説明

配線形成方法

【課題】 高アスペスト比の微細配線であっても、シード層を確実に補強して、ボイドのない健全な配線を形成できるようにする。
【解決手段】 配線用の微細窪みを形成した基板の表面にシード層を形成し、シード層を第1のめっき液による無電解めっきによって補強し、しかる後、第2のめっき液によるパルスまたはPRパルスを用いた電解めっきによってシード層を更に補強し、第3のめっき液を用いて前記微細窪みの内部に電解めっきにより導電体を埋め込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線形成方法に関し、特に半導体ウエハ等の半導体基板の表面に形成した配線用の微細な窪みに銅や銀等の導電体を埋め込んで配線を形成する配線形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体基板上に配線回路を形成するための金属材料として、アルミニウムまたはアルミニウム合金に代えて、電気抵抗率が低くエレクトロマイグレーション耐性が高い銅(Cu)を用いる動きが顕著になっている。この種の銅配線は、基板の表面に設けた配線用の微細窪みの内部に銅を埋込むことによって一般に形成される。この銅配線を形成する方法としては、CVD、スパッタリング及びめっきといった手法があり、めっきが一般的であるが、いずれにしても、基板のほぼ全表面に銅を成膜し、化学的機械的研磨(CMP)により不要の銅を除去するようにしている。
【0003】
図16は、この種の銅配線基板Wの製造例を工程順に示すもので、図16(a)に示すように、半導体素子を形成した半導体基材1上の導電層1aの上に、例えばSiOからなる絶縁膜2を堆積し、この絶縁膜2の内部に、例えばリソグラフィ・エッチング技術によりコンタクトホール3と配線用の溝4を形成し、その上にTaN等からなるバリア膜5、更にその上に電解めっきの給電層として銅シード層6をスパッタリング等により形成する。
【0004】
そして、図16(b)に示すように、基板Wの表面に銅めっきを施すことで、基板Wのコンタクトホール3及び溝4内に銅を充填させるとともに、絶縁膜2上に銅層7を堆積させる。その後、化学機械的研磨(CMP)により、絶縁膜2上の銅層7及びバリア層5を除去して、コンタクトホール3及び配線用の溝4に充填させた銅層7の表面と絶縁膜2の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図16(c)に示すように、絶縁膜2の内部に銅シード層6と銅層7からなる配線8が形成される。
【0005】
ここで、微細配線化が進み、配線幅がより狭く、かつアスペスト比(幅に対する深さの比)がより高くなるに従って、スパッタリング等で形成されるシード層が溝底部まで均一に届かなくなり、シード層の膜厚が溝底部に向かって徐々に薄くなったり、また溝側面や底面の一部に析出せずにシード層が途中で途切れて不連続になることがある。このように、シード層が不完全な状態で電解めっきによって銅の埋め込みを行うと、銅層の内部にめっき未析出部(ボイド)が生じる。
【0006】
これを防止するため、シード層の表面に、無電解めっきまたは電解めっきの一方を施してシード層を補強し、しかる後、電解めっきによる銅の埋め込みを行うことが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、無電解めっき単独でシード層を補強すると、無電解めっきは、反応種の供給律速がめっきを支配するため、下地(シード層)の形状をなぞった形状に成膜され、この結果、ホールや溝内部におけるめっきの付き廻りは良いが、下地に凹凸があれば、その凹凸を強調してしまい、その後の電解めっきでボイドを発生させることなく銅等を埋め込むことが困難となる。一方、電解めっき単独でシード層を補強すると、下地(シード層)が不連続の場合に、導通が確保できなくなり、逆にシード層をエッチングしてしまい、本来の目的のシード層の補強が不可能となると考えられる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、高アスペスト比の微細配線であっても、シード層を確実に補強して、ボイドのない健全な配線を形成できるようにした配線形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、配線用の微細窪みを形成した基板の表面にシード層を形成し、前記シード層を第1のめっき液による無電解めっきによって補強し、しかる後、第2のめっき液によるパルスまたはPRパルスを用いた電解めっきによって前記シード層を更に補強し、第3のめっき液を用いて前記微細窪みの内部に電解めっきにより導電体を埋め込むことを特徴とする配線形成方法である。
【0010】
このように、無電解めっきと電解めっきの2段階のめっきによってシード層を補強することで、シード層が不連続でもめっきできるという無電解めっきの利点と、凹凸が少なくより平滑にめっきできるという電解めっきの利点を利用して、シード層をより平坦かつ確実に補強することができる。
【0011】
しかも、先ず無電解めっきでシード層を補強することで、シード層が不連続であっても、これを連続させ、このように、シード層を連続させて導通を確保した状態で、電解めっきでシード層を補強することで、シード層の凹凸を均一に均して、シード層の膜厚をより平滑にすることができる。
【0012】
電解めっきにあっては、使用するめっき液の組成と、電源として使用する電流波形によって均一電着性とボトムアップ性(レベリング性)が異なるが、電流波形として、パルスまたはPRパルスを使用することで、シード層をその全面に亘ってより平滑な状態にして補強することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記第2のめっき液は、前記第3のめっき液よりも過電圧を高くできるめっき液であることを特徴とする請求項1に記載の配線形成方法である。
請求項3に記載の発明は、前記第3のめっき液は、硫酸銅めっき液であることを特徴とする請求項1または2に記載の配線形成方法である。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記無電解めっきは、無電解めっき液を複数の噴射ノズルから分散させて基板の被めっき面へ噴射して行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の配線形成方法である。
請求項5に記載の発明は、前記無電解めっき処理の完了後、基板の被めっき面を洗浄および冷却することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の配線形成方法である。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記第2のめっき液による電解めっき処理の完了後、基板の被めっき面をリンスした後、乾燥させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の配線形成方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高アスペスト比の微細配線(例えば、0.1μm以下)であっても、シード層を確実に補強して、ボイドのない健全な配線を形成することができ、スループットを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の配線形成方法に使用される配線形成装置の平面配置図を示す。この配線形成装置は、同一設備内に、内部に複数の基板Wを収納する2基のロード・アンロード部10と、一つの基板処理部(即ち、一つのめっきセル)12を共有した補強用無電解めっき装置14、補強用電解めっき装置16及び埋め込み用電解めっき装置18と、ロード・アンロード部10と基板処理部12との間で基板Wの受け渡しを行う搬送ロボット20とを収納して構成されている。
【0018】
補強用無電解めっき装置14は、共通の基板処理部12と第1のめっき液供給ヘッド22を有している。また、補強用電解めっき装置16は、共通の基板処理部12と第2のめっき液供給ヘッド24を、埋め込み用電解めっき装置18は、共通の基板処理部12と第3のめっき液供給ヘッド26とをそれぞれ有している。そして、第1のめっき液供給ヘッド22は、回転軸28を中心に揺動する揺動アーム30の先端に保持され、基板処理部12と退避部32との間を揺動するとともに、上下動するように構成されている。また、第2のめっき液供給ヘッド24は、回転軸34を中心に揺動する揺動アーム36の先端に保持され、基板処理部12と退避部38との間を揺動するとともに、上下動するように構成され、第3のめっき液供給ヘッド26は、回転軸34を中心に揺動する揺動アーム40の先端に保持され、基板処理部12と退避部42との間を揺動するとともに、上下動するように構成されている。
【0019】
更に、基板処理部12の側方には、プレコート・回収アーム44と、純水やイオン水等の薬液を基板Wに向けて噴射する固定ノズル46が配置されている。固定ノズル46は複数設置され、その内の一つを純水供給用に用いている。
【0020】
図2は、基板処理部12の上方に第1のめっき液供給ヘッド22が位置して、補強用無電解めっき装置14を構成した状態を示す。図2に示すように、基板処理部12は、被めっき面を上にして基板Wを保持する基板保持部50と、基板保持部50の上方に配置されて基板保持部50の周縁部を囲むように設置されるカソード52と、カソード52の上方を覆うように取付けられる環状のシール材54とが備えられている。更に基板保持部50の周囲を囲んで、処理中に用いる各種薬液の飛散を防止する有底筒状の飛散防止カップ56が配置されている。基板Wの基板保持部50への固定は、基板保持部50に設けた図示しない爪によって行っても良いし、真空吸着によって行っても良い。
【0021】
カソード52とシール材54は、上下動不能で且つ基板保持部50と一体に回転するように構成されている。そして基板保持部50がめっき位置Bまで上昇した時に、この基板保持部50で保持した基板Wの周縁部にカソード52の先端が押付けられて通電し、同時にシール材54の先端が基板Wの周縁部上面に圧接し、ここを水密的にシールして、基板Wの上面(被めっき面)に供給されためっき液が基板Wの端部から染み出すのを防止するとともに、めっき液がカソード52を汚染することを防止している。
【0022】
基板保持部50は、下方の基板受渡位置Aと、上方のめっき位置Bと、中間の前処理・洗浄位置Cとの間を昇降し、モータMによって任意の速度で前記カソード52及びシール材54と一体に回転するように構成されている。基板保持部50がめっき位置Bまで上昇した際に基板保持部50で保持された基板Wの周縁部にカソード52の先端とシール材54の先端とが当接するようになっている。
【0023】
プレコート・回収アーム44は、3つのノズル(1つがプレコート液吐出用のプレコートノズル58、それ以外の2つのノズルがめっき液回収用のめっき液回収ノズル60a,60b)を具備し、これらが支持軸62を中心に旋回・上下動できるように構成されている。図2では、図示の都合上、各ノズル58,60a,60bを別々に記載しているが、実際は図1に示すようにプレコート・回収アーム44に一体に取付けられている。
【0024】
第1のめっき液供給ヘッド22は、無電解めっき用の無電解めっき液を多数の噴射ノズル66からシャワー状に分散させて噴射するものであり、揺動アーム30の先端に取付けられている。そして、第1のめっき液供給ヘッド22の内部にランプヒータ68が一体に設置されている。即ち、例えば半径の異なる複数のリング状のランプヒータ68を同心円状に配置し、ランプヒータ68の間の隙間から多数の噴射ノズル66をリング状に開口させている。なおランプヒータ68は、渦巻状の一本のランプヒータであっても良いし、それ以外の各種構造・配置のランプヒータで構成しても良い。これにより、各噴射ノズル66から基板Wの被めっき面上に無電解めっき液をシャワー状に略均等に供給でき、またランプヒータ68によって基板Wの加熱・保温も容易且つ迅速・均一に行える。
【0025】
図3は、基板処理部12の上方に第2のめっき液供給ヘッド24(または第3のめっき液供給ヘッド26)が位置して、補強用電解めっき装置16(または埋め込み用電解めっき装置18)を構成した状態を示している。なお、補強用電解めっき装置16と埋め込み用電解めっき装置18は、使用するめっき液が異なるだけで、構成は同じであるので、ここで補強用電解めっき装置16についてのみ説明する。
【0026】
第2のめっき液供給ヘッド24は、ハウジング70の下面にアノード72を取付け、またアノード72の下面にアノード72の全面を覆う保水性材料からなるめっき液含浸材74を取付け、さらにハウジング70の上部にめっき液供給管76を接続して構成されている。アノード72には多数のめっき液供給口72aが設けられ、これによってめっき液供給管76からめっき液供給口72aを通してめっき液含浸材74にめっき液が供給される。めっき液含浸材74は、アノード72の表面にめっき液の作用によって形成されるブラックフィルムが、乾燥したり酸化したりして、アノード72から脱落してパーティクルとなるのを防止するため、常にアノード72の表面を湿潤させておくために設けられている。めっき液供給管76からめっき液供給口72aとめっき液含浸材74を介してめっき液を供給する機構によって基板処理液供給機構が構成される。
【0027】
第2のめっき液供給ヘッド24は、基板保持部50がめっき位置Bにあるときに基板保持部50で保持された基板Wとめっき液含浸材74との隙間が、例えば0.5〜3.0mm程度となるまで下降し、この状態でめっき液供給管76からめっき液を供給してめっき液含浸材74にめっき液を含ませながら、基板Wの被めっき面とアノード72との間にめっき液を満たして、被めっき面にめっきを行う。
【0028】
次に、この配線形成装置による配線形成例について、更に図4乃至図10を参照して説明する。
先ず第1の例では、補強用無電解めっき装置14に使用するめっき液、及び補強用電解めっき装置16に使用するめっき液として、その組成に2価の銅イオン、銅イオンの錯化剤、還元剤及びpH調整剤とを有するめっき液(無電解めっき液)を使用する。
【0029】
この2価の銅イオンの供給源としては、硫酸銅、塩化銅、硝酸銅などの第2銅塩を用いることができ、例えば0.001〜1mol/Lの濃度範囲で添加することができる。銅イオンの錯化剤としては、酒石酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸及びそれらの塩、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸等のアミノカルボン酸及びそれらの塩、クアドロール、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン及びそれらの塩等を用いることができ、例えば0.001〜5mol/Lの濃度範囲で添加することができる。
【0030】
還元剤としては、グリオキシル酸、ホルムアルデヒド等を用いることができ、例えば0.001〜1mol/Lの濃度範囲で添加することができる。pH調整剤は、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム等を用いることができ、めっき液のpHが、例えば6〜14になるように添加される。
このめっき液の処理温度は、20〜70℃程度が好ましく、必要に応じて、公知の無電解銅めっきの安定剤や界面活性剤を含有させることができる。
【0031】
補強用電解めっき装置16に使用するめっき液として、その組成に2価の銅イオン、錯化剤及びpH調整剤とを有するめっき液、例えばピロりん酸銅を15g/L、ピロりん酸を92g/L含み、コリン等のpH調整剤を添加してpHを9.5にした、均一導電性に優れたピロりん酸銅めっき液を用いてもよい。このめっき液としては、ピロりん酸銅めっき液の他に硫酸銅を溶解して2価の銅イオンを得るようした硫酸銅めっき液、スルホン酸銅を溶解して2価の銅イオンを得るようしたスルホン酸銅めっき液等、任意のものを使用することもできる。
【0032】
ここで、ピロりん酸銅めっき液は、ピロりん酸銅をベースとして、これにピロりん酸等の錯化剤が添加されているため、通常の硫酸銅めっき液よりも分極が高い。ここで、分極が高いとは、電流密度の変化に対する電圧の変化の比が大きいこと、つまり電位の振れに対して電流密度の変動が少ないことを意味する。これによって、電解めっき液として使用する時、例えシード層6(図16参照)の膜厚に差があり、通電時に電位差が生じても、電流密度の変動を少なくすることができる。このため、析出電位を上昇させ、電着性の均一性を向上させて、通常の硫酸銅めっき液では析出が困難だったシード層の薄い部分にもめっきが析出する。
【0033】
また、埋め込み用電解めっき装置18に使用するめっき液として、硫酸銅の濃度が高く、硫酸の濃度が低い、例えば硫酸銅100〜300g/L(好ましくは225g/L)、硫酸10〜100g/L(好ましくは55g/L)程度の組成を有し、レベリング性を向上させた添加剤を含有したレベリング性に優れた硫酸銅めっき液を用いている。
【0034】
このレベリング性を向上させる効果のある添加剤は、例えば有機窒素系化合物であり、具体的には、フェナチジン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポリエチレンイミン、ポリベンジルエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンおよびその誘導体、N−染料置換体化合物などのチオ尿素誘導体、フェノサフラニン、サフラニンアゾナフトール、ジエチルサフラニンアゾフェノール、ジメチルサフラニンジメチルアニリンなどのサフラニン化合物、ポリエピクロルヒドリンおよびその誘導体、チオフラビン等のフェニルチアゾニウム化合物、アクリルアミド、プロピルアミド、ポリアクリル酸アミドなどのアミド類等の含窒素化合物を挙げることができる。
【0035】
ここで、レベリング性とは、表面平坦度に対する性質を意味し、レベリング性に優れためっき液を使用してめっきを行うと、微細窪みの入口での膜成長が遅くなり、これによって、ボイドの発生を防止しつつ、微細窪み内に銅を均一に隙間なく充填し、しかも表面をより平坦にすることができる。
【0036】
先ず、表面にシード層6(図16参照)を形成した基板Wをロード・アンロード部10から搬送ロボット20で取出し、被めっき面を上向きにした状態で基板処理部12の基板保持部50に設置する。このとき基板保持部50は、基板受渡位置A(図2参照)にある。
【0037】
次に、基板保持部50を、めっき位置Bまで上昇させる。すると、前述のように、基板Wの周縁部にカソード52の先端とシール材54の先端が当接して基板Wの周縁部がシールされる。なお、このめっきは無電解めっきなので、カソード52による通電は行わない。
【0038】
そして退避部32にあった第1のめっき液供給ヘッド22を旋回させて基板Wの上部に移動させ、前述の組成のめっき液(無電解めっき液)を噴出してシャワー状に被めっき面上に均一に降り注ぐ。基板Wは、シール材54によって被めっき面の周囲が囲まれているので、注入しためっき液は全て被めっき面上に保持される。その量は基板W表面に1mm厚(約30mL)となる程度の少量でも良い。供給するめっき液はめっき反応に最適な温度(例えば60℃)に予め加熱・保温してあるが、同時にランプヒータ68によって基板Wを加熱・保温することで、基板W上に供給された後のめっき液の保温を行う。無電解めっきは、その温度によってめっき状態が変動するので、この実施の形態のように、ランプヒータ68を設けて最適な温度に保温することで、良好なめっき処理が行える。基板W上に溜めためっき液の量は少ないので、ランプヒータ68による保温は容易に行える。
【0039】
なお、被めっき面を均一にめっき液に濡らすために、めっき液を降り注いだ直後にモータMによって基板Wを瞬時回転させるが、その後は基板Wを静止した状態で被めっき面のめっきを行うことが被めっき面全体の均一なめっきのために好ましい。具体的には、基板Wを1secだけ100rpm以下で回転して被めっき面上をめっき液で均一に濡らし、その後静止させて1min間無電解めっきを行う。
【0040】
これによって、予めスパッタリングなどによって形成したシード層6を補強するのであるが、この時の概要を図4に示す。つまり、微細配線化が進み、配線幅がより狭く、かつアスペスト比(幅に対する深さの比)がより高くなるに従って、図4(a)に示すように、スパッタリング等で形成されるシード層6が溝底部まで均一に届かなくなり、シード層6の膜厚が溝底部に向かって徐々に薄くなったり、また溝側面や底面の一部に析出せずにシード層6が途中で途切れて不連続になったりしても、無電解めっきは、反応種の供給律速がめっきを支配するため、下地(シード層)の形状をなぞった形状に成膜される。この結果、ホールや溝内部におけるめっきの付き廻りは良く、このシード層6とこの時に成膜される補強シード層6aで連続したシード層が形成される。
【0041】
上記めっき処理完了後、第1のめっき液供給ヘッド22を退避部32に戻し、次にプレコート・回収アーム44を退避位置から基板W上に移動して下降させ、めっき液回収ノズル60aから基板W上のめっき液の残液を回収して再び退避位置へ戻す。そして基板保持部50をめっき位置Bから前処理・洗浄位置Cへ下降させ、基板Wの回転を開始して純水用の固定ノズル46から純水を供給して被めっき面を冷却すると同時にめっき液を希釈化・洗浄することで無電解めっきを停止させ、同時にシール材54とカソード52とを水洗し、固定ノズル46からの純水の供給を停止して基板保持部50の回転速度を増加し、スピン乾燥させる。
【0042】
次に退避位置にあったプレコート・回収アーム44を、基板Wの上面に向けて旋回させて下降させ、基板保持部50を回転させながら、プレコートノズル58から、例えば界面活性剤からなるプレコート液を基板Wの被めっき面に吐出し、被めっき面全体に行き渡らせる。次にプレコート・回収アーム44を退避位置へ戻し、基板保持部50の回転速度を増して遠心力により被めっき面のプレコート液を振り切って乾燥させる。
【0043】
次に、基板保持部50の回転を停止(若しくは低速化)し、めっき位置Bまで上昇させる。すると、前述のように基板Wの周縁部にカソード52の先端とシール材54の先端が当接して、通電可能になると同時に基板Wの周縁部が水密的にシールされる。
【0044】
そして、退避部38にあった第2のめっき液供給ヘッド24を旋回させて基板Wの上部に移動させ、基板W上の前述の位置まで下降させる。第2のめっき液供給ヘッド24の下降が完了した時点で、めっき液供給管76から前述のめっき液(第1の例における無電解めっき液または第2の例におけるピロりん酸銅めっき液)を、例えば50mL供給してアノード72を通してめっき液含浸材74に供給し、めっき液含浸材74と基板Wの被めっき面の間に形成される隙間にめっき液を充填してめっき電流を流す。これによって銅を析出させてシード層6(図16参照)を更に補強する。
【0045】
この時の概要を図4に示す。前述のように、無電解めっきにより、図4(b)に示すように、このシード層6と無電解めっきで成膜される補強シード層6aで連続したシード層が形成されるが、この補強シード層6aは、シード層6の凹凸を強調してしまい、表面にかなり大きな凹凸を有したものとなり、この状態で、電解めっきでボイドを発生させることなく銅等を埋め込むことが困難となる。そこで、連続したシード層により通電を確保しつつ、電解めっきでシード層6を更に補強することにより、図4(c)に示すように、補強シード層6aの有する凹凸を均一に均す。つまり、無電解めっきで成膜される補強シード層6aと、電解めっきによる銅の析出により、表面が平坦な複合シード層6bを形成し、この複合シード層6bでシード層6を補強する。
【0046】
この時、電流電源として、逆電解、パルスまたはPRパルスを用いることが好ましく、特にPRパルスを用いることで、より平坦なシード補強を行えることが確かめられている。
【0047】
この電解めっきの電源電流に用いられるPRパルスの波形の例を図5〜図10に示す。なお、同図において、縦軸に電流密度(A/dm)を、横軸に時間(t)をとり、また横軸より上は正電流(ON)の場合を、下は逆電流(R)の場合を示している。即ち、図5(a)〜(c)は、単純な波形の正電流と逆電流を周期的に連続的させたり、電流を逆転する際に所定の休止(OFF)を与えるようにしたもので、図6(a)及び(b)は、正電流または逆電流の一方の電流を段階的に変化させるようにしたものである。また、図7は、交流波パルス(交流電流に直流を印加したもの)を使用したものであり、図8は、三角形パルスを使用したものである。更に、図9は、電流値のピークが一気に上がって徐々に低下するか、または電流値のピークが徐々に上がって一気に低下する、いわゆる方形波微分パルスを使用したもので、図10は、前述の各波形を任意に組み合わせたものである。
【0048】
このように、電流電源としてPRパルスを使用して電解めっきを行うことで、より平坦なシード補強を行えるのは、以下の理由によるものと考えられる。
【0049】
(1)パルスめっきにおける物質移動
電解液中でめっきが進行している条件では、電極界面で金属イオンの濃度低下が起こる。パルス電解の最も重要な利点に、パルス印加時に形成される拡散層が休止時及び逆電解時に緩和し、従って最適条件下では副反応(亜酸化物や水酸化物等)を生じることなしに高い電流密度が得られる点が挙げられる。つまり、パルスを用いることにより直流電解の場合に比べ100倍程度まで電流密度を上げることができ、より高い活性化過電圧(析出させるための電圧、単に過電圧とも言う)でめっきを行うことができる。また攪拌、振動、熱その他対流を起こすことにより、更に高い電流密度を得ることができる。
【0050】
(2)パルスめっきにおける核発生・成長
パルスめっきにおける巨視的な電析形態は、物質移動現象に依存するが、微視的な特性(結晶粒径、優先配向など)を支配するのは、核発生・成長過程だと考えられる。核成長速度は過電圧にあまり影響を受けないが、核発生速度は過電圧の増加と共に上昇する。その結果として、高電流密度を用いたパルスめっきでは、微結晶の析出物が得られる。また、過電圧が大きいので電極表面の不均一性とは無関係にランダムな核発生が起こり、さらに水素発生の低減と共に欠陥(多孔質な膜)の低減にもつながっている。
【0051】
(3)パルスめっきにおける表面形態
パルスめっきでは拡散層の厚さが薄く保たれるので、めっき表面の平滑性は改善される。つまり、拡散層の厚みが電極表面の凹凸よりも小さい場合には、拡散層は電極表面の凹凸に沿って成長し、電極表面における電流分布は均一になり、従ってめっき層の厚さも均一となる。なお、拡散層の厚さが電極表面の凹凸と同等以上であれば、球状拡散により電流は凸部に集中し、その結果、球状晶、針状晶、樹枝状晶、粉末状晶等が発生すると考えられる。
【0052】
(4)パルスめっきにおける電析結晶組織
結晶化過電圧の増大とともに核発生の臨界半径及び臨界自由エネルギーが減少し、核発生速度は指数関数的に増加する。すなわち、パルス電流密度(過電圧)を大きくすると平均粒径は減少する。一方、配向性は過電圧によって変化する。パルスめっきでは、濃度分極を低減し過電圧を高くできるので、直流めっきに比較して高指数の優先配向軸をもつ電析物を得ることができる。
【0053】
また、PRパルスを電流電源とした電解めっきを行うと、図11に示すように、例えば配線用の溝4等の入口付近に厚く堆積したシード層6の凸部Dをなす銅が、逆電流を流す時に特にエッチングされて溶融し、その溶融した銅イオンが溝底部の銅イオン濃度の回復に使われて、正電流を流した時に溝底部に析出し、これによって、シード層の均一な補強が可能となるとも考えられる。
【0054】
電解めっきによるシード層の補強が完了すると、第2のめっき液供給ヘッド24を上昇させ旋回させて退避部38へ退避させ、次にプレコート・回収アーム44を退避位置から基板W上に移動させて下降させ、めっき液回収ノズル60aから基板W上のめっき液の残液を回収する。この回収が終了した後、プレコート・回収アーム44を退避位置へ戻し、基板Wの被めっき面のリンスのために純水用の固定ノズル46から基板W中央部に純水を吐出し、同時に基板保持部50を回転させて被めっき面のめっき液を純水に置換する。
【0055】
リンス終了後、基板保持部50をめっき位置Bから前処理・洗浄位置Cへ下降させ、純水用の固定ノズル46から純水を供給しつつ、基板保持部50、カソード52及びシール材54を回転させて水洗し、固定ノズル46からの純水の供給を停止し基板保持部50の回転速度を増加して、スピン乾燥させる。
【0056】
次に退避部42にあった第2の第3のめっき液供給ヘッド26を旋回させて基板Wの上部に移動させ、第2のめっき液供給ヘッド24の時と同様にして基板Wの被めっき面をめっきして銅を埋め込む。この時のめっき液としては、前述した硫酸銅めっき液を用いて銅を析出させる。硫酸銅浴は、ピロりん酸浴よりも過電圧が低い特性のために均一電着性は低いが、析出を促進する添加剤の作用により、配線の内部に電流が集中しやすくなって、配線底部からボトムアップ様の析出が起こる。その結果、配線内にボイドがない良好なめっきが行える。
【0057】
そして電解めっきによる銅の埋め込みを終了した後、第3のめっき液供給ヘッド26を退避部42に退避させ、次にプレコート・回収アーム44を退避位置から基板W上に移動して下降させ、他方のめっき液回収ノズル60bから基板W上のめっき液の残液を回収し、プレコート・回収アーム44を退避位置へ戻し、その後、第2のめっき液供給ヘッド24の時と同様に、基板Wの被めっき面のリンスと洗浄とスピン乾燥とを行う。
【0058】
なお、この時、前述と同様に、電流電源として、逆電解、パルスまたはPRパルスを用いることが好ましく、特にPRパルスを用いることで、効率よく銅の埋め込みを行うことができる。
次に、基板保持部50を停止させて基板受渡位置Aまで下降させ、搬送ロボット20によって基板処理部12から基板Wを取出し、ロード・アンロード部10に戻す。
【0059】
なお、この例は、無電解めっきと電解めっきでシード層を補強した例を示しているが、前述のように、めっき液として、例えばピロりん酸銅めっき液等の均一電着性に優れたものを使用し、電源電流として、逆電解、パルスまたはPRパルス、特にPRパルスを用いた場合には、無電解めっきによりシード層の補強を省略して、電解めっき単独でシード層を補強することで、平坦なシード補強を行うことができる。
【0060】
図12は、配線形成装置の他の例を示すもので、これは、同一設備内に、内部に複数の基板Wを収納する2基のロード・アンロード部10aと、それぞれ単体のめっき装置で構成した補強用無電解めっき装置14a、補強用電解めっき装置16a及び埋め込み用電解めっき装置18aと、2基の洗浄装置80a,80bと、これらの間で基板Wの受け渡しを行う搬送ロボット20aとを収納して構成されている。
【0061】
そして、表面にシード層6(図16参照)を形成した基板Wをロード・アンロード部10aから搬送ロボット20aで取出し、補強用無電解めっき装置14aに搬送して、シード層6の無電解めっきによる補強を行う。そして、この基板Wを第1の洗浄装置80aに搬送し、その表面を洗浄し乾燥させた後、補強用電解めっき装置16aに搬送して、シード層6の電解めっきによる補強を行う。しかる後、この基板Wを第2の洗浄装置80bに搬送し、その表面を洗浄し乾燥させた後、埋め込み用電解めっき装置18aに搬送して、銅の埋め込みを行い、この埋め込み用電解めっき装置18aの内部で基板を洗浄し乾燥させた後、ロード・アンロード部10aに戻す。
【0062】
図13は、配線形成装置の更に他の例の平面配置図を示すもので、これは、同一設備内に、内部に複数の基板Wを収納する2基のロード・アンロード部10bと、補強用無電解めっき装置と補強用電解めっき装置とを兼用した補強用めっき装置82と、埋め込み用電解めっき装置18bと、2基の洗浄装置80c,80dとこれらの間で基板Wの受け渡しを行う搬送ロボット20bとを収納して構成されている。
【0063】
そして、表面にシード層6(図16参照)を形成した基板Wをロード・アンロード部10bから搬送ロボット20bで取出し、補強用めっき装置82に搬送する。そして、この補強用めっき装置82で、前述のように、同一のめっき液(無電解銅めっき液)を使用して、シード層6の無電解めっきによる補強と電解めっきによる補強を連続して行う。しかる後、この基板Wを第2の洗浄装置80dに搬送し、その表面を洗浄し乾燥させた後、埋め込み用電解めっき装置18bに搬送して、銅の埋め込みを行い、この埋め込み用電解めっき装置18bの内部で基板を洗浄し乾燥させた後、ロード・アンロード部10bに戻すようにしたものである。
【0064】
なお、前述のように、無電解めっきによるシード層の補強を行わない場合には、この補強用めっき装置82で、電源電流として、逆電解、パルスまたはPRパルス、特にPRパルスを用いた電解めっきを行ってシード層を補強し、しかる後、埋め込み用電解めっき装置18bに搬送して、銅の埋め込みを行う。
【0065】
ここで、電解めっきにおける均一電着性とボトムアップ性は、使用する電源電流波形とめっき液に依存するため、補強用電解めっき装置と埋め込み用電解めっき装置に共通のめっき液を使用し、この時に使用する電源電流波形を各処理に適するように選択するようにしてもよい。
【0066】
(実施例1)
半導体ウエハの表面に直径0.18μm、深さ1.0μm(アスペクト比:5.6)のホールを形成し、スパッタリングで100nmの厚さの銅シード層を形成した試料を用意した。この試料の銅シード層を、めっき液としてピロりん酸銅めっき液(ピロりん酸銅:15g/L、ピロりん酸:92g/L、pH:9.5、液温:25℃)を用い、電源電流として、図5(a)に示すPRパルス(tON=1337ms,t=562ms,ON:0.48A/dm, R:0.16A/dm)を使用した電解めっきで補強し、しかる後、浴温を22.0℃とした硫酸銅めっき液を使用した電解めっきで銅の埋め込みを行った。この時の銅シード層を補強した後の状態と、銅を埋め込んだ後の状態をSEM観察した。この時のSEM写真を図面化したものを図14に示す。この図14(a)から、銅シード層を補強することで、ホール100の内周面(側面及び底面)を均一な膜厚で連続した銅シード層102で一体に覆い、図14(b)から、銅層104を堆積させることで、ホール100内に健全な銅104の埋め込みを行えることが判る。
【0067】
(実施例2)
実施例1と同様な試料を用意し、電源電流として、図5(c)に示すPRパルス(tON=1337ms,tOFF=100ms,t=562ms,ON:0.48A/dm, R:0.16A/dm)を使用し、その他の条件を実施例1と同じにした電解めっきで銅シード層を補強し、実施例1と同じ条件で銅の埋め込みを行った。この時の状態をSEM写真で観察したところ、図14に示すものと同様な状態を得ることができた。
【0068】
(実施例3)
実施例1と同様な試料を用意し、この試料の銅シード層を、めっき液として硫酸銅無電解めっき液(CuSO・5HO:5g/L、EDTA・4H:14g/L、CHOCOOH:18g/L、pH:11.5(TMAHを使用して)、液温:60℃)を用いて1分間の無電解めっきを施し、しかる後、電源電流として、図5(a)に示すPRパルス(tON=1337ms,t=562ms,ON:0.48A/dm, R:0.16A/dm)を使用した電解めっきで補強した。次に、実施例1と同じ条件で銅の埋め込みを行った。この時の状態をSEM写真で観察したところ、図14に示すものと同様な状態を得ることができた。
【0069】
(比較例)
実施例1と同様な試料を用意し、電源電流として、直流電源(電流密度:0.48A/dm)を使用し、その他の条件を実施例1と同じにした電解めっきで銅シード層を補強し、実施例1と同じ条件で銅の埋め込みを行った。この時の銅シード層を補強した後の状態と、銅を埋め込んだ後の状態をSEM観察した。この時のSEM写真を図面化したものを図15に示す。この図15(a)から、銅シード層を補強すると、ホール100の内周面の上部のみに銅シード層102が残り、銅層104を堆積させると、図15(b)に示すように、ホール100の底部に銅が析出せずに、ここにボイド(銅の未析出部)106が生じることが判る。これは、銅シード層を補強する際に、ホールの底部の銅シード層がエッチングされて除去されるためであると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施の形態の配線形成方法に使用される配線形成装置の全体平面図である。
【図2】図1の基板保持部とめっき液供給ヘッドで無電解めっき装置を構成した時の状態を示す断面図である。
【図3】図1の基板保持部とめっき液供給ヘッドで電解めっき装置を構成した時の状態を示す断面図である。
【図4】無電解めっきと電解めっきでシード層を補強する状態の概略的に示す図である。
【図5】PRパルスの一例を示す図である。
【図6】PRパルスの他の例を示す図である。
【図7】PRパルスの更に他の例を示す図である。
【図8】PRパルスの更に他の例を示す図である。
【図9】PRパルスの更に他の例を示す図である。
【図10】PRパルスの更に他の例を示す図である。
【図11】電源電流としてPRパルスを使用した電解めっきでシード層が均一な膜厚に補強される状態を模式的に示す図である。
【図12】配線形成装置の他の例を示す全体平面図である。
【図13】配線形成装置の更に他の例を示す全体平面図である。
【図14】本発明の実施例における銅シード層を補強した後の状態と、銅を埋め込んだ後の状態をSEM観察して図面化した図である。
【図15】本発明の比較例における銅シード層を補強した後の状態と、銅を埋め込んだ後の状態をSEM観察して図面化した図である。
【図16】半導体装置における銅配線形成例のCMP処理までを工程順に示す図である。
【符号の説明】
【0071】
6 シード層
6a 補強シード層
6b 複合シード層
7 銅層
8 配線
10,10a,10b ロード・アンロード部
12 基板処理部
14,14a 補強用無電解めっき装置
16,16b 補強用電解めっき装置
18,18a,18b 埋め込み用電解めっき装置
22,24,24 めっき液供給ヘッド
30、36,40 揺動アーム
44 プレコート・回収アーム
46 固定ノズル
50 基板保持部
52 カソード
54 シール材
56 飛散防止カップ
58 プレコートノズル
60a,60b 液回収ノズル
66 噴射ノズル
68 ランプヒータ
70 ハウジング
72 アノード
74 めっき液含浸材
76 めっき液供給管
82 補強用めっき装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線用の微細窪みを形成した基板の表面にシード層を形成し、
前記シード層を第1のめっき液による無電解めっきによって補強し、
しかる後、第2のめっき液によるパルスまたはPRパルスを用いた電解めっきによって前記シード層を更に補強し、
第3のめっき液を用いて前記微細窪みの内部に電解めっきにより導電体を埋め込むことを特徴とする配線形成方法。
【請求項2】
前記第2のめっき液は、前記第3のめっき液よりも過電圧を高くできるめっき液であることを特徴とする請求項1に記載の配線形成方法。
【請求項3】
前記第3のめっき液は、硫酸銅めっき液であることを特徴とする請求項1または2に記載の配線形成方法。
【請求項4】
前記無電解めっきは、無電解めっき液を複数の噴射ノズルから分散させて基板の被めっき面へ噴射して行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の配線形成方法。
【請求項5】
前記無電解めっき処理の完了後、基板の被めっき面を洗浄および冷却することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の配線形成方法。
【請求項6】
前記第2のめっき液による電解めっき処理の完了後、基板の被めっき面をリンスした後、乾燥させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の配線形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−32984(P2006−32984A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−272776(P2005−272776)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【分割の表示】特願2001−317217(P2001−317217)の分割
【原出願日】平成13年10月15日(2001.10.15)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【出願人】(000120386)荏原ユージライト株式会社 (48)
【Fターム(参考)】