説明

遊技機

【課題】回転リールの回転時の加速度によって当選を報知することができるとともに、報知態様を複雑化することで技術介入性を高められるようにした遊技機を提供する。
【解決手段】駆動モータで回転させる回転リール40についてストップスイッチ50の操作が可能となるまでの時間が、それぞれ異なるものとなる複数の加速態様を決定可能な加速度変更手段125とを設け、複数の駆動モータの少なくともいずれか一の駆動モータについて、今回の遊技における前記当選判定の抽選結果に基づいて、駆動モータの加速態様が、停止図柄記憶手段121の記憶している前回の遊技の停止図柄に対応して変化するように、加速態様を変更可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、当選判定の抽選を行い、スタートスイッチの操作により回転リールなどの図柄表示手段が変動し、ストップスイッチの操作によってそれらの変動を停止させるようにした遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機、例えばスロットマシンにおいては、種々の態様で当選の報知演出が行われるように形成されている。例えば、特許文献1に記載の遊技機は、リールの回転速度、回転方向、回転開始から回転停止までの時間等、リールの回転態様によって当選を報知している。また、特許文献2に記載の遊技機のように、特定当選役に当選した場合、リールの回転開始時の加速度を変更して、当選報知を行うようにしているものもある。
【特許文献1】特開2001−104575号公報
【特許文献2】特開2007−222394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の遊技機において、回転リールの回転開始前の停止図柄と回転開始時の挙動によって当選の報知を行うものは存在しなかった。
そこで本願発明は、回転リールの停止時から回転リールの停止操作が可能となるまでの期間に着目し、回転リールの回転時の加速度によって当選を報知することができるとともに、報知態様を複雑化することで技術介入性を高められるようにした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記した目的を達成するためになされたものであり、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(特徴点)
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、複数の駆動モータ(リールモータM1、M2、M3)にそれぞれ軸着され、表面に複数の図柄が表示された複数の回転リール(40)と、前記複数の駆動モータの回転を開始させるためのスタートスイッチ(30)と、回転中の前記駆動モータを個々に停止させるためのストップスイッチ(50)と、前記複数の回転リール(40)の図柄を正面側から視認可能とする図柄表示窓(13)と、前記駆動モータの回転開始前に、複数の図柄の組み合わせからなる当選役について当選判定の抽選を行うための当選抽選手段(110)と、前記スタートスイッチ(30)の操作に基づき、前記駆動モータの回転を開始させるためのスタート信号を出力し、前記複数の駆動モータの回転を制御するための回転制御手段(リール回転制御手段120)と、前記回転リール(40)の回転中において回転リール(40)に表示されている図柄の位置を判定するための図柄検知手段と、前記当選判定の抽選結果及び前記図柄検知手段の判定及び前記ストップスイッチ(50)の操作に基づき、前記複数の駆動モータの回転停止を制御するための停止制御手段(リール停止制御手段130)とを少なくとも備え、前記駆動モータの停止に伴い回転停止した前記複数の回転リール(40)の、前記図柄表示窓(13)から視認可能な停止図柄が、予め定められた配列となった場合に入賞となる遊技機に係る。
【0005】
本発明に係る遊技機は、スロットマシンやパロット遊技機とすることができ、上記構成の他にも、入賞時に遊技媒体を払い出すための払い出し装置(ホッパーユニット65)その他の構成部品を備えていてもよい。なお、「遊技媒体」とは、遊技に使用するメダルや遊技球(パチンコ球)、コインなどを含むものである。
前記「図柄検知手段」は、回転リール(40)の回転を検知するためのインデックスセンサ(60A)と、このインデックスセンサ(60A)の検知信号と、前記駆動モータとしてのステッピングモータの回転ステップ数に基づいて、回転リール(40)の回転角度を割り出し、回転リール(40)の表面に表示されている図柄の現在位置を特定可能な図柄判定手段(131)とすることができる。
【0006】
前記「回転制御手段」は、駆動モータの回転開始から回転中の制御を行うものであって、複数の駆動モータにそれぞれスタート信号を出力して、回転リール(40)の回転速度が一定になるまで駆動モータを加速回転させ、その後は一定速度を保ったまま駆動モータを回転させる。
前記「停止制御手段」は、前記回転リール(40)の停止制御を行うためのものである。停止制御とは、当選役の抽選の抽選結果に応じて、所定位置に停止させてはいけない図柄を停止させないように「蹴飛ばし」を行うと共に、所定位置に停止させてもよい図柄を極力その位置に停止させるように「引き込み」を行うことである。すなわち、前記ストップスイッチ(50)の操作時に、当選判定の抽選結果が「ハズレ」の場合にはいかなる当選図柄も有効ライン上に揃わないように、当選判定の抽選結果が所定の当選役に当選(当たり)の場合には当該当選図柄が極力有効ライン上に揃うように、各駆動モータに駆動停止信号を出力する時間を遅らせる制御を行うものである。
【0007】
さらに、本発明においては、前記回転リール(40)がすべて回転停止した際に、前記図柄表示窓(13)に位置している停止図柄を回転リール(40)ごとに記憶する停止図柄記憶手段(121)と、前記駆動モータについて、当該駆動モータで回転させる回転リール(40)に対応した前記ストップスイッチ(50)の操作が可能となるまでの時間が、それぞれ異なるものとなる複数の加速態様を決定可能な加速度変更手段(125)とを設け、この加速度変更手段(125)は、前記複数の駆動モータの少なくともいずれか一の駆動モータについて、今回の遊技における前記当選判定の抽選結果に基づいて、今回の遊技における前記駆動モータの加速態様が、前記停止図柄記憶手段(121)の記憶している図柄に対応して変化するように、前記加速態様を変更可能に形成されていることを特徴とする。
【0008】
ここで、駆動モータの加速度は、駆動モータにかかる電圧の高低や、パルス発生装置の発生パルスの周波数の増減により変化させることができる。加速度の変更は、複数の駆動モータに一律同時に行ってもよいし、駆動モータごとに異ならせてもよい。
(作用)
ストップスイッチ(50)の操作に基づいて回転リール(40)が回転停止すると、停止図柄記憶手段(121)が、全回転リール(40)が停止したときの図柄表示窓(13)に位置している停止図柄を、回転リール(40)ごとに記憶する。次に、次遊技で回転リール(40)を回転開始させる前、例えばスタートスイッチ(30)の操作時に、当選抽選手段(110)が当選判定の抽選を行う。
【0009】
当選判定の抽選の結果、所定の当選役が当選した場合には、回転制御手段(120)は、停止図柄記憶手段(121)の記憶データに基づき、当該当選役を構成する図柄(当選図柄)が図柄表示窓(13)の位置に停止している図柄中に含まれているか否かを判断する。停止図柄に当選図柄が含まれている場合には、加速度変更手段(125)が駆動モータの加速度設定を不当選時又は停止図柄に当選図柄が含まれていない場合と異なる設定にする。そして、スタート信号を出力すると、前記加速度変更手段(125)の設定した加速度で、回転リール(40)が回転開始する。例えば、停止図柄に当選図柄が含まれていないと判断した場合には、ノーマルの加速度設定にするが、停止図柄に当選図柄が含まれている場合には、ノーマル設定よりも加速度が遅い低加速度設定にして、回転リール(40)が定常回転に達するまでの時間を長くする。あるいは、ノーマル設定よりも加速度が速い高加速度設定にして、回転リール(40)が定常回転に達するまでの時間を短くしてもよい。
【0010】
この場合、複数の駆動モータの加速度設定を一律に変更してもよいし、各駆動モータについて別々の加速度設定を行うようにしてもよい。あるいは、特定の駆動モータについてのみ異なる加速度設定を行うようにしてもよい。すなわち、本発明には、当選時に複数の回転リール(40)の全てを同時に通常(不当選時など)と異なる加速度で回転開始させる場合と、当選時に特定の回転リール(40)を他の回転リール(40)と異なる加速度で回転開始させる場合の双方が含まれる。
本発明によれば、遊技者はスタート操作時に、全部の又はいずれかの回転リール(40)が回転開始するときの加速度の違いを察知することにより、当選を知ることができる。加えて、回転リール(40)が回転開始する前の停止図柄のいずれかが当選図柄であることから、回転リール(40)の回転開始後に、それらの図柄のうちいずれかと同じ図柄を狙って目押しをすることにより、その遊技で入賞させることが可能となる。
【0011】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記加速度変更手段(125)は、前記当選判定の抽選の結果、所定の当選役が当選した場合であって前記停止図柄記憶手段(121)の記憶している図柄中に所定の図柄が含まれている場合、その所定の図柄を停止図柄に含んでいる回転リール(40)(以下停止図柄当選リールという)と、前記所定の図柄を停止図柄に含んでいない回転リール(40)(以下不当選リールという)とが、前記ストップスイッチ(50)の操作が可能となるまでの時間が異なるように、前記駆動モータの加速態様を決定可能に形成されていることを特徴とする。
【0012】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は2記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項3記載の発明は、前記加速度変更手段(125)は、前記当選判定の抽選の結果、所定の当選役が当選した場合であって前記停止図柄記憶手段(121)の記憶している図柄中に所定の図柄が含まれている場合には、前記複数の回転リール(40)について前記ストップスイッチ(50)の操作が可能となるまでの時間がそれぞれ異なるように、各回転リール(40)の駆動モータについて異なる加速態様を決定可能に形成されていることを特徴とする。
【0013】
(請求項4)
請求項4記載の発明は、前記した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発目の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項4記載の発明は、前記加速度変更手段(125)は、前記回転リール(40)について前記ストップスイッチの操作が可能となるまでの間において、回転中の前記駆動モータの加速態様を変更可能に形成されており、前記当選判定の抽選の結果、所定の当選役が当選した場合であって前記停止図柄記憶手段(121)の記憶している図柄中に所定の図柄が含まれている場合には、所定の加速度での加速態様を決定した回転リール(40)である高加速度リールの当選図柄が、前記所定の加速度よりも遅い加速度での加速態様を決定した回転リール(40)である低加速度リールの当選図柄と一直線上に並ぶ位置に移動したときに、前記高加速度リールと低加速度リールの回転速度及び加速度がそれぞれ同等となるよう、複数の前記駆動モータの加速態様を変更して、前記高加速度リールと低加速度リールが、各回転リール(40)におけるいずれかの所定の図柄を一直線上に並んだ位置に保ったまま回転可能としたことを特徴とする。
【0014】
(請求項5)
請求項5記載の発明は、前記した請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発目の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項5記載の発明は、前記回転制御手段(120)は、前記停止図柄記憶手段(121)の記憶している停止図柄に含まれる所定の図柄の、前記図柄表示窓(13)における位置に応じて、前記スタート信号を出力するタイミングを変更可能に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のように構成されているので、回転リールの回転開始順番によって当選を報知することができるとともに、報知態様を複雑化することで技術介入性を高められるようにした遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(図面の説明)
図1乃至図15は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1はスロットマシン10の外観正面図、図2はスロットマシンの入力、出力、制御を示すブロック図、図3乃至図10はスロットマシンの作動を示す流れ図、図11は図柄表示窓13の拡大図、図12及び図15は回転リール40の回転速度を表すタイムチャート図、図13は停止図柄の配列を示す説明図、図14は回転リールの回転開始タイミングを示す説明図である。
【0017】
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、図1に示すように、四角箱状の筐体11を有する。この筐体11には、遊技者側に向かって臨む表示窓12が形成されており、さらに表示窓12には、3個の回転リール40(41,42,43)の図柄44,45,46を見ることができる図柄表示窓13が形成されている。そして、スロットマシン10の略中央端部には、メダル投入口14が設けられている。
スロットマシン10の内部には、ホッパーユニット65と、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20が内蔵されている。
(制御装置20)
上記制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、一個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、次の(1)及び(2)の装置を構成する。
【0018】
(1)遊技制御装置21
(2)演出制御装置22
遊技制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。演出制御装置22は、遊技制御装置21からの出力信号、スタートスイッチ30等の操作手段の操作信号に基づいて、ランプ68やスピーカ69等の演出表示装置66を制御するためのものである。
ここで、制御装置20を、主制御装置と、主制御装置からの信号を受信して作動する副制御装置とから構成し、前記遊技制御装置21を主制御装置に、前記演出制御装置22を副制御装置に配置することができる。このように、遊技を司る制御装置と演出を司る制御装置を別個に形成することにより、演出制御に当てられるメモリを大幅に増やすことができると共に、演出のみを変更することもできる。
【0019】
(入力段)
上記制御装置20の入力段には、図2に示すように、次のパーツが接続されている。
(1)投入スイッチ15
(2)ベットスイッチ16
(3)精算スイッチ17
(4)スタートスイッチ30
(5)ストップスイッチ50
(6)インデックスセンサ60A
なお、入力段としては、上記した(1)乃至(6)のパーツに限定されるものではない。
【0020】
(投入スイッチ15)
投入スイッチ15は、図1に示すように、メダル投入口14の下方に内蔵された検知センサであって、投入された遊技メダルを検知するためのものである。
(ベットスイッチ16)
ベットスイッチ16は、図1に示すように、図柄表示窓13の下方に位置するボタンスイッチであって、クレジットをメダル投入に代えるためのものである。
ここで、クレジットとは、次遊技以降に使用するためのメダルをあらかじめ遊技機内部に貯留しておくことであり、スロットマシン10は、メダル投入口14から投入され投入スイッチ15を通過した遊技メダル、又は入賞により払い出される遊技メダルを、最大50枚まで、遊技機内部に貯留する扱いができるように形成されている。
【0021】
(精算スイッチ17)
精算スイッチ17は、図1に示すように、図柄表示窓13の斜め下方に位置するボタンスイッチであって、貯留した投入メダルを払い出すためのものである。
(スタートスイッチ30)
スタートスイッチ30は、図1に示すように、図柄表示窓13の斜め下方に位置するレバーであって、遊技メダルの投入若しくはベットスイッチ16の押下を条件に、または、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、リールユニット60の駆動を開始させるためのものである。
【0022】
なお、ここで、「再遊技(Replay)」とは、当選抽選手段110の抽選により、「再遊技(Replay)」のフラグが成立し、「再遊技(Replay)」の図柄が入賞有効ライン上に揃うことにより、次の遊技において、遊技メダルを新たに投入することなく、再度、遊技を行うことができるものである。
また、スタートスイッチ30の筐体内部側には、特に図示しないが、接触により通電する接触センサ、あるいはレバーの押下による揺動を検知する遮光センサが設けられていて、レバー押下が検知されるとともに、当該検知信号が操作信号として制御装置20に出力されるようになっている。そして、本実施の形態においては、スタートスイッチ30の操作により、3個の回転リール40を別々に回転開始させることができる(3個の回転リール40を同時に回転開始させない場合もあることを意味する)ように形成されているが、これについては後述する。
【0023】
(ストップスイッチ50)
ストップスイッチ50は、リールユニット60の駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ50は、図1に示すように、各回転リール40に対応した3個の停止ボタンから構成され、各回転リール40の下方に1個ずつ配置されている。各停止ボタンの筐体内部側には、特に図示しないが、接触により通電する接触センサ、あるいはボタンの押下による移動を検知する遮光センサが設けられていて、ボタンの押下が検知されるとともに、当該検知信号が操作信号として制御装置20に出力されるようになっている。
そして、回転リール40に対応したストップスイッチ50の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止するように設定されているものである。すなわち、右側の停止ボタンの操作により右リール41を停止させることができ、真中の停止ボタンの操作により中リール42を、左側の停止ボタンの操作により左リール43を、それぞれ停止させることができる。
【0024】
(インデックスセンサ60A)
インデックスセンサ60Aは、特に図示しないが、リールユニット60の枠体に設けられた検知部であって、回転リール40の回転を検知するためのものである。
具体的には、インデックスセンサ60Aは、各回転リール40にそれぞれ1個ずつ配置された遮光センサとすることができ、回転リール40に設けられたスタートインデックスが受光部と発光部の間を通過したときに、検知信号を出力可能に形成されている。
(出力段)
前記制御装置20の出力段には、図2に示すように、次のパーツが接続されている。
【0025】
(1)リールユニット60(リールモータM1,M2,M3)
(2)ホッパーユニット65
(3)演出表示装置66(画像表示部67及びランプ66及びスピーカ69)
なお、出力段としては、上記した(1)乃至(3)のパーツに限定されるものではない。
(リールユニット60)
リールユニット60は、特に図示しないが枠体に固定或いは支持された3個のステッピングモータ(リールモータM1,M2,M3。図2参照)と、各々のリールモータの出力軸に固定された左リール41、中リール42、右リール43(図1参照)の3個の回転リール40から構成されている。具体的には、左リール41はリールモータM1に、中リール42はリールモータM2に、左リール43はリールモータM3に、それぞれ取り付けられている。
【0026】
リールユニット60には、前記リールモータM1,M2,M3をそれぞれ駆動させるための複数のパルス発生装置(図示せず)が設けられており、リール回転制御装置120からのスタート信号に基づいてパルス発生装置がパルス信号を発信することにより各リールモータM1,M2,M3の駆動軸が回転するようになっている。
各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、複数個(例えば21個)の図柄が表示されている。
そして、スロットマシン10を正面視したとき、図柄表示窓13からは、各回転リール40の図柄がそれぞれ3個ずつ視認できるようになっている。具体的には、図柄表示窓13の左側には、左リール41の図柄44のうち、上段に位置する図柄44a、中段に位置する図柄44b、下段に位置する図柄44cを見ることができ、図柄表示窓13の中央には、中リール42の図柄45のうち、上段に位置する図柄45a、中段に位置する図柄45b、下段に位置する図柄45cを見ることができ、図柄表示窓13の右側には、右リール43の図柄46のうち、上段に位置する図柄46a、中段に位置する図柄46b、下段に位置する図柄46cを見ることができる。
【0027】
また、特に図示しないが、各回転リール40には、リールユニット60に設けられたインデックスセンサ60Aに検知される検知部としてのスタートインデックスが設けられている。スタートインデックスは、例えば回転ドラムの内側や回転ドラムとリールモータを繋ぐスポークに設けられた突片とすることができる。
(ホッパーユニット65)
ホッパーユニット65は、図1に示すように、筐体11の内部に設けられた払い出し装置であって、遊技の結果に基づいて、遊技者にメダルを払い出すためのものである。
(演出表示装置66)
演出表示装置66は、演出制御装置22の制御により、入賞等を報知させるなど、種々の演出を行うものである。具体的には、演出表示装置66は、画像表示部67及びランプ68及びスピーカ69から構成されている。
【0028】
画像表示部67は、回転リール40の側方に設けられた窓部であり、LED、ドットマトリックス、液晶画面等を用いて、入賞の報知その他の演出を表示するためのものである。なお、画像表示部67としては上記のものに限られず、例えば演出専用の回転リールを設け、リールの図柄や文字等により演出を表示するようにしても良い。
ランプ68及びスピーカ69は、発光体の点灯又は点滅、入賞音の発生により入賞等を報知するためのものである。
(遊技制御装置21)
次に、遊技制御装置21について詳述する。
【0029】
遊技制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。そして、この遊技制御装置21は、次の(1)乃至(7)の手段として機能する。
(1)通常遊技制御手段70
(2)特別遊技制御手段80
(3)当選抽選手段110
(4)リール回転制御手段120
(5)リール停止制限手段130
(6)ホッパー制御手段140
(7)入賞判定手段150
なお、遊技制御装置21としては、上記した(1)乃至(7)の手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいても良い。
【0030】
(通常遊技制御手段70)
通常遊技制御手段70は、通常遊技を行わせるためのものである。
すなわち、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の押下を条件に、または、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、スタートスイッチ30を操作すると、リールモータM1〜M3が駆動して、3個の回転リール40が回転を開始する。
その後、ストップスイッチ50の1個を操作すると、当該対応する回転リール40の回転が停止する。そして、ストップスイッチ50を3個全て操作し終わると、3個の回転リール40の回転が全て停止する。このとき、図柄表示窓13の有効ライン上に当選図柄が入賞の態様で停止すると、ホッパーユニット65を介して所定枚数のメダルが払い出される。なお、メダルを払い出す代わりに、クレジットしても良い。
【0031】
当選には、入賞により遊技メダルの払い出しを伴い、遊技者に利益を付与する小役当選と、この小役当選よりもさらに大きな利益を遊技者に付与する特別当選と、遊技メダルの払い出しは無いが、遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行うことができる「再遊技(Replay)」とを備えている。
また、抽選結果がいずれかの役に当選となった場合、その当選に対応した当選フラグが成立する。そして、抽選結果が特別当選である場合に、特別当選フラグが成立し、この特別当選フラグ成立中に、リールユニット60の回転リール40の停止図柄の組み合わせが、予め定められた所定の特別当選図柄44〜46(例えば、有効ライン上に「7」が3個揃うもの)と一致したことを条件に入賞し、遊技者に有利な特別遊技を行わせるように形成されている。
【0032】
一方、抽選により特別当選フラグが成立したが、回転リール40の停止図柄の組み合わせが特別当選図柄と一致していない場合には、それ以後の遊技に特別当選フラグ成立の権利が持ち越されるように設定されている。なお、小役の当選フラグは、当選フラグが成立した遊技で入賞させられない場合、当選フラグ成立の権利の次の遊技への持ち越しはない。
また、いずれかの当選フラグが成立中に、対応する当選図柄を有効ライン上に揃えることができるか否かは、回転リール40の回転速度が一定の場合、ストップスイッチ50のタイミングによるものである。具体的には、ストップスイッチ50を操作した後、190ms以内に回転リール40が停止するように設定されているため、ストップスイッチ50を操作した後、そのまま停止させるか、或いは190ms以内に停止可能な回転リール40の円周上の引き込み可能図柄、例えば停止図柄から連続する4個の引き込み可能図柄の中に、対応する当選図柄が含まれているような場合には、停止するまでの時間を遅らせて、回転リール40は有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止する。一方、かかる4個の引き込み可能図柄の中に、対応する当選図柄が含まれていないような場合には、有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止することができない。
【0033】
(特別遊技制御手段80)
特別遊技制御手段80は、抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行わせるためのものである。
上記特別遊技としては、大別すると、次のゲームがある。
(1)特定導入遊技(ビッグボーナスゲーム・以下BBゲームという)
(2)特定遊技(レギュラーボーナスゲーム・以下RBゲーム)
(3)特定当選遊技(ジャックゲーム・以下JACゲームという)
なお、RBゲームは、BBゲーム中に行われる場合と、BBゲーム中でないときにも単独で行われる場合がある。JACゲームは、RBゲーム中に行われるものである。また、特別遊技としては、上記した(1)乃至(3)の遊技に限定されるものではない。
【0034】
特別遊技制御手段80は、特に図示しないが、大別すると、次の手段を備える。
(1)特定導入遊技制御手段
(2)特定遊技制御手段
(特定導入遊技制御手段)
特定導入遊技制御手段は、BBゲームを制御するためのものである。
具体的には、通常遊技において、例えば「7」等の図柄が入賞有効ライン上に3個揃うと、BBゲームに移行する。
BBゲームに移行すると、通常遊技と同様に最大3枚のメダルの投入によって開始され、3つの回転リール40の回転を各々停止させた際に、有効ライン上に当選図柄が揃っているか否かによって、メダルの払い出しが行われるものである。
【0035】
したがって、BBゲーム中では、通常遊技と同様に小役を含めた抽選が毎回行われるものである。ただ、このBBゲーム中にRBゲームに移行するための特定当選図柄が入賞有効ライン上に揃った場合には、その後RBゲームに移行するものである。
なお、RBゲームが終了した後は、また前述したような通常遊技と同様な抽選及び制御が行われる。そして、BBゲームは、一定枚数のメダル払い出し終了により終了するものである。
(特定遊技制御手段)
特定遊技制御手段は、RBゲームを制御するためのものである。
【0036】
具体的には、RBゲームに移行すると、メダルが1枚投入となり、回転リール40の所定の図柄が図柄表示窓13のセンターラインL1上に揃った場合に入賞となる特定当選遊技が行われるものである。そして、RBゲームでは、入賞するか否かの特定当選遊技が最大12回行えるものであり、そのうち、最大8回の入賞が可能である。すなわち、最大8回の入賞するか、或いは最大12回の特定当選遊技の終了により、RBゲームは終了するものである。
(当選抽選手段110)
当選抽選手段110は、予め定めた抽選確率に基づいて、当選か否かの当選判定の抽選を行うものである。そして、当選抽選手段110による抽選の結果、所定の当選役に当選である場合に当選フラグが成立し、この当選フラグ成立中に、回転リール40の停止図柄の組み合わせが予め定められた当選図柄と一致したことを条件に入賞し、遊技者にメダルの払い出しや、特別遊技等の利益が付与されるように設定されている。
【0037】
上記当選抽選手段110は、特に図示しないが、大別すると、次の手段を備える。
(1)乱数発生手段
(2)乱数抽出手段
(3)当選判定テーブル
(4)判定手段
なお、当選抽選手段110としては、上記した(1)乃至(4)に限定されるものではない。
(乱数発生手段)
乱数発生手段は、当選抽選用の乱数を所定の領域内(例えば十進数で0〜65535)で発生させるものである。
【0038】
(乱数抽出手段)
乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生する乱数を、スタートスイッチ30の操作タイミングで抽出するものである。なお、この抽出した乱数を抽出乱数データとする。
なおここで、「乱数発生手段」としては、ソフト乱数としての平均採中法等で乱数を発生させることができるものの他に、一定範囲の数字を高速で1づつ加算するカウンタを用いて構成することもできる。例えば、0〜16383の範囲の数字を、1秒間に700万回程度順次繰り返すようにしたカウンタが考えられる。そして、「乱数抽出手段」としては、スタートスイッチを押したタイミングでカウンタの数字を読みとることなる。
【0039】
このように形成すると、「乱数発生手段」では乱数を発生しているわけではないものの、「乱数抽出手段」によって抽出される数字は、あたかも乱数のような分布となる。このように、結果として乱数のような分布を示す数字が得られる手段を、ここでは「乱数発生手段」あるいは「乱数抽出手段」に含めて考えるものとする。
(当選判定テーブル)
当選判定テーブルは、乱数発生手段がとる乱数の全領域中、各当選項目の当選領域を有するものである。
(判定手段)
判定手段は、乱数抽出手段112が抽出した抽出乱数データと、当選判定テーブルの抽選確率データを基に、乱数発生手段がとる乱数の全領域中の各当選項目の当選領域からなる当選判定領域データとを照合し、当該抽出乱数データが属する当選領域に対応する当選を決定するものである。
【0040】
(リール回転制御手段120)
リール回転制御手段120は、有効なスタートスイッチ30の操作信号に基づいて回転リール40を回転させるとともに、当選判定の抽選結果に基づいて回転リール40の回転開始態様を変更させるためのものである。
そしてリール回転制御手段120は、図2に示すように、以下の(1)乃至(5)の手段を有している。
(1)停止図柄記憶手段121
(2)回転開始態様決定手段122
(3)スタート信号出力手段123
(4)停止操作無効解除手段124
(5)加速度変更手段125
なお、リール回転制御手段120としては、上記以外の手段を有していても構わない。
【0041】
(停止図柄記憶手段121)
停止図柄記憶手段121は、後述するリール停止制御手段130の図柄判定手段131の判定に基づいて、回転リール40が全停止したときの、図柄表示窓13に停止表示されている図柄を記憶するためのものである。
具体的には、停止図柄記憶手段121は、図柄表示窓13の上段、中段、下段に位置している回転リール40の図柄を、回転リール40ごとに記憶するためのメモリを備え、図柄判定手段131から停止図柄情報が出力されるたびにメモリに記憶している内容を更新する。
(回転開始態様決定手段122)
回転開始態様決定手段122は、当選抽選手段110の抽選結果及び前記停止図柄記憶手段121の記憶情報に基づいて、リールモータM1〜M3を駆動開始させるためのスタート信号の出力時期や、リールモータM1〜M3を駆動させるためのパルス周波数を決定するためのものである。
【0042】
具体的には、回転開始態様決定手段122は、当選判定の抽選の結果、所定の当選役に当選した場合であって、当該当選に係る図柄が停止図柄記憶手段121の記憶している停止図柄情報に含まれている場合に、全ての回転リール40の回転開始態様、あるいは停止図柄情報に当選図柄が含まれている回転リール40の回転開始態様を決定する。すなわち、当選判定の抽選結果が不当選の場合と、当選しかつ停止図柄に当選図柄が含まれている場合とで、回転リール40の回転開始態様を変化させるためのものである。
ここで、「回転開始態様」とは、回転開始までの時間や回転時の加速度などの回転リール40の「回転開始の仕方」を指すものであるが、本実施の形態においては、リール回転制御手段120は、単一のスタートスイッチ30の操作信号によって、3個の回転のリール40を一斉に回転開始させる(リールモータM1〜M3を同時に駆動させる)制御と、3個の回転のリール40を個別に回転開始させる(リールモータM1〜M3を別個に駆動させる)制御の双方を実行可能に形成されている。以下、回転リール40を同時に回転開始させる場合の回転開始態様と、個々の回転リール40を別々に回転開始させる場合の回転開始態様とに分けて説明する。
【0043】
(A)回転リール40を同時に回転開始させる場合
回転リール40を同時に回転開始させる場合には、回転開始態様決定手段122は、基本的に、以下の2つの回転開始態様を決定可能である。
(1)回転開始までの時間(リールモータを駆動開始させるまでの時間)
図12に示すT1の時間である。ここで、図12は回転リール40の回転を表すタイムチャート図であって、横軸は時間、縦軸はリールモータの回転速度を示す。回転開始までの時間は、後述するスタート信号出力手段123が出力するスタート信号(リールモータM1〜M3を駆動開始させるめたの信号、具体的にはパルス発生装置への作動開始信号)の出力タ
イミングを遅くしたり早くしたりすることにより変更することができる。
【0044】
例えば、停止図柄記憶手段121が記憶している停止図柄情報に当選図柄が含まれている場合には、含まれていない場合よりも、回転開始までの時間を長くすることができる。具体的には、不当選時には、回転開始までの時間(秒)を「0」に設定する。すなわち、停止図柄情報に当選図柄が含まれているか否かの判断後、ただちにスタート信号が出力される。一方、停止図柄情報に当選図柄が含まれている場合には、回転開始までの時間を「1」に設定する。そうすると、停止図柄情報に当選図柄が含まれているか否かの判断後、1秒経過してからスタート信号が出力される。
なお、回転開始までの時間を、当選した当選役によって変化させてもよい。例えばBB当選なら回転開始まで2秒、小役当選なら1秒というように設定することができる。
【0045】
(2)定常回転に達するまでの時間(リールモータM1〜M3の加速度)
図12に示すT2、T2’の時間である。この時間は、後述する加速度変更手段125の制御に基づき、ステッピングモータを駆動させるためのパルス発生装置が出力するパルスの周波数を調節し、リールモータM1〜M3の加速度を変更することにより変更されるものである。
なお、所定の遊技制限時間が経過している場合には、回転リール40(リールモータ)が定常回転に達するとストップスイッチ50の操作が有効となる(停止操作の無効が解除される)ので、加速度の変化は停止操作が可能となるまでの時間の変化と同義となる。ただ、遊技制限時間が経過していない場合でも、定常回転に達した後に操作不能時間が残るというだけで、遊技者にとっては、回転リール40の動き始めの速度の違いが判断できれば、停止操作が可能となるまでの時間が長かろうが短かろうがあまり関係はない。
【0046】
そして、例えば、停止図柄記憶手段121が記憶している停止図柄情報に当選図柄が含まれている場合には、含まれていない場合よりも、加速度を遅くし、あるいは逆に早くする。加速度を、当選した当選役によって変化させてもよい。例えばBB当選なら定常回転に達するまで2秒、小役当選なら1秒というように設定することができる。
なお、回転開始態様決定手段122としては、上記(1)(2)を組み合わせたものを回転態様として決定可能であってもよい。
(B)個々の回転リール40を別々に回転開始させる場合
個々の回転リール40を別々に回転開始させる場合には、回転開始態様決定手段122は、基本的に、以下の3つの回転開始態様を決定可能である。
【0047】
(1)停止図柄記憶手段121が記憶している停止図柄情報に当選図柄が含まれている回転リール40(以下停止図柄当選リールXという)についての回転開始までの時間
これは、停止図柄当選リールXの回転開始時期を、停止図柄当選リールX以外の回転リール40(以下不当選リールという)とずらすようにしたものである。例えば、停止図柄当選リールXのみが他の回転リール40よりも遅れて回転開始したり、逆に不当選リールよりも先んじて回転開始するように設定することができる。この場合、不当選リールの回転開始までの時間を不当選時と変更することなく停止図柄当選リールXのみの回転開始までの時間を変更してもよいし、不当選リールの回転開始までの時間を不当選時と変更することによって停止図柄当選リールXと不当選リールの回転開始タイミングがずれるようにしてもよいし、不当選リールの回転開始までの時間を不当選時と変更しかつ停止図柄当選リールXの回転開始までの時間も不当選時と変更してもよい。
【0048】
また、停止図柄当選リールXが複数ある場合には、それらを同時に回転させる。従って、3個の回転リール40が同時に回転する場合もありうるが、回転開始までの時間が不当選時と異なるので、不当選の場合と見分けが付かなくなることはない。
なお、停止図柄当選リールXの回転開始までの時間は、予め定められていてもよいし、当選した当選役によって変化させてもよい。あるいは、停止図柄当選リールXの当選図柄の位置に応じて設定してもよい。例えば、当選図柄が図柄表示窓13の上側(上段又は中段)に位置していた場合よりも、下側(中段又は下段)に位置していた場合の方が、回転開始までの時間が長くなる(あるいは短くなる)ように設定することができる。
【0049】
(2)3個の回転リール40の回転開始順番
停止図柄記憶手段121が記憶している停止図柄情報に当選図柄が含まれている場合には、所定の順番で回転リール40を回転開始させるものである。例えば、不当選時には3個の回転リールが同時に回転開始し、当選時には左リール41、中リール42、右リール43の順に回転開始する(逆でも良い)。回転開始順番を、当選役の種類によって変化させてもよい。あるいは、停止図柄当選リールXを最初に(最後でも良い)回転開始させ(二つある場合にはいずれか一方を先に回転開始)、不当選リールを順次回転開始させる。不当選リールの回転開始順序は、予め定められて(例えば左側優先)いてもよいし抽選により決定してもよい。上記(1)との差異は、3個の回転リール40の回転開始タイミングが異なること
である。
【0050】
ここで、1の回転リール40の回転開始後、次の回転リール40が回転開始するまでの時間(つまり各回転リール40の回転開始時間の差時間)は、等間隔に設定されていてもよいし、当選役の種類や停止している当選図柄の位置などの所定条件に応じて変化させてもよい。当選役の種類に応じて時間間隔を設定する場合には、例えば、小役当選なら各回転リール40の回転開始間隔が0.5秒、BB当選の場合には1秒、というように予め設定しておくことができる。また、停止している当選図柄の位置に応じて時間間隔を設定する場合には、例えば、停止図柄当選リールXが複数ある場合に、当選図柄が図柄表示窓13の上側(例えば上段、中段)に位置している方の停止図柄当選リールXの当選図柄が、当選図柄が下側(例えば中段、下段)に位置している方の停止図柄当選リールXの当選図柄の位置に移動するまでの時間を設定することができる。これは、端的に言えば、リールモータの起動時に回転リール40の図柄を1コマ〜3コマ分だけ移動させるのに要する回転時間である。この時間を設定する代わりに、図柄1をコマ〜3コマ分だけ移動させる回転ステップ数(パルス発生装置の発信パルス数)を設定してもよい。この場合には、既に回転開始しているリールモータのパルス発生装置で所定のステップ数がカウントされたら、次のリールモータにスタート信号を出力することになる。何コマ分の時間差(又はステップ数の差)をつけて複数の停止図柄当選リールXを回転開始させるかは、停止図柄記憶手段121の記憶しているリール毎の図柄配列に基づいて判断することができる。
【0051】
(3)複数の回転リール40の定常回転に達するまでの時間(加速度)
停止図柄記憶手段121が記憶している停止図柄情報に当選図柄が含まれている場合には、各回転リール40の加速度を変化させるものである。例えば、不当選時には3個の回転リールが同じ速度で加速し、当選時には左リール41、中リール42、右リール43の順(逆でも良い。当選役によって変化させても良い)に加速度が速く又は遅くなる。あるいは、停止図柄当選リールXの加速度が、不当選リールに比べて速くなったり遅くなったりするようにしてもよい。
なお、回転開始態様決定手段122としては、上記(1)(3)を組み合わせたもの(停止図柄当選リールXについての回転開始までの時間及び加速度)、又は(2)(3)を組み合わせたもの(3個の回転リール40の回転開始順番及び加速度)を回転開始態様として決定可能であってもよい。さらに、停止図柄当選リールXであるか否かにかかわらず、3個の回転リール40の回転開始までの時間を回転開始態様として決定可能であってもよい。
【0052】
さらに、回転開始態様決定手段122は、停止図柄に当選図柄が含まれている場合であっても、所定の確率で、不当選時と同じ回転開始態様を決定可能としてもよい。すなわち、当選時に必ず回転リール40の回転開始態様を変化させなくてもよい。回転開始態様を変化させるか否かは、抽選により決定してもよいし、遊技状態に応じて決定してもよい。例えば特定の遊技区間のみ回転開始態様を変化させるようにしてもよい。
(スタート信号出力手段123)
スタート信号出力手段123は、上記回転開始態様決定手段122の決定した回転態様に応じて、スタートスイッチ30の操作信号に基づくスタート信号を出力するためのものである。
【0053】
具体的には、投入スイッチ15が投入メダルを検知した場合、クレジットが「1」以上でベットスイッチ16が操作された場合、及びホッパーユニット65がメダルの払い出し中でないなど、所定の遊技開始条件を満たしている場合において、スタートスイッチ30の操作信号を受信した場合に、スタート信号を出力する。
ここで、本実施の形態においては、スタート信号出力手段123は、各リールモータM1、M2、M3にスタート信号を出力可能であり、3個のリールモータM1〜M3に同時にスタート信号を出力することができるとともに、各リールモータM1、M2、M3に時間差をつけてスタート信号を出力することもできる。すなわち、スタート信号出力手段123は、前記回転開始態様決定手段122の決定した回転態様に基づいて、各リールモータM1、M2、M3に、所定のタイミングで、スタート信号を出力するようになっている。
【0054】
(停止操作無効解除手段124)
停止操作無効解除手段124は、ストップスイッチ50の操作信号によって回転リール40の回転を停止可能な状態にするためのものである。
ここで、ストップスイッチ50の操作信号は、各回転リール40の回転停止から次遊技において回転リール40が定常回転に達し、かつ所定の遊技制限時間が経過するまでの間は、制御装置20に到達しないように形成されている。すなわち、前記した期間は、ストップスイッチ50が効かない停止操作無効状態となる。これは、ストップスイッチ50の各検知センサと制御装置20とをつなぐ電気的接続経路中に、所定の信号遮断手段(図示せず)を設け、この信号遮断手段が作動しているときにはセンサの検知信号が制御装置20に通達せず、信号遮断手段が非作動のときにはセンサの検知信号が制御装置20に通達するように形成することによって実行可能である。信号遮断手段は、電気回路中に設けた論理回路手段やスイッチ手段であってもよいし、そのようなプログラムを制御装置20に組み込んだものであってもよい。
【0055】
そして、前記遊技制限時間とは、いわゆるウエイト時間と呼ばれるものであって、
遊技者が一定時間に過度のメダルを投入できないように、一回の遊技が終了した後であっても、所定の時間が経過していないと次遊技を行うことができないように設定された時間である。具体的には、1分間に使用される賭け金が400円を超えないこととする規則に基づき1ゲーム当たりの遊技時間を割り出したものであって、遊技開始から次の遊技開始までの間が4.1秒以上と規定されている。本実施の形態においては、回転リール40が定常回転に達して(ストップスイッチ50が操作可能になって)から次遊技で回転リール40が定常回転に達するまでの時間が4.1秒未満である場合には、4.1秒が経過するまでストップスイッチ50を操作不能とするように形成されている。
【0056】
なお、回転リール40が定常回転になったかどうかは、インデックスセンサ60Aの検知時間間隔を測定することにより確認することができる。あるいは、リールモータに回転検知センサを設け、駆動軸の回転数を検出するようにしてもよい。
そして、停止操作無効解除手段124は、回転リール40が定常回転に達し、かつ遊技制限時間が経過した場合には、前記信号遮断手段を非作動状態にさせて、停止操作の無効を解除する。
(加速度変更手段125)
加速度変更手段125は、前記回転開始態様決定手段122の決定に基づいて、リールモータM1、M2、M3の加速態様を決定する加速度設定を行うためのものである。具体的には、各リールモータM1、M2、M3に対応して設けられているパルス発生装置に、スタート信号出力時又はモータ回転中における発生パルスの周波数の逓増量を変更させるためのものである。
【0057】
ここで、ステッピングモータは、パルス周波数を徐々に高くしていくことにより加速駆動するものであるが、このパルス周波数の逓増を緩やかに設定すれば加速度は低くなり、定常回転に達するまでの時間が長くなる(図12のT2’参照)。また周波数が急増するように設定すれば加速度は高くなり、定常回転に達するまでの時間が短くなる(同T2参照)。
そして、加速度変更手段125は、リールモータを通常の加速度で回転開始させる場合には加速度設定Nの信号、通常の加速度よりも速い加速度で回転開始させる場合には加速度設定Hの信号、通常の加速度よりも遅い加速度で回転開始させる場合には加速度設定Lの信号を、各リールモータM1、M2、M3のパルス発生装置に出力する。そして、パルス発生装置は、加速度設定Nの信号を受信した場合には通常の速度でパルス周波数を逓増させ、加速度設定Hの信号を受信した場合には通常よりも速くパルス周波数を逓増させ、加速度設定Lの信号を受信した場合には通常よりも遅くパルス周波数を逓増させる。
【0058】
さらに、加速度変更手段125は、回転リール40が定常回転に達するまでの間において、回転開始時に出力した加速度設定信号と異なる加速度設定信号を出力可能に形成されている。たとえば、加速度設定Hでパルス発信中のパルス発生装置に加速度設定NやLの信号を出力して加速度を遅くさせたり、逆に加速度設定Lでパルス発信中のパルス発生装置に加速度設定NやHの信号を出力して加速度を速くさせたりして、加速態様を変更することができる。これにより、異なる加速度で回転中の複数の回転リール40を、途中から同じ加速度で回転させることができる。
なお、加速度の設定は、上記した3段階に限られず、速い、少し速い、通常、少し遅い、遅いの5段階設けてもよい。逆に、速いと遅いの2段階だけでもよい。また、「速い」「遅い」は通常設定と比べた場合の相対的な表現である。
【0059】
(リール停止制御手段130)
リール停止制御手段130は、当選抽選手段110の抽選結果及び有効なストップスイッチ50の操作タイミングに基づいて、回転リール40の停止を制御するためのものである。
そして、リール停止制御手段130は、図2に示すように、次の(1)乃至(3)の手段を備えている。
(1)図柄判定手段131
(2)停止データ記憶手段132
(3)ストップ信号出力手段133
なお、リール停止制御手段130としては、上記以外の手段を備えていても構わない。
【0060】
(図柄判定手段131)
図柄判定手段131は、インデックスセンサ60Aの検知信号に基づいて各回転リール40の図柄の現在位置を、各回転リール40について認識するためのものである。
具体的には、図柄判定手段131は、特に図示しないが、回転リール40を1回転させるための発信パルス数を全範囲として各回転リール40のリールテープに表示されている各図柄の領域を規定した回転リール40ごとの図柄判定テーブルと、パルス発信装置の発信パルス数を、インデックスセンサ60Aの検知信号受信時にゼロクリアしつつカウントするカウント手段を備えている。そして、カウント手段のカウント値と各図柄判定テーブルとを対比することにより、特定の回転リール40の特定の位置、例えば図柄表示窓13の上段の位置、中段の位置、下段の位置に何の図柄が位置しているかを把握することができるようになっているものである。
【0061】
そして、図柄判定手段131は、有効なストップスイッチ50の操作信号受信時に、有効ライン上に位置している図柄を基準図柄として記憶する。また、回転リール40が回転停止したときの停止図柄の情報を、停止図柄記憶手段121に出力する。
(停止データ記憶手段132)
停止データ記憶手段132は、ストップスイッチ50の操作信号により回転リール40の回転を停止させるための複数の停止データを記憶しているものである。
停止データとしては、当選図柄引き込み停止データと、ハズレ停止データが設けられている。当選図柄引き込み停止データとは、当選判定の抽選の結果、所定の当選役に当選した場合に、当該当選図柄を所定の有効入賞ライン上に極力停止させる引き込み制御を行うとともに、当該当選図柄以外の図柄を有効入賞ライン上に入賞の態様に停止させない蹴飛ばし制御を行うためのものである。ハズレ停止データとは、有効入賞ライン上に停止する図柄がいかなる入賞の態様にもならないように蹴飛ばし制御を行うためのものである。
【0062】
なお、ストップスイッチ50の操作信号受信時に直ちに停止可能な所定位置にある基準図柄から、何コマ回転させて回転リール40を停止させるかを、所定条件に応じ各図柄毎にテーブル上に規定した停止テーブルも、上記停止データに含まれるものである。
(ストップ信号出力手段133)
ストップ信号出力手段133は、停止データに基づいて、リールモータM1、M2、M3を個々に停止させるためのストップ信号を出力するためのものである。ストップ信号は、具体的には、パルス発生装置のパルス出力を停止させるための信号である。
具体的には、ストップ信号出力手段133は、上記した蹴飛ばし及び引き込みが行われるように、ストップスイッチ50の操作信号受信とストップ信号出力のタイミングをずらして、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせる。
【0063】
なお、回転リール40が定常回転に達していない場合には、いずれかのストップスイッチ50が操作されても、当該操作信号は有効な操作信号として制御装置20に届かないので、ストップ信号が出力されることはなく、回転リール40も停止しない。
(ホッパー制御手段140)
ホッパー制御手段140は、入賞判定手段150からのメダル払い出し信号や、精算スイッチ17の操作信号に基づいて、ホッパーユニット65を作動させるためのものである。
(入賞判定手段150)
入賞判定手段150は、当選判定の抽選結果が当選の場合に、ストップスイッチ50の操作で三個の回転リール40の当選図柄を入賞の態様に停止させることができたかどうかを判断し、当選図柄を入賞の態様に停止させることができた場合には入賞を決定する。そして、入賞がメダル払い出しを伴う場合には、ホッパーユニット65に遊技メダルの払い出し信号を出力し、ボーナスゲーム入賞などの特別入賞の場合には、特別遊技制御手段80に特別遊技を開始させたりするためのものである。
【0064】
(スロットマシン10の作動)
次に、上記構成を有するスロットマシン10の作動の概略を、図3乃至図9のフローに基づき説明する。
先ず、図3に示すステップ100において、スタートスイッチ30がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ30がONにならない場合には、ステップ100に戻る。一方、スタートスイッチ30がONとなった場合には、次のステップ101に進む。
ステップ101において、当選抽選手段110により抽選処理が行われる。そして、次のステップ102に進む。
【0065】
ステップ102において、リール回転制御手段120により、回転リール40の回転開始処理が行われる。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、いずれかのストップスイッチ50がONとなったか否かが判断される。ストップスイッチ50がONとならない場合には、ステップ103に戻り、ストップスイッチ50がONとなった場合には、次のステップ104に進む。
ステップ104において、回転リール40の回転停止処理が行われる。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、停止図柄記憶手段121により停止図柄が記憶される。そして、次のステップ106に進む。
【0066】
ステップ106において、3個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたか否かが判定される。そして、3個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われていないと判定された場合、ステップ103に戻る。一方、3個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたと判定された場合には、次のステップ107に進む。
ステップ107において、当選フラグ成立中に当該当選フラグに対応する当選図柄が有効ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞したか否かが判定される。そして、入賞したと判定された場合、次のステップ108に進む。
【0067】
ステップ108において、メダルの払い出しその他の入賞処理が行われる。そして、遊技が終了する。
前記ステップ107において、入賞していないと判定された場合、ステップ108を飛び越して、遊技が終了する。
上述したステップ101の抽選処理について、図4のフローを用いて説明する。
ステップ200において、当選抽選手段110の乱数発生手段111により発生された乱数の中から乱数抽出手段112により乱数が抽出される。そして、次のステップ201に進む。
ステップ201において、抽出された乱数が乱数抽出手段112の内部に記憶される。そして、次のステップ202に進む。
【0068】
ステップ202において、判定手段114により、抽出された乱数と、当選判定テーブル113の当選判定領域データとの比較が行われる。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、判定手段114により、抽出された乱数が、当選判定テーブル113のどの当選領域に含まれるか決定され、抽選処理の評価が決定される。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、所定の図柄の蹴飛ばしと、所定図柄の引き込みとが設定される。そして、抽選処理が終了する。
上述したステップ104の回転リール40の回転停止処理について、図5を用いて説明する。
【0069】
ステップ300において、所定の図柄に対して、蹴飛ばしの設定が達成されたか否かが判定される。そして、所定の図柄の蹴飛ばしの設定が達成されていないと判定された場合、次のステップ301に進む。
ステップ301において、1個の図柄分だけ、回転リール40を回転させる。すなわち、1個の図柄分だけ蹴飛ばしを行う。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、上述した1個の図柄分だけ回転リール40を回転させた当該図柄の数がストップスイッチ50の操作後の4個目に該当するか否かが判定される。そして、ストップスイッチ50を操作した後、1図柄ずつ回転リール40を回転させてずらした図柄の数が4個目の場合には、次のステップ303に進む。
【0070】
ステップ303において、回転リール40の回転を停止させる。これにより、メダル投入から回転リール40の回転停止までのスロットマシン10の動作が終了する。
前記ステップ300において、所定の図柄の蹴飛ばしの設定が達成されていると判定された場合、次のステップ304に進む。
ステップ304において、いずれかの図柄に対して引き込みが設定されているか否かが判定される。そして、いずれかの図柄に対して引き込みが設定されていると判定された場合、次のステップ305に進む。
ステップ305において、引き込み設定が達成されたか否かが判定される。そして、引き込み設定が達成されたと判定された場合、次のステップ303に進む。
【0071】
前記ステップ304において、いずれの図柄に対しても引き込みが設定されていないと判定された場合、ステップ303に進む。
前記ステップ305において、引き込み設定が達成されていないと判定された場合、ステップ301に進む。
前記ステップ302において、ストップスイッチ50を操作した後、1図柄ずつ回転リール40を回転させてずらした図柄の数が4個目でない場合には、ステップ300に戻る。
ここで、回転リール40の停止処理に関してステップ301〜ステップ305で説明しているが、この例は、いわゆる最小引き込み停止制御の例であり、逆に最大引き込み停止制御としても良い。更には、例えば、ストップスイッチ50を押すタイミングで予め定めたテーブルに従って回転リール40の停止位置を決定する、いわゆるテーブル停止制御の方法によるものでもよい。このテーブル停止制御は、当選フラグ成立の有無や、当選フラグ成立中の当選図柄に基づいた複数のテーブルを有し、この複数のテーブルから適宜、遊技状況に応じたテーブルが選択されるものである。
【0072】
なお、テーブル停止制御においても、当選フラグが成立しているときには、その当選フラグに対応する図柄が入賞有効ライン上に揃うように、予めテーブルの上で停止位置が決定されてあり、いわゆる引き込み設定の一種を備えているものである。また、当選フラグが成立していないときには、他の当選図柄が入賞有効ライン上に揃わないように、予めテーブルの上で停止位置が決定されてあり、いわゆる蹴飛ばし設定の一種を備えているものである。
次に、図3におけるステップ102のリール回転開始処理について、図6のフローに基づき説明する。
【0073】
まず、図6のステップ400において、当選判定手段110の抽選結果が所定の当選役に当選したか否かが判断される。所定の当選役に当選している場合には、次のステップ401に進む。
ステップ401において、回転開始態様を変更するか否かが判断される。例えば、回転開始態様を変更するか否かの抽選に当選したか、特定の遊技区間か、などの判断がなされる。回転開始態様を変更すると判断した場合には、次のステップ402に進む。
ステップ402において、停止図柄に当選図柄が含まれている回転リール40、すなわち停止図柄当選リールXがあるか否かが判断される。停止図柄当選リールXがある場合には、次のステップ403に進む。
【0074】
ステップ403において、回転開始態様決定手段122の決定した回転開始態様に応じたスタート信号出力処理が行われる。
前記ステップ400において当選判定手段110の抽選結果が所定の当選役に当選していない(抽選結果がハズレの)場合、前記ステップ401において回転開始態様を変更しないと判断した場合、及び前記ステップ402において停止図柄当選リールXが無い場合には、ステップ404に進む。
ステップ404において、全リールモータM1、M2、M3に、同時にスタート信号が出力される。この場合に出力されるスタート信号は、各リールモータM1、M2、M3のパルス発生装置に、回転リール40の加速期間が予め定められた通常の加速期間となるよう設定されたパルス信号を生成させるための、加速度設定Nの信号である。このスタート信号出力によって、3個の回転リール40が同じ加速度で一斉に回転開始する。そして次のステップ405に進む。
【0075】
ステップ405において、全リールが定常回転に達したか否かが判断される。全リールが定常回転に達していない場合には、ステップ405に戻り、全リールが定常回転に達した場合には、次のステップ406に進む。なおこのとき、図示しない制限時間計測タイマーが次遊技の遊技制限時間の4.1秒のタイムカウントを開始する。
ステップ406において、遊技制限時間が経過したか、すなわち前回の遊技で全リールが定常回転に達したときに開始されたタイムカウントが4.1秒を超えているか否かが判断される。遊技制限時間が経過していない場合には、ステップ406に戻り、遊技制限時間が経過した場合には、次のステップ407に進む
ステップ407において、停止操作の無効が解除される。すなわち、ストップスイッチ50の操作が可能になる。そして、リール回転開始処理を終了する。
【0076】
なお、上記ステップ404では、ステップ400〜402の判断後、各リールモータM1、M2、M3に対してただちにスタート信号が出力されるようになっているが、例えば当選抽選手段110が判定を終え抽選結果が出た時点から所定時間経過後にスタート信号が出力される設定としてもよい。この場合の所定時間は、前記ステップ400〜402の判断を終了するのに十分な時間とするのが好適である。
続いて、前記ステップ403のスタート信号出力処理について、制御例1〜制御例4に分けて、図7乃至図10のフローに基づき説明する。
(制御例1)
制御例1は、停止図柄当選リールXの回転開始時の加速度を不当選リールと異なるようにしたものであって、図7に示す。ここで、通常時(加速度変更をしないとき)の回転リール40の回転開始時の加速度は、加速度設定N(通常の加速度)に設定されている。
【0077】
まず、図7のステップ500において、停止図柄当選リールXを回転開始させるときの加速度を設定する。例えば、加速度設定L、あるいは加速度設定Hに設定する。そして、次のステップ501に進む。
ステップ501において、停止図柄当選リールXリールモータのパルス発生装置が、加速度設定に応じて設けられたパルス出力データを取得する。そして、次のステップ502に進む。
ステップ502において、スタート信号出力手段123が、全リールのリールモータM1、M2、M3に、同時に、スタート信号を出力する。そしてスタート信号出力処理を終了する。
【0078】
なお、上記例では、不当選リールの加速度は通常時と変更しない制御としているが、不当選リールの加速度をN以外の設定にしてもよい。
この制御例によれば、所定の当選役が当選し、その当選図柄が停止図柄に含まれている場合には、停止図柄当選リールXのみが異なる加速度で回転開始する(ゆっくり、又は速く回転し始める)ので、遊技者は当選を知ることができる。また、停止図柄当選リールXの加速度を低く設定した場合には、停止図柄を視認できる時間が長い分、入賞させられる可能性が高くなる。
(具体例)
上記制御例に基づく回転開始態様を、図13を用いて具体的に説明する。
【0079】
ここで、停止図柄に当選図柄が含まれている場合の加速度設定は、不当選リールは加速度設定H、停止図柄当選リールXは加速度設定Lに設定するものとする。
当選判定の結果、「ベル」が当選し、スタートスイッチ30の押下前において、図13(A)に示すように、表示窓13から視認可能な図柄のうち、当選図柄のベル図柄が、左リール41の上段、中リール42の下段にあり、右リール43には無かったと仮定する。この場合、加速度の設定は、不当選リールである右リール43を加速度設定H、停止図柄当選リールXである左リール43、中リール42を加速度設定Lに設定する。
そして、スタートスイッチ30の押下後、3個の回転リール40が同時に回転開始するが、右リール43が最も速く回転し、左リール43、中リール42は同じ早さで右リール43よりもゆっくり回転する。例えば、右リール43の上段にある図柄が図柄表示窓13の下方に隠れるまで(3コマ)移動する間に、左リール43及び中リール42の上段にある図柄が中段まで(1コマ)しか移動しないように設定することができる。この場合には、回転の仕方が遅い左リール41及び中リール42の双方に当選図柄が含まれていることが明白であるから、二つのリールの停止図柄で重複しているのがベル図柄だけであればベル図柄を狙えばよい。また、他にも重複している停止図柄がある場合、例えば図13(C)に示す左リール41と中リール42のように「ベル」と「スイカ」が重複しているような場合には、ベルかスイカかいずれかを狙うことにより2分の一の確率で入賞させることができる。
【0080】
なお、3個の回転リール40のすべてに当選図柄が含まれていた場合にも、3個の回転リール40がそれぞれ加速度Lに設定される場合があるが、通常時と異なる加速度で回転開始することによって当選を察知することは可能である。
(制御例2)
制御例2は、3個の回転リール40の回転開始時の加速度をそれぞれ変化させるようにしたものであって、図8に示す。
まず、図8のステップ510において、停止図柄当選リールXは2以上か否かが判断される。停止図柄当選リールXが2以上ある場合には、次のステップ511に進む。
【0081】
ステップ511において、2個又は3個ある停止図柄当選リールXの優先順位を決定する。例えば、左側にあるリールを優先させたり、停止図柄に含まれる当選図柄が上側(下側でもよい)に位置しているリールを優先させることができる。あるいは、優先順位を抽選で決めてもよい。なお、不当選リールの優先順位は停止図柄当選リールXよりも高くてもよいし低くてもよい。そして、次のステップ513に進む。
前記ステップ510において、停止図柄当選リールXが2以上でない場合、すなわち停止図柄当選リールXが1個の場合には、ステップ512に進む。
ステップ512において、2個ある不当選リールの優先順位を決定する。例えば左側にあるリールを優先させたり、優先順位を抽選で決めたりすることができる。そして、次のステップ513に進む。
【0082】
ステップ513において、加速度変更手段125が、優先順位に応じて加速度の設定を行う。例えば、優先順位の高い順に、加速度が速くなるよう、あるいは遅くなるように設定する。そして、次のステップ514に進む。
ステップ514において、各リールモータM1,M2,M3のパルス発生装置が、加速度設定に応じて設けられたパルス出力データを取得する。そして、次のステップ515に進む。
ステップ515において、スタート信号出力手段123が、全てのリールモータM1〜M3に、同時に、スタート信号を出力する。そして、スタート信号出力処理を終了する。
この制御例によれば、所定の当選役が当選し、その当選図柄が停止図柄に含まれている場合には、全ての回転リール40が異なる加速度で回転開始するので、遊技者は当選を知ることができる。また、いずれの停止図柄が当選図柄かを見極めるのが困難になる分、技術介入性が高まるものとなる。
【0083】
(具体例)
上記制御例に基づく回転開始態様を、図13を用いて具体的に説明する。
ここで、優先順位は原則として、不当選リール、停止図柄当選リールXの順に決定され、不当選リール又は停止図柄当選リールXが複数ある場合には左側優先で決定されるものとする。また、加速度設定は、優先順位が高いほど速くなるように、優先順位1、2、3に対してそれぞれH、N、L(H>N>L)が設定されるものとする(逆でもよい)。
制御例1の具体例と同様に、図13(A)に示すように、表示窓13から視認可能な図柄のうち、当選図柄のベル図柄が、左リール41の上段、中リール42の下段にあり、右リール43には無かったと仮定する。この場合、不当選リールである右リール43が優先順位1で加速度設定H、停止図柄当選リールXのうち左側にある左リール41が優先順位2で加速度設定N、残りの中リール42は優先順位3で加速度設定Lとなる。
【0084】
そして、スタートスイッチ30の押下後、3個の回転リール40が同時に回転開始するが、右リール43が最も速く回転し、次に左リール41、中リール42の順に遅く回転する。例えば、右リール43の上段にある図柄が図柄表示窓13の下方に隠れるまで(3コマ)移動する間に、左リール41の上段にある図柄は下段に(2コマ)移動し、中リール42の上段にある図柄は中段まで(1コマ)しか移動しないように設定することができる。このように設定した場合には、当選図柄がどれなのか判断することは難しくなるが、回転の仕方が遅い左リール41及び中リール42の停止図柄で重複しているのがベル図柄だけであればベル図柄を狙えばよい。また、他にも重複している停止図柄がある場合には、いずれかを狙うことにより2分の一又は3分の一の確率で入賞させることができる。
【0085】
一方、停止図柄当選リールXが複数ある場合に、当選図柄の位置が上側にある方を優先し、同じ位置に当選図柄が位置している場合には左側を優先するように設定したとする。そして、当選判定の抽選の結果、「スイカ」が当選し、スタートスイッチ30の押下前において、表示窓13から視認可能な図柄のうち、当選図柄であるスイカ図柄が、図13(C)に示すように、左リール41の中段、中リール42の上段にあったと仮定する。この場合、回転リール40の優先順位は、不当選リールである右リール43が優先順位1で加速度設定H、停止図柄当選リールXのうち当選図柄が最も上側に位置している中リール42が優先順位2で加速度設定N、残りの左リール43は優先順位3で加速度設定Lとなる。
【0086】
そして、スタート操作により3個の回転リール40が同時に回転開始するが、右リール43が最も速く回転し、次に中リール42、左リール41の順に遅く回転する。このように設定した場合には、回転の仕方が遅い左リール41及び中リール42の停止図柄で重複している図柄は「ベル」と「スイカ」であり、このいずれかが当選図柄だと想定できるが、スイカ図柄が上にある中リール42が左リール41よりも加速度が速いということから、当選図柄は「スイカ」であると見極めることができる。
なお、3個の回転リール40のすべてに当選図柄が含まれていた場合と、停止図柄当選リールが1個の場合と、どちらもすべての回転リール40の加速度が異なるので見分けがつかなくなるように思われるが、上級者になれば、停止図柄の配列によって当選図柄の目星をつけることは可能である。
【0087】
(制御例3)
制御例3は、3個の回転リール40をそれぞれ異なるタイミングで回転開始させる(すなわち3個の回転リール40が所定の順番で回転開始する)ものであって、図9に示す。なお、図中「n」「m」はそれぞれ正数であって、所定の設定時間(秒)を表すものである。また、n<mとする。
まず、図9のステップ520において回転リール40の回転開始順番を決定する。回転開始順番は、停止図柄に当選図柄が有るか無いかや当選役の種類に応じて予め定められていてもよいし、抽選により決定してもよい。そして、次のステップ521に進む。
【0088】
ステップ521において、回転リール40の加速度を設定する。加速度の設定は、上記した制御例2のように、3個の回転リール40の回転開始時の加速度をそれぞれ変化させるものとするのがよい。また、優先順位を回転開始順番と同じにして、先に回転開始するほど加速度が遅く又は速くなるようにするのが好適である。そして、次のステップ522に進む。
ステップ522において、第一回転開始リール(最初の回転開始する回転リール40)の回転開始から第二回転開始リール(2番目に回転開始する回転リール40)の回転開始までの時間nと、第一回転開始リールの回転開始から第三回転開始リール(3番目に回転開始する回転リール40)の回転開始までの時間mを設定する。n値、m値は既定値であってもよいし当選役の種類に応じて予め定められていてもよい。あるいは、当選図柄の位置に応じて決定してもよいし、抽選により決定してもよい。そして、次のステップ523に進む。
【0089】
ステップ523において、第一回転開始リールのリールモータにスタート信号を出力する。このとき、特に図示しないタイマーがタイムカウントを開始する。第一回転開始リールは設定された所定の加速度で回転する。そして、次のステップ524に進む。
ステップ524において、n秒経過後に、第二回転開始リールのリールモータにスタート信号を出力する。第二回転開始リールは設定された所定の加速度で回転する。そして、次のステップ525に進む。
ステップ525において、m秒経過後に、第三回転開始リールのリールモータにスタート信号を出力する。第三回転開始リールは設定された所定の加速度で回転する。そしてスタート信号出力処理を終了する。
【0090】
この制御例によれば、所定の当選役が当選し、その当選図柄が停止図柄に含まれている場合には、回転リール40がそれぞれ異なるタイミングで回転開始し、かつそれぞれ異なる加速度で回転するので、遊技者は当選を知ることができる。また、リール回転開始前に図柄表示窓13から視認できた図柄のいずれかを狙って目押しをすれば、当該遊技を入賞させることができる。
なお、上記例では、m値を第一回転開始リールの回転開始から第三回転開始リールの回転開始までの時間としてあったが、第二回転開始リールの回転開始から第三回転開始リールの回転開始までの時間としてもよい。この場合のm値はn値と同等でもよく、大きくても小さくてもよい。そして、ステップ524において、タイマーがm値のタイムカウントを開始することとなる。
【0091】
また、上記n、mを、パルス発生装置の発信パルス数としてもよい。この場合には、図7のステップ524において、第一回転開始リールのリールモータの回転ステップ数がnとなったら第二回転開始リールのリールモータにスタート信号を出力し、ステップ525においては、第二回転開始リールのリールモータの回転ステップ数がmとなったら第三回転開始リールのリールモータにスタート信号を出力することになる。
(具体例)
上記制御例に基づく回転開始態様を、図13を用いて具体的に説明する。
ここで、n(秒)、m(秒)は、当選図柄の位置に応じて決定するものとし、回転開始順番は、原則として停止図柄当選リールX以外の不当選リール、停止図柄当選リールXの順、不当選リールが複数ある場合には左側優先、停止図柄当選リールXが複数ある場合には当選図柄の位置が上側にある方が優先、同じ位置に当選図柄が位置している場合には左側優先、で決定するものとする。また、加速度の設定は、第一、第二、第三回転開始リールの順にそれぞれH、N、L(H>N>L)が設定されるものとする(逆でも良い)。
【0092】
当選判定の結果、「ベル」が当選し、スタートスイッチ30の押下前において、表示窓13から視認可能な図柄のうち、当選図柄であるベル図柄が、図13(A)に示すように、左リール41の上段、中リール42の下段にあり、右リール43には無かったと仮定する。この場合、回転リール40の回転開始順番は、当選図柄の含まれていない不当選リールである右リール43を1番目、停止図柄当選リールXに該当するリールのうち左側にある左リール41を2番目、残りの中リール42を3番目に決定する。また、n値は、第一回転開始リールに当選図柄が無いので規定値の0.5秒に設定し、m値は左リール41の上段にある図柄が下段に移動するまでの時間(モータ起動時に図柄が2コマ移動するだけの時間)に設定する。そして、加速度設定は、右リール43がH、左リール41がN、中リール42がLとなる。
【0093】
このような設定がなされた場合、スタートスイッチ30の押下後、最初に右リール43が速い加速度で回転開始し、続いて0.5秒遅れて左リール41が普通の加速度で回転開始する。そして、最後に左リール41のベル図柄が下段に位置したところで中リール42が遅い加速度で回転開始する。そうすると、ベル図柄が二つ揃ったところで中リール42が回転開始するので、この状態を観察できた熟練の遊技者はベル図柄が当選していると予測することができる。
同様の設定方法をとる場合であって、「ベル」が当選し、スタートスイッチ30の押下前において、表示窓13から視認可能な図柄のうち、当選図柄であるベル図柄が、図13(B)に示すように、左リール41の下段、中リール42の上段、右リール43の下段にあったと仮定する。この場合、回転リール40の回転開始順番は、停止図柄当選リールXに該当するリールのうち当選図柄が最も上側に位置している中リール42を1番目、当選図柄が同列に位置している停止図柄当選リールXのうち左側に位置している左リール41を2番目、残りの右リール43を3番目に設定する。また、n値は、中リール42の上段にある図柄が下段に移動するまでの時間に設定し、m値は左リール41と右リール43の当選図柄の位置に差がないので規定値の0.5秒に設定する。そして、加速度設定は、中リール42がH、左リール41がN、右リール43がLとなる。
【0094】
このような設定がなされた場合、スタートスイッチ30の押下後、最初に中リール42が速い加速度で回転開始し、中リール42のベル図柄が下段に位置したところで左リール41が普通の加速度で回転開始する。そして、0.5秒遅れて右リール41が遅い加速度で回転開始する。そうすると、上記した具体例と同様にベル図柄が二つ揃って回転開始するという現象を発生させることができる。
ちなみに、上記設定で回転開始順番の設定方法はそのままにして、n値、m値を予め定められた規定値にしても、停止図柄の配列によって当選図柄を想定することができる。例えば、停止図柄が図13(C)に示すような配列であったとき、右リール43、中リール42、左リール41の順に回転開始した場合には「スイカ」が当選していると想定でき、右リール43、左リール41、中リール42の順に回転開始した場合には「ベル」が当選していると想定できる。また、中リール42、右リール43、左リール41の順に回転開始したら「リプレイ」当選を想定でき、左リール41、中リール42、右リール43の順に回転開始したら「7(BB)」又は「プラム」の当選が想定できる。
【0095】
(制御例4)
制御例4は、停止図柄当選リールXと他のリールとを異なるタイミングでかつ異なる加速度で回転開始させるものであって、図10に示す。なお、図中「p」は正数であって、所定の設定時間(秒)を表すものである。
まず、図10に示すステップ530において、停止図柄当選リールXが回転開始するまでの時間pを設定する。このとき、タイマーがタイムカウントを開始する。そして、次のステップ531に進む。
ステップ531において、回転リール40の加速度を設定する。加速度の設定は、上記した制御例1のように、停止図柄当選リールと不当選リールの加速度が異なるものとするのがよい。そして、次のステップ532に進む。
【0096】
ステップ532において、Xリール以外の回転リール40のリールモータにスタート信号を出力する。不当選リールは設定された所定の加速度で回転する。そして、次のステップ533に進む。
ステップ533において、p秒経過後に、停止図柄当選リールXのリールモータにスタート信号を出力する。停止図柄当選リールXは設定された所定の加速度で回転する。そしてスタート信号出力処理を終了する。
なお、前記ステップ532で停止図柄当選リールXにスタート信号を出力し、ステップ533で停止図柄当選リールX以外の回転リール40にスタート信号を出力する流れとしてもよい。また、停止図柄当選リールXが2つある場合には、ステップ533においてすべての停止図柄当選リールXにスタート信号が出力される。停止図柄当選リールXが3つある場合、すなわち、全リールの停止図柄に当選図柄が含まれている場合には、ステップ532では回転リール40は回転開始せず、3個の回転リール40がp秒経過後に回転開始することとなる。
【0097】
この制御によれば、所定の当選役が当選し、その当選図柄が停止図柄に含まれている場合には、停止図柄当選リールXのみが異なるタイミングでかつ異なる加速度で回転開始するので、遊技者は当選を知ることができる。また、停止図柄当選リールXの回転の開始前に図柄表示窓13から視認できた停止図柄当選リールXの図柄のいずれかを狙って目押しをすることにより、当該遊技を入賞させることができるので、入賞させられる可能性が高くなる。
(具体例)
上記制御例に基づく回転開始態様を、図13を用いて具体的に説明する。
【0098】
ここで、p(秒)は、当選役の種類に応じて決定するものとする。
前述の制御例1の具体例と同様に、図13(A)に示すように、表示窓13から視認可能な図柄のうち、当選図柄であるベル図柄が、左リール41の上段、中リール42の下段にあり、右リール43には無かったと仮定する。この場合、p値は、ベル当選に対応して設定された例えば1秒に設定する。加速度の設定は、不当選リールをH、停止図柄当選リールXをLとする(逆でも良い)。そして、スタートスイッチ30の押下後、不当選リールである右リール43が最初に速い加速度で回転開始し、続いて1秒遅れて左リール41及び中リール42が遅い加速度で同時に回転開始する。
【0099】
このように設定した場合には、遅れて回転開始した左リール41及び中リール42の停止図柄で重複しているのがベル図柄だけであればベル図柄を狙えばよい。また、他にも重複している停止図柄がある場合、例えば図13(C)に示す左リール41と中リール42のように「ベル」と「スイカ」が重複しているような場合には、ベルかスイカかいずれかを狙うことにより2分の一の確率で入賞させることができる。左リール41及び中リール42は遅れて回転開始するのに加えて加速度も遅いので、図柄を観察する時間に余裕ができる。
ちなみに、停止図柄が図13(C)に示すような配置のときに、スタートスイッチ30の押下後、左リール41及び中リール42が同時に回転開始し、続いて所定時間遅れて右リール43が回転開始した場合には、迷わずBB当選図柄の「7」を狙って目押しをすればよい。この場合、もちろんプラム当選もあり得るわけだが、この見分けを付けさせるには、BB当選時のp値を、プラム当選時のp値と異なる設定に(例えば長く)しておくとよい。あるいは、加速度の設定を変えてもよい。
【0100】
なお、p値を、当選図柄がどの位置にあるかによって決定してもよい。例えば、図柄表示窓13の上段に位置している場合には1秒、中段に位置している場合には1.5秒、下段に位置している場合には2秒、のように設定することができる。このように設定した場合には、停止図柄が図13(C)に示すような配置のときに、左リール41及び中リール42が同時に回転開始し、遅れて右リール43が回転開始した場合、右リール43の回転開始までの時間によって、どの図柄が当選図柄かを知らせることができる。
(その他の制御例)
回転開始態様に応じたスタート信号出力処理についての代表的な例として、上記制御例1〜4を示したが、リール回転制御手段120としては、上記以外の制御を実行可能であってもよい。
【0101】
すなわち、制御例1又は制御例2において、3個の回転リール40が回転開始するまでの時間をさらに設定するように形成してもよい。具体的には、当選役の種類や停止図柄当選リールXの数に応じて、スタート信号出力手段123が各リールモータM1〜M3にスタート信号を出力するタイミングを決定することができる。このように形成した場合には、回転リール40の加速度に加え、リールが回転開始するまでの時間によって当選役の種類などを報知することができる。また、制御例2において、停止図柄当選リールXが1個の場合、2個の場合、3個の場合とで、スタート信号を出力するまでの時間を変化させることにより、どの停止図柄が当選図柄かを判断しやすくなる。
【0102】
なお、本実施の形態においては、上記した制御例1〜4及びその他の制御例の全てを実行可能であってもよい。例えば、当選役の種類や、停止図柄の配置などに応じて、適用する制御例を変更してもよい。あるいは、上記制御例のうちいずれか二つ以上の組み合わせを実行可能であってもよい。
(その他の制御例の具体例)
ここで、その他の制御例に基づく他の具体例を、図14及び図15(A)を用いて説明する。制御の流れの説明は省略するが、これは、図8に示した制御例2におけるスタート信号出力後に、加速中の加速度を変更する制御を組み合わせたものであり、複数の当選図柄が一直線上に揃った状態で全ての回転リール40が同じ加速度で回転するようにしたものである。
【0103】
この制御例において、加速度変更手段125は、リールモータの回転開始後、所定時間qが経過したときと、所定時間rが経過したときに、加速度設定を変更可能になっている。q及びrは、所定のタイマーがモータ回転開始時から計測する。また、加速度設定は、停止図柄当選リールよりも不当選リールの方を速く設定し、停止図柄当選リールが複数ある場合には当選図柄の位置が図柄表示窓の13上側にある方を速く設定し、同じ位置に当選図柄が位置している場合には同じ加速度とする。また、不当選リールが複数ある場合には、図柄表示窓13の上段位置から反回転方向側に最も近い位置にある当選図柄の位置が遠い方を速く設定する。なお、図柄表示窓13の上段位置から最も近い位置にある当選図柄の位置は、当該回転リールについて停止図柄記憶手段121の記憶している図柄(図柄番号)と、当該回転リールのリールテープに表示される図柄を図柄番号と対応させた図柄特定テーブルとを対比することにより特定することができる。
【0104】
さらに、各設定の加速度の設定比率は、複数の回転リール40における当選図柄の位置間の距離(差コマ数)に応じて設定される。具体的には、最も回転方向側に当選図柄が位置している回転リール40を1図柄分移動させる間に、他の回転リール40の当選図柄をその位置に移動させるのに何コマ分移動させる必要があるかによって決定される。
そして、所定時間qは、最も遅い加速度で回転リール40を所定角度(たとえば1図柄分)回転させるのにかかる時間、所定時間rは、最も遅い加速度で回転している回転リール40の加速度を高くしかつ最も速い加速度で回転している回転リール40の加速度を低くして、複数の回転リール40の回転速度が同じ早さになるまでの時間に設定される。(図15(A)参照)。
【0105】
さて、当選判定の結果、「ベル」が当選し、スタートスイッチ30の押下前において、図柄表示窓13から視認可能な図柄のうち、当選図柄であるベル図柄が、図14(A)に示すように、左リール41の上段、中リール42の中段にあり、右リール43には無かったが、上段の1コマ上側に位置していたものと仮定する。この場合、加速度設定は、不当選リールである右リール43が加速度設定H、停止図柄当選リールのうち当選図柄が上側に位置している左リール41が加速度設定N、残りの右リール42が加速度設定Lに決定される。また、加速度の設定比率は、中リール42の中段のベル図柄が下段に移動するまでに左リール41は2コマ、右リール43は3コマ移動させる必要があるので、L:N:Hが1:2:3となるように設定される。そして、所定時間qは、加速度設定Lで回転リール40を回転開始から1コマ分移動させるだけの時間に設定され、所定時間rは、中リール42を加速して右リール43の速さに追いつくまでの時間、この場合には加速度設定Nで回転リール40を回転開始から2コマ分移動させるだけの時間に設定される。
【0106】
上記設定がなされた場合、スタートスイッチ30の押下後、左リール41は加速度設定N、中リール42は加速度設定L、右リール43加速度設定Hで、それぞれ同じタイミングで回転開始する。そして、中リール42が1コマ分移動するだけ回転したときに(タイマーのカウントがqとなったとき)は、左リール41は2コマ分回転し、右リール43は3コマ分回転し、14(B)に示すように、図柄表示窓13の下段にベル図柄が3つ横一列に並んだ状態となる。このとき、加速度変更手段125は、中リール42のリールモータに加速度設定Hの信号を出力して加速度を高くさせ、右リール43のリールモータに加速度設定Lの信号を出力して加速度を低くさせる。この処理により、左リール41がさらに1コマ分移動してベル図柄が図柄表示窓13の下段の下側に移動する間(すなわち所定時間rが経過するまでの間)に、中リール42及び右リール43の回転速度は左リール41の回転速度と一致する(図15(A)参照)。つまり、3個の回転リール40の速度が同じになる。
【0107】
次に、加速度変更手段125は、中リール42のリールモータに加速度設定Nの信号を出力して加速度を低くさせ、右リール43のリールモータに加速度設定Nの信号を出力して加速度を高くさせる。この処理により、3個の回転リール40が同じ加速度となる。その後、3個の回転リール40は、ベル図柄が一直線上に並んだ状態を維持しつつ同じ加速度で回転し、定常回転に達した後もその状態を維持し続けることとなる。この状態を観察していれば、熟練の遊技者でなくとも、ベル図柄が当選していると予測することが容易である。
ここで、所定時間qの経過時の加速度の変更には、加速度を「0」にすること、すなわち加速途中で同じ速さを保つようにさせることも含む。この具体例を、図13(B)及び図15(B)に基づき説明する。
【0108】
まず、スタートスイッチ30の押下前において、停止図柄が図13(B)のようになっていたとする。この場合、加速度の設定比率は上記と同様にL:N:Hを1:2:3とし、各リールの加速度設定は中リール42がL、左右のリール41,43がHとする。また、所定時間qは加速度設定Lで回転リール40が1コマ分移動する時間、所定時間rは中リール42を加速して左右のリール41,43の速さに追いつくまでの時間、この場合には加速度設定Lで回転リール40が回転開始から2コマ分移動する時間に設定する。
そして、スタートスイッチ30の押下後、左リール41及び右リール43は加速度設定H、中リール42は加速度設定Lで回転開始し、中リール42のベル図柄が図柄表示窓13の下段の一つ下側に移動したとき(タイマーのカウントがqとなったとき)、ベル図柄が3つ横一列に並んだ状態となる。このとき、加速度変更手段125は、左リール41及び右リール43のリールモータM1,M3に加速度設定0の信号を出力し、中リール42のリールモータM2に加速度設定Nの信号を出力する。この処理により、左リール41及び右リール43は、所定時間qの時点での速度と同じ速度を保ったまま回転し、中リール42は加速して、図柄が1コマ分移動する間に、3個の回転リール40が同じ回転速度となる。(図15(B)参照)。
【0109】
タイマーのカウントがrとなったとき、加速度変更手段125は、3個の回転リール40の全てに同一の加速度設定信号(たとえば加速度設定Nの信号を)出力する。これにより、3個の回転リール40が同じ加速度となり、ベル図柄が一直線上に並んだ状態を維持しつつ回転リール40を回転させることができる。
なお、上記例において、q秒経過時に中リール42の加速度は変えずに、あるいは中リール42の加速度を「0」にして、左リール41及び右リール43を減速させることによって、r秒後に3個の回転リール40の回転速度が同一になるようにしてもよい。
ところで、上記した例では、当選図柄であるベル図柄を横一列に並べて3個の回転リール40を同時回転させるようにしてあったが、当選図柄が入賞ラインの右上がりラインや右下がりラインに添って並ぶように設定してもよい。また、上記例では、不当選リールの当選図柄も一直線上に揃えるように形成してあったが、停止図柄当選リールの当選図柄のみを一直線上に揃えるようにしてもよい。この場合には停止図柄当選リールが複数あることがこの制御適用の条件となる。あるいは、不当選リールの当選図柄が図柄表示窓13の上段から離れているコマ数をたとえば2コマ程度に制限し、当選図柄がその範囲にない場合には、その不当選リールについては加速度変更処理は行わないようにして、他の2個の回転リール40の当選図柄を並べて回転させるようにしてもよい。2個の不当選リールの当選図柄が所定範囲内にないときには、上記したような加速度変更処理は行わないようにすればよい。
【0110】
そして、2つの当選図柄が並んだ状態で回転リール40を回転させた場合には、いわゆる「テンパイ」として見せることができるが、3つの当選図柄が並んだ状態で全回転リール40を回転開始させた場合には、いわゆる「リーチ目」として見せることができ、特にこれらを使い分ける(当選図柄3つ並びで回転させることができる場合でも2つ並びにさせる)ことによって「アツさ」すなわち報知の信頼度を表現することができるものとなる。
以上のように、本実施の形態によれば、回転リール40の回転開始前において、図柄表示窓13から視認可能な回転リール40の停止図柄のいずれかに、当選図柄が含まれている場合には、特定の回転リール40の、あるいは全ての回転リール40の回転開始までの時間、回転順番、加速度の変化によって当選を報知することができる。そして、この報知が行われる場合には、停止図柄のいずれかが当選しているということであるから、停止図柄を確認していずれかを狙って目押しをするということができる。
【0111】
また、当選図柄を含むリールの回転開始態様が変化している場合には、初心者にとっては当選図柄を狙いやすくなり、当選図柄を含まないリールもあわせて回転開始態様が変化するよう複雑化している場合には、逆に熟練者にとって有利になり、新たな技術介入性が生まれてくる。
なお、本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの外観正面図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの入力、出力及び制御装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるスロットマシンの作動の概略を示す流れ図である。
【図4】スロットマシンの作動のうち抽選処理を示す流れ図である。
【図5】スロットマシンの作動のうちリール回転停止処理を示す流れ図である。
【図6】スロットマシンの作動のうちリール回転開始処理を示す流れ図である。
【図7】リール回転開始処理のうち、スタート信号出力処理の制御例1を示す流れ図である。
【図8】リール回転開始処理のうち、スタート信号出力処理の制御例2を示す流れ図である。
【図9】リール回転開始処理のうち、スタート信号出力処理の制御例3を示す流れ図である。
【図10】リール回転開始処理のうち、スタート信号出力処理の制御例4を示す流れ図である。
【図11】図柄表示窓を示す図である。
【図12】回転リールの回転速度を表すタイムチャート図である。
【図13】図柄表示窓の停止図柄を示す説明図である。
【図14】回転リールの回転開始タイミングを示す説明図である。
【図15】回転リールの加速中の回転速度を表すタイムチャート図である。
【符号の説明】
【0113】
10 スロットマシン 11 筺体
12 表示窓 13 図柄表示窓
15 投入スイッチ 16 ベットスイッチ
17 精算スイッチ
20 制御装置 21 遊技制御装置
22 演出制御装置
30 スタートスイッチ 40 回転リール
50 ストップスイッチ 60 リールユニット
60A インデックスセンサ(図柄検知手段)
65 ホッパーユニット 66 演出表示装置
70 通常遊技制御手段 80 特別遊技制御手段
90 特定導入遊技制御手段 100 特定遊技制御手段
110 当選抽選手段 111 乱数発生手段
112 乱数抽出手段 113 当選判定テーブル
114 判定手段 120 リール回転制御手段
121 停止図柄記憶手段 122 回転開始態様決定手段
123 スタート信号出力手段 124 停止操作無効解除手段
125 加速度変更手段
130 リール停止制御手段 131 図柄判定手段(図柄検知手段)
132 停止データ記憶手段 133 ストップ信号出力手段
140 ホッパー制御手段 150 入賞判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動モータにそれぞれ軸着され、表面に複数の図柄が表示された複数の回転リールと、
前記複数の駆動モータの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
回転中の前記駆動モータを個々に停止させるためのストップスイッチと、
前記複数の回転リールの図柄を正面側から視認可能とする図柄表示窓と、
前記駆動モータの回転開始前に、複数の図柄の組み合わせからなる当選役について当選判定の抽選を行うための当選抽選手段と、
前記スタートスイッチの操作に基づき、前記駆動モータの回転を開始させるためのスタート信号を出力し、前記複数の駆動モータの回転を制御するための回転制御手段と、
前記回転リールの回転中において回転リールに表示されている図柄の位置を判定するための図柄検知手段と、
前記当選判定の抽選結果及び前記図柄検知手段の判定及び前記ストップスイッチの操作に基づき、前記複数の駆動モータの回転停止を制御するための停止制御手段とを少なくとも備え、
前記駆動モータの停止に伴い回転停止した前記複数の回転リールの、前記図柄表示窓から視認可能な停止図柄が、予め定められた配列となった場合に入賞となる遊技機において、
前記回転リールがすべて回転停止した際に、前記図柄表示窓に位置している停止図柄を回転リールごとに記憶する停止図柄記憶手段と、
前記駆動モータについて、当該駆動モータで回転させる回転リールに対応した前記ストップスイッチの操作が可能となるまでの時間が、それぞれ異なるものとなる複数の加速態様を決定可能な加速度変更手段とを設け、
この加速度変更手段は、前記複数の駆動モータの少なくともいずれか一の駆動モータについて、今回の遊技における前記当選判定の抽選結果に基づいて、今回の遊技における前記駆動モータの加速態様が、前記前記停止図柄記憶手段の記憶している図柄に対応して変化するように、前記加速態様を変更可能に形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記加速度変更手段は、前記当選判定の抽選の結果、所定の当選役が当選した場合であって前記停止図柄記憶手段の記憶している図柄中に所定の図柄が含まれている場合、その所定の図柄を停止図柄に含んでいる回転リールと、前記所定の図柄を停止図柄に含んでいない回転リールとが、前記ストップスイッチの操作が可能となるまでの時間が異なるように、前記駆動モータの加速態様を決定可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記加速度変更手段は、前記当選判定の抽選の結果、所定の当選役が当選した場合であって前記停止図柄記憶手段の記憶している図柄中に所定の図柄が含まれている場合には、前記複数の回転リールについて前記ストップスイッチの操作が可能となるまでの時間がそれぞれ異なるように、各回転リールの駆動モータについて異なる加速態様を決定可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記加速度変更手段は、前記回転リールについて前記ストップスイッチの操作が可能となるまでの間において、回転中の前記駆動モータの加速態様を変更可能に形成されており、
前記当選判定の抽選の結果、所定の当選役が当選した場合であって前記停止図柄記憶手段の記憶している図柄中に所定の図柄が含まれている場合には、所定の加速度での加速態様を決定した回転リールである高加速度リールの当選図柄が、前記所定の加速度よりも遅い加速度での加速態様を決定した回転リールである低加速度リールの当選図柄と一直線上に並ぶ位置に移動したときに、前記高加速度リールと低加速度リールの回転速度及び加速度がそれぞれ同等となるよう、複数の前記駆動モータの加速態様を変更して、前記高加速度リールと低加速度リールが、各回転リールにおけるいずれかの所定の図柄を一直線上に並んだ位置に保ったまま回転可能としたことを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれか1項に遊技機。
【請求項5】
前記回転制御手段は、前記停止図柄記憶手段の記憶している停止図柄に含まれる所定の図柄の、前記図柄表示窓における位置に応じて、前記スタート信号を出力するタイミングを変更可能に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−99688(P2013−99688A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−46066(P2013−46066)
【出願日】平成25年3月8日(2013.3.8)
【分割の表示】特願2008−118087(P2008−118087)の分割
【原出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】