説明

部品実装方法および部品実装機

【課題】押圧工程を有する場合であっても、部品の装着精度が低下しにくい部品実装方法および部品実装機を提供することを課題とする。
【解決手段】部品実装方法は、基板Bfに部品Cを装着する装着工程を複数回実行する部品実装方法であって、N(Nは自然数)回目の装着工程の後であってN+1回目の装着工程の前に、装着された部品Cを押圧する押圧工程と、部品Cが押圧されたことによる基板Bfの位置ずれを確認する確認工程と、を実行することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品や電子部品を覆うカバーなどの部品を、基板に装着する部品実装方法および部品実装機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スマートフォンなどの基板には、カバー付きの電子部品が取り付けられている場合がある。カバーは、電子部品に爪係合されている。当該カバーは、電子部品を基板に装着した後から取り付けられる。具体的には、まず、電子部品を覆うようにカバーを装着する(載置する)。次に、カバーを上方から押さえることにより、カバーを電子部品に係合させる。
【0003】
また、DIP(Dual Inline Package)、SIP(Single Inline Package)、PGA(Pin Grid Array)などのスルーホール実装されるリード付きの電子部品の場合も、一旦、電子部品を基板に装着した後、リードを基板のスルーホールに挿入するために、電子部品を上方から押さえる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−18816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、部品装着時においては、基板の所定の座標に部品を正しく装着する必要がある。このため、部品装着前には、予め、基板の位置決めが行われる。
【0006】
しかしながら、上記カバーのように、上方から押さえる工程つまり押圧工程が必要な部品を連続して基板に装着する場合、押圧工程時に基板に加わる押圧荷重により、基板の位置がずれてしまう場合がある。この場合、当該押圧工程以降に装着する部品の装着座標がずれてしまうことになる。このため、例えば、部品がカバーの場合は、カバーが電子部品に係合しにくくなる。また、例えば、部品がリード付き電子部品の場合は、リードがスルーホールに入りにくくなる。このように、部品の装着精度が低下してしまう。
【0007】
特許文献1には、例えばBGA(Ball Grid Array)やQFP(Quad Flat Package)などの大型の電子部品を基板の所定の座標に装着する前に、当該座標付近を撮像する電子部品の装着方法が開示されている。しかしながら、当該撮像は、座標付近における異物の付着やはんだパターンの崩れなどをチェックするために実行される。同文献には、押圧工程による基板の位置ずれ、および位置ずれの確認を示唆する記載はない。
【0008】
本発明の部品実装方法および部品実装機は、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、押圧工程を有する場合であっても、部品の装着精度が低下しにくい部品実装方法および部品実装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記課題を解決するため、本発明の部品実装方法は、基板に部品を装着する装着工程を複数回実行する部品実装方法であって、N(Nは自然数)回目の前記装着工程の後であってN+1回目の該装着工程の前に、装着された前記部品を押圧する押圧工程と、該部品が押圧されたことによる該基板の位置ずれを確認する確認工程と、を実行することを特徴とする。
【0010】
ここで、「基板に部品を装着する」とは、基板に直接部品を装着する場合は勿論、基板に装着済みの部品に、部品を装着する場合(つまり、基板に間接的に部品を装着する場合)を含む。
【0011】
本発明の部品実装方法は、押圧工程後に確認工程を実行する。このため、押圧工程により基板の位置ずれが発生する場合であっても、確認工程により当該位置ずれを確認することができる。また、位置ずれがある場合は、当該位置ずれを補正することができる。したがって、次回の装着工程において、基板の所定の座標に、部品を、精度よく装着することができる。このように、本発明の部品実装方法によると、押圧工程を有する場合であっても、部品の装着精度が低下しにくい。
【0012】
(1−1)好ましくは、上記基板は、搬送パレットに配置されている構成とする方がよい。本構成によると、基板が保持された搬送パレットが、生産ラインを搬送されることになる。部品を装着する場合は、まず、部品実装機により、搬送パレットが所定の位置に固定される。続いて、搬送パレットに保持された基板に、部品が装着される。
【0013】
このように、基板が搬送パレットに保持されている場合、押圧工程を行うと、押圧荷重により、搬送パレットに対して基板がずれるおそれがある。また、部品実装機に対して搬送パレットがずれるおそれがある。このため、基板が直接生産ラインを搬送される場合と比較して、より基板の位置ずれが大きくなりやすい。この点、本構成によると、基板が搬送パレットに保持されているにもかかわらず、部品の装着精度が低下しにくい。
【0014】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記装着工程と、前記押圧工程と、前記確認工程と、を繰り返し実行する構成とする方がよい。本構成によると、押圧工程を実行するたびに、確認工程を実行することができる。このため、部品の装着精度が低下しにくい。
【0015】
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記確認工程においては、前記基板および該基板に装着済みの前記部品のうち少なくとも一方に配置された基準マークを基に、該基板の位置ずれを確認する構成とする方がよい。
【0016】
部品装着前には、予め、基準マークを用いた基板の位置決めが行われる。本構成によると、当該位置決めの際の処理方法を確認工程に転用することにより、簡単に位置ずれを確認、補正することができる。
【0017】
(4)上記課題を解決するため、本発明の部品実装機は、基板に部品を装着する吸着ノズルと、装着された該部品を押圧する押圧部材と、該吸着ノズルを用いて、該基板に該部品を装着する装着工程を複数回実行する制御装置と、を備える部品実装機であって、前記制御装置は、N(Nは自然数)回目の前記装着工程の後であってN+1回目の該装着工程の前に、前記押圧部材を用いて、装着された前記部品を押圧する押圧工程と、該部品が押圧されたことによる該基板の位置ずれを確認する確認工程と、を実行することを特徴とする。
【0018】
ここで、「基板に部品を装着する」とは、基板に直接部品を装着する場合は勿論、基板に装着済みの部品に、部品を装着する場合(つまり、基板に間接的に部品を装着する場合)を含む。
【0019】
本発明の部品実装機の制御装置は、押圧工程後に確認工程を実行する。このため、押圧工程により基板の位置ずれが発生する場合であっても、確認工程により当該位置ずれを確認することができる。また、位置ずれがある場合は、当該位置ずれを補正することができる。したがって、次回の装着工程において、基板の所定の座標に、部品を、精度よく装着することができる。このように、本発明の部品実装機によると、押圧工程を有する場合であっても、部品の装着精度が低下しにくい。
【0020】
(4−1)好ましくは、上記基板は、搬送パレットに配置されている構成とする方がよい。本構成によると、基板が保持された搬送パレットが、生産ラインを搬送されることになる。部品を装着する場合は、まず、部品実装機により、搬送パレットが所定の位置に固定される。続いて、搬送パレットに保持された基板に、部品が装着される。
【0021】
このように、基板が搬送パレットに保持されている場合、押圧工程を行うと、押圧荷重により、搬送パレットに対して基板がずれるおそれがある。また、部品実装機に対して搬送パレットがずれるおそれがある。このため、基板が直接生産ラインを搬送される場合と比較して、より基板の位置ずれが大きくなりやすい。この点、本構成によると、基板が搬送パレットに保持されているにもかかわらず、部品の装着精度が低下しにくい。
【0022】
(5)好ましくは、上記(4)の構成において、前記制御装置は、前記装着工程と、前記押圧工程と、前記確認工程と、を繰り返し実行する構成とする方がよい。本構成によると、押圧工程を実行するたびに、確認工程を実行することができる。このため、部品の装着精度が低下しにくい。
【0023】
(6)好ましくは、上記(4)または(5)の構成において、前記基板および該基板に装着済みの前記部品のうち少なくとも一方に配置された基準マークを撮像する撮像装置を備え、前記制御装置は、前記確認工程において、該基準マークを基に該基板の位置ずれを確認する構成とする方がよい。
【0024】
部品装着前には、予め、撮像装置により撮像された基準マークを用いて、基板の位置決めが行われる。本構成によると、当該位置決めの際の処理方法を確認工程に転用することにより、簡単に位置ずれを確認、補正することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、押圧工程を有する場合であっても、部品の装着精度が低下しにくい部品実装方法および部品実装機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態の部品実装機を備える生産ラインの上面図である。
【図2】同部品実装機の斜視図である。
【図3】同部品実装機の上面図である。
【図4】同部品実装機の右側面図である。
【図5】同部品実装機のブロック図である。
【図6】図4の枠VI内の拡大図である。
【図7】同部品実装機の装着ヘッドの透過斜視図である。
【図8】搬送パレットの上面図である。
【図9】電子部品とカバーとの分解斜視図である。
【図10】同部品実装機の搬入工程における部分右側面図である。
【図11】同部品実装機の装着前確認工程前段における部分右側面図である。
【図12】同部品実装機の装着前確認工程後段における部分右側面図である。
【図13】同部品実装機の一回目の装着工程の吸着作業における部分右側面図である。
【図14】同部品実装機の一回目の装着工程のカバー撮像作業における部分右側面図である。
【図15】同部品実装機の一回目の装着工程の載置作業における部分右側面図である。
【図16】同部品実施形態の部品実装機の押圧工程の第一位置決め作業における部分右側面図である。
【図17】同部品実装機の押圧工程の第一押圧作業における部分右側面図である。
【図18】同部品実装機の押圧工程の第二位置決め作業における部分右側面図である。
【図19】同部品実装機の押圧工程の第二押圧作業における部分右側面図である。
【図20】同部品実装機の確認工程前段における部分右側面図である。
【図21】同部品実装機の確認工程後段における部分右側面図である。
【図22】装着工程および押圧工程の基板に加わる荷重変化の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の部品実装方法および部品実装機の実施の形態について説明する。
【0028】
<部品実装機の配置および機械的構成>
まず、本実施形態の部品実装機の配置について説明する。図1に、本実施形態の部品実装機を備える生産ラインの上面図を示す。図1に示すように、生産ライン9には、複数の部品実装機90と、リフロー炉91と、部品実装機1と、が左右方向(基板の搬送方向)に並んでいる。図1にハッチングで示すように、本実施形態の部品実装機1は、リフロー炉91の下流側に配置されている。
【0029】
次に、本実施形態の部品実装機の機械的構成について説明する。図2に、本実施形態の部品実装機の斜視図を示す。図3に、同部品実装機の上面図を示す。図4に、同部品実装機の右側面図を示す。図5に、同部品実装機のブロック図を示す。
【0030】
図2においては、ベース2、モジュール3のハウジング37を透過して示す。図3においては、ハウジング37を省略して示す。図4においては、モジュール3のハウジング37を透過して示す。また、トレイフィーダ5の右側のアーム55Rを省略して示す。また、搬送パレット8f、8rを断面で示す。
【0031】
図2〜図5に示すように、部品実装機1は、ベース2と、モジュール3と、トレイフィーダ5と、画像処理装置6と、制御装置7と、を備えている。
【0032】
[ベース2、モジュール3]
ベース2は、直方体箱状を呈している。ベース2は、工場のフロアFに配置されている。モジュール3は、ベース2の上面に着脱可能に配置されている。モジュール3は、基板搬送装置30と、XYロボット31と、装着ヘッド32と、マークカメラ33と、パーツカメラ34と、基板昇降装置35と、吸着ノズル36f、36rと、ハウジング37と、デバイステーブル38と、を備えている。マークカメラ33は、本発明の「撮像装置」の概念に含まれる。吸着ノズル36f、36rは、本発明の「押圧部材」を兼ねている。
【0033】
(ハウジング37、デバイステーブル38、基板搬送装置30、パーツカメラ34)
ハウジング37は、モジュール3の外殻を形成している。デバイステーブル38は、ハウジング37の前部開口に装着されている。
【0034】
基板搬送装置30は、搬送モータ302f、302r(図5参照)と、固定壁300と、第一可動壁301fと、第二可動壁301rと、左右一対のガイドレール303L、303Rと、前後一対のコンベアベルト304fと、前後一対のコンベアベルト304rと、基部305と、前後一対のクランプ片306fと、前後一対のクランプ片306rと、を備えている。
【0035】
左右一対のガイドレール303L、303Rは、基部305の上面に配置されている。左右一対のガイドレール303L、303Rは、前後方向に延在している。
【0036】
固定壁300は、基部305の上面の前端に立設されている。第一可動壁301fは、固定壁300の後方に配置されている。第二可動壁301rは、第一可動壁301fの後方に配置されている。第一可動壁301f、第二可動壁301rは、各々、左右一対のガイドレール303L、303Rに、移動可能に係合している。
【0037】
前後一対のコンベアベルト304fは、固定壁300の後面と、第一可動壁301fの前面と、に配置されている。前後一対のコンベアベルト304fは、左右方向に延在している。前後一対のコンベアベルト304f間には、搬送パレット8fが架設されている。搬送モータ302fは、前後一対のコンベアベルト304fを回転駆動する。前後一対のコンベアベルト304fを回転させることにより、搬送パレット8fを搬送することができる。左右一対のガイドレール303L、303Rに沿って第一可動壁301fを移動させることにより、前後一対のコンベアベルト304f間の搬送幅を、拡縮変更することができる。
【0038】
前後一対のコンベアベルト304rは、第一可動壁301fの後面と、第二可動壁301rの前面と、に配置されている。前後一対のコンベアベルト304rは、左右方向に延在している。前後一対のコンベアベルト304r間には、搬送パレット8rが架設されている。搬送モータ302rは、前後一対のコンベアベルト304rを回転駆動する。前後一対のコンベアベルト304rを回転させることにより、搬送パレット8rを搬送することができる。左右一対のガイドレール303L、303Rに沿って第二可動壁301r、第一可動壁301fを移動させることにより、前後一対のコンベアベルト304r間の搬送幅を、拡縮変更することができる。
【0039】
前後一対のクランプ片306fは、固定壁300の上面と、第一可動壁301fの上面と、に配置されている。前後一対のクランプ片306rは、第一可動壁301fの上面と、第二可動壁301rの上面と、に配置されている。図4に示すように、部品装着の際、前後一対のクランプ片306f、前後一対のクランプ片306rは、搬送パレット8f、8rの上面の左右両縁を、上方から押圧する。なお、搬送パレット8f、8rの構成については、後で詳しく説明する。
【0040】
パーツカメラ34は、デバイステーブル38と、固定壁300と、の間に配置されている。パーツカメラ34は、CCD(Charge−Coupled Device)エリアセンサである。パーツカメラ34は、上向きに配置されている。
【0041】
(基板昇降装置35)
基板昇降装置35は、前後一対のバックアップテーブル350f、350rと、多数のバックアップピン351f、351rと、前後一対の昇降モータ352f、352r(図5参照)と、を備えている。
【0042】
バックアップテーブル350fは、固定壁300と、第一可動壁301fと、の間に配置されている。多数のバックアップピン351fは、バックアップテーブル350fの上面に配置されている。昇降モータ352fは、バックアップテーブル350fを上下方向に駆動する。
【0043】
バックアップテーブル350rは、第一可動壁301fと、第二可動壁301rと、の間に配置されている。多数のバックアップピン351rは、バックアップテーブル350rの上面に配置されている。昇降モータ352rは、バックアップテーブル350rを上下方向に駆動する。
【0044】
図4に示すように、部品装着の際、多数のバックアップピン351f、351rは、搬送パレット8f、8rの下面を、下方から押し上げる。すなわち、部品装着の際、搬送パレット8f、8rは、下方から多数のバックアップピン351f、351rにより、上方から前後一対のクランプ片306f、前後一対のクランプ片306rにより、挟持、固定される。
【0045】
(XYロボット31)
X方向は左右方向に、Y方向は前後方向に、Z方向は上下方向に、各々、対応している。XYロボット31は、X軸モータ311a(図5参照)と、Y軸モータ310a(図5参照)と、Y軸スライド310と、X軸スライド311と、左右一対のY軸下スライド312と、上下一対のX軸下スライド313と、を備えている。
【0046】
左右一対のY軸下スライド312は、ハウジング37の上壁下面に配置されている。Y軸スライド310は、左右一対のY軸下スライド312に取り付けられている。Y軸スライド310は、図5に示すY軸モータ310aにより、前後方向に移動可能である。上下一対のX軸下スライド313は、Y軸スライド310の前面に配置されている。X軸スライド311は、上下一対のX軸下スライド313に取り付けられている。X軸スライド311は、図5に示すX軸モータ311aにより、左右方向に移動可能である。
【0047】
(装着ヘッド32、吸着ノズル36f、36r、マークカメラ33)
図6に、図4の枠VI内の拡大図を示す。図7に、本実施形態の部品実装機の装着ヘッドの透過斜視図を示す。図6、図7に示すように、装着ヘッド32は、X軸スライド311に取り付けられている。このため、装着ヘッド32は、XYロボット31により、前後左右方向に移動可能である。
【0048】
装着ヘッド32は、Z軸モータ320f、320rと、θ軸モータ321f、321r(図5参照)と、ノズル昇降部327f、327rと、を備えている。ノズル昇降部327f、327rの構成は同じである。以下、代表して、ノズル昇降部327fの構成について説明する。
【0049】
ノズル昇降部327fは、昇降ロッド322fと、ホルダ323fと、ボールねじ部324fと、を備えている。ボールねじ部324fは、シャフト324faと、ナット324fbと、上下一対の挟持片324fcと、を備えている。シャフト324faは、上下方向に延在している。シャフト324faは、Z軸モータ320fの回転軸に連結されている。ナット324fbは、シャフト324faに螺合されている。上下一対の挟持片324fcは、ナット324fbに固定されている。昇降ロッド322fは、上下方向に延在している。昇降ロッド322fの上端には、被挟持片322faが配置されている。被挟持片322faは、一対の挟持片324fcにより、上下方向から挟持されている。ホルダ323fは、昇降ロッド322fの下端に配置されている。
【0050】
Z軸モータ320fの回転軸が回転すると、シャフト324faが軸回りに回転し、ナット324fbが上下方向に移動する。被挟持片322faは、一対の挟持片324fcにより、上下方向から挟持されている。このため、昇降ロッド322fつまりホルダ323fは、ナット324fbと共に、上下方向に移動する。θ軸モータ321fは、ホルダ323fを、軸周りに回転駆動する。
【0051】
同様に、ホルダ323rは、Z軸モータ320rおよびノズル昇降部327rにより上下方向に、θ軸モータ321rにより回転方向に、各々駆動される。すなわち、ホルダ323f、323rは、各々、独立して、上下方向、回転方向に動くことができる。
【0052】
吸着ノズル36fはホルダ323fに、吸着ノズル36rはホルダ323rに、各々、交換可能に取り付けられている。このため、吸着ノズル36f、36rは、Z軸モータ320f、320rにより上下方向に、θ軸モータ321f、321rにより回転方向に、移動可能である。吸着ノズル36f、36rには、配管(図略)を介して、負圧、または正圧が供給される。吸着ノズル36f、36rは、負圧を利用して、部品を吸着する。また、吸着ノズル36f、36rは、正圧を利用して、吸着した部品を解放する。
【0053】
吸着ノズル36f、36rの下端には、円板状の押圧部361f、361rが配置されている。押圧部361f、361rの下面は、平面状を呈している。押圧部361f、361rは、部品を押圧する。
【0054】
マークカメラ33は、X軸スライド311に取り付けられている。このため、マークカメラ33は、XYロボット31により、前後左右方向に移動可能である。マークカメラ33は、CCDエリアセンサである。マークカメラ33は、下向きに配置されている。
【0055】
[トレイフィーダ5]
トレイフィーダ5は、デバイステーブル38の前方に配置されている。トレイフィーダ5は、供給パレット50と、左右一対のコンベアベルト53L、53Rと、ハウジング54と、左右一対のアーム55L、55Rと、を備えている。ハウジング54は、台車56に搭載されている。左右一対のアーム55L、55Rは、ハウジング54の後壁後面から、後方に向かって突設されている。左右一対のアーム55L、55Rの後端は、デバイステーブル38の上面に取り付けられている。
【0056】
コンベアベルト53Lは、アーム55Lの右面に配置されている。コンベアベルト53Lは、前後方向に延在している。コンベアベルト53Rは、アーム55Rの左面に配置されている。コンベアベルト53Rは、前後方向に延在している。左右一対のコンベアベルト53L、53R間には、供給パレット50が架設されている。すなわち、供給パレット50は、ハウジング54の内部から、コンベアベルト53L、53Rにより、搬出される。供給パレット50の上面には、多数のカバーCが載置されている。カバーCは、本発明の「部品」の概念に含まれる。
【0057】
<搬送パレット8f、8rの構成>
次に、本実施形態の部品実装機によりカバーが装着される、搬送パレットの構成について説明する。搬送パレット8f、8rの構成は同じである。以下、代表して、搬送パレット8fの構成について説明する。
【0058】
図8に、搬送パレットの上面図を示す。図8に示すように、搬送パレット8fの上面には、四つの収容凹部80fが凹設されている。四つの収容凹部80fには、各々、基板Bfが収容されている。部品実装機1において、基板Bfには、電子部品Pa1、Pa2〜Peが装着、固定されている。すなわち、図1に示すように、電子部品Pa1、Pa2〜Peは、リフロー炉91の上流側に配置された複数の部品実装機90により、基板Bfに装着される。また、電子部品Pa1、Pa2〜Peは、リフロー炉91により、基板Bfに固定される。基板Bfの左前隅、右後隅には、各々、円形の基準マークMが配置されている。なお、図4に示す搬送パレット8f、8rの断面図は、図8に示すIV−IV方向断面図に対応している。
【0059】
図9に、電子部品とカバーとの分解斜視図を示す。図9に示すように、後述する部品実装方法においては、電子部品Pa1に、カバーCが装着される。すなわち、カバーCは、下方に開口する長方形箱状を呈している。カバーCの前壁後面、後壁前面には、各々、爪部C1が突設されている。電子部品Pa1は、長方形板状を呈している。電子部品Pa1の前後両面には、各々、凹部Pa1aが凹設されている。後述する部品実装方法においては、カバーCの前後一対の爪部C1を、電子部品Pa1の一対の凹部Pa1aに、係合させる。
【0060】
<部品実装機の電気的構成>
次に、本実施形態の部品実装機の電気的構成について説明する。
【0061】
[画像処理装置6]
画像処理装置6は、ベース2に収容されている。図5に示すように、画像処理装置6は、マークカメラ33、パーツカメラ34に接続されている。画像処理装置6は、マークカメラ33、パーツカメラ34に取り込まれた画像データを処理する。
【0062】
[制御装置7]
制御装置7は、ベース2に収容されている。制御装置7は、コンピュータ70と、多数の駆動回路と、を備えている。コンピュータ70は、入出力インターフェイス700と、演算部701と、記憶部702と、を備えている。記憶部702には、基準マークMと、カバーCの装着座標と、の相対位置に関するデータなどが予め格納されている。
【0063】
入出力インターフェイス700は、駆動回路を介して、基板搬送装置30の搬送モータ302f、302r、基板昇降装置35の昇降モータ352f、352r、XYロボット31のX軸モータ311a、Y軸モータ310a、装着ヘッド32のZ軸モータ320f、320r、θ軸モータ321f、321r、マークカメラ33、パーツカメラ34に、各々接続されている。また、入出力インターフェイス700は、画像処理装置6に接続されている。
【0064】
<部品実装方法>
次に、本実施形態の部品実装方法について説明する。部品実装方法は、基板Bf、Brにおいて共通している。以下、代表して、基板Bfに対する部品実装方法について説明する。
【0065】
本実施形態の部品実装方法は、搬入工程と、クランプ工程と、装着前工程と、一回目の装着工程と、押圧工程と、確認工程と、二回目の装着工程と、クランプ解除工程と、搬出工程と、を有している。
【0066】
[搬入工程]
本工程おいては、搬送パレット8fを部品実装機1に搬入する。図10に、本実施形態の部品実装機の搬入工程における部分右側面図を示す。なお、図10は、図6に対応している。図1〜図5、図10に示すように、本工程においては、制御装置7が搬送モータ302fを駆動する。そして、前後一対のコンベアベルト304fにより、搬送パレット8fを部品実装機1に搬入する。
【0067】
[クランプ工程]
本工程おいては、カバーCの装着に備えて、搬送パレット8fを固定する。図1〜図6に示すように、本工程においては、制御装置7が昇降モータ352fを駆動する。そして、多数のバックアップピン351fにより、前後一対のコンベアベルト304f上から、搬送パレット8fを持ち上げる。多数のバックアップピン351fは、前後一対のクランプ片306fに当接するまで、搬送パレット8fを持ち上げる。搬送パレット8fは、下方から多数のバックアップピン351fにより、上方から前後一対のクランプ片306fにより、挟持され固定される。
【0068】
[装着前確認工程]
本工程おいては、カバーCの装着に備えて、基板Bfの位置を確認する。図11に、本実施形態の部品実装機の装着前確認工程前段における部分右側面図を示す。図12に、同部品実装機の装着前確認工程後段における部分右側面図を示す。なお、図11、図12は、図6に対応している。
【0069】
図5、図8、図11に示すように、まず、制御装置7がX軸モータ311a、Y軸モータ310aを駆動する。そして、マークカメラ33を、基板Bfの右後隅の基準マークM(図11、図12においては「・」で示す。)の直上に配置する。次に、制御装置7がマークカメラ33を駆動する。そして、基準マークMを撮像する。
【0070】
同様に、図5、図8、図12に示すように、制御装置7は、X軸モータ311a、Y軸モータ310a、マークカメラ33を順次駆動し、基板Bfの左前隅の基準マークM(図11、図12においては「・」で示す。)を撮像する。
【0071】
二つの基準マークMの撮像データは、各々、画像処理装置6に伝送される。画像処理装置6は、二つの撮像データを画像処理し、画像処理データを制御装置7に伝送する。制御装置7の記憶部702には、予め、二つの基準マークMと、カバーCの装着座標と、の相対位置に関するデータが格納されている。制御装置7の演算部701は、画像処理装置6から伝送された画像処理データを基に、撮像された二つの基準マークMの座標を判別し、当該座標を基にカバーCの装着座標を決定する。
【0072】
[一回目の装着工程]
本工程においては、カバーCを一個目の電子部品Pa1の上面に載置する。図13に、本実施形態の部品実装機の一回目の装着工程の吸着作業における部分右側面図を示す。図14に、同部品実装機の一回目の装着工程のカバー撮像作業における部分右側面図を示す。図15に、同部品実装機の一回目の装着工程の載置作業における部分右側面図を示す。なお、図13〜図15は、図6に対応している。
【0073】
図5、図13に示すように、まず、制御装置7がX軸モータ311a、Y軸モータ310a、Z軸モータ320f、θ軸モータ321fを適宜駆動する。そして、供給パレット50上の所定のカバーCの上面に、吸着ノズル36fの下面を当接させる。続いて、制御装置7が吸着ノズル36fに負圧を供給し、カバーCを吸着させる。
【0074】
図5、図14に示すように、次に、制御装置7がX軸モータ311a、Y軸モータ310a、Z軸モータ320fを適宜駆動する。そして、吸着ノズル36fに吸着されたカバーCを、パーツカメラ34の直上に配置する。次に、制御装置7がパーツカメラ34を駆動する。そして、カバーCを撮像する。
【0075】
装着前確認工程における基準マークMの場合と同様に、撮像データは、画像処理装置6に伝送される。画像処理装置6は、撮像データを画像処理し、画像処理データを制御装置7に伝送する。制御装置7の演算部701は、画像処理装置6から伝送された画像処理データを基に、カバーCの吸着状態を確認する。確認の結果、吸着状態が悪い場合は、吸着状態を補正する(例えば、θ軸モータ321fを駆動し、カバーCを回転させる。)。
【0076】
図5、図15に示すように、続いて、制御装置7がX軸モータ311a、Y軸モータ310a、Z軸モータ320f、θ軸モータ321fを適宜駆動する。そして、基板Bf上の所定の電子部品Pa1の上面に、カバーCの下面を当接させる。続いて、制御装置7が吸着ノズル36fに正圧を供給し、カバーCを解放する。つまり、カバーCを電子部品Pa1の上面に載置する。載置する際、図9に示すように、カバーCの前後一対の爪部C1と、電子部品Pa1の前後一対の凹部Pa1aと、を上下方向に対向させる。
【0077】
[押圧工程]
本工程においては、カバーCを一個目の電子部品Pa1に固定する。図16に、本実施形態の部品実装機の押圧工程の第一位置決め作業における部分右側面図を示す。図17に、同部品実装機の押圧工程の第一押圧作業における部分右側面図を示す。図18に、同部品実装機の押圧工程の第二位置決め作業における部分右側面図を示す。図19に、同部品実装機の押圧工程の第二押圧作業における部分右側面図を示す。なお、図16〜図19は、図6に対応している。
【0078】
図5、図16に示すように、まず、制御装置7がX軸モータ311a、Y軸モータ310a、Z軸モータ320fを適宜駆動する。そして、電子部品Pa1の前方の凹部Pa1aの直上に、吸着ノズル36fの押圧部361fを配置する。
【0079】
図5、図17に示すように、続いて、制御装置7がZ軸モータ320fを駆動する。そして、吸着ノズル36fの押圧部361fにより、カバーCを、上方から押圧する。図17に強調して示すように、押圧荷重により、カバーCの前方の爪部C1が、電子部品Pa1の前方の凹部Pa1aに、係合する。
【0080】
図5、図18に示すように、続いて、制御装置7がX軸モータ311a、Y軸モータ310a、Z軸モータ320fを適宜駆動する。そして、電子部品Pa1の後方の凹部Pa1aの直上に、吸着ノズル36rの押圧部361rを配置する。
【0081】
図5、図19に示すように、続いて、制御装置7がZ軸モータ320fを駆動する。そして、吸着ノズル36rの押圧部361rにより、カバーCを、上方から押圧する。押圧荷重により、カバーCの後方の爪部C1が、電子部品Pa1の後方の凹部Pa1aに、係合する。このようにして、本工程においては、カバーCを電子部品Pa1に、爪係合により固定する。
【0082】
[確認工程]
本工程おいては、押圧工程の際の吸着ノズル36rの押圧荷重により、基板Bfに位置ずれが発生したか否かを確認する。図20に、本実施形態の部品実装機の確認工程前段における部分右側面図を示す。図21に、同部品実装機の確認工程後段における部分右側面図を示す。なお、図20、図21は、図6に対応している。
【0083】
図5、図20、図21に示すように、本工程においては、装着前確認工程と同様の作業により、基板Bfの二つの基準マークMの座標を判別する。ここで、装着前確認工程における二つの基準マークMの座標に対して、本工程における二つの基準マークMの座標がずれている場合は、演算部701がずれ量を算出する。そして、当該ずれ量を基に、カバーCの装着座標を補正する。
【0084】
[二回目の装着工程]
本工程においては、一回目の装着工程と同様の作業により、供給パレット50から基板Bfまで、パーツカメラ34経由で、カバーCを搬送する。そして、カバーCを電子部品Pa2の上面に載置する。
【0085】
この後、二回目の押圧工程を実行し、カバーCを電子部品Pa2に固定する。その後、二回目の確認工程を実行し、基板Bfに位置ずれが発生したか否かを確認する。位置ずれが発生した場合は、次回のカバーCの装着座標を補正する。このように、装着工程と押圧工程と確認工程とは、カバーCが必要な電子部品Pa1、Pa2(つまり押圧工程が必要な電子部品)の数に応じて、繰り返し実行される。
【0086】
[クランプ解除工程、搬出工程]
クランプ解除工程においては、搬送パレット8fの固定を解除する。すなわち、図1〜図6に示すように、本工程においては、制御装置7が昇降モータ352fを駆動する。そして、多数のバックアップピン351fを下降させ、前後一対のコンベアベルト304f上に搬送パレット8fを載置する。
【0087】
搬出工程においては、搬送パレット8fを部品実装機1から搬出する。すなわち、図1〜図5、図10に示すように、本工程においては、制御装置7が搬送モータ302fを駆動する。そして、前後一対のコンベアベルト304fにより、搬送パレット8fを部品実装機1から搬出する。
【0088】
<作用効果>
次に、本実施形態の部品実装方法および部品実装機の作用効果について説明する。本実施形態の部品実装方法および部品実装機1によると、制御装置7が、押圧工程(図16〜図19)後に確認工程(図20、図21)を実行する。このため、押圧工程により基板Bfの位置ずれが発生する場合であっても、確認工程により当該位置ずれを確認、補正することができる。したがって、次回の装着工程において、基板Bfの所定の座標にカバーCを、精度よく装着することができる。このように、本実施形態の部品実装方法および部品実装機1によると、押圧工程を有する場合であっても、カバーCの装着精度が低下しにくい。
【0089】
また、基板Bfが搬送パレット8fに保持されている場合、押圧工程を行うと、押圧荷重により、搬送パレット8fに対して基板Bfがずれるおそれがある。また、部品実装機1に対して搬送パレット8fがずれるおそれがある。このため、基板Bfが直接生産ライン9を搬送される場合と比較して、より基板Bfの位置ずれが大きくなりやすい。この点、本実施形態の部品実装方法および部品実装機1によると、基板Bfが搬送パレット8fに保持されているにもかかわらず、カバーCの装着精度が低下しにくい。
【0090】
また、本実施形態の部品実装方法および部品実装機1によると、押圧工程を実行するたびに、確認工程を実行する。このため、カバーCの装着精度が低下しにくい。
【0091】
また、本実施形態の部品実装方法および部品実装機1によると、装着前確認工程の際に実行される、基準マークMを用いた基板Bfの位置ずれ確認方法を、確認工程に転用することができる。このため、簡単に位置ずれを確認することができる。
【0092】
<その他>
以上、本発明の部品実装方法および部品実装機の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0093】
図8に示すように、上記実施形態においては、基板Bfが取り付けられた搬送パレット8fを生産ライン9に流したが、基板Bfを直接生産ライン9に流してもよい。搬送パレット8fにおける基板Bfの配置数は特に限定しない。基板Bfにおける基準マークMの形状、配置数、位置は特に限定しない。また、基準マークMは、カバーCを装着しない電子部品Pb〜Peの上面に配置してもよい。
【0094】
図16〜図19に示すように、上記実施形態においては、押圧工程において、カバーCを二回押圧したが、押圧回数は特に限定しない。また、押圧位置は特に限定しない。また、押圧荷重は特に限定しない。
【0095】
また、図15に示す装着工程の載置作業と、図17に示す押圧工程の第一押圧作業と、を連続的に実行してもよい。図22に、装着工程および押圧工程の基板に加わる荷重変化の模式図を示す。本実施形態の場合、図15〜図17に示すように、装着工程後に、一旦、吸着ノズル36fをカバーCから離している。このため、図22に実線で示すように、装着工程時の荷重曲線と、押圧工程時の荷重曲線と、が分離している。
【0096】
これに対して、図15に示す装着工程の載置作業と、図17に示す押圧工程の第一押圧作業と、を連続的に実行する場合(吸着ノズル36fをカバーCから離さない場合)、図22に点線で示すように、装着工程時の荷重曲線と、押圧工程時の荷重曲線と、が繋がることになる。すなわち、装着工程の載置作業と、押圧工程の第一押圧作業と、を連続的に実行する場合、装着ヘッド32から吸着ノズル36fに、連続的に推力が加わることになる。また、吸着ノズル36fには、上下方向の装着力を緻密に制御できるように、上下方向に伸縮可能なスプリングが装着されている。これらの要因により、図22に点線で示すように、装着工程時の荷重曲線と、押圧工程時の荷重曲線と、が繋がってしまう。
【0097】
ただし、曲線の形状は、装着荷重の極大部D1と押圧荷重の極大部D2とを有する「二山状」になる。極大部D1、D2間には、極大部D1、D2よりも荷重値が小さい領域が存在する。このように、吸着ノズル36fをカバーCから離さない場合であっても、本発明の部品実装方法の、装着工程と、押圧工程と、を実行することができる。
【0098】
図9に示すように、カバーCと電子部品Pa1との係合方法は特に限定しない。押圧により装着できる係合方法であればよい。また、係合点数、係合位置は特に限定しない。また、カバーCを、電子部品Pa1ではなく、基板Bfに係合させてもよい。
【0099】
図1に示すように、リフロー炉91よりも上流側の部品実装機90で、本実施形態の部品実装方法を実行してもよい。例えば、DIP、SIP、PGAなどのスルーホール実装されるリード付きの電子部品に対して、部品実装方法を実行してもよい。
【0100】
この場合、押圧工程不要の電子部品(例えば角チップ)と、押圧工程必須の電子部品(例えばコネクタ)と、を同じ部品実装機で基板に装着してもよい。
【0101】
例えば、角チップ♯1〜♯4と、コネクタ♯1、♯2と、を基板に実装する場合、実装パターンAとして、装着工程(角チップ♯1)→装着工程(角チップ♯2)→装着工程(コネクタ♯1)→押圧工程(コネクタ♯1)→確認工程→装着工程(コネクタ♯2)→押圧工程(コネクタ♯2)→確認工程→装着工程(角チップ♯3)→装着工程(角チップ♯4)のように、順次部品を実装すればよい。
【0102】
また、実装パターンBとして、装着工程(角チップ♯1)→装着工程(角チップ♯2)→装着工程(コネクタ♯1)→押圧工程(コネクタ♯1)→装着工程(コネクタ♯2)→押圧工程(コネクタ♯2)→確認工程→装着工程(角チップ♯3)→装着工程(角チップ♯4)のように、順次部品を実装すればよい。すなわち、実装パターンAに対して、押圧工程(コネクタ♯1)後の確認工程を省略してもよい。こうすると、生産効率が向上する。また、角チップ♯3、♯4を実装する際の装着精度を向上させることができる。
【0103】
実装パターンBは、以下のような場合に採用することができる。すなわち、図9に示すように、電子部品Pa1にカバーCが爪係合される場合、カバーCの下縁部(係合方向先端部)に、下方に向かって拡がるテーパ加工部が配置されている場合がある。この場合、装着前に電子部品Pa1とカバーCとの相対的な水平方向位置関係が多少ずれていても、カバーCのテーパ加工部のガイド機能により、当該ずれを吸収しながらカバーCを電子部品Pa1に装着することができる。このような場合に、確認工程を省略することができる。
【0104】
また、リード付き電子部品の場合、リードの挿入方向先端部に、先端に向かって尖るテーパ加工部が配置されている場合がある。また、スルーホールの被挿入方向先端部に、先端に向かって拡がるテーパ加工部が配置されている場合がある。この場合、装着前にリードとスルーホールとの相対的な水平方向位置関係が多少ずれていても、テーパ加工部のガイド機能により、当該ずれを吸収しながらリードをスルーホールに挿入することができる。このような場合に、確認工程を省略することができる。
【0105】
このように、確認工程を省略すると生産効率を向上させることができる。ただし、基板には、複数回の押圧工程により、押圧荷重が繰り返し印荷されてしまう。このため、基板の固定位置がずれている可能性がある。そこで、装着工程(コネクタ♯1)、押圧工程(コネクタ♯1)、装着工程(コネクタ♯2)、押圧工程(コネクタ♯2)のように、装着工程、押圧工程を繰り返した後に、通常の装着工程(角チップ♯3)を行う場合は、装着工程(角チップ♯3)の前に確認工程を行う。当該確認工程により、複数回の押圧工程時の押圧荷重により、基板Bfに位置ずれが発生したか否かを確認することができる。
【0106】
また、実装パターンCとして、装着工程(角チップ♯1)→装着工程(角チップ♯2)→装着工程(コネクタ♯1)→押圧工程(コネクタ♯1)→確認工程→装着工程(コネクタ♯2)→押圧工程(コネクタ♯2)→装着工程(角チップ♯3)→装着工程(角チップ♯4)のように、順次部品を実装すればよい。すなわち、実装パターンAに対して、押圧工程(コネクタ♯2)後の確認工程を省略してもよい。こうすると、生産効率が向上する。このように、装着精度が低くても支障がない電子部品(角チップ♯3、♯4)の装着工程前の確認工程は、省略してもよい。
【0107】
つまり、高い装着精度が要求される電子部品(例えばリード付き電子部品、コネクタなど)の装着工程前に確認工程を行い、高い装着精度が要求されない電子部品(例えば表面実装電子部品、角チップなど)の装着工程前に確認工程を行わない形態で実施してもよい。
【0108】
また、上記実施形態においては、確認工程の際、ずれ量を基にカバーCの装着座標を補正した。つまり、図5に示すXYロボット31の移動量を補正した。しかしながら、基板Bfの位置を補正してもよい。つまり、装着前確認工程時の位置に、基板Bfを復動させてもよい。
【0109】
また、上記実施形態においては、装着ヘッド32に吸着ノズル(押圧部材)36f、36rを二つ配置したが、吸着ノズル36f、36rの配置数は特に限定しない。また、吸着ノズル36f、36rと押圧部材とを別々に配置してもよい。また、マークカメラ33、パーツカメラ34の種類は特に限定しない。CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサでもよい。
【符号の説明】
【0110】
1:部品実装機、2:ベース、3:モジュール、5:トレイフィーダ、6:画像処理装置、7:制御装置、8f:搬送パレット、8r:搬送パレット、9:生産ライン。
30:基板搬送装置、31:XYロボット、32:装着ヘッド、33:マークカメラ(撮像装置)、34:パーツカメラ、35:基板昇降装置、36f:吸着ノズル、36r:吸着ノズル、37:ハウジング、38:デバイステーブル、50:供給パレット、53L:コンベアベルト、53R:コンベアベルト、54:ハウジング、55L:アーム、55R:アーム、56:台車、70:コンピュータ、80f:収容凹部、90:部品実装機、91:リフロー炉。
300:固定壁、301f:第一可動壁、301r:第二可動壁、302f:搬送モータ、302r:搬送モータ、303L:ガイドレール、303R:ガイドレール、304f:コンベアベルト、304r:コンベアベルト、305:基部、306f:クランプ片、306r:クランプ片、310:Y軸スライド、310a:Y軸モータ、311:X軸スライド、311a:X軸モータ、312:Y軸下スライド、313:X軸下スライド、320f:Z軸モータ、320r:Z軸モータ、321f:θ軸モータ、321r:θ軸モータ、322f:昇降ロッド、322fa:被挟持片、323f:ホルダ、323r:ホルダ、324f:ボールねじ部、324fa:シャフト、324fb:ナット、324fc:挟持片、327f:ノズル昇降部、327r:ノズル昇降部、350f:バックアップテーブル、350r:バックアップテーブル、351f:バックアップピン、351r:バックアップピン、352f:昇降モータ、352r:昇降モータ、361f:押圧部、361r:押圧部、700:入出力インターフェイス、701:演算部、702:記憶部。
Bf:基板、Br:基板、C:カバー(部品)、C1:爪部、D1:極大部、D2:極大部、F:フロア、M:基準マーク、Pa1:電子部品、Pa1a:凹部、Pa2:電子部品、Pb〜Pe:電子部品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を装着する装着工程を複数回実行する部品実装方法であって、
N(Nは自然数)回目の前記装着工程の後であってN+1回目の該装着工程の前に、
装着された前記部品を押圧する押圧工程と、
該部品が押圧されたことによる該基板の位置ずれを確認する確認工程と、
を実行することを特徴とする部品実装方法。
【請求項2】
前記装着工程と、前記押圧工程と、前記確認工程と、を繰り返し実行する請求項1に記載の部品実装方法。
【請求項3】
前記確認工程においては、前記基板および該基板に装着済みの前記部品のうち少なくとも一方に配置された基準マークを基に、該基板の位置ずれを確認する請求項1または請求項2に記載の部品実装方法。
【請求項4】
基板に部品を装着する吸着ノズルと、
装着された該部品を押圧する押圧部材と、
該吸着ノズルを用いて、該基板に該部品を装着する装着工程を複数回実行する制御装置と、
を備える部品実装機であって、
前記制御装置は、
N(Nは自然数)回目の前記装着工程の後であってN+1回目の該装着工程の前に、
前記押圧部材を用いて、装着された前記部品を押圧する押圧工程と、
該部品が押圧されたことによる該基板の位置ずれを確認する確認工程と、
を実行することを特徴とする部品実装機。
【請求項5】
前記制御装置は、前記装着工程と、前記押圧工程と、前記確認工程と、を繰り返し実行する請求項4に記載の部品実装機。
【請求項6】
前記基板および該基板に装着済みの前記部品のうち少なくとも一方に配置された基準マークを撮像する撮像装置を備え、
前記制御装置は、前記確認工程において、該基準マークを基に該基板の位置ずれを確認する請求項4または請求項5に記載の部品実装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−38198(P2013−38198A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172597(P2011−172597)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】