説明

遠隔制御システム

【課題】本発明は、通信ネットワークを介して医療提供サービス又は香り提供サービスを提供するための安全かつ信頼性の高い遠隔制御システムを目的とする。
【解決手段】本発明に係る遠隔制御システムは、医療提供サービスに利用する薬剤又は香り提供サービスに利用する香料の調剤を規定するレシピに関連した情報を含んだデータベース20に基づき、遠隔制御端末82が通信ネットワークを介してクライアント端末81を制御してクライアント端末81に医療提供サービス又は香り提供サービスを実行させる遠隔制御システム91において、遠隔制御端末82及びクライアント端末81の現在の地理的な位置情報を相互に認証することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを介して医療や香りを提供するサービスを高い信頼性と安全性で提供する遠隔制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者の個人的な医療・診断情報は、一部の医療機関に閉じた状態で活用されてきた。このため、患者が遠隔の医療機関から遠隔医療サービスを受ける場合には、診療の正当性を事前にチェックできる手段がなかった。
【0003】
しかし、通信ネットワークを介した医療提供サービスが求められている。例えば、患者の住居や居住する施設が、信頼のおける病院から離れた遠隔地にある場合である。又、歩行障害を伴っているために病院への通院が困難な場合である。さらに、1人の患者が複数の医療機関で同時に受診することによる、薬剤の相互的副作用も問題になりつつある。このような場合に、通信ネットワークを介して患者を診断し、診断結果に応じて調剤した薬剤を提供できれば、多くの患者の通院の目的を果たすことができる。
【0004】
医療サービスではないが、医療機関の診療情報を患者自身が管理できる医療支援システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この医療支援システムでは、通信ネットワークに接続された管理サーバを設け、当該管理サーバが患者と医療機関に対して認証を行うことで、患者による診療情報の登録及び参照を可能としている。
【0005】
しかし、通信ネットワークを介した医療提供サービスでは、医療機関側だけでなく、患者側でも認証が求められる。例えば、医療機関には、個人情報の流出を防ぐために、患者の認証を行うことが求められる。患者側でも、医療機関による患者の取り違えを防ぐなどの安全性を確保するために、契約等を行っている信頼性のある予め定められた医療機関であるかどうかを判断するための認証が求められる。さらに、病院相互間においても、個人情報の流出を防ぐために、患者の診療データを安全かつ確実に共用しなければならない。
【0006】
一方で、医療提供サービスに付随するサービスは広がっている。例えば、アロマテラピーが補完・代替医療として利用される場合がある。アロマテラピーのような香り提供サービスにおいても、患者の健康状態や精神状態に応じて香料の調剤を行うので、医療提供サービスと同様に、医療機関側だけでなく、患者側でも当該の医療機関の認証を行うことが求められる。
【特許文献1】特開2004−133727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、通信ネットワークを介して医療提供サービス又は香り提供サービスを提供するための安全かつ信頼性の高い遠隔制御システムを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、医療提供サービスに利用する薬剤又は香り提供サービスに利用する香料の調剤を規定するレシピに関連した情報を含んだデータベースに基づき、遠隔制御端末が通信ネットワークを介してクライアント端末を制御してクライアント端末に医療提供サービス又は香り提供サービスを実行させる遠隔制御システムにおいて、遠隔制御端末及びクライアント端末の現在の地理的な位置情報を相互に認証することを特徴とする。
【0009】
具体的には、本発明に係る遠隔制御システムは、医療提供サービスに利用する薬剤又は香り提供サービスに利用する香料の調剤を規定するレシピに関連した情報を含んだデータベースに基づき、遠隔制御端末が通信ネットワークを介してクライアント端末を制御して前記クライアント端末に前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実行させる遠隔制御システムにおいて、前記クライアント端末は、自己の地理的な位置情報を取得するクライアント端末位置情報取得手段と、前記クライアント端末位置情報取得手段の取得した前記位置情報を前記遠隔制御端末に送信するクライアント端末送信手段と、前記遠隔制御端末からの制御により前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実施するための制御信号を受信する制御信号受信手段と、前記遠隔制御端末の送信する地理的な位置情報を認証するクライアント端末認証手段と、前記クライアント端末認証手段による認証が成立した場合に、前記制御信号受信手段の受信した制御信号に従い、前記薬剤を調剤して提供する医療提供サービス又は前記香料を調剤して提供する香り提供サービスを実行するサービス実行手段と、を備え、前記遠隔制御端末は、自己の地理的な位置情報を取得する遠隔制御端末位置情報取得手段と、前記遠隔制御端末位置情報取得手段の取得した自己の地理的な位置情報を前記クライアント端末に送信する遠隔制御端末送信手段と、前記クライアント端末に前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実行させるための制御信号を送信する制御信号送信手段と、前記クライアント端末の送信する地理的な位置情報を認証する遠隔端末認証手段と、前記遠隔端末認証手段による認証が成立した場合に、前記データベースに基づき、前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実行するための制御信号を発生するサービス制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る遠隔制御システムは、クライアント端末と遠隔制御端末がリアルタイムでの位置情報を相互に認証するので、通信相手でない第三者によるなりすましを防ぐことができる。これにより、遠隔制御システムの安全性を確保することができる。又、本発明に係る遠隔制御システムは、クライアント端末と遠隔制御端末が相互に認証したときに初めて医療提供サービス又は香り提供サービスを実行するので、遠隔制御システムの信頼性を確保することができる。よって、通信ネットワークを介して医療提供サービス又は香り提供サービスを提供するための安全かつ信頼性の高い遠隔制御システムを提供することができる。
【0011】
本発明に係る遠隔制御システムでは、前記クライアント端末は移動端末であり、前記遠隔端末認証手段は、予め定められた複数の経路のいずれかの経路上であることによって、前記クライアント端末の送信する地理的な位置情報を認証することが好ましい。移動端末のクライアント端末でも遠隔制御端末と相互認証できるので、自宅だけでなく屋外であっても医療提供サービス又は香り提供サービスを安心かつ安全に提供することができる。
【0012】
本発明に係る遠隔制御システムでは、前記クライアント端末送信手段は、自己の地理的な位置情報を前記遠隔制御端末に繰り返し送信し、前記遠隔制御端末送信手段は、自己の地理的な位置情報を前記クライアント端末に繰り返し送信することが好ましい。クライアント端末送信手段及び遠隔制御端末送信手段が、それぞれの自己の位置情報を繰り返し送信するので、クライアント端末と遠隔制御端末との相互認証を継続して行うことができる。これにより、第三者のなりすましや患者の取り違えを継続して防ぐことができる。
【0013】
本発明に係る遠隔制御システムは、医療提供サービスに利用する薬剤又は香り提供サービスに利用する香料の調剤を規定するレシピに関連した情報を含んだデータベースに基づき、複数の遠隔制御端末が通信ネットワークを介してクライアント端末を制御して前記クライアント端末に前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実行させる遠隔制御システムにおいて、前記遠隔制御端末のうちの1つである第1遠隔制御端末は、自己の地理的な位置情報を取得する第1端末位置情報取得手段と、前記第1端末位置情報取得手段の取得した自己の地理的な位置情報を前記遠隔制御端末のうちの他の第2遠隔制御端末に送信する第1端末相互送信手段と、前記第2遠隔制御端末の送信する地理的な位置情報を認証する第1端末相互認証手段と、前記データベースを格納する第1端末記憶手段と、前記第1端末相互認証手段による認証が成立した場合に、前記第2遠隔制御端末の送信する送信記録を前記第1端末記憶手段に記録する第1端末送信記録記録手段と、を備え、前記遠隔制御端末のうちの他の第2遠隔制御端末は、自己の地理的な位置情報を取得する第2端末位置情報取得手段と、前記第2端末位置情報取得手段の取得した自己の地理的な位置情報を前記第1遠隔制御端末に送信する第2端末相互送信手段と、前記第1遠隔制御端末の送信する地理的な位置情報を認証する第2端末相互認証手段と、前記データベースを格納する第2端末記憶手段と、前記クライアント端末に前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実行させるための制御信号を送信し、当該制御信号を前記第2端末記憶手段に記録する第2端末制御信号送信手段と、前記第2端末相互認証手段による認証が成立した場合に、前記第2端末記憶手段の記録している前記送信記録を前記第1遠隔制御端末に送信する第2端末送信記録送信手段と、を備えることが好ましい。
【0014】
本発明に係る遠隔制御システムは、複数の遠隔制御端末のうちの第1遠隔制御端末と第2遠隔制御端末が、患者の診療データを相互に利用して、薬剤の重複投与や治療行為における、不適切な組み合わせの発生を防ぐことができる。ここで、遠隔制御端末同士がリアルタイムでの位置情報を相互に認証するので、通信相手でない第三者によるなりすましを防ぐことができる。これにより、遠隔制御システムの安全性を確保することができる。又、本発明に係る遠隔制御システムは、遠隔制御端末同士が相互に認証したときに初めて医療提供サービス又は香り提供サービスを実行するので、遠隔制御システムの信頼性を確保することができる。よって、通信ネットワークを介して医療提供サービス又は香り提供サービスを提供するための安全かつ信頼性の高い遠隔制御システムを提供することができる。
【0015】
本発明に係る遠隔制御システムでは、前記第1遠隔制御端末は、さらに、前記第1端末位置情報取得手段の取得した自己の地理的な位置情報を前記クライアント端末に送信する第1端末位置情報送信手段と、前記クライアント端末の送信する地理的な位置情報を認証する第1端末クライアント認証手段と、前記第1端末クライアント認証手段による認証が成立した場合に、前記データベースに基づき、前記第2遠隔制御端末の送信する送信記録と重複しないように、または不適切な組み合わせのレシピとならないように、前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実行するための制御信号を発生する第1端末サービス制御手段と、をさらに備え、前記クライアント端末は、自己の地理的な位置情報を取得するクライアント端末位置情報取得手段と、前記クライアント端末位置情報取得手段の取得した前記位置情報を前記第1遠隔制御端末に送信するクライアント端末送信手段と、前記第1遠隔制御端末からの制御により前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実施するための制御信号を受信する制御信号受信手段と、前記第1遠隔制御端末の送信する地理的な位置情報を認証するクライアント端末認証手段と、前記クライアント端末認証手段による認証が成立した場合に、前記薬剤を調剤して提供する医療提供サービス又は前記香料を調剤して提供する香り提供サービスを実行するサービス実行手段と、をさらに備えることが好ましい。
【0016】
遠隔制御システムは、第1遠隔制御端末とクライアント端末とが相互認証をしたうえで医療提供サービス又は香り提供サービスを実行するので、遠隔制御端末間だけでなく、複数の遠隔制御端末とクライアント端末との間においても安全かつ信頼性の高い遠隔制御システムを提供することができる。
【0017】
本発明に係る遠隔制御システムでは、前記クライアント端末送信手段は、自己の地理的な位置情報を前記第1遠隔制御端末に繰り返し送信し、前記第1端末位置情報送信手段は、自己の地理的な位置情報を前記クライアント端末に繰り返し送信することが好ましい。クライアント端末送信手段及び遠隔制御端末送信手段が、それぞれの自己の位置情報を繰り返し送信するので、クライアント端末と遠隔制御端末との相互認証を継続して行うことができる。これにより、第三者のなりすましや患者の取り違えを継続して防ぐことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、通信相手でない第三者によるなりすましを防ぐことができるので、遠隔制御システムの安全性を確保することができる。又、リアルタイムの情報を用いて両者の本人確認を行うことができるので、遠隔制御システムの信頼性を確保することができる。よって、通信ネットワークを介して医療提供サービス又は香り提供サービスを提供するための安全かつ信頼性の高い遠隔制御システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る遠隔制御システムの構成図である。遠隔制御システム91は、医療提供サービスに利用する薬剤の調剤を規定するレシピに関連した情報を含んだデータベースに基づき、遠隔制御端末82が通信ネットワーク95を介してクライアント端末81を制御してクライアント端末81に医療提供サービスを実行させる遠隔制御システムである。
【0020】
例えば医療機関に遠隔制御端末82が設置され、患者の自宅にクライアント端末81が設置される。遠隔制御端末82は、遠隔地にあるクライアント端末81に対して薬剤データを送信できる機能を有するソフトウェアが搭載される。遠隔制御端末82は、遠隔治療の必要がある複数の患者のデータを格納する医療データベースが格納される遠隔制御端末記憶手段20を備える。医療データベースには、患者毎に、患者の病状や状態、投与すべき薬剤や香料のデータ、診療履歴等の医療等に関するデータが、これまでの診療結果を反映して、予め格納されている。一方、患者宅には、治療装置87と、医療機関からの薬剤データを受信し、治療装置87を制御する機能を有する、制御ソフトウェアが搭載されたクライアント端末81とが存在する。治療装置87は、例えば、薬剤の噴霧装置である。
【0021】
以下、遠隔制御システム91の医療提供サービスについて説明するが、医療提供サービスの代わりに香り提供サービスを提供することもできる。この場合には、遠隔制御端末記憶手段20の格納する医療データベースには、香り提供サービスに利用する香料の調剤を規定するレシピに関連した情報を含む。さらに、遠隔制御システム91は医療提供サービス及び香り提供サービスの両方を提供してもよい。
【0022】
クライアント端末81は、クライアント端末位置情報取得手段11と、クライアント端末送信手段12と、制御信号受信手段13と、クライアント端末認証手段14と、サービス実行手段15と、を備える。遠隔制御端末82は、遠隔制御端末記憶手段20と、遠隔制御端末位置情報取得手段21と、遠隔制御端末送信手段22と、制御信号送信手段23と、遠隔端末認証手段24と、サービス制御手段25と、を備える。
【0023】
図2は、実施形態1の遠隔制御システムの流れを示した説明図である。図1及び図2を用いて遠隔制御システム91を説明する。クライアント端末位置情報取得手段11は、自己の地理的な位置情報を取得する。クライアント端末送信手段12は、クライアント端末位置情報取得手段11の取得した位置情報を遠隔制御端末82に送信する。例えば、クライアント端末81に患者識別情報が入力されると、クライアント端末位置情報取得手段11が位置情報を自動取得して、入力された患者識別情報と共に、取得した位置情報を送信する。クライアント端末送信手段12は、さらに、パスワードなどの予め定められた文字列や、虹彩、指紋、静脈などのバイオメトリクス情報などの複数の認証データを送信することが好ましい。
【0024】
ここで、クライアント端末位置情報取得手段11は、例えば、衛星測位システムによって地理的な位置情報を取得する。クライアント端末81が据え置き型の端末であれば、クライアント端末位置情報取得手段11は、例えば患者の自宅の位置情報を取得する。ここで、位置情報は、例えば、地球上での緯度と経度である。位置情報は、高さ情報を含んでいてもよい。位置情報の精度が高ければ、アンテナの設置場所によって認証用の位置情報が変えられるので、第三者のなりすましを防ぎ、認証用のパスワードとして適用することができる。このため、位置情報の精度は、1m以下であることが好ましく、さらに100mm以下であることが好ましい。
【0025】
遠隔端末認証手段24は、クライアント端末81の送信する地理的な位置情報を認証する。遠隔治療を受ける患者宅と医療機関は、予め遠隔診療に同意する契約を結んでおり、遠隔端末認証手段24には予めクライアント端末81を認証するための認証用データベースを格納している。これにより医療機関は、クライアント端末81の設置されている患者宅が、正式な契約者であることを認証する。
【0026】
図3は、遠隔端末認証手段24の格納する認証用データベースの一例である。遠隔端末認証手段24は、遠隔治療の必要がある患者m人分のデータを格納する。医療機関がm人の患者と契約を結んでいる場合、遠隔端末認証手段24は、患者を識別するための患者識別情報id1〜idmと、薬剤等のデータの送信を許可するためのパスワードp1〜pmと、医療機関の位置情報(x1,y1)〜(xm,ym)を格納している。位置情報は、1つの患者識別情報に対して1つに限らず、複数の候補を格納してもよい。この場合は複数の候補のいずれかと照合する場合に認証を行う。
【0027】
サービス制御手段25は、遠隔端末認証手段24による認証が成立した場合に、遠隔制御端末記憶手段20に格納されている医療データベースに基づき、医療提供サービスを実行するための制御信号を発生する。一方で、遠隔制御端末位置情報取得手段21は、自己の地理的な位置情報を取得する。
【0028】
ここで、遠隔制御端末位置情報取得手段21は、例えば、衛星測位システムによって地理的な位置情報を取得する。遠隔制御端末82が据え置き型の端末であれば、遠隔制御端末位置情報取得手段21は、例えば医療機関の位置情報を取得する。ここで、位置情報は、例えば、地球上での緯度と経度である。位置情報は、高さ情報を含んでいてもよい。位置情報の精度が高ければ、アンテナの設置場所によって認証用の位置情報が変えられるので、第三者のなりすましを防ぎ、認証用のパスワードとして適用することができる。このため、位置情報の精度は、1m以下であることが好ましく、さらに100mm以下であることが好ましい。
【0029】
遠隔制御端末送信手段22は、遠隔制御端末位置情報取得手段21の取得した自己の地理的な位置情報をクライアント端末81に送信する。又、制御信号送信手段23は、クライアント端末81に医療提供サービスを実行させるための制御信号を送信する。ここで、医療提供サービスを実行させるための制御信号は、サービス制御手段25の発生した制御信号である。制御信号は、例えば、治療装置87を動作させる制御信号である。又、制御信号には、治療装置87を動作させる信号と共に、治療装置87に調剤させる薬剤の種類や各々の薬剤毎の分量などの薬剤データが含まれていてもよい。
【0030】
図4は、制御信号送信手段23の送信する情報の一例を示す説明図である。制御信号送信手段23が送信する情報には、制御信号のほかに、送信元となる遠隔制御端末82を識別するための医療機関識別情報と、患者宅のクライアント端末81のみが認識できるためのパスワードと、遠隔制御端末位置情報取得手段21の取得した位置情報が含まれていることが好ましい。制御信号に当該位置情報を添付することで、医療機関内の特定の位置を識別することができるので、医療機関が患者を取り違えた場合であっても、誤った制御信号による治療装置87の動作を防ぐことができる。
【0031】
クライアント端末認証手段14は、遠隔制御端末82の送信する地理的な位置情報を認証する。遠隔治療を受ける患者宅と医療機関は、予め遠隔診療に同意する契約を結んでおり、クライアント端末認証手段14には予め医療機関を認証するための認証用データベースを格納している。クライアント端末認証手段14は、遠隔制御端末送信手段22から受信した位置情報がこの認証用データベースに含まれていることを照合して認証を行う。
【0032】
図5は、クライアント端末認証手段14の格納する認証用データベースの一例である。患者がN個の医療機関と契約を結んでいる場合、患者宅内に存在するクライアント端末認証手段14には、医療機関を識別するための医療機関識別情報ID1〜IDNと、薬剤等のデータの受信を許可するためのパスワードP1〜PNと、医療機関の位置情報(X1,Y1)〜(XN,YN)が格納されている。位置情報は、1つの医療機関識別情報に対して1つに限らず、複数の候補を格納してもよい。この場合は複数の候補のいずれかと照合する場合に認証を行う。
【0033】
制御信号受信手段13は、遠隔制御端末からの制御により医療提供サービスを実施するための制御信号を受信する。サービス実行手段15は、クライアント端末認証手段14による認証が成立した場合に、制御信号受信手段13の受信した制御信号に従い、薬剤を調剤して提供する医療提供サービスを実行する。例えば、サービス実行手段15は、制御信号に従って治療装置87を制御する。治療装置87は、サービス実行手段15からの制御によって、薬剤データに含まれる薬剤を選択し、調剤し、患者へ提供する。薬剤は、例えば、錠剤、カプセル、散剤である。又、治療装置87は、噴霧装置であってもよい。患者宅では医療機関から送信されてきた薬剤データを、クライアント端末81が受信し、その情報に基づいて薬剤の噴霧装置を制御することにより、患者に対する薬剤の投与を実施することが可能である。薬の処方を正常に行うことが可能である。
【0034】
このように、薬剤データと位置情報を含んだデータを受信した患者宅のクライアント端末81は、クライアント端末認証手段14によって自身の管理する医療機関のデータと照合し、正しくマッチングが取れた場合のみ、サービス実行手段15を実行させて、当該の薬剤データ情報に基づく治療装置(図2の符号87)を制御する。病院側の成りすまし等により、不正な薬剤データが、無作為に、患者側に、投与されることを、未然に防ぎ、適切な遠隔診療を行うことが可能となる。
【0035】
医療機関側の設定する識別情報及びパスワードのみの認証情報に頼っていたものに比べて、新たに、非常に正確な、医療機関側の遠隔制御端末82の設置場所に該当する位置情報等を認証用の鍵として用いていることにより、何らかの理由で、病院側のIDやパスワード等の情報が漏れた場合においても、位置情報は、正確かつ絶対的な位置情報であるため、認証鍵としての信頼性が下がることがない性質を利用でき、遠隔診療の、信頼性を向上させることが可能である。
【0036】
さらに、医療機関の遠隔制御端末82から送信される制御信号以外の通信データにより、サービス実行手段15に医療提供サービスを実行させる状況を回避するため、サービス実行手段15による医療提供サービスの実行の間、遠隔制御端末位置情報取得手段21の取得した位置情報を、常時、認証情報として活用し、クライアント端末81側では、この位置情報が認識された場合においてのみ、遠隔治療を継続できるように、制御することが好ましい。
【0037】
例えば、クライアント端末送信手段12は、クライアント端末位置情報取得手段11の取得した地理的な位置情報を遠隔制御端末82に繰り返し送信することが好ましい。この場合、クライアント端末位置情報取得手段11は、常時自己の位置情報を取得する。クライアント端末送信手段12は、クライアント端末位置情報取得手段11の取得した位置情報を受け取り、最新の位置情報を送信する。一方、遠隔制御端末位置情報取得手段21も、遠隔制御端末82の地理的な位置情報をクライアント端末81に繰り返し送信する。この場合、遠隔制御端末位置情報取得手段21は、常時自己の位置情報を取得する。クライアント端末送信手段12は、クライアント端末位置情報取得手段11の取得した位置情報を受け取り、最新の位置情報を送信する。
【0038】
又、遠隔制御端末82は、医療データベースに格納されている患者のデータから、薬を処方する時期がすでに来ていることと、処方すべき薬の種類を判定するための制御用ソフトウェアを活用して、患者宅に対して、通信ネットワーク95を介した通信手段を用いて、当該の薬剤データを送信することが好ましい。患者が何らかの理由で、医療機関に薬を、受け取りにくるべき時期が過ぎているにも関わらず、薬を取りに来院しないという、状態が発生した場合に、患者に注意を促すことができる。
【0039】
又、薬剤データが、どこの病院のどの場所から送られてきたものであるかを、位置的な面から判別するのにも有効に活用することができる。例えば、同じ病院内でも、薬を処方する医師が、複数人存在し、各医師がRFID(Radio Frequency Identification)やGPS(Global Positioning System)搭載端末など、位置情報を通知する装置を所持している状態を想定すれば、薬剤データに付加された位置情報から、どの医師が、どの場所から、遠隔の診療を実施したものであるかについても、追跡調査を実施することが、可能となり、遠隔医療に対する信頼性を、一層、向上させることができる。このため、クライアント端末認証手段14には、1つの医療機関識別情報に対して、複数の位置情報が割り当てられていることが好ましい。
【0040】
図6は、遠隔端末認証手段24の認証方法の別形態を示す説明図である。図7は、遠隔端末認証手段24の格納する認証用データベースの一例である。図1のクライアント端末81が移動端末の場合、遠隔端末認証手段24は、予め定められた複数の経路のいずれかの経路上であることによって、クライアント端末81の送信する地理的な位置情報を認証することが好ましい。移動医療設備96はA地点(X0,Y0)で事故が発生したという通知を受け、A地点に向かう。この段階で、医療機関は移動医療設備96の経路を定める。例えば、位置情報(X0,Y0)のA地点、位置情報(X1,Y1)のB地点、位置情報(X2,Y2)のC地点、位置情報(X3,Y3)のD地点から、位置情報(X8,Y8)のH地点である。そして、定めた経路を、医療機関に設置されている遠隔端末認証手段24の認証用データベースに格納する。遠隔端末認証手段24に格納する経路は、例えば、チェックポイント(X0,Y0)〜(X8,Y8)であり、これらのチェックポイントを結ぶ直線を経路とする。
【0041】
移動医療設備96内にあるクライアント端末81は、医療機関の遠隔制御端末82に対して移動医療設備96の位置情報を逐次,医療機関に送信する。医療機関側の遠隔制御端末82は、遠隔端末認証手段24の参照する認証用データベース内に格納されたチェックポイント上を、移動医療設備96内のクライアント端末81が通過しているかどうかを、逐次、チェックすることにより、クライアント端末81が正しい端末であるかどうかを判断できる。例えばI地点に存在する不正な端末が医療機関に診療情報を送信するよう要求した場合は、移動医療設備96が通過する予定の経路に従って、位置情報を、I地点に存在する不正な端末が、継続的に送信することは、通常は困難であるため、医療機関が、誤って、不正の端末へ診療情報を送信することを防ぐ。仮に、何らかの理由で、移動医療設備96が、想定されていた経路を外れた場合は、移動医療設備96側にいる医療従事者等が、携帯電話などの手段によって医療機関に所在の位置や理由を必要に応じて報告し、その報告と、クライアント端末81から送信されてくる、位置情報とを、随時、比較照合する手段を活用することにより、正しく、移動医療設備96を、医療機関側の遠隔制御端末82では、認証することが、可能となる。
【0042】
一方、移動医療設備96内にはクライアント端末81と、治療装置87を備える。クライアント端末81は、遠隔にある病院等から受信した制御情報、認証情報および診療データ等に基づいて自動制御できる治療装置と、GPS衛星から移動設備の所在場所を示すGPS情報を受信可能で、かつ、当該のGPS情報を遠隔の医療機関に送信可能な送信端末機能と、当該の医療機関から医療機関内の特定位置の情報を含むGPS情報等を受信する受信端末機能、および、予め登録された遠隔医療機関から受信した診療データに基づいて、治療装置を制御する機能を持つ通信制御用の端末装置が存在する。但し、これらの各種機能を持つ通信端末は、同一の装置で構成することも、2つまたは3つ程度の数の装置で構成することも可能である。
【0043】
移動医療設備96は、遠隔の医療機関から診療情報を受信できるが、この際には、果たして、受信した診療情報が予め登録された医療機関であるかどうかを、診療データ内に含まれた位置情報、ID情報、パスワード等の情報を活用して、正確に判定する。このことにより、なりすましの病院からの誤った情報に基づく、遠隔診療を回避することができる。一方、当該の医療機関は、移動医療設備96内の治療装置87を制御する際には、果たして、遠隔制御の対象とした移動医療設備96が、正しく、医療機関に通報された救急車等の移動医療設備96であるかどうかを、移動医療設備96から、時々刻々、送信される位置情報のデータ系列が、予め、医療機関が所持している、認証用データベースに基づいて、概ね、正しいと判断できるかどうかを、チェックし、正しい移動医療設備96であると判断できた場合には、信頼性の高い、遠隔診療を実施することが可能となる。移動医療設備96は、医療機関と電話連絡等により、交通情報と現在の位置情報とを勘案して、時間的に最短となる経路を選択することが、通常は想定されるため、医療機関が所有する最適な認証用データベースに基づく、移動経路と、時々刻々、受信する位置情報とが、大幅にずれることはほとんど生じないと考えられる。このため、信頼性の高い、遠隔診療を、間違いなく、診療を必要としている当該患者のみに、迅速に、実施することが可能となる。
【0044】
(実施形態2)
図8は、実施形態2に係る遠隔制御システムの概略図である。実施形態2に係る遠隔制御システムは、医療機関A、Bで管理されている医療データベース20aと医療データベース20bの間を、P2P(Peer to Peer)のメカニズムを用いたネットワークで、相互認証がなされた後に、ネットワーク接続することにより、当該患者を診療データを、予め登録された、閉域内の医療機関同士の間で相互に利用することが可能になる。このように、当該の医療データを、連携された、医療機関同士で共有することにより、ある患者宅aの患者が、薬剤αを、医療機関Aから10日分処方されたという情報I(α)を、医療機関Bが、相互認証後に、受信し、医療データベース20aと照合することによって、患者宅aの患者が、日を置かずして医療機関Bの診療を受けた際に、患者宅aの患者への薬剤αの重複処方を防ぐことが可能となる。
【0045】
また、重複処方の他にも、例えば、ある薬剤2種を、一緒に服用すると副作用があることが、連携された医療機関A、B、C同士では、すでに確認されており、医療データベース20a、20b、20cに登録されている場合においては、当該の医療機関A、B、C同士では、患者宅aの患者に対して、処方データを共有することにより、当該の薬物2種を同時には処方しないよう、薬害事故等を未然に防ぐことが可能となる。以下、具体的に説明する。
【0046】
図9は、実施形態2に係る遠隔制御システムの構成図である。遠隔制御システム92は、複数の遠隔制御端末82a、82bを備える点で実施形態1と異なる。遠隔制御システム92は、遠隔制御端末82a及び遠隔制御端末82bを備える場合に、それぞれの遠隔制御端末の提供するサービスが重複しないことで、また不適切な組み合わせとなるレシピと用いないことで、通信ネットワークを介して医療提供サービス又は香り提供サービスを提供するための安全かつ信頼性の高い遠隔制御システム92とすることを特徴とする。なお、図9では、2つの遠隔制御端末82a、82bを備える例を示したが、3つ以上であってもよい。遠隔制御端末82a、82bを複数備えることで、医療分野ごと、フロアごとのきめ細やかな医療サービスを提供することが可能となる。又、医療情報は情報量の多い画像データが含まれるので、第1端末記憶手段30と第2端末記憶手段40を分散化することができる。
【0047】
第1遠隔制御端末82aは、第1端末位置情報取得手段31と、第1端末位置情報送信手段32と、第1端末制御信号送信手段33と、第1端末クライアント認証手段34と、第1端末サービス制御手段35と、第1端末相互送信手段36と、第1端末相互認証手段37と、を備える。
【0048】
第2遠隔制御端末82bも、第1遠隔制御端末82aと同様の構成を備える。すなわち、第2端末位置情報取得手段41と、第2端末制御信号送信手段43と、第2端末サービス制御手段45と、第2端末相互送信手段46と、第2端末相互認証手段47と、第2端末送信記録送信手段48と、を備える。
【0049】
クライアント端末81は、クライアント端末位置情報取得手段11と、クライアント端末送信手段12と、制御信号受信手段13と、クライアント端末認証手段14と、サービス実行手段15と、を備える。クライアント端末81の機能及び動作については、前述の遠隔制御システム91と同様である。
【0050】
図10は、実施形態2の遠隔制御システムの流れを示した説明図である。図9及び図10を用いて遠隔制御システム92を説明する。第1端末位置情報取得手段31は、自己の地理的な位置情報を取得する。第1端末相互送信手段36は、第1端末位置情報取得手段31の取得した自己の地理的な位置情報を第2遠隔制御端末82bに送信する。第1端末相互送信手段36は、クライアント端末81からの医療提供サービスの要求があった場合に、位置情報を第2遠隔制御端末82bに送信することが好ましい。このため、第1端末相互送信手段36が位置情報を第2遠隔制御端末82bに送信する前に、第1端末クライアント認証手段34は、クライアント端末81の送信する地理的な位置情報を認証することが好ましい。そして、第1端末相互送信手段36は、第1端末クライアント認証手段34による認証が成立した場合に、第1端末位置情報取得手段31の取得した自己の地理的な位置情報を第2遠隔制御端末82bに送信することが好ましい。第1端末クライアント認証手段34によるクライアント端末81の認証は、図1の遠隔端末認証手段24で説明したとおりである。また、第1端末相互送信手段36は、自己の地理的な位置情報を第2遠隔制御端末82bに繰り返し送信することが好ましい。
【0051】
第2端末相互認証手段47は、第1遠隔制御端末82aの送信する地理的な位置情報を認証する。認証方法は、図1に示す遠隔端末認証手段24と同様である。例えば、第2端末相互認証手段47は、複数の遠隔制御端末82を識別する遠隔制御端末識別情報ごとに、パスワードと位置情報が割り当てられている認証用データベースを格納している。そして、第2端末相互認証手段47は、認証用データベースの格納している第1遠隔制御端末82aの遠隔制御端末識別情報の位置情報と、第1遠隔制御端末82aの送信する地理的な位置情報と、の一致によって認証を行う。
【0052】
第2端末位置情報取得手段41は、自己の地理的な位置情報を取得する。第2端末相互送信手段46は、第2端末位置情報取得手段41の取得した自己の地理的な位置情報を第1遠隔制御端末82aに送信する。第2端末送信記録送信手段48は、第2端末相互認証手段47による認証が成立した場合に、第2端末記憶手段40に記憶する送信記録を第1遠隔制御端末82aに送信する。
【0053】
ここで、第2端末記憶手段40の記憶する送信記録は、第2端末制御信号送信手段43が、クライアント端末81に医療提供サービスを実行させるための制御信号を送信した旨の記録である。送信記録は、例えば、第2端末制御信号送信手段43の制御信号の送信時に、第2端末制御信号送信手段43が出力した制御信号又は制御信号の内容である。又、送信記録は、第2端末サービス制御手段45が発生した制御信号又は制御信号の内容であってもよい。また、第2端末送信記録送信手段48は、送信記録を送信する間、第2端末位置情報取得手段41の取得した自己の地理的な位置情報を、送信記録と共に送信することが好ましい。また、第2端末相互送信手段46は、第2端末送信記録送信手段48が送信記録を送信する間、第2端末位置情報取得手段41の取得した自己の地理的な位置情報を繰り返し送信することが好ましい。
【0054】
第1端末相互認証手段37は、第2遠隔制御端末82bの送信する地理的な位置情報を認証する。認証方法は、図1に示す遠隔端末認証手段24と同様である。例えば、第1端末相互認証手段37は、複数の遠隔制御端末82を識別する遠隔制端末識別情報ごとに、パスワードと位置情報が割り当てられている認証用データベースを格納している。そして、第1端末相互認証手段37は、認証用データベースの格納している第2遠隔制御端末82bの遠隔制御端末識別情報の位置情報と、第2遠隔制御端末82bの送信する地理的な位置情報と、の一致によって認証を行う。
【0055】
第1端末送信記録記録手段39は、第1端末相互認証手段37による認証が成立した場合に、第2遠隔制御端末82bの送信する送信記録を第1端末記憶手段30に記録する。第1端末記憶手段30には医療提供サービスに利用する薬剤の調剤を規定するレシピに関連した情報を含んだ医療データベースが格納されている。本実施形態では、例えば、医療提供サービスに利用する薬剤の調剤を規定するレシピに関連した情報を含んだ医療データベースに送信記録という項目を設けておき、第1端末送信記録記録手段39がクライアント端末81の該当する患者識別情報の送信記録に記録することが好ましい。
【0056】
第1端末サービス制御手段35は、第1端末クライアント認証手段34による認証が成立した場合に、第1端末記憶手段30に格納されている医療データベースに基づき、第2遠隔制御端末82bの送信する送信記録と重複しないように、医療提供サービスを実行するための制御信号を発生する。たとえば、第1端末サービス制御手段35は、医療データベースのレシピを読み出し、レシピと送信記録を比較して、読み出したレシピから重複部分を削除した制御信号を発生する。又、レシピと送信記録との比較において、副作用や薬剤の相性の一覧を医療データベースから読み出し、相性のよい組み合わせを選択する。
【0057】
第1端末位置情報取得手段31は、自己の地理的な位置情報を取得する。第1端末位置情報送信手段32は、第1端末位置情報取得手段31の取得した自己の地理的な位置情報をクライアント端末81に送信する。又、第1端末制御信号送信手段33は、クライアント端末81に医療提供サービスを実行させるための制御信号を送信する。ここで、医療提供サービスを実行させるための制御信号は、第1端末サービス制御手段35の発生した制御信号である。第1端末位置情報取得手段31は、送信した制御信号又は制御信号の内容を、送信記録として第1端末記憶手段30の医療データベースに追加することが好ましい。
【0058】
図11は、実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態を示す第1模式図である。図11では、図9に示す第1遠隔制御端末82aは医療機関Aに設置され、第2遠隔制御端末82bは医療機関Bに設置される場合について説明する。医療機関Aがすでに当該のP2Pネットワーク内のメンバーとして閉域P2P管理サーバ88に登録されたメンバーである場合に、新たに医療機関Bが当該のP2Pネットワークのメンバーとして加わるために、必要な接続処理の概要を示している。
【0059】
医療機関A、Bは、データの送受を受け持つ第1遠隔制御端末82a及び第2遠隔制御端末82bに、既にP2P機能を有したソフトウェアを搭載しており、医療データベースが医療機関A、Bに設置されているとする。当該の第1遠隔制御端末82a及び第2遠隔制御端末82bは、P2Pネットワーク接続された医療データベースから、上述した診療上に必要となる情報を、相互認証が成功した後に、当該P2Pネットワーク経由で読み出し、相手側の医療機関とデータの共有を図ることが可能になる。上述の相互認証を実現する、P2Pネットワークを構成するためには、閉域P2P管理サーバ88を設置し、当該の閉域P2P管理サーバ88は図12に示すような、医療機関相互を認証するための認証用データフォーマットを活用する場合が考えられる。この認証用データフォーマットには、医療機関A,Bに対応する医療機関識別情報、公開鍵、認証用のパスワードに加え、病院内の特定に位置情報(位置情報等から取得する場合が想定できる)、各医療機関の遠隔制御端末82a、82bのIPアドレス等が含まれる必要がある。各医療機関の遠隔制御端末82a、82bは、搭載されたP2P実現用のソフトウェアを用い、当該の閉域ネットワークに参加する際に、前記閉域P2P管理サーバ88に対して、当該の病院自身の指定する位置情報を通知するための、位置情報を取得する。
【0060】
ここで、位置情報はGPS衛星97から送信されてくる情報は、医療機関Bにおいて第2端末位置情報取得手段41によって受信され、接続されている第2遠隔制御端末82bに転送される。次に、医療機関識別情報、認証用のパスワード、IPアドレス等を、GPS情報等を含む位置情報と共に、閉域P2P管理サーバ88へ送信する。
【0061】
この情報を受信した閉域P2P管理サーバ88は、すでに登録および管理されているBの医療機関識別情報、位置情報、認証用パスワードを、送信されてきた前記データと比較することにより、医療機関Bが正規の医療機関であることを認証した場合にのみ、送信元のIPアドレスを、医療機関の遠隔制御端末のIPアドレス(IPBに対応)として登録する。その後で、閉域P2P管理サーバ88は、すでにP2Pネットワークに参加している医療機関AのIPアドレスを医療機関Bに送信する。この際、すでにP2Pネットワークに複数の医療機関の遠隔制御端末が参加している場合には、それら全てのIPアドレスを送信することも可能である。その後、医療機関A及び医療機関Bの遠隔制御端末間で、データの転送が行われる。医療機関Bから、医療機関Aに対して、医療用のデータ送信を行う場合、P2Pネットワークメカニズムによる(医療用)送受信データは、位置情報、医療機関識別情報、認証用パスワードが含まれる。ここで、閉域P2P管理サーバ88には、予め、医療機関A、Bの医療機関識別ID、公開鍵、認証用のパスワード、位置情報の登録が済んでいるものとする。
【0062】
図13は、実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態を示す第2模式図である。P2Pネットワークメカニズムによる(医療用)データ送受信の例を説明する。医療機関Bから、医療機関Aに対して、医療用のデータ送信を行う場合を示している。ここで、閉域P2P管理サーバ88には、予め、医療機関A、Bの医療機関識別ID、公開鍵、認証用のパスワード、GPS情報の登録が済んでいるものとする。図14は、実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態の流れを示した説明図である。閉域P2P管理サーバ88と医療機関A、B間のデータシーケンス例を示す。まず、医療機関BはGPS衛星97から自身の保有する特定の位置情報を取得する。その後、閉域P2P管理サーバ88に対して位置情報を含む認証データを送信する。この認証データを受信した閉域P2P管理サーバ88は、すでに登録されている医療機関Bの医療機関識別ID、位置情報、認証用パスワードを、送信されてきた前記データと比較して照合することにより、医療機関Bが正規に登録されている医療機関であることを認証する。ここで、閉域P2P管理サーバ88は、医療機関Aの公開鍵と位置情報を医療機関Bの公開鍵によって暗号化した後、医療機関Bへ転送する。このシーケンスによって、仮に、閉域P2P管理サーバ88にアクセスした医療機関Bが、実は、医療機関Bを偽った、第3者であったとしても、当該の第3者は、医療機関Aの公開鍵を正常に復号化することは不可能であり、医療機関Aの位置情報等が、盗用されること無い。医療機関B側の遠隔制御端末82bのP2Pソフトウェアにおいて、医療機関A側端末のIPアドレスが登録されていない場合には、閉域P2P管理サーバ88は、医療機関Aの公開鍵と共に医療機関AのIPアドレスも同時に、医療機関B側の端末に送信する。
【0063】
次の段階では、閉域P2P管理サーバ88は、医療機関Aの公開鍵を用いて、医療機関Bの位置情報を暗号化した後、医療機関Aに送信する。医療機関Bは、医療機関Aの公開鍵を用いて、医療機関Bの生成した共通鍵を暗号化した後、医療機関Aに送信する。医療機関Aは、受信した共通鍵を医療機関A自身の秘密鍵によって復号化する。その後は、この共通鍵によって、相互に通信を行うことができる。医療機関Aと医療機関Bとが、相互に、通信を行う際には、各遠隔制御端末間で通信されるデータパケットには、ヘッダの一部として当該に医療機関内の特定の位置情報を含むGPS情報等を埋め込んで通信を行うことが望ましい。各通信端末ではデータパケット受信時に、このGPS情報と閉域P2P管理サーバ88から入手した通信相手のGPS情報を逐次チェックを行い、内容が一致しない場合が、生じた際には、警告もしくは通信の切断を行うことができる。仮に何らかの理由でIDとパスワードが第3者に知られている場合においても、当該の医療機関Bの位置情報は、正確かつ絶対的な位置情報であるため、認証データとしての信頼性は、確実に保証できる。以上述べたシーケンスを用いることにより、事前に登録されていない、第3者による、当該の閉域ネットワークへの参加を排除することが可能である。なお、このシーケンスによって入手した通信相手の公開鍵および位置情報は、当該P2Pソフトウェア内部で一定期間、もしくは当該の公開鍵、位置情報が変更されるまで保持することが望ましい。上述したネットワーク接続制御用のメカニズムを活用することにより、再度、同一の通信相手と通信を行う際には、閉域P2P管理サーバ88への公開鍵のアクセスを省略することにより、閉域P2P管理サーバ88への負荷を軽減することによる運用も可能となる。
【0064】
図15は、実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態を示す第3模式図である。図16は、実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態を示す第3模式図の流れを示した説明図である。P2Pのネットワーク制御メカニズムによる通信の対象が、前述の第2の適用例のような、移動医療設備であった場合の、関連する通信設備の間におけるデータ送受信の実施例を説明する。閉域P2P管理サーバ88、通信端末、医療機関Aの間における当該データシーケンス例を図16に示す。ここで、医療機関Bは、移動医療設備96の、医療機関Aへの経路を管理できる認証用データベース86bを保有しているものとする。ここで、移動医療設備96内の移動通信端末98は、図6で説明した通信制御用の端末装置である。当該の移動通信端末98が、医療機関Aを認証するための認証用データベース86mを保有しており、移動医療設備96の近隣にある医療機関Aと通信を行う場合について、以下に説明する。
【0065】
移動通信端末98は、GPS衛星97から自身の持つ、位置情報を取得する。その後、移動通信端末98は、閉域P2P管理サーバ88に対してGPSデータを送信する。この情報を受信した閉域P2P管理サーバ88は、すでに登録されている医療機関リストの中から、移動通信端末98から送信されてきた位置情報と、地理的に近い医療機関(通常は、管轄地域に対応する医療機関)を選出する。その後、閉域P2P管理サーバ88は、選出した医療機関の管理する移動医療設備96から、近隣に存在する医療機関Aへの、認証用データベースを取得するために、当該の移動通信端末98から送信された位置情報に関する、問い合わせを行う。移動通信端末98が移動医療機関Bが所有する、正しい移動通信端末98であることを通知する。移動通信端末98は、閉域P2P管理サーバ88から医療機関Aの公開鍵を受信する。次に、移動通信端末98は、医療機関Aの公開鍵を用いて、移動通信端末98自身の生成した共通鍵を暗号化した後、医療機関Aに送信する。医療機関Aは受信した共通鍵を医療機関Aの秘密鍵によって復号化する。その後は、この共通鍵を用いて、正常に、通信が実施される。
【0066】
移動医療設備96内の移動通信端末98は、GPS衛星97から自身の持つ、位置情報を取得する。その後、当該の移動通信端末98は、閉域P2P管理サーバ88に対してGPSデータを送信する。GPSデータの情報を受信した閉域P2P管理サーバ88は、すでに登録されている医療機関リストの中から、移動通信端末98から送信されてきた位置情報と、地理的に近い医療機関(通常は、管轄地域に対応する医療機関)を選出する。その後、閉域P2P管理サーバ88は、選出した医療機関の管理する移動医療設備から、近隣に存在する医療機関Aへの、認証用データベースを取得するために、当該の移動通信端末98から送信された位置情報に関する、問い合わせを行い、移動通信端末98が医療機関Bが所有する、正しい移動通信端末98であることを通知する。移動通信端末98は、閉域P2P管理サーバ88からAの公開鍵を受信する。次に、移動通信端末98は、医療機関Aの公開鍵を用いて、移動通信端末98自身の生成した共通鍵を暗号化した後、医療機関Aに送信する。医療機関Aは受信した共通鍵を医療機関Aの秘密鍵によって復号化する。その後は、この共通鍵を用いて、正常に、通信が実施される。
【0067】
図17は、実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態を示す第4模式図である。図18は、実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態を示す第4模式図の流れを示した説明図である。P2Pによる医療機関同士が、相互に連携して、患者に対して、遠隔医療を行う場合の例を示すものである。閉域P2P管理サーバ88、患者宅aに存在するクライアント端末81、医療機関A、医療機関B、医療機関Cの間における、通信時のデータシーケンス例を図18に示す。患者宅aのクライアント端末81及び医療機関A、医療機関B、医療機関Cの遠隔制御端末82a、82b、82cは、前述の図11に示した手段を用いて、すでにP2Pネットワークに参加しており、各々のIPアドレス及び秘密鍵、位置情報等は、各々の遠隔制御端末内のP2Pソフトウェアの一部に保持されているものとする。また、ここで、対象とする患者宅aの患者は、医療機関A、医療機関B、及び医療機関Cで診療を受けており、医療機関Cに対して薬剤の処方データを要求する場合に、医療機関Cが医療機関A及び医療機関Bに問い合わせを行い、重複投与や薬剤の相互的副作用を防ぐことを、可能とするための、データ処理シーケンスについて、以下に、その一例を説明する。
【0068】
まず、患者宅aのクライアント端末81はGPS衛星97からの位置情報等を用いて、患者宅a内の特定の位置情報を取得する。次に、患者宅aのクライアント端末81は、医療機関Cに対して薬剤の処方データを要求するための制御パケットに、自身の位置情報を付加して医療機関C宛に送信する。この際、薬剤の処方データを要求する制御パケットには、患者自身が医療機関A、医療機関B、及び医療機関Cで診療を受けていることを情報として付加することも可能である。以下の例では、医療機関B、及び医療機関Cで診療を受けていることを、当該の患者が、制御パケットに情報として付加する場合について説明を行う。
【0069】
患者からの制御パケットを受信した、医療機関Cは、P2Pソフトウェア内部に保持されている患者宅aの位置情報と、薬剤の処方データ要求パケットに付加された位置情報とを比較照合し、一致した場合にのみ、GPS衛星97から、自身の所在情報を取得した後、医療機関Aに対して、自身の位置情報を付加した患者の診療情報を要求するパケットを送信する。このパケット情報を受信した医療機関Aは、P2Pソフトウェア内部に保持されている医療機関Cの位置情報と、患者の診療情報を要求するパケットに付加された位置情報とを用いて、正常性をチェックし、正常性が確認された場合にのみ、GPS衛星97から自身の所在情報を取得した後、医療機関Cに対して、自身の位置情報を付加した、患者の診療情報内容を含むパケットデータを送信する。
【0070】
その後、医療機関Cは、医療機関Bに対して、自身の位置情報を付加した患者の診療情報を要求するパケットを送信する。これを受けた医療機関Bは、P2Pソフトウェア内部に保持されている医療機関Cの位置情報と、患者の診療情報を要求するパケットに付加された位置情報の正常性をチェックし、正常性が確認された場合のみ、GPS衛星97から自身の所在情報を取得した後、医療機関Cに対して、自身の位置情報を付加した患者の診療情報を含むパケットデータを送信する。
【0071】
医療機関Cでは、医療機関A、及びBから得られた患者の診療情報を含む、データパケットに付加された位置情報と、P2Pソフトウェア内部に保持されている医療機関A及び医療機関Bの位置情報とを比較し、一致する場合のみ、正常に患者の診療情報パケットを、当該の相互連携した医療機関から受信できたとみなす。その後、医療機関Cは医療機関A及び医療機関Bから得られた患者の診療情報と医療機関Cが所持する患者の診療情報から、適切な、薬剤の処方データパケットを作成する。このデータパケットに医療機関Cの保有する位置情報を特定する位置情報を付加し、患者宅aに送信する。
【0072】
患者宅aでは、P2Pソフトウェア内部に保持されている医療機関Cの位置情報(GPS情報等)と送信されてきた薬剤の処方データパケットに、付加された位置情報(GPS情報等)とを比較照合し、一致した場合にのみ、薬剤の処方データを用いて、患者に対して薬剤の処方を実行するようにクライアント端末81を動作させる。
【0073】
上述した説明例では、医療機関B、及び医療機関Cで診療を受けていることを、患者宅aの患者が、制御パケットに情報として付加する場合を想定したが、仮に、当該の情報が付加されない場合においても、病院相互での連携が事前になされている場合には、同様の処理が可能である。
【0074】
以上述べたように、実施形態1及び実施形態2により、従来の遠隔医療システムでは実現が成されていなかった、病院側と患者側、ならびに、病院相互間においての、相互認証メカニズムを、ネットワークと位置情報等を活用して、高い信頼性で、かつ迅速に実施できるシステムの構築が初めて、可能になることを示した。このメカニズムは、安全な遠隔医療診断サービスを、ネットワークを有効に活用し、位置情報、公開暗号方式およびP2P技術全てを、効果的に組み合わせて使用することにより、初めて実現することが可能となる。
【0075】
また、実施形態1及び実施形態2では、既存の香料または薬剤を発生させることのできる治療装置87とクライアント端末81を接続し、当該クライアント端末81に遠隔制御ができるサーバ機能を搭載することにより、遠隔医療のみならず、遠隔地から、顧客または、患者に対してリラクゼーション効果の高い、環境を提供することも可能である。例えば、ホテルでの重要顧客(VIP)用のサービスを向上させることや、アロマセラピストによる、遠隔診療、喘息等の患者に対する、適切な薬剤投与等を、医師および医療機関の責任において、相互認証できる機能を活用して、安全性やセキュリティの確保を万全にして、患者あるいは、顧客が、安心できる遠隔医療サービスを、確実に実施することが可能となる。実施形態1及び実施形態2により、各医療機関が提供する認証用データベース情報を、相互認証後に、相互に有効活用することも、初めて可能となり、更に、患者に対する医療に対する信頼性の向上、治療効果の促進など、今後の医療福祉社会に与える影響は、非常に大きいと考えられる。また、通院することが、困難な、特に身動きが、難しい、重度の身体障害者の方や、高齢者の方に対しても、本発明で考案した、遠隔治療システムのメカニズムは非常に有効であると考えられる。
【0076】
実施形態1及び実施形態2により、医療機関が、協力して、IT技術とネットワーク技術を駆使して、自動的に、かつ定期的に、安心して当該の遠隔医療を行う環境を提供することができる。
【0077】
更に、アロマセラピスト等の専門家が、事前に要望のあった、被験者、または患者に対して、遠隔から当該の患者が要望する、癒し効果の高い、香りの組み合わせ、またはアロマセラピストが、診療用に処方する、香りの組み合わせ等を、医師の診断のもとで、相互認証がなされた、高いセキュリティのもとで、安心して享受できる、高度な医療サービスを実現することも可能となり、本発明の応用範囲は極めて広範囲にわたる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、遠隔医療やアロマセラピストが、医師の判断のもとに、診療用に処方する香りの組み合わせを提供するためのサービスに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施形態1に係る遠隔制御システムの構成図である。
【図2】実施形態1の遠隔制御システムの流れを示した説明図である。
【図3】遠隔端末認証手段の格納する認証用データベースの一例である。
【図4】制御信号送信手段の送信する情報の一例を示す説明図である。
【図5】クライアント端末認証手段の格納する認証用データベースの一例である。
【図6】遠隔端末認証手段の認証方法の別形態を示す説明図である。
【図7】遠隔端末認証手段の格納する認証用データベースの一例である。
【図8】実施形態2に係る遠隔制御システムの概略図である。
【図9】実施形態2に係る遠隔制御システムの構成図である。
【図10】実施形態2の遠隔制御システムの流れを示した説明図である。
【図11】実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態を示す第1模式図である。
【図12】医療機関相互を認証するための認証用データフォーマットである。
【図13】実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態を示す第2模式図である。
【図14】実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態の流れを示した説明図である。
【図15】実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態を示す第3模式図である。
【図16】実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態を示す第3模式図の流れを示した説明図である。
【図17】実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態を示す第4模式図である。
【図18】実施形態2に係る遠隔制御システムの第2形態を示す第4模式図の流れを示した説明図である。
【符号の説明】
【0080】
11 クライアント端末位置情報取得手段
12 クライアント端末送信手段
13 制御信号受信手段
14 クライアント端末認証手段
15 サービス実行手段
20 遠隔制御端末記憶手段
21 遠隔制御端末位置情報取得手段
22 遠隔制御端末送信手段
23 制御信号送信手段
24 遠隔端末認証手段
25 サービス制御手段
30 第1端末記憶手段
31 第1端末位置情報取得手段
32 第1端末位置情報送信手段
33 第1端末制御信号送信手段
34 第1端末クライアント認証手段
35 第1端末サービス制御手段
36 第1端末相互送信手段
37 第1端末相互認証手段
39 第1端末送信記録記録手段
40 第2端末記憶手段
41 第2端末位置情報取得手段
42 第2端末位置情報送信手段
43 第2端末制御信号送信手段
44 第2端末クライアント認証手段
45 第2端末サービス制御手段
46 第2端末相互送信手段
47 第2端末相互認証手段
48 第2端末送信記録送信手段
81 クライアント端末
82 遠隔制御端末
82a 第1遠隔制御端末
82b 第2遠隔制御端末
86b、86m 認証用データベース
87 治療装置
88 閉域P2P管理サーバ
91、92 遠隔制御システム
95 通信ネットワーク
96 移動医療設備
97 GPS衛星
98 移動通信端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療提供サービスに利用する薬剤又は香り提供サービスに利用する香料の調剤を規定するレシピに関連した情報を含んだデータベースに基づき、遠隔制御端末が通信ネットワークを介してクライアント端末を制御して前記クライアント端末に前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実行させる遠隔制御システムにおいて、
前記クライアント端末は、
自己の地理的な位置情報を取得するクライアント端末位置情報取得手段と、
前記クライアント端末位置情報取得手段の取得した前記位置情報を前記遠隔制御端末に送信するクライアント端末送信手段と、
前記遠隔制御端末からの制御により前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実施するための制御信号を受信する制御信号受信手段と、
前記遠隔制御端末の送信する地理的な位置情報を認証するクライアント端末認証手段と、
前記クライアント端末認証手段による認証が成立した場合に、前記制御信号受信手段の受信した制御信号に従い、前記薬剤を調剤して提供する医療提供サービス又は前記香料を調剤して提供する香り提供サービスを実行するサービス実行手段と、を備え、
前記遠隔制御端末は、
自己の地理的な位置情報を取得する遠隔制御端末位置情報取得手段と、
前記遠隔制御端末位置情報取得手段の取得した自己の地理的な位置情報を前記クライアント端末に送信する遠隔制御端末送信手段と、
前記クライアント端末に前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実行させるための制御信号を送信する制御信号送信手段と、
前記クライアント端末の送信する地理的な位置情報を認証する遠隔端末認証手段と、
前記遠隔端末認証手段による認証が成立した場合に、前記データベースに基づき、前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実行するための制御信号を発生するサービス制御手段と、を備えることを特徴とする遠隔制御システム。
【請求項2】
前記クライアント端末は移動端末であり、
前記遠隔端末認証手段は、予め定められた複数の経路のいずれかの経路上であることによって、前記クライアント端末の送信する地理的な位置情報を認証することを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項3】
前記クライアント端末送信手段は、自己の地理的な位置情報を前記遠隔制御端末に繰り返し送信し、
前記遠隔制御端末送信手段は、自己の地理的な位置情報を前記クライアント端末に繰り返し送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔制御システム。
【請求項4】
医療提供サービスに利用する薬剤又は香り提供サービスに利用する香料の調剤を規定するレシピに関連した情報を含んだデータベースに基づき、複数の遠隔制御端末が通信ネットワークを介してクライアント端末を制御して前記クライアント端末に前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実行させる遠隔制御システムにおいて、
前記遠隔制御端末のうちの1つである第1遠隔制御端末は、
自己の地理的な位置情報を取得する第1端末位置情報取得手段と、
前記第1端末位置情報取得手段の取得した自己の地理的な位置情報を前記遠隔制御端末のうちの他の第2遠隔制御端末に送信する第1端末相互送信手段と、
前記第2遠隔制御端末の送信する地理的な位置情報を認証する第1端末相互認証手段と、
前記データベースを格納する第1端末記憶手段と、
前記第1端末相互認証手段による認証が成立した場合に、前記第2遠隔制御端末の送信する送信記録を前記第1端末記憶手段に記録する第1端末送信記録記録手段と、を備え、
前記遠隔制御端末のうちの他の第2遠隔制御端末は、
自己の地理的な位置情報を取得する第2端末位置情報取得手段と、
前記第2端末位置情報取得手段の取得した自己の地理的な位置情報を前記第1遠隔制御端末に送信する第2端末相互送信手段と、
前記第1遠隔制御端末の送信する地理的な位置情報を認証する第2端末相互認証手段と、
前記データベースを格納する第2端末記憶手段と、
前記クライアント端末に前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実行させるための制御信号を送信し、当該制御信号を前記第2端末記憶手段に記録する第2端末制御信号送信手段と、
前記第2端末相互認証手段による認証が成立した場合に、前記第2端末記憶手段の記録している前記送信記録を前記第1遠隔制御端末に送信する第2端末送信記録送信手段と、
を備えることを特徴とする遠隔制御システム。
【請求項5】
前記第1遠隔制御端末は、さらに、
前記第1端末位置情報取得手段の取得した自己の地理的な位置情報を前記クライアント端末に送信する第1端末位置情報送信手段と、
前記クライアント端末の送信する地理的な位置情報を認証する第1端末クライアント認証手段と、
前記第1端末クライアント認証手段による認証が成立した場合に、前記データベースに基づき、前記第2遠隔制御端末の送信する送信記録と重複しないように、または不適切な組み合わせのレシピとならないように、前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実行するための制御信号を発生する第1端末サービス制御手段と、をさらに備え、
前記クライアント端末は、
自己の地理的な位置情報を取得するクライアント端末位置情報取得手段と、
前記クライアント端末位置情報取得手段の取得した前記位置情報を前記第1遠隔制御端末に送信するクライアント端末送信手段と、
前記第1遠隔制御端末からの制御により前記医療提供サービス又は前記香り提供サービスを実施するための制御信号を受信する制御信号受信手段と、
前記第1遠隔制御端末の送信する地理的な位置情報を認証するクライアント端末認証手段と、
前記クライアント端末認証手段による認証が成立した場合に、前記薬剤を調剤して提供する医療提供サービス又は前記香料を調剤して提供する香り提供サービスを実行するサービス実行手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の遠隔制御システム。
【請求項6】
前記クライアント端末送信手段は、自己の地理的な位置情報を前記第1遠隔制御端末に繰り返し送信し、
前記第1端末位置情報送信手段は、自己の地理的な位置情報を前記クライアント端末に繰り返し送信することを特徴とする請求項4又は5に記載の遠隔制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−108121(P2008−108121A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291311(P2006−291311)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(800000068)学校法人東京電機大学 (112)
【Fターム(参考)】