説明

遊技機

【課題】遊技者に適した操作感で操作手段を操作可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】3箇所のスライダ保持筒402にはそれぞれ異なるばね定数の弾性部材600が配設され、内枠400を回転操作することで、スタートレバー71に付勢力を付与する弾性部材600を切り替えることができる。即ち、スタートレバー71に付与する付勢力の大きさを任意に選択することができる。これにより、遊技者に適した操作感でスタートレバー71を操作させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等に代表される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技者が操作手段を操作することで、所定動作が指示される遊技機がある。例えば、特許文献1には、操作手段を備える遊技機の一例として、スタートレバー6を備える遊技機が開示されている。この遊技機によれば、遊技者によりスタートレバー6が操作されると、リールR1〜R3の回転動作の開始が指示される。
【0003】
なお、この場合、スタートレバー6には、付勢手段(例えば、コイルスプリング)からの付勢力が付与されており、かかる付勢力に抗してスタートレバー6を操作させることで、遊技者に適度な操作感を与えると共に、操作終了後には、スタートレバー6を初期位置へ復帰させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−180924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の遊技機では、付勢手段の付勢力を大きく(又は小さく)すると、ある遊技者にとっては適度な操作感であっても、他の遊技者に操作力の過剰感(不足感)を与えるという問題点があった。また、短時間の操作に対しては適度な操作感であっても、長時間の操作時に疲労感を与えるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者に適した操作感で操作手段を操作可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
請求項1記載の遊技機によれば、付勢手段から付与される付勢力により、操作手段の操作時には遊技者に操作感を与えることができる一方、操作終了後には操作手段を初期位置へ復帰させることができる。この場合、請求項1では、付勢力の大きさがそれぞれ異なる複数の付勢手段を備え、それら複数の付勢手段の内から操作手段に付勢力を付与する付勢手段を切り替えることができるので、操作手段に付与する付勢力の大きさを任意に選択することができるという効果がある。これにより、遊技者に適した操作感で操作手段を操作させることができるという効果がある。
【0008】
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、第1部材に操作手段が配設されると共に、第2部材に複数の付勢手段が配設され、第2部材が第1部材に対して移動されることで、複数の付勢手段の内のいずれか1の付勢手段が、操作手段に付勢力を付与可能な位置に配置されるので、複数の付勢力の中から任意の付勢力を選択することができる。よって、遊技者に適した操作感で操作手段を操作させることができる。この場合、操作手段が配設される第1部材は遊技機本体に固定されているので、操作手段の操作位置を変更することなく、付勢力のみを変更することができる。即ち、付勢力を変更しても、操作手段の操作は同じ位置で行うことができるので、その操作性を確保することができるという効果がある。
【0009】
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、第2部材は、回転軸まわりに回転可能に形成され、複数の付勢手段は、回転軸の周囲に分散配置されるので、第2部材を回転軸まわりに回転させることで、複数の付勢手段の内の1の付勢手段を順に操作手段に付勢力を付与可能な位置に配置することができる。この場合、第2部材の回転に伴い複数の付勢手段が回転移動する際には、それら各付勢手段の移動軌跡を重ねることができるので、その分、複数の付勢手段の移動に必要とされる領域を少なくすることができ、小型化を図ることができるという効果がある。
【0010】
請求項4記載の遊技機によれば、請求項2又は3に記載の遊技機の奏する効果に加え、第2部材に固着されると共に遊技機本体の前面側に突出される切替操作部を備えるので、かかる切替操作部を利用することで、第2部材の移動、即ち、付勢力の変更を容易に行うことができるという効果がある。特に、切替操作部が遊技機本体の前面側に突出されているので、遊技者に適した付勢力への変更を、遊技を行いつつ、遊技者自身がその状況に応じて任意に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態におけるスロットマシンの正面図である。
【図2】前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。
【図3】前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。
【図4】筐体の正面図である。
【図5】左リールの組立斜視図である。
【図6】各リールを構成する帯状ベルトの展開図である。
【図7】バックライト及びその周辺を示し、同図(a)はその斜視図、同図(b)はその正面図である。
【図8】セレクタの正面図である。
【図9】スロットマシンのブロック回路図である。
【図10】NMI割込み処理を示すフローチャートである。
【図11】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図12】停電時処理を示すフローチャートである。
【図13】メイン処理を示すフローチャートである。
【図14】通常処理を示すフローチャートである。
【図15】抽選処理を示すフローチャートである。
【図16】リール制御処理を示すフローチャートである。
【図17】メダル払出処理を示すフローチャートである。
【図18】特別遊技状態処理を示すフローチャートである。
【図19】ボーナス図柄判定処理を示すフローチャートである。
【図20】RBゲーム初期設定処理時のカウンタ設定を示す説明図である。
【図21】(a)はBBゲーム初期設定処理時のカウンタ設定を示す説明図、(b)はBBゲーム中JACゲーム初期設定処理時のカウンタ設定を示す説明図である。
【図22】スイッチ装置の斜視図である。
【図23】スイッチ装置の断面斜視図である。
【図24】スイッチ装置の断面図である。
【図25】(a)は、前外枠の正面図であり、(b)は、図25(a)のXXVb−XXVb線における前外枠の断面図である。
【図26】(a)は、内枠の正面図であり、(b)は、内枠の背面図である。
【図27】図26(a)のXXVII−XXVII線における内枠の段面図である。
【図28】スイッチ装置の断面図である。
【図29】第2実施の形態におけるスイッチ装置の斜視図である。
【図30】スイッチ装置の断面斜視図である。
【図31】第3実施の形態におけるスイッチ装置の断面斜視図である。
【図32】第4実施の形態におけるスイッチ装置の斜視図である。
【図33】スイッチ装置の断面斜視図である。
【図34】スイッチ装置の部分拡大断面図である。
【図35】スイッチ装置の部分拡大断面図である。
【図36】第5実施の形態におけるスイッチ装置の断面斜視図である。
【図37】第6実施の形態におけるスイッチ装置の断面斜視図である。
【図38】第7実施の形態におけるスイッチ装置の斜視図である。
【図39】スイッチ装置の断面図である。
【図40】(a)は、中間外枠の背面図であり、(b)は、図40(a)のXXXXb−XXXXb線における中間外枠の断面図である。
【図41】(a)は、回転板の正面図であり、(b)は、回転板の背面図である。
【図42】図41(b)のXXXXII−XXXXII線における回転板の断面図である。
【図43】(a)は、内ばね押し体、中ばね押し体および外ばね押し体の正面図であり、(b)は、図43(a)のXXXXIII−XXXXIII線における内ばね押し体、中ばね押し体および外ばね押し体の断面図である。
【図44】(a)は、スライダの背面図であり、(b)は、図44(a)のXXXXIVb−XXXXIVb線におけるスライダの断面図である。
【図45】(a)は、回転板の正面図であり、(b)から(d)は、各ばね押し体の正面図である。
【図46】(a)から(c)は、各ばね押し体の正面図である。
【図47】回転板の位相とばね定数との関係を示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明である遊技機、具体的にはスロットマシンについて説明する。なお、図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
【0013】
図1〜図4に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、図3及び図4に示すように、木製で板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
【0014】
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、図4に示すように、上下一対の支軸25a、25bが設けられている。支軸25a、25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、図3に示すように、各支軸25a、25bに対応して当該支軸25a、25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a、26bが設けられている。そして、各支軸25a、25bの上方に支持金具26a、26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a、26bの挿入孔に支軸25a、25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a、25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるように構成されている。
【0015】
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、図1に示すように、前面扉12の右端側上部には解錠操作部であるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
【0016】
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、図1及び図3に示すように、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
【0017】
前面扉12の中央部上寄りには、図1及び図2に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L、31M、31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L、31M、31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L、31M、31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L、31M、31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
【0018】
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L、中リール42M、右リール42Rを備えている。なお、各リール42L、42M、42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L、42M、42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L、42M、42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L、42M、42Rが各表示窓31L、31M、31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L、42M、42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L、31M、31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L、42M、42Rが正回転すると、各表示窓31L、31M、31Rを通じてリール42L、42M、42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
【0019】
これら各リール42L、42M、42Rは、図5に示すように、それぞれがステッピングモータ61L、61M、61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L、61M、61Rの駆動により各リール42L、42M、42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。なお、これら各リール42L、42M、42Rは同様の構成をしているため、図5では左リール42Lを各リールの代表として描いている。
【0020】
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。
【0021】
左リール用ステッピングモータ61Lは、図5に示すように、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にネジ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a、55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号を出力する。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
【0022】
ステッピングモータ61Lは、例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
【0023】
各リール42L、42M、42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を露出窓31Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
【0024】
各リール42L、42M、42Rに付された図柄のうち、表示窓31L、31M、31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L、31M、31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L、42M、42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
【0025】
ここで、各リール42L、42M、42Rに付される図柄について説明する。図6には、左リール42L、中リール42M、右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L、42M、42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール42L、42M、42Rに対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール42L、42M、42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
【0026】
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。そして、各リール42L、42M、42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
【0027】
なお、リールユニット41の各リール42L、42M、42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段はこれ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
【0028】
また、各リール42L、42M、42Rの内側には、各リール42L、42M、42Rのベルトを内側から照らすバックライト装置100L、100M、100Rが配置されている。
【0029】
これらバックライト装置100L、100M、100Rは、図7(a)に示すように、各リール42L、42M、42Rと1対1に対応させて取り付けられており、左バックライト装置100L、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rから構成される。各バックライト装置100L、100M、100Rは、リールユニット41内において、前述したように、各リール42L、42M、42Rに対応させて配置された各モータプレート53L、53M、53Rの側面の遊技パネル30側に取り付けられている。そして、各バックライト装置100L、100M、100Rは、上下方向にみて同じ位置に配置されている。なお、図7(a)は、各リール42L、42M、42Rを取り除いた状態におけるリールユニット41周辺を拡大して示す斜視図である。また、以下の説明で用いる図7(b)は左バックライト装置100Lの正面図である。この図7(b)では、各バックライト装置100L、100M、100Rがいずれも同一構造であるため、左バックライト装置100Lを代表として描いている。
【0030】
図7(b)に示すように、左バックライト装置100Lは、前方側が開放された箱形状であって上下方向の長さ及び左右方向の長さが表示窓31L(図1)とほぼ同じ長さであるベース101Lを備えている。ベース101Lは、その開口領域を区切る隔壁が等間隔に上下に2個形成されていることにより、第1開口領域102L、第2開口領域103L及び第3開口領域104Lが、それぞれ上段、中段及び下段に並ぶ構成となっている。そして、前面扉12を閉じた状態においては、各開口領域102L、103L、104Lは、表示窓31Lの上段、中段及び下段のそれぞれに対応した位置の後方に配置される。具体的には、第1開口領域102Lは表示窓31Lの上段付近の後方に配置し、第2開口領域103Lは表示窓31Lの中段付近の後方に配置し、第3開口領域104Lは表示窓31Lの下段付近の後方に配置する。また、第1開口領域102Lの開口前面は若干上方を向いており、第3開口領域104Lの開口前面は若干下方を向いている。従って、ベース101Lの側面は遊技パネル30側に向けて膨らんだ円弧状となっている。
【0031】
これら各開口領域102L、103L、104Lには、発光ダイオードからなる4個ずつのバックライト105が前方に向けて起立するように配設されている。そして、各開口領域102L、103L、104Lにおけるバックライト105は、所定間隔を隔てて上下2列に分けて2個ずつ配置されており、各列のバックライト105は所定間隔を隔てて水平となるように並んでいる。即ち、左バックライト装置100Lには、第1開口領域102Lの上の列である第1ラインL1及び下の列である第2ラインL2並びに第2開口領域103Lの上の列である第3ラインL3及び下の列である第4ラインL4並びに第3開口領域104Lの上の列である第5ラインL5及び下の列である第6ラインL6というように、隔壁を挟んで上下方向に合計6列のバックライト105のラインが存在することとなる。そして、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rにも合計6列のバックライト105のラインが存在しており、上述したように、各バックライト装置100L、100M、100Rは、上下方向にみて同じ位置に配置されているので、各バックライト装置100L、100M、100Rの各ラインL1〜L6は、それぞれ同一ライン上に位置することとなる。即ち、ラインL1は、各バックライト装置100L、100M、100Rの第1開口領域102L、102M、102Rの上の列に配設された合計6個のバックライト105を水平に結んだラインということになる。他の各ラインL2〜L6についても同様である。また、各バックライト105は、各々のラインL1〜L6毎に制御される。従って、各々のラインL1〜L6毎にバックライト105の点灯及び消灯が行われる。
【0032】
各ラインL1〜L6上のバックライト105が点灯することにより、各リール42L、42M、42Rのベルトのそれぞれ異なる位置が後方から照らされることとなる。なお、上述したように、各ベース101L、101M、101Rが隔壁により3つの開口領域102〜104に区分されている。従って、第1ラインL1及び第2ラインL2上のバックライト105が点灯した場合には、表示窓31L、31M、31Rの上段に対応した位置付近のベルトの内側面のみが照らされ、表示窓31L、31M、31Rの中段及び下段に対応した位置付近のベルトの内側面は照らされない。これは他のラインL3〜L6上のバックライト105が点灯した場合も同様である。上述したように、ベルトは照射された光をある程度透過することができる材質の材料により形成されているので、バックライト105によってベルトが後方から照らされると、ベルトを透過した光が表示窓31L、31M、31Rを介して遊技者に視認される。また、各リール42L、42M、42Rが回転しているときは、点灯しているバックライト105の前方を通過するベルトに付された図柄が強調されることとなる。
【0033】
遊技パネル30には、図1に示すように、各表示窓31L、31M、31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L、31M、31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32、33、34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。
【0034】
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数について説明する。小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール42M及び右リール42Rの「チェリー」図柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
【0035】
また、その他の図柄に関しては、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「7」図柄又は「青年」図柄が同一図柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダル払出が行われる。なお、本実施形態においては、例えば「7」図柄と「チェリー」図柄とが同時に成立する場合が生じ得るが、かかる場合におけるメダル払出は15枚である。これは、1回のメダル払出における上限枚数が15枚に設定されているためである。
【0036】
更に、第3特別図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
【0037】
遊技パネル30の下方左側には、図1に示すように、各リール42L、42M、42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L、42M、42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L、42M、42Rが一斉に回転を始める。
【0038】
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L、42M、42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72、73、74が設けられている。各ストップスイッチ72、73、74は停止対象となるリール42L、42M、42Rに対応する表示窓31L、31M、31Rの下方にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ72、73、74はリール42L、42M、42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72、73、74は、各リール42L、42M、42Rが定速回転となると停止させることが可能な状態となり、このような状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
【0039】
表示窓31L、31M、31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入器180が設けられている。メダル投入器180は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入器180が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
【0040】
なお、本実施形態におけるメダル投入器180の詳細については後述する。
【0041】
メダル投入器180から投入されたメダルは、図3に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。
【0042】
図8は、セレクタ84の内部構造を示す図である。なお、図中の2点鎖線は、理解を容易なものとするためにメダルの通過経路を示したものである。セレクタ84には、メダル投入器180から投入されたメダルを貯留用通路81へ導くための案内通路85が形成されている。案内通路85は、メダルが1列で通行可能なようにして、図の上端部から右下部にかけて弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ84を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条85aが設けられており、その突条85aに沿って案内通路85が形成されている。これにより、案内通路85に到達したメダルは、突条85a上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
【0043】
メダル通路切替部材83は、案内通路85の上流部に設けられ該案内通路85に対して出没可能な通路切替片83aと、この通路切替片83aを動作させるためのソレノイド(図示略)とを有している。ソレノイドの非励磁時には案内通路85内に通路切替片83aが突出し、貯留用通路81へのメダルの流れが阻害される。これにより、メダルは前記突条85aを乗り越えるようにして下方に落下し、排出用通路82に導かれる。また、ソレノイドの励磁時には案内通路85外に通路切替片83aが没する。これにより、メダルは案内通路85に沿って流れ、貯留用通路81に導かれる。
【0044】
通路切替片83aの下流側には、メダルの通過を検出する第1投入メダル検出センサ86と、第2投入メダル検出センサ87とが案内通路85の上流下流に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。メダル通路切替部材83のソレノイド非励磁時には、メダルは案内通路84の途中から下方に落下するため、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が検出されることがない。一方、メダル通路切替部材83のソレノイド励磁時には、各投入メダル検出センサ86、87によりメダルの通過が順次検出される。
【0045】
そして、貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
【0046】
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、図3及び図4に示すように、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合には、誘導プレート96を介してメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
【0047】
メダル投入器180の下方には、ボタン状の返却スイッチ76(図1)が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入器180に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
【0048】
表示窓31L、31M、31Rの下方左側には、図1に示すように、第1クレジット投入スイッチ77、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第1クレジット投入スイッチ77は、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのものであり、第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入器180とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入器180が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
【0049】
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを報知するため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
【0050】
スタートレバー71の左側には、ボタン状の切換スイッチ80が設けられている。切換スイッチ80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるトグル式に構成されている。切換スイッチ80は、メダル投入器180に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。
【0051】
切換スイッチ80がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換スイッチ80がオフ状態のときには、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。なお、クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。このように、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることにより自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。なお、切換スイッチ80の操作により「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを切り換えるように構成する他、常に「クレジットモード」としておき切換スイッチ80が操作されると貯留記憶された仮想メダルを払い出すだけの精算スイッチとして機能させてもよい。
【0052】
遊技パネル30の表示窓31L、31M、31Rの下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部35と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部36と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37と、がそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
【0053】
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。ダイレクトモード、クレジットモードのいずれのモードにおいても、遊技の開始時にメダル投入器180からメダルが投入されるとベットされた状態となる。
【0054】
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入器180に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入器180に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入器180に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
【0055】
また、4枚以上のメダルがメダル投入器180に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであればセレクタ84により排出用通路82への切替がなされてメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。一方、クレジットモードであればスロットマシン内部に貯蓄されると共に残数表示部35に貯蓄枚数が表示される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
【0056】
また、クレジットモードにて遊技が行われ且つ残数表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットされた状態となる。
【0057】
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32が点灯して中央ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされ、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
【0058】
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えば残数表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、残数表示部35の数値が全てディクリメントされて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
【0059】
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L、42M、42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15、バックライト105、電動モータ223aを駆動させるためのサブ制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は、特に以上で説明したものに限られない。
【0060】
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
【0061】
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
【0062】
リセットスイッチ123は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ123を押しながら電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ122がオンされている状態でリセットスイッチ123を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
【0063】
設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
【0064】
リールユニット41の上方には、図4に示すように、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。
【0065】
次に、スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
【0066】
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
【0067】
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72、73、74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a、73a、74a、メダル投入器180から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77、78、79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a、78a、79a、切換スイッチ80の操作を検出する切換検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
【0068】
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。主制御装置131は第1センサと第2センサとがオンオフされる順序を監視し、第1及び第2センサが共にオフ、第1センサのみオン、第1及び第2センサが共にオン、第2センサのみオン、第1及び第2センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
【0069】
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源基板161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
【0070】
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
【0071】
電源部161aからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
【0072】
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32、33、34、残数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L、42M、42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L、61M、61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、サブ制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
【0073】
サブ制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15、バックライト105、電動モータ223aを駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、サブ制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、サブ制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37をサブ制御装置111が制御する構成としてもよい。
【0074】
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10〜図19に示される各種のフローチャートに示される処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
【0075】
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM153には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
【0076】
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図13参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
【0077】
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図10〜図19のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
【0078】
図10は、NMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
【0079】
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
【0080】
図11は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
【0081】
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
【0082】
ここで、停電時処理について、図12を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オン又はオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
【0083】
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には、元の図11の処理に復帰する。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
【0084】
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサム値の2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0085】
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
【0086】
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
【0087】
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L、42M、42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図14参照)の状態を監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントするカウンタ処理を行う。
【0088】
ステップS210では、サブ制御装置111へコマンドなどを送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、残数表示部35、ゲーム数表示部36および獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
【0089】
図13は、電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
【0090】
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
【0091】
これらの初期化処理が終了すると、次にステップS402ではリセットスイッチ123がオン操作されているか否かを判定する。リセットスイッチ123がオン操作されている場合にはステップS403に進み、RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。
【0092】
ステップS402にてリセットスイッチが操作されていないことを確認した後、またはステップS403にてRAMクリア処理を行った後、ステップS404では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されているか否かを判定する。設定キーが挿入されている場合にはステップS405に進み設定変更処理を行う。設定変更処理として、先ずRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。そして、予め設定された6段階の設定状態(「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
【0093】
ステップS406では停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされていない、すなわち先のステップS403又はステップS405にてRAM153のデータがクリアされている場合には、後述するステップS407の通常処理に進み、本処理を終了する。
【0094】
ステップS406において停電フラグがセットされた状態にあるときには、ステップS408以降に示す復電処理に移行する。停電フラグがセットされた状態にあるということは、ステップS403のRAMクリア処理、ステップS405の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていないことを意味する。従って、RAM153のデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAM153のデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。
【0095】
そのためにまず、ステップS408ではRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムを調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムが0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
【0096】
ステップS408においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値が0でなかったときには、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップS409にてエラー表示処理を行う。エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。
【0097】
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS410に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS411において、復電処理の実行を伝える復電コマンドをサブ制御装置111に送信する。その後、ステップS412にて遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い、ステップS413にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS414にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
【0098】
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について、図14のフローチャートに基づき説明する。
【0099】
先ずステップS501では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、続いてステップS502にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS501,ステップS502が共にYESの場合には、ステップS503の抽選処理、ステップS504のリール制御処理、ステップS505のメダル払出処理、ステップS506の特別遊技状態処理を順に実行し、ステップS501に戻る。一方、ステップS501にてメダルがベットされていない、またはステップS502にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS501に戻る。
【0100】
次に、ステップS503の抽選処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。
【0101】
ステップS601では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、ベットされたメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット数が多いほど役の当選確率が高くなるような乱数テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。さらに、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。
【0102】
ステップS602では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そしてステップS603にていずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれの役にも当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合にはステップS604に進み、その役に応じた当選フラグをセットすると共に図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。続いてステップS605ではリール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリールをどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
【0103】
次に、ステップS504のリール制御処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
【0104】
リール制御処理では、先ずステップS701においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L、42M、42Rが回転しないことがある。ウエイト処理に続いてステップS702のリール回転処理を行い、各リール42L、42M、42Rを回転させる。その後、ステップS703に進み、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合にはステップS704に進み、予め定められた各リール42L、42M、42Rの最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS703に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS705に進んで回転中の全てのリールを強制的に停止させる強制停止処理を行う。
【0105】
一方、ステップS703にてストップスイッチ72〜74いずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS706に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップスイッチが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップスイッチを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。なお、ステップS705の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行う。
【0106】
続いて、ステップS707では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS708に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リールにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
【0107】
一方、ステップS707で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS709に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS710に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ14から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に補助表示部15を用いた演出を行ってもよい。
【0108】
そして、ステップS705の強制停止処理の後、ステップS708のスベリテーブル変更処理の後、ステップS709にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS710の停止目判定処理を行った後には、ステップS711にて左、中、右リール42L、42M、42Rのすべての回転が停止したか否かを判定する。ステップS711がNOの場合にはステップS703に戻り、YESの場合には続くステップS712にて払出判定処理を行った後、本処理を終了する。払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出数をセットする。
【0109】
次に、ステップS505のメダル払出処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
【0110】
メダル払出処理では、先ずステップS801にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS802にて遊技がクレジットモードにて行われているか否かを判定する。クレジットモードであるときには、ステップS803においてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS804にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1インクリメントする。これにより残数表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数がそれぞれ1インクリメントされる。
【0111】
一方、遊技がダイレクトモードにて行われているとき、またはクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS805にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。このとき、ステップS806ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。これにより獲得枚数表示部37の枚数が1インクリメントされる。そして、ステップS804またはステップS806で払出数を1インクリメントしたあと、再びステップS801に戻る。ステップS801で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS807にてホッパ装置91のメダル払出用回転板を停止させ、本処理を終了する。なお、払出数や獲得枚数表示部37は、次回スタートレバー71が操作されたときにリセットされる。
【0112】
次に、ステップS506の特別遊技状態処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
【0113】
特別遊技状態処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。レギュラーボーナス(以下「RB」という)ゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームは、1枚ベットのみ許されるゲームであり、JAC図柄(ここではリプレイ図柄で代用)が有効ライン上に揃う確率つまりJAC図柄成立の確率が非常に高いゲームである。JACゲームでJAC図柄が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC図柄が8回成立すると、JACゲームが12回に達する前であってもRBゲームが終了する。一方、ビッグボーナス(以下「BB」という)ゲームは、30回の小役ゲームと3回のJACインとから構成されている。小役ゲームとは高確率で小役が当選する(有効ライン上に「ベル」図柄などが揃う)ゲームであり、JACインとは12回のJACゲームに突入することを意味し、小役ゲーム中にJAC図柄が有効ライン上に揃うとJACインが成立する。JACゲームはRBゲームの場合と同様である。また、3回目のJACインによるJACゲームが終了すると小役ゲームが30回に達する前であってもBBゲームは終了し、30回の小役ゲームが終了するとJACインが3回に達する前であってもBBゲームは終了する。
【0114】
さて、特別遊技状態処理では、先ずステップS901にて遊技状態がボーナスゲーム中か否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS902に進み、ボーナス図柄判定処理を行う。
【0115】
このボーナス図柄判定処理では、図19に示すように、まずステップS1001にてRB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされているときにはステップS1002に進み、今回有効ライン上にRB図柄(例えば「BAR」図柄)が揃ったか否かを判定し、RB図柄が揃っていないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にRB図柄が揃ったときには、ステップS1003においてRB当選フラグをリセットしRB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるRBゲームとし、図20に示すRBゲーム初期設定処理を実行して本処理を終了する。ステップS1001でRB当選フラグがセットされていないときには、ステップS1004にてBB当選フラグがセットされたか否かを判定し、セットされていないときにはそのまま本処理を終了する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS1005に進み、今回有効ライン上にBB図柄(例えば図柄「7」)が揃ったか否かを判定し、BB図柄が揃っていないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄が揃ったときには、ステップS1006においてBB当選フラグをリセットしBB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとし、図21(a)に示すBBゲーム初期設定処理を実行して本処理を終了する。
【0116】
なお、図20及び図21において、残小役ゲームカウンタは小役ゲームの残りゲーム数(残小役ゲーム数ともいう)を表し、残JACインカウンタはJACイン可能な残り回数(残JACイン回数ともいう)を表し、残JAC成立カウンタはJAC図柄が成立可能な残り回数(残JAC成立数ともいう)を表し、残JACゲームカウンタはJACゲームの残りゲーム数(残JACゲーム数ともいう)を表す。残小役ゲーム数や、残JACイン回数や、残JAC成立数、残JACゲーム数は、適宜、ゲーム数表示部36に表示される。ちなみに、役の抽選で小役またはリプレイに当選して小役当選フラグまたはリプレイ当選フラグがセットされたときには、そのゲームで小役図柄またはリプレイ図柄を有効ライン上に揃えられないとこれらの当選フラグはリセットされるが、役の抽選でRBまたはBBに当選してRB当選フラグまたはBB当選フラグがセットされたときには、そのゲームでRB図柄またはBB図柄を有効ライン上に揃えられなかったとしてもこれらの当選フラグは次回に持ち越される。なお、BB又はRB当選フラグを持ち越した次ゲームにおける抽選処理では、小役又はリプレイの当選可否に関する抽選は行われるが、BB又はRBに関する抽選は行われない。また、BB又はRB当選フラグを持ち越した状態で小役又はリプレイに当選した場合には、小役又はリプレイが優先して揃えられるようにスベリテーブルが格納される。
【0117】
さて、図16に戻り、ステップS901で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS903にてそのボーナスゲームがJACゲームか否かを判定する。JACゲームでないときにはBBゲームの小役ゲーム中であることを意味するため、ステップS904に進み、JAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定する。JAC図柄が有効ライン上に揃ったときには、ステップS905にてJACゲームを開始すると共に図21(b)のBBゲーム中JACゲーム初期設定処理を行い、本処理を終了する。一方、ステップS904でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには、小役ゲームが1ゲーム消化されたことになるため、ステップS906にて残小役ゲーム数を1ディクリメントし、ステップS907にてその残小役ゲーム数が0になったか否かを判定する。残小役ゲーム数が0でないときには本処理を終了し、0のときにはステップS908に進み、各種設定フラグやBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜リセットしたりエンディング処理を行ったりする特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。
【0118】
ステップS903で遊技状態がJACゲームであるときには、ステップS909に進みJAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定し、JAC図柄が有効ライン上に揃ったときにはステップS910にて残JAC成立数を1ディクリメントする。その後、或いはステップS909でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS911にて残JACゲーム数を1ディクリメントする。続いて、ステップS912では残JAC成立数か残JACゲーム数のいずれかが0になったか否かを判定し、いずれも0になっていないとき、つまりJAC図柄がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、そのまま本処理を終了する。一方、いずれかが0になっていたとき、つまりJAC図柄が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、JACインが1回消化されたことになるためステップS913にて残JACイン回数を1ディクリメントし、続くステップS914にてその残JACイン回数が0か否かを判定する。0のときには先に述べたステップS908の特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。ちなみに、当該ボーナスゲームがRBボーナスである場合には、当初の残JACイン回数が1(図20参照)であるからステップS913で0になり、ステップS914で必ず肯定判定され、ステップS908の特別遊技状態終了処理にてRB設定フラグがリセットされる。
【0119】
一方、ステップS914で残JACイン回数がゼロでないとき、つまりBBゲームでJACインが3回消化されていないときには、ステップS915においてJACゲーム設定フラグをリセットするJACゲーム終了処理を行ったあと、今回JACインしたときに小役ゲームを1ゲーム消化しているためステップS906にて残小役ゲーム数を1ディクリメントし、続いてステップS907にてその残小役ゲーム数が0になったか否かを判定し、残小役ゲーム数が0のときには先に述べたステップS908の特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。一方、残小役ゲーム数が0でないときにはBBボーナスにおける小役ゲームが30回に達しておらず且つJACインも3回に達していないため、本処理を終了する。
【0120】
図22及び図23を参照して、スイッチ装置1100の全体構成について説明する。図22は、スイッチ装置1100の斜視図であり、図23は、スイッチ装置1100の断面斜視図である。なお、スイッチ装置1100は、前外枠200の外周面に張り出し形成されたフランジが前面扉12の背面側に締結固定されることで、前面扉12に装着されるが、図22及び図23では、フランジの図示を省略している。以下の各図においても同様である。
【0121】
スイッチ装置1100は、各リール42L〜42R(図1参照)の回転開始を指示する際に操作される装置であり、筐体を構成する前外枠200及び後外枠300と、それら各外枠200,300内に回転移動可能に収納される内枠400と、その内枠400に保持される3つのスライダ500と、それら各スライダ500にそれぞれ異なる付勢力を付与する3つの弾性部材600と、その弾性部材600の付勢力により操作時の操作感が与えられるスタートレバー71と、そのスタートレバー71の操作を検出するセンサ800とを備え、前外枠200の前面を露出させスタートレバー71及び調整レバー405を遊技者が操作可能な状態で前面扉12に装着される(図1及び図2参照)。
【0122】
このスイッチ装置1100は、内枠400の回転位置を変更することで、スタートレバー71に付与する付勢力の大きさを任意に選択可能とし、遊技者に適した操作感でスタートレバー71を操作させることができる。即ち、遊技者は、操作力の過剰感や不足感を感じる場合、内枠400を回転させ、付勢力の大きさを変更することで、操作力を調整することができる。例えば、短時間の操作に対しては付勢力を大きくして、操作感を高める一方、長時間の操作に対しては付勢力を小さくして、疲労感を低減することができる。
【0123】
次いで、図24から図27を参照して、スイッチ装置1100の詳細構成について説明する。図24は、スイッチ装置1100の断面図であり、軸心Oを含む平面で切断した断面図に該当する。
【0124】
図24に示すように、スタートレバー71は、前外枠200とスライダ500との間に保持される被保持部71aを備える。被保持部71aは、スライダ500に当接される基端面(図24左側面)が軸心Oに垂直な平坦面に形成されると共に、前外枠200に当接される外周面が球状面に形成される。これにより、内枠400を回転可能としつつ、スタートレバー71の操作に伴ってスライダ500を弾性部材600側へ押し込むことができる(図28参照)。
【0125】
前外枠200は、スイッチ装置1100の前面側に配設され、外枠の一部を形成する部材である。ここで、図25を参照して、前外枠200について説明する。図25(a)は、前外枠200の正面図であり、図25(b)は、図25(a)のXXVb−XXVb線における前外枠200の断面図である。
【0126】
図25に示すように、前外枠200は、軸心Oを有する有底筒状に形成されており、筒状体の一側(図25(b)右側)開口を塞ぐ正面板201には、スタートレバー71を保持するレバー保持部202と、調整レバー405(図22参照)を案内する案内通路203とがそれぞれ形成される。
【0127】
レバー保持部202には、保持面202aが球面状に凹設されており、この保持面202aがスタートレバー71の被保持部71aの外周面を保持する。案内通路203は、正面板201を板厚方向へ貫通して形成された溝状の開口であり、図25(a)に示すように、軸心Oを中心とする円環形状の一部を除去した形状に形成される。
【0128】
なお、案内通路203の内周側は、半径R1に形成される。また、案内通路203の内周側には、軸心Oへ向けて凹設される3つの係合凹部203aが、軸心Oを中心として周方向120°間隔で配設される。この係合凹部203aに調整レバー405が係止されることで、内枠400の回転位置が適正な回転位置に位置決めされる(図22及び図24参照)。
【0129】
図24に戻って説明する。後外枠300は、外枠の後面側を形成する部材であり、軸心Oを有する有底筒状に形成され、内外径が前外枠200と同じ寸法に形成される。後外枠300の他側(図24左側)の開口を塞ぐ背面板301には、センサ800が取着される。また、後外枠300の他側(図24左側)の開口は、前外枠200の開口に接合され、これら後外枠300及び前外枠200によって、内部に収容空間を有する外枠が形成される。
【0130】
なお、後外枠300の端面には外周側に凸が突設される一方、前外枠200の端面には内周側に凸が突設され、これら両凸が印籠状に嵌め合わされることで、両外枠200,300の端面同士が接合される。この場合、前外枠200の凸の突設高さは、後外枠300の凸の突設高さよりも低くされるので、両外枠200,300の接合部の内周側に所定の隙間が全周にわたって形成される。本実施の形態では、この隙間に内枠400の案内凸条404が嵌入されるので、内枠400の回転を安定して案内すると共に軸心O方向の位置決めを行うことができる。
【0131】
内枠400は、外枠内に回転可能に収容される部位であり、軸心Oを有する有底筒状に形成され、スタートレバー71へ付勢力を付与すると共にその付勢力の大きさを変更する機構の一部を構成する。ここで、図26及び図27を参照して、内枠400について説明する。図26(a)は、内枠400の正面図であり、図26(b)は、内枠400の背面図である。また、図27は、図26(a)のXXVII−XXVII線における内枠400の段面図である。
【0132】
図26及び図27に示すように、内枠400は、筒状体の一側(図27右側)の開口を塞ぐ正面板401と、その正面板401に凹設される複数(本実施の形態では3つ)のスライダ保持筒402と、正面板401に凹設される緩衝材保持部403と、筒状体の外周面に凸設される案内凸条404と、正面板401から立設される調整レバー405とを主に備える。
【0133】
スライダ保持筒402は、スライダ500及び弾性部材600を収納するための部位であり(図24参照)、軸心Oと平行な軸心を有する有底筒状に形成され、正面板401に開口が形成される。スライダ保持筒402は、開口側の一部の内径が大きくされ、開口部に段差が形成される。これにより、スライダ保持筒402の開口部には、正面視円環状の平坦面である受け面402aが形成される。この受け面402がスライダ500の被押圧板501を受け止めることで、スライダ500のセンサ800側への変位が規制される。また、スライダ保持筒402の底壁には、その中心部に正面視円形の開口402bが穿設される。この開口402bには、スライダ500の検出ピン502が挿通される(図24参照)。
【0134】
各スライダ保持筒402は、図26に示すように、軸心Oから等距離となる位置に配設されると共に、周方向等間隔(120°間隔)に配設される。なお、各スライダ保持筒402の軸心Oからの距離は、前外枠200のレバー保持部202及びスタートレバー71の軸心から軸心Oまでの距離に一致する。よって、内枠400が軸心Oを中心として回転されると、各スライダ保持筒402の開口が順にスタートレバー71の被保持部71aに対面される(図24参照)。
【0135】
この場合、内枠400の回転に伴い、各スライダ保持筒402が回転移動する際には、それら各スライダ保持筒402の移動軌跡を重ねることができる。よって、移動軌跡が重なる分、各スライダ保持筒402を移動させるのに必要とされる領域を少なくすることができるので、スイッチ装置1100の小型化を図ることができる。
【0136】
緩衝材保持部403は、緩衝材900(図24参照)を敷設するための部位であり、正面板401の前面側(図27左側)に凹設されている。緩衝材保持部403は、軸心Oを中心とする円形の領域に凹設されており、この円形の凹設領域内にスライダ保持筒402の開口が含まれる。
【0137】
案内凸条404は、内枠400の位置決めと回転移動時のガイドとなる部位であり、断面矩形状の凸条として筒状体の外周面から凸設されると共に全周にわたって連続して形成される。この案内凸条404が両外枠200,300の接合部に形成される隙間に嵌入されることで(図24参照)、内枠400の軸心O方向の位置を両外枠200,300に対して位置決めすると共に、内枠400の回転移動を安定して案内することができる。
【0138】
調整レバー405は、内枠400を回転移動させるために遊技者に操作される部位であり、正面板401から軸心Oに沿って立設される断面長円形の棒状体として形成されている。調整レバー405は、前外枠200の案内通路203に挿通されることで(図22参照)、先端の一部が操作可能に突出される。調整レバー405を案内通路203に沿って移動させることで、内枠400を、軸心Oを回転中心としてスムーズに回転させることができる。
【0139】
この場合、調整レバー405の配設位置は、かかる調整レバー405が案内通路203の各係合凹部203aに係止されると(図22参照)、各スライダ保持筒402の開口がスタートレバー71の被保持部71aに対面可能となる位置に設定されている。よって、遊技者は、調整レバー405を係合凹部203aに係合させることで、内枠400を適正な回転位置(即ち、スタートレバー71に付勢力を付与できる位置)に確実に配置させることができる。また、調整レバー405が係合凹部203aに係合されているかに基づいて、内枠400が適正な回転位置に配置されているかを容易に判断できる。
【0140】
なお、調整レバー405は、軸心O側の外周面から軸心Oまでの距離が距離L1に設定され、この距離L1は、案内通路203の内周側の半径R1(図25(a)参照)よりも小さくされている(L1<R1)。そのため、案内通路203に挿通された調整レバー405は、弾性変形された状態で案内通路203の内周側の側壁に当接され、案内通路203に案内されて移動する際には、案内通路203の内周側の側壁を押圧しつつその側壁に沿って案内される。よって、調整レバー405が係合凹部203aの凹設位置まで案内されると、弾性回復力により係合凹部203aへ自ら入り込み係合される。これにより、内枠400を適切な回転位置に容易に配置することができる。
【0141】
図24に戻って説明する。内枠400は、前外枠200の正面板201に対面する側に、正面視円形の正面板201を備えるので、内枠400の内部側を遮蔽することができる。その結果、前外枠200に案内通路203が開口されている場合でも、かかる案内通路203を介して内枠400の内部側(即ち、内枠400と後外枠300との間の内部空間)へ異物が挿入されることを抑制できる。なお、内枠400は、各スライダ保持筒402のそれぞれにスライダ500が配設されると共に、内枠400の筒状体の外周面から凸設される案内凸状404が両外枠200,300に形成される隙間に嵌め入れられているので、これらの構成によっても、内枠400の内部側への異物の挿入を抑制できる。
【0142】
スライダ500は、スタートレバー71の操作に伴いスライド移動される部材であり、スライダ保持筒402に内挿される有底筒状に形成される。スライダ500は、筒状体の一側(図24右側)の開口を塞ぐ被押圧板501と、その被押圧板501の背面側から軸心に沿って立設される棒状の検出ピン502とを備える。
【0143】
スライダ500の筒状体は、スライダ保持筒402の内径より若干小さな外径に形成され、スライダ保持筒402内を軸心O方向へスライド移動可能とされる。被押圧板501は、スタートレバー71の基端面が当接される部位であり、そのスタートレバー71の基端面と同径の正面視円形に形成される。
【0144】
また、被押圧板501は、スライダ500の筒状体における外周面から外方へ張り出して形成されている。そのため、スライダ500がスライダ保持筒402内をセンサ800側へ向けてスライド移動する場合には、被押圧板501が受け面402aに受け止められ、そのスライド移動が規制される。
【0145】
検出ピン502は、スライダ500の変位をセンサ800に検出させるための部位であり、立設先端側がスライダ保持筒402の開口402bからセンサ800へ向けて突出される。スタートレバー71が操作され、スライダ500の変位に伴い、検出ピン502が押し出されると、その立設先端がセンサ800の検出領域へ進入されることで、スタートレバー71の操作が検出される。
【0146】
なお、検出ピン502の立設先端には、先端面から被押圧板501側へ向けてスリットが延設されると共に、そのスリットを挟んだ外周面から一対の返し部が径方向外方へ張り出して形成されている。これにより、スライダ500をスライダ保持筒402に容易に装着できると共にスライダ保持筒402からスライダ500が抜け出ることを抑制することができる。
【0147】
弾性部材600は、スタートレバー71に操作感を与えると共に初期位置へ復帰させるための付勢力を発生するための部材であり、ゴム状弾性材から円筒状に形成され、スライダ保持筒402の底面とスライダ500の開口側端面との間に介設される。
【0148】
なお、無負荷状態における弾性部材600とスライダ500との合計の軸方向寸法(図24左右方向寸法)は、スライダ保持筒402の底面から正面板401の表面(図24右側面)までの距離よりも大きくされている。よって、スタートレバー71が操作されていない図24に示す状態においては、弾性部材600が弾性的に圧縮変形され、その弾性回復力により、スライダ500の被押圧板501がスタートレバー71の基端面を押圧している。
【0149】
ここで、弾性部材600は、3つのスライダ保持筒402のそれぞれに異なる特性(ばね定数)のものが配設されている。よって、内枠400の回転位置に応じて、スタートレバー71の操作力を変更できる。即ち、ばね定数が最小の弾性部材600が配設されたスライダ保持筒402のスライダ500をスタートレバー71の操作により変位させる場合には、その操作力が最小となる一方、ばね定数が最大の弾性部材600が配設されたスライダ保持筒402のスライダ500をスタートレバー71の操作により変位させる場合には、その操作力が最大となる。
【0150】
緩衝材900は、ゴム状弾性材からシート状に形成され、内枠400の緩衝材保持部403に敷設される。なお、緩衝材900は、正面視円形に形成され、スライダ保持筒402の開口に対応する領域を除く緩衝材保持部403の全面に敷設される。これにより、内枠400の回転位置が適正でない状態(即ち、調整レバー405が係合凹部203aに係合しない状態)で、スタートレバー71が操作された場合でも、かかるスタートレバー71の基端面と内枠400の正面板401との間に緩衝材900を介在させて、内枠400やスタートレバー71等の破損を抑制することができる。
【0151】
なお、緩衝材900の厚み寸法(図24左右方向寸法)は、緩衝材保持部403の凹設深さ(図24左右方向寸法)と同等か若干小さい寸法とされている。これにより、スタートレバー71の基端面と緩衝材900との間の干渉を抑制して、内枠400をスムーズに回転移動させることができる。
【0152】
ここで、スイッチ装置1100は、調整レバー405が内枠400の正面板401の前面から立設される一方、その内枠400の正面板401に対面する前外枠200の正面板201に案内通路203が開口形成されるので、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。即ち、前外枠200が、スタートレバー71を保持するための部材と案内通路203を形成するための部材との両者を兼用するので、案内通路203を形成するための部材を別途設けることを不要とできる。また、後外枠300と前外枠200との間に内枠400を挟み込めば、内枠400が回転可能、かつ、調整レバー405を案内通路203により案内可能な構造を得ることができるので、その組立工程を簡素化することができる。なお、このように、前外枠200の前面側(正面板201)に案内通路203を形成することで、スタートレバー71と調整レバー405とを並設することができるので、遊技者の操作性の向上を図ることができる。
【0153】
次いで、図28を参照して、スイッチ装置1100の動作について説明する。図28は、スイッチ装置1100の断面図であり、軸心Oを含む平面で切断した断面図に該当する。スタートレバー71が遊技者により操作されると、その被保持部71aが前外枠200の保持面202aにより保持されつつ球面形状に沿って案内され、遊技者による操作方向へ揺動される。
【0154】
この揺動により、スタートレバー71の基端面によりスライダ500の被押圧板501が押圧され、スライダ500がスライダ保持筒402内をセンサ800へ向けてスライド移動される。この際、弾性部材600がスライダ500とスライダ保持筒402の底壁との間で圧縮変形されることで、スタートレバー71に操作方向とは反対方向への付勢力が付与され、遊技者に操作感が付与される。
【0155】
スタートレバー71が更に操作されると、図28に示すように、スライダ500の被押圧板501がスライダ保持筒402の受け面402aに当接され、スライダ500のスライド移動が規制される。この際、検出ピン502がセンサ800の検出領域内へ進入することで、センサ800が反応し、これにより、スタートレバー71が所定位置まで操作されたことが検出される。
【0156】
一方、スタートレバー71の操作が解除されると、スライダ500とスライダ保持筒402の底壁との間で圧縮変形されていた弾性部材600が弾性回復し、その弾性回復力により、スライダ500がスタートレバー71側へ向けてスライド移動される。これにより、スタートレバー71が初期位置に復帰される(図24参照)。
【0157】
内枠400には、スライダ500を保持するスライダ保持筒402が3つ設けられ、それぞれに異なる特性の弾性部材600が配設されている。よって、内枠400を所定位置に回転移動させることで、これら異なる特性の弾性部材600の内からスタートレバー71に付勢力を付与する弾性部材600を切り替えることができる。これにより、付勢力の大きさを遊技者が任意に選択することができ、その結果、遊技者に適した操作感でスタートレバー71を操作させることができる。
【0158】
内枠400には、調整レバー405(図22参照)が設けられているので、かかる調整レバー405を利用することで、内枠400の移動、即ち、付勢力の変更を容易に行うことができる。特に、調整レバー405は、前外枠200の前面側に突出されているので、遊技者は、遊技を行いつつ、付勢力の変更を行うことができる。
【0159】
この場合、スタートレバー71が配設される前外枠200は、前面扉12(図1参照)に固定されているので、スタートレバー71の操作位置を変更することなく、その操作力を変更することができる。即ち、内枠400を回転移動させ、付勢力の大きさを変更しても、スタートレバー71の操作は常に同じ位置で行うことができるので、その操作性を確保することができる。
【0160】
次いで、図29及び図30を参照して、第2実施の形態におけるスイッチ装置2100について説明する。図29は、第2実施の形態におけるスイッチ装置2100の斜視図であり、図30は、スイッチ装置2100の断面斜視図である。なお、図29及び図30は、それぞれ図22及び図23に対応する。また、スイッチ装置2100は、前外枠2200の外周面に張り出し形成されたフランジが前面扉12の背面側に締結固定されることで、前面扉12に装着されるが、図29及び図30では、フランジの図示を省略している。
【0161】
第1実施の形態では、調整レバー405の操作を遊技者が行う場合を説明したが、第2実施の形態におけるスイッチ装置2100は、遊技者による調整レバー2405の操作が禁止される。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0162】
図29及び図30に示すように、第2実施の形態における前外枠2200は、第1実施の形態における前外枠200に対し、案内通路203の開口形成が省略されている。そのため、前外枠2200の正面板2201には、スタートレバー71を挿通するための開口を除き、開口が形成されておらず、かかる正面板2201により内枠2400を遮蔽可能とされている。
【0163】
第2実施の形態における後外枠2300は、案内通路2203を備える。案内通路2203は、後外枠2300の筒状体を板厚方向へ貫通して形成された溝状の開口であり、第1実施の形態の案内通路203と同じ長さ(中心角分)だけ周方向へ延設される。
【0164】
案内通路2203の一方(前外枠2200側)の内壁には、軸心O方向へ向けて凹設される3つの係合凹部2203aが、軸心Oを中心として周方向120°間隔で(即ち、第1実施の形態における係合凹部203aに対応する位置に)配設される。この係合凹部2203aに調整レバー2405が係止されることで、内枠2400の回転位置が適正な回転位置に位置決めされる。
【0165】
第2実施の形態における内枠2400は、第1実施の形態における内枠400に対し、調整レバー2405の立設方向が反対とされている。即ち、調整レバー2405は、内枠2400の筒状体における前外枠2200とは反対側の端面(即ち、内枠2400の開口側の端面)に配設される。なお、調整レバー205は、内枠2400の開口側の端面から軸心Oに沿って延設された後、径方向外方側へ屈曲され案内通路2203に挿通される側面視L字形状に形成される。
【0166】
ここで、調整レバー405は、内枠2400の開口側の端面からL字状に屈曲された部分の側面までの距離が、内枠2400の開口側の端面から案内通路2203の係合凹部2203aが凹設される側の内壁までの距離よりも短くされている。そのため、案内通路2203に挿通された調整レバー2405は、弾性変形された状態で案内通路2203の内壁に当接され、案内通路2203に案内されて移動する際には、案内通路2203の内壁を押圧しつつその内壁に沿って案内される。よって、調整レバー2405が係合凹部2203aの凹設位置まで案内されると、弾性回復力により係合凹部2203aへ自ら入り込み係合される。これにより、内枠2400を適切な回転位置に容易に配置することができる。
【0167】
このように、スイッチ装置2100は、前外枠2200が前面扉12に装着されるところ、調整レバー2405が後外枠2300に配設されているので、かかる調整レバー2405を、スロットマシン10の筐体11内部に配設できる。よって、遊技者による不用意な操作を回避して、調整レバー2405の破損を抑制できる。また、この場合、調整レバー2405を挿通させる開口(案内通路2203)を前外枠2200に形成することを不要とできるので、その分、開口から異物を挿入されるなどの不正行為を行い難くすることができる。なお、スロットマシン10の筐体11内の狭いスペースであっても、調整レバー2405を操作することで、付勢力の変更・選択を容易に行うことができる。
【0168】
次いで、図31を参照して、第3実施の形態におけるスイッチ装置3100について説明する。図31は、第3実施の形態におけるスイッチ装置3100の断面斜視図である。なお、図31は、図23に対応する。また、スイッチ装置3100は、前外枠3200の外周面に張り出し形成されたフランジが前面扉12の背面側に締結固定されることで、前面扉12に装着されるが、図31では、フランジの図示を省略している。
【0169】
第1実施の形態では、調整レバー405を案内通路203に沿って平行移動させることで、内枠400を回転させる場合を説明したが、第3実施の形態におけるスイッチ装置3100は、遊技者が調整回転子3405を回転操作することで、内枠3400を回転させる。なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0170】
図31に示すように、第3実施の形態における前外枠3200は、第1実施の形態における前外枠200に対し、案内通路203の開口形成が省略される一方、調整回転子3405を軸支する軸支孔3201aを備える。そのため、前外枠3200の正面板3201には、スタートレバー71及び調整回転子3405を挿通するための開口を除き、開口が形成されておらず、かかる正面板3201により内枠3400を遮蔽可能とされている。
【0171】
第3実施の形態における内枠3400は、正面板401の周縁部から前外枠3200へ向けて突設されると共に軸心Oと同心の筒状に形成されるリングギヤ3406を備える。リングギヤ3406は、内周面に歯が刻設されており、この歯を介して、調整回転子3405の歯車3405bに歯合される。
【0172】
調整回転子3405は、内枠3400を回転移動させるために遊技者に操作される部位であり、前外枠3200の正面板3201に回転可能に軸支される軸部と、その軸部の一端側(図31右側)の端部に固着され正面板3201の正面側に露出される操作部3405aと、その操作部3405aとは反対側となる軸部の端部に固着される歯車3405bとを備える。
【0173】
歯車3405bは、外周面に歯が刻設されており、この歯を介して、内枠3400のリングギヤ3406に歯合される。よって、操作部3405aが遊技者により回転操作され、調整回転子3405が回転されると、その回転が歯車3405bから内枠3400のリングギヤ3406に伝達され、リングギヤ3406が回転されることで、内枠3400が軸心Oを回転中心として回転される。
【0174】
この第3実施の形態におけるスイッチ装置3100によれば、調整回転子3405の回転操作により、内枠3400を360度以上の範囲で回転させることができるので、付勢力を選択する際の選択動作を効率化できる。
【0175】
例えば、第1実施の形態において、調整レバー405を、案内通路203の一方側終端に位置させることで最大の付勢力が選択され、案内通路203の他方側終端に位置させることで最小の付勢力が選択されると共に、案内通路203の中間に位置させることで中間の付勢力が選択されるとすると、最大の付勢力を選択した状態から最小の付勢力を選択するためには、調整レバー405を案内通路203の一端側終点から他端側終端へ移動させる際に、中間位置を通過させる必要があり、非効率である。
【0176】
これに対し、第3実施の形態では、内枠3400を360度以上の範囲で回転させることができるので、最大の付勢力を選択した状態から最小の付勢力を選択するためには、調整回転子3405を回転させることで、中間位置を通過させることなく、最大の付勢力を選択した状態から最小の付勢力を選択した状態へ直接移行することができ、その選択動作を効率化できる。
【0177】
次いで、図32から図35を参照して、第4実施の形態について説明する。図32は、第4実施の形態におけるスイッチ装置4100の斜視図であり、図33は、スイッチ装置4100の断面斜視図である。また、図34及び図35は、スイッチ装置4100の部分拡大断面図である。
【0178】
なお、図32から図35は、軸心Oを含む平面で切断した断面図に該当する。また、図34では弾性部材4600の圧縮量が最大の状態(即ち、内枠4400がスタートレバー71側へ最大に変位された状態)が、図35では弾性部材4600の圧縮量が最小の状態(即ち、内枠4400がセンサ800側へ最大に変位された状態)が、それぞれ図示されている。また、スイッチ装置4100は、前外枠4200の外周面に張り出し形成されたフランジが前面扉12の背面側に締結固定されることで、前面扉12に装着されるが、図32では、フランジの図示を省略している。
【0179】
第1実施の形態では、特性(ばね定数)が異なる弾性部材600を複数備え、それら複数の弾性部材600の内のいずれかを選択することで、スタートレバー71に付与する付勢力の大きさを変更する場合を説明したが、第4実施の形態におけるスイッチ装置4100は、弾性部材4600の弾性変形量を増減させることで、スタートレバー71に付与する付勢力の大きさを変更する。なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0180】
第4実施の形態におけるスイッチ装置4100は、筐体を構成する前外枠4200、第1中間外枠4250、第2中間外枠4350及び後外枠4300と、それら各外枠4200等により形成される筐体内に収納される内枠4400と、その内枠4400に保持されるスライダ4500と、そのスライダ4500に付勢力を付与する弾性部材4600と、その弾性部材4600の付勢力により操作感が与えられるスタートレバー71と、そのスタートレバー71の操作を検出するセンサ800と、内枠4400を回転移動させるために遊技者に操作される調整回転子4405とを備え、前外枠4200の前面を露出させスタートレバー71及び調整回転子4405を遊技者が操作可能な状態で前面扉12に装着される。
【0181】
このスイッチ装置4100は、内枠4400の回転により弾性部材4600の弾性変形量を増減させることで、スタートレバー71に付与する付勢力の大きさを連続的に調整可能とし、遊技者に適した操作感でスタートレバー71を操作させることができる。即ち、遊技者は、操作力の過剰感や不足感を感じる場合、内枠4400を回転させ、付勢力の大きさを変更することで、操作力を調整することができる。例えば、短時間の操作に対しては付勢力を大きくして、操作感を高める一方、長時間の操作に対しては付勢力を小さくして、疲労感を低減することができる。
【0182】
図33から図35に示すように、前外枠4200は、筐体の前面側を構成する部材であり、軸心Oを有する有底筒状に形成されている。筒状体の一側(図33及び図34の右側)開口を塞ぐ正面板4201には、スタートレバー71を保持するレバー保持部202と、調整回転子4405を軸支する軸支孔4201aとがそれぞれ形成される。なお、第4実施の形態では、レバー保持部202が軸心Oと同心に配設される。
【0183】
第1中間外枠4250は、筐体の中間を構成する部材であり、軸心Oを有する有底筒状に形成される。即ち、第1中間外枠4250は、外周側に位置し外壁を形成する筒状体の他側(図33及び図34の左側)開口を塞ぐ背面板4251を備え、その背面板4251には、軸心Oを有し両端が開口した筒状の第1内壁部4252が配設されている。第1内壁部4252は、内周面からフランジ状に張り出して形成される第1規制部4252aと、その第1規制部4252aから第1内壁部4252の他端側(図33左側)開口までの内周面にめねじが螺刻されて形成されるめねじ部4252bとを備える。
【0184】
第1規制部4252aは、スライダ4500の被押圧板4501を受け止めるための部位であり、第1規制部4252aに被押圧板4501が当接されることで、スライダ4500のセンサ800側への変位が規制される。めねじ部4252bは、内枠4400のおねじ部4403が螺合される部位である。即ち、第1中間外枠4250に対して、内枠4400が回転されると、めねじ部4252bに対しておねじ部4403が螺進され、その螺進により、内枠4400が軸心O方向へ移動される。
【0185】
第2中間外枠4350は、第1中間外枠4250と共に筐体の中間を構成する部材であり、軸心Oを有する筒状に形成されている。この筒状体の軸方向中間には、筒状体の内部空間を塞ぐ中間板4351が形成され、この中間板4351には、軸心Oを有し両端が開口した筒状の第2内壁部4352が配設される。第2内壁部4352は、内枠4400が内周面側に軸方向へ移動可能に内嵌される部位であり、第1中間外枠4250側の部分の内径が後外枠4300側の部分の内径よりも大きくされることで、これら両部分の間に段差としての第2規制面4252aが形成される。
【0186】
第2内壁部4352の内径が大きくされた部分(即ち、第2規制面4252aから第1中間外枠4250までの部分)には、内枠4400の外周ギヤ4402が配設される。よって、内枠4400が軸心O方向へ移動する際には、その外周ギヤ4402が第2規制面4252aに当接されることで、内枠4400のセンサ800側への変位が規制される。また、外周ギヤ4402が第1中間外枠4250の第1内壁部4252の端面に当接されることで、内枠4400のスタートレバー71側への移動が規制される。
【0187】
なお、第2中間外枠4350は、筒状体および第2内壁部4352に調整回転子4405の歯車4405bが干渉することを避けるために、筒状体および第2内壁部4352の一部に切り欠きが形成され、その切り欠きが形成された部分に歯車4405bが配設される。
【0188】
後外枠4300は、筐体の後面側を形成する部材であり、軸心Oを有する有底筒状に形成される。即ち、後外枠4300は、筒状体の他側(図33左側)の開口を塞ぐ背面板4301を備え、その背面板4301にセンサ800が取着される。後外枠4300が、第1及び第2中間外枠4250,4350を間に介在させつつ、前外枠4200と接合されることで、内部に収容空間を有する筐体(外枠)が形成される。
【0189】
内枠4400は、第1中間外枠4250及び第2中間外枠4350に回転可能かつ軸方向へ移動可能に収容される部位であり、軸心Oを有する有底筒状に形成される。即ち、内枠4400は、他端側(図33左側)開口を塞ぐ底壁4401を備える。その底壁4401には、中心部に正面視円形の開口4401aが穿設されており、スライダ4500の検出ピン4502が挿通される。
【0190】
また、内枠4400は、外周面から凸設される外周ギヤ4402と、その外周ギヤ4402から内枠4400の一端側(図33右側)開口までの外周面におねじが螺刻されて形成されるおねじ部4403とを備える。
【0191】
外周ギヤ4402は、調整回転子4405からの回転が伝達される部位であり、周方向に連続して形成される共に、外周面に調整回転子4405の歯車4405bに歯合される歯が刻設される。調整回転子4405が回転されると、その回転が歯車4405bを介して外周ギヤ4402に伝達され、内枠4400が回転される。
【0192】
おねじ部4403は、上述したように、第1中間外枠4250のめねじ部4252bに螺合されており、内枠4400が回転されると、めねじ部4252bに対しておねじ部4403が螺進されることで、内枠4400が軸心O方向へ移動される。なお、内枠4400が軸心O方向へ移動されることで、弾性部材4600の弾性変形量(圧縮量)が増減され、その結果、スタートレバー71に操作力が増減される。
【0193】
スライダ4500は、スタートレバー71の操作に伴いスライド移動される部材であり、内枠4400に内挿される円柱状に形成される。スライダ4500は、円柱状体の一側(図33右側)に形成される被押圧板4501と、円柱状体の他側から軸心Oに沿って立設される棒状の検出ピン4502とを備える。
【0194】
スライダ4500の円柱状体は、内枠4400の内径より若干小さな外径に形成され、内枠4400内を軸心O方向へスライド移動可能とされる。被押圧板4501は、スタートレバー71の基端面が当接される部位であり、そのスタートレバー71の基端面と同径の正面視円形に形成される。
【0195】
また、被押圧板501は、スライダ4500の円柱状体における外周面から外方へ張り出して形成されている。そのため、スライダ4500が内枠4400内をセンサ800側へ向けてスライド移動する場合には、被押圧板4501が第1中間外枠4250の第1規制部4252aに受け止められ、そのスライド移動が規制される。
【0196】
検出ピン4502は、スライダ4500の変位をセンサ800に検出させるための部位であり、立設先端側が内枠4400の開口4401aからセンサ800へ向けて突出される。スタートレバー71が操作され、スライダ4500の変位に伴い、検出ピン4502が押し出されると、その立設先端がセンサ800の検出領域へ進入されることで、スタートレバー71の操作が検出される。
【0197】
弾性部材4600は、スタートレバー71に操作感を与えると共に初期位置へ復帰させるための付勢力を発生するための部材であり、ゴム状弾性材から円筒状に形成され、内枠4400の底壁4401とスライダ4500の円柱状体の端面との間に介設される。弾性部材4600は、底壁4401とスライダ4500との間で圧縮変形されている。この圧縮変形量は、内枠4400が軸心O方向へ移動されることで、増減され、その増減に度合いにより、スタートレバー71の操作感が変更される。
【0198】
なお、弾性部材4600は、内枠4400がセンサ800側へ最も移動された場合(即ち、図35に示すように、外周ギヤ4402が第2規制面4352aに当接された場合)であっても、底壁4401とスライダ4500との間で圧縮変形されるだけの軸方向寸法(図34左右方向寸法)を有している。よって、スタートレバー71が操作されていない状態においては、常に、弾性部材4600が弾性的に圧縮変形されており、その弾性回復力により、スライダ4500の被押圧板4501がスタートレバー71の基端面を押圧している。
【0199】
このように、本実施の形態では、弾性部材4600の弾性変形量が最小とされた状態でも、かかる弾性部材4600が弾性変形(圧縮変形)されているので、その弾性回復力によって、第1中間外枠4250のめねじ部4252bと内枠4400のおねじ部4403との間に予圧を作用させることができる。これにより、おねじ部4403及びめねじ部4252bにおけるおねじとめねじとの間に隙間が発生することを抑制して、内枠4400のがたつきを抑制できるので、その分、スタートレバー71の操作感の向上を図ることができる。
【0200】
また、このように、おねじ部4403とめねじ部4252bとの間に予圧を作用させることで、それらのおねじとめねじとの間に作用する摩擦力を利用して、内枠4400の回転位置を保持することができる。これにより、内枠4400の回転位置を保持するための機構を不要として、製品コストの削減を図ることができる。また、スタートレバー71の操作に伴い、内枠4400の回転位置がずれることを抑制でき、その結果、操作力を一定に保ちやすくできる。
【0201】
調整回転子4405は、内枠4400を回転させるために遊技者に操作される部位であり、前外枠4200の正面板4201及び第1中間外枠4250の背面板4251に回転可能に軸支される軸部と、その軸部の一端側(図33右側)の端部に固着され正面板4201の正面側に露出される操作部4405aと、その操作部4405aとは反対側となる軸部の端部に固着される歯車4405bとを備える。
【0202】
歯車4405bは、外周面に歯が刻設されており、この歯を介して、内枠4400の外周ギヤ4402に歯合される。よって、操作部4405aが遊技者により回転操作され、調整回転子4405が回転されると、その回転が歯車4405bから内枠4400の外周ギヤ4402に伝達され、外周ギヤ4401が回転されることで、内枠4400が軸心Oを回転中心として回転される。これにより、内枠4400を回転させて軸心O方向へ移動させる動作を容易に行うことができる。
【0203】
なお、外周ギヤ4401及び歯車4405bは、歯すじが軸心Oと平行に刻設された平歯車として形成される。よって、おねじ部4403のめねじ部4252bに対する螺進により、内枠4400が軸心O方向へ移動する場合であっても、外周ギヤ4401と歯車4405bとの歯合状態を保持し、調整回転子4405からの回転を内枠4400へ伝達することができる。
【0204】
次いで、スイッチ装置4100の動作について説明する。スタートレバー71が遊技者により操作されると、その被保持部71aが前外枠200の保持面202aにより保持されつつ球面形状に沿って案内され、遊技者による操作方向へ揺動される。
【0205】
この揺動により、スタートレバー71の基端面によりスライダ4500の被押圧板4501が押圧され、スライダ4500が内枠4400内をセンサ800へ向けてスライド移動される。この際、弾性部材4600がスライダ4500と内枠4400底壁4401との間で圧縮変形されることで、スタートレバー71に操作方向とは反対方向への付勢力が付与され、遊技者に操作感が付与される。
【0206】
スタートレバー71が更に操作されると、スライダ4500の被押圧板4501が第1中間外枠4250の第1規制部4252aに当接され、スライダ4500のスライド移動が規制される。この際、検出ピン4502がセンサ800の検出領域内へ進入することで、センサ800が反応し、これにより、スタートレバー71が所定位置まで操作されたことが検出される。
【0207】
一方、スタートレバー71の操作が解除されると、スライダ4500と内枠4400の底壁4401との間で圧縮変形されていた弾性部材4600が弾性回復し、その弾性回復力により、スライダ4500がスタートレバー71側へ向けてスライド移動される。これにより、スタートレバー71が初期位置に復帰される。
【0208】
この場合、調整回転子4405の操作部4405aを一方向へ回転させ、図34に示すように、内枠4400をスタートレバー71側(図34右側)へ移動させることで、弾性部材4600の弾性変形量(圧縮量)を増加させることができる一方、調整回転子4405の操作部4405aを他方向へ回転させ、図35に示すように、内枠4400をセンサ800側(図35左側)へ移動させることで、弾性部材4600の弾性変形量(圧縮量)を減少させることができる。
【0209】
ここで、スライダ4500を内枠4400の底壁4401へ向けて移動させ、弾性部材4600を弾性変形(圧縮変形)させるのに必要な力は、その弾性部材4600の弾性変形量に比例するので、弾性変形量が基準値よりも大きな図34に示す状態では、弾性部材4600を更に弾性変形させるのに基準よりも大きな力が必要となる一方、弾性変形量が基準値よりも小さな図35に示す状態では、弾性部材4600を弾性変形させるのに必要な力は基準よりも小さくなる。
【0210】
上述したように、本実施の形態におけるスイッチ装置4100によれば、調整回転子4405を操作することで、弾性部材4600の弾性変形量を調整することができ、スタートレバー71が操作された際にその操作方向とは反対方向へ付与する付勢力の大きさを変更できる。これにより、スタートレバー71の操作に必要な力を遊技者が任意に変更でき、その結果、遊技者に適した操作感でスタートレバー71を操作させることができる。
【0211】
このように、本実施の形態では、内枠4400の回転運動を直線運動に変換できるので、弾性部材4600の弾性変形量を調整するための構造を小型化できる。また、弾性部材4600の弾性変形量を連続的に調整することができるので、遊技者に適した操作感を確実に得ることができる。更に、内枠4400を1回転させても、螺進する量はおねじ部4403及びめねじ部4252bにおけるねじの1ピッチ分だけの距離なので、弾性部材4600の弾性変形量(圧縮量)の微調整を容易に行うことができる。
【0212】
また、本実施の形態では、スタートレバー71に付与する付勢力の大きさを、1の弾性部材4600のみにより調整することができ、異なる大きさの付勢力を付与するために特性(ばね定数)が異なる複数の弾性部材を設けるという必要がないので、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0213】
なお、調整回転子4405は、前外枠4200の前面側に突出されているので、遊技者は、遊技を行いつつ、付勢力の調整を行うことができる。この場合、スタートレバー71が配設される前外枠4200は、前面扉12(図1参照)に固定されているので、スタートレバー71の操作位置を変更することなく、その操作力を変更することができる。即ち、内枠4400を移動させ、付勢力の大きさを変更しても、スタートレバー71の操作は常に同じ位置で行うことができるので、その操作性を確保することができる。
【0214】
次いで、図36を参照して、第5実施の形態におけるスイッチ装置5100について説明する。図36は、第5実施の形態におけるスイッチ装置5100の断面斜視図である。なお、図36は、図33に対応する。また、スイッチ装置5100は、前外枠5200の外周面に張り出し形成されたフランジが前面扉12の背面側に締結固定されることで、前面扉12に装着されるが、図36では、フランジの図示を省略している。
【0215】
第4実施の形態では、調整回転子4405の操作を遊技者が行う場合を説明したが、第5実施の形態におけるスイッチ装置5100は、遊技者による調整回転子5405の操作が禁止される。なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0216】
図36に示すように、第5実施の形態における調整回転子5405は、第4実施の形態における調整回転子4405に対し、操作部4450a及びその操作部4405aが固着される側の軸部が省略されている。即ち、調整回転子5405は、歯車4405bと、その歯車4405bが固着され側の軸部であって第1中間外枠4250の背面板4251に軸支される部分とを備える。そのため、前外枠5200に正面板5201には、調整回転子4405の軸部を軸支するための軸支孔が形成されず、スタートレバー71を挿通するための開口を除き、開口が形成されていないため、かかる正面板5201により筐体の内部を遮蔽できる。
【0217】
このように、スイッチ装置5100は、前外枠5200が前面扉12に装着されるところ、調整回転子5405が歯車4405bと軸部の一部のみを有しているので、かかる調整回転子5405を、スロットマシン10の筐体11内部に配設できる。よって、遊技者による不用意な操作を回避して、調整回転子5405や内枠4400の破損を抑制できる。また、この場合、調整回転子5405の軸部を挿通させる開口(軸支孔)を前外枠5200の正面板5201に形成することを不要とできるので、その分、開口から異物を挿入されるなどの不正行為を行い難くすることができる。
【0218】
なお、調整回転子5405の歯車4405bは、第2中間外枠4350の外周面から露出されているので、かかる調整回転子5405の歯車4405bを操作することで、スロットマシン10の筐体11内の狭いスペースであっても、付勢力の変更・選択を容易に行うことができる。
【0219】
次いで、図37を参照して、第6実施の形態におけるスイッチ装置6100について説明する。図37は、第6実施の形態におけるスイッチ装置6100の断面斜視図である。なお、図37は、図33に対応する。また、スイッチ装置6100は、前外枠4200の外周面に張り出し形成されたフランジが前面扉12の背面側に締結固定されることで、前面扉12に装着されるが、図37では、フランジの図示を省略している。
【0220】
第4実施の形態では、調整回転子4405の回転操作に伴い、内枠4400が回転されることで、かかる内枠4400が軸心O方向へ移動される場合を説明したが、第6実施の形態におけるスイッチ装置6100は、内枠6400が回転することなく軸心O方向へ移動される。なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0221】
図37に示すように、第6実施の形態における第1中間外枠6250は、第4実施の形態における第1中間外枠4250に対し、第1内壁部6252の内周面へのめねじ部4252bの形成が省略されている、また、第6実施の形態における内枠6400は、第4実施の形態における内枠4400に対し、外周面へのおねじ部4403の形成が省略されている。そのため、内枠6400は、第1中間外枠6250及び第2中間外枠4350の第1内壁部6252及び第2内壁部4352の内周面によって、軸心O方向へスライド移動可能に保持される。
【0222】
また、第6実施の形態における内枠6400は、筒状体の外周面から径方向外方へ向けて凸設される凸設部6403を備える。凸設部6403は、軸心O方向に貫通形成され内周面にめねじが螺刻されたナット部6403aを備える。
【0223】
調整回転子6405は、内枠6400をスライド移動させるために遊技者に操作される部位であり、前外枠4200の正面板4201及び第1中間外枠6250の背面板4251に回転可能に軸支される軸部と、その軸部の一端側(図37右側)の端部に固着され正面板4201の正面側に露出される操作部6405aと、その操作部6405aとは反対側となる軸部の外周面におねじが螺刻されることで形成されるボルト部6405bとを備える。
【0224】
ボルト部6405bは、内枠6400の凸設部6403に形成されたナット部6403aに螺合される。よって、操作部6405aが遊技者により回転操作され、調整回転子6405が回転されると、その回転がボルト部6405bから凸設部6403のナット部6403aに伝達され、ナット部6403aが軸心O方向へ螺進される。即ち、調整回転子6405の回転運動が、ボルト部6405b及びナット部6403aにより、直線運動に変換され、その結果、内枠6400が軸心O方向へスライド移動される。
【0225】
第2中間外枠4350には、内枠6400から凸設された凸設部6403との干渉を避けるために、第2内壁部4352の一部にスリット状の切り欠きが形成されており、この切り欠き内に凸設部6403が配設される。切り欠きには、センサ800側の壁部に第2規制面6352aが形成されており、この第2規制面6352aに凸設部6403が当接されることで、内枠6400のセンサ800側へのスライド移動が規制される。なお、内枠6400のスタートレバー71側へのスライド移動は、内枠6400の開口側の端面が第1規制部4242aに当接されることで、規制される。
【0226】
このように、本実施の形態では、調整操作子6405を回転操作することで、内枠6400を軸心O方向へスライド移動させることができるので、第4実施の形態の場合と同様に、スライダ4500と内枠6400の底壁4401との間の間隔を変更して、弾性部材4600の弾性変形量(圧縮量)を調整することができる。これにより、スタートレバー71が操作された際にその操作方向とは反対方向へ付与する付勢力の大きさを変更できるので、スタートレバー71の操作に必要な力を遊技者が任意に変更でき、その結果、遊技者に適した操作感でスタートレバー71を操作させることができる。
【0227】
また、本実施の形態では、調整回転子6405の回転運動を内枠6400の直線運動に変換できるので、弾性部材4600の弾性変形量を調整するための構造を小型化できる。また、弾性部材4600の弾性変形量を連続的に調整することができるので、遊技者に適した操作感を確実に得ることができる。更に、調整回転子6405を1回転させても、内枠6400が螺進する量はボルト部6405b及びナット部6403aにおけるねじの1ピッチ分だけの距離なので、弾性部材4600の弾性変形量(圧縮量)の微調整を容易に行うことができる。
【0228】
また、本実施の形態では、スタートレバー71に付与する付勢力の大きさを、1の弾性部材4600のみにより調整することができ、異なる大きさの付勢力を付与するために特性(ばね定数)が異なる複数の弾性部材を設けるという必要がないので、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0229】
更に、本実施の形態では、回転運動の直線運動への変換は、ボルト部6405b及びナット部6403aにより行われ、内枠6400は回転されないので、かかる内枠6400の回転に伴って弾性部材4600がねじれることを抑制できる。よって、スタートレバー71へ付勢力を安定して付与できると共に、弾性部材4600の耐久性の向上を図ることができる。
【0230】
なお、弾性部材4600は、内枠6400がセンサ800側へ最も移動された場合(即ち、凸設部6403が第2規制面6352aに当接された場合)であっても、底壁4401とスライダ4500との間で圧縮変形されるだけの軸方向寸法(図37左右方向寸法)を有している。よって、スタートレバー71が操作されていない状態においては、常に、弾性部材4600が弾性的に圧縮変形されており、その弾性回復力により、スライダ4500の被押圧板4501がスタートレバー71の基端面を押圧している。
【0231】
このように、本実施の形態では、弾性部材4600の弾性変形量が最小とされた状態でも、かかる弾性部材4600が弾性変形(圧縮変形)されているので、その弾性回復力によって、凸設部6403のめねじ部6403aと調整回転子6405のおねじ部6405bとの間に予圧を作用させることができる。これにより、おねじ部6405b及びめねじ部6403aにおけるおねじとめねじとの間に隙間が発生することを抑制して、内枠6400のがたつきを抑制できるので、その分、スタートレバー71の操作感の向上を図ることができる。
【0232】
また、このように、おねじ部6405bとめねじ部6403aとの間に予圧を作用させることで、それらのおねじとめねじとの間に作用する摩擦力を利用して、内枠6400の回転位置を保持することができる。これにより、内枠6400の回転位置を保持するための機構を不要として、製品コストの削減を図ることができる。また、スタートレバー71の操作に伴い、内枠6400の回転位置がずれることを抑制でき、その結果、操作力を一定に保ちやすくできる。
【0233】
次いで、図38から図47を参照して、第7実施の形態について説明する。図38は、第7実施の形態におけるスイッチ装置7100の斜視図であり、図39は、スイッチ装置7100の断面図である。なお、スイッチ装置7100は、前外枠7200の外周面に張り出し形成されたフランジが前面扉12の背面側に締結固定されることで、前面扉12に装着されるが、図38及び図39では、フランジの図示を省略している。
【0234】
第1実施の形態では、特性(ばね定数)が異なる弾性部材600を複数備え、それら複数の弾性部材600の内のいずれかを選択することで、スタートレバー71に付与する付勢力の大きさを変更する場合を説明したが、第7実施の形態におけるスイッチ装置7100は、特性が異なる弾性部材7601〜7603を備え、それら複数の弾性部材7601〜7603の組み合わせを選択することで、スタートレバー71に付与する付勢力の大きさを変更する。なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0235】
第7実施の形態におけるスイッチ装置7100は、筐体を構成する前外枠7200、中間外枠7250及び後外枠7300と、それら各外枠7200等により形成される筐体内に回転可能かつ軸心O方向へスライド移動可能に収納される回転板7500と、その回転板7500の回転位置応じて一部または全部がスライド移動される内ばね押し体7510、中ばね押し体7520及び外ばね押し体7530と、それら各ばね押し体7510〜7530の一部または全部がスライド移動された場合に連動してスライド移動されるスライダ7550と、そのスライダ7550に付勢力を付与する戻しばね部材7610と、各ばね押し体7510〜7530のそれぞれに異なる付勢力を付与する内ばね部材7601、中ばね部材7602及び外ばね部材7603と、それら各ばね部材7601〜7603の付勢力により操作時の操作感が与えられるスタートレバー71と、そのスタートレバー71の操作を検出するセンサ800とを備える。
【0236】
前外枠7200は、筐体の前面側を形成する部材であり、軸心Oを有する有底筒状に形成される。即ち、前外枠7200は、筒状体の一側(図39右側)開口を塞ぐ正面板7201を備え、その正面板7201には、スタートレバー71を保持するレバー保持部202と、調整回転子7405が回転可能に軸支される被軸支部7203とがそれぞれ形成される。
【0237】
中間外枠7250は、筐体の中間を構成する部材であり、軸心Oを有する有底筒状に形成される。ここで、図40を参照して、中間外枠7250の詳細構成について説明する。図40(a)は、中間外枠7250の背面図であり、図40(b)は、図40(a)のXXXXb−XXXXb線における中間外枠7250の断面図である。
【0238】
図40に示すように、中間外枠7250は、外周側に位置し外壁を形成する筒状体と、その筒状体の他側(図40(b)左側)開口を塞ぐ背面板7251とを備える。筒状体は、背面板7251と反対側の部分の内径が、背面板7251側の部分の内径よりも大きくされ、これら両部分の間に段差が形成され、この段差が規制面7252とされる。この規制面7252は、回転板7500の端面を受け止める部位であり、規制面7252に回転板7500の端面が当接されることで、回転板7500のセンサ800側への変位が規制される。
【0239】
背面板7251には、正面視矩形状の内係止口7251a、中係止口7251b及び外係止口7251cと、正面視円形の開口7251dとが穿設される。内係止口7251は、内ばね押し体7510の係止脚部7511が挿通される開口であり、一対が軸心Oを挟みつつ軸心Oから等距離となる位置に形成される。中係止口7251bは、中ばね押し体7520の係止脚部7521が挿通される開口であり、内係止口7251aから90度だけ位相をずらした位置に、一対が軸心Oを挟みつつ軸心Oから等距離となる位置に形成される。
【0240】
外係止口7251cは、外ばね押し体7530の係止脚部7531が挿通される開口であり、中係止口7251bと同位相となる位置に、一対が軸心Oを挟みつつ軸心Oから等距離となる位置に形成される。なお、各係止口7251a〜7251cに挿通された係止脚部7511〜7531は、背面板7251の背面側(図40(b)左側)に係止される(図39参照)。また、開口7251dは、スライダ7550の検出ピン7551が挿通される開口であり、背面板7251の中心部に穿設される。
【0241】
図39に戻って説明する。後外枠7300は、筐体の後面側を形成する部材であり、軸心Oを有する有底筒状に形成される。即ち、後外枠7300は、筒状体の他側(図39左側)の開口を塞ぐ背面板7301を備え、その背面板7301にセンサ800が取着される。後外枠7300が、中間外枠7250を間に介在させつつ、前外枠7200と接合されることで、内部に収容空間を有する筐体(外枠)が形成される。
【0242】
調整回転子7405は、回転板7500を回転移動させるために操作される円板状の部材であり、前外枠7200の被軸支部7203にねじにより締結され、回転可能な軸支状態で配設される。調整回転子7405は、外周面に歯が刻設されており、この歯を介して、回転板7500の歯車筒部7503に歯合される。よって、調整回転子7405が回転操作されると、その回転が歯車筒部7503に伝達され、回転板7500が軸心Oを回転中心として回転される。これにより、回転板7500を回転させて所定の位相(図45及び図46参照)に配置する動作を容易に行うことができる。
【0243】
なお、調整回転子7405は、前外枠7200が前面扉12に装着されると、スロットマシン10の筐体11内部に配設される。よって、遊技者による不用意な操作を回避して、調整回転子7405や回転板7500の破損を抑制できる。また、この場合には、調整回転子7405の一部を操作可能に露出させる開口が遊技者側に位置せず、かかる開口が前面扉12により遮蔽されるので、その分、開口から異物を挿入されるなどの不正行為を行い難くすることができる。また、かかる調整回転子7405を操作することで、スロットマシン10の筐体11内の狭いスペースであっても、付勢力の変更・選択を容易に行うことができる。
【0244】
但し、例えば、中間外枠7250が前面扉12に装着することで、調整回転子7405がスロットマシン10の筐体11外部に配設され、前面扉12の前面側に露出されても良い。これにより、回転板7500の移動、即ち、付勢力の変更を遊技者が容易に行うことができる。また、スタートレバー71の操作位置を変更することなく、その操作力を変更することができる。即ち、回転板7500を回転移動させ、付勢力の大きさを変更しても、スタートレバー71の操作は常に同じ位置で行うことができるので、その操作性を確保することができる。
【0245】
回転板7500は、スタートレバー71の操作に伴い軸心O方向へスライド移動され、各ばね押し体7510〜7530の一部または全部をセンサ800側へ向けてスライド移動させる部材であり、前外枠7200の内周側に回転可能かつスライド移動可能な状態で内挿される。ここで、図41及び図42を参照して、回転板7500の詳細構成について説明する。
【0246】
図41(a)は、回転板7500の正面図であり、図41(b)は、回転板7500の背面図である。また、図42は、図41(b)のXXXXII−XXXXII線における回転板7500の断面図である。回転板7500は、軸心Oを有する筒状に形成される筒状体7501と、その筒状体7501の一側(図42右側)開口を塞ぐ被押圧板7502と、その被押圧板7502の正面側から立設され筒状体7501と同心と筒状に形成される歯車筒部7503と、被押圧板7502の背面側から突出され断面円形の円柱状に形成される第1〜第4突出ピン7504a〜7504dとを備える。
【0247】
筒状体7501は、前外枠7200及び中間外枠7250の内周に回転可能かつ軸心O方向へスライド移動可能に保持されると共に、他側(図42左側)の端面が、中間外枠7250の規制面7252に当接されることで、センサ800側へのスライド移動が規制される。
【0248】
被押圧板7502は、スタートレバー71の基端面が当接される部位であり、スタートレバー71の操作時には、かかる被押圧板7502がスタートレバー71の基端面により押圧されることで、回転板7500がセンサ800側へ向けてスライド移動される。
【0249】
歯車筒部7503は、調整回転子7405からの回転が伝達される部位であり、外周面に調整回転子7405に歯合される歯が刻設される。また、歯車筒部7503は、前外枠7200のレバー保持部202に外嵌されており、回転板7500が回転移動およびスライド移動される際のガイドの役割も兼ねる。
【0250】
第1〜第4突出ピン7504a〜7504dは、回転板7500がセンサ800側へ向けてスライド移動される際に、各ばね押し体7510〜7530のいずれかをセンサ800側へ押圧するための部位である。具体的には、第1突出ピン7504aは、外ばね押し体7530を押圧するための部位であり、外ばね押し体7530に対応する位置(即ち、軸心Oからの離間距離が各突出ピン7504a〜7504dの中で最も大きな位置)に配設される。
【0251】
第3突出ピン7504cは、内ばね押し体7510を押圧するための部位であり、内ばね押し体7510に対応する位置(即ち、軸心Oからの離間距離が各突出ピン7504a〜7504dの中で最も小さな位置)に配設される。第2突出ピン7504b及び第4突出ピン7504dは、中ばね押し体7520を押圧するための部位であり、内ばね押し体7510に対応する位置(即ち、軸心Oからの離間距離が第1突出ピン7504aと第3突出ピン7504cとの中間となる位置)に配設される。
【0252】
なお、第1突出ピン7504a及び第3突出ピン7504cは、軸心Oを通過する仮想線上となる位置に配置され、第2及び第4突出ピン7504b,7504dは、その仮想線から位相が若干(本実施の形態では各突出ピン7504a〜7504dの直径の2倍以下の距離)ずれた位置に配置される。また、各ばね押し体7510〜7530には、第1〜第4突出ピン7504a〜7504dを受け入れ可能な逃がし孔7511〜7513が穿設されており(図43参照)、この逃がし孔7511〜7513に各突出ピン7504a〜7504dが受け入れられると、その受け入れられた突出ピン7504a〜7504dからばね押し体7510〜7530に押圧力が作用されない。
【0253】
この場合、第2及び第4突出ピン7504b,7504dは、軸心Oを挟んだ一方側と他方側とに配設されるので、中ばね押し体7520の端面であって軸心Oを挟んで対向する2箇所を押圧できる(図45(c)、図46(a)及び図46(c)参照)。その結果、中ばね押し体7520の傾斜を抑制して、軸心O方向へスムーズにスライド移動させることができる。
【0254】
また、これら第2及び第4突出ピン7504b,7504dが逃がし孔7522に挿入される場合には、これら第4突出ピン7504b,7504dと逃がし孔7522との嵌合により、中ばね押し体7520の傾斜が抑制される。よって、その中ばね押し体7520の内周側または外周側に位置する各ばね押し体7510,7530がスライド移動される際には(図45(b)、図45(d)及び図46(b)参照)、中ばね押し体7520がガイドの役割となり、各ばね押し体7510,7530の傾斜を抑制して、軸心O方向へスムーズにスライド移動させることができる。
【0255】
図39に戻って説明する。回転板7500とスライダ7550との間には、内ばね押し体7510、中ばね押し体7520及び外ばね押し体7530が配設されている。回転板7500がセンサ800へ向けてスライド移動されると、その移動が、各ばね押し体7510〜7530を介して、スライダ7550に伝達され、スライダ7550がセンサ800側へ向けてスライド移動される。また、スライダ7550がスタートレバー71側へ向けてスライド移動されると、その移動が、各ばね押し体7510〜7530を介して、回転板7500に伝達され、回転板7500がスタートレバー71側へ向けてスライド移動される。
【0256】
ここで、図43を参照して、各ばね押し体7510〜7530の詳細構成について説明する。図43(a)は、内ばね押し体7510、中ばね押し体7520及び外ばね押し体7530の正面図であり、図43(b)は、図43(a)のXXXXIII−XXXXIII線における内ばね押し体7510、中ばね押し体7520及び外ばね押し体7530の断面図である。なお、図43では、スイッチ装置7100内に収納された状態の各ばね押し体7510〜7530の配置が図示されている。
【0257】
図43に示すように、各ばね押し体7510〜7530は、軸心Oを有する円筒状に形成されると共に、背面側(図43(b)左側)から正面側へ向けて凹設される凹部が全周にわたって形成される。即ち、各ばね押し体7510〜7530は、図43(b)に示すように、背面側が開放されたコ字形状を軸心Oまわりに回転させてなる円筒状に形成される。
【0258】
内ばね押し体7510、中ばね押し体7520及び外ばね押し体7530は、それぞれ別体に構成されると共に、それぞれが異なる径寸法を有し、径寸法の小さいものが径寸法の大きいものの内周側に順に入れ子状に内挿配置される。即ち、外ばね押し体7530の内周側には、中ばね押し体7520が内挿配置され、中押しばね体7520の内周側には、内ばね押し体7510が内挿配置される。
【0259】
このように、各ばね押し体7510〜7530をそれぞれ径寸法が異なる筒状に形成し、入れ子状に内周側に順に内挿することで、スイッチ装置7100内のスペースを効率的に使用して、小型化を図ることができる。その結果、スイッチ装置7100内の配設スペースが限られる場合であっても、各ばね押し体7510〜7530(即ち、各ばね部材7601〜7603)の配設数を確保することができるので、選択できる付勢力の組み合わせの種類を多くして、遊技者に適した操作感を得やすくすることができる。
【0260】
各ばね押し体7510〜7530には、係止脚部7511〜7531がそれぞれ一対ずつ形成される。これら係止脚部7511〜7513は、中間外枠7250の背面板7251に開口された各係止口7251a〜7251c(図40参照)に挿通されつつ、延設先端に張り出し形成された鉤部を中間外枠7250の背面板7251に係止させる(図39参照)。これにより、各ばね押し体7510〜7530は、センサ800側へ向けてのスライド移動を可能としつつ、スタートレバー71側へ向けてのスライド移動が所定位置で規制される。
【0261】
各ばね押し体7510〜7530には、軸心O方向に貫通形成される複数の逃がし孔7512〜7532がそれぞれ周方向に分散配置される。これら各逃がし孔7512〜7532は、回転板7500の各突出ピン7504a〜7504cを逃がすための孔であり、各突出ピン7504a〜7504cの外径よりも大きな内径を有する断面円形の孔として形成される。
【0262】
例えば、回転板7500がセンサ800側へ向けてスライド移動される場合に、第1突出ピン7504aが外ばね押し体7530の逃がし孔7532の非形成面を押圧すると、かかる外ばね押し体7530がセンサ800側へ向けてスライド移動される一方、第1突出ピン7504aが逃がし孔7532に挿入されると、かかる第1突出ピン7504aの押圧力が外ばね押し体7530に伝達されず、かかる外ばね押し体7530はセンサ800側へ向けてスライド移動されない。
【0263】
図39へ戻って説明する。スライダ7550は、スタートレバー71の操作時に、各ばね押し体7510〜7530のいずれか又は全部によって押圧されることで、センサ800側へ向けてスライド移動される部材である。ここで、図44を参照して、スライダ7550について説明する。
【0264】
図44(a)は、スライダ7550の背面図であり、図44(b)は、図44(a)のXXXXIVb−XXXXIVb線におけるスライダ7550の断面図である。スライダ7550は、軸心Oを有する円板状に形成され、外ばね押し体7530(図39参照)と同等の外径に形成される。また、スライダ7550には、正面視矩形状の内挿通口7550a、中挿通口7550b及び外挿通口7550cが穿設されると共に、断面円形の円柱状の検出ピン7551が軸心Oに沿って背面側から突出される。
【0265】
内挿通口755oaは、内ばね押し体7510の係止脚部7511が挿通される開口であり、一対が軸心Oを挟みつつ軸心Oから等距離となる位置に形成される。中挿通口7550bは、中ばね押し体7520の係止脚部7521が挿通される開口であり、内挿通口7550aから90度だけ位相をずらした位置に、一対が軸心Oを挟みつつ軸心Oから等距離となる位置に形成される。外挿通口7550cは、外ばね押し体7530の係止脚部7531が挿通される開口であり、中挿通口7550bと同位相となる位置に、一対が軸心Oを挟みつつ軸心Oから等距離となる位置に形成される。即ち、これら各挿通口7550a〜7550cは、中間外枠7250の各係止口7251a〜7251cに対応する位置に形成される。
【0266】
検出ピン7551は、スライダ7550の変位をセンサ800に検出させるための部位であり、立設先端側が中間外枠7250の開口7251でからセンサ800へ向けて突出される。スタートレバー71が操作され、各ばね押し体7510〜7530の内の少なくとも1がセンサ800側へ向けてスライド移動されると、そのスライド移動に伴い、スライダ7550がセンサ800側へ向けて変位され、検出ピン7551も同様に変位される。この場合に、検出ピン7551の立設先端がセンサ800の検出領域へ進入されると、スタートレバー71の操作がセンサ800により検出される。
【0267】
このように、各ばね押し体7510〜7530の内の少なくともいずれか1が変位されれば、スライダ7550が変位され、かかるスライダ7550の被検出ピン7551の位置に基づいて、スタートレバー71の操作を検出できるので、被検出ピン7551やセンサ800を各ばね押し体7510〜7530の数だけ配設する必要がなく、その配設数を1とすることができ、その結果、製品コストの削減を図ることができる。
【0268】
また、内ばね押し体7510の内周側の開口や中間外枠7250の背面板における開口7251aをスライダ7550により遮蔽することができるので、スタートレバー71の側からのセンサ800に対する不正行為を行い難くすることができる。
【0269】
図39に戻って説明する。内ばね押し体7510、中ばね押し体7520及び外ばね押し体7530に凹設された凹部には、内ばね部材7601、中ばね部材7602及び外ばね部材7603がそれぞれ配設される。また、スライダ7550と中間外枠7250の背面板7251との対向面間には、戻しばね部材7610が配設される。これら各ばね部材7601〜7603及び戻しばね部材7610は、スタートレバー71に操作感を与えると共に初期位置へ復帰させるための付勢力を発生するための部材であり、ゴム状弾性材から形成される。なお、各逃がし孔7512〜7532の形成位置には、各ばね部材7601〜7603は配設されず、各突出ピン7504a〜7504cが各逃がし孔7512〜7532内へ挿入可能とされる。
【0270】
各ばね部材7601〜7603それぞれの軸方向寸法(図39左右方向寸法)は、各ばね押し体7510〜7530における凹部の凹設深さよりも大きくされる。また、戻しばね部材7610の軸方向寸法(図39左右方向寸法)は、各ばね押し体7510〜7530のそれぞれ軸方向に弾性変形されていない状態において、スライダ7550と中間外枠7250の背面板7251との間に形成される対向面間距離よりも大きくされる。よって、スタートレバー71が操作されていない図39に示す状態においては、各ばね部材7601〜7603及び戻しばね部材7610が弾性的に軸方向に圧縮変形され、その弾性回復力により、スライダ7550及び各ばね押し体7510〜7530を介して、回転板7500がスタートレバー71の基端面を押圧している。
【0271】
ここで、各ばね押し体7510〜7530及びスライダ7550は、各ばね押し体7510〜7530の係止脚部7511〜7531が、スライダ7550の各挿通口7550a〜7550c及び中間外枠7250の各係止口7251a〜7251cに挿通させつつ、背面板7251の背面側に係止されることで、中間外枠7250に対して、軸心Oまわりに回転不能かつ軸心O方向へ移動可能に支持される。これにより、回転板7500が回転操作されることで、回転板7500と各ばね押し体7510〜7530との位相関係を変更可能としつつ、回転板7500のセンサ800側へ向けてのスライド移動に伴い、スライダ7550もセンサ800側へ向けてスライド移動させるという構造を簡素に構成することができる。
【0272】
なお、各ばね部材7601〜7603は、それぞれに異なる特性(ばね定数)に設定される。具体的には、本実施の形態では、内ばね部材7601のばね定数の値を1とした場合に、中ばね部材7602のばね定数の値が2とされ、外羽部材7603のばね定数の値が2.5とされる比率に設定される(図47参照)。よって、これら各ばね部材7601〜7603を組み合わせることで、スタートレバー71に付勢する付勢力の大きさを6段階に変更することができる。ここで、この付勢力の変更方法について、図45から図47を参照して説明する。
【0273】
図45(a)は、回転板7500の正面図であり、被押圧板7502の背面側に突出される第1〜第4突出ピン7500a〜7500dの配設位置が「×」を用いて図示されると共に、被押圧板7502の背面側に配設される各ばね押し体7510〜7530の外形が破線を用いて図示される。なお、図45(a)では、第1及び第3突出ピン7504a,7504cの中心を結ぶと共に軸心Oを通過する仮想線が破線を用いて図示される。また、図45(a)では、仮想線の一端側(第1突出ピン7500a側)が回転板7500の基準位置Aとされ、かかる基準位置Aが符号「A」により図示される。
【0274】
図45(b)から図45(d)及び図46(a)から図46(c)は、各ばね押し体7510〜7530の正面図であり、回転板7500が第1〜第6位相の各位相位置に回転された場合の各ばね押し体7510〜7530に対する第1〜第4突出ピン7500a〜7500dの配設位置が図示される。なお、図45(b)から図45(d)及び図46(a)から図46(c)では、図面を簡素化するため、逃がし孔7512〜7532の符号「7512〜7532」の図示が省略される。
【0275】
図47は、回転板7500の位相とばね定数との関係を示した表である。なお、図47では、内ばね部材7601のばね定数がk=1、中ばね部材7602のばね定数がk=2、外ばね部材7603のばね定数がk=2.5であるものとして、単位は省略して説明する。ここで、各ばね部材7601〜7603は、回転板7500のスライド移動時の変位量がそれぞれ同じ変位量となる並列接続であるので、回転板7500のスライド移動時の合計のばね定数は、各ばね部材7601〜7603の内の回転板7500のスライド移動に伴い変位されるもののばね定数の合計値となる。図47では、この合計のばね定数が最下欄に各位相に対応付けて記載される。
【0276】
図45(a)に示すように、回転板7500には、背面側(即ち、各ばね押し体7510〜7530)へ向けて第1〜第4突出ピン7500a〜7500dが突出され、第1突出ピン7500aは外ばね押し体7530に対応する位置に、第2及び第4ばね押し体7500b,7500dは中ばね押し体7520に対応する位置に、第3ばね押し体7500cは内ばね押し体7510に、それぞれ配設される。
【0277】
上述したように、各ばね押し体7510〜7530は、各突出ピン7500a〜7500dのいずれかにより逃がし孔7512〜7532の非形成面が押圧された場合に、その非形成面が押圧されたもののみがセンサ800側へ向けてスライド移動され(即ち、各ばね部材7601〜7603の対応するものが弾性変形され)、スタートレバー71へ付勢力の付与が可能となる一方、各突出ピン7500a〜7500dが逃がし孔7512〜7532に挿入されて、非形成面が押圧されないものは、センサ800側へ向けてスライド移動されず(即ち、各ばね部材7601〜7603の対応するものが弾性変形されず)、スタートレバー71へ付勢力を付与しない。よって、これら各ばね押し体7510〜7530の内のスライド移動されるものの組み合わせにより、スタートレバー71へ付与される付勢力の大きさが変更される。
【0278】
図45(b)に示すように、回転板7500が回転操作され、第1位相に位置されると、第1、第2及び第4突出ピン7500a,7500b,7500dは、逃がし孔7522,7532に対応する位置(即ち、スライド移動時に挿入される位置)に配置され、第3突出ピン7500cのみが逃がし孔7512の非形成面に配置される。よって、回転板7500がセンサ800側へ向けてスライド移動されると、内ばね押し体7510のみが第3突出ピン7500cにより押圧され、センサ800側へ向けてスライド移動される(即ち、内ばね部材7601のみが弾性変形される)。よって、第1位相における合計のばね定数は、図47に示すように、内ばね部材7601のばね定数と同じ「1」となる(図47参照)。
【0279】
なお、回転板7500の筒状体7501の外周面には、突部が突設されると共に、その回転板7500の筒状体7501が内挿される各外枠7200,7250の筒状体の内周面には、凹部が周方向の複数個所(60°間隔)に凹設され、回転板7500の突部が係合可能とされている。これら各凹部は、軸心O方向へ沿って延設されることで、突部が係合されたまま、回転板7500が軸心O方向へスライド移動可能とされ、それら各凹部の凹設位置は、第1から第6位相に対応する位置に設定される。よって、回転板7500を回転操作する場合には、突部と凹部とが係合される位置まで回転させることで、かかる回転板7500を第1から第6位相に容易に配置することができる。
【0280】
図45(c)に示すように、第1位相から回転板7500が正面視時計回りに60°だけ回転操作され、第2位相に位置されると、第1及び第3突出ピン7500a,7500cは、逃がし孔7512,7532に対応する位置(即ち、スライド移動時に挿入される位置)に配置され、第2及び第4突出ピン7500b,7500dが逃がし孔7512の非形成面に配置される。よって、回転板7500がセンサ800側へ向けてスライド移動されると、中ばね押し体7520のみが第2及び第4突出ピン7500b,7500dにより押圧され、センサ800側へ向けてスライド移動される(即ち、中ばね部材7602のみが弾性変形される)。よって、第2位相における合計のばね定数は、図47に示すように、中ばね部材7602のばね定数と同じ「2」となる。
【0281】
図45(d)に示すように、第2位相から回転板7500が正面視時計回りに60°だけ回転操作され、第3位相に位置されると、第2から第4突出ピン7500b〜7500dは、逃がし孔7512,7522に対応する位置(即ち、スライド移動時に挿入される位置)に配置され、第1突出ピン7500aのみが逃がし孔7532の非形成面に配置される。よって、回転板7500がセンサ800側へ向けてスライド移動されると、外ばね押し体7530のみが第1突出ピン7500aにより押圧され、センサ800側へ向けてスライド移動される(即ち、外ばね部材7603のみが弾性変形される)。よって、第3位相における合計のばね定数は、図47に示すように、外ばね部材7603のばね定数と同じ「2.5」となる(図47参照)。
【0282】
図46(a)に示すように、第3位相から回転板7500が正面視時計回りに60°だけ回転操作され、第4位相に位置されると、第1突出ピン7500aのみが逃がし孔7532に対応する位置(即ち、スライド移動時に挿入される位置)に配置され、第2から第4突出ピン7500b〜7500dは逃がし孔7512,7522の非形成面に配置される。よって、回転板7500がセンサ800側へ向けてスライド移動されると、内ばね押し体7510及び中ばね押し体7520が第2から第4突出ピン7500b〜7500dにより押圧され、センサ800側へ向けてスライド移動される(即ち、内ばね部材7601及び中ばね部材7602が弾性変形される)。よって、第4位相における合計のばね定数は、図47に示すように、内ばね部材7601のばね定数(k=1)と中ばね部材7602のばね定数(k=2)との和となり、「3」となる。
【0283】
図46(b)に示すように、第4位相から回転板7500が正面視時計回りに60°だけ回転操作され、第5位相に位置されると、第2及び第4突出ピン7500b,7500dが逃がし孔7532に対応する位置(即ち、スライド移動時に挿入される位置)に配置され、第1及び第3突出ピン7500a,7500cは逃がし孔7512,7532の非形成面に配置される。よって、回転板7500がセンサ800側へ向けてスライド移動されると、内ばね押し体7510及び外ばね押し体7530が第1及び第3突出ピン7500a,7500cにより押圧され、センサ800側へ向けてスライド移動される(即ち、内ばね部材7601及び外ばね部材7603が弾性変形される)。よって、第5位相における合計のばね定数は、図47に示すように、内ばね部材7601のばね定数(k=1)と外ばね部材7603のばね定数(k=2.5)との和となり、「3.5」となる。
【0284】
図46(c)に示すように、第5位相から回転板7500が正面視時計回りに60°だけ回転操作され、第6位相に位置されると、第3突出ピン7500cのみが逃がし孔7532に対応する位置(即ち、スライド移動時に挿入される位置)に配置され、第1、第2及び第4突出ピン7500a,7500b,7500dは逃がし孔7522,7532の非形成面に配置される。よって、回転板7500がセンサ800側へ向けてスライド移動されると、中ばね押し体7520及び外ばね押し体7530が第1、第2及び第4突出ピン7500a,7500b,7500dにより押圧され、センサ800側へ向けてスライド移動される(即ち、中ばね部材7602及び外ばね部材7603が弾性変形される)。よって、第6位相における合計のばね定数は、図47に示すように、中ばね部材7602のばね定数(k=2)と外ばね部材7603のばね定数(k=2.5)との和となり、「4.5」となる。
【0285】
このように、回転板7500を第1から第6位相に位置させることで、各ばね部材7601〜7603を組み合わせて、スタートレバー71に付勢する付勢力の大きさを6種類から選択することができる。この場合、各位相における合計のばね定数の大きさは、位相に応じて順に増減する。即ち、回転板7500を正面視時計回りに回転操作する(位相を第1位相から第6位相へ移動させる)ことで、付勢力の大きさを順に増加させることができる一方、回転板7500を正面視反時計回りに回転操作することで、付勢力の大きさを順に減少させることができる。これにより、付勢力の大きさを変更する際の操作性の向上を図ることができる。
【0286】
この場合、上述した通り、第2及び第4突出ピン7504b,7504dは、軸心Oを挟んだ一方側と他方側とに配設されるので、かかる第2及び第4突出ピン7504b,7504dにより中ばね押し体7520を押圧する場合(即ち、第2、第4及び第6位相の場合)には、中ばね押し体7520の傾斜を抑制して、軸心O方向へスムーズにスライド移動させることができる。
【0287】
一方、これら第2及び第4突出ピン7504b,7504dが逃がし孔7522に挿入される場合(即ち、第1、第3及び第5位相の場合)には、これら第4突出ピン7504b,7504dと逃がし孔7522とが軸心Oを挟んだ両側で嵌合されることにより、中ばね押し体7520の傾斜が抑制される。よって、内ばね押し体7510又は(及び)外ばね押し体7530がスライド移動される際には、中ばね押し体7520がガイドの役割となり、これら内ばね押し体7510又は(及び)外ばね押し体7530の傾斜を抑制でき、その結果、軸心O方向へスムーズにスライド移動させることができる。
【0288】
特に、第1、第3及び第5位相の場合には、第1又は第3突出ピン7504a,7504cが内ばね押し体7510又は外ばね押し体7530の1箇所のみを押圧するので、傾斜されやすくなるが、これら第1及び第3突出ピン7504a,7504cは、第2及び第4突出ピン7504b,7504dに近接(各突出ピン7504a〜7504dの直径の2倍以下の距離)されているので、中ばね押し体7520によるガイド効果を得やすくして、スムーズなスライド移動を確保できる。
【0289】
なお、回転板7500が第1から第6位相の各位相に位置されていない状態では、各突出ピン7500a〜7500dのいずれも逃がし穴7512〜7532に対応する位置(即ち、スライド移動時に挿入される位置)には配置されず、逃がし孔7512〜7532の非形成面に配置される。そのため、この状態において、回転板7500がセンサ800側へ向けてスライド移動されると、各ばね押し体7510〜7530がそれぞれ各突出ピン7500a〜7500dにより押圧され、センサ800側へ向けてスライド移動される(即ち、内ばね部材7601、中ばね部材7602及び外ばね部材7603の全てが弾性変形される)。よって、この状態における合計のばね定数は、内ばね部材7601のばね定数(k=1)と、中ばね部材7602のばね定数(k=2)と、外ばね部材7603のばね定数(k=2.5)との和となり、「5.5」となる。
【0290】
以上のように、第7実施の形態では、回転板7500を回転操作して、逃がし穴7512〜7513と各突出ピン7500a〜7500dとの位置関係を調整することで、複数のばね部材7601〜7603の組み合わせを変更して、スタートレバー71に付勢される付勢力の大きさを切り替えることができる。これにより、付勢力の大きさを任意に選択することができ、その結果、遊技者に適した操作感でスタートレバー71を操作させることができる。
【0291】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0292】
上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0293】
上記第1から第3実施の形態において、内枠400の回転位置(位相)を検出するセンサを設け、内枠400が適正な回転位置にあるか否か(即ち、スライダ500の被押圧板501がスタートレバー71の基端面に対向する位置にあるか否か)を検出して報知するようにしても良い。これにより、スタートレバー71の操作によりスライダ500を確実に変位させることができると共に、内枠400が不適切な位置にある場合の操作により内枠400等が損傷することを抑制できる。
【0294】
上記第1から第3実施の形態では、内枠400に正面板401に緩衝材保持部403を凹設し、この緩衝材保持部403に緩衝材900を敷設することで、内枠400の回転位置が不適切な場合でも、スタートレバー71の基端面が内枠400の正面板401を直接押圧することを回避して、その破損を防止する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、緩衝材保持部403の敷設を省略しても良い。この場合には、緩衝材保持部403の凹設深さを確保して、スタートレバー71が最大操作された場合にその基端面が内枠400の正面板401を直接押圧しないようにすることが好ましい。
【0295】
上記第4及び第5実施の形態では、内枠4400に外周ギヤ4402を設け、この外周ギヤ4402に歯合する歯車4405bを回転させることで、内枠4400を回転させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、内枠4400にレバーを固着し(例えば、第1又は第2実施の形態で説明した調整レバー405を内枠400に固着した構造と同等)、このレバーを操作することで、内枠4400を回転させても良い。
【0296】
上記各実施の形態では、スタートレバー71の操作に伴い、弾性部材600、各ばね部材7601〜7603及び戻しばね7604が圧縮変形され、その弾性回復力でスタートレバー71に付勢力を付与する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、スタートレバー71の操作に伴い、弾性部材600等が引張変形されるように構成することは当然可能である。
【0297】
上記各実施の形態では、弾性部材600、各ばね部材7601〜7603及び戻しばね7604がゴム状弾性体から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これら弾性部材600等をウレタンや金属材料などの他の弾性材料から構成することは当然可能である。また、弾性部材600等が筒状に形成される場合を説明したが、その形状は任意であり、他の形状であっても良い。よって、弾性部材600等を金属材料からコイルスプリングや板ばねとして構成しても良い。
【0298】
上記第7実施の形態では、各ばね部材7601〜7603がそれぞれ異なる特性(ばね定数)を有して構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これらの一部または全部を同じ特性(ばね定数)とすることは当然可能である。これにより、複数種類の弾性部材を準備する必要がなく、同種類のものを流用できるので、その分、部品コストを削減できる。なお、第1から第3実施の形態における複数の弾性部材600についても同様である。
【0299】
上記各実施の形態では、本発明をスタートレバー71に適用する形態を例に説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、付勢手段により付勢され操作可能な操作手段であれば、本発明を他の操作手段に適用しても良い。なお、他の操作手段としては、例えば、クレジット投入スイッチ、ストップスイッチ、球貸しスイッチや返却スイッチ、或いは、液晶表示装置に表示される映像を切り替えるスイッチなどが例示される。なお、操作手段としては、遊技者が操作可能なものには限られない。よって、他の操作手段としては、設定変更スイッチや電源スイッチ等の遊技機内に配設される操作手段であっても良い。
【0300】
上記実施形態では、本発明をスロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用しても良い。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入およびメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入および球払出機能を持たせた遊技機としても良い。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは、球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおける、遊技価値たるメダルと球との別個の取り扱いによる設備上の負担や遊技機設置場所の制約といった問題を解消し得る。
【0301】
また、本発明をパチンコ機に適用することも可能である。パチンコ機の場合、外枠に遊技機本体が装着されるとともに、遊技機本体の前面側に扉部材が設けられる。遊技機本体には、遊技球飛翔領域としての遊技領域が形成されるとともに作動口や液晶表示装置などが設置された遊技盤が搭載され、扉部材に設けられた視認窓により、遊技領域や液晶表示装置が視認可能となっている。そして、遊技球発射装置により発射された遊技球が作動口に入賞することに伴い、内部抽選が行われると共に液晶表示装置上にて絵柄の可変表示が行われる。かかるパチンコ機に上記実施形態の表示制御装置とサブ制御装置との構成を適用した場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
【0302】
更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0303】
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0304】
以下に、本発明の遊技機に加えて、上記実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
【0305】
操作可能に構成される操作手段と、その操作手段に操作方向とは反対方向への付勢力を付与する付勢手段と、前記操作手段が所定位置まで操作されたことを検出する検出手段と、を備えた遊技機において、付勢力の大きさがそれぞれ異なる複数の前記付勢手段を備え、それら複数の付勢手段の内から前記操作手段に付勢力を付与する付勢手段を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機A1。
【0306】
遊技機A1によれば、付勢手段から付与される付勢力により、操作手段の操作時には遊技者に操作感を与えることができる一方、操作終了後には操作手段を初期位置へ復帰させることができる。この場合、遊技機A1では、付勢力の大きさがそれぞれ異なる複数の付勢手段を備え、それら複数の付勢手段の内から操作手段に付勢力を付与する付勢手段を切り替えることができるので、操作手段に付与する付勢力の大きさを任意に選択することができるという効果がある。これにより、遊技者に適した操作感で操作手段を操作させることができるという効果がある。
【0307】
遊技機A1において、前記操作手段が配設されると共に遊技機本体に固定される第1部材と、その第1部材に対して移動可能に形成されると共に前記複数の付勢手段が配設される第2部材とを備え、前記第2部材が第1部材に対して移動されることで、前記複数の付勢手段の内のいずれか1の付勢手段が、前記操作手段に付勢力を付与可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機A2。
【0308】
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1部材に操作手段が配設されると共に、第2部材に複数の付勢手段が配設され、第2部材が第1部材に対して移動されることで、複数の付勢手段の内のいずれか1の付勢手段が、操作手段に付勢力を付与可能な位置に配置されるので、複数の付勢力の中から任意の付勢力を選択することができる。よって、遊技者に適した操作感で操作手段を操作させることができる。この場合、操作手段が配設される第1部材は遊技機本体に固定されているので、操作手段の操作位置を変更することなく、付勢力のみを変更することができる。即ち、付勢力を変更しても、操作手段の操作は同じ位置で行うことができるので、その操作性を確保することができるという効果がある。
【0309】
遊技機A2において、前記第2部材は、回転軸まわりに回転可能に形成され、前記複数の付勢手段は、前記回転軸の周囲に分散配置され、前記第2部材が回転軸まわりに回転されることで、前記複数の付勢手段の内の1の付勢手段が順に前前記操作手段に付勢力を付与可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機A3。
【0310】
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、第2部材は、回転軸まわりに回転可能に形成され、複数の付勢手段は、回転軸の周囲に分散配置されるので、第2部材を回転軸まわりに回転させることで、複数の付勢手段の内の1の付勢手段を順に操作手段に付勢力を付与可能な位置に配置することができる。この場合、第2部材の回転に伴い複数の付勢手段が回転移動する際には、それら各付勢手段の移動軌跡を重ねることができるので、その分、複数の付勢手段の移動に必要とされる領域を少なくすることができ、小型化を図ることができるという効果がある。
【0311】
遊技機A2又はA3において、前記第2部材に固着されると共に前記遊技機本体の前面側に突出される切替操作部を備えることを特徴とする遊技機A4。
【0312】
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、第2部材に固着されると共に遊技機本体の前面側に突出される切替操作部を備えるので、かかる切替操作部を利用することで、第2部材の移動、即ち、付勢力の変更を容易に行うことができるという効果がある。特に、切替操作部が遊技機本体の前面側に突出されているので、遊技者に適した付勢力への変更を、遊技を行いつつ、遊技者自身がその状況に応じて任意に行うことができるという効果がある。
【0313】
遊技機A2又はA3において、前記第2部材に固着されると共に前記遊技機本体の内部に配設される切替操作部を備えることを特徴とする遊技機A5。
【0314】
遊技機A5によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、第2部材に固着されると共に遊技機本体の内部に配設される切替操作部を備えるので、かかる切替操作部を利用することで、遊技機本体の内部の狭いスペースにおいても、第2部材の移動、即ち、付勢力の変更を容易に行うことができるという効果がある。また、このように、切替操作部を遊技機本体の内部に配設することで、切替操作部を露出させるための開口を遊技機本体の前面側に形成することを不要とすることができるので、その分、不正行為を行い難くすることができるという効果がある。
【0315】
遊技機A4又はA5において、前記切替操作部の移動を案内する案内通路を備え、その案内通路によって前記切替操作部の移動が案内されることで、前記第2部材が第1部材に対して移動されることを特徴とする遊技機A6。
【0316】
遊技機A6によれば、遊技機A4又はA5の奏する効果に加え、切替操作部の移動が案内通路によって案内されることで、第2部材が第1部材に対して移動されるので、切替操作部を利用することで、第2部材を第1部材に対して適正な方向へスムーズに移動させることができるという効果がある。
【0317】
遊技機A6において、前記切替操作部は、前記案内通路の側壁に当接されることで弾性変形され、その弾性変形に伴う弾性回復力により前記案内通路の側壁を押圧しつつ前記案内通路の側壁に沿って案内され、前記案内通路は、前記切替操作部が当接される側壁に凹設され前記切替操作部が係合可能な複数の凹部を備え、その凹部に前記切替操作部が係合されることで、前記複数の付勢手段の内のいずれか1の付勢手段が、前記操作手段に付勢力を付与可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機A7。
【0318】
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、案内通路は、切替操作部が係合可能な複数の凹部を備え、その凹部に切替操作部が係合されることで、複数の付勢手段の内のいずれか1の付勢手段を、操作手段に付勢力を付与可能な位置に配置できる。よって、切替操作部を凹部に係合させることで、操作手段に付勢力を付与可能な位置に付勢手段を確実に配置させることができると共に、切替操作部が凹部に係合されているかに基づいて、操作手段に付勢力を付与可能な位置に付勢手段が配置されているかを確実に判断することができるという効果がある。
【0319】
更に、切替操作部は、案内通路の側壁に当接されることで弾性変形され、その弾性変形に伴う弾性回復力により案内通路の側壁を押圧しつつ案内通路の側壁に沿って案内され、案内通路の凹部は、切替操作部が当接される側壁に凹設されているので、案内通路の側壁に沿って切替操作部を移動させると、切替操作部は、その弾性回復力によって凹部へ自ら係合する。これにより、操作手段に付勢力を付与可能な位置に付勢手段を配置するという作業を確実かつ容易に行うことができるという効果がある。
【0320】
遊技機A6又はA7において、前記第2部材は、回転軸まわりに回転可能に形成され、前記複数の付勢手段は、前記回転軸の周囲に分散配置され、前記切替操作部は、前記第2部材の回転軸方向端面に固着されると共に、前記案内通路は、第1部材であって前記第2部材の回転軸方向端面に対面する部分に形成され、前記第2部材が回転軸まわりに回転されることで、前記複数の付勢手段の内の1の付勢手段が順に前前記操作手段に付勢力を付与可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機A8。
【0321】
遊技機A8によれば、遊技機A6又はA7の奏する効果に加え、切替操作部を第2部材の回転軸方向端面に固着すると共に、案内通路を第1部材であって第2部材の回転軸方向端面に対面する部分に形成することで、第1部材の上記部分に案内通路を開口させると共にその開口へ向けて切替操作部を第2部材の端面から突出させるのみで、切替操作部の移動が案内通路により案内される構造を得ることができる。よって、第2部材を第1部材に対して移動させる構造を簡素化して、製造コストを削減できると共に、小型化を図ることができるという効果がある。また、第1部材が、操作手段を配設するための部材と、案内通路を形成するための部材との両者を兼用する構成とすることで、案内通路を形成するための部材を別途設けることを不要とできるので、その分、製品コストの削減を図ることができる。更に、第1部材に案内通路を形成することで、操作手段と切替操作部とを並設することができるので、遊技者の操作性の向上を図ることができるという効果がある。
【0322】
遊技機A8において、前記第2部材は、前記軸方向端面を形成し前記付勢手段の移動軌跡に対応する領域に覆設される覆設板を備えることを特徴とする遊技機A9。
【0323】
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、第2部材は、軸方向端面を形成し付勢手段の移動軌跡に対応する領域に覆設される覆設板を備えるので、第2部材の内部側を覆設板により遮蔽することができるという効果がある。その結果、第1部材に案内通路が開口されている場合でも、かかる案内通路を介して第2部材の内部側へ異物が挿入されることを抑制することができる。
【0324】
遊技機A3において、前記第2部材は、前記回転軸まわりに360度以上の範囲で回転可能に形成されることを特徴とする遊技機A10。
【0325】
遊技機A10によれば、第2部材が回転軸まわりに360度以上の範囲で回転可能に形成されるので、操作手段に付勢力を付与する付勢手段を選択する際の選択動作を効率化できるという効果がある。即ち、複数の付勢手段は、回転軸の周囲に分散配置(周方向に沿って配置)されているので、周方向に沿って第1の付勢手段、第2の付勢手段、・・・、第nの付勢手段が配置されている場合に、第2部材の回転可能な範囲が360度より少ないと、例えば、第2部材が一方向終点まで回転されることで、第1の付勢部材が選択された状態から、その第1の付勢手段に隣接する第nの付勢部材を選択するためには、第2部材を他方向終点へ向けてほぼ1回転分戻さなければならないところ、遊技機A10であれば、第2部材を一方向へ向けて更に回転させることで、第nの付勢手段を選択することができるので、選択動作に必要な操作量を少なくして、その効率化を図ることができる。
【0326】
操作可能に構成される操作手段と、その操作手段に操作方向とは反対方向への付勢力を付与する付勢手段と、前記操作手段が所定位置まで操作されたことを検出する検出手段と、を備えた遊技機において、前記付勢手段は、前記操作手段の操作に伴い弾性変形されると共にその弾性変形時の弾性復元力により前記操作手段に操作方向とは反対方向への付勢力を付与する弾性部材を備え、前記操作手段が操作されていない状態での前記弾性部材の弾性変形量が調整可能に構成されることを特徴とする遊技機B1。
【0327】
遊技機B1によれば、付勢手段から付与される付勢力により、操作手段の操作時には遊技者に操作感を与えることができる一方、操作終了後には操作手段を初期位置へ復帰させることができる。この場合、遊技機B1では、操作手段が操作されていない状態での弾性部材の弾性変形量を調整することができるので、操作手段に付与する付勢力の大きさを任意に調整することができるという効果がある。即ち、弾性部材を弾性変形させるのに必要な力は、その弾性部材の弾性変形量に比例するので、弾性変形量が基準値よりも大きな状態で弾性部材を弾性変形させるには大きな力が必要となる一方、弾性変形量が基準値よりも小さな状態で弾性部材を弾性変形させるのに必要な力は小さくなる。よって、弾性部材の弾性変形量を基準値から変更することで、操作手段が操作された際にその操作方向とは反対方向へ付与する付勢力の大きさを変更できる。これにより、操作手段の操作に必要な力を変更できるので、遊技者に適した操作感で操作手段を操作させることができるという効果がある。また、操作手段に付与する付勢力の大きさを、1の弾性部材により調整することができ、異なる大きさの付勢力を付与するために複数の弾性部材を設けるという必要がないので、その分、製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
【0328】
遊技機B1において、前記操作手段が配設されると共におねじ又はめねじが形成され遊技機本体に固定されるケース部材を備え、前記付勢手段は、前記ケース部材のおねじ又はめねじに螺合可能なめねじ又はおねじが形成されると共に前記弾性部材を介して前記操作手段に連結される螺合部材を備え、前記ケース部材に対して螺合部材が螺進することで、前記螺合部材と操作手段との間の間隔が変更され、前記操作手段が操作されていない状態での前記弾性部材の弾性変形量が調整されることを特徴とする遊技機B2。
【0329】
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、ケース部材におねじ又はめねじが形成されると共にそのケース部材に螺合可能なめねじ又はおねじが螺合部材に形成され、ケース部材に螺合された螺合部材を回転させることで、かかる螺合部材を螺進させることができるので、螺合部材と操作手段との間の間隔を変更して、操作手段が操作されていない状態での弾性部材の弾性変形量を調整することができる。これにより、操作手段に付与する付勢力の大きさを任意に調整することができるので、遊技者に適した操作感で操作手段を操作させることができる。このように遊技機B2では、螺合部材を回転させることで、その回転運動を直線運動に変換するので、弾性部材の弾性変形量を調整するための構造を小型化することができるという効果がある。また、弾性部材の弾性変形量を連続的に調整することができるので、遊技者に適した操作感を確実に得ることができるという効果がある。更に、螺合部材を1回転させても、螺進する量はおねじ及びめねじの1ピッチ分だけなので、弾性部材の弾性変形量の微調整を容易に行うことができるという効果がある。なお、操作手段が配設されるケース部材は遊技機本体に固定されているので、操作手段の操作位置を変更することなく、付勢力のみを変更することができる。即ち、付勢力を変更しても、操作手段の操作は同じ位置で行うことができるので、その操作性を確保することができるという効果がある。
【0330】
遊技機B2において、前記螺合部材と操作手段との間の間隔が最大となる位置で前記螺合部材の螺進を規制する第1規制手段と、前記螺合部材と操作手段との間の間隔が最小となる位置で前記螺合部材の螺進を規制する第2規制手段とを備え、前記螺合部材と操作手段との間が最大から最小となる範囲内では、前記弾性部材が弾性変形され、その弾性部材の弾性回復力により前記ケース部材および螺合部材のおねじとめねじとの間に予圧が作用されることを特徴とする遊技機B3。
【0331】
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、螺合部材と操作手段との間が最大から最小となる範囲内では、弾性部材が弾性変形されているので、その弾性部材の弾性回復力によりケース部材および螺合部材のおねじとめねじとの間に予圧を作用させることができる。これにより、おねじとめねじとの間に隙間が発生することを抑制して、螺合部材のがたつきを抑制できるので、その分、操作手段の操作感の向上を図ることができるという効果がある。また、このように、おねじとめねじとの間に予圧を作用させることで、おねじとめねじとの間に作用する摩擦力を利用して、螺合手段の回転位置を保持し易くすることができる。これにより、螺合手段の回転位置を保持するための機構を不要として、製品コストの削減を図ることができる。
【0332】
遊技機B2又はB3において、前記付勢手段は、前記螺合部材に連結されると共に前記遊技機本体の前面側に突出され前記螺合部材を回転させる回転操作部を備えることを特徴とする遊技機B4。
【0333】
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、螺合部材に連結されると共に遊技機本体の前面側に突出される回転操作部を付勢手段が備えるので、かかる回転操作部を利用することで、螺合部材の回転、即ち、付勢力の変更を容易に行うことができるという効果がある。特に、回転操作部が遊技機本体の前面側に突出されているので、遊技者に適した付勢力への変更を、遊技を行いつつ、遊技者自身がその状況に応じて任意に行うことができるという効果がある。
【0334】
遊技機B2又はB3において、前記付勢手段は、前記螺合部材に連結されると共に前記遊技機本体の内部に配設され前記螺合部材を回転させる回転操作部を備えることを特徴とする遊技機B5。
【0335】
遊技機B5によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、螺合部材に連結されると共に遊技機本体の内部に配設される回転操作部を付勢手段が備えるので、かかる回転操作部を利用することで、遊技機本体の内部の狭いスペースにおいても、螺合部材の移動、即ち、付勢力の変更を容易に行うことができるという効果がある。また、このように、回転操作部を遊技機本体の内部に配設することで、回転操作部を露出させるための開口を遊技機本体の前面側に形成することを不要とすることができるので、その分、不正行為を行い難くすることができるという効果がある。
【0336】
遊技機B4又はB5において、前記螺合部材は、前記おねじ及びめねじと同心に形成される第1歯車を備え、前記回転操作部は、前記螺合部材の第1歯車に歯合する第2歯車を備え、前記回転操作部の第2歯車の回転に伴い、前記第1歯車を介して前記螺合部材が回転されることで、螺合部材が螺進されることを特徴とする遊技機B6。
【0337】
遊技機B6によれば、遊技機B4又はB5の奏する効果に加え、おねじ及びめねじと同心に形成される第1歯車を螺合部材が備えると共に、その螺合部材の第1歯車に歯合する第2歯車を回転操作部が備えるので、回転操作部を操作して第2歯車を回転させることで、その回転が第1歯車を介して螺合部材に伝達される。これにより、螺合部材を回転させることができるので、螺合部材を螺進させる動作を容易に行うことができるという効果がある。
【0338】
遊技機B1において、前記操作手段が配設されると共に遊技機本体に固定されるケース部材を備え、前記付勢手段は、前記ケース部材に対しスライド移動可能に形成されると共に前記弾性部材を介して前記操作手段に連結されるスライド部材と、そのスライド部材に配設され内周面にめねじが形成されたナット部材と、そのナット部材のめねじに螺合されるおねじが形成され前記ケース部材に回転可能に軸支されるボルト部材とを備え、ボルト部材の回転に伴い前記ナット部材が螺進し、前記スライド部材が前記ケース部材に対してスライドすることで、前記スライド部材と操作手段との間の間隔が変更され、前記操作手段が操作されていない状態での前記弾性部材の弾性変形量が調整されることを特徴とする遊技機B7。
【0339】
遊技機B7によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、ケース部材に対しスライド部材がスライド可能に形成され、そのスライド部材に配設されたナット部材のめねじにボルト部材のおねじが螺合されているので、ボルト部材を回転させることで、ナット部材がボルト部材に沿って螺進され、この螺進に伴ってスライド部材をスライドさせることができる。よって、スライド部材と操作手段との間の間隔を変更して、操作手段が操作されていない状態での弾性部材の弾性変形量を調整することができる。これにより、操作手段に付与する付勢力の大きさを任意に調整することができるので、遊技者に適した操作感で操作手段を操作させることができる。このように遊技機B7では、回転運動を直線運動に変換するので、弾性部材の弾性変形量を調整するための構造を小型化することができるという効果がある。また、弾性部材の弾性変形量を連続的に調整することができるので、遊技者に適した操作感を確実に得ることができるという効果がある。更に、ボルト部材を1回転させても、ボルト部材が螺進する量(即ち、スライド部材がスライドする量)はおねじ及びめねじの1ピッチ分だけなので、弾性部材の弾性変形量の微調整を容易に行うことができるという効果がある。また、回転運動の直線運動への変換は、ボルト部材およびナット部材により行われ、スライド部材は回転されないので、弾性部材がねじれることを抑制できるという効果がある。なお、操作手段が配設されるケース部材は遊技機本体に固定されているので、操作手段の操作位置を変更することなく、付勢力のみを変更することができる。即ち、付勢力を変更しても、操作手段の操作は同じ位置で行うことができるので、その操作性を確保することができるという効果がある。
【0340】
遊技機B7において、前記スライド部材と操作手段との間の間隔が最大となる位置で前記ナット部材の螺進を規制する第3規制手段と、前記スライド部材と操作手段との間の間隔が最小となる位置で前記ナット部材の螺進を規制する第4規制手段とを備え、前記スライド部材と操作手段との間が最大から最小となる範囲内では、前記弾性部材が弾性変形され、その弾性部材の弾性回復力により前記ボルト部材およびナット部材のおねじとめねじとの間に予圧が作用されることを特徴とする遊技機B8。
【0341】
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、スライド部材と操作手段との間が最大から最小となる範囲内では、弾性部材が弾性変形されているので、その弾性部材の弾性回復力によりボルト部材のおねじとナット部材のめねじとの間に予圧を作用させることができる。これにより、おねじとめねじとの間に隙間が発生することを抑制して、スライド部材のがたつきを抑制できるので、その分、操作手段の操作感の向上を図ることができるという効果がある。
【0342】
遊技機B7又はB8において、前記付勢手段は、前記ボルト部材に連結されると共に前記遊技機本体の前面側に突出され前記ボルト部材を回転させる回転操作部を備えることを特徴とする遊技機B9。
【0343】
遊技機B9によれば、遊技機B7又はB8の奏する効果に加え、ボルト部材に連結されると共に遊技機本体の前面側に突出される回転操作部を付勢手段が備えるので、かかる回転操作部を利用することで、ボルト部材の回転、即ち、付勢力の変更を容易に行うことができるという効果がある。特に、回転操作部が遊技機本体の前面側に突出されているので、遊技者に適した付勢力への変更を、遊技を行いつつ、遊技者自身がその状況に応じて任意に行うことができるという効果がある。
【0344】
遊技機B7又はB8において、前記付勢手段は、前記ボルト部材に連結されると共に前記遊技機本体の内部に配設され前記螺合部材を回転させる回転操作部を備えることを特徴とする遊技機B10。
【0345】
遊技機B10によれば、遊技機B7又はB8の奏する効果に加え、ボルト部材に連結されると共に遊技機本体の内部に配設される回転操作部を付勢手段が備えるので、かかる回転操作部を利用することで、遊技機本体の内部の狭いスペースにおいても、ボルト部材の回転、即ち、付勢力の変更を容易に行うことができるという効果がある。また、このように、回転操作部を遊技機本体の内部に配設することで、回転操作部を露出させるための開口を遊技機本体の前面側に形成することを不要とすることができるので、その分、不正行為を行い難くすることができるという効果がある。
【0346】
操作可能に構成される操作手段と、その操作手段に操作方向とは反対方向への付勢力を付与する付勢手段と、前記操作手段が所定位置まで操作されたことを検出する検出手段と、を備えた遊技機において、前記付勢手段を複数備え、それら複数の付勢手段の内から前記操作手段に付勢力を付与する付勢手段の組み合わせが選択可能に構成されることを特徴とする遊技機C1。
【0347】
遊技機C1によれば、付勢手段から付与される付勢力により、操作手段の操作時には遊技者に操作感を与えることができる一方、操作終了後には操作手段を初期位置へ復帰させることができる。この場合、遊技機C1では、付勢手段を複数備え、それら複数の付勢手段の内から操作手段に付勢力を付与する付勢手段の組み合わせが選択可能に構成されるので、その選択された付勢手段の組み合わせに応じて、操作手段に付与する付勢力の大きさを任意に変更することができるという効果がある。これにより、遊技者に適した操作感で操作手段を操作させることができるという効果がある。なお、付勢手段の組み合わせの選択とは、複数の付勢手段の中から1又は複数の付勢手段を選択することを意味する。
【0348】
遊技機C1において、前記複数の付勢手段と前記操作手段との間に配設され前記付勢手段からの付勢力を前記操作手段へ伝達する伝達手段を備え、前記伝達手段が前記複数の不正手段に対して相対移動可能に形成され、その伝達手段の前記複数の付勢手段に対する相対移動位置に応じて、前記操作手段に付勢力を付与する付勢手段の組み合わせが変更されることを特徴とする遊技機C2。
【0349】
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、複数の付勢手段と操作手段との間に配設され付勢手段からの付勢力を操作手段へ伝達する伝達手段を備え、操作手段の操作時には、伝達手段を介して、付勢手段の付勢力が操作手段に付与されることで、遊技者に操作感を付与することができる。この場合、伝達手段が移動可能に形成され、その伝達手段の移動位置に応じて、操作手段に付勢力を付与する付勢手段の組み合わせが変更されるので、伝達手段を移動操作することで、操作手段に付与する付勢力の大きさの変更を容易に行うことができるという効果がある。
【0350】
遊技機C2において、前記複数の付勢手段は、筒状に形成され前記伝達手段に対向する側の端面に少なくとも1の突部または凹部が突設または凹設される筒状部材と、その筒状部材を前記伝達手段へ向けて付勢する弾性部材とをそれぞれ備えると共に、前記複数の付勢手段の各筒状部材は、それぞれ異なる径寸法を有し径寸法の小さいものが径寸法の大きいものの内周側に順に入れ子状に内挿配置され、前記伝達手段は、前記突部を受け入れる複数の凹部または前記凹部に受け入れられる複数の突部が前記複数の筒状部材の各端面との対向面にそれぞれ凹設または突設されると共に、前記筒状部材と同心に相対回転移動可能かつ前記操作手段の操作に伴い前記筒状部材の端面へ向けて近接可能に形成され、前記操作手段の操作に伴い前記伝達手段が前記筒状部材の端面へ向けて近接されると、前記突部が凹部に受け入れられた前記筒状部材からは前記伝達手段へ付勢力が伝達されない一方、前記突部が凹部に受け入れられていない前記筒状部材からは、前記突部が前記端面または対向面に当接され前記伝達手段と共に前記筒状部材が変位され対応する前記弾性部材が弾性変形されることで、前記伝達手段を介して前記操作手段へ付勢力が伝達され、前記伝達手段の前記複数の筒状部材に対する相対回転位置に応じて、前記凹部に受け入れられる突部の数が変更され、前記操作手段に付与する付勢力の大きさが変更されることを特徴とする遊技機C3。
【0351】
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、複数の筒状部材の各端面に突部または凹部が形成されると共に伝達手段の対向面に凹部または突部が形成され、操作手段の操作に伴い伝達手段が筒状部材の端面へ向けて近接されると、突部が凹部に受け入れられた筒状部材からは伝達手段へ付勢力が伝達されない一方、突部が凹部に受け入れられていない筒状部材からは、突部が端面または対向面に当接され伝達手段と共に筒状部材が変位され対応する弾性部材が弾性変形されることで、伝達手段を介して操作手段へ付勢力が伝達されるので、突部が凹部に受け入れられ伝達手段と共に変位される筒状部材の数(即ち、弾性変形される弾性部材の数)に応じて操作手段に付与する付勢力の大きさを任意に変更することができ、その結果、遊技者に適した操作感で操作手段を操作させることができるという効果がある。
【0352】
また、この場合、伝達手段が回転可能に形成され、その伝達手段の回転位置に応じて、凹部に受け入れられる突部の数が変更されるので、伝達手段を回転操作することで、操作手段に付与する付勢力の大きさの変更を容易に行うことができるという効果がある。
【0353】
更に、複数の筒状部材は、それぞれ径寸法が異なる筒状に形成され、入れ子状に内周側に順に内挿されているので、付勢手段全体の小型化を図ることができるという効果がある。これにより、付勢手段の配設スペースが限られる場合であっても、筒状部材の配設数を確保することができるので、選択できる付勢力の組み合わせの種類を多くして、遊技者に適した操作感を得やすくすることができるという効果がある。
【0354】
遊技機C3において、前記複数の筒状部材の前記伝達手段に対向する端面とは反対側の端面と前記検出手段との間に配設され、前記複数の筒状部材の内の少なくともいずれか1の筒状部材が変位されることで変位される変位部材を備え、前記変位部材の変位が前記検出手段により検出されることを特徴とする遊技機C4。
【0355】
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、複数の筒状部材と検出手段との間に配設され、複数の筒状部材の内のいずれか1の筒状部材の変位に伴い変位される変位部材を備えるので、検出手段の必要数を低減して、製品コストの削減を図ることができるという効果がある。即ち、操作手段の操作時に変位される筒状部材は、伝達手段の回転位置に応じて変化するため、検出手段が筒状部材の変位を検出する構成では、筒状部材の配設数だけ検出手段が必要となる。これに対し、遊技機C4では、複数の筒状部材の内の少なくともいずれか1の筒状部材が変位されれば変位部材が変位され、かかる変位部材の変位を検出することで、操作手段の操作を検出することができるので、検出手段の必要数を1とすることができる。
【0356】
また、このように、筒状部材の伝達手段に対向する端面とは反対側の端面側に変位部材を配設することで、検出手段を操作部材から離間した位置に配設することができるので、その分、検出手段に対する不正行為を行い難くすることができるという効果がある。
【0357】
遊技機C4において、前記複数の筒状部材および前記検出手段が収納され前記遊技機本体に固定されるケース部材を備え、前記変位部材は、前記複数の筒状部材と前記検出手段との間の前記ケース部材の内部空間に覆設されることを特徴とする遊技機C5。
【0358】
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、変位部材は、複数の筒状部材と検出手段との間の前記ケース部材の内部空間に覆設されるので、検出手段を遮蔽することができるという効果がある。その結果、変位部材よりも操作手段側に開口や隙間が形成される場合であっても、検出手段側へ異物が挿入されることを抑制して、検出手段に対する不正行為を行い難くすることができるという効果がある。
【0359】
遊技機C3からC5のいずれかにおいて、前記複数の筒状部材および前記検出手段が収納され前記遊技機本体に固定されるケース部材を備え、前記複数の筒状部材は、前記ケース部材に回転不能かつ軸方向へ移動可能に支持され、前記伝達手段は、前記ケース部材に回転可能かつ軸方向へ移動可能に支持されることを特徴とする遊技機C6。
【0360】
遊技機C6によれば、遊技機C3からC5のいずれかの奏する効果に加え、複数の筒状部材は、ケース部材に回転不能かつ軸方向へ移動可能に支持され、伝達手段は、ケース部材に回転可能かつ軸方向へ移動可能に支持されるので、複数の筒状部材に対する伝達手段の相対回転移動を可能としつつ、その相対回転移動を可能とする構造を簡素化することができるという効果がある。
【0361】
遊技機C3からC6のいずれかにおいて、前記複数の筒状部材の各端面に突設される突部または前記複数の筒状部材の内の1の筒状部材の端面に対応して前記伝達手段の対向面に突設される突部は、軸心を挟んだ一方側と他方側とに少なくとも1以上ずつが配設されることを特徴とする遊技機C7。
【0362】
遊技機C7によれば、遊技機C3からC6のいずれかの奏する効果に加え、複数の筒状部材の各端面に突設される突部または複数の筒状部材の内の1の筒状部材の端面に対応して伝達手段の対向面に突設される突部は、軸心を挟んだ一方側と他方側とに少なくとも1以上ずつが配設されるので、突部が筒状部材の端面または伝達手段の対向面に当接され、伝達手段と共に筒状部材が変位される場合に、伝達手段や筒状部材をスムーズに変位させることができるという効果がある。
【0363】
遊技機C3からC7のいずれかにおいて、前記遊技機本体に固定されるケース部材と、そのケース部材に回転可能に軸支される回転操作部とを備え、前記伝達手段は、その伝達手段と同心に形成される第3歯車を備え、前記回転操作部は、前記伝達手段の第3歯車に歯合する第4歯車を備え、前記回転操作部が回転操作されることで、第4歯車を介して第3歯車に回転が伝達され、前記伝達手段が回転移動されることを特徴とする遊技機C8。
【0364】
遊技機C8によれば、遊技機C3からC7のいずれかの奏する効果に加え、第3歯車を伝達手段が備えると共に、その第3歯車に歯合する第4歯車を回転操作部が備えるので、回転操作部を回転操作することで、第4歯車を介して第3歯車に回転を伝達して、伝達手段を回転させることができる。よって、回転操作部を利用することで、伝達手段の回転移動を容易に行うことができるという効果がある。
【0365】
遊技機C3からC8のいずれかにおいて、前記複数の弾性部材はそれぞれ同じばね特性を有していることを特徴とする遊技機C9。
【0366】
遊技機C9によれば、複数の弾性部材はそれぞれ同じばね特性を有しているので、複数種類の弾性部材を準備する必要がなく、その分、部品コストを削減することができるという効果がある。
【0367】
遊技機C3からC8のいずれかにおいて、前記複数の弾性部材の内の少なくとも一部の弾性部材は他の弾性部材と異なるばね特性を有していることを特徴とする遊技機C10。
【0368】
遊技機C10によれば、複数の弾性部材の内の少なくとも一部の弾性部材は他の弾性部材と異なるばね特性を有しているので、これら複数の弾性部材を組み合わせることで、操作部材に付与する付勢力を細かく調整することができるという効果がある。
【0369】
遊技機A1からA10、B1からB10又はC1からC10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機D1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0370】
遊技機A1からA10、B1からB10又はC1からC10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機D2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0371】
遊技機A1からA10、B1からB10又はC1からC10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機D3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【符号の説明】
【0372】
10 スロットマシン(遊技機)
11 筐体(遊技機本体の一部)
12 前面扉(遊技機本体の一部)
71 スタートレバー(操作手段)
200、2200,3200 前外枠(第1部材)
203,2203 案内通路
203a,2203a 係合凹部(凹部)
400 内枠(第2部材)
6400 内枠(スライド部材)
6403 凸設部(ナット部材)
401 正面板(覆設板)
405、2405 調整レバー(切替操作部)
4405,5405 調整回転子(回転操作部)
4405b 歯車(第2歯車)
6405 調整回転子(ボルト部材、回転操作部)
7405 調整回転子(第4歯車)
4250 第1中間外枠(ケース部材の一部)
4350 第2中間外枠(ケース部材の一部)
4252a 第1規制部(第1規制手段または第3規制手段)
4352a 第2規制面(第2規制手段または第4規制手段)
4400 内枠(螺合部材)
4402 外周ギヤ(第1歯車)
7500 回転板(伝達手段)
7503 歯車筒部(第3歯車)
7504a 第1突出ピン(突部)
7504b 第2突出ピン(突部)
7504c 第3突出ピン(突部)
7504d 第4突出ピン(突部)
7510 内ばね押し体(筒状部材)
7520 中ばね押し体(筒状部材)
7250 中間外枠(ケース部材)
7530 外ばね押し体(筒状部材)
7512〜7532 逃がし孔(凹部)
7550 スライダ(変位部材)
600 弾性部材
7601 内ばね部材(弾性部材)
7602 中ばね部材(弾性部材)
7603 外ばね部材(弾性部材)
7610 戻しばね(弾性部材)
800 センサ(検出手段)
O 軸心(回転軸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作可能に構成される操作手段と、その操作手段に操作方向とは反対方向への付勢力を付与する付勢手段と、前記操作手段が所定位置まで操作されたことを検出する検出手段と、を備えた遊技機において、
付勢力の大きさがそれぞれ異なる複数の前記付勢手段を備え、それら複数の付勢手段の内から前記操作手段に付勢力を付与する付勢手段を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記操作手段が配設されると共に遊技機本体に固定される第1部材と、
その第1部材に対して移動可能に形成されると共に前記複数の付勢手段が配設される第2部材とを備え、
前記第2部材が第1部材に対して移動されることで、前記複数の付勢手段の内のいずれか1の付勢手段が、前記操作手段に付勢力を付与可能な位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2部材は、回転軸まわりに回転可能に形成され、
前記複数の付勢手段は、前記回転軸の周囲に分散配置され、
前記第2部材が回転軸まわりに回転されることで、前記複数の付勢手段の内の1の付勢手段が順に前前記操作手段に付勢力を付与可能な位置に配置されることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記第2部材に固着されると共に前記遊技機本体の前面側に突出される切替操作部を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2012−45117(P2012−45117A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188889(P2010−188889)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】