遊技機
【課題】コストの増加を防止して、可動物の最適な演出動作を実現することができる遊技機を提供する。
【解決手段】所定の動作を行う可動物48、50、300と、可動物48、50、300を駆動する駆動部と、駆動部の駆動を制御する制御部220と、駆動部の異なる複数の駆動方式を記憶する記憶部224と、を有する遊技機であって、駆動部は、モータ90、78、306であり、駆動方式は、モータ90、78、306の異なる複数の励磁データであり、制御部220は、記憶部224に記憶された励磁データに基づいてモータ90、78、306の駆動を制御する。
【解決手段】所定の動作を行う可動物48、50、300と、可動物48、50、300を駆動する駆動部と、駆動部の駆動を制御する制御部220と、駆動部の異なる複数の駆動方式を記憶する記憶部224と、を有する遊技機であって、駆動部は、モータ90、78、306であり、駆動方式は、モータ90、78、306の異なる複数の励磁データであり、制御部220は、記憶部224に記憶された励磁データに基づいてモータ90、78、306の駆動を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機は、一般に、可動物を駆動するための駆動源に、ステッピングモータを用いている。
【0003】
ステッピングモータは、その駆動回路の信号入力端子にパルス信号を与えることにより所定のステップ角だけ回転する。したがって、パルス信号を連続的に与えたときのモータの速度は、パルス周波数に比例する。すなわち、パルス周波数を早くすれば、モータが高速で回転し、パルス周波数を遅くすれば、モータが低速で回転する。このように、パルス信号を制御することによりステッピングモータの回転速度を自在に調整することができ、かつ特殊なフィードバック機構がなくても高度な位置決め制御を発揮することができるため、ステッピングモータが遊技機の可動物などの駆動源としても多く用いられている。
【0004】
ここで、一般的に、ステッピングモータの駆動方式は、2−2相励磁方式となる。これは、2−2相励磁方式は、モータを2相ずつ励磁する方式であり、常に2つの励磁コイルに電流を流すため、その分トルクが大きくなり、ダンピング効果にも優れている(回転時の振動が少ない)などの理由からである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−73474号公報
【特許文献2】特開2000−118002号公報
【特許文献3】特開平11−18492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技機のステッピングモータの駆動方式を2−2相励磁方式で固定すると、大きなトルクを得ることができるが、同時に電流値が大きくなり、また発熱量が増大する問題がある。このため、電力消費量が増大するばかりか、発熱量の増大に伴って電子機器などのトラブル増加や製品寿命の低下を招くおそれがある。この結果、発熱量対策などのコストが増加することになる。
【0007】
また、2−2相励磁方式を遊技機に採用すると、遊技機の可動物の演出動作を細かく制御することが困難になる。例えば、遊技機には複数の可動物があり、遊技状態に応じて、比較的大型の可動物に大胆な演出動作を要求する場合と、比較的小型の可動物に滑らかな演出動作を要求する場合と、があるが、2−2相励磁方式などの励磁方式を固定すると、可動物が所望の演出動作を実現することができなくなる。すなわち、全ての可動物が画一的な演出動作を実行するだけであり、可動物に対応させた最適な演出動作が困難になるため、極めて遊技性に欠けるものとなる。
【0008】
そこで、上記問題点に鑑み、コストの増加を防止して、可動物の最適な演出動作を実現することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、所定の動作を行う可動物と、前記可動物を駆動する駆動部と、前記駆動部の駆動を制御する制御部と、前記駆動部の異なる複数の駆動方式を記憶する記憶部と、を有する遊技機であって、前記駆動部は、モータであり、前記駆動方式は、前記モータの異なる複数の励磁データであり、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、所定の動作を行う可動物と、可動物を駆動する駆動部と、駆動部の駆動を制御する制御部と、駆動部の異なる複数の駆動方式を記憶する記憶部と、を有する遊技機において、駆動部がモータ(例えば、ステッピングモータ)であり、駆動方式がモータの異なる複数の励磁データであり、制御部が記憶部に記憶された励磁データに基づいてモータの駆動を制御する。これにより、駆動部の駆動制御にバリエーションを持たせることができるため、コストの増加を防止して、可動物の最適な演出動作を実現することができる。
【0011】
なお、可動物の最適な演出動作には、一の可動物が複数の駆動方式によって動作する場合、可動物毎に対応させた駆動方式において可動物を動作させる場合の両方が含まれる。
【0012】
特に、前記可動物は、複数設けられ、前記駆動方式は、前記可動物に対応させて区分けされた複数の駆動方式であり、前記駆動方式選択部は、前記可動物に対応した前記駆動方式を選択することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、可動物が複数設けられており、各可動物に対応させて区分けされた複数の駆動方式が記憶部に記憶されている。そして、制御部により可動物に対応した駆動方式が選択され、可動物に対応した駆動方式に基づいて可動物の演出動作が実行される。これにより、簡易な方法で、可動物に対応した駆動方式を選択することができ、可動物の最適な演出動作を実現できる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記励磁データは、前記モータの1−2相励磁方式に関する励磁データの他に、1相励磁方式(1−1相励磁方式)の励磁データ又は2相励磁方式(2−2相励磁方式)の励磁データの少なくとも一方の励磁データが含められ、前記制御部は、前記1−2相励磁方式に関する励磁データの他に、前記1相励磁方式(1−1相励磁方式)の励磁データ又は前記2相励磁方式(2−2相励磁方式)の励磁データの少なくとも一方の励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、可動物ごとに、駆動部であるモータ(ステッピングモータ)の励磁方式を変えるだけで、可動物に対応した最適な演出動作を実現することができる。
【0016】
具体的には、励磁データは、モータの1−2相励磁方式に関する励磁データと、1相励磁方式(1−1相励磁方式)又は2相励磁方式(2−2相励磁方式)の励磁データの少なくとも一方と、を含んでいる。これにより、例えば、大型の可動物は、2相励磁方式(2−2相励磁方式)の励磁データに基づいて演出動作を実行し、小型の可動物は、1−2相励磁方式(あるいは1相励磁方式)の励磁データに基づいて演出動作を実行することが可能になる。これにより、大きなトルクが必要であり大胆な演出動作が求められる可動物(例えば、大型の可動物など)の演出動作と、小さなトルクで足りきめ細かい演出動作が求められる可動物(例えば、小型の可動物など)の演出動作と、の両方を、励磁データを変えるだけで容易に実行することができる。
【0017】
また、1−2相励磁方式の励磁データに基づいて演出動作を実行することにより、2相励磁方式(2−2相励磁方式)の励磁データに基づいて演出動作を実行する場合と比較して、消費電力を低減することができる。これにより、電力コストを低減できる他、発熱量が低下することにより、遊技機の各構成部材のトラブルを抑制でき、また製品寿命の低下を防止できる。すなわち、2相励磁方式(2−2相励磁方式)の励磁データと、1−2相励磁方式の励磁データと、の両方のパターンを予め記憶しておくことにより、各可動物に対応した励磁パターンを選択して各可動物に求められる演出動作を実現できると同時に、発熱量の増加を抑制することができる。この結果、コストを増加させることなく、可動物の最適な演出動作を実現することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、前記記憶部には、前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式の前記励磁データの個数、及び前記1−2相励磁方式に関する前記励磁データの個数が、前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式に関する前記励磁データの個数と前記1−2相励磁方式に関する前記励磁データの個数の最小公倍数となるように設定された励磁データテーブルが記憶されており、前記制御部は、前記励磁データテーブルの前記励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、制御部が励磁データテーブルの励磁データに基づいてモータの駆動を制御するため、複数の励磁データの選択が容易になる。これにより、励磁方式を変更するときにモータの駆動制御が容易になる。特に、励磁データテーブルには、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式の励磁データの個数、及び1−2相励磁方式に関する励磁データの個数が、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式に関する励磁データの個数と1−2相励磁方式に関する励磁データの個数の最小公倍数となるように設定されている。これにより、異なる励磁方式の励磁データの個数を合わせることができ、励磁データテーブルの構造を簡素化することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、前記記憶部には、前記1−2相励磁方式に関する前記励磁データが(8(種類)×L(回))個設けられ、前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式に関する前記励磁データが(4(種類)×2L(回))(個)設けられた励磁データテーブルが記憶されており、前記制御部は、前記励磁データテーブルの前記励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、制御部が励磁データテーブルの励磁データに基づいてモータの駆動を制御するため、複数の励磁データの選択が容易になる。これにより、励磁方式を変更するときにモータの駆動制御が容易になる。特に、励磁データテーブルには、1−2相励磁方式に関する励磁データが(8(種類)×L(回))個設けられ、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式に関する励磁データが(4(種類)×2L(回))(個)設けられている。これにより、異なる励磁方式の励磁データの個数を合わせることができ、励磁データテーブルの構造を簡素化することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の遊技機において、前記1−2相励磁方式、及び前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式の前記励磁データに対して共通の励磁カウンタが設定されており、前記制御部は、所定の条件が成立したときに、全ての励磁方式において共通の前記励磁カウンタを用いて前記励磁データの値を更新することを特徴とする。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、1−2相励磁方式、及び1相励磁方式又は/及び2相励磁方式の励磁データに対して共通の励磁カウンタが設定されており、制御部は、所定の条件が成立したときに、全ての励磁方式において共通の励磁カウンタを用いて励磁データの値を更新する。これにより、励磁方式が異なる場合でも、共通の励磁カウンタを用いた励磁データの更新処理が可能になり、簡易な更新処理を実現できる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の遊技機において、前記制御部は、前記励磁データの更新後、所定の条件が成立したときに、更新された後の前記励磁カウンタの値が所定値となるように補正することを特徴とする。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、制御部は、励磁データの更新後、所定の条件が成立したときに、更新された後の励磁カウンタの値が所定値となるように補正することにより、常に、励磁カウンタの値を1−2相励磁方式(1相励磁方式、2相励磁方式)の励磁データに対応させることができる。これにより、励磁方式が異なる場合でも、常に、共通の励磁カウンタを用いた励磁データの更新処理が可能になり、モータの駆動制御に関する精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、コストの増加を防止して、可動物の最適な演出動作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊技機の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る遊技機の側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る遊技機の遊技盤の正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用されるリール可動装置(可動物)の分解斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用される可動発光装置(可動物)の斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用される可動発光装置(可動物)の後面を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る遊技機の制御系のブロック図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用される演出制御基板と駆動モータとの関係を示した図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用される駆動モータを駆動する駆動回路の説明図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用される駆動モータの内部を示した説明図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用される駆動モータの励磁状態とステップ数との関係を示した図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る遊技機の駆動モータの内部を示した構成図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係る遊技機の駆動モータが1相励磁方式で駆動するときの励磁状態と入力パルスとの関係を示した説明図である。
【図14】本発明の第1実施形態に係る遊技機の駆動モータが2相励磁方式で駆動するときの励磁状態と入力パルスとの関係を示した説明図である。
【図15】本発明の第1実施形態に係る遊技機の駆動モータが1−2相励磁方式で駆動するときの励磁状態と入力パルスとの関係を示した説明図である。
【図16】本発明の第1実施形態に係る遊技機の演出制御基板のROMに記憶された各テーブルの説明図である。
【図17】本発明の第1実施形態に係る遊技機の演出制御処理のフローチャートである。
【図18】本発明の第1実施形態に係る遊技機のテーブル選択処理のフローチャートである。
【図19】本発明の第2実施形態に係る遊技機の遊技盤の正面図である。
【図20】本発明の第2実施形態に係る遊技機に設けられているセンター可動装置の構成を説明するための図面である。
【図21】本発明の第2実施形態に係る遊技機に設けられているセンター可動装置の構成と動作を説明するための図面である。
【図22】本発明の第2実施形態に係る遊技機に設けられているセンター可動装置の位置を検出する位置検出スイッチを説明するための図面である。
【図23】本発明の第2実施形態に係る遊技機に設けられているセンター可動装置の回転モータ(駆動モータ)の回路配置と構成を示した図面である。
【図24】本発明の第2実施形態に係る遊技機に設けられているセンター可動装置の位置を検出するための位置検出スイッチの構成を説明した図面である。
【図25】本発明の第2実施形態に係る遊技機の制御系のブロック図である。
【図26】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部におけるメイン処理のフローチャートである。
【図27】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部における4mS割込み処理のフローチャートである。
【図28】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部における受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【図29】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部における演出シナリオ管理処理のフローチャートである。
【図30】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部における1mS割込み処理のフローチャートである。
【図31】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部におけるモータ処理の前半工程のフローチャートである。
【図32】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部におけるモータ処理の後半工程のフローチャートである。
【図33】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部における励磁カウンタの更新処理後における励磁カウンタの補正処理の比較例を示したフローチャートである。
【図34】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部における励磁カウンタの更新処理後における励磁カウンタの補正処理を示したフローチャートである。
【図35】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部の記憶部に記憶されている演出シナリオ1のテーブルである。
【図36】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部の記憶部に記憶されている演出シナリオ2のテーブルである。
【図37】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部の記憶部に記憶されている演出シナリオ3のテーブルである。
【図38】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部の記憶部に記憶されているモータ動作テーブル(コマ送り5コマ)である。
【図39】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部の記憶部に記憶されているモータ動作テーブル(原点復帰)である。
【図40】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部の記憶部に記憶されているモータ励磁データテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。本実施形態は、本発明をパチンコ機に適用した一例である。なお、以下に示すパチンコ機の構成は本発明が適用された一例に過ぎないものであり、本発明の範囲が本実施形態のパチンコ機の構成に限定されるものではない。また、本発明の「可動物」とは、いわゆる役物だけに限られるものではなく、駆動源により可動する全ての可動体が含まれる。
【0029】
(パチンコ機の概説)
図1及び図2に示すように、パチンコ機10は、矩形枠状の外枠12と、この外枠12に開閉自在に枢着された前枠14と、を有し、カード式球貸し機(図示省略)をサンドイッチ状に挟持する状態で、外枠12が島構造体(図示省略)に着脱自在に装着されている。前枠14の前側から遊技盤16が着脱自在に装着され、遊技盤16の前側に対応させて、開閉可能な開閉扉18が設けられている。開閉扉18の前面には、遊技盤16の遊技領域20(図3参照)の前側をカバーする透明な窓ガラスからなる窓部22と、複数の装飾ランプ24と、複数のスピーカ26と、発射用の遊技球Pや入賞球を貯留する貯留皿28と、発射ハンドル30と、が設けられている。
【0030】
貯留皿28の前面には、所定金額分の球貸しを指示する球貸しボタン32と、遊技終了時にプリペイドカードの返却を指示するカード返却ボタン34と、遊技者が操作可能な所謂チャンスボタンと呼ばれる正面視にて楕円形の操作ボタン36と、遊技終了時や貯留皿28から溢れた貯留球を球抜きする為の球抜きボタン38と、が設けられている。
【0031】
図3に示すように、鉛直な盤面を形成する遊技盤16には、ガイドレール40がほぼ環状に設けられ、ガイドレール40の内側に遊技領域20が形成され、遊技者の発射ハンドル30の回動操作により発射された遊技球Pが遊技領域20に案内される。遊技領域20には、多数の障害釘(図示略)、風車42、センターケース44、このセンターケース44に一体的に設けられた液晶ディスプレイ46及び可動発光装置48(以下、適宜「可動装置48」という)、リール可動装置50(以下、適宜「可動装置50」という)、ゲート式の普通図柄始動口52、普通入賞口54、特別図柄表示部56、普通図柄表示部58、複数の普通図柄始動保留ランプ60、ゲート式の第1始動口62と開閉式の第2始動口64とを備えた特別図柄始動入賞口66、開閉式の大入賞口68や球排出口70などが配設されている。
【0032】
遊技領域20の上部へ発射された遊技球Pは、複数の障害釘や風車42に当たって方向を換えながら落下していき、普通図柄始動口52、普通入賞口54、特別図柄始動入賞口66の第1,第2始動口62,64、大入賞口68の何れかに入賞するか、最下端まで落下して球排出口70から排出される。普通入賞口54、特別図柄始動入賞口66、大入賞口68の何れかに遊技球Pが入賞した場合には、各入賞口54,66,68に応じて予め定められた遊技球Pが入賞球として払い出される。
【0033】
特別図柄始動入賞口66に入賞した遊技球Pを検出した場合、特別図柄表示部56の特別図柄が変動表示される。特別図柄は、7セグメントLED表示器により可変表示される数字や数字以外の文字又は記号(例えば、「3」,「−」等)からなる図柄である。この特別図柄の変動表示に連動して、液晶ディスプレイ46の表示画面において演出図柄が変動表示される。演出図柄は、リーチや大当りに対する遊技者の期待感を喚起するために演出目的で表示される複数の図柄列からなるものであり、付随的にスクロール方式で変動表示される。
【0034】
そして、特別図柄の変動停止タイミングに合わせて演出図柄も変動停止するので、遊技者は、演出図柄の停止態様を見て特別図柄表示部56の特別図柄の停止態様が当りか否かを認識することができる。例えば、特別図柄が大当り態様で停止したとき、演出図柄も大当り態様(例えば、「777」)で停止表示される。なお、特別図柄変動中に、特別図柄始動入賞口66に遊技球Pが入賞した場合、その入賞数が最大4個まで保留球として記憶され、その保留数が液晶ディスプレイ46の表示画面に表示される。
【0035】
また、普通図柄始動口54に入球した遊技球Pを検出した場合、普通図柄表示部58の当りランプ表示部58Aと外れランプ表示部58Bのランプが交互に点灯点滅表示される。そして、当り/外れの抽選結果に基づいて、当りランプ表示部58Aが点灯表示された場合、特別図柄始動入賞口66の第2始動口64の開閉部材64Aが所定回数開閉される。なお、当り/外れランプ表示部58A,58Bが点灯点滅中に、普通図柄始動口52に遊技球Pが入球した場合、その入球数が最大4個まで保留球として記憶され、普通図柄始動保留ランプ60がその保留数に応じて表示される。
【0036】
特別図柄始動入賞口66に入賞した遊技球Pを検出した場合、液晶ディスプレイ46の表示画面には、単に複数の演出図柄が変動表示されるだけでなく、キャラクタ(例えば、人間や動物など)を用いて図柄変動表示にストーリー性を持たせて遊技者のリーチや大当りへの期待感を高めるためのリーチ演出画像や大当り予告演出画像等の特定演出画像が表示される。また、演出図柄の変動表示がリーチ状態になると、演出図柄の変動表示が停止表示されるまでの間、リール可動装置50の各回胴体72、74及び/又は可動発光装置48の可動体が連続的に可動し、その各回胴体72、74及び可動体の可動状態の変化に同期した演出画像が液晶ディスプレイ46の表示画面に表示される。このようにして、リール可動装置50の各回胴体72、74の回胴と、可動発光装置48の可動体の可動と、液晶ディスプレイ46の表示画面で表示される演出画像と、があたかも連動しているように見せる同期演出が行われる。
【0037】
(リール可動装置の構成)
図3及び図4に示すように、リール可動装置50は、遊技領域20の中央下部であって大入賞口68の近傍に配置されている。リール可動装置50は、2つの回胴体72、74と、回胴体72、74を回胴動作可能に支持する複数の取付部材76と、を有している。各回胴体72、74の表面には、複数の図柄が隣接するようにして描かれている。2つの回胴体72、74の回胴動作は、駆動源である各駆動モータ78A、78B(まとめて駆動モータ78という)により制御される。このため、2つの回胴体72、74は、相互に独立して回胴動作を行う。各駆動モータ78A、78Bは、例えば、ステッピングモータで構成されている。なお、リール可動装置50の組立完了時には、各駆動モータ78A、78Bが各回胴体72、74の内部に配置される構成になっており、外部から視認できないようになっている。
【0038】
リール可動装置50の各回胴体72、74の回胴動作は、遊技状態に対応して演出制御基板220からの制御信号に基づいて制御される。例えば、上記したように、いわゆる遊技がリーチ状態になれば、回胴体72、74が回胴するように構成されていてもよいし、取得して特別図柄の変動状態になった場合に回胴体72、74が回胴するようにしてもよい。遊技者にとって有利な遊技状態になっているときあるいは遊技者にとって有利な遊技状態を予告するときに、リール可動装置50の各回胴体72、74の回胴動作を実行させることにより、遊技者に遊技を促す効果が期待でき、遊技興趣を一層高めることが可能になる。
【0039】
なお、遊技状態とは、遊技者にとって有利・不利の観点から振り分けた遊技態様を意味するものである。例えば、遊技者にとって有利な遊技状態とは、大当り遊技(特別図柄の変動遊技において特別図柄の当り図柄で停止表示されて発生する確変大当たりや普通大当りが実行されている場合など)、いわゆるリーチ遊技、時短遊技などが該当する。また、遊技者にとって不利な遊技状態とは、遊技者にとって有利な遊技状態以外の遊技状態を意味する。
【0040】
また、リール可動装置50の各回胴体72、74が停止したときに表示される図柄を遊技状態に対応させるようにしてもよい。例えば、特別図柄の変動遊技で当選した場合には、大当りを予告する特殊な図柄が遊技者に見えるようにして各回胴体72、74を停止させるように制御してもよい。このようにして、各回胴体72、74が停止したときに表示される図柄と遊技状態との対応関係をもたせることにより、リール可動装置50を用いた予告演出を実現させることができる。
【0041】
(可動発光装置の構成)
図3に示すように、可動発光装置48は、所謂、パトランプと称される発光を伴う回転可動役物であり、センターケース44において遊技盤16に向かって液晶ディスプレイ46の右側方近傍に、液晶ディスプレイ46の表示画面に発光したランプの光を投射可能に設けられている。図5及び図6に示すように、この可動発光装置48は、ランプカバー80と、ベース部材82と、発光体84と、可動体としての反射体86と、リフレクター88と、駆動モータ90と、を有する。なお、駆動モータ90は、例えば、ステッピングモータで構成されている。
【0042】
ランプカバー80は、有色(例えば、赤色)の透光性の合成樹脂からなる後方開放の略半球状に形成され、その下端の外周縁部がベース部材82の上面に固定されている。ランプカバー80の内部には、ランプとしての発光体84、回転体92、反射体86、リフレクター88、位置検出スイッチ94(位置検出SW、図7参照)などが収容されている。発光体84は、縦長の筒状の集光レンズ96と、この集光レンズ96の内部に収容された複数のフルカラーLED98を取着したLED基板を有する。LED基板は、電気的に演出制御基板220(図7参照)に接続されている。例えば、複数のLED98が赤色に発光した場合、それら赤色の光が集光レンズ96で集光されてランプカバー80を介して遊技者側や遊技盤側などに投射される。
【0043】
ベース部材82の上面の中央部には円形の孔部が形成され、この孔部の外周縁に上方へ突出する円環状の環状枠100が周設されている。この環状枠100の上端縁には、環状枠100の外径よりも大きく中央に中心孔が形成されたドーナツ板状の回転体92が載置されている。回転体92の上面には、その中央の中央孔から離隔した位置に縦長板状の反射体86が立設されている。反射体86は、集光レンズ96と対向しLED98の光を反射する反射面(内面)86Aを円弧状に窪ませた形状を有している。その窪んだ反射面86Aは、金属メッキが施された銀色の鏡面に形成されている。ベース部材82の上面の後側(奥側)には、リフレクター88がランプカバー80の後方を封鎖するように配設されている。このリフレクター88は、集光レンズ96と対向しLED98の光を反射する反射面(内面)88Aを円弧状に窪ませ、反射体86の約2倍の幅を有し、且つランプカバー80と同じ高さに形成されている。その窪んだ反射面88Aは、金属メッキが施された銀色の鏡面に形成されている。
【0044】
ベース部材82には、上面の孔部と連通しその上面と底面との間にギア収容部102が形成され、このギア収容部102には駆動ギア104、従動ギア(図示省略)、駆動モータ(ステッピングモータ)90などが夫々所定位置に配設されている。駆動ギア104は、回転体92の下面に形成された円筒状の回転部に嵌合し水平面上を回転可能であり、回転体92の回転部に駆動モータ90の回転駆動力を伝達する。駆動モータ90は、正逆回転自在で且つ回転速度も変更可能に構成され、この駆動モータ90の出力軸の先端には従動ギアが設けられている。
【0045】
この従動ギアの歯部は駆動ギア104の歯部に歯合している。駆動モータ90は、演出制御基板220(図7参照)に電気的に接続されており、駆動モータ90が回転駆動すると、その回転駆動力が従動ギアを介して駆動ギア104に伝達される。なお、駆動モータ90と駆動ギア104と従動ギア等により回転駆動手段が構成される。ベース部材82の底面には、前記の集光レンズ96が立設されている。詳細には、集光レンズ96は、回転体92の中心孔、ベース部材82のギア収容部102、駆動ギア104の孔部に挿通した状態で立設されている。
【0046】
駆動モータ90の駆動により、従動ギア及び駆動ギア104を介してその回転駆動力が回転体92の回転部に伝達され、回転体92が水平面上で正逆自在に且つ回転速度を駆動モータ90の回転速度の変化に応じて変更して回転する。この回転体92の回転により反射体86が集光レンズ96を中心としてその周囲を旋回することになる。LED98を発光させた状態において、反射体86が集光レンズ96の後側に位置し遊技者側から発光したLED98の光が見える場合は、そのLED98の光が直接遊技者側へ投射されると共に反射体86の反射面86Aで反射した光も遊技者側に投射される。
【0047】
一方、反射体86が集光レンズ96の前側に位置する場合には、集光レンズ96がその前後で反射体86とリフレクター88とで挟まれた状態となり、集光レンズ96からのLED98の光が遊技者側へ投射されずに遮蔽状態となる。このように、反射体86を所定周期で回転させた時には、反射体86が集光レンズ96の周囲を旋回するため、LED98の光の反射状態及び遮蔽状態が所定周期で繰り返される。
【0048】
位置検出スイッチ94(図7参照)は、ベース部材82の上面の所定位置に設けられ、回転体92の側縁部から外側へ突出する突片部(図示省略)を検出してオン状態となって反射体86の特定の回転位置を検出するものであり、反射体86の現在の回転位置と演出表示との整合性をとるための位置合わせ及び反射体86の現在の回転位置を監視目的で使用するものではない。位置検出スイッチ94としては、リミットスイッチやフォトインターラプタ等の近接スイッチを採用することができる。また、位置検出スイッチ94がオンになると、演出制御基板220に位置検出スイッチ94からの検出信号が出力される。
【0049】
(ステッピングモータである駆動モータの特性)
次に、本実施形態のパチンコ機の各可動物などの駆動モータとして使用するステッピングモータの特性について詳細に説明する。本実施形態のパチンコ機で使用するステッピングモータとして、2相ステッピングモータを例示して説明するが、2相ステッピングモータに限られるものではなく、他のステッピングモータも利用することができる。
【0050】
例えば、図8及び図9に示すように、駆動モータ90を制御する駆動回路106の入力信号端子にパルス信号が与えられると、駆動回路(励磁回路)106によって回転パルスが生成され、この回転パルスが増幅器108に入力される。増幅されたパルス電力は、駆動モータ90に供給され、駆動モータ90が所定の方向に回転する。これにより、可動発光装置48が駆動する。
【0051】
また、駆動モータ78を制御する駆動回路110の入力信号端子にパルス信号が与えられると、駆動回路(励磁回路)110によって回転パルスが生成され、この回転パルスが増幅器112に入力される。増幅されたパルス電力は、駆動モータ78に供給され、駆動モータ78が所定の方向に回転する。これにより、リール可動装置50が駆動する。
【0052】
このように、1つの駆動モータ90(78)に対して1つの駆動回路106(110)が対応するように設けられている。本実施形態では、2つの可動装置48、50が存在するため、2つの駆動モータ90、78が配置されており、しかも、各駆動モータ90、78を制御するための駆動回路106、110も2つ設けられている。
【0053】
なお、駆動回路(励磁回路)106、110及び増幅器108、112は、演出制御基板220に搭載されている構成でもよいし、演出制御基板220とは別体の基板に搭載されていてもよい。
【0054】
図9に示すように、駆動回路106には、モータの正逆回転回路106A、停止回路16B、1相励磁回路106C、2相励磁回路106D、1−2相励磁回路106Eなどの励磁シーケンス回路が搭載されている。駆動回路106における励磁シーケンスの切換え動作は、演出制御基板220のCPU222が励磁切換スイッチSWを操作して実行される。すなわち、2相励磁方式を実行する場合には、演出制御基板220のCPU222からの制御信号に基づいて、CPU222が励磁切換スイッチSWを操作して2相励磁回路106Dが起動する。また、1−2相励磁方式を実行する場合には、演出制御基板220のCPU222からの制御信号に基づいて、CPU222が励磁切換スイッチSWを操作して、1−2相励磁回路106Eが起動する。
【0055】
なお、図示しないが、駆動回路110についても、駆動回路106と同様の構成を備えている。
【0056】
駆動モータ90、78は、入力パルス1つに対して1ステップ角だけ進む。したがって、入力パルスが連続する場合には、ステッピングモータが連続回転を行う。また、入力パルスが間欠的に入力する場合には、ステッピングモータは間欠的に回転を行う。なお、ステップ角とは、入力パルス1つに対してモータが動く回転角度である。
【0057】
駆動モータ90、78は、入力パルスに基づいてモータが回転する。このため、入力パルスの周波数が高くなれば高速回転になり、低くなれば低速回転になる。例えば、入力パルス数をAとすると、ステップ角θのモータでは、θ・A回転して停止することになる。
【0058】
(ステッピングモータである駆動モータの駆動原理)
本実施形態で使用する駆動モータ90、78は、図10に示すように、ステータコア114に4個の電磁116、118、120、122が配置され、ステータコア114の中心に回転する磁石124が配置された構造である。ここで、電磁石116は、鉄心126にコイルL1が巻きつけられて構成されている。電磁石118は、鉄心128にコイルL2が巻きつけられて構成されている。電磁石120は、鉄心130にコイルL3が巻きつけられて構成されている。電磁石122は、鉄心132にコイルL4が巻きつけられて構成されている。励磁された電磁石116のコイルL1と磁石124との間には相互に引き合う磁力が作用している。この状態では、コイルL1のN極と磁石124のS極とが互いに引き合い、その対向位置で磁石124が停止している(図10の状態)。
【0059】
次に、電磁石128のコイルL2の励磁をONにして、その他の電磁石116、120、122のコイルL1、L3、L4の励磁をOFFにすると、磁石124は、電磁石118との間に発生する磁力によって、電磁石118の対向位置まで回転する。
【0060】
そして、電磁石120のコイルL3の励磁をONにして、その他の電磁石116、118、122のコイルL1、L2、L4の励磁をOFFにすると、磁石124は、電磁石120との間に発生する磁力によって、電磁石120の対向位置にまで回転する。
【0061】
さらに、電磁石122のコイルL4の励磁をONにして、その他の電磁石116、118、120のコイルL1、L2、L3の励磁をOFFにすると、磁石124は、電磁石122との間に発生する磁力によって、電磁石122の対向位置にまで回転する。これを繰り返すことにより、磁石124が次々と回転する。
【0062】
図10及び図11に示すように、ステップ数1の場合には、スイッチSW1がONになり、その他の全てのスイッチをOFFにすると、励磁コイルL1のみが通電(励磁)する。これによって、励磁コイルL1の磁石124側にはS極が発生する。この励磁コイルL1に磁石124のN極が吸引される(図10の状態)。
【0063】
次に、ステップ数2の場合には、スイッチSW2をON、その他の全てのスイッチをOFFにすると、励磁コイルL2が励磁(通電)する。これによって、励磁コイルL2の磁石124側にはS極が発生する。この励磁コイルL2に磁石124のN極が吸引されて、磁石124が90度回転する(Iの回転)。
【0064】
次に、ステップ数3の場合には、スイッチSW3をON、その他の全てのスイッチをOFFにすると、励磁コイルL3が励磁(通電)する。これによって、励磁コイルL3の磁石124側にはS極が発生する。この励磁コイルL3に磁石124のN極が吸引されて、磁石124がさらに90度回転する(IIの回転)。
【0065】
次に、ステップ数4の場合には、スイッチSW4をON、その他の全てのスイッチをOFFにすると、励磁コイルL4が励磁(通電)する。これによって、励磁コイルL4の磁石124側にはS極が発生する。この励磁コイルL4に磁石124のN極が吸引されて、磁石124がさらに90度回転する(IIIの回転)。
【0066】
次に、ステップ数5の場合には、スイッチSW1をON、その他の全てのスイッチをOFFにすると、励磁コイルL1が励磁(通電)する。これによって、励磁コイルL1の磁石124側にはS極が発生する。この励磁コイルL1に磁石124のN極が吸引されて、磁石124がさらに90度回転する(IVの回転)。これにより、磁石124が1回転する。このような工程を繰り返すことによって、磁石124を自在に回転させることができる。
【0067】
(ステッピングモータである駆動モータの駆動方式)
(1)2相ステッピングモータの1相励磁方式(1−1相励磁方式)
1相励磁方式とは、入力パルス信号1つに対して常に1相ずつ励磁する方式を意味する。1相励磁方式は、励磁コイルの消費電力が少なく、静止角度に優れているという特性がある。一方、1相励磁方式は、トルクが小さく、ダンピング特性が良くない(振動が多い)という特性がある。
【0068】
例えば、図12及び図13に示した1相励磁方式の駆動パターンのように、入力パルス1では、A相にのみ励磁(通電)される(他のB相、C相、D相は励磁(通電)されない)。入力パルス2では、B相にのみ励磁(通電)される(他のA相、C相、D相は励磁(通電)されない)。入力パルス3では、C相にのみ励磁(通電)される(他のA相、B相、D相は励磁(通電)されない)。入力パルス4では、D相にのみ励磁(通電)される(他のA相、B相、C相は励磁(通電)されない)。これを繰り返していくことにより、ロータである磁石124を回転させる駆動方式(励磁方式)である。
【0069】
(2)2相ステッピングモータの2相励磁方式(2−2相励磁方式)
2相励磁方式とは、モータを2相ずつ励磁する方式を意味する。2相励磁方式は、常に2つの励磁コイルに電流を流すため、トルクが大きく、また、ダンピング効果(回転時の振動が少ない)にも優れているという特性がある。なお、2相励磁方式のトルクは、1相励磁方式のトルクの(2)1/2倍(ルート2倍)である。一方、2相励磁方式では、2つの励磁コイルを同時に励磁(通電)しているため、発熱量が大きくなる問題がある。
【0070】
例えば、図12及び図14に示した2相励磁方式の駆動パターンのように、入力パルス1では、A相及びB相にのみ励磁(通電)される(他のC相、D相は励磁(通電)されない)。入力パルス2では、B相及びC相にのみ励磁(通電)される(他のA相、D相は励磁(通電)されない)。入力パルス3では、C相及びD相にのみ励磁(通電)される(他のA相、B相は励磁(通電)されない)。入力パルス4では、D相及びA相にのみ励磁(通電)される(他のB相、C相は励磁(通電)されない)。これを繰り返していくことにより、ロータである磁石124を回転させる駆動方式(励磁方式)である。
【0071】
(3)2相ステッピングモータの1−2相励磁方式
1−2相励磁方式とは、励磁コイルに流れる電流を1相→2相→1層→2相→1層→2相→1層→2相→…、と1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返す方式である。1−2相励磁方式での大きな特徴として、モータのステップ角が半分になり(例えば、モータのフルステップ角が3.0°であれば、1.5°のステップ角になる)、微細なステップ角を実現することができる。これにより、1-2相励磁方式でステッピングモータを駆動すると、1相励磁方式よりも大きなトルクを得ながら、きめ細かい制御を実現することができる。
【0072】
例えば、図12及び図15に示した1−2相励磁方式の駆動パターンのように、入力パルスが1つ入るたびに、励磁相が1相→2相→1層→2相と交互に繰り返す。
【0073】
具体的には、入力パルス1では、1相励磁であり、A相にのみ励磁(通電)される(他のB相、C相、D相は励磁(通電)されない)。
【0074】
入力パルス2では、2相励磁であり、A相及びB相にのみ励磁(通電)される(他のC相、D相は励磁(通電)されない)。
【0075】
入力パルス3では、1相励磁であり、B相にのみ励磁(通電)される(他のA相、C相、D相は励磁(通電)されない)。
【0076】
入力パルス4では、2相励磁であり、B相及びC相にのみ励磁(通電)される(他のA相、D相は励磁(通電)されない)。
【0077】
入力パルス5では、1相励磁であり、C相にのみ励磁(通電)される(他のA相、B相、D相は励磁(通電)されない)。
【0078】
入力パルス6では、2相励磁であり、C相及びD相にのみ励磁(通電)される(他のA相、B相は励磁(通電)されない)。
【0079】
入力パルス7では、1相励磁であり、D相にのみ励磁(通電)される(他のA相、B相、C相は励磁(通電)されない)。
【0080】
入力パルス8では、2相励磁であり、A相及びD相にのみ励磁(通電)される(他のB相、C相は励磁(通電)されない)。このようにして、1相励磁と2相励磁を交互に繰り返していくことにより、ロータである磁石124を回転させる駆動方式(励磁方式)である。
【0081】
(制御系の構成)
次に、本実施形態のパチンコ機の制御系について説明する。
【0082】
図2に示すように、パチンコ機10の外枠12の裏側には、パチンコ機10を制御するための各制御手段(主制御手段200A、払出制御手段210A、演出制御手段220A、液晶表示制御手段230A、電源手段(図示省略))が装備された基板として、主制御基板200、払出制御基板210、演出制御基板220、液晶表示制御基板230、電源基板240が夫々所定位置に配設されている。これら制御基板200、210、220、230、240は、夫々、別体に構成されて電気的に接続され、各制御手段200A、210A、220A、230Aには、CPUとROMとRAMとからなるワンチップマイコンと入出力インターフェースとが設けられている。
【0083】
図7に示すように、主制御基板200には、普通入賞口SW201、特別図柄始動入賞口SW202、普通図柄始動口SW203、大入賞口SW204、特別図柄始動入賞口66の開閉部材64Aの開閉SOL205、大入賞口68の開閉SOL206、払出制御基板210、演出制御基板220、特別図柄表示基板250、普通図柄表示基板260などが接続されている。なお、SWはスイッチを意味し、SOLはソレノイドアクチュエータのことである。
【0084】
主制御基板200上に装備された主制御手段200Aは、遊技全体を統括的に制御し、各SW201〜204からのSW信号に基づいて、特別図柄始動入賞口66の開閉部材64Aの開閉SOL205、大入賞口68の開閉SOL206、特別図柄表示基板250の特別図柄表示部56、普通図柄表示基板260の普通図柄表示部58及び普通図柄始動保留ランプ60を直接的に制御する。また、主制御手段200Aは、払出制御基板210の払出制御手段210Aと、演出制御基板220の演出制御手段220Aに遊技状態に応じて複数の制御信号を送信し、これら制御基板210,220の制御手段210A,220Aを介して他の制御機器を間接的に制御する。
【0085】
演出制御基板220には、装飾ランプ24、スピーカ26、リール可動装置50の駆動モータ78、可動発光装置48の駆動モータ90及び位置検出スイッチ94、液晶表示制御基板230などが接続されている。演出制御基板220上に装備された演出制御手段220Aは、主制御手段200Aから出力された複数の制御信号に基づいてスピーカ26からのBGMや遊技効果音の出力、あるいは装飾ランプ24の点灯点滅出力、リール可動装置50の演出動作及び可動発光装置48の演出動作を制御する。また、演出制御基板220上に装備された演出制御手段220Aは、主制御手段200Aからの演出に関する制御信号や可動発光装置48の位置検出スイッチ94からの検出信号(オン信号)の入力に基づいて、液晶表示制御基板230を介して間接的に種々の演出表示を制御する。液晶表示制御基板230上に装備された液晶表示制御手段230Aは、演出制御手段220Aからの制御信号に基づいて液晶ディスプレイ46を有する液晶ディスプレイユニットへ制御信号を出力する。
【0086】
ここで、演出制御基板220の演出制御手段220Aは、CPU222と、ROM224と、RAM226などを有している。特に、CPU222は、主制御基板200(主制御手段200A)から出力された制御信号を参照して、リール可動装置50の駆動モータ90の駆動方式(励磁方式)と、可動発光装置48の駆動モータ78の駆動方式(励磁方式)と、を選択する機能を有している。このとき、CPU222は、ROM224に記憶された後述のテーブルに基づいて、駆動モータ可動発光装置48の駆動方式(励磁方式)を選択する。各可動装置48、50は、主制御基板200(主制御手段200A)から出力された制御信号に基づいて、CPU222により選択された駆動モータの励磁方式によって可動する。
【0087】
図16に示すように、ROM224には、各可動装置48、50と駆動モータ90、78の駆動方式のデータテーブルとを対応付けた各種テーブルが記憶されている。
【0088】
具体的には、ROM224には、2−2相励磁方式であるデータテーブル1(DTA):[2,2,2,2,2,2,2,2,…]と、1−2相励磁方式であるデータテーブル2(DTB):[1,2,1,2,1,2,1,2,…]と、が記憶されている。また、ROM224には、可動発光装置48の可動とデータテーブル1(DTA)とを対応させた駆動テーブル1(MTA)が記憶されている。また、ROM224には、リール可動装置50の可動とデータテーブル2(DTB)とを対応させた駆動テーブル2(MTB)が記憶されている。
【0089】
この例では、各可動装置48、50の可動と駆動モータ90、78の駆動方式との対応関係が予め決定されており、これがテーブルとしてROM224に予め記憶されている。特に、このテーブルは、可動装置48、50を可動させるための駆動力(トルク)や可動装置48、50に求められる演出動作の観点から対応関係が特定されている。
【0090】
すなわち、可動装置を可動するための駆動力が大きく、かつ大胆な演出動作が要求される(きめ細かな演出動作が要求されていない)場合には、2−2相励磁方式が対応付けられている。一方、可動装置を可動するための駆動力が小さく、かつきめ細かな演出動作が要求される(大胆な演出動作が要求されていない)場合には、1−2相励磁方式が対応付けられている。
【0091】
このため、CPU222は、可動発光装置48を可動させる場合には、駆動テーブル(MTA)により、2−2相励磁方式であるデータテーブル1(DTA)を選択して、駆動モータ90の駆動を制御する。また、CPU222は、リール可動装置50を可動させる場合には、駆動テーブル(MTB)により、1−2相励磁方式であるデータテーブル2(DTB)を選択して駆動モータ78の駆動を制御する。
【0092】
換言すれば、可動発光装置48の質量がリール可動装置50の質量よりも大きく、可動発光装置48を可動させるために駆動モータ90の大きな駆動力(トルク)が必要となり、かつ大胆な演出動作が要求される場合には、駆動モータ90の駆動方式として2−2相励磁方式がCPU222により選択される。また、リール可動装置50の質量が可動発光装置48の質量よりも小さく、リール可動装置50を可動させるために比較的小さな駆動力(トルク)で足り、かつきめ細かな演出動作が要求される場合には、駆動モータ78の駆動方式として1−2相励磁方式がCPU222により選択される。これにより、可動発光装置48は、常に、2−2相励磁方式(図14参照)で駆動され、また、リール可動装置50は、常に、1−2相励磁方式(図15参照)で駆動される。
【0093】
なお、各可動装置が大胆な演出動作を実行する場合に、2−2相励磁方式が適しているのは、ステッピングモータのトルクが比較的大きく、かつステップ角度が比較的大きくなるからである(ステッピングモータの特性)。2−2相励磁方式で可動装置を可動させると、可動装置がダイナミックでトルクフルに動作するイメージが遊技者に与えられる。
【0094】
一方、各可動装置がきめ細かな演出動作を実行する場合に、1−2相励磁方式が適しているのは、ステッピングモータのトルクが比較的小さく、かつステップ角度が比較的小さくなるからである(ステッピングモータの特性)。1−2相励磁方式で可動装置を可動させると、可動装置がきめ細かくかつシャープに動作するイメージが遊技者に与えられる。
【0095】
ところで、上述したように、可動装置48、50の演出と駆動モータ90、78の励磁方式との対応関係が予めテーブルとして規定されている構成を示したが、これに限られるものではない。
【0096】
例えば、遊技状態と駆動モータ90、78の駆動方式とを対応付けたテーブル(図示省略)をROM224に記憶しておき、遊技状態に応じて各可動装置48、50を演出させるための駆動方式を適宜選択するようにしてもよい。
【0097】
この構成であれば、各可動装置48、50と駆動モータ90、78の駆動方式との対応関係が一義的に決定されておらず、遊技状態に応じて同一の可動装置48、50であっても、各駆動モータ90、78の異なる駆動方式で異なる演出動作を実行させることが可能になる。
【0098】
上記例では、可動発光装置48の駆動方式が2−2相励磁方式であり、リール可動装置50の駆動方式が1−2相励磁方式である構成を示したが、これに限られず、所定の遊技状態の場合には、可動発光装置48が1−2相励磁方式で所定の演出動作を行い、リール可動装置50が2−2相励磁方式で所定の演出動作を行うことになる。そして、別の遊技状態では、可動発光装置48が2−2相励磁方式で所定の演出動作を行い、リール可動装置50が1−2相励磁方式で所定の演出動作を行うことになる。
【0099】
また、各可動装置48、50を可動させるための駆動モータ90、78の駆動方式は、主制御基板200のCPUにより取得された乱数値に対応して決定されてもよい。この場合、この乱数値の情報が主制御基板200のCPUから送信される制御信号にのせられており、演出制御基板220のCPU222によって乱数値が判別されて駆動モータ90、78の駆動方式が選択される。この乱数値の情報には、どの可動装置によってどのような演出動作が実行されるのかについて規定されているので、CPU222は、乱数値の情報に基づいた駆動方式を選択し、各可動装置48、50は、CPU222で選択された駆動モータ90、78の駆動方式によって可動する。
【0100】
また、ROM224には、各可動装置48、50を可動するための演出プログラムが記憶されている。この演出プログラムは、所定のタイミング(例えば、遊技者が有利となるリーチの状態など)で各可動装置48、50がCPU222で選択された駆動モータ90、78の駆動方式によって演出を実行するためのプログラムである。演出プログラムには、各可動装置48、50の演出動作のパターンが規定されている。
【0101】
このように、CPU222が各可動装置48、50の演出動作を制御する場合には、主制御基板200からの制御信号を受けて、ROM224に記憶された演出プログラムに基づいて各可動装置48、50の演出動作のパターンに関する制御信号を生成する。そして、ROM224に記憶された各テーブルに基づいて、この生成した制御信号に駆動モータ90、78の駆動方式(2−2相励磁方式あるいは1−2相励磁方式)の情報をのせて、各駆動回路106、110に出力する。各駆動回路106、110は、CPU222から出力された制御信号に基づいて駆動モータ90、78の駆動を制御する。すなわち、駆動回路106、110は、駆動モータ90、78を2−2相励磁方式で駆動したり、あるいは1−2相励磁方式で駆動する。
【0102】
図7に示すように、普通入賞口54、特別図柄始動入賞口66、大入賞口68への遊技球Pの入賞に応じた賞球を払出すための払出機構270が設けられている。払出制御基板210の払出制御手段210Aは、主制御手段220Aからの賞球に関する制御信号を入力し、払出機構270の払出モータ272に対して制御信号を出力する。また、払出制御基板210の払出制御手段210Aは、払出機構271の払出計数SW274からの検出信号を入力する。
【0103】
遊技領域20へ遊技球Pを発射する発射機構280が設けられている。遊技者が発射ハンドル30を握って発射SW284がオンすると、発射制御基板286の発射制御手段(図示省略)を介して発射機構280の発射SOL282に対して制御信号が出力される。ここで、発射機構280において、発射制御手段から発射制御許可信号が入力された場合にだけ、発射SOL282への制御信号の出力が許可される。
【0104】
(各可動装置の演出制御処理)
次に、各可動装置48、50の演出制御処理について、図17に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0105】
図17に示すように、演出制御基板200のCPU222によって各可動装置48、50の演出制御処理に関する制御信号が入力されたか否かが判断する(S100)。S100では、主制御基板200から出力された制御信号が演出制御基板220に入力したか否かを判定する。
【0106】
各可動装置48、50の演出制御処理に関する制御信号が入力されたとCPUによって判断された場合(S100:YES)には、ROM224に記憶された演出プログラムに基づいて駆動回路106、110に出力するための制御信号を生成する(S110)。S110で生成する制御信号によって、各可動装置90、78の演出動作のパターンが特定される。
【0107】
また、テーブル選択処理が開始される(S120)。S120のテーブル選択処理では、演出制御処理に関する制御信号の内容とROM224に記憶された各テーブルとを比較して、所定のテーブルがCPU222により選択される。なお、テーブル選択処理の詳細は、後述する。このようにして、CPU222は、入力した制御信号に基づいて、駆動モータ90、78の駆動方式と各可動装置48、50の演出動作のパターンが決定される。
【0108】
次に、CPU222は、S110において生成した制御信号に、S120で選択された駆動モータ90、78の駆動方式の信号が加算されて制御信号が合成される(S130)。合成された制御信号がCPU222から駆動回路108、112に対して出力される(S140)。駆動回路108、112では、入力された制御信号に基づいて、2相励磁回路106D(図9参照)あるいは1−2相励磁回路106Eが起動する(S150)。
【0109】
駆動回路108、112は、入力した制御信号に基づいて駆動モータ90、78の駆動を制御する。これにより、各可動装置48、50の所定の駆動方式に基づいた演出動作処理が開始される(S160)。
【0110】
具体的には、可動発光装置48が2−2相励磁方式で駆動される。これにより、図5及び図6に示すように、可動発光装置48の回転体92が水平面上で正逆自在に且つ回転速度を駆動モータ90の回転速度の変化に応じて変更して回転する。この回転体92の回転により反射体86が集光レンズ86を中心としてその周囲を旋回する。LED98を発光させた状態において、反射体86が集光レンズ96の後側に位置し遊技者側から発光したLED98の光が見える場合は、そのLED98の光が直接遊技者側へ投射されると共に反射体86の反射面86Aで反射した光も遊技者側に投射される。
【0111】
一方、反射体86が集光レンズ96の前側に位置する場合には、集光レンズ96がその前後で反射体86とリフレクター88とで挟まれた状態となり、集光レンズ96からのLED98の光が遊技者側へ投射されずに遮蔽状態となる。このように、反射体86を所定周期で回転させた時には、反射体86が集光レンズ96の周囲を旋回するため、LED98の光の反射状態及び遮蔽状態が所定周期で繰り返される。このようにして、可動発光装置48の大胆かつ力強い演出動作が実現される。
【0112】
具体的には、可動発光装置48の回転体92は、ステッピングモータである駆動モータ90が1ステップ当り、フルステップ角だけ回転し、これが連続することにより、力強く、かつトルクフルな回転動作を実現する。
【0113】
また、リール可動装置50の各回胴体72、74が1−2相励磁方式で駆動される。これにより、各回胴体72、74が回胴し、所定の時間が経過した後、停止する。このとき、遊技者は、各回胴体72、74の停止表示された図柄を視認することにより、現在の遊技状態が有利者にとって有利であるのか否かを推測する。
【0114】
ここで、リール可動装置50の各回胴体72、74は、ステッピングモータである駆動モータ78が1ステップ当り、フルステップ角の半分に相当する角度だけ回転し、これが連続することにより、きめ細かな回転動作を実現する。
【0115】
各可動装置48、50の演出動作処理を経て、演出制御処理が終了する。
【0116】
(テーブル選択処理)
次に、テーブル選択処理について、図18に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0117】
テーブル選択処理では、主制御基板200から出力された制御信号を受けた場合には、ROM224に記憶されたテーブルに基づいて駆動モータ90、78の駆動方式がCPU222により選択される。
【0118】
具体的には、図18に示すように、可動発光装置48による演出動作に関する制御信号を受けたとCPU222により判断された場合(S200:YES)には、リール可動装置50による演出動作に関する制御信号の入力を伴うのか否かがCPU222により判断される(S210)。
【0119】
可動発光装置48による演出動作に関する制御信号とリール可動装置50による演出動作に関する制御信号の両方が入力されたとCPU222により判断された場合(S210:YES)には、可動発光装置48の駆動モータ90の駆動方式として2−2相励磁方式がCPU222によって選択され(S220)、リール可動装置50の駆動モータ78の駆動方式として1−2相励磁方式がCPU222によって選択される(S230)。
【0120】
一方、可動発光装置48による演出動作に関する制御信号が入力されたとCPU222により判断された(S200:YES)が、リール可動装置50による演出動作に関する制御信号が入力されていないとCPU222により判断された場合(S210:NO)には、可動発光装置48の駆動モータ90の駆動方式として2−2相励磁方式のみがCPU222によって選択される(S240)。
【0121】
可動発光装置48による演出動作に関する制御信号が入力したとCPU222により判断されず(S200:NO)、リール可動装置50による演出動作に関する制御信号が入力されたとCPU222により判断された場合(S250:YES)には、ROM224に記憶された各テーブルに基づいて、駆動モータ78の駆動方式として1−2相励磁方式のみがCPU222によって選択される(S260)。
【0122】
なお、図9に示すように、駆動回路106、110における励磁シーケンスの切換え動作は、演出制御基板220のCPU222により実行される。すなわち、2−2相励磁方式を実行する場合には、演出制御基板220のCPU222からの制御信号に基づいて、励磁スイッチSW(図9参照)が切換られ、駆動回路106、110の2相励磁回路が起動する。また、1−2相励磁方式を実行する場合には、演出制御基板220のCPU222からの制御信号に基づいて、励磁スイッチSWが切換られ、駆動回路106、110の1−2相励磁回路が起動する。
【0123】
このようにして、各駆動モータ90、78の駆動方式が演出制御基板220のCPU222によって選択される。そして、可動発光装置48又はリール可動装置50のいずれか一方、あるいは可動発光装置48及びリール可動装置50の両方は、CPU222で選択された駆動モータ90、78の駆動方式(励磁方式)に基づいて演出動作が実行される。
【0124】
以上のように、本実施形態によれば、各駆動モータ90、78の複数の駆動方式をデータテーブルとして記憶しておき、各可動装置48、50を駆動するための制御信号にデータテーブルの情報を載せることにより、各可動装置48、50の駆動方式を容易に制御することができる。
【0125】
特に、ハードウエア上の改良点が不要になり、ソフトウエア上で制御信号にのせる情報を制御することにより、各可動装置48、50の駆動方式の変更が容易になる。この結果、コストの増加を防止して、各可動装置48、50の最適な演出動作を実現することができる。
【0126】
具体的には、大きなトルクが必要でかつ大胆な演出動作が要求される可動発光装置48の駆動方式には予め記憶しておいた2−2相励磁方式を選択し、小さなトルクで足りかつきめ細かな演出動作が要求されるリール可動装置50の各回胴体72、74の駆動方式には予め記憶しておいた1−2相励磁方式を選択する。この駆動方式の選択を制御信号の調整で行うことにより、簡易な方法で、各可動装置48、50に要求される演出動作を実現することができる。
【0127】
また、1−2相励磁方式でリール可動装置50の各回胴体72、74を駆動させると、全ての可動装置を2−2相励磁方式で駆動させる場合と比較して、消費電力を低減させることができる。これにより、電力コストを低減できる他、発熱量が低下することにより、パチンコ機10の各構成部材のトラブルを抑制でき、また製品寿命の低下を防止できる。
【0128】
特に、1ステップ角が3度以上のステッピングモータの2−2相励磁方式で比較的小型の可動装置を駆動する場合には、1パルス入力当りの回転量が大きくなるので、大まかな動作で、しかもがたつきのある動作になってしまう問題がある。
【0129】
しかしながら、本実施形態のように、1−2相励磁方式を採用することにより、1ステップ角が半分になるため、がたつきが少なく、きめ細かな動作を実現させることができる。そして、2−2相励磁方式と1−2相励磁方式との切換えをソフトウエア上で実行するため、ハードウエア上の変更がなく、低コストで励磁方式の切換えを実行することができる。異なる励磁方式を規定した複数のテーブルを持ち、可動装置によって複数のテーブルを容易に使い分けることができる。これにより、大型の役物の大胆な動作には2−2相励磁方式を採用し、きめ細かな動作が要求される小型の可動装置の細かな動作には1−2相励磁方式を採用することにより、要求される動作が異なる複数の可動装置に対して最適な演出動作を実現させることができる。
【0130】
特に、パチンコ機の遊技盤や遊技領域上に可動装置を配置させる場合には、スペース上の制約があるため、可動装置が比較的小型の設計になる。この場合でも、2−2層励磁方式で可動装置を駆動していると、可動装置が小型であるが故に、可動装置の演出動作時においてがたつきが大きくなる。これにより、遊技者には不快感がつのるとともに、可動装置のがたつきにより可動装置自体の構造劣化のおそれがある。このため、パチンコ機の可動装置に適用する場合には、スロットマシンと異なり、より細かな可動装置の制御が必要不可欠となっていた。
【0131】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、パチンコ機に搭載される小型の可動装置の駆動方式として1−2相励磁方式を採用するものである。しかも、2−2相励磁方式による駆動方式が要求される可動装置には、2−2相励磁方式で駆動させることもできる。これにより、パチンコ機に搭載される大型の可動装置の大胆な演出動作を実現しつつ、パチンコ機に搭載される小型の可動装置のきめ細かな演出動作も可能になる。この結果、可動装置による演出が遊技者に支持され易くなり、遊技性の向上にも寄与することができる。
【0132】
なお、本実施形態では、可動物として、可動発光装置48及びリール可動装置50を例にとり説明したが、これらの可動装置に限定されるものではない。すなわち、可動発光装置48及びリール可動装置50は、所定の軸回りに回転する可動装置であるが、例えば、軸回りに揺動動作を繰り返す振り子式の可動装置やリンク機構で構成された可動装置など、いわゆる遊技機(パチンコ機やスロットマシンなど)で使用される全ての可動装置に適用することができる。
【0133】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。本実施形態についても、本発明をパチンコ機に適用したものである。なお、以下に示すパチンコ機の構成は本発明が適用された一例に過ぎないものであり、本発明の範囲が本実施形態のパチンコ機の構成に限定されるものではない。また、第1実施形態の構成と重複する構成については同符号を付し、適宜、その説明を省略する。
【0134】
図19に示すように、第2実施形態の遊技盤16には、可動発光装置48及びリール可動装置50の他に、センター可動装置300(以下、適宜「可動装置300」という)が設けられている。このため、第2実施形態の遊技盤16には、合計3つの可動装置48、50、300と合計5つの駆動モータ90、78A、78B、306、308が使用されている。
【0135】
なお、可動発光装置48、リール可動装置50及び遊技盤16上の他の構成については、第1実施形態の遊技盤16の構成と同じであるため、それらの説明を省略する。
【0136】
(センター可動装置の構成)
図20、図21及び図22に示すように、センター可動装置300は、遊技盤16上において昇降自在に配置されている。センター可動装置300は、昇降機構(図省略)に保持されて昇降される固定部材302と、固定部材302に支持されて回転する回転部材304とで構成されている。なお、通常時には、センター可動装置300は、昇降機構に吊り上げられた状態で待機している。
【0137】
固定部材302は、回転モータ306(図20参照)を保持している。回転部材304は、回転モータ306とギア結合されて回転する。そして、回転モータ306の駆動軸には、駆動ギアG1が固着され、回転部材304の回転軸AXには従動ギアG2が固着されている。
【0138】
固定部材302は、その左右両端が不図示の昇降機構ALVに保持されている。そのため、昇降モータ308(図25参照)が回転すると、固定部材302は、水平状態を維持した状態で昇降する。また、固定部材302の一方側(正面視で左側)には、永久磁石MG1が配置されている。
【0139】
一方、回転部材304は、従動回転する回転軸AXと一体回転するよう構成されている。回転軸AXの基端は、固定部材302に軸支されている。また、回転部材304には、固定部材302の永久磁石MG1に対面する位置に、磁性体MG2が配置されている。そのため永久磁石MG1と磁性体MG2とが互いに吸引されることになり、その結果、回転部材304の水平姿勢は、磁気吸引力(磁着力)によって安定化されている。なお、回転演出開始時には、回転モータ306(図25参照)は、静止状態を維持する駆動状態となっている。
【0140】
このように、水平姿勢の回転部材304が磁着力などによって確実に保持されているので、センター可動装置300を素早く昇降させても、停止時の慣性力に拘わらず回転部材304の水平姿勢が崩れない。ただし、回転部材304の回転始動時には、この磁着力を超える始動トルクが必要となる。本実施形態では、ギア結合や磁性体MG2の関係で、静止状態(水平姿勢)において、正面視で反時計方向にトルクが加わっているので、特に、時計方向に回転始動させる場合には、反時計方向に回転始動させる場合より、大きな起動トルクが必要となる。
【0141】
なお、特に限定されないが、本実施形態では、大きな起動トルクを必要とする時計方向の回転を、逆方向(reverse)とし、反時計方向の回転を順方向(forward)としている。
【0142】
図21(b)に示す通り、回転軸AXには遮光片SHiが装着され、遮光片SHiの回転軌道上に、フォトインタラプタPHを配置することで、位置検出スイッチ310(位置検出SW)を構成している。回転部材304が水平姿勢であると、遮光片SHiが原点に位置して、位置検出スイッチ310がON状態となるが(図21(b))、回転部材304が回転すると(図21(c))、位置検出スイッチ310がOFF状態となる。
【0143】
回転部材304の水平姿勢は、2つの磁性体MG1,MG2の磁着力によって保持されるが、回転部材304が回転を開始した場合に、事実上、磁着力が及ぶ範囲は、位置検出スイッチ310のON状態の範囲より狭い範囲となる(図24参照)。すなわち、位置検出スイッチ310がOFF状態となれば、固定部材302と回転部材304の間に磁着力が全く作用していないと考えることができる。なお、図22は、回転部材304が、水平姿勢から、正面視で時計方向に90°回転した状態を示している。
【0144】
図23は、演出制御基板220に搭載されたドライバ回路312と、回転モータ306との接続関係を示す回路図である。回転モータ306は、例えば、ステッピングモータで構成されている。ドライバ回路312は、ダーリントン接続されたトランジスタTrと、ダンパーダイオードDpと、を有して構成されている。なお、この実施形態では、回転モータ306にギア結合された回転部材304が、所定のピッチで回転しており、回転モータ306が駆動パルスΦ1〜Φ4を受けると、回転部材304が一回転することになる。
【0145】
回転モータ306の回転速度は、駆動パルスΦ1〜Φ4を変化させる駆動速度に比例して増加するが、一方、回転モータ306の回転トルクは、回転速度に対応して低下する。これは、回転速度を速めるには、回転モータ306の励磁コイルLx,Lyに流れる励磁電流を迅速に変化させる必要があるが、励磁コイルLx,Lyに蓄積された磁気エネルギーによる慣性によって、回転に寄与する励磁電流が実質的に減少するからである。
【0146】
本実施形態では、センター可動装置300には、回転モータ306の回転軸AXが原点位置に達したことを検出するための位置検出スイッチ310が配置されている。そのため、回転部材304に対して、回転モータ306の回転トルクが不足気味となっても、回転部材304を正確に一回転させることができる。本実施形態では、ギア結合で回転速度を増速させた分だけ、回転トルクが減少するので、位置検出スイッチ310を設けた意義は大きい。
【0147】
図24に示すように、位置検出スイッチ310は、具体的には、発光部と受光部とを有するフォトインタラプタPHと、発光部から放射された検査光を遮断する遮光片SHiと、で構成されている。なお、発光部はフォトダイオードで構成され、受光部はフォトトランジスタで構成されている。このため、検出スイッチ信号(図示省略)は、フォトトランジスタの出力として、通常時はLレベル(OFFレベル)であるが、原点位置を検出した遮光時にはHレベル(ONレベル)となる。
【0148】
なお、可動発光装置48には、可動発光装置48の原点位置を検出するための位置検出スイッチ94(位置検出SW)が配置されている。また、リール可動装置50には、リール可動装置50の原点位置を検出するための位置検出スイッチ51(位置検出SW、図25参照)が配置されている。これらの位置検出スイッチ94、51は、可動発光装置48あるいはリール可動装置50が原点位置にあるか否かを検出するためのスイッチであり、例えば、センター可動装置300の位置検出スイッチ310の構成と同じように構成されている。
【0149】
(演出制御基板における制御処理)
次に、上記複数の可動装置の動作演出を実現するための演出制御基板220(CPU222)における制御処理について説明する。上記複数の可動装置の動作演出を実現するための演出制御基板220における制御処理は、電源投入後に開始されるメイン処理(図26参照)と、4mS毎に起動されるタイマ割込み処理(図27参照)と、1mS毎に起動されて各可動装置の動作を制御するタイマ割込み処理(図30参照)と、ストローブ信号STBによって起動される受信割込み処理(不図示)と、を含んで実行されている。
【0150】
(演出制御基板によるメイン処理)
先ず、演出制御基板220(CPU222)によるメイン処理について説明する。
【0151】
図26に示すように、メイン処理では、CPU222内部の初期設定をCPU222が実行した後(ST100)、CPU222を割込み許可状態に設定する(ST200)。そして、4mS間隔のタイマ割込みを待機する(ST300)。
【0152】
このとき、4mS間隔でタイマ割込みが生じる毎に、割込みフラグINTがセットされるので(図27のST800)、メイン処理のステップST300の処理では、割込みフラグINTが1になるのをCPU222が繰り返しチェックすることになる。そして、割込みフラグINT=1となると、CPU222がこれをリセットした後に(ST400)、受信コマンド解析処理を実行する(ST500)。そして、演出シナリオ進行処理(ST600)及びその他の処理(ST700)を経て、ST200に戻る。
【0153】
(演出制御基板による受信コマンド解析処理)
次に、演出制御基板220(CPU222)による受信コマンド解析処理について説明する。
【0154】
図28に示すように、受信コマンド解析処理では、変動パターンに関する受信コマンドを受信したか否かをCPU222が判定する(ST1000)。そして、変動パターンに関する受信コマンドを受信している場合(ST1000:YES)には、CPU222が受信コマンドに応じた演出抽選を実行する(ST1100)。さらに、演出抽選の結果に対応する演出シナリオをCPU222がセットする(ST1200)。
【0155】
ここで、各種演出シナリオは、予め、演出制御基板220のROM224にデータとして記憶されている。なお、LED01、LED02、LED03、LED04は、パチンコ機に装備されている複数の装飾ランプ24の発光制御に関する発光パターンデータの種類をいう。SP01、SP02、SP03、SP04は、パチンコ機に装備されている複数のスピーカ26の音出力制御に関する音出力パターンデータの種類をいう。MO1、MO2、MO3、MO4は、複数のモータ(回転モータ306、駆動モータ90、駆動モータ78A、78B)の駆動制御に関する駆動制御パターンデータの種類をいう。これらの設定は、一例であり、この対応関係に限定されるべきものではない。
【0156】
(演出シナリオ1)
図35に示すように、演出制御基板220に搭載されているタイマ228のカウント値が0(mS)のときにLED01による発光演出が開始される。タイマ228のカウント値が150(mS)のときにSP01による音出力演出が開始される。このとき、LED01による発光演出も継続している。
【0157】
タイマ228のカウント値が500(mS)のときにMO1、MO2による駆動演出が開始される。これにより、センター可動装置300の回転モータ306が駆動して回転部材304が回転し、可動発光装置48の駆動モータ90によって回転体92が所定の回転速度で回転する。このとき、LED01による発光演出及びSP01による音出力演出も継続している。
【0158】
タイマ228のカウント値が2000(mS)のときにMO3の駆動演出が開始される。これにより、リール可動装置50の駆動モータ78Aが駆動して回胴体72が回転する。このとき、LED01による発光演出、SP01による音出力演出、MO1、MO2による駆動演出も継続している。
【0159】
タイマ228のカウント値が4000(mS)のときにLED02による発光演出及びSP02による音出力演出が開始される。このとき、LED01による発光演出、SP01による音出力演出、MO1、MO2、MO3による駆動演出も継続している。
【0160】
なお、LED01・LED02による発光演出、SP01・SP02による音出力演出、MO1・MO2・MO3による駆動演出は、所定の時間が経過すると停止する。
【0161】
図25では、タイマ228がCPU222とは別個独立して演出制御基板220に搭載されている構成を示しているが、この構成に限られず、例えば、CPU222とRAM226とを利用してタイマの機能を実現するように構成してもよい。これにより、演出制御基板220には、CPU222とは別個独立したタイマを搭載する必要がなくなり、部品点数及びコストを削減できる。
【0162】
(演出シナリオ2)
図36に示すように、演出制御基板220に搭載されているタイマ228のカウント値が100(mS)のときにLED03による発光演出、及びSP03による音出力演出が開始される。タイマ228のカウント値が200(mS)のときにMO3、MO4による駆動演出が開始される。これにより、リール可動装置50の駆動モータ78Aが駆動して回胴体72が回転し、かつ駆動モータ78Bが駆動して回胴体74が回転する。このとき、LED03による発光演出及びSP03による音出力演出も継続している。
【0163】
タイマ228のカウント値が6200(mS)のときにLED04による発光演出及びSP04による音出力演出が開始される。このとき、LED03による発光演出、SP03による音出力演出、MO3、MO4による駆動演出も継続している。
【0164】
なお、LED03・LED04による発光演出、SP03・SP04による音出力演出、MO3・MO4による駆動演出は、所定の時間が経過すると停止する。
【0165】
(演出シナリオ3)
図37に示すように、演出制御基板220に搭載されているタイマ228のカウント値が100(mS)のときにLED03による発光演出、及びSP03による音出力演出が開始される。タイマ228のカウント値が200(mS)のときにMO3、MO4による駆動演出が開始される。これにより、リール可動装置50の駆動モータ78Aが駆動して回胴体72が回転し、かつ駆動モータ78Bが駆動して回胴体74が回転する。このとき、LED03による発光演出及びSP03による音出力演出も継続している。
【0166】
タイマ228のカウント値が6700(mS)のときにLED04による発光演出及びSP04による音出力演出が開始される。このとき、LED03による発光演出、SP03による音出力演出、MO3、MO4による駆動演出も継続している。
【0167】
なお、LED03・LED04による発光演出、SP03・SP04による音出力演出、MO3・MO4による駆動演出は、所定の時間が経過すると停止する。
【0168】
LED01・LED02・LED03・LED04による発光演出に関するプログラムデータ、及びSP01・SP02・SP03・SP04による音出力演出に関するプログラムデータは、予め、演出制御基板220のROM224に記憶されている。
【0169】
MO1・MO2・MO3・MO4による駆動演出は、ROM224に記憶されている可動装置演出用プログラム、モータ動作テーブル(図38及び図39参照)及びモータ励磁データテーブル(図40参照)に基づいて実行される。
【0170】
なお、モータ動作テーブル(図38及び図39参照)及びモータ励磁データテーブル(図40参照)については、後述する。
【0171】
(演出制御基板による演出シナリオ管理処理)
次に、演出制御基板220(CPU222)による演出シナリオ管理処理について説明する。
【0172】
図29に示すように、演出シナリオ管理処理は、図26の演出シナリオ進行処理ST600の中で演出制御基板220のCPU222により実行される処理である。演出制御基板220のCPU222が、演出実行タイミングであるか否か否かを判定する(ST1300)。
【0173】
演出実行タイミングである場合(ST1300:YES)には、CPU222が図28のST1200でセットした演出シナリオ(演出シナリオ1〜3)の中から実行すべき演出データをセットする(ST1400)。
【0174】
ここで、図29のST1400においてセットされる演出データとは、図28のST1200でセットされた演出シナリオに対して、タイマ228のカウント値を参照して特定されるものである。
【0175】
具体的には、図28のST1200でセットされた演出シナリオが演出シナリオ1(図35参照)である場合、タイマ228のカウント値が500であれば、MO1とMO2による演出データがセットされる。
【0176】
(演出制御基板による1mS毎のタイマ割込み処理)
次に、演出制御基板220(CPU222)による1mS毎のタイマ割込み処理について説明する。
【0177】
図30に示すように、1mS毎のタイマ割込み処理は、図26のメイン処理に並行して、1mS毎に実行される。1mS間隔のタイマ割込みが生じると、先ず、モータ動作開始タイミングであるか否かがCPU222により判定される(ST1500)。
【0178】
ここで、モータとして、リール可動装置50の駆動モータ78A、78B、可動発光装置48の駆動モータ90、センター可動装置300の回転モータ306が該当する。
【0179】
そして、モータ動作開始タイミングであるとCPU222が判定した場合(ST1500:YES)には、CPU222がモータn動作フラグFLGを1にセットする(ST1600)。
【0180】
ここでのモータn動作フラグFLGは、リール可動装置50の駆動モータ78A、78B、可動発光装置48の駆動モータ90、センター可動装置300の回転モータ306に対応する複数のモータn動作フラグFLGが用意されており、モータ動作開始タイミングになった所定のモータに対応するモータn動作フラグFLGが1にセットされる。
【0181】
そして、CPU222がモータ動作テーブル(図38及び図39参照)のアドレス(PT)を初期セットする(ST1700)。ここでセットされるモータ動作テーブル(図38及び図39参照)のアドレス(PT)は、ST1500においてモータ動作開始タイミングになった所定のモータに対応するものである。
【0182】
さらに、ST1700の後、CPU222によりモータ処理(図31及び図32参照)が実行する(ST1800)。
【0183】
なお、モータ動作開始タイミングであるとCPU222が判定していない場合、換言すればモータ動作開始タイミングではない場合(ST1500:NO)には、ST1600及びST1700の各工程を経ずに、そのままモータ処理(図31及び図32参照)が開始される(ST1800)。
【0184】
(モータ動作テーブルの説明)
次に、演出制御基板220によるモータ処理に使用するモータ動作テーブルについて説明する。モータ動作テーブルとは、動作ステイタス(STS)とモータの回転速度(SPD)とタイマ228のカウント時間(TMR)との対応関係を一行で特定したもの(PT)が、複数の行にわたって集合したテーブルである。モータ動作テーブルには、コマ送り5コマのもの(図38参照)と、原点復帰のもの(図39参照)とがある。これらのモータ動作テーブルは、演出制御基板220のROM224に記憶されている。
【0185】
図38は、コマ送り5コマのモータ動作テーブルである。
【0186】
図38に示すように、第一行目は、動作ステイタス(STS)が(AXT,INC)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(960)のPTである。
【0187】
第二行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,INC)、速度(SPD)が(8)、時間(TMR)が(320)のPTである。
【0188】
第三行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,STOP)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(1000)のPTである。
【0189】
第四行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,INC)、速度(SPD)が(8)、時間(TMR)が(320)のPTである。
【0190】
第五行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,STOP)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(1000)のPTである。
【0191】
第六行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,INC)、速度(SPD)が(8)、時間(TMR)が(320)のPTである。
【0192】
第七行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,STOP)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(1000)のPTである。
【0193】
第八行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,INC)、速度(SPD)が(8)、時間(TMR)が(320)のPTである。
【0194】
第九行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,STOP)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(1000)のPTである。
【0195】
第十行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,DEC)、速度(SPD)が(8)、時間(TMR)が(320)のPTである。
【0196】
第十一行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,STOP)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(1000)のPTである。
【0197】
第十二行目は、動作ステイタス(STS)が(END, )、速度(SPD)が(0)、時間(TMR)が(0)のPTである。
【0198】
図39は、原点復帰のモータ動作テーブルである。
【0199】
図39に示すように、第一行目は、動作ステイタス(STS)が(AXT,INC)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(600)のPTである。
【0200】
第二行目は、動作ステイタス(STS)が(EXT,INC)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(600)のPTである。
【0201】
第三行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,INC)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(6)のPTである。
【0202】
第四行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,STOP)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(1000)のPTである。
【0203】
第五行目は、動作ステイタス(STS)が(END, )、速度(SPD)が(0)、時間(TMR)が(0)のPTである。
【0204】
なお、図38及び図39の「速度」は、モータの駆動速度(回転速度)を意味する。また、図38及び図39の「時間」は、モータの駆動時間(回転時間)を意味する。
【0205】
ここで、図38及び図39のモータ動作テーブルの動作ステイタス(STS)は、動作ステイタス上位と動作ステイタス下位とで構成されている。
【0206】
特に、動作ステイタス上位の「AXT」は、各可動装置48、50、300の位置検出スイッチ94、51、310がONの間は各可動装置48、50、300の動作が継続し、OFFで動作が終了するデータであることを意味する。
【0207】
動作ステイタス上位の「EXT」は、各可動装置48、50、300の位置検出スイッチ94、51、310がOFFの間は各可動装置48、50、300の動作が継続し、ONで動作が終了するデータであることを意味する。
【0208】
動作ステイタス上位の「ALL」は、各可動装置48、50、300の位置検出スイッチ94、51、310を関与しないデータであることを意味する。
【0209】
動作ステイタス上位の「END」は、終了のデータであることを意味する。
【0210】
動作ステイタス下位の「INC」は、各可動装置48、50の駆動モータ90、78、及び可動装置300の回転モータ306の回転方向が順方向となるデータである。
【0211】
動作ステイタス下位の「DEC」は、各可動装置48、50の駆動モータ90、78、及び可動装置300の回転モータ306の回転方向が逆方向となるデータである。
【0212】
動作ステイタス下位の「STOP」は、各可動装置48、50の駆動モータ90、78、及び可動装置300の回転モータ306の回転が停止するデータである。
【0213】
(モータ励磁データテーブルの説明)
次に、演出制御基板220によるモータ処理に使用するモータ励磁データテーブルについて説明する。モータ励磁データテーブルとは、1相励磁・2相励磁・1−2相励磁に関して励磁カウンタと励磁データとの対応関係を一行で特定したものが、複数の行にわたって集合したテーブルである。モータ励磁データテーブルは、演出制御基板220のROM224に記憶されている。
【0214】
図40は、モータ励磁データテーブルを示した図である。モータ励磁データテーブルのテーブル1は、1相励磁に関するテーブルが規定されている。
【0215】
テーブル1の第一行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(0,0001)の対応関係になる。
【0216】
テーブル1の第二行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(1,0010)の対応関係になる。
【0217】
テーブル1の第三行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(2,0100)の対応関係になる。
【0218】
テーブル1の第四行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(3,1000)の対応関係になる。
【0219】
テーブル1の第五行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(4,0001)の対応関係になる。
【0220】
テーブル1の第六行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(5,0010)の対応関係になる。
【0221】
テーブル1の第七行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(6,0100)の対応関係になる。
【0222】
テーブル1の第八行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(7,1000)の対応関係になる。
【0223】
モータ励磁データテーブルのテーブル2は、2相励磁に関するテーブルが規定されている。
【0224】
テーブル2の第一行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(0,0011)の対応関係になる。
【0225】
テーブル2の第二行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(1,0110)の対応関係になる。
【0226】
テーブル2の第三行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(2,1100)の対応関係になる。
【0227】
テーブル2の第四行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(3,1001)の対応関係になる。
【0228】
テーブル2の第五行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(4,0011)の対応関係になる。
【0229】
テーブル2の第六行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(5,0110)の対応関係になる。
【0230】
テーブル2の第七行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(6,1100)の対応関係になる。
【0231】
テーブル2の第八行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(7,1001)の対応関係になる。
【0232】
モータ励磁データテーブルのテーブル3は、1−2相励磁に関するテーブルが規定されている。
【0233】
テーブル3の第一行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(0,0011)の対応関係になる。
【0234】
テーブル3の第二行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(1,0010)の対応関係になる。
【0235】
テーブル3の第三行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(2,0110)の対応関係になる。
【0236】
テーブル3の第四行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(3,0100)の対応関係になる。
【0237】
テーブル3の第五行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(4,1100)の対応関係になる。
【0238】
テーブル3の第六行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(5,1000)の対応関係になる。
【0239】
テーブル3の第七行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(6,1001)の対応関係になる。
【0240】
テーブル3の第八行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(7,0001)の対応関係になる。
【0241】
ここで、テーブル1の1相励磁及びテーブル2の2相励磁の場合には、励磁カウンタが0〜3の各行の励磁データと、0〜7の各行の励磁データと、が完全同一となる。
【0242】
すなわち、テーブル1の第一行目の励磁データと第五行目の励磁データとが同じデータ(0001)になる。テーブル1の第二行目の励磁データと第六行目の励磁データとが同じデータ(0010)になる。テーブル1の第三行目の励磁データと第七行目の励磁データとが同じデータ(0100)になる。テーブル1の第四行目の励磁データと第八行目の励磁データとが同じデータ(1000)になる。また、テーブル2の第一行目の励磁データと第五行目の励磁データとが同じデータ(0011)になる。テーブル2の第二行目の励磁データと第六行目の励磁データとが同じデータ(0110)になる。テーブル2の第三行目の励磁データと第七行目の励磁データとが同じデータ(1100)になる。テーブル2の第四行目の励磁データと第八行目の励磁データとが同じデータ(1001)になる。
【0243】
図40のモータ励磁データテーブルは、共通の励磁カウンタの範囲(0〜7)をもつテーブル1、テーブル2、テーブル3から構成されている。特に、各テーブル(テーブル1、テーブル2、テーブル3)は、各行において励磁カウンタに対応した個別の励磁データが存在し、これが第一行から第八行にわたって規定されて構成されている。このため、各テーブル(テーブル1、テーブル2、テーブル3)は、複数の励磁データを所有している。
【0244】
なお、励磁カウンタは、演出制御基板220のRAM226に記憶されている。励磁カウンタの更新処理(図31のST3000)は、演出制御基板220のCPU222とRAM226とにより実現される。
【0245】
特に、1−2相励磁方式に関する励磁パターンデータの励磁カウンタ及び励磁データが8種類×L(回)設けられ、1相励磁方式及び2相励磁方式に関する励磁パターンデータの励磁カウンタ及び励磁データが4種類×2L(回)設けられることにより、1−2相励磁方式の励磁カウンタと、2相励磁方式の励磁カウンタと、1相励磁方式の励磁カウンタと、が共通の値になるように設定される。なお、図40は、L=1(回)の場合のモータ励磁データテーブルを示す。これにより、CPU222は、励磁方式の違いがある場合でも、同様の制御方法により、全ての励磁方式の励磁カウンタの値を更新することができる。
【0246】
また、RAM226には、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式の励磁カウンタ及び励磁データの個数、及び1−2相励磁方式に関する励磁カウンタ及び励磁データの個数が、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式に関する励磁カウンタ及び励磁データの個数と1−2相励磁方式に関する励磁カウンタ及び励磁データの個数の最小公倍数となるように設定されたモータ励磁データテーブル(図40参照)が記憶されており、モータ励磁データテーブルの中に、励磁方式の相違にかかわらず、共通の励磁カウンタを所有してもよい。これにより、CPU222は、励磁方式の違いがある場合でも、同様の制御方法により、全ての励磁方式の励磁カウンタの値を更新することができる。
【0247】
上記のように、1相励磁及び2相励磁の励磁データが4種類(励磁カウンタが0〜3までの4つ)になるが、1−2相励磁の励磁データが8種類(励磁カウンタが0〜7までの8つ)あるため、1相励磁及び2相励磁では同じ励磁データを繰り返して設定することにより、1−2相励磁の励磁データの種類(励磁カウンタのカウント値)に合わせることができる。
【0248】
これにより、1相励磁、2相励磁、1−2相励磁において、共通の励磁カウンタに対応するそれぞれの励磁データを持たせることができる。この結果、各モータの動作を実行する場合には、1相励磁、2相励磁、1−2相励磁のいずれの励磁方式においても、モータの制御コマンドに図40のモータ励磁データテーブルの共通の励磁カウンタの値を用いて画一的に制御することができる。このため、従来から回路などのハード面を変更することなく、1相励磁、2相励磁、1−2相励磁が混在する励磁制御を容易に実行することができる。
【0249】
各モータの駆動方式が1相励磁、2相励磁、1−2相励磁のいずれを採用するかについては、演出制御基板220のCPU222が主制御基板200から出力された制御信号とROM224に記憶されたテーブルとに基づいて選択される。後述するように、図31のモータ処理では、CPU222により選択された駆動方式に合致するモータ励磁データ(図40参照)が参照される。
【0250】
(演出制御基板によるモータ処理)
次に、演出制御基板220によるモータ処理について説明する。
【0251】
図31に示すように、モータ処理(図30のST1800)では、先ず、モータの個数分ループがCPU222により実行される(ST1900)。モータの個数分ループとは、例えば、4つのモータ78A、78B、90、306の中でモータ処理されるべきモータ分だけST1900からST3500までのステップが繰り返される処理である。
【0252】
そして、モータn動作フラグFLGが1に設定されているか否かがCPU222により判定される(ST2000)。モータn動作フラグFLGは、1mS毎のタイマ割込み処理のST1600でセットされたものが用いられる。この結果、モータn動作フラグFLGが0(ゼロ)である場合には、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。
【0253】
なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0254】
ここで、モータn動作フラグFLGの「モータn」とは、各モータとの物理的な対応関係を意味する。すなわち、本実施形態のパチンコ機に搭載されているモータが4つの場合には、例えば、モータ1(n=1)がセンター可動装置300の回転モータ306が対応し、モータ2(n=2)が可動発光装置48の駆動モータ90が対応し、モータ3(n=3)がリール可動装置50の駆動モータ78Aが対応し、モータ4(n=4)がリール可動装置50の駆動モータ78Bが対応する。
【0255】
一方、モータn動作フラグFLGが1である場合には、タイマ228のカウント値がCPU222により判定される(ST2100)。
【0256】
タイマ228のカウント値が0(ゼロ)である場合には、モータ動作テーブル(図38及び図39参照)のアドレス(PT)がCPU222により更新される(ST2200)。例えば、モータ動作テーブル(図38及び図39参照)のアドレス(PT)が第一行目であれば、更新により第二行目に設定される。
【0257】
そして、更新されたアドレス(PT)の動作ステイタス(STS)、速度(SPD)、時間(TMR)がCPU222により読み出される(ST2300)。例えば、更新されたアドレス(PT)が図38のモータ動作テーブルの第二行目であれば、動作ステイタス(STS)が(ALL,INC)、速度(SPD)が(8)、時間(TMR)が320であるとCPU222により読み出され、RAM226の所定の領域に記憶される。
【0258】
次に、動作ステイタス(STS)の動作ステイタス上位がCPU222により判定される(S2400)。動作ステイタス(STS)の動作ステイタス上位が「END」である場合には、全相OFFがCPU222によって演出制御基板220の出力バッファにセットされる(ST2500)。そして、モータn動作フラグFLGがCPU222によって0(ゼロ)にセットされる(ST2600)。その後、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。
【0259】
なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0260】
一方、動作ステイタス(STS)の動作ステイタス上位が「END」ではない場合には、図40のモータ励磁データテーブルを参照して励磁カウンタとモータ番号nに対応する励磁データがCPU222によって演出制御基板220の出力バッファにセットされる(ST2700)。
【0261】
具体的には、駆動モータ90、78、回転モータ306を特定するためのモータ番号nと現在の励磁カウンタの値とから励磁データが特定され、これが出力バッファにセットされる。ここで、特定された励磁データが、駆動制御信号として、後述のST3800においてCPU222によってモータ(モーター番号nに対応するモータ)に出力される。駆動制御信号が出力されたモータは、前記励磁データに基づいて駆動する。
【0262】
なお、モータ番号nは、ST2000においてモータn動作フラグFLGが1にセットされているモータを指す。
【0263】
ST2700において、各モータの駆動方式が1相励磁、2相励磁、1−2相励磁のいずれを採用するかについては、演出制御基板220のCPU222が主制御基板200から出力された制御信号とROM224に記憶されたテーブルとに基づいて選択される。そして、モータ励磁データテーブルを参照する際においては、CPU222により選択された駆動方式(1相励磁、2相励磁、1−2相励磁のいずれか)の励磁カウンタが参照される。
【0264】
特に、第2実施形態では、センター可動装置300の回転モータ306、可動発光装置48の駆動モータ90、リール可動装置50の駆動モータ78A、リール可動装置50の駆動モータ78Bが、1相励磁、2相励磁あるいは1−2相励磁のうち、いずれかの励磁方式によって駆動制御される。この駆動制御は、ROM224に記憶されている駆動制御パターンデータに基づいて実行され、その駆動制御パターンデータの中に励磁方式の情報が規定されている。
【0265】
なお、ST2100においてタイマ228のカウント値が0(ゼロ)ではない場合には、ST2200、ST2300及びST2400を経ずに、ST2700に移行する。
【0266】
さらに、CPU222が速度(SPD)の値を−1(マイナス1)にする(ST2800)。また、CPU222が時間(TMR)の値を−1(マイナス1)にする(ST2800)。例えば、速度(SPD)の値が(2)であれば、2−1=1になる。また、時間(TMR)の値が(960)であれば、960−1=959になる。なお、速度(SPD)の値及び時間(TMR)の値をそれぞれ−1するのは、モータ処理が1mS毎に起動するからである。
【0267】
次に、速度(SPD)の値がCPU222により判定される(ST2900)。速度(SPD)の値が0(ゼロ)である場合には、CPU222により励磁カウンタが0〜7の範囲で更新される(ST3000)。
【0268】
具体的には、動作ステイタス(STS)下位が「INC」であれば、+1(プラス1)される。動作ステイタス(STS)下位が「DEC」であれば、−1(マイナス1)される。動作ステイタス(STS)下位が「STOP」であれば、±0(プラスマイナスゼロ)となる。例えば、励磁カウンタの値が(1)であることを基準にすると、動作ステイタス(STS)下位が「INC」であれば、励磁カウンタの値が+1(プラス1)されて(2)になる。一方、動作ステイタス(STS)下位が「DEC」であれば、励磁カウンタの値が−1(マイナス1)されて(0)になる。さらに、動作ステイタス(STS)下位が「STOP」であれば、励磁カウンタの値が±0(プラスマイナスゼロ)になって(1)のままとなる。
【0269】
このように、この励磁カウンタの値の更新は、1相励磁、2相励磁、1−2相励磁のいずれの励磁方式であっても、共通の励磁カウンタの値を利用することができ、しかも異なる励磁方式の励磁カウンタの値を同じ方法で画一的に更新することができる。
【0270】
ここで、励磁カウンタの更新処理(ST3000)後における励磁カウンタの補正処理について、詳細に説明する。
【0271】
一般的には、1相励磁方式及び2相励磁方式を採用する場合に励磁データが4種類存在し、1−2相励磁方式を採用する場合に励磁データが8種類存在するため、1相励磁方式・2相励磁方式及び1−2相励磁方式が混在する場合には、1相励磁方式及び2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、1−2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、を別のプログラムにおいて別けて実行する必要がある。
【0272】
例えば、一般的には、図33に示すような処理が考えられる。図33に示すように、励磁カウンタの更新処理後において、先ず、1−2相励磁であるか否かがCPU222により判別される(ST3010)。1−2相励磁であれば(ST3010:YES)、励磁カウンタが0〜7の範囲であるか否かがCPU222により判別される(ST3020)。励磁カウンタが0〜7の範囲になければ(ST3020:NO)、励磁カウンタの値がCPU222により補正される(ST3030)。具体的には、励磁カウンタが「8」であれば、『0』になり、励磁カウンタが「−1」であれば、『7』になる。その後、ST3100に移行する。なお、励磁カウンタが0〜7の範囲にあれば(ST3020:YES)、ST3030の励磁カウンタの補正処理が行われず、ST3100に移行する。
【0273】
一方、ST3010において1−2相励磁でなければ(ST3010:NO)、本実施形態では1相励磁あるいは2相励磁になり、励磁カウンタが0〜3の範囲であるか否かがCPU222により判別される(ST3040)。励磁カウンタが0〜3の範囲になければ(ST3040:NO)、励磁カウンタの値がCPU222により補正される(ST3050)。具体的には、励磁カウンタが「4」であれば、『0』になり、励磁カウンタが「−1」であれば、『3』になる。その後、ST3100に移行する。なお、励磁カウンタが0〜3の範囲にあれば(ST3040:YES)、ST3050の励磁カウンタの補正処理が行われず、ST3100に移行する。
【0274】
ところが、図33に示した処理では、ST3030における処理とST3050における処理とを別のプログラムで対応する必要があり、プログラムの容量が大きくなったり、あるいは補正処理のタイミングがズレたりして励磁カウンタの補正処理が煩雑になるといった懸念がある。
【0275】
そこで、本実施形態では、1相励磁方式・2相励磁方式及び1−2相励磁方式が混在する構成においても、1相励磁方式及び2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、1−2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、を共通のプログラムで実行する工夫がされている。
【0276】
すなわち、図34に示すように、励磁カウンタの更新処理後において、励磁カウンタが0〜7の範囲であるか否かがCPU222により判別される(ST3020)。励磁カウンタが0〜7の範囲になければ(ST3020:NO)、励磁カウンタの値がCPU222により補正される(ST3030)。具体的には、励磁カウンタが「8」であれば、『0』になり、励磁カウンタが「−1」であれば、『7』になる。その後、ST3100に移行する。なお、励磁カウンタが0〜7の範囲にあれば(ST3020:YES)、ST3030の励磁カウンタの補正処理が行われず、ST3100に移行する。
【0277】
図34に示した処理を実行することにより、1相励磁方式・2相励磁方式及び1−2相励磁方式が混在する構成においても、1相励磁方式及び2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、1−2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、を共通のプログラムで実行することができる。
【0278】
すなわち、各励磁方式の励磁データの数が合致しているため、これに対応する励磁カウンタの範囲を共通なものに設定することができる。このため、励磁方式が異なる場合でも、励磁カウンタの補正処理において、共通のプログラムで対応することができる。この結果、演出制御基板220のROM224に記憶されるプログラムの容量を小さくすることができ、あるいは励磁カウンタの補正処理のタイミングを統一することができ、励磁カウンタの補正処理が簡易なものになる。
【0279】
次に、ST2200において更新されたモータ動作テーブルのアドレス(PT)に対応する速度(SPD)がCPU222により読み込まれる(ST3100)。ST3100では、ST2300で読み込まれた速度(SPD)の値が読み込まれ、RAM226に記憶される。
【0280】
例えば、ST2300において読み込まれた速度(SPD)が8の場合には、ST2800において速度(SPD)が−1(1減算)されて7になる。このため、ST2900において速度(SPD)が0(ゼロ)ではないから、ST300及びST3100を経ずに、ST3200に移行する。このときの、速度(SPD)は、7になる。
【0281】
次回のループにおいてST2300で速度(SPD)が7と読み込まれると、ST2800では速度(SPD)が−1(1減算)されて6になる。このため、ST2900において速度(SPD)が0(ゼロ)ではないから、ST300及びST3100を経ずに、ST3200に移行する。このときの、速度(SPD)は、6になる。
【0282】
次回のループにおいてST2300で速度(SPD)が6と読み込まれると、ST2800では速度(SPD)が−1(1減算)されて5になる。このため、ST2900において速度(SPD)が0(ゼロ)ではないから、ST300及びST3100を経ずに、ST3200に移行する。このときの、速度(SPD)は、5になる。
【0283】
これを繰り返すことにより、やがてST2900において速度(SPD)が0(ゼロ)になり、このときはじめてST3000に移行して励磁カウンタを更新する。
【0284】
一方、時間(TMR)は、ST2800において−1(1減算)されることから、時間(TMR)が0(ゼロ)にならない限り、次回のループのST2200においても、動作テーブルアドレス(PT)が更新されない。このため、ST2300において速度(SPD)が8と読み込まれると、時間(TMR)が0(ゼロ)にならない限り、ST2200にて動作テーブルアドレス(PT)が更新されず、かつ速度(SPD)が0(ゼロ)にならない限り、ST2900からST3200にループする(ST3000及びST3100を経由しない)。
【0285】
このように、ST2300において速度(SPD)が8と読み込まれると、以後7回のループでは、ST3000にて励磁カウンタの値が更新されない。
【0286】
また、例えば、ST2300において読み込まれた速度(SPD)が2の場合についても、同様に考えることができる。
【0287】
この場合に、ST2800において速度(SPD)が−1(1減算)されて1になる。そして、ST2900からST3200に移行する(ST3000及びST3100を経由しない)。
【0288】
次のループのST2800にて速度(SPD)が−1(1減算)されて0(ゼロ)になる。このとき、はじめてST2900からST3000に進み励磁カウンタの値が更新される。そして、ST3100において速度(SPD)が読み込まれる。ST3100では、ST2300で読み込まれた速度が再度読み込まれる。なお、ST3100で読み込まれる速度(SPD)の値は、ST2200で動作テーブルアドレス(PT)の更新をしない限り、一定の値となる。
【0289】
ST2900において速度(SPD)が0(ゼロ)ではない場合、ST3000及びST3100を経ずに、ST3200に移行する。
【0290】
次に、図32に示すように、動作ステイタス(STS)上位がCPU222により判定される(ST3200)。動作ステイタス(STS)上位が「AXT」である場合には、位置検出スイッチ51、94、310のON又はOFFがCPU222により判定される(ST3300)。
【0291】
位置検出スイッチ51、94、310がOFFであれば、タイマ228の時間(TMR)がCPU222により0(ゼロ)にセットされ(ST3400)、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0292】
一方、位置検出スイッチ51、94、310がONであれば、タイマ228の時間(TMR)がCPU222により0(ゼロ)にセットされずに、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0293】
ST3200において動作ステイタス(STS)上位が「EXT」である場合には、位置検出スイッチ51、94、310のON又はOFFがCPU222により判定される(ST3600)。
【0294】
位置検出スイッチ51、94、310がONであれば、タイマ228の時間(TMR)がCPU222により0(ゼロ)にセットされ(ST3700)、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0295】
一方、位置検出スイッチ51、94、310がOFFであれば、タイマ228の時間(TMR)がCPU222により0(ゼロ)にセットされずに、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0296】
ST3200において動作ステイタス(STS)上位が「ALL」である場合には、位置検出スイッチ51、94、310のON又はOFFにかかわらず、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0297】
ST3500のループが終了後、CPU222により励磁データ/全相OFFを含む各出力バッファの値が駆動制御信号として各駆動モータ78、90あるいは回転モータ306のモータドライバに対して出力される(ST3800)。この駆動制御信号を受けて、各駆動モータ78、90あるいは回転モータ306が回転駆動する。なお、駆動制御信号に全相OFFの出力バッファが含まれている場合には、各駆動モータ78、90あるいは回転モータ306の励磁がOFFになる。
【0298】
第2実施形態によれば、第1実施形態のパチンコ機で実現することができる効果に加えて、さらに以下の効果を得ることができる。すなわち、各可動装置45、58、300の各モータ90、78、306の駆動方式(1相励磁方式、2相励磁方式、1−2相励磁方式など)が複数設けられているが、いずれの駆動方式を採用する場合においても、共通の範囲である励磁カウンタを持たせることができる。これにより、上述した通り、1相励磁方式・2相励磁方式及び1−2相励磁方式が混在する構成においても、1相励磁方式及び2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、1−2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、を共通のプログラムで実行することができる。
【0299】
特に、回路構成などを変えることなく(回路構成に特殊な工夫を施すことなく)、既存のハード構成を利用して、各モータの複数の駆動方式(1相励磁方式、2相励磁方式、1−2相励磁方式など)を切り換えることができる。
【0300】
また、演出制御基板220がモータ励磁データテーブルの励磁データに基づいてモータ78、90、306の駆動を制御するため、複数の励磁データの選択が容易になる。これにより、励磁方式を変更するときにモータ78、90、306の駆動制御が容易になる。
【0301】
特に、モータ励磁データテーブルには、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式の励磁データの個数、及び1−2相励磁方式に関する励磁データの個数が、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式に関する励磁データの個数と1−2相励磁方式に関する励磁データの個数の最小公倍数となるように設定されている。これにより、異なる励磁方式の励磁データの個数を合わせることができ、モータ励磁データテーブルの構造を簡素化することができる。
【0302】
同様に、モータ励磁データテーブルには、1−2相励磁方式に関する励磁データが(8(種類)×L(回))個設けられ、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式に関する励磁データが(4(種類)×2L(回))(個)設けられている。これにより、異なる励磁方式の励磁データの個数を合わせることができ、モータ励磁データテーブルの構造を簡素化することができる。
【0303】
さらに、図40に示すように、1−2相励磁方式、及び1相励磁方式又は/及び2相励磁方式の励磁データに対して共通の励磁カウンタが設定されており、制御部は、所定の条件が成立したときに、全ての励磁方式において共通の励磁カウンタを用いて励磁データの値を更新する(図31、図33及び図34のST3000参照)。これにより、励磁方式が異なる場合でも、共通の励磁カウンタを用いた励磁データの更新処理が可能になり、簡易な更新処理を実現できる。
【0304】
また、図33及び図34に示すように、CPU222は、励磁データの更新後、所定の条件(ST3020)が成立したときに、更新された後の励磁カウンタの値が所定値となるように補正することにより(ST3030)、常に、励磁カウンタの値を1−2相励磁方式(1相励磁方式、2相励磁方式)の励磁データに対応させることができる。すなわち、励磁カウンタと励磁データとの対応関係を常に維持することができる。これにより、励磁方式が異なる場合でも、常に、共通の励磁カウンタを用いた励磁データの更新処理が可能になり、モータ78、90、306の駆動制御に関する精度を高めることができる。
【0305】
なお、本実施形態では、演出制御基板220が各モータの駆動を制御する構成を示したが、本発明の「制御部」が演出制御基板220、本発明の「モータ」が駆動モータ78、90、回転モータ306に限定されるものではなく、CPUが搭載されている基板であれば、その基板と当該基板に制御されるモータとの関係に本発明が適用される。例えば、主制御基板200が駆動部としてモータの駆動を制御する構成では、主制御基板200が本発明の「制御部」に対応し、主制御基板200と当該主制御基板200が駆動制御するモータとの関係において本発明が適用される。
【符号の説明】
【0306】
10 遊技機
48 可動発光装置(可動物)
50 リール可動装置(可動物)
78 駆動モータ(駆動部、モータ)
90 駆動モータ(駆動部、モータ)
200 主制御基板(主制御部)
220 演出制御基板(サブ制御部)
222 CPU(駆動方式選択部)
224 ROM(記憶部)
300 センター可動装置(可動物)
306 回転モータ(駆動部、モータ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機は、一般に、可動物を駆動するための駆動源に、ステッピングモータを用いている。
【0003】
ステッピングモータは、その駆動回路の信号入力端子にパルス信号を与えることにより所定のステップ角だけ回転する。したがって、パルス信号を連続的に与えたときのモータの速度は、パルス周波数に比例する。すなわち、パルス周波数を早くすれば、モータが高速で回転し、パルス周波数を遅くすれば、モータが低速で回転する。このように、パルス信号を制御することによりステッピングモータの回転速度を自在に調整することができ、かつ特殊なフィードバック機構がなくても高度な位置決め制御を発揮することができるため、ステッピングモータが遊技機の可動物などの駆動源としても多く用いられている。
【0004】
ここで、一般的に、ステッピングモータの駆動方式は、2−2相励磁方式となる。これは、2−2相励磁方式は、モータを2相ずつ励磁する方式であり、常に2つの励磁コイルに電流を流すため、その分トルクが大きくなり、ダンピング効果にも優れている(回転時の振動が少ない)などの理由からである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−73474号公報
【特許文献2】特開2000−118002号公報
【特許文献3】特開平11−18492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技機のステッピングモータの駆動方式を2−2相励磁方式で固定すると、大きなトルクを得ることができるが、同時に電流値が大きくなり、また発熱量が増大する問題がある。このため、電力消費量が増大するばかりか、発熱量の増大に伴って電子機器などのトラブル増加や製品寿命の低下を招くおそれがある。この結果、発熱量対策などのコストが増加することになる。
【0007】
また、2−2相励磁方式を遊技機に採用すると、遊技機の可動物の演出動作を細かく制御することが困難になる。例えば、遊技機には複数の可動物があり、遊技状態に応じて、比較的大型の可動物に大胆な演出動作を要求する場合と、比較的小型の可動物に滑らかな演出動作を要求する場合と、があるが、2−2相励磁方式などの励磁方式を固定すると、可動物が所望の演出動作を実現することができなくなる。すなわち、全ての可動物が画一的な演出動作を実行するだけであり、可動物に対応させた最適な演出動作が困難になるため、極めて遊技性に欠けるものとなる。
【0008】
そこで、上記問題点に鑑み、コストの増加を防止して、可動物の最適な演出動作を実現することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、所定の動作を行う可動物と、前記可動物を駆動する駆動部と、前記駆動部の駆動を制御する制御部と、前記駆動部の異なる複数の駆動方式を記憶する記憶部と、を有する遊技機であって、前記駆動部は、モータであり、前記駆動方式は、前記モータの異なる複数の励磁データであり、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、所定の動作を行う可動物と、可動物を駆動する駆動部と、駆動部の駆動を制御する制御部と、駆動部の異なる複数の駆動方式を記憶する記憶部と、を有する遊技機において、駆動部がモータ(例えば、ステッピングモータ)であり、駆動方式がモータの異なる複数の励磁データであり、制御部が記憶部に記憶された励磁データに基づいてモータの駆動を制御する。これにより、駆動部の駆動制御にバリエーションを持たせることができるため、コストの増加を防止して、可動物の最適な演出動作を実現することができる。
【0011】
なお、可動物の最適な演出動作には、一の可動物が複数の駆動方式によって動作する場合、可動物毎に対応させた駆動方式において可動物を動作させる場合の両方が含まれる。
【0012】
特に、前記可動物は、複数設けられ、前記駆動方式は、前記可動物に対応させて区分けされた複数の駆動方式であり、前記駆動方式選択部は、前記可動物に対応した前記駆動方式を選択することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、可動物が複数設けられており、各可動物に対応させて区分けされた複数の駆動方式が記憶部に記憶されている。そして、制御部により可動物に対応した駆動方式が選択され、可動物に対応した駆動方式に基づいて可動物の演出動作が実行される。これにより、簡易な方法で、可動物に対応した駆動方式を選択することができ、可動物の最適な演出動作を実現できる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記励磁データは、前記モータの1−2相励磁方式に関する励磁データの他に、1相励磁方式(1−1相励磁方式)の励磁データ又は2相励磁方式(2−2相励磁方式)の励磁データの少なくとも一方の励磁データが含められ、前記制御部は、前記1−2相励磁方式に関する励磁データの他に、前記1相励磁方式(1−1相励磁方式)の励磁データ又は前記2相励磁方式(2−2相励磁方式)の励磁データの少なくとも一方の励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、可動物ごとに、駆動部であるモータ(ステッピングモータ)の励磁方式を変えるだけで、可動物に対応した最適な演出動作を実現することができる。
【0016】
具体的には、励磁データは、モータの1−2相励磁方式に関する励磁データと、1相励磁方式(1−1相励磁方式)又は2相励磁方式(2−2相励磁方式)の励磁データの少なくとも一方と、を含んでいる。これにより、例えば、大型の可動物は、2相励磁方式(2−2相励磁方式)の励磁データに基づいて演出動作を実行し、小型の可動物は、1−2相励磁方式(あるいは1相励磁方式)の励磁データに基づいて演出動作を実行することが可能になる。これにより、大きなトルクが必要であり大胆な演出動作が求められる可動物(例えば、大型の可動物など)の演出動作と、小さなトルクで足りきめ細かい演出動作が求められる可動物(例えば、小型の可動物など)の演出動作と、の両方を、励磁データを変えるだけで容易に実行することができる。
【0017】
また、1−2相励磁方式の励磁データに基づいて演出動作を実行することにより、2相励磁方式(2−2相励磁方式)の励磁データに基づいて演出動作を実行する場合と比較して、消費電力を低減することができる。これにより、電力コストを低減できる他、発熱量が低下することにより、遊技機の各構成部材のトラブルを抑制でき、また製品寿命の低下を防止できる。すなわち、2相励磁方式(2−2相励磁方式)の励磁データと、1−2相励磁方式の励磁データと、の両方のパターンを予め記憶しておくことにより、各可動物に対応した励磁パターンを選択して各可動物に求められる演出動作を実現できると同時に、発熱量の増加を抑制することができる。この結果、コストを増加させることなく、可動物の最適な演出動作を実現することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、前記記憶部には、前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式の前記励磁データの個数、及び前記1−2相励磁方式に関する前記励磁データの個数が、前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式に関する前記励磁データの個数と前記1−2相励磁方式に関する前記励磁データの個数の最小公倍数となるように設定された励磁データテーブルが記憶されており、前記制御部は、前記励磁データテーブルの前記励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、制御部が励磁データテーブルの励磁データに基づいてモータの駆動を制御するため、複数の励磁データの選択が容易になる。これにより、励磁方式を変更するときにモータの駆動制御が容易になる。特に、励磁データテーブルには、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式の励磁データの個数、及び1−2相励磁方式に関する励磁データの個数が、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式に関する励磁データの個数と1−2相励磁方式に関する励磁データの個数の最小公倍数となるように設定されている。これにより、異なる励磁方式の励磁データの個数を合わせることができ、励磁データテーブルの構造を簡素化することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、前記記憶部には、前記1−2相励磁方式に関する前記励磁データが(8(種類)×L(回))個設けられ、前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式に関する前記励磁データが(4(種類)×2L(回))(個)設けられた励磁データテーブルが記憶されており、前記制御部は、前記励磁データテーブルの前記励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、制御部が励磁データテーブルの励磁データに基づいてモータの駆動を制御するため、複数の励磁データの選択が容易になる。これにより、励磁方式を変更するときにモータの駆動制御が容易になる。特に、励磁データテーブルには、1−2相励磁方式に関する励磁データが(8(種類)×L(回))個設けられ、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式に関する励磁データが(4(種類)×2L(回))(個)設けられている。これにより、異なる励磁方式の励磁データの個数を合わせることができ、励磁データテーブルの構造を簡素化することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の遊技機において、前記1−2相励磁方式、及び前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式の前記励磁データに対して共通の励磁カウンタが設定されており、前記制御部は、所定の条件が成立したときに、全ての励磁方式において共通の前記励磁カウンタを用いて前記励磁データの値を更新することを特徴とする。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、1−2相励磁方式、及び1相励磁方式又は/及び2相励磁方式の励磁データに対して共通の励磁カウンタが設定されており、制御部は、所定の条件が成立したときに、全ての励磁方式において共通の励磁カウンタを用いて励磁データの値を更新する。これにより、励磁方式が異なる場合でも、共通の励磁カウンタを用いた励磁データの更新処理が可能になり、簡易な更新処理を実現できる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の遊技機において、前記制御部は、前記励磁データの更新後、所定の条件が成立したときに、更新された後の前記励磁カウンタの値が所定値となるように補正することを特徴とする。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、制御部は、励磁データの更新後、所定の条件が成立したときに、更新された後の励磁カウンタの値が所定値となるように補正することにより、常に、励磁カウンタの値を1−2相励磁方式(1相励磁方式、2相励磁方式)の励磁データに対応させることができる。これにより、励磁方式が異なる場合でも、常に、共通の励磁カウンタを用いた励磁データの更新処理が可能になり、モータの駆動制御に関する精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、コストの増加を防止して、可動物の最適な演出動作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊技機の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る遊技機の側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る遊技機の遊技盤の正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用されるリール可動装置(可動物)の分解斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用される可動発光装置(可動物)の斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用される可動発光装置(可動物)の後面を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る遊技機の制御系のブロック図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用される演出制御基板と駆動モータとの関係を示した図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用される駆動モータを駆動する駆動回路の説明図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用される駆動モータの内部を示した説明図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る遊技機に使用される駆動モータの励磁状態とステップ数との関係を示した図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る遊技機の駆動モータの内部を示した構成図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係る遊技機の駆動モータが1相励磁方式で駆動するときの励磁状態と入力パルスとの関係を示した説明図である。
【図14】本発明の第1実施形態に係る遊技機の駆動モータが2相励磁方式で駆動するときの励磁状態と入力パルスとの関係を示した説明図である。
【図15】本発明の第1実施形態に係る遊技機の駆動モータが1−2相励磁方式で駆動するときの励磁状態と入力パルスとの関係を示した説明図である。
【図16】本発明の第1実施形態に係る遊技機の演出制御基板のROMに記憶された各テーブルの説明図である。
【図17】本発明の第1実施形態に係る遊技機の演出制御処理のフローチャートである。
【図18】本発明の第1実施形態に係る遊技機のテーブル選択処理のフローチャートである。
【図19】本発明の第2実施形態に係る遊技機の遊技盤の正面図である。
【図20】本発明の第2実施形態に係る遊技機に設けられているセンター可動装置の構成を説明するための図面である。
【図21】本発明の第2実施形態に係る遊技機に設けられているセンター可動装置の構成と動作を説明するための図面である。
【図22】本発明の第2実施形態に係る遊技機に設けられているセンター可動装置の位置を検出する位置検出スイッチを説明するための図面である。
【図23】本発明の第2実施形態に係る遊技機に設けられているセンター可動装置の回転モータ(駆動モータ)の回路配置と構成を示した図面である。
【図24】本発明の第2実施形態に係る遊技機に設けられているセンター可動装置の位置を検出するための位置検出スイッチの構成を説明した図面である。
【図25】本発明の第2実施形態に係る遊技機の制御系のブロック図である。
【図26】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部におけるメイン処理のフローチャートである。
【図27】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部における4mS割込み処理のフローチャートである。
【図28】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部における受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【図29】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部における演出シナリオ管理処理のフローチャートである。
【図30】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部における1mS割込み処理のフローチャートである。
【図31】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部におけるモータ処理の前半工程のフローチャートである。
【図32】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部におけるモータ処理の後半工程のフローチャートである。
【図33】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部における励磁カウンタの更新処理後における励磁カウンタの補正処理の比較例を示したフローチャートである。
【図34】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部における励磁カウンタの更新処理後における励磁カウンタの補正処理を示したフローチャートである。
【図35】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部の記憶部に記憶されている演出シナリオ1のテーブルである。
【図36】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部の記憶部に記憶されている演出シナリオ2のテーブルである。
【図37】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部の記憶部に記憶されている演出シナリオ3のテーブルである。
【図38】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部の記憶部に記憶されているモータ動作テーブル(コマ送り5コマ)である。
【図39】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部の記憶部に記憶されているモータ動作テーブル(原点復帰)である。
【図40】本発明の第2実施形態に係る遊技機のサブ制御部の記憶部に記憶されているモータ励磁データテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。本実施形態は、本発明をパチンコ機に適用した一例である。なお、以下に示すパチンコ機の構成は本発明が適用された一例に過ぎないものであり、本発明の範囲が本実施形態のパチンコ機の構成に限定されるものではない。また、本発明の「可動物」とは、いわゆる役物だけに限られるものではなく、駆動源により可動する全ての可動体が含まれる。
【0029】
(パチンコ機の概説)
図1及び図2に示すように、パチンコ機10は、矩形枠状の外枠12と、この外枠12に開閉自在に枢着された前枠14と、を有し、カード式球貸し機(図示省略)をサンドイッチ状に挟持する状態で、外枠12が島構造体(図示省略)に着脱自在に装着されている。前枠14の前側から遊技盤16が着脱自在に装着され、遊技盤16の前側に対応させて、開閉可能な開閉扉18が設けられている。開閉扉18の前面には、遊技盤16の遊技領域20(図3参照)の前側をカバーする透明な窓ガラスからなる窓部22と、複数の装飾ランプ24と、複数のスピーカ26と、発射用の遊技球Pや入賞球を貯留する貯留皿28と、発射ハンドル30と、が設けられている。
【0030】
貯留皿28の前面には、所定金額分の球貸しを指示する球貸しボタン32と、遊技終了時にプリペイドカードの返却を指示するカード返却ボタン34と、遊技者が操作可能な所謂チャンスボタンと呼ばれる正面視にて楕円形の操作ボタン36と、遊技終了時や貯留皿28から溢れた貯留球を球抜きする為の球抜きボタン38と、が設けられている。
【0031】
図3に示すように、鉛直な盤面を形成する遊技盤16には、ガイドレール40がほぼ環状に設けられ、ガイドレール40の内側に遊技領域20が形成され、遊技者の発射ハンドル30の回動操作により発射された遊技球Pが遊技領域20に案内される。遊技領域20には、多数の障害釘(図示略)、風車42、センターケース44、このセンターケース44に一体的に設けられた液晶ディスプレイ46及び可動発光装置48(以下、適宜「可動装置48」という)、リール可動装置50(以下、適宜「可動装置50」という)、ゲート式の普通図柄始動口52、普通入賞口54、特別図柄表示部56、普通図柄表示部58、複数の普通図柄始動保留ランプ60、ゲート式の第1始動口62と開閉式の第2始動口64とを備えた特別図柄始動入賞口66、開閉式の大入賞口68や球排出口70などが配設されている。
【0032】
遊技領域20の上部へ発射された遊技球Pは、複数の障害釘や風車42に当たって方向を換えながら落下していき、普通図柄始動口52、普通入賞口54、特別図柄始動入賞口66の第1,第2始動口62,64、大入賞口68の何れかに入賞するか、最下端まで落下して球排出口70から排出される。普通入賞口54、特別図柄始動入賞口66、大入賞口68の何れかに遊技球Pが入賞した場合には、各入賞口54,66,68に応じて予め定められた遊技球Pが入賞球として払い出される。
【0033】
特別図柄始動入賞口66に入賞した遊技球Pを検出した場合、特別図柄表示部56の特別図柄が変動表示される。特別図柄は、7セグメントLED表示器により可変表示される数字や数字以外の文字又は記号(例えば、「3」,「−」等)からなる図柄である。この特別図柄の変動表示に連動して、液晶ディスプレイ46の表示画面において演出図柄が変動表示される。演出図柄は、リーチや大当りに対する遊技者の期待感を喚起するために演出目的で表示される複数の図柄列からなるものであり、付随的にスクロール方式で変動表示される。
【0034】
そして、特別図柄の変動停止タイミングに合わせて演出図柄も変動停止するので、遊技者は、演出図柄の停止態様を見て特別図柄表示部56の特別図柄の停止態様が当りか否かを認識することができる。例えば、特別図柄が大当り態様で停止したとき、演出図柄も大当り態様(例えば、「777」)で停止表示される。なお、特別図柄変動中に、特別図柄始動入賞口66に遊技球Pが入賞した場合、その入賞数が最大4個まで保留球として記憶され、その保留数が液晶ディスプレイ46の表示画面に表示される。
【0035】
また、普通図柄始動口54に入球した遊技球Pを検出した場合、普通図柄表示部58の当りランプ表示部58Aと外れランプ表示部58Bのランプが交互に点灯点滅表示される。そして、当り/外れの抽選結果に基づいて、当りランプ表示部58Aが点灯表示された場合、特別図柄始動入賞口66の第2始動口64の開閉部材64Aが所定回数開閉される。なお、当り/外れランプ表示部58A,58Bが点灯点滅中に、普通図柄始動口52に遊技球Pが入球した場合、その入球数が最大4個まで保留球として記憶され、普通図柄始動保留ランプ60がその保留数に応じて表示される。
【0036】
特別図柄始動入賞口66に入賞した遊技球Pを検出した場合、液晶ディスプレイ46の表示画面には、単に複数の演出図柄が変動表示されるだけでなく、キャラクタ(例えば、人間や動物など)を用いて図柄変動表示にストーリー性を持たせて遊技者のリーチや大当りへの期待感を高めるためのリーチ演出画像や大当り予告演出画像等の特定演出画像が表示される。また、演出図柄の変動表示がリーチ状態になると、演出図柄の変動表示が停止表示されるまでの間、リール可動装置50の各回胴体72、74及び/又は可動発光装置48の可動体が連続的に可動し、その各回胴体72、74及び可動体の可動状態の変化に同期した演出画像が液晶ディスプレイ46の表示画面に表示される。このようにして、リール可動装置50の各回胴体72、74の回胴と、可動発光装置48の可動体の可動と、液晶ディスプレイ46の表示画面で表示される演出画像と、があたかも連動しているように見せる同期演出が行われる。
【0037】
(リール可動装置の構成)
図3及び図4に示すように、リール可動装置50は、遊技領域20の中央下部であって大入賞口68の近傍に配置されている。リール可動装置50は、2つの回胴体72、74と、回胴体72、74を回胴動作可能に支持する複数の取付部材76と、を有している。各回胴体72、74の表面には、複数の図柄が隣接するようにして描かれている。2つの回胴体72、74の回胴動作は、駆動源である各駆動モータ78A、78B(まとめて駆動モータ78という)により制御される。このため、2つの回胴体72、74は、相互に独立して回胴動作を行う。各駆動モータ78A、78Bは、例えば、ステッピングモータで構成されている。なお、リール可動装置50の組立完了時には、各駆動モータ78A、78Bが各回胴体72、74の内部に配置される構成になっており、外部から視認できないようになっている。
【0038】
リール可動装置50の各回胴体72、74の回胴動作は、遊技状態に対応して演出制御基板220からの制御信号に基づいて制御される。例えば、上記したように、いわゆる遊技がリーチ状態になれば、回胴体72、74が回胴するように構成されていてもよいし、取得して特別図柄の変動状態になった場合に回胴体72、74が回胴するようにしてもよい。遊技者にとって有利な遊技状態になっているときあるいは遊技者にとって有利な遊技状態を予告するときに、リール可動装置50の各回胴体72、74の回胴動作を実行させることにより、遊技者に遊技を促す効果が期待でき、遊技興趣を一層高めることが可能になる。
【0039】
なお、遊技状態とは、遊技者にとって有利・不利の観点から振り分けた遊技態様を意味するものである。例えば、遊技者にとって有利な遊技状態とは、大当り遊技(特別図柄の変動遊技において特別図柄の当り図柄で停止表示されて発生する確変大当たりや普通大当りが実行されている場合など)、いわゆるリーチ遊技、時短遊技などが該当する。また、遊技者にとって不利な遊技状態とは、遊技者にとって有利な遊技状態以外の遊技状態を意味する。
【0040】
また、リール可動装置50の各回胴体72、74が停止したときに表示される図柄を遊技状態に対応させるようにしてもよい。例えば、特別図柄の変動遊技で当選した場合には、大当りを予告する特殊な図柄が遊技者に見えるようにして各回胴体72、74を停止させるように制御してもよい。このようにして、各回胴体72、74が停止したときに表示される図柄と遊技状態との対応関係をもたせることにより、リール可動装置50を用いた予告演出を実現させることができる。
【0041】
(可動発光装置の構成)
図3に示すように、可動発光装置48は、所謂、パトランプと称される発光を伴う回転可動役物であり、センターケース44において遊技盤16に向かって液晶ディスプレイ46の右側方近傍に、液晶ディスプレイ46の表示画面に発光したランプの光を投射可能に設けられている。図5及び図6に示すように、この可動発光装置48は、ランプカバー80と、ベース部材82と、発光体84と、可動体としての反射体86と、リフレクター88と、駆動モータ90と、を有する。なお、駆動モータ90は、例えば、ステッピングモータで構成されている。
【0042】
ランプカバー80は、有色(例えば、赤色)の透光性の合成樹脂からなる後方開放の略半球状に形成され、その下端の外周縁部がベース部材82の上面に固定されている。ランプカバー80の内部には、ランプとしての発光体84、回転体92、反射体86、リフレクター88、位置検出スイッチ94(位置検出SW、図7参照)などが収容されている。発光体84は、縦長の筒状の集光レンズ96と、この集光レンズ96の内部に収容された複数のフルカラーLED98を取着したLED基板を有する。LED基板は、電気的に演出制御基板220(図7参照)に接続されている。例えば、複数のLED98が赤色に発光した場合、それら赤色の光が集光レンズ96で集光されてランプカバー80を介して遊技者側や遊技盤側などに投射される。
【0043】
ベース部材82の上面の中央部には円形の孔部が形成され、この孔部の外周縁に上方へ突出する円環状の環状枠100が周設されている。この環状枠100の上端縁には、環状枠100の外径よりも大きく中央に中心孔が形成されたドーナツ板状の回転体92が載置されている。回転体92の上面には、その中央の中央孔から離隔した位置に縦長板状の反射体86が立設されている。反射体86は、集光レンズ96と対向しLED98の光を反射する反射面(内面)86Aを円弧状に窪ませた形状を有している。その窪んだ反射面86Aは、金属メッキが施された銀色の鏡面に形成されている。ベース部材82の上面の後側(奥側)には、リフレクター88がランプカバー80の後方を封鎖するように配設されている。このリフレクター88は、集光レンズ96と対向しLED98の光を反射する反射面(内面)88Aを円弧状に窪ませ、反射体86の約2倍の幅を有し、且つランプカバー80と同じ高さに形成されている。その窪んだ反射面88Aは、金属メッキが施された銀色の鏡面に形成されている。
【0044】
ベース部材82には、上面の孔部と連通しその上面と底面との間にギア収容部102が形成され、このギア収容部102には駆動ギア104、従動ギア(図示省略)、駆動モータ(ステッピングモータ)90などが夫々所定位置に配設されている。駆動ギア104は、回転体92の下面に形成された円筒状の回転部に嵌合し水平面上を回転可能であり、回転体92の回転部に駆動モータ90の回転駆動力を伝達する。駆動モータ90は、正逆回転自在で且つ回転速度も変更可能に構成され、この駆動モータ90の出力軸の先端には従動ギアが設けられている。
【0045】
この従動ギアの歯部は駆動ギア104の歯部に歯合している。駆動モータ90は、演出制御基板220(図7参照)に電気的に接続されており、駆動モータ90が回転駆動すると、その回転駆動力が従動ギアを介して駆動ギア104に伝達される。なお、駆動モータ90と駆動ギア104と従動ギア等により回転駆動手段が構成される。ベース部材82の底面には、前記の集光レンズ96が立設されている。詳細には、集光レンズ96は、回転体92の中心孔、ベース部材82のギア収容部102、駆動ギア104の孔部に挿通した状態で立設されている。
【0046】
駆動モータ90の駆動により、従動ギア及び駆動ギア104を介してその回転駆動力が回転体92の回転部に伝達され、回転体92が水平面上で正逆自在に且つ回転速度を駆動モータ90の回転速度の変化に応じて変更して回転する。この回転体92の回転により反射体86が集光レンズ96を中心としてその周囲を旋回することになる。LED98を発光させた状態において、反射体86が集光レンズ96の後側に位置し遊技者側から発光したLED98の光が見える場合は、そのLED98の光が直接遊技者側へ投射されると共に反射体86の反射面86Aで反射した光も遊技者側に投射される。
【0047】
一方、反射体86が集光レンズ96の前側に位置する場合には、集光レンズ96がその前後で反射体86とリフレクター88とで挟まれた状態となり、集光レンズ96からのLED98の光が遊技者側へ投射されずに遮蔽状態となる。このように、反射体86を所定周期で回転させた時には、反射体86が集光レンズ96の周囲を旋回するため、LED98の光の反射状態及び遮蔽状態が所定周期で繰り返される。
【0048】
位置検出スイッチ94(図7参照)は、ベース部材82の上面の所定位置に設けられ、回転体92の側縁部から外側へ突出する突片部(図示省略)を検出してオン状態となって反射体86の特定の回転位置を検出するものであり、反射体86の現在の回転位置と演出表示との整合性をとるための位置合わせ及び反射体86の現在の回転位置を監視目的で使用するものではない。位置検出スイッチ94としては、リミットスイッチやフォトインターラプタ等の近接スイッチを採用することができる。また、位置検出スイッチ94がオンになると、演出制御基板220に位置検出スイッチ94からの検出信号が出力される。
【0049】
(ステッピングモータである駆動モータの特性)
次に、本実施形態のパチンコ機の各可動物などの駆動モータとして使用するステッピングモータの特性について詳細に説明する。本実施形態のパチンコ機で使用するステッピングモータとして、2相ステッピングモータを例示して説明するが、2相ステッピングモータに限られるものではなく、他のステッピングモータも利用することができる。
【0050】
例えば、図8及び図9に示すように、駆動モータ90を制御する駆動回路106の入力信号端子にパルス信号が与えられると、駆動回路(励磁回路)106によって回転パルスが生成され、この回転パルスが増幅器108に入力される。増幅されたパルス電力は、駆動モータ90に供給され、駆動モータ90が所定の方向に回転する。これにより、可動発光装置48が駆動する。
【0051】
また、駆動モータ78を制御する駆動回路110の入力信号端子にパルス信号が与えられると、駆動回路(励磁回路)110によって回転パルスが生成され、この回転パルスが増幅器112に入力される。増幅されたパルス電力は、駆動モータ78に供給され、駆動モータ78が所定の方向に回転する。これにより、リール可動装置50が駆動する。
【0052】
このように、1つの駆動モータ90(78)に対して1つの駆動回路106(110)が対応するように設けられている。本実施形態では、2つの可動装置48、50が存在するため、2つの駆動モータ90、78が配置されており、しかも、各駆動モータ90、78を制御するための駆動回路106、110も2つ設けられている。
【0053】
なお、駆動回路(励磁回路)106、110及び増幅器108、112は、演出制御基板220に搭載されている構成でもよいし、演出制御基板220とは別体の基板に搭載されていてもよい。
【0054】
図9に示すように、駆動回路106には、モータの正逆回転回路106A、停止回路16B、1相励磁回路106C、2相励磁回路106D、1−2相励磁回路106Eなどの励磁シーケンス回路が搭載されている。駆動回路106における励磁シーケンスの切換え動作は、演出制御基板220のCPU222が励磁切換スイッチSWを操作して実行される。すなわち、2相励磁方式を実行する場合には、演出制御基板220のCPU222からの制御信号に基づいて、CPU222が励磁切換スイッチSWを操作して2相励磁回路106Dが起動する。また、1−2相励磁方式を実行する場合には、演出制御基板220のCPU222からの制御信号に基づいて、CPU222が励磁切換スイッチSWを操作して、1−2相励磁回路106Eが起動する。
【0055】
なお、図示しないが、駆動回路110についても、駆動回路106と同様の構成を備えている。
【0056】
駆動モータ90、78は、入力パルス1つに対して1ステップ角だけ進む。したがって、入力パルスが連続する場合には、ステッピングモータが連続回転を行う。また、入力パルスが間欠的に入力する場合には、ステッピングモータは間欠的に回転を行う。なお、ステップ角とは、入力パルス1つに対してモータが動く回転角度である。
【0057】
駆動モータ90、78は、入力パルスに基づいてモータが回転する。このため、入力パルスの周波数が高くなれば高速回転になり、低くなれば低速回転になる。例えば、入力パルス数をAとすると、ステップ角θのモータでは、θ・A回転して停止することになる。
【0058】
(ステッピングモータである駆動モータの駆動原理)
本実施形態で使用する駆動モータ90、78は、図10に示すように、ステータコア114に4個の電磁116、118、120、122が配置され、ステータコア114の中心に回転する磁石124が配置された構造である。ここで、電磁石116は、鉄心126にコイルL1が巻きつけられて構成されている。電磁石118は、鉄心128にコイルL2が巻きつけられて構成されている。電磁石120は、鉄心130にコイルL3が巻きつけられて構成されている。電磁石122は、鉄心132にコイルL4が巻きつけられて構成されている。励磁された電磁石116のコイルL1と磁石124との間には相互に引き合う磁力が作用している。この状態では、コイルL1のN極と磁石124のS極とが互いに引き合い、その対向位置で磁石124が停止している(図10の状態)。
【0059】
次に、電磁石128のコイルL2の励磁をONにして、その他の電磁石116、120、122のコイルL1、L3、L4の励磁をOFFにすると、磁石124は、電磁石118との間に発生する磁力によって、電磁石118の対向位置まで回転する。
【0060】
そして、電磁石120のコイルL3の励磁をONにして、その他の電磁石116、118、122のコイルL1、L2、L4の励磁をOFFにすると、磁石124は、電磁石120との間に発生する磁力によって、電磁石120の対向位置にまで回転する。
【0061】
さらに、電磁石122のコイルL4の励磁をONにして、その他の電磁石116、118、120のコイルL1、L2、L3の励磁をOFFにすると、磁石124は、電磁石122との間に発生する磁力によって、電磁石122の対向位置にまで回転する。これを繰り返すことにより、磁石124が次々と回転する。
【0062】
図10及び図11に示すように、ステップ数1の場合には、スイッチSW1がONになり、その他の全てのスイッチをOFFにすると、励磁コイルL1のみが通電(励磁)する。これによって、励磁コイルL1の磁石124側にはS極が発生する。この励磁コイルL1に磁石124のN極が吸引される(図10の状態)。
【0063】
次に、ステップ数2の場合には、スイッチSW2をON、その他の全てのスイッチをOFFにすると、励磁コイルL2が励磁(通電)する。これによって、励磁コイルL2の磁石124側にはS極が発生する。この励磁コイルL2に磁石124のN極が吸引されて、磁石124が90度回転する(Iの回転)。
【0064】
次に、ステップ数3の場合には、スイッチSW3をON、その他の全てのスイッチをOFFにすると、励磁コイルL3が励磁(通電)する。これによって、励磁コイルL3の磁石124側にはS極が発生する。この励磁コイルL3に磁石124のN極が吸引されて、磁石124がさらに90度回転する(IIの回転)。
【0065】
次に、ステップ数4の場合には、スイッチSW4をON、その他の全てのスイッチをOFFにすると、励磁コイルL4が励磁(通電)する。これによって、励磁コイルL4の磁石124側にはS極が発生する。この励磁コイルL4に磁石124のN極が吸引されて、磁石124がさらに90度回転する(IIIの回転)。
【0066】
次に、ステップ数5の場合には、スイッチSW1をON、その他の全てのスイッチをOFFにすると、励磁コイルL1が励磁(通電)する。これによって、励磁コイルL1の磁石124側にはS極が発生する。この励磁コイルL1に磁石124のN極が吸引されて、磁石124がさらに90度回転する(IVの回転)。これにより、磁石124が1回転する。このような工程を繰り返すことによって、磁石124を自在に回転させることができる。
【0067】
(ステッピングモータである駆動モータの駆動方式)
(1)2相ステッピングモータの1相励磁方式(1−1相励磁方式)
1相励磁方式とは、入力パルス信号1つに対して常に1相ずつ励磁する方式を意味する。1相励磁方式は、励磁コイルの消費電力が少なく、静止角度に優れているという特性がある。一方、1相励磁方式は、トルクが小さく、ダンピング特性が良くない(振動が多い)という特性がある。
【0068】
例えば、図12及び図13に示した1相励磁方式の駆動パターンのように、入力パルス1では、A相にのみ励磁(通電)される(他のB相、C相、D相は励磁(通電)されない)。入力パルス2では、B相にのみ励磁(通電)される(他のA相、C相、D相は励磁(通電)されない)。入力パルス3では、C相にのみ励磁(通電)される(他のA相、B相、D相は励磁(通電)されない)。入力パルス4では、D相にのみ励磁(通電)される(他のA相、B相、C相は励磁(通電)されない)。これを繰り返していくことにより、ロータである磁石124を回転させる駆動方式(励磁方式)である。
【0069】
(2)2相ステッピングモータの2相励磁方式(2−2相励磁方式)
2相励磁方式とは、モータを2相ずつ励磁する方式を意味する。2相励磁方式は、常に2つの励磁コイルに電流を流すため、トルクが大きく、また、ダンピング効果(回転時の振動が少ない)にも優れているという特性がある。なお、2相励磁方式のトルクは、1相励磁方式のトルクの(2)1/2倍(ルート2倍)である。一方、2相励磁方式では、2つの励磁コイルを同時に励磁(通電)しているため、発熱量が大きくなる問題がある。
【0070】
例えば、図12及び図14に示した2相励磁方式の駆動パターンのように、入力パルス1では、A相及びB相にのみ励磁(通電)される(他のC相、D相は励磁(通電)されない)。入力パルス2では、B相及びC相にのみ励磁(通電)される(他のA相、D相は励磁(通電)されない)。入力パルス3では、C相及びD相にのみ励磁(通電)される(他のA相、B相は励磁(通電)されない)。入力パルス4では、D相及びA相にのみ励磁(通電)される(他のB相、C相は励磁(通電)されない)。これを繰り返していくことにより、ロータである磁石124を回転させる駆動方式(励磁方式)である。
【0071】
(3)2相ステッピングモータの1−2相励磁方式
1−2相励磁方式とは、励磁コイルに流れる電流を1相→2相→1層→2相→1層→2相→1層→2相→…、と1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返す方式である。1−2相励磁方式での大きな特徴として、モータのステップ角が半分になり(例えば、モータのフルステップ角が3.0°であれば、1.5°のステップ角になる)、微細なステップ角を実現することができる。これにより、1-2相励磁方式でステッピングモータを駆動すると、1相励磁方式よりも大きなトルクを得ながら、きめ細かい制御を実現することができる。
【0072】
例えば、図12及び図15に示した1−2相励磁方式の駆動パターンのように、入力パルスが1つ入るたびに、励磁相が1相→2相→1層→2相と交互に繰り返す。
【0073】
具体的には、入力パルス1では、1相励磁であり、A相にのみ励磁(通電)される(他のB相、C相、D相は励磁(通電)されない)。
【0074】
入力パルス2では、2相励磁であり、A相及びB相にのみ励磁(通電)される(他のC相、D相は励磁(通電)されない)。
【0075】
入力パルス3では、1相励磁であり、B相にのみ励磁(通電)される(他のA相、C相、D相は励磁(通電)されない)。
【0076】
入力パルス4では、2相励磁であり、B相及びC相にのみ励磁(通電)される(他のA相、D相は励磁(通電)されない)。
【0077】
入力パルス5では、1相励磁であり、C相にのみ励磁(通電)される(他のA相、B相、D相は励磁(通電)されない)。
【0078】
入力パルス6では、2相励磁であり、C相及びD相にのみ励磁(通電)される(他のA相、B相は励磁(通電)されない)。
【0079】
入力パルス7では、1相励磁であり、D相にのみ励磁(通電)される(他のA相、B相、C相は励磁(通電)されない)。
【0080】
入力パルス8では、2相励磁であり、A相及びD相にのみ励磁(通電)される(他のB相、C相は励磁(通電)されない)。このようにして、1相励磁と2相励磁を交互に繰り返していくことにより、ロータである磁石124を回転させる駆動方式(励磁方式)である。
【0081】
(制御系の構成)
次に、本実施形態のパチンコ機の制御系について説明する。
【0082】
図2に示すように、パチンコ機10の外枠12の裏側には、パチンコ機10を制御するための各制御手段(主制御手段200A、払出制御手段210A、演出制御手段220A、液晶表示制御手段230A、電源手段(図示省略))が装備された基板として、主制御基板200、払出制御基板210、演出制御基板220、液晶表示制御基板230、電源基板240が夫々所定位置に配設されている。これら制御基板200、210、220、230、240は、夫々、別体に構成されて電気的に接続され、各制御手段200A、210A、220A、230Aには、CPUとROMとRAMとからなるワンチップマイコンと入出力インターフェースとが設けられている。
【0083】
図7に示すように、主制御基板200には、普通入賞口SW201、特別図柄始動入賞口SW202、普通図柄始動口SW203、大入賞口SW204、特別図柄始動入賞口66の開閉部材64Aの開閉SOL205、大入賞口68の開閉SOL206、払出制御基板210、演出制御基板220、特別図柄表示基板250、普通図柄表示基板260などが接続されている。なお、SWはスイッチを意味し、SOLはソレノイドアクチュエータのことである。
【0084】
主制御基板200上に装備された主制御手段200Aは、遊技全体を統括的に制御し、各SW201〜204からのSW信号に基づいて、特別図柄始動入賞口66の開閉部材64Aの開閉SOL205、大入賞口68の開閉SOL206、特別図柄表示基板250の特別図柄表示部56、普通図柄表示基板260の普通図柄表示部58及び普通図柄始動保留ランプ60を直接的に制御する。また、主制御手段200Aは、払出制御基板210の払出制御手段210Aと、演出制御基板220の演出制御手段220Aに遊技状態に応じて複数の制御信号を送信し、これら制御基板210,220の制御手段210A,220Aを介して他の制御機器を間接的に制御する。
【0085】
演出制御基板220には、装飾ランプ24、スピーカ26、リール可動装置50の駆動モータ78、可動発光装置48の駆動モータ90及び位置検出スイッチ94、液晶表示制御基板230などが接続されている。演出制御基板220上に装備された演出制御手段220Aは、主制御手段200Aから出力された複数の制御信号に基づいてスピーカ26からのBGMや遊技効果音の出力、あるいは装飾ランプ24の点灯点滅出力、リール可動装置50の演出動作及び可動発光装置48の演出動作を制御する。また、演出制御基板220上に装備された演出制御手段220Aは、主制御手段200Aからの演出に関する制御信号や可動発光装置48の位置検出スイッチ94からの検出信号(オン信号)の入力に基づいて、液晶表示制御基板230を介して間接的に種々の演出表示を制御する。液晶表示制御基板230上に装備された液晶表示制御手段230Aは、演出制御手段220Aからの制御信号に基づいて液晶ディスプレイ46を有する液晶ディスプレイユニットへ制御信号を出力する。
【0086】
ここで、演出制御基板220の演出制御手段220Aは、CPU222と、ROM224と、RAM226などを有している。特に、CPU222は、主制御基板200(主制御手段200A)から出力された制御信号を参照して、リール可動装置50の駆動モータ90の駆動方式(励磁方式)と、可動発光装置48の駆動モータ78の駆動方式(励磁方式)と、を選択する機能を有している。このとき、CPU222は、ROM224に記憶された後述のテーブルに基づいて、駆動モータ可動発光装置48の駆動方式(励磁方式)を選択する。各可動装置48、50は、主制御基板200(主制御手段200A)から出力された制御信号に基づいて、CPU222により選択された駆動モータの励磁方式によって可動する。
【0087】
図16に示すように、ROM224には、各可動装置48、50と駆動モータ90、78の駆動方式のデータテーブルとを対応付けた各種テーブルが記憶されている。
【0088】
具体的には、ROM224には、2−2相励磁方式であるデータテーブル1(DTA):[2,2,2,2,2,2,2,2,…]と、1−2相励磁方式であるデータテーブル2(DTB):[1,2,1,2,1,2,1,2,…]と、が記憶されている。また、ROM224には、可動発光装置48の可動とデータテーブル1(DTA)とを対応させた駆動テーブル1(MTA)が記憶されている。また、ROM224には、リール可動装置50の可動とデータテーブル2(DTB)とを対応させた駆動テーブル2(MTB)が記憶されている。
【0089】
この例では、各可動装置48、50の可動と駆動モータ90、78の駆動方式との対応関係が予め決定されており、これがテーブルとしてROM224に予め記憶されている。特に、このテーブルは、可動装置48、50を可動させるための駆動力(トルク)や可動装置48、50に求められる演出動作の観点から対応関係が特定されている。
【0090】
すなわち、可動装置を可動するための駆動力が大きく、かつ大胆な演出動作が要求される(きめ細かな演出動作が要求されていない)場合には、2−2相励磁方式が対応付けられている。一方、可動装置を可動するための駆動力が小さく、かつきめ細かな演出動作が要求される(大胆な演出動作が要求されていない)場合には、1−2相励磁方式が対応付けられている。
【0091】
このため、CPU222は、可動発光装置48を可動させる場合には、駆動テーブル(MTA)により、2−2相励磁方式であるデータテーブル1(DTA)を選択して、駆動モータ90の駆動を制御する。また、CPU222は、リール可動装置50を可動させる場合には、駆動テーブル(MTB)により、1−2相励磁方式であるデータテーブル2(DTB)を選択して駆動モータ78の駆動を制御する。
【0092】
換言すれば、可動発光装置48の質量がリール可動装置50の質量よりも大きく、可動発光装置48を可動させるために駆動モータ90の大きな駆動力(トルク)が必要となり、かつ大胆な演出動作が要求される場合には、駆動モータ90の駆動方式として2−2相励磁方式がCPU222により選択される。また、リール可動装置50の質量が可動発光装置48の質量よりも小さく、リール可動装置50を可動させるために比較的小さな駆動力(トルク)で足り、かつきめ細かな演出動作が要求される場合には、駆動モータ78の駆動方式として1−2相励磁方式がCPU222により選択される。これにより、可動発光装置48は、常に、2−2相励磁方式(図14参照)で駆動され、また、リール可動装置50は、常に、1−2相励磁方式(図15参照)で駆動される。
【0093】
なお、各可動装置が大胆な演出動作を実行する場合に、2−2相励磁方式が適しているのは、ステッピングモータのトルクが比較的大きく、かつステップ角度が比較的大きくなるからである(ステッピングモータの特性)。2−2相励磁方式で可動装置を可動させると、可動装置がダイナミックでトルクフルに動作するイメージが遊技者に与えられる。
【0094】
一方、各可動装置がきめ細かな演出動作を実行する場合に、1−2相励磁方式が適しているのは、ステッピングモータのトルクが比較的小さく、かつステップ角度が比較的小さくなるからである(ステッピングモータの特性)。1−2相励磁方式で可動装置を可動させると、可動装置がきめ細かくかつシャープに動作するイメージが遊技者に与えられる。
【0095】
ところで、上述したように、可動装置48、50の演出と駆動モータ90、78の励磁方式との対応関係が予めテーブルとして規定されている構成を示したが、これに限られるものではない。
【0096】
例えば、遊技状態と駆動モータ90、78の駆動方式とを対応付けたテーブル(図示省略)をROM224に記憶しておき、遊技状態に応じて各可動装置48、50を演出させるための駆動方式を適宜選択するようにしてもよい。
【0097】
この構成であれば、各可動装置48、50と駆動モータ90、78の駆動方式との対応関係が一義的に決定されておらず、遊技状態に応じて同一の可動装置48、50であっても、各駆動モータ90、78の異なる駆動方式で異なる演出動作を実行させることが可能になる。
【0098】
上記例では、可動発光装置48の駆動方式が2−2相励磁方式であり、リール可動装置50の駆動方式が1−2相励磁方式である構成を示したが、これに限られず、所定の遊技状態の場合には、可動発光装置48が1−2相励磁方式で所定の演出動作を行い、リール可動装置50が2−2相励磁方式で所定の演出動作を行うことになる。そして、別の遊技状態では、可動発光装置48が2−2相励磁方式で所定の演出動作を行い、リール可動装置50が1−2相励磁方式で所定の演出動作を行うことになる。
【0099】
また、各可動装置48、50を可動させるための駆動モータ90、78の駆動方式は、主制御基板200のCPUにより取得された乱数値に対応して決定されてもよい。この場合、この乱数値の情報が主制御基板200のCPUから送信される制御信号にのせられており、演出制御基板220のCPU222によって乱数値が判別されて駆動モータ90、78の駆動方式が選択される。この乱数値の情報には、どの可動装置によってどのような演出動作が実行されるのかについて規定されているので、CPU222は、乱数値の情報に基づいた駆動方式を選択し、各可動装置48、50は、CPU222で選択された駆動モータ90、78の駆動方式によって可動する。
【0100】
また、ROM224には、各可動装置48、50を可動するための演出プログラムが記憶されている。この演出プログラムは、所定のタイミング(例えば、遊技者が有利となるリーチの状態など)で各可動装置48、50がCPU222で選択された駆動モータ90、78の駆動方式によって演出を実行するためのプログラムである。演出プログラムには、各可動装置48、50の演出動作のパターンが規定されている。
【0101】
このように、CPU222が各可動装置48、50の演出動作を制御する場合には、主制御基板200からの制御信号を受けて、ROM224に記憶された演出プログラムに基づいて各可動装置48、50の演出動作のパターンに関する制御信号を生成する。そして、ROM224に記憶された各テーブルに基づいて、この生成した制御信号に駆動モータ90、78の駆動方式(2−2相励磁方式あるいは1−2相励磁方式)の情報をのせて、各駆動回路106、110に出力する。各駆動回路106、110は、CPU222から出力された制御信号に基づいて駆動モータ90、78の駆動を制御する。すなわち、駆動回路106、110は、駆動モータ90、78を2−2相励磁方式で駆動したり、あるいは1−2相励磁方式で駆動する。
【0102】
図7に示すように、普通入賞口54、特別図柄始動入賞口66、大入賞口68への遊技球Pの入賞に応じた賞球を払出すための払出機構270が設けられている。払出制御基板210の払出制御手段210Aは、主制御手段220Aからの賞球に関する制御信号を入力し、払出機構270の払出モータ272に対して制御信号を出力する。また、払出制御基板210の払出制御手段210Aは、払出機構271の払出計数SW274からの検出信号を入力する。
【0103】
遊技領域20へ遊技球Pを発射する発射機構280が設けられている。遊技者が発射ハンドル30を握って発射SW284がオンすると、発射制御基板286の発射制御手段(図示省略)を介して発射機構280の発射SOL282に対して制御信号が出力される。ここで、発射機構280において、発射制御手段から発射制御許可信号が入力された場合にだけ、発射SOL282への制御信号の出力が許可される。
【0104】
(各可動装置の演出制御処理)
次に、各可動装置48、50の演出制御処理について、図17に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0105】
図17に示すように、演出制御基板200のCPU222によって各可動装置48、50の演出制御処理に関する制御信号が入力されたか否かが判断する(S100)。S100では、主制御基板200から出力された制御信号が演出制御基板220に入力したか否かを判定する。
【0106】
各可動装置48、50の演出制御処理に関する制御信号が入力されたとCPUによって判断された場合(S100:YES)には、ROM224に記憶された演出プログラムに基づいて駆動回路106、110に出力するための制御信号を生成する(S110)。S110で生成する制御信号によって、各可動装置90、78の演出動作のパターンが特定される。
【0107】
また、テーブル選択処理が開始される(S120)。S120のテーブル選択処理では、演出制御処理に関する制御信号の内容とROM224に記憶された各テーブルとを比較して、所定のテーブルがCPU222により選択される。なお、テーブル選択処理の詳細は、後述する。このようにして、CPU222は、入力した制御信号に基づいて、駆動モータ90、78の駆動方式と各可動装置48、50の演出動作のパターンが決定される。
【0108】
次に、CPU222は、S110において生成した制御信号に、S120で選択された駆動モータ90、78の駆動方式の信号が加算されて制御信号が合成される(S130)。合成された制御信号がCPU222から駆動回路108、112に対して出力される(S140)。駆動回路108、112では、入力された制御信号に基づいて、2相励磁回路106D(図9参照)あるいは1−2相励磁回路106Eが起動する(S150)。
【0109】
駆動回路108、112は、入力した制御信号に基づいて駆動モータ90、78の駆動を制御する。これにより、各可動装置48、50の所定の駆動方式に基づいた演出動作処理が開始される(S160)。
【0110】
具体的には、可動発光装置48が2−2相励磁方式で駆動される。これにより、図5及び図6に示すように、可動発光装置48の回転体92が水平面上で正逆自在に且つ回転速度を駆動モータ90の回転速度の変化に応じて変更して回転する。この回転体92の回転により反射体86が集光レンズ86を中心としてその周囲を旋回する。LED98を発光させた状態において、反射体86が集光レンズ96の後側に位置し遊技者側から発光したLED98の光が見える場合は、そのLED98の光が直接遊技者側へ投射されると共に反射体86の反射面86Aで反射した光も遊技者側に投射される。
【0111】
一方、反射体86が集光レンズ96の前側に位置する場合には、集光レンズ96がその前後で反射体86とリフレクター88とで挟まれた状態となり、集光レンズ96からのLED98の光が遊技者側へ投射されずに遮蔽状態となる。このように、反射体86を所定周期で回転させた時には、反射体86が集光レンズ96の周囲を旋回するため、LED98の光の反射状態及び遮蔽状態が所定周期で繰り返される。このようにして、可動発光装置48の大胆かつ力強い演出動作が実現される。
【0112】
具体的には、可動発光装置48の回転体92は、ステッピングモータである駆動モータ90が1ステップ当り、フルステップ角だけ回転し、これが連続することにより、力強く、かつトルクフルな回転動作を実現する。
【0113】
また、リール可動装置50の各回胴体72、74が1−2相励磁方式で駆動される。これにより、各回胴体72、74が回胴し、所定の時間が経過した後、停止する。このとき、遊技者は、各回胴体72、74の停止表示された図柄を視認することにより、現在の遊技状態が有利者にとって有利であるのか否かを推測する。
【0114】
ここで、リール可動装置50の各回胴体72、74は、ステッピングモータである駆動モータ78が1ステップ当り、フルステップ角の半分に相当する角度だけ回転し、これが連続することにより、きめ細かな回転動作を実現する。
【0115】
各可動装置48、50の演出動作処理を経て、演出制御処理が終了する。
【0116】
(テーブル選択処理)
次に、テーブル選択処理について、図18に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0117】
テーブル選択処理では、主制御基板200から出力された制御信号を受けた場合には、ROM224に記憶されたテーブルに基づいて駆動モータ90、78の駆動方式がCPU222により選択される。
【0118】
具体的には、図18に示すように、可動発光装置48による演出動作に関する制御信号を受けたとCPU222により判断された場合(S200:YES)には、リール可動装置50による演出動作に関する制御信号の入力を伴うのか否かがCPU222により判断される(S210)。
【0119】
可動発光装置48による演出動作に関する制御信号とリール可動装置50による演出動作に関する制御信号の両方が入力されたとCPU222により判断された場合(S210:YES)には、可動発光装置48の駆動モータ90の駆動方式として2−2相励磁方式がCPU222によって選択され(S220)、リール可動装置50の駆動モータ78の駆動方式として1−2相励磁方式がCPU222によって選択される(S230)。
【0120】
一方、可動発光装置48による演出動作に関する制御信号が入力されたとCPU222により判断された(S200:YES)が、リール可動装置50による演出動作に関する制御信号が入力されていないとCPU222により判断された場合(S210:NO)には、可動発光装置48の駆動モータ90の駆動方式として2−2相励磁方式のみがCPU222によって選択される(S240)。
【0121】
可動発光装置48による演出動作に関する制御信号が入力したとCPU222により判断されず(S200:NO)、リール可動装置50による演出動作に関する制御信号が入力されたとCPU222により判断された場合(S250:YES)には、ROM224に記憶された各テーブルに基づいて、駆動モータ78の駆動方式として1−2相励磁方式のみがCPU222によって選択される(S260)。
【0122】
なお、図9に示すように、駆動回路106、110における励磁シーケンスの切換え動作は、演出制御基板220のCPU222により実行される。すなわち、2−2相励磁方式を実行する場合には、演出制御基板220のCPU222からの制御信号に基づいて、励磁スイッチSW(図9参照)が切換られ、駆動回路106、110の2相励磁回路が起動する。また、1−2相励磁方式を実行する場合には、演出制御基板220のCPU222からの制御信号に基づいて、励磁スイッチSWが切換られ、駆動回路106、110の1−2相励磁回路が起動する。
【0123】
このようにして、各駆動モータ90、78の駆動方式が演出制御基板220のCPU222によって選択される。そして、可動発光装置48又はリール可動装置50のいずれか一方、あるいは可動発光装置48及びリール可動装置50の両方は、CPU222で選択された駆動モータ90、78の駆動方式(励磁方式)に基づいて演出動作が実行される。
【0124】
以上のように、本実施形態によれば、各駆動モータ90、78の複数の駆動方式をデータテーブルとして記憶しておき、各可動装置48、50を駆動するための制御信号にデータテーブルの情報を載せることにより、各可動装置48、50の駆動方式を容易に制御することができる。
【0125】
特に、ハードウエア上の改良点が不要になり、ソフトウエア上で制御信号にのせる情報を制御することにより、各可動装置48、50の駆動方式の変更が容易になる。この結果、コストの増加を防止して、各可動装置48、50の最適な演出動作を実現することができる。
【0126】
具体的には、大きなトルクが必要でかつ大胆な演出動作が要求される可動発光装置48の駆動方式には予め記憶しておいた2−2相励磁方式を選択し、小さなトルクで足りかつきめ細かな演出動作が要求されるリール可動装置50の各回胴体72、74の駆動方式には予め記憶しておいた1−2相励磁方式を選択する。この駆動方式の選択を制御信号の調整で行うことにより、簡易な方法で、各可動装置48、50に要求される演出動作を実現することができる。
【0127】
また、1−2相励磁方式でリール可動装置50の各回胴体72、74を駆動させると、全ての可動装置を2−2相励磁方式で駆動させる場合と比較して、消費電力を低減させることができる。これにより、電力コストを低減できる他、発熱量が低下することにより、パチンコ機10の各構成部材のトラブルを抑制でき、また製品寿命の低下を防止できる。
【0128】
特に、1ステップ角が3度以上のステッピングモータの2−2相励磁方式で比較的小型の可動装置を駆動する場合には、1パルス入力当りの回転量が大きくなるので、大まかな動作で、しかもがたつきのある動作になってしまう問題がある。
【0129】
しかしながら、本実施形態のように、1−2相励磁方式を採用することにより、1ステップ角が半分になるため、がたつきが少なく、きめ細かな動作を実現させることができる。そして、2−2相励磁方式と1−2相励磁方式との切換えをソフトウエア上で実行するため、ハードウエア上の変更がなく、低コストで励磁方式の切換えを実行することができる。異なる励磁方式を規定した複数のテーブルを持ち、可動装置によって複数のテーブルを容易に使い分けることができる。これにより、大型の役物の大胆な動作には2−2相励磁方式を採用し、きめ細かな動作が要求される小型の可動装置の細かな動作には1−2相励磁方式を採用することにより、要求される動作が異なる複数の可動装置に対して最適な演出動作を実現させることができる。
【0130】
特に、パチンコ機の遊技盤や遊技領域上に可動装置を配置させる場合には、スペース上の制約があるため、可動装置が比較的小型の設計になる。この場合でも、2−2層励磁方式で可動装置を駆動していると、可動装置が小型であるが故に、可動装置の演出動作時においてがたつきが大きくなる。これにより、遊技者には不快感がつのるとともに、可動装置のがたつきにより可動装置自体の構造劣化のおそれがある。このため、パチンコ機の可動装置に適用する場合には、スロットマシンと異なり、より細かな可動装置の制御が必要不可欠となっていた。
【0131】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、パチンコ機に搭載される小型の可動装置の駆動方式として1−2相励磁方式を採用するものである。しかも、2−2相励磁方式による駆動方式が要求される可動装置には、2−2相励磁方式で駆動させることもできる。これにより、パチンコ機に搭載される大型の可動装置の大胆な演出動作を実現しつつ、パチンコ機に搭載される小型の可動装置のきめ細かな演出動作も可能になる。この結果、可動装置による演出が遊技者に支持され易くなり、遊技性の向上にも寄与することができる。
【0132】
なお、本実施形態では、可動物として、可動発光装置48及びリール可動装置50を例にとり説明したが、これらの可動装置に限定されるものではない。すなわち、可動発光装置48及びリール可動装置50は、所定の軸回りに回転する可動装置であるが、例えば、軸回りに揺動動作を繰り返す振り子式の可動装置やリンク機構で構成された可動装置など、いわゆる遊技機(パチンコ機やスロットマシンなど)で使用される全ての可動装置に適用することができる。
【0133】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。本実施形態についても、本発明をパチンコ機に適用したものである。なお、以下に示すパチンコ機の構成は本発明が適用された一例に過ぎないものであり、本発明の範囲が本実施形態のパチンコ機の構成に限定されるものではない。また、第1実施形態の構成と重複する構成については同符号を付し、適宜、その説明を省略する。
【0134】
図19に示すように、第2実施形態の遊技盤16には、可動発光装置48及びリール可動装置50の他に、センター可動装置300(以下、適宜「可動装置300」という)が設けられている。このため、第2実施形態の遊技盤16には、合計3つの可動装置48、50、300と合計5つの駆動モータ90、78A、78B、306、308が使用されている。
【0135】
なお、可動発光装置48、リール可動装置50及び遊技盤16上の他の構成については、第1実施形態の遊技盤16の構成と同じであるため、それらの説明を省略する。
【0136】
(センター可動装置の構成)
図20、図21及び図22に示すように、センター可動装置300は、遊技盤16上において昇降自在に配置されている。センター可動装置300は、昇降機構(図省略)に保持されて昇降される固定部材302と、固定部材302に支持されて回転する回転部材304とで構成されている。なお、通常時には、センター可動装置300は、昇降機構に吊り上げられた状態で待機している。
【0137】
固定部材302は、回転モータ306(図20参照)を保持している。回転部材304は、回転モータ306とギア結合されて回転する。そして、回転モータ306の駆動軸には、駆動ギアG1が固着され、回転部材304の回転軸AXには従動ギアG2が固着されている。
【0138】
固定部材302は、その左右両端が不図示の昇降機構ALVに保持されている。そのため、昇降モータ308(図25参照)が回転すると、固定部材302は、水平状態を維持した状態で昇降する。また、固定部材302の一方側(正面視で左側)には、永久磁石MG1が配置されている。
【0139】
一方、回転部材304は、従動回転する回転軸AXと一体回転するよう構成されている。回転軸AXの基端は、固定部材302に軸支されている。また、回転部材304には、固定部材302の永久磁石MG1に対面する位置に、磁性体MG2が配置されている。そのため永久磁石MG1と磁性体MG2とが互いに吸引されることになり、その結果、回転部材304の水平姿勢は、磁気吸引力(磁着力)によって安定化されている。なお、回転演出開始時には、回転モータ306(図25参照)は、静止状態を維持する駆動状態となっている。
【0140】
このように、水平姿勢の回転部材304が磁着力などによって確実に保持されているので、センター可動装置300を素早く昇降させても、停止時の慣性力に拘わらず回転部材304の水平姿勢が崩れない。ただし、回転部材304の回転始動時には、この磁着力を超える始動トルクが必要となる。本実施形態では、ギア結合や磁性体MG2の関係で、静止状態(水平姿勢)において、正面視で反時計方向にトルクが加わっているので、特に、時計方向に回転始動させる場合には、反時計方向に回転始動させる場合より、大きな起動トルクが必要となる。
【0141】
なお、特に限定されないが、本実施形態では、大きな起動トルクを必要とする時計方向の回転を、逆方向(reverse)とし、反時計方向の回転を順方向(forward)としている。
【0142】
図21(b)に示す通り、回転軸AXには遮光片SHiが装着され、遮光片SHiの回転軌道上に、フォトインタラプタPHを配置することで、位置検出スイッチ310(位置検出SW)を構成している。回転部材304が水平姿勢であると、遮光片SHiが原点に位置して、位置検出スイッチ310がON状態となるが(図21(b))、回転部材304が回転すると(図21(c))、位置検出スイッチ310がOFF状態となる。
【0143】
回転部材304の水平姿勢は、2つの磁性体MG1,MG2の磁着力によって保持されるが、回転部材304が回転を開始した場合に、事実上、磁着力が及ぶ範囲は、位置検出スイッチ310のON状態の範囲より狭い範囲となる(図24参照)。すなわち、位置検出スイッチ310がOFF状態となれば、固定部材302と回転部材304の間に磁着力が全く作用していないと考えることができる。なお、図22は、回転部材304が、水平姿勢から、正面視で時計方向に90°回転した状態を示している。
【0144】
図23は、演出制御基板220に搭載されたドライバ回路312と、回転モータ306との接続関係を示す回路図である。回転モータ306は、例えば、ステッピングモータで構成されている。ドライバ回路312は、ダーリントン接続されたトランジスタTrと、ダンパーダイオードDpと、を有して構成されている。なお、この実施形態では、回転モータ306にギア結合された回転部材304が、所定のピッチで回転しており、回転モータ306が駆動パルスΦ1〜Φ4を受けると、回転部材304が一回転することになる。
【0145】
回転モータ306の回転速度は、駆動パルスΦ1〜Φ4を変化させる駆動速度に比例して増加するが、一方、回転モータ306の回転トルクは、回転速度に対応して低下する。これは、回転速度を速めるには、回転モータ306の励磁コイルLx,Lyに流れる励磁電流を迅速に変化させる必要があるが、励磁コイルLx,Lyに蓄積された磁気エネルギーによる慣性によって、回転に寄与する励磁電流が実質的に減少するからである。
【0146】
本実施形態では、センター可動装置300には、回転モータ306の回転軸AXが原点位置に達したことを検出するための位置検出スイッチ310が配置されている。そのため、回転部材304に対して、回転モータ306の回転トルクが不足気味となっても、回転部材304を正確に一回転させることができる。本実施形態では、ギア結合で回転速度を増速させた分だけ、回転トルクが減少するので、位置検出スイッチ310を設けた意義は大きい。
【0147】
図24に示すように、位置検出スイッチ310は、具体的には、発光部と受光部とを有するフォトインタラプタPHと、発光部から放射された検査光を遮断する遮光片SHiと、で構成されている。なお、発光部はフォトダイオードで構成され、受光部はフォトトランジスタで構成されている。このため、検出スイッチ信号(図示省略)は、フォトトランジスタの出力として、通常時はLレベル(OFFレベル)であるが、原点位置を検出した遮光時にはHレベル(ONレベル)となる。
【0148】
なお、可動発光装置48には、可動発光装置48の原点位置を検出するための位置検出スイッチ94(位置検出SW)が配置されている。また、リール可動装置50には、リール可動装置50の原点位置を検出するための位置検出スイッチ51(位置検出SW、図25参照)が配置されている。これらの位置検出スイッチ94、51は、可動発光装置48あるいはリール可動装置50が原点位置にあるか否かを検出するためのスイッチであり、例えば、センター可動装置300の位置検出スイッチ310の構成と同じように構成されている。
【0149】
(演出制御基板における制御処理)
次に、上記複数の可動装置の動作演出を実現するための演出制御基板220(CPU222)における制御処理について説明する。上記複数の可動装置の動作演出を実現するための演出制御基板220における制御処理は、電源投入後に開始されるメイン処理(図26参照)と、4mS毎に起動されるタイマ割込み処理(図27参照)と、1mS毎に起動されて各可動装置の動作を制御するタイマ割込み処理(図30参照)と、ストローブ信号STBによって起動される受信割込み処理(不図示)と、を含んで実行されている。
【0150】
(演出制御基板によるメイン処理)
先ず、演出制御基板220(CPU222)によるメイン処理について説明する。
【0151】
図26に示すように、メイン処理では、CPU222内部の初期設定をCPU222が実行した後(ST100)、CPU222を割込み許可状態に設定する(ST200)。そして、4mS間隔のタイマ割込みを待機する(ST300)。
【0152】
このとき、4mS間隔でタイマ割込みが生じる毎に、割込みフラグINTがセットされるので(図27のST800)、メイン処理のステップST300の処理では、割込みフラグINTが1になるのをCPU222が繰り返しチェックすることになる。そして、割込みフラグINT=1となると、CPU222がこれをリセットした後に(ST400)、受信コマンド解析処理を実行する(ST500)。そして、演出シナリオ進行処理(ST600)及びその他の処理(ST700)を経て、ST200に戻る。
【0153】
(演出制御基板による受信コマンド解析処理)
次に、演出制御基板220(CPU222)による受信コマンド解析処理について説明する。
【0154】
図28に示すように、受信コマンド解析処理では、変動パターンに関する受信コマンドを受信したか否かをCPU222が判定する(ST1000)。そして、変動パターンに関する受信コマンドを受信している場合(ST1000:YES)には、CPU222が受信コマンドに応じた演出抽選を実行する(ST1100)。さらに、演出抽選の結果に対応する演出シナリオをCPU222がセットする(ST1200)。
【0155】
ここで、各種演出シナリオは、予め、演出制御基板220のROM224にデータとして記憶されている。なお、LED01、LED02、LED03、LED04は、パチンコ機に装備されている複数の装飾ランプ24の発光制御に関する発光パターンデータの種類をいう。SP01、SP02、SP03、SP04は、パチンコ機に装備されている複数のスピーカ26の音出力制御に関する音出力パターンデータの種類をいう。MO1、MO2、MO3、MO4は、複数のモータ(回転モータ306、駆動モータ90、駆動モータ78A、78B)の駆動制御に関する駆動制御パターンデータの種類をいう。これらの設定は、一例であり、この対応関係に限定されるべきものではない。
【0156】
(演出シナリオ1)
図35に示すように、演出制御基板220に搭載されているタイマ228のカウント値が0(mS)のときにLED01による発光演出が開始される。タイマ228のカウント値が150(mS)のときにSP01による音出力演出が開始される。このとき、LED01による発光演出も継続している。
【0157】
タイマ228のカウント値が500(mS)のときにMO1、MO2による駆動演出が開始される。これにより、センター可動装置300の回転モータ306が駆動して回転部材304が回転し、可動発光装置48の駆動モータ90によって回転体92が所定の回転速度で回転する。このとき、LED01による発光演出及びSP01による音出力演出も継続している。
【0158】
タイマ228のカウント値が2000(mS)のときにMO3の駆動演出が開始される。これにより、リール可動装置50の駆動モータ78Aが駆動して回胴体72が回転する。このとき、LED01による発光演出、SP01による音出力演出、MO1、MO2による駆動演出も継続している。
【0159】
タイマ228のカウント値が4000(mS)のときにLED02による発光演出及びSP02による音出力演出が開始される。このとき、LED01による発光演出、SP01による音出力演出、MO1、MO2、MO3による駆動演出も継続している。
【0160】
なお、LED01・LED02による発光演出、SP01・SP02による音出力演出、MO1・MO2・MO3による駆動演出は、所定の時間が経過すると停止する。
【0161】
図25では、タイマ228がCPU222とは別個独立して演出制御基板220に搭載されている構成を示しているが、この構成に限られず、例えば、CPU222とRAM226とを利用してタイマの機能を実現するように構成してもよい。これにより、演出制御基板220には、CPU222とは別個独立したタイマを搭載する必要がなくなり、部品点数及びコストを削減できる。
【0162】
(演出シナリオ2)
図36に示すように、演出制御基板220に搭載されているタイマ228のカウント値が100(mS)のときにLED03による発光演出、及びSP03による音出力演出が開始される。タイマ228のカウント値が200(mS)のときにMO3、MO4による駆動演出が開始される。これにより、リール可動装置50の駆動モータ78Aが駆動して回胴体72が回転し、かつ駆動モータ78Bが駆動して回胴体74が回転する。このとき、LED03による発光演出及びSP03による音出力演出も継続している。
【0163】
タイマ228のカウント値が6200(mS)のときにLED04による発光演出及びSP04による音出力演出が開始される。このとき、LED03による発光演出、SP03による音出力演出、MO3、MO4による駆動演出も継続している。
【0164】
なお、LED03・LED04による発光演出、SP03・SP04による音出力演出、MO3・MO4による駆動演出は、所定の時間が経過すると停止する。
【0165】
(演出シナリオ3)
図37に示すように、演出制御基板220に搭載されているタイマ228のカウント値が100(mS)のときにLED03による発光演出、及びSP03による音出力演出が開始される。タイマ228のカウント値が200(mS)のときにMO3、MO4による駆動演出が開始される。これにより、リール可動装置50の駆動モータ78Aが駆動して回胴体72が回転し、かつ駆動モータ78Bが駆動して回胴体74が回転する。このとき、LED03による発光演出及びSP03による音出力演出も継続している。
【0166】
タイマ228のカウント値が6700(mS)のときにLED04による発光演出及びSP04による音出力演出が開始される。このとき、LED03による発光演出、SP03による音出力演出、MO3、MO4による駆動演出も継続している。
【0167】
なお、LED03・LED04による発光演出、SP03・SP04による音出力演出、MO3・MO4による駆動演出は、所定の時間が経過すると停止する。
【0168】
LED01・LED02・LED03・LED04による発光演出に関するプログラムデータ、及びSP01・SP02・SP03・SP04による音出力演出に関するプログラムデータは、予め、演出制御基板220のROM224に記憶されている。
【0169】
MO1・MO2・MO3・MO4による駆動演出は、ROM224に記憶されている可動装置演出用プログラム、モータ動作テーブル(図38及び図39参照)及びモータ励磁データテーブル(図40参照)に基づいて実行される。
【0170】
なお、モータ動作テーブル(図38及び図39参照)及びモータ励磁データテーブル(図40参照)については、後述する。
【0171】
(演出制御基板による演出シナリオ管理処理)
次に、演出制御基板220(CPU222)による演出シナリオ管理処理について説明する。
【0172】
図29に示すように、演出シナリオ管理処理は、図26の演出シナリオ進行処理ST600の中で演出制御基板220のCPU222により実行される処理である。演出制御基板220のCPU222が、演出実行タイミングであるか否か否かを判定する(ST1300)。
【0173】
演出実行タイミングである場合(ST1300:YES)には、CPU222が図28のST1200でセットした演出シナリオ(演出シナリオ1〜3)の中から実行すべき演出データをセットする(ST1400)。
【0174】
ここで、図29のST1400においてセットされる演出データとは、図28のST1200でセットされた演出シナリオに対して、タイマ228のカウント値を参照して特定されるものである。
【0175】
具体的には、図28のST1200でセットされた演出シナリオが演出シナリオ1(図35参照)である場合、タイマ228のカウント値が500であれば、MO1とMO2による演出データがセットされる。
【0176】
(演出制御基板による1mS毎のタイマ割込み処理)
次に、演出制御基板220(CPU222)による1mS毎のタイマ割込み処理について説明する。
【0177】
図30に示すように、1mS毎のタイマ割込み処理は、図26のメイン処理に並行して、1mS毎に実行される。1mS間隔のタイマ割込みが生じると、先ず、モータ動作開始タイミングであるか否かがCPU222により判定される(ST1500)。
【0178】
ここで、モータとして、リール可動装置50の駆動モータ78A、78B、可動発光装置48の駆動モータ90、センター可動装置300の回転モータ306が該当する。
【0179】
そして、モータ動作開始タイミングであるとCPU222が判定した場合(ST1500:YES)には、CPU222がモータn動作フラグFLGを1にセットする(ST1600)。
【0180】
ここでのモータn動作フラグFLGは、リール可動装置50の駆動モータ78A、78B、可動発光装置48の駆動モータ90、センター可動装置300の回転モータ306に対応する複数のモータn動作フラグFLGが用意されており、モータ動作開始タイミングになった所定のモータに対応するモータn動作フラグFLGが1にセットされる。
【0181】
そして、CPU222がモータ動作テーブル(図38及び図39参照)のアドレス(PT)を初期セットする(ST1700)。ここでセットされるモータ動作テーブル(図38及び図39参照)のアドレス(PT)は、ST1500においてモータ動作開始タイミングになった所定のモータに対応するものである。
【0182】
さらに、ST1700の後、CPU222によりモータ処理(図31及び図32参照)が実行する(ST1800)。
【0183】
なお、モータ動作開始タイミングであるとCPU222が判定していない場合、換言すればモータ動作開始タイミングではない場合(ST1500:NO)には、ST1600及びST1700の各工程を経ずに、そのままモータ処理(図31及び図32参照)が開始される(ST1800)。
【0184】
(モータ動作テーブルの説明)
次に、演出制御基板220によるモータ処理に使用するモータ動作テーブルについて説明する。モータ動作テーブルとは、動作ステイタス(STS)とモータの回転速度(SPD)とタイマ228のカウント時間(TMR)との対応関係を一行で特定したもの(PT)が、複数の行にわたって集合したテーブルである。モータ動作テーブルには、コマ送り5コマのもの(図38参照)と、原点復帰のもの(図39参照)とがある。これらのモータ動作テーブルは、演出制御基板220のROM224に記憶されている。
【0185】
図38は、コマ送り5コマのモータ動作テーブルである。
【0186】
図38に示すように、第一行目は、動作ステイタス(STS)が(AXT,INC)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(960)のPTである。
【0187】
第二行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,INC)、速度(SPD)が(8)、時間(TMR)が(320)のPTである。
【0188】
第三行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,STOP)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(1000)のPTである。
【0189】
第四行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,INC)、速度(SPD)が(8)、時間(TMR)が(320)のPTである。
【0190】
第五行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,STOP)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(1000)のPTである。
【0191】
第六行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,INC)、速度(SPD)が(8)、時間(TMR)が(320)のPTである。
【0192】
第七行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,STOP)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(1000)のPTである。
【0193】
第八行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,INC)、速度(SPD)が(8)、時間(TMR)が(320)のPTである。
【0194】
第九行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,STOP)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(1000)のPTである。
【0195】
第十行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,DEC)、速度(SPD)が(8)、時間(TMR)が(320)のPTである。
【0196】
第十一行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,STOP)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(1000)のPTである。
【0197】
第十二行目は、動作ステイタス(STS)が(END, )、速度(SPD)が(0)、時間(TMR)が(0)のPTである。
【0198】
図39は、原点復帰のモータ動作テーブルである。
【0199】
図39に示すように、第一行目は、動作ステイタス(STS)が(AXT,INC)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(600)のPTである。
【0200】
第二行目は、動作ステイタス(STS)が(EXT,INC)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(600)のPTである。
【0201】
第三行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,INC)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(6)のPTである。
【0202】
第四行目は、動作ステイタス(STS)が(ALL,STOP)、速度(SPD)が(2)、時間(TMR)が(1000)のPTである。
【0203】
第五行目は、動作ステイタス(STS)が(END, )、速度(SPD)が(0)、時間(TMR)が(0)のPTである。
【0204】
なお、図38及び図39の「速度」は、モータの駆動速度(回転速度)を意味する。また、図38及び図39の「時間」は、モータの駆動時間(回転時間)を意味する。
【0205】
ここで、図38及び図39のモータ動作テーブルの動作ステイタス(STS)は、動作ステイタス上位と動作ステイタス下位とで構成されている。
【0206】
特に、動作ステイタス上位の「AXT」は、各可動装置48、50、300の位置検出スイッチ94、51、310がONの間は各可動装置48、50、300の動作が継続し、OFFで動作が終了するデータであることを意味する。
【0207】
動作ステイタス上位の「EXT」は、各可動装置48、50、300の位置検出スイッチ94、51、310がOFFの間は各可動装置48、50、300の動作が継続し、ONで動作が終了するデータであることを意味する。
【0208】
動作ステイタス上位の「ALL」は、各可動装置48、50、300の位置検出スイッチ94、51、310を関与しないデータであることを意味する。
【0209】
動作ステイタス上位の「END」は、終了のデータであることを意味する。
【0210】
動作ステイタス下位の「INC」は、各可動装置48、50の駆動モータ90、78、及び可動装置300の回転モータ306の回転方向が順方向となるデータである。
【0211】
動作ステイタス下位の「DEC」は、各可動装置48、50の駆動モータ90、78、及び可動装置300の回転モータ306の回転方向が逆方向となるデータである。
【0212】
動作ステイタス下位の「STOP」は、各可動装置48、50の駆動モータ90、78、及び可動装置300の回転モータ306の回転が停止するデータである。
【0213】
(モータ励磁データテーブルの説明)
次に、演出制御基板220によるモータ処理に使用するモータ励磁データテーブルについて説明する。モータ励磁データテーブルとは、1相励磁・2相励磁・1−2相励磁に関して励磁カウンタと励磁データとの対応関係を一行で特定したものが、複数の行にわたって集合したテーブルである。モータ励磁データテーブルは、演出制御基板220のROM224に記憶されている。
【0214】
図40は、モータ励磁データテーブルを示した図である。モータ励磁データテーブルのテーブル1は、1相励磁に関するテーブルが規定されている。
【0215】
テーブル1の第一行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(0,0001)の対応関係になる。
【0216】
テーブル1の第二行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(1,0010)の対応関係になる。
【0217】
テーブル1の第三行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(2,0100)の対応関係になる。
【0218】
テーブル1の第四行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(3,1000)の対応関係になる。
【0219】
テーブル1の第五行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(4,0001)の対応関係になる。
【0220】
テーブル1の第六行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(5,0010)の対応関係になる。
【0221】
テーブル1の第七行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(6,0100)の対応関係になる。
【0222】
テーブル1の第八行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(7,1000)の対応関係になる。
【0223】
モータ励磁データテーブルのテーブル2は、2相励磁に関するテーブルが規定されている。
【0224】
テーブル2の第一行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(0,0011)の対応関係になる。
【0225】
テーブル2の第二行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(1,0110)の対応関係になる。
【0226】
テーブル2の第三行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(2,1100)の対応関係になる。
【0227】
テーブル2の第四行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(3,1001)の対応関係になる。
【0228】
テーブル2の第五行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(4,0011)の対応関係になる。
【0229】
テーブル2の第六行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(5,0110)の対応関係になる。
【0230】
テーブル2の第七行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(6,1100)の対応関係になる。
【0231】
テーブル2の第八行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(7,1001)の対応関係になる。
【0232】
モータ励磁データテーブルのテーブル3は、1−2相励磁に関するテーブルが規定されている。
【0233】
テーブル3の第一行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(0,0011)の対応関係になる。
【0234】
テーブル3の第二行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(1,0010)の対応関係になる。
【0235】
テーブル3の第三行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(2,0110)の対応関係になる。
【0236】
テーブル3の第四行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(3,0100)の対応関係になる。
【0237】
テーブル3の第五行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(4,1100)の対応関係になる。
【0238】
テーブル3の第六行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(5,1000)の対応関係になる。
【0239】
テーブル3の第七行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(6,1001)の対応関係になる。
【0240】
テーブル3の第八行目は、(励磁カウンタ,励磁データ)が(7,0001)の対応関係になる。
【0241】
ここで、テーブル1の1相励磁及びテーブル2の2相励磁の場合には、励磁カウンタが0〜3の各行の励磁データと、0〜7の各行の励磁データと、が完全同一となる。
【0242】
すなわち、テーブル1の第一行目の励磁データと第五行目の励磁データとが同じデータ(0001)になる。テーブル1の第二行目の励磁データと第六行目の励磁データとが同じデータ(0010)になる。テーブル1の第三行目の励磁データと第七行目の励磁データとが同じデータ(0100)になる。テーブル1の第四行目の励磁データと第八行目の励磁データとが同じデータ(1000)になる。また、テーブル2の第一行目の励磁データと第五行目の励磁データとが同じデータ(0011)になる。テーブル2の第二行目の励磁データと第六行目の励磁データとが同じデータ(0110)になる。テーブル2の第三行目の励磁データと第七行目の励磁データとが同じデータ(1100)になる。テーブル2の第四行目の励磁データと第八行目の励磁データとが同じデータ(1001)になる。
【0243】
図40のモータ励磁データテーブルは、共通の励磁カウンタの範囲(0〜7)をもつテーブル1、テーブル2、テーブル3から構成されている。特に、各テーブル(テーブル1、テーブル2、テーブル3)は、各行において励磁カウンタに対応した個別の励磁データが存在し、これが第一行から第八行にわたって規定されて構成されている。このため、各テーブル(テーブル1、テーブル2、テーブル3)は、複数の励磁データを所有している。
【0244】
なお、励磁カウンタは、演出制御基板220のRAM226に記憶されている。励磁カウンタの更新処理(図31のST3000)は、演出制御基板220のCPU222とRAM226とにより実現される。
【0245】
特に、1−2相励磁方式に関する励磁パターンデータの励磁カウンタ及び励磁データが8種類×L(回)設けられ、1相励磁方式及び2相励磁方式に関する励磁パターンデータの励磁カウンタ及び励磁データが4種類×2L(回)設けられることにより、1−2相励磁方式の励磁カウンタと、2相励磁方式の励磁カウンタと、1相励磁方式の励磁カウンタと、が共通の値になるように設定される。なお、図40は、L=1(回)の場合のモータ励磁データテーブルを示す。これにより、CPU222は、励磁方式の違いがある場合でも、同様の制御方法により、全ての励磁方式の励磁カウンタの値を更新することができる。
【0246】
また、RAM226には、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式の励磁カウンタ及び励磁データの個数、及び1−2相励磁方式に関する励磁カウンタ及び励磁データの個数が、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式に関する励磁カウンタ及び励磁データの個数と1−2相励磁方式に関する励磁カウンタ及び励磁データの個数の最小公倍数となるように設定されたモータ励磁データテーブル(図40参照)が記憶されており、モータ励磁データテーブルの中に、励磁方式の相違にかかわらず、共通の励磁カウンタを所有してもよい。これにより、CPU222は、励磁方式の違いがある場合でも、同様の制御方法により、全ての励磁方式の励磁カウンタの値を更新することができる。
【0247】
上記のように、1相励磁及び2相励磁の励磁データが4種類(励磁カウンタが0〜3までの4つ)になるが、1−2相励磁の励磁データが8種類(励磁カウンタが0〜7までの8つ)あるため、1相励磁及び2相励磁では同じ励磁データを繰り返して設定することにより、1−2相励磁の励磁データの種類(励磁カウンタのカウント値)に合わせることができる。
【0248】
これにより、1相励磁、2相励磁、1−2相励磁において、共通の励磁カウンタに対応するそれぞれの励磁データを持たせることができる。この結果、各モータの動作を実行する場合には、1相励磁、2相励磁、1−2相励磁のいずれの励磁方式においても、モータの制御コマンドに図40のモータ励磁データテーブルの共通の励磁カウンタの値を用いて画一的に制御することができる。このため、従来から回路などのハード面を変更することなく、1相励磁、2相励磁、1−2相励磁が混在する励磁制御を容易に実行することができる。
【0249】
各モータの駆動方式が1相励磁、2相励磁、1−2相励磁のいずれを採用するかについては、演出制御基板220のCPU222が主制御基板200から出力された制御信号とROM224に記憶されたテーブルとに基づいて選択される。後述するように、図31のモータ処理では、CPU222により選択された駆動方式に合致するモータ励磁データ(図40参照)が参照される。
【0250】
(演出制御基板によるモータ処理)
次に、演出制御基板220によるモータ処理について説明する。
【0251】
図31に示すように、モータ処理(図30のST1800)では、先ず、モータの個数分ループがCPU222により実行される(ST1900)。モータの個数分ループとは、例えば、4つのモータ78A、78B、90、306の中でモータ処理されるべきモータ分だけST1900からST3500までのステップが繰り返される処理である。
【0252】
そして、モータn動作フラグFLGが1に設定されているか否かがCPU222により判定される(ST2000)。モータn動作フラグFLGは、1mS毎のタイマ割込み処理のST1600でセットされたものが用いられる。この結果、モータn動作フラグFLGが0(ゼロ)である場合には、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。
【0253】
なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0254】
ここで、モータn動作フラグFLGの「モータn」とは、各モータとの物理的な対応関係を意味する。すなわち、本実施形態のパチンコ機に搭載されているモータが4つの場合には、例えば、モータ1(n=1)がセンター可動装置300の回転モータ306が対応し、モータ2(n=2)が可動発光装置48の駆動モータ90が対応し、モータ3(n=3)がリール可動装置50の駆動モータ78Aが対応し、モータ4(n=4)がリール可動装置50の駆動モータ78Bが対応する。
【0255】
一方、モータn動作フラグFLGが1である場合には、タイマ228のカウント値がCPU222により判定される(ST2100)。
【0256】
タイマ228のカウント値が0(ゼロ)である場合には、モータ動作テーブル(図38及び図39参照)のアドレス(PT)がCPU222により更新される(ST2200)。例えば、モータ動作テーブル(図38及び図39参照)のアドレス(PT)が第一行目であれば、更新により第二行目に設定される。
【0257】
そして、更新されたアドレス(PT)の動作ステイタス(STS)、速度(SPD)、時間(TMR)がCPU222により読み出される(ST2300)。例えば、更新されたアドレス(PT)が図38のモータ動作テーブルの第二行目であれば、動作ステイタス(STS)が(ALL,INC)、速度(SPD)が(8)、時間(TMR)が320であるとCPU222により読み出され、RAM226の所定の領域に記憶される。
【0258】
次に、動作ステイタス(STS)の動作ステイタス上位がCPU222により判定される(S2400)。動作ステイタス(STS)の動作ステイタス上位が「END」である場合には、全相OFFがCPU222によって演出制御基板220の出力バッファにセットされる(ST2500)。そして、モータn動作フラグFLGがCPU222によって0(ゼロ)にセットされる(ST2600)。その後、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。
【0259】
なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0260】
一方、動作ステイタス(STS)の動作ステイタス上位が「END」ではない場合には、図40のモータ励磁データテーブルを参照して励磁カウンタとモータ番号nに対応する励磁データがCPU222によって演出制御基板220の出力バッファにセットされる(ST2700)。
【0261】
具体的には、駆動モータ90、78、回転モータ306を特定するためのモータ番号nと現在の励磁カウンタの値とから励磁データが特定され、これが出力バッファにセットされる。ここで、特定された励磁データが、駆動制御信号として、後述のST3800においてCPU222によってモータ(モーター番号nに対応するモータ)に出力される。駆動制御信号が出力されたモータは、前記励磁データに基づいて駆動する。
【0262】
なお、モータ番号nは、ST2000においてモータn動作フラグFLGが1にセットされているモータを指す。
【0263】
ST2700において、各モータの駆動方式が1相励磁、2相励磁、1−2相励磁のいずれを採用するかについては、演出制御基板220のCPU222が主制御基板200から出力された制御信号とROM224に記憶されたテーブルとに基づいて選択される。そして、モータ励磁データテーブルを参照する際においては、CPU222により選択された駆動方式(1相励磁、2相励磁、1−2相励磁のいずれか)の励磁カウンタが参照される。
【0264】
特に、第2実施形態では、センター可動装置300の回転モータ306、可動発光装置48の駆動モータ90、リール可動装置50の駆動モータ78A、リール可動装置50の駆動モータ78Bが、1相励磁、2相励磁あるいは1−2相励磁のうち、いずれかの励磁方式によって駆動制御される。この駆動制御は、ROM224に記憶されている駆動制御パターンデータに基づいて実行され、その駆動制御パターンデータの中に励磁方式の情報が規定されている。
【0265】
なお、ST2100においてタイマ228のカウント値が0(ゼロ)ではない場合には、ST2200、ST2300及びST2400を経ずに、ST2700に移行する。
【0266】
さらに、CPU222が速度(SPD)の値を−1(マイナス1)にする(ST2800)。また、CPU222が時間(TMR)の値を−1(マイナス1)にする(ST2800)。例えば、速度(SPD)の値が(2)であれば、2−1=1になる。また、時間(TMR)の値が(960)であれば、960−1=959になる。なお、速度(SPD)の値及び時間(TMR)の値をそれぞれ−1するのは、モータ処理が1mS毎に起動するからである。
【0267】
次に、速度(SPD)の値がCPU222により判定される(ST2900)。速度(SPD)の値が0(ゼロ)である場合には、CPU222により励磁カウンタが0〜7の範囲で更新される(ST3000)。
【0268】
具体的には、動作ステイタス(STS)下位が「INC」であれば、+1(プラス1)される。動作ステイタス(STS)下位が「DEC」であれば、−1(マイナス1)される。動作ステイタス(STS)下位が「STOP」であれば、±0(プラスマイナスゼロ)となる。例えば、励磁カウンタの値が(1)であることを基準にすると、動作ステイタス(STS)下位が「INC」であれば、励磁カウンタの値が+1(プラス1)されて(2)になる。一方、動作ステイタス(STS)下位が「DEC」であれば、励磁カウンタの値が−1(マイナス1)されて(0)になる。さらに、動作ステイタス(STS)下位が「STOP」であれば、励磁カウンタの値が±0(プラスマイナスゼロ)になって(1)のままとなる。
【0269】
このように、この励磁カウンタの値の更新は、1相励磁、2相励磁、1−2相励磁のいずれの励磁方式であっても、共通の励磁カウンタの値を利用することができ、しかも異なる励磁方式の励磁カウンタの値を同じ方法で画一的に更新することができる。
【0270】
ここで、励磁カウンタの更新処理(ST3000)後における励磁カウンタの補正処理について、詳細に説明する。
【0271】
一般的には、1相励磁方式及び2相励磁方式を採用する場合に励磁データが4種類存在し、1−2相励磁方式を採用する場合に励磁データが8種類存在するため、1相励磁方式・2相励磁方式及び1−2相励磁方式が混在する場合には、1相励磁方式及び2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、1−2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、を別のプログラムにおいて別けて実行する必要がある。
【0272】
例えば、一般的には、図33に示すような処理が考えられる。図33に示すように、励磁カウンタの更新処理後において、先ず、1−2相励磁であるか否かがCPU222により判別される(ST3010)。1−2相励磁であれば(ST3010:YES)、励磁カウンタが0〜7の範囲であるか否かがCPU222により判別される(ST3020)。励磁カウンタが0〜7の範囲になければ(ST3020:NO)、励磁カウンタの値がCPU222により補正される(ST3030)。具体的には、励磁カウンタが「8」であれば、『0』になり、励磁カウンタが「−1」であれば、『7』になる。その後、ST3100に移行する。なお、励磁カウンタが0〜7の範囲にあれば(ST3020:YES)、ST3030の励磁カウンタの補正処理が行われず、ST3100に移行する。
【0273】
一方、ST3010において1−2相励磁でなければ(ST3010:NO)、本実施形態では1相励磁あるいは2相励磁になり、励磁カウンタが0〜3の範囲であるか否かがCPU222により判別される(ST3040)。励磁カウンタが0〜3の範囲になければ(ST3040:NO)、励磁カウンタの値がCPU222により補正される(ST3050)。具体的には、励磁カウンタが「4」であれば、『0』になり、励磁カウンタが「−1」であれば、『3』になる。その後、ST3100に移行する。なお、励磁カウンタが0〜3の範囲にあれば(ST3040:YES)、ST3050の励磁カウンタの補正処理が行われず、ST3100に移行する。
【0274】
ところが、図33に示した処理では、ST3030における処理とST3050における処理とを別のプログラムで対応する必要があり、プログラムの容量が大きくなったり、あるいは補正処理のタイミングがズレたりして励磁カウンタの補正処理が煩雑になるといった懸念がある。
【0275】
そこで、本実施形態では、1相励磁方式・2相励磁方式及び1−2相励磁方式が混在する構成においても、1相励磁方式及び2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、1−2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、を共通のプログラムで実行する工夫がされている。
【0276】
すなわち、図34に示すように、励磁カウンタの更新処理後において、励磁カウンタが0〜7の範囲であるか否かがCPU222により判別される(ST3020)。励磁カウンタが0〜7の範囲になければ(ST3020:NO)、励磁カウンタの値がCPU222により補正される(ST3030)。具体的には、励磁カウンタが「8」であれば、『0』になり、励磁カウンタが「−1」であれば、『7』になる。その後、ST3100に移行する。なお、励磁カウンタが0〜7の範囲にあれば(ST3020:YES)、ST3030の励磁カウンタの補正処理が行われず、ST3100に移行する。
【0277】
図34に示した処理を実行することにより、1相励磁方式・2相励磁方式及び1−2相励磁方式が混在する構成においても、1相励磁方式及び2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、1−2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、を共通のプログラムで実行することができる。
【0278】
すなわち、各励磁方式の励磁データの数が合致しているため、これに対応する励磁カウンタの範囲を共通なものに設定することができる。このため、励磁方式が異なる場合でも、励磁カウンタの補正処理において、共通のプログラムで対応することができる。この結果、演出制御基板220のROM224に記憶されるプログラムの容量を小さくすることができ、あるいは励磁カウンタの補正処理のタイミングを統一することができ、励磁カウンタの補正処理が簡易なものになる。
【0279】
次に、ST2200において更新されたモータ動作テーブルのアドレス(PT)に対応する速度(SPD)がCPU222により読み込まれる(ST3100)。ST3100では、ST2300で読み込まれた速度(SPD)の値が読み込まれ、RAM226に記憶される。
【0280】
例えば、ST2300において読み込まれた速度(SPD)が8の場合には、ST2800において速度(SPD)が−1(1減算)されて7になる。このため、ST2900において速度(SPD)が0(ゼロ)ではないから、ST300及びST3100を経ずに、ST3200に移行する。このときの、速度(SPD)は、7になる。
【0281】
次回のループにおいてST2300で速度(SPD)が7と読み込まれると、ST2800では速度(SPD)が−1(1減算)されて6になる。このため、ST2900において速度(SPD)が0(ゼロ)ではないから、ST300及びST3100を経ずに、ST3200に移行する。このときの、速度(SPD)は、6になる。
【0282】
次回のループにおいてST2300で速度(SPD)が6と読み込まれると、ST2800では速度(SPD)が−1(1減算)されて5になる。このため、ST2900において速度(SPD)が0(ゼロ)ではないから、ST300及びST3100を経ずに、ST3200に移行する。このときの、速度(SPD)は、5になる。
【0283】
これを繰り返すことにより、やがてST2900において速度(SPD)が0(ゼロ)になり、このときはじめてST3000に移行して励磁カウンタを更新する。
【0284】
一方、時間(TMR)は、ST2800において−1(1減算)されることから、時間(TMR)が0(ゼロ)にならない限り、次回のループのST2200においても、動作テーブルアドレス(PT)が更新されない。このため、ST2300において速度(SPD)が8と読み込まれると、時間(TMR)が0(ゼロ)にならない限り、ST2200にて動作テーブルアドレス(PT)が更新されず、かつ速度(SPD)が0(ゼロ)にならない限り、ST2900からST3200にループする(ST3000及びST3100を経由しない)。
【0285】
このように、ST2300において速度(SPD)が8と読み込まれると、以後7回のループでは、ST3000にて励磁カウンタの値が更新されない。
【0286】
また、例えば、ST2300において読み込まれた速度(SPD)が2の場合についても、同様に考えることができる。
【0287】
この場合に、ST2800において速度(SPD)が−1(1減算)されて1になる。そして、ST2900からST3200に移行する(ST3000及びST3100を経由しない)。
【0288】
次のループのST2800にて速度(SPD)が−1(1減算)されて0(ゼロ)になる。このとき、はじめてST2900からST3000に進み励磁カウンタの値が更新される。そして、ST3100において速度(SPD)が読み込まれる。ST3100では、ST2300で読み込まれた速度が再度読み込まれる。なお、ST3100で読み込まれる速度(SPD)の値は、ST2200で動作テーブルアドレス(PT)の更新をしない限り、一定の値となる。
【0289】
ST2900において速度(SPD)が0(ゼロ)ではない場合、ST3000及びST3100を経ずに、ST3200に移行する。
【0290】
次に、図32に示すように、動作ステイタス(STS)上位がCPU222により判定される(ST3200)。動作ステイタス(STS)上位が「AXT」である場合には、位置検出スイッチ51、94、310のON又はOFFがCPU222により判定される(ST3300)。
【0291】
位置検出スイッチ51、94、310がOFFであれば、タイマ228の時間(TMR)がCPU222により0(ゼロ)にセットされ(ST3400)、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0292】
一方、位置検出スイッチ51、94、310がONであれば、タイマ228の時間(TMR)がCPU222により0(ゼロ)にセットされずに、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0293】
ST3200において動作ステイタス(STS)上位が「EXT」である場合には、位置検出スイッチ51、94、310のON又はOFFがCPU222により判定される(ST3600)。
【0294】
位置検出スイッチ51、94、310がONであれば、タイマ228の時間(TMR)がCPU222により0(ゼロ)にセットされ(ST3700)、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0295】
一方、位置検出スイッチ51、94、310がOFFであれば、タイマ228の時間(TMR)がCPU222により0(ゼロ)にセットされずに、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0296】
ST3200において動作ステイタス(STS)上位が「ALL」である場合には、位置検出スイッチ51、94、310のON又はOFFにかかわらず、他にモータ処理すべきモータの有無が判別され(図32のST3500)、モータ処理すべきモータが無ければ、ループが終了する(ST3500)。なお、他にもモータ処理すべきモータが有れば、そのモータに関してモータ処理(ST1900からST3500までの処理)が開始される。
【0297】
ST3500のループが終了後、CPU222により励磁データ/全相OFFを含む各出力バッファの値が駆動制御信号として各駆動モータ78、90あるいは回転モータ306のモータドライバに対して出力される(ST3800)。この駆動制御信号を受けて、各駆動モータ78、90あるいは回転モータ306が回転駆動する。なお、駆動制御信号に全相OFFの出力バッファが含まれている場合には、各駆動モータ78、90あるいは回転モータ306の励磁がOFFになる。
【0298】
第2実施形態によれば、第1実施形態のパチンコ機で実現することができる効果に加えて、さらに以下の効果を得ることができる。すなわち、各可動装置45、58、300の各モータ90、78、306の駆動方式(1相励磁方式、2相励磁方式、1−2相励磁方式など)が複数設けられているが、いずれの駆動方式を採用する場合においても、共通の範囲である励磁カウンタを持たせることができる。これにより、上述した通り、1相励磁方式・2相励磁方式及び1−2相励磁方式が混在する構成においても、1相励磁方式及び2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、1−2相励磁方式における励磁カウンタの補正処理と、を共通のプログラムで実行することができる。
【0299】
特に、回路構成などを変えることなく(回路構成に特殊な工夫を施すことなく)、既存のハード構成を利用して、各モータの複数の駆動方式(1相励磁方式、2相励磁方式、1−2相励磁方式など)を切り換えることができる。
【0300】
また、演出制御基板220がモータ励磁データテーブルの励磁データに基づいてモータ78、90、306の駆動を制御するため、複数の励磁データの選択が容易になる。これにより、励磁方式を変更するときにモータ78、90、306の駆動制御が容易になる。
【0301】
特に、モータ励磁データテーブルには、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式の励磁データの個数、及び1−2相励磁方式に関する励磁データの個数が、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式に関する励磁データの個数と1−2相励磁方式に関する励磁データの個数の最小公倍数となるように設定されている。これにより、異なる励磁方式の励磁データの個数を合わせることができ、モータ励磁データテーブルの構造を簡素化することができる。
【0302】
同様に、モータ励磁データテーブルには、1−2相励磁方式に関する励磁データが(8(種類)×L(回))個設けられ、1相励磁方式又は/及び2相励磁方式に関する励磁データが(4(種類)×2L(回))(個)設けられている。これにより、異なる励磁方式の励磁データの個数を合わせることができ、モータ励磁データテーブルの構造を簡素化することができる。
【0303】
さらに、図40に示すように、1−2相励磁方式、及び1相励磁方式又は/及び2相励磁方式の励磁データに対して共通の励磁カウンタが設定されており、制御部は、所定の条件が成立したときに、全ての励磁方式において共通の励磁カウンタを用いて励磁データの値を更新する(図31、図33及び図34のST3000参照)。これにより、励磁方式が異なる場合でも、共通の励磁カウンタを用いた励磁データの更新処理が可能になり、簡易な更新処理を実現できる。
【0304】
また、図33及び図34に示すように、CPU222は、励磁データの更新後、所定の条件(ST3020)が成立したときに、更新された後の励磁カウンタの値が所定値となるように補正することにより(ST3030)、常に、励磁カウンタの値を1−2相励磁方式(1相励磁方式、2相励磁方式)の励磁データに対応させることができる。すなわち、励磁カウンタと励磁データとの対応関係を常に維持することができる。これにより、励磁方式が異なる場合でも、常に、共通の励磁カウンタを用いた励磁データの更新処理が可能になり、モータ78、90、306の駆動制御に関する精度を高めることができる。
【0305】
なお、本実施形態では、演出制御基板220が各モータの駆動を制御する構成を示したが、本発明の「制御部」が演出制御基板220、本発明の「モータ」が駆動モータ78、90、回転モータ306に限定されるものではなく、CPUが搭載されている基板であれば、その基板と当該基板に制御されるモータとの関係に本発明が適用される。例えば、主制御基板200が駆動部としてモータの駆動を制御する構成では、主制御基板200が本発明の「制御部」に対応し、主制御基板200と当該主制御基板200が駆動制御するモータとの関係において本発明が適用される。
【符号の説明】
【0306】
10 遊技機
48 可動発光装置(可動物)
50 リール可動装置(可動物)
78 駆動モータ(駆動部、モータ)
90 駆動モータ(駆動部、モータ)
200 主制御基板(主制御部)
220 演出制御基板(サブ制御部)
222 CPU(駆動方式選択部)
224 ROM(記憶部)
300 センター可動装置(可動物)
306 回転モータ(駆動部、モータ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の動作を行う可動物と、前記可動物を駆動する駆動部と、前記駆動部の駆動を制御する制御部と、前記駆動部の異なる複数の駆動方式を記憶する記憶部と、を有する遊技機であって、
前記駆動部は、モータであり、
前記駆動方式は、前記モータの異なる複数の励磁データであり、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記励磁データは、前記モータの1−2相励磁方式に関する励磁データの他に、1相励磁方式の励磁データ又は2相励磁方式の励磁データの少なくとも一方の励磁データが含められ、
前記制御部は、前記1−2相励磁方式に関する励磁データの他に、前記1相励磁方式の励磁データ又は前記2相励磁方式の励磁データの少なくとも一方の励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記記憶部には、前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式の前記励磁データの個数、及び前記1−2相励磁方式に関する前記励磁データの個数が、前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式に関する前記励磁データの個数と前記1−2相励磁方式に関する前記励磁データの個数の最小公倍数となるように設定された励磁データテーブルが記憶されており、
前記制御部は、前記励磁データテーブルの前記励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記記憶部には、前記1−2相励磁方式に関する前記励磁データが(8(種類)×L(回))個設けられ、前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式に関する前記励磁データが(4(種類)×2L(回))(個)設けられた励磁データテーブルが記憶されており、
前記制御部は、前記励磁データテーブルの前記励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記1−2相励磁方式、及び前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式の前記励磁データに対して共通の励磁カウンタが設定されており、
前記制御部は、所定の条件が成立したときに、全ての励磁方式において共通の前記励磁カウンタを用いて前記励磁データの値を更新することを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記制御部は、前記励磁データの更新後、所定の条件が成立したときに、更新された後の前記励磁カウンタの値が所定値となるように補正することを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項1】
所定の動作を行う可動物と、前記可動物を駆動する駆動部と、前記駆動部の駆動を制御する制御部と、前記駆動部の異なる複数の駆動方式を記憶する記憶部と、を有する遊技機であって、
前記駆動部は、モータであり、
前記駆動方式は、前記モータの異なる複数の励磁データであり、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記励磁データは、前記モータの1−2相励磁方式に関する励磁データの他に、1相励磁方式の励磁データ又は2相励磁方式の励磁データの少なくとも一方の励磁データが含められ、
前記制御部は、前記1−2相励磁方式に関する励磁データの他に、前記1相励磁方式の励磁データ又は前記2相励磁方式の励磁データの少なくとも一方の励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記記憶部には、前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式の前記励磁データの個数、及び前記1−2相励磁方式に関する前記励磁データの個数が、前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式に関する前記励磁データの個数と前記1−2相励磁方式に関する前記励磁データの個数の最小公倍数となるように設定された励磁データテーブルが記憶されており、
前記制御部は、前記励磁データテーブルの前記励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記記憶部には、前記1−2相励磁方式に関する前記励磁データが(8(種類)×L(回))個設けられ、前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式に関する前記励磁データが(4(種類)×2L(回))(個)設けられた励磁データテーブルが記憶されており、
前記制御部は、前記励磁データテーブルの前記励磁データに基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記1−2相励磁方式、及び前記1相励磁方式又は/及び前記2相励磁方式の前記励磁データに対して共通の励磁カウンタが設定されており、
前記制御部は、所定の条件が成立したときに、全ての励磁方式において共通の前記励磁カウンタを用いて前記励磁データの値を更新することを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記制御部は、前記励磁データの更新後、所定の条件が成立したときに、更新された後の前記励磁カウンタの値が所定値となるように補正することを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
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【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【公開番号】特開2012−125439(P2012−125439A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280121(P2010−280121)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
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