説明

重ね合わせ装置、基板ホルダ、位置検出方法およびデバイスの製造方法

【課題】高精度な位置合わせ装置は調整範囲が狭いので、その調整範囲に収まるように予備的に位置合わせをすることが望ましいが、予備的な位置合わせをしてから高精度な位置合わせ装置に搬入されるまでに、位置ずれが生じてしまう可能性があった。
【解決手段】ウェハと、ウェハを保持した状態で搬送されるウェハホルダと、ウェハを、ウェハホルダに対し載置方向に配置した状態で、載置面の側から照明する照明部と、照明部により照明されたウェハの外周部を、載置面とは反対の面の側から撮像することによりウェハの位置を同定する位置同定部と、ウェハホルダを搬送する搬送部と、ウェハを保持したウェハホルダを2組用い、互いのウェハを位置合わせして重ね合わせる重ね合わせステージとを備える重ね合わせ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重ね合わせ装置、基板ホルダ、位置検出方法およびデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚のウェハを積層して接合した後に個片化することで立体構造を備える半導体チップを製造するウェハ重ね合わせ装置が、近年注目を集めている。2枚のウェハを重ね合わせる場合、重ね合わせ装置が備える位置合わせ装置によって高精度に位置合わせをする(例えば、特許文献1を参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2005−251972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高精度な位置合わせ装置では、2枚のウェハの表面に形成されたアライメントマークを顕微鏡で観察しながら、一方のウェハを載置したテーブルを移動させることで2枚のウェハの位置を調整する。ここで、位置合わせ装置が備える顕微鏡は高精度に位置合わせをするために撮像視野が狭く、ウェハを位置合わせ装置に搬入したときに、この撮像視野内にアライメントマークが収まるようにウェハの位置を予備的に調整しておくことが望ましい。
【0004】
そこで、予備的にウェハの位置合わせを行う装置を備えておき、高精度な位置合わせ装置にウェハを搬入する前にウェハを予備的に位置合わせしていたが、予備的な位置合わせをしてから高精度な位置合わせ装置に搬入されるまでに、位置ずれが生ずる場合があった。このとき、アライメントマークが顕微鏡の撮像視野内に収まらなくなり、本アライナ140による位置合わせに時間がかかってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る重ね合わせ装置は、基板を保持する基板ホルダと、基板ホルダが配置されるステージと、基板を保持した状態で基板ホルダをステージに搬送する搬送部と、基板を、基板ホルダに対し載置方向に配置した状態で、基板ホルダの載置面の側から照明する照明部と、照明部により照明された基板を、載置面とは反対の面の側から撮像することにより基板の位置を同定する位置同定部とを備える。
【0006】
また上記課題を解決するために、本発明の第2の態様に係る基板ホルダは、基板を載置する基板ホルダであって、基板を載置したときに基板の外周に対応するラインに沿ってラインを跨ぐように、少なくとも2種類の大きさの複数の穴部を備える。
【0007】
また上記課題を解決するために、本発明の第3の態様に係る基板ホルダは、基板を載置する基板ホルダであって、基板を載置したときに基板の外周に対応するラインの少なくとも一部に沿ってラインを跨ぐように発光面を有する発光部を備える。
【0008】
また上記課題を解決するために、本発明の第4の態様に係る位置検出方法は、基板ホルダに保持される基板の位置を検出する位置検出方法であって、基板ホルダに設けられた穴部に、基板に設けられた切欠きの少なくとも一部が重なるように、基板を基板ホルダに載置する載置ステップと、穴部を、載置された基板の側とは反対の側から照射する照射ステップと、照射ステップにより照射されている切欠きの少なくとも一部を、基板の載置面とは反対の面の側から撮像して基板の位置を同定する位置同定ステップとを有する。
【0009】
また上記課題を解決するために、本発明の第5の態様に係るデバイスの製造方法は、複数の基板を重ね合わせて製造されるデバイスの製造方法であって、複数の基板を重ね合わせる工程は、複数の基板の1つである第1基板を、第1基板ホルダに対し載置方向に配置した状態で、載置面の側から照明する第1照明ステップと、第1照明ステップにより照明されている第1基板の外周部を、第1基板の載置面とは反対の面の側から撮像することにより第1基板の位置を同定する第1位置同定ステップと、第1基板を保持した第1基板ホルダを第1重ね合わせステージに搬送する第1搬送ステップと、複数の基板の1つである第2基板を、第2基板ホルダに対し載置方向に配置した状態で、載置面の側から照明する第2照明ステップと、第2照明ステップにより照明されている第2基板の外周部を、第2基板の載置面とは反対の面の側から撮像することにより第2基板の位置を同定する第2位置同定ステップと、第2基板を保持した第2基板ホルダを第2重ね合わせステージに搬送する第1搬送ステップと、第1重ね合わせステージおよび第2重ね合わせステージの少なくとも一方を移動させて、第1基板と第2基板を位置合わせして重ね合わせる重ね合わせステップとを含むデバイスの製造方法。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る重ね合わせ装置の全体構造を概略的に示す平面図である。
【図2】ウェハの構造を概略的に示す上面図である。
【図3】上ウェハホルダの構造を概略的に示す上面図である。
【図4】下ウェハホルダの構造を概略的に示す上面図である。
【図5】位置同定部の構造を概略的に示す断面図である。
【図6】ウェハの位置が位置同定部のステージに対してずれた状態で、ウェハ及びウェハホルダが位置同定部に搬入された状態を示す概略図である。
【図7】撮影画像に基づいてウェハの位置及び姿勢を検出する手法を示す図である。
【図8】本実施形態に係るウェハホルダに保持されたウェハの位置を検出する位置検出の手順を示すフローチャートである。
【図9】発光部を備えるウェハホルダを載置した位置同定部の構造を概略的に示す断面図である。
【図10】他の実施形態に係る位置同定部の構造を概略的に示す斜視図である。
【図11】他の実施形態に係る重ね合わせ処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本実施形態に係るデバイスの製造方法を実施する重ね合わせ装置100の全体構造を概略的に示す平面図である。重ね合わせ装置100は、回路領域が形成された2枚の基板を、接合すべき電極同士が接触するように重ね合わせて加熱加圧することにより接合する装置である。重ね合わせ装置100は、共通の筐体101の内部に形成された大気環境部102及び真空環境部202を含む。
【0013】
大気環境部102は、筐体101の外部に面して、制御部110及びEFEM(Equipment Front End Module)112を有する。重ね合わせ装置100に含まれる各装置の各要素は、重ね合わせ装置100全体の制御及び演算を司る制御部110、または要素ごとに設けられた制御演算部が、統合制御、協調制御をすることにより動作する。制御部110は、重ね合わせ装置100を制御するための情報を記憶する記憶部111を有する。更に制御部110は、配備された他の機器と接続する接続部を含む場合もある。
【0014】
EFEM112は、3つのロードポート113、114、115及びロボットアーム116を備える。各ロードポートには密閉型の基板格納用ポッドであるFOUP(Front Opening Unified Pod)が装着される。ロードポート113、114に装着されたFOUPには基板の一例であるウェハ120が複数枚収容されており、ロボットアーム116によって大気環境部102に搬入される。大気環境部102及び真空環境部202によって接合されたウェハ120は、ロードポート115に装着されたFOUPに格納される。
【0015】
なお、ここでいうウェハ120は、既に回路パターンが複数周期的に形成されている単体のシリコンウェハ、化合物半導体ウェハ等である。また、装填されたウェハ120が、既に複数のウェハを積層して形成された積層ウェハである場合もある。
【0016】
大気環境部102は、筐体101の内側にそれぞれ配置された、予備アライナ130、本アライナ140、ホルダラック150、分離機構160及び位置同定部300を備える。筐体101の内部は、重ね合わせ装置100が設置された環境の室温と略同じ温度が維持されるように温度管理される。
【0017】
予備アライナ130は、ウェハ120が本アライナに搬入されたときに、本アライナが備える顕微鏡の撮像視野内にウェハ120のアライメントマークが収まるように、個々のウェハ120の位置を仮合わせする装置である。予備アライナ130は、ターンテーブル131、ホルダテーブル132及び検出器133を備える。ターンテーブル131には、EFEM112のロボットアーム116によってウェハ120が載置される。
【0018】
ウェハ120の外周の一部には切欠きが設けられており、ターンテーブル131に設置されたラインセンサでウェハ120の切欠きの位置を検知することで、ターンテーブル131はウェハ120の回転方向の位置を調整する。ホルダテーブル132には、ホルダラック150から搬送されたウェハホルダ190が載置される。
【0019】
検出器133は、ホルダテーブル132上に載置されたウェハホルダ190及びその上方に配置されたウェハ120を俯瞰してその一部の像を撮像素子に結像させる光学系を有する撮像部を備える。撮像部は、例えば予備アライナ130の天井フレームなど、振動の影響をうけにくい場所に固定されている。ウェハホルダ190の外周には切欠きが設けられており、予備アライナ130は、検出器133でこの切欠を検出することで、ウェハホルダ190の位置及び姿勢を確認する。
【0020】
ウェハホルダ190のウェハ保持面には複数の挿通孔が設けられており、ウェハホルダ190の表裏を貫通する。またホルダテーブル132には複数の貫通孔が設けられており、複数のリフトピンが、この貫通孔及びウェハホルダ190の挿通孔を突き抜けて、リフトピン上にウェハ120を載置できるよう構成されている。
【0021】
ウェハスライダによってターンテーブル131からホルダテーブル132へと搬送されたウェハ120は、複数のリフトピン上に載置される。そして、撮像部によってウェハホルダ190とともに撮像され、切欠を基準として精確に位置合わせされる。位置合わせされた後、リフトピンを降下することでウェハ120はウェハホルダ190上に載置される。
【0022】
ホルダテーブル132には電力供給ピンが設けられており、ウェハホルダ190の裏面に設けられた電力供給端子と接続して、ウェハホルダ190に電力を供給する。電力供給端子から電力を供給されたウェハホルダ190は、その内部に設けられた静電チャックによりウェハ保持面に電位差を生じさせ、ウェハ120を静電吸着する。このようにして一体化されたウェハ120及びウェハホルダ190を、ワークと呼ぶ。
【0023】
本アライナ140は、2つのワークを対向させて、2つのウェハ120に形成された複数の回路領域を高精度に位置合わせして重ね合わせる装置である。本アライナ140は、固定ステージ141、移動ステージ142、制御部143、顕微鏡144、145及び干渉計146、147を備える。また、本アライナを包囲してシャッタ148及び断熱壁149が設けられる。
【0024】
固定ステージ141は、本アライナ140の天井部に設置されており、固定された状態でワークを下向きに保持する。固定ステージ141に保持されるワークを上ワークと呼び、上ワークを構成するウェハホルダ190を上ウェハホルダ191と呼ぶ。移動ステージ142は、ワークを上向きに保持する。そして、XY平面方向に移動可能に構成されており、ワークを保持して搬送する。移動ステージ142に載置されるワークを下ワークと呼び、下ワークを構成するウェハホルダ190を下ウェハホルダ192と呼ぶ。
【0025】
制御部143は、固定ステージ141に隣接して設置された顕微鏡144及び移動ステージ142に隣接して設置された顕微鏡145によって、上ワークのウェハ120のアライメントマーク及び下ワークのウェハ120のアライメントマークを観察して画像情報を取得する。そして、取得した画像情報に基づいて、移動ステージ142を、干渉計146、147によりその位置を監視しつつ精密に移動させることで、2枚のウェハ120を精密に位置合わせする。
【0026】
このとき制御部143は、例えば、2枚のウェハそれぞれに形成された複数のアライメントマークが重ね合わされたときに、相互の位置ずれ量が最も小さくなるように統計的に決定されるグローバルアライメント法等を用いて計算を実行する。位置合わせ終了後、制御部143は、移動ステージ142により下ワークを上昇させて上ワークのウェハ120と下ワークのウェハ120の接合面を接触させて重ね合わせる。重ね合わされた2つのワークをまとめてワーク対と呼ぶ。
【0027】
本アライナ140はこのように、2枚のウェハ120を高精度に位置合わせする必要があるので、顕微鏡144、145は高倍率に設定されており撮像視野が狭くなっている。その結果、ウェハ120に位置ずれが生じた状態でワークが本アライナ140に搬入されると、位置合わせに時間がかかり全体のスループットの低下を招いてしまう。特に、位置ずれが大きく、ウェハ120のアライメントマークが顕微鏡144、145の撮像視野から外れている場合は、アライメントマークを探索する時間も必要になるので、更に位置合わせに時間がかかってしまう。
【0028】
また、本実施形態のように、干渉計146、147を用いて移動ステージ142の位置を監視する場合、回転方向の調整範囲が狭くなる。そのためウェハ120が移動ステージ142の回転方向の調整許容範囲を超える位置ずれを起こしている場合は、顕微鏡144、145の撮像視野内にアライメントマークが入るように調整することができなくなるので、位置合わせができなくなってしまう場合もある。
【0029】
そこで、ウェハ120を本アライナ140に搬入したときに、ウェハ120のアライメントマークが本アライナ140の顕微鏡144、145の撮像視野内に入るように、予備アライナ130によって予めウェハ120の位置合わせを行っている。しかしながら、予備アライナ130から本アライナ140への搬送途中でウェハ120が位置ずれを起こした場合は、位置ずれが生じた状態でワークが本アライナ140に搬入されることになる。
【0030】
ここで位置ずれが生じてしまうと、本アライナ140の顕微鏡144、145の撮像視野内にアライメントマークが収まらなくなる場合があり、結局本アライナ140での位置合わせに時間がかかってしまう。そこで本実施形態では、予備アライナ130によって形成されたワークを本アライナ140に搬入する前に、位置同定部300に搬入して、ウェハ120の位置を同定する。
【0031】
位置同定部300は、ステージ301、照明部311、312、313及び撮像部321、322、323を備える。ステージ301には、予備アライナ130から搬出された、ウェハ120を搭載したウェハホルダ190が載置される。本実施形態においてウェハホルダ190は、ウェハ120の外周の大きさに対応するラインに沿って3つのウェハ位置検出穴を備える。そして予備アライナ130がウェハ120をウェハホルダ190に載置するときに、ウェハ120は、3つのウェハ位置検出穴を跨ぐ位置に配置される。
【0032】
照明部311、312、313はステージ301に備えられており、上方向に照明光を照射するように構成されている。照明部311、312、313は、ウェハ120の外周の大きさに対応するラインに沿って配置されており、3つの照明部311、312、313の相対的な位置関係は、ウェハホルダ190の3つのウェハ位置検出穴の相対的な位置関係と同様である。ウェハ120を搭載したウェハホルダ190を位置同定部300のステージ301に載置するときは、3つのウェハ位置検出穴が、3つの照明部311、312、313の位置に対応するように配置され、3つの照明部311、312、313から照射された照明光は、3つのウェハ位置検出穴を照明する。
【0033】
撮像部321、322、323は、照明部311、312、313に対向する位置に設置されており、ステージ301側を撮像するように構成されている。そして、撮像部321、322、323は、ウェハ位置検出穴を介して照明部311、312、313によって照明されたウェハ120の外周の一部をそれぞれ撮像する。そして、位置同定部300は、撮像部321、322、323によって取得したウェハ120の画像情報に基づいて、ウェハ120の位置を同定する。位置同定部300のさらに具体的な構成については後述する。
【0034】
本実施形態において、ウェハ120、ウェハホルダ190、ワーク及びワーク対は、第1搬送ユニット171、第2搬送ユニット172、第1受け渡しポート173及びロボットアーム175、176によって搬送される。第1搬送ユニット171及び第2搬送ユニット172は、予備アライナ130、位置同定部300、第1受け渡しポート173の間でウェハホルダ190、ワーク及びワーク対の搬送をする。
【0035】
第1搬送ユニット171と第2搬送ユニット172は、上下方向に並行して設けられたレール上をそれぞれ独立して走行する。そして第1搬送ユニット171は第2搬送ユニット172よりも上側に位置して、ウェハホルダ190、ワーク及びワーク対を保持したままでもすれ違うことができる構造になっている。第1受け渡しポート173は、分離機構160の上部に設けられ、ウェハホルダ190及びワーク対を載置するためのプッシュアップピンを備える。
【0036】
真空環境部202は、断熱壁210、ロードロックチャンバ220、ロボットアーム230及び複数の加熱加圧装置240を有する。断熱壁210は、真空環境部202を包囲して真空環境部202の内部温度を維持すると共に、真空環境部202の外部への熱輻射を遮断する。これにより、真空環境部202の熱が大気環境部102に及ぼす影響を抑制できる。ロボットアーム230は、ワーク対を搬送する搬送装置であり、保持したワーク対を、ロードロックチャンバ220と加熱加圧装置240の間で搬送する。
【0037】
ロードロックチャンバ220は、大気環境部102側と真空環境部202側とに、交互に開閉するシャッタ222、224を有する。ワーク対が大気環境部102から真空環境部202に搬入される場合、まず、大気環境部102側のシャッタ222が開かれ、ロボットアーム176がワーク対をロードロックチャンバ220に搬入する。次に大気環境部102側のシャッタ222を閉じ、ロードロックチャンバ220内の空気を排出することで、真空状態にする。
【0038】
ロードロックチャンバ220内が真空状態になった後、真空環境部202側のシャッタ224が開かれ、ロボットアーム230がワーク対を搬出する。このような真空環境部202への搬入動作により、大気環境部102の内部雰囲気を真空環境部202側に漏らすことなく、ワーク対を真空環境部202に搬入できる。
【0039】
次にロボットアーム230は、搬出したワーク対を複数の加熱加圧装置240のいずれかに搬入する。そして加熱加圧装置240は、ワーク対を加熱加圧する。これによりウェハホルダ190に挟まれた状態で搬入されたウェハ120は恒久的に接合される。
【0040】
加熱加圧装置240は、ワーク対を加熱する本体と、本体を配置する加熱加圧チャンバとを含む。またロボットアーム230は、ロボットアームチャンバに設置される。すなわち、真空環境部202を構成する複数の加熱加圧チャンバ、ロボットアームチャンバ及びロードロックチャンバ220は、それぞれ個別に仕切られ、別々に雰囲気を調整することができる。また、図に示すように、真空環境部202は、ロボットアームチャンバを中心として、複数の加熱加圧チャンバとロードロックチャンバ220が円周方向に並べて配置されている。
【0041】
真空環境部202から大気環境部102にワーク対を搬出する場合は、まず真空環境部202側のシャッタ224が開かれ、ロボットアーム230がワーク対をロードロックチャンバ220に搬入する。次に、真空環境部202側のシャッタ224が閉じられ、大気環境部102側のシャッタ222が開かれる。そして、ロボットアーム175によって、ワーク対がロードロックチャンバ220から搬出される。
【0042】
ロードロックチャンバ220から搬出されたワーク対は、分離機構160に搬入され、分離機構160によって、ウェハホルダ190に挟まれて接合された接合ウェハが取り出される。接合ウェハは、第1搬送ユニット171又は第2搬送ユニット172によって、ロードポート115に装着されたFOUPに収容される。
【0043】
図2はウェハ120の構造を概略的に示す平面図である。図では、平面方向をXY軸方向、重力方向をZ軸方向としている。また図は、ウェハ120が位置同定部300のステージ301に載置された場合の向きを示している。ウェハ120は、その周囲の一部にウェハ120の結晶方向性を示す切欠き123を備える。ここでいう切欠き123は、ノッチ及びオリフラを含む。また、ウェハ120には例えば、数十ショット〜数百ショット程度に回路領域124が形成されているが、図では、回路領域124が22個形成されている場合を例示している。
【0044】
回路領域124の周辺には、フォトリソグラフィ工程にてアライメントマーク125が複数形成されている。ここでは、アライメントマーク125は十字形状で形成されている。ウェハ120は、本アライナ140の移動ステージ142に載置されたときに、切欠き123が−Y方向の端に位置するように、予備アライナ130によって向きが調整される。
【0045】
図3は、ウェハ120を保持した上ウェハホルダ191を概略的に示す平面図である。上ウェハホルダ191は、ホルダ本体911及びマグネットユニット918を有している。ホルダ本体911は、セラミックス、金属等の高剛性材料により一体成形されており、ウェハ120を保持する領域をその表面に備える。この保持領域は研磨されて高い平坦性を有する。ウェハ120の保持は、静電力を利用した吸着により行われる。
【0046】
具体的には、ホルダ本体911に埋め込まれた静電チャックに、ホルダ本体911の裏面に設けられた電圧印加端子を介して電圧を加えることにより、上ウェハホルダ191とウェハ120との間に電位差を生じさせて、ウェハ120を上ウェハホルダ191に吸着させる。なお、ウェハ120の吸着面は、回路領域が設けられた面とは反対の面である。
【0047】
ホルダ本体911には、挿通孔912及びウェハ位置検出穴913、914、915が設けられている。挿通孔912は、上ウェハホルダ191にウェハ120を載置した場合に、ウェハ120の外周に対応するラインに沿う位置に備えられる。そして、予備アライナ130が備えるリフトピンが挿通孔912を突き抜けることで、リフトピン上にウェハ120を載置できるように構成されている。リフトピン上に載置されたウェハ120は、リフトピンが降下することによって、ウェハホルダ190上に載置される。
【0048】
3つのウェハ位置検出穴913、914、915は、上ウェハホルダ191にウェハ120を載置したときにウェハ120の外周に対応するラインに沿って、ラインを跨ぐ位置に設けられており、挿通孔912とは異なる大きさを有している。本実施形態ではさらに、ウェハ位置検出穴913がウェハ位置検出穴914、915よりも大きさが大きくなっている。ウェハ位置検出穴913は、ウェハ120に設けられた切欠き123に対応しており、本実施形態では、切欠き123の全体を包含する大きさとなっている。
【0049】
予備アライナ130は、ウェハ120をウェハホルダ190に載置するときに、ウェハ位置検出穴913に、ウェハ120に設けられた切欠き123の少なくとも一部が重なるようにウェハ120を載置する。ウェハ位置検出穴914、915は、ウェハ120の円弧部に対応するラインに沿って設けられている。
【0050】
またホルダ本体911は、その外周の一部に切欠き916を有する。切欠き916は、予備アライナ130において、ウェハホルダ190にウェハ120を予備的に位置合わせするときの基準として用いられる。
【0051】
またホルダ本体911は、上ウェハホルダ191の外周形状のうち、下ウェハホルダ192の外周形状と一致しない部分であるつば部917を含む。分離機構160が接合後の積層されたウェハ120から下ウェハホルダ192を引き離すときに、上ウェハホルダ191は、つば部917を含む領域において、下ウェハホルダ192側からの押圧力を受ける。このとき、上ウェハホルダ191の静電吸着を有効に、下ウェハホルダ192の静電吸着を無効にしておくことによって、積層されたウェハ120は上ウェハホルダ191と共に持ち上げられ、下ウェハホルダ192から分離される。
【0052】
マグネットユニット918は、ウェハ120を保持する表面において、保持したウェハ120よりも外側である外周領域に複数配置される。図の場合、2個を一組として120度毎に合計6個のマグネットユニット918が配されている。
【0053】
図4は、ウェハ120を保持した下ウェハホルダ192を概略的に示す平面図である。上ウェハホルダ191と同様の構成要素については、上ウェハホルダ191と同じ符号を割り当ててその説明を省略する。下ウェハホルダ192は、ホルダ本体921がつば部917を有しない点と、マグネットユニット918の代わりに吸着ユニット922を有する点で上ウェハホルダ191と異なる。
【0054】
吸着ユニット922は、ウェハ120を保持する表面において、保持したウェハ120よりも外側である外周領域に複数配置される。図の場合、2個を一組として120度毎に合計6個の吸着ユニット922が配されている。吸着ユニット922は、磁性体で構成されており、上ウェハホルダ191のマグネットユニット918とそれぞれ対応するように配置されている。そして、ウェハ120を保持した上ウェハホルダ191と、ウェハ120を保持した下ウェハホルダ192を、互いに向かい合わせてマグネットユニット918と吸着ユニット922を作用させると、2つのウェハ120を重ね合わせた状態で挟持して固定することができる。
【0055】
なお、上ウェハホルダ191のウェハ位置検出穴913、914、915と下ウェハホルダ192のウェハ位置検出穴913、914、915の配置は対応している。その結果、ウェハ120を搭載した上ウェハホルダ191とウェハ120を搭載した下ウェハホルダ192を重ね合わせた場合、上ウェハホルダ191のウェハ位置検出穴913、914、915と下ウェハホルダ192のウェハ位置検出穴913、914、915は、対向することになる。
【0056】
その結果、例えば下ウェハホルダ192のウェハ位置検出穴913、914、915に対して、下ウェハホルダ192から上ウェハホルダ191への方向に照明光を照射すると、その照明光は、下ウェハホルダ192のウェハ位置検出穴913、914、915及び、上ウェハホルダ191のウェハ位置検出穴913、914、915を通過することになる。このように構成することで、上ワークと下ワークを重ね合わせた状態であっても、上ウェハホルダ191及び下ウェハホルダ192に挟持されたウェハ120の位置を測定することができる。例えば、本アライナ140で上ワークと下ワークを重ね合わせた後、加熱加圧装置240に搬送するまでの間に、ウェハ120の位置を測定する構成を備えることで、本アライナ140での重ね合わせ後に生じる、上ワークのウェハ120と下ワークのウェハ120のずれに対応することができる。
【0057】
図5は位置同定部300の構造を概略的に示す断面図である。ステージ301には3つの照明部311、312、313が備えられている。照明部311、312、313は、上方向に照明光を照射するように構成されている。そして、各照明部311、312、313と対向する位置に、3つの撮像部321、322、323が備えられている。
【0058】
ステージ301には、ウェハ120を搭載したウェハホルダ190が載置される。このとき、ウェハ位置検出穴913、914、915が、それぞれ照明部311、312、313によって照明されるように、ウェハホルダ190が載置される。照明部311、312、313から発せられた照明光はウェハ位置検出穴913、914、915を通過して、一部がウェハ120に遮られて撮像部321、322、323に到達する。
【0059】
この撮像部321、322、323は到達した光を光電変換して画像処理することにより、ウェハ120の外周形状の一部に対応する画像情報を得る。撮像部321、322、323の撮像視野範囲は、ウェハ位置検出穴913、914、915を包含できる大きさに設定されている。このように本実施形態では、ウェハホルダ190がウェハ位置検出穴913、914、915を備えることによって、ウェハ120を載置面側から照明して、載置面とは反対の側から撮像する、いわゆる透過光計測を実現することができる。その結果、ウェハ120のエッジを高いコントラストで取得することができる。
【0060】
ウェハホルダ190に載置されたウェハ120の外周形状を撮像する手法として、ウェハ120の載置面とは反対の側から照明した光の反射光を計測するいわゆる反射光計測が知られているが、ウェハ120のエッジが載置面に垂直でなく斜めになっているような場合等に、ウェハ120の外周形状を精度良く把握することが難しいという課題があった。それに対して本実施形態では、ウェハホルダ190にウェハ位置検出穴913、914、915を備えることで、ウェハホルダ190に搭載されたウェハ120の透過光計測を可能としており、反射光計測をする場合に比べて、ウェハ120の外周形状を精確に把握することができる。
【0061】
図6は、ウェハ120の位置が位置同定部300のステージ301に対してずれた状態で、ウェハ120及びウェハホルダ190が位置同定部300に搬入された状態を示す概略図である。ここでは、ウェハホルダ190は位置同定部300に対して位置ずれなく載置されているものとする。なお、破線で示したウェハ120は、ウェハ120が位置ずれなく載置されている場合を表している。またここでは説明用として、ウェハ120のずれ量を実際よりも大きくして図示している。
【0062】
撮影画像933、934、935は、それぞれ撮像部321、322、323が撮影して取得した画像を表している。斜線で示した部分が、照明部311、312、313による照明をウェハ120が遮った部分に対応する。即ち、斜線で示した部分がウェハ120の外周形状の一部を示している。これら3つの撮影画像933、934、935に対して位置同定部300の制御部が画像処理を行うことで、ウェハ120の位置及び姿勢が検出される。なおここでは、ウェハ120の中心点の座標をウェハ120の位置として、ウェハ120の切欠き123の回転方向の位置をウェハ120の姿勢とする。
【0063】
図7は、撮影画像933、934、935に基づいてウェハ120の位置及び姿勢を検出する手法を示す図である。まず、ウェハ120の位置を検出する手法について説明する。中心位置302は、ステージ301の中心位置であり、ウェハ120及びウェハホルダ190が位置ずれなくステージ301に載置された場合、ウェハ120の中心点及びウェハホルダ190の中心点は中心位置302と一致することになる。ここでは、中心位置302を、座標の基準点として説明する。
【0064】
中心点936は、撮影画像934を撮影する撮像部322の光軸中心を示している。中心点936の座標は、中心位置302との位置関係からあらかじめわかっている。ウェハ120がステージ301に対して位置ずれなく載置された場合、ウェハ120の外周が中心点936を通過することになる。図7では、ウェハ120が位置ずれを生じている場合を図示しているので、ウェハ120の外周は中心点936を通過していない。
【0065】
位置同定部300の制御部は、撮影画像934に対して、例えば、中心位置302と中心点936とを結んだ直線952と、ウェハ120の外周の交点937の座標を算出することでウェハ120の外周上の一点を検出する。具体的には、中心位置302と中心点936とを結んだ直線952に沿って画素値が黒から白に変化する点を検出することで、交点937を検出する。そして、中心点936の座標及び、中心点936と交点937の相対座標から、交点937の座標情報を算出する。このようにして、ウェハ120の外周上の1点の座標情報を取得する。なおここでは、中心位置302と中心点936とを結んだ直線952と、ウェハ120の外周の交点を交点937として検出したが、これに限らず、例えば中心点936からX方向に沿って、画素値が黒から白に変化する点を交点937として検出するように構成してもよい。
【0066】
撮影画像935についても撮影画像934と同様にして、中心位置302と中心点938とを結んだ直線953とウェハ120の外周の交点である交点939の座標情報を取得する。撮影画像933については、ウェハ120の切欠き123が含まれている点で撮影画像934及び撮影画像935とは処理が異なる。位置同定部300の制御部は、例えばまず、撮影画像933を撮影する撮像部321の光軸中心である中心点941と、中心位置302とを結んだ直線951から、+X方向に画素値の変化を確認していき、Y方向への変異が小さくなった位置を交点942として検出する。そして、あらかじめ座標情報がわかっている中心点941と、交点942との相対座標を検出することで、交点942の座標情報を算出する。
【0067】
以上の処理によって、ウェハ120の外周上の3点の座標情報を取得する。位置同定部300の制御部は、取得した3点の座標情報に対して公知の計算手法を適用することによって、この3点を通る円の中心座標及び半径を算出する。ウェハ120は円形状であるので、算出した円の中心座標が、ウェハ120の中心点126となる。
【0068】
続いて、ウェハ120の姿勢を検出する手法について説明する。位置同定部300の制御部は、撮影画像933に対して、切欠き123に内接する内接円943を仮想的に形成する。そして、切欠き123と内接円943との法線の交点944を検出して、中心点941との相対座標を算出することによって、交点944の座標情報を取得する。
【0069】
位置同定部300の制御部は、このように取得した交点944と中心点126とを結ぶ直線の、中心位置302と中心点941とを結ぶ直線951に対する傾きθを算出することで、ウェハ120の姿勢を検出する。そして位置同定部300の制御部は、中心位置302とウェハ120の中心点126との距離の大きさ及び、傾きθの大きさによって、ウェハ120の位置ずれの大きさを判断する。
【0070】
なお、切欠き123がオリフラの場合、まずウェハ120の位置は、ウェハホルダ190のウェハ位置検出穴、位置同定部300の撮像部及び照明部を、ウェハ120の外周上の3箇所に対応する位置に備えることで、検出することができる。またウェハ120の姿勢については、ウェハ120のオリフラ上の2箇所に対応する位置に、ウェハホルダ190のウェハ位置検出穴、位置同定部300の撮像部及び照明部を備えて、オリフラの角度を算出することで、検出することができる。
【0071】
またその他の構成として、ウェハ120の外周とオリフラの境界部分である2箇所と、ウェハ120の外周上の1箇所に対応する位置に、ウェハホルダ190のウェハ位置検出穴、位置同定部300の撮像部及び照明部を備えることでも、ウェハ120の位置及び姿勢を検出することができる。このように構成することで、ウェハホルダ190に設けるウェハ位置検出穴の数を減らすことができるとともに、位置同定部300の撮像部及び照明部の数を減らすことができる。
【0072】
図8は、本実施形態に係る、ウェハホルダ190に保持されたウェハ120の位置を検出する位置検出の手順を示すフローチャートである。ステップS801では、予備アライナ130が、ウェハホルダ190のウェハ位置検出穴913にウェハ120の切欠き123の少なくとも一部が重なり、ウェハ位置検出穴914、915にウェハ120の外周の一部が重なるように、ウェハ120をウェハホルダ190に載置する。
【0073】
ステップS802では、第1搬送ユニット171又は第2搬送ユニット172が、予備アライナ130で形成されたワークを位置同定部300のステージ301上に載置する。このとき、ワークを構成するウェハホルダ190のウェハ位置検出穴913、914、915が、ステージ301の照明部311、312、313によって照明され、撮像部321、322、323の撮像視野内に入る位置に載置されるように調整される。
【0074】
ステップS803では、照明部311、312、313が、ステージ301に載置されたワークを構成するウェハホルダ190のウェハ位置検出穴913、914、915に対して、照明光を照射する。照明部311、312、313によって照射された照明光は、ウェハ位置検出穴913、914、915を通過して、一部がウェハ120に遮られて撮像部321、322、323に到達する。
【0075】
ステップS804では、撮像部321、322、323が、到達した光を光電変換して画像処理することにより、ウェハ120の外周形状を示す画像情報を取得する。取得した画像情報は、ウェハ120によって遮られた部分の画素値が黒、それ以外の部分の画素値が白を示す二値画像である。
【0076】
ステップS805では、位置同定部300の制御部が、取得した画像情報を解析して、撮影画像933にウェハ120の切欠き123が含まれているか、及び撮影画像934、935にウェハ120の外周形状が含まれているかを判断する。位置同定部300の制御部は、画像情報にふくまれる黒の画素値と白の画素値を検出して、ウェハ120の外周形状を確認することで判断する。例えば、黒の画素値と白の画素値のいずれか一方のみが含まれる場合は、切欠き123及び外周形状のいずれも含まないと判断する。ここで、撮影画像933にウェハ120の切欠き123が含まれ、かつ、撮影画像934、935にウェハ120の外周形状が含まれていると判断された場合はステップS806に進み、含まれないと判断された場合はステップS812に進む。
【0077】
ステップS806では、位置同定部300の制御部が図7で説明した手法を用いて、撮影画像933、934、935をそれぞれ解析して、ウェハ120の外周上の3点の座標情報を取得して、ウェハ120の中心点の座標情報を算出する。ステップS807では、位置同定部300の制御部が、撮影画像933に含まれる切欠き123に対して、内接円を形成できるかを判断する。内接円を形成できると判断した場合はステップS808に進み、形成できないと判断した場合はステップS809に進む。
【0078】
ステップS808では、位置同定部300の制御部が、撮影画像933を解析して、図7で説明した手法を用いてウェハ120の姿勢を検出する。ステップS809では、位置同定部300の制御部が、検出したウェハ120の中心点126の座標情報及び検出したウェハ120の姿勢に基づいて、ウェハ120の位置ずれ量が、本アライナ140の調整許容範囲内か調整許容範囲外かを判断する。位置ずれ量が調整許容範囲内の場合はステップS810に進み、調整許容範囲外の場合は、ステップS811に進む。
【0079】
ステップS810では、ロボットアーム176が、ウェハ120及びウェハホルダ190を位置同定部300から搬出して、本アライナ140に搬入する。ここで、位置同定部300が検出したウェハ120の位置ずれ量は、例えば、制御部110の記憶部111に記憶されることによって、本アライナ140の制御部が参照できるように管理される。
【0080】
ステップS811では、第1搬送ユニット171又は第2搬送ユニット172によって、ウェハ120及びウェハホルダ190を位置同定部300から搬出して、予備アライナ130に搬入する。予備アライナ130は、搬入されたウェハ120及びウェハホルダ190を、一度分離して、ウェハ120をウェハホルダ190に載置し直す。なお、位置同定部300から搬出したウェハ120及びウェハホルダ190を予備アライナ130に戻さずに、ホルダラック150に戻すように構成しても良い。
【0081】
ここで、予備アライナ130で形成されたワークを位置同定部300に搬入してから、本アライナ140で重ね合わせるまでの重ね合わせ工程の流れを簡単に説明する。まず、第1照明ステップとして、位置同定部300が、ステージ301に載置された上ワークを、照明部311、312、313によって照明する。次に第1位置同定ステップとして、位置同定部300が、照明部311、312、313によって照明されているウェハ120の外周部を、撮像部321、322、323によって撮像して、取得した画像情報に基づいて、ウェハ120の位置を同定する。
【0082】
ここで位置を同定した結果、本アライナ140の調整許容範囲を超える位置ずれが発生していた場合、上ワークは予備アライナ130に戻される。位置ずれが発生していた場合であって、その位置ずれが、本アライナ140の調整許容範囲内であった場合、ウェハ120の位置ずれを示す情報が制御部110の記憶部111に記憶され、次のステップに進む。
【0083】
第1搬送ステップとして、ロボットアーム176が、上ワークを位置同定部300から本アライナ140の移動ステージ142に搬送する。このときロボットアーム176は、上ワークを反転して、ウェハ載置面が下向きの状態で移動ステージ142に搬送する。移動ステージ142に載置された上ワークは、移動ステージ142によって上昇されて固定ステージ141に押し当てられ、固定ステージ141によって吸着固定される。このようにして、上ワークが本アライナ140の固定ステージ141に載置される。
【0084】
一方、予備アライナ130で形成され位置同定部300のステージ301に載置された下ワークが、第2照明ステップとして、照明部311、312、313により照明される。そして、第2位置同定ステップとして、位置同定部300が、照明部311、312、313によって照明されているウェハ120の外周部を、撮像部321、322、323によって撮像して、取得した画像情報に基づいて、ウェハ120の位置を同定する。
【0085】
ここで位置を同定した結果、本アライナ140の調整許容範囲を超える位置ずれが発生していた場合、上ワークは予備アライナ130に戻される。位置ずれが発生していた場合であって、その位置ずれが、本アライナ140の調整許容範囲内であった場合、位置ずれの情報が制御部110の記憶部111に記憶され、次のステップに進む。
【0086】
第2搬送ステップとして、ロボットアーム176が、下ワークを位置同定部300から本アライナ140の移動ステージ142に搬送する。移動ステージ142に搬送された下ワークは移動ステージ142によって吸着固定される。そして重ね合わせステップとして、本アライナ140が、まず記憶部111に記憶された位置ずれの情報を参照して、移動ステージ142を駆動させることでウェハ120の位置ずれを解消する。そして、顕微鏡144、145により、上ワークのウェハ120のアライメントマークと下ワークのウェハ120のアライメントマークを精密に位置合わせして、上ワークと下ワークを重ね合わせる。
【0087】
このように、予備アライナ130で位置合わせしたウェハ120及びウェハホルダ190を本アライナ140に搬入する前に、位置同定部300で位置を同定して、位置ずれが本アライナ140の調整許容範囲を超えていないと判断されたものだけを本アライナ140に搬入するように構成することで、本アライナ140の位置合わせに係る時間を適正化して、全体のスループット向上に貢献する。
【0088】
なお上記実施形態では、上ワークについて、載置面を上向きにした状態で位置を同定して、その後反転して本アライナ140の固定ステージ141に載置する例を挙げて説明したが、これに限らない。位置同定部300が、載置面を下向きにした状態で上ワークを保持する上ステージ、上ワークを構成するウェハ120を載置面の側から照明する照明部及び上ワークを載置面の反対側の面から撮像する撮像部を備えて、載置面を下向きにした状態で位置を同定して、そのまま本アライナ140の固定ステージ141移載するように構成しても良い。このように構成することで、位置ずれが本アライナ140の調整許容範囲に収まると判断された後に、反転によって位置ずれが生じて調整許容範囲を超える位置ずれが生じてしまうという事態を回避することができる。
【0089】
また上記実施形態では、ウェハホルダ190がウェハ位置検出穴913、914、915を備え、位置同定部300が備える照明部311、312、313によってウェハ位置検出穴913、914、915を照明する構成を例に挙げて説明したが、それに限らない。ウェハホルダ190が、内部に発光部を有する穴部を備え、その穴部を跨ぐ位置にウェハ120を載置して、ウェハ120を照明するように構成しても良い。
【0090】
図9は、発光部341、342、343を備えるウェハホルダ349を載置した位置同定部340の構造を概略的に示す断面図である。位置同定部340は、ステージ344が照明部311、312、313を備えない点と、ステージ344が、ウェハホルダ349の発光部に電力を供給する発光用電力供給ピン345を備える点で位置同定部300と相違して、その他の点では同様の構成を備える。図5に示す位置同定部300と共通する要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省略する。
【0091】
ステージ344に載置されたウェハホルダ349には、ステージ344が備える発光用電力供給ピン345が接続される。そして、発光用電力供給ピン345から電力を供給することで、穴部346、347、348に備えられた発光部341、342、343を発光する。穴部346、347、348は、ウェハホルダ349を貫通しない穴である。発光部341、342、343が発光した光は、一部がウェハ120に遮られ、一部が撮像部321、322、323に届く。そして、位置同定部340が、撮像部321、322、323によって取得した画像情報に基づいて、ウェハ120の位置を同定する。
【0092】
このように、発光部341、342、343を有する穴部346、347、348を備えるように構成することで、ウェハ位置検出穴913、914、915と照明部311、312、313のずれを考慮する必要がなくなるので、ウェハ位置検出穴913、914、915を設ける場合と比べて、ウェハ120を照明するための穴を小さくすることができる。そしてその結果、加熱加圧装置240によって加圧できない領域を小さくすることができる。
【0093】
なお、ウェハホルダ190がウェハ位置検出穴913、914、915を備えた場合において、ウェハ120を載置したときにウェハ120の外周に対応するラインの少なくとも一部に沿って、ラインを跨ぐように発光面を有するように構成しても良い。そのように構成することで、発光面のいずれかの部分がウェハ位置検出穴913、914、915の下側に位置するようにウェハホルダ190を載置すればよくなるので、ウェハホルダ190の配置の自由度を高めることができる。
【0094】
(他の実施形態)
上記実施形態では、予備アライナ130でウェハ120をウェハホルダ190に載置して形成したワークを本アライナ140に搬入する構成において、本アライナ140に搬入する前に位置同定部300に搬入して位置の同定をする例を挙げて説明したが、それに限らない。予備アライナ130でウェハ120及びウェハホルダ190をそれぞれ位置合わせして本アライナ140に搬送する構成において、本アライナ140に搬入する直前に位置同定部に搬入して位置の同定及びワークの形成をするように構成しても良い。
【0095】
図10は、他の実施形態に係る位置同定部350の構造を概略的に示す斜視図である。位置同定部350は、台座351、ホルダステージ352、ロボットアーム353、撮像ユニット354、照明部355及び進退機構356を備える。予備アライナ130によって位置合わせされたウェハホルダ390が、第1搬送ユニット171又は第2搬送ユニット172によって搬送され、台座351に設置されたホルダステージ352上に載置される。ウェハホルダ390は、ウェハ位置検出穴913、914、915を備えていない点以外はウェハホルダ190と同様の構成である。
【0096】
ホルダステージ352には支持ピンが設けられており、載置されたウェハホルダ390の挿通孔912を貫通して、ウェハ120が載置されるのを待機する。その後、第1搬送ユニット171又は第2搬送ユニット172が、ウェハ120を支持ピン上に載置する。ウェハ120は予備アライナ130によって、切欠き123が−Y方向の端に位置するように位置合わせされている。
【0097】
次に、ロボットアーム353がウェハ120を支持し、進退機構356が照明部355を、ウェハ120とウェハホルダ390の間に進入する。照明部355は、発光部357及び導光板358を備えており、進退機構356により導光板358がウェハ120とウェハホルダ390の間に進入される。そして、発光部357が発光した光が導光板358を介してウェハ120の外周に到達して、ウェハ120の外周を照明する。なおここで、導光板358への電力供給に導電接触ピンを用いて、導光板進入時のみ通電させることで、可動配線を減少して、省スペース化を図るように構成することができる。また、照明部355として、ウェハ120の切欠き123及びウェハ120の外周に対応する位置にLEDなどを備えて、LEDによってウェハ120の切欠き123及び外周を照明するように構成しても良い。
【0098】
撮像ユニット354は3つの撮像部を備えており、各撮像部は、3つの発光部357に対向する位置に設置されている。そして、3つの撮像部はそれぞれ、照明部355に照明されたウェハ120の切欠き123及び外周を撮像する。位置同定部350は、撮像ユニット354によって撮像された画像情報に基づいて、ウェハ120の位置を同定する。以上の流れで、位置同定部350は、ウェハ120の位置を同定する。
【0099】
ここで、本実施形態において、ウェハ120及びウェハホルダ390が重ね合わされるまでの処理の流れについて説明する。図11は、他の実施形態に係る重ね合わせ処理の手順を示すフローチャートである。なお、各手順を実施する各装置について、上記実施形態と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省略する。
【0100】
ステップS1101では、予備アライナ130がウェハホルダ390を位置合わせする。ウェハホルダ190は第1搬送ユニット171又は第2搬送ユニット172によって、予備アライナ130のホルダテーブル132に搬入される。そして予備アライナ130は、検出器133によって検出したウェハホルダ390の切欠き916に基づいて、ウェハホルダ390を位置合わせする。
【0101】
ステップS1102では、第1搬送ユニット171又は第2搬送ユニット172が、ウェハホルダ390を位置同定部350に搬入する。ウェハホルダ390は、位置同定部350のホルダステージ352上に載置される。ステップS1103では、予備アライナ130がウェハ120を位置合わせする。ウェハ120はロボットアーム116によってターンテーブル131に載置され、ターンテーブル131によって位置合わせされる。
【0102】
予備アライナ130によって位置合わせされたウェハ120は、第1搬送ユニット171又は第2搬送ユニット172によって、位置同定部350に搬入される。ステップS1104では、位置同定部350のロボットアーム353がウェハ120を支持して、ウェハホルダ390に対して離間している状態で、載置方向に配置する。
【0103】
ステップS1105では、進退機構356が、ウェハ120とウェハホルダ390の間に導光板358進入させる。進入された導光板358は、発光部357によって、ウェハ120の切欠き123及び外周部を照明する。ステップS1106では、位置同定部350が、撮像ユニット354によって撮像したウェハ120の切欠き123及び外周部の画像情報に基づいて、ウェハ120の位置を同定する。同定したウェハ120の位置・姿勢を示す情報は、制御部110の記憶部111に記憶される。
【0104】
ステップS1107では、ウェハ120の位置を同定した結果、ウェハ120に発生しているずれが、本アライナ140の調整許容範囲内か否かを判断する。なお、ここではずれが発生していない場合はずれが許容範囲内であるとして判断する。位置ずれが許容範囲内と判断されたら、ステップS1109に進み、許容範囲を超えていると判断された場合は、ステップS1108に進む。
【0105】
ステップS1108では、位置同定部350が、ホルダステージ352を駆動させることで、ウェハ120に対するウェハホルダ390の位置を調整する。位置の調整は、記憶部111に記憶された情報に基づいて実行してもよいし、撮像ユニット354で撮像しながら、位置ずれを解消する方向及び角度にウェハホルダ390を移動させることで調整してもよい。
【0106】
ステップS1109では、ロボットアーム353が、ウェハ120を支持ピン上に載置する。ステップS1110では、再び照明部355及び撮像ユニット354を駆動することで、ウェハ120の位置を同定する。ここでウェハ120の位置を同定することで、ウェハ120を支持ピン上に載置したときに位置ずれが発生していないかを判断することができる。
【0107】
ステップS1111では、ウェハ120に発生している位置ずれが、本アライナ140の調製許容範囲内か否かを判断する。位置ずれが調整許容範囲内であると判断された場合はステップS1112に進み、許容範囲外と判断された場合はステップS1213に進む。ステップS1112では、進退機構356によって照明部355を退避させた後、ウェハ120をウェハホルダ390に載置する。そして、ホルダステージ352が、静電吸着用の電力供給ピンからウェハホルダ390に電力を供給することで、ウェハホルダ390がウェハ120を静電吸着する。ステップS1113では、こうして形成されたワークを、ロボットアーム176が本アライナ140に搬入する。
【0108】
ステップS1114では、ユーザに対してエラーを出力する。ステップS1115では、ウェハ120及びウェハホルダ390を位置同定部350から搬出する。このように、予備アライナ130で位置合わせしたウェハ120及びウェハホルダ390を本アライナ140に搬入する前に、位置同定部350で位置を同定して、位置ずれが本アライナ140の調整許容範囲を超えている場合に、位置調整を行う構成とすることで、本アライナ140の位置合わせに係る時間を適正化して、全体のスループット向上に貢献する。
【0109】
なお、他の実施形態では、ウェハ120とウェハホルダ390の間に照明部355を進入してウェハ120を照明するように構成していたが、これに限らない。ウェハホルダにウェハ位置検出穴を設けて、ウェハ位置検出穴を介してウェハ120を照明するように構成してもよい。また、発光部を有する穴部を備えて、発光部によりウェハ120を照明するように構成してもよい。
【0110】
なおここでは、第1搬送ユニット171又は第2搬送ユニット172がウェハ120を位置同定部350に搬送する場合に、支持ピンに載置した後に、ロボットアーム353が支持する構成としていたが、それに限らない。位置同定部350に搬入する搬送装置をロボットアームとして、ロボットアームによってウェは120を搬入するように構成しても良い。この場合、ロボットアームがウェハホルダ390上にウェハ120を載置せずに、支持したままウェハホルダ390上に配置した状態で、照明部355をウェハ120とウェハホルダ390の間に進入して、位置を同定する。
【0111】
そして、位置ずれが生じていた場合は、ホルダステージ352を駆動させてウェハ120とウェハホルダ390の位置を調整し、位置合わせ終了後、ロボットアームがウェハ120を支持ピン上に載置する。このように構成することで、位置同定部350がロボットアーム353を備えなくてもよく、装置構成を簡略化することができる。
【0112】
上記実施形態では、予備アライナ130から本アライナ140への搬送経路の途中に位置同定部350を備えて、ウェハ120とウェハホルダ390の間に導光板358を進入させて透過光計測を行う構成としていたが、これに限らない。位置同定部350は備えずに、予備アライナ130が、進退機構356、導光板358及び発光部357を備えて、透過光計測を行うように構成しても良い。
【0113】
上記実施形態では、重ね合わせ装置100が、回路領域が形成された2枚のウェハを重ね合わせ、加熱加圧することにより接合する工程までを実施する例を挙げて説明したが、これに限らず重ね合わせ装置100は、2枚のウェハを重ね合わせる工程までを実施し、その後の工程は接合装置が実施するように構成してもよい。
【0114】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0115】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0116】
100 重ね合わせ装置、101 筐体、102 大気環境部、110 制御部、111 記憶部、112 EFEM、113 ロードポート、114 ロードポート、115 ロードポート、116 ロボットアーム、120 ウェハ、123 切欠き、124 回路領域、125 アライメントマーク、126 中心点、130 予備アライナ、131 ターンテーブル、132 ホルダテーブル、133 検出器、140 本アライナ、141 固定ステージ、142 移動ステージ、143 制御部、144、145 顕微鏡、146、147 干渉計、148 シャッタ、149 断熱壁、150 ホルダラック、160 分離機構、171 第1搬送ユニット、172 第2搬送ユニット、173 第1受け渡しポート、175、176 ロボットアーム、190 ウェハホルダ、191 上ウェハホルダ、192 下ウェハホルダ、202 真空環境部、210 断熱壁、220 ロードロックチャンバ、222 シャッタ、224 シャッタ、230 ロボットアーム、240 加熱加圧装置、300 位置同定部、301 ステージ、302 中心位置、311、312、313 照明部、321、322、323 撮像部、340 位置同定部、341、342、343 発光部、344 ステージ、345 発光用電力供給ピン、346、347、348 穴部、349 ウェハホルダ、350 位置同定部、351 台座、352 ホルダステージ、353 ロボットアーム、354 撮像ユニット、355 照明部、356 進退機構、357 発光部、358 導光板、390 ウェハホルダ、911 ホルダ本体、912 挿通孔、913、914、915 ウェハ位置検出穴、916 切欠き、917 つば部、918 マグネットユニット、921 ホルダ本体、922 吸着ユニット、933、934、935 撮影画像、936 中心点、937 交点、938 中心点、939 交点、941 中心点、942 交点、943 内接円、944 交点、951、952、953 直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板ホルダと、
前記基板ホルダが配置されるステージと、
前記基板を保持した状態で前記基板ホルダを前記ステージに搬送する搬送部と、
前記基板を、前記基板ホルダに対し載置方向に配置した状態で、前記基板ホルダの載置面の側から照明する照明部と、
前記照明部により照明された前記基板を、前記載置面とは反対の面の側から撮像することにより前記基板の位置を同定する位置同定部と
を備える重ね合わせ装置。
【請求項2】
前記基板が前記基板ホルダと前記載置方向に離間している状態で、前記照明部を前記基板と前記基板ホルダの間に進退させる進退機構を備える請求項1に記載の重ね合わせ装置。
【請求項3】
前記照明部は、発光部と導光板を含み、前記進退機構により前記導光板が前記基板と前記基板ホルダの間に進入されて、前記基板の外周部を照明する請求項2に記載の重ね合わせ装置。
【請求項4】
前記基板ホルダは、前記基板を載置したときに前記基板の外周に対応するラインに沿って前記ラインを跨ぐように穴部を備え、
前記照明部は、前記基板が前記基板ホルダに載置されている状態で前記穴部を照明する請求項1に記載の重ね合わせ装置。
【請求項5】
前記基板ホルダは、前記穴部を複数備え、
前記照明部は、前記基板に設けられた切欠きの少なくとも一部が重なるように前記基板が載置された穴部を照明する請求項4に記載の重ね合わせ装置。
【請求項6】
前記照明部は、前記切欠きに対応する穴部の他に、前記基板の円弧部に対応するラインに沿って設けられた少なくとも2つの穴部を照明する請求項5に記載の重ね合わせ装置。
【請求項7】
前記照明部は、前記穴部の内部に設けられた発光部からなる請求項4から6のいずれか1項に記載の重ね合わせ装置。
【請求項8】
基板を載置する基板ホルダであって、
前記基板を載置したときに前記基板の外周に対応するラインに沿って前記ラインを跨ぐように、少なくとも2種類の大きさの複数の穴部を備える基板ホルダ。
【請求項9】
前記複数の穴部のうちの1種類は基板位置検出穴であり、
前記基板位置検出穴の1つには、前記基板に設けられた切欠きの少なくとも一部が重なるように前記基板が載置される請求項8に記載の基板ホルダ。
【請求項10】
前記基板位置検出穴は、前記切欠きに対応する穴の他に、前記基板の円弧部に対応するラインに沿って少なくとも2つの穴を備える請求項9に記載の基板ホルダ。
【請求項11】
前記基板位置検出穴の内部に発光部を備える請求項9または10に記載の基板ホルダ。
【請求項12】
基板を載置する基板ホルダであって、
前記基板を載置したときに前記基板の外周に対応するラインの少なくとも一部に沿って前記ラインを跨ぐように発光面を有する発光部を備える基板ホルダ。
【請求項13】
前記発光面には、少なくとも前記基板に設けられた切欠きの一部が重なるように前記基板が載置される請求項12に記載の基板ホルダ。
【請求項14】
前記発光部は、前記切欠きに対応する発光部の他に、前記基板の円弧部に対応するラインに沿って発光面を有する少なくとも2つの発光部を備える請求項13に記載の基板ホルダ。
【請求項15】
基板ホルダに保持される基板の位置を検出する位置検出方法であって、
前記基板ホルダに設けられた穴部に、前記基板に設けられた切欠きの少なくとも一部が重なるように、前記基板を前記基板ホルダに載置する載置ステップと、
前記穴部を、載置された前記基板の側とは反対の側から照射する照射ステップと、
前記照射ステップにより照射されている前記切欠きの少なくとも一部を、前記基板の載置面とは反対の面の側から撮像して前記基板の位置を同定する位置同定ステップと
を有する位置検出方法。
【請求項16】
複数の基板を重ね合わせて製造されるデバイスの製造方法であって、
前記複数の基板を重ね合わせる工程は、
前記複数の基板の1つである第1基板を、第1基板ホルダに対し載置方向に配置した状態で、載置面の側から照明する第1照明ステップと、
前記第1照明ステップにより照明されている前記第1基板の外周部を、前記第1基板の載置面とは反対の面の側から撮像することにより前記第1基板の位置を同定する第1位置同定ステップと、
前記第1基板を保持した前記第1基板ホルダを第1重ね合わせステージに搬送する第1搬送ステップと、
前記複数の基板の1つである第2基板を、第2基板ホルダに対し載置方向に配置した状態で、載置面の側から照明する第2照明ステップと、
前記第2照明ステップにより照明されている前記第2基板の外周部を、前記第2基板の載置面とは反対の面の側から撮像することにより前記第2基板の位置を同定する第2位置同定ステップと、
前記第2基板を保持した前記第2基板ホルダを第2重ね合わせステージに搬送する第1搬送ステップと、
前記第1重ね合わせステージおよび前記第2重ね合わせステージの少なくとも一方を移動させて、前記第1基板と前記第2基板を位置合わせして重ね合わせる重ね合わせステップと
を含むデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−181755(P2011−181755A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45571(P2010−45571)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】