説明

部品供給装置

【課題】部品搬送路における振動を水平状態のまま斜方向に振動できる部品供給装置を提供する。
【解決手段】リニアフィーダ300においては、第1搬送路320、第2搬送路330内を搬送する微小部品に振動を伝達させることができ、微小部品を安定して搬送することができる。また、本発明に係るリニアフィーダ300においては、防振部材390が、圧電式振動部303により振動が発生された場合に、圧電式振動部303および防振台301の間の相対距離を伸張させる伸張構造を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を振動により移送することが可能な部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品に対して振動を与えることにより、部品を整列させるとともに、部品の供給を行う部品供給装置の一つとしてパーツフィーダがよく知られている。このパーツフィーダは、部品に振動を与えることにより部品の姿勢を整え、次工程に供給することができる。
【0003】
特許文献1には、加振錘を備えた圧電素子駆動型フィーダについて開示されている。この特許文献1の圧電素子駆動型フィーダによれば、圧電素子貼着用板ばねの高さを高くせずに、該板ばねの変位を大きくしてフィーダの搬送能力を高めることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2002-302232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本来、部品を搬送するべき部品搬送路が、水平状態のまま斜方向に振動することが望ましい。しかしながら、従来の部品供給装置では、部品搬送路が安定して水平状態のまま斜方向に振動しない場合が生じる。例えば、部品供給先側(先端)における部品搬送路が、水平状態を維持していても、部品供給元側(後端)における部品搬送路が、水平状態よりも高く振動する状態がおこる。
【0006】
本発明の目的は、部品搬送路における振動を水平状態のまま斜方向に振動できる部品供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
(1)
本発明に係る部品供給装置は、搬送路に振動を発生させることにより搬送路内に供給される部品を直線状に移送する部品供給装置であって、下部に配設されるベース部と、搬送路が設けられているとともにベース部の上方に配設されて振動を発生する加振部と、加振部よりも下方でベース部よりも上方に設けられる固定部と、搬送路の上流側および下流側の加振部とベース部との間にそれぞれ取り付けられ、加振部からベース部へ伝達される振動を減衰させる防振部材と、加振部と固定部とに複数のボルトにより取り付けられ、弾性変形することにより、固定部と加振部とに互いに逆位相の振動を発生させる駆動部材と、防振部材は、加振部により振動が発生された場合に、加振部およびベース部の間の相対距離を伸張させる伸張構造を有するものである。
【0008】
本発明に係る部品供給装置においては、防振部材が、加振部により振動が発生された場合に、加振部およびベース部の間の相対距離を伸張させる伸張構造を有する。
【0009】
この場合、防振部材が、加振部およびベース部の間の相対距離を伸張させる伸張構造を有するので、ベース部に対して搬送路が平行でない状態で振動した場合に、上流側と下流側とに設けられた防振部材に対する負荷の比率が変化し、当該比率に応じて伸張構造により相対距離の調整が行なわれる。その結果、加振部により振動が発生された場合に、搬送路をベース部に対して平行で、かつ斜め方向に安定して振動することができる。したがって、微小部品を安定してスムーズに搬送することができる。
【0010】
(2)
防振部材は、長手方向を有する板状部材からなり、伸張構造は、板状部材の短手方向に並行に形成された蛇腹構造からなってもよい。
【0011】
この場合、伸張構造は、板状部材に形成された蛇腹構造からなるので、負荷が上流側および下流側のいずれか一方に強く加わった場合には、蛇腹構造が長手方向に伸びて、当該負荷の強く加わった側の加振部およびベース部の間の相対距離を伸張させ、当該負荷が弱い側の加振部およびベース部の間の相対距離を変化させない。また、負荷が上流側および下流側において均等に加わった場合には、蛇腹構造は長手方向に均等に伸びるか、または全く伸びない状態となる。したがって、加振部により振動が発生された場合に、搬送路をベース部に対して平行で、かつ斜め方向に安定して振動することができ、微小部品を安定してスムーズに搬送することができる。
【0012】
(3)
防振部材は、長手方向を有する板状部材からなり、伸張構造は、板状部材の短手方向に並行に形成された凹凸形状からなってもよい。
【0013】
この場合、伸張構造は、板状部材に形成された凹凸形状からなるので、負荷が上流側および下流側のいずれか一方に強く加わった場合には、凹凸形状が長手方向に伸びて、当該負荷の強く加わった側の加振部およびベース部の間の相対距離を伸張させ、当該負荷が弱い側の加振部およびベース部の間の相対距離を変化させない。また、負荷が上流側および下流側において均等に加わった場合には、凹凸形状は長手方向に均等に伸びるか、または全く伸びない状態となる。したがって、加振部により振動が発生された場合に、搬送路をベース部に対して平行で、かつ斜め方向に安定して振動することができ、微小部品を安定してスムーズに搬送することができる。
【0014】
(4)
防振部材は、長手方向を有する板状部材からなり、伸張構造は、板状部材の長手方向に沿って滑らかに湾曲して形成され、かつ短手方向に並行に形成された凹凸形状からなってもよい。
【0015】
この場合、伸張構造は、板状部材に形成された滑らかに湾曲した凹凸形状からなるので、負荷が上流側および下流側のいずれか一方に強く加わった場合には、凹凸形状が長手方向に伸びて、当該負荷の強く加わった側の加振部およびベース部の間の相対距離を伸張させ、当該負荷が弱い側の加振部およびベース部の間の相対距離を変化させない。また、負荷が上流側および下流側において均等に加わった場合には、凹凸形状は長手方向に均等に伸びるか、または全く伸びない状態となる。したがって、加振部により振動が発生された場合に、搬送路をベース部に対して平行で、かつ斜め方向に安定して振動することができ、微小部品を安定してスムーズに搬送することができる。
【0016】
(5)
防振部材は、長手方向を有する板状部材からなり、伸張構造は、板状部材の長手方向と垂直な方向を谷として屈曲された形状からなってもよい。
【0017】
この場合、伸張構造は、板状部材の長手方向と垂直な方向を谷として屈曲された形状からなるので、負荷が上流側および下流側のいずれか一方に強く加わった場合には、屈曲された形状が長手方向に伸びて、当該負荷の強く加わった側の加振部およびベース部の間の相対距離を伸張させ、当該負荷が弱い側の加振部およびベース部の間の相対距離を変化させない。また、負荷が上流側および下流側において均等に加わった場合には、屈曲された形状は長手方向に均等に伸びるか、または全く伸びない状態となる。したがって、加振部により振動が発生された場合に、搬送路をベース部に対して平行で、かつ斜め方向に安定して振動することができ、微小部品を安定してスムーズに搬送することができる。さらに、当該防振部材は、加工部が少ないため、極めて低コストで製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を用いて説明を行う。本発明に係る部品供給装置の一例として、微小な部品を搬送する微小部品供給装置に適合させた場合について説明を行う。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態に係る微小部品供給装置100の一例を示す模式的斜視図である。図1は微小部品供給装置100の上面を示し、図2は微小部品供給装置100の側面を示す。
【0020】
図1および図2に示すように、微小部品供給装置100は、パーツフィーダ200、リニアフィーダ300およびステージ900を含む。
【0021】
また、図2に示すように、パーツフィーダ200は、ボウル状搬送部210と圧電式振動部220とを含む。
【0022】
本実施の形態における微小部品供給装置100においては、ステージ900上にパーツフィーダ200およびリニアフィーダ300が設けられる。図1のパーツフィーダ200の微小部品排出部211には、リニアフィーダ300の微小部品搬入部311が接続されている。さらに、リニアフィーダ300の還流搬送路317には、パーツフィーダ200の受け入れ路217が接続されている。
【0023】
パーツフィーダ200の圧電式振動部220により発振された振動が、圧電式振動部220の上部に載置されたボウル状搬送部210に与えられる。ボウル状搬送部210内には、ボウル状搬送部210の内周に沿って螺旋状の微小部品搬送路が設けられる。ボウル状搬送部210の中央底部に微小部品800(図3参照)が供給され、圧電式振動部220からの振動により微小部品800が螺旋状の搬送路上を搬送され、微小部品排出部211からリニアフィーダ300の微小部品搬入部311に与えられる。
【0024】
また、リニアフィーダ300には、後述するように主に第1搬送部材320、圧電式振動部303および錘部302からなる1台の加振器333が設けられており、加振器333により発振された振動が、リニアフィーダ300の各搬送路に与えられる。それにより、微小部品供給装置100は、微小部品供給装置100の次工程に微小部品800を供給することができる。
【0025】
また、リニアフィーダ300の第1搬送部材320において所定姿勢に整理されなかった微小部品800が存在する場合、または次工程においてトラブルが生じて次工程側に微小部品800を搬送させないようにする場合、第3搬送部材350により微小部品800が、微小部品還流路317からパーツフィーダ200の受け入れ路217を介してボウル状搬送部210の中央底部に戻される。
【0026】
次に、図3は本実施の形態において搬送される微小部品800の形状の一例を示す模式的斜視図である。
【0027】
図3に示すように、微小部品800は、長さL、高さH、幅Bを有する直方体からなる。長さL、高さHおよび幅Bの関係は、H<B<Lの関係を有する。このように、微小部品800は平板状の微小部品からなる。
【0028】
また、微小部品供給装置100は、微小部品800の一方の面に電極が形成されたものである場合が多く、一般に微小部品800の大きさは、長さLが3.2mm〜8mm程度であり、幅Bが2.5mm〜5.0mm程度であり、高さHが0.8mm〜1.7mm程度である。
【0029】
次に、図4は、本実施の形態に係るリニアフィーダ300の一部内部構造を示した模式的側面図である。
【0030】
リニアフィーダ300は、主に防振台301、錘部(カウンターウェイト)302、圧電式振動部303、振動伝達部304、第1搬送部材(直線状搬送部材)320、第2搬送部材(直線状搬送部材)330、接続部材340、第3搬送部材(還流搬送部材)350、弾性板部材360、連結板370、支持ばね380および防振用板ばね390を含む。
【0031】
図4に示すように、本実施の形態におけるリニアパーツフィーダ300においては、支持ばね380および防振用板ばね390が重複して配設される。また、リニアパーツフィーダ300の第1搬送部材320の上流側および下流側の両側にそれぞれ支持ばね380および防振用板ばね390が配設される。なお、本実施の形態における防振用板ばね390の詳細については後述する。
【0032】
また、図4の錘部302および圧電式振動部303の内部には、平板を屈曲させたL字状の弾性部材410が設けられる。弾性部材410の一端側が圧電式振動部303に固定され、他端側が錘部302に固定される。
【0033】
さらに、弾性部材410の両面には、圧電素子411が配設される。この弾性部材410および圧電素子411からなるばね定数は、搬送する部品の重量、大きさおよび搬送路305の重量等によって定められる任意の共振周波数の条件に応じて適宜選択される。
【0034】
圧電素子411は、具体的に、圧電セラミックスを分極処理して弾性部材410の一方の面にプラス極性の分極電位を持たせたものを貼り付け、弾性部材410の他方の面にマイナス極性の分極電位を持たせたものを貼り付ける。それにより、弾性部材410の表裏面に圧電素子411によるバイモルフ構造が形成される。圧電素子411に電荷を付与することにより振動が生じ、圧電式振動部303と錘部302とが互いに逆方向に振動する。なお、錘部302は、圧電式振動部303および第1搬送部材320等の重量に応じて形成された質量からなる。
【0035】
続いて、圧電式振動部303の上部には、振動伝達部304が設けられる。この振動伝達部304は、錘部302に固設された連結板370により固定される。すなわち、振動伝達部304は、錘部302の振動と同期した動きをする。また、振動伝達部304の上面には、第1搬送部材320が固定され、第1搬送部材320の一端側には、第2搬送部材330が接続され、第1搬送部材320の側面には、接続部材340が併設される。弾性板部材360により連結板370と第3搬送部材350とが接続される。第1搬送部材320、第2搬送部材330、第3搬送部材350の搬送路に振動が付与されることにより、微小部品800が搬送路に設けられた搬送溝内を移動する。
【0036】
図5は、支持ばね380および防振用板ばね390の構造の一例を示す模式図である。
【0037】
図5に示すように、支持ばね380は長手方向を有する平板状の弾性部材からなる。また、図5に示すように、防振用板ばね390は長手方向を有する平板状の短手方向に沿って屈曲させた形状を有する弾性部材からなる。
【0038】
ボルト385は、スプリングワッシャおよび平座金を備え、支持ばね380の貫通孔380aおよび防振用板ばね390の貫通穴390aを貫通して、圧電式振動部303に固定される。また、ボルト386は、スプリングワッシャおよび平座金を備え、支持ばね380の貫通孔380b、リング状スペーサ392および防振用板ばね390の貫通穴390bを貫通して、錘部302に固定される。さらに、ボルト395は、スプリングワッシャおよび平座金を備え、さらに貫通穴390cを貫通して防振台301に固定される。
【0039】
図6は、図5に示した支持ばね380および防振用板ばね390の構造を説明するための模式的断面図である。
【0040】
図6に示すように、防振用板ばね390は、図中点A部において屈曲して形成されている。また、防振用板ばね390の貫通穴390bの直径は、他の貫通穴390aおよび390cよりも大きい。すなわち、防振用板ばね390の貫通穴390bの直径は、ボルト386のヘッド部よりも大きな穴径から形成される。よって、支持ばね380が防振用板ばね390の動きに干渉されることなく、圧電式振動部303の振動を錘部302側に伝達することができる。
【0041】
次に、図7は防振用板ばね390の伸張構造の詳細を説明するための説明図である。図7(a)は圧電式振動部303により振動が発生する以前の防振用板ばね390の状態を示し、図7(b)は圧電式振動部303により振動が発生した後の防振用板ばね390の状態を示す。
【0042】
図7(a)に示すように、防振用板ばね390は、板状部材の弾性体からなり、点Aにおいて所定の角度αで屈曲して形成されている。また、圧電式振動部303により振動が発生する以前の防振用板ばね390の全体長さLa1である。
【0043】
一方、圧電式振動部303により振動が発生した後で、かつ負荷が加わった場合、防振用板ばね390の所定の角度αが180度に近づくように変形する。この場合の防振用板ばね390の全体長さはLb1である。この長さLb1は、長さLa1よりも大きな値である。
【0044】
このように、第1の実施の形態に係るリニアフィーダ300においては、圧電式振動部303により振動が発生した後において、防振用板ばね390が、点Aにおいて屈曲された形状の伸張構造を有し、負荷に応じて相対距離の調整が行なわれる。その結果、搬送路305を防振台301に対して平行で、かつ斜め方向に安定して振動することができる。したがって、微小部品800を安定してスムーズに搬送することができる。
【0045】
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態に係るリニアフィーダ300aの一部内部構造を示した模式的側面図である。
【0046】
第2の実施の形態に係るリニアフィーダ300aが、第1の実施の形態に係るリニアフィーダ300と異なるのは、以下の点である。
【0047】
第2の実施の形態に係るリニアフィーダ300aは、第1の実施の形態に係るリニアフィーダ300の防振用板ばね390の代わりに防振用板ばね390xを含む。
【0048】
図9は、支持ばね380および防振用板ばね390xの構造の一例を示す模式図である。
【0049】
図9に示すように、支持ばね380は長手方向を有する平板状の弾性部材からなる。また、図9に示すように、防振用板ばね390xは長手方向を有する平板状の短手方向に沿って複数に屈曲させた蛇腹構造を有する弾性部材からなる。
【0050】
ボルト385は、スプリングワッシャおよび平座金を備え、支持ばね380の貫通孔380aおよび防振用板ばね390xの貫通穴390aを貫通して、圧電式振動部303に固定される。また、ボルト386は、スプリングワッシャおよび平座金を備え、支持ばね380の貫通孔380b、リング状スペーサ392および防振用板ばね390xの貫通穴390bを貫通して、錘部302に固定される。さらに、ボルト395は、スプリングワッシャおよび平座金を備え、さらに貫通穴390cを貫通して防振台301に固定される。
【0051】
図10は、図9に示した支持ばね380および防振用板ばね390xの構造を説明するための模式的断面図である。
【0052】
図10に示すように、防振用板ばね390xは、領域Bにおいて連続して屈曲された蛇腹構造を有する。
【0053】
次に、図11は防振用板ばね390xの伸張構造の詳細を説明するための説明図である。図11(a)は圧電式振動部303により振動が発生する以前の防振用板ばね390xの状態を示し、図11(b)は圧電式振動部303により振動が発生した後の防振用板ばね390xの状態を示す。
【0054】
図11(a)に示すように、防振用板ばね390xは、板状部材の弾性体からなり、領域Bにおいて蛇腹構造を有する。また、圧電式振動部303により振動が発生する以前の防振用板ばね390の全体長さLa2である。
【0055】
一方、圧電式振動部303により振動が発生した後で、かつ負荷が加わった場合、防振用板ばね390xの蛇腹構造である領域Bの長さが長く変化する。この場合の防振用板ばね390xの全体長さはLb2である。この長さLb2は、長さLa2よりも大きな値である。
【0056】
このように、第2の実施の形態に係るリニアフィーダ300aにおいては、圧電式振動部303により振動が発生した後において、防振用板ばね390xが、領域Bにおいて蛇腹の伸張構造を有し、負荷に応じて相対距離の調整が行なわれる。その結果、搬送路305を防振台301に対して平行で、かつ斜め方向に安定して振動することができる。したがって、微小部品800を安定してスムーズに搬送することができる。
【0057】
(第3の実施の形態)
図12は、第3の実施の形態に係るリニアフィーダ300bの一部内部構造を示した模式的側面図である。
【0058】
第3の実施の形態に係るリニアフィーダ300bが、第1の実施の形態に係るリニアフィーダ300と異なるのは、以下の点である。
【0059】
第3の実施の形態に係るリニアフィーダ300yは、第1の実施の形態に係るリニアフィーダ300の防振用板ばね390の代わりに防振用板ばね390yを含む。
【0060】
図13は、支持ばね380および防振用板ばね390yの構造の一例を示す模式図である。
【0061】
図13に示すように、支持ばね380は長手方向を有する平板状の弾性部材からなる。また、図13に示すように、防振用板ばね390yは板状部材の長手方向に沿って滑らかに湾曲して形成され、かつ短手方向に並行に形成された凹凸形状を有する弾性部材からなる。
【0062】
ボルト385は、スプリングワッシャおよび平座金を備え、支持ばね380の貫通孔380aおよび防振用板ばね390yの貫通穴390aを貫通して、圧電式振動部303に固定される。また、ボルト386は、スプリングワッシャおよび平座金を備え、支持ばね380の貫通孔380b、リング状スペーサ392および防振用板ばね390yの貫通穴390bを貫通して、錘部302に固定される。さらに、ボルト395は、スプリングワッシャおよび平座金を備え、さらに貫通穴390cを貫通して防振台301に固定される。
【0063】
図14は、図13に示した支持ばね380および防振用板ばね390yの構造を説明するための模式的断面図である。
【0064】
図14に示すように、防振用板ばね390yは、領域Cにおいて滑らかに湾曲して形成され、かつ短手方向に並行に形成された凹凸形状を有する。
【0065】
次に、図15は防振用板ばね390yの伸張構造の詳細を説明するための説明図である。図15(a)は圧電式振動部303により振動が発生する以前の防振用板ばね390yの状態を示し、図15(b)は圧電式振動部303により振動が発生した後の防振用板ばね390yの状態を示す。
【0066】
図15(a)に示すように、防振用板ばね390yは、板状部材の弾性体からなり、領域Cにおいて滑らかに湾曲して形成され、かつ短手方向に並行に形成された凹凸形状を有する。また、圧電式振動部303により振動が発生する以前の防振用板ばね390の全体長さLa3である。
【0067】
一方、圧電式振動部303により振動が発生した後で、かつ負荷が加わった場合、防振用板ばね390yの凹凸形状である領域Cの長さが長く変化する。この場合の防振用板ばね390yの全体長さはLb3である。この長さLb3は、長さLa3よりも大きな値である。
【0068】
このように、第3の実施の形態に係るリニアフィーダ300においては、圧電式振動部303により振動が発生した後において、防振用板ばね390yが、領域Cにおいて滑らかな凹凸形状からなる伸張構造を有し、負荷に応じて相対距離の調整が行なわれる。その結果、搬送路305を防振台301に対して平行で、かつ斜め方向に安定して振動することができる。したがって、微小部品800を安定してスムーズに搬送することができる。
【0069】
本発明に係る部品供給装置においては、微小部品800が部品に相当し、リニアフィーダ300が部品供給装置に相当し、防振台301がベース部に相当し、圧電式振動部303が加振部に相当し、錘部302が固定部に相当し、防振用板ばね390,390x,390yが防振部材に相当し、点Aの屈曲、領域Bの蛇腹構造、領域Cの凹凸形状がそれぞれ伸張構造に相当し、ボルト385,386,395が複数のボルトに相当し、支持部材380が平板状の弾性板および駆動部材に相当する。
【0070】
本発明は、上記の好ましい一実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る微小部品供給装置の一例を示す模式的斜視図
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る微小部品供給装置の一例を示す模式的斜視図
【図3】本実施の形態において搬送される微小部品の形状の一例を示す模式的斜視図
【図4】本実施の形態に係るリニアフィーダの一部内部構造を示した模式的側面図
【図5】支持ばねおよび防振用板ばねの構造の一例を示す模式図
【図6】図5に示した支持ばねおよび防振用板ばねの構造を説明するための模式的断面図
【図7】防振用板ばねの伸張構造の詳細を説明するための説明図
【図8】第2の実施の形態に係るリニアフィーダの一部内部構造を示した模式的側面図
【図9】支持ばねおよび防振用板ばねの構造の一例を示す模式図
【図10】図9に示した支持ばねおよび防振用板ばねの構造を説明するための模式的断面図
【図11】防振用板ばねの伸張構造の詳細を説明するための説明図
【図12】第3の実施の形態に係るリニアフィーダの一部内部構造を示した模式的側面図
【図13】支持ばねおよび防振用板ばねの構造の一例を示す模式図
【図14】図13に示した支持ばねおよび防振用板ばねの構造を説明するための模式的断面図
【図15】防振用板ばねの伸張構造の詳細を説明するための説明図
【符号の説明】
【0072】
200 パーツフィーダ
300 リニアフィーダ
302 錘部
303 圧電式振動部
320 第1搬送部材
330 第2搬送部材
350 第3搬送部材
360 弾性板部材
370 連結板
380 支持ばね
390 防振用ばね
800 微小部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に振動を発生させることにより前記搬送路内に供給される部品を直線状に移送する部品供給装置であって、
下部に配設されるベース部と、
前記搬送路が設けられているとともに前記ベース部の上方に配設されて振動を発生する加振部と、
前記加振部よりも下方で前記ベース部よりも上方に設けられる固定部と、
前記搬送路の上流側および下流側の前記加振部と前記ベース部とにそれぞれ取り付けられ、前記加振部から前記ベース部へ伝達される振動を減衰させる防振部材と、
前記加振部と前記固定部とに複数のボルトにより取り付けられ、弾性変形することにより、前記固定部と前記加振部とに互いに逆位相の振動を発生させる駆動部材と、
前記防振部材は、前記加振部により振動が発生された場合に、前記加振部および前記ベース部の間の相対距離を伸張させる伸張構造を有することを特徴とする部品供給装置。
【請求項2】
前記防振部材は、
長手方向を有する板状部材からなり、
前記伸張構造は、
前記板状部材の短手方向に並行に形成された蛇腹構造からなることを特徴とする請求項1記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記防振部材は、
長手方向を有する板状部材からなり、
前記伸張構造は、
前記板状部材の短手方向に並行に形成された凹凸形状からなることを特徴とする請求項1記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記防振部材は、
長手方向を有する板状部材からなり、
前記伸張構造は、
前記板状部材の長手方向に沿って滑らかに湾曲して形成され、かつ短手方向に並行に形成された凹凸形状からなることを特徴とする請求項1記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記防振部材は、
長手方向を有する板状部材からなり、
前記伸張構造は、
前記板状部材の長手方向と垂直な方向を谷として屈曲された形状からなることを特徴とする請求項1記載の部品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−68994(P2008−68994A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251026(P2006−251026)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(000002059)神鋼電機株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】