遊技機
【課題】複数種類の有利遊技を備え、各有利遊技を実行する実行権利をストック可能な遊技機において、複数種類の実行権利をストックしている場合における放出順序や放出タイミングを容易にコントロールすることができる遊技機を提供する。
【解決手段】実行権利を発生させる実行権利発生手段190、実行権利を実行権利の種類ごとにストックする実行権利ストック手段200、特定の遊技回数で有利遊技を開始する権利である特定開始権利を発生させる特定開始権利発生手段210及び特定開始権利をストックする特定開始権利ストック手段220を備え、実行権利をストックしている場合に、特定開始権利をストックしているときには特定の遊技回数が経過したときに有利遊技を開始し、特定開始権利をストックしていないときには特定の遊技回数と同一又は異なる遊技回数が経過したときに有利遊技を開始するように形成した。
【解決手段】実行権利を発生させる実行権利発生手段190、実行権利を実行権利の種類ごとにストックする実行権利ストック手段200、特定の遊技回数で有利遊技を開始する権利である特定開始権利を発生させる特定開始権利発生手段210及び特定開始権利をストックする特定開始権利ストック手段220を備え、実行権利をストックしている場合に、特定開始権利をストックしているときには特定の遊技回数が経過したときに有利遊技を開始し、特定開始権利をストックしていないときには特定の遊技回数と同一又は異なる遊技回数が経過したときに有利遊技を開始するように形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機、たとえばスロットマシンでは、RT(リプレイタイム)遊技や、AT(アシストタイム)遊技や、ART(アシストリプレイタイム)遊技などの通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技(有利遊技)が知られている。RT遊技は、通常遊技よりも再遊技役の当選確率を高く設定した遊技であり、また、AT遊技は、小役などの当選を遊技者に報知する遊技であり、また、ART遊技は、RT遊技とAT遊技とを同時に実行する遊技である。
また、従来から、所定の契機により有利遊技へ移行する権利をストックし、ストックしている権利を任意のタイミングで放出することにより、有利遊技を開始する遊技機が知られている。たとえば、特許文献1には、AT抽選に当選した場合に、BB終了後100ゲーム以内であるときには、ATモードに移行する権利を即放出し、BB終了後100ゲーム以降であるときには、ATモードに移行する権利をストックする遊技機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−220183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数種類の有利遊技を備え、各有利遊技を実行する権利をストック可能とした場合には、複数種類の有利遊技のそれぞれに対応した権利をストックしている場合における放出順序や放出のタイミングをコントロールしようとすると、プログラムが煩雑となることがあった。
そこで、本発明は、複数種類の有利遊技を備え、各有利遊技を実行する権利をストック可能な遊技機において、複数種類の有利遊技のそれぞれに対応した権利をストックしている場合における放出順序や放出のタイミングを容易にコントロールすることができ、プログラムを簡潔にすることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
各請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、通常の遊技である通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技である有利遊技を備え、有利遊技として、複数種類の有利遊技を備え、有利遊技を実行する権利であって各有利遊技に対応した権利であるいずれかの実行権利を有している場合に、対応する有利遊技を実行可能な遊技機であって、実行権利を1又は複数個発生させる実行権利発生手段190と、実行権利発生手段190により発生された実行権利を実行権利の種類ごとにストックする実行権利ストック手段200と、実行権利ストック手段200により実行権利が少なくとも1個ストックされている場合に、特定の遊技回数で有利遊技を開始する権利である特定開始権利を1又は複数個発生させ得る特定開始権利発生手段210と、特定開始権利発生手段210により発生された特定開始権利をストックする特定開始権利ストック手段220と、を備え、実行権利ストック手段200により実行権利が少なくとも1個ストックされ、かつ特定開始権利ストック手段220により特定開始権利が少なくとも1個ストックされている場合には、特定の遊技回数が経過したときに、実行権利ストック手段200によりストックされている実行権利に対応した有利遊技を開始し、実行権利ストック手段200により実行権利が少なくとも1個ストックされ、かつ特定開始権利ストック手段220により特定開始権利がストックされていない場合には、特定の遊技回数と同一又は異なる遊技回数が経過したときに、実行権利ストック手段200によりストックされている実行権利に対応した有利遊技を開始するように形成されていることを特徴とする。
【0006】
ここで、「特定開始権利」は、特定の遊技回数で有利遊技を開始する権利である。また、「特定の遊技回数」には、「0回」も含まれるものである。
すなわち本発明では、各有利遊技ごとに実行権利をストックし、実行権利を少なくとも1個ストックしている場合に、特定開始権利をストックし得る。そして、特定開始権利をストックしている場合には、特定の遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始する。一方、特定開始権利をストックしていない場合には、特定の遊技回数と同一又は異なる遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始する。
【0007】
これにより、本発明によれば、特定の遊技回数をたとえば「0回」とした場合には、ストックしている実行権利の個数のうち何個分については連続して即放出するといったコントロールを容易に行うことができる。また、本発明によれば、各有利遊技ごとに実行権利をストックすることにより、放出順序のコントロールを容易に行うことができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の特徴に加え、実行権利を少なくとも1個は必ず発生させることが予め定められた確定契機が設定され、実行権利発生手段190は、確定契機においては、実行権利を少なくとも1個は必ず発生させるように形成され、特定開始権利発生手段210は、確定契機により実行権利が発生した場合に、特定開始権利を少なくとも1個発生させるように形成されていることを特徴とする。
【0008】
すなわち本発明では、確定契機により実行権利をストックした場合には、特定開始権利を必ずストックする。これにより、本発明によれば、確定契機により実行権利をストックした場合に、特定の遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始することができる。
また、たとえば、特定の遊技回数を「0回」とし、確定契機が発生した場合に特定の遊技回数とは異なる遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始するようにすると、確定契機の発生後からストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始するまでの間に、実行権利をストックし得る所定の契機(たとえばスイカ役やチェリー役などの特定役の当選)が発生した場合に、開始された有利遊技がいずれの契機によるものであるかが不明確なものとなってしまう。これに対して、本発明によれば、確定契機が発生した場合には、特定の遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始するので、確定契機を、実行権利を少なくとも1個は必ず発生させることが予め定められたものとして明確なものとすることができる。
【0009】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明の特徴に加え、特別役を含む複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段100を備え、役抽選手段100は、役抽選により特別役に当選した場合に、当選した特別役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されるまで当選の権利を持ち越すとともに、特別役の当選の権利を持ち越している遊技においては、特別役を役抽選の抽選対象には設定しないように形成され、遊技として、特別役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを契機に開始される遊技であって通常遊技とは異なる遊技である特別遊技を備え、1個の実行権利により、所定の遊技回数を1セットとする、1セットの有利遊技を実行するように形成され、有利遊技は、役抽選により特別役に当選しても終了しないように形成され、特定開始権利発生手段210は、1セットの有利遊技が終了する際に、特別役の当選の権利を持ち越している状態である場合に、実行権利ストック手段200により実行権利が少なくとも1個ストックされ、かつ特定開始権利ストック手段220により特定開始権利がストックされていないときには、特定開始権利を少なくとも1個発生させるように形成されていることを特徴とする。
【0010】
すなわち本発明では、1セットの有利遊技が終了する際に、特別役の当選の権利を持ち越している状態であって、実行権利を少なくとも1個ストックしており、かつ特定開始権利をストックしていないときには、特別遊技が終了してから特定の遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始する。これにより、本発明によれば、過去にストックした実行権利の放出のタイミングを変更することができる。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記請求項1、2又は3記載の発明の特徴に加え、実行権利ストック手段200は、有利遊技が実行された場合に、対応する実行権利を1個消去するように形成され、特定開始権利ストック手段220は、特定の遊技回数で有利遊技が開始されたときに、ストックしている特定開始権利を1個消去するように形成され、実行権利ストック手段200により少なくとも1個の実行権利がストックされている場合に、ストックされている実行権利を、他の有利遊技に対応した実行権利に切り替える実行権利切替手段230を備えることを特徴とする。
【0011】
すなわち本発明によれば、実行権利のストックのみならず、過去にストックした一に有利遊技に対応する実行権利を、他の有利遊技に対応した実行権利に切り替えるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
すなわち請求項1記載の発明によれば、複数種類の有利遊技を備え、各有利遊技を実行する実行権利をストック可能な遊技機において、複数種類の有利遊技のそれぞれに対応した実行権利をストックしている場合における放出順序や放出のタイミングを容易にコントロールすることができ、プログラムを簡潔にすることができる遊技機を提供することができる。
(請求項2)
すなわち請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加え、確定契機により実行権利をストックした場合に、特定の遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始することができる遊技機を提供することができる。
【0013】
(請求項3)
すなわち請求項3記載の発明によれば、上記請求項1又は2記載の発明の効果に加え、過去にストックした実行権利の放出のタイミングを変更することができる遊技機を提供することができる。
(請求項4)
すなわち請求項4記載の発明によれば、上記請求項1、2又は3記載の発明の効果に加え、実行権利のストックのみならず、過去にストックした一に有利遊技に対応する実行権利を、他の有利遊技に対応した実行権利に切り替えるので、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの正面図である。
【図2】各回転リールの図柄の配列を説明するための説明図である。
【図3】スロットマシンのブロック図である。
【図4】役を説明するための説明図である。
【図5】役を説明するための説明図である。
【図6】通常役抽選テーブルを説明するための説明図である。
【図7】内部中役抽選テーブルを説明するための説明図である。
【図8】ボーナス役抽選テーブルを説明するための説明図である。
【図9】再遊技役の当選態様を説明するための説明図である。
【図10】ベル役の当選態様を説明するための説明図である。
【図11】ベル役の当選態様を説明するための説明図である。
【図12】小役の当選態様を説明するための説明図である。
【図13】ストップスイッチの操作順序と有効入賞ライン上に停止表示される役との関係を説明するための説明図である。
【図14】遊技状態及び再遊技役の抽選状態の移行を説明するための説明図である。
【図15】メイン制御処理の概略を示すフローチャートである。
【図16】サブ制御処理の概略を示すフローチャートである。
【図17】所定の契機発生時の処理を示すフローチャートである。
【図18】確定契機発生時の処理を示すフローチャートである。
【図19】ART遊技終了時の処理を示すフローチャートである。
【図20】ボーナス遊技終了時の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を、図1〜図20に基づいて説明する。
以下、「前面」とは、スロットマシン10において遊技を行う際に遊技者が向き合う面をいい、「右側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て右側をいい、「左側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て左側をいう。
(スロットマシン10)
図1に概略を示すように、遊技機としてのスロットマシン10は、前面に開口部を有する箱型の筐体11を備え、筐体11の前面には、開口部を塞ぐ前扉12を備え、筐体11の内部には、3個の回転リール45を横並びに配置したリールユニット40や、スロットマシン10を制御するための制御装置20や、遊技媒体としてのメダルを払い出すためのホッパーユニットや、スロットマシン10が備える各装置に電力を供給するための電源ユニットなどを備えている。
【0016】
また、3個の回転リール45のうち、左側に位置するのが左リール46であり、中央に位置するのが中リール47であり、右側に位置するのが右リール48である。
また、前扉12の上部には、上パネル13を備え、前扉12の下部には、下パネル14を備え、前扉12の前面における、上パネル13と下パネル14との間には、前方へ向けて突出する操作部16を備えている。
また、上パネル13のほぼ中央には、各回転リール45の周囲に付されている図柄を遊技者に見せるための図柄表示窓15が設けられている。この図柄表示窓15は、3個すべての回転リール45の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄を遊技者に見せるように形成されている。
【0017】
また、本実施の形態では、入賞ラインとして、下段の表示位置における3個の図柄を通る「下段入賞ライン」と、左上・中央・右下の表示位置における3個の図柄を通る「右下り入賞ライン」とが設けられている。なお、以下において、上段の3個の図柄を通るラインを「上段ライン」と、中段の3個の図柄を通るラインを「中段ライン」と、左下・中央・右上の3個の図柄を通るラインを「右上りライン」と称する。これらの上段ライン、中段ライン及び右上りラインは、本実施の形態では入賞ラインには設定されていない。
また、上パネル13における、図柄表示窓15の上方に相当する位置には、画像を表示する表示装置55が設けられている。また、上パネル13の周囲縁には、演出用ランプ17が設けられている。
【0018】
また、操作部16の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口36が設けられ、操作部16の上面左側には、スロットマシン10に電子的に貯留(クレジット)されているメダルをベットするためのベットスイッチ32が設けられ、操作部16の上面左端付近には、クレジットされているメダルを返却するための精算スイッチ35が設けられ、操作部16の前面左側には、すべての回転リール45の回転を開始させるためのスタートスイッチ33が設けられ、操作部16の前面中央には、回転リール45の回転を停止させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応している3個のストップスイッチ34が横並びに設けられている。
【0019】
また、3個のストップスイッチ34のうち、左側に位置するのが左停止スイッチ56であり、中央に位置するのが中停止スイッチ57であり、右側に位置するのが右停止スイッチ58である。また、左停止スイッチ56は左リール46に対応しており、また、中停止スイッチ57は中リール47に対応しており、また、右停止スイッチ58は右リール48に対応している。
また、前扉12の下部中央には、メダルを払い出すためのメダル払出口37が設けられ、メダル払出口37の下方には、メダル払出口37から払い出されたメダルを受け止めて貯留するためのメダル受け皿38が設けられている。また、前扉12には、図示しないスピーカが設けられている。
【0020】
(リールユニット40)
リールユニット40は、横並びに設けた3個の回転リール45と、各回転リール45を回転させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応しているステッピングモータと、これらを支持するためのフレームとを備えている。
また、各回転リール45の周囲には、複数種類の図柄が所定の配列で合計21個付されている。具体的には、回転リール45の周囲には、図2に示すように、「赤7」、「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベルA」、「ベルB」、「ベルC」及び「チェリー」の図柄が付されている。
【0021】
また、各ステッピングモータの出力軸には、対応する回転リール45がそれぞれ固定されている。
また、ステッピングモータは、パルス信号によって駆動するものであって、入力されるパルス信号のパターンによって、加速・定速・減速のパターンが決まる。そして、ステッピングモータが駆動すると、ステッピングモータの出力軸を中心に、対応する回転リール45が回転する。また、ステッピングモータは、一のパルス信号の入力により、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量駆動する。そして、ステッピングモータが図柄1個分に相当する量駆動すると、対応する回転リール45が、周囲に付された図柄1個分に相当する量回転する(1コマ回転する)。
【0022】
また、各回転リール45には、インデックスセンサにより検知されるインデックスが設けられており、インデックスが検知されてからのステッピングモータのパルス数により回転リール45の回転位置及び停止位置を特定できるようになっている。
(制御装置20)
制御装置20は、図3に示すように、主として遊技を制御する遊技制御装置21と、遊技制御装置21からの信号を受信して、主として遊技の演出を制御する演出制御装置22とを備えている。
遊技制御装置21は、メイン基板などとも呼ばれるものであって、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、遊技制御装置21を構成するマイクロコンピュータが、役の抽選(役抽選)、回転リール45の回転・停止及びメダルの払い出しなどの遊技の進行を制御する遊技制御手段60として機能する。詳細には、遊技制御手段60は、図3に示すように、役抽選手段100、回転制御手段110、停止制御手段120、停止図柄判定手段130、遊技状態移行制御手段140、再遊技役抽選状態制御手段150、遊技状態コマンド送信手段155などとして機能する。遊技制御装置21の入力手段としては、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33、ストップスイッチ34、精算スイッチ35及びリールユニット40の各回転リール45のインデックスセンサなどが接続され、遊技制御装置21の出力手段としては、リールユニット40のステッピングモータや、ホッパーユニットなどが接続されている。
【0023】
また、演出制御装置22は、サブ基板などとも呼ばれるものであって、遊技制御装置21と同様に、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、演出制御装置22を構成するマイクロコンピュータが、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて遊技の演出を制御する演出制御手段160として機能する。演出制御装置22の入力手段としては、遊技制御装置21が接続され、演出制御装置22の出力手段としては、表示装置55や、演出用ランプ17や、図示しないスピーカなどが接続されている。
また、遊技制御装置21と演出制御装置22との間における信号の送受信は、遊技制御装置21における役抽選に関するデータ等の内部データの信頼性を担保すべく、一方通行となるように形成されている。
【0024】
また、本実施の形態では、遊技制御装置21には、遊技状態として、通常状態と、内部中状態と、ボーナス状態とが設けられている(図14参照)。また、ボーナス状態には、BB1状態と、BB2状態と、BB3状態と、BB4状態とがある。また、遊技制御装置21には、再遊技役の抽選状態として、無抽選状態と、第1低確率状態と、第2低確率状態と、中確率状態と、高確率状態とが設けられている(図14参照)。なお、遊技状態及び再遊技役の抽選状態としてはこれに限られるものではない。
また、本実施の形態では、演出制御装置22には、演出状態として、通常演出状態と、AT状態とがあり、AT状態としてさらに、第1AT状態と、第2AT状態と、第3AT状態とが設けられている。なお、演出状態としてはこれに限られるものではない。
【0025】
また、本実施の形態では、遊技として、通常遊技と、ボーナス遊技(特別遊技)と、AT(アシストタイム)遊技(有利遊技)と、ART(アシストリプレイタイム)遊技(有利遊技)とがある。また、AT遊技とART遊技とは、基本的に、連続して一体的に行われるものとなっており、AT遊技は、ART遊技を行うために、先立って行われる遊技である。すなわち、ART遊技を行う場合には、まずAT遊技が行われ、このAT遊技中に、再遊技役の抽選状態を高確率状態へ誘導するように報知演出が行われ、ART遊技が行われる。つまり、AT遊技は、ART遊技を開始するための準備状態である。
また、ART遊技には、第1ART遊技と、第2ART遊技と、第3ART遊技とがある。そして、これらの各遊技は、遊技状態及び演出状態のいずれか一方又は双方により規定されている。具体的には、遊技状態が通常状態で再遊技役の抽選状態が第1低確率状態、第2低確率状態又は中確率状態でかつ演出状態が通常演出状態である遊技が通常遊技である。また、遊技状態がボーナス状態である遊技がボーナス遊技である。なお、本実施の形態では、この場合では演出状態は通常演出状態に設定される。また、演出状態がAT状態でかつ再遊技役の抽選状態が第1低確率状態、第2低確率状態又は中確率状態である遊技がAT遊技である。また、演出状態が第1AT状態で再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技が第1ART遊技であり、また、演出状態が第2AT状態で再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技が第2ART遊技であり、また、演出状態が第3AT状態で再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技が第3ART遊技である。なお、遊技としてはこれに限られるものではない。
【0026】
また、本実施の形態では、役として、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがボーナス遊技へ移行するボーナス役(特別役)と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルが払い出される小役と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがメダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる再遊技を実行させる再遊技役とがある。ここで、「有効入賞ライン」とは、遊技媒体としてのメダルのベットに応じて有効になった入賞ラインである。本実施の形態では、1回の遊技につき、メダルを3枚ベットすることが可能となっており、3枚のメダルをベットすると、2本全ての入賞ラインが有効になり、有効入賞ラインとなる。なお、本実施の形態では、3枚のメダルをベットすることにより、遊技を開始することが可能となっている。
【0027】
そして、ボーナス役には、図4に示すように、BB1役と、BB2役と、BB3役と、BB4役とがある。たとえば、BB1役は、「赤7」「赤7」「赤7」の図柄の組み合わせにより構成される。そして、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されることにより、ボーナス遊技(遊技状態がBB状態である遊技)へ移行する。
なお、本実施の形態では、ボーナス役は、メダルの払い出しを行うことなく、ボーナス遊技へ移行するようになっているが、所定枚数(たとえば15枚)のメダルを払い出した後に、ボーナス遊技へ移行するようにしてもよい。
【0028】
また、小役には、図4に示すように、ベル1役〜ベル28役(以下、ベル1役〜ベル28役を、「ベル役」と総称する。)と、スイカ役と、チェリー役と、制御役と、特殊1役と、特殊2役とがある。たとえば、ベル1役は、「ベルA」「ベルA」「ベルA」の図柄の組み合わせにより構成され、また、たとえば、ベル28役は、(「ベルA」、「ベルB」又は「ベルC」)(「スイカ」又は「チェリー」)「スイカ」の図柄の組み合わせにより構成され、また、たとえば、チェリー役は、「チェリー」「ANY」「ANY」(「ANY」は、いずれの図柄であってもよいことを意味する。)の図柄の組み合わせにより構成される。そして、役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に停止表示されることにより、当該役に応じた所定枚数のメダルが払い出される。たとえば、「ベルA」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されることにより、ベル28役に応じた所定枚数(たとえば9枚)のメダルが払い出される。
【0029】
また、再遊技役には、図5に示すように、リプレイA役と、リプレイB役と、リプレイC役と、リプレイD役と、リプレイE役と、リプレイF役と、リプレイG役と、リプレイH役とがある。たとえば、リプレイA役は、「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」の図柄の組み合わせにより構成され、また、たとえば、リプレイB役は、「リプレイ」(「ベルA」、「ベルB」又は「ベルC」)(「BAR」、「白7」、「ベルA」、「ベルB」又は「チェリー」)の図柄の組み合わせにより構成される。そして、いずれかの有効入賞ライン上にこの図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。
【0030】
(役抽選手段100)
役抽選手段100は、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行うものである。役抽選手段100は、乱数発生手段と、乱数抽出手段と、役抽選テーブルと、判定手段とを備えている。
乱数発生手段は、役抽選用の乱数を、所定の範囲内(たとえば、10進数で0〜65535)で発生させるものである。また、乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を、所定の契機(たとえば、スタートスイッチ33の操作)で抽出するものである。
また、役抽選テーブルは、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかをあらかじめ定めたものである。本実施の形態では、役抽選テーブルには、図6〜図8に示すように、遊技状態が通常状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルと、遊技状態が内部中状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルと、遊技状態がボーナス状態である場合に用いられるボーナス役抽選テーブルとがある。
【0031】
また、通常役抽選テーブルには、図6に示すように、再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルAと、再遊技役の抽選状態が第1低確率状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルBと、再遊技役の抽選状態が第2確率状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルCと、再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルDとがある。
また、内部中役抽選テーブルには、図7に示すように、再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルAと、再遊技役の抽選状態が第1低確率状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルBと、再遊技役の抽選状態が第2確率状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルCと、再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルDとがある。
【0032】
また、ボーナス役抽選テーブルには、図8に示すように、BB1状態において用いられるボーナス役抽選テーブルAと、BB2状態において用いられるボーナス役抽選テーブルBと、BB3状態において用いられるボーナス役抽選テーブルCと、BB4状態において用いられるボーナス役抽選テーブルDとがある。
そして、役抽選テーブルには、当選の領域と、ハズレの領域とが設定されている。なお、当選の領域としては、一の役に対応付けられた当選領域である単独当選領域の他に、複数種類の役に対応付けられた重複当選領域を設定することができる。具体的には、各通常役抽選テーブルには、図6に示すように、各ボーナス役の単独当選領域と、スイカ役の単独当選領域と、チェリー役の単独当選領域と、ベル役の重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルAには、さらに、「打順リプA1」〜「打順リプA6」及び「打順リプB1」〜「打順リプB6」の12種類の再遊技役に関する重複当選領域がそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルBには、さらに、リプレイE役の単独当選領域が所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルCには、さらに、リプレイE役の単独当選領域と、「打順リプB1」〜「打順リプB6」及び「打順リプC」の7種類の再遊技役に関する重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルDには、さらに、リプレイE役の単独当選領域と、「打順リプD1」〜「打順リプD5」の5種類の再遊技役に関する重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。
【0033】
ここで、「打順リプA1」などの再遊技役に関する重複当選領域について説明する。図9(A)に示すように、「打順リプA1」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役が対応付けられ、また、「打順リプA2」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役及びリプレイF役が対応付けられ、また、「打順リプA3」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプA4」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役及びリプレイH役が対応付けられ、また、「打順リプA5」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役、リプレイF役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプA6」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役、リプレイF役及びリプレイH役が対応付けられている。
【0034】
また、図9(B)に示すように、「打順リプB1」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD役及びリプレイE役が対応付けられ、また、「打順リプB2」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役及びリプレイD役〜リプレイF役が対応付けられ、また、「打順リプB3」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD役、リプレイE役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプB4」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD役、リプレイE役及びリプレイH役が対応付けられ、また、「打順リプB5」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役及びリプレイD役〜リプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプB6」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD役〜リプレイF役及びリプレイH役が対応付けられている。
【0035】
また、図9(C)に示すように、「打順リプC」の重複当選領域には、リプレイC役〜リプレイH役が対応付けられ、また、「打順リプD1」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイD役が対応付けられ、また、「打順リプD2」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイD役、リプレイF役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプD3」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイD役及びリプレイF役〜リプレイH役が対応付けられ、また、「打順リプD4」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役、リプレイF役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプD5」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役及びリプレイF役〜リプレイH役が対応付けられている。
【0036】
以下、「打順リプA1」〜「打順リプA6」の重複当選領域を、それぞれ、「打順リプA1役」、「打順リプA2役」、「打順リプA3役」、「打順リプA4役」、「打順リプA5役」、「打順リプA6役」と称し、また、「打順リプB1」〜「打順リプB6」の重複当選領域を、それぞれ、「打順リプB1役」、「打順リプB2役」、「打順リプB3役」、「打順リプB4役」、「打順リプB5役」、「打順リプB6役」と称し、また、「打順リプC」の重複当選領域を、「打順リプC役」と称し、また、「打順リプD1」〜「打順リプD5」の重複当選領域を、それぞれ、「打順リプD1役」、「打順リプD2役」、「打順リプD3役」、「打順リプD4役」、「打順リプD5役」と称する。
【0037】
また、各内部中役抽選テーブルは、図7に示すように、ボーナス役が抽選対象から除外されている点以外は、対応する通常役抽選テーブルと同一に設定されている。すなわち、内部中役抽選テーブルAは、この点以外は、通常役抽選テーブルAと同一に設定され、また、内部中役抽選テーブルBは、この点以外は、通常役抽選テーブルBと同一に設定され、また、内部中役抽選テーブルCは、この点以外は、通常役抽選テーブルCと同一に設定され、また、内部中役抽選テーブルDは、この点以外は、通常役抽選テーブルDと同一に設定されている。
また、ボーナス役抽選テーブルを除く各役抽選テーブルのぞれぞれには、図6及び図7に示すように、ベル役の重複当選領域として、「左中右ベルA」〜「左中右ベルC」、「左右中ベルA」〜「左右中ベルC」、「中左右ベルA」〜「中左右ベルC」、「中右左ベルA」〜「中右左ベルC」及び「右ベルA」〜「右ベルC」の15種類の重複当選領域が設定されている。そして、これらの15種類の重複当選領域のそれぞれには、図10及び図11に示すように、ベル1役〜ベル27役のうちの9種類のベル役と、ベル28役とが対応付けられている。また、これらの15種類の重複当選領域のそれぞれには、ベル役の組み合わせが互いに異なるものとなるようにベル1役〜ベル27役が割り振られている。たとえば、「左中右ベルA」の重複当選領域には、図10に示すように、ベル1役、ベル5役、ベル9役、ベル11役、ベル15役、ベル16役、ベル21役、ベル22役、ベル26役及びベル28役が対応付けられている。なお、図11に示すように、「右ベルA」の重複当選領域には、「左中右ベルA」の重複当選領域と同一のベル役に加えて制御役が対応付けられ、また、「右ベルB」の重複当選領域には、「左中右ベルB」の重複当選領域と同一のベル役に加えて制御役が対応付けられ、「右ベルC」の重複当選領域には、「左中右ベルC」の重複当選領域と同一のベル役に加えて制御役が対応付けられている。以下、「左中右ベルA」〜「左中右ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「左中右ベルA役」、「左中右ベルB役」、「左中右ベルC役」と称し、また、「左右中ベルA」〜「左右中ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「左右中ベルA役」、「左右中ベルB役」、「左右中ベルC役」と称し、また、「中左右ベルA」〜「中左右ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「中左右ベルA役」、「中左右ベルB役」、「中左右ベルC役」と称し、また、「中右左ベルA」〜「中右左ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「中右左ベルA役」、「中右左ベルB役」、「中右左ベルC役」と称し、また、「右ベルA」〜「右ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「右ベルA役」、「右ベルB役」、「右ベルC役」と称する。
【0038】
また、ボーナス役抽選テーブルA及びBには、図8に示すように、ベル28役の単独当選領域と、「JAC1」及び「JAC2」の2種類の小役に関する重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、ボーナス役抽選テーブルC及びDには、図8に示すように、ベル28役の単独当選領域と、「JAC2」の重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。
ここで、「JAC1」及び「JAC2」の重複当選領域について説明する。図12に示すように、「JAC1」の重複当選領域には、ベル28役、特殊1役及び特殊2役が対応付けられ、また、「JAC2」の重複当選領域には、ベル28役、特殊1役、特殊2役及びチェリー役が対応付けられている。以下、「JAC1」及び「JAC2」の重複当選領域、それぞれ、「JAC1役」、「JAC2役」と称する。
【0039】
なお、重複当選領域としては、これに限られるものではなく、たとえば、各ボーナス役及びスイカ役又はチェリー役の重複当選領域を設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、通常役抽選テーブルB及びCにおいては、再遊技役の当選確率が通常役抽選テーブルAよりも低い確率に設定され、また、通常役抽選テーブルDにおいては、再遊技役の当選確率が通常役抽選テーブルAよりも高い確率に設定され、また、ボーナス役抽選テーブルにおいては、再遊技役が抽選対象から除外されている。具体的には、通常役抽選テーブルB及びCにおいては、再遊技役の当選確率が約1/7.3に設定され、また、通常役抽選テーブルAにおいては、約1/3.6に設定され、また、通常役抽選テーブルDにおいては、再遊技役の当選確率が約1/1.5に設定されている。これにより、通常役抽選テーブルA及びDを用いて役抽選を行う遊技は、通常役抽選テーブルB及びCを用いて役抽選を行う遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。なお、再遊技役の当選確率はこれに限られるものではない。
【0040】
また、ボーナス役抽選テーブルにおいては、小役の当選確率は、約1/1.1に設定されている。これにより、ボーナス遊技は、通常遊技とは異なる遊技、具体的には通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。
また、判定手段は、乱数抽出手段が抽出した乱数と、役抽選テーブルとを照合して、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの判定を行うものである。具体的には、判定手段は、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの判定を行う際に、その時点における遊技状態及び再遊技役の抽選状態に応じて役抽選テーブルを適宜用いて、当該判定を行う。たとえば、判定手段は、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合には、通常役抽選テーブルAを選択し、また、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が第1低確率状態である場合には、通常役抽選テーブルBを選択し、また、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が第2低確率状態である場合には、通常役抽選テーブルCを選択し、また、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合には、通常役抽選テーブルDを選択する。
【0041】
また、たとえば、判定手段は、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合には、内部中役抽選テーブルAを選択し、また、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が第1低確率状態である場合には、内部中役抽選テーブルBを選択し、また、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が第2低確率状態である場合には、内部中役抽選テーブルCを選択し、また、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合には、内部中役抽選テーブルDを選択する。
また、たとえば、判定手段は、遊技状態がボーナス状態である場合には、ボーナス役抽選テーブルを選択する。なお、ボーナス状態においては、再遊技役の抽選状態は無抽選状態に設定される。
【0042】
そして、役抽選手段100による役抽選で、いずれかの役に当選すると、当選した役に対応する当選フラグが成立する。なお、役抽選手段100による役抽選で、複数の役に重複当選した場合には、当選した複数の役それぞれに対応する当選フラグが成立する。そして、このフラグの成立中に、いずれかの有効入賞ライン上に、役抽選で当選した役を構成する図柄の組み合わせが停止表示されると、遊技者に対して、メダルの払い出しや、ボーナス遊技等の利益が付与される。
ここで、当選フラグには、役抽選手段100による役抽選の結果が、小役の当選である場合に成立する小役当選フラグ(ベル1当選フラグ〜ベル28当選フラグ、スイカ当選フラグ、チェリー当選フラグ、制御役当選フラグ、特殊1役当選フラグ及び特殊2役当選フラグ)と、役抽選手段100による役抽選の結果が、再遊技役の当選である場合に成立する再遊技当選フラグ(リプレイA当選フラグ〜リプレイH当選フラグ)と、役抽選手段100による役抽選の結果が、ボーナス役の当選である場合に成立するボーナス当選フラグ(BB1当選フラグ〜BB4当選フラグ)とがある。
【0043】
そして、小役当選フラグ及び再遊技当選フラグは、成立した遊技においてのみ有効となるものの、ボーナス当選フラグは、次の遊技へ持ち越すことができるものとなっており、当選したボーナス役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に停止表示されることにより消去されるものとなっている。
また、役抽選手段100は、役抽選の結果を演出制御装置22に送信する。
(回転制御手段110)
回転制御手段110は、回転リール45の回転駆動を制御するものである。具体的には、回転制御手段110は、スタートスイッチ33の操作を契機に、3個すべての回転リール45の回転を通常の回転方向に開始させて、その回転速度が所定の定常速度に達するまで回転速度を加速させる加速処理を行う。そして、回転制御手段110は、回転リール45の回転速度が所定の定常速度に達したときには、回転リール45を所定の定常速度で定速回転させる定速処理を行う。
【0044】
(停止制御手段120)
停止制御手段120は、ストップスイッチ34の操作を契機として、役抽選の結果と、ストップスイッチ34が操作された時点における対応する回転リール45の回転位置とに基づいて、回転リール45の回転を適位置で停止させるものである。
本実施の形態では、停止制御手段120は、各ストップスイッチ34が停止操作された際における対応する回転リール45の回転位置を、対応するインデックスが検知されてから対応するストップスイッチ34が停止操作されるまでの間における対応するステッピングモータのステップ数で特定しつつ、ストップスイッチ34が停止操作された時点で、有効入賞ライン上に直ちに停止できる図柄(すなわち、回転リール45の回転位置)を基準として、この図柄から回転方向に予め定められた個数(最大スベリコマ数、たとえば4コマ)移動した図柄までの範囲内で、対応する回転リール45を停止させる。ここで、「コマ」とは、回転リール45の回転量であって、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量を意味するものである。
【0045】
具体的には、停止制御手段120は、役抽選の結果がいずれかの役に当選の場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、当選した役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に極力揃うように、かつ、当選した役以外の役を構成する図柄の組み合わせについてはいずれの有効入賞ライン上にも揃わないように、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を行い、一方、役抽選の結果がハズレの場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、いずれの有効入賞ライン上にも、いずれの役を構成する図柄の組み合わせも揃わないように、蹴飛ばし制御を行う。
また、本実施の形態では、複数の当選フラグが成立している場合があり、このような場合に、停止制御手段120は、引き込み制御において、当選した複数の役のうちいずれの役を優先して引き込むかを予め設定している。具体的には、停止制御手段120は、引き込み優先順位を、「再遊技役」>「小役」>「ボーナス役」に設定している。なお、引き込み優先順位は、これに限られるものではない。さらに、本実施の形態では、小役間の引き込み優先順位を、配当が多いほど優先順位が高くなるように設定している。なお、同一配当の小役が重複して当選した場合には、それらの小役の引き込み優先順位は同一となる。
【0046】
また、停止制御手段120は、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を、回転リール45の停止位置を予め定めた停止テーブルを参照して制御を行うテーブル制御や、所定の図柄を停止させるか否かを判断しながら制御を行うプログラム制御などにより行うことができる。
また、停止制御手段120は、リールユニット40の各ステッピングモータへのパルス信号の供給を停止することにより、回転リール45の回転を適位置で停止させる。
(ベル役)
つぎに、左ベルA役などのベル役に関する重複当選領域に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、図2の図柄の配列に示すように、ベル28役を構成する図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。一方、ベル1役〜ベル27役を構成するそれぞれの図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
【0047】
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、役抽選により左中右ベルA役などのベル役に関する重複当選領域に当選した場合には、ストップスイッチ34の操作態様に応じて、ベル28役を構成する図柄の組み合わせ、ベル28役以外の当選した他のベル役を構成する図柄の組み合わせ又はいずれの役をも構成しない特定のハズレの図柄の組み合わせであるブランク図柄を有効入賞ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
具体的には、本実施の形態では、左中右ベルA役などのベル役に関する重複当選領域のそれぞれに対して、3個のストップスイッチ34に基づく6通りの操作順序のうちのいずれかの操作順序が割り当てられており、割り当てられている操作順序が、各重複当選領域に対する正解の操作順序となっている。たとえば、左中右ベルA役〜左中右ベルC役に対しては、左停止スイッチ56を最初に操作し次に中停止スイッチ57を操作し最後に右停止スイッチ58を操作する順序(「左→中→右」)が正解の操作順序として割り当てられている。また、たとえば、左右中ベルA役〜左右中ベルC役に対しては、左停止スイッチ56を最初に操作し次に右停止スイッチ58を操作し最後に中停止スイッチ57を操作する順序(「左→右→中」)が正解の操作順序として割り当てられている。
【0048】
また、たとえば、中左右ベルA役〜中左右ベルC役に対しては、中停止スイッチ57を最初に操作し次に左停止スイッチ56を操作し最後に右停止スイッチ58を操作する順序(「中→左→右」)が正解の操作順序として割り当てられている。また、たとえば、中右左ベルA役〜中右左ベルC役に対しては、中停止スイッチ57を最初に操作し次に右停止スイッチ58を操作し最後に左停止スイッチ56を操作する順序(「中→右→左」)が正解の操作順序として割り当てられている。
また、たとえば、右ベルA役〜右ベルC役に対しては、右停止スイッチ58を最初に操作する順序(「右→中→左」及び「右→左→中」)が正解の操作順序として割り当てられている。
【0049】
そして、停止制御手段120は、役抽選により左中右ベルA役などのベル役に関する重複当選領域に当選した場合に、当選した重複当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、ベル28役以外の当選した他のベル役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ベル28役を有効入賞ライン上に停止表示させ、その正解の操作順序以外の操作順序(不正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、ベル28役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、ベル28役以外の当選した他のベル役を有効入賞ライン上に停止表示させることができる場合には、その役を有効入賞ライン上に停止表示させ、ベル28役以外の当選した他のベル役のうちのいずれも有効入賞ライン上に停止表示させることができない場合には、ブランク図柄を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0050】
(再遊技役)
つぎに、リプレイBC役などの再遊技役に関する重複当選領域に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、図2の図柄の配列に示すように、リプレイA役〜リプレイE役のそれぞれを構成する図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。一方、リプレイF役〜リプレイH役を構成するそれぞれの図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
【0051】
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、打順リプA1役などの再遊技役に関する重複当選領域に当選した場合には、ストップスイッチ34の操作態様に応じて、当選したいずれかの再遊技役を有効入賞ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
(打順リプA1役〜打順リプA6役及び打順リプB1役〜打順リプB6役)
まず、打順リプA1役〜打順リプA6役及び打順リプB1役〜打順リプB6役のうちのいずれかに当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態では、打順リプA1役〜打順リプA6役及び打順リプB1役〜打順リプB6役の重複当選領域のそれぞれに対して、3個のストップスイッチ34に基づく6通りの操作順序のうちのいずれかの操作順序が割り当てられており、割り当てられている操作順序が、各重複当選領域に対する正解の操作順序となっている。たとえば、打順リプA1役に対しては「左→中→右」が、また、打順リプA2役に対しては「左→右→中」が、また、打順リプA3役に対しては「中→左→右」が、また、打順リプA4役に対しては「中→右→左」が、また、打順リプA5役に対しては「右→左→中」が、また、打順リプA6役に対しては「右→中→左」が、それぞれ、正解の操作順序として割り当てられている。
【0052】
また、たとえば、打順リプB1役に対しては「左→中→右」が、また、打順リプB2役に対しては「左→右→中」が、また、打順リプB3役に対しては「中→左→右」が、また、打順リプB4役に対しては「中→右→左」が、また、打順リプB5役に対しては「右→左→中」が、また、打順リプB6役に対しては「右→中→左」が、それぞれ、正解の操作順序として割り当てられている。
そして、停止制御手段120は、役抽選により打順リプA1役〜打順リプA6役のいずれかに当選した場合に、図13(A)に示すように、当選した重複当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイC役以外の当選した他の再遊技役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、リプレイC役を有効入賞ライン上に停止表示させ、その正解の操作順序以外の操作順序(不正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役及びリプレイB役以外の当選した他の再遊技役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、リプレイA役又はリプレイB役を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0053】
また、停止制御手段120は、役抽選により打順リプB1役〜打順リプB6役のうちのいずれかに当選した場合に、図13(B)に示すように、当選した重複当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイD役以外の当選した他の再遊技役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、リプレイD役を有効入賞ライン上に停止表示させ、その正解の操作順序以外の操作順序(不正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役、リプレイB役及びリプレイE役以外の当選した他の再遊技役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、リプレイA役、リプレイB役又はリプレイE役を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0054】
(打順リプC役及び打順リプD1役〜打順リプD5役)
つぎに、打順リプC役及び打順リプD1役〜打順リプD5役のうちのいずれかに当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態では、停止制御手段120は、役抽選により打順リプC役及び打順リプD1役〜打順リプD5役のうちのいずれかに当選した場合に、遊技状態に応じて、有効入賞ライン(右下り入賞ライン及び下段入賞ライン)並びに無効ライン(上段ライン、中段ライン及び右上りライン)のうちのいずれかのライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示し得るように停止制御を行う。
【0055】
本実施の形態では、「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される停止態様としては、有効入賞ライン及び無効ラインの5本のラインのうち2本のライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される態様(以下、「ダブル揃い」とする。)と、有効入賞ライン及び無効ラインの5本のラインのうち1本のライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される態様(以下、「シングル揃い」とする。)とがある。
ダブル揃いの停止態様では、たとえば、右下り入賞ライン上及び中段ライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される。また、シングル揃いの停止態様では、たとえば、上段ライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される。
【0056】
そして、停止制御手段120は、通常状態において役抽選により打順リプC役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、ダブル揃い又はシングル揃いが発生し得るように、リプレイC役〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させ、内部中状態において役抽選により打順リプC役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ダブル揃い及びシングル揃いのいずれもが発生しないように、リプレイC役〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
また、停止制御手段120は、通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD1役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ダブル揃い及びシングル揃いのいずれもが発生しないように、リプレイA役〜リプレイD役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0057】
また、停止制御手段120は、通常状態、又はBB1当選フラグ、BB2当選フラグ若しくはBB3当選フラグが成立している内部中状態において、役抽選により打順リプD2役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ダブル揃い及びシングル揃いのいずれもが発生しないように、リプレイA役〜リプレイD役、リプレイF及びリプレイG役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させ、BB4当選フラグが成立している内部中状態において、役抽選により打順リプD2役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらずダブル揃いが発生しないようにしつつ、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じてシングル揃いが発生し得るように、リプレイA役〜リプレイD役、リプレイF及びリプレイG役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0058】
また、停止制御手段120は、通常状態において役抽選により打順リプD3役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ダブル揃い及びシングル揃いのいずれもが発生しないように、リプレイA役〜リプレイD役及びリプレイF〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させ、内部中状態において役抽選により打順リプD3役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらずダブル揃いが発生しないようにしつつ、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じてシングル揃いが発生し得るように、リプレイA役〜リプレイD役及びリプレイF〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0059】
また、停止制御手段120は、通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD4役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらずダブル揃いが発生しないようにしつつ、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じてシングル揃いが発生し得るように、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役、リプレイF及びリプレイG役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
また、停止制御手段120は、通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD5役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、ダブル揃い又はシングル揃いが発生し得るように、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役及びリプレイF〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0060】
(JAC1役及びJAC2役)
つぎに、JAC1役又はJAC2役に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、図2の図柄の配列に示すように、特殊1役及び特殊2役のそれぞれを構成する図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、役抽選によりJAC1役又はJAC2役に当選した場合に、当選態様に応じて、「赤7」「赤7」「赤7」又は「黒7」「黒7」「黒7」の図柄の組み合わせが中段ライン上に停止表示し得るように停止制御を行う。
【0061】
具体的には、停止制御手段120は、役抽選によりJAC1役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず「赤7」「赤7」「赤7」又は「黒7」「黒7」「黒7」の図柄の組み合わせが中段ライン上に停止表示しないように、当選したベル28役、特殊1役及び特殊2役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
また、停止制御手段120は、役抽選によりJAC2役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関応じて「赤7」「赤7」「赤7」又は「黒7」「黒7」「黒7」の図柄の組み合わせが中段ライン上に停止表示し得るように、当選したベル28役、特殊1役及び特殊2役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0062】
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、すべての回転リール45の回転が停止した際に、有効入賞ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせを判定するものである。
また、本実施の形態では、停止図柄判定手段130により判定が行われると、この判定の結果に基づいた制御が所定の手段により実行される。たとえば、停止図柄判定手段130により、いずれかの小役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、この小役に応じた所定枚数のメダルを払い出すようにする。たとえば、「スイカ」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、スイカ役に応じた5数のメダルを払い出すようにする。なお、ベル28役に関しては、遊技状態に応じて予め定められた枚数が払い出される。具体的には、ボーナス状態以外の遊技状態において、ベル28役が有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、9数のメダルを払い出し、また、ボーナス状態において、ベル28役が有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、12数のメダルを払い出すようにする。また、たとえば、停止図柄判定手段130により、再遊技役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、再遊技を実行する制御を行う。
【0063】
また、本実施の形態では、停止図柄判定手段130は、判定結果(遊技の結果)を演出制御装置22へ送信する。
(遊技状態移行制御手段140)
遊技状態移行制御手段140は、通常状態、内部中状態及びボーナス状態の間で遊技状態の移行を制御するものである。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0064】
そして、本実施の形態では、遊技状態移行制御手段140は、図14に示すように、通常状態において役抽選によりボーナス役に当選した場合に、当該遊技で、当選したボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示されなかったことを条件として、遊技状態を、通常状態から内部中状態へ移行させ、また、当該遊技で、当選したボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、遊技状態を通常状態から当該ボーナス役に対応するボーナス状態へ移行させる。また、遊技状態移行制御手段140は、内部中状態において、成立しているボーナス当選フラグ、すなわち当選の権利を持ち越しているボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、遊技状態を、内部中状態から当該ボーナス役に対応するボーナス状態へ移行させる。具体的には、遊技状態移行制御手段140は、BB1役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、BB1状態へ移行させ、また、BB2役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、BB2状態へ移行させ、また、BB3役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、BB3状態へ移行させ、また、BB4役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、BB4状態へ移行させる。そして、ボーナス状態への移行によりボーナス遊技が開始される。
【0065】
また、遊技状態移行制御手段140は、ボーナス状態において所定枚数(たとえばBB1状態及びBB2状態においては「300枚」、また、BB3状態及びBB4状態においては「100枚」)のメダルを払い出したことを条件に、遊技状態を、ボーナス状態から通常状態へ移行させる。なお、ボーナス状態から通常状態への移行条件、すなわちボーナス遊技の終了条件としては、他の条件(たとえば遊技回数)を設定することもできる。
(再遊技役抽選状態制御手段150)
再遊技役抽選状態制御手段150は、再遊技役の抽選状態を制御するものである。本実施の形態では、上述の如く、再遊技役の抽選状態として、無抽選状態と、第1低確率状態と第2低確率状態と、中確率状態と、高確率状態とがある。
【0066】
そして、本実施の形態では、再遊技役抽選状態制御手段150は、初期状態において、再遊技役の抽選状態を中確率状態に設定し、図14に示すように、中確率状態においてリプレイC役が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を高確率状態に設定し、また、中確率状態においてブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を第2低確率状態に設定し、また、中確率状態においてリプレイA役、リプレイB役、リプレイE役又はベル1役〜ベル27役が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を第1低確率状態に設定する。
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、図14に示すように、再遊技役の抽選状態が高確率状態に設定されている場合に、所定の遊技回数(本実施の形態では40回)が経過したときに、再遊技役の抽選状態を中確率状態に設定する。
【0067】
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、図14に示すように、再遊技役の抽選状態が第2低確率状態に設定されている場合に、リプレイA役、リプレイB役、リプレイE役又はベル1役〜ベル27役が有効入賞ライン上に停止表示されたときに、再遊技役の抽選状態を第1低確率状態に設定し、また、リプレイC役、リプレイF役、リプレイG役又はリプレイH役が有効入賞ライン上に停止表示されたときに、再遊技役の抽選状態を高確率状態に設定する。
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、図14に示すように、再遊技役の抽選状態が第1低確率状態に設定されている場合に、ブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を第2低確率状態に設定する。
【0068】
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、役抽選によりボーナス役に当選したことを契機としては、再遊技役の抽選状態を変更しない。そして、再遊技役抽選状態制御手段150は、遊技状態が内部中状態である場合には、再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合を除いて、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示されるまで現在の再遊技役の抽選状態を維持する。これに対して、再遊技役抽選状態制御手段150は、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合には、所定の遊技回数(本実施の形態では40回)が経過したときに、再遊技役の抽選状態を中確率状態に設定する。なお、この場合の「所定の遊技回数の経過」は、ボーナス役の当選によっては、遊技回数のカウントがリセットされず、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技から、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技にわたって、所定の遊技回数が経過したか否かが判断される。
【0069】
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、図14に示すように、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を無抽選状態に設定し、ボーナス遊技が終了した場合に、再遊技役の抽選状態を第1低確率状態に設定する。
(遊技状態コマンド送信手段155)
遊技状態コマンド送信手段155は、現在の遊技状態及び再遊技役の抽選状態を示す遊技状態コマンドを演出制御装置22へ送信するものである。本実施の形態では、遊技状態コマンド送信手段155は、遊技状態移行制御手段140による処理及び再遊技役抽選状態制御手段150による処理の後に、遊技状態コマンドを送信する。
【0070】
(演出制御手段160)
演出制御手段160は、表示装置55や演出用ランプ17やスピーカを制御して、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて、遊技の演出の実行を制御するものである。本実施の形態では、演出制御手段160は、各演出状態において、表示装置55に特定の画像を表示させたり、演出用ランプ17を点灯又は点滅させたり、スピーカから所定の音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げる演出を実行する。たとえば、演出制御手段160は、遊技状態がボーナス状態でかつ演出状態が通常演出状態である場合に、ボーナス遊技を盛り上げる演出を実行する。
【0071】
また、本実施の形態では、演出制御装置22には、上述の如く、演出状態として、通常演出状態と、第1AT状態と、第2AT状態と、第3AT状態とが設けられており、演出制御手段160は、これらの演出状態の間で演出状態を切り替える制御を行う。
ここで、通常演出状態は、通常の演出状態であり、また、AT状態は、役抽選の結果に関する情報を遊技者に対して報知する報知演出を実行する状態である。遊技者は、AT状態においては、報知演出に従うことにより、報知がない場合と比較してより多くの小役を有効入賞ライン上に停止表示させることができ、ひいてはより多くの枚数のメダルを獲得することができる。このため、演出状態がAT状態である遊技は、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。特に本実施の形態では、ベル役に当選した際に、ベル28役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に対して報知することにより、演出状態がAT状態である遊技は、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。
【0072】
また、本実施の形態では、ART遊技は、再遊技役の抽選状態が高確率状態に設定されてから再遊技役の抽選状態が中確率状態に設定されるまでの所定の遊技回数(本実施の形態では40回)を1セットする遊技となっている。
そして、本実施の形態では、演出制御手段160は、図3に示すように、管理状態制御手段170と、遊技回数カウント手段180と、実行権利発生手段190と、実行権利ストック手段200と、特定開始権利発生手段210と、特定開始権利ストック手段220と、実行権利切替手段230と、演出状態切替制御手段240と、演出実行手段250とを備えている。
(管理状態制御手段170)
管理状態制御手段170は、遊技の状態を管理するための管理状態を制御するものである。本実施の形態では、演出制御装置22には、管理状態として、通常遊技又はART遊技を開始するための準備状態であるAT遊技中である旨を示す通常遊技中状態と、ボーナス遊技中である旨を示すボーナス遊技中状態と、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態である旨を示す内部中状態と、ART遊技中である旨を示すART遊技中状態とが設けられている。
【0073】
そして、本実施の形態では、管理状態制御手段170は、演出制御装置22のRAMにおける所定の記憶領域に、通常遊技中状態に対応する所定値、ボーナス遊技中状態に対応する所定値、内部中状態に対応する所定値又はART遊技中状態に対応する所定値を書き込むことにより、管理状態を設定する。
具体的には、管理状態制御手段170は、初期状態においては、管理状態を通常遊技中状態に設定する。
また、管理状態制御手段170は、通常遊技中状態において、役抽選によりボーナス役に当選したとき、具体的にはボーナス役の当選を示すボーナス当選信号を受信したときに、管理状態を内部中状態に設定する。
【0074】
また、管理状態制御手段170は、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたとき、具体的にはボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された旨の遊技の結果を示すボーナス入賞信号を受信しときに、管理状態をボーナス遊技中状態に設定する。また、管理状態制御手段170は、ボーナス遊技が終了したとき、具体的にはボーナス遊技中において、現在の遊技状態が通常状態である旨を示す遊技状態コマンドを受信したときに、管理状態を通常遊技中状態に設定する。
また、管理状態制御手段170は、AT状態において再遊技役の抽選状態が高確率状態になり1セットのART遊技が開始されるとき、具体的には、演出状態がAT状態でかつ再遊技役の抽選状態が第2低確率状態又は中確率状態である遊技において、現在の再遊技役の抽選状態が高確率状態である旨を示す遊技状態コマンドを受信したときに、管理状態をART遊技中状態に設定する。また、管理状態制御手段170は、ART遊技中において、役抽選によりボーナス役に当選したときには、管理状態をART遊技中状態のまま維持する。詳細には、この場合には、管理状態制御手段170は、何らの処理も行わない。また、管理状態制御手段170は、1セットのART遊技が終了する際に、ボーナス役の当選の権利を持ち越していない状態であるとき、具体的には後述するART遊技回数カウンタが1セットの遊技回数に相当する所定値(本実施の形態では「40」)に達するまでの間に、ボーナス当選信号を受信していないときに、管理状態を通常遊技中状態に設定し、一方、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態であるとき、具体的にはART遊技回数カウンタが1セットの遊技回数に相当する所定値(「40」)に達するまでの間に、ボーナス当選信号を受信しておりかつボーナス入賞信号を受信していないときに、管理状態を内部中状態に設定する。
【0075】
(遊技回数カウント手段180)
遊技回数カウント手段180は、遊技回数をカウントするものである。本実施の形態では、遊技回数カウント手段180は、遊技回数をカウントための遊技回数カウンタを備えている。このカウンタは、初期値として「0」が設定されている。
そして、本実施の形態では、遊技回数カウント手段180は、管理状態が内部中状態及びボーナス遊技中状態以外の管理状態に設定されている遊技においては、毎遊技の実行に伴い(たとえばスタートスイッチ33の操作を契機として)、1回の遊技に相当する所定値(本実施の形態では「1」)を遊技回数カウンタに加算する。これにより、遊技回数カウント手段180は、管理状態が内部中状態及びボーナス遊技中状態以外の管理状態に設定されている遊技においては、遊技回数をカウントするものの、管理状態が内部中状態又はボーナス遊技中状態に設定されている遊技においては、遊技回数をカウントしない。
【0076】
また、遊技回数カウント手段180は、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたとき、具体的にはボーナス入賞信号を受信したときに、遊技回数カウンタを初期値にリセットする。
(実行権利発生手段190)
実行権利発生手段190は、ART遊技を実行する権利であって各ART遊技に対応した権利である実行権利を、1又は複数個発生させるものである。本実施の形態では、実行権利として、第1ART遊技を実行する実行権利である第1実行権利と、第2ART遊技を実行する実行権利である第2実行権利と、第3ART遊技を実行する実行権利である第3実行権利とがある。
【0077】
そして、本実施の形態では、実行権利発生手段190は、所定の契機(役抽選によりスイカ役、チェリー役又はボーナス役などに当選)により、いずれかの実行権利を発生させるか否かのAT抽選を行う。そして、実行権利発生手段190は、AT抽選で当選したときには、いずれの実行権利を何個発生させるかを選択する個数選択抽選を行う。この個数選択抽選の結果により、発生する実行権利の種類(種別)と個数とが決まる。
なお、AT抽選の結果がハズレの場合には、個数選択抽選は行われず、実行権利は発生しない。
また、本実施の形態では、実行権利発生手段190は、確定契機により、個数選択抽選を行う。これにより、実行権利が少なくとも1個は発生する。
【0078】
ここで、「確定契機」とは、実行権利を少なくとも1個は必ず発生させることが予め定められたものである。本実施の形態では、以下の契機を確定契機として設定している。
(1)通常状態において役抽選により打順リプC役に当選したこと(シングル揃い発生有り)
(2)BB4役の当選の権利を持ち越している内部中状態において役抽選により打順リプD2役に当選したこと(シングル揃い発生有り)
(3)内部中状態において役抽選により打順リプD3役に当選したこと(シングル揃い発生有り)
(4)通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD4役に当選したこと(シングル揃い発生有り)
(5)通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD5役に当選したこと(ダブル揃い発生有り)
(6)ボーナス状態において役抽選によりJAC2役に当選したこと(「赤7」揃い又は「黒7」揃い発生有り)
(7)ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合、具体的にはボーナス入賞信号を受信した場合に、遊技回数カウンタのカウント値が第1の天井遊技回数(たとえば999回)に相当する第1の閾値に達していたこと
(8)遊技回数カウンタのカウント値が、第1の天井遊技回数に達した後に達する第2の天井遊技回数(たとえば1300回)に相当する第2の閾値に達したこと
なお、確定契機としては、これに限られるものではない。また、実行権利発生手段190は、シングル揃いが発生する確定契機(上記(1)〜(4)の契機)よりも、ダブル揃いが発生する確定契機(上記(5)の確定契機)の方が、より多くの実行権利が選択され得るように、個数選択抽選を行うことができる。また、実行権利発生手段190は、遊技回数カウンタのカウント値が第1の閾値に達していたことによる確定契機(上記(7)の契機)よりも、遊技回数カウンタのカウント値が第2の閾値に達したことによる確定契機(上記(8)の契機)の方が、より多くの実行権利が選択され得るように、個数選択抽選を行うことができる。
【0079】
また、本実施の形態では、実行権利発生手段190は、AT状態において、所定の契機又は確定契機が発生した場合には、そのときのAT状態に応じて、具体的には「第1AT状態<第2AT状態<第3AT状態」の順でより多くの実行権利が発生し得るように、AT抽選又は個数選択抽選を行う。たとえば、実行権利発生手段190は、「第1AT状態<第2AT状態<第3AT状態」の順で、実行権利が発生し易くなるように(当選し易くなるように)、AT抽選を行うことができる。また、たとえば、実行権利発生手段190は、「第1AT状態<第2AT状態<第3AT状態」の順で、より多くの実行権利が選択され得るように、個数選択抽選を行うことができる。すなわち、本実施の形態では、「第1AT状態<第2AT状態<第3AT状態」の順で、実行権利をストックし易くなっており、「第1ART遊技<第2ART遊技<第3ART遊技」の順で、遊技者にとって有利な遊技となっている。
【0080】
なお、実行権利発生手段190は、いずれかの実行権利を発生させるか否かと、いずれの実行権利を何個発生させるかとを、一の抽選により決めるようにしてもよい。
また、個数選択抽選では、複数種類の実行権利が選択されるようにすることができる。また、個数選択抽選では、シングル揃いが発生する確定契機よりも、ダブル揃いが発生する確定契機の方が、遊技者にとってより有利な実行権利(「第1実行権利<第2実行権利<第3実行権利」の順)が選択され易くすることができる。また同様に、個数選択抽選では、遊技回数カウンタのカウント値が第1の閾値に達していたことによる確定契機よりも、遊技回数カウンタのカウント値が第2の閾値に達したことによる確定契機の方が、遊技者にとってより有利な実行権利が選択され易くすることができる。また同様に、個数選択抽選では、AT状態に応じて、遊技者にとってより有利な実行権利が選択され易くすることができる。
【0081】
(実行権利ストック手段200)
実行権利ストック手段200は、実行権利発生手段190により発生された実行権利を実行権利の種類ごとにストック(貯留)するものである。本実施の形態では、実行権利ストック手段200は、第1実行権利をストックするための第1ストックカウンタと、第2実行権利をストックするための第2ストックカウンタと、第3実行権利をストックするための第3ストックカウンタとを備えている。以下、第1ストックカウンタ、第2ストックカウンタ及び第3ストックカウンタを、「ストックカウンタ」と総称する。
そして、実行権利ストック手段200は、実行権利発生手段190により発生された実行権利の個数に応じた所定値(本実施の形態では1個の実行権利に相当する所定値を「1」としている。)を、発生した実行権利の種類(種別)に対応したストックカウンタに加算する。たとえば、実行権利ストック手段200は、第1実行権利が2個発生した場合には、2個の実行権利に相当する所定値(本実施の形態では「2」)を、第1ストックカウンタに加算する。
【0082】
また、本実施の形態では、実行権利ストック手段200は、AT状態において再遊技役の抽選状態が高確率状態になり1セットのART遊技が開始されたときに、実行するART遊技に対応する実行権利を1個消去する。詳細には、実行権利ストック手段200は、そのときAT状態に対応するストックカウンタから1個の実行権利に相当する所定値(「1」)を減算する。
(特定開始権利発生手段210)
特定開始権利発生手段210は、実行権利ストック手段200により実行権利が少なくとも1個ストックされている場合に、特定の遊技回数で1セットのART遊技を開始する権利である特定開始権利を1又は複数個発生させ得るものである。本実施の形態では、特定の遊技回数を「0回」としている。
【0083】
そして、特定開始権利発生手段210は、所定の契機により実行権利が発生したときに、発生した実行権利の個数の範囲内で、1又は複数個の特定開始権利を発生させるか否かの即放出抽選を行う。なお、即放出抽選の結果がハズレの場合には、特定開始権利は発生しない。
また、特定開始権利発生手段210は、確定契機により実行権利が発生したときに、発生した実行権利の個数の範囲内で、特定開始権利を何個発生させるかを選択する放出個数選択抽選を行う。この放出個数選択抽選では、特定開始権利が少なくとも1個は発生する。なお、この場合には、特定開始権利発生手段210は、確定契機により発生した実行権利の個数と同数の特定開始権利を発生させるようにしてもよい。
【0084】
また、特定開始権利発生手段210は、1セットのART遊技が終了する際に、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態である場合に、実行権利ストック手段200により実行権利が少なくとも1個ストックされており、かつ後述する特定開始権利ストック手段220により特定開始権利がストックされていないとき、具体的にはいずれかのストックカウンタが1個の実行権利に相当する所定値(「1」)以上であり、かつ後述する即放出カウンタが1個の特定開始権利に相当する所定値(「1」)未満である(詳細には「0」である)ときに、ストックしている実行権利の個数の範囲内で、放出個数選択抽選を行う。これにより、特定開始権利が少なくとも1個は発生する。
【0085】
また、特定開始権利発生手段210は、ART遊技を開始するための準備状態であるAT遊技中において、役抽選によりボーナス役に当選した場合に、特定開始権利を1個発生させる。
(特定開始権利ストック手段220)
特定開始権利ストック手段220は、特定開始権利発生手段210により発生された特定開始権利をストック(貯留)するものである。本実施の形態では、特定開始権利ストック手段220は、特定開始権利をストックするための即放出カウンタを備えている。
そして、特定開始権利ストック手段220は、特定開始権利発生手段210により発生された特定開始権利の個数に応じた所定値(本実施の形態では1個の特定開始権利に相当する所定値を「1」としている。)を、即放出カウンタに加算する。たとえば、特定開始権利ストック手段220は、特定開始権利が2個発生した場合には、2個の特定開始権利に相当する所定値(本実施の形態では「2」)を、即放出カウンタに加算する。
【0086】
また、特定開始権利ストック手段220は、1セットのART遊技が終了してから特定の遊技回数(「0回」)でAT遊技が実行されひいてはART遊技が実行されるとき、又は、ボーナス遊技が終了してから特定の遊技回数でAT遊技が実行されひいてはART遊技が実行されるときに、特定開始権利を1個消去する。詳細には、特定開始権利ストック手段220は、即放出カウンタから1個の特定開始権利に相当する所定値(「1」)を減算する。
(実行権利切替手段230)
実行権利切替手段230は、実行権利ストック手段200により少なくとも1個の実行権利がストックされている場合に、ストックされている実行権利を、他のART遊技に対応した実行権利に切り替えるものである。上述の如く、本実施の形態では、3種類のART遊技は、「第1ART遊技<第2ART遊技<第3ART遊技」の順で、遊技者にとって有利な遊技となっている。このため、実行権利についても、「第1実行権利<第2実行権利<第3実行権利」の順で、遊技者にとって有利な権利となっている。
【0087】
そして、本実施の形態では、実行権利切替手段230は、実行権利ストック手段200により少なくとも1個の第1実行権利がストックされている場合に、ストックされている実行権利を、その実行権利よりも遊技者にとって有利な実行権利(第2実行権利又は第3実行権利)に切り替える。
具体的には、実行権利切替手段230は、AT状態において、所定の契機(役抽選によりスイカ役、チェリー役又はボーナス役などに当選)において、実行権利発生手段190により実行権利が発生されなかった場合に、実行権利ストック手段200により少なくとも1個の第1実行権利がストックされているとき、具体的には第1ストックカウンタが1個の第1実行権利に相当する所定値(「1」)以上であるときに、第1実行権利を第2実行権利又は第3実行権利に切り替えるか否かの切替抽選を行う。この切替抽選の抽選対象としては、1個の第1実行権利を第2実行権利に切り替える第1当選、1個の第1実行権利を第3実行権利に切り替える第2当選及びハズレが設定されている。
【0088】
そして、実行権利切替手段230は、切替抽選の結果が第1当選の場合には、第1ストックカウンタから1個の実行権利に相当する所定値(「1」)を減算するとともに、1個の実行権利に相当する所定値(「1」)を、第2ストックカウンタに加算する。また同様に、切替抽選の結果が第2当選の場合には、第1ストックカウンタから1個の実行権利に相当する所定値(「1」)を減算するとともに、1個の実行権利に相当する所定値(「1」)を、第3ストックカウンタに加算する。
なお、切替抽選は、第1ストックカウンタの値に基づいて、ストックされている第1実行権利の個数の範囲内で行うことができる。すなわち、実行権利切替手段230は、複数個の第1実行権利がストックされている場合には、その全て又は一部の第1実行権利を第2実行権利又は第3実行権利に切り替えるようにすることができる。
【0089】
また、実行権利切替手段230は、第2実行権利についても、第3実行権利に切り替えるようにしてもよい。
また、実行権利を切り替える契機は、所定の契機に限られるものではない。
(演出状態切替制御手段240)
演出状態切替制御手段240は、複数の演出状態の間で演出状態を切り替える制御を行うものである。本実施の形態では、演出制御装置22には、各演出状態を管理するための管理フラグが設けられており、演出状態切替制御手段240は、この管理フラグを、演出制御装置22のRAMにおける所定の記憶領域に成立させる又は消去することにより、演出状態を切り替える制御を行っている。また、本実施の形態では、管理フラグとしては、第1AT状態フラグと、第2AT状態フラグと、第3AT状態フラグとがあり、第1AT状態フラグが成立している状態が第1AT状態であり、また、第2AT状態フラグが成立している状態が第2AT状態であり、また、第3AT状態フラグが成立している状態が第3AT状態であり、また、第1AT状態フラグ、第2AT状態フラグ及び第3AT状態フラグのいずれもが成立していない状態が通常演出状態である。
【0090】
そして、本実施の形態では、演出状態切替制御手段240は、通常遊技中において、実行権利が発生しストックカウンタにストックされた場合に、所定の契機により、実効権利の放出順序に従って管理フラグを成立させ、演出状態をAT状態に設定する。また、本実施の形態では、実行権利の放出順序を、遊技者にとって有利な権利から放出する順序、すなわち「第3実行権利>第2実行権利>第1実行権利」の順で優先的に放出する順序としている。つまり、第3実行権利がストックされている限りは第3実行権利を放出し、第3実行権利がストックされていない場合に第2実行権利がストックされている限りは第2実行権利を放出し、第3実行権利及び第2実行権利がストックされていない場合に第1実行権利がストックされている限りは第1実行権利を放出する。
【0091】
また、本実施の形態では、演出状態切替制御手段240は、ART遊技の遊技回数をカウントするART遊技回数カウンタを備え、演出状態切替制御手段240は、1セットのART遊技が開始するときに、ART遊技回数カウンタを初期値にリセットして、ART遊技の遊技回数のカウントを開始する。そして、演出状態切替制御手段240は、毎遊技の実行に伴い(たとえばスタートスイッチ33の操作を契機として)、1回の遊技に相当する所定値(本実施の形態では「1」)をART遊技回数カウンタに加算する。これにより、演出状態切替制御手段240は、1セットのART遊技の遊技回数をカウントする。
また、本実施の形態では、演出状態切替制御手段240は、1セットのART遊技が終了する場合に、実行権利ストック手段200により実行権利がストックされていないとき、具体的にはすべてのストックカウンタが1個の実行権利に相当する所定値(「1」)未満である(詳細には「0」である)ときに、成立している管理フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定する。
【0092】
また、本実施の形態では、演出状態切替制御手段240は、1セットのART遊技が終了する場合に、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態で、かつ実行権利ストック手段200により実行権利がストックされているときに、成立している管理フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定する。
また、演出状態切替制御手段240は、1セットのART遊技が終了する場合に、ボーナス役の当選の権利を持ち越していない状態で、実行権利ストック手段200により実行権利がストックされており、かつ特定開始権利ストック手段220により特定開始権利がストックされているとき、具体的には即放出カウンタが1個の特定開始権利に相当する所定値(「1」)以上であるときに、実行権利の放出順序に従って、演出状態を設定する。たとえば、1セットの第3ART遊技が終了する場合に、実行権利ストック手段200により第3実行権利がストックされているときには、第3AT状態フラグを成立させたままとすることにより、演出状態を第3AT状態に設定する。また、たとえば、1セットの第3ART遊技が終了する場合に、実行権利ストック手段200により第3実行権利がストックされておらずかつ第2実行権利がストックされているときには、第3AT状態フラグを消去するとともに、第2AT状態フラグを成立させ、演出状態を第2AT状態に設定する。
【0093】
また、演出状態切替制御手段240は、1セットのART遊技が終了する場合に、ボーナス役の当選の権利を持ち越していない状態で、実行権利ストック手段200により実行権利がストックされており、かつ特定開始権利ストック手段220により特定開始権利がストックされていないときに、特定の遊技回数(「0回」)で実行権利を放出するか否かの放出抽選を行う。そして、演出状態切替制御手段240は、放出抽選の結果が当選の場合には、実行権利の放出順序に従って、演出状態を設定する。一方、放出抽選の結果がハズレの場合には、演出状態切替制御手段240は、成立している管理フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定するとともに、実行権利を放出するまでの遊技回数である潜伏遊技回数(たとえば32回)を設定し、設定した潜伏遊技回数が経過したときに、ボーナス役に当選していないことを条件に、実行権利の放出順序に従って、管理フラグを成立させ、演出状態をAT状態に設定する。なお、この場合には、放出抽選を行うことなく潜伏遊技回数を決定するようにしてもよい。
【0094】
また、演出状態切替制御手段240は、ART遊技中において、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたとき、具体的にはボーナス入賞信号を受信したときに、成立している管理フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定する。
また、演出状態切替制御手段240は、ボーナス遊技が終了する場合に、実行権利ストック手段200により実行権利がストックされおり、かつ特定開始権利ストック手段220により特定開始権利がストックされているときに、実行権利の放出順序に従って、演出状態を設定する。
【0095】
(演出実行手段250)
演出実行手段250は、演出を実行するものである。
本実施の形態では、演出実行手段250は、演出状態がAT状態で、遊技状態が通常状態又は内部中状態で、かつ再遊技役の抽選状態が高確率状態、中確率状態又は第2低確率状態である場合に、ベル役に当選したときに、ベル28役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に報知するベル報知演出を実行する。
また、演出実行手段250は、演出状態がAT状態で、遊技状態が通常状態で、かつ再遊技役の抽選状態が第2低確率状態である場合に、打順リプB1役〜打順リプB6役のいずれかの当選したときに、リプレイD役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に報知するリプレイD報知演出を実行する。
【0096】
また、演出実行手段250は、演出状態がAT状態で、遊技状態が通常状態で、かつ再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合に、打順リプA1役〜打順リプA6役のいずれかの当選したときに、リプレイC役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に報知するリプレイC報知演出を実行する。
また、本実施の形態では、演出実行手段250は、ART遊技中において、ボーナス役に当選した場合に、ボーナス役に当選したことを遊技者に報知するボーナス報知演出を実行する。この場合には、演出実行手段250は、BB1役〜BB3役のいずれかに当選した場合には、BB1役〜BB4役のいずれかに当選したことを遊技者に報知するように、ボーナス報知演出を行い、BB4役に当選した場合には、BB4役に当選したことを遊技者に報知するように、ボーナス報知演出を行う。
【0097】
また、本実施の形態では、演出実行手段250は、1セットのART遊技が終了する際に、潜伏遊技回数が設定された場合に、設定された潜伏遊技回数が経過するまでの間に、実行権利がストックされていること、すなわちART遊技が開始されることを遊技者に期待させる前兆報知演出を実行する。
(スロットマシン10の動作)
以下、図15〜図20に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係るスロットマシン10の動作の概略を説明する。まず、スロットマシン10の遊技制御装置21における処理であるメイン制御処理について説明する。
【0098】
図15に示すステップ100において、遊技制御手段60により、規定枚数(本実施の形態では3枚)のメダルがベットされたか否かが判断される。ここで、ベットされたと判断されると、ステップ101に進む。一方、ベットされていないと判断されると、再度ステップ100となる。
ステップ101において、遊技制御手段60により、スタートスイッチ33が操作されたか否かが判断される。ここで、操作されたと判断されると、ステップ102に進む。一方、操作されていないと判断されると、再度ステップ101となる。
ステップ102において、役抽選手段100により、役抽選が行われるとともに、役抽選の結果が演出制御装置22に送信され、ステップ103において、回転制御手段110より、3個すべての回転リール45の回転が開始される。そして、次のステップ104に進む。
【0099】
ステップ104において、遊技制御手段60により、ストップスイッチ34が操作されたか否かが判断される。ここで、操作されたと判断されると、ステップ105に進む。一方、操作されていないと判断されると、再度ステップ104となる。
ステップ105において、停止制御手段120により、操作されたストップスイッチ34に対応する回転リール45の停止制御が行われる。そして、次のステップ106に進む。
ステップ106において、遊技制御手段60により、すべての回転リール45の回転が停止したか否かが判断される。ここで、すべての回転リール45の回転が停止したと判断されると、ステップ107に進む。一方、すべての回転リール45の回転が停止していないと判断されると、ステップ104に戻る。
【0100】
ステップ107において、停止図柄判定手段130により、有効入賞ライン上に停止表示された図柄の組み合わせを判定する停止表示図柄判定処理が行われ、判定の結果が演出制御装置22に送信される。そして、次のステップ108に進む。
ステップ108において、遊技制御手段60により、停止表示された図柄の組み合わせに応じた処理が行われる。たとえば、いずれかの小役を構成する図柄の組み合わせが停止表示された場合には、遊技制御手段60により、当該役に応じた枚数のメダルの払い出しが行われる。また、たとえば、いずれかの再遊技役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合には、遊技制御手段60により、再遊技を実行するための処理、具体的には前回の遊技でベットした枚数と同数のメダルを自動的にベットする処理が行われる。
【0101】
また、たとえば、遊技状態移行制御手段140により、遊技状態の移行に関する処理が行われる。具体的には、たとえばいずれかのボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、当該役に応じたボーナス状態へ遊技状態が移行され、また、たとえばボーナス遊技の終了条件が成立した場合には、通常状態へ遊技状態が移行される。
また、たとえば、再遊技役抽選状態制御手段150により、再遊技役の抽選状態に関する処理が行われる。具体的には、たとえば中確率状態においてリプレイC役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、再遊技役の抽選状態が高確率状態に設定され、また、たとえば中確率状態においてブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、再遊技役の抽選状態が第2低確率状態に設定され、また、たとえば中確率状態においてリプレイA役、リプレイB役、リプレイE役又はベル1役〜ベル27役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、再遊技役の抽選状態が第1低確率状態に設定される。そして、そして、当該メイン制御処理が終了する。
【0102】
つぎに、スロットマシン10の演出制御装置22における処理であるサブ制御処理について説明する。
図16に示すステップ200において、スイカ役、チェリー役又はボーナス役などに当選などの所定の契機が発生したか否かが判断される。ここで、発生したと判断されると、ステップ201に進む。一方、発生していないと判断されると、ステップ202に進む。
ステップ201において、所定の契機が発生したときの処理である所定の契機発生時の処理が行われる。そして、次のステップ204に進む。
ステップ202において、上述した(1)〜(8)の確定契機が発生したか否かが判断される。ここで、いずれかが発生したと判断されると、ステップ203に進む。一方、発生していないと判断されると、ステップ204に進む。
【0103】
ステップ203において、確定契機が発生したときの処理である確定契機発生時の処理が行われる。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、1セットのART遊技が開始されるか否か、具体的には演出状態がAT状態でかつ再遊技役の抽選状態が第2低確率状態又は中確率状態である場合に、現在の再遊技役の抽選状態が高確率状態である旨を示す遊技状態コマンドを受信したか否かが判断される。ここで、開始されると判断されると、ステップ205に進む。一方、開始されないと判断されると、ステップ206に進む。
ステップ205において、実行権利ストック手段200により、ストックしている実行権利を放出するストック放出処理が行われる。具体的には、そのときのAT状態に対応するストックカウンタから1個の実行権利に相当する所定値(「1」)が減算される。そして、当該サブ制御処理が終了する。
【0104】
ステップ206において、1セットのART遊技が終了するか否か、具体的には、具体的にはAT状態においてART遊技回数カウンタが1セットの遊技回数に相当する所定値(「40」)に達したか否かが判断される。ここで、終了すると判断されると、ステップ207に進む。一方、終了しないと判断されると、ステップ208に進む。
ステップ207において、1セットのART遊技が終了するときの処理であるART遊技終了時の処理が行われる。そして、当該サブ制御処理が終了する。
ステップ208において、ボーナス遊技が終了するか否かが判断される。ここで、終了すると判断されると、ステップ209に進む。一方、終了しないと判断されると、当該サブ制御処理が終了する。
【0105】
ステップ209において、ボーナス遊技が終了するときの処理であるボーナス遊技終了時の処理が行われる。そして、当該サブ制御処理が終了する。
つぎに、上述したステップ201の所定の契機発生時の処理について説明する。
図17に示すステップ300において、実行権利発生手段190により、AT抽選を行うAT抽選処理が行われる。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、AT抽選の結果が当選であるか否かが判断される。ここで、当選であると判断されると、ステップ302に進む。一方、ハズレであると判断されると、ステップ307に進む。
【0106】
ステップ302において、実行権利発生手段190により、個数選択抽選を行う個数選択抽選処理が行われる。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、実行権利ストック手段200により、発生した実行権利を、実行権利の種類ごとにストックする実行権利ストック処理が行われる。具体的には、発生した実行権利の個数に応じた所定値が、発生した実行権利の種類に対応したストックカウンタに加算される。そして、次のステップ304に進む。
ステップ304において、特定開始権利発生手段210により、発生した実行権利の個数の範囲内で即放出抽選を行う即放出抽選処理が行われる。そして、次のステップ305に進む。
【0107】
ステップ305において、即放出抽選の結果が当選であるか否かが判断される。ここで、当選であると判断されると、ステップ306に進む。一方、ハズレであると判断されると、当該所定の契機発生時の処理が終了する。
ステップ306において、特定開始権利ストック手段220により、発生した特定開始権利をストックする特定開始権利ストック処理が行われる。具体的には、発生した特定開始権利の個数に応じた所定値が、即放出カウンタに加算される。そして、当該所定の契機発生時の処理が終了する。
ステップ307において、実行権利切替手段230により、AT状態において、第1ストックカウンタが「1」(1個の第1実行権利に相当する所定値)以上である場合に、切替抽選を行う切替抽選処理が行われる。そして、次のステップ308に進む。なお、演出状態がAT状態でない場合、又は第1ストックカウンタが「1」以上でない場合には、当該切替抽選処理は行われずに、当該所定の契機発生時の処理が終了する。
【0108】
ステップ308において、切替抽選の結果が第1当選であるか否かが判断される。ここで、第1当選であると判断されると、ステップ309に進む。一方、第1当選でないと判断されると、ステップ310に進む。
ステップ309において、実行権利切替手段230により、第1ストックカウンタから「1」(1個の実行権利に相当する所定値)が減算されるとともに、第2ストックカウンタに「1」(1個の実行権利に相当する所定値)が加算される。そして、当該所定の契機発生時の処理が終了する。
ステップ310において、切替抽選の結果が第2当選であるか否かが判断される。ここで、第2当選であると判断されると、ステップ311に進む。一方、第2当選でない、すなわちハズレであると判断されると、当該所定の契機発生時の処理が終了する。
【0109】
ステップ311において、実行権利切替手段230により、第1ストックカウンタから「1」が減算されるとともに、第3ストックカウンタに「1」(1個の実行権利に相当する所定値)が加算される。そして、当該所定の契機発生時の処理が終了する。
つぎに、上述したステップ203の確定契機発生時の処理について説明する。
図18に示すステップ400において、実行権利発生手段190により、個数選択抽選を行う個数選択抽選処理が行われる。そして、次のステップ401に進む。
ステップ401において、実行権利ストック手段200により、上述したステップ303と同様に、発生した実行権利を、実行権利の種類ごとにストックする実行権利ストック処理が行われる。そして、次のステップ402に進む。
【0110】
ステップ402において、特定開始権利発生手段210により、発生した実行権利の個数の範囲内で放出個数選択抽選を行う放出個数選択抽選処理が行われる。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、特定開始権利ストック手段220により、上述したステップ306と同様に、発生した特定開始権利をストックする特定開始権利ストック処理が行われる。そして、当該確定契機発生時の処理が終了する。
つぎに、上述したステップ207のART遊技終了時の処理について説明する。
図19に示すステップ500において、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態であるか否か、具体的には、ART遊技回数カウンタが1セットの遊技回数に相当する所定値(「40」)に達するまでの間にボーナス当選信号を受信しておりかつボーナス入賞信号を受信していないか否かが判断される。ここで、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態でないと判断されると、ステップ501に進む。一方、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態であると判断されると、ステップ510に進む。
【0111】
ステップ501において、いずれかのストックカウンタが「1」以上であるか否か、すなわちいずれかの実行権利をストックしているか否かが判断される。ここで、「1」以上であると判断されると、ステップ502に進む。一方、「1」未満、具体的には「0」であると判断されると、ステップ509に進む。
ステップ502において、即放出カウンタが「1」未満であるか否か、すなわち特定開始権利をストックしていないか否かが判断される。ここで、「1」未満であると判断されると、ステップ503に進む。一方、「1」以上であると判断されると、ステップ506に進む。
【0112】
ステップ503において、演出状態切替制御手段240により、放出抽選を行う放出抽選処理が行われる。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、放出抽選の結果が当選であるか否かが判断される。ここで、当選であると判断されると、ステップ505に進む。一方、ハズレであると判断されると、ステップ507に進む。
ステップ505において、演出状態切替制御手段240により、実行権利の放出順序に従って、演出状態をいずれかのAT状態に設定する演出状態設定処理が行われる。具体的には、第3実行権利がストックされているときには、演出状態が第3AT状態に設定され、また、第3実行権利がストックされておらずかつ第2実行権利がストックされているときには、演出状態が第2AT状態に設定され、また、第3実行権利及び第2実行権利がストックされておらずかつ第1実行権利がストックされているときには、演出状態が第1AT状態に設定される。そして、当該ART遊技終了時の処理が終了する。
【0113】
ステップ506において、特定開始権利ストック手段220により、即放出カウンタから「1」(1個の特定開始権利に相当する所定値)が減算される。そして、ステップ505に進む。
ステップ507において、演出状態切替制御手段240により、演出状態が通常演出状態に設定され、ステップ508において、演出状態切替制御手段240により、潜伏遊技回数が決定される。そして、当該ART遊技終了時の処理が終了する。
ステップ509において、演出状態切替制御手段240により、演出状態が通常演出状態に設定される。そして、当該ART遊技終了時の処理が終了する。
【0114】
ステップ510において、いずれかのストックカウンタが「1」以上であるか否かが判断される。ここで、「1」以上であると判断されると、ステップ511に進む。一方、「1」未満、具体的には「0」であると判断されると、ステップ514に進む。
ステップ511において、即放出カウンタが「1」未満であるか否かが判断される。ここで、「1」未満であると判断されると、ステップ512に進む。一方、「1」以上であると判断されると、ステップ514に進む。
ステップ512において、特定開始権利発生手段210により、ストックしている実行権利の個数の範囲内で放出個数選択抽選を行う放出個数選択抽選処理が行われる。そして、次のステップ513に進む。
【0115】
ステップ513において、特定開始権利ストック手段220により、上述したステップ306と同様に、発生した特定開始権利をストックする特定開始権利ストック処理が行われる。そして、次のステップ514に進む。
ステップ514において、演出状態切替制御手段240により、演出状態が通常演出状態に設定される。そして、当該ART遊技終了時の処理が終了する。
つぎに、上述したステップ209のボーナス遊技終了時の処理について説明する。
図20に示すステップ600において、いずれかのストックカウンタが「1」以上であるか否かが判断される。ここで、「1」以上であると判断されると、ステップ601に進む。一方、「1」未満、具体的には「0」であると判断されると、ステップ604に進む。
【0116】
ステップ601において、即放出カウンタが「1」未満であるか否かが判断される。ここで、「1」未満でない、すなわち「1」以上であると判断されると、ステップ602に進む。一方、「1」未満であると判断されると、ステップ604に進む。
ステップ602において、特定開始権利ストック手段220により、即放出カウンタから「1」が減算される。そして、ステップ603に進む。
ステップ603において、演出状態切替制御手段240により、実行権利の放出順序に従って、演出状態がいずれかのAT状態に設定される。そして、当該ボーナス遊技終了時の処理が終了する。
【0117】
ステップ604において、演出状態切替制御手段240により、演出状態が通常演出状態に設定される。そして、当該ボーナス遊技終了時の処理が終了する。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態では、再遊技役の抽選状態が高確率状態に設定されてから中確率状態に設定されるまでの40回を1セットする、3種類のART遊技を備え、所定の契機又は確定契機が発生したときに、各ART遊技に対応した実行権利を1又は複数個の発生させる。そして、発生した実行権利の種類に対応したストックカウンタにより、発生した実行権利をストックする。
【0118】
また、本実施の形態では、所定の契機により実行権利が発生したときに、1セットのART遊技が終了した後即(0回で)1セットのART遊技を開始する権利である特定開始権利を、発生した実行権利の個数の範囲内で即放出抽選により発生させる。また、本実施の形態では、確定契機により実行権利が発生したときに、特定開始権利を、発生した実行権利の個数の範囲内で放出個数選択抽選により発生させる。この場合には、特定開始権利が少なくとも1個は必ず発生する。そして、発生した特定開始権利を即放出カウンタによりストックする。
そして、1セットのART遊技が終了する際に、実行権利及び特定開始権利をストックしているときには、連続して再び1セットのART遊技が開始するように、ストックしている実行権利を放出して演出状態を所定のAT状態に設定しART遊技が開始するようにする。一方、1セットのART遊技が終了する際に、実行権利はストックしているものの特定開始権利はストックしていないときには、放出抽選を行う。そして、この放出抽選の結果が当選の場合には、連続して再び1セットのART遊技が開始するようにストックしている実行権利を放出して演出状態を所定のAT状態に設定しART遊技が開始するようにする。また、この放出抽選の結果がハズレの場合には、潜伏遊技回数を設定し、潜伏遊技回数が経過したときにストックしている実行権利を放出して演出状態を所定のAT状態に設定しART遊技が開始するようにする。
【0119】
以上より、本実施の形態によれば、即放出カウンタによって特定開始権利をストックすることにより、「ストックしている実行権利の個数のうち何個分については連続して即放出する、すなわちART遊技を向こう何セットまで連続させる」、「ストックしている実行権利の個数のうち1個分についてのみ即放出する、すなわちART遊技を連続させない」、又は「潜伏させる」といったコントロールを容易に行うことができる。
また、本実施の形態では、実行権利の放出順序を、遊技者にとって有利な権利から放出する順序、すなわち「第3実行権利>第2実行権利>第1実行権利」の順で優先的に放出する順序としている。そして、本実施の形態によれば、各ART遊技ごとに実行権利をストックするので、放出順序のコントロールを容易に行うことができる。
【0120】
そして、本実施の形態によれば、ストックカウンタと即放出カウンタとを設けることにより、複数種類の実行権利をストックしている場合における放出順序や放出のタイミングを容易にコントロールすることができ、プログラムを簡潔にすることができる。
また、本実施の形態によれば、確定契機が発生した場合には、特定開始権利を1個は必ず発生させストックするので、確定契機を、実行権利を少なくとも1個は必ず発生させることが予め定められたものとして明確なものとすることができる。また、実施の形態によれば、たとえば次のセットのART遊技を開始するまでの間(たとえば1セットのART遊技中とその後のボーナス遊技中)に確定契機が複数回発生した場合に、1セットのART遊技を連続して実行することができる。
【0121】
また、本実施の形態では、1セットのART遊技が終了する際に、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態であって、実行権利を少なくとも1個ストックしており、かつ特定開始権利をストックしていないときには、特定開始権利を発生させストックする。これにより、本実施の形態によれば、過去にストックした実行権利の放出のタイミングを変更することができる。また、本実施の形態では、この場合には、ボーナス遊技が終了した次の遊技からAT遊技を開始し、ART遊技を開始する。これにより、本実施の形態によれば、ボーナス遊技が終了した後所定の遊技回数が経過した後にAT遊技を開始しARTを実行する場合に比べて、メダルのロスが少なくなり遊技者にストレスを与えることなく遊技を行わせることができる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、所定の契機により過去にストックした1個の第1実行権利を、遊技者にとって有利な第2実行権利又は第3実行権利に切り替えるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(他の実施の形態)
上述した実施の形態では、実行権利切替手段230は、ストックされている実行権利を、その実行権利よりも遊技者にとって有利な実行権利に切り替えるものであるが、これに限られるものではない。たとえば、ストックされている1個の実行権利を、その実行権利よりも遊技者にとって不利な複数個(たとえば2個)の実行権利に切り替えるようにしてもよい。また、有利な実行権利に切り替えるか、不利な実行権利に切り替えるかを遊技者が選べるようにしてもよい。
【0123】
また、上述した実施の形態では、実行権利の放出順序としては、ストックした順序や、いずれの実行権利を放出するか否かの抽選を行いその結果により決定するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、特定の遊技回数を潜伏遊技回数(たとえば32回)とするようにしてもよい。すなわち、特定開始権利をストックしている場合には、潜伏遊技回数が経過したときに1セットのART遊技を開始するようにし、特定開始権利をストックしていない場合に、1セットのART遊技が終了した後即(0回で)1セットのART遊技を開始するようにしてもよい。
【0124】
また、上述した実施の形態では、実行権利ストック手段200は、ART遊技回数カウンタが1セットの遊技回数に相当する所定値になり1セットのART遊技が終了するときに、実行しているART遊技に対応する実行権利を1個消去するようにしてもよい。このようにすると、1セットのART遊技中にボーナス役に当選した後にボーナス役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させることができる状況(当該遊技の役抽選の結果がハズレ)が発生したとき、停止表示させてART遊技を完走させずに実行権利のストックが消去されないようにする、又は停止表示させずに確定契機が発生することに期待する、といったことを遊技者が選ぶことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0125】
また、上述した実施の形態では、ART遊技を有利遊技としたが、これに限られるものではなく、有利遊技としては、RT遊技や、AT遊技や、少なくともいずれかの回転リール45のスベリコマ数を0コマ又は1コマにすることにより、いわゆる目押しを可能としたCT(チャレンジタイム)遊技などとすることができる。
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良なども含むものである。また、本発明は、上述した実施の形態を適宜組み合わせる、または組み替えることもできる。
【符号の説明】
【0126】
10 スロットマシン(遊技機) 100 役抽選手段
190 実行権利発生手段 200 実行権利ストック手段
210 特定開始権利発生手段 220 特定開始権利ストック手段
230 実行権利切替手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機、たとえばスロットマシンでは、RT(リプレイタイム)遊技や、AT(アシストタイム)遊技や、ART(アシストリプレイタイム)遊技などの通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技(有利遊技)が知られている。RT遊技は、通常遊技よりも再遊技役の当選確率を高く設定した遊技であり、また、AT遊技は、小役などの当選を遊技者に報知する遊技であり、また、ART遊技は、RT遊技とAT遊技とを同時に実行する遊技である。
また、従来から、所定の契機により有利遊技へ移行する権利をストックし、ストックしている権利を任意のタイミングで放出することにより、有利遊技を開始する遊技機が知られている。たとえば、特許文献1には、AT抽選に当選した場合に、BB終了後100ゲーム以内であるときには、ATモードに移行する権利を即放出し、BB終了後100ゲーム以降であるときには、ATモードに移行する権利をストックする遊技機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−220183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数種類の有利遊技を備え、各有利遊技を実行する権利をストック可能とした場合には、複数種類の有利遊技のそれぞれに対応した権利をストックしている場合における放出順序や放出のタイミングをコントロールしようとすると、プログラムが煩雑となることがあった。
そこで、本発明は、複数種類の有利遊技を備え、各有利遊技を実行する権利をストック可能な遊技機において、複数種類の有利遊技のそれぞれに対応した権利をストックしている場合における放出順序や放出のタイミングを容易にコントロールすることができ、プログラムを簡潔にすることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
各請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、通常の遊技である通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技である有利遊技を備え、有利遊技として、複数種類の有利遊技を備え、有利遊技を実行する権利であって各有利遊技に対応した権利であるいずれかの実行権利を有している場合に、対応する有利遊技を実行可能な遊技機であって、実行権利を1又は複数個発生させる実行権利発生手段190と、実行権利発生手段190により発生された実行権利を実行権利の種類ごとにストックする実行権利ストック手段200と、実行権利ストック手段200により実行権利が少なくとも1個ストックされている場合に、特定の遊技回数で有利遊技を開始する権利である特定開始権利を1又は複数個発生させ得る特定開始権利発生手段210と、特定開始権利発生手段210により発生された特定開始権利をストックする特定開始権利ストック手段220と、を備え、実行権利ストック手段200により実行権利が少なくとも1個ストックされ、かつ特定開始権利ストック手段220により特定開始権利が少なくとも1個ストックされている場合には、特定の遊技回数が経過したときに、実行権利ストック手段200によりストックされている実行権利に対応した有利遊技を開始し、実行権利ストック手段200により実行権利が少なくとも1個ストックされ、かつ特定開始権利ストック手段220により特定開始権利がストックされていない場合には、特定の遊技回数と同一又は異なる遊技回数が経過したときに、実行権利ストック手段200によりストックされている実行権利に対応した有利遊技を開始するように形成されていることを特徴とする。
【0006】
ここで、「特定開始権利」は、特定の遊技回数で有利遊技を開始する権利である。また、「特定の遊技回数」には、「0回」も含まれるものである。
すなわち本発明では、各有利遊技ごとに実行権利をストックし、実行権利を少なくとも1個ストックしている場合に、特定開始権利をストックし得る。そして、特定開始権利をストックしている場合には、特定の遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始する。一方、特定開始権利をストックしていない場合には、特定の遊技回数と同一又は異なる遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始する。
【0007】
これにより、本発明によれば、特定の遊技回数をたとえば「0回」とした場合には、ストックしている実行権利の個数のうち何個分については連続して即放出するといったコントロールを容易に行うことができる。また、本発明によれば、各有利遊技ごとに実行権利をストックすることにより、放出順序のコントロールを容易に行うことができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の特徴に加え、実行権利を少なくとも1個は必ず発生させることが予め定められた確定契機が設定され、実行権利発生手段190は、確定契機においては、実行権利を少なくとも1個は必ず発生させるように形成され、特定開始権利発生手段210は、確定契機により実行権利が発生した場合に、特定開始権利を少なくとも1個発生させるように形成されていることを特徴とする。
【0008】
すなわち本発明では、確定契機により実行権利をストックした場合には、特定開始権利を必ずストックする。これにより、本発明によれば、確定契機により実行権利をストックした場合に、特定の遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始することができる。
また、たとえば、特定の遊技回数を「0回」とし、確定契機が発生した場合に特定の遊技回数とは異なる遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始するようにすると、確定契機の発生後からストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始するまでの間に、実行権利をストックし得る所定の契機(たとえばスイカ役やチェリー役などの特定役の当選)が発生した場合に、開始された有利遊技がいずれの契機によるものであるかが不明確なものとなってしまう。これに対して、本発明によれば、確定契機が発生した場合には、特定の遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始するので、確定契機を、実行権利を少なくとも1個は必ず発生させることが予め定められたものとして明確なものとすることができる。
【0009】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明の特徴に加え、特別役を含む複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段100を備え、役抽選手段100は、役抽選により特別役に当選した場合に、当選した特別役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されるまで当選の権利を持ち越すとともに、特別役の当選の権利を持ち越している遊技においては、特別役を役抽選の抽選対象には設定しないように形成され、遊技として、特別役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを契機に開始される遊技であって通常遊技とは異なる遊技である特別遊技を備え、1個の実行権利により、所定の遊技回数を1セットとする、1セットの有利遊技を実行するように形成され、有利遊技は、役抽選により特別役に当選しても終了しないように形成され、特定開始権利発生手段210は、1セットの有利遊技が終了する際に、特別役の当選の権利を持ち越している状態である場合に、実行権利ストック手段200により実行権利が少なくとも1個ストックされ、かつ特定開始権利ストック手段220により特定開始権利がストックされていないときには、特定開始権利を少なくとも1個発生させるように形成されていることを特徴とする。
【0010】
すなわち本発明では、1セットの有利遊技が終了する際に、特別役の当選の権利を持ち越している状態であって、実行権利を少なくとも1個ストックしており、かつ特定開始権利をストックしていないときには、特別遊技が終了してから特定の遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始する。これにより、本発明によれば、過去にストックした実行権利の放出のタイミングを変更することができる。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記請求項1、2又は3記載の発明の特徴に加え、実行権利ストック手段200は、有利遊技が実行された場合に、対応する実行権利を1個消去するように形成され、特定開始権利ストック手段220は、特定の遊技回数で有利遊技が開始されたときに、ストックしている特定開始権利を1個消去するように形成され、実行権利ストック手段200により少なくとも1個の実行権利がストックされている場合に、ストックされている実行権利を、他の有利遊技に対応した実行権利に切り替える実行権利切替手段230を備えることを特徴とする。
【0011】
すなわち本発明によれば、実行権利のストックのみならず、過去にストックした一に有利遊技に対応する実行権利を、他の有利遊技に対応した実行権利に切り替えるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
すなわち請求項1記載の発明によれば、複数種類の有利遊技を備え、各有利遊技を実行する実行権利をストック可能な遊技機において、複数種類の有利遊技のそれぞれに対応した実行権利をストックしている場合における放出順序や放出のタイミングを容易にコントロールすることができ、プログラムを簡潔にすることができる遊技機を提供することができる。
(請求項2)
すなわち請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加え、確定契機により実行権利をストックした場合に、特定の遊技回数が経過したときに、ストックしている実行権利に対応した有利遊技を開始することができる遊技機を提供することができる。
【0013】
(請求項3)
すなわち請求項3記載の発明によれば、上記請求項1又は2記載の発明の効果に加え、過去にストックした実行権利の放出のタイミングを変更することができる遊技機を提供することができる。
(請求項4)
すなわち請求項4記載の発明によれば、上記請求項1、2又は3記載の発明の効果に加え、実行権利のストックのみならず、過去にストックした一に有利遊技に対応する実行権利を、他の有利遊技に対応した実行権利に切り替えるので、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの正面図である。
【図2】各回転リールの図柄の配列を説明するための説明図である。
【図3】スロットマシンのブロック図である。
【図4】役を説明するための説明図である。
【図5】役を説明するための説明図である。
【図6】通常役抽選テーブルを説明するための説明図である。
【図7】内部中役抽選テーブルを説明するための説明図である。
【図8】ボーナス役抽選テーブルを説明するための説明図である。
【図9】再遊技役の当選態様を説明するための説明図である。
【図10】ベル役の当選態様を説明するための説明図である。
【図11】ベル役の当選態様を説明するための説明図である。
【図12】小役の当選態様を説明するための説明図である。
【図13】ストップスイッチの操作順序と有効入賞ライン上に停止表示される役との関係を説明するための説明図である。
【図14】遊技状態及び再遊技役の抽選状態の移行を説明するための説明図である。
【図15】メイン制御処理の概略を示すフローチャートである。
【図16】サブ制御処理の概略を示すフローチャートである。
【図17】所定の契機発生時の処理を示すフローチャートである。
【図18】確定契機発生時の処理を示すフローチャートである。
【図19】ART遊技終了時の処理を示すフローチャートである。
【図20】ボーナス遊技終了時の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を、図1〜図20に基づいて説明する。
以下、「前面」とは、スロットマシン10において遊技を行う際に遊技者が向き合う面をいい、「右側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て右側をいい、「左側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て左側をいう。
(スロットマシン10)
図1に概略を示すように、遊技機としてのスロットマシン10は、前面に開口部を有する箱型の筐体11を備え、筐体11の前面には、開口部を塞ぐ前扉12を備え、筐体11の内部には、3個の回転リール45を横並びに配置したリールユニット40や、スロットマシン10を制御するための制御装置20や、遊技媒体としてのメダルを払い出すためのホッパーユニットや、スロットマシン10が備える各装置に電力を供給するための電源ユニットなどを備えている。
【0016】
また、3個の回転リール45のうち、左側に位置するのが左リール46であり、中央に位置するのが中リール47であり、右側に位置するのが右リール48である。
また、前扉12の上部には、上パネル13を備え、前扉12の下部には、下パネル14を備え、前扉12の前面における、上パネル13と下パネル14との間には、前方へ向けて突出する操作部16を備えている。
また、上パネル13のほぼ中央には、各回転リール45の周囲に付されている図柄を遊技者に見せるための図柄表示窓15が設けられている。この図柄表示窓15は、3個すべての回転リール45の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄を遊技者に見せるように形成されている。
【0017】
また、本実施の形態では、入賞ラインとして、下段の表示位置における3個の図柄を通る「下段入賞ライン」と、左上・中央・右下の表示位置における3個の図柄を通る「右下り入賞ライン」とが設けられている。なお、以下において、上段の3個の図柄を通るラインを「上段ライン」と、中段の3個の図柄を通るラインを「中段ライン」と、左下・中央・右上の3個の図柄を通るラインを「右上りライン」と称する。これらの上段ライン、中段ライン及び右上りラインは、本実施の形態では入賞ラインには設定されていない。
また、上パネル13における、図柄表示窓15の上方に相当する位置には、画像を表示する表示装置55が設けられている。また、上パネル13の周囲縁には、演出用ランプ17が設けられている。
【0018】
また、操作部16の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口36が設けられ、操作部16の上面左側には、スロットマシン10に電子的に貯留(クレジット)されているメダルをベットするためのベットスイッチ32が設けられ、操作部16の上面左端付近には、クレジットされているメダルを返却するための精算スイッチ35が設けられ、操作部16の前面左側には、すべての回転リール45の回転を開始させるためのスタートスイッチ33が設けられ、操作部16の前面中央には、回転リール45の回転を停止させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応している3個のストップスイッチ34が横並びに設けられている。
【0019】
また、3個のストップスイッチ34のうち、左側に位置するのが左停止スイッチ56であり、中央に位置するのが中停止スイッチ57であり、右側に位置するのが右停止スイッチ58である。また、左停止スイッチ56は左リール46に対応しており、また、中停止スイッチ57は中リール47に対応しており、また、右停止スイッチ58は右リール48に対応している。
また、前扉12の下部中央には、メダルを払い出すためのメダル払出口37が設けられ、メダル払出口37の下方には、メダル払出口37から払い出されたメダルを受け止めて貯留するためのメダル受け皿38が設けられている。また、前扉12には、図示しないスピーカが設けられている。
【0020】
(リールユニット40)
リールユニット40は、横並びに設けた3個の回転リール45と、各回転リール45を回転させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応しているステッピングモータと、これらを支持するためのフレームとを備えている。
また、各回転リール45の周囲には、複数種類の図柄が所定の配列で合計21個付されている。具体的には、回転リール45の周囲には、図2に示すように、「赤7」、「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベルA」、「ベルB」、「ベルC」及び「チェリー」の図柄が付されている。
【0021】
また、各ステッピングモータの出力軸には、対応する回転リール45がそれぞれ固定されている。
また、ステッピングモータは、パルス信号によって駆動するものであって、入力されるパルス信号のパターンによって、加速・定速・減速のパターンが決まる。そして、ステッピングモータが駆動すると、ステッピングモータの出力軸を中心に、対応する回転リール45が回転する。また、ステッピングモータは、一のパルス信号の入力により、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量駆動する。そして、ステッピングモータが図柄1個分に相当する量駆動すると、対応する回転リール45が、周囲に付された図柄1個分に相当する量回転する(1コマ回転する)。
【0022】
また、各回転リール45には、インデックスセンサにより検知されるインデックスが設けられており、インデックスが検知されてからのステッピングモータのパルス数により回転リール45の回転位置及び停止位置を特定できるようになっている。
(制御装置20)
制御装置20は、図3に示すように、主として遊技を制御する遊技制御装置21と、遊技制御装置21からの信号を受信して、主として遊技の演出を制御する演出制御装置22とを備えている。
遊技制御装置21は、メイン基板などとも呼ばれるものであって、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、遊技制御装置21を構成するマイクロコンピュータが、役の抽選(役抽選)、回転リール45の回転・停止及びメダルの払い出しなどの遊技の進行を制御する遊技制御手段60として機能する。詳細には、遊技制御手段60は、図3に示すように、役抽選手段100、回転制御手段110、停止制御手段120、停止図柄判定手段130、遊技状態移行制御手段140、再遊技役抽選状態制御手段150、遊技状態コマンド送信手段155などとして機能する。遊技制御装置21の入力手段としては、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33、ストップスイッチ34、精算スイッチ35及びリールユニット40の各回転リール45のインデックスセンサなどが接続され、遊技制御装置21の出力手段としては、リールユニット40のステッピングモータや、ホッパーユニットなどが接続されている。
【0023】
また、演出制御装置22は、サブ基板などとも呼ばれるものであって、遊技制御装置21と同様に、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、演出制御装置22を構成するマイクロコンピュータが、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて遊技の演出を制御する演出制御手段160として機能する。演出制御装置22の入力手段としては、遊技制御装置21が接続され、演出制御装置22の出力手段としては、表示装置55や、演出用ランプ17や、図示しないスピーカなどが接続されている。
また、遊技制御装置21と演出制御装置22との間における信号の送受信は、遊技制御装置21における役抽選に関するデータ等の内部データの信頼性を担保すべく、一方通行となるように形成されている。
【0024】
また、本実施の形態では、遊技制御装置21には、遊技状態として、通常状態と、内部中状態と、ボーナス状態とが設けられている(図14参照)。また、ボーナス状態には、BB1状態と、BB2状態と、BB3状態と、BB4状態とがある。また、遊技制御装置21には、再遊技役の抽選状態として、無抽選状態と、第1低確率状態と、第2低確率状態と、中確率状態と、高確率状態とが設けられている(図14参照)。なお、遊技状態及び再遊技役の抽選状態としてはこれに限られるものではない。
また、本実施の形態では、演出制御装置22には、演出状態として、通常演出状態と、AT状態とがあり、AT状態としてさらに、第1AT状態と、第2AT状態と、第3AT状態とが設けられている。なお、演出状態としてはこれに限られるものではない。
【0025】
また、本実施の形態では、遊技として、通常遊技と、ボーナス遊技(特別遊技)と、AT(アシストタイム)遊技(有利遊技)と、ART(アシストリプレイタイム)遊技(有利遊技)とがある。また、AT遊技とART遊技とは、基本的に、連続して一体的に行われるものとなっており、AT遊技は、ART遊技を行うために、先立って行われる遊技である。すなわち、ART遊技を行う場合には、まずAT遊技が行われ、このAT遊技中に、再遊技役の抽選状態を高確率状態へ誘導するように報知演出が行われ、ART遊技が行われる。つまり、AT遊技は、ART遊技を開始するための準備状態である。
また、ART遊技には、第1ART遊技と、第2ART遊技と、第3ART遊技とがある。そして、これらの各遊技は、遊技状態及び演出状態のいずれか一方又は双方により規定されている。具体的には、遊技状態が通常状態で再遊技役の抽選状態が第1低確率状態、第2低確率状態又は中確率状態でかつ演出状態が通常演出状態である遊技が通常遊技である。また、遊技状態がボーナス状態である遊技がボーナス遊技である。なお、本実施の形態では、この場合では演出状態は通常演出状態に設定される。また、演出状態がAT状態でかつ再遊技役の抽選状態が第1低確率状態、第2低確率状態又は中確率状態である遊技がAT遊技である。また、演出状態が第1AT状態で再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技が第1ART遊技であり、また、演出状態が第2AT状態で再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技が第2ART遊技であり、また、演出状態が第3AT状態で再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技が第3ART遊技である。なお、遊技としてはこれに限られるものではない。
【0026】
また、本実施の形態では、役として、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがボーナス遊技へ移行するボーナス役(特別役)と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルが払い出される小役と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがメダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる再遊技を実行させる再遊技役とがある。ここで、「有効入賞ライン」とは、遊技媒体としてのメダルのベットに応じて有効になった入賞ラインである。本実施の形態では、1回の遊技につき、メダルを3枚ベットすることが可能となっており、3枚のメダルをベットすると、2本全ての入賞ラインが有効になり、有効入賞ラインとなる。なお、本実施の形態では、3枚のメダルをベットすることにより、遊技を開始することが可能となっている。
【0027】
そして、ボーナス役には、図4に示すように、BB1役と、BB2役と、BB3役と、BB4役とがある。たとえば、BB1役は、「赤7」「赤7」「赤7」の図柄の組み合わせにより構成される。そして、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されることにより、ボーナス遊技(遊技状態がBB状態である遊技)へ移行する。
なお、本実施の形態では、ボーナス役は、メダルの払い出しを行うことなく、ボーナス遊技へ移行するようになっているが、所定枚数(たとえば15枚)のメダルを払い出した後に、ボーナス遊技へ移行するようにしてもよい。
【0028】
また、小役には、図4に示すように、ベル1役〜ベル28役(以下、ベル1役〜ベル28役を、「ベル役」と総称する。)と、スイカ役と、チェリー役と、制御役と、特殊1役と、特殊2役とがある。たとえば、ベル1役は、「ベルA」「ベルA」「ベルA」の図柄の組み合わせにより構成され、また、たとえば、ベル28役は、(「ベルA」、「ベルB」又は「ベルC」)(「スイカ」又は「チェリー」)「スイカ」の図柄の組み合わせにより構成され、また、たとえば、チェリー役は、「チェリー」「ANY」「ANY」(「ANY」は、いずれの図柄であってもよいことを意味する。)の図柄の組み合わせにより構成される。そして、役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に停止表示されることにより、当該役に応じた所定枚数のメダルが払い出される。たとえば、「ベルA」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されることにより、ベル28役に応じた所定枚数(たとえば9枚)のメダルが払い出される。
【0029】
また、再遊技役には、図5に示すように、リプレイA役と、リプレイB役と、リプレイC役と、リプレイD役と、リプレイE役と、リプレイF役と、リプレイG役と、リプレイH役とがある。たとえば、リプレイA役は、「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」の図柄の組み合わせにより構成され、また、たとえば、リプレイB役は、「リプレイ」(「ベルA」、「ベルB」又は「ベルC」)(「BAR」、「白7」、「ベルA」、「ベルB」又は「チェリー」)の図柄の組み合わせにより構成される。そして、いずれかの有効入賞ライン上にこの図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。
【0030】
(役抽選手段100)
役抽選手段100は、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行うものである。役抽選手段100は、乱数発生手段と、乱数抽出手段と、役抽選テーブルと、判定手段とを備えている。
乱数発生手段は、役抽選用の乱数を、所定の範囲内(たとえば、10進数で0〜65535)で発生させるものである。また、乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を、所定の契機(たとえば、スタートスイッチ33の操作)で抽出するものである。
また、役抽選テーブルは、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかをあらかじめ定めたものである。本実施の形態では、役抽選テーブルには、図6〜図8に示すように、遊技状態が通常状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルと、遊技状態が内部中状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルと、遊技状態がボーナス状態である場合に用いられるボーナス役抽選テーブルとがある。
【0031】
また、通常役抽選テーブルには、図6に示すように、再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルAと、再遊技役の抽選状態が第1低確率状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルBと、再遊技役の抽選状態が第2確率状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルCと、再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルDとがある。
また、内部中役抽選テーブルには、図7に示すように、再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルAと、再遊技役の抽選状態が第1低確率状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルBと、再遊技役の抽選状態が第2確率状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルCと、再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルDとがある。
【0032】
また、ボーナス役抽選テーブルには、図8に示すように、BB1状態において用いられるボーナス役抽選テーブルAと、BB2状態において用いられるボーナス役抽選テーブルBと、BB3状態において用いられるボーナス役抽選テーブルCと、BB4状態において用いられるボーナス役抽選テーブルDとがある。
そして、役抽選テーブルには、当選の領域と、ハズレの領域とが設定されている。なお、当選の領域としては、一の役に対応付けられた当選領域である単独当選領域の他に、複数種類の役に対応付けられた重複当選領域を設定することができる。具体的には、各通常役抽選テーブルには、図6に示すように、各ボーナス役の単独当選領域と、スイカ役の単独当選領域と、チェリー役の単独当選領域と、ベル役の重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルAには、さらに、「打順リプA1」〜「打順リプA6」及び「打順リプB1」〜「打順リプB6」の12種類の再遊技役に関する重複当選領域がそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルBには、さらに、リプレイE役の単独当選領域が所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルCには、さらに、リプレイE役の単独当選領域と、「打順リプB1」〜「打順リプB6」及び「打順リプC」の7種類の再遊技役に関する重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルDには、さらに、リプレイE役の単独当選領域と、「打順リプD1」〜「打順リプD5」の5種類の再遊技役に関する重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。
【0033】
ここで、「打順リプA1」などの再遊技役に関する重複当選領域について説明する。図9(A)に示すように、「打順リプA1」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役が対応付けられ、また、「打順リプA2」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役及びリプレイF役が対応付けられ、また、「打順リプA3」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプA4」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役及びリプレイH役が対応付けられ、また、「打順リプA5」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役、リプレイF役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプA6」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役、リプレイF役及びリプレイH役が対応付けられている。
【0034】
また、図9(B)に示すように、「打順リプB1」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD役及びリプレイE役が対応付けられ、また、「打順リプB2」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役及びリプレイD役〜リプレイF役が対応付けられ、また、「打順リプB3」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD役、リプレイE役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプB4」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD役、リプレイE役及びリプレイH役が対応付けられ、また、「打順リプB5」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役及びリプレイD役〜リプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプB6」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD役〜リプレイF役及びリプレイH役が対応付けられている。
【0035】
また、図9(C)に示すように、「打順リプC」の重複当選領域には、リプレイC役〜リプレイH役が対応付けられ、また、「打順リプD1」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイD役が対応付けられ、また、「打順リプD2」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイD役、リプレイF役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプD3」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイD役及びリプレイF役〜リプレイH役が対応付けられ、また、「打順リプD4」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役、リプレイF役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプD5」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役及びリプレイF役〜リプレイH役が対応付けられている。
【0036】
以下、「打順リプA1」〜「打順リプA6」の重複当選領域を、それぞれ、「打順リプA1役」、「打順リプA2役」、「打順リプA3役」、「打順リプA4役」、「打順リプA5役」、「打順リプA6役」と称し、また、「打順リプB1」〜「打順リプB6」の重複当選領域を、それぞれ、「打順リプB1役」、「打順リプB2役」、「打順リプB3役」、「打順リプB4役」、「打順リプB5役」、「打順リプB6役」と称し、また、「打順リプC」の重複当選領域を、「打順リプC役」と称し、また、「打順リプD1」〜「打順リプD5」の重複当選領域を、それぞれ、「打順リプD1役」、「打順リプD2役」、「打順リプD3役」、「打順リプD4役」、「打順リプD5役」と称する。
【0037】
また、各内部中役抽選テーブルは、図7に示すように、ボーナス役が抽選対象から除外されている点以外は、対応する通常役抽選テーブルと同一に設定されている。すなわち、内部中役抽選テーブルAは、この点以外は、通常役抽選テーブルAと同一に設定され、また、内部中役抽選テーブルBは、この点以外は、通常役抽選テーブルBと同一に設定され、また、内部中役抽選テーブルCは、この点以外は、通常役抽選テーブルCと同一に設定され、また、内部中役抽選テーブルDは、この点以外は、通常役抽選テーブルDと同一に設定されている。
また、ボーナス役抽選テーブルを除く各役抽選テーブルのぞれぞれには、図6及び図7に示すように、ベル役の重複当選領域として、「左中右ベルA」〜「左中右ベルC」、「左右中ベルA」〜「左右中ベルC」、「中左右ベルA」〜「中左右ベルC」、「中右左ベルA」〜「中右左ベルC」及び「右ベルA」〜「右ベルC」の15種類の重複当選領域が設定されている。そして、これらの15種類の重複当選領域のそれぞれには、図10及び図11に示すように、ベル1役〜ベル27役のうちの9種類のベル役と、ベル28役とが対応付けられている。また、これらの15種類の重複当選領域のそれぞれには、ベル役の組み合わせが互いに異なるものとなるようにベル1役〜ベル27役が割り振られている。たとえば、「左中右ベルA」の重複当選領域には、図10に示すように、ベル1役、ベル5役、ベル9役、ベル11役、ベル15役、ベル16役、ベル21役、ベル22役、ベル26役及びベル28役が対応付けられている。なお、図11に示すように、「右ベルA」の重複当選領域には、「左中右ベルA」の重複当選領域と同一のベル役に加えて制御役が対応付けられ、また、「右ベルB」の重複当選領域には、「左中右ベルB」の重複当選領域と同一のベル役に加えて制御役が対応付けられ、「右ベルC」の重複当選領域には、「左中右ベルC」の重複当選領域と同一のベル役に加えて制御役が対応付けられている。以下、「左中右ベルA」〜「左中右ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「左中右ベルA役」、「左中右ベルB役」、「左中右ベルC役」と称し、また、「左右中ベルA」〜「左右中ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「左右中ベルA役」、「左右中ベルB役」、「左右中ベルC役」と称し、また、「中左右ベルA」〜「中左右ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「中左右ベルA役」、「中左右ベルB役」、「中左右ベルC役」と称し、また、「中右左ベルA」〜「中右左ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「中右左ベルA役」、「中右左ベルB役」、「中右左ベルC役」と称し、また、「右ベルA」〜「右ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「右ベルA役」、「右ベルB役」、「右ベルC役」と称する。
【0038】
また、ボーナス役抽選テーブルA及びBには、図8に示すように、ベル28役の単独当選領域と、「JAC1」及び「JAC2」の2種類の小役に関する重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、ボーナス役抽選テーブルC及びDには、図8に示すように、ベル28役の単独当選領域と、「JAC2」の重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。
ここで、「JAC1」及び「JAC2」の重複当選領域について説明する。図12に示すように、「JAC1」の重複当選領域には、ベル28役、特殊1役及び特殊2役が対応付けられ、また、「JAC2」の重複当選領域には、ベル28役、特殊1役、特殊2役及びチェリー役が対応付けられている。以下、「JAC1」及び「JAC2」の重複当選領域、それぞれ、「JAC1役」、「JAC2役」と称する。
【0039】
なお、重複当選領域としては、これに限られるものではなく、たとえば、各ボーナス役及びスイカ役又はチェリー役の重複当選領域を設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、通常役抽選テーブルB及びCにおいては、再遊技役の当選確率が通常役抽選テーブルAよりも低い確率に設定され、また、通常役抽選テーブルDにおいては、再遊技役の当選確率が通常役抽選テーブルAよりも高い確率に設定され、また、ボーナス役抽選テーブルにおいては、再遊技役が抽選対象から除外されている。具体的には、通常役抽選テーブルB及びCにおいては、再遊技役の当選確率が約1/7.3に設定され、また、通常役抽選テーブルAにおいては、約1/3.6に設定され、また、通常役抽選テーブルDにおいては、再遊技役の当選確率が約1/1.5に設定されている。これにより、通常役抽選テーブルA及びDを用いて役抽選を行う遊技は、通常役抽選テーブルB及びCを用いて役抽選を行う遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。なお、再遊技役の当選確率はこれに限られるものではない。
【0040】
また、ボーナス役抽選テーブルにおいては、小役の当選確率は、約1/1.1に設定されている。これにより、ボーナス遊技は、通常遊技とは異なる遊技、具体的には通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。
また、判定手段は、乱数抽出手段が抽出した乱数と、役抽選テーブルとを照合して、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの判定を行うものである。具体的には、判定手段は、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの判定を行う際に、その時点における遊技状態及び再遊技役の抽選状態に応じて役抽選テーブルを適宜用いて、当該判定を行う。たとえば、判定手段は、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合には、通常役抽選テーブルAを選択し、また、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が第1低確率状態である場合には、通常役抽選テーブルBを選択し、また、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が第2低確率状態である場合には、通常役抽選テーブルCを選択し、また、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合には、通常役抽選テーブルDを選択する。
【0041】
また、たとえば、判定手段は、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合には、内部中役抽選テーブルAを選択し、また、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が第1低確率状態である場合には、内部中役抽選テーブルBを選択し、また、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が第2低確率状態である場合には、内部中役抽選テーブルCを選択し、また、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合には、内部中役抽選テーブルDを選択する。
また、たとえば、判定手段は、遊技状態がボーナス状態である場合には、ボーナス役抽選テーブルを選択する。なお、ボーナス状態においては、再遊技役の抽選状態は無抽選状態に設定される。
【0042】
そして、役抽選手段100による役抽選で、いずれかの役に当選すると、当選した役に対応する当選フラグが成立する。なお、役抽選手段100による役抽選で、複数の役に重複当選した場合には、当選した複数の役それぞれに対応する当選フラグが成立する。そして、このフラグの成立中に、いずれかの有効入賞ライン上に、役抽選で当選した役を構成する図柄の組み合わせが停止表示されると、遊技者に対して、メダルの払い出しや、ボーナス遊技等の利益が付与される。
ここで、当選フラグには、役抽選手段100による役抽選の結果が、小役の当選である場合に成立する小役当選フラグ(ベル1当選フラグ〜ベル28当選フラグ、スイカ当選フラグ、チェリー当選フラグ、制御役当選フラグ、特殊1役当選フラグ及び特殊2役当選フラグ)と、役抽選手段100による役抽選の結果が、再遊技役の当選である場合に成立する再遊技当選フラグ(リプレイA当選フラグ〜リプレイH当選フラグ)と、役抽選手段100による役抽選の結果が、ボーナス役の当選である場合に成立するボーナス当選フラグ(BB1当選フラグ〜BB4当選フラグ)とがある。
【0043】
そして、小役当選フラグ及び再遊技当選フラグは、成立した遊技においてのみ有効となるものの、ボーナス当選フラグは、次の遊技へ持ち越すことができるものとなっており、当選したボーナス役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に停止表示されることにより消去されるものとなっている。
また、役抽選手段100は、役抽選の結果を演出制御装置22に送信する。
(回転制御手段110)
回転制御手段110は、回転リール45の回転駆動を制御するものである。具体的には、回転制御手段110は、スタートスイッチ33の操作を契機に、3個すべての回転リール45の回転を通常の回転方向に開始させて、その回転速度が所定の定常速度に達するまで回転速度を加速させる加速処理を行う。そして、回転制御手段110は、回転リール45の回転速度が所定の定常速度に達したときには、回転リール45を所定の定常速度で定速回転させる定速処理を行う。
【0044】
(停止制御手段120)
停止制御手段120は、ストップスイッチ34の操作を契機として、役抽選の結果と、ストップスイッチ34が操作された時点における対応する回転リール45の回転位置とに基づいて、回転リール45の回転を適位置で停止させるものである。
本実施の形態では、停止制御手段120は、各ストップスイッチ34が停止操作された際における対応する回転リール45の回転位置を、対応するインデックスが検知されてから対応するストップスイッチ34が停止操作されるまでの間における対応するステッピングモータのステップ数で特定しつつ、ストップスイッチ34が停止操作された時点で、有効入賞ライン上に直ちに停止できる図柄(すなわち、回転リール45の回転位置)を基準として、この図柄から回転方向に予め定められた個数(最大スベリコマ数、たとえば4コマ)移動した図柄までの範囲内で、対応する回転リール45を停止させる。ここで、「コマ」とは、回転リール45の回転量であって、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量を意味するものである。
【0045】
具体的には、停止制御手段120は、役抽選の結果がいずれかの役に当選の場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、当選した役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に極力揃うように、かつ、当選した役以外の役を構成する図柄の組み合わせについてはいずれの有効入賞ライン上にも揃わないように、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を行い、一方、役抽選の結果がハズレの場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、いずれの有効入賞ライン上にも、いずれの役を構成する図柄の組み合わせも揃わないように、蹴飛ばし制御を行う。
また、本実施の形態では、複数の当選フラグが成立している場合があり、このような場合に、停止制御手段120は、引き込み制御において、当選した複数の役のうちいずれの役を優先して引き込むかを予め設定している。具体的には、停止制御手段120は、引き込み優先順位を、「再遊技役」>「小役」>「ボーナス役」に設定している。なお、引き込み優先順位は、これに限られるものではない。さらに、本実施の形態では、小役間の引き込み優先順位を、配当が多いほど優先順位が高くなるように設定している。なお、同一配当の小役が重複して当選した場合には、それらの小役の引き込み優先順位は同一となる。
【0046】
また、停止制御手段120は、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を、回転リール45の停止位置を予め定めた停止テーブルを参照して制御を行うテーブル制御や、所定の図柄を停止させるか否かを判断しながら制御を行うプログラム制御などにより行うことができる。
また、停止制御手段120は、リールユニット40の各ステッピングモータへのパルス信号の供給を停止することにより、回転リール45の回転を適位置で停止させる。
(ベル役)
つぎに、左ベルA役などのベル役に関する重複当選領域に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、図2の図柄の配列に示すように、ベル28役を構成する図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。一方、ベル1役〜ベル27役を構成するそれぞれの図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
【0047】
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、役抽選により左中右ベルA役などのベル役に関する重複当選領域に当選した場合には、ストップスイッチ34の操作態様に応じて、ベル28役を構成する図柄の組み合わせ、ベル28役以外の当選した他のベル役を構成する図柄の組み合わせ又はいずれの役をも構成しない特定のハズレの図柄の組み合わせであるブランク図柄を有効入賞ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
具体的には、本実施の形態では、左中右ベルA役などのベル役に関する重複当選領域のそれぞれに対して、3個のストップスイッチ34に基づく6通りの操作順序のうちのいずれかの操作順序が割り当てられており、割り当てられている操作順序が、各重複当選領域に対する正解の操作順序となっている。たとえば、左中右ベルA役〜左中右ベルC役に対しては、左停止スイッチ56を最初に操作し次に中停止スイッチ57を操作し最後に右停止スイッチ58を操作する順序(「左→中→右」)が正解の操作順序として割り当てられている。また、たとえば、左右中ベルA役〜左右中ベルC役に対しては、左停止スイッチ56を最初に操作し次に右停止スイッチ58を操作し最後に中停止スイッチ57を操作する順序(「左→右→中」)が正解の操作順序として割り当てられている。
【0048】
また、たとえば、中左右ベルA役〜中左右ベルC役に対しては、中停止スイッチ57を最初に操作し次に左停止スイッチ56を操作し最後に右停止スイッチ58を操作する順序(「中→左→右」)が正解の操作順序として割り当てられている。また、たとえば、中右左ベルA役〜中右左ベルC役に対しては、中停止スイッチ57を最初に操作し次に右停止スイッチ58を操作し最後に左停止スイッチ56を操作する順序(「中→右→左」)が正解の操作順序として割り当てられている。
また、たとえば、右ベルA役〜右ベルC役に対しては、右停止スイッチ58を最初に操作する順序(「右→中→左」及び「右→左→中」)が正解の操作順序として割り当てられている。
【0049】
そして、停止制御手段120は、役抽選により左中右ベルA役などのベル役に関する重複当選領域に当選した場合に、当選した重複当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、ベル28役以外の当選した他のベル役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ベル28役を有効入賞ライン上に停止表示させ、その正解の操作順序以外の操作順序(不正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、ベル28役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、ベル28役以外の当選した他のベル役を有効入賞ライン上に停止表示させることができる場合には、その役を有効入賞ライン上に停止表示させ、ベル28役以外の当選した他のベル役のうちのいずれも有効入賞ライン上に停止表示させることができない場合には、ブランク図柄を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0050】
(再遊技役)
つぎに、リプレイBC役などの再遊技役に関する重複当選領域に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、図2の図柄の配列に示すように、リプレイA役〜リプレイE役のそれぞれを構成する図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。一方、リプレイF役〜リプレイH役を構成するそれぞれの図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
【0051】
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、打順リプA1役などの再遊技役に関する重複当選領域に当選した場合には、ストップスイッチ34の操作態様に応じて、当選したいずれかの再遊技役を有効入賞ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
(打順リプA1役〜打順リプA6役及び打順リプB1役〜打順リプB6役)
まず、打順リプA1役〜打順リプA6役及び打順リプB1役〜打順リプB6役のうちのいずれかに当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態では、打順リプA1役〜打順リプA6役及び打順リプB1役〜打順リプB6役の重複当選領域のそれぞれに対して、3個のストップスイッチ34に基づく6通りの操作順序のうちのいずれかの操作順序が割り当てられており、割り当てられている操作順序が、各重複当選領域に対する正解の操作順序となっている。たとえば、打順リプA1役に対しては「左→中→右」が、また、打順リプA2役に対しては「左→右→中」が、また、打順リプA3役に対しては「中→左→右」が、また、打順リプA4役に対しては「中→右→左」が、また、打順リプA5役に対しては「右→左→中」が、また、打順リプA6役に対しては「右→中→左」が、それぞれ、正解の操作順序として割り当てられている。
【0052】
また、たとえば、打順リプB1役に対しては「左→中→右」が、また、打順リプB2役に対しては「左→右→中」が、また、打順リプB3役に対しては「中→左→右」が、また、打順リプB4役に対しては「中→右→左」が、また、打順リプB5役に対しては「右→左→中」が、また、打順リプB6役に対しては「右→中→左」が、それぞれ、正解の操作順序として割り当てられている。
そして、停止制御手段120は、役抽選により打順リプA1役〜打順リプA6役のいずれかに当選した場合に、図13(A)に示すように、当選した重複当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイC役以外の当選した他の再遊技役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、リプレイC役を有効入賞ライン上に停止表示させ、その正解の操作順序以外の操作順序(不正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役及びリプレイB役以外の当選した他の再遊技役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、リプレイA役又はリプレイB役を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0053】
また、停止制御手段120は、役抽選により打順リプB1役〜打順リプB6役のうちのいずれかに当選した場合に、図13(B)に示すように、当選した重複当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイD役以外の当選した他の再遊技役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、リプレイD役を有効入賞ライン上に停止表示させ、その正解の操作順序以外の操作順序(不正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役、リプレイB役及びリプレイE役以外の当選した他の再遊技役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、リプレイA役、リプレイB役又はリプレイE役を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0054】
(打順リプC役及び打順リプD1役〜打順リプD5役)
つぎに、打順リプC役及び打順リプD1役〜打順リプD5役のうちのいずれかに当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態では、停止制御手段120は、役抽選により打順リプC役及び打順リプD1役〜打順リプD5役のうちのいずれかに当選した場合に、遊技状態に応じて、有効入賞ライン(右下り入賞ライン及び下段入賞ライン)並びに無効ライン(上段ライン、中段ライン及び右上りライン)のうちのいずれかのライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示し得るように停止制御を行う。
【0055】
本実施の形態では、「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される停止態様としては、有効入賞ライン及び無効ラインの5本のラインのうち2本のライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される態様(以下、「ダブル揃い」とする。)と、有効入賞ライン及び無効ラインの5本のラインのうち1本のライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される態様(以下、「シングル揃い」とする。)とがある。
ダブル揃いの停止態様では、たとえば、右下り入賞ライン上及び中段ライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される。また、シングル揃いの停止態様では、たとえば、上段ライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される。
【0056】
そして、停止制御手段120は、通常状態において役抽選により打順リプC役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、ダブル揃い又はシングル揃いが発生し得るように、リプレイC役〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させ、内部中状態において役抽選により打順リプC役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ダブル揃い及びシングル揃いのいずれもが発生しないように、リプレイC役〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
また、停止制御手段120は、通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD1役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ダブル揃い及びシングル揃いのいずれもが発生しないように、リプレイA役〜リプレイD役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0057】
また、停止制御手段120は、通常状態、又はBB1当選フラグ、BB2当選フラグ若しくはBB3当選フラグが成立している内部中状態において、役抽選により打順リプD2役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ダブル揃い及びシングル揃いのいずれもが発生しないように、リプレイA役〜リプレイD役、リプレイF及びリプレイG役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させ、BB4当選フラグが成立している内部中状態において、役抽選により打順リプD2役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらずダブル揃いが発生しないようにしつつ、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じてシングル揃いが発生し得るように、リプレイA役〜リプレイD役、リプレイF及びリプレイG役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0058】
また、停止制御手段120は、通常状態において役抽選により打順リプD3役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ダブル揃い及びシングル揃いのいずれもが発生しないように、リプレイA役〜リプレイD役及びリプレイF〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させ、内部中状態において役抽選により打順リプD3役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらずダブル揃いが発生しないようにしつつ、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じてシングル揃いが発生し得るように、リプレイA役〜リプレイD役及びリプレイF〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0059】
また、停止制御手段120は、通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD4役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらずダブル揃いが発生しないようにしつつ、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じてシングル揃いが発生し得るように、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役、リプレイF及びリプレイG役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
また、停止制御手段120は、通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD5役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、ダブル揃い又はシングル揃いが発生し得るように、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役及びリプレイF〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0060】
(JAC1役及びJAC2役)
つぎに、JAC1役又はJAC2役に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、図2の図柄の配列に示すように、特殊1役及び特殊2役のそれぞれを構成する図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、役抽選によりJAC1役又はJAC2役に当選した場合に、当選態様に応じて、「赤7」「赤7」「赤7」又は「黒7」「黒7」「黒7」の図柄の組み合わせが中段ライン上に停止表示し得るように停止制御を行う。
【0061】
具体的には、停止制御手段120は、役抽選によりJAC1役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず「赤7」「赤7」「赤7」又は「黒7」「黒7」「黒7」の図柄の組み合わせが中段ライン上に停止表示しないように、当選したベル28役、特殊1役及び特殊2役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
また、停止制御手段120は、役抽選によりJAC2役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関応じて「赤7」「赤7」「赤7」又は「黒7」「黒7」「黒7」の図柄の組み合わせが中段ライン上に停止表示し得るように、当選したベル28役、特殊1役及び特殊2役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0062】
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、すべての回転リール45の回転が停止した際に、有効入賞ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせを判定するものである。
また、本実施の形態では、停止図柄判定手段130により判定が行われると、この判定の結果に基づいた制御が所定の手段により実行される。たとえば、停止図柄判定手段130により、いずれかの小役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、この小役に応じた所定枚数のメダルを払い出すようにする。たとえば、「スイカ」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、スイカ役に応じた5数のメダルを払い出すようにする。なお、ベル28役に関しては、遊技状態に応じて予め定められた枚数が払い出される。具体的には、ボーナス状態以外の遊技状態において、ベル28役が有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、9数のメダルを払い出し、また、ボーナス状態において、ベル28役が有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、12数のメダルを払い出すようにする。また、たとえば、停止図柄判定手段130により、再遊技役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、再遊技を実行する制御を行う。
【0063】
また、本実施の形態では、停止図柄判定手段130は、判定結果(遊技の結果)を演出制御装置22へ送信する。
(遊技状態移行制御手段140)
遊技状態移行制御手段140は、通常状態、内部中状態及びボーナス状態の間で遊技状態の移行を制御するものである。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0064】
そして、本実施の形態では、遊技状態移行制御手段140は、図14に示すように、通常状態において役抽選によりボーナス役に当選した場合に、当該遊技で、当選したボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示されなかったことを条件として、遊技状態を、通常状態から内部中状態へ移行させ、また、当該遊技で、当選したボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、遊技状態を通常状態から当該ボーナス役に対応するボーナス状態へ移行させる。また、遊技状態移行制御手段140は、内部中状態において、成立しているボーナス当選フラグ、すなわち当選の権利を持ち越しているボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、遊技状態を、内部中状態から当該ボーナス役に対応するボーナス状態へ移行させる。具体的には、遊技状態移行制御手段140は、BB1役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、BB1状態へ移行させ、また、BB2役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、BB2状態へ移行させ、また、BB3役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、BB3状態へ移行させ、また、BB4役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、BB4状態へ移行させる。そして、ボーナス状態への移行によりボーナス遊技が開始される。
【0065】
また、遊技状態移行制御手段140は、ボーナス状態において所定枚数(たとえばBB1状態及びBB2状態においては「300枚」、また、BB3状態及びBB4状態においては「100枚」)のメダルを払い出したことを条件に、遊技状態を、ボーナス状態から通常状態へ移行させる。なお、ボーナス状態から通常状態への移行条件、すなわちボーナス遊技の終了条件としては、他の条件(たとえば遊技回数)を設定することもできる。
(再遊技役抽選状態制御手段150)
再遊技役抽選状態制御手段150は、再遊技役の抽選状態を制御するものである。本実施の形態では、上述の如く、再遊技役の抽選状態として、無抽選状態と、第1低確率状態と第2低確率状態と、中確率状態と、高確率状態とがある。
【0066】
そして、本実施の形態では、再遊技役抽選状態制御手段150は、初期状態において、再遊技役の抽選状態を中確率状態に設定し、図14に示すように、中確率状態においてリプレイC役が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を高確率状態に設定し、また、中確率状態においてブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を第2低確率状態に設定し、また、中確率状態においてリプレイA役、リプレイB役、リプレイE役又はベル1役〜ベル27役が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を第1低確率状態に設定する。
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、図14に示すように、再遊技役の抽選状態が高確率状態に設定されている場合に、所定の遊技回数(本実施の形態では40回)が経過したときに、再遊技役の抽選状態を中確率状態に設定する。
【0067】
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、図14に示すように、再遊技役の抽選状態が第2低確率状態に設定されている場合に、リプレイA役、リプレイB役、リプレイE役又はベル1役〜ベル27役が有効入賞ライン上に停止表示されたときに、再遊技役の抽選状態を第1低確率状態に設定し、また、リプレイC役、リプレイF役、リプレイG役又はリプレイH役が有効入賞ライン上に停止表示されたときに、再遊技役の抽選状態を高確率状態に設定する。
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、図14に示すように、再遊技役の抽選状態が第1低確率状態に設定されている場合に、ブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を第2低確率状態に設定する。
【0068】
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、役抽選によりボーナス役に当選したことを契機としては、再遊技役の抽選状態を変更しない。そして、再遊技役抽選状態制御手段150は、遊技状態が内部中状態である場合には、再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合を除いて、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示されるまで現在の再遊技役の抽選状態を維持する。これに対して、再遊技役抽選状態制御手段150は、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合には、所定の遊技回数(本実施の形態では40回)が経過したときに、再遊技役の抽選状態を中確率状態に設定する。なお、この場合の「所定の遊技回数の経過」は、ボーナス役の当選によっては、遊技回数のカウントがリセットされず、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技から、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技にわたって、所定の遊技回数が経過したか否かが判断される。
【0069】
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、図14に示すように、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を無抽選状態に設定し、ボーナス遊技が終了した場合に、再遊技役の抽選状態を第1低確率状態に設定する。
(遊技状態コマンド送信手段155)
遊技状態コマンド送信手段155は、現在の遊技状態及び再遊技役の抽選状態を示す遊技状態コマンドを演出制御装置22へ送信するものである。本実施の形態では、遊技状態コマンド送信手段155は、遊技状態移行制御手段140による処理及び再遊技役抽選状態制御手段150による処理の後に、遊技状態コマンドを送信する。
【0070】
(演出制御手段160)
演出制御手段160は、表示装置55や演出用ランプ17やスピーカを制御して、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて、遊技の演出の実行を制御するものである。本実施の形態では、演出制御手段160は、各演出状態において、表示装置55に特定の画像を表示させたり、演出用ランプ17を点灯又は点滅させたり、スピーカから所定の音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げる演出を実行する。たとえば、演出制御手段160は、遊技状態がボーナス状態でかつ演出状態が通常演出状態である場合に、ボーナス遊技を盛り上げる演出を実行する。
【0071】
また、本実施の形態では、演出制御装置22には、上述の如く、演出状態として、通常演出状態と、第1AT状態と、第2AT状態と、第3AT状態とが設けられており、演出制御手段160は、これらの演出状態の間で演出状態を切り替える制御を行う。
ここで、通常演出状態は、通常の演出状態であり、また、AT状態は、役抽選の結果に関する情報を遊技者に対して報知する報知演出を実行する状態である。遊技者は、AT状態においては、報知演出に従うことにより、報知がない場合と比較してより多くの小役を有効入賞ライン上に停止表示させることができ、ひいてはより多くの枚数のメダルを獲得することができる。このため、演出状態がAT状態である遊技は、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。特に本実施の形態では、ベル役に当選した際に、ベル28役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に対して報知することにより、演出状態がAT状態である遊技は、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。
【0072】
また、本実施の形態では、ART遊技は、再遊技役の抽選状態が高確率状態に設定されてから再遊技役の抽選状態が中確率状態に設定されるまでの所定の遊技回数(本実施の形態では40回)を1セットする遊技となっている。
そして、本実施の形態では、演出制御手段160は、図3に示すように、管理状態制御手段170と、遊技回数カウント手段180と、実行権利発生手段190と、実行権利ストック手段200と、特定開始権利発生手段210と、特定開始権利ストック手段220と、実行権利切替手段230と、演出状態切替制御手段240と、演出実行手段250とを備えている。
(管理状態制御手段170)
管理状態制御手段170は、遊技の状態を管理するための管理状態を制御するものである。本実施の形態では、演出制御装置22には、管理状態として、通常遊技又はART遊技を開始するための準備状態であるAT遊技中である旨を示す通常遊技中状態と、ボーナス遊技中である旨を示すボーナス遊技中状態と、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態である旨を示す内部中状態と、ART遊技中である旨を示すART遊技中状態とが設けられている。
【0073】
そして、本実施の形態では、管理状態制御手段170は、演出制御装置22のRAMにおける所定の記憶領域に、通常遊技中状態に対応する所定値、ボーナス遊技中状態に対応する所定値、内部中状態に対応する所定値又はART遊技中状態に対応する所定値を書き込むことにより、管理状態を設定する。
具体的には、管理状態制御手段170は、初期状態においては、管理状態を通常遊技中状態に設定する。
また、管理状態制御手段170は、通常遊技中状態において、役抽選によりボーナス役に当選したとき、具体的にはボーナス役の当選を示すボーナス当選信号を受信したときに、管理状態を内部中状態に設定する。
【0074】
また、管理状態制御手段170は、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたとき、具体的にはボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された旨の遊技の結果を示すボーナス入賞信号を受信しときに、管理状態をボーナス遊技中状態に設定する。また、管理状態制御手段170は、ボーナス遊技が終了したとき、具体的にはボーナス遊技中において、現在の遊技状態が通常状態である旨を示す遊技状態コマンドを受信したときに、管理状態を通常遊技中状態に設定する。
また、管理状態制御手段170は、AT状態において再遊技役の抽選状態が高確率状態になり1セットのART遊技が開始されるとき、具体的には、演出状態がAT状態でかつ再遊技役の抽選状態が第2低確率状態又は中確率状態である遊技において、現在の再遊技役の抽選状態が高確率状態である旨を示す遊技状態コマンドを受信したときに、管理状態をART遊技中状態に設定する。また、管理状態制御手段170は、ART遊技中において、役抽選によりボーナス役に当選したときには、管理状態をART遊技中状態のまま維持する。詳細には、この場合には、管理状態制御手段170は、何らの処理も行わない。また、管理状態制御手段170は、1セットのART遊技が終了する際に、ボーナス役の当選の権利を持ち越していない状態であるとき、具体的には後述するART遊技回数カウンタが1セットの遊技回数に相当する所定値(本実施の形態では「40」)に達するまでの間に、ボーナス当選信号を受信していないときに、管理状態を通常遊技中状態に設定し、一方、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態であるとき、具体的にはART遊技回数カウンタが1セットの遊技回数に相当する所定値(「40」)に達するまでの間に、ボーナス当選信号を受信しておりかつボーナス入賞信号を受信していないときに、管理状態を内部中状態に設定する。
【0075】
(遊技回数カウント手段180)
遊技回数カウント手段180は、遊技回数をカウントするものである。本実施の形態では、遊技回数カウント手段180は、遊技回数をカウントための遊技回数カウンタを備えている。このカウンタは、初期値として「0」が設定されている。
そして、本実施の形態では、遊技回数カウント手段180は、管理状態が内部中状態及びボーナス遊技中状態以外の管理状態に設定されている遊技においては、毎遊技の実行に伴い(たとえばスタートスイッチ33の操作を契機として)、1回の遊技に相当する所定値(本実施の形態では「1」)を遊技回数カウンタに加算する。これにより、遊技回数カウント手段180は、管理状態が内部中状態及びボーナス遊技中状態以外の管理状態に設定されている遊技においては、遊技回数をカウントするものの、管理状態が内部中状態又はボーナス遊技中状態に設定されている遊技においては、遊技回数をカウントしない。
【0076】
また、遊技回数カウント手段180は、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたとき、具体的にはボーナス入賞信号を受信したときに、遊技回数カウンタを初期値にリセットする。
(実行権利発生手段190)
実行権利発生手段190は、ART遊技を実行する権利であって各ART遊技に対応した権利である実行権利を、1又は複数個発生させるものである。本実施の形態では、実行権利として、第1ART遊技を実行する実行権利である第1実行権利と、第2ART遊技を実行する実行権利である第2実行権利と、第3ART遊技を実行する実行権利である第3実行権利とがある。
【0077】
そして、本実施の形態では、実行権利発生手段190は、所定の契機(役抽選によりスイカ役、チェリー役又はボーナス役などに当選)により、いずれかの実行権利を発生させるか否かのAT抽選を行う。そして、実行権利発生手段190は、AT抽選で当選したときには、いずれの実行権利を何個発生させるかを選択する個数選択抽選を行う。この個数選択抽選の結果により、発生する実行権利の種類(種別)と個数とが決まる。
なお、AT抽選の結果がハズレの場合には、個数選択抽選は行われず、実行権利は発生しない。
また、本実施の形態では、実行権利発生手段190は、確定契機により、個数選択抽選を行う。これにより、実行権利が少なくとも1個は発生する。
【0078】
ここで、「確定契機」とは、実行権利を少なくとも1個は必ず発生させることが予め定められたものである。本実施の形態では、以下の契機を確定契機として設定している。
(1)通常状態において役抽選により打順リプC役に当選したこと(シングル揃い発生有り)
(2)BB4役の当選の権利を持ち越している内部中状態において役抽選により打順リプD2役に当選したこと(シングル揃い発生有り)
(3)内部中状態において役抽選により打順リプD3役に当選したこと(シングル揃い発生有り)
(4)通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD4役に当選したこと(シングル揃い発生有り)
(5)通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD5役に当選したこと(ダブル揃い発生有り)
(6)ボーナス状態において役抽選によりJAC2役に当選したこと(「赤7」揃い又は「黒7」揃い発生有り)
(7)ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合、具体的にはボーナス入賞信号を受信した場合に、遊技回数カウンタのカウント値が第1の天井遊技回数(たとえば999回)に相当する第1の閾値に達していたこと
(8)遊技回数カウンタのカウント値が、第1の天井遊技回数に達した後に達する第2の天井遊技回数(たとえば1300回)に相当する第2の閾値に達したこと
なお、確定契機としては、これに限られるものではない。また、実行権利発生手段190は、シングル揃いが発生する確定契機(上記(1)〜(4)の契機)よりも、ダブル揃いが発生する確定契機(上記(5)の確定契機)の方が、より多くの実行権利が選択され得るように、個数選択抽選を行うことができる。また、実行権利発生手段190は、遊技回数カウンタのカウント値が第1の閾値に達していたことによる確定契機(上記(7)の契機)よりも、遊技回数カウンタのカウント値が第2の閾値に達したことによる確定契機(上記(8)の契機)の方が、より多くの実行権利が選択され得るように、個数選択抽選を行うことができる。
【0079】
また、本実施の形態では、実行権利発生手段190は、AT状態において、所定の契機又は確定契機が発生した場合には、そのときのAT状態に応じて、具体的には「第1AT状態<第2AT状態<第3AT状態」の順でより多くの実行権利が発生し得るように、AT抽選又は個数選択抽選を行う。たとえば、実行権利発生手段190は、「第1AT状態<第2AT状態<第3AT状態」の順で、実行権利が発生し易くなるように(当選し易くなるように)、AT抽選を行うことができる。また、たとえば、実行権利発生手段190は、「第1AT状態<第2AT状態<第3AT状態」の順で、より多くの実行権利が選択され得るように、個数選択抽選を行うことができる。すなわち、本実施の形態では、「第1AT状態<第2AT状態<第3AT状態」の順で、実行権利をストックし易くなっており、「第1ART遊技<第2ART遊技<第3ART遊技」の順で、遊技者にとって有利な遊技となっている。
【0080】
なお、実行権利発生手段190は、いずれかの実行権利を発生させるか否かと、いずれの実行権利を何個発生させるかとを、一の抽選により決めるようにしてもよい。
また、個数選択抽選では、複数種類の実行権利が選択されるようにすることができる。また、個数選択抽選では、シングル揃いが発生する確定契機よりも、ダブル揃いが発生する確定契機の方が、遊技者にとってより有利な実行権利(「第1実行権利<第2実行権利<第3実行権利」の順)が選択され易くすることができる。また同様に、個数選択抽選では、遊技回数カウンタのカウント値が第1の閾値に達していたことによる確定契機よりも、遊技回数カウンタのカウント値が第2の閾値に達したことによる確定契機の方が、遊技者にとってより有利な実行権利が選択され易くすることができる。また同様に、個数選択抽選では、AT状態に応じて、遊技者にとってより有利な実行権利が選択され易くすることができる。
【0081】
(実行権利ストック手段200)
実行権利ストック手段200は、実行権利発生手段190により発生された実行権利を実行権利の種類ごとにストック(貯留)するものである。本実施の形態では、実行権利ストック手段200は、第1実行権利をストックするための第1ストックカウンタと、第2実行権利をストックするための第2ストックカウンタと、第3実行権利をストックするための第3ストックカウンタとを備えている。以下、第1ストックカウンタ、第2ストックカウンタ及び第3ストックカウンタを、「ストックカウンタ」と総称する。
そして、実行権利ストック手段200は、実行権利発生手段190により発生された実行権利の個数に応じた所定値(本実施の形態では1個の実行権利に相当する所定値を「1」としている。)を、発生した実行権利の種類(種別)に対応したストックカウンタに加算する。たとえば、実行権利ストック手段200は、第1実行権利が2個発生した場合には、2個の実行権利に相当する所定値(本実施の形態では「2」)を、第1ストックカウンタに加算する。
【0082】
また、本実施の形態では、実行権利ストック手段200は、AT状態において再遊技役の抽選状態が高確率状態になり1セットのART遊技が開始されたときに、実行するART遊技に対応する実行権利を1個消去する。詳細には、実行権利ストック手段200は、そのときAT状態に対応するストックカウンタから1個の実行権利に相当する所定値(「1」)を減算する。
(特定開始権利発生手段210)
特定開始権利発生手段210は、実行権利ストック手段200により実行権利が少なくとも1個ストックされている場合に、特定の遊技回数で1セットのART遊技を開始する権利である特定開始権利を1又は複数個発生させ得るものである。本実施の形態では、特定の遊技回数を「0回」としている。
【0083】
そして、特定開始権利発生手段210は、所定の契機により実行権利が発生したときに、発生した実行権利の個数の範囲内で、1又は複数個の特定開始権利を発生させるか否かの即放出抽選を行う。なお、即放出抽選の結果がハズレの場合には、特定開始権利は発生しない。
また、特定開始権利発生手段210は、確定契機により実行権利が発生したときに、発生した実行権利の個数の範囲内で、特定開始権利を何個発生させるかを選択する放出個数選択抽選を行う。この放出個数選択抽選では、特定開始権利が少なくとも1個は発生する。なお、この場合には、特定開始権利発生手段210は、確定契機により発生した実行権利の個数と同数の特定開始権利を発生させるようにしてもよい。
【0084】
また、特定開始権利発生手段210は、1セットのART遊技が終了する際に、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態である場合に、実行権利ストック手段200により実行権利が少なくとも1個ストックされており、かつ後述する特定開始権利ストック手段220により特定開始権利がストックされていないとき、具体的にはいずれかのストックカウンタが1個の実行権利に相当する所定値(「1」)以上であり、かつ後述する即放出カウンタが1個の特定開始権利に相当する所定値(「1」)未満である(詳細には「0」である)ときに、ストックしている実行権利の個数の範囲内で、放出個数選択抽選を行う。これにより、特定開始権利が少なくとも1個は発生する。
【0085】
また、特定開始権利発生手段210は、ART遊技を開始するための準備状態であるAT遊技中において、役抽選によりボーナス役に当選した場合に、特定開始権利を1個発生させる。
(特定開始権利ストック手段220)
特定開始権利ストック手段220は、特定開始権利発生手段210により発生された特定開始権利をストック(貯留)するものである。本実施の形態では、特定開始権利ストック手段220は、特定開始権利をストックするための即放出カウンタを備えている。
そして、特定開始権利ストック手段220は、特定開始権利発生手段210により発生された特定開始権利の個数に応じた所定値(本実施の形態では1個の特定開始権利に相当する所定値を「1」としている。)を、即放出カウンタに加算する。たとえば、特定開始権利ストック手段220は、特定開始権利が2個発生した場合には、2個の特定開始権利に相当する所定値(本実施の形態では「2」)を、即放出カウンタに加算する。
【0086】
また、特定開始権利ストック手段220は、1セットのART遊技が終了してから特定の遊技回数(「0回」)でAT遊技が実行されひいてはART遊技が実行されるとき、又は、ボーナス遊技が終了してから特定の遊技回数でAT遊技が実行されひいてはART遊技が実行されるときに、特定開始権利を1個消去する。詳細には、特定開始権利ストック手段220は、即放出カウンタから1個の特定開始権利に相当する所定値(「1」)を減算する。
(実行権利切替手段230)
実行権利切替手段230は、実行権利ストック手段200により少なくとも1個の実行権利がストックされている場合に、ストックされている実行権利を、他のART遊技に対応した実行権利に切り替えるものである。上述の如く、本実施の形態では、3種類のART遊技は、「第1ART遊技<第2ART遊技<第3ART遊技」の順で、遊技者にとって有利な遊技となっている。このため、実行権利についても、「第1実行権利<第2実行権利<第3実行権利」の順で、遊技者にとって有利な権利となっている。
【0087】
そして、本実施の形態では、実行権利切替手段230は、実行権利ストック手段200により少なくとも1個の第1実行権利がストックされている場合に、ストックされている実行権利を、その実行権利よりも遊技者にとって有利な実行権利(第2実行権利又は第3実行権利)に切り替える。
具体的には、実行権利切替手段230は、AT状態において、所定の契機(役抽選によりスイカ役、チェリー役又はボーナス役などに当選)において、実行権利発生手段190により実行権利が発生されなかった場合に、実行権利ストック手段200により少なくとも1個の第1実行権利がストックされているとき、具体的には第1ストックカウンタが1個の第1実行権利に相当する所定値(「1」)以上であるときに、第1実行権利を第2実行権利又は第3実行権利に切り替えるか否かの切替抽選を行う。この切替抽選の抽選対象としては、1個の第1実行権利を第2実行権利に切り替える第1当選、1個の第1実行権利を第3実行権利に切り替える第2当選及びハズレが設定されている。
【0088】
そして、実行権利切替手段230は、切替抽選の結果が第1当選の場合には、第1ストックカウンタから1個の実行権利に相当する所定値(「1」)を減算するとともに、1個の実行権利に相当する所定値(「1」)を、第2ストックカウンタに加算する。また同様に、切替抽選の結果が第2当選の場合には、第1ストックカウンタから1個の実行権利に相当する所定値(「1」)を減算するとともに、1個の実行権利に相当する所定値(「1」)を、第3ストックカウンタに加算する。
なお、切替抽選は、第1ストックカウンタの値に基づいて、ストックされている第1実行権利の個数の範囲内で行うことができる。すなわち、実行権利切替手段230は、複数個の第1実行権利がストックされている場合には、その全て又は一部の第1実行権利を第2実行権利又は第3実行権利に切り替えるようにすることができる。
【0089】
また、実行権利切替手段230は、第2実行権利についても、第3実行権利に切り替えるようにしてもよい。
また、実行権利を切り替える契機は、所定の契機に限られるものではない。
(演出状態切替制御手段240)
演出状態切替制御手段240は、複数の演出状態の間で演出状態を切り替える制御を行うものである。本実施の形態では、演出制御装置22には、各演出状態を管理するための管理フラグが設けられており、演出状態切替制御手段240は、この管理フラグを、演出制御装置22のRAMにおける所定の記憶領域に成立させる又は消去することにより、演出状態を切り替える制御を行っている。また、本実施の形態では、管理フラグとしては、第1AT状態フラグと、第2AT状態フラグと、第3AT状態フラグとがあり、第1AT状態フラグが成立している状態が第1AT状態であり、また、第2AT状態フラグが成立している状態が第2AT状態であり、また、第3AT状態フラグが成立している状態が第3AT状態であり、また、第1AT状態フラグ、第2AT状態フラグ及び第3AT状態フラグのいずれもが成立していない状態が通常演出状態である。
【0090】
そして、本実施の形態では、演出状態切替制御手段240は、通常遊技中において、実行権利が発生しストックカウンタにストックされた場合に、所定の契機により、実効権利の放出順序に従って管理フラグを成立させ、演出状態をAT状態に設定する。また、本実施の形態では、実行権利の放出順序を、遊技者にとって有利な権利から放出する順序、すなわち「第3実行権利>第2実行権利>第1実行権利」の順で優先的に放出する順序としている。つまり、第3実行権利がストックされている限りは第3実行権利を放出し、第3実行権利がストックされていない場合に第2実行権利がストックされている限りは第2実行権利を放出し、第3実行権利及び第2実行権利がストックされていない場合に第1実行権利がストックされている限りは第1実行権利を放出する。
【0091】
また、本実施の形態では、演出状態切替制御手段240は、ART遊技の遊技回数をカウントするART遊技回数カウンタを備え、演出状態切替制御手段240は、1セットのART遊技が開始するときに、ART遊技回数カウンタを初期値にリセットして、ART遊技の遊技回数のカウントを開始する。そして、演出状態切替制御手段240は、毎遊技の実行に伴い(たとえばスタートスイッチ33の操作を契機として)、1回の遊技に相当する所定値(本実施の形態では「1」)をART遊技回数カウンタに加算する。これにより、演出状態切替制御手段240は、1セットのART遊技の遊技回数をカウントする。
また、本実施の形態では、演出状態切替制御手段240は、1セットのART遊技が終了する場合に、実行権利ストック手段200により実行権利がストックされていないとき、具体的にはすべてのストックカウンタが1個の実行権利に相当する所定値(「1」)未満である(詳細には「0」である)ときに、成立している管理フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定する。
【0092】
また、本実施の形態では、演出状態切替制御手段240は、1セットのART遊技が終了する場合に、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態で、かつ実行権利ストック手段200により実行権利がストックされているときに、成立している管理フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定する。
また、演出状態切替制御手段240は、1セットのART遊技が終了する場合に、ボーナス役の当選の権利を持ち越していない状態で、実行権利ストック手段200により実行権利がストックされており、かつ特定開始権利ストック手段220により特定開始権利がストックされているとき、具体的には即放出カウンタが1個の特定開始権利に相当する所定値(「1」)以上であるときに、実行権利の放出順序に従って、演出状態を設定する。たとえば、1セットの第3ART遊技が終了する場合に、実行権利ストック手段200により第3実行権利がストックされているときには、第3AT状態フラグを成立させたままとすることにより、演出状態を第3AT状態に設定する。また、たとえば、1セットの第3ART遊技が終了する場合に、実行権利ストック手段200により第3実行権利がストックされておらずかつ第2実行権利がストックされているときには、第3AT状態フラグを消去するとともに、第2AT状態フラグを成立させ、演出状態を第2AT状態に設定する。
【0093】
また、演出状態切替制御手段240は、1セットのART遊技が終了する場合に、ボーナス役の当選の権利を持ち越していない状態で、実行権利ストック手段200により実行権利がストックされており、かつ特定開始権利ストック手段220により特定開始権利がストックされていないときに、特定の遊技回数(「0回」)で実行権利を放出するか否かの放出抽選を行う。そして、演出状態切替制御手段240は、放出抽選の結果が当選の場合には、実行権利の放出順序に従って、演出状態を設定する。一方、放出抽選の結果がハズレの場合には、演出状態切替制御手段240は、成立している管理フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定するとともに、実行権利を放出するまでの遊技回数である潜伏遊技回数(たとえば32回)を設定し、設定した潜伏遊技回数が経過したときに、ボーナス役に当選していないことを条件に、実行権利の放出順序に従って、管理フラグを成立させ、演出状態をAT状態に設定する。なお、この場合には、放出抽選を行うことなく潜伏遊技回数を決定するようにしてもよい。
【0094】
また、演出状態切替制御手段240は、ART遊技中において、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたとき、具体的にはボーナス入賞信号を受信したときに、成立している管理フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定する。
また、演出状態切替制御手段240は、ボーナス遊技が終了する場合に、実行権利ストック手段200により実行権利がストックされおり、かつ特定開始権利ストック手段220により特定開始権利がストックされているときに、実行権利の放出順序に従って、演出状態を設定する。
【0095】
(演出実行手段250)
演出実行手段250は、演出を実行するものである。
本実施の形態では、演出実行手段250は、演出状態がAT状態で、遊技状態が通常状態又は内部中状態で、かつ再遊技役の抽選状態が高確率状態、中確率状態又は第2低確率状態である場合に、ベル役に当選したときに、ベル28役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に報知するベル報知演出を実行する。
また、演出実行手段250は、演出状態がAT状態で、遊技状態が通常状態で、かつ再遊技役の抽選状態が第2低確率状態である場合に、打順リプB1役〜打順リプB6役のいずれかの当選したときに、リプレイD役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に報知するリプレイD報知演出を実行する。
【0096】
また、演出実行手段250は、演出状態がAT状態で、遊技状態が通常状態で、かつ再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合に、打順リプA1役〜打順リプA6役のいずれかの当選したときに、リプレイC役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に報知するリプレイC報知演出を実行する。
また、本実施の形態では、演出実行手段250は、ART遊技中において、ボーナス役に当選した場合に、ボーナス役に当選したことを遊技者に報知するボーナス報知演出を実行する。この場合には、演出実行手段250は、BB1役〜BB3役のいずれかに当選した場合には、BB1役〜BB4役のいずれかに当選したことを遊技者に報知するように、ボーナス報知演出を行い、BB4役に当選した場合には、BB4役に当選したことを遊技者に報知するように、ボーナス報知演出を行う。
【0097】
また、本実施の形態では、演出実行手段250は、1セットのART遊技が終了する際に、潜伏遊技回数が設定された場合に、設定された潜伏遊技回数が経過するまでの間に、実行権利がストックされていること、すなわちART遊技が開始されることを遊技者に期待させる前兆報知演出を実行する。
(スロットマシン10の動作)
以下、図15〜図20に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係るスロットマシン10の動作の概略を説明する。まず、スロットマシン10の遊技制御装置21における処理であるメイン制御処理について説明する。
【0098】
図15に示すステップ100において、遊技制御手段60により、規定枚数(本実施の形態では3枚)のメダルがベットされたか否かが判断される。ここで、ベットされたと判断されると、ステップ101に進む。一方、ベットされていないと判断されると、再度ステップ100となる。
ステップ101において、遊技制御手段60により、スタートスイッチ33が操作されたか否かが判断される。ここで、操作されたと判断されると、ステップ102に進む。一方、操作されていないと判断されると、再度ステップ101となる。
ステップ102において、役抽選手段100により、役抽選が行われるとともに、役抽選の結果が演出制御装置22に送信され、ステップ103において、回転制御手段110より、3個すべての回転リール45の回転が開始される。そして、次のステップ104に進む。
【0099】
ステップ104において、遊技制御手段60により、ストップスイッチ34が操作されたか否かが判断される。ここで、操作されたと判断されると、ステップ105に進む。一方、操作されていないと判断されると、再度ステップ104となる。
ステップ105において、停止制御手段120により、操作されたストップスイッチ34に対応する回転リール45の停止制御が行われる。そして、次のステップ106に進む。
ステップ106において、遊技制御手段60により、すべての回転リール45の回転が停止したか否かが判断される。ここで、すべての回転リール45の回転が停止したと判断されると、ステップ107に進む。一方、すべての回転リール45の回転が停止していないと判断されると、ステップ104に戻る。
【0100】
ステップ107において、停止図柄判定手段130により、有効入賞ライン上に停止表示された図柄の組み合わせを判定する停止表示図柄判定処理が行われ、判定の結果が演出制御装置22に送信される。そして、次のステップ108に進む。
ステップ108において、遊技制御手段60により、停止表示された図柄の組み合わせに応じた処理が行われる。たとえば、いずれかの小役を構成する図柄の組み合わせが停止表示された場合には、遊技制御手段60により、当該役に応じた枚数のメダルの払い出しが行われる。また、たとえば、いずれかの再遊技役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合には、遊技制御手段60により、再遊技を実行するための処理、具体的には前回の遊技でベットした枚数と同数のメダルを自動的にベットする処理が行われる。
【0101】
また、たとえば、遊技状態移行制御手段140により、遊技状態の移行に関する処理が行われる。具体的には、たとえばいずれかのボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、当該役に応じたボーナス状態へ遊技状態が移行され、また、たとえばボーナス遊技の終了条件が成立した場合には、通常状態へ遊技状態が移行される。
また、たとえば、再遊技役抽選状態制御手段150により、再遊技役の抽選状態に関する処理が行われる。具体的には、たとえば中確率状態においてリプレイC役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、再遊技役の抽選状態が高確率状態に設定され、また、たとえば中確率状態においてブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、再遊技役の抽選状態が第2低確率状態に設定され、また、たとえば中確率状態においてリプレイA役、リプレイB役、リプレイE役又はベル1役〜ベル27役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、再遊技役の抽選状態が第1低確率状態に設定される。そして、そして、当該メイン制御処理が終了する。
【0102】
つぎに、スロットマシン10の演出制御装置22における処理であるサブ制御処理について説明する。
図16に示すステップ200において、スイカ役、チェリー役又はボーナス役などに当選などの所定の契機が発生したか否かが判断される。ここで、発生したと判断されると、ステップ201に進む。一方、発生していないと判断されると、ステップ202に進む。
ステップ201において、所定の契機が発生したときの処理である所定の契機発生時の処理が行われる。そして、次のステップ204に進む。
ステップ202において、上述した(1)〜(8)の確定契機が発生したか否かが判断される。ここで、いずれかが発生したと判断されると、ステップ203に進む。一方、発生していないと判断されると、ステップ204に進む。
【0103】
ステップ203において、確定契機が発生したときの処理である確定契機発生時の処理が行われる。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、1セットのART遊技が開始されるか否か、具体的には演出状態がAT状態でかつ再遊技役の抽選状態が第2低確率状態又は中確率状態である場合に、現在の再遊技役の抽選状態が高確率状態である旨を示す遊技状態コマンドを受信したか否かが判断される。ここで、開始されると判断されると、ステップ205に進む。一方、開始されないと判断されると、ステップ206に進む。
ステップ205において、実行権利ストック手段200により、ストックしている実行権利を放出するストック放出処理が行われる。具体的には、そのときのAT状態に対応するストックカウンタから1個の実行権利に相当する所定値(「1」)が減算される。そして、当該サブ制御処理が終了する。
【0104】
ステップ206において、1セットのART遊技が終了するか否か、具体的には、具体的にはAT状態においてART遊技回数カウンタが1セットの遊技回数に相当する所定値(「40」)に達したか否かが判断される。ここで、終了すると判断されると、ステップ207に進む。一方、終了しないと判断されると、ステップ208に進む。
ステップ207において、1セットのART遊技が終了するときの処理であるART遊技終了時の処理が行われる。そして、当該サブ制御処理が終了する。
ステップ208において、ボーナス遊技が終了するか否かが判断される。ここで、終了すると判断されると、ステップ209に進む。一方、終了しないと判断されると、当該サブ制御処理が終了する。
【0105】
ステップ209において、ボーナス遊技が終了するときの処理であるボーナス遊技終了時の処理が行われる。そして、当該サブ制御処理が終了する。
つぎに、上述したステップ201の所定の契機発生時の処理について説明する。
図17に示すステップ300において、実行権利発生手段190により、AT抽選を行うAT抽選処理が行われる。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、AT抽選の結果が当選であるか否かが判断される。ここで、当選であると判断されると、ステップ302に進む。一方、ハズレであると判断されると、ステップ307に進む。
【0106】
ステップ302において、実行権利発生手段190により、個数選択抽選を行う個数選択抽選処理が行われる。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、実行権利ストック手段200により、発生した実行権利を、実行権利の種類ごとにストックする実行権利ストック処理が行われる。具体的には、発生した実行権利の個数に応じた所定値が、発生した実行権利の種類に対応したストックカウンタに加算される。そして、次のステップ304に進む。
ステップ304において、特定開始権利発生手段210により、発生した実行権利の個数の範囲内で即放出抽選を行う即放出抽選処理が行われる。そして、次のステップ305に進む。
【0107】
ステップ305において、即放出抽選の結果が当選であるか否かが判断される。ここで、当選であると判断されると、ステップ306に進む。一方、ハズレであると判断されると、当該所定の契機発生時の処理が終了する。
ステップ306において、特定開始権利ストック手段220により、発生した特定開始権利をストックする特定開始権利ストック処理が行われる。具体的には、発生した特定開始権利の個数に応じた所定値が、即放出カウンタに加算される。そして、当該所定の契機発生時の処理が終了する。
ステップ307において、実行権利切替手段230により、AT状態において、第1ストックカウンタが「1」(1個の第1実行権利に相当する所定値)以上である場合に、切替抽選を行う切替抽選処理が行われる。そして、次のステップ308に進む。なお、演出状態がAT状態でない場合、又は第1ストックカウンタが「1」以上でない場合には、当該切替抽選処理は行われずに、当該所定の契機発生時の処理が終了する。
【0108】
ステップ308において、切替抽選の結果が第1当選であるか否かが判断される。ここで、第1当選であると判断されると、ステップ309に進む。一方、第1当選でないと判断されると、ステップ310に進む。
ステップ309において、実行権利切替手段230により、第1ストックカウンタから「1」(1個の実行権利に相当する所定値)が減算されるとともに、第2ストックカウンタに「1」(1個の実行権利に相当する所定値)が加算される。そして、当該所定の契機発生時の処理が終了する。
ステップ310において、切替抽選の結果が第2当選であるか否かが判断される。ここで、第2当選であると判断されると、ステップ311に進む。一方、第2当選でない、すなわちハズレであると判断されると、当該所定の契機発生時の処理が終了する。
【0109】
ステップ311において、実行権利切替手段230により、第1ストックカウンタから「1」が減算されるとともに、第3ストックカウンタに「1」(1個の実行権利に相当する所定値)が加算される。そして、当該所定の契機発生時の処理が終了する。
つぎに、上述したステップ203の確定契機発生時の処理について説明する。
図18に示すステップ400において、実行権利発生手段190により、個数選択抽選を行う個数選択抽選処理が行われる。そして、次のステップ401に進む。
ステップ401において、実行権利ストック手段200により、上述したステップ303と同様に、発生した実行権利を、実行権利の種類ごとにストックする実行権利ストック処理が行われる。そして、次のステップ402に進む。
【0110】
ステップ402において、特定開始権利発生手段210により、発生した実行権利の個数の範囲内で放出個数選択抽選を行う放出個数選択抽選処理が行われる。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、特定開始権利ストック手段220により、上述したステップ306と同様に、発生した特定開始権利をストックする特定開始権利ストック処理が行われる。そして、当該確定契機発生時の処理が終了する。
つぎに、上述したステップ207のART遊技終了時の処理について説明する。
図19に示すステップ500において、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態であるか否か、具体的には、ART遊技回数カウンタが1セットの遊技回数に相当する所定値(「40」)に達するまでの間にボーナス当選信号を受信しておりかつボーナス入賞信号を受信していないか否かが判断される。ここで、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態でないと判断されると、ステップ501に進む。一方、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態であると判断されると、ステップ510に進む。
【0111】
ステップ501において、いずれかのストックカウンタが「1」以上であるか否か、すなわちいずれかの実行権利をストックしているか否かが判断される。ここで、「1」以上であると判断されると、ステップ502に進む。一方、「1」未満、具体的には「0」であると判断されると、ステップ509に進む。
ステップ502において、即放出カウンタが「1」未満であるか否か、すなわち特定開始権利をストックしていないか否かが判断される。ここで、「1」未満であると判断されると、ステップ503に進む。一方、「1」以上であると判断されると、ステップ506に進む。
【0112】
ステップ503において、演出状態切替制御手段240により、放出抽選を行う放出抽選処理が行われる。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、放出抽選の結果が当選であるか否かが判断される。ここで、当選であると判断されると、ステップ505に進む。一方、ハズレであると判断されると、ステップ507に進む。
ステップ505において、演出状態切替制御手段240により、実行権利の放出順序に従って、演出状態をいずれかのAT状態に設定する演出状態設定処理が行われる。具体的には、第3実行権利がストックされているときには、演出状態が第3AT状態に設定され、また、第3実行権利がストックされておらずかつ第2実行権利がストックされているときには、演出状態が第2AT状態に設定され、また、第3実行権利及び第2実行権利がストックされておらずかつ第1実行権利がストックされているときには、演出状態が第1AT状態に設定される。そして、当該ART遊技終了時の処理が終了する。
【0113】
ステップ506において、特定開始権利ストック手段220により、即放出カウンタから「1」(1個の特定開始権利に相当する所定値)が減算される。そして、ステップ505に進む。
ステップ507において、演出状態切替制御手段240により、演出状態が通常演出状態に設定され、ステップ508において、演出状態切替制御手段240により、潜伏遊技回数が決定される。そして、当該ART遊技終了時の処理が終了する。
ステップ509において、演出状態切替制御手段240により、演出状態が通常演出状態に設定される。そして、当該ART遊技終了時の処理が終了する。
【0114】
ステップ510において、いずれかのストックカウンタが「1」以上であるか否かが判断される。ここで、「1」以上であると判断されると、ステップ511に進む。一方、「1」未満、具体的には「0」であると判断されると、ステップ514に進む。
ステップ511において、即放出カウンタが「1」未満であるか否かが判断される。ここで、「1」未満であると判断されると、ステップ512に進む。一方、「1」以上であると判断されると、ステップ514に進む。
ステップ512において、特定開始権利発生手段210により、ストックしている実行権利の個数の範囲内で放出個数選択抽選を行う放出個数選択抽選処理が行われる。そして、次のステップ513に進む。
【0115】
ステップ513において、特定開始権利ストック手段220により、上述したステップ306と同様に、発生した特定開始権利をストックする特定開始権利ストック処理が行われる。そして、次のステップ514に進む。
ステップ514において、演出状態切替制御手段240により、演出状態が通常演出状態に設定される。そして、当該ART遊技終了時の処理が終了する。
つぎに、上述したステップ209のボーナス遊技終了時の処理について説明する。
図20に示すステップ600において、いずれかのストックカウンタが「1」以上であるか否かが判断される。ここで、「1」以上であると判断されると、ステップ601に進む。一方、「1」未満、具体的には「0」であると判断されると、ステップ604に進む。
【0116】
ステップ601において、即放出カウンタが「1」未満であるか否かが判断される。ここで、「1」未満でない、すなわち「1」以上であると判断されると、ステップ602に進む。一方、「1」未満であると判断されると、ステップ604に進む。
ステップ602において、特定開始権利ストック手段220により、即放出カウンタから「1」が減算される。そして、ステップ603に進む。
ステップ603において、演出状態切替制御手段240により、実行権利の放出順序に従って、演出状態がいずれかのAT状態に設定される。そして、当該ボーナス遊技終了時の処理が終了する。
【0117】
ステップ604において、演出状態切替制御手段240により、演出状態が通常演出状態に設定される。そして、当該ボーナス遊技終了時の処理が終了する。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態では、再遊技役の抽選状態が高確率状態に設定されてから中確率状態に設定されるまでの40回を1セットする、3種類のART遊技を備え、所定の契機又は確定契機が発生したときに、各ART遊技に対応した実行権利を1又は複数個の発生させる。そして、発生した実行権利の種類に対応したストックカウンタにより、発生した実行権利をストックする。
【0118】
また、本実施の形態では、所定の契機により実行権利が発生したときに、1セットのART遊技が終了した後即(0回で)1セットのART遊技を開始する権利である特定開始権利を、発生した実行権利の個数の範囲内で即放出抽選により発生させる。また、本実施の形態では、確定契機により実行権利が発生したときに、特定開始権利を、発生した実行権利の個数の範囲内で放出個数選択抽選により発生させる。この場合には、特定開始権利が少なくとも1個は必ず発生する。そして、発生した特定開始権利を即放出カウンタによりストックする。
そして、1セットのART遊技が終了する際に、実行権利及び特定開始権利をストックしているときには、連続して再び1セットのART遊技が開始するように、ストックしている実行権利を放出して演出状態を所定のAT状態に設定しART遊技が開始するようにする。一方、1セットのART遊技が終了する際に、実行権利はストックしているものの特定開始権利はストックしていないときには、放出抽選を行う。そして、この放出抽選の結果が当選の場合には、連続して再び1セットのART遊技が開始するようにストックしている実行権利を放出して演出状態を所定のAT状態に設定しART遊技が開始するようにする。また、この放出抽選の結果がハズレの場合には、潜伏遊技回数を設定し、潜伏遊技回数が経過したときにストックしている実行権利を放出して演出状態を所定のAT状態に設定しART遊技が開始するようにする。
【0119】
以上より、本実施の形態によれば、即放出カウンタによって特定開始権利をストックすることにより、「ストックしている実行権利の個数のうち何個分については連続して即放出する、すなわちART遊技を向こう何セットまで連続させる」、「ストックしている実行権利の個数のうち1個分についてのみ即放出する、すなわちART遊技を連続させない」、又は「潜伏させる」といったコントロールを容易に行うことができる。
また、本実施の形態では、実行権利の放出順序を、遊技者にとって有利な権利から放出する順序、すなわち「第3実行権利>第2実行権利>第1実行権利」の順で優先的に放出する順序としている。そして、本実施の形態によれば、各ART遊技ごとに実行権利をストックするので、放出順序のコントロールを容易に行うことができる。
【0120】
そして、本実施の形態によれば、ストックカウンタと即放出カウンタとを設けることにより、複数種類の実行権利をストックしている場合における放出順序や放出のタイミングを容易にコントロールすることができ、プログラムを簡潔にすることができる。
また、本実施の形態によれば、確定契機が発生した場合には、特定開始権利を1個は必ず発生させストックするので、確定契機を、実行権利を少なくとも1個は必ず発生させることが予め定められたものとして明確なものとすることができる。また、実施の形態によれば、たとえば次のセットのART遊技を開始するまでの間(たとえば1セットのART遊技中とその後のボーナス遊技中)に確定契機が複数回発生した場合に、1セットのART遊技を連続して実行することができる。
【0121】
また、本実施の形態では、1セットのART遊技が終了する際に、ボーナス役の当選の権利を持ち越している状態であって、実行権利を少なくとも1個ストックしており、かつ特定開始権利をストックしていないときには、特定開始権利を発生させストックする。これにより、本実施の形態によれば、過去にストックした実行権利の放出のタイミングを変更することができる。また、本実施の形態では、この場合には、ボーナス遊技が終了した次の遊技からAT遊技を開始し、ART遊技を開始する。これにより、本実施の形態によれば、ボーナス遊技が終了した後所定の遊技回数が経過した後にAT遊技を開始しARTを実行する場合に比べて、メダルのロスが少なくなり遊技者にストレスを与えることなく遊技を行わせることができる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、所定の契機により過去にストックした1個の第1実行権利を、遊技者にとって有利な第2実行権利又は第3実行権利に切り替えるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(他の実施の形態)
上述した実施の形態では、実行権利切替手段230は、ストックされている実行権利を、その実行権利よりも遊技者にとって有利な実行権利に切り替えるものであるが、これに限られるものではない。たとえば、ストックされている1個の実行権利を、その実行権利よりも遊技者にとって不利な複数個(たとえば2個)の実行権利に切り替えるようにしてもよい。また、有利な実行権利に切り替えるか、不利な実行権利に切り替えるかを遊技者が選べるようにしてもよい。
【0123】
また、上述した実施の形態では、実行権利の放出順序としては、ストックした順序や、いずれの実行権利を放出するか否かの抽選を行いその結果により決定するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、特定の遊技回数を潜伏遊技回数(たとえば32回)とするようにしてもよい。すなわち、特定開始権利をストックしている場合には、潜伏遊技回数が経過したときに1セットのART遊技を開始するようにし、特定開始権利をストックしていない場合に、1セットのART遊技が終了した後即(0回で)1セットのART遊技を開始するようにしてもよい。
【0124】
また、上述した実施の形態では、実行権利ストック手段200は、ART遊技回数カウンタが1セットの遊技回数に相当する所定値になり1セットのART遊技が終了するときに、実行しているART遊技に対応する実行権利を1個消去するようにしてもよい。このようにすると、1セットのART遊技中にボーナス役に当選した後にボーナス役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させることができる状況(当該遊技の役抽選の結果がハズレ)が発生したとき、停止表示させてART遊技を完走させずに実行権利のストックが消去されないようにする、又は停止表示させずに確定契機が発生することに期待する、といったことを遊技者が選ぶことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0125】
また、上述した実施の形態では、ART遊技を有利遊技としたが、これに限られるものではなく、有利遊技としては、RT遊技や、AT遊技や、少なくともいずれかの回転リール45のスベリコマ数を0コマ又は1コマにすることにより、いわゆる目押しを可能としたCT(チャレンジタイム)遊技などとすることができる。
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良なども含むものである。また、本発明は、上述した実施の形態を適宜組み合わせる、または組み替えることもできる。
【符号の説明】
【0126】
10 スロットマシン(遊技機) 100 役抽選手段
190 実行権利発生手段 200 実行権利ストック手段
210 特定開始権利発生手段 220 特定開始権利ストック手段
230 実行権利切替手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常の遊技である通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技である有利遊技を備え、
有利遊技として、複数種類の有利遊技を備え、
有利遊技を実行する権利であって各有利遊技に対応した権利であるいずれかの実行権利を有している場合に、対応する有利遊技を実行可能な遊技機であって、
実行権利を1又は複数個発生させる実行権利発生手段と、
実行権利発生手段により発生された実行権利を実行権利の種類ごとにストックする実行権利ストック手段と、
実行権利ストック手段により実行権利が少なくとも1個ストックされている場合に、特定の遊技回数で有利遊技を開始する権利である特定開始権利を1又は複数個発生させ得る特定開始権利発生手段と、
特定開始権利発生手段により発生された特定開始権利をストックする特定開始権利ストック手段と、を備え、
実行権利ストック手段により実行権利が少なくとも1個ストックされ、かつ特定開始権利ストック手段により特定開始権利が少なくとも1個ストックされている場合には、特定の遊技回数が経過したときに、実行権利ストック手段によりストックされている実行権利に対応した有利遊技を開始し、
実行権利ストック手段により実行権利が少なくとも1個ストックされ、かつ特定開始権利ストック手段により特定開始権利がストックされていない場合には、特定の遊技回数と同一又は異なる遊技回数が経過したときに、実行権利ストック手段によりストックされている実行権利に対応した有利遊技を開始するように形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
実行権利を少なくとも1個は必ず発生させることが予め定められた確定契機が設定され、
実行権利発生手段は、
確定契機においては、実行権利を少なくとも1個は必ず発生させるように形成され、
特定開始権利発生手段は、
確定契機により実行権利が発生した場合に、特定開始権利を少なくとも1個発生させるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
特別役を含む複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段を備え、
役抽選手段は、
役抽選により特別役に当選した場合に、当選した特別役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されるまで当選の権利を持ち越すとともに、特別役の当選の権利を持ち越している遊技においては、特別役を役抽選の抽選対象には設定しないように形成され、
遊技として、
特別役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを契機に開始される遊技であって通常遊技とは異なる遊技である特別遊技を備え、
1個の実行権利により、所定の遊技回数を1セットとする、1セットの有利遊技を実行するように形成され、
有利遊技は、
役抽選により特別役に当選しても終了しないように形成され、
特定開始権利発生手段は、
1セットの有利遊技が終了する際に、特別役の当選の権利を持ち越している状態である場合に、実行権利ストック手段により実行権利が少なくとも1個ストックされ、かつ特定開始権利ストック手段により特定開始権利がストックされていないときには、特定開始権利を少なくとも1個発生させるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
実行権利ストック手段は、
有利遊技が実行された場合に、対応する実行権利を1個消去するように形成され、
特定開始権利ストック手段は、
特定の遊技回数で有利遊技が開始されたときに、ストックしている特定開始権利を1個消去するように形成され、
実行権利ストック手段により少なくとも1個の実行権利がストックされている場合に、ストックされている実行権利を、他の有利遊技に対応した実行権利に切り替える実行権利切替手段を備えることを特徴とする請求項1、2又は3記載の遊技機。
【請求項1】
通常の遊技である通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技である有利遊技を備え、
有利遊技として、複数種類の有利遊技を備え、
有利遊技を実行する権利であって各有利遊技に対応した権利であるいずれかの実行権利を有している場合に、対応する有利遊技を実行可能な遊技機であって、
実行権利を1又は複数個発生させる実行権利発生手段と、
実行権利発生手段により発生された実行権利を実行権利の種類ごとにストックする実行権利ストック手段と、
実行権利ストック手段により実行権利が少なくとも1個ストックされている場合に、特定の遊技回数で有利遊技を開始する権利である特定開始権利を1又は複数個発生させ得る特定開始権利発生手段と、
特定開始権利発生手段により発生された特定開始権利をストックする特定開始権利ストック手段と、を備え、
実行権利ストック手段により実行権利が少なくとも1個ストックされ、かつ特定開始権利ストック手段により特定開始権利が少なくとも1個ストックされている場合には、特定の遊技回数が経過したときに、実行権利ストック手段によりストックされている実行権利に対応した有利遊技を開始し、
実行権利ストック手段により実行権利が少なくとも1個ストックされ、かつ特定開始権利ストック手段により特定開始権利がストックされていない場合には、特定の遊技回数と同一又は異なる遊技回数が経過したときに、実行権利ストック手段によりストックされている実行権利に対応した有利遊技を開始するように形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
実行権利を少なくとも1個は必ず発生させることが予め定められた確定契機が設定され、
実行権利発生手段は、
確定契機においては、実行権利を少なくとも1個は必ず発生させるように形成され、
特定開始権利発生手段は、
確定契機により実行権利が発生した場合に、特定開始権利を少なくとも1個発生させるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
特別役を含む複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段を備え、
役抽選手段は、
役抽選により特別役に当選した場合に、当選した特別役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されるまで当選の権利を持ち越すとともに、特別役の当選の権利を持ち越している遊技においては、特別役を役抽選の抽選対象には設定しないように形成され、
遊技として、
特別役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを契機に開始される遊技であって通常遊技とは異なる遊技である特別遊技を備え、
1個の実行権利により、所定の遊技回数を1セットとする、1セットの有利遊技を実行するように形成され、
有利遊技は、
役抽選により特別役に当選しても終了しないように形成され、
特定開始権利発生手段は、
1セットの有利遊技が終了する際に、特別役の当選の権利を持ち越している状態である場合に、実行権利ストック手段により実行権利が少なくとも1個ストックされ、かつ特定開始権利ストック手段により特定開始権利がストックされていないときには、特定開始権利を少なくとも1個発生させるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
実行権利ストック手段は、
有利遊技が実行された場合に、対応する実行権利を1個消去するように形成され、
特定開始権利ストック手段は、
特定の遊技回数で有利遊技が開始されたときに、ストックしている特定開始権利を1個消去するように形成され、
実行権利ストック手段により少なくとも1個の実行権利がストックされている場合に、ストックされている実行権利を、他の有利遊技に対応した実行権利に切り替える実行権利切替手段を備えることを特徴とする請求項1、2又は3記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−43053(P2013−43053A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184797(P2011−184797)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】
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