説明

配線回路基板およびその製造方法

【課題】電子素子と端子との接続信頼性を十分に向上させることのできる配線回路基板、および、かかる配線回路基板を、簡便かつ低コストで製造することのできる配線回路基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】回路付サスペンション基板3は、ベース絶縁層28と、ベース絶縁層28に被覆される電源配線25B、および、電源配線25Bに連続し、圧電素子5と電気的に接続するための圧電側端子40を備える導体層19とを備え、ベース絶縁層28には、圧電側端子40を露出する第1ベース開口部37が形成されており、圧電側端子40は、厚み方向に凹凸となるパターンに形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板およびその製造方法、詳しくは、ハードディスクドライブに実装される回路付サスペンション基板に好適に用いられる配線回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回路付サスペンション基板は、金属支持基板と、その上に形成されるベース絶縁層と、その上に形成され、磁気ヘッドと接続するためのヘッド側端子を有する導体層とを備えている。そして、この回路付サスペンション基板は、磁気ヘッドを実装して、磁気ヘッドをヘッド側端子と接続させ、金属支持基板をロードビームに支持させ、ハードディスクドライブに実装される。
【0003】
近年、そのような回路付サスペンション基板を、種々の電子素子、例えば、ピエゾ素子(圧電素子)などに接続して、磁気ヘッドの位置および角度を精細に調節することが検討されている。そのような電子素子は、耐熱性が比較的低いことから、導電性接着剤などを介して、比較的低温で、電子素子側端子(導体層に形成され、ヘッド側端子と異なる端子)と電気的に接続する必要がある。
【0004】
耐熱性が低い電子素子と電子素子側端子との導電性接着剤を介する低温接続は、それらの溶融はんだを介する高温接続に比べると、導電性接着剤と電子素子側端子との接続強度(密着力)が低く、そのため、かかる接続強度を十分に向上させる要求がある。
【0005】
この点、配線基板の導電層において、円形状のランドに、その周方向に沿い厚み方向を貫通して形成される溝(貫通溝)を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の配線基板では、導電性ペーストが、ランドの上面に接触するとともに、溝内に充填されている。そして、ランドの上面および溝の内側面が導電性ペーストに接触しているので、ランドは、導電性ペーストとの接触面積を増大させて、密着力を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−251619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の配線基板では、ランドの上面および溝の内側面が導電性ペーストに接触するのみであり、そのため、ランドと導電性ペーストとの接触面積をより一層十分に増大させて、それらの密着力を十分に向上させることができないという不具合がある。
【0008】
一方、電子素子側端子の表面を粗面化処理することによって、アンカー効果に基づいて、導電性接着剤と電子素子側端子との密着力を向上させる方法も試案される。しかし、そのような方法では、電子素子側端子を粗面化処理する工程を別途設ける必要があり、その分、手間がかかり、製造コストが増大するという不具合がある。
【0009】
本発明の目的は、電子素子と端子との接続信頼性を十分に向上させることのできる配線回路基板、および、かかる配線回路基板を、簡便かつ低コストで製造することのできる配線回路基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の配線回路基板は、絶縁層と、前記絶縁層に被覆される配線、および、前記配線に連続し、電子素子と電気的に接続するための端子を備える導体層とを備え、前記絶縁層には、前記端子を露出する絶縁開口部が形成されており、前記端子は、厚み方向に凹凸となるパターンに形成されていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の配線回路基板では、前記端子が、導電性接着剤を介して前記電子素子と接続して使用されることが好適である。
【0012】
また、本発明の配線回路基板では、前記絶縁層は、前記配線の前記厚み方向一方側に形成されるベース絶縁層を備え、前記絶縁開口部は、前記ベース絶縁層において、前記端子の前記厚み方向一方面を露出するように形成されていることが好適であり、また、前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方側に形成され、前記電子素子が取り付けられる支持プレートに支持される金属支持基板をさらに備え、前記金属支持基板には、前記端子の前記厚み方向一方面を露出する支持開口部が形成されていることが好適である。
【0013】
また、本発明の配線回路基板では、前記絶縁層は、前記配線の前記厚み方向他方側に形成されるカバー絶縁層を備え、前記絶縁開口部は、前記カバー絶縁層において、前記端子の前記厚み方向他方面を露出するように形成されていることが好適である。
【0014】
また、本発明の配線回路基板では、前記電子素子が、圧電素子であることが好適である。
【0015】
また、本発明の配線回路基板の製造方法は、金属支持基板を用意する工程と、ベース絶縁層を、前記金属支持基板をパターン形状で露出させるパターン開口部、および、前記パターン開口部により仕切られるパターン絶縁部を備える端子形成領域が形成されるように、前記金属支持基板の厚み方向一方側に形成する工程と、導体層を、前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方側に形成される配線、および、前記配線に連続し、前記端子形成領域に形成され、導電性接着剤を介して前記電子素子と接続して使用される端子を備えるように、形成する工程と、前記金属支持基板および前記ベース絶縁層に、前記前記端子形成領域に対応する支持開口部およびベース開口部をそれぞれ形成することにより、前記端子を、前記支持開口部および前記ベース開口部から露出して、前記厚み方向に凹凸となるパターンに形成する工程とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の配線回路基板では、端子は、厚み方向に凹凸となるパターンに形成されているため、端子と、電子素子を接続するための接続媒体との接触面積の増大を十分に図ることができる。
【0017】
そのため、端子と電子素子との接続信頼性を十分に向上させることができる。
【0018】
また、本発明の配線回路基板の製造方法によれば、ベース絶縁層を、金属支持基板をパターン形状で露出させるパターン開口部、および、パターン開口部により仕切られるパターン絶縁部を備える端子形成領域が形成されるように、金属支持基板の厚み方向一方側に形成する。そうすれば、その後、端子形成領域に端子を形成し、続いて、金属支持基板およびベース絶縁層に、端子形成領域に対応する支持開口部およびベース開口部をそれぞれ形成することにより、端子を、支持開口部およびベース開口部から露出して、厚み方向に凹凸となるパターンに形成することができる。
【0019】
そのため、端子を粗面化処理する工程を別途設ける手間を省くことができながら、端子を、厚み方向に凹凸となるパターンに形成することができる。
【0020】
その結果、簡便かつ低コストで、電子素子との接続信頼性に優れる配線回路基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の配線回路基板の一実施形態である回路付サスペンション基板を備えるアセンブリの平面図を示す。
【図2】図2は、図1に示すアセンブリのA−A線に沿う断面図を示す。
【図3】図3は、図1に示すアセンブリのB−B線に沿う断面図を示す。
【図4】図4は、図3に示すアセンブリの圧電側端子の拡大断面図を示す。
【図5】図5は、図1に示すアセンブリのC−C線に沿う断面図を示す。
【図6】図6は、図1に示すアセンブリの接続アームの拡大平面図を示す。
【図7】図7は、図1に示すアセンブリの接続アームの拡大底面図を示す。
【図8】図8は、回路付サスペンション基板を製造する方法を説明する工程図であって、(a)は、金属支持基板を用意する工程、(b)は、ベース絶縁層を形成する工程、(c)は、導体層を形成する工程を示す。
【図9】図9は、図8に引き続き、回路付サスペンション基板を製造する方法を説明する工程図であって、(d)は、支持開口部を形成する工程、(e)は、第1ベース開口部および第2ベース開口部を形成する工程、(f)は、保護薄膜を形成する工程を示す。
【図10】図10は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パターンが先後方向に延びるストライプ状である態様)の拡大平面図を示す。
【図11】図11は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(上壁の数と、下壁の数とが同一である態様)の拡大平面図を示す。
【図12】図12は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パターンが平面視略格子形状である態様)の拡大平面図を示す。
【図13】図13は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パターンが平面視略十字形状である態様)の拡大平面図を示す。
【図14】図14は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部の拡大平面図であり、(a)は、パターンが平面視略円環形状である態様、(b)は、パターンが平面視略螺旋形状である態様を示す。
【図15】図15は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パターンが1つのマークとして形成される態様)の拡大平面図であり、(a)は、パターンが平面視略円形状である態様、(b)は、パターンが平面視略矩形状である態様、(c)は、パターンが平面視略三角形状である態様、(d)は、パターンが平面視略星形状である態様を示す。
【図16】図16は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パターンが平面視略スポーク形状である態様)の拡大平面図を示す。
【図17】図17は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パターンが平面視略千鳥形状である態様)の拡大平面図であり、(a)は、各上壁が平面視略円形状である態様、(b)は、各上壁が平面視略矩形状である態様を示す。
【図18】図18は、本発明の配線回路基板の他の実施形態(パターンが平面視略波形状である態様)である回路付サスペンション基板のパッド部の拡大平面図であり、(a)は、パターンが幅方向に沿う態様、(b)は、パターンが先後方向に沿う態様を示す。
【図19】図19は、図17(b)に示すパッド部において、上壁および下壁のパターンを入れ替えた実施形態の拡大平面図を示す。
【図20】図20は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(カバー絶縁層がパッド部に形成される態様)の断面図を示す。
【図21】図21は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(金属支持基板が平面視略円形状に形成される態様)の断面図を示す。
【図22】図22は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板を製造する方法を説明する工程図であって、(a)は、ベース絶縁層を第1ベース絶縁層および第2ベース絶縁層から形成する工程、(b)は、導体層を形成する工程、(c)は、支持開口部を形成する工程、(d)は、第1ベース開口部および第2ベース開口部を形成する工程、(e)は、保護薄膜を形成する工程を示す。
【図23】図23は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部の(上壁、下壁および連結壁が微細な凹凸パターンに形成される態様)の拡大平面図であり、(a)は、第1ベース開口部および第2ベース開口部を形成する工程、(b)は、圧電側端子に微細な凹凸パターンを形成する工程、(c)は、保護薄膜を形成する工程を示す。
【図24】図24は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のジョイント部の拡大平面図を示す。
【図25】図25は、図24に示すジョイント部のD−D線に沿う断面図を示す。
【図26】図26は、図24に示すジョイント部のパッド部を折り返した後の拡大平面図を示す。
【図27】図27は、図26に示すジョイント部のE−E線に沿う断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の配線回路基板の一実施形態である回路付サスペンション基板を備えるアセンブリの平面図、図2は、図1に示すアセンブリのA−A線に沿う断面図、図3は、図1に示すアセンブリのB−B線に沿う断面図、図4は、図3に示すアセンブリの圧電側端子の拡大断面図、図5は、図1に示すアセンブリのC−C線に沿う断面図、図6は、図1に示すアセンブリの接続アームの拡大平面図、図7は、図1に示すアセンブリの接続アームの拡大底面図、図8および図9は、回路付サスペンション基板を製造する方法を説明する工程図を示す。
【0023】
なお、図1において、ベース絶縁層28およびカバー絶縁層29は、金属支持基板18および導体層19の相対配置を明確に示すため、省略している。
【0024】
図1および図2において、アセンブリ1は、磁気ヘッド(図示せず)を実装するスライダ22が実装された回路付サスペンション基板3を支持プレート2によって支持させて、ハードディスクドライブ(図示せず)に実装されるヘッドスタックアセンブリ(HSA)である。アセンブリ1は、支持プレート2と、支持プレート2の上(厚み方向他方側、以下同様。)に配置され、支持プレート2によって支持される回路付サスペンション基板3と、支持プレート2に支持されながら、回路付サスペンション基板3の位置および角度を精細に調節するための電子素子としての圧電素子(ピエゾ素子)5とを備えている。
【0025】
支持プレート2は、長手方向(先後方向)に延びるように形成されており、アクチュエータプレート部6と、アクチュエータプレート部6の下(厚み方向一方側、以下同様。)に形成されるベースプレート部7と、アクチュエータプレート部6の先側に連続して形成されるロードビーム部8とを備えている。
【0026】
アクチュエータプレート部6は、後プレート部9と、後プレート部9の先側に間隔を隔てて配置される先プレート部10と、後プレート部9および先プレート部10の間に形成される可撓部11とを一体的に備えている。
【0027】
後プレート部9は、アクチュエータプレート部6の後端部において、平面視略矩形状に形成されている。
【0028】
先プレート部10は、幅方向(先後方向に直交する方向)に延びる平面視略矩形状に形成されている。
【0029】
可撓部11は、アクチュエータプレート部6の幅方向両側に設けられている。幅方向一方側の可撓部11は、後プレート部9の先端部と、先プレート部10の後端部とを架設するように形成されている。また、幅方向他方側の可撓部11は、後プレート部9の先端部と、先プレート部10の後端部とを架設するように形成されている。
【0030】
各可撓部11は、その先後方向中央部が幅方向両外側に湾曲し、かつ、先後方向にわたって略同幅に形成されている。詳しくは、可撓部11の先後方向中央部は、幅方向両外側に略U字(あるいは略V字)形状に張り出すように形成されている。
【0031】
従って、可撓部11は、後述するが、圧電素子5の伸縮によって、先プレート部10を、後プレート部9に対して離間および近接可能に形成されている。
【0032】
また、アクチュエータプレート部6には、後プレート部9の先面、先プレート部10の後面、および、可撓部11の幅方向内面によって仕切られるプレート開口部12が形成されている。プレート開口部12は、アクチュエータプレート部6の厚み方向を貫通する。
【0033】
また、後プレート部9の先端部および先プレート部10の後端部には、圧電素子5の後端部および先端部がそれぞれ取り付けられる取付領域13が、2組区画されている。各取付領域13は、後プレート部9の先端部と、先プレート部10の後端部とに対応して、幅方向一端部または幅方向他端部において、幅方向に長い底面視略矩形状に、それぞれ、形成されている。
【0034】
ベースプレート部7は、後プレート部9の下面の幅方向中央部および先後方向中央部に固定されている。また、ベースプレート部7は、平面視において、先部が、略矩形状に形成されるとともに、後部が略半円形状に形成されている。
【0035】
また、支持プレート2には、後プレート部9の中央部およびベースプレート部7の中央部を貫通する底面視略円形状の穴14が形成されている。
【0036】
なお、ベースプレート部7には、アセンブリ1の先端部を、穴14を中心として揺動するための駆動コイル(図示せず)が取り付けられる。
【0037】
ロードビーム部8は、アクチュエータプレート部6と一体的に形成されており、具体的には、先プレート部10の先端から先側に向かって延びるように形成され、平面視において、先方に向かうに従って幅狭となる略台形状に形成されている。
【0038】
支持プレート2は、例えば、ステンレス、アルミニウム、鉄、および、それらの合金などの金属材料から形成されている。
【0039】
支持プレート2の寸法としては、適宜設定され、例えば、アクチュエータプレート部6およびロードビーム部8の厚みが、例えば、30〜150μmであり、ベースプレート部7の厚みが、例えば、150〜200μmである。
【0040】
なお、この支持プレート2は、アクチュエータプレート部6とロードビーム部8とを一体的に備えるアクチュエータプレート・ロードビーム一体型プレートとされている。
【0041】
回路付サスペンション基板3は、先後方向に延びる平面視略平帯形状に形成されている。
【0042】
回路付サスペンション基板3は、図1に示すように、金属支持基板18と、金属支持基板18に支持される導体層19とが設けられている。
【0043】
金属支持基板18は、回路付サスペンション基板3の外形形状に対応するように形成されており、配線部16と、配線部16の先側に形成される先部15と、配線部16の後側に形成される後部17とを一体的に備えている。
【0044】
配線部16は、金属支持基板18の先後方向中央部に形成されており、先後方向に延びる第1直線部20と、第1直線部20の後端部から幅方向一方に屈曲した後、さらに、後方に屈曲する第1屈曲部21とを一体的に備えている。なお、第1直線部20および第1屈曲部21は、先後方向にわたって略同幅に形成されている。
【0045】
配線部16は、配線25(後述)を支持する。
【0046】
先部15は、第1直線部20の先端から連続しており、配線部16に対して幅方向両外側にわずかに膨出する平面視略矩形状に形成されている。詳しくは、先部15は、スライダ22(後述)が実装されるジンバル23と、ジンバル23および第1直線部20を連結するジンバル後部24とを備えている。
【0047】
ジンバル23は、第1直線部20の幅より大きい幅の、平面視略矩形状に形成されている。ジンバル23は、先側端子26(後述)を支持するとともに、先側端子26と電気的に接続される磁気ヘッド(図示せず)を有するスライダ22(後述)を実装する。
【0048】
ジンバル後部24は、ジンバル23の後端に連続し、後方に向かうに従って幅狭となる略三角形状に形成されている。ジンバル後部24は、配線25を支持する。
【0049】
後部17は、第1屈曲部21の後端から連続しており、第1屈曲部21と略同幅の平面視略矩形状に形成されている。後部17は、後側端子27(後述)を支持する。
【0050】
導体層19は、金属支持基板18の上において、先後方向に沿って延びる配線25と、配線25の先端部に連続する先側端子26と、配線25の後端部に連続する後側端子27とを一体的に備えている。
【0051】
配線25は、磁気ヘッド(図示せず)およびリード・ライト基板(図示せず)間に電気信号を伝達する信号配線25Aを備え、回路付サスペンション基板3の先後方向全体にわたって配置されている。信号配線25Aは、幅方向に間隔を隔てて複数(4個)配置されている。
【0052】
また、配線25は、さらに、電源配線25Bを複数(2個)備えている。
【0053】
電源配線25Bは、次に説明する電源側端子27Bと電気的に接続されており、後部17において、電源側端子27Bに連続し、後部17および第1屈曲部21において、信号配線25Aの両側に間隔を隔てて並行して配置され、第1直線部20の先後方向中央部において、幅方向両外側に屈曲して、後述する枠導体39(図6参照)に至るように配置されている。
【0054】
先側端子26は、先部15に配置され、具体的には、ジンバル23の先側において、スライダ22の先端面に沿い、幅方向に間隔を隔てて複数(4個)配置されている。
【0055】
先側端子26は、磁気ヘッド(図示せず)が電気的に接続されるヘッド側端子26Aである。
【0056】
後側端子27は、後部17の後端部に配置され、具体的には、先後方向に間隔を隔てて複数(6個)配置されている。後側端子27は、信号配線25Aに連続し、リード・ライト基板の端子が接続される複数(4個)の外部側端子27Aを備えている。
【0057】
また、後側端子27は、さらに、電源配線25Bに連続し、圧電素子5と電気的に接続される電源側端子27Bを複数(2個)備えている。なお、電源側端子27Bは、外部側端子27Aの先後方向両側に間隔を隔てて配置されており、電源(図示せず)に電気的に接続される。
【0058】
そして、図3および図5に示すように、回路付サスペンション基板3は、金属支持基板18と、その上に形成される絶縁層30と、絶縁層30に被覆される導体層19とを備えている。
【0059】
金属支持基板18は、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅−ベリリウム、りん青銅などの金属材料から形成されている。好ましくは、ステンレスから形成されている。金属支持基板18の厚みは、例えば、15〜50μm、好ましくは、15〜20μmである。
【0060】
絶縁層30は、金属支持基板18の上面に形成されるベース絶縁層28と、ベース絶縁層28の上に、配線25を被覆するように形成されるカバー絶縁層29とを備えている。
【0061】
ベース絶縁層28は、図1が参照されるように、先部15、配線部16および後部17における金属支持基板18の上面に、導体層19に対応するパターンに形成されている。
【0062】
ベース絶縁層28は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂などの絶縁材料から形成されている。好ましくは、ポリイミド樹脂から形成されている。
【0063】
ベース絶縁層28の厚み(最大厚み)は、例えば、1〜35μm、好ましくは、8〜15μmである。
【0064】
カバー絶縁層29は、配線部16、先部15および後部17において、配線25から露出するベース絶縁層28の上面と、配線25の上面および側面とを被覆するように形成されている。また、カバー絶縁層29は、図示しないが、先部15において、先側端子26を露出するとともに、後部17において、後側端子27を露出するパターンに形成されている。
【0065】
カバー絶縁層29は、ベース絶縁層28の絶縁材料と同様の絶縁材料から形成されている。カバー絶縁層29の厚みは、例えば、1〜40μm、好ましくは、1〜10μmである。
【0066】
導体層19は、図1および図3に示すように、先部15、配線部16および後部17におけるベース絶縁層28の上面に、上記したパターンに形成されている。
【0067】
導体層19は、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、またはそれらの合金などの導体材料などから形成されている。好ましくは、銅から形成されている。
【0068】
導体層19の厚みは、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0069】
各配線25の幅は、例えば、5〜200μm、好ましくは、8〜100μmであり、各配線25間の間隔は、例えば、5〜1000μm、好ましくは、8〜100μmである。
【0070】
先側端子26および後側端子27の幅および長さは、例えば、20〜1000μm、好ましくは、30〜800μmである。また、各先側端子26間の間隔、および、各後側端子27間の間隔は、例えば、20〜1000μm、好ましくは、30〜800μmである。
【0071】
そして、この回路付サスペンション基板3は、図1および図2に示すように、金属支持基板18の下面が支持プレート2に支持されている。具体的には、配線部16および先部15の下面が、支持プレート2に支持され、後部17の下面が、支持プレート2に支持されることなく、支持プレート2から後方に突出している。
【0072】
詳しくは、回路付サスペンション基板3は、第1屈曲部21が、後プレート部9の幅方向一端部および先端部に沿って略L字形状に配置され、第1直線部20が、後プレート部9の先端部の幅方向中央部からプレート開口部12の幅方向中央部を横切り、その後、先プレート部10の幅方向中央部に至るように、配置されている。また、回路付サスペンション基板3は、先部15が、ロードビーム部8の先後方向にわたって、ロードビーム部8の幅方向中央部に形成されるように、配置されている。
【0073】
圧電素子5は、支持プレート2の下側に取り付けられている。
【0074】
具体的には、圧電素子5は、幅方向に間隔を隔てて複数(2個)設けられている。
【0075】
各圧電素子5は、先後方向に伸縮可能なアクチュエータであって、先後方向に長い平面視略矩形状に形成されている。圧電素子5は、プレート開口部12を先後方向に跨ぐように配置されている。
【0076】
詳しくは、各圧電素子5の先後方向両端部は、後プレート部9の先端部および先プレート部10の後端部における取付領域13(図1の破線)に、接着剤層31を介して接着され、固定されている。
【0077】
また、図3に示すように、各圧電素子5の上面には、先後方向中央部に、圧電端子48が設けられており、圧電端子48が、回路付サスペンション基板3の圧電側端子40(後述)と電気的に接続されている。
【0078】
圧電素子5は、圧電側端子40および圧電端子48から電気が供給され、その電圧が制御されることによって、伸縮する。
【0079】
次に、回路付サスペンション基板3における幅方向一方側の圧電側端子40について詳述する。なお、幅方向他方側の圧電側端子40は、幅方向一方側の圧電側端子40と第1直線部20に対して対称となるように形成されており、その説明を省略する。
【0080】
回路付サスペンション基板3には、図6および図7に示すように、圧電側端子40を含む接続アーム32が設けられている。
【0081】
接続アーム32は、第1直線部20の先後方向中央部から幅方向外側にアーム状に突出するように設けられている。
【0082】
接続アーム32は、第1直線部20と幅方向一方側に間隔を隔てて配置されるパッド部33と、第1直線部20およびパッド部33を連結するジョイント部41とを備えている。
【0083】
パッド部33は、図3および図4に示すように、金属支持基板18と、金属支持基板18の上に形成されるベース絶縁層28と、ベース絶縁層28の上に形成される導体層19と備えている。
【0084】
パッド部33において、金属支持基板18は、図6および図7に示すように、平面視略円環(リング)形状に支持パッド50として形成されている。つまり、図3に示すように、支持パッド50の中央部には、厚み方向を貫通する平面視略円形状の支持開口部34が形成されている。
【0085】
パッド部33において、図4および図6に示すように、ベース絶縁層28は、支持パッド50よりわずかに小さい平面視略円環(リング)形状に形成されている。ベース絶縁層28の中央部には、厚み方向を貫通する平面視略円形状の絶縁開口部としてのベース開口部である第1ベース開口部37が形成されている。つまり、ベース絶縁層28は、その第1ベース開口部37の内径が、支持パッド50の支持開口部34の内径より小さくなり、かつ、ベース絶縁層28の外径が、支持パッド50の外径より小さくなるように、形成されている。
【0086】
すなわち、図4に示すように、ベース絶縁層28の内周部36は、平面視において、支持パッド50の内周面から内側(支持開口部34内)にはみ出すように形成されており、ベース絶縁層28の外周部35は、厚み方向に投影したときに、支持パッド50と重なるように、形成されている。つまり、ベース絶縁層28の外周部35は、支持パッド50の上面に積層されている。
【0087】
パッド部33におけるベース絶縁層28の内周部36は、外周部35に比べて、薄く形成されている。
【0088】
外周部35の内側であって、内周部36の下側には、絶縁開口部としての第2ベース開口部38が形成されている。第2ベース開口部38は、第1ベース開口部37と同心円に配置され、その内径は、第1ベース開口部37の内径より大きく、かつ、支持パッド50における支持開口部34と同一径に形成されている。
【0089】
導体層19は、図3および図6に示すように、ベース絶縁層28の内周部36の上面に形成される枠導体39と、枠導体39の内側に連続する端子としての圧電側端子40とを備えている。
【0090】
枠導体39は、図6に示すように、ベース絶縁層28によりわずかに小さい平面視略円環(リング)形状に形成されている。具体的には、枠導体39の外径は、図3に示すように、厚み方向に投影したときに、ベース絶縁層28の外径より小さく形成されている。
【0091】
圧電側端子40は、図6に示すように、平面視において、枠導体39の内周部に連続する平面視略円形状に形成されている。
【0092】
また、図3および図5に示すように、圧電側端子40は、枠導体39の内周部からベース絶縁層28の第1ベース開口部37内に落ち込むように形成されている。
【0093】
圧電側端子40の下面は、ベース絶縁層28の第1ベース開口部37および第2ベース開口部38内、および、支持パッド50の支持開口部34内に露出するとともに、圧電側端子40の上面も、露出している。
【0094】
図3および図4に示すように、圧電側端子40は、厚み方向に凹凸となるパターンに形成されている。
【0095】
具体的には、圧電側端子40は、先後方向に沿う断面(詳しくは、先後方向および厚み方向に沿う断面)において、略葛折り(つづらおり)状に形成されている。なお、圧電側端子40には、厚み方向を貫通する貫通孔が形成されていない。
【0096】
詳しくは、図4および図6に示すように、圧電側端子40は、先後方向に互いに間隔を隔てて複数(例えば、偶数個、具体的には、4個)配置される上壁43と、厚み方向に投影したときに、各上壁43間に配置される下壁44と、上壁43および下壁44を連結する連結壁45とを一体的に備えている。
【0097】
上壁43は、平面視において、ストライプ(縞)状のパターンに形成されており、具体的には、幅方向に沿って並行状に延びるように形成されている。また、各上壁43の下面は、図4に示すように、面方向(先後方向および幅方向)に投影したときに、ベース絶縁層28の内周部36の下面と同一高さとなるように形成されている。
【0098】
下壁44は、図4および図7に示すように、先後方向に互いに間隔を隔てて複数(例えば、上壁43と同数個、具体的には、4個)整列配置されるストライプ(縞)状のパターンに形成されており、具体的には、幅方向に沿って複数並列状に延びるように形成されている。
【0099】
また、図4に示すように、下壁44は、面方向に投影したときに、上壁43より下側に配置されている。詳しくは、下壁44の下面は、ベース絶縁層28の外周部35の下面と同一高さとなるように形成されている。
【0100】
連結壁45は、互いに隣接する、各上壁43および各下壁44の先後方向端部を連結する。また、連結壁45は、後述する回路付サスペンション基板3の製造方法(図8(b)参照)において、パターン開口部46の内周面(パターン絶縁部52の外側面)に沿って形成される。
【0101】
パッド部33の寸法は、適宜選択され、図7に示すように、支持パッド50の外径(最大長さ)が、例えば、100〜1000μmであり、支持パッド50の内径(支持開口部34の外径(最大長さ))が、例えば、50〜990μmである。
【0102】
また、図6に示すように、ベース絶縁層28(の外周部35)の外径(最大長さ)が、例えば、100〜1000μmであり、図7に示すように、ベース絶縁層28の内周部36の内径(第1ベース開口部37の外径(最大長さ))が、例えば、20〜980μmであり、ベース絶縁層28の外周部35の内径(第2ベース開口部38の外径(最大長さ)が、支持パッド50の内径(支持開口部34の外径(最大長さ))と同一である。
【0103】
さらに、図6に示すように、導体層19の枠導体39の外径(最大長さ)は、例えば、90〜990μmであり、図7に示すように、圧電側端子40の外径(最大長さ)は、第1ベース開口部37の外径(最大長さ)と同一である。
【0104】
また、圧電側端子40の寸法は、適宜選択され、図4に示すように、面方向に投影したときに、上壁43の下面と、下壁44の下面との間隔L1が、例えば、1.5〜4μm、好ましくは、2〜3.5μmである。
【0105】
間隔L1、つまり、圧電側端子40の凹凸の深さ(高さ)L1が、上記した範囲に満たない場合には、圧電側端子40と導電性接着剤42(図3参照)との接着面積を十分に増大させることができず、それらの密着力を十分に向上させることができない場合がある。
【0106】
一方、間隔L1が、上記した範囲に超える場合には、後述する回路付サスペンション基板3の製造方法におけるベース絶縁層28の除去工程(図9(e))において、上壁43の下面にあるベース絶縁層28を確実に除去できず、そのベース絶縁層28が残存して、圧電側端子40と導電性接着剤42(図3参照)との接続不良を生じる場合がある。
【0107】
また、各上壁43の底面積の総面積S1の、各下壁44の底面積S2に対する比率(=S1/S2)は、例えば、2/8〜8/2、好ましくは、3/7〜7/3である。また、圧電側端子40の底面積S3、つまり、各上壁43の底面積の総面積S1および各下壁44の底面積S2の総和(=S1+S2)に対する、各上壁43の底面積の総面積S1の比率(=S2/S3)は、例えば、1/20〜2/3、好ましくは、1/10〜1/2である。
【0108】
また、図6に示すように、各上壁43の幅W1(先後方向長さ)は、例えば、5〜100μm、好ましくは、10〜50μmであり、各下壁44の幅W2(先後方向長さ)は、例えば、5〜100μm、好ましくは、10〜50μmである。また、図6に示すように、凹凸のピッチW4、つまり、上壁43の幅W1と下壁44の幅W2との総幅W4(=W1+W2)は、例えば、10〜200μm、好ましくは、20〜100μm、さらに好ましくは、20〜60μmである。
【0109】
また、圧電側端子40の平面積(底面積と実質的に同一)S3の、圧電側端子40の平面積S3および枠導体39の平面積S4の総面積に対する比率(=S3/(S3+S4))は、百分率で、例えば、5%を超過し、好ましくは、10%を超過し、通常、例えば、100%未満である。
【0110】
ジョイント部41は、図6および図7に示すように、第1直線部20の先後方向中央部における幅方向一端部と、パッド部33の幅方向他端部とを架設している。
【0111】
ジョイント部41は、幅方向に延び、パッド部33の外径より小さい幅(短い先後方向長さ)の平面視略矩形状に形成されている。
【0112】
ジョイント部41は、図5および図6に示すように、ベース絶縁層28と、ベース絶縁層28の上に形成される電源配線25Bと、ベース絶縁層28の上に、電源配線25Bを被覆するように形成されるカバー絶縁層29とを備えている。
【0113】
ジョイント部41において、図6に示すように、ベース絶縁層28は、ジョイント部41の外形形状に対応する形状に形成されている。ジョイント部41のベース絶縁層28は、第1直線部20におけるベース絶縁層28と、パッド部33におけるベース絶縁層28とに連続して形成されている。
【0114】
ジョイント部41における電源配線25Bは、幅方向に沿って延びるように形成され、第1直線部20の電源配線25Bと、パッド部33の枠導体39の幅方向他端部とに連続して形成されている。
【0115】
ジョイント部41において、カバー絶縁層29は、電源配線25Bの上面および側面を被覆するとともに、ベース絶縁層28の先後方向両端部の上面を露出するパターンに形成されている。
【0116】
なお、この回路付サスペンション基板3において、図3および図5が参照されるように、各端子、具体的には、先側端子26(図1参照)、後側端子27(図1参照)、圧電側端子40および枠導体39の表面には、保護薄膜47が形成されている。
【0117】
パッド部33において、保護薄膜47は、枠導体39の上面および外側面に形成されるとともに、圧電側端子40の上面および下面の両面に形成されている。
【0118】
保護薄膜47は、例えば、ニッケル、金などの金属材料から形成されている。好ましくは、ニッケルから形成されている。保護薄膜47の厚みは、例えば、0.05〜0.1μmである。
【0119】
次に、このアセンブリ1の製造方法について説明する。
【0120】
アセンブリ1を製造するには、まず、回路付サスペンション基板3、支持プレート2および圧電素子5をそれぞれ用意する。
【0121】
次に、回路付サスペンション基板3を用意(製造)する方法について、図8および図9を参照して説明する。
【0122】
この方法では、図8(a)に示すように、まず、金属支持基板18を用意する。
【0123】
次いで、図8(b)に示すように、ベース絶縁層28を、金属支持基板18の上(図8および図9における製造工程図において、厚み方向一方側、以下同様。)に形成する。
【0124】
具体的には、ベース絶縁層28を、金属支持基板18の上において、次に形成される圧電側端子40に対応する端子形成領域としての圧電側端子形成領域4と、枠導体39に対応する枠形成領域49とが形成されるパターンに形成する。
【0125】
圧電側端子形成領域4は、金属支持基板18の上面を、パターン形状に露出させるパターン開口部46と、パターン開口部46に仕切られるパターン絶縁部52とを備える領域である。
【0126】
パターン開口部46には、次の導体層19を形成する工程(図8(c))において、下壁44が充填されることから、上記した下壁44と実質的に同一パターンに形成されている。また、パターン絶縁部52の上面には、次の導体層19を形成する工程(図8(c))において、上壁43が積層されることから、上記した上壁43と実質的に同一パターンに形成されている。
【0127】
枠形成領域49の厚みは、ジョイント部41のベース絶縁層28(図6参照)の厚みと同一であり、また、パターン絶縁部52の厚みは、枠形成領域49の厚みに対して、薄く形成されている。パターン絶縁部52の厚みは、例えば、枠形成領域49のベース絶縁層28の厚みに対して、例えば、15〜50%であり、具体的には、1.5〜5μmである。
【0128】
具体的には、ベース絶縁層28を形成するには、まず、例えば、金属支持基板18の上面に、感光性の絶縁材料のワニスを塗布して乾燥させて、感光性のベース皮膜を形成する。
【0129】
次いで、感光性のベース皮膜を、図示しない階調露光フォトマスクを介して露光(階調露光)する。階調露光フォトマスクは、遮光部分、光半透過部分および光全透過部分をパターンで備えており、枠形成領域49のベース絶縁層28を形成する部分(パターン絶縁部52を除く。)には光全透過部分を、パターン絶縁部52を形成する部分には光半透過部分を、パターン開口部46を形成する部分(つまり、ベース絶縁層28を形成しない部分)には遮光部分を、ベース皮膜に対して、対向配置する。
【0130】
その後、階調露光後のベース皮膜を現像し、必要により、加熱硬化させることにより、ベース絶縁層28を、圧電側端子形成領域4と、枠形成領域49(パターン開口部46およびパターン絶縁部52)とが形成されるパターンに形成する。
【0131】
次いで、図8(c)に示すように、導体層19を、ベース絶縁層28およびパターン開口部46から露出する金属支持基板18の上面に、アディティブ法またはサブトラクティブ法などにより形成する。好ましくは、アディティブ法により導体層19を形成する。
【0132】
つまり、図1が参照されるように、導体層19を、ベース絶縁層28の上に形成される配線25と、それに連続する先側端子26、後側端子27および圧電側端子40とを備えるように、形成する。
【0133】
具体的には、図8(c)に示すように、圧電側端子40が、ベース絶縁層28における圧電側端子形成領域4に形成される。詳しくは、圧電側端子40を、パターン絶縁部52の上面およびパターン開口部46から露出する金属支持基板18の上面に追従して、面方向にわたって同一厚みで形成されることから、上記した厚み方向に凹凸となるパターンに形成される。
【0134】
これにより、上記した形状の導体層19を形成する。
【0135】
次いで、図5および図6が参照されるように、カバー絶縁層29を、上記したパターンで形成する。
【0136】
具体的には、導体層19およびベース絶縁層28を含む金属支持基板18の上面全面に、感光性の絶縁材料のワニスを塗布して乾燥させた後、露光および現像して、加熱硬化する。
【0137】
次いで、図9(d)に示すように、支持開口部34を、金属支持基板18に形成する。これとともに、支持パッド50を形成する
支持開口部34および支持パッド50は、例えば、ドライエッチング(例えば、プラズマエッチング)やウェットエッチング(例えば、化学エッチング)などのエッチング法、例えば、ドリル穿孔、レーザ加工などによって、形成する。好ましくは、支持開口部34を、ウェットエッチングによって、形成する。
【0138】
なお、支持開口部34および支持パッド50の形成と同時に、金属支持基板18を外形加工して、先部15、配線部16および後部17を形成する。
【0139】
次いで、図9(e)に示すように、支持開口部34から露出するベース絶縁層28を部分的に除去する。
【0140】
ベース絶縁層28は、例えば、エッチング、好ましくは、ウェットエッチングなどによって、除去される。
【0141】
これによって、枠形成領域49におけるベース絶縁層28の内周部36の下側部分が除去され、それによって、第2ベース開口部38が形成される。また、パターン絶縁部52の下に形成されたベース絶縁層28が除去され、それによって、圧電側端子40の下面全面が第1ベース開口部37から露出する。つまり、圧電側端子40の下面が、第2ベース開口部38および支持開口部34内に臨む。
【0142】
これによって、パッド部33において、内周部36内に充填され、厚み方向に凹凸となるパターンに形成される圧電側端子40が形成される。
【0143】
その後、図9(f)に示すように、保護薄膜47を、例えば、めっき、好ましくは、無電解めっきによって、先側端子26(図1参照)、後側端子27(図1参照)、圧電側端子40および枠導体39の表面に形成する。
【0144】
このようにして、回路付サスペンション基板3を用意(製造)する。
【0145】
次に、図1および図2が参照されるように、用意した回路付サスペンション基板3と、支持プレート2と、圧電素子5とを組み付ける。
【0146】
具体的には、回路付サスペンション基板3を支持プレート2の上面に配置する。すなわち、図1に示すように、回路付サスペンション基板3は、配線部16における第1直線部20が、プレート開口部12の幅方向中央部を横切り、第1屈曲部21が、後プレート部9の幅方向一端部および先端部に配置され、かつ、先部15がロードビーム部8の先後方向にわたって、ロードビーム部8の幅方向中央部に配置されるように、支持プレート2に、例えば、溶接あるいは接着剤などによって固定される。
【0147】
その後、図3に示すように、圧電素子5を、支持プレート2に固定するとともに、圧電素子5の圧電端子48を圧電側端子40に電気的に接続させる。
【0148】
圧電素子5を支持プレート2に固定するには、アクチュエータプレート部6における取付領域13に接着剤層31を設置し、その接着剤層31を介して、圧電素子5の先後方向両端部を取付領域13に取り付ける。圧電素子5は、図1に示すように、プレート開口部12において、回路付サスペンション基板3の第1直線部20の幅方向両外側に間隔を隔てて配置される。
【0149】
そして、図3および図5に示すように、導電性接着剤42を介して、回路付サスペンション基板3の圧電側端子40と、圧電素子5の圧電端子48とを電気的に接続する。具体的には、圧電側端子40と圧電端子48との間に導電性接着剤42を介在させ、それらを例えば、比較的低温(具体的には、100〜200℃)に加熱することにより、圧電側端子40と圧電端子48とを接着するとともに、導電性接着剤42を介して圧電側端子40と圧電端子48とを電気的に接続する。
【0150】
導電性接着剤42は、比較的低温の加熱(例えば、100〜200℃)により接着作用を発現する接続媒体である。接続媒体は、例えば、銀ペーストなどの導電性ペースト、例えば、錫−ビスマス合金、錫−インジウム合金などの共晶合金(錫系合金)などの低融点金属などからなる。接続媒体は、好ましくは、導電性ペーストから形成される。
【0151】
圧電側端子40は、導電性接着剤42を介して圧電素子5の圧電端子48と電気的に接続されるとともに、圧電端子48に接着する。
【0152】
また、図1および図2に示すように、磁気ヘッド(図示せず)を搭載したスライダ22を、ジンバル23に実装して、磁気ヘッド(図示せず)と先側端子26とを電気的に接続する。
【0153】
さらに、リード・ライト基板(図示せず)と外部側端子27Aとを電気的に接続するとともに、電源(図示せず)と電源側端子27Bとを電気的に接続する。
【0154】
また、ベースプレート部7に、駆動コイル(図示せず)を取り付ける。
【0155】
そして、これによって、アセンブリ1が得られる。得られたアセンブリ1は、ハードディスクドライブ(図示せず)に実装される。
【0156】
ハードディスクドライブにおいて、アセンブリ1は、スライダ22が、回転する円板状のハードディスクに周方向に相対的に走行しながら、ハードディスクの表面に微小間隔を隔てて浮上するとともに、磁気ヘッド(図示せず)が、駆動コイルの駆動に基づいて、ハードディスクの径方向に移動しながら、情報を読み書きする。
【0157】
さらに、磁気ヘッドは、圧電素子5の伸縮によって、ハードディスクドライブに対する位置が精細に調節される。
【0158】
すなわち、一方の圧電素子5は、電気が、電源(図示せず)から、電源側端子27B、電源配線25Bおよび圧電側端子40を介して供給されて、電気の電圧が制御されることによって、収縮する。すると、幅方向一端部における後プレート部9の先端部および先プレート部10の後端部は、可撓部11に柔軟に支持されながら、互いに近接する。
【0159】
これと同時に、他方の圧電素子5は、電気が、電源(図示せず)から、電源側端子27B、電源配線25Bおよび圧電側端子40を介して供給されて、電気の電圧が制御されることによって、伸長する。すると、幅方向他端部における後プレート部9の先端部および先プレート部10の後端部は、可撓部11に柔軟に支持されながら、互いに離間する。
【0160】
そうすると、先プレート部10およびロードビーム部8が、後プレート部9の先端部の幅方向中央部を支点として、幅方向一方側に向かって揺動する。それとともに、ロードビーム部8に固定される回路付サスペンション基板3およびスライダ22が幅方向一方側に向かって揺動する。
【0161】
一方、一方の圧電素子5を伸長させ、他方の圧電素子5を収縮させれば、先プレート部10およびロードビーム部8が上記と逆向きに揺動する。
【0162】
そして、この回路付サスペンション基板3では、圧電側端子40は、厚み方向に凹凸となるパターンに形成されているため、圧電側端子40と導電性接着剤42との接触面積の増大を十分に図ることができる。
【0163】
そのため、圧電側端子40と圧電素子5との接続信頼性を十分に向上させることができる。
【0164】
また、図8および図9に示す回路付サスペンション基板3の製造方法によれば、ベース絶縁層28を、金属支持基板18をパターン形状で露出させるパターン開口部46、および、パターン開口部46により仕切られるパターン絶縁部52を備える圧電側端子形成領域4が形成されるように、金属支持基板18の上に形成する(図8(b)参照)。
【0165】
そのため、その後、圧電側端子形成領域4に圧電側端子40を形成し(図8(c)参照)、続いて、金属支持基板18およびベース絶縁層28に、圧電側端子形成領域4に対応する支持開口部34および第1ベース開口部37をそれぞれ形成すること(図9(d)および図9(e)参照)により、圧電側端子40を、支持開口部34および第1ベース開口部37から露出して、厚み方向に凹凸となるパターンに形成することができる。
【0166】
そのため、圧電側端子40を粗面化処理する工程を別途設ける手間を省くことができながら、圧電側端子40を、厚み方向に凹凸となるパターンに形成することができる。
【0167】
その結果、簡便かつ低コストで、圧電素子5との接続信頼性に優れる回路付サスペンション基板3を得ることができる。
【0168】
また、図8および図9で示す回路付サスペンション基板3の製造方法では、図8(b)に示すように、ベース絶縁層28を、感光性のベース皮膜の階調露光により、圧電側端子形成領域4と枠形成領域49とが形成されるパターンに形成しているが、例えば、図示しないが、まず、平坦状のベース絶縁層28を金属支持基板18の上に形成し、その後、エッチングレジストを用いるハーフエッチングなどによって、ベース絶縁層28を上記したパターンに形成することもできる。
【0169】
さらに、図8および図9で示す回路付サスペンション基板3の製造方法では、図8(b)に示すように、ベース絶縁層28を、圧電側端子形成領域4と枠形成領域49とが形成されるパターンに形成し、続いて、図8(c)に示すように、導体層19を形成し、その後、図9(e)に示すように、ベース絶縁層28に、第1ベース開口部37および第2ベース開口部38を形成しているが、例えば、図示しないが、まず、平坦状のベース絶縁層28および導体層19を金属支持基板18の上に順次形成し、その後、図9(d)および図9(e)が参照されるように、支持開口部34を金属支持基板18に、第2ベース開口部をベース絶縁層28に形成し、支持開口部34および第2ベース開口部38から露出する導体層19に、圧電側端子40を、エッチングレジストを用いるハーフエッチングなどによって、厚み方向に凹凸となるパターンに形成することもできる。
【0170】
また、図1および図2の実施形態では、支持プレート2を、アクチュエータプレート部6とロードビーム部8とを一体的に備えるアクチュエータプレート・ロードビーム一体型プレートとして説明しているが、例えば、図1および図2の仮想線で示すように、それらの間に分離部51を設け、アクチュエータプレート部6とロードビーム部8とを互いに別体の部材として構成して、支持プレート2を、アクチュエータプレート・ロードビーム分離型プレートとして構成することもできる。
【0171】
図10は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パターンが先後方向に延びるストライプ状である態様)の拡大平面図を示す。図11は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(上壁の数と、下壁の数とが同一である態様)の拡大平面図を示す。図12は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パターンが平面視略格子形状である態様)の拡大平面図を示す。図13は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パターンが平面視略十字形状である態様)の拡大平面図を示す。図14は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部の拡大平面図であり、(a)は、パターンが平面視略円環形状である態様、(b)は、パターンが平面視略螺旋形状である態様を示す。図15は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パターンが1つのマークとして形成される態様)の拡大平面図であり、(a)は、パターンが平面視略円環形状である態様、(b)は、パターンが平面視略矩形状である態様、(c)は、パターンが平面視略三角形状である態様、(d)は、パターンが平面視略星形状である態様を示す。図16は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パターンが平面視略スポーク形状である態様)の拡大平面図を示す。図17は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パターンが平面視略千鳥形状である態様)の拡大平面図であり、(a)は、各下壁が平面視略円形状である態様、(b)は、各下壁が平面視略矩形状である態様を示す。図18は、本発明の配線回路基板の他の実施形態(パターンが平面視略波形状である態様)である回路付サスペンション基板のパッド部の拡大平面図であり、(a)は、パターンが幅方向に沿う態様、(b)は、パターンが先後方向に沿う態様を示す。図19は、図17(b)に示すパッド部において、上壁および下壁のパターンを入れ替えた実施形態の拡大平面図を示す。図20は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(カバー絶縁層がパッド部に形成される態様)の断面図を示す。図21は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(金属支持基板が平面視略円形状に形成される態様)の断面図を示す。図22は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板を製造する方法を説明する工程図であって、(a)は、ベース絶縁層を第1ベース絶縁層および第2ベース絶縁層から形成する工程、(b)は、導体層を形成する工程、(c)は、支持開口部を形成する工程、(d)は、第1ベース開口部および第2ベース開口部を形成する工程、(e)は、保護薄膜を形成する工程を示す。図23は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部の(上壁、下壁および連結壁が微細な凹凸パターンに形成される態様)の拡大平面図であり、(a)は、第1ベース開口部および第2ベース開口部を形成する工程、(b)は、圧電側端子に微細な凹凸パターンを形成する工程、(c)は、保護薄膜を形成する工程を示す。図24は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のジョイント部の拡大平面図を示す。図25は、図24に示すジョイント部のD−D線に沿う断面図を示す。図26は、図24に示すジョイント部のパッド部を折り返した後の拡大平面図を示す。図27は、図26に示すジョイント部のE−E線に沿う断面図を示す。
【0172】
なお、上記した各部に対応する部材については、以降の各図において同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0173】
次に説明する図10〜図19の実施形態において、下壁44は、平面視において、それぞれ、上壁43の反転パターンに形成されている。
【0174】
図6の実施形態では、上壁43および下壁44をそれぞれ幅方向に延びるストライプ(縞)状のパターンに形成しているが、ストライプの方向は特に限定されない。上壁43および下壁44を、それぞれ、例えば、図10に示すように、それぞれ、先後方向に延びるストライプ状のパターンに形成したり、あるいは、図示しないが、先後方向斜め幅方向に延びるストライプ状のパターンに形成することもできる。
【0175】
図10の実施形態では、上壁43は、幅方向に間隔を隔てて複数並列配置されている。各上壁43は、先後方向に延びるように形成されている。
【0176】
また、図6の実施形態では、上壁43および下壁44の数を同一(等数)に設定しているが、例えば、図11に示すように、例えば、互いに相異させることもできる。
【0177】
また、図11の実施形態では、上壁43の数が奇数、下壁44の数が偶数であり、具体的には、上壁43の数が5、下壁44の数が6である。
【0178】
また、例えば、図示しないが、上壁43の数を偶数に設定し、下壁44の数を奇数に設定することもできる。さらに、上壁43および下壁44の数をともに偶数、あるいは、ともに、奇数に設定することもできる。
【0179】
さらに、図6の実施形態では、上壁43および下壁44の数を複数に設定しているが、例えば、上壁43および/または下壁44の数を単数に設定することもできる。
【0180】
また、図6の実施形態では、上壁43および下壁44をそれぞれストライプ(縞)状のパターンに形成しているが、例えば、パターンの形状はこれに限定されず、例えば、図12〜図19に示すように、ストライプ以外のパターンに形成することもできる。
【0181】
具体的には、例えば、上壁43および下壁44を、それぞれ、図12に示すように、上壁43を、平面視略格子形状のパターンに形成することができ、また、図13に示すように、平面視略十字形状(+(プラス)字形状あるいは略X字形状)のパターンに形成することができる。
【0182】
また、例えば、上壁43および下壁44を、それぞれ、図14(a)に示すように、平面視略円環形状(リング形状)に形成することができ、また、図14(b)に示すように、平面視略螺旋形状(渦巻き形状)に形成することができる。
【0183】
図14(a)の実施形態では、上壁43および下壁44は、圧電側端子40の中央から径方向外側に向かって交互に形成されている。なお、中央の下壁44は、平面視略円形状に形成されている。
【0184】
図14(b)の実施形態では、上壁43は、圧電側端子40の中央から径方向外側に向かって時計回りに旋回する平面視略螺旋形状(渦巻き形状)に形成されている。
【0185】
また、例えば、上壁43を、図15(a)〜図15(d)に示すように、圧電側端子40の中央において、平面視において1つのマークとして形成することができる。
【0186】
図15(a)〜図15(d)の実施形態では、上壁43は、枠導体39の内側に間隔を隔てて配置されており、具体的には、上壁43は、下壁44を介して枠導体39に連結されている。
【0187】
図15(a)の実施形態では、上壁43は、平面視略円形状に形成されている。
【0188】
図15(b)の実施形態では、上壁43は、平面視略矩形状に形成されている。
【0189】
図15(c)の実施形態では、上壁43は、平面視略三角形状に形成されている。
【0190】
図15(d)の実施形態では、上壁43は、平面視略星形状に形成されている。
【0191】
図15(d)において、上壁43は、圧電側端子40の中央から放射状に延びる5つの突起部61を備えている。各突起部61は、径方向外側に向かって次第に周方向長さが短くなる平面視略三角形状に形成されている。
【0192】
また、例えば、上壁43を、図16に示すように、平面視略スポーク形状に形成することができる。
【0193】
図16の実施形態では、上壁43は、圧電側端子40の中央を通過し、圧電側端子40の中央から径方向外側に向かって直線状に延びる第6直線部60を備えている。第6直線部60は、周方向に複数整列配置されている。すなわち、複数の第6直線部60は、圧電側端子40の中央から放射状に延びるように形成されている。
【0194】
また、図17(a)および図17(b)に示すように、上壁43のパターンを平面視略千鳥形状に形成することができる。
【0195】
図17(a)の実施形態では、上壁43は、面方向に互いに間隔を隔てて複数整列配置されており、各上壁43は、平面視略円形状に形成されている。
【0196】
図17(a)において、上壁43は、圧電側端子40の中央に配置される中央部62と、中央部62の周囲において、中央部62を中心とする円周上において周方向に互いに間隔を隔てて配置される複数の周囲部63とを備えている。
【0197】
図17(b)の実施形態では、上壁43は、幅方向および先後方向に互いに間隔を隔てて複数整列配置されており、各上壁43は、平面視略矩形状に形成されている。
【0198】
また、例えば、上壁43を、図18(a)および図18(b)に示すように、平面視略波形状に形成することができる。
【0199】
図18(a)の実施形態では、上壁43は、先後方向に互いに間隔を隔てて複数整列配置されており、各上壁43は、幅方向に沿って延びる(連続する)正弦波(正弦曲線)形状に形成されている。
【0200】
図18(b)の実施形態では、上壁43は、幅方向に互いに間隔を隔てて複数整列配置されており、各上壁43は、先後方向に沿って延びる(連続する)正弦波(正弦曲線)形状に形成されている。
【0201】
図10〜図18の実施形態においても、図6の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0202】
また、図10〜図18の実施形態において、上壁43のパターンと下壁44とパターンとを相互に入れ替えることもできる。
【0203】
具体的には、図12および図13の実施形態では、上壁43を、それぞれ、平面視略格子形状および平面視略十字形状に形成しているが、例えば、図示しないが、下壁44を、それぞれ、平面視略格子形状および平面視略十字形状に形成することができる。
【0204】
また、図15(a)〜図15(d)の実施形態では、上壁43を1つのマークとして形成しているが、例えば、図示しないが、下壁44を1つのマークとして形成することができる。
【0205】
また、図16の実施形態では、上壁43を、平面視略スポーク形状に形成しているが、例えば、図示しないが、下壁44を平面視略スポーク形状に形成することができる。
【0206】
また、図17(a)および図17(b)の実施形態では、上壁43を平面視略千鳥形状に形成しているが、例えば、下壁44を平面視略千鳥形状に形成することができる。
【0207】
具体的には、図19に示すように、下壁44は、面方向(詳しくは、幅方向および先後方向に)に互いに間隔を隔てて複数整列配置されている。各下壁44は、平面視略矩形状に形成されている。
【0208】
上壁43は、複数の下壁44を仕切るように、先後方向および幅方向に延びる、平面視略格子形状に形成されている。
【0209】
そして、図10〜図18において、上壁43のパターンと下壁44とパターンとを入れ替えた実施形態(例えば、図17(b)のパターンを入れ替えた図19の実施形態を含む)によっても、それらの入れ替え前の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0210】
また、図3および図6の実施形態では、パッド部33において、カバー絶縁層29を形成していないが、例えば、図4の仮想線および図20で示すように、カバー絶縁層29を、導体層19を被覆するように、形成することもできる。
【0211】
図4の仮想線で示す実施形態では、カバー絶縁層29は、平面視略円環(リング)形状で、枠導体39を被覆するパターンに形成されている。つまり、カバー絶縁層29には、厚み方向を貫通する絶縁開口部としてのカバー開口部54が形成され、そのカバー開口部54が、圧電側端子40の上面を露出している。
【0212】
図4の仮想線で示す実施形態では、図3および図6の実施形態と同様の作用効果を奏する他に、枠導体39をカバー絶縁層29によって支持(補強)することができる。そのため、圧電側端子40の機械強度を向上させて、圧電側端子40と圧電端子48との接続信頼性を向上させることができる。
【0213】
図20において、カバー絶縁層29は、枠導体39の上面および外側面と、圧電側端子40の上面とに形成されている。
【0214】
図20の実施形態では、図3および図6の実施形態と同様の作用効果を奏する他に、圧電側端子40の上面全面がカバー絶縁層29によって支持されるので、圧電側端子40の機械強度を向上させることができる。そのため、圧電側端子40と圧電端子48との接続信頼性を向上させることができる。
【0215】
一方、図3の実施形態では、圧電側端子40の両側が露出しているので、圧電側端子40と圧電端子48との接続において、超音波接続などを好適に採用することもできる。
【0216】
また、図3および図7の実施形態では、パッド部33の金属支持基板18(支持パッド50)に、支持開口部34を形成しているが、例えば、図21に示すように、金属支持基板18に支持開口部34を形成することなく、パッド部33における金属支持基板18(支持パッド50)を底面視略円形状に形成することもできる。
【0217】
図21において、金属支持基板18(支持パッド50)の上面には、パターン絶縁部52の下面と、パターン開口部46内に充填される圧電側端子40(すなわち、下壁44)の下面とが、接触している。
【0218】
また、圧電側端子40の上面には、導電性接着剤42(図21において図示せず。)が設けられ、その上に配置される圧電素子5と電気的に接続される。
【0219】
図21の実施形態では、図3および図6の実施形態と同様の作用効果を奏する他に、圧電側端子40がパターン絶縁部52および金属支持基板18によって支持されるので、圧電側端子40の機械強度をより一層向上させ、それによって、圧電側端子40と圧電端子48との接続信頼性をより一層向上させることができる。
【0220】
また、図1および図3の実施形態では、信号配線25Aおよび電源配線25Bを、配線部16において、幅方向に並列配置させているが、例えば、厚み方向に対向配置させることができる。
【0221】
その場合には、図22(a)が参照されるように、ベース絶縁層28を、第1ベース絶縁層71およびその上に形成される第2ベース絶縁層72から形成し、配線部16(図22(a)において図示せず。)において、第1ベース絶縁層71、電源配線25B、第2ベース絶縁層72、信号配線25Aの順序で積層することができる。あるいは、第1ベース絶縁層71、信号配線25A、第2ベース絶縁層72、電源配線25Bの順序で積層することもできる。
【0222】
このような回路付サスペンション基板3を製造する方法を、図22(a)〜図22(e)を参照して説明する。
【0223】
この方法では、図8(a)が参照されるように、まず、金属支持基板18を用意し、続いて、図22(a)に示すように、ベース絶縁層28を、金属支持基板18の上に形成する。
【0224】
ベース絶縁層28を金属支持基板18の上に形成するには、まず、第1ベース絶縁層71を金属支持基板18の上に形成する。より具体的には、第1ベース絶縁層71を、図8(b)と同様のパターン、つまり、圧電側端子形成領域4と枠形成領域49とが形成されるパターンに形成する。第1ベース絶縁層71の厚みは、例えば、0.5〜50μm、好ましくは、1.5〜20μmである。
【0225】
次いで、図示しない電源配線25Bまたは信号配線25Aを第1ベース絶縁層71の上に形成する。
【0226】
次いで、第2ベース絶縁層72を、第1ベース絶縁層71の上に、図示しない電源配線25Bまたは信号配線25Aを被覆するように、形成する。第2ベース絶縁層72を、第1ベース絶縁層71と同一パターンで形成する。第2ベース絶縁層72の厚みは、例えば、0.5〜50μm、好ましくは、1.5〜20μmである。
【0227】
これによって、第1ベース絶縁層71および第2ベース絶縁層72からなるベース絶縁層28を、圧電側端子形成領域4と枠形成領域49とが形成されるパターンで形成する。
【0228】
ベース絶縁層28の厚み(第1ベース絶縁層71および第2ベース絶縁層72の総厚み、枠形成領域49における外周部35の厚みと同じ。)は、例えば、8〜60μm、好ましくは、8〜30μmである。
【0229】
ベース絶縁層28において、パターン絶縁部52の厚みは、枠形成領域49の厚みと同様の厚みに形成されている。
【0230】
次いで、図22(b)に示すように、導体層19(電源配線25Bまたは信号配線25Aを除く)を、ベース絶縁層28およびパターン開口部46から露出する金属支持基板18の上面に形成する。
【0231】
上壁43の下面と下壁44の下面との間隔L2は、図4の実施形態における間隔L1に比べて大きく、例えば、8〜60μm、好ましくは、8〜30μmである。
【0232】
次いで、図22(c)に示すように、支持開口部34を、金属支持基板18に形成する。
【0233】
次いで、図22(d)に示すように、支持開口部34から露出するベース絶縁層28を部分的に除去する。
【0234】
これによって、枠形成領域49におけるベース絶縁層28の内周部36の下側部分が除去され、それによって、第2ベース開口部38が形成される。
【0235】
ベース絶縁層28の内周部36の厚みは、例えば、0.5〜50μm、好ましくは、1.5〜20μmである。
【0236】
また、パターン絶縁部52の下側部分が除去される。それによって、連結壁45の下側部分が露出する。つまり、圧電側端子40において、下壁44および連結壁45の下側部分が、第2ベース開口部38および支持開口部34内に臨む。
【0237】
一方、上壁43と連結壁45の上側部分とによって区画される凹部73には、パターン絶縁部52の上側部分(例えば、第2ベース絶縁層72(図22(a)参照)などを含む)が残存している。残存するパターン絶縁部52の厚みが、例えば、0.5〜50μm、好ましくは、1.5〜20μmである。
【0238】
これによって、パッド部33において、第1ベース開口部37内において、厚み方向に凹凸となるパターンに形成される圧電側端子40が形成される。
【0239】
その後、図22(e)に示すように、保護薄膜47を圧電側端子40および枠導体39の表面に形成する。
【0240】
圧電側端子40における下側の保護薄膜47は、下壁44および連結壁45の下側部分のみを被覆するように、形成される。
【0241】
このようにして、回路付サスペンション基板3を用意(製造)する。
【0242】
図22の実施形態では、ベース絶縁層28を、厚み方向に積層される2つのベース絶縁層(第1ベース絶縁層71および第2ベース絶縁層72)から形成するので、その分、ベース絶縁層28の厚みを十分に確保することができる。
【0243】
つまり、図22(e)に示すように、パッド部33における外周部35の厚みを十分に厚い厚みで確保しつつ、それより薄い内周部36を確実に形成することができる。
【0244】
さらに、この実施形態では、凹部73には、合成樹脂などからなるパターン絶縁部52(ベース絶縁層28)の一部(上側部分)が残存しているので、図22(e)の仮想線で示し、その後に設けられる導電性接着剤42との密着性を向上させることができる。
【0245】
そのため、圧電側端子40と圧電素子5(図3参照)との接続信頼性を十分に向上させることができる。
【0246】
また、図22の実施形態では、ベース絶縁層28を厚み方向に積層される2つのベース絶縁層から形成することにより、凹部73にパターン絶縁部52の一部を残存させている。しかし、ベース絶縁層28の層構成は、これに限定されず、例えば、図22(a)の仮想線を省略した実施形態が参照されるように、ベース絶縁層28を1つのベース絶縁層から比較的厚く形成することにより、凹部73にパターン絶縁部52の一部を残存させることもできる。
【0247】
その場合におけるベース絶縁層28(外周部35を含む)の厚み(最大厚み)は、例えば、8〜60μm、好ましくは、8〜30μmである。
【0248】
また、図23(b)および図23(c)に示すように、圧電側端子40における上壁43、下壁44および連結壁45をそれぞれ凹凸となるパターンに形成することもできる。
【0249】
また、図23(b)および図23(c)の実施形態では、上壁43、下壁44および連結壁45のそれぞれは、圧電側端子40における凹凸パターン(上壁43および下壁44の下面の間隔L1に基づく凹凸パターン)に比べて、微細な凹凸パターンで形成されている。
【0250】
上壁43、下壁44および連結壁45のそれぞれに上記した凹凸パターンを形成するには、まず、図23(a)に示すように、ベース絶縁層28の除去工程によって、図9(e)が参照されるように、厚み方向に凹凸となるパターンに形成された圧電側端子40を用意し、その後、図23(b)に示すように、圧電側端子40の上壁43、下壁44および連結壁45のそれぞれを、例えば、プラズマ処理、レーザ処理などの微細加工処理によって、微細な凹凸パターンに形成する。
【0251】
これとともに、枠導体39の表面にも、微細な凹凸パターンが形成される。
【0252】
なお、上壁43、下壁44および連結壁45のそれぞれの表面粗さRzは、例えば、50〜2000nm、好ましくは、200〜1000nmである。表面粗さRzは、JIS B 0601−1994に準拠する十点平均粗さとして求められる。
【0253】
その後、図23(c)に示すように、保護薄膜47を、圧電側端子40および枠導体39の表面に形成する。保護薄膜47のそれぞれの表面には、上壁43、下壁44および連結壁45の微細な凹凸パターンに追従する微細な凹凸パターンが形成される。
【0254】
図23の実施形態によれば、図6および図7の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0255】
さらに、図23の実施形態によれば、上壁43、下壁44および連結壁45のそれぞれに微細な凹凸パターンが形成されているので、高いアンカー効果に基づいて、圧電素子5の圧電端子48(図3参照)との接続信頼性をより一層向上させることができる。
【0256】
また、図23において図示しないが、例えば、微細な凹凸パターンを圧電側端子40の下面のみ、あるいは、上面のみに形成することもできる。
【0257】
図示しないが、例えば、微細な凹凸パターンを圧電側端子40の上面に形成せず、下面に形成する場合には、図20が参照されるように、カバー絶縁層29を圧電側端子40の上面に形成する。
【0258】
また、例えば、図示しないが、微細な凹凸パターンを圧電側端子40の下面に形成せず、上面に形成する場合には、図21が参照されるように、金属支持基板18の上面を、パターン絶縁部52の下面と、下壁44の下面とに接触させる。
【0259】
また、図24〜図27に示すように、回路付サスペンション基板3のパッド部33を折り返し、その後、圧電側端子40を圧電素子5と電気的に接続させることもできる。
【0260】
この実施形態では、図24に示すように、パッド部33を折り返す前の接続アーム32において、ジョイント部41は、平面視略L字形状に形成されている。
【0261】
ジョイント部41は、第2直線部55および第2屈曲部56を一体的に備えている。
【0262】
第2直線部55は、第1直線部20の先後方向中央部から幅方向一方側に延びるように、形成されている。第2直線部55は、図6に示すジョイント部41と同様の構成で形成されており、具体的には、ベース絶縁層28と、電源配線25Bと、カバー絶縁層29とを備えている。
【0263】
第2屈曲部56は、支持ジョイント53と、それに支持されるベース絶縁層28、電源配線25Bおよびカバー絶縁層29とを備えている。
【0264】
支持ジョイント53は、金属支持基板18と同一層として形成されており、後方に向かって開放される平面視略コ字形状をなし、具体的には、パッド部33の支持パッド50の上端部および下端部から先側に延びる2つの第3直線部57と、2つの第3直線部57の先端部を連結する第4直線部58とを一体的に備えている。
【0265】
第3直線部57および第4直線部58は、第2直線部55より幅狭に形成されており、具体的には、例えば、20〜200μm、好ましくは、30〜100μmである。
【0266】
支持ジョイント53および支持パッド50を形成する金属支持基板18には、金属支持基板18の厚み方向を貫通するジョイント開口部59が形成されている。ジョイント開口部59は、2つの第3直線部57の幅方向内面(それらが幅方向に対向する対向面)と、第4直線部58の後面と、支持パッド50の先面とにより、平面視略矩形状に区画されている。第2屈曲部56において、平面視において、ジョイント開口部59に囲まれる部分(絶縁層30および電源配線25B)は、金属支持基板18から露出するので、脆弱部とされている。
【0267】
そして、この実施形態において、パッド部33を折り返して、圧電側端子40を圧電素子5と電気的に接続するには、まず、図24の1点破線で示す折返線FLに沿って、パッド部33を第2屈曲部56の先端に向けて折り返す。
【0268】
折り返し線FLは、ジョイント開口部59内の脆弱部64を幅方向に横切る直線状に形成されている。
【0269】
具体的には、パッド部33を、図24および図25に示すように、折返線FLが通過する脆弱部64の上面が山となるように折り返す。より具体的には、図26および図27に示すように、支持パッド50の先端部(図25における後端部)と、第4直線部58とが、厚み方向に対向(近接)配置されるように、パッド部33を折り返す。
【0270】
これによって、図26に示すように、圧電側端子40を含むパッド部33は、第2屈曲部56の先端部(第2直線部55の幅方向一端部)の下側に対向配置される。
【0271】
そのため、圧電側端子40は、面方向に投影したときに、図27に示すように、仮想線で示す支持プレート2と重複する。より具体的には、圧電側端子40は、プレート開口部12内に位置する。
【0272】
従って、圧電側端子40は、折り返しによって、後で接続される圧電素子5の圧電端子48に近接している。
【0273】
その後、導電性接着剤42を介して、圧電側端子40と、圧電素子5の圧電端子48とを電気的に接続する。
【0274】
図24〜図27の実施形態(特に、図27の仮想線で示される実施形態)では、図3の実施形態と比べて、圧電側端子40と圧電素子5の圧電端子48とがより近接している。そのため、それらに介在する導電性接着剤42の使用量を低減させながら、それらの密着力を十分に向上させることができる。
【符号の説明】
【0275】
2 支持プレート
3 回路付サスペンション基板
4 圧電側端子形成領域
5 圧電素子
18 金属支持基板
19 導体層
25 配線
25B 電源配線
28 ベース絶縁層
29 カバー絶縁層
30 絶縁層
34 支持開口部
37 第1ベース開口部
38 第2ベース開口部
46 パターン開口部
52 パターン絶縁部
54 カバー開口部
71 第1ベース絶縁層
72 第2ベース絶縁層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層に被覆される配線、および、前記配線に連続し、電子素子と電気的に接続するための端子を備える導体層とを備え、
前記絶縁層には、前記端子を露出する絶縁開口部が形成されており、
前記端子は、厚み方向に凹凸となるパターンに形成されていることを特徴とする、配線回路基板。
【請求項2】
前記端子が、導電性接着剤を介して前記電子素子と接続して使用されることを特徴とする、請求項1に記載の配線回路基板。
【請求項3】
前記絶縁層は、前記配線の前記厚み方向一方側に形成されるベース絶縁層を備え、
前記絶縁開口部は、前記ベース絶縁層において、前記端子の前記厚み方向一方面を露出するように形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の配線回路基板。
【請求項4】
前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方側に形成され、前記電子素子が取り付けられる支持プレートに支持される金属支持基板をさらに備え、
前記金属支持基板には、前記端子の前記厚み方向一方面を露出する支持開口部が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の配線回路基板。
【請求項5】
前記絶縁層は、前記配線の前記厚み方向他方側に形成されるカバー絶縁層を備え、
前記絶縁開口部は、前記カバー絶縁層において、前記端子の前記厚み方向他方面を露出するように形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の配線回路基板。
【請求項6】
前記電子素子が、圧電素子であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の配線回路基板。
【請求項7】
金属支持基板を用意する工程と、
ベース絶縁層を、前記金属支持基板をパターン形状で露出させるパターン開口部、および、前記パターン開口部により仕切られるパターン絶縁部を備える端子形成領域が形成されるように、前記金属支持基板の厚み方向一方側に形成する工程と、
導体層を、前記ベース絶縁層の前記厚み方向一方側に形成される配線、および、前記配線に連続し、前記端子形成領域に形成され、導電性接着剤を介して前記電子素子と接続して使用される端子を備えるように、形成する工程と、
前記金属支持基板および前記ベース絶縁層に、前記前記端子形成領域に対応する支持開口部およびベース開口部をそれぞれ形成することにより、前記端子を、前記支持開口部および前記ベース開口部から露出して、前記厚み方向に凹凸となるパターンに形成する工程とを備えることを特徴とする、配線回路基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−12725(P2013−12725A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−119267(P2012−119267)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】