説明

運転支援装置、支援方法及びシステム

【課題】運転手の安全運転レベルに応じた経路に従って誘導する。
【解決手段】本発明の運転支援装置は、現在位置と目的地とに対応した、事故情報及び注意情報に関するサーバ情報をサーバから受信し、安全経路選択に応答して、運転実績情報としての運転手の安全運転レベルを超えているサーバ情報が示す地図上の区間を探索対象から除外した上で、現在地から目的地に至る経路を探索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転支援装置、支援方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されるようなカーナビゲーションシステムは、車が予め設定した目的地に効率よく到達するための経路を表示することで、目的地までの運転を支援するシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-337036
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に搭載される運転支援システムとしてのカーナビゲーションシステムは、地図情報と車両の現在位置、目的地、事故情報等から経路を決定し、その経路は目的地までの最短時間経路や最短距離経路である。カーナビゲーションシステムは、ユーザ(運転者)との間に画面表示や音声によるインターフェイスを持ち、運転支援する情報処理装置として用いられている。
【0005】
近年の車両制御システムの発達や、車両設計技術の進歩により、車両による死亡事故件数は減少しているものの、事故発生件数自体は依然として高いままである。そこで、情報処理装置としてのカーナビゲーションシステムを利用した、事故を未然に防ぐための運転支援装置、運転支援方法及びシステムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の運転支援装置、運転支援方法及びシステムは次のような構成を有する。
【0007】
運転支援装置は、目的地を入力し、経路選択メニュー画面を表示し、地図上に経路を重ね合わせ表示する入出力装置、位置検出装置からの車両の現在位置と入力した目的地とをサーバに送信し、送信した現在位置と目的地とに対応した、事故情報及び注意情報に関するサーバ情報をサーバから受信する通信装置、運転手の運転実績情報を格納する運転情報DB、および表示した経路選択メニュー画面からの安全経路選択に応答して、運転実績情報としての運転手の安全運転レベルを超えているサーバ情報が示す地図上の区間を探索対象から除外した上で、現在地から目的地に至る経路を探索し、探索した経路を地図上に重ね合わせて入出力装置に表示する経路とする演算装置を有する。
【0008】
この運転支援装置に対応して、サーバは、事故情報及び注意情報を格納したDB、現在位置と目的地とを受信し、サーバ情報を送信する通信装置、および受信した現在位置と目的地とに対応した事故情報及び注意情報をDBからサーバ情報として選択する演算装置を有する。
【0009】
本発明の他の態様は、運転支援装置の演算装置は、安全運転レベルを超えているサーバ情報を、サーバ情報に含まれる事故情報及び注意情報の個々に付された重みに基づいて判定する。
【0010】
本発明のさらに他の態様は、運転支援装置は、各地点を表すノードと、時間または距離に関する係数を伴った各地点間を表すリンクとを対応付けて格納した、経路探索のための地図情報DBをさらに有し、演算装置は、区間に対応するリンクの係数を通常使用されない大きな値に設定することにより、区間を探索対象から除外する。
【0011】
本発明のさらに他の態様は、運転支援装置は車両の状態情報を入力する装置インターフェイスをさらに有し、安全運転レベルを含む運転情報DBは、入力された車両の状態情報を基に作成される。
【0012】
本発明のさらに他の態様は、運転手を識別する情報を格納したIDカードから識別情報を読み取るカードリーダをさらに有し、安全運転レベルは、運転情報DBに含まれる、識別情報に基いて識別した運転手の運転実績情報としての安全運転レベルである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、運転手の安全運転レベルに応じた経路に従って、その車両を誘導できる運転支援装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】運転支援システムの構成図である。
【図2】運転情報DBの一例である。
【図3】車両情報DBの一例である。
【図4】事故情報DBの一例である。
【図5】注意情報DBの一例である。
【図6】運転支援処理のフローチャートである。
【図7】サーバ情報の選択の例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1に、本実施形態の運転支援システムの構成図を示す。運転支援システムは、車両1に搭載される運転支援装置10とセンタサーバ(以下、サーバ)20とを有し、それらは無線ネットワークによって接続している。
【0016】
運転支援装置10は、演算装置(CPU)11、記憶装置12、入出力装置13、通信装置14、装置インターフェイス15及びカードリーダ16を含む。演算装置11は、記憶装置12に格納されている運転支援処理プログラム(図示略)を実行する。記憶装置12は、運転支援処理プログラムの他に、運転支援処理プログラムの実行に必要な、運転情報DB120,車両情報DB140,及び地図情報DB160を格納する。入出力装置13は、運転手18とのインターフェイスであり、運転支援に関わる各種情報を入出力する。入出力装置13は、典型的にはタッチパネル入力できる画面表示装置である。通信装置14は、サーバ20との間で情報を授受する。装置インターフェイス15は、ハンドルなどの走行装置150、エンジンなどの駆動装置151、ブレーキなどの制動装置152、ミラーや方向指示器などの運転補助装置153、エアーコンディショナや座席などのユーティリティ154、GPSなどの位置検出装置155などから、それぞれの装置又はその制御装置の状態情報などを入力するためのインターフェイスである。図1では、各装置を纏めて一つの装置インターフェイス15を介するように示しているが、入力する状態情報の特性(アナログ/ディジタル、ON/OFFの2値、単位時間当たりの変化率など)に応じて、各装置又はその制御装置毎に設けられる。カードリーダ16は、運転手を特定するIDを格納したIDカード17の格納情報を読み取る。通信装置14による送受信データ、入出力装置13による入出力データ、装置インターフェイス15やカードリーダ16からの入力データは、一時的に又は蓄積データとして記憶装置12に格納されるが、それらの記憶領域の図示を省略する。
【0017】
センタのサーバ20は、演算装置(CPU)21、記憶装置22、入出力装置23、通信装置24、及び通信装置25を含む。演算装置21は、記憶装置22に格納されている運転支援処理サーバプログラム(図示略)を実行する。記憶装置22は、運転支援処理サーバプログラムの他に、運転支援処理サーバプログラムの実行に必要な、事故情報DB220、注意情報DB240、及び地図情報DB260を格納する。入出力装置23は、センタのオペレータとのインターフェイスであり、運転支援に関わる各種情報を入出力する。通信装置24は、車両1に搭載の運転支援装置10との間で情報を授受する。図示は、一台の車両1に接続する一つの通信装置24を示しているが、実際には多くの車両との間で通信するために複数の通信装置が用意されることもある。通信装置25は、交通渋滞、交通事故、天候などに伴う交通管制・規制情報などを情報提供する交通情報システムと送受信し、提供される交通管制・規制情報などを受信する。通信装置24及び通信装置25による送受信データ、入出力装置23による入出力データは、一時的に又は蓄積データとして記憶装置22に格納されるが、それらの記憶領域の図示を省略する。
【0018】
図2に、運転情報DB120の一例を示す。運転情報DB120は、運転手18の運転特性又は運転特性に関係する運転実績情報を格納する。したがって、運転情報DB120には、運転手18のID121に応じて欄を設ける。図2では、この車両1を運転する運転手18として、ID=1及びID=2の運転手が予め登録され、この車両1を運転する他の運転手を纏めてID=0としている。
【0019】
運転時間122は、今回のエンジン始動から現在までの運転継続時間を示す。車両速度が0km/hrを超えている時間を運転時間としても良いが、運転支援のための時間としてはエンジン始動からの時間を用いることで十分である(厳密さが要求されない)。このような時間は、運転支援装置10が備えるタイマ(図示略)から得られる。図2は、ID=1の運転手が0.5時間に亘って運転していることを示している。このIDは、カードリーダ16によって読み取ったIDカード17の格納情報を基に識別される。
【0020】
年齢123、運転歴124は、運転手18の属性情報であり、IDカード17の格納情報から得ても良いし、予め入出力装置13から入力し、登録するようにしても良い。これらの属性情報は毎年更新される。
【0021】
走行歴125は、運転手18のこの車両1における走行距離である。走行歴125を走行時間としても良い。燃料消費率126は、運転の燃料効率(経済性)の指標であり、低い値ほど安定した運転であること示す。なお、燃料消費率126は、走行歴に応じて変化するので、たとえば最近の100km走行における燃料消費率とする。高速走行歴127は、高速道路の走行歴であり、燃料消費率128は高速道路における値である。高速道路走行は、たとえばユーティリティ154としてのETC装置からの入力情報に基いて判別される。図2では、走行歴125の値に高速走行歴127の値を含み、燃料消費率126の値に高速道路における燃料消費率128の値を含むようにしているが、一般道路と高速道路とに分けても良い。
【0022】
安全運転レベル129については後述する。安全運転を損なう、すなわち危険運転の主たる指標として急加速130、急減速131、急ハンドル132の回数を運転情報DB120に格納する。ここでは、一例として最近の100km走行における回数を示している。
【0023】
走行歴125、燃料消費率126、高速走行歴127、燃料消費率128、急加速回数130、急減速回数131、急ハンドル回数132は、説明するまでもなく、装置インターフェイス15を介して入力される車両1の状態情報そのもの、又はそれらの状態情報を基に得られる。
【0024】
安全運転レベル129は、[y]=f(kixi)、i=1,2,・・・,nにより求める。一例として、急加速回数130、急減速回数131、急ハンドル回数132をそれぞれx1、x2、x3として、k1=k2=k3=1、関数fを次のようにする。
[y]=30/(k1x1+k2x2+k3x3) (1)
他の例として、急加速回数131、急減速回数132、急ハンドル回数133、走行歴125をそれぞれx1、x2、x3、x4として、k1=k2=k3=1/2、k4=1、関数fを次のようにする。
[y]=(k4x4/1000)/(k1x1+k2x2+k3x3) (2)
さらに、運転の実績情報としての年齢123や運転歴124などの運転情報DB120にある値を用いてもよく、関数fは、後述する事故情報や注意情報の重みと関連させて、経験的に決定する。
【0025】
なお、図2に示す安全運転レベル129の値は(1)式に基づいて決定したものである。
【0026】
図3に車両情報DB140の一例を示す。車両情報DB140の項目は、残燃料141、タイヤ圧142、走行距離143の時間経過と共に値が変化する項目と、特別な事情により変更しない限り変化しない車両の長さ144、幅145、高さ146、重量147、定員148、最大出力149、最大トルク150、最高速度151、最小回転半径152などの車両仕様である。これらの車両情報DB140は本運転支援システム10に固有に用いられる項目ではなく、車両1の目的地までの経路探索のために探索条件として用いられる。たとえば、車幅145や最小回転半径152は、幅員の狭い道路を探索の制約条件とするために、車両の高さ146はトンネルや鉄道のガードの高さに余裕が少ない道路を探索の制約条件とするために、最大トルク150は急な上り坂がある道路を探索の制約条件とするために用いられる。
【0027】
図4に、事故情報DB220の一例であり、事故発生地点221毎に事故情報を格納する。図4のNo1は、地点K(221)において、最近1年間に3回(222)事故が発生し、J方向からK地点に至った車両による事故の重み223が3であることを示している。3回の事故の進路224と事故の種別225とを対応付けて格納している。No1は、3回の事故の進路が、いずれもJ方向からK地点に至ったことから、重みを3としているが、事故の重大さなどを考慮して決めても良い。No2に関しても、No1と同様にして重み223を決めている。このように重みは大きいほど、その地点の運転にとって危険であることを示している。なお、人による知見を考慮する場合には、重み223は入出力装置23を介してオペレータにより修正される。
【0028】
図5に、注意情報DB240の一例を示す。注意情報は、区間241に対応した、時間242、重み243、規制種別244、および規制原因245を含む。区間241は、単方向の場合は単方向矢印で地点を結び、双方向の場合は双方向矢印で地点を結んで示す。時間242は、規制予定の時間帯を示し、天候などの規制原因によるような時間帯が明確でない場合は空欄とし、現時点においてその規制244が継続していることを示す。重み243は、事故情報DB220の重み223と同様の意味を持ち、大きいほど、その区間の運転にとって危険であることを示している。ただし、この重み243は規制原因245及び規制種別244に対応して、オペレータにより入出力装置23から入力される。規制種別244は、規制原因245による車両の通行規制に内容を示す。規制原因245は注意情報をもたらす原因である。
【0029】
一例を説明する。No1は、地点Aから地点Bへの単方向の区間において、7:00〜10:00に工事に伴い、通行可能な車線が3から2に規制されており、その重みが1であることを示している。
【0030】
なお、図5の規制原因245の一例としてNo4に事故を示しているが、これは現時点において規制が実施されている事故を表し、図4の事故情報DB220が過去の事故実績情報を表していることとは異なる。
【0031】
図6に、運転支援装置により実行される運転支援処理のフローチャートを示す。運転手18による入出力装置13を介した、目的地の入力又は選択を受け付ける(S300)。位置検出装置155からの現在地及び受け付けた目的地をサーバ20に送信し、送信した現在地及び目的地に対応したサーバ情報をサーバ20から受信する(S305)。ここで言うサーバ情報とは、事故情報DB220と注意情報DB240との内容である。したがって、事故情報と注意情報とのいずれも存在しないこともあり、その場合のサーバ情報には事故情報DB220と注意情報DB240との内容がないことを示す情報(たとえば、Null)が含まれる。サーバ20は、演算装置21が運転支援処理サーバプログラムを実行することにより、受信した現在地及び目的地を参照して事故情報DB220と注意情報DB240とから運転支援装置10に送信するサーバ情報を選択する。
【0032】
図7に、サーバ情報の選択の例を示す。運転支援装置10から受信した現在値をα、目的地をβで示している。現在地αは座標(X,Y)で表されるメッシュの中にあり、目的地βは座標(X+6,Y+2)で表されるメッシュの中にあることを示している。このメッシュは、たとえば地域メッシュコード(JISX0410)で表されるメッシュである。サーバ20は、現在地α及び目的地βの座標値から、たとえば図7に示すように、地図情報DB260を参照して、x座標がX-1〜X+7、y座標がY-1〜Y+3のメッシュに地点または区間が含まれる、事故情報DB220及び注意情報DB240の内容をサーバ情報として選択する。現在地α及び目的地βがあるメッシュの外縁のメッシュを含むのは、運転支援装置10がサーバ情報に応じて迂回経路を探索する可能性があるからである。したがって、規制内容が大規模(規制区間距離が長い、注意情報DB240の重みが大きいなど)の場合にはさらに外側のメッシュにおける事故情報DB220及び注意情報DB240の内容含むようにサーバ情報を選択する。
【0033】
運転支援装置10は、経路種別選択メニュー画面を入出力装置に表示する(S310)。運転手18からの種別選択が安全経路であるかを判定する(S315)。
【0034】
安全経路が選択された場合、安全運転レベル129を超える重み223,243のサーバ情報があるかを判定し(S320)、ある場合はサーバ情報に対応するリンクを探索対象から除外する(S325)。複数ある場合は、それら複数のリンクを探索対象から除外する。図2に示すように、現在のID=1の運転手18の安全運転レベル129は1である。図7に示すサーバ情報をサーバから受信したとすると、それぞれの区間と対応する重みは、A→B:1、G→H:1、I→J:∞、J→K:3、及びM→N:3である。したがって、I→J、J→K、及びM→Nの区間に対応するリンクを探索対象外として除外する。
【0035】
経路探索は次のように実行される。運転支援装置10は、地図情報DB160に交差点や分岐点をノードとし、ノード間の接続(進路)をリンクとして、各リンクに距離及び時間に関する係数を対応付けて格納している。距離に関する係数はリンクに対応する区間の距離に比例し、時間に関する係数はその区間の平均走行時間に比例する。現在地から目的地に至る経路候補を複数作成し、各経路候補のリンクの係数の総和が最小の経路候補を最短距離経路又は最短時間経路とする。
【0036】
したがって、安全運転レベル129を超える重み223,243のサーバ情報が示す区間に対応するリンクの係数を、通常使用されない大きな値(たとえば∞)に設定し、その区間に道路が存在しないものとすることにより探索対象から除外する。
【0037】
安全運転レベル129を決定する関数fは、事故情報や注意情報の重み223,243と関連させて、経験的に決定すると前述した。これは、サーバ20で設定される事故情報や注意情報の重み223,243と安全運転レベル129を比較するので、事故情報や注意情報の重み223,243の意味に対応するよう決定するという意味である。したがって、重み223,243を2倍して比較するなど、直接的に比較できなくても良い。
【0038】
最短時間経路探索又は最短距離経路探索を実行する(S330)。安全運転レベル129を超える重み223,243のサーバ情報があった場合には、その運転手18の安全運転レベル129に応じた最短時間経路探索又は最短距離経路探索である。探索結果は運転手18の安全運転レベル129に応じた安全経路である。
【0039】
探索した最短時間経路又は最短距離経路を、入出力装置13に表示している地図上に重ねあわせ表示し(S335)、経路誘導(ナビゲーション)を開始する(S340)。
【0040】
サーバ20にある地図情報DB260、運転支援装置10にある地図情報DB160はベクトル地図データのデータベースであり、その入出力装置13への表示も既存技術であるので詳細は省略する。
【0041】
以上は、運転支援装置10が現在地と目的地に応じたサーバ情報を取得し、運転手18の安全運転レベル129に応じた経路を探索し、探索した経路に従って誘導するように、運転支援装置10とサーバ20との機能分担することを説明した。運転支援装置10が備える運転情報DB120や車両情報DB140をサーバ20に設け、説明した運転支援処理をサーバ20に集中させても良い。
【0042】
しかしながら、サーバ20への処理の集中はサーバ20への負荷の集中であり、各車両の運転支援装置10にリアルタイムで経路情報をサービスすることが困難な場合も発生する。そこで、サーバ20はサーバ情報を所定時間間隔で各車両の運転支援装置10へ送信し、サーバ情報の情報量が多すぎる場合は車両1の現在地近傍のサーバ情報を送信し、運転支援装置10は、目的地に入力に応答して、すでに受信しているサーバ情報を参照して経路探索しても良い。この場合、サーバ情報の更新に伴い、経路探索を実行することにより、最新のサーバ情報に基づいた経路に従い、誘導することができる。
【0043】
本実施形態によれば、運転手の安全運転レベルに応じた経路に従って、その車両を誘導できる。より具体的には、事故情報や注意情報を入出力装置に表示して、運転手にそれらの情報への対応を判断させるのではなく、事故情報や注意情報に示される地点や区間を走行しないように経路誘導することにより、より安全な運転を支援できる。
【符号の説明】
【0044】
1:車両、10:運転支援装置、11,21:演算装置、12,22:記憶装置、13,23:入出力装置、14,24,25:通信装置、15:装置インターフェイス、16:カードリーダ、17:IDカード、20:サーバ、120:運転情報DB、140:車両情報DB、160,260:地図情報DB、220:事故情報DB、240:注意情報DB。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地を入力し、経路選択メニュー画面を表示し、地図上に経路を重ね合わせ表示する入出力装置、
位置検出装置からの車両の現在位置と前記入力した目的地とをサーバに送信し、前記送信した現在位置と目的地とに対応した、事故情報及び注意情報に関するサーバ情報を前記サーバから受信する通信装置、
運転手の運転実績情報を格納する運転情報DB、および
前記表示した経路選択メニュー画面からの安全経路選択に応答して、前記運転実績情報としての前記運転手の安全運転レベルを超えている前記サーバ情報が示す前記地図上の区間を探索対象から除外した上で、前記現在地から前記目的地に至る経路を探索し、前記探索した経路を前記地図上に重ね合わせて前記入出力装置に表示する前記経路とする演算装置を有することを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記演算装置は、前記安全運転レベルを超えている前記サーバ情報を、前記サーバ情報に含まれる前記事故情報及び注意情報の個々に付された重みに基づいて判定することを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
【請求項3】
各地点を表すノードと、時間または距離に関する係数を伴った前記各地点間を表すリンクとを対応付けて格納した、前記探索のための地図情報DBをさらに有し、前記演算装置は、前記区間に対応する前記リンクの係数を通常使用されない大きな値に設定することにより、前記区間を探索対象から除外することを特徴とする請求項2記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記車両の状態情報を入力する装置インターフェイスをさらに有し、
前記安全運転レベルを含む前記運転情報DBは、前記入力された前記車両の状態情報を基に作成されることを特徴とする請求項2記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記運転手を識別する情報を格納したIDカードから前記識別情報を読み取るカードリーダをさらに有し、
前記安全運転レベルは、前記運転情報DBに含まれる、前記識別情報に基いて識別した前記運転手の運転実績情報としての安全運転レベルであることを特徴とする請求項2記載の運転支援装置。
【請求項6】
入出力装置、通信装置、及び運転手の運転実績情報を格納する運転情報DBを有する運転支援装置による運転支援方法であって、
前記入出力装置から目的地を入力し、
経路選択メニュー画面を表示し、
位置検出装置からの車両の現在位置と前記入力した目的地とを前記通信装置を介してサーバに送信し、
前記送信した現在位置と目的地とに対応した、事故情報及び注意情報に関するサーバ情報を前記通信装置を介して前記サーバから受信し、
前記入出力装置に経路選択メニュー画面を表示し、
前記表示した経路選択メニュー画面からの前記運転手による安全経路選択を受け付け、
前記安全経路選択に応答して、前記運転実績情報としての前記運転手の安全運転レベルを超えている前記サーバ情報が示す前記地図上の区間を探索対象から除外し、
前記現在地から前記目的地に至る経路を探索し、
前記探索した経路を前記地図上に重ね合わせて前記入出力装置に表示することを特徴とする運転支援方法。
【請求項7】
前記安全運転レベルを超えている前記サーバ情報を、前記サーバ情報に含まれる前記事故情報及び注意情報の個々に付された重みに基づいて判定することを特徴とする請求項6記載の運転支援方法。
【請求項8】
前記運転支援装置は、各地点を表すノードと、時間または距離に関する係数を伴った前記各地点間を表すリンクとを対応付けて格納した、前記探索のための地図情報DBをさらに有し、
前記区間を探索対象から除外するために、前記区間に対応する前記リンクの係数を通常使用されない大きな値に設定することを特徴とする請求項7記載の運転支援方法。
【請求項9】
前記運転支援装置は、前記車両の状態情報を入力する装置インターフェイスをさらに有し、
前記安全運転レベルを含む前記運転情報DBは、前記入力された前記車両の状態情報を基に作成されることを特徴とする請求項7記載の運転支援方法。
【請求項10】
前記運転支援装置は、前記運転手を識別する情報を格納したIDカードから前記識別情報を読み取るカードリーダをさらに有し、
前記安全運転レベルは、前記運転情報DBに含まれる、前記識別情報に基づいて識別した前記運転手の運転実績情報としての安全運転レベルであることを特徴とする請求項7記載の運転支援方法。
【請求項11】
目的地を入力し、経路選択メニュー画面を表示し、地図上に経路を重ね合わせ表示する入出力装置、
位置検出装置からの車両の現在位置と前記入力した目的地とをサーバに送信し、前記送信した現在位置と目的地とに対応した、事故情報及び注意情報に関するサーバ情報を前記サーバから受信する第1の通信装置、
運転手の運転実績情報を格納する運転情報DB、および
前記表示した経路選択メニュー画面からの安全経路選択に応答して、前記運転実績情報としての前記運転手の安全運転レベルを超えている前記サーバ情報が示す前記地図上の区間を探索対象から除外した上で、前記現在地から前記目的地に至る経路を探索し、前記探索した経路を前記地図上に重ね合わせて前記入出力装置に表示する前記経路とする第1の演算装置を有する運転支援装置と、
事故情報及び注意情報を格納したDB、
前記現在位置と前記目的地とを受信し、前記サーバ情報を送信する第2の通信装置、および
前記受信した現在位置と目的地とに対応した事故情報及び注意情報を前記DBから前記サーバ情報として選択する第2の演算装置を有するサーバとを含むことを特徴とする運転支援システム。
【請求項12】
前記第1の演算装置は、前記安全運転レベルを超えている前記サーバ情報を、前記サーバ情報に含まれる前記事故情報及び注意情報の個々に付された重みに基づいて判定することを特徴とする請求項11記載の運転支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−169476(P2010−169476A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11072(P2009−11072)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】