説明

配線回路基板およびその製造方法

【課題】めっき用リード線が電気信号の波形に与える影響が低減された配線回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ベース絶縁層上に、複数の配線パターン20および複数のめっき用リード線Sが形成される。各配線パターン20と各めっき用リード線Sとは、互いに一体的に形成される。各配線パターン20の端部に電極パッド30が設けられ、各電極パッド30から配線パターン20と逆側に延びるようにめっき用リード線Sが設けられる。各めっき用リード線Sの幅H1は、各配線パターン20の幅H2よりも大きく設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配線回路基板の製造時には、基板上にサブトラクティブ法等により導体パターンが配線パターンとして形成される。また、導体パターンの一部に電解めっきを施すことにより接続端子が形成される。電解めっきを行うためには、導体パターンに給電を行う必要がある。そのため、導体パターンの形成時に、接続端子を形成すべき部分から基板上の一端部まで延びる給電用の配線部(以下、めっき用リード線と呼ぶ)が形成される。このめっき用リード線から導体パターンに給電が行われる。
【0003】
例えば、特許文献1によれば、半導体装置に用いられるBGA(Ball Grid Array)と呼ばれる配線回路基板を製造する場合、サブトラクティブ法により形成された導体パターンのボンディングパッド上に電解ニッケルめっきおよび電解金めっきが施されることにより接続端子が形成される。
【0004】
基板上のボンディングパッドから基板上の一端部まで延びるめっき用リード線が外部のめっき用電極と電気的に接続されることにより給電が行われる。そして、ボンディングパッド上に電解ニッケルめっきが行われた後、電解金めっきが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−287034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記方法では、電解めっきが終了した後もめっき用リード線が不要な部分として配線回路基板上に残存する。配線回路基板の接続端子に他の電子回路が接続された状態で、導体パターンを電気信号が伝送される場合、上記のめっき用リード線は伝送線路から枝分かれしたスタブとなる。このようなスタブでは、特定の周波数で共振が起こる。それにより、電気信号の特定の周波数成分が減衰する。その結果、電気信号の波形が鈍る等の不都合が生じる場合がある。
【0007】
めっき用リード線は電解めっきの終了後には不要である。そこで、電解めっきの終了後に、めっき用リード線を除去することも考えられる。しかしながら、めっき用リード線を除去する工程が必要となるため製造コストが増加する。
【0008】
本発明の目的は、めっき用リード線が電気信号の波形に与える影響が低減された配線回路基板およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)第1の発明に係る配線回路基板は、絶縁層と、絶縁層上に形成される配線パターンと、配線パターンの一部に設けられる端子部と、配線パターンから延びるように絶縁層上に形成されるめっき用リード線とを備え、めっき用リード線は、配線パターンから延びるように設けられ、第1の幅を有する第1の線状部と、第1の線状部から延びるように設けられ、第1の幅と異なる第2の幅を有する第2の線状部とを含むものである。
【0010】
その配線回路基板においては、絶縁層上に、配線パターン、配線パターンの一部に設けられる端子部および配線パターンから延びるめっき用リード線が形成される。この場合、めっき用リード線として、配線パターンから延びかつ第1の幅を有する第1の線状部および第1の線状部から延びかつ第1の幅と異なる第2の幅を有する第2の線状部が形成される。
【0011】
配線パターンを通して電気信号が伝送される場合、めっき用リード線において第1の線状部の第1の幅と第2の線状部の第2の幅とが異なることにより、めっき用リード線における共振周波数が高くまたは低くなる。
【0012】
そのため、めっき用リード線における共振周波数を配線パターンを伝送する電気信号の周波数よりも高くまたは低くすることができる。それにより、めっき用リード線における共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線での共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【0013】
また、配線回路基板のレイアウト上の制約からめっき用リード線の長さに制限がある場合でも、めっき用リード線の第1の幅と第2の幅とを異なる値に設定することにより、めっき用リード線の長さを調整することなくめっき用リード線における共振周波数を電気信号の周波数よりも高くまたは低くすることができる。
【0014】
(2)第1の幅は第2の幅よりも小さくてもよい。この場合、めっき用リード線における共振周波数が低くなる。それにより、めっき用リード線における共振周波数を配線パターンを伝送する電気信号の周波数よりも低くすることができる。したがって、めっき用リード線における共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線での共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【0015】
(3)第1の幅は第2の幅よりも大きくてもよい。この場合、めっき用リード線における共振周波数が高くなる。それにより、めっき用リード線における共振周波数を配線パターンを伝送する電気信号の周波数よりも高くすることができる。したがって、めっき用リード線における共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線での共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【0016】
(4)第2の発明に係る配線回路基板は、絶縁層と、絶縁層上に形成される配線パターンと、配線パターンの一部に設けられる端子部と、配線パターンから延びるように絶縁層上に形成されるめっき用リード線とを備え、めっき用リード線は、複数の線状部に分岐するものである。
【0017】
その配線回路基板においては、絶縁層上に、配線パターン、配線パターンの一部に設けられる端子部および配線パターンから延びるめっき用リード線が形成される。この場合、めっき用リード線が、複数の線状部に分岐するように形成される。
【0018】
配線パターンを通して電気信号が伝送される場合、めっき用リード線が複数の線状部に分岐することにより、めっき用リード線における共振周波数が低くなる。
【0019】
そのため、めっき用リード線における共振周波数を配線パターンを伝送する電気信号の周波数よりも低くすることができる。それにより、めっき用リード線における共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線での共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【0020】
また、配線回路基板のレイアウト上の制約からめっき用リード線の長さに制限がある場合でも、めっき用リード線を分岐させることにより、めっき用リード線の長さを調整することなくめっき用リード線における共振周波数を電気信号の周波数よりも低くすることができる。
【0021】
(5)めっき用リード線は、配線パターンから延びる第3の線状部と、第3の線状部から分岐して延びる複数の第4の線状部とを備えてもよい。
【0022】
この場合、めっき用リード線の配置スペースの増大を抑制しつつめっき用リード線における共振周波数を低くすることができる。
【0023】
(6)第3の発明に係る配線回路基板は、絶縁層と、絶縁層上に形成される配線パターンと、配線パターンの一部に設けられる端子部と、配線パターンから延びるように絶縁層上に形成されるめっき用リード線とを備え、めっき用リード線の幅が、配線パターンの幅よりも大きいものである。
【0024】
その配線回路基板においては、絶縁層上に、配線パターン、配線パターンの一部に設けられる端子部および配線パターンから延びるめっき用リード線が形成される。この場合、めっき用リード線の幅が、配線パターンの幅よりも大きく設定される。
【0025】
配線パターンを通して電気信号が伝送される場合、めっき用リード線の幅が配線パターンの幅よりも大きいことにより、めっき用リード線における共振周波数が低くなる。
【0026】
そのため、めっき用リード線における共振周波数が配線パターンを伝送する電気信号の周波数よりも低くなるようにめっき用リード線の幅を設定することにより、めっき用リード線における共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線での共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【0027】
また、配線回路基板のレイアウト上の制約からめっき用リード線の長さに制限がある場合でも、めっき用リード線の幅を配線パターンの幅よりも大きくすることにより、めっき用リード線の長さを調整することなくめっき用リード線における共振周波数を電気信号の周波数よりも低くすることができる。
【0028】
(7)第4の発明に係る配線回路基板の製造方法は、絶縁層上に、配線パターン、配線パターンの一部に設けられる端子部および配線パターンから延びるめっき用リード線を含む導体パターンを形成する工程と、めっき用リード線を通して配線パターンに給電することにより端子部上にめっき層を形成する工程とを備え、導体パターンを形成する工程において、配線パターンから延びかつ第1の幅を有する第1の線状部および第1の線状部から延びかつ第1の幅と異なる第2の幅を有する第2の線状部をめっき用リード線として形成するものである。
【0029】
その配線回路基板の製造方法においては、絶縁層上に、配線パターン、配線パターンの一部に設けられる端子部および配線パターンから延びるめっき用リード線を含む導体パターンが形成される。この場合、配線パターンから延びかつ第1の幅を有する第1の線状部および第1の線状部から延びかつ第1の幅と異なる第2の幅を有する第2の線状部がめっき用リード線として形成される。めっき用リード線を通して配線パターンに給電されることにより、端子部上にめっき層が形成される。
【0030】
このように製造された配線回路基板において、配線パターンを通して電気信号が伝送される場合、めっき用リード線において第1の線状部の第1の幅と第2の線状部の第2の幅とが異なることにより、めっき用リード線における共振周波数が高くまたは低くなる。
【0031】
そのため、めっき用リード線における共振周波数を配線パターンを伝送する電気信号の周波数よりも高くまたは低くすることができる。それにより、めっき用リード線における共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線での共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【0032】
また、配線回路基板のレイアウト上の制約からめっき用リード線の長さに制限がある場合でも、めっき用リード線の第1の幅と第2の幅とを異なる値に設定することにより、めっき用リード線の長さを調整することなくめっき用リード線における共振周波数を電気信号の周波数よりも高くまたは低くすることができる。
【0033】
(8)第5の発明に係る配線回路基板の製造方法は、絶縁層上に、配線パターン、配線パターンの一部に設けられる端子部および配線パターンから延びるめっき用リード線を含む導体パターンを形成する工程と、めっき用リード線を通して配線パターンに給電することにより端子部上にめっき層を形成する工程とを備え、導体パターンを形成する工程において、めっき用リード線を複数の線状部に分岐させるものである。
【0034】
その配線回路基板の製造方法においては、絶縁層上に、配線パターン、配線パターンの一部に設けられる端子部および配線パターンから延びるめっき用リード線を含む導体パターンが形成される。この場合、めっき用リード線が、複数の線状部に分岐するように形成される。めっき用リード線を通して配線パターンに給電されることにより、端子部上にめっき層が形成される。
【0035】
このように製造された配線回路基板において、配線パターンを通して電気信号が伝送される場合、めっき用リード線が複数の線状部に分岐することにより、めっき用リード線における共振周波数が低くなる。
【0036】
そのため、めっき用リード線における共振周波数を配線パターンを伝送する電気信号の周波数よりも低くすることができる。それにより、めっき用リード線における共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線での共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【0037】
また、配線回路基板のレイアウト上の制約からめっき用リード線の長さに制限がある場合でも、めっき用リード線を分岐させることにより、めっき用リード線の長さを調整することなくめっき用リード線における共振周波数を電気信号の周波数よりも低くすることができる。
【0038】
(9)第6の発明に係る配線回路基板の製造方法は、絶縁層上に、配線パターン、配線パターンの一部に設けられる端子部および配線パターンから延びるめっき用リード線を含む導体パターンを形成する工程と、めっき用リード線を通して配線パターンに給電することにより端子部上にめっき層を形成する工程とを備え、導体パターンを形成する工程において、めっき用リード線の幅を、配線パターンの幅よりも大きくするものである。
【0039】
その配線回路基板の製造方法においては、絶縁層上に、配線パターン、配線パターンの一部に設けられる端子部および配線パターンから延びるめっき用リード線を含む導体パターンが形成される。この場合、めっき用リード線の幅が、配線パターンの幅よりも大きく設定される。めっき用リード線を通して配線パターンに給電されることにより、端子部上にめっき層が形成される。
【0040】
このように製造された配線回路基板において、配線パターンを通して電気信号が伝送される場合、めっき用リード線の幅が配線パターンの幅よりも大きいことにより、めっき用リード線における共振周波数が低くなる。
【0041】
そのため、めっき用リード線における共振周波数が配線パターンを伝送する電気信号の周波数よりも低くなるようにめっき用リード線の幅を設定することにより、めっき用リード線における共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線での共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【0042】
また、配線回路基板のレイアウト上の制約からめっき用リード線の長さに制限がある場合でも、めっき用リード線の幅を配線パターンの幅よりも大きくすることにより、めっき用リード線の長さを調整することなくめっき用リード線における共振周波数を電気信号の周波数よりも低くすることができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、めっき用リード線における共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線での共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】サスペンション基板の上面図である。
【図2】めっき用リード線およびその周辺部分の模式的縦断面図である。
【図3】めっき用リード線およびその周辺部分の拡大平面図である。
【図4】サスペンション基板の製造工程を示す模式的工程断面図である。
【図5】FPC基板の模式的断面図である。
【図6】サスペンション基板の電極パッドとFPC基板の端子部との接続状態を示す模式的断面図である。
【図7】めっき用リード線およびその周辺部分の拡大平面図である。
【図8】めっき用リード線およびその周辺部分の拡大平面図である。
【図9】めっき用リード線およびその周辺部分の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態に係る配線回路基板およびその製造方法について図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態においては、配線回路基板の一例として、ハードディスクの読み取りおよび書き込みに用いられるサスペンション基板について説明する。
【0046】
(1)サスペンション基板の構造
図1は本発明の実施の形態に係るサスペンション基板の上面図である。図1に示すように、サスペンション基板1は、金属製の長尺状基板により形成されるサスペンション本体部10を備える。サスペンション本体部10には複数の孔部Hが形成されている。サスペンション本体部10上には、複数の配線パターン20が形成されている。各配線パターン20の一端部および他端部には、電極パッド23,30がそれぞれ設けられている。
【0047】
サスペンション本体部10の先端部には、U字状の開口部21を形成することにより磁気ヘッド搭載部(以下、タング部と呼ぶ)12が設けられている。タング部12は、サスペンション本体部10に対して所定の角度をなすように破線Rの箇所で折り曲げ加工される。タング部12の端部に複数の電極パッド23が形成されている。
【0048】
タング部12上に、ハードディスクに対して読み取りおよび書き込みを行う磁気ヘッド(図示せず)が実装される。磁気ヘッドの端子部は、複数の電極パッド23にそれぞれ接続される。
【0049】
サスペンション本体部10の他端部に複数の電極パッド30が形成されている。また、複数の電極パッド30から配線パターン20と逆側に延びるように複数のめっき用リード線Sがそれぞれ形成されている。
【0050】
製造時には、金属製の支持基板50に複数のサスペンション基板1が同時に形成された後、各サスペンション基板1が支持基板50の他の領域から分離される。この場合、サスペンション本体部10は支持基板50の一部分からなる。
【0051】
各サスペンション基板1の複数のめっき用リード線Sは、各サスペンション基板1の外側の支持基板50上の領域まで延び、図示しない給電端子に接続されている。各サスペンション基板1が完成した後、一点鎖線Z1において各サスペンション本体部10が支持基板50の他の領域から分離される。
【0052】
図2は、めっき用リード線Sおよびその周辺部分の模式的断面図である。また、図3は、めっき用リード線Sおよびその周辺部分の拡大平面図である。
【0053】
図2に示すように、例えばステンレス鋼(SUS)からなるサスペンション本体部10上に、例えばポリイミドからなるベース絶縁層11が形成される。
【0054】
ベース絶縁層11上に、例えば銅からなる複数の配線パターン20および複数のめっき用リード線Sが形成される。なお、図2においては、1つの配線パターン20および1つのめっき用リード線Sのみが示される。
【0055】
各配線パターン20と各めっき用リード線Sとは、互いに一体的に形成される。この場合、各配線パターン20の端部に電極パッド30が設けられ、各電極パッド30から配線パターン20と逆側に延びるようにめっき用リード線Sが設けられる。
【0056】
複数のめっき用リード線Sおよび複数の配線パターン20を覆うように、ベース絶縁層11上に、例えばポリイミドからなるカバー絶縁層13が形成される。
【0057】
各配線パターン20の電極パッド30上におけるカバー絶縁層13の部分には、各電極パッド30の上面に達する孔部14が形成される。孔部14を埋めるように、例えば金からなるめっき層30aが形成される。
【0058】
図3に示すように、各めっき用リード線Sの幅H1は、各配線パターン20の幅H2よりも大きく設定される。各めっき用リード線Sの幅H1は、各配線パターン20の幅H2の1倍以上10倍以下であることが好ましい。ここで、配線パターン20の幅が均一でない場合において、配線パターン20の幅H2とは、配線パターン20の幅の最小値をいう。
【0059】
(2)サスペンション基板の製造方法
以下、本実施の形態に係るサスペンション基板1の製造方法について説明する。ここでは、図1のタング部12、複数の電極パッド23および孔部Hの形成工程についての説明は省略する。
【0060】
図4は、本発明の実施の形態に係るサスペンション基板1の製造工程を示す模式的工程断面図である。なお、図4には、図2と同じ箇所の断面における製造工程が示される。
【0061】
最初に、例えばステンレス鋼(SUS)からなる支持基板50を用意する。次に、図4(a)に示すように、支持基板50上に、例えばポリイミドからなるベース絶縁層11を形成する。
【0062】
支持基板50の材料としては、ステンレス鋼に代えてアルミニウム等の他の材料を用いてもよい。支持基板50の厚みは、5μm以上200μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。
【0063】
ベース絶縁層11の材料としては、ポリイミドに代えてエポキシ等の他の絶縁材料を用いてもよい。ベース絶縁層11の厚みは、1μm以上100μm以下であることが好ましく、2μm以上25μm以下であることがより好ましい。
【0064】
次に、図4(b)に示すように、ベース絶縁層11上に例えば銅からなる複数(図4では1つ)の配線パターン20および複数(図4では1つ)のめっき用リード線Sを形成する。この場合、各配線パターン20の端部に電極パッド30が設けられ、各電極パッド30から配線パターン20と逆側に延びるようにめっき用リード線Sが設けられる。
【0065】
配線パターン20およびめっき用リード線Sは、例えばセミアディティブ法を用いて形成してもよく、サブトラクティブ法等の他の方法を用いて形成してもよい。配線パターン20およびめっき用リード線Sの材料としては、銅に代えて金、アルミニウム等の他の金属、または銅合金、アルミニウム合金等の合金を用いてもよい。
【0066】
配線パターン20およびめっき用リード線Sの厚みは、例えば2μm以上100μm以下であることが好ましく、3μm以上25μm以下であることがより好ましい。配線パターン20の幅は、例えば5μm以上1000μm以下であることが好ましく、10μm以上250μm以下であることがより好ましい。めっき用リード線Sの幅は、例えば5μm以上1000μm以下であることが好ましく、10μm以上250μm以下であることがより好ましい。
【0067】
次に、図4(c)に示すように、複数の配線パターン20およびめっき用リード線Sを覆うように、ベース絶縁層11上に例えばポリイミドからなるカバー絶縁層13を形成する。カバー絶縁層13の材料としては、ポリイミドに代えてエポキシ等の他の材料を用いてもよい。
【0068】
次に、図4(d)に示すように、例えばエッチングまたはレーザ加工により、各配線パターン20の電極パッド30上におけるカバー絶縁層13の部分に、電極パッド30の上面に達する孔部14を形成する。
【0069】
次に、図4(e)に示すように、電解めっきにより、孔部14を埋めるように例えば金からなるめっき層30aを形成する。この場合、めっき用リード線Sを通して、電解めっきのための給電が行われる。めっき層30aが形成された後、一点鎖線Z1において、支持基板50、ベース絶縁層11、めっき用リード線Sおよびカバー絶縁層13を切断する。それにより、サスペンション本体部10を有するサスペンション基板1が完成する。
【0070】
(3)サスペンション基板とFPC基板との接合
サスペンション基板1の複数の電極パッド30は、他の配線回路基板(例えばフレキシブル配線回路基板)の端子部と接合される。以下、サスペンション基板1の電極パッド30とフレキシブル配線回路基板(以下、FPC基板と呼ぶ)の端子部との接合例について説明する。
【0071】
図5は、FPC基板の模式的断面図であり、図6は、サスペンション基板1の電極パッド30とFPC基板の端子部との接続状態を示す模式的断面図である。なお、図6においては、図5のFPC基板の上下が逆に示される。
【0072】
図5に示すように、FPC基板100aは、例えばポリイミドからなるベース絶縁層41を備える。ベース絶縁層41上に、例えば銅からなる複数の配線パターン42が形成される。なお、図5および図6には、1つの配線パターン42のみが示される。
【0073】
各配線パターン42の端部に、端子部45が形成される。複数の配線パターン42を覆うように、ベース絶縁層41上に例えばポリイミドからなるカバー絶縁層43が形成される。各配線パターン42の端子部45上におけるカバー絶縁層43の部分には、孔部44が形成される。各孔部44を埋めるように、例えば金からなるめっき層45aが形成される。
【0074】
図6に示すように、サスペンション基板1の電極パッド30とFPC基板100aの端子部45とが互いに接触するようにサスペンション基板1およびFPC基板100aが配置され、例えば超音波または半田を用いて電極パッド30(めっき層30a)と端子部45(めっき層45a)とが互いに接合される。
【0075】
(4)めっき用リード線Sによる周波数成分の減衰
ここで、サスペンション基板1とFPC基板100aとの間で電気信号が伝送される際のめっき用リード線Sによる周波数成分の減衰について説明する。
【0076】
サスペンション基板1の配線パターン20およびFPC基板100aの配線パターン42を電気信号が伝送される場合、配線パターン20および配線パターン42が伝送経路となり、めっき用リード線Sは伝送経路から枝分かれするスタブとなる。
【0077】
この場合、スタブにおいて特定の周波数で共振が起こる。それにより、伝送経路を伝送する電気信号の共振周波数の成分が減衰する。
【0078】
デジタル信号には複数の周波数成分が含まれる。例えば、矩形波からなるデジタル信号にはその周波数の整数倍の複数の周波数成分が含まれる。そのため、デジタル信号に含まれる特定の周波数成分が減衰すると、デジタル信号の波形が鈍り、立上がりエッジおよび立下がりエッジの傾きが穏やかになる。
【0079】
本実施の形態では、めっき用リード線Sの幅H1(図3)が配線パターン20の幅H2(図3)より大きく設定される。この場合、めっき用リード線Sの幅H1が配線パターン20の幅H2と等しい場合に比べて、めっき用リード線Sにおける共振周波数が低くなる。
【0080】
本実施の形態では、めっき用リード線Sにおける共振周波数が配線パターン20を伝送する電気信号の周波数よりも低くなるように、めっき用リード線Sの幅H1が設定される。
【0081】
(5)本実施の形態の効果
本実施の形態に係るサスペンション基板1においては、めっき用リード線Sの幅H1が配線パターン20の幅H2より大きく設定されることにより、めっき用リード線Sの幅H1が配線パターン20の幅H2と等しい場合に比べて、めっき用リード線Sの共振周波数が低くなる。めっき用リード線Sの幅H1を大きくすることによってめっき用リード線Sにおける共振周波数を電気信号の周波数よりも低くすることにより、めっき用リード線Sにおける共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線Sでの共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【0082】
また、サスペンション基板1のレイアウト上の制約からめっき用リード線Sの長さに制限がある場合でも、めっき用リード線Sの長さを調整することなくめっき用リード線Sの幅H1を調整することにより、めっき用リード線Sにおける共振周波数を電気信号の周波数よりも低くすることができる。
【0083】
(6)めっき用リード線の他の例
上記のサスペンション基板1において、めっき用リード線Sの代わりに、以下に示すめっき用リード線を設けてもよい。
【0084】
(6−1)
図7は、めっき用リード線Saおよびその周辺部分の拡大平面図である。なお、図7には、複数のめっき用リード線Saのうちの1つのめっき用リード線Saのみが示される。
【0085】
図7に示すように、めっき用リード線Saは、互いに一体的に形成された線状部S1,S2からなる。線状部S1は、電極パッド30から配線パターン20と逆側に所定の長さ延びるように設けられる。線状部S2は、第1の線状部S1の端部からサスペンション本体部10の端部まで延びるように設けられる。
【0086】
線状部S2の幅H4は、線状部S1の幅H3よりも大きく設定される。線状部S2の幅H4は、線状部S1の幅H3の例えば1.1倍以上10倍以下であり、1.5倍以上8倍以下であることが好ましい。
【0087】
また、めっき用リード線Saの全体の長さに対する線状部S2の長さの比率は、例えば0.1以上0.9以下であり、0.2以上0.8以下であることが好ましい。
【0088】
めっき用リード線Saの線状部S2の幅H4が線状部S1の幅H3よりも大きく設定されることにより、線状部S2の幅H4が線状部S1の幅H3と等しい場合に比べて、めっき用リード線Saにおける共振周波数が低くなる。この場合、めっき用リード線Saの線状部S2の幅H4を線状部S1の幅H3よりも大きくすることによってめっき用リード線Saにおける共振周波数を電気信号の周波数よりも低くすることにより、めっき用リード線Saにおける共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線Saでの共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【0089】
また、サスペンション基板1のレイアウト上の制約からめっき用リード線Saの長さに制限がある場合でも、めっき用リード線Saの長さを調整することなく線状部S1,S2の幅H3,H4を調整することにより、めっき用リード線Saにおける共振周波数を電気信号の周波数よりも低くすることができる。
【0090】
(6−2)
図8は、めっき用リード線Sbおよびその周辺部分の拡大平面図である。なお、図8には、複数のめっき用リード線Sbのうちの1つのめっき用リード線Sbのみが示される。
【0091】
図8に示すように、めっき用リード線Sbは、互いに一体的に形成された線状部S3,S4からなる。線状部S3は、電極パッド30から配線パターン20と逆側に所定の長さ延びるように設けられる。線状部S4は、線状部S3の端部からサスペンション本体部10の端部まで延びるように設けられる。
【0092】
線状部S3の幅H5は、線状部S4の幅H6よりも大きく設定される。線状部S3の幅H5は、線状部S4の幅H6の例えば1.1倍以上10倍以下であり、1.5倍以上8倍以下であることが好ましい。
【0093】
また、めっき用リード線Sbの全体の長さに対する線状部S3の長さの比率は、例えば0.1以上0.9以下であり、0.2以上0.8以下であることが好ましい。
【0094】
めっき用リード線Sbの線状部S3の幅H5が線状部S4の幅H6よりも大きく設定されることにより、線状部S3の幅H5が線状部S4の幅H6と等しい場合に比べて、めっき用リード線Sbの共振周波数が高くなる。この場合、めっき用リード線Sbの線状部S3の幅H5を線状部S4の幅H6よりも大きくすることによってめっき用リード線Sbにおける共振周波数を電気信号の周波数よりも高くすることにより、めっき用リード線Sbにおける共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線Sbでの共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【0095】
また、サスペンション基板1のレイアウト上の制約からめっき用リード線Sbの長さに制限がある場合でも、めっき用リード線Sbの長さを調整することなく線状部S3,S4の幅H5,H6を調整することにより、めっき用リード線Sbにおける共振周波数を電気信号の周波数よりも高くすることができる。
【0096】
(6−3)
図9は、めっき用リード線Scのおよびその周辺部分の拡大平面図である。なお、図9には、複数のめっき用リード線Scのうちの1つのめっき用リード線Scのみが示される。
【0097】
図9に示すように、めっき用リード線Scは、互いに一体的に形成された線状部S5,S6,S7からなる。線状部S5は、電極パッド30から配線パターン20と逆側に所定の長さ延びるように設けられる。線状部S6,S7は、線状部S5の端部からサスペンション本体部10の端部までそれぞれ延びるように設けられる。
【0098】
めっき用リード線Scの全体の長さ(線状部S5,S6,S7の長さの合計)に対する線状部S5の長さの比率は、例えば0.1以上0.9以下であり、0.2以上0.8以下であることが好ましい。また、線状部S6,S7の長さは、互いに等しいことが好ましい。
【0099】
めっき用リード線Scの線状部S5が線状部6,S7に分岐することにより、めっき用リード線Scが分岐しない場合に比べて、めっき用リード線Scにおける共振周波数が低くなる。この場合、めっき用リード線Scの線状部S5を線状部6,S7に分岐させることによってめっき用リード線Scにおける共振周波数を電気信号の周波数よりも低くすることにより、めっき用リード線Scにおける共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができる。その結果、めっき用リード線Scでの共振による電気信号の波形の鈍りを抑制することができる。
【0100】
また、サスペンション基板1のレイアウト上の制約からめっき用リード線Scの長さに制限がある場合でも、めっき用リード線Scの長さを調整することなくめっき用リード線Scを分岐させることにより、めっき用リード線Scにおける共振周波数を電気信号の周波数よりも低くすることができる。
【0101】
(7)実施例および比較例
めっき用リード線での共振による電気信号への影響をシミュレーションにより求めた。この場合、サスペンション本体部10が設けられず、ポリイミドからなるベース絶縁層11上に銅からなる配線パターン20および銅からなるめっき用リード線S(Sa〜Sd)のみが設けられた状態で、配線パターン20を電気信号が伝送する場合を想定した。
【0102】
なお、以下の実施例1〜7および比較例1,2においては、ベース絶縁層11の厚さを20μmとし、配線パターン20の厚さを12μmとし、配線パターン20の幅H2を100μmとした。
【0103】
(7−1)実施例1
実施例1では、図3のめっき用リード線Sが設けられる場合を想定した。
【0104】
実施例1では、めっき用リード線Sの厚さを12μmとし、めっき用リード線Sの幅H1を300μmとし、めっき用リード線Sの長さを4800μmとした。
【0105】
(7−2)実施例2
実施例2では、図7のめっき用リード線Saが設けられる場合を想定した。
【0106】
実施例2では、めっき用リード線Saの厚さを12μmとし、線状部S1の幅H3を100μmとし、線状部S2の幅H4を300μmとし、線状部S1の長さを2400μmとし、線状部S2の長さを2400μmとした。
【0107】
(7−3)実施例3〜実施例5
実施例3〜5では、図8のめっき用リード線Sbが設けられる場合を想定した。
【0108】
実施例3〜5では、めっき用リード線Sbの厚さを12μmとし、線状部S3の幅H5を300μmとし、線状部S4の幅H6を100μmとした。
【0109】
また、実施例3では、線状部S3の長さを2400μmとし、線状部S4の長さを2400μmとした。実施例4では、線状部S3の長さを1200μmとし、線状部S4の長さを3600μmとした。実施例5では、線状部S3の長さを600μmとし、線状部S4の長さを4200μmとした。
【0110】
(7−4)実施例6,7
実施例6,7では、図9のめっき用リード線Scが設けられる場合を想定した。
【0111】
実施例6および実施例7では、めっき用リード線Scの厚さを12μmとし、線状部S5の幅H7を100μmとし、線状部S6の幅H8を100μmとし、線状部S7の幅H9を100μmとした。
【0112】
また、実施例6では、線状部S5の長さを2400μmとし、線状部S6,S7の長さをそれぞれ2400μmとした。実施例7では、線状部S5の長さを3600μmとし、線状部S6,S7の長さをそれぞれ1200μmとした。
【0113】
(7−5)比較例
比較例では、めっき用リード線Sの代わりに配線パターン20と同じ幅のめっき用リード線が設けられる点を除いて、上記実施例1と同様の構成を想定した。
【0114】
(7−5)実施例1〜7および比較例の評価
実施例1〜7および比較例における電気信号の透過性をシミュレーションにより求めた。
【0115】
なお、実施例1のめっき用リード線Sの長さ、実施例2のめっき用リード線Saの長さ(線状部S1,S2の長さの合計)、実施例3〜5のめっき用リード線Sbの長さ(線状部S3,S4の長さの合計)、実施例6,7のめっき用リード線Scの長さ(線状部S5,S6(S7)の長さの合計)および比較例のめっき用リード線の長さは、互いに等しい。
【0116】
シミュレーションの結果、実施例1では約9.4GHzをピークとして電気信号の大きな減衰が生じた。実施例2では約6.7GHzをピークとして電気信号の大きな減衰が生じた。実施例3では約12.2GHzをピークとして電気信号の大きな減衰が生じた。実施例4では約11.2GHzをピークとして電気信号の大きな減衰が生じた。実施例5では約10.4GHzをピークとして電気信号の大きな減衰が生じた。実施例6では約7.4GHzをピークとして電気信号の大きな減衰が生じた。実施例7では約7.7GHzをピークとして電気信号の大きな減衰が生じた。一方、比較例では、約9.6GHzをピークとして電気信号の大きな減衰が生じた。
【0117】
このように、実施例1,2,6,7においては、比較例に比べて、より低い周波数領域で電気信号の大きな減衰が生じ、実施例3〜5においては、比較例に比べて、より高い周波数領域で電気信号の大きな減衰が生じた。
【0118】
これにより、めっき用リード線Sの幅H1が配線パターン20の幅H2より大きいことにより、めっき用リード線Sの幅H1が配線パターン20の幅H2と等しい場合に比べて、電気信号の大きな減衰が生じる周波数領域がより低くなることがわかった。
【0119】
また、めっき用リード線Saの線状部S2の幅H4が線状部S1の幅H3よりも大きく設定されることにより、線状部S2の幅H4が線状部S1の幅H3と等しい場合に比べて、電気信号の大きな減衰が生じる周波数領域がより低くなることがわかった。
【0120】
また、めっき用リード線Sbの線状部S4の幅H6が線状部S3の幅H5よりも大きく設定されることにより、線状部S4の幅H6が線状部S3の幅H5と等しい場合に比べて、電気信号の大きな減衰が生じる周波数領域がより高くなることがわかった。
【0121】
また、めっき用リード線Scが線状部S6,S7に分岐することにより、めっき用リード線Scが分岐しない場合に比べて、電気信号の大きな減衰が生じる周波数領域がより低くなることがわかった。
【0122】
したがって、所定の周波数領域(本例では、約9.6GHz)において、めっき用リード線における共振が電気信号の波形に与える影響を小さくすることができることがわかった。
【0123】
(8) 請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0124】
上記実施の形態においては、ベース絶縁層11が絶縁層の例であり、電極パッド30が端子部の例であり、サスペンション基板1が配線回路基板の例であり、幅H3,H5が第1の幅の例であり、線状部S1,S3が第1の線状部の例であり、幅H4,H6が第2の幅の例であり、線状部S2,S4が第2の線状部の例であり、線状部S5が第3の線状部の例であり、線状部S6,S7が第4の線状部の例である。
【0125】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は種々の配線回路基板に有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0127】
1 サスペンション基板
10 サスペンション本体部
11 ベース絶縁層
12 タング部
13 カバー絶縁層
20 配線パターン
23,30 電極パッド
30a,45a めっき層
50 支持基板
100a FPC基板
S めっき用リード線
S1〜S7 線状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層上に形成される配線パターンと、
前記配線パターンの一部に設けられる端子部と、
前記配線パターンから延びるように前記絶縁層上に形成されるめっき用リード線とを備え、
前記めっき用リード線は、
前記配線パターンから延びるように設けられ、第1の幅を有する第1の線状部と、
前記第1の線状部から延びるように設けられ、前記第1の幅と異なる第2の幅を有する第2の線状部とを含むことを特徴とする配線回路基板。
【請求項2】
前記第1の幅は前記第2の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の配線回路基板。
【請求項3】
前記第1の幅は前記第2の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の配線回路基板。
【請求項4】
絶縁層と、
前記絶縁層上に形成される配線パターンと、
前記配線パターンの一部に設けられる端子部と、
前記配線パターンから延びるように前記絶縁層上に形成されるめっき用リード線とを備え、
前記めっき用リード線は、複数の線状部に分岐することを特徴とする配線回路基板。
【請求項5】
前記めっき用リード線は、
前記配線パターンから延びる第3の線状部と、
前記第3の線状部から分岐して延びる複数の第4の線状部とを備えることを特徴とする請求項4記載の配線回路基板。
【請求項6】
絶縁層と、
前記絶縁層上に形成される配線パターンと、
前記配線パターンの一部に設けられる端子部と、
前記配線パターンから延びるように前記絶縁層上に形成されるめっき用リード線とを備え、
前記めっき用リード線の幅が、前記配線パターンの幅よりも大きいことを特徴とする配線回路基板。
【請求項7】
絶縁層上に、配線パターン、前記配線パターンの一部に設けられる端子部および前記配線パターンから延びるめっき用リード線を含む導体パターンを形成する工程と、
前記めっき用リード線を通して前記配線パターンに給電することにより前記端子部上にめっき層を形成する工程とを備え、
前記導体パターンを形成する工程において、前記配線パターンから延びかつ第1の幅を有する第1の線状部および前記第1の線状部から延びかつ前記第1の幅と異なる第2の幅を有する第2の線状部を前記めっき用リード線として形成することを特徴とする配線回路基板の製造方法。
【請求項8】
絶縁層上に、配線パターン、前記配線パターンの一部に設けられる端子部および前記配線パターンから延びるめっき用リード線を含む導体パターンを形成する工程と、
前記めっき用リード線を通して前記配線パターンに給電することにより前記端子部上にめっき層を形成する工程とを備え、
前記導体パターンを形成する工程において、前記めっき用リード線を複数の線状部に分岐させることを特徴とする配線回路基板の製造方法。
【請求項9】
絶縁層上に、配線パターン、前記配線パターンの一部に設けられる端子部および前記配線パターンから延びるめっき用リード線を含む導体パターンを形成する工程と、
前記めっき用リード線を通して前記配線パターンに給電することにより前記端子部上にめっき層を形成する工程とを備え、
前記導体パターンを形成する工程において、前記めっき用リード線の幅を、前記配線パターンの幅よりも大きくすることを特徴とする配線回路基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−49462(P2011−49462A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198288(P2009−198288)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】