部材締結用アンカー
【課題】
従来の拡開アンカーの拡開能力範囲は最大で筒体の穴の直径から溝の巾を差し引いた分だけが筒体の外部の壁面に出張るようにしたものであった。そのために取付基体の材質が弱いものにおいては、出張りが少ないので拡開範囲が少なくなり取付基体から抜け出す場合があった。
又、二枚の板を一方向から締付け取り付する場合に拡開するための締結にネジを必要としたので、ネジ部に硬い金属を使用しなければならなかつた。
【解決手段】
この発明は図1のように取付基体Xに取付部材Aと取付部材Bを取り付けすることにおいて、筒体1の上部にネジ部10を設け、このネジ部10に螺合するナット11を設けてある。又、筒体1の他端にはスリット4を設けてある。そのような筒体1の内部9に、軸体2の外径より極めて小さな断面を有した連成部7を設けて、軸体2からなる駒軸5を形成した一本の軸を圧入して部材締結用アンカーを構成している。
従来の拡開アンカーの拡開能力範囲は最大で筒体の穴の直径から溝の巾を差し引いた分だけが筒体の外部の壁面に出張るようにしたものであった。そのために取付基体の材質が弱いものにおいては、出張りが少ないので拡開範囲が少なくなり取付基体から抜け出す場合があった。
又、二枚の板を一方向から締付け取り付する場合に拡開するための締結にネジを必要としたので、ネジ部に硬い金属を使用しなければならなかつた。
【解決手段】
この発明は図1のように取付基体Xに取付部材Aと取付部材Bを取り付けすることにおいて、筒体1の上部にネジ部10を設け、このネジ部10に螺合するナット11を設けてある。又、筒体1の他端にはスリット4を設けてある。そのような筒体1の内部9に、軸体2の外径より極めて小さな断面を有した連成部7を設けて、軸体2からなる駒軸5を形成した一本の軸を圧入して部材締結用アンカーを構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は主に土木建築及び工業関係の基礎取付箇所における建築物や装置等を取付基体に取り付けすることのできるものに使用することができる締結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、本発明に近い代表的な技術として下記特許文献1から3などがある。
【0003】
その特許文献1は図示で示しているように、拡開アンカーは筒体の内部にピンを入れて拡開する点は従来の技術と同じ単なる拡開アンカーである。
【0004】
特許文献2は、筒体の一端を有して他端に円錐状をした先端をネジ部とする形成体を押し入れるものであるが、この技術も従来の拡開アンカーにすぎないものである。
【0005】
特許文献3は、筒体の端部の中央にスリットを設けた部分を圧縮して拡開したものであるが、このものはネジの嵌め合いによる伸縮作用で締結するのでネジ部分は硬い材料を使用しなければならない欠点があった。
【0006】
【特許文献1】実開平7−4913
【特許文献2】特開平10−259812
【特許文献3】特開昭58−88217
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の拡開アンカーの拡開能力範囲は最大で筒体の穴の直径の太さ分だけが筒体の外部の壁面に出張るようにしたものであった。そのために取付基体の材質が弱いものにおいては、出張りが少ないので拡開範囲が少なくなり取付基体から抜け出す場合があった。
【0008】
又、従来の拡開アンカーは拡開して取り付けた場合に、取付基体がコンクリートなどの様な場合に、取付基体の穴と拡開アンカーの径の精度が合ってない等ではコンクリートに食い込み着止する力が弱く引き抜けることがあった。
【0009】
又、二枚の板を一方向から締め付け取り付けする場合に締結にネジを必要としたので、締結に硬い金属を使用しなければならなかった。
【0010】
従って、この発明の目的は筒体の拡開能力範囲を従来の締結よりも大きくでる拡開可能な締結が容易な締結具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的の第一の発明は、筒体の穴の内部の拡開部分を拡開するのに、一つから複数の尖端の尖ったテーパ状にした駒軸を軸体と連成するか、又は、独立した駒軸を筒体の拡開部分に入れ、前記駒軸の間に軸体を入れて筒体を拡開させることを特徴とした締結具によって達成される。
【0012】
前記目的の第二の発明は、請求項1において、筒体の中に入る駒軸は軸体と連成するか、又は、独立した駒軸を筒体の内部に入れるようにしたことを特徴とした締結具によって達成される。
【0013】
前記目的の第三の発明は、請求項1において、軸体を駒軸とする挿入部分は径大部から径小部にする段付面にしたことを特徴とした締結具によって達成される。
【0014】
前記目的の第四の発明は、請求項1において、筒体の一方向の端部は閉鎖壁部にしたことを特徴とした締結具によって達成される。
【0015】
前記目的の第五発明は、請求項1において、軸体に連成部を複数個設けた連成部を打込側に向かって径大にして、打ち込みにより最初は径細部から切れ、次に径大が切れるようにしたことを特徴とした締結具によって達成される。
【発明の効果】
【0016】
この発明は取付基体に筒体が拡開し筒体が取付基体の壁に食い入る部分を広くするために、筒体の拡開部分の筒体の穴の部分に先端が尖った一つから複数個でなる駒軸を設置できるように、筒体の穴の内部をガイドとして軸体を駒軸の間に挿入することができるようにして、筒体の側壁を拡開し取付基体の側壁に食い入る範囲を広くした締結具の発明である。
【0017】
従って、筒体の一方は軸体が入る開口部であって、他方は開口とする場合もあるが、閉鎖してあってもこの発明は成り立つものであって、その使い分けは、その用途によって分別される締結具として使い分けして使用すればよいものである。
【0018】
この締結具において、軸体と駒軸は切り離されることができるように連成してあっても良く、初めから、単体で独立してあっても良い。又、連成体にあっては連成方法は、必ずしも軸の中心でなくても切り離れて駒軸の役目を有することができれば、この発明は成り立つものである。
【0019】
従って、この締結具は拡開範囲が広いから取付基体から抜けないので、いろいろな土木建築及び工業関係の基礎取付箇所における建築物や装置等に取り付けするものに好適である。
【0020】
従って、従来の拡開アンカーの欠点を補うことのできる拡開アンカーが得られるものである。
【0021】
従来の埋込アンカーのように始めからコンクリートに埋め込んだように、この発明の拡開アンカーを使用すると抜け出す力が加わっても抜けなくなり、建築などの工事に使用しても、その用途に好適な拡開アンカーとなる発明をえるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明は取付基体に筒体が拡開し筒体が取付基体の壁に食い入る部分を広くするために、筒体の拡開部分の筒体の穴の部分に先端が尖った一つから複数個でなる駒軸を設置できるように、筒体の穴の内部をガイドとして軸体を駒軸の間に挿入することができる、筒体の側壁を拡開し取付基体の側壁に食い入る範囲を広くした締結具の発明である。
【0023】
従って、筒体の一方は軸体が入る開口部であって、他方は開口とする場合もあるが、閉鎖してあってもこの発明は成り立つものであって、その使い分けは、その用途によって分別される締結具として使い分けして使用すればよいものである。
【0024】
この締結具において、軸体と駒軸は切り離されることができるように連成してあっても良く、初めから、単体であっても良い。又、連成体にあっては連成方法は、必ずしも軸の中心でなくても切り離れて駒軸の役目を有することができれば、この発明は成り立つものである。
【0025】
従って、この締結具は拡開範囲が広いから取付基体から抜けないので、いろいろな土木建築及び工業関係の基礎取付箇所における建築物や装置等に取り付けするものに好適である。
【0026】
ネジを必要として硬い金属を使用しなければならなかったものを、この発明によってネジを不必要とすることができた。
【0027】
以下、本発明を図面に基づき実施例で説明する。
【実施例】
【0028】
図1は取付基体Xの中に筒体1の上部にネジ部10とネジ部10に螺合するナット11を設け、筒体1の他端にはスリット4を有した筒体1の内部9に、軸体2に連成する連成部7と駒軸5を有して締結具を構成する。
【0029】
このように構成した締結具において、取付基体Xに取付部材Bと取付部材Cをセットしておいて、筒体1の内部に駒軸3と連成する軸体2を入れて、軸体2の頭部13を加圧するように打ち込めば図2で示すように、駒軸5は連成部7から切離れて軸体2と駒軸5は同時に挿入される。
【0030】
これにより軸体2と駒軸5が重なり合い筒体1の拡開部がスリット4の部分から拡大拡開されて筒体1が取付基体Xに食い入り取り付けされる。
【0031】
このときにおいて拡開能力範囲は軸体2と駒軸5の径の太さによって決まるが太さが大きければ大きいほど拡開されて、筒体1のスリット4の部分に駒軸5が食い入るので筒体1が取付基体Xに食い入るので、筒体1の広くなる範囲の能力が大きくなる締結具が成り立つものである。
【0032】
図7は本発明の応用例(その1)を示すもので、筒体20に入る軸体22は段付部23にして軸細の駒軸26を設け、連成部27を有して駒軸28を設け、更に、連成部29を有して駒軸30を設けて、連成部は軸体22から反方向に向うほど細くしてある。
【0033】
このようにした取付基体Xに筒体20を取り付け、その内部に軸体22を設けて軸体22の頭部33を打ち込むと図8のように駒軸30と駒軸28と駒軸26は切り離して重なり合うと同時に筒体20のスリット4側を拡開して筒体20は取付基体Xに取り付けされる。
【0034】
連成部を2ヶ所設けた連成部を打込側に向かって径大にしておくのは、打ち込みにより最初は径細部が切れ、次に径大が切れるようにしたものである。このようにすれば軸体が打ち込み易くなるものである。
【0035】
その後、筒体20のネジ部10側に取付部材Aと取付部材Bが取り付けされる。
【0036】
従って、このようにした構造にして駒軸の径を大きく設ければ拡開能力を大きくすることができる締結具が得られる。
【0037】
図12は本発明の応用例(その2)を示すもので、筒体40のスリット4側の内部を拡開させるのに駒軸47又駒軸48は初めから切り離れて独立してある。
【0038】
この締結具は初めに、取付基体に筒体40を入れておき、その内部に初めから駒軸46又駒軸47又駒軸48又駒軸49を入れておいて、その隙間41に、軸体44でなる先を駒軸45にした部分の軸体44の頭部を打ち込み入れて筒体40のスリット4の部分を拡大拡開するものである。
【0039】
このようにすれば拡開能力も広く筒体の拡開部分が外周に均等に大きく拡開することができるので、従来の拡開アンカーよりも優れた特徴を有する締結具となるものである。
【0040】
図12で駒軸を六角形にしたのは筒体40のスリット4を有した側壁を拡開させる能力を増すことができるようにしたものである。
【0041】
駒軸の形状はいろいろなものが考えられるが六角形でも丸形でもよいが、実用上に当たって製造費などから設定するものである。
【0042】
連成部を複数個設けた連成部を打込側に向かって径大にしておくのは、打ち込みにより最初は径細部が切れ、次に径大が切れるようにしたものである。このようにすれば軸体が打ち込み易くなるものである。
【0043】
図14は図1の応用例(その3)であって、筒体50のスリット側の端面を閉鎖壁部にしたもので、この図14の締結具は図15のように取付基体Xの穴が貫通しているような場合に使用されるもので、筒体50の穴の長さ方向の内部に軸体2や駒軸53が図15のように入って締結されるので図15と同じように取付基体Xに締結される締結具となるものである。
【0044】
図16は本発明の応用例(その4)であって、二枚の取付部材Bと取付部材Cを一方向から筒体60と軸体64と連成部67を有した駒軸66によって図16のように締結する締結具を得ることができるものである。
【0045】
図21は本発明の応用例(その5)であって、図16と同じように二枚の取付部材Bと取付部材Cを一方向から筒体74と軸体72と駒軸77によって、駒軸77が筒体74の空間部75の角に引き掛かり図22のように締結する締結具を得ることができるものである。
【0046】
この締結具は筒体の穴径に対し軸体の直径を軸体の頭部側で径大にしておけば筒体に軸体が嵌着して筒体から軸体は抜けなくなるものである。
【0047】
従って、本発明の締結具によれば使用範囲が広く、又、締結具の材料をその用途に応じて金属にするか、又、図16と図22のように使用するには合成樹脂によることによって、有効な締結となる締結具を得ることができるものである。
【0048】
この発明において、筒体の穴の内面はテーパをつけ段付でもよく、必ずしも出口側と抜口側との面はそのときに応じて異なっていても本発明は成り立つものである。
【0049】
又、図22のような締結具は使用条件がコンクリートのようなものに穴を設けた側面が図15のように壁面であるところにも使用することができるものである。
【0050】
公知例3のような用途に使用する締結具はネジ作用で締め付けするので、材料を硬い金属にしなければ締結能力が発生しないが、本発明によれば合成樹脂でもよく低コストで大量生産することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の締結具の一実施例を示す要部断面図。
【図2】図1の締結具の使用状態を示す要部断面図。
【図3】図1の筒体の正面図。
【図4】図1の筒体の左側面図。
【図5】図1の筒体の右側面図。
【図6】図1の締結具の軸体の正面図。
【図7】図1の応用例を示す締結具の要部断面図。
【図8】図7の締結具の使用状態を示す要部断面図。
【図9】図8の締結具のY−Y部分の断面図。
【図10】図8の締結具の軸体の正面図。
【図11】図10の締結具の軸体の右側面図。
【図12】本発明の締結具の応用例(その1)を示す締結具の要部断面図。
【図13】図12の締結具のZ−Z部分の断面図。
【図14】本発明の締結具の応用例(その2)を示す締結具の要部断面図。
【図15】図14の締結具の使用状態を示す要部断面図。
【図16】本発明の締結具の応用例(その3)を示す締結具の要部断面図。
【図17】図16の筒体の正面図。
【図18】図16の筒体の右側面図。
【図19】図16の締結具の軸体の正面図。
【図20】図16の筒体の右側面図。
【図21】本発明の締結具の応用例(その4)を示す締結具の正面図。
【図22】図21の締結具の使用状態を示す要部断面図。
【図23】本発明の締結具の軸体の応用例1を示す図。
【図24】本発明の締結具の軸体の応用例2を示す図。
【図25】本発明の締結具の軸体の応用例3を示す図。
【符号の説明】
【0052】
1.20.40.50.60.74:筒体
2.22.44.54.64.72.84.94:軸体
4.14.24:スリット
5.26.28.30.45.46.47.48.49.53.66.77:駒軸
7.27.29.57.67.87.97:連成部
8.18:拡開テ―パ軸
9:内部
10:ネジ部
11:雌ネジ体
13.33.63.73.93:頭体
24:段付部
41:隙間
51.61:閉鎖壁部
75.89:空間部
X:取付基体
A:取付部材
B:取付部材
E:穴
【技術分野】
【0001】
この発明は主に土木建築及び工業関係の基礎取付箇所における建築物や装置等を取付基体に取り付けすることのできるものに使用することができる締結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、本発明に近い代表的な技術として下記特許文献1から3などがある。
【0003】
その特許文献1は図示で示しているように、拡開アンカーは筒体の内部にピンを入れて拡開する点は従来の技術と同じ単なる拡開アンカーである。
【0004】
特許文献2は、筒体の一端を有して他端に円錐状をした先端をネジ部とする形成体を押し入れるものであるが、この技術も従来の拡開アンカーにすぎないものである。
【0005】
特許文献3は、筒体の端部の中央にスリットを設けた部分を圧縮して拡開したものであるが、このものはネジの嵌め合いによる伸縮作用で締結するのでネジ部分は硬い材料を使用しなければならない欠点があった。
【0006】
【特許文献1】実開平7−4913
【特許文献2】特開平10−259812
【特許文献3】特開昭58−88217
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の拡開アンカーの拡開能力範囲は最大で筒体の穴の直径の太さ分だけが筒体の外部の壁面に出張るようにしたものであった。そのために取付基体の材質が弱いものにおいては、出張りが少ないので拡開範囲が少なくなり取付基体から抜け出す場合があった。
【0008】
又、従来の拡開アンカーは拡開して取り付けた場合に、取付基体がコンクリートなどの様な場合に、取付基体の穴と拡開アンカーの径の精度が合ってない等ではコンクリートに食い込み着止する力が弱く引き抜けることがあった。
【0009】
又、二枚の板を一方向から締め付け取り付けする場合に締結にネジを必要としたので、締結に硬い金属を使用しなければならなかった。
【0010】
従って、この発明の目的は筒体の拡開能力範囲を従来の締結よりも大きくでる拡開可能な締結が容易な締結具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的の第一の発明は、筒体の穴の内部の拡開部分を拡開するのに、一つから複数の尖端の尖ったテーパ状にした駒軸を軸体と連成するか、又は、独立した駒軸を筒体の拡開部分に入れ、前記駒軸の間に軸体を入れて筒体を拡開させることを特徴とした締結具によって達成される。
【0012】
前記目的の第二の発明は、請求項1において、筒体の中に入る駒軸は軸体と連成するか、又は、独立した駒軸を筒体の内部に入れるようにしたことを特徴とした締結具によって達成される。
【0013】
前記目的の第三の発明は、請求項1において、軸体を駒軸とする挿入部分は径大部から径小部にする段付面にしたことを特徴とした締結具によって達成される。
【0014】
前記目的の第四の発明は、請求項1において、筒体の一方向の端部は閉鎖壁部にしたことを特徴とした締結具によって達成される。
【0015】
前記目的の第五発明は、請求項1において、軸体に連成部を複数個設けた連成部を打込側に向かって径大にして、打ち込みにより最初は径細部から切れ、次に径大が切れるようにしたことを特徴とした締結具によって達成される。
【発明の効果】
【0016】
この発明は取付基体に筒体が拡開し筒体が取付基体の壁に食い入る部分を広くするために、筒体の拡開部分の筒体の穴の部分に先端が尖った一つから複数個でなる駒軸を設置できるように、筒体の穴の内部をガイドとして軸体を駒軸の間に挿入することができるようにして、筒体の側壁を拡開し取付基体の側壁に食い入る範囲を広くした締結具の発明である。
【0017】
従って、筒体の一方は軸体が入る開口部であって、他方は開口とする場合もあるが、閉鎖してあってもこの発明は成り立つものであって、その使い分けは、その用途によって分別される締結具として使い分けして使用すればよいものである。
【0018】
この締結具において、軸体と駒軸は切り離されることができるように連成してあっても良く、初めから、単体で独立してあっても良い。又、連成体にあっては連成方法は、必ずしも軸の中心でなくても切り離れて駒軸の役目を有することができれば、この発明は成り立つものである。
【0019】
従って、この締結具は拡開範囲が広いから取付基体から抜けないので、いろいろな土木建築及び工業関係の基礎取付箇所における建築物や装置等に取り付けするものに好適である。
【0020】
従って、従来の拡開アンカーの欠点を補うことのできる拡開アンカーが得られるものである。
【0021】
従来の埋込アンカーのように始めからコンクリートに埋め込んだように、この発明の拡開アンカーを使用すると抜け出す力が加わっても抜けなくなり、建築などの工事に使用しても、その用途に好適な拡開アンカーとなる発明をえるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明は取付基体に筒体が拡開し筒体が取付基体の壁に食い入る部分を広くするために、筒体の拡開部分の筒体の穴の部分に先端が尖った一つから複数個でなる駒軸を設置できるように、筒体の穴の内部をガイドとして軸体を駒軸の間に挿入することができる、筒体の側壁を拡開し取付基体の側壁に食い入る範囲を広くした締結具の発明である。
【0023】
従って、筒体の一方は軸体が入る開口部であって、他方は開口とする場合もあるが、閉鎖してあってもこの発明は成り立つものであって、その使い分けは、その用途によって分別される締結具として使い分けして使用すればよいものである。
【0024】
この締結具において、軸体と駒軸は切り離されることができるように連成してあっても良く、初めから、単体であっても良い。又、連成体にあっては連成方法は、必ずしも軸の中心でなくても切り離れて駒軸の役目を有することができれば、この発明は成り立つものである。
【0025】
従って、この締結具は拡開範囲が広いから取付基体から抜けないので、いろいろな土木建築及び工業関係の基礎取付箇所における建築物や装置等に取り付けするものに好適である。
【0026】
ネジを必要として硬い金属を使用しなければならなかったものを、この発明によってネジを不必要とすることができた。
【0027】
以下、本発明を図面に基づき実施例で説明する。
【実施例】
【0028】
図1は取付基体Xの中に筒体1の上部にネジ部10とネジ部10に螺合するナット11を設け、筒体1の他端にはスリット4を有した筒体1の内部9に、軸体2に連成する連成部7と駒軸5を有して締結具を構成する。
【0029】
このように構成した締結具において、取付基体Xに取付部材Bと取付部材Cをセットしておいて、筒体1の内部に駒軸3と連成する軸体2を入れて、軸体2の頭部13を加圧するように打ち込めば図2で示すように、駒軸5は連成部7から切離れて軸体2と駒軸5は同時に挿入される。
【0030】
これにより軸体2と駒軸5が重なり合い筒体1の拡開部がスリット4の部分から拡大拡開されて筒体1が取付基体Xに食い入り取り付けされる。
【0031】
このときにおいて拡開能力範囲は軸体2と駒軸5の径の太さによって決まるが太さが大きければ大きいほど拡開されて、筒体1のスリット4の部分に駒軸5が食い入るので筒体1が取付基体Xに食い入るので、筒体1の広くなる範囲の能力が大きくなる締結具が成り立つものである。
【0032】
図7は本発明の応用例(その1)を示すもので、筒体20に入る軸体22は段付部23にして軸細の駒軸26を設け、連成部27を有して駒軸28を設け、更に、連成部29を有して駒軸30を設けて、連成部は軸体22から反方向に向うほど細くしてある。
【0033】
このようにした取付基体Xに筒体20を取り付け、その内部に軸体22を設けて軸体22の頭部33を打ち込むと図8のように駒軸30と駒軸28と駒軸26は切り離して重なり合うと同時に筒体20のスリット4側を拡開して筒体20は取付基体Xに取り付けされる。
【0034】
連成部を2ヶ所設けた連成部を打込側に向かって径大にしておくのは、打ち込みにより最初は径細部が切れ、次に径大が切れるようにしたものである。このようにすれば軸体が打ち込み易くなるものである。
【0035】
その後、筒体20のネジ部10側に取付部材Aと取付部材Bが取り付けされる。
【0036】
従って、このようにした構造にして駒軸の径を大きく設ければ拡開能力を大きくすることができる締結具が得られる。
【0037】
図12は本発明の応用例(その2)を示すもので、筒体40のスリット4側の内部を拡開させるのに駒軸47又駒軸48は初めから切り離れて独立してある。
【0038】
この締結具は初めに、取付基体に筒体40を入れておき、その内部に初めから駒軸46又駒軸47又駒軸48又駒軸49を入れておいて、その隙間41に、軸体44でなる先を駒軸45にした部分の軸体44の頭部を打ち込み入れて筒体40のスリット4の部分を拡大拡開するものである。
【0039】
このようにすれば拡開能力も広く筒体の拡開部分が外周に均等に大きく拡開することができるので、従来の拡開アンカーよりも優れた特徴を有する締結具となるものである。
【0040】
図12で駒軸を六角形にしたのは筒体40のスリット4を有した側壁を拡開させる能力を増すことができるようにしたものである。
【0041】
駒軸の形状はいろいろなものが考えられるが六角形でも丸形でもよいが、実用上に当たって製造費などから設定するものである。
【0042】
連成部を複数個設けた連成部を打込側に向かって径大にしておくのは、打ち込みにより最初は径細部が切れ、次に径大が切れるようにしたものである。このようにすれば軸体が打ち込み易くなるものである。
【0043】
図14は図1の応用例(その3)であって、筒体50のスリット側の端面を閉鎖壁部にしたもので、この図14の締結具は図15のように取付基体Xの穴が貫通しているような場合に使用されるもので、筒体50の穴の長さ方向の内部に軸体2や駒軸53が図15のように入って締結されるので図15と同じように取付基体Xに締結される締結具となるものである。
【0044】
図16は本発明の応用例(その4)であって、二枚の取付部材Bと取付部材Cを一方向から筒体60と軸体64と連成部67を有した駒軸66によって図16のように締結する締結具を得ることができるものである。
【0045】
図21は本発明の応用例(その5)であって、図16と同じように二枚の取付部材Bと取付部材Cを一方向から筒体74と軸体72と駒軸77によって、駒軸77が筒体74の空間部75の角に引き掛かり図22のように締結する締結具を得ることができるものである。
【0046】
この締結具は筒体の穴径に対し軸体の直径を軸体の頭部側で径大にしておけば筒体に軸体が嵌着して筒体から軸体は抜けなくなるものである。
【0047】
従って、本発明の締結具によれば使用範囲が広く、又、締結具の材料をその用途に応じて金属にするか、又、図16と図22のように使用するには合成樹脂によることによって、有効な締結となる締結具を得ることができるものである。
【0048】
この発明において、筒体の穴の内面はテーパをつけ段付でもよく、必ずしも出口側と抜口側との面はそのときに応じて異なっていても本発明は成り立つものである。
【0049】
又、図22のような締結具は使用条件がコンクリートのようなものに穴を設けた側面が図15のように壁面であるところにも使用することができるものである。
【0050】
公知例3のような用途に使用する締結具はネジ作用で締め付けするので、材料を硬い金属にしなければ締結能力が発生しないが、本発明によれば合成樹脂でもよく低コストで大量生産することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の締結具の一実施例を示す要部断面図。
【図2】図1の締結具の使用状態を示す要部断面図。
【図3】図1の筒体の正面図。
【図4】図1の筒体の左側面図。
【図5】図1の筒体の右側面図。
【図6】図1の締結具の軸体の正面図。
【図7】図1の応用例を示す締結具の要部断面図。
【図8】図7の締結具の使用状態を示す要部断面図。
【図9】図8の締結具のY−Y部分の断面図。
【図10】図8の締結具の軸体の正面図。
【図11】図10の締結具の軸体の右側面図。
【図12】本発明の締結具の応用例(その1)を示す締結具の要部断面図。
【図13】図12の締結具のZ−Z部分の断面図。
【図14】本発明の締結具の応用例(その2)を示す締結具の要部断面図。
【図15】図14の締結具の使用状態を示す要部断面図。
【図16】本発明の締結具の応用例(その3)を示す締結具の要部断面図。
【図17】図16の筒体の正面図。
【図18】図16の筒体の右側面図。
【図19】図16の締結具の軸体の正面図。
【図20】図16の筒体の右側面図。
【図21】本発明の締結具の応用例(その4)を示す締結具の正面図。
【図22】図21の締結具の使用状態を示す要部断面図。
【図23】本発明の締結具の軸体の応用例1を示す図。
【図24】本発明の締結具の軸体の応用例2を示す図。
【図25】本発明の締結具の軸体の応用例3を示す図。
【符号の説明】
【0052】
1.20.40.50.60.74:筒体
2.22.44.54.64.72.84.94:軸体
4.14.24:スリット
5.26.28.30.45.46.47.48.49.53.66.77:駒軸
7.27.29.57.67.87.97:連成部
8.18:拡開テ―パ軸
9:内部
10:ネジ部
11:雌ネジ体
13.33.63.73.93:頭体
24:段付部
41:隙間
51.61:閉鎖壁部
75.89:空間部
X:取付基体
A:取付部材
B:取付部材
E:穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体の穴の内部の拡開部分を拡開するのに、一つから複数の尖端を尖ったテーパ状にした駒軸を軸体と連成するか、又は、独立した駒軸を筒体の拡開部分に入れ、前記駒軸の間に軸体を入れて筒体を拡開させることを特徴とした締結具。
【請求項2】
請求項1において、筒体の中に入る駒軸は軸体と連成するか、又は、独立した駒軸を筒体の内部に入れるようにしたことを特徴とした締結具。
【請求項3】
請求項1において、軸体を駒軸とする挿入部分は径大部から径小部にする段付面にしたことを特徴とした締結具。
【請求項4】
請求項1において、筒体の一方向の端部は閉鎖壁部にしたことを特徴とした締結具。
【請求項5】
請求項1において、軸体に連成部を複数個設けた連成部を打込側に向かって径大にして、打ち込みにより最初は径細部から切れ、次に径大が切れるようにしたことを特徴とした締結具。
【請求項1】
筒体の穴の内部の拡開部分を拡開するのに、一つから複数の尖端を尖ったテーパ状にした駒軸を軸体と連成するか、又は、独立した駒軸を筒体の拡開部分に入れ、前記駒軸の間に軸体を入れて筒体を拡開させることを特徴とした締結具。
【請求項2】
請求項1において、筒体の中に入る駒軸は軸体と連成するか、又は、独立した駒軸を筒体の内部に入れるようにしたことを特徴とした締結具。
【請求項3】
請求項1において、軸体を駒軸とする挿入部分は径大部から径小部にする段付面にしたことを特徴とした締結具。
【請求項4】
請求項1において、筒体の一方向の端部は閉鎖壁部にしたことを特徴とした締結具。
【請求項5】
請求項1において、軸体に連成部を複数個設けた連成部を打込側に向かって径大にして、打ち込みにより最初は径細部から切れ、次に径大が切れるようにしたことを特徴とした締結具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2008−190557(P2008−190557A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22636(P2007−22636)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(591093656)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(591093656)
【Fターム(参考)】
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