して、投入ユニット52内の遊技球は、排出通路527a〜527cを介して、下皿41へ排出される。
【0070】
ハウジング部材521a1,521a2の排出通路527aの入口位置には、貫通孔541a1,541a2が穿設されており、その貫通孔541a1,541a2を、図9における前後方向にスライド可能に排出ゲート部材540が配設されている。排出ゲート部材540は、各投入装置521a〜521cに個別に設けられるのではなく、1の排出ゲート部材540が全投入装置521a〜521cに対して共通に設けられている。この排出ゲート部材540の作動状態により、各投入装置521a〜521cにおいて同時に遊技球の排出(球抜き)が許容又は阻止される。
【0071】
図8に示すように、排出ゲート部材540は、全体として略長方形状をなしており、3箇所に略正方形状の開口部542a〜542cが形成されている。各開口部542a〜542cの間には、それぞれ壁状の壁板部543a〜543cが形成されている。各開口部542a〜542c及び各壁板部543a〜543cは、それぞれ、各投入装置521a〜521cの排出通路527a〜527cに対応して形成され、排出ゲート部材540を、その長手方向にスライドさせることにより、各排出通路527a〜527cが同時に開放又は閉鎖される。
【0072】
排出ゲート部材540の一方の端部(図8における右前方の端部)には、バネ受け部544が形成され、他方の端部には、ロッド545が形成されている。また、投入装置521cの一側面には、カバー部材528が設けられている。このカバー部材528とバネ受け部544との間には、図示しないコイルバネが組み込まれており、排出ゲート部材540は、このコイルバネにより、図8における左手前側へ常時付勢されている。かかる状態では、各壁板部543a〜543cによって、各排出通路527a〜527cが閉鎖されて、遊技球の排出が阻止された状態となっている。
【0073】
排出ゲート部材540のロッド545は、前述した返却レバー38の操作に連動して作動するように構成されており、該返却レバー38が操作されると、排出ゲート部材540のロッド545が、図8の右前方へ押し出され、その結果、該方向へ排出ゲート部材540がスライドする。これにより、各開口部542a〜542cが各排出通路527a〜527cの位置へ至り、各入口通路522a〜522cと各排出通路527a〜527cとが連通して、投入ユニット52内の遊技球が、排出通路527a〜527cを介して下皿41へと排出される。一方、返却レバー38の操作を終了すると、コイルバネの付勢力により、排出ゲート部材540が、図8の左後方へ押し戻され、その結果、該方向へ排出ゲート部材540がスライドする。これにより、各壁板部543a〜543cが各排出通路527a〜527cの位置へ戻り、各排出通路527a〜527cが閉鎖される。
【0074】
次に、各投入装置521a〜521cにおける遊技球の投入を検出する検出手段(投入センサユニット(Wセンサ)550a〜550c及び投入下流側検出センサ555a〜555c)について説明する。
【0075】
投入装置521aには、投入通路526aを通過する遊技球を検出するための投入センサユニット550aが設けられている。投入センサユニット550aは、投入通路526aを通過する遊技球の数をカウントする遊技球カウント手段を構成するものであり、発光素子と受光素子とからなる周知の光学式センサを備えている。投入センサユニット550aは、一対のアーム部551a,552aを有して略コ字状に形成され、一対のハウジング部材521a1,521a2に跨るようにして組み付けられている。
【0076】
アーム部551aの一方には発光素子が収容され、アーム部552aの他方には受光素子が収容されている。両アーム部551a,552aの先端部には、それぞれ互いに内側となる部位に上下一対のセンサ検出孔553a,554aが穿設されている。一対のアーム部551a,552a内には、発光素子と受光素子とが各2個ずつ収容され、これら各素子は、センサ検出孔553a,554aを通じて発光及び受光を行う。
【0077】
図9に示すように、センサ検出孔553a,554aは、投入通路526a内で中心から幾分オフセットした位置(図9の左方向へ幾分ずれた位置)に設けられている(図示は略すが、センサ検出孔554aも同様)。このセンサ検出孔553a,554aの穿設位置が投入センサユニット550aによる遊技球検出位置である。この場合、センサ検出孔553a,554aは、投入ゲート部材530aの先端部に形成した爪部532aの真下位置に設けられているので、投入ゲート部材530aの爪部532aが没入側に移動しない限り投入センサユニット550aにより遊技球は検出されない。
【0078】
投入ゲート部材530aが開放されて遊技球が投入される際(遊技球が投入装置521aへ取り込まれる際)、投入センサユニット550aの上下の各センサ素子では、先に上流側のセンサ素子で遊技球が検出され、その後、下流側のセンサ素子で遊技球が検出される。これら各センサ素子による検出信号は、遊技球の投入(取り込み)を管理する後述する主制御装置110へ順に出力される。この場合、主制御装置110では、各センサ素子による遊技球の検出信号によって正常に遊技球の投入が行われたかどうかが判定される。具体的には、所定の規定時間内に、上流側のセンサ素子、次に下流側のセンサ素子の順で遊技球の検出が行われた場合のみ、正常に遊技球の投入が行われたと判定する。
【0079】
仮に、上流側のセンサ素子による遊技球の検出から、下流側のセンサ素子による遊技球の検出までの所要時間が規定時間よりも長い場合や、正常時とは逆に、下流側のセンサ素子、次に上流側のセンサ素子の順で遊技球の検出が行われた場合には、異常と認めて、その旨が報知されると共に、それ以降の遊技が停止される。従って、例えば、遊技球やその他ダミー被検出物にひも等を付けて上下させることにより、あたかも複数の遊技球が投入されたように偽装するなどの不正行為を防止することができる。
【0080】
投入通路526aの最下流部には、投入ゲート部材530aを通過した遊技球を投入センサユニット550aで検出した後、同遊技球を再度検出するための投入下流側検出センサ555aが設けられている。この投入下流側検出センサ555aは、磁気検出タイプの近接センサにて構成され、遊技球の通過に伴う磁界の変化により遊技球の通過を検出する。
【0081】
投入下流側検出センサ555aによる検出信号は、投入センサユニット550aの検出信号と同様に、後述する主制御装置110に対して出力される。この場合、主制御装置110では、投入センサユニット550aの検出信号と投入下流側検出センサ555aの検出信号とに基づいて、今回の遊技球の検出結果(投入センサユニット550aによる判定結果)が正規なものかどうか、すなわち不正なものでないかどうかを判定する。具体的には、投入センサユニット550aによる遊技球のカウント数(例えば、一方のセンサ素子の検出結果による遊技球のカウント数)と、投入下流側検出センサ555aによる遊技球のカウント数とを比較し、それら各カウント数が一致する場合に、今回の遊技球の検出結果(投入センサユニット550aによる判定結果)が正規であると判定する。これに対し、各カウント数が不一致となる場合には、今回の遊技球の検出結果(投入センサユニット550aによる判定結果)が正規なものでなく、不正行為によるものであると判定する。
【0082】
このように、投入通路526aに、互いに検出方式の異なる2つのセンサ装置(投入センサユニット550a、投入下流側検出センサ555a)を配設しているので、各センサ装置のいずれかにも、遊技球を誤検出させる不正行為は困難なものとなる。故に、投入装置521aにおける不正対策を望ましいものとすることができる。
【0083】
次に、図10を参照して、投入装置521aによる遊技球の投入動作(取込動作)及び排出動作を説明する。図10(a)は、投入動作及び排出動作のいずれもが行われていない待機状態を図示しており、図10(b)は、遊技球の投入動作(取込動作)の実行状態を図示しており、図10(c)は、遊技球の排出動作の実行状態を図示している。
【0084】
図10(a)の待機状態は、投入ソレノイド534aが非通電で、排出ゲート部材540が非操作(返却レバー38が非操作)の場合である。即ち、投入ソレノイド534aは非通電となっているので、投入ゲート部材530aの爪部532aは投入通路526a内に突出している。また、排出ゲート部材540は非操作の状態にあるので、排出ゲート部材540の壁板部543aが排出通路527aの位置にあり、排出通路527aの入口が閉鎖されている。つまり、投入ゲート部材530a及び排出ゲート部材540によって、投入通路526a及び排出通路527aが閉状態となっており、これにより遊技球の通過が阻止されている。この場合、投入装置521a内へ入ってきた遊技球のうち、先頭の遊技球は投入ゲート部材530aと排出ゲート部材540との両方に当たった状態で保持される。
【0085】
図10(a)の待機状態から投入ソレノイド534aへの通電が行われると、図10(b)に示す遊技球の投入(取込)動作状態となる。即ち、投入ソレノイド534aへの通電が行われると、投入ゲート部材530aの爪部532aは、投入通路526aから没入した状態となる(引っ込んだ状態となる)。かかる状態では、投入通路526aの遊技球の通過が許容されて、遊技球の投入(取り込み)が順次行われる。遊技球の投入が行われる際、入口通路522aから投入通路526aへ入ってきた遊技球は、通路閉鎖状態にある排出ゲート部材540の壁板部543aに衝突し、その衝突により流れの勢いが減じられると共に、一瞬停止状態となった後、投入通路526aの下流側へと流れる。このため、投入通路526aでは、前後する遊技球が互いに離間した状態で流下するので、投入センサユニット550aによって遊技球の通過を確実に検知することができる。
【0086】
図10(a)の待機状態から遊技者による排出操作(遊技者による返却レバー34の操作)が行われると、図10(c)に示す遊技球の排出動作状態となる。かかる状態では、排出ゲート部材540が動作(スライド)して、排出ゲート部材540の開口部542aが排出通路527aの位置へ至り、排出通路527aが開放状態とされる。このとき、投入ソレノイド534aは非通電なので、投入ゲート部材530aの爪部532aは投入通路526a内に突出しており、投入通路526aは閉鎖状態となっている。よって、入口通路522aから入ってきた遊技球は、投入通路526aへの通過が阻止され、排出通路527aへの通過が許容されるので、その結果、排出通路527aを通過して下皿41へ排出される。これにより遊技球の排出(球抜き)が行われる。
【0087】
投入ユニット52には、上記構成の投入装置521a〜521cが3台並設されており、上皿36の案内通路371〜373から各投入装置521a〜521cへ、それぞれ遊技球が供給される。そして、遊技者によってベットスイッチ35が操作されると、各投入装置521a〜521cによって、それぞれ遊技球が投入される(取り込まれる)。具体的には、例えば15個(マックスベット分)の遊技球が投入される場合、全ての投入装置521a〜521cにおいて同時に投入ゲート部材530a〜530cが没入位置に操作され、遊技球の投入が一斉に開始される。このとき、各投入装置521a〜521cでは遊技球が5個ずつ取り込まれる。
【0088】
ただし、3台の投入装置521a〜521cのうち、いずれかの投入装置に遊技球が充填されていない場合や、いずれかの投入ソレノイド534a〜534cの故障などで、いずれかの投入装置が正常に作動しない場合には、正常な投入動作を行うことができる残りの投入装置により遊技球の投入が行われる。いずれかの投入装置に遊技球が充填されない場合としては、遊技球は、上皿36にあるものの、いずれかの案内通路371〜373で停留し、その結果、その案内通路371〜373に連通する投入装置521a〜521cに遊技球が充填されない場合がある。例えば、投入装置521aに遊技球が充填されていないとき、又は同投入装置521aの投入ソレノイド534aなどが故障しているときには、その投入装置521a以外の他の投入装置521b,521cによって、15個の遊技球が投入される(取り込まれる)。一方、投入装置521a〜521cや上皿36に残っている遊技球を下皿41へ排出する場合には、遊技者による返却レバー38の操作に伴って排出ゲート部材540がスライドして、各投入装置521a〜521cから、一斉に遊技球の排出が行われる。
【0089】
次に、本実施形態の遊技球使用回胴遊技機1の電気的構成を、図11のブロック図に基づいて説明する。主制御装置110は、遊技機1の主な制御を行うためのものである。この主制御装置110には、演算処理手段であるマイクロコンピュータのMPU111が搭載されている。MPU111は、制御プログラムや固定値データを記憶した書換不能なメモリであるROM112や、ワークメモリ等として使用される書換可能なメモリであるRAM113の他、タイマ回路や、各種周辺制御装置等とデータ等の送受信を行う送受信回路などを内蔵している。図13から図25に示すフローチャートの処理は、制御プログラムの一部として、ROM112内に記憶されている。また、RAM113のワークメモリの詳細については、図12を参照して後述する。MPU111には、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路(図示せず)や、入出力ポート114などが内部バス等を介して接続されている。かかる主制御装置110は、遊技機1の主な制御を行うメイン基板としての機能を果たすものである。
【0090】
主制御装置110の入出力ポート114の入力側には、後述する電源装置120に設けられたリセットスイッチ122の出力信号線122aと、スタートレバー検出スイッチ31aと、ラッチ回路132と、左、中、右三列の回転中の各リール82L,82M,82Rを個別に停止させるストップスイッチ32〜34と、遊技者によるベット(賭数)の設定を行わせるベットスイッチ35と、返却レバー検出スイッチ38aと、前述した各投入装置521a〜521cの投入センサユニット550a〜550cにそれぞれ2つずつ設けられたセンサと、各投入装置521a〜521cにそれぞれ設けられた投入下流側検出センサ555a〜555cと、リールインデックスセンサ83L,83M,83Rと、設定キー検出スイッチ133と、後述する払出制御装置210からの出力信号線とが、それぞれ接続されている。
【0091】
スタートレバー検出スイッチ31aは、スタートレバー31の操作を検出するためのスイッチであり、スタートレバー31の操作を検出すると、主制御装置110の入出力ポート114及び後述するラッチ回路132へ、該操作の検出信号を出力する。
【0092】
乱数カウンタ更新回路131は、所定の周波数のクロックと16ビットの乱数カウンタとを備え、クロックから出力されるクロックパルスの例えば立ち下がり毎に、1カウントずつ乱数カウンタの値をカウントアップするものである。乱数カウンタの乱数値は、クロックパルスによって、ソフト制御では到底追従することができない高速な速度で、「0〜65535」の範囲で常時更新されている。その更新された乱数値は、常時、ラッチ回路132へ出力されている。ラッチ回路132は、上記した入出力ポート114の他に、乱数カウンタ更新回路131とスタートレバー検出スイッチ31aとに接続されている。このラッチ回路132は、16ビットの記憶回路で構成され、乱数カウンタ更新回路131から出力される信号(乱数値)を、スタートレバー31の操作タイミングでラッチするためのものである。即ち、スタートレバー31の操作タイミングで、乱数カウンタの乱数値はラッチ回路132にラッチされる。ラッチ回路132にラッチされた乱数値は、MPU111へ出力される。
【0093】
尚、乱数カウンタ更新回路131とラッチ回路132とは、主制御装置110に搭載されている。また、乱数カウンタ更新回路131のクロックには、MPU111の動作クロックとは非同期の周波数クロックであって、1.49msecの間隔を得ることのできないものが用いられている。乱数カウンタを、主制御装置110の動作周期である1.49msecの間隔とは非同期の間隔で更新することにより、「ぶら下げ基板」と称される不正な基板が、主制御装置110(MPU111)に同期して動作するように、遊技機1に取り付けられていても、「ぶら下げ基板」によって乱数カウンタの値(乱数値)を把握することはできない。
【0094】
返却レバー検出スイッチ38aは、返却レバー38の操作を検出するためのスイッチであり、返却レバー38の操作を検出すると、該操作の検出信号を主制御装置110の入出力ポート114へ出力する。リールインデックスセンサ83L,83M,83Rは、対応する各リール82L,82M,82Rの回転原点位置を、それぞれ個別に検出するためのものであり、回転原点位置を検出した場合には、該検出信号を主制御装置110の入出力ポート114へ出力する。また、設定キー検出スイッチ133は、設定キー挿入孔(図示せず)に設定キーが挿入され、該設定キーが回転操作されたことを検出するためのスイッチであり、該操作を検出すると、主制御装置110の入出力ポート114へ、該操作の検出信号を出力する。
【0095】
主制御装置110の入出力ポート114の出力側には、表示制御装置310と、小役成立時における獲得球数を表示する獲得球数表示器11と、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなどの特別遊技状態の際に残りゲーム数などを表示するゲーム数表示器12と、前述した投入ユニット52の各投入装置521a〜521cにそれぞれ設けられた投入ソレノイド534a〜534cと、各リール82L,82M,82Rをそれぞれ個別に回転させるステッピングモータ91L,91M,91Rと、図示しないホール管理装置などに情報を送信する外部端子板134と、後述する払出制御装置210への出力信号線及びコマンド信号線とが、それぞれ接続されている。
【0096】
表示制御装置310は、中央ランプ6、側方ランプ7、スピーカ8,45並びに液晶表示ユニット81を駆動制御するための制御装置であり、これらを駆動制御するためのMPU、ROM、RAM等を搭載した制御基板を備えている。そして、主制御装置110からの信号(例えば、コマンド)を受信した上で、表示制御装置310が独自に、中央ランプ6、側方ランプ7、スピーカ8,45並びに液晶表示ユニット81を駆動制御する。従って、表示制御装置310は、遊技を統括管理するメイン基板たる主制御装置110との関係では、補助的な制御を実行するサブ基板となっている。このように、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基板を設け、それに制御させることにより、メイン基板の制御負担の軽減を図っている。
【0097】
払出制御装置210は、主制御装置110からの指示に基づいて賞球の払い出しを行うと共に、カードユニット20から指示に基づいて貸し球の払い出しを行うためのものである。この払出制御装置210には、演算処理手段であるマイクロコンピュータのMPU211が搭載されている。MPU211は、制御プログラムや固定値データを記憶した書換不能なメモリであるROM212や、ワークメモリ等として使用される書換可能なメモリであるRAM213の他、タイマ回路や、各種周辺制御装置等とデータ等の送受信を行う送受信回路などを内蔵している。MPU211には、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路(図示せず)や、入出力ポート214などが内部バス等を介して接続されている。
【0098】
払出制御装置210の入出力ポート214には、空切れ防止スイッチ221と、払出カウントスイッチ222と、払出ソレノイド223と、オーバーフロー検出スイッチ224と、カードユニット接続基板21とが、それぞれ接続されている。
【0099】
空切れ防止スイッチ221は、払い出しに用いられる遊技球を貯留するための貯留タンク(図示せず)に、遊技球が貯留されているか否かを検出するためのスイッチである。貯留タンクに遊技球が無い状態では、遊技球を払い出せないからである。払出制御装置210は、空切れ防止スイッチ221の出力により、「タンク球有り中」の状態において、貯留タンクの球無しを200msの間継続して検出すると、状態を「タンク球無し中」へ遷移する。逆に、「タンク球無し中」の状態において、貯留タンクの球有りを2000(=200×10)msの間継続して検出すると、状態を「タンク球有り中」へ遷移する。このように「タンク球有り中」又は「タンク球無し中」への状態遷移を、空切れ防止スイッチ221の出力が200ms以上又は2000ms以上継続した場合に行うことで、貯留タンクに一時的に遊技球が無くなった場合の誤検出やノイズなどの影響による誤検出を防止することができる。特に、「タンク球有り中」への遷移条件を、「タンク球無し中」への遷移条件に比べて厳しくすることで、「タンク球有り中」状態の検出を確実に行うことができる。
【0100】
払出カウントスイッチ222は、払い出された遊技球をカウントするためのスイッチである。遊技球の払い出しは、その払い出し時間を短縮するために、4条の払出通路(図示せず)を設け、その4条の払出通路を介してぞれぞれ行われる。よって、払出カウントスイッチ222は、4条の払出通路のそれぞれに合計で4個設けられている。払出ソレノイド223は、遊技球の払い出しを開始させるためアクチュエータである。この払出ソレノイド223に通電すると、図示しない払出ゲート部材が動作して払出通路が開放され、遊技球の払い出しが行われる。払出ソレノイド223は、払出カウントスイッチ222と同様に、4条の払出通路のそれぞれに合計で4個設けられている。
【0101】
オーバーフロー検出スイッチ224は、払い出された遊技球で下皿41が満タンになっているか否かを検出するためのスイッチである。下皿41が満タンの状態で、更に遊技球の払い出しを行っても、遊技球が払出通路等に溢れて、遊技球の払い出しを行うことができないからである。払出制御装置210は、オーバーフロー検出スイッチ224の出力により、「下皿満タン中」において、下皿41が満タンでないことを200msの間継続して検出すると、状態を「下皿球無し中」へと遷移する。逆に、「下皿球無し中」において、下皿41の満タンを200msの間継続して検出すると、状態を「下皿満タン中」へと遷移する。このように「下皿満タン中」又は「下皿球無し中」への状態遷移を、オーバーフロー検出スイッチ224の出力が200ms以上継続した場合に行うことで、一時的な満タン状態の発生による誤検出や、ノイズなどの影響による誤検出を防止することができる。
【0102】
カードユニット接続基板21は、払出制御装置210とカードユニット20とを相互に接続するための中継基板である。カードユニット20は、このカードユニット接続基板21を介して、払出制御装置210とデータ等の送受信を行っている。また、カードユニット接続基板21には、カードユニット20の他に、貸出球の払い出しを促す球貸しボタン14と、カードユニット20に挿入されたカードなどの返却を促す返却ボタン15と、カードユニット20に挿入されているカードなどの残額情報を表示する度数表示器16とが、接続されている。
【0103】
電源装置120は、主制御装置110をはじめ、遊技機1の各電子機器へ駆動電力を供給する電源部121と、リセットスイッチ122と、バックアップ電源部123と、停電監視回路124とを備えている。リセットスイッチ122は、遊技機1で発生したエラーを解除するためのスイッチである。リセットスイッチが操作されると、リセット信号122aが、主制御装置110や払出制御装置210をはじめとする各制御装置等へ出力され、各制御装置等にて初期化が行われる。この初期化によって、発生したエラーが解除される。
【0104】
バックアップ電源部123は、遊技機1の電源遮断後においても、主制御装置110へバックアップ電圧を供給するためのものである。よって、主制御装置110は、停電の発生や電源スイッチのオフにより電源が遮断された場合にも、バックアップ電源部123からバックアップ電圧の供給を受けて、RAM113のデータを保持することができる。
【0105】
停電監視回路124は電源の遮断状態を監視して、停電の発生時や電源スイッチのオフによる電源遮断時に、停電信号124aを出力するためのものである。停電監視回路124は、電源部121から出力される例えば直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号124aを出力するように構成されている。停電信号124aは、MPU111のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)へ出力され、MPU111ではこの停電信号を入力することにより後述する停電時処理が実行される。電源部121からは出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置110などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置110による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
【0106】
尚、停電監視回路124を、電源装置120ではなく、主制御装置110内に設けても良い。また、停電監視回路124から出力される停電信号124aは、MPU111のNMI端子へ出力するだけでなく、主制御装置110の入出力ポート114へも出力するように構成しても良い。この場合、MPU111は、NMI端子へ入力された停電信号124aにより、停電フラグ113hをオンする。そして、その停電フラグ113hのオンによって実行される停電時処理の中で、入出力ポート114を介して入力される停電信号124aの状態を監視し、停電信号124aが依然として出力されている場合には停電時処理を継続し、一方、停電信号124aが既にオフされた場合には、停電フラグ113hをオフして、停電時処理を中止するように構成しても良い。かかる構成によれば、何らかの状態により、停電信号124aの出力が安不定な場合にも、停電時処理を頻繁に行うことなく、遊技機1の制御を安定して行わせることができる。
【0107】
次に、図12を参照して、主制御装置110のRAM113に設けられた各メモリについて説明する。RAM113には、図12に示す各種のメモリ、フラグ、カウンタ等が設けられている。
【0108】
当否乱数メモリ113aは、開始された遊技に対応する役を決定するための乱数値を記憶するメモリである。開始された遊技がいずれの役に当選するかまたは外れになるかは、この当否乱数メモリ113aに記憶される値によって決定される。当否乱数メモリ113aには、乱数カウンタ更新回路131から出力された乱数値の内、スタートレバー31が操作されることによりラッチ回路132にラッチされた乱数値が書き込まれる(図14のS206)。MPU111は、後述する抽選処理(図15のS207)の中で、この当否乱数メモリ113aに記憶される乱数値を、諸条件に基づいて選定された乱数テーブルに照らして役の抽選を行い、該乱数値に対応する当否(役に当選させるか外れとするか)と、役への当選である場合には当選させる役の種類とを判断する。
【0109】
次に、RB当選フラグ113b、RB設定フラグ113c、BB当選フラグ113d、BB設定フラグ113e、残JAC成立数カウンタ113f、残JACゲーム数カウンタ113gの説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。ボーナスゲームには、レギュラーボーナス(以下「RB」という)ゲームと、ビッグボーナス(以下「BB」という)ゲームとの2種類のボーナスゲームがある。
【0110】
RBゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームは、5個の遊技球の投入でのみ開始されるゲーム(遊技)であり、JAC図柄(例えば「リプレイ」図柄)が有効ライン上に揃う確率つまりJAC図柄成立の確率が非常に高いゲームである。JACゲームでJAC図柄が成立すると最大数(ここでは75枚)の遊技球が払い出される。そして、JAC図柄が8回成立すると、JACゲームが12回に達する前であってもRBゲームが終了する。
【0111】
一方、BBゲームは、複数回の小役ゲームと複数回のJACインとから構成されている。小役ゲームとは、高確率で小役が当選する(有効ライン上に例えば「ベル」図柄などが揃う)ゲームである。JACインとは、12回のJACゲームに突入することを意味し、小役ゲーム中にJACイン図柄(例えば「リプレイ」図柄。本実施形態では、JAC図柄と同じ)が有効ライン上に揃うとJACインが成立する。JACゲームはRBゲームの場合と同様である。また、BBゲームは、BBゲームでの遊技球の総払出個数が所定の総払出予定個数以上となると、JACインによるJACゲーム中であるか否かに拘わらず終了する。
【0112】
RB当選フラグ113bは、抽選処理(S207)によって、RBゲームが当選した場合にオンされるフラグであり、RB設定フラグ113cは、そのRBゲームが成立した場合にオンされるフラグである。即ち、RB設定フラグ113cは、RB当選フラグ113bがオンされている状態で、RB図柄が揃うと、オンされる。RB設定フラグ113cがオンされると、RB当選フラグ113bはオフされる。そして、RBゲームが終了すると、RB設定フラグ113cはオフされる。
【0113】
同様に、BB当選フラグ113dは、抽選処理(S207)によって、BBゲームが当選した場合にオンされるフラグであり、BB設定フラグ113eは、そのBBゲームが成立した場合にオンされるフラグである。即ち、BB設定フラグ113eは、BB当選フラグ113dがオンされている状態で、BB図柄が揃うと、オンされる。BB設定フラグ113eがオンされると、BB当選フラグ113dはオフされる。そして、BBゲームが終了すると、BB設定フラグ113eはオフされる。
【0114】
残JAC成立数カウンタ113fは、RBゲームにおいて、またはBBゲームにおけるJACインにおいて、JAC図柄の成立可能残数を記憶するカウンタである。残JAC成立数カウンタ113fには、初期値として8が設定され、その値は、JAC図柄の成立毎に1ずつ減算される。残JAC成立数カウンタ113fの値が0となると、RBゲームまたは、BBゲームにおけるJACゲームが終了する。残JACゲーム数カウンタ113gは、RBゲームにおいて、またはBBゲームにおけるJACゲームにおいて、JACゲームの残ゲーム数を記憶するカウンタである。残JACゲーム数カウンタ113gには、初期値として12が設定され、その値は、JACゲームの実行毎に1ずつ減算される。残JACゲーム数カウンタ113gの値が0となると、RBゲームまたは、BBゲームにおけるJACゲームが終了する。
【0115】
停電フラグ113hは、停電の発生又は遊技機1の電源の遮断を報知するためのフラグである。停電等の発生により遊技機1の電源が遮断されると、停電監視回路124から停電信号124aが主制御装置110のMPU111へ出力される。MPU111は、かかる停電信号124aを入力すると、NMI割込処理(図25参照)を実行して、その結果、停電フラグ113hがオンされる。停電フラグ113hがオンされていると、タイマ割込処理(図23参照)において、停電時処理(S920)が実行される。停電フラグ113hは、一旦オンされると、電源立ち上げ処理(図13参照)の復電処理(S110〜S117)の中でオフされる。
【0116】
残り払出個数カウンタ113iは、払出コマンドによって主制御装置110から払出制御装置210へ指示した遊技球の払い出し個数を記憶するカウンタである。払出制御装置210によって遊技球の払い出しが行われると、払出制御装置210から主制御装置110へ払出カウント信号が出力される。主制御装置110では、その払出カウント信号の立ち上がりパルスを検出する毎に、残り払出個数カウンタ113iの値を1ずつ減算する。電源立ち上げ処理(図13参照)において、残り払出個数カウンタ113iの値が0でなければ、その値に応じた払出コマンドを払出制御装置210へ送信し、電源の遮断前に払い出しが未完に終わった遊技球の払い出しを、電源の立ち上げ時に行うようにしている。
【0117】
投入済個数カウンタ113jは、遊技球投入処理(S201)によって遊技機1内へ投入された遊技球の数を記憶するカウンタである。投入済個数カウンタ113jの値が、通常ゲーム時には15に、JACゲーム時には5になると、新たな遊技を開始できる。スタートレバー31の操作によって遊技が開始されると、投入済個数カウンタ113jの値は0クリアされる(S206)。
【0118】
総投入個数カウンタ113kは、その回の遊技球投入処理によって投入する遊技球の総数を記憶するカウンタである。通常ゲーム時には、15−投入済個数カウンタ113jの値が、JACゲーム時には、5−投入済個数カウンタ113jの値が、それぞれ総投入個数カウンタ113kへセットされる。総投入個数カウンタ113kの値は、遊技球の投入が確認される毎に1ずつ減算され、この値が0となると、遊技球投入処理が終了する。
【0119】
投入予定個数カウンタ113mは、各投入装置521a〜521cでの投入予定個数を記憶するカウンタである。3台の投入装置521a〜521cにそれぞれ対応して、第1条〜第3条のカウンタ113m1〜113m3が設けられている。第1条は投入装置521aに対応し、第2条は投入装置521bに対応し、第3条は投入装置521cに対応する。投入予定個数カウンタ113mの値は、投入個数振分処理(S813)によって設定され、その値は投入実行処理(S816)によって減算される。投入予定個数カウンタ113mの値が0となると、その条の投入処理が終了する。
【0120】
投入条ポインタ113nは、第1条から第3条の投入条(投入装置521a〜521c)を指定するためのポインタである。第1条から第3条に併せて、1,2,3の範囲で更新される。投入個数振分処理(S813)や投入実行処理(S816)は、投入条ポインタ113nの値を指定して、投入装置521a〜521c毎に行われる。
【0121】
投入リトライフラグ113oは、投入装置521a〜521cが遊技球の投入動作を行うことができるか否かを記憶するフラグである。3台の投入装置521a〜521cにそれぞれ対応して、第1条〜第3条のフラグ113o1〜113o3が設けられている。投入リトライフラグ113oがオンされていれば投入動作可能であり、オフされていれば投入動作不可能である。投入リトライフラグ113oは、遊技球投入処理(S201)の開始時に、全て一旦オンされる。そして、投入実行処理(S816)の進行に伴って、投入動作が不可能となった投入装置521a〜521cのフラグ113o1〜113o3が順にオフされる。全条の投入リトライフラグ113oがオフされると、その回の遊技球投入処理(S201)は、終了する。
【0122】
投入ソレノイド作動フラグ113pは、投入ソレノイド534a〜534cのオン又はオフを指示するためのフラグである。3台の投入装置521a〜521cにそれぞれ対応して、第1条〜第3条のフラグ113p1〜113p3が設けられている。投入ソレノイド作動フラグ113pがオンならば、S818の処理によって、対応する投入ソレノイド534a〜534cがオンし、投入ゲート部材530a〜530cが動作して、投入通路526a〜526cが開放され、その結果、遊技球の投入が許容される。一方、投入ソレノイド作動フラグ113pがオフならば、S818の処理によって、対応する投入ソレノイド534a〜534cがオフされ、投入ゲート部材530a〜530cが動作して、投入通路526a〜526cが閉鎖され、その結果、遊技球の投入が禁止される。
【0123】
投入遊技球カウンタ113qは、投入ゲート部材530a〜503cが動作して投入通路526a〜526cが開放されてから経過した時間(第1時間)、投入センサユニット550a〜550cにより投入開始が検出されてから経過した時間(第2時間)又は、第1時間または第2時間が最大の待ち時間(タイムアウト時間)に達した後に経過した時間(第3時間)に対応した値が記憶されるカウンタである。投入ゲート部材530a〜503cが動作して投入通路526a〜526cが開放されてから最初の遊技球が投入センサユニット550a〜550cにより検出されるまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間、第1所定時間)は360msであり、投入センサユニット550a〜550cにより投入開始が検出され次の遊技球の投入開始が投入センサユニット550a〜550cにより検出されるまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間、第2所定時間)は300msであり、第1所定時間および第2所定時間が経過した後に投入実行処理(S201)が終了するまでの最大の待ち時間(第3所定時間)は100msである。本実施の形態では、第1所定時間の360msに対応したカウント値がS835の処理で設定され、第2所定時間の300msに対応したカウント値がS860の処理で設定され、第3所定時間の100msに対応したカウント値がS876の処理で設定される。投入遊技球カウンタ113qの値は、図22に示す投入実行処理内のカウンタ減算処理(S871)が実行される毎に更新(減算)される。また、3台の投入装置521a〜521cにそれぞれ対応して、第1条〜第3条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3が設けられている。
【0124】
投入禁止タイマ113rは、返却レバー38の操作によって、上皿36の遊技球が下皿41へ排出された場合に、以降の処理の実行を待機するウエイト時間をカウントするためのタイマである。返却レバー38の操作が検出されると、投入禁止タイマ113rに370msが設定され、該タイマ113rの値が0となるまで、以降の処理の進行が待機される。遊技球の返却動作の直後に、投入動作等を行うと、その動作を正常に行えない場合が生じるので、該返却動作が完全に終了するのを待機するのである。なお、投入禁止タイマ113rの値は、図23に示すタイマ割込処理によって更新される。
【0125】
タイマ割込実行フラグ113sは、図23に示すタイマ割込処理が実行されたことを示すフラグである。投入実行処理(S816)を同一の条に対して連続して行うと、1個の遊技球の投入を、2個以上の投入として誤って検出することがある。よって、タイマ割込処理の1回の実行につき、1の条の投入実行処理(S816)を1回実行するように、タイマ割込実行フラグ113sを設けている。具体的には、タイマ割込処理の実行毎に、タイマ割込実行フラグ113sをオンする。そして、タイマ割込実行フラグ113sがオンされている場合に限り、投入実行処理(S816)を開始可能とし、その開始の際にタイマ割込実行フラグ113sをオフするのである。
【0126】
次に、図13から図25のフローチャートを参照して、主制御装置110で実行される各処理について説明する。図13は、主制御装置110において、電源投入後に実行される電源立上げ処理を示したフローチャートである。電源立上げ処理は、停電からの復旧や電源スイッチのオン操作によって電源が投入された場合に実行される。
【0127】
先ず、スタックポインタの値を設定すると共に、割込み処理を実行するための割込みモードを設定する。その後、MPU111のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などの初期化処理を実行する(S101)。これらの初期化処理(S101)が終了すると、他の制御装置210,310との立ち上げタイミングを調整するために、所定時間のウエイト処理を実行する(S102)。
【0128】
ウエイト処理(S102)の実行後は、設定キーが設定キー挿入孔に挿入され且つ操作されているか否かを判定する(S103)。設定キーが操作されている場合には(S103:Yes)、設定変更処理を行う(S104)。設定変更処理(S104)では、先ずRAM113に記憶されたデータを全てクリアし、その後、予め設定された6段階の設定状態(「設定1」〜「設定6」)のうち、設定キーの操作によって、どの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。設定変更処理(S104)の実行後は、図14の通常処理(S105)を実行する。
【0129】
S103の処理において、設定キーが操作されていなければ(S103:No)、以前に実行された設定変更処理(S104)による設定値が、正常に保たれているか否かを確認し(S106)、正常であれば(S106:Yes)、停電フラグ113hがオンされているか否かを確認する(S107)。停電フラグ113hがオンされていれば(S107:Yes)、更に、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(S108)。具体的には、RAM113のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する(S108)。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0であれば(S108:Yes)、RAM113のデータは正常であると判定する。よって、かかる場合には、即ち、停電フラグ113hがオンで、RAM113判定値が正常である場合には、前回の電源遮断時における停電時処理(S920)は正常に完了したということなので、処理をS110へ移行して、復電処理を実行する(S110〜S117)。
【0130】
一方、S106の処理において、設定変更処理(S104)によって設定されていた設定値に異常がある場合や(S106:No)、停電フラグ113hがオフの場合や(S107:No)、RAM判定値が異常であれば(S108:No)、前回の電源遮断時に何らかの異常が発生している。よって、かかる場合には、エラー表示処理を実行して(S109)、エラーの発生を遊技場の従業員等へ報知する。この場合、遊技場の従業員が、遊技機1の電源を一旦オフし、その後、設定キーを挿入した状態で電源を再投入することにより、該エラーは解除される。前述した通り、設定キーを操作した状態で電源を再投入すると(S103:Yes)、設定変更処理(S104)が実行されてRAM113の内容がクリアされる。その結果、エラーが解除され、遊技機1は通常状態に復帰するからである。
【0131】
S110からの復電処理では、停電時処理(S920)の際に、RAM113へ保存されたスタックポインタの値を、MPU111のスタックポインタに書き込んで、スタックの状態を電源遮断前の状態に復帰する(S110)。次に、復電処理の実行を伝える内部状態コマンド(復電コマンド)を、払出制御装置210および表示制御装置310へ送信する(S111)。その後、遊技状態として打ち止め設定保存処理を行い(S112)、スタートレバー検出スイッチ31aや投入センサユニット550a〜550c内に設けられるセンサ等の状態を記憶するメモリの初期化、即ち各種センサの初期化を行い(S113)、停電フラグ113hをオフする(S114)。
【0132】
残り払出個数カウンタ113iの値を確認し(S115)、その値が0であれば(S115:Yes)、処理をS117へ移行する。一方、残り払出個数カウンタ113iの値が0でなければ(S115:No)、払出コマンド設定処理を実行して、残り払出個数カウンタ113iに記憶される値の遊技球を払い出すよう、払出制御装置210へ送信するための払出コマンドを設定する(S116)。
【0133】
S117の処理では、リターン命令を実行する。これにより、スタックメモリに記憶される電源遮断前の番地へジャンプする。具体的には、後述するタイマ割込処理(図23参照)のウォッチドッグタイマクリア処理(S903)へジャンプする。これにより、タイマ割込処理が実行されて、払出コマンド設定処理で設定された払出コマンドが、ポート出力処理(913)によって払出制御装置210へ送信されると共に、その払出コマンドを受信した払出制御装置210によって遊技球が払い出される。
【0134】
払い出された遊技球が払出制御装置210によって検出されると、払出制御装置210から主制御装置110へ払出カウント信号が出力される。主制御装置110では、かかる払出カウント信号の立ち上がりパルスを検出する毎に、遊技球の1個の払い出しを確認し、残り払出個数カウンタ113iの値を1ずつ減算する。なお、払出カウント信号の検出は、タイマ割込処理(図23)のセンサ監視処理(S907)で行われ、残り払出個数カウンタ113iの値の減算はタイマ減算処理(S908)で行われる。
【0135】
次に、図14のフローチャートを参照して、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理(S105)について説明する。通常処理は、主制御装置110のMPU111が実行するメイン処理を構成する。
【0136】
通常処理では、まず、遊技の開始条件となる遊技球の投入を行う遊技球投入処理を実行する(S201)。遊技は、通常ゲーム時には15個の遊技球の投入を条件に、また、JACゲーム中は5個の遊技球の投入を条件に、遊技を開始することができる。遊技球投入処理は、上皿36に貯留される遊技球を遊技機1の遊技状態に応じて、15個又は5個、遊技機1内へ投入するための処理である。この遊技球投入処理については、後述する。
【0137】
遊技球投入処理(S201)の実行後は、遊技機1の遊技状態がJACゲーム中であるか否かを確認する(S202)。JACゲーム中でなければ(S202:No)、投入済個数カウンタ113jの値が15であるか否かを確認し(S203)、15でなければ(S203:No)、遊技の開始条件を満たしていないので、処理をS201へ移行して、遊技球投入処理(S201)を再実行する。また、JACゲーム中である場合に(S202:Yes)、投入済個数カウンタ113jの値が5であるか否かを確認し(S204)、5でなければ(S204:No)、同様に、遊技の開始条件を満たしていないので、処理をS201へ移行して、遊技球投入処理(S201)を再実行する。
【0138】
一方、JACゲーム中で無い場合に(S202:No)、投入済個数カウンタ113jの値が15であるか(S203:Yes)、JACゲーム中に(S202:Yes)、投入済個数カウンタ113jの値が5であれば(S204:Yes)、遊技の開始条件を満たしているので、次は、スタートレバー31の操作を監視する(S205)。
【0139】
スタートレバー31が操作されると、その操作は、スタートレバー検出スイッチ31aによって検出される。スタートレバー31が未操作であれば(S205:No)、その処理をS201へ移行して、再度、スタートレバー31の操作を待機する。一方、スタートレバー31の操作が、スタートレバー検出スイッチ31aによって検出されると(S205:Yes)、かかる操作のタイミングで、ラッチ回路132にラッチされた乱数値を当否乱数メモリ113aに書き込むと共に、投入済個数カウンタ113jの値を0クリアする(S206)。
【0140】
次に、スタートレバー31の操作を契機として実行される遊技に対し、当否および当選させる役を抽選するための抽選処理を実行する(S207)。抽選処理の実行後は、端数球払出処理を実行する(S208)。端数球払出処理は、遊技球投入処理(S201)により必要な数以上の遊技球が遊技機1内へ投入された場合に、その端数の遊技球を払い出すための処理である。端数球払出処理の実行後は、各リール82L,82M,82Rの回転と停止とを制御するリール制御処理を実行する(S209)。このリール制御処理では、ストップスイッチ32〜34の操作に起因して対応するリールの回転を停止させると共に、停止した各リール82L,82M,82Rによって抽選処理(S207)で決定された役および図柄が現出するように、抽選処理(S207)にて決定されたスベリテーブルに基づいて、各リール82L,82M,82Rの停止を制御する。各リール82L,82M,82Rが停止すると、リール制御処理を終了する。
【0141】
リール制御処理(S209)の終了後は、停止された各リール82L,82M,82Rの図柄の組合せに応じて遊技球を払い出す遊技球払出処理を実行する(S210)。遊技球払出処理(S210)の終了後は、ボーナス役に入賞している場合に通常より有利な特別遊技であるボーナスゲームを実行する特別遊技状態処理を実行する(S211)。特別遊技状態処理の実行後は、処理をS201へ移行して、前述した各処理を繰り返し実行する。
【0142】
図15は、図14の通常処理(S105)の中で実行される抽選処理のフローチャートである。抽選処理(S207)は、実行する遊技に対し、当否および当選させる役を抽選するための処理である。まず、遊技機1の現在の設定状態や小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する(S301)。ここで、遊技機1の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。
【0143】
S302では、このようにして選択された乱数テーブルに、当否乱数メモリ113aに記憶される値、即ち、スタートレバー31の操作を契機としてラッチ回路132にラッチした乱数カウンタ更新回路131の乱数値を照らして役の抽選を行う(S302)。そして、いずれかの役に当選したか否かを判定し(S303)、いずれの役にも当選していない(外れである)場合には(S303:No)、そのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合には(S303:Yes)、その役に応じた当選フラグ113b,113d等をオンし(S304)、図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。S304の処理後、リール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAM113のスベリテーブル格納エリアに格納して(S305)、この抽選処理(S207)を終了する。
【0144】
尚、ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ32〜34が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリール82L,82M,82Rをどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。リール制御処理(S209)において、かかるスベリテーブルを用いて、リール82L,82M,82Rの停止位置を制御することにより、停止したリール82L,82M,82Rの態様を抽選結果に整合させることができる。
【0145】
図16は、図14の通常処理(S105)の中で実行されるリール制御処理のフローチャートである。リール制御処理(S209)は、各リール82L,82M,82Rの回転を開始させると共に、ストップスイッチ32〜34の押下操作に連動して、回転しているリール82L,82M,82Rの停止制御を行うための処理である。
【0146】
リール制御処理では、まず、ウエイト処理を実行する(S401)。このウエイト処理は、前回の遊技(ゲーム)において、リール82L,82M,82Rの回転を開始した時点から所定のウエイト時間(例えば4.1秒)が経過するまで、今回のゲームにおいてリール82L,82M,82Rの回転を開始せずに待機するための処理である。この処理は、一定時間中に行われるゲームの回数を制限して、一定時間中に消費される遊技球の数を制限するために設けられている。ウエイト時間が経過していれば直ちに各リール82L,82M,82Rは回転を開始し、一方、ウエイト時間が経過していなければ遊技者により、遊技球が投入され、スタートレバー31が操作されたとしても、各リール82L,82M,82Rの回転は待機される。
【0147】
S401のウエイト処理の後、リール回転処理を行い(S402)、各リール82L,82M,82Rを回転させる。その後、左リール82Lが回転を開始してから所定時間(例えば0.8秒)が経過したか否かを判定し(S403)、経過していない場合には(S403:No)、所定時間が経過するまで待機する。一方、左リール82Lの回転開始後、所定時間が経過した場合には(S403:Yes)、処理をS404へ移行する。
【0148】
S403の処理は、各リール82L,82M,82Rが安定した回転速度に達するまで待機するために設けられた遅延タイマである。各リール82L,82M,82Rは、ステッピングモータ91L,91M,91Rにより回転駆動されており、その始動時および停止時には大きなトルクが発生する。そのため、各リール82L,82M,82Rの始動時に停止処理を行うと、ステッピングモーター91L,91M,91Rに大きな負荷がかかり寿命が低下してしまう。よって、所定時間(リール安定時間)の遅延タイマを設けることにより、ステッピングモーター91L,91M,91Rの寿命が低下することを防止することができる。
【0149】
S404の処理では、ストップスイッチ32〜34のいずれかが押下操作されて、リールの停止指令が発生したか否かを判定する(S404)。停止指令が発生していなければ(S404:No)、各リール82L,82M,82Rの回転時間が最大回転時間(例えば300秒)が経過したか否かを判定する(S405)。最大回転時間とは、スタートレバー31が操作された結果、各リール82L,82M,82Rが回転を開始してから計測される経過時間である。S402の処理において、リールが回転を開始するタイミングで最大回転時間を計時するためのカウンタに300秒後に「0」に更新される初期値を書き込み、その後のタイマ割込処理によって1ずつ減算して更新させて計測する。ステッピングモーター91L,91M,91Rは、長時間駆動した状態が継続すると、発熱し故障の原因となるが、このように、最大回転時間を設定することで、ステッピングモーター91L,91M,91Rの故障の発生を低減することができる。なお、最大回転時間の計測は、公知の他の技術を使用して行うようにしても良い。
【0150】
各リール82L,82M,82Rの回転時間が最大回転時間を経過していなければ(S405:No)、処理をS404へ移行する。一方、最大回転時間を経過していれば(S405:Yes)、強制停止処理を実行して、回転中のすべてのリール82L,82M,82Rを強制的に順次停止させる(S406)。強制停止処理の実行後は、処理をS412へ移行する。
【0151】
S404の処理において、ストップスイッチ32〜34のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には(S404:Yes)、リール停止処理を実行する(S407)。このリール停止処理(S407)では、押下操作されたストップスイッチ32〜34に対応するリール82L,82M,82Rを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグ113b,113d等がセット(S304)されている場合には、RAM113のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップスイッチ32〜34が押下操作された場合には、「スイカ」図柄が下ラインに停止するように図柄2つ分だけリール82L,82M,82Rを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップスイッチ32〜34を押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄を停止できないこともある。
【0152】
今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール82L,82M,82R全てが回転しているときにストップスイッチ32〜34が押下操作されたか否かを判定し(S408)、第1停止指令の場合には(S408:Yes)、スベリテーブル変更処理を行う(S409)。このスベリテーブル変更処理(S409)では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに、役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リール82Lにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理(S409)は、役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
【0153】
一方、S408の処理で、今回の停止指令が第1停止指令でないと判定された場合には(S408:No)、今回の停止指令が第2停止指令か否か、つまり3つのリール82L,82M,82Rのうち1のリールが停止し他の2のリールが回転しているときに、他の回転しているリール82L,82M,82Rに対応したストップスイッチ32〜34が押下操作されたか否かを判定する(S410)。
【0154】
今回の停止指令が第2停止指令のときには(S410:Yes)、2のリールが停止した状態となるので、その時の停止表示された図柄を判定するために停止目判定処理を行う(S411)。この停止目判定処理(S411)では、2つのリールが停止している場合にその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ8,45から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に液晶表示ユニット81を用いた演出を行ってもよい。
【0155】
スベリテーブル変更処理(S409)または停止目判定処理(S411)の実行後、或いは、S410の処理において今回の停止指令が第2停止指令でなかったと判定された場合には(S410:No)、各リール82L,82M,82Rの全ての回転が停止したか否かを判定する(S412)。いずれかのリール82L,82M,82Rが回転していると判定された場合には(S412:No)、処理をS404に戻して、前述したS404からS412の各処理を繰り返す。一方、全てのリール82L,82M,82Rの回転が停止したと判定された場合には(S412:Yes)、払出判定処理を実行する(S413)。
【0156】
払出判定処理(S413)では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときには、RAM113の残り払出個数カウンタ113iに0をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときには、並んだ役と対応する払出し個数を、残り払出個数カウンタ113iにセットする。なお、役が有効ライン上に並んでいるときには、その役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには中央ランプ6や側方ランプ7を点滅させる等してエラー表示を行うと共に、残り払出個数カウンタ113iに0をセットするものとしても良い。
【0157】
図17は、図14の通常処理(S105)の中で実行される遊技球払出処理のフローチャートである。遊技球払出処理(S210)は、遊技の結果、生じた遊技球の払い出しを払出制御装置210へ指示すると共に、その指示した遊技球の払い出しを確認するための処理である。
【0158】
遊技球払出処理では、まず、前述した払出判定処理(S413)によってセットされた残り払出個数カウンタ113iの値が0であるか否かを判定する(S501)。残り払出個数カウンタ113iの値が0であれば(S501:Yes)、払い出される遊技球は無いので、かかる場合には、この遊技球払出処理を終了する。
【0159】
払出判定処理(S413)によってセットされた残り払出個数カウンタ113iの値が0で無ければ(S501:No)、払出コマンド設定処理を実行する(S502)。払出コマンド設定処理では、残り払出個数カウンタ113iにセットされた値の遊技球を払い出すよう指示するための払出コマンドが設定される。設定された払出コマンドは、後述するタイマ割込処理(図23参照)のポート出力処理(S913)によって、払出制御装置210へ送信される。
【0160】
払出制御装置210によって払出コマンドが受信されると、その払出コマンドで指示された数の遊技球が払い出される。払い出された遊技球が払出制御装置210によって検出されると、払出制御装置210から主制御装置110へ払出カウント信号が出力される。主制御装置110では、かかる払出カウント信号の立ち上がりパルスを検出する毎に、遊技球の1個の払い出しを確認し、残り払出個数カウンタ113iの値を1ずつ減算する。なお、払出カウント信号の検出は、タイマ割込処理(図23)のセンサ監視処理(S907)で行われ、残り払出個数カウンタ113iの値の減算はタイマ減算処理(S908)で行われる。
【0161】
よって、払出コマンド設定処理の後は、残り払出個数カウンタ113iの値を確認する(S503)。残り払出個数カウンタ113iの値が0でなければ(S503:No)、その値が0となるまで、S503の各処理を繰り返す。一方、残り払出個数カウンタ113iの値が0となれば(S503:Yes)、すべての遊技球の払い出しは終了したので、かかる場合には、この遊技球払出処理を終了する。遊技球払出処理は、すべての遊技球の払い出しを完了した場合に終了する。
【0162】
図18は、図14の通常処理(S105)の中で実行される特別遊技状態処理のフローチャートである。特別遊技状態処理(S211)は、RBゲームやBBゲームの制御を行うための処理である。特別遊技状態処理では、まず遊技状態がボーナスゲーム中であるか否かを判定し(S601)、ボーナスゲーム中でなければ(S601:No)、図19に示すボーナス図柄判定処理を実行する(S602)。
【0163】
図19は、ボーナス図柄判定処理のフローチャートである。ボーナス図柄判定処理(S602)は、停止図柄に応じて、RBやBBを成立させるための処理である。まず、RB当選フラグ113bがオンされているか否かを判定し(S701)、オンされていれば(S701:Yes)、今回有効ライン上にRB図柄(例えば「BAR」図柄)が揃ったか否かを判定する(S702)。RB図柄が揃っていなければ(S702:No)、このボーナス図柄判定処理を終了する。
【0164】
一方、今回有効ライン上にRB図柄が揃っていれば(S702:Yes)、RBゲーム初期設定処理を実行する(S703)。RBゲーム初期設定処理では、各カウンタやフラグ等の値をRBゲームを開始できる状態に設定する。特に、RB当選フラグ113bをオフし、RB設定フラグ113cをオンし、残JAC成立数カウンタ113fに8をセットし、残JACゲーム数カウンタ113gに12をセットする。S703の処理後は、このボーナス図柄判定処理を終了する。
【0165】
S701の処理において、RB当選フラグがオフされていれば(S701:No)、BB当選フラグ113dがオンされているか否かを判定し(S704)、オンされていなければ(S704:No)、ボーナス図柄判定処理を終了する。S704の処理において、BB当選フラグ113dがオンされていれば(S704:Yes)、今回有効ライン上にBB図柄(例えば図柄「7」)が揃ったか否かを判定する(S705)。今回有効ライン上にBB図柄が揃っていなければ(S705:No)、ボーナス図柄判定処理を終了する。
【0166】
一方、今回有効ライン上にBB図柄が揃っていれば(S705:Yes)、BBゲーム初期設定処理を実行する(S706)。BBゲーム初期設定処理では、各カウンタやフラグ等の値をBBゲームを開始できる状態に設定する。特に、BB当選フラグ113dをオフし、BB設定フラグ113eをオンをする。更に、1回のBBゲームで払い出すことができる総払出予定個数(S615参照)を設定する。S706の処理後は、このボーナス図柄判定処理を終了する。
【0167】
図18に戻って特別遊技状態処理(S211)について説明する。S601の処理において、遊技状態がボーナスゲーム中であれば(S601:Yes)、そのボーナスゲームがJACゲームか否かを判定する(S603)。JACゲームでなければ(S603:No)、BBゲームの小役ゲーム中であるので、JACイン図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定する(S613)。JACイン図柄が有効ライン上に揃っていれば(S613:Yes)、JACインなのでJACゲームを開始するために、BBゲーム中のJACゲーム初期設定処理を実行する(S614)。JACゲーム初期設定処理では、各カウンタやフラグ等の値をJACゲームを開始できる状態に設定する。特に、残JAC成立数カウンタ113fに8をセットし、残JACゲーム数カウンタ113gに12をセットする。
【0168】
S614の処理後、或いは、S613の処理でJACイン図柄が有効ライン上に揃わない場合には(S613:No)、今回のBBゲーム中の遊技球の総払出個数が、1回のBBゲームに許容される総払出予定個数以上となったか否かを判断する(S615)。遊技球の総払出個数が総払出予定個数以上で無ければ(S615:No)、BBゲームを継続したまま、この特別遊技状態処理を終了する。一方、遊技球の総払出個数が総払出予定個数以上であれば(S615:Yes)、BBゲームをこれ以上継続することはできないので、特別遊技状態終了処理を実行して(S612)、この特別遊技状態処理を終了する。特別遊技状態終了処理(S612)では、BB設定フラグ113eやRB設定フラグ113cがオフされると共に、BBゲーム中であればBBゲームの、RBゲーム中であればRBゲームの、各エンディング処理が実行される。
【0169】
S603の処理において、JACゲーム中であると判定された場合には(S603:Yes)、JAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定する(S604)。JAC図柄が有効ライン上に揃っていれば(S604:Yes)、残JAC成立数カウンタ113fの値を1減算する(S605)。S605の処理後、又は、S604の処理においてJAC図柄が有効ライン上に揃わなければ(S604:No)、JACゲームを1つ消化したことになるため、残JACゲーム数カウンタ113gの値を1減算する(S606)。
【0170】
続いて、残JAC成立数カウンタ113fの値を確認し(S607)、その値が0であれば(S607:Yes)、JACゲームの終了なので、処理をS609へ移行する。残JAC成立数カウンタ113fの値が0でなければ(S607:No)、残JACゲーム数カウンタ113gの値を確認し(S608)、その値が0であれば(S608:Yes)、同様に、JACゲームの終了なので、処理をS609へ移行する。
【0171】
S609の処理では、JACゲームの解消処理を行って、JACゲームを終了させる(S609)。このとき、残JAC成立数カウンタ113fおよび残JACゲーム数カウンタ113gの各値は、それぞれ0クリアされる。
【0172】
S609の処理後は、RB設定フラグ113cを確認し(S610)、RB設定フラグ113cがオンされていれば(S610:Yes)、今回の特別遊技はRBゲームであるので、前述した特別遊技状態終了処理を実行して(S612)、この特別遊技状態処理を終了する。
【0173】
一方、RB設定フラグ113cがオフされていれば(S610:No)、今回の特別遊技はBBゲームであるので、今回のBBゲーム中の遊技球の総払出個数が、1回のBBゲームに許容される総払出予定個数以上となったか否かを判断する(S615)。遊技球の総払出個数が総払出予定個数以上で無ければ(S615:No)、BBゲームを継続したまま、この特別遊技状態処理を終了する。一方、遊技球の総払出個数が総払出予定個数以上であれば(S615:Yes)、BBゲームをこれ以上継続することはできないので、特別遊技状態終了処理を実行して(S612)、この特別遊技状態処理を終了する。
【0174】
一方、S608処理で、残JACゲーム数カウンタ113gの値が0でなければ(S608:No)、今回のJACゲームは継続中であるので、RB設定フラグ113cを確認し(S611)、RB設定フラグ113cがオフされていれば(S611:No)、今回の特別遊技はBBゲームであるので、1回のBBゲームに許容される総払出予定個数以上となったか否かを判断する(S615)。遊技球の総払出個数が総払出予定個数以上で無ければ(S615:No)、BBゲームを継続したまま、この特別遊技状態処理を終了する。一方、遊技球の総払出個数が総払出予定個数以上であれば(S615:Yes)、BBゲームをこれ以上継続することはできないので、特別遊技状態終了処理を実行して(S612)、この特別遊技状態処理を終了する。また、S611の処理で確認した結果、RB設定フラグ113cがオンされていれば(S611:Yes)、今回の特別遊技はRBゲームであると共にS608の処理で確認したように今回のJACゲームが継続中であるので、特に処理を行わずに特別遊技状態処理を終了する。
【0175】
図20は、図14の通常処理(S105)の中で実行される遊技球投入処理のフローチャートである。遊技球投入処理(S201)は、通常ゲーム時には15個の、JACゲーム時には5個の遊技球を、前述した上皿36から投入ユニット52を介して、遊技機1内へ投入する(取り込む)ための処理である。
【0176】
遊技球投入処理(S201)では、まず、JACゲーム中であるか否かを判断する(S801)。JACゲーム中でなければ(S801:No)、遊技機1内へ投入された遊技球の数を記憶する投入済個数カウンタ113jの値が15であるかを確認する(S802)。投入済個数カウンタ113jの値が15であれば(S802:Yes)、既に15個の遊技球が投入されており、ゲーム(遊技)を開始するために新たな遊技球の投入は不要なので、かかる場合には、この遊技球投入処理を終了する。一方、投入済個数カウンタ113jの値が15でなければ(S802:No)、処理をS804へ移行する。
【0177】
S801の処理において、JACゲーム中であれば(S801:Yes)、投入済個数カウンタ113jの値が5であるかを確認する(S803)。投入済個数カウンタ113jの値が5であれば(S803:Yes)、既に5個の遊技球が投入されており、ゲーム(遊技)を開始するために新たな遊技球の投入は不要なので、かかる場合には、この遊技球投入処理を終了する。一方、投入済個数カウンタ113jの値が5でなければ(S803:No)、処理をS804へ移行する。
【0178】
S804の処理では、遊技球の投入を指示するベットスイッチ35が押下されたか否かを確認し(S804)、押下されていなければ(S804:No)、この遊技球投入処理を終了する。ベットスイッチ35が押下された場合(S804:Yes)、JACゲーム中でなければ(S805:No)、15−投入済個数カウンタ113jの値を総投入個数カウンタ113kへセットし(S806)、JACゲーム中であれば(S805:Yes)、5−投入済個数カウンタ113jの値を総投入個数カウンタ113kへセットする(S807)。これにより、今回の遊技球投入処理において投入するべき遊技球の総数が、総投入個数カウンタ113kへセットされる。
【0179】
そして、第1条〜第3条投入リトライフラグ113o1〜113o3をそれぞれオンして(S808)、3台の投入装置521a〜521cのすべてについて、投入処理が行われるように初期設定する。なお、投入リトライフラグ113o1〜113o3をはじめ、3台の投入装置521a〜521cにそれぞれ対応して、第1条〜第3条のフラグやカウンタが設けられているが、投入装置521aに第1条が対応し、投入装置521bに第2条が対応し、投入装置521cに第3条が対応する。
【0180】
S809の処理では、いずれかの投入リトライフラグ113o1〜113o3がオンされていれば(S809:Yes)、総投入個数カウンタ113kの値を確認し(S810)、その値が0でなければ(S810:No)、全条の投入リトライフラグ113o1〜113o3がオンされているか否かを確認する(S811)。上述したように、S808の処理で全条の投入リトライフラグ113o1〜113o3がオンされるので、遊技球投入処理が最初に実行される場合には、全条の投入リトライフラグ113o1〜113o3がオンされていると確認され(S811:Yes)、S812のウェイト処理を行わずにS813の投入個数振分処理へ移行する。一方、S811の処理において、いずれかの投入リトライフラグ113o1〜113o3がオフされていれば(S811:No)、後述するが、いずれかの条において遊技球の投入が滞ったこととなるので、遊技球を再振り分ける前に所定時間ウェイトした後に(S812)、S813の投入個数振分処理へ移行する。本実施例では、S812の処理で実行されるウェイト時間は、80msである。このウェイト処理は、投入ゲート部材530a〜530cによって遊技球の投入通路526a〜526cが閉鎖された場合に、入口通路522a〜522c内にある遊技球のばたつきを抑制するために設けられている。
【0181】
ここで、図21を参照して、S813の処理で実行される投入個数振分処理について説明する。図21は、投入個数振分処理を示したフローチャートである。前述した通り、投入ユニット52は3台の投入装置521a〜521cによって構成され、その3台の投入装置521a〜521cにより、それぞれ遊技球の投入が行われる。よって、投入個数振分処理(S813)は、各投入装置521a〜521cで均等に遊技球の投入を行うために、各投入装置521a〜521cがそれぞれ何個ずつ投入するのかの投入予定個数を振り分けるための処理である。
【0182】
投入個数振分処理では、まず、総投入個数カウンタ113kの値をスタックエリアへ退避する(S831)。次に、各投入装置521a〜521cでの投入予定個数を記憶する第1条〜第3条投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値をそれぞれ0クリアし(S832)、更に、投入条ポインタ113nへ3を書き込んで初期化する(S833)。投入条ポインタ113nは、3台の投入装置521a〜521cのうち、遊技機1側に配設される投入装置521c,521b,521aから順に指定するために、3,2,1,3,・・と順に更新される。
【0183】
投入条ポインタ113nの値が示す投入リトライフラグ113o1〜113o3の状態を確認し(S834)、オンであれば(S834:Yes)、その条に対応する投入装置521a〜521cを使用しての遊技球の投入は可能である。よって、かかる場合には、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値を1加算して、1個の遊技球を、当該条に対応する投入装置521a〜521cから投入するように振り分ける。更に、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオンし、最初の遊技球が投入されるまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間)に対応した値180を、当該条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3にセットし、総投入個数カウンタ113kの値を1減算する(S835)。なお、本実施形態では、上皿36内に遊技球がある状態において投入ゲート部材530a〜530cによって遊技球の投入通路526a〜526cが開放され、投入通路526a〜526cを流下する最初の遊技球が正常に投入センサユニット550a〜550cに達するまでの時間が約10msであり、この10msより十分余裕を持った時間として360msが最大の待ち時間(第1所定時間)に設定される。第1所定時間を10msに近い時間に設定すると、遊技球がばたつくことにより、第1所定時間が頻繁に経過して遊技球の再投入(リトライ)の制御が行われるので、投入制御の効率が低下してしまう。そこで、遊技球の流下時に生じるばたつきを考慮して、十分余裕を持った時間を最大の待ち時間に設定している。また、投入遊技球カウンタ113q1〜113q3のカウント値は、S816の投入実行処理が実行される毎に1減算され、その投入実行処理は、上述したように、S821の処理でタイマ割込実行フラグ113sをオフすることから2ms毎に繰り返し実行される。そのため、S835の処理で、投入遊技球カウンタ113q1〜113q3に180をセットしている。
【0184】
また、S835の処理において、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオンすることにより、図20のS818の処理によって、該当する投入装置521a〜521cの投入ソレノイド534a〜534cがオンされ、投入ゲート部材530a〜530cによって遊技球の投入通路526a〜526cが開放され、その投入装置521a〜521cにおいて投入動作が開始される。
【0185】
次に、総投入個数カウンタ113kの値を確認し(S836)、0でなければ(S836:No)、遊技球の振り分けは完了していないので、投入条ポインタ113nの値を更新する(S838,S839,S834)。具体的には、投入条ポインタ113nの値が1でなく、3又は2であれば(S838:No)、投入条ポインタ113nの値を1減算して(S839)、処理をS834へ移行する。一方、投入条ポインタ113nの値が1であれば(S838:Yes)、処理をS833へ移行して、投入条ポインタ113nの値を3に初期化する(S833)。
【0186】
S836の処理において、総投入個数カウンタ113kの値が0であれば(S836:Yes)、S833からS839の各処理を繰り返した結果、投入すべき全ての遊技球の振り分けは完了したことになるので、S831の処理で退避しておいた総投入個数カウンタ113kの値を復帰して(S840)、この投入個数振分処理を終了する。
【0187】
また、S834の処理において、投入条ポインタ113nの値が示す投入リトライフラグ113o1〜113o3がオフであれば(S834:No)、その条に対応する投入装置521a〜521cを使用しての遊技球の投入は不可能である。よって、かかる場合には、その条に対応する投入装置521a〜521cへの遊技球の振り分けを行わないように、S835及びS836の処理をスキップすると共に、その条に対応した各情報や値を初期化して(S837)、処理をS838へ移行する。S837の処理では、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3、投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3や、投入遊技球カウンタ113q1〜113q3などの、遊技球の投入実行処理で使用される情報や値が初期化される。
【0188】
このように、投入すべき遊技球を、3台の投入装置521a〜521cに対して1ずつ振り分けるので、3台の投入装置521a〜521cで投入する遊技球の数をほぼ均等にすることができる。よって、3台の投入装置521a〜521cを同時に使用して投入を開始した場合に、その投入を短時間で終了することができる。投入すべき遊技球を、いずれかの投入装置521a〜521cに数多く振り分けると、その投入装置521a〜521cでの投入に長時間を要し、全体の投入時間が長くなるからである。
【0189】
また、投入すべき遊技球は、3台の投入装置521a〜521cのうち、遊技機1の本体側に配設される投入装置521c,521b,521aほど、その数が多くなるように振り分けられる。図6に示す上皿36の最低位である奥右側領域R3は、領域R1側が高く、遊技機1側が低く傾斜して形成されている。よって、上皿36内の遊技球は、奥右側領域R3の遊技機1側の側面に沿って案内通路371〜373へ案内され易く構成されている。従って、遊技球は、遊技機1の本体側の案内通路371〜373ほど通過し易く構成されるので、投入する遊技球の振り分けを遊技機1の本体側に配設される投入装置521a〜521cほど多くすることで、遊技球の投入をスムースに行うことができるのである。かかる遊技球の振り分け方式は、上皿36内の遊技球が数少なくなった場合にも、遊技球の投入をスムースに行うことができる。遊技球が流入し易い案内通路373に連通する投入装置521cに、多くの数の遊技球を振り分けるからである。
【0190】
図20に戻って説明する。投入個数振分処理(S813)の実行後は、タイマ割込実行フラグ113sの状態を確認する(S814)。タイマ割込実行フラグ113sがオンされていれば(S814:Yes)、投入条ポインタ113nへ3を書き込んでこれを初期化し(S815)、その上で、図22に示す投入実行処理を実行する(S816)。
【0191】
図22は、投入実行処理を示したフローチャートである。投入実行処理(S816)は、投入個数振分処理(S813)によって、各投入装置521a〜521cに対して振り分けられ、その後、各投入装置521a〜521cによって投入が開始された遊技球の個数をカウントすると共に、その投入の終了を管理するための処理である。各投入装置521a〜521cでは、自己の条に対応する投入予定個数カウンタ113m1〜113m3に記憶される個数の遊技球の投入が行われる。
【0192】
投入実行処理では、まず、当該条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値を確認し(S851)、その値が0であれば(S851:Yes)、既に当該条に対応する投入装置521a〜521cによる投入動作は終了しているので、この投入実行処理を終了する。なお、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3は、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値が0になるタイミングでオフされるので(S862参照)、かかる場合には、当該条の投入ソレノイド534a〜534cは、既にオフされている(図20のS819参照)。
【0193】
当該条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値が0でなければ(S851:No)、上皿36に貯留されている遊技球を下皿41へ返却するための返却レバー38の操作中であるか否かを確認する(S852)。返却レバー38の操作は、返却レバー検出スイッチ38aの出力信号によって確認することができる。返却レバー38の操作中でなければ(S852:No)、当該条の投入センサユニット(Wセンサ)550a〜550cの出力に変化があるかを確認し(S853)、変化がなければ(S853:No)、遊技球の投入状態に変化がないので、S854からS861の各処理の実行をスキップして、処理をS871へ移行する。一方、当該条の投入センサユニット550a〜550cの出力に変化があれば(S853:Yes)、その変化位相が正常であるか否かを確認する(S854)。
【0194】
前述した通り、投入センサユニット550a〜550cは、発光素子および受光素子で構成される一対のセンサが、上下2段に2組設けられたものである。S854の処理では、その2組のセンサの出力信号の位相変化によって、遊技球が正常に投入されたものであるか否かを監視している。当該条の投入センサユニット550a〜550cの出力した変化位相が異常であれば(S854:No)、エラー処理を実行して、位相異常のエラー発生を報知する(S855)。S855のエラー処理は無限ループとなっており、該エラーは遊技機1をリセットすることによってのみ解消できる。よって、遊技場の店員等に該エラーの発生を確実に報せることができる。
【0195】
このように、投入センサユニット550a〜550cの出力信号に位相異常が発生した場合には、位相異常のエラーを発生させてエラー処理を無限ループし、遊技の進行をストップする。よって、何らかの不正行為によって位相異常のエラーが発生すると、遊技者は以降の遊技を続行することができないので、不正行為を継続し得ず、故に不正行為の実行を未然に防ぐことができる。
【0196】
S854の処理において、当該条の投入センサユニット550a〜550cの出力した変化位相が正常であれば(S854:Yes)、遊技球の投入は正常なので、かかる場合には、更に、投入された遊技球が当該条の投入センサユニット550a〜550cの通過を完了したか否かを確認する(S856)。通過の完了は、投入センサユニット550a〜550cの上下2段のセンサがいずれも遊技球を検出しなくなった場合に確認することができる。遊技球が当該条の投入センサユニット550a〜550cの通過を完了していれば(S856:Yes)、遊技球の投入を1個検出したものとして、総投入個数カウンタ113kおよび当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値をそれぞれ1ずつ減算し、投入済個数カウンタ113jの値を1加算する(S857)。そして、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値を確認し(S858)、その値が0であれば(S858:Yes)、当該条で投入予定の遊技球が全て投入完了したこととなるので、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオフして(S862)、この投入実行処理を終了する。一方、S858の処理で当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値が0以外であれば(S858:No)、S871の処理へ移行する。
【0197】
S856の処理において、遊技球が当該条の投入センサユニット550a〜550cの通過を完了していなければ(S856:No)、遊技球の通過の開始か否かを確認する(S859)。遊技球の通過の開始は、投入センサユニット550a〜550cの上下2段のセンサがいずれも遊技球を検出しない状態から、上段のセンサのみが遊技球を検出する状態に遷移した場合に確認することができる。遊技球の通過の開始でなければ(S859:No)、処理をS871へ移行する。
【0198】
S859の処理において、遊技球の通過の開始が検出されれば(S859:Yes)、その通過開始された遊技球の次の遊技球の通過開始が検出されるまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間)を設定するために、当該条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値に150をセットする(S860)。その後、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値を確認し(S861)、その値が1でなければ(S861:No)、この投入実行処理を終了する。なお、本実施形態では、上皿36内に遊技球がある状態において1の遊技球の通過開始が確認されてから次の遊技球が正常に通過開始するまでの時間および最後の遊技球が通過開始されてからその最後の遊技球が通過完了するまでの時間が約10msであり、この10msより十分余裕を持った時間として300msが最大の待ち時間(第2所定時間)に設定される。第2所定時間に十分余裕の持った時間を設定するのは、上述したように、遊技球の流下時に生じるばたつきを考慮しているからである。また、S860の処理で、当該条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3に150をセットするのは、上述したように、投入実行処理が2ms毎に繰り返し実行されるからである。なお、上述したように、第1所定時間には360msが設定され(S835)、第2所定時間には300msが設定されている(S860)。これは、遊技球が止まった状態から投入ゲート部材530a〜530cが開放されて動作(流下)開始する場合に対して、遊技球が連続して流下している状態で次の遊技球が通過開始する場合の方が短い時間で遊技球が通過できるからであり、そのため第1所定時間に対して第2所定時間の方が60ms短く設定される。なお、第1所定時間と第2所定時間とを同じ時間に設定するものとしても良い。
【0199】
一方、S861の処理において、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値が1であれば(S861:Yes)、その通過を開始した遊技球は、その投入装置521a〜521cにおいて、投入されるべき最後の1個の遊技球である。よって、かかる場合には、それ以降、遊技球が投入されることを防止するために、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオフする(S862)。これにより、図20のS819の処理によって、該当する投入装置521a〜521cの投入ソレノイド534a〜534cがオフされ、投入ゲート部材530a〜530cによって遊技球の投入通路526a〜526cが閉鎖され、その投入装置521a〜521cにおける投入動作が終了する。
【0200】
S871の処理では、カウンタの減算処理が実行される。このカウンタ減算処理は、投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値から1を減算する処理である。このカウンタ減算処理が実行される毎に、投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値が1減算され、投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値が0となった場合に、設定された時間(タイムアウト時間)が計測されたこととなる。なお、カウンタ減算処理では、投入遊技球カウンタ113q1〜113q3のカウント値が1以上である場合のみ減算処理を行い、カウント値が0である場合にはそれ以上の減算処理を行わないよう構成されている。
【0201】
S871のカウンタ減算処理が終わると、当該条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値を確認し(S872)、その値が0でなければ(S872:No)、今回の投入実行処理を終了する。投入遊技球カウンタ113q1〜113q3は、最初の遊技球の投入開始が検出されるまでのタイムアウト時間(第1所定時間)1の遊技球の投入開始の検出から次の遊技球の投入開始を検出するまでのタイムアウト時間(第2所定時間)、、或いは、第1所定時間または第2所定時間が経過した後にも遊技球の通過を確認するためのタイムアウト時間(第3所定時間)を計時するカウンタである。よって、該タイマ113q1〜113q3の値が0でなければ、未だタイムアウト時間には至っていないので、かかる場合には、今回の投入実行処理を終了する。
【0202】
一方、S872の処理において、当該条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値が0であれば(S872:Yes)、特に、当該条の投入装置521a〜521cにおいて、遊技球の投入間隔が長過ぎて、或いは、最初の遊技球の投入までの時間が長すぎてタイムアウトとなった場合である。そこで、通過開始が検出された遊技球が正確に投入完了したか否かを確認するために、投入センサユニット550a〜550cの通過途中であるか否かを確認し(S873)、通過途中であれば(S873:Yes)、遊技球が何らかの原因で投入センサユニット550a〜550c内に詰まっている(滞留している)。かかる場合には、エラー処理を実行して、遊技球の滞留エラーの発生を報知する(S874)。S874のエラー処理は無限ループとなっており、該エラーは、遊技球の滞留状態を解消した上で、遊技機1をリセットすることによって解消できる。なお、かかる遊技球の滞留エラーを、その滞留状態の解除によって解消するように構成しても良い。以上のように、S872の処理においてタイムアウトが確認された(S872:Yes)直後に、遊技球が正常に通過完了したか否かの確認をしている(S873)ので、設定したタイムアウト時間(360ms又は300ms)に対して誤差が少ない状態で、遊技球が通過完了したか否かを確認することができる。また、タイムアウトが確認された場合は、投入実行処理が終了するタイミングなので、遊技球の投入に伴った処理が行われた後で異常検出を行うことができる。ここで、本実施の形態では、最後の遊技球の通過開始が確認されると(S861:Yes)、その最後の遊技球の通過完了が確認される前に、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオフするので(S862)、投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオフしたら直ぐに、投入予定個数が投入されたと判断して遊技球投入処理(S201)を終了することもできる。しかし、投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオフして遊技球投入処理を終了すると、最後の遊技球が確実に投入完了したか否かを確認することができない。最後の遊技球の投入完了を確認でいないと、投入予定個数の遊技球が未投入であるのに遊技が開始されるのでホールに損失を与えてしまったり、遊技球が通路に詰まってしまった状態で遊技が継続されるなどの問題がある。そこで、投入実行処理が終了するタイミングで、遊技球が通過途中であるか否かを確認することで、遊技球が確実に投入されたことを確認できる。
【0203】
S873の処理で、エラーが検出されなかった場合には(S873:Yes)、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3の状態を確認し(S875)、該フラグ113p1〜113p3がオフであれば(S875:No)、当該投入装置521a〜521cにおける遊技球の投入がすべて終了した場合であるので、投入実行処理を終了する。一方、S875の処理において、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3がオンであれば(S875:Yes)、遊技球の投入間隔が長過ぎてタイムアウトとなった場合である。タイムアウトは、遊技球が投入センサユニット550a〜550c内に詰まっている(滞留している)場合か、遊技球が投入装置521a〜521cを通過しない場合に生じる。かかる場合には、投入するべき遊技球が上皿に36に無いか、上皿36に遊技球があっても、遊技球が上皿36上で詰まる(停留する)などして、該当する投入装置521a〜521cの投入通路526a〜526cへ遊技球が流れない場合である。よって、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3および当該条の投入リトライフラグ113o1〜113o3をそれぞれオフし、さらに当該条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値を50にセットし(S876)、投入実行処理を終了する。
【0204】
S876の処理で、投入遊技球カウンタ113q1〜113q3に50をセットしているのは、投入通路526a〜526cを閉鎖するよう投入ゲート部材530a〜503cが制御されても、投入ゲート部材530a〜530cが開放状態から閉鎖状態へ動作する動作時間があるので、直ぐに投入通路526a〜526cが閉鎖されるわけではない。そこで、投入ゲート部材530a〜530cが動作した後も遊技球の通過を監視するために遊技球カウンタ113q1〜113q3の値に50がセットされる。また、投入ゲート部材530a〜530cが動作すると、その動作に伴って遊技球がスムーズに流下しない場合や、投入ゲート部材530a〜530cが投入通路526a〜526cとの間で遊技球を噛んでしまう場合がある。よって、スムーズに流下しない遊技球の通過などを監視するために100msに対応した50がセットされる。これにより、投入通路526a〜526cを閉鎖するよう投入ゲート部材530a〜530cを早期に動作させつつ、遊技球の投入が正常に行われたか否かの監視も行うことができる。なお、S873の処理がYesであった場合に、遊技球が詰まったことを外部に報知しても良い。外部への報知は、例えば、遊技機1に備えられたランプ6,7の点灯状態により示唆しても良いし、スピーカ8から音声を出力して示唆しても良いし、液晶表示ユニット81の画面に「遊技球無し」の画像を表示して示唆しても良い。外部への報知を行うことで、遊技者は、遊技球がないことを確認できるので、直ぐに遊技球を補充して遊技を開始することができる。さらに、S809の処理がNoの場合は、上皿36に遊技球が無い状態なので、かかる場合にもランプ6,7、スピーカ8や液晶表示ユニット81を用いて「球なし状態」を外部に報知するものとしても良い。
【0205】
また、S876の処理において、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオフすることにより、図20のS819の処理の実行により、該当する投入装置521a〜521cの投入ソレノイド534a〜534cをオフし、投入ゲート部材530a〜530cによって、その投入装置521a〜521cの投入通路526a〜526cを閉鎖する。また、当該条の投入リトライフラグ113o1〜113o3をオフすることによって、図20のS809:Yesの分岐で開始されるリトライ処理(再投入処理(S813〜S820))において、当該投入装置521a〜521cで投入を行わないように設定する。不具合のある投入装置521a〜521cで、再度、投入を試みても(リトライ処理を行っても)、結局、遊技球の投入を完了できないからである。なお、当該条の投入リトライフラグ113o1〜113o3がオフされるので、図20のS811の処理でNoの判定となり、必ずウェイト時間が確保される。
【0206】
S852の処理において、返却レバー38の操作中であれば(S852:Yes)、直ちに、すべての投入ソレノイド534a〜534cをオフして(S881)、すべての投入装置521a〜521cの投入通路526a〜526cを閉鎖する。返却レバー38の操作によって、排出ゲート部材540がスライドして、その開口部542a〜542cが入口通路522a〜522cと連通し、すべての排出通路527a〜527cが開放される。よって、上皿36上の遊技球は、各排出通路527a〜527cを介して、下皿41へ排出される。
【0207】
次の動作への以降時間を少なくとも370ms確保するために、投入禁止タイマ113rに370msをセットする(S882)。再度、返却レバー38の操作があるか確認し(S883)、返却レバー38の操作があれば(S883:Yes)、処理をS882へ移行して、投入禁止タイマ113rへ370msを再セットする。一方、返却レバー38の操作がなければ(S883:No)、投入禁止タイマ113rの値を確認する(S884)。投入禁止タイマ113rの値が0でなければ(S884:No)、次の動作を実行できないので、処理をS883へ移行して、返却レバー38の操作の有無を確認する。
【0208】
投入禁止タイマ113rの値が0になれば(S884:Yes)、この投入実行処理(S815)を含め、遊技球投入処理(S201)を一旦終了するために、全条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値を0クリアし、全条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオフし、総投入個数カウンタ113kの値を0クリアし、投入条ポインタ113nの値を1とし、全条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3をオフして(S885)、その後、投入球の払出処理を実行した後に(S886)、投入実行処理を終了する。投入球の払出処理は、既に投入済みの遊技球がある場合に、その投入済みの遊技球を上皿36又は下皿41に払い出す処理である。即ち、投入球の払出処理は、投入済個数カウンタ113jの値を確認し、投入済個数カウンタ113jの値が0より大きい場合に、その投入済個数カウンタ113jの値に対応した数分の遊技球を払い出す。また、S885の処理は、遊技球投入処理を初期状態にする処理であり、特に全条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3をオフすることにより、図20のS820の処理で即座にYesと判別されるので、投入実行処理を早期に終了することができる。また、全条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値が0となり(S820:Yes)、S810の処理で総投入個数カウンタ113kが0となるので(S810:Yes)、遊技球投入処理(S201)が終了する。
【0209】
図20に戻って説明する。投入実行処理(S816)の終了後は、投入条ポインタ113nの値を確認し(S817)、その値が1でなければ(S817:No)、投入条ポインタ113nの値を1減算して(S818)、処理をS816へ移行し、再度、投入実行処理を行う。投入実行処理は投入条ポインタ113nの値を3にして開始されるので(S815参照)、これにより、投入実行処理は、投入条ポインタ113nの値を3,2,1としてそれぞれ実行される。故に、3台の投入装置521a〜521cに対して、521c,521b,521aの順に投入実行処理がそれぞれ実行される。
【0210】
投入条ポインタ113nの値が1であれば(S817:Yes)、全条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3の状態に応じて、投入ソレノイド534a〜534cをオン又はオフする(S819)。前述した通り、投入ソレノイド534a〜534cがオンされると、そのオンされた投入装置521a〜521cによって遊技球の投入が開始され、逆に、投入ソレノイド534a〜534cがオフされると、そのオフされた投入装置521a〜521cにおいて遊技球の投入動作が終了する。
【0211】
このようにS819の処理により、全条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3の状態に応じて、各投入装置521a〜521cの状態が同時に変化するので、各投入装置521a〜521cにおいて、遊技球の投入動作を同時に開始することができる。各投入装置521a〜521cにおいて、遊技球の投入動作を同時に開始することにより、投入動作を別々に開始する場合に比べて、投入動作の総所要時間を短時間にできる。よって、投入動作を短時間で終了させて、遊技をスムースに進行させることができる。
【0212】
全条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値を確認し(S820)、その値がすべて0でなければ(S820:No)、投入された遊技球の数は本来の予定個数に達していない。よって、かかる場合には、タイマ割込実行フラグ113sをオフし(S821)、その後、処理をS814へ移行して、前述したS814〜S819の各処理を繰り返す。なお、S814の処理では、タイマ割込実行フラグ113sがオンされるまで(S814:No)、以降の処理の実行を待機する。これは、同一の条について(投入条ポインタ113nの値を同一にして)、投入実行処理を連続して行うと、1個の遊技球の投入を、2個以上の投入として誤って検出することがあるからである。
【0213】
全条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値が0であれば(S820:Yes)、予定された個数の遊技球の投入は終了したか、リトライ処理(S813〜S820)への移行であるので、処理をS809へ移行する。S809の処理では、全ての投入リトライフラグ113o1〜113o3がオフであれば(S809:No)、いずれの投入装置521a〜521cによっても、遊技球の投入動作を行うことはできないので、かかる場合には、この遊技球投入処理を終了する。
【0214】
いずれかの投入リトライフラグ113o1〜113o3がオンであれば(S809:Yes)、総投入個数カウンタ113kの値を確認し(S810)、その値が0であれば(S810:Yes)、投入すべき個数の遊技球はすべて投入されたので、かかる場合には、この遊技球投入処理を終了する。
【0215】
なお、総投入個数カウンタ113kの値が0でなければ(S810:No)、遊技球の投入を再度行う必要がある(リトライ処理をする必要がある)。よって、かかる場合には、少なくとも1の条に対応した投入リトライフラグ113o1〜113o3が0となるので(S811:No)、リトライ処理を実行する前に、ウェイト(本実施の形態では80ms)処理を行い(S812)、その後、リトライ処理(S813〜S820)を実行する。
【0216】
図23は、主制御装置110で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置110のMPU111により、例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
【0217】
先ず、S901に示すレジスタ退避処理では、MPU111内の全レジスタの値をRAM113のスタックエリアに退避する(S901)。その後、停電フラグ113hがオンされているか否かを確認し(S902)、停電フラグ113hがオンされていれば(S902:Yes)、停電時処理を実行する(S920)。停電時処理については、図24を参照して後述する。停電時処理の実行後は、処理をS903へ移行する。また、S902の処理において、停電フラグ113hがオフされている場合には(S902:No)、処理をS903へ移行する。
【0218】
S903では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う(S903)。S904では、MPU111自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を行う(S904)。S905では、各リール82L,82M,82Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ91L〜91Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う(S905)。S906では、入出力ポート114に接続された各種スイッチ(図11参照)の状態を監視するスイッチ読込み処理を行う(S906)。S907では、入出力ポート114に接続された各種センサ(図11参照)の状態を監視するセンサ監視処理を行う(S907)。S908では、各カウンタ(投入遊技球カウンタ113q1〜113q3を除く)やタイマの値を減算するタイマ減算処理を行う(S908)。S909では、遊技球のベット数や、払い出し個数をカウントした結果を外部端子板134へ出力するカウンタ処理を行う(S909)。
【0219】
S910では、表示制御装置310へコマンドなどを送信するコマンド出力処理を行う(S910)。S911では、獲得球数表示器11およびゲーム数表示器12にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う(S911)。S912では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示器11,12へ出力して該当する数字や記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う(S912)。S913では、入出力ポート114からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う(S913)。払出制御装置210へのコマンドは、このポート出力処理によって出力される。S914では、タイマ割込実行フラグ113sをオンする(S914)。S915では、先のS901にてスタックエリアに退避した各レジスタの値を、それぞれMPU111内の対応するレジスタに復帰させる(S915)。S916では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う(S916)。これらの処理により、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
【0220】
図24は、停電時処理(S920)を示したフローチャートである。この停電時処理は、タイマ割込処理のうち、特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んで、この停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がない。これにより停電時処理の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を低減できる。なお、これは、前述した復電処理(図13のS110〜S117)の処理プログラムの簡略化をも可能にしている。
【0221】
停電時処理(S920)では、まず、コマンド送信が終了しているか否かを判定する(S931)。送信が終了していなければ(S931:No)、停電時処理(S920)を終了して、図23のタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理(S920)を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果、停電時処理プログラムを簡略化してプログラム容量を低減できる。
【0222】
S931の処理において、コマンドの送信が完了している場合には(S931:Yes)、MPU111のスタックポインタの値をRAM113内に保存する(S932)。その後、停止処理として、RAM判定値をクリアすると共に入出力ポート114における出力ポートの出力状態をクリアし、全てのアクチュエータをオフ状態にする(S933)。更に、RAM判定値を算出し、RAM113内に保存する(S934)。RAM判定値とは、具体的にはRAM113のチェックサムの2の補数である。RAM判定値を保存することにより、RAM113のチェックサムは0となる。RAM113のチェックサムを0とした後、それ以後のRAM113のアクセスを禁止する(S935)。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0223】
なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグ113hが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号124aが出力されているか否かを確認し、停電信号124aが未出力となっていれば、停電状態から復旧したこととなるため、RAM113への書き込みを許可すると共に停電フラグ113hをオフして、図23のタイマ割込み処理に復帰するように構成しても良い。この場合、停電信号124aの出力が継続していれば、そのまま無限ループに入る。
【0224】
図25は、NMI割込処理を示したフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置120の停電監視回路124から主制御装置110に対して停電信号124aが出力される。停電信号124aは、主制御装置110のMPU11のNMI端子に入力されるので、MPU11が停電信号124aを入力すると、即座に、このNMI割込処理が実行される。
【0225】
NMI割込処理では、MPU111の各レジスタをスタックエリアへ退避し(S1001)、停電フラグ113hをオンする(S1002)。退避した各レジスタを復帰して(S1003)、このNMI割込処理を終了する。なお、レジスタの退避及び復帰処理(S1001,S1003)は、停電フラグ113hのオンに使用されるレジスタについてのみ行われるので、NMI割込処理を短時間で終了することができる。
【0226】
また、電源装置120の電源部121は、図25のNMI割込み処理及び図24の停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力を保持できるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続ける。
【0227】
以上、説明したように、本実施例の形態の遊技球使用回胴遊技機1は、3台の投入装置521a〜521cを備え、その3台の投入装置521a〜521cにほぼ均等に遊技球を振り分けることができる。よって、遊技球の投入を3台(複数)の投入装置521a〜521cで同時に行うことができるので、遊技球の投入を早期に終わらせることができる。従って、ベットスイッチ35の操作に連続してスタートレバー31を操作して、遊技を開始することができるので、遊技の進行をスムースに行うことができる。
【0228】
また、投入装置521a〜521cに振り分けられたそれぞれの遊技球のうち、最後の遊技球の投入開始が投入センサユニット550a〜550cにより検出されると、投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3がオフされて(S862)、投入ゲート部材530a〜503cによって投入通路526a〜526cが閉鎖されるので、それ以降に遊技球が通過することを確実に防止することができる。
【0229】
また、投入センサユニット550a〜550cにより遊技球の通過が確認されると、その遊技球が通過完了するのに十分余裕を持ったタイムアウト時間が投入遊技球カウンタ113q1〜113q3にセットされ(S860)、その投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の値が0となった場合(投入実行処理が終了するタイミング)に(S872:Yes)、遊技球が正常に投入完了されたか否かを確認しているので、繰り返し実行される投入実行処理(S816)の1サイクルの処理内で異常発生を確認できる。よって、時間的誤差が少ない状態で異常発生を確認できる。
【0230】
次に、図26から図30を参照して、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態は、遊技球の投入のタイムアウトを計測するために投入遊技球カウンタ113q1〜113q3を備え、投入実行処理が1回実行される毎に1のカウントを減算するよう構成されている。これに対して、第2の実施の形態では、投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3を備え、タイマ割込処理が実行される毎に2msに対応した値が減算されるよう構成されている。なお、第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0231】
図26は、第2の実施の形態の主制御装置1110のRAM1113に設けられた各メモリの説明図である。第2の実施の形態のRAM1113には、第1の実施の形態のRAM113の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3の変わりに投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3が備えられている。投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3は、最初の遊技球が通過するまでのタイムアウト時間、又は、投入センサユニット550a〜550cにより通過開始が検出された遊技球が通過完了するまでのタイムアウト時間が設定されるタイマであり、図30のタイマ割込処理内のタイマ減算処理が実行される毎に2msに対応した値が減算される(S908)。例えば、投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3は、タイムアウト時間が設定されると180の値が記憶され、タイマ減算処理が実行される毎に、その値が1づつ減算される。
【0232】
さらに、RAM1113には、投入時間経過フラグ1113tと、投入時間経過時フラグ1113uとが備えられている。投入時間経過時フラグ1113uは、投入遊技球タイマ1113qに設定されたタイムアウト時間が経過した場合にオンされるフラグであり、タイマ割込処理内でタイマ減算処理が実行されて投入遊技球タイマ1113qの値が0となった場合にオンされると共に、新たに投入遊技球タイマ1113qにタイムアウト時間が設定された場合にオフされる。投入時間経過フラグ1113tは、投入時間経過時フラグ1113uがオンであることが確認されると(図29のS1006:Yes)、オンされるフラグであり、新たに投入遊技球タイマ1113qにタイムアウト時間が設定された場合にオフされる。また、投入時間経過フラグ1113tがオンされると、投入実行処理がスキップされる(図29のS1003:Yes)。なお、3台の投入装置521a〜521cにそれぞれ対応して、第1条〜第3条の投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3及び投入時間経過時フラグ1113u1〜1113u3が設けられている。
【0233】
次に、図27〜図30を参照して、遊技球投入処理について説明する。図27は、第2の実施の形態の主制御装置1110のMPU1111で実行される遊技球投入処理を示したフローチャートである。第2の実施の形態は、第1条〜第3において遊技球の投入処理を繰り返し実行するために、S1001の処理で、投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3の全てがオンされているか否かを確認している。即ち、遊技球の投入処理(S815〜S819)が終わると、全条の投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3がオンされているか否かが確認され(S1001)、いずれかの投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3がオフされていれば(S1001:No)、遊技球の投入処理を再度実行するためにS821の処理へ移行し、全ての投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3がオンされていれば(S1001:Yes)、遊技球投入処理を終了するかリトライ処理を実行するためにS809の処理へ移行する。
【0234】
図28は、第2の実施の形態の主制御装置1110のMPU1111で実行される投入個数振分処理を示したフローチャートである。第2の実施の形態の投入個数振分処理は、投入リトライフラグ113o1〜113o3がオンであると(S834:Yes)、第1の実施の形態と同様に、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値に1を加算し、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオンし、総投入個数カウンタ113kの値から1を減算し、その他に、当該条の投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3に360msをセットし、当該条の投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3と投入時間経過時フラグ1113u1〜1113u3をオフする(S1002)。
【0235】
図29は、第2の実施の形態の主制御装置1110のMPU1111で実行される投入実行処理を示したフローチャートである。第2の実施の形態の投入実行処理が開始されると、当該条の投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3がオンされているか否かが確認され(S1003)、当該条の投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3がオンされていれば、投入遊技球タイマがタイムアウトしているので、投入実行処理を終了する。一方、当該条の投入時間経過フラグがオフであれば(S1003:No)、S852の処理へ移行し、投入実行処理を続ける。
【0236】
また、投入センサユニット550a〜550cにより遊技球の通過開始が確認されると(S859:Yes)、当該条の投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3に300msがセットされ(S1004)、その後、投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3に新たなタイムアウト時間が設定されたので、当該条の投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3及び当該条の投入時間経過時フラグ1113u1〜1113u3をオフし(S1005)、S861の処理へ移行する。
【0237】
また、当該条の投入センタユニット550a〜550cの出力に変化がなかったり(S853:No)、当該条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3の値が0でなかったり(S858:No)、投入センサユニット550a〜550cにより遊技球の通過開始が確認されない場合には(S859:No)、当該条の投入時間経過時フラグ1113u1〜1113u3がオンされているか否かが確認される(S1006)。当該条の投入時間経過時フラグ1113u1〜1113u3がオフであれば(S1006:No)、この投入実行処理を終了し、当該条の投入時間経過時フラグ1113u1〜1113u3がオンであれば(S1006:Yes)、タイムアウトとなるので、それ以降、投入実行処理が実行されることを防止するために、当該条の投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3をオンして(S1007)、S874の処理へ移行する。
【0238】
また、S876の処理で、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3がオンされていれば(S876:Yes)、第1実施例と同様に、当該条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオフすると共に当該条の投入リトライフラグ113o1〜113o3をオフし、当該条の投入遊技球カウンタ113q1〜113q3に50をセットする代りに、当該条の投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3の値に100msを設定する。さらに、投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3に新たなタイムアウト時間が設定されたので、当該条の投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3及び当該条の投入時間経過時フラグ1113u1〜1113u3をオフし(S1008)、投入実行処理を終了する。
【0239】
また、返却レバー操作され(S852:Yes)、投入禁止タイマ113rの値が0となると(S884:Yes)、全条の投入予定個数カウンタ113m1〜113m3、総投入個数カウンタ113k及び全条の投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3の値を0に設定し、全条の投入ソレノイド作動フラグ113p1〜113p3をオフし、投入条ポインタ113nの値を1に設定し、全条の投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3をオンする(S1009)。S1009の処理で、全条の投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3をオンしているので、遊技球投入処理(図27参照)に戻りS1001の処理が実行されると、直ぐに全条の投入時間経過フラグ1113t1〜1113t3がオンであることが確認され(S1001:Yes)、S809の処理へ移行する。その後、総投入個数カウンタ113kの値が0なので(S810:Yes)、遊技球投入処理を早期に終了することができる。
【0240】
図30は、第2の実施の形態の主制御装置1110のMPU1111で実行されるタイマ割込処理を示したフローチャートである。第2の実施の形態のタイマ割込処理が実行され、タイマ減算処理が実行されると(S908)、そのタイマ減算処理において、投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3の値が減算される。その後、各条の投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3の値が0であるか否かが確認され(S1010)、投入遊技球タイマ1113qの値が0でなければ(S1010:No)、特に処理を行わずにS909の処理へ移行し、投入遊技球タイマ1113qの値が0であれば(S1010:Yes)、タイムアウトとなるので、その投入遊技球タイマ1113qの値が0となった条の投入時間経過時フラグ1113uをオンして(S1011)、S909の処理へ移行する。
【0241】
以上、説明したように、第2の実施の形態の遊技球使用回動遊技機1では、投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3を、タイマ割込処理が実行される毎に2ms毎減算しているので、正確な時間を計測することができる。また、タイムアウトしたタイミングで、投入時間経過時フラグ1113u1〜1113u3をオンして、その投入時間経過時フラグ1113u1〜1113u3がオンの場合に(S1006:Yes)、投入センサユニット550a〜550cによる遊技球の通過異常を検出しているので、タイムアウトした正確なタイミングで異常検出を行うことができる。
【0242】
以上、各実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0243】
例えば、上記実施の形態では、S813の処理において遊技球の振り分けを、投入リトライフラグ113o1〜113o3がオンしている条について、遊技球の総投入個数を1条づつ順番に振り分けたが、そのS813の処理に代えて、総投入個数を投入リトライフラグ113o1〜113o1がオンしている条の数で割った結果に基づいて、各条に遊技球(遊技媒体)を振り分けても良い。この構成の場合、総投入個数を条数で割り切れない場合には、余った遊技球の個数をいずれかの条へ振り分けても良い。
【0244】
また、上記実施の形態では、投入遊技球カウンタ113q1〜113q3及び投入遊技球タイマ1113q1〜1113q3の値を、減算することでタイムアウト時間を計測するものとしたが、初期値から所定値を加算し、投入遊技球カウンタ及び投入遊技球タイマが所定の値に達した場合に、タイムアウト時間が計測されたものとしても良い。
【0245】
また、上記実施の形態では、投入センサユニット550a〜550cをWセンサにして、遊技球の投入開始と投入完了とを検出(判断)できるよう構成したが、1の投入センサによって投入開始と投入完了とを検出するよう構成しても良い。この構成の場合、投入センサが遊技媒体を検出して信号が立ち上がった場合を投入開始とし、遊技媒体が通過して信号が立ち下がった場合を投入完了とする。
【0246】
また、本発明は、上皿36内の遊技球を、3台又は複数台の投入装置521a〜521cにほぼ均等に振り分けて投入する場合のみならず、遊技の結果としての賞球やカードユニット20を介して貸し出される貸し球の払い出しに適用することも可能である。その場合には、貯留タンクに貯留される遊技球が4条又は複数条の払出通路からほぼ均等に払い出されるように、振り分けるのである。即ち、本発明は遊技球の投入動作のみならず、払出動作にも適用することができるのである。
【0247】
以下に、本発明の遊技機および変形例を示す。請求項1から6のいずれかに記載の遊技機において、前記振分手段は、前記複数の通路を通過させる遊技媒体の総数を各通路に対して1ずつ振り分ける第1分配手段と、その第1分配手段により各通路に対して振り分けられた遊技媒体の通過予定数を各通路毎にそれぞれ記憶する通過予定数記憶手段とを備え、前記ゲート制御手段は、前記通過予定数記憶手段に記憶される通過予定数が1以上である通路について、前記ゲート手段を制御してその通路の遊技媒体の通過を許容する一方、その通路を前記通過予定数記憶手段に記憶される通過予定数の遊技媒体が通過する場合に、前記ゲート手段を制御してその通路の遊技媒体の通過を禁止するものであることを特徴とする遊技機1。
【0248】
遊技機1によれば、複数の通路を通過させる遊技媒体の総数を、第1分配手段により各通路に対して1ずつ振り分け、これを通過予定数記憶手段に記憶させる。そして、通過予定数記憶手段に記憶された通過予定数に応じて、ゲート制御手段によって、ゲート手段を通路毎に制御して、遊技媒体の通過を許容又は禁止する。よって、かかる制御によれば、複数の遊技媒体を複数の通路にほぼ均等に振り分けて通過させることができる。
【0249】
請求項1から6のいずれかに記載の遊技機において、前記振分手段は、前記複数の通路を通過させる遊技媒体の総数を、その総数と通路数との割合に基づいてほぼ均等に振り分ける第2分配手段と、その第2分配手段により各通路に対して振り分けられた遊技媒体の通過予定数を各通路毎にそれぞれ記憶する通過予定数記憶手段とを備え、前記ゲート制御手段は、前記通過予定数記憶手段の内容が1以上である通路について、前記ゲート手段を制御してその通路の遊技媒体の通過を許容する一方、その通路を前記通過予定数記憶手段に記憶される数の遊技媒体が通過する場合に、前記ゲート手段を制御してその通路の遊技媒体の通過を禁止するものであることを特徴とする遊技機2。
【0250】
遊技機2によれば、複数の通路を通過させる遊技媒体の総数を、第2分配手段によって、その総数と通路数との割合に基づいて各通路毎にほぼ均等に振り分け、これを通過予定数記憶手段に記憶させる。よって、総数が通路数で割り切れる場合には、総数の各通路への振り分けを1回の処理で行えるので、投入制御手段の制御負担を軽減することができる。また、通過予定数記憶手段に記憶された通過予定数に応じて、ゲート制御手段によって、ゲート手段を通路毎に制御して、遊技媒体の通過を許容又は禁止する。よって、かかる制御によれば、複数の遊技媒体を複数の通路にほぼ均等に振り分けて通過させることができる。ここで、遊技機3記載の第2分配手段において、遊技媒体の総数と通路数との割合に基づいてとは、遊技媒体の総数を通路数で除算した結果に基づいて、遊技媒体を各通路毎に振り分けるものとしても良い。
【0251】
請求項1から6のいずれかに記載の遊技機、遊技機1又は2において、前記ゲート制御手段は、前記ゲート手段の状態を、遊技媒体の通過を禁止した状態からその通過を許容する状態に遷移させる場合には、前記複数の通路に対応してそれぞれ設けられたゲート手段を同時に作動させるものであることを特徴とする遊技機3。遊技機3によれば、複数の通路に対応してそれぞれ設けられたゲート手段を同時に作動させて、遊技媒体による通路の通過を許容するので、各通路での遊技媒体の投入を同時に開始することができる。よって、遊技媒体の投入を迅速に行うことができる。
【0252】
請求項1から6のいずれかに記載の遊技機又は遊技機1から3のいずれかにおいて、前記貯留手段の前記複数の通路との連結部分は、遊技機の本体側ほど遊技媒体が流入し易くなるように、遊技機の本体側の通路ほど低く傾斜して形成されており、前記振分手段は、前記複数の通路に対して同一数の遊技媒体を振り分けられない場合には、前記遊技機の本体側に設けられた通路ほど多くの数の遊技媒体を振り分けるものであることを特徴とする遊技機4。
【0253】
遊技機4によれば、各通路に振り分ける遊技媒体の数に端数が生じ、遊技媒体を各通路に均等に振り分けられない場合には、遊技機の本体側に設けられた通路ほど多くの数の遊技媒体が振り分けられる。各通路は、遊技機の本体側ほど遊技媒体が流入し易くなるように、本体側の通路ほど低く傾斜して形成されているので、貯留手段に貯留される遊技媒体が数少なくなった場合、遊技媒体が流入し易い通路に多くの数の遊技媒体を振り分けることができる。よって、遊技媒体の投入をスムースに行うことができる。
【0254】
請求項1から6のいずれかに記載の遊技機又は遊技機1から4のいずれかにおいて、前記貯留手段の前記複数の通路との連結部分は、前記複数の通路のうちの1の通路に対して優先的に遊技媒体が流入するように、その1の通路が他の通路より低く位置するように傾斜して形成されており、前記振分手段は、前記複数の通路に対して同一数の遊技媒体を振り分けられない場合には、前記1の通路に対して他の通路よりも多くの数の遊技媒体を振り分けるものであることを特徴とする遊技機5。
【0255】
遊技機5によれば、各通路に振り分ける遊技媒体の数に端数が生じ、遊技媒体を各通路に均等に振り分けられない場合には、複数の通路のうち優先的に遊技媒体が流入するように形成された1の通路に対して、より多くの遊技媒体が振り分けられる。よって、貯留手段に貯留される遊技媒体が数少なくなった場合、遊技媒体が最も流入し易い通路に多くの数の遊技媒体を振り分けることができるので、遊技媒体の投入をスムースに行うことができる。
【0256】
ここで、本実施の形態において、請求項1記載の遊技機の振分手段としては図21のS813の処理が該当し、請求項1記載の遊技機の検出判断手段としては図22のS856の処理とS859の処理とが該当し、請求項1記載の遊技機のゲート制御手段としては図21のS835の投入ソレノイド作動フラグをオンする処理と図22のS862の投入ソレノイド作動フラグをオフする処理が該当し、請求項5記載の加減算手段は図22のS871の処理が該当し、請求項5記載の時間判断手段としては図22のS872の処理が該当し、請求項6記載の加減算手段としては図30のS908の処理が該当し、請求項6記載の時間判断手段としては図30のS1009の処理が該当する。
【符号の説明】
【0257】
1 遊技球使用回胴遊技機(遊技機)
35 ベットスイッチ(投入操作手段)
36 上皿(貯留手段)
52 投入ユニット
113m1〜113m3 予定個数カウンタ(通過予定数記憶手段)
113q1〜113q3 投入遊技球カウンタ(計測手段の一部、時間記憶手段)
371〜373 案内通路(通路の一部)
521a〜521c 投入装置
522a〜522c 入口通路(通路の一部)
526a〜526c 投入通路(通路の一部)
527a〜527c 排出通路(通路の一部)
530a〜530c 投入ゲート部材(ゲート手段)
534a〜534c 投入ソレノイド
550a〜550c 投入センサユニット(検出手段)
1113q1〜1113q3 投入遊技球タイマ(計測手段の一部、時間記憶手段)
1113u1〜1113u3 投入時間経過時フラグ(計測手段の一部、時間経過記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技媒体を貯留する貯留手段と、その貯留手段に連通され前記遊技媒体が流入する複数の通路と、前記貯留手段に貯留される遊技媒体を遊技機内へ投入するために操作される投入操作手段と、その投入操作手段が操作されることにより投入される所定数の遊技媒体を、前記複数の通路へそれぞれ投入する制御を行う投入制御手段とを備えた遊技機において、
前記複数の通路にそれぞれ設けられ、その通路を前記遊技媒体が通過することを許容又は禁止するゲート手段と、
前記通路を遊技媒体が通過する通過方向において前記ゲート手段の下流側に設けられ、前記複数の通路を通過する遊技媒体をそれぞれ検出可能な検出手段とを備え、
前記投入制御手段は、
前記投入操作手段が操作されることにより投入される所定数の遊技媒体を、前記通路毎にほぼ同数ずつ振り分ける振分手段と、
その振分手段により前記通路に振り分けられた遊技媒体の通過開始および通過完了を、前記検出手段の検出結果に基づいて判断する検出判断手段と、
前記投入操作手段が操作されて前記通路への遊技媒体の投入が開始される場合に、その通路への遊技媒体の通過を許容するよう前記ゲート手段を制御すると共に、前記振分手段により前記通路に振り分けられた最後の遊技媒体が前記検出判断手段により通過開始と判断されると、その最後の遊技媒体が前記検出判断手段により通過完了と判断される前に、その最後の遊技媒体が通過開始した通路への遊技媒体の通過を禁止するよう前記ゲート手段を制御するゲート制御手段とを備え、
前記最後の遊技媒体が前記検出判断手段により通過開始と判断され、前記遊技媒体の通過を禁止するよう前記ゲート手段が前記ゲート制御手段によって制御された後に、前記最後の遊技媒体が前記検出判断手段により通過完了と判断されると第1処理へ移行すると共に、前記最後の遊技媒体が前記検出判断手段により通過完了と判断されないと前記第1処理とは異なる第2処理へ移行することを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−115646(P2011−115646A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60574(P2011−60574)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【分割の表示】特願2006−120193(P2006−120193)の分割
【原出願日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】