説明

重合調整剤を選択するための技術

【課題】オレフィン重合での使用に特に合わされた重合調整剤含有組成物の迅速かつ信頼性のある発見および展開のためのコンビナトリアル法および装置の提供。
【解決手段】本発明は、オレフィンモノマーの均一な付加重合で使用する触媒組成物を同定するためのコンビナトリアル法、遷移金属化合物、共触媒および重合調整剤を含んでなる前記触媒組成物ならびにこれらから得られる触媒組成物および改善されたオレフィン重合工程を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(クロスリファレンスの記述)
この出願は、2004年6月16日出願の米国特許仮出願番号60/580,330の
利益を主張する。
【0002】
本発明は特に重合工程で使用するための新しい触媒組成物の研究分野に関する。特に、
本発明は、遷移金属錯体、共触媒および1つまたはそれ以上の重合調整剤を含んでなる組
成物を使用する均一および担持された均一触媒反応を行う装置および方法;ならびにこの
ような組成物のライブラリーを迅速に作り出し、そして試験するための技術に関する。本
発明は、また、オレフィン重合において改善された性質を有するある触媒組成物の使用に
関する。
【背景技術】
【0003】
生物的、有機および無機合成および研究での使用に大きな数の化合物を迅速にスクリー
ニングするのに、コンビナトリアルおよび他のハイスループット技術が使用されてきた。
コンビナトリアル材料科学は、化学的に多様な化合物あるいは材料のコレクションを作り
出すための方法と、そして望ましい性能の特性および性質を求めて化合物または材料のこ
のライブラリーを迅速に試験あるいはスクリーニングするための方法を一般に指す。この
ようなコンビナトリアル法の用途の領域は、高温超伝導体、磁気抵抗材料、ルミネッセン
ス化合物および触媒としての使用のための無機化合物の発見を含むものであった。例とし
て、米国特許第5,712,171号、第5,776,359号、第5,985,356
号、第6,004,617号、第6,030,917号、第6,045,671号、第6
,248,540号、第6,326,090号、第6,346,290号および第6,6
27,571号、EP−A−978,499およびWO00/40331を含む。
【0004】
前出の特許リファレンスに加えて、Senkan, Nature, vol.394, pp.350-353 (July 23,
1998); Burgess et al., Angew. Chem. Int. Ed. Eng.. 1996, 35, No.2, pp.220-222; M
aier et al., Angew. Chem. Int. Ed. Eng., 1998, 37, No. 19, pp.2644-2647; Reetz e
t al., Angew. Chem. Int. Ed. Eng., 1998, 37, No. 19, pp.2647-2650; Angew.Chem.In
t. Ed.Eng., 1998, 37, No. 17, pp.2333-2336; Morken et al., Science, vol. 280, pp
. 267-270 (April 10, 1998); Gilbertson et al., Tetrahedron Letters, vol. 37, no.
36, pp. 6475-6478 (1996), and Boussie et al., JACS. 2003, 125, 4306-4317を含む、
多数の学術論文もコンビナトリアル技術を開示した。
【0005】
WO00/40331においては、元素周期律表の3−15族の金属と1つまたはそれ
以上の配位子から形成される金属化合物を使用するオレフィン重合触媒を含む均一および
担持された均一な配位重合触媒を評価するためのコンビナトリアル装置および方法が開示
されている。
【0006】
前出および他のリファレンスはコンビナトリアル材料試験の技術を進歩させたが、なお
更なる改善と進歩が所望される。特に、候補材料をスクリーニングするための更に迅速な
技術が望まれる。更には、コンビナトリアル技術は単純な金属錯体/共触媒組み合わせ物
の発見に適用されてきたが、重合調整剤を含む更に複雑な組成物がコンビナトリアル技術
に以前にかけられたことはない。特に、コンビナトリアル法を適用して、重合調整剤を含
んでなる触媒組成物を迅速にスクリーニングし、評価する必要性がなお存在する。したが
って、オレフィン重合での使用に特に合わされた重合調整剤含有組成物の迅速かつ信頼性
のある発見および展開のためのコンビナトリアル法および装置に対する必要性がなお存在
する。
【0007】
様々の遷移金属錯体とこれらを含有する触媒組成物が当分野で以前に知られている。と
りわけ、これらの錯体およびこれらを作製する方法が米国特許第5,703,187号、
第6.013,819号、第5,189,192号、第5,532,394号、第5,4
70,993号、第5,486,632号、第5,770,538号、第5,495,0
36号、第6,015,868号、第6,153,776号、第6,107,421号、
第5,866,704号、第6,268,444号、第6,034,022号、第6,1
50,297号、第6,515,155号、第6,613,921号、第5,972,8
22号、第5,854,362号、第5,892,076号、第5,817,849号、
第6,084,115号、第6,103,657号および第6,284,905号、20
03US0204017、2002US0142912、WO2000 020377、
WO2000/40331およびWO2002 038628そのほかに記載されている

【0008】
様々の共触媒、活性化剤および活性化技術は前出の金属錯体との組み合わせでの使用に
当分野で同様に知られている。共触媒が開示されているリファレンスの例として、特許お
よび刊行物の前出のリストならびに米国特許第5,064,802号、第5,321,1
06号、第5,721,185号、第5,372,682号、第5,783,512号、
第5,919,983号、第6,344,529号、第6,395,671号、第6,2
14,760号そのほかを含む。
【0009】
オレフィン重合において遷移金属錯体および共触媒との組み合わせでの使用に以前に開
示された既知の化合物は、米国特許第5,453,410号、第5,721,183号、
第6,074,977号、第6,017,842号、第6,214,760号、第6,3
87,838号そのほかに記載されている、アルモキサン、アルミニウムアルキルおよび
金属アルコキシあるいはアミド化合物を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、特に重合調整剤を含んでなる触媒組成物を使用する均一および担持された均
一付加重合で使用されるように合わされた、ライブラリーのコンビナトリアル合成および
これらのコンビナトリアルライブラリーのスクリーニングを行うための方法および装置を
提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この方法論の最も広い概念は、触媒組成物のライブラリーが作製され、そして、特に重
合条件下での工程変数または得られたポリマー製品の性質を測定することにより、オレフ
ィン重合活性に対してスクリーニングされるということである。作製されるライブラリー
は、通常、有機金属化合物または混合物のアレーまたはこれらの多レベルのアレーから触
媒組成物を形成する1つまたはそれ以上の変換段階により形成される。この触媒組成物は
、少なくとも遷移金属化合物あるいは錯体、触媒を活性なオレフィン重合組成物に変換す
る共触媒および重合調整剤を含んでなる。得られた製品は、付加重合条件下での重合活性
および/または得られたポリマーの性質に対してスクリーニングされる。本発明は、この
ような合成およびスクリーニングの実施のための多数の実施形態を提供し、そしてこの実
施形態は一緒に組み合わせ得る。
【0012】
このライブラリーにおいては、各構成員は共通の性質または機能性を有し得るが、構造
的な多様性、分子量または試験対象のある他の変数で変わるであろう(有理型変動)。別
法としては、このライブラリーは一つにまとめる特徴または構造を持たない多様な化合物
の混合物を含有し得る(ランダム変動)。このライブラリーの個別の構成員は一部化学的
に有意な形態で相互に異なるが、較正および統計的分析の目的で、ライブラリー構成員の
ある繰り返しが望まれ得る。場合によっては、親ライブラリーの1つまたはそれ以上の構
成員から1つまたはそれ以上のアリコートを採り、そしてこれらを場合によっては任意の
更なる成分と組み合わせることにより、1つまたはそれ以上の娘ライブラリーが親ライブ
ラリーから作り出され得る。例えば、各娘ライブラリーは元のライブラリーのレプリカで
あると考え得るが、1つまたはそれ以上の更なる成分または化学的操作を含む。次に付加
重合条件にかけられる、1つまたはそれ以上の触媒ライブラリーを作り出すように、少な
くとも1つの遷移金属錯体が前駆体ライブラリーまたは娘ライブラリーの構成員の少なく
とも一部に存在しなければならない。製品ライブラリー、すなわちポリマーライブラリー
を作り出すように、重合が使用され得る。別法としては、重合は活性に対するスクリーン
として役立つ。例えば反応試剤の量または異なる重合条件、例えば時間、温度、圧力、撹
拌速度、試剤添加の順序、不純物タイプおよび量などを変えることにより、工程条件もコ
ンビナトリアル化され得る。この方法は、場合によっては、異なるスクリーニング段階、
例えばライブラリーから一部の構成員を取り除く一次スクリーンから二次スクリーンを提
供し得る。所望の性質を更に同定するように、ライブラリーの1つまたはそれ以上の構成
員またはこの前駆体は、既知の標準、ブランクまたは不活性化合物により置換され得る。
【0013】
本発明による新規な触媒組成物の探索のために特に合わされた本発明の一つの実施形態
は、少なくとも1つの遷移金属錯体またはこれらの前駆体を含んでなる複数の構成員化合
物を含む遷移金属錯体ライブラリーから出発する。この錯体は、一般に、組成により、構
造により、あるいは組成と構造により異なるであろう。例として、錯体、例えば少なくと
も1つのπ結合配位子基または少なくとも1つの電子供与性配位子基を含有する、元素周
期律表の3−11族の金属のヒドロカルビル、クロリドあるいはアミド誘導体ならびにこ
のような化合物のルイス塩基含有誘導体または前出の化合物の混合物を含む。所望ならば
、このライブラリーは、前出の遷移金属錯体および/またはこれらの配位子の前駆体から
開始し、所望の遷移金属錯体を含んでなる娘ライブラリーの作製に更なる合成レベルを組
み込み得る。
【0014】
このライブラリー(遷移金属錯体ライブラリー、共触媒ライブラリーまたは重合調整剤
ライブラリー)は、スクリーン対象の触媒組成物を形成するために1つまたはそれ以上の
試剤または処理を含む1つまたはそれ以上の段階または段階の繰り返しを含み得る1つま
たはそれ以上の変換工程にかけられ得る。このような変換工程の例として、金属化、メタ
セシスまたは遷移金属錯体または前駆体の他の化学的変換、1つまたはそれ以上の溶媒の
添加、混合、加熱、冷却、濾過、抽出または単純な熟成および共触媒および1つまたはそ
れ以上の重合調整剤との最終的な組み合わせを含む。遷移金属錯体、共触媒および重合調
整剤の様々の組み合わせ物と、このような共触媒または重合調整剤の形成方法を評価し、
スクリーンするために、このような共触媒および重合調整剤またはこれらの作製に使用さ
れる成分の別々なライブラリーも遷移金属錯体(またはこれらの前駆体)のライブラリー
との組み合わせで使用され得る。
【0015】
前出の操作は、試剤の測定された添加、得られた反応混合物の適切な混合および操作、
反応器内容物の加熱およびまたは冷却、生成物の分離および副生成物の除去、溶媒、また
は他の成分の除去可能なセルまたは他の好適な反応容器の使用を必要とする。望ましくは
、各反応セルあるいは容器は密封され、そして不活性雰囲気に曝されるか、あるいはそう
でなければ揮発性反応器成分の喪失または他の試剤、反応器または反応の汚染を防止する
ために、雰囲気、他の反応セルおよびライブラリーから単離される。一つの実施形態にお
いては、各反応器あるいはセルは、セル中の固体反応器含有物から液体の容易な分離を可
能とする濾過手段を備えられるか、あるいは濾過手段にアクセスを有する。この濾過器具
はセルの外に搭載され、そして前出の分離を行う目的でセルの中に挿入され、その後で分
離の完了時にセルから取り外されるか、あるいは外され得る。別法としては、各セルは、
液体成分を分離/除去するために、濾過媒体、例えば反応器内容物と接触したフリットガ
ラス表面およびバルブまたは他の選択手段を含み得る。この装置は、所望ならば、反応セ
ルへの装填の前に、様々の成分、特に重合調整剤を前処理するかあるいは形成するために
、別な反応容器を更に含み得る。
【0016】
別の実施形態においては、出発成分(例えば、配位子、有機金属化合物、金属化誘導体
、共触媒、重合調整剤、添加物、モノマー、溶媒、不純物など)の混合物が異なる比、順
序または方法で組み合わされる。この重合は製品ライブラリーあるいはアレーを作り出す
ように様々の条件下で行われる。この実施形態においては、重合工程の条件はコンビナト
リアル化されている変数であり得る。コンビナトリアル化され得る好適な工程条件は、出
発成分の量および比、工程段階の繰り返し、金属錯体の精製および回収、重合調整剤また
は触媒組成物、触媒組成成分の添加順序、触媒組成物またはこれらの任意の成分の形成に
許容される時間、触媒形成反応温度および圧力、反応物への出発成分添加速度、滞留時間
(または生成物除去速度)、重合温度、圧力、反応雰囲気、混合速度および当業者ならば
認識する任意の他の条件を含む。
【0017】
加えて、前出の実施形態は一緒に組み合わせ可能である。例えば、本発明は、使用され
る出発成分において多様性を有することにより;触媒ライブラリーの形成に使用される反
応条件(例えば、時間、温度、混合速度または触媒形成で使用される他の条件)において
多様性を有することにより;使用される重合条件における多様性により;あるいは前出の
変数すべての組み合わせにより実施され得る。ポリマー製品のライブラリーは、重合条件
、例えば生成される熱、あるいは更に好ましくは、1つまたはそれ以上のモノマーの消費
の測定により、あるいは得られたポリマーの性質、例えば分子量または分子量分布により
スクリーニングされる。ポリマーライブラリーは、また、慣用の分析技術を使用して、あ
るいは多数の異なる迅速ポリマーキャラクタリゼーション法の一つを使用することにより
、関心のあるポリマーが作り出されたかどうかを決めるように試験され得る。
【0018】
ポリマー性質は後反応器条件により悪影響を受ける可能性があるために、製品の性質の
物理的試験は候補材料をスクリーニングするための精確なインジケーターであり得ない。
ポリマーの性質は、酸化防止剤、安定剤および他の保存剤をポリマー試料に添加すること
により物理的試験を行うことができるまで形成後しばしば保存される。コンビナトリアル
材料試験で通常使用される小さい試料サイズへのこのような添加物の組み込みおよびこれ
らの使用の適合は、極めて非実用的であり、そして得られたプロトコルに著しい複雑さ、
遅れおよびコストを付加する可能性がある。更には、ライブラリーを通じての適切かつ再
現性のある組み込みは困難であることがわかり、そして最低でも別の変動の源を導入する
可能性がある。したがって、本発明での使用に好ましいスクリーニング方法は、重合時に
起こる工程条件の試験および記録である。
【0019】
この方法論の実施形態は、出発材料を組み合わせ、ライブラリーを娘ライブラリー化し
、関心のある反応を実施し、そして工程の結果をスクリーニングするために1つまたはそ
れ以上のステーションを含む、多数の異なるステーションを含む柔軟性のある系に組み合
わされ得る。使用者がライブラリー設計、スクリーニングおよび/またはデータ操作基準
を入力することにより、全シリーズの実験を設計し得るように、この系は、系の活動を制
御し、モニターし、そして指示する制御系を含む。
【0020】
当業者ならば、本発明のライブラリーにおける多様性を作り出すための様々の方法を認
識するであろう。このスクリーニングは、好ましくは1つまたはそれ以上の工程パラメー
ターを直接に測定し、ライブラリーの個別構成員を評価するための定量化手段をもたらす
ことにより、この多様性が関心の持たれる製品または工程を生成したかどうかを決めるの
に使用される。この明細書で概説した原理を注意深く適用することによって、本発明者は
、遷移金属錯体、共触媒および重合調整剤を含んでなる触媒組成物の同定に特に適合され
たコンビナトリアル研究方法を提供することに成功した。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1−4においてC1、C2、C3、C4およびC5として同定されている金属錯体(触媒前駆体)の化学構造である。
【図2】実施例1−4においてC1、C2、C3、C4およびC5として同定されている金属錯体(触媒前駆体)の化学構造である。
【図3】実施例1−4においてC1、C2、C3、C4およびC5として同定されている金属錯体(触媒前駆体)の化学構造である。
【図4】実施例1−4においてC1、C2、C3、C4およびC5として同定されている金属錯体(触媒前駆体)の化学構造である。
【図5】実施例1−4においてC1、C2、C3、C4およびC5として同定されている金属錯体(触媒前駆体)の化学構造である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この明細書中で元素周期律表へのすべての参照は、CRC Press,Inc.発行
の元素周期律表(2001年版権)を引用するものとする。また、族へのあらゆる参照も
、この元素周期律表において反映されている族であるものとし、族の番号付けにIUPA
C系を用いている。米国特許慣行の目的で、特に合成方法、原材料および当分野での一般
的な知識の開示に関して、この明細書中で参考とされる任意の特許、特許出願または公報
の内容は、参照して全体で本明細書に組み込まれている(あるいは同等のこれらの米国版
は参照して組み込まれている)。特記しない限り、文脈から明白であるか、あるいは当分
野で慣用的であるように、すべての部およびパーセントは重量基準である。
【0023】
この明細書中で出現する場合には、用語「含んでなる」およびこれらの派生語は、これ
らがこの明細書中で開示されているかどうかに拘わらず、あらゆる更なる成分、段階また
は手順の存在を排除するようには意図されていない。あらゆる疑念を回避するために、用
語「含んでなる」の使用によりこの明細書中で請求されるすべての組成は、特記しない限
り、あらゆる更なる添加物、補助剤または化合物を含み得る。対照的に、用語「本質的に
・・・からなる」は、この明細書中で出現する場合には、あらゆる続いて起こる列挙から
操作に必須でないものを除いてあらゆる他の成分、段階または手順も排除する。用語「・
・・からなる」は、使用される場合には、特に記述されているか、あるいは掲げられてい
るあらゆる成分、段階または手順も排除する。用語「または」は、特記しない限り、個別
でならびにあらゆる組み合わせでも掲げられた構成員を指す。
【0024】
極めて望ましくは、本発明の方法論は、最適化あるいは本発明のスクリーニング手順に
したがって測定した少なくとも2つの、更に好ましくは少なくとも3つの工程変数または
製品変数を最大化することに基づく所望の触媒組成物の選択を包含する。
触媒
【0025】
この明細書で使用される遷移金属化合物は、元素周期律表の3−11族、好ましくは4
−8族、最も好ましくは4族、すなわちチタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選択
される金属の化合物または錯体を含む。好ましい化合物は、1つまたはそれ以上の非局在
化された、π結合配位子または多価ルイス塩基配位子を含有するものである。例として、
メタロセン、半メタロセン、拘束構造および多価のピリジルアミン塩基錯体を含む。この
化合物は式MKkxzまたはこれらの二量体により一般的に表される。
式中
【0026】
Mは元素周期律表の3−10族金属、好ましくは4−8族金属、最も好ましくは4族金
属から選択される遷移金属であり;
【0027】
Kは独立して各々の起源でKがMに結合する非局在化されたπ電子を含有する基であり
、前記K基は水素原子を数えずに50個までの原子を含有し、場合によっては、2つまた
はそれ以上のK基は一緒に連結して、架橋構造を形成し得、そして更に場合によっては、
1つまたはそれ以上のK基はZ、XまたはZとXの両方に結合し得る;
【0028】
Xは独立して各々の起源で40個までの非水素原子を有する一価のアニオン性部分であ
り、場合によっては、1つまたはそれ以上のX基は一緒に結合して、二価あるいは多価の
アニオン性基を形成し、そして更に場合によっては、1つまたはそれ以上のX基と1つま
たはそれ以上のZ基は一緒に結合して、Mに共有結合し、そしてこれに配位する部分を形
成し得る;
【0029】
Zは独立して各々の起源でZがMに配位する少なくとも1つの非共有電子対を含有する
50個までの非水素原子の中性の、ルイス塩基供与体配位子であり;
kは0〜3の整数であり;
xは1〜4の整数であり;
zは0〜3の数であり;そして
和k+xはMの形式酸化状態に等しい。
【0030】
好適な金属錯体は、環状あるいは非環状の非局在化されたπ結合のアニオン性配位子基
であり得る、1〜3個のπ結合のアニオン性あるいは中性の配位子基を含有するものを含
む。このようなπ結合基を例示するのは、共役あるいは非共役の、環状あるいは非環状の
ジエンおよびジエニル基、アリル基、ボラタベンゼン基、ホスホールおよびアリーン基で
ある。用語「π結合」とは、部分的に非局在化されたπ結合からの電子を共有することに
より、遷移金属に結合した配位子基の意味である。
【0031】
この非局在化されたπ結合基中の各原子は、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、ハロヒ
ドロカルビル、ヒドロカルビル置換のヘテロ原子からなる群から選択される基により独立
して置換され得る。ここで、このヘテロ原子は元素周期律表の14−16族から選択され
、そしてこのようなヒドロカルビル置換のヘテロ原子基は15あるいは16族のヘテロ原
子含有部分により更に置換されている。加えて、2つまたはそれ以上のこのような基は一
緒になり部分あるいは完全水素化した融合環系を含む融合環系を形成するか、あるいは金
属と金属環状体を形成し得る。用語「ヒドロカルビル」の内に含まれるのは、C1-20直鎖
、分岐鎖および環状アルキル基、C6-20芳香族基、C7-20アルキル置換の芳香族反応試剤
およびC7-20アリール置換のアルキル基である。好適なヒドロカルビル置換のヘテロ原子
基は、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、窒素、リンまたは酸素のモノ−、ジ−およびトリ
置換基を含む。ここで、このヒドロカルビル基の各々は1〜20個の炭素原子を含有する
。例として、N,N−ジメチルアミノ、ピローリジニル、トリメチルシリル、トリエチル
シリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジ(t−ブチル)シリル、トリフェニルゲル
ミルおよびトリメチルゲルミル基を含む。15あるいは16族のヘテロ原子含有部分の例
として、遷移金属またはランタニド金属に結合し、そしてヒドロカルビル基、π結合基ま
たはヒドロカルビル置換ヘテロ原子に結合した、アミノ、ホスフィノ、アルコキシ、ある
いはアルキルチオ部分またはこれらの二価誘導体、例えば、アミド、ホスフィド、アルキ
レンオキシあるいはアルキレンチオ基を含む。
【0032】
好適なアニオン性の非局在化されたπ結合基の例として、シクロペンタジエニル、イン
デニル、フルオレニル、テトラヒドロインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒ
ドロフルオレニル、ペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、ジヒドロアントラセニル、
ヘキサヒドロアントラセニル、デカヒドロアントラセニル基、ホスホールおよびボラタベ
ンジル基、ならびにこれらの不活性置換誘導体、特にこれらのC1-10ヒドロカルビル置換
あるいはトリス(C1-10ヒドロカルビル)シリル置換誘導体を含む。好ましいアニオン性
非局在化されたπ結合基は、シクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル
、テトラメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシリルシクロペンタジエニル、イン
デニル、2,3−ジメチルインデニル、フルオレニル、2−メチルインデニル、2−メチ
ル−4−フェニルインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、
1−インダセニル、3−ピローリジノインデン−1−イル、3,4−(シクロペンタ(l
)フェナントレン−1−イルおよびテトラヒドロインデニルである。
【0033】
このボラタベンジル配位子はベンゼンのホウ素含有類似体であるアニオン性配位子であ
る。これらは、当分野で以前から既知であり、G. Herberich, et al., in Organometalli
cs, 14, 1, 471-480 (1995)により記述されている。好ましいボラタベンゼンは式:

【化1】

に対応する。式中、
1は好ましくは水素、ヒドロカルビル、シリル、ハロまたはゲルミルからなる群から
選択される不活性な置換基であり、前記R1は水素を数えずに20個までの原子を有し、
そして場合によっては2つの隣接するR1基は一緒に連結され得る。このような非局在化
されたπ結合基の二価誘導体を含む錯体においては、これらの1つの原子は共有結合また
は共有結合した二価基によりこの錯体の別の原子に結合して、架橋した系を形成する。
【0034】
ホスホールはシクロペンタジエニル基のリン含有類似体であるアニオン性配位子である
。これらは、当分野で以前から既知であり、WO98/50392などにより記述されて
いる。好ましいホスホール配位子は式:

【化2】

に対応する。式中、R1は前に定義した通りである。
【0035】
この明細書中での使用に好ましい遷移金属錯体は式:MKkxzまたはこれらの二量
体に対応する。式中:Mは4族金属であり;
KはKがMに結合する非局在化されたπ電子を含有する基であり、前記K基は水素原子
を数えずに50個までの原子を含有し、場合によっては、2つのK基は一緒に連結して、
架橋構造を形成し得、そして更に場合によっては、1つのKは、XまたはZに結合し得る

Xは各々の起源で40個までの非水素原子を有する一価のアニオン性部分であり、場合
によっては、1つまたはそれ以上のX基と1つまたはそれ以上のK基は一緒に結合して、
金属環状体を形成し、そして更に場合によっては、1つまたはそれ以上のX基と1つまた
はそれ以上のZ基は一緒に結合して、Mに共有結合し、そしてこれに配位する部分を形成
し得る;
Zは独立して各々の起源でZがMに配位する少なくとも1つの非共有電子対を含有する
50個までの非水素原子の中性の、ルイス塩基供与体配位子であり;
kは0〜3の整数であり;
xは1〜4の整数であり;
zは0〜3の数であり;そして
和k+xはMの形式酸化状態に等しい。
【0036】
好ましい錯体は1個あるいは2個のK基を含有するものを含む。後者の錯体は2個のK
基を連結する架橋基を含有するものを含む。好ましい架橋基は式(ER’2eに対応する
ものである。式中、Eはケイ素、ゲルマニウム、スズまたは炭素であり、R’は独立して
各々の起源で水素またはシリル、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシおよびこれらの
組み合わせ物から選択される基であり、前記R’は30個までの炭素あるいはケイ素原子
を有し、そしてeは1〜8である。好ましくは、R’は独立して各々の起源でメチル、エ
チル、プロピル、ベンジル、tert−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシまたはフ
ェノキシである。
【0037】
2個のK基を含有する錯体の例は式:

【化3】

に対応する化合物である。式中:
Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウム、好ましくは+2あるいは+4の形式酸化
状態のジルコニウムまたはハフニウムであり;
3は、各々の起源で独立して水素、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、シアノ、ハ
ロおよびこれらの組み合わせ物からなる群から選択され、前記R3は20個までの非水素
原子を有し、あるいは隣接したR3基は一緒になり二価誘導体(すなわち、ヒドロカルバ
ジイル、シラジイルあるいはゲルマジイル基)を形成して、融合環系を形成し、そして
X”は独立して各々の起源で40個までの非水素原子のアニオン性配位子基であるか、
あるいは2個のX”基は一緒になり40個までの非水素原子の二価アニオン性配位子基を
形成するか、あるいは一緒になり非局在化されたπ電子によりMに結合した4〜30個の
非水素原子を有する共役ジエンであり、この時にはMは+2の形式酸化状態にあり、そし

R’、Eおよびeは前に定義した通りである。
【0038】
2個のπ結合基を含有する例示の架橋された配位子は、ジメチルビス(シクロペンタジ
エニル)シラン、
ジメチルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン、
ジメチルビス(2−エチルシクロペンタジエン−1−イル)シラン、
ジメチルビス(2−t−ブチルシクロペンタジエン−1−イル)シラン、
2,2−ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)プロパン、
ジメチルビス(インデン−1−イル)シラン、
ジメチルビス(テトラヒドロインデン−1−イル)シラン、
ジメチルビス(フルオレン−1−イル)シラン、
ジメチルビス(テトラヒドロフルオレン−1−イル)シラン、
ジメチルビス(2−メチル−4−フェニルインデン−1−イル)−シラン、
ジメチルビス(2−メチルインデン−1−イル)シラン、
ジメチル(シクロペンタジエニル)(フルオレン−1−イル)シラン、
ジメチル(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレン−1−イル)シラン、
ジメチル(シクロペンタジエニル)(テトラヒドロフルオレン−1−イル)シラン、
(1,1,2,2−テトラメチル)−1,2−ビス(シクロペンタジエニル)ジシラン

(1,2−ビス(シクロペンタジエニル)エタン、および
ジメチル(シクロペンタジエニル)−1−(フルオレン−1−イル)メタン
である。
【0039】
好ましいX”基は、ヒドリド、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ハロヒドロカルビ
ル、ハロシリル、シリルヒドロカルビルおよびアミノヒドロカルビル基から選択されるか
、あるいは2個のX”基は一緒になり共役ジエンの二価誘導体を形成するか、あるいは一
緒になりこれらは中性のπ結合共役ジエンを形成する。最も好ましいX”基はC1-20ヒド
ロカルビル基である。
【0040】
本発明での使用に好適な前出の式の金属錯体の例として、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルベンジル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルフェニル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、
ビス(シクロペンタジエニル)チタン−アリル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルメトキシド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジメチル、
ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
インデニルフルオレニルジルコニウムジメチル、
ビス(インデニル)ジルコニウムメチル(2−(ジメチルアミノ)ベンジル)、
ビス(インデニル)ジルコニウムメチルトリメチルシリル、
ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムメチルトリメチルシリル、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルベンジル、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルメトキシド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、
ビス(メチルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(エチルテトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン(III)アリル、
ジメチルシリルビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリルビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン(III)2−(ジメチ
ルアミノ)ベンジル、
(メチレンビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタン(III)2−(ジメチル
アミノ)ベンジル、
ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムベンジルクロリド、
ジメチルシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウム−1,4−ジフェニル−1
,3−ブタジエン、
ジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウム(II)1
,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
ジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム(II)1,4−ジフェ
ニル−1,3−ブタジエン、
ジメチルシリルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチルジメ
チルシリルビス(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリル−ビス(テトラヒドロフルオレニル)ジルコニウムビス(トリメチルシ
リル)、
(イソプロピリデン)(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジベン
ジルおよび
ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム
ジメチル
を含む。
【0041】
本発明で使用される更なる類の金属錯体は、先行する式:MKZzxまたはこれらの二
量体に対応する。式中、M、K、X、xおよびzは前に定義した通りであり、そしてZは
Kと一緒にMとの金属環状体を形成する50個までの非水素原子の置換基である。
【0042】
好ましいZ置換基は、Kに直接に結合した、酸素、イオウ、ホウ素または元素周期律表
の14族の構成員である少なくとも1つの原子と、Mと共有結合で結合した、窒素、リン
、酸素またはイオウからなる群から選択される異なる原子を含んでなる30個までの非水
素原子を含有する基を含む。
【0043】
特に、本発明により使用されるこの類の4族金属錯体は、式:

【化4】

に対応する「拘束構造触媒」を含む。式中:
Mはチタンまたはジルコニウム、好ましくは+2、+3、あるいは+4の形式酸化状態
のチタンであり;
1は1〜5個のR2基により場合によっては置換された、非局在化されたπ結合配位子
基であり、
2は各々の起源で独立して水素、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、シアノ、ハロ
およびこれらの組み合わせ物からなる群から選択され、前記R2は20個までの非水素原
子を有するか、あるいは隣接するR2基は一緒になり二価誘導体(すなわち、ヒドロカラ
バジイル、シラジイルあるいはゲルマジイル基)を形成して、それにより融合環系を形成
し、
各Xはハロ、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシあるいはシリル基であり、前記基
は20個までの非水素原子を有するか、あるいは2個のX基は一緒になり中性のC5-30
役ジエンまたはこれらの二価誘導体を形成し;
Yは−O−、−S−、−NR’−、−PR’−であり;そして
X’はSiR’2、CR’2、SiR’2SiR’2、CR’2CR’2、CR’=CR’、
CR’2SiR’2またはGeR’2であり、そして
R’は独立して各々の起源で水素またはシリル、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキ
シおよびこれらの組み合わせ物から選択される群であり、前記R’は30個までの炭素あ
るいはケイ素原子を有する。
【0044】
前出の拘束構造金属錯体の特定の例として式:

【化5】

に対応する化合物を含む。式中、
Arは水素を数えずに6〜30個の原子のアリール基であり;
4は独立して各々の起源で水素、Arまたはヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシ
リル、トリヒドロカルビルゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、トリヒドロカル
ビルシロキシ、ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ
、ヒドロカルバジイルアミノ、ヒドロカルビルイミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ
、ヒドロカルバジイルホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル
、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル置換ヒドロカル
ビル、トリヒドロカルビルシロキシ置換ヒドロカルビル、ビス(トリヒドロカルビルシリ
ル)アミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒド
ロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカ
ルビル、ヒドロカルビレンホスフィノ置換ヒドロカルビルまたはヒドロカルビルスルフィ
ド置換ヒドロカルビルから選択されるAr以外の基であり、前記R基は水素原子を数えず
に40個までの原子を有し;
Mはチタンであり;
X’はSiR62、CR62、SiR62SiR62、CR62CR62、CR6=CR6、CR62
iR62、BR6、BR6L”またはGeR62であり;
Yは−O−、−S−、−NR5−、−PR5−;−NR52または−PR52であり;
5は、独立して各々の起源で、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリルまたはト
リヒドロカルビルシリルヒドロカルビルであり、前記R5は水素以外の20個までの原子
を有し、そして場合によっては2個のR5基またはR5はYまたはZと一緒になり環系を形
成し;
6は、独立して各々の起源で、水素またはヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、
シリル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、−NR52およびこれらの組み合わせ
物から選択される構成員であり、前記R6は20個までの非水素原子を有し、そして場合
によっては、2個のR6基またはR6はZと一緒になり環系を形成し;
ZはR5、R6またはXに場合によっては結合する、中性ジエンまたは単歯状あるいは多
歯状ルイス塩基であり;
Xは水素、水素を数えずに60個までの原子を有する一価のアニオン性配位子基である
か、あるいは2個のX基は二価配位子基であり;
xは1または2であり;そして
zは0、1または2である。
この前出の金属錯体の好ましい例は、シクロペンタジエニルあるいはインデニル基の3
−および4位の両方でAr基により置換されている。
【0045】
この前出の金属錯体の例として、
(3−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シラン
チタンジクロリド、
(3−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シラン
チタンジメチル、
(3−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シラン
チタン(II)1,3−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−(ピロール−1−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチル
アミド)シランチタンジクロリド、
(3−(ピロール−1−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチル
アミド)シランチタンジメチル、
(3−(ピロール−1−イル)シクロペンタジエン−1−イル))ジメチル(t−ブチ
ルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−(1−メチルピロール−3−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(
t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−(1−メチルピロール−3−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(
t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−(1−メチルピロール−3−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(
t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3,4−ジフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)
シランチタンジクロリド、
(3,4−ジフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)
シランチタンジメチル、
(3,4−ジフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)
シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
(3−(3−N,N−ジメチルアミノ)フェニル)シクロペンタジエン−1−イル)ジ
メチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−(3−N,N−ジメチルアミノ)フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメ
チル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−(3−N,N−ジメチルアミノ)フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメ
チル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエ
ン;
(3−(4−メトキシフェニル)−4−メチルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチ
ル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−(4−メトキシフェニル)−4−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメ
チル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−4−メトキシフェニル)−4−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチ
ル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン

(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチル
アミド)シランチタンジクロリド、
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチル
アミド)シランチタンジメチル、
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチル
アミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(3−フェニル−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジ
メチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−フェニル−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジ
メチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−フェニル−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジ
メチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジ
エン;
2−メチル−(3,4−ジ(4−メチルフェニル)シクロペンタジエン−1−イル)ジ
メチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
2−メチル−(3,4−ジ(4−メチルフェニル)シクロペンタジエン−1−イル)ジ
メチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
2−メチル−(3,4−ジ(4−メチルフェニル)シクロペンタジエン−1−イル)ジ
メチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジ
エン;
((2,3−ジフェニル)−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1
−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
((2,3−ジフェニル)−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1
−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
((2,3−ジフェニル)−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1
−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,
3−ブタジエン;
(2,3,4−トリフェニル−5−メチルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(
t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(2,3,4−トリフェニル−5−メチルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(
t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(2,3,4−トリフェニル−5−メチルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(
t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチル
アミド)シランチタンジクロリド、
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチル
アミド)シランチタンジメチル、
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチル
アミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(2,3−ジフェニル−4−(n−ブチル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル
(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(2,3−ジフェニル−4−(n−ブチル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル
(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(2,3−ジフェニル−4−(n−ブチル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル
(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブ
チルアミド)シランチタンジクロリド、
(2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブ
チルアミド)シランチタンジメチルおよび
(2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブ
チルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン
を含む。
【0046】
この明細書中で触媒としての使用に好適な金属錯体の更なる例は式

【化6】

に対応する多環状錯体である。式中、
Mは+2、+3あるいは+4の形式酸化状態のチタンであり;
7は独立して各々の起源でヒドリド、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ハライド
、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(
ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビレンアミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、
ヒドロカルビレン−ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、
ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、シリル置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビル
シロキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリルアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒ
ドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル
、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレン−ホスフィノ
置換ヒドロカルビルまたはヒドロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルであり、前記R
7基は水素を数えずに40個までの原子を有し、そして場合によっては、前出の基の2つ
以上は一緒になり二価誘導体を形成し得;
8は金属錯体の残りと共に融合系を形成する二価ヒドロカルビレン−あるいは置換ヒ
ドロカルビレン基であり、前記R8は水素を数えずに1〜30個の原子を含有し;
X’は二価部分またはMへの配位−共有結合を形成することができる、1個のσ結合と
中性の2個の電子対を含んでなる部分であり、前記X’はホウ素または元素周期律表の1
4族の構成員を含んでなり、そして窒素、リン、イオウまたは酸素も含んでなり;
Xは、環状、非局在化されたπ結合配位子基である配位子の類を除いて、60個までの
原子を有する一価のアニオン性配位子基であり、そして場合によっては2個のX基は一緒
になり二価配位子基を形成し;
Zは独立して各々の起源で20個までの原子を有する中性の連結反応化合物であり;
xは0、1または2であり;そして
zはゼロまたは1である。
【0047】
このような錯体の好ましい例は、式:

【化7】

に対応する3−フェニル置換のs−インデセニル錯体、式:

【化8】

に対応する2,3−ジメチル置換のs−インデセニル錯体または式:

【化9】

に対応する2−メチル置換のs−インデセニル錯体である。本発明による触媒(A)とし
て有用に使用される金属錯体の更なる例として、式:

【化10】

のものを含む。
特定の金属錯体は、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(
1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,4−ジフェニル−1
,3−ブタジエン、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(
1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(
1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(III)2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)ベンジル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(
1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジクロリド、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(
1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジメチル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(
1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジベンジル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル
)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,4−ジフ
ェニル−1,3−ブタジエン、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル
)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,3−ペン
タジエン、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル
)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(III)2−(N,
N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル
)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジクロリド、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル
)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジメチル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−1−イル
)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジベンジル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(
1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,4−ジフェニル−1
,3−ブタジエン、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(
1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(
1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(III)2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)ベンジル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(
1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジクロリド、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(
1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジメチル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(
1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジベンジル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル
)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,4−ジフ
ェニル−1,3−ブタジエン、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル
)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,3−ペン
タジエン、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル
)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(III)2−(N,
N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル
)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジクロリド、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル
)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジメチル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロジベンゾ[e,h]アズレン−2−イル
)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジベンジル
およびこれらの混合物、特に位置異性体の混合物
を含む。
【0048】
本発明により使用するための金属錯体の更なる例示的な例は式:

【化11】

に対応する。式中、
Mは+2、+3あるいは+4の形式酸化状態のチタンであり;
Tは−NR9−または−O−であり;
9は水素を数えずに10個までの原子のヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ジヒド
ロカルビルボリルまたはハロヒドロカルビルであり;
10は独立して各々の起源で水素、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、トリ
ヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、ゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、ヒ
ドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒ
ドロカルビレンアミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビレン−ホスフィ
ノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒ
ドロカルビル、シリル置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシロキシ置換ヒドロカルビル
、ヒドロカルビルシリルアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒ
ドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホス
フィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンホスフィノ置換ヒドロカルビルまたはヒド
ロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルであり、前記R10基は水素を数えずに40個ま
での原子を有し、そして場合によっては前出の隣接するR10基の2つ以上は一緒になり二
価誘導体を形成して、飽和あるいは不飽和融合環を形成し;
X’は非局在化されたπ電子を欠く二価部分またはMへの配位−共有結合を形成するこ
とができる、1個のσ結合と中性の2個の電子対を含んでなる部分であり、前記X’はホ
ウ素または元素周期律表の14族の構成員を含んでなり、そして窒素、リン、イオウまた
は酸素も含んでなり;
Xは、環状、非局在化されたπ結合配位子基である配位子の類を除いて、60個までの
原子を有する一価のアニオン性配位子基であるか、あるいは2個のX基は一緒になりアニ
オン性二価配位子基を形成し;
Zは独立して各々の起源で20個までの原子を有する中性の連結性化合物であり;
xは0、1、2または3であり;そして
zは0または1である。
【0049】
極めて好ましくは、Tは=N(CH3)であり、Xはハロまたはヒドロカルビルであり
、xは2であり、X’はジメチルシランであり、zは0であり、そしてR10は各々の起源
で水素、水素を数えずに20個までの原子のヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ジ
ヒドロカルビルアミノ、ヒドロカルビレンアミノ、ジヒドロカルビルアミノ−置換ヒドロ
カルビル基またはヒドロカルビレンアミノ−置換ヒドロカルビル基であり、そして場合に
よっては2個のR10基は一緒に連結され得る。
【0050】
本発明の実施で使用され得る前出の式の例示的な金属錯体は、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メ
チルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,4−
ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メ
チルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,3−
ペンタジエン、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メ
チルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(III)2−(
N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メ
チルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジクロリ
ド、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メ
チルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジメチル

(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メ
チルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジベンジ
ル、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メ
チルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ビス(ト
リメチルシリル)、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1
−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,
4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1
−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,
3−ペンタジエン、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1
−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(III)2
−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1
−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジク
ロリド、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1
−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジメ
チル、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1
−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジベ
ンジル、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1
−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ビス
(トリメチルシリル)、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’
,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン
(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’
,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン
(II)1,3−ペンタジエン、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’
,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン
(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’
,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン
(IV)ジクロリド、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’
,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン
(IV)ジメチル、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’
,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン
(IV)ジベンジル、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’
,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン
(IV)ビス(トリメチルシリル)、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:
2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチ
タン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:
2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチ
タン(II)1,3−ペンタジエン、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:
2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチ
タン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:
2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチ
タン(IV)ジクロリド、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:
2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチ
タン(IV)ジメチル、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:
2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチ
タン(IV)ジベンジル;および
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:
2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチ
タン(IV)ビス(トリメチルシリル)
の化合物を更に含む。
【0051】
本発明の実施で使用され得る例示的な4族金属錯体は、
(tert−ブチルアミド)(1,1−ジメチル−2,3,4,9,10−η−1,4
,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレニル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(1,1,2,3−テトラメチル−2,3,4,9,10
−η−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレニル)ジメチルシランチタンジメ
チル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
シランチタンジベンジル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
シランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2
−エタンジイルチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−インデニル)ジメチルシランチタ
ンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
シランチタン(III)2−(ジメチルアミノ)ベンジル;
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
シランチタン(III)アリル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
シランチタン(III)2,4−ジメチルペンタジエニル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
シランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)
1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)
2,4−ヘキサジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)
イソプレン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)
1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(
IV)2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(
IV)イソプレン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(
IV)ジメチル、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(
IV)ジベンジル、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(
IV)1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(
II)1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(
II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)
1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)
ジメチル、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)
ジベンジル、
(tert−ブチルアミド)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジメチルシラン
チタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジメチルシラン
チタン(II)1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジメチルシラン
チタン(II)2,4−ヘキサジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
−シランチタン(IV)1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
シランチタン(IV)2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
シランチタン(IV)イソプレン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
−シランチタン(II)1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
シランチタン(II)2,4−ヘキサジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチル
−シランチタン(II)3−メチル−1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,4−ジメチルペンタジエン−3−イル)ジメチルシ
ランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(6,6−ジメチルシクロヘキサジエニル)ジメチルシラ
ンチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(1,1−ジメチル−2,3,4,9,10−η−1,4
,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−4−イル)ジメチルシランチタンジメチル

(tert−ブチルアミド)(1,1,2,3−テトラメチル−2,3,4,9,10
−η−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−4−イル)ジメチルシランチ
タンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニルメチルフェ
ニルシランチタン(IV)ジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニルメチルフェ
ニルシランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
1−(tert−ブチルアミド)−2−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル
)エタンジイルチタン(IV)ジメチル、および
1−(tert−ブチルアミド)−2−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル
)エタンジイル−チタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン
を更に含む。
【0052】
他の非局在化されたπ結合錯体、特に他の4族金属を含有するものは、勿論、当業者に
は明白であり、そしてWO03/78480、WO03/78483、WO02/926
10、WO02/02577、US2003/0004286および米国特許第6,51
5,155号、第6,555,634号、第6,150,297号、第6,034,02
2号、第6,268,444号、第6,015,868号、第5,866,704号およ
び第5,470,993号で開示されている。
【0053】
本発明で使用される多価ルイス塩基錯体は、4族金属誘導体、特にヒドロカルビルアミ
ン置換ヘテロアリール化合物のハフニウム誘導体、特に式R11HN−T−R12の化合物を
含む。好ましくは、この錯体は式:

【化12】

に対応する。式中:
11はアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール
および水素を数えずに1〜30個の原子を含有するこれらの不活性置換誘導体から選択さ
れ;
1は水素以外の1〜20個の原子の二価架橋基、好ましくはモノ−あるいはジ−C1-2
0ヒドロカルビル置換メチレンあるいはシラン基であり;そして
12はルイス塩基官能基を含有するC6-20ヘテロアリール基、特にピリジン−2−イル
−あるいは置換ピリジン−2−イル基であり;そして
この金属錯体においては、M1は4族金属、好ましくはハフニウムであり;
1はアニオン性、中性あるいはジアニオン性の配位子基であり;
x’はこのようなX1基の数を示す、0ないし5の数であり;そして
結合、任意の結合および電子供与性相互作用はそれぞれ線、点線および矢印により表さ
れる。
【0054】
好ましい錯体は、配位子形成がアミン基からの水素脱離および場合によっては特にR12
からの1つまたはそれ以上の更なる基の喪失から生じるものである。加えて、ルイス塩基
官能基からの電子供与、好ましくは電子対は金属中心に更なる安定性をもたらす。前出の
多官能性ルイス塩基化合物および得られた金属錯体の好ましい例は式:

【化13】

に対応する。式中:
1、X1、x’、R11およびT1は前に定義した通りであり、
13、R14、R15およびR16は水素、ハロまたは水素を数えずに20個までの原子のア
ルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、あるいは
シリル基であるか、あるいは隣接するR13、R14、R15あるいはR16基は一緒に連結して
、融合環誘導体を形成し得:そして
結合、任意の結合および電子供与性相互作用はそれぞれ線、点線および矢印により表さ
れる。
【0055】
前出の二官能性ルイス塩基化合物および金属錯体の更に好ましい例は式:

【化14】

に対応する。式中、
1、X1およびx’は前に定義した通りであり、
13、R14、R15およびR16は前に定義した通りであり、好ましくはR13、R14および
15は水素またはC1-4アルキルであり、そしてR16はC6-20アリール、最も好ましくは
ナフタレニルであり;
aは独立して各々の起源でC1-4アルキルであり、そしてaは1−5であり、最も好ま
しくは2つのオルト位置のRaはイソプロピルまたはt−ブチルであり;
17およびR18は独立して各々の起源で水素、ハロゲンまたはC1-20アルキルあるいは
アリール基であり、最も好ましくはR17およびR18の一方は水素であり、そして他方はC
6-20アリール基、特に融合多環状アリール基、最も好ましくはアントラセニル基であり、
そして
結合、任意の結合および電子供与性相互作用はそれぞれ線、点線および矢印により表さ
れる。
【0056】
この明細書中での使用に極めて好ましい多官能性ルイス塩基化合物および金属錯体は式

【化15】

に対応する。式中、
1は各々の起源でハライド、N,N−ジメチルアミドまたはC1-4アルキルであり、そ
して好ましくは各々の起源でXはメチルであり;
bは独立して各々の起源で水素、ハロゲン、C1-20アルキルまたはC6-20アリールで
あり、あるいは2個の隣接するRb基は一緒に連結して、環を形成し、そしてbは1−5
であり;そして
cは独立して各々の起源で水素、ハロゲン、C1-20アルキルまたはC6-20アリールで
あるか、あるいは2個の隣接するRc基は一緒に連結して、環を形成し、そしてcは1−
5である。
【0057】
本発明による使用に金属錯体の最も極めて好ましい例は式:

【化16】

の錯体である。式中、
xはC1-4アルキルまたはシクロアルキル、好ましくはメチルまたはイソプロピルであ
り;そして
1は各々の起源でハライド、N,N−ジメチルアミドまたはC1-4アルキル、好ましく
はメチルである。
このような金属錯体の特定な例は、
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(α−ナ
フタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(α−ナ
フタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−
ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(α−ナ
フタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェ
ニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウ
ムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェ
ニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウ
ムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェ
ニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウ
ムジクロリド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−
イル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウ
ムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−
イル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウ
ムジ(N,N−ジメチルアミド);および
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−
イル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウ
ムジクロリド
を含む。
【0058】
本発明で使用される金属錯体の製造に使用される反応条件下で、ピリジン−2−イル基
の6−位で置換されているα−ナフタレン基の2−位の水素は、脱離を受け易く、金属が
得られたアミド基とα−ナフタレニル基の2−位の両方に共有結合し、ならびに窒素原子
の電子対によりピリジニル窒素原子への配位により安定化されている金属錯体を一意的に
形成するということが見出された。
【0059】
前出の多価ルイス塩基錯体は、遷移金属源と中性の多官能性配位子源を含む標準的な金
属化および配位子交換法により便利に製造される。この錯体は、対応する4族金属テトラ
アミドおよびヒドロカルビル化剤、例えばトリメチルアルミニウムから出発する、アミド
脱離およびヒドロカルビル化法によっても製造され得る。他の技術も使用され得る。これ
らの錯体は、米国特許第6,320,005号および第6,103,657号、PCT公
報WO02/38628およびWO03/40195および2003年5月2日出願のU
SSN10/429,024の開示から知られている。
【0060】
好適な金属化合物は式:

【化17】

に対応する4−10族の誘導体を更に含む。式中、
2は元素周期律表の4−10族の金属、好ましくは4族、Ni(II)またはPd(
II)、最も好ましくはジルコニウムまたはハフニウムであり;
2は独立して各々の起源で窒素、酸素またはリン含有の基であり;
2はハロ、ヒドロカルビル、またはヒドロカルビルオキシであり;
tは1または2であり;
x”は電荷バランスをもたらすように選択された数であり;そして
2およびNは架橋配位子により連結される。
【0061】
このような触媒は、他の開示の内でJ. Am. Chem. Soc, 118, 267-268 (1996), J. Am.
Cham. Soc. 117, 6414-6415 (1995) and Organometallics. 16, 1514-1516, (1997)で以
前に開示された。
【0062】
前出の金属錯体の好ましい例は式

【化18】

に対応する4族金属、特にジルコニウムの芳香族ジイミンまたは芳香族ジオキシイミン錯
体である。式中、
2、X2およびT2は前に定義した通りであり;
dは独立して各々の起源で水素、ハロゲンまたはReであり;そして
eは独立して各々の起源でC1-10ヒドロカルビル、好ましくはC1-4アルキルである。
【0063】
この明細書中の使用に更なる好適な金属錯体は、6族金属の誘導体、特に式M3(ORf
u(NRf2)rX3v-u-rに対応する化合物を含む。式中、
3は6族金属、特に+3の形式酸化状態のクロムであり;
fは独立して各々の起源で3〜20個の炭素のアルキル基、5〜20個の炭素のシク
ロアルキル基、6〜20個の炭素のアリールあるいはアルキルアリール基またはトリ(C
1-20)ヒドロカルビルシリル基であり、そして場合によっては同一のあるいは隣接したア
ミド基上の2個のRf基は一緒に連結されて、ヘテロ脂環式環またはこれらのアルキル−
、アリール−、シクロアルキル−、あるいはトリヒドロカルビルシリル置換誘導体を形成
し得;
3は水素を数えずに20個までの原子のアニオン性配位子であり、そして場合によっ
ては1つまたはそれ以上のX3基および/または1つまたはそれ以上のORfあるいはNR
f2基は一緒に連結して、脂肪族あるいは芳香族環を形成し得、
uおよびrは0よりも大きいかあるいは等しく、あるいはv未満あるいは等しい数であ
り、そして
vはM3の原子価である。
【0064】
好ましいRf基は3〜20個の炭素の二級あるいは三級アルキル基、アリール、アルキ
ルアリールおよびトリヒドロカルビルシリル基を含むか、あるいは単一のアミド上の2個
のRf基は一緒になりC5-12アルキレン基である。最も好ましくは、Rfは各々の起源でイ
ソプロピル、シクロヘキシルまたはトリメチルシリルである。
【0065】
好ましいX3基は、水素を数えずに10個までの原子のヒドリド、ハライド、ヒドロカ
ルビル、トリヒドロカルビルシリル、ヒドロカルビルオキシおよびトリヒドロカルビルシ
ロキシ、最も好ましくはクロリドまたはメチルを含む。
【0066】
好適な6族金属化合物の更なる例は、クロムトリス(ビス(トリメチルシリル)アミド
)、クロムトリス(ジイソプロピルアミド)、クロムトリス(ジフェニルアミド)、クロ
ムトリス(ジ(2−メチルフェニル)アミド)、クロムトリス(ジシクロヘキシルアミド
)およびクロムトリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)を含む。好ましい6
族金属化合物はクロムトリス(ビス(トリメチルシリル)アミド)およびクロムトリス(
ジイソプロピルアミド)である。この6族金属化合物は、J.C.S..Dalton.(1972), p1580-
1584で以前に開示された技術、あるいは他の好適な技術により、対応するトリアルキルク
ロム化合物と所望の配位子の金属化された塩とをエーテル溶媒中で反応させ、続いて脂肪
族炭化水素から回収することにより容易に作製され得る。
【0067】
更なる好適な化合物は式(HOAr2O)23のヒドロキシアリール置換ビス(アリー
ルオキシ)配位子の金属錯体を含む。好ましくは、このような錯体は式:

【化19】

に対応する。式中:
3は水素を数えずに2〜20個の原子の二価の架橋基、好ましくは置換あるいは非置
換のC3-6アルキレン基であり;そして
Ar2は独立して各々の起源でC6-20アリーレンあるいは不活性基置換アリーレン基で
あり;
1は4族金属、好ましくはハフニウムであり;
1はアニオン性、中性あるいはジアニオン性の配位子基であり;
x’はこのようなX1基の数を示す0〜5の数であり;そして
結合、任意の結合および電子供与性相互作用はそれぞれ線、点線および矢印により表さ
れる。
【0068】
前出の金属錯体の好ましい例は式:

【化20】

に対応する。式中、
Ar4はC6-20アリールまたはこれらの不活性置換誘導体、特に3,5−ジ(イソプロ
ピル)フェニル、3,5−ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ−1H−ピロール−1−
イルまたはアントラセン−5−イルであり、そして
4は独立して各々の起源でC3-6アルキレンまたはこれらの不活性置換誘導体であり;
14は独立して各々の起源で水素、ハロ、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル
、または水素を数えずに50個までの原子のトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビルで
あり;そして
Xは独立して各々の起源でハロあるいはヒドロカルビルあるいは水素を数えずに20個
までの原子のトリヒドロカルビルシリル基であるか、あるいは2X基は一緒になり前出の
ヒドロカルビルあるいはトリヒドロカルビルシリル基の二価誘導体である。
【0069】
特に好ましいのは、式

【化21】

の化合物である。式中、
Ar4は3,5−ジ(イソプロピル)フェニル、3,5−ジ(イソブチル)フェニル、
ジベンゾ−1H−ピロール−1−イルまたはアントラセン−5−イルであり、
14は水素、ハロまたはC1-4アルキル、特にメチルであり、
4はプロパン−1,3−ジイルまたはブタン−1,4−ジイルであり、そして
Xはクロロ、メチルまたはベンジルである。
【0070】
最も極めて好ましい金属化合物は式:

【化22】

に対応する。
【0071】
活性化剤化合物
当分野で以前に既知であるものなど、金属錯体はカチオン形成性共触媒と組み合わせる
ことにより遷移金属オレフィン重合錯体と共に使用するのに触媒的に活性となされる。こ
の明細書での使用に好適なカチオン形成性共触媒は、中性ルイス酸、例えばC1-30ヒドロ
カルビル置換の13族化合物、特に各ヒドロカルビルあるいはハロゲン化ヒドロカルビル
基中に1〜10個の炭素を有するトリ(ヒドロカルビル)アルミニウム−あるいはトリ(
ヒドロカルビル)ホウ素化合物およびこれらのハロゲン化(ペルハロゲン化を含む)誘導
体、更に特にペルフッ素化トリ(アリール)ホウ素化合物および最も特にトリス(ペンタ
フルオロフェニル)ホウ素;非ポリマー型で適合する非配位性イオン形成性化合物(酸化
性条件下でのこのような化合物の使用を含む)、特にコンパチブルの非配位性アニオンの
アンモニウム−、ホスホニウム−、オキソニウム−、カルボニウム−、シリリウム−ある
いはスルホニウム塩または適合する非配位性アニオンのフェロセニウム−、鉛−あるいは
銀塩の使用;および前出のカチオン形成性共触媒の組み合わせおよび技術を含む。前出の
活性化共触媒および活性化技術は、オレフィン重合に対する異なる金属錯体に関してEP
−A−277,003、US−A−5,153,157、US−A−5,064,802
、US−A−5,321,106、US−A−5,721,185、US−A−5,35
0,723、US−A−5,425,872、US−A−5,625,087、US−A
−5,883,204、US−A−5,919,983、US−A−5,783,512
、WO99/15534およびWO99/42467で以前に教示された。
【0072】
中性ルイス酸の組み合わせ物、特に各アルキル基中に1〜4個の炭素を有するトリアル
キルアルミニウム化合物と、各ヒドロカルビル基中に1〜20個の炭素を有するハロゲン
化トリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素
の組み合わせ物、このような中性ルイス酸混合物のポリマー型あるいはオリゴマー型アル
モキサンとの更なる組み合わせ物および単一の中性ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオ
ロフェニル)ホウ素のポリマー型あるいはオリゴマー型アルモキサンとの組み合わせ物が
活性化共触媒として使用され得る。金属錯体:トリス(ペンタフルオロフェニルホウ素:
アルモキサンの好ましいモル比は1:1:1〜1:5:20、更に好ましくは1:1:1
.5〜1:5:10である。
【0073】
本発明の一つの実施形態において共触媒として有用な好適なイオン形成性化合物は、プ
ロトンを供与する能力のあるブレンステッド酸であるカチオンと、適合する非配位性アニ
オンA-を含んでなる。この明細書で使用されているように、用語「非配位性」は、遷移
金属含有前駆体錯体およびこれから誘導される触媒誘導体に配位しないか、あるいはこの
ような錯体に弱く配位して、中性ルイス塩基による置換を受けるのに十分可動のままであ
るアニオンまたは物質を意味する。非配位性アニオンは、カチオン性金属錯体中で電荷平
衡型アニオンとして機能する場合、アニオン性置換基またはこれらの断片を前記カチオン
に移し、中性錯体を形成するアニオンを特に指す。「コンパチブルアニオン」は、初めに
形成された錯体が分解する場合、中性に分解せず、そして所望の続く重合またはこの錯体
の他の使用と非干渉性であるアニオンである。
【0074】
好ましいアニオンは、電荷を担持する金属またはメタロイドコアを含んでなる単一の配
位錯体を含有し、アニオンがこの2つの成分を組み合わせた場合形成され得る活性触媒種
(金属カチオン)の電荷を平衡化可能なものである。また、前記アニオンは、オレフィン
系、ジオレフィン系およびアセチレン型不飽和化合物または他の中性ルイス塩基、例えば
エーテルまたはニトリルによる置換を受けるのに十分可動性でなければならない。好適な
金属は、限定ではないが、アルミニウム、金および白金を含む。好適なメタロイドは、限
定ではないが、ホウ素、リンおよびケイ素を含む。勿論、単一の金属またはメタロイド原
子を含有する配位錯体を含んでなるアニオンを含有する化合物はよく知られ、そして特に
アニオン部分に単一のホウ素原子を含有する多数のこのような化合物は市販されている。
【0075】
好ましくは、このような共触媒は一般式:
(L*−H)g+(A)g-
により表され得る。式中、
*は中性ルイス塩基であり;
(L*−H)+はL*の共役ブレンステッド酸であり;
g-はg−の電荷を有する非配位性のコンパチブルアニオンであり;そして
gは1〜3の整数である。
【0076】
更に好ましくはAg-は式[M’Q4-に対応する。式中、
M’は+3の形式酸化状態のホウ素またはアルミニウムであり;そして
Qは独立して各々の起源でヒドリド、ジアルキルアミド、ハライド、ヒドロカルビル、
ヒドロカルビルオキシド、ハロ置換ヒドロカルビル、ハロ置換ヒドロカルビルオキシおよ
びハロ置換シリルヒドロカルビル基(ペルハロゲン化ヒドロカルビル−、ペルハロゲン化
ヒドロカルビルオキシ−およびペルハロゲン化シリルヒドロカルビル基を含む)から選択
され、多くとも1つにおいて起源がQハライドであるという前提で前記Qは20個までの
炭素を有する。好適なヒドロカルビルオキシドQ基の例はUS−A−5,296,433
で開示されている。
【0077】
更に好ましい実施形態においては、dは1であり、すなわち、この対イオンは単一のマ
イナス電荷を有し、そしてA-である。本発明の触媒の作製において特に有用であるホウ
素を含んでなる活性化共触媒は一般式
(L*−H)+(BQ4-
により表され得る。式中、
*は前に定義した通りであり;
Bは3の形式酸化状態のホウ素であり;
多くとも1つにおいて起源がQヒドロカルビルであるという前提で、Qは20個までの
非水素原子のヒドロカルビル−、ヒドロカルビルオキシ−、フッ素化ヒドロカルビル−、
フッ素化ヒドロカルビルオキシ−またはフッ素化シリルヒドロカルビル基である。
【0078】
好ましいルイス塩基塩はアンモニウム塩、更に好ましくは1つまたはそれ以上のC12-4
0アルキル基を含有するトリアルキルアンモニウム塩である。最も好ましくは、Qは各々
の起源でフッ素化アリール基、特にペンタフルオロフェニル基である。
【0079】
例示であり、限定ではないが、本発明の改善された触媒で活性化共触媒として使用され
得るホウ素化合物の例は、
トリ置換アンモニウム塩、例えば:
トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(sec−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート

N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムn−ブチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート

N,N−ジメチルアニリニウムベンジルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(t−ブチルジメチルシリル)−2,
3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(トリイソプロピルシリル)−2,3
,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムペンタフルオロフェノキシトリス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、
N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、
ジメチルオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジアルキルアンモニウム塩、例えば:
ジ−(i−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルオクタドデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートお
よび
ジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
トリ置換ホスホニウム塩、例えば:
トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルジオクタデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートお
よび
トリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル
)ボレート;
ジ置換オキソニウム塩、例えば:
ジフェニルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジ(o−トリル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよび
ジ(オクタデシル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
ジ置換スルホニウム塩、例えば:
ジ(o−トリル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およ

メチルオクタデシルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
である。
【0080】
好ましい(L*−H)+カチオンはメチルジオクタデシルアンモニウムカチオン、ジメチ
ルオクタデシルアンモニウムカチオンおよび1あるいは2個のC14-18アルキル基を含有
するトリアルキルアミンの混合物から誘導されるアンモニウムカチオンである。
【0081】
別の好適なイオン形成性の活性化共触媒は式:
(Oxh+g(Ag-h
により表されるカチオン性酸化剤と非配位性のコンパチブルアニオンの塩を含んでなる。
式中、
Oxh+はh+の電荷を有するカチオン性酸化剤であり;
hは1〜3の整数であり;そして
g-およびgは以前に定義した通りである。
【0082】
カチオン性酸化剤の例はフェロセニウム、ヒドロカルビル置換フェロセニウム、Ag+
’またはPb+2を含む。Ag-の好ましい実施形態は、活性化共触媒、特にテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレートを含有するブレンステッド酸に関して前に定義したアニ
オンである。
【0083】
別の好適なイオン形成性の活性化共触媒は式:
[C]+-
により表されるカルベニウムイオンと非配位性のコンパチブルアニオンの塩である化合物
を含んでなる。式中:
[C]+はC1-20カルベニウムイオンであり;そして
-は−1の電荷を有する非配位性のコンパチブルアニオンである。好ましいカルベニ
ウムイオンはトリチルカチオン、すなわちトリフェニルメチリウムである。
【0084】
更なる好適なイオン形成の活性化共触媒は式
(Q13Si)+-
により表されるシリリウムイオンと非配位性のコンパチブルアニオンの塩である化合物を
含んでなる。式中:
1はC1-10ヒドロカルビルであり、そしてA-は前に定義した通りである。
【0085】
好ましいシリリウム塩活性化共触媒は、トリメチルシリリウムテトラキスペンタフルオ
ロフェニルボレート、トリエチルシリリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート
およびこれらのエーテル置換付加物である。シリリウム塩はJ. Chem.Soc.Chem.Comm.,199
3,383-384, as well as Lambert, J.B., et al., Organometallics,1994,13,2430-2443で
以前に全般的に開示された。付加重合触媒に対する活性化共触媒としての上記のシリリウ
ム塩の使用はUS−A−5,625,087で開示されている。
【0086】
アルコール、メルカプタン、シラノールおよびオキシムのトリス(ペンタフルオロフェ
ニル)ホウ素とのある錯体も有効な触媒活性化剤であり、そして本発明により使用され得
る。このような共触媒はUS−A-5,296,433で開示されている。
【0087】
この明細書中での使用に好適な活性化共触媒は、また、ポリマー型あるいはオリゴマー
型アルモキサン、特に各ヒドロカルビルあるいはハロゲン化ヒドロカルビル基中に1〜1
0個の炭素を有するメチルアルモキサン(MAO)、トリイソブチルアルミニウム変成メ
チルアルモキサン(MMAO)またはイソブチルアルモキサン;ルイス酸変成アルモキサ
ン、特にペルハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)アルミニウム−あるいはペルハロゲン化
トリ(ヒドロカルビル)ホウ素変成アルモキサン、最も特にトリス(ペンタフルオロフェ
ニル)ホウ素変成アルモキサンを含む。このような共触媒は米国特許第6,214,76
0号、第6,160,146号、第6,140,521号および第6,696,379号
で以前に開示されている。
【0088】
拡張アニオンと一般的に呼ばれ、米国特許第6,395,671号で更に開示されてい
る非配位性アニオンを含んでなる共触媒の類は、本発明の金属錯体をオレフィン重合のた
めに活性化するのに、好適に使用され得る。一般に、これらの共触媒(イミダゾリド、置
換イミダゾリド、イミダゾリニド、置換イミダゾリニド、ベンズイミダゾリドまたは置換
ベンズイミダゾリドアニオンを有するものにより例示されている)は、

【化23】

の通り図示され得る。式中:
*+はカチオン、特にプロトン含有カチオンであり、そして好ましくは1個あるいは2
個のC10-40アルキル基を含有するトリヒドロカルビルアンモニウムカチオン、特にメチ
ルジ(C14-20アルキル)アンモニウムカチオンであり、
3は独立して各々の起源で、水素またはハロ、水素を数えずに30個までの原子のヒ
ドロカルビル、ハロカルビル、ハロヒドロカルビル、シリルヒドロカルビルまたはシリル
、(モノ−、ジ−およびトリ(ヒドロカルビル)シリルを含む)基、好ましくはC1-20
ルキルであり、そして
2はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランまたはトリス(ペンタフルオロフェニ
ル)アルマン)である。
【0089】
これらの触媒活性化剤の例として、
トリヒドロカルビルアンモニウム塩、特に
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ウンデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ヘプタデシルイミダゾリド
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミ
ダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イ
ミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ウンデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ヘプタデシルイミダゾリニド

ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミ
ダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イ
ミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−5,6−ジメチルベンズイミダゾ
リド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−5,6−ビス(ウンデシル)ベン
ズイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ウンデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ヘプタデシルイミダゾリド

ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ウンデシル)イ
ミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)
イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ウンデシルイミダゾリニド
、ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ヘプタデシルイミダゾリニ
ド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ウンデシル)イ
ミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリ
ニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−5,6−ジメチルベンズイミダ
ゾリドおよび
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−5,6−ビス(ウンデシル)ベ
ンズイミダゾリド
のメチルジ(C14-20アルキル)アンモニウム塩を含む。
【0090】
他の活性化剤はPCT公報WO98/07515に記載されているもの、例えばトリス
(2,2’,2”−ノナフルオロビフェニル)フルオロアルミネートを含む。活性化剤の
組み合わせ物、例えば組み合わせ物におけるアルモキサンおよびイオン化活性化剤も本発
明により意図される。例えば、EP−A−O573120、PCT公報WO94/079
28およびWO95/14044および米国特許第5,153,157号および第5,4
53,410号を参照のこと。WO98/09996は、これらの水和物を含めてペルク
ロレート、ペルイオデートおよびイオデートと共の活性化触媒化合物を述べている。WO
99/18135は有機ボロアルミニウム活性化剤の使用を述べている。WO03/10
171はブレンステッド酸のルイス酸との付加物である触媒活性化剤を述べている。触媒
化合物を活性化するための他の活性化剤または方法は、例えば米国特許第5,849,8
52号、第5,859,653号、第5,869,723号、EP−A−615981お
よびPCT公報WO98/32775に記載されている。前出の触媒活性化剤のすべてな
らびに遷移金属錯体の任意の他の既知の活性化剤は本発明により単独あるいは組み合わせ
で使用され得る。
【0091】
重合調整剤
最も一般的な意味における本発明での使用の重合調整剤(PM)組成物は、少なくとも
2つの試剤、例えば1つまたはそれ以上のルイス酸と1つまたはそれ以上の有機プロトン
化試剤との反応生成物を含んでなる。得られた生成物は、様々の種と動的な相互変換する
化合物の間の平衡を含めて、種の混合物を含有し得るということが当業者により認識され
るべきである。本発明の一つの実施形態においては、精製および/または単離された反応
生成物それ自身よりも前出の試剤を好適な希釈剤、好ましくは炭化水素、例えばヘキサン
またはヘプタン中で組み合わせる時に形成される反応混合物が使用に好ましい。
【0092】
好適なルイス酸は式:[M41'y']の化合物である。式中、
4は2−13族の金属、Ge、SnまたはBiであり;
1は独立してアニオン性あるいはポリアニオン性の配位子であり;
x’はゼロよりも大きい数であり、そして6未満であるかそれに等しく;
Gは場合によってはA1に結合した中性ルイス塩基であり;
y’は0−4の数であり;
z’は1〜10の数である。
【0093】
好ましくは、このルイス酸は一般式:M41x'y'の金属化合物である。式中、M4
族2−13の金属、Ge、SnまたはBiであり;A1は独立してアニオン性配位子であ
り;x’は整数であり、そしてM4の原子価に等しく;Gは中性ルイス塩基であり;そし
てy’は0−4の数である。更に好ましくは、M4はMg、B、Ga、AlまたはZnで
あり;A1はC1−20ヒドロカルビルまたは不活性置換ヒドロカルビル、特にC1-12アル
キルあるいはアリールである。好ましい不活性置換基はハライド、トリメチルシリル、ハ
ロアリールおよびハロアルキルを含む。
【0094】
本発明で使用されて重合調整剤を形成する有機プロトン化試剤は式[(H−J1z"2
z"'の化合物を含む。式中:
1はNA3、PA3、SまたはOであり、
z”は1または2であり、
2はC1-20ヒドロカルビルまたは不活性置換ヒドロカルビル、トリ(C1-10ヒドロカ
ルビル)シリルまたはこれらの多価誘導体であり、
3は水素、C1-20ヒドロカルビルまたは不活性置換ヒドロカルビルまたは共有結合(
2が二価配位子基であり、そしてz”が1である場合には)であり;そして
z’”は1〜10の数である。
【0095】
好ましい有機プロトン化試剤は、式(H−J1Z"2の化合物を含む。式中、J1はN
3、PA3、SまたはOであり、そしてz”は1または2であり;そしてA2はC1-20
ドロカルビルまたは不活性置換ヒドロカルビル、トリ(C1-4ヒドロカルビル)シリルま
たはこれらの二価誘導体、特にC1-12アルキル、1,4−ブチレン、トリ(C1-4アルキ
ル)シリルまたはアリールであり、そしてA3は水素、C1-20ヒドロカルビルまたは不活
性置換ヒドロカルビルまたは共有結合である。好ましい不活性な置換基はハライド、トリ
メチルシリル、ハロアリールまたはハロアルキルである。
【0096】
本発明による重合調整剤を使用することにより、1つまたはそれ以上の工程あるいは製
品の性質は有益な影響を受ける。例として、同等の重合条件においてコモノマーを多く、
あるいは少なく組み込むエチレンと、1つまたはそれ以上のコモノマー、特に1−ブテン
、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたはスチレンのコポリマー
を製造する、あるいは別法としては、反応混合物中でより高い重合温度またはより低いコ
モノマー濃度において同等なコポリマーを製造する能力を含む。重合調整剤の使用の別の
有益な特徴は、ホモポリマーおよびコポリマー製品の分子量分布(Mw/Mn)が狭いこ
とあるいは広いことにより決められる製品形成における選択性が大きいこと、あるいは特
定の種、例えば分化された結晶性、溶解性、タクチシティ、融点、メルトフローインデッ
クス、コモノマー含量または他の物理的性質を有するポリマー区分が形成を相対的に欠く
ことあるいは形成が低減することであり得る。PMの使用の更なる望ましい結果は改善さ
れた工程の性質、例えば改善されたモノマーの転換効率であり得る。最終的に、別の実施
形態においては、候補のPM材料は非標準の反応条件下の性能に基づいて評価され得る。
例えば、PMが存在しないと、試剤あるいはモノマー源中の特定の反応試剤または不純物
により、重合効率は悪影響を受け得る。例として、コモノマー、特にガス化(H2/H2
混合物の反応)により石炭、ピート、セルロース、あるいは他の炭素源と共に、そして得
られた混合物の分留により製造される1−オクテンの使用を含む。
【0097】
前出の例のすべてにおいて、統計的評価ツールを適用して、個別の重合または他の反応
により生成されるデータを精密化することが望ましい。この方式で、信頼できない、ある
いは欠陥のある結果が除去可能であり、そしてデータ中の傾向が更に容易に確認可能であ
る。望ましくは、統計的に有意な要求に合致するデータ、特に95パーセント以上の信頼
区間を満たすデータが本発明で使用される。加えて、最適な性能は与えられた性質におけ
る最大あるいは最小値または与えられた間隔(ピーク形成プロフィール)にわたる結果に
より、あるいは試験される変数の範囲にわたっての一定の、減少するあるいは増加する結
果により表され得るということが理解される。
【0098】
しばしば、ほとんど異ならない重合条件下で多数の候補を評価するために、理論的な重
合モデルまたはこのようなデータから誘導可能な別々な結果または変数に基づいて標準的
な反応条件下で転換値を計算することが必要である。このように、関心のある変数もこの
ような理論的なあるいは計算された結果に基づいて、あるいは多数の変数の組み合わせに
より選択され得る。
【0099】
この重合調整剤に加えて、慣用の添加物も反応混合物中で1つまたはそれ以上の有益な
結果を得るのに使用され得る。例えば、存在する場合には、反応混合物中に存在する有害
な不純物を除去するのに掃去剤が使用され得る。好適な掃去剤の例として、金属錯体の活
性化を生じるのには不十分である量で使用されるアルモキサン化合物である。特に好まし
いアルモキサンは、Akzo Noble Corporationから商品名MMAO
−IPおよびMMAO−3Aで市販されているトリイソプロピルアルミニウム変成メチル
アルモキサンまたはトリイソブチルアルミニウム変成メチルアルモキサンを含む。通常、
使用されるこのような掃去剤のモル量は金属錯体1モル当たり金属(アルミニウム)値基
準で1〜10モルの範囲にある。
【0100】
選択方法
「ライブラリー」は、この用語がこの明細書中で使用されるように、化学的多様性また
は工程多様性のいずれかを有する化合物の群を意味する。化学的多様性は、分子または化
合物中の原子またはこれらの配列に関して変わる構成員を有するライブラリーを指す。工
程多様性は、異なる処理条件に曝され、そして異なる工程履歴の結果として異なる化学的
性質を有するか、あるいは有しない構成員を有するライブラリーを指す。異なる処理条件
は、化合物と試剤の比、反応時間、反応温度、反応圧力、反応への出発成分添加の速度、
滞留時間(または製品取り出し速度)、反応雰囲気、混合速度または当業者ならが認識す
るであろう他の条件を変化させることを含む。完璧なコンビナトリアル研究および開発プ
ログラムがオレフィン重合反応に対して企図され得るのは多様性を有するライブラリーの
作製および関心のある性質または化合物に対するこのようなライブラリーのスクリーニン
グによるものである。
【0101】
「アレー」は、他のライブラリーまたはライブラリー構成員との組み合わせを促進する
1つまたはそれ以上のライブラリーの構成員の空間的な配置を指す。
【0102】
特に、本発明は、触媒組成物としての評価のための様々の経路により遷移金属錯体、こ
れらの共触媒および重合調整剤のライブラリーまたは前出の任意の2つまたはそれ以上の
アレーを合成するための方法および装置を提供する。好ましくは、本発明は、オレフィン
の重合工程あるいは製品の1つまたはそれ以上の態様を最適化あるいは改善する重合調整
剤を同定する方法に関する。触媒組成物のための更なる成分はライブラリーとして配列さ
れるか、あるいは一定の、あるいは標準化された試剤として含まれ得る。特にこの共触媒
または活性化剤が研究あるいはスクリーニング対象の変数の一つである場合には、様々の
技術による活性化された組成物へのこれらの遷移金属錯体の活性化も含まれ得る。遷移金
属錯体、共触媒および/または重合調整剤のライブラリーを作製した後、本発明は、これ
らのアレーの形成および1つまたはそれ以上の得られた性質のスクリーニングに備える。
スクリーニングは、例えばモノマーおよびコモノマーの選択、溶媒、圧力、温度、撹拌速
度、容積、化学量論的な関係および薬品の添加順序を含む、触媒活性について詳細な情報
を様々の反応オプションおよび条件下で提供する一連の個別の重合反応器中であり得る。
このように、単一あるいは多数のライブラリーまたはアレーに対する重合反応条件のいず
れかを「コンビナトリアル化する」ように選択され得る。このことは、様々のライブラリ
ーの個別の構成員が組み合わされ、そして場合によっては1つまたはそれ以上の工程段階
にかけられて、触媒組成物を最終的に形成し、1つまたはそれ以上のオレフィン重合性、
ポリマーの性質または他の性能の性質について試験されるということを意味する。この付
加重合コンビナトリアル法における任意的な段階は、個別の重合反応器中でのスクリーニ
ングの前の一次スクリーンを含み得る。一次スクリーンは、例えばこの触媒ライブラリー
のいずれの構成員が均一な溶液を構成するかを簡単に決める光学的なスクリーニングを含
んでなる。別の任意的な段階は、重合反応器中で形成される得られたポリマーを更に特徴
付けることである。このような更なるスクリーニングは、迅速な液体クロマトグラフィお
よび/または光散乱系または得られたポリマーの化学的、物理的あるいは機械的性質の決
定を使用し得る。
【0103】
前駆体ライブラリー、プロ触媒ライブラリー、触媒ライブラリー、これから形成される
アレーまたは製品ライブラリーの構成員は、通常、空間的にアドレス可能なフォーマット
で保存あるいは提供され、各化合物または混合物が通常、液体の形態、例えば溶液または
スラリーで他から分離され、そして密封されたバイアル中に保持されるということを意味
する。様々のライブラリーの形成において使用される成分、試剤または溶媒の腐食性の性
状により、個別バイアル、すべての反応容器および更にはコンビナトリアル装置全体は好
ましくは不活性雰囲気条件下で保持される。すべての操作は不活性雰囲気または高真空条
件下で行われる。
【0104】
触媒組成物ライブラリーの各構成員が異なる反応により、あるいは異なる反応条件下で
、あるいは異なる反応と反応条件の組み合わせにより同一の親ライブラリー構成員から作
られるように、プロ触媒ライブラリーを作り出す一つのオプションは、遷移金属錯体、共
触媒および/または重合調整剤ライブラリーのストック溶液の生成を含み得る。好ましい
実施形態においては、遷移金属錯体ライブラリー、共触媒ライブラリーおよび重合調整剤
ライブラリーは、液体の形態で提供され、例えば各化合物は、好ましくは液体、例えば炭
化水素、ハロ炭素またはハロ炭化水素中の希薄な形態であるいはスラリー(例えば、固体
触媒担体が含まれる場合)として別々の容器中に保存される。好ましくは、親ライブラリ
ーを含んでなる化合物または混合物は、既知の液体取り扱いロボットのロボットアームで
あり得る針が貫通することができるセプタムまたは他のシール機構を有するバイアル中に
保存されるか、あるいは関心のある重合の前に、あるいはそれと同時にこのような成分の
組み合わせにより作製される。
【0105】
様々の触媒組成物が他のライブラリーまたは標準の組み合わせ物から形成されて、アレ
ーを形成し得る。好ましい実施形態においては、触媒前駆体ライブラリーからの少なくと
も1つの構成員は少なくとも1つの共触媒および1つの重合調整剤と組み合わされる。別
法としては、ランダムあるいは非ランダム変動を求める目的で1つまたはそれ以上のアレ
ー構成員の繰り返しを場合によっては含む、統計的なアプローチを使用して、試験対象の
様々の成分をランダム化し得る。極めて望ましくは、このライブラリーが組み合わされ、
そして少なくとも8個の、好ましくは少なくとも24個の、更に好ましくは少なくとも3
2個の、そして最も好ましくは少なくとも48個の触媒ライブラリー構成員または得られ
たアレーの重合工程構成員を形成するように、反応条件が変動される。
【0106】
いくつかの実施形態においては、実際に、生成物が得られたならば、このような組み合
わせ物の生成物を決定せずに、様々の化合物、特にPM成分が組み合わされ得る。金属錯
体、共触媒および重合調整剤は反応容器に同時にあるいは順次に添加され得る。これらは
関心のある反応において使用される任意の更なる反応試剤またはモノマーの添加の前、一
緒に、あるいは続いて添加され得る。別法として、この化合物の一部または全部は、続く
工程における使用前に予備反応あるいは組み合わせおよび回収あるいは精製され得る。前
出の工程のすべてにおいて、任意の単一あるいは多数の組み合わせの物の結果は決められ
る必要はない。
【0107】
製品ライブラリー(触媒組成物またはポリマー)は、関心のある反応において工程変数
をコンビナトリアル化することから得られる異なる構成員を有し得る。コンビナトリアル
化され得る工程変数は、タイプ、量および出発成分の比、反応時間、反応温度、反応圧力
、反応(または反応器)への出発成分添加の速度および/または方法、滞留時間(すなわ
ち、反応または反応器からの製品取り出しの速度および/または方法)、反応撹拌速度お
よび/または方法、反応停止速度および/または方法、反応雰囲気および当業者が認識す
るであろう他の条件を含む。
【0108】
当業者ならば、前駆体、調整剤、活性化剤または一緒に組み合わされて、触媒組成物ラ
イブラリーを形成し得る他の出発成分の膨大な数の異なる可能な組み合わせを認識するで
あろう。加えて、この組み合わせ法は、異なる出発成分比、異なる温度、溶媒、圧力、混
合速度、時間、薬品の添加順序または雰囲気を含む様々の反応条件の組み合わせと組み合
わされて、広範な製品ライブラリーを形成し得る。
【0109】
本発明の方法論においては、ライブラリーは関心のある性質または化合物を求めてスク
リーニングされる。このスクリーニングは関心のある反応がリアルタイムで、あるいは反
応の後に行われるときに行われる。この明細書で使用されるように、「スクリーニング」
は、1つまたはそれ以上の製品あるいは工程変数、好ましくは付加重合条件下での1つま
たはそれ以上の工程変数を測定することにより、所望の性質を求めてライブラリーを試験
することを指す。1つまたはそれ以上の工程変数のスクリーニングは、所望ならば、関心
のある製品の性質の評価と組み合わせ得る。例えば、重合反応器、特に溶液重合反応器中
で行われる重合反応は、モノマー消費、温度上昇および/または圧力、粘度、粒子サイズ
あるいは色のにより評価可能であり、そしてこれらの結果は1つまたはそれ以上のポリマ
ーの性質と個別に、あるいはまとめて相関付けられる。オンライン工程データとこのよう
に関連付けられ得る好適なポリマー性質の例として、分子量、分子量分布、コモノマー含
量、結晶性融点、メルトインデックス、フローインデックスまたはメルトフローの性質、
タクチシティ、溶解性、密度などを含む。
【0110】
様々のライブラリーの各々は、液体あるいは液体の状態で保存され、そして組み合わせ
、娘ライブラリー化、関心のある反応の実施、スクリーニングあるいはこれらの組み合わ
せのために保存から取り出され得る。ライブラリーは、ライブラリーを相互に別々に保持
する保存ラック中で好ましくは保存される。ライブラリーは既知の自動化ロボットを用い
て保存から手動あるいは自動で取り出され得る。このような保存されたライブラリーの取
り出しに有用な特定なロボットは、Aurora Biosciencesまたは他の既
知のロボット供給元から販売されているものないずれの系を含む。ライブラリーを固相で
保存する場合には、構成員は、通常、溶解あるいはスラリー化を必要とし、これは、溶解
あるいはスラリー化ステーションで、あるいは十分な容積がライブラリー保存に提供され
る場合には、試料を保持する容器または小室中で行われ得る。希釈ステーションは、ライ
ブラリー構成員を好適な溶媒に溶解させるか、あるいは関心のある反応またはスクリーニ
ングで使用する前にライブラリー構成員の濃厚溶液を希釈する場所である。
【0111】
各遷移金属錯体、共触媒、重合調整剤あるいは触媒組成物のライブラリーは、アレーの
形成により1つまたはそれ以上の娘ライブラリーに転換され得る。娘ライブラリーは、親
ライブラリー中の1つまたはそれ以上の構成員から1つまたはそれ以上のアリコートを採
取し、そして場合によっては、親ライブラリーとは異なる条件で処理するか、あるいは別
な方法で転換して、第2のライブラリーを形成することにより、親ライブラリーから作り
出される。親ライブラリーの限定された数の構成員はこの方式で娘ライブラリー化され得
、あるいはすべての構成員は娘ライブラリー化されて、少なくとも一度娘ライブラリーを
作り出し得る。このように、娘ライブラリーは、構成員の数および試料サイズの点で親ラ
イブラリーよりも小さいか、同じサイズであるか、あるいはより大きくともよい。親ライ
ブラリーの再現を必要とせずに関心のあるマルチ反応のマルチライブラリーまたはマルチ
スクリーニングを提供するために、娘ライブラリー化が行われる。
【0112】
この明細書で使用されるように、「ステーション」は、ライブラリーの構成員に対する
1つまたはそれ以上の機能を行う装置における場所である。この機能は、出発成分を組み
合わせること、反応により製品ライブラリーを作り出すこと、スクリーニング、精製、分
離または上述の他の機能のいずれかを行うことであり得る。このように、このステーショ
ンは、ポンプとコンピューター付きの液体取り扱いロボット(当分野で知られているよう
に)を含んでなり、分注、溶解、混合および/または一つの容器から他の容器へ液体を移
す。
【0113】
このステーションは、上述の反応器のいずれかを含んでなり得、そして所望ならば装置
の残部から離して、例えば不活性雰囲気グローブボックス中に配置され得る。ステーショ
ンは、また、所望ならば装置のクリーニング、再コンディショニングまたは再設定により
場合によっては分離されて、マルチ機能も行い得る。
【0114】
場合によっては、濾過ステーションが設けられる。濾過ステーションは、液体生成物ま
たは組成物から固相試剤あるいは生成物を分離するのに有用である。例えば、固相副生成
物が得られた場合には、このようなステーションは濾過段階におけるあらゆる液相成分の
分離も可能とする。別法としては、可溶性の反応生成物がこの明細書での更なる使用に所
望される場合には、所望されない副生成物の除去に濾過が使用され得る。望ましくは、こ
の濾過ステーションは、各濾過後元の工程条件に戻すことにより多数回使用可能である。
【0115】
濾過ステーションは、金属錯体、共触媒および重合調整剤のライブラリーの合成におけ
る容易さをもたらす。触媒組成物の様々の成分は、様々の試剤、溶媒および重合調整剤を
組み合わせ、そして過剰の試剤あるいは副生成物を除去しながら、単一の反応器中で液相
または液相で提供され得る。この技術は、一般に、過剰な任意の試剤あるいは溶媒の使用
、容易な精製または仕上げおよび工程の自動化を可能とする。
【0116】
この明細書中で有用なスクリーニングに好適な技術は、WO98/15815またはW
O98/15805で開示されているように、赤外(IR)サーモグラフィまたはフーリ
エ変換赤外(FTIR)分光法または可視光あるいは他の光学的観察を含む。光学的方法
を使用することは、通常、出発材料(すなわち、反応試剤および/またはモノマーを入れ
た触媒組成物ライブラリー構成員)をアレー構成でチャンバー(例えば、真空チャンバー
または反応試剤モノマーにより加圧されたチャンバーまたは不活性ガスにより加圧された
チャンバー)の中に挿入することを伴う。触媒構成員または製品構成員の出発材料のため
にマルチウエルを有するプレート(例えばミクロタイタープレート)を用いて、関心のあ
る反応はチャンバー中で平行して、あるいは個別的に行われる。このチャンバーは光学カ
メラに不可視(例えばIRカメラにはフッ化カルシウムまたはサファイア結晶を使用する
ことにより)である窓を有する。関心のある反応を行いながら、この反応をモニターする
。例えば、IRカメラまたは熱電対は反応により放出される熱を記録し得る。工程条件を
モニターするための好ましい方法は、通常、1つまたはそれ以上のモノマーの流れまたは
密封された反応器中の圧力損失または重合条件下で運転される密封された反応器内の時間
と共の圧力減少を測定することにより、1つまたはそれ以上のモノマーの消費を測定する
ことである。
【0117】
広範で多様な重合条件へに本発明の適用性は広いために、コンビナトリアルアプローチ
を使用して、異なる付加重合反応での使用に最適な触媒組成物を同定することができる。
本発明のコンビナトリアルアプローチの利点は、金属錯体、共触媒および重合調整剤の選
択が特定の重合条件に合わされ得るということである。
【0118】
本発明のスクリーニング操作で使用される重合のスケールは、使用される装置によって
所望のように改変可能であるが、遷移金属錯体、共触媒および重合調整剤を好ましくは0
.01μg〜1.0gの、更に好ましくは0.1μgと0.1gの間の量で使用する。当
業者ならば、関心のあるライブラリーを生成および/または評価するように反応および反
応条件の適切な組(1つまたはそれ以上の不純物の添加を含む)を容易に決めることがで
きる。
【0119】
様々のライブラリーの構成員は、マルチ・チューブアレーまたはマルチ・ウエルプレー
ト中で、好ましくはアレーの形態で論理的あるいはランダムな様式で配列可能である。好
ましくは、この液体は関心のある化合物または混合物の希薄な溶液あるいはスラリーであ
る。好ましい実施形態においては、A×Bアレーは関心のある金属錯体、共触媒および重
合調整剤の様々の組み合わせにより作製される。しかしながら、場合によっては異なる重
合温度、濃度、圧力、モノマーまたは他の反応条件において単一の遷移金属錯体または共
触媒を複数の重合調整剤、モノマー、不純物または他の添加物について評価し、そして次
に工程を複数の異なる主題化合物について所望のように繰り返すことも可能である。
【0120】
関心のある反応条件下でのライブラリー構成員、試剤または工程条件の特別な組み合わ
せの性能が測定され、そして試験される特定の組み合わせに関連付けられる。非標準条件
、系統的変動または他の変数を補償するためのこのデータの調整が適用可能である。加え
て、統計的分析を行って、生データを操作し、そしてデータ変動の存在を決め得る。この
アレーは、所望ならば、合成および/または評価を迅速に処理し、この試験から得られる
情報容量を最大とし、あるいはこのようなデータの迅速な評価を容易にする様式で配列可
能である。化合物のライブラリーを組織化する方法は当業者にはよく知られていて、例え
ば米国特許第5,712,171号に記載されている。このような方法は、この明細書中
に記載されている化合物および工程パラメーターによる使用に容易に適合可能である。
【0121】
遷移金属錯体、共触媒、重合調整剤または得られた触媒組成物のマルチ合成の変動をス
クリーニングすることにより、最適候補の選択が迅速に決定され得る。様々のライブラリ
ーあるいは娘ライブラリーの構成員の所望の物理的および化学的性質は、迅速に最適化可
能であり、そして特別なアレーまたはサブアレー内の化学的あるいは物理的変化と直接に
関連付け可能である。
【0122】
ライブラリー中の様々の構成員を使用する重合は、一般に、マルチ・チューブラックま
たはタイタープレート上のマルチ・ウエルプレート中のチューブまたはウエル中で、ある
いは不活性担持材料のマトリックス中で重合条件下で最適なこれらの混合物を接触させ、
そして1つまたはそれ以上の工程変数、特に熱発生またはモノマー消費をモニターしなが
ら付加重合反応を起こさせることを含む。関心のある重合におけるガス状流れをモニター
することは容易であり、精確であるために、熱発生と場合によっては関連付けられるエチ
レン消費は、この明細書中でのスクリーニングに最も所望される工程変数である。ポリマ
ーの性質、特にタクチシティ、分子量またはコモノマー組成物の二次スクリーニングは、
本発明による工程データと更に場合によっては関連付けられる。
【0123】
適切な重合反応器、例えばマルチ・チューブラック中のチューブまたはマルチ・ウエル
プレート中のウエルに適切な試剤を添加するのに、ロボットアームとマルチ・ピペット器
具が普通に使用される。別法としては、しかしながら望ましくないこととして、主題の重
合を行うのに普通の重合反応器が順次使用可能である。望ましいこととして、汚染を避け
るために、このチューブはゴムセプタムまたは類似のカバーにより被覆され、そして試剤
はこのカバーから挿入された針から添加される。前出の操作に好適な工程装置は、米国特
許第6,030,917号、第6,248,540号およびEP−A−978,499で
以前に開示された。
【0124】
一つの実施形態においては、この重合はコンピューター制御により行われる。ライブラ
リーの化合物の各々の同定は、コンピューターで「メモリーマップ」または重合に関する
データを関連付けるための他の手段中に保存可能である。別法としては、この化学は好ま
しくはマルチ・チューブラックまたはマルチ・ウエルプレート中で手動で実施可能であり
、そして得られた情報は所望ならば例えばコンピューター上で保存される。
【0125】
コンビナトリアル化学で普通に使用されるマルチ・ウエルプレートまたはマルチ・チュ
ーブアレーのいずれのタイプも使用可能である。好ましくは、ウエルまたはチューブの数
は30を超え、そして各マルチ・チューブアレー中の位置の少なくとも60パーセントの
チューブがある。このラックの形状は重要でないが、好ましくはラックは正方形あるいは
長方形である。このチューブは、例えばプラスチック、ガラスまたは不活性金属、例えば
ステンレススチールで製造可能である。重合スクリーンニングで使用される温度は望まし
いこととして100℃を超えて、更に好ましくは110℃を超えて、比較的高いために、
好ましくはガラスまたは金属、そして最も好ましくはステンレススチールの反応器が使用
される。
【0126】
アレーのウエルおよび/またはチューブに試剤を添加し、あるいは試剤を除去すること
ができる液体取り扱い装置のあらゆるタイプも使用可能である。多数のこのような取り扱
い装置はロボットアームとロボット器具の使用を含む。好適な器具はコンビナトリアル化
学の当業者によく知られている。個別のセルは、また、望ましくは、液体試剤、生成物ま
たは副生成物を除去し、セル中に固体生成物または試剤を残すことができる濾過手段を有
するか、あるいはそれにアクセス可能である。ポリマー製品の単離は、市販の遠心揮発分
除去装置または蒸発器を用いて実施可能であり、そしてこの工程の自動化された手順の一
部である必要はない。
【0127】
重合反応器から試料を採取し、そしてこの内容物を分析することができるあらゆる器具
も製品スクリーニングに使用可能である。例として、クロマトグラフ装置、例えば分析用
あるいは合成用スケールの高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)、GCまたはカラム
クロマトグラフィを含む。ポリマーの性質の分析のために、簡単な溶液粘度、メルト粘度
1HNMR、13CNMR、FTIR、キシレン溶解性(XS)試験または他の普通の分
析法がポリマーの性質の測定に使用され得る。
【0128】
好ましくは、クロマトグラフカラム(HPLC、GCまたはカラムクロマトグラフィ)
を使用する実施形態においては、関心のある化合物がカラムから溶出する場合、この装置
は同定する能力を有する。関心のある化合物がカラムから溶出する場合、様々の手段が同
定するのに普通に使用されてきて、これらは、紫外(UV)、赤外(IR)、薄層クロマ
トグラフィ(TLC)、ガスクロマトグラフィ−質量分析法(GC−MS)、フレームイ
オン化検出器(FID)、核磁気共鳴(NMR)および蒸発型光散乱検出器(ELSD)
を含む。これらの手段のいずれかおよび当業者に既知の他の手段も単独で、あるいは組み
合わせで使用可能である。
【0129】
本発明は、ライブラリー中の化合物と混合物および重合から得られる製品流の同定を保
存する能力のあるコンピューターシステムを好ましくは含む。データを管理するソフトウ
エアはコンピュータ上に保存される。各重合で使用される化合物と結果の同定を関連付け
るのに、リレーショナルデータベースソフトウエアが使用可能である。この目的の多数の
市販のリレーショナルデータベースソフトウエアプログラムが入手可能であり、当業者に
は既知である。リレーショナルデータベースソフトウエアはこの明細書中に記載されてい
る工程時に得られるデータの管理に好ましいタイプのソフトウエアであるが、試験化合物
の「メモリーマップ」を作り出し、そしてこの情報を重合から得られる情報と関連付ける
ことができるあらゆるソフトウエアも使用可能である。
【0130】
本発明は1つまたはそれ以上の付加重合性モノマーの重合に関して有益に使用される。
好ましい付加重合性モノマーはエチレン型不飽和モノマー、アセチレン系化合物、共役あ
るいは非共役ジエンおよびポリエンを含む。好ましいモノマーは、オレフィン、特に2〜
20,000個の、好ましくは2〜20個の、更に好ましくは2〜8個の炭素原子を有す
るα−オレフィン、2個以上のこのようなアルファ−オレフィンの組み合わせ物および1
個以上のこのようなα−オレフィンの1つまたはそれ以上のジオレフィンの組み合わせ物
を含む。特に好適なα−オレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネ
ン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、
1−ペンタデセンおよびこれらの組み合わせ物を含む。他の好ましい付加重合性モノマー
は、スチレン、ハロ−あるいはアルキル置換スチレン、テトラフルオロエチレン、ビニル
シクロブテン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン
および1,7−オクタジエンを含む。
【0131】
この発明の次の特定の実施形態が特に望ましく、添付クレームについての特定の開示を
与えるためにここに記載される:
1.1つまたはそれ以上の付加重合性モノマーの均一な付加重合で使用する触媒組成物
を同定するための方法であって、前記触媒組成物が元素周期律表の3−11族の金属の触
媒前駆体化合物、共触媒および1つまたはそれ以上のポリマーまたは工程の性質を改善可
能な重合調整剤を含んでなり、前記方法が
A)元素周期律表の3−11族の金属を含んでなる複数の触媒前駆体化合物i);触
媒前駆体化合物を活性な重合触媒に変換する能力のある少なくとも1つの共触媒ii);
および重合調整剤iii)として評価対象とされる少なくとも1つの化合物を含んでなる
複数の触媒前駆体化合物、を含んでなる少なくとも1つのライブラリーを準備すること;
B)これらと1つまたはそれ以上の共触媒ii)および1つまたはそれ以上の重合調
整剤iii)との反応により、多数のこの触媒前駆体化合物i)を重合性について試験対
象とされる組成物に順次変換すること;
C)段階B)の得られた組成物またはこれらの一部を1つまたはそれ以上の付加重合
性モノマーとオレフィン付加重合条件下で重合反応器中で接触させること;
D)関心のある少なくとも1つの工程変数または製品変数を測定すること;および
E)前記少なくとも1つの工程変数または製品変数を参照することにより、関心のあ
る触媒組成物を選択すること
を含んでなり、2つまたはそれ以上の出発試剤の間の反応によりこの重合調整剤iii)
を使用前に製造することを特徴とする方法。
【0132】
2.1つまたはそれ以上の付加重合性モノマーの均一な付加重合で使用する触媒組成物
を同定するための方法であって、前記触媒組成物が元素周期律表の3−11族の金属の触
媒前駆体化合物、共触媒および1つまたはそれ以上のポリマーまたは工程の性質を改善す
る能力のある重合調整剤を含んでなり、前記方法が
A)元素周期律表の3−11族の金属を含んでなる少なくとも1つの触媒前駆体化合
物i);触媒前駆体化合物i)を活性な重合触媒に変換するために評価対象とする複数の
候補共触媒ii)を含んでなる少なくとも1つのライブラリー;および重合調整剤として
評価対象とされる少なくとも1つの化合物iii)を準備すること;
B)多数のこの共触媒化合物ii)を順次使用して、これらと1つまたはそれ以上の
触媒i)および1つまたはそれ以上の重合調整剤iii)との反応により、重合性につい
て試験対象とする組成物を作製すること;
C)この得られた組成物またはこれらの一部を1つまたはそれ以上の付加重合性モノ
マーとオレフィン付加重合条件下で重合反応器中で接触させること;
D)関心のある少なくとも1つの工程変数または製品変数を測定すること;および
E)前記少なくとも1つの工程変数または製品変数を参照することにより、関心のあ
る触媒組成物を選択すること
を含んでなり、2つまたはそれ以上の出発試剤の間の反応によりこの重合調整剤iii)
を使用前に製造することを特徴とする方法。
【0133】
3.1つまたはそれ以上の付加重合性モノマーの均一な付加重合で使用する触媒組成物
を同定するための方法であって、前記触媒組成物が元素周期律表の3−11族の金属の触
媒前駆体化合物、共触媒および1つまたはそれ以上のポリマーまたは工程の性質を改善す
る能力のある重合調整剤を含んでなり、前記方法が
A)元素周期律表の3−11族の金属を含んでなる少なくとも1つの触媒前駆体化合
物i);触媒前駆体化合物i)を活性な重合触媒に変換可能な少なくとも1つの共触媒i
i);および重合調整剤として評価対象とされる複数の候補化合物iii)を含んでなる
少なくとも1つのライブラリーを準備すること;
B)多数のこの候補重合調整剤化合物iii)を順次使用して、これらと1つまたは
それ以上の触媒i)および1つまたはそれ以上の共触媒ii)との反応により、重合性に
ついて試験対象とされる組成物を作製すること;
C)この得られた組成物またはこれらの一部を1つまたはそれ以上の付加重合性モノ
マーとオレフィン付加重合条件下で重合反応器中で接触させること;
D)関心のある少なくとも1つの工程変数または製品変数を測定すること;および
E)前記少なくとも1つの工程変数または製品変数を参照することにより、関心のあ
る触媒組成物を選択すること
を含んでなり、2つまたはそれ以上の出発試剤の間の反応によりこの重合調整剤iii)
を使用前に製造することを特徴とする方法。
【0134】
4.この重合調整剤が式[M41x'y'z'
(式中、
4は2−13族の金属、Ge、Sn、またはBiであり;
1は独立してアニオン性あるいはポリアニオン性の配位子であり;
x’はゼロよりも大きく、そして6未満あるいは6に等しい数であり;
Gは場合によってはA1に結合した、中性ルイス塩基であり;
y’は0−4の数であり;
z’は1〜10の数である)
の1つまたはそれ以上の金属化合物と
式[(H−J1z"2z"'
(式中、
1はNA3、PA3、SまたはOであり;
z”は1または2であり;
2はC1-20ヒドロカルビルまたは不活性置換ヒドロカルビルまたはこれらの多価誘導
体であり;
3は水素、C1-20ヒドロカルビルまたは不活性置換ヒドロカルビルまたは共有結合(
2が二価配位子の基であり、そしてz”が1である場合には);そして
z’”は1〜10の数である)
の1つまたはそれ以上の化合物とを反応させることにより作製される、第一実施形態から
第三実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0135】
5.この重合調整剤が溶液中で作製され、そして単離または精製せずに使用される、第
四実施形態に記載の方法。
【0136】
6.この重合調整剤がこの出発試剤の炭化水素溶液を接触させることにより作製される
、第五実施形態に記載の方法。
【0137】
7.段階C)が重合調整剤溶液、モノマー、3−11族金属錯体および共触媒を任意の
順序で、あるいは任意のこれらの下位組み合わせ物を形成することにより組み合わせるこ
とを含んでなる、第六実施形態に記載の方法。
【0138】
8.この共触媒がアルモキサン、トリ(フルオロアリール)ボランまたはテトラ(フル
オロフェニル)ボレートのアンモニウム塩を含んでなる、第四実施形態に記載の方法。
【0139】
9.エチレン、プロピレン、エチレンとプロピレンの組み合わせ物または前出のものの
いずれかと、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、ス
チレンまたはエチリデンノルボルネンの組み合わせ物が共重合される、第八実施形態に記
載の方法。
【0140】
10.この触媒が(1H−シクロペンタ[l]フェナントレン−2−イル)ジメチル(
t−ブチルアミド)シランチタンジメチルを含んでなり、この共触媒がテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレートのトリアルキルアンモニウム塩を含んでなり、そしてエチ
レンとスチレンの混合物が共重合される、第九実施形態に記載の方法。
【0141】
11.この共触媒がメチルジ(C14-18アルキル)アンモニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート塩の混合物を含んでなる、第八実施形態に記載の方法。
【0142】
12.工程変数と製品変数から選択される少なくとも2つの変数を参照することにより
、関心のある触媒組成物が選択される、第四実施形態に記載の方法。
【0143】
13.この工程変数が高い触媒効率、モノマー消費、高い重合温度での改善された触媒
効率および遷移金属化合物に対する重合調整剤のモル比の増加にともなう生産性の漸増ま
たは増加であり;そしてこの製品変数が高結晶性ポリマー区分の形成の低下またはエチレ
ンと少なくとも1つの共重合性コモノマーのコポリマー中へのコモノマーの組み込みの増
加である、第十二実施形態に記載の方法。
【0144】
14.この工程段階のすべてがコンピューター制御されたロボット処理により同一の反
応器容器中で行われ、そしてこのスクリーニング結果が少なくとも1つのメモリー素子に
保存される、第四実施形態に記載の方法。
【0145】
15.A×BアレーのA軸の形成にこのライブラリーが使用され、そして前記A×Bア
レーのB軸の形成に組成または工程条件の第2の選択が使用され、そして前記A×Bアレ
ーの二次元の対の組の中から関心のある性質を選択するのにリレーショナルデータベース
ソフトウエアが使用される、第十四実施形態に記載の方法。
【0146】
16.測定される工程変数がこの重合時に消費される少なくとも1つのモノマーの量で
ある、第四実施形態に記載の方法。
【0147】
17.段階d)において関心のある性質が下記の重合モデル
〜C*r+M→〜C*r+1p ガス状モノマー伝播
〜C*r→DC kd 活性点不活性化
(式中、
〜C*rは鎖長rの成長鎖であり、
Mはモノマーであり、
DCは不活性化したポリマー鎖であり、
pはガス状モノマーの成長速度定数であり、そして
dは活性点不活性化速度定数である)
に基づき、式:

【数2】

(式中、
[M]液体は液相中のガス状モノマー濃度であり、そして
[C]0はt=0における触媒の初期濃度である)
によりLevenberg−Marquart非線形回帰法により求めて、時間(t秒で
の)に対する全ガス状モノマー吸収として計算される、300秒後の計算された転換率で
ある、第一実施形態に記載の方法。
【0148】
18.この300秒のモノマー吸収がこの重合調整剤の代わりにトリイソブチルアルミ
ニウムで変成されたメチルアルモキサン(MMAO)を5:1のMMAO:Tiモル比で
用いた対応する値よりも大きい、第十七実施形態に記載の方法。
【0149】
19.少なくとも1つのオレフィンモノマーとスチレンを含んでなる重合性混合物を重
合条件下で遷移金属錯体、共触媒および重合調整剤を含んでなる触媒組成物と接触させる
ことにより、オレフィンを重合させるプロセスであって、この重合調整剤がエチルアルミ
ニウムビス(N,N−ジフェニルアミド)およびジ(2,7−ジメチル−6−オクテン−
1−イル)アルミニウムN,N−ジフェニルアミドからなる群から選択されることを特徴
とするプロセス。
【0150】
20.この金属錯体が4族金属錯体であり、そしてこの共触媒がルイス酸または非配位
性コンパチブルアニオンのトリヒドロカルビルアンモニウム塩である、第十九実施形態に
記載のプロセス。
【0151】
21.エチレンとスチレンを含んでなる混合物を重合条件下で金属錯体、共触媒および
重合調整剤を含んでなる触媒組成物と接触させることにより、擬ランダムコポリマーを形
成するエチレンとスチレンを共重合させるプロセスであって、
この金属錯体が(1H−シクロペンタ[l]フェナントレン−2−イル)ジメチル(t
−ブチルアミド)シランチタンジメチルを含んでなり;
この共触媒がトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素またはテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレートトリアルキルアンモニウム塩を含んでなり;そして
この重合調整剤がエチルアルミニウムビス(N,N−ジフェニルアミド)およびジ(2
,7−ジメチル−6−オクテン−1−イル)アルミニウムN,N−ジフェニルアミドから
なる群から選択されることを特徴とするプロセス。
【0152】
22.エチレンと1−オクテンを含んでなる混合物を重合条件下で金属錯体、共触媒お
よび重合調整剤を含んでなる触媒組成物と接触させることにより、コポリマーを形成する
エチレンと1−オクテンを共重合させるプロセスであって、
この金属錯体がチタンの3−アミノ−置換インデン−1−イル錯体を含んでなり;
この共触媒がトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素またはテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレートのトリアルキルアンモニウム塩を含んでなり;そして
この重合調整剤がt−ブタノールとトリオクチルアルミニウムとの1:1モルの反応生
成物;2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノー
ル、フェノールおよびt−ブチルジ(メチル)ヒドロキシシランとトリイソブチルアルミ
ニウムとの1:1モルの反応生成物;ジ(n−ペンチル)アミンとトリイソブチルアルミ
ニウムとの2:1モルの反応生成物;2,6−ジフェニルフェノールおよびt−ブチルジ
(メチル)ヒドロキシシランとトリエチルアルミニウムとの2:1モルの反応生成物;2
,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノール、フェ
ノール、t−ブタノール、1−ドデカノール、t−ブチルジ(メチル)ヒドロキシシラン
およびp−メトキシフェノールとトリオクチルアルミニウムとの1:1モルの反応生成物
;および2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノ
ールおよびt−ブチルジ(メチル)ヒドロキシシランとトリ(オクチル)アルミニウムと
の2:1モルの反応生成物からなる群から選択される化合物を含んでなることを特徴とす
るプロセス。
【0153】
23.この金属錯体が(N−1,1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチル−1−((
1,2,3,3a,7a−η)−3−(テトラヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−1
Η−インデン−1−イル)シラナミナト−(2−)−N−)−チタン(II)1,3−ペ
ンタジエンまたは(N−1,1−ジメチルエチル)−1,1−(4−n−ブチルフェニル
)−1−((1,2,3,3a,7a−η)−3−(1,3−ジヒドロ−2H−イソイン
ドール−2−イル)−1H−インデン−1−イル)シラナミナト−(2−)−N−)−ジ
メチルチタンを含んでなり、そしてこの重合調整剤が(t−ブチルジメチルシロキシ)ジ
イソブチルアルミニウムまたはビス(t−ブチルジメチルシロキシ)オクチルアルミニウ
ムを含んでなる、第二十二実施形態に記載のプロセス。
【0154】
24.エチレンと1−オクテンを含んでなる混合物を重合条件下で金属錯体、共触媒お
よび重合調整剤を含んでなる触媒組成物と接触させることにより、コポリマーを形成する
エチレンと1−オクテンを共重合させるプロセスであって、
この金属錯体がチタンのs−インダセニルシラナミナト錯体を含んでなり;
この共触媒がトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素またはテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレートのトリアルキルアンモニウム塩を含んでなり;そして
この重合調整剤がフェニルナフチルアミン、トリエチルヒドロキシシラン、n−ブタノ
ール、または安息香酸とトリイソブチルアルミニウムとの1:1モルの反応生成物;2,
6−ジフェニルフェノール、4−メチル−2,6−ジ(t−ブチル)フェノール、トリエ
チルヒドロキシシラン、n−ブタノールまたは2−ヒドロキシメチルフランとトリオクチ
ルアルミニウムとの反応生成物;およびフェノールまたは2−(ヒドロキシメチル)ピリ
ジンとジブチルマグネシウムとの反応生成物からなる群から選択される化合物を含んでな
ることを特徴とするプロセス。
【0155】
25.この金属錯体が[N−(1,1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチル−[1,
2,3,3a,8a−η)−1,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチル−s−インダセ
ン−1−イル]シラナミナト(2−)−N]チタン(II)1,3−ペンタジエンを含ん
でなり、そしてこの重合調整剤が(フェニル(ナフチル)アミノ)ジイソブチルアルミニ
ウム、(トリエチルシロキシ)ジイソブチルアルミニウム、(n−ブトキシ)−ジイソブ
チルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムベンゾエート;2,6−ジフェニルフェノ
キシ(ジオクチル)アルミニウム、4−メチル−2,6−ジt−ブチルフェノキシ)ジオ
クチルアルミニウム、(トリエチルシロキシ)ジオクチルアルミニウム、(n−ブトキシ
)−ジオクチルアルミニウム、(2−フラニルメトキシ)ジオクチルアルミニウム;フェ
ノキシ−n−ブチルマグネシウムまたは(2−ピリジニルメトキシ)−n−ブチルマグネ
シウムを含んでなる、第二十四実施形態に記載のプロセス。
【0156】
26.エチレンとプロピレンを含んでなる混合物を重合条件下で金属錯体、共触媒およ
び重合調整剤を含んでなる触媒組成物と接触させることにより、コポリマーを形成するエ
チレンとプロピレンを共重合させるプロセスであって、
この金属錯体がハフニウムとピリジルアミンの錯体を含んでなり;
この共触媒がトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素またはテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレートのトリアルキルアンモニウム塩を含んでなり;そして
この重合調整剤がトリ(C2-20アルキル)アルミニウムとビス(トリメチルシリル)ア
ミン、1−オクタノール、1−ドデカノール、フェノール、4−メチル−2,6−ジ(t
−ブチル)フェノール、またはt−ブチルジメチルシロキサンとの反応生成物を含んでな
ることを特徴とするプロセス。
【0157】
27.この金属錯体が2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニルアミド)−o−イ
ソプロピルフェニルメチル]−6−(2−η−1−ナフチル)−ピリジルハフニウム(I
V)ジメチルを含んでなり、この共触媒がメチルジ(C14-18)長鎖アルキルアンモニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩の混合物を含んでなり、そしてこの
重合調整剤が(ドデシルオキシ)ジオクチルアルミニウム、(ビス(トリメチルシリル)
アミノ)ジオクチルアルミニウム、フェノキシジオクチルアルミニウム、(4−メチル−
2,6−ジ(t−ブチル)フェノキシ)ジオクチルアルミニウム、(t−ブチルジメチル
シロキシ)ジオクチルアルミニウム、ビス(トリメチルシリル)アミノジエチルアルミニ
ウムまたはビス(t−ブチルジメチルシロキシ)イソプロピルアルミニウムを含んでなる
、第二十六実施形態に記載のプロセス。
(実施例)
【0158】
本発明が特に開示されなかったあらゆる成分の不在下でも操作可能であるということは
理解される。次の実施例は本発明の更なる例示に提供され、そして限定するものとして解
釈されるべきでない。特記しない限り、すべての部およびパーセントは重量基準で表現さ
れる。用語「一晩」は、使用される場合には、ほぼ16−18時間の時間を指し、「室温
」は、使用される場合には、約20−25℃の温度を指し、そして「混合アルカン」はE
xxon Mobil Chemicals,IncからIsopar E(商標)の商
標で市販されている水素化プロピレンオリゴマー、大部分C6−C12イソアルカンの混合
物を指す。
【0159】
触媒組成物ライブラリー作製
16×13mL反応器組を備えたChemspeed(商標)合成装置、モデルASW
2000(Chemspeed,Inc.から入手し得る)を用いるロボット合成により
、重合調整剤として試験するための化合物のライブラリーを作製する。通常、全部で80
個の反応器に対して5組の還流コンデンサー付きの16X13mLの反応器をロボットデ
ッキ上に設置する。各ライブラリーに対する試剤をドライボックス中で作製し、そしてロ
ボットデッキに移す。これら試剤をこの作製し、収めるのに使用されるバイアルを使用前
にオーブン中150℃で少なくとも4時間乾燥するすべての反応を不活性雰囲気下で行う

【0160】
ソフトウエア制御を用いて、この反応器を110℃で少なくとも4時間真空で、続いて
110℃で60分間アルゴンパージ下で加熱して、反応器を乾燥する。次に、この反応器
を周囲温度まで冷却する。このカニューレと試料ループを乾燥窒素により満たし、次に試
料ループ(通常、10000あるいは25000μL)の容積をトルエン中の1MのAl
Et3により吸引することにより、試料ループを不動態化する。次に、この溶液をリンス
ステーションにおいて捨て、そしてカニューレと試料ループを新しいトルエンによりリン
スする。液体取り扱い装置を用いて、80個の反応器を第1の試剤(トリアルキルアルミ
ニウム)溶液により装填する。渦発生装置を開始(800rpm)し、そして反応器のジ
ャケット温度を25℃に設定し、還流コンデンサーを5℃に設定する。次に、第2の試剤
溶液(アミンまたはアルコール)を5mL/分の添加速度で反応器に装填する。添加がす
べて完結した後、この反応器をアルゴン下で閉じ、そして100℃で5時間加熱し、次に
50℃まで冷却し、その後渦発生を停止する。
【0161】
次に、試剤トレーを変えて、20mLの試料バイアルを収める。液体取り扱い装置を用
いて、各反応器の内容物をセラムキャップ付きの20mLバイアルに移す。次に、この試
料を希釈して、所望の重合調整剤のほぼ0.1M溶液を得る。この生成物を移した後、こ
の試料を合成装置パージボックスの窒素雰囲気下でキャップし、そして使用前の貯蔵のた
めにドライボックスに移す。
【0162】
1等量あるいは2等量の第2の試剤(B)を第1の試剤(A)と炭化水素希釈剤、通常
ヘキサンまたはヘプタン中で反応させて、更なるスクリーニングのために化合物のライブ
ラリーを生成させる。この試剤を初めに20−25℃で接触させ、続いて還流において数
時間加熱する。試験される試剤の対を表1に示す。この生成物は、2等量のB3を1等量
のA2を組み合わせるときに得られた(B3)3A22(3B群と2A群の生成物)を除い
て、対応する化学量論的な反応生成物である。

【表1】


【実施例1】
【0163】
ポリマー分子量の決定のために迅速ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(HTGP
C)を備えた48個のセル平行圧力反応器(PPR)中でエチレンとスチレンの混合物の
重合における前出の組成物の評価を行う。重合を行うために、各セルに16mLのガラス
挿入物を嵌める。この触媒組成物中で使用される金属錯体は、米国特許第6,150,2
97号の教示にしたがって製造された、(1H−シクロペンタ[l]フェナントレン−2
−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シラン−チタンジメチル(Cl)(100ナノモ
ル)である。Clの構造を図1に開示する。この共触媒は、メチルジ(C14-18)長鎖ア
ルキルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩の混合物(110
ナノモル)である。この候補の重合調整剤(PM)を5、15、50および200のPM
:Tiモル比で、120℃の重合温度で、そして200psi(1.4MPa)の圧力で
試験した。各反応器中に存在するスチレンの量は611μL(533マイクロモル)であ
る。試剤の詳細を表2に示す。

【表2】

【0164】
各16mLのガラス挿入物の空の重量をロボットにより測定する。トルエン(変数)を
各反応器セルの中に量り込む。次に、この反応器を撹拌(800rpm)し、そして運転
温度120℃まで加熱する。このとき、すべての反応器をエチレンにより飽和させ、そし
て各個別反応器を共触媒と重合調整剤の予備混合物により装填し、続いてスチレンを装填
する。次に、温度を120℃で維持し、そして圧力を200psi(1.4MPa)で維
持しながら、触媒を添加することによりこの重合反応を開始する。エチレンを必要に応じ
て供給しながら、この反応を10分間進行させる。運転時間の後、反応器をアルゴン中の
5パーセントのCO2によりクエンチする。すべての反応器をクエンチした後、冷却し、
通気させる。揮発分を遠心分離機中真空下で一晩除去する。
【0165】
1)効率、2)最少の高結晶性区分の形成および、3)PM/Ti比の関数としてのエ
チレン転換の望ましいプロフィールの3つの要求に基づいて、重合結果を評価する。1つ
またはそれ以上の前出の基準に合致する重合調整剤を表3に示す。トリイソブチルアルミ
ニウム変成メチルアルモキサン(MMAO−3A、Akzo−Noble Corpor
ationから入手し得る)を重合調整剤として使用する標準の触媒組成物(比較例)に
対して効率を測定する。しかしながら、最小および最大のPM含量(それぞれ5および2
00のAl/Ti比)に対する結果が統計的に疑わしいために、15および50のAl/
Ti比で得られる結果のみに基づいて効率をスクリーニングする。比較例と等しいか、あ
るいはそれよりも良好な効率を与える重合調整剤がこの明細書中の使用に好ましい。表3
中に、この標準による許容し得る効率性能を数字1により示す。
【0166】
高結晶性区分(HCF)はスチレン組み込みのレベルが極めて低く、したがって高結晶
性であるエチレン/スチレンインターポリマー(ESI)を指す。これは一般に溶液重合
工程において低溶解性のものであり、そして反応器操作性が劣ることと関連する。このよ
うなHCFポリマーの存在はこのポリマーのGPCプロットから識別可能である。高重合
温度の使用は、このポリマー中に著しい量のHCFが存在することと関連する操作性の問
題を少なくとも部分的に軽減するが、この存在は製品性質に及ぼす悪影響によっても一般
に望ましくない。したがって、最少のHCF形成を生じる重合調整剤が所望される。表3
においては、ESIのGPCプロット中で識別可能な許容し得る(非検出可能な、あるい
は最少の)HCFを数字2により示す。
【0167】
エチレン重合プロフィールは、少なくとも経済的に正当化可能であるPM:Tiの範囲
内のPM:Tiモル比の関数としての最大のエチレン転換の欠如を指す。このような最大
の存在は、特に更なる重合調整剤の使用が迅速な触媒効率の損失(ピーク形成プロフィー
ル)を生じる場合には、運転者が重合時の重合調整剤含量を常に調整して、重合活性に及
ぼす悪影響を回避することを必要とする。関心のある範囲で増加するか、あるいは高い比
における顕著な活性損失無しで平坦部に達する効率プロフィールが最も所望される。表3
においては、許容し得る転換性能(平坦部または上昇部)が数字3により識別され、プロ
フィールの上昇が認められる。少なくとも1つの許容し得るPMを有する、試験される第
2の成分のみを表3に示す。

【表3】

【0168】
所定の金属錯体/共触媒組み合わせ物に対する前出の要求の2つ、最も好ましくは3つ
全部を満たす重合調整剤が特に好ましい。試験されたもののうち2つの重合調整剤B33
A22およびB3A4(表3で太字タイプで示す)のみが前出のスクリーンの3つの要求
をすべて満足する。これらの重合調整剤はビス(N,N−ジフェニルアミド)エチルアル
ミニウムおよびN,N−ジフェニルアミドビス(2,7−ジメチル−6−オクテン−1−
イル)アルミニウムと同定される。
【実施例2】
【0169】
2a)1−オクテンをスチレンの代わりに使用することを除いて、実施例1の重合条件
を実質的に繰り返し、そして重合を混合アルカン溶媒中135℃で行って、エラストマー
型エチレン/1−オクテンコポリマーを製造する。トリイソブチルアルミニウム(A1)
トリエチルアルミニウム(A2)およびトリオクチルアルミニウム(A5)の3種のアル
ミニウム含有試剤のみを使用して、新しい重合調整剤ライブラリーを作製する。
【0170】
この触媒組成物で使用される触媒前駆体は、米国特許第6,268,444号の教示に
したがって作製される、チタンの3−アミノ−置換インデン−1−イル錯体、(N−1,
1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチル−1−((1,2,3,3a,7a−η)−3
−(テトラヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−1H−インデン−1−イル)シラナミ
ナト−(2−)−N−)−チタン(II)1,3−ペンタジエン(C2)およびUS20
03/0004286の教示にしたがって作製される、(N−1,1−ジメチルエチル)
−1,1−(4−n−ブチルフェニル)−1−((1,2,3,3a,7a−η)−3−
(1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−1H−インデン−1−イル)
シラナミナト−(2−)−N−)−ジメチルチタン(C3)である。C2およびC3の構
造を図2および3で開示する。この共触媒はメチルジ(C14-18)長鎖アルキルアンモニ
ウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩の混合物である。加えて、Ti基
準で5:1のモル比の掃去剤のトリイソプロピルアルミニウム変成メチルアルモキサン(
MMAO3A,Akzo−Noble Corporationから入手し得る)をすべ
ての配合物において使用して、反応混合物中の不純物と反応させる。
【0171】
範囲を見出す実験を行って、試験される各温度において満足な量の様々の成分を求める
。活性が装置の能力を超えることなく測定可能であるように条件を選択する。135℃に
おいて、エチレン圧力を194psig(1.44MPa)となるように選択し、ヘキサ
ン溶媒の量を6.0μLとし、そして使用される1−オクテンの量を819μLとする。
更なる代表的な条件を表4に示す。

【表4】

【0172】
各実験において、反応器セルを溶媒により装填し、続いて1−オクテン、MMAOおよ
びPM(コントロールランに対しては、PMを省略する)により装填した。次に、このセ
ルを135℃まで加熱し、そしてエチレンガスにより加圧する。触媒と共触媒を液体取り
扱い装置によりバイアル中で予備混合し、そして反応器の中に注入して、重合を開始する
。反応時間の10分後あるいは120psig(0.93MPa)までの圧力減少時に、
二酸化炭素によりクンチングすることにより、重合を停止する。
【0173】
PM選択を各PPRラン内で2回スクリーニングする。このことは、MMAOをAl:
Tiモル比5:1で使用し、そしてPM候補を使用しない4つのコントロール反応と共に
ライブラリー当たり22個の候補化合物を可能とする。すべてのPM重合に対するPM:
Tiモル比は50:1である。各触媒に対する7つのライブラリーをスクリーニングし、
合計154個の試験された重合調整剤を準備する。重合結果をPMが存在しない標準的な
触媒組成物と比較した活性に基づいて評価する。各触媒に対する上位10個の候補とこれ
らの相対的な触媒活性を表5に報告する。

【表5】

表5:エチレン/1−オクテンの135℃の重合結果
【0174】
135℃において、前出の金属錯体の一方または他方と共に、最良の重合調整剤は、t
−ブタノールとトリオクチルアルミニウムとの1:1モルの反応生成物、すなわちジオク
チルt−ブトキシアルミニウム;2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ(t−ブチ
ル)−4−メチルフェノール、フェノールおよびt−ブチルジ(メチル)ヒドロキシシラ
ンとトリイソブチルアルミニウムとの1:1モルの反応生成物;ジ(n−ペンチル)アミ
ンとトリイソブチルアルミニウムとの2:1モルの反応生成物;2,6−ジフェニルフェ
ノールおよびt−ブチルジ(メチル)ヒドロキシシランとトリエチルアルミニウムとの2
:1モルの反応生成物;2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ(t−ブチル)−4
−メチルフェノール、フェノール、t−ブタノール、1−ドデカノール、t−ブチルジ(
メチル)ヒドロキシシランおよびp−メトキシフェノールとトリオクチルアルミニウムと
の1:1モルの反応生成物;および2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ(t−ブ
チル)−4−メチルフェノールおよびt−ブチルジ(メチル)ヒドロキシシランとトリ(
オクチル)アルミニウムとの2:1モルの反応生成物である。これらの反応生成物は、(
2,6−ジフェニルフェノキシ)ジ(i−ブチル)アルミニウム、(2,6−ジ(t−ブ
チル)−4−メチルフェノキシ)ジ(i−ブチル)アルミニウム、フェノキシジ(i−ブ
チル)アルミニウム、(t−ブチルジ(メチル)シロキシ)ジ(i−ブチル)アルミニウ
ム、(ジ(n−ペンチル)アミノ)ジ(i−ブチル)アルミニウム、ビス(ジ(2,6−
フェニル)フェノキシ)エチル−アルミニウム、ビス((t−ブチル)ジメチルシロキシ
)エチルアルミニウム、(2,6−ジフェニルフェノキシ)ジオクチルアルミニウム、2
,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノキシ)ジオクチルアルミニウム、(フェノキ
シ)ジオクチルアルミニウム、(t−ブトキシ)ジオクチルアルミニウム、(n−ドデシ
ルオキシ)ジオクチルアルミニウム、((t−ブチル)ジ(メチル)シロキシ)ジオクチ
ルアルミニウム、(4−メトキシフェノキシ)ジオクチルアルミニウム、ビス((2,6
−ジフェニル)フェノキシ)オクチルアルミニウム、ビス(2,6−ジ(t−ブチル)−
4−メチルフェノキシ)オクチルアルミニウムおよびビス(t−ブチルジ(メチル)シロ
キシ)オクチルアルミニウムの化合物を主として含んでなる。3つの前出のPMは、両方
の金属錯体、すなわち(t−ブチルジ(メチル)−シロキシ)ジイソブチルアルミニウム
、(2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノキシ)ジオクチルアルミニウムおよび
ビス(t−ブチルジ(メチル)シロキシ)オクチルアルミニウムと共に改善された活性を
与えた。
【0175】
2b)次に、135℃での22個の最良のPM候補を160℃での両方の金属錯体によ
りエチレン/1−オクテン共重合性について再試験する。この一連の実験においては、エ
チレン圧力を200psig(1.48MPa)まで増加し、そして使用される1−オク
テンの量は227μLである。更なる試剤量を表6に示す。

【表6】

【0176】
反応の10分後あるいは120psig(0.93MPa)までの圧力低下時に、転換
データ収集を停止する。反応を10分前に停止した場合(目標圧力に到達したために)に
得られる結果を更によく説明するために、
〜C*r+M→〜C*r+1p ガス状モノマー伝播
〜C*r→DC kd 活性点不活性化
(式中、
〜C*rは鎖長rの成長鎖であり、
Mはモノマーであり、
DCは不活性化したポリマー鎖であり、
pはガス状モノマーの成長速度定数であり、そして
dは活性点不活性化速度定数である)
の重合モデルを用いて計算し、式

【数3】

(式中、
[M]液体は液相中のガス状モノマー濃度であり、そして
[C]0はt=0における触媒の初期濃度である)
によりLevenberg−Marquart非線形回帰法により求めて、時間(t秒で
の)に対する全ガス状モノマー吸収として計算される、5分間の転換率に基づいて、活性
を評価する。
【0177】
次に、上式を使用して、各PPRセルから得られる転換率−時間データをフィットさせ
る。実質的にW.H. Press, S.A. Teukolsky, W.T. Vetterling, B.P. Flannery,“Numeric
al Recipesin C”, Second Edition, Cambridge University Press(1997)に記載されてい
るLevenberg−Marquart非線形回帰法を使用して、上式をこのデータに
フィットさせ、そして動的速度定数kpおよびkdを評価する。次に、各セルに対する見
積もられた速度定数を上式に置換することにより、5分(t=300秒)後のエチレン転
換率(kPaでの圧力低下)を計算し、そして各PPRセルにおける触媒活性をランク付
けするのに使用する。160℃における両方の触媒に対する上位10のランキングを表7
に示す。PM候補を使用せず(MMAO単独)に得られる平均5分間のモノマー吸収に対
して、結果を各金属錯体に対して5:1のAl:Tiモル比において表す。(MMAOを
用いる対応する平均の5分間のモノマー吸収はC2=541kPa、C3=472kPa
である)。添え字1−10は順位1=最良、10=最悪を示す。すべての示される実験は
、MMAO単独を用いて得られるものよりも、少なくとも42パーセント大きい5分間の
モノマー吸収を有するものであった(すなわち、相対的な活性=1.42)。

【表7】

【0178】
表5および7を比較することにより、両方の金属錯体に対して135℃における活性の
改善および160℃における計算された5分間の活性の改善を示す唯一の触媒/重合調整
剤組み合わせ物は、(t−ブチル)ジメチルヒドロキシルシランとトリ(i−ブチル)ア
ルミニウムとの1:1モルの反応生成物、すなわち(t−ブチルジメチルシロキシ)−ジ
(イソブチル)アルミニウムおよび(t−ブチル)ジメチルヒドロキシルシランとトリオ
クチルアルミニウムの1:2モルの反応生成物、すなわちビス(t−ブチルジメチルシロ
キシ)オクチルアルミニウムであるということがわかる。
【実施例3】
【0179】
触媒前駆体として使用される金属錯体がチタンのs−インダセニルシラナミナト錯体、
[N−(1,1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチル−[1,2,3,3a,8a−η
]−1,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチル−s−インダセン−1−イル]シラナミ
ナト(2−)−N]チタン(II)1,3−ペンタジエン(C4)(米国特許第5,96
5,756号の教示にしたがって作製した)であることを除いて、実施例2a)の反応条
件を実質的に繰り返す。C4の構造を図4に開示する。この共触媒は、触媒前駆体に基づ
いて1.2:1のモル比で使用されるメチルジ(C14-18)長鎖アルキルアンモニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩の混合物である。トリイソプロピルアル
ミニウム変成メチルアルモキサン(MMAO-3A,Akzo−Noble Corpor
ationから入手し得る)を掃去剤としてチタン基準のモル比で5:1で添加する。重
合温度は135℃である。すべての重合を混合アルカン溶媒(Isopar(商標)E,
Exxon Mobil Chemicals,Inc.から入手し得る)中50:1、
25:1および10:1のPM:Tiモル比で行う。初期のエチレン圧力は200psi
g(1.48MPa)であり、そして使用する1−オクテンの量は227μLである。制
御をPM候補の不在下で行い、すべての他の反応条件を同一のまま留める。10分間の重
合後1.00よりも大きい相対的なエチレン吸収を示すPM候補とPM:Tiモル比(カ
ッコ内)を表8に示す。掲げたすべてのPM候補は示した反応試剤の1:1モルの反応生
成物である。改善された活性を示す化合物は、フェニルナフチルアミン、トリエチルヒド
ロキシシラン、n−ブタノールまたは安息香酸とトリイソブチルアルミニウムとの反応生
成物;2,6−ジフェニルフェノール、4−メチル−2,6−ジ(t−ブチル)フェノー
ル、トリエチルヒドロキシシラン、n−ブタノールまたは2−ヒドロキシメチルフランと
トリオクチルアルミニウムとの反応生成物;およびフェノールまたは2−(ヒドロキシメ
チル)ピリジンとジブチルマグネシウムとの反応生成物である。これらの金属含有化合物
は、(フェニル(ナフチル)アミノ)ジイソブチルアルミニウム、(トリエチルシロキシ
)ジイソブチルアルミニウム、(n−ブトキシ)ジイソブチルアルミニウム、ジイソブチ
ルアルミニウムベンゾエート;2,6−ジフェニルフェノキシ(ジオクチル)アルミニウ
ム、4−メチル−2,6−ジt−ブチルフェノキシ)ジオクチルアルミニウム、(トリエ
チルシロキシ)ジオクチルアルミニウム、(n−ブトキシ)ジオクチルアルミニウム、(
2−フランイルメトキシ)ジオクチルアルミニウム、フェノキシ−n−ブチルマグネシウ
ムおよび(2−ピリジニルメトキシ)−n−ブチルマグネシウムとして同定される。
【0180】
加えて、前出のマルチ反応器を使用することにより、ルイス塩基官能基を欠くアルミニ
ウム化合物は、本発明の反応条件下で比較的良好な活性を有することが見出された。化合
物、ジ−i−ブチルアルミニウムヒドリドは、Ti基準で10:1のモル比で1.62の
相対的な活性を有していた。
【0181】
得られたLLDPEポリマーはすべて実施例2で製造された製品よりも高密度の製品で
あり、そしてフィルム形成用あるいはブロー成形用樹脂としての使用に好適である。

【表8】

【実施例4】
【0182】
実施例1のコンビナトリアル反応器を使用して、様々の重合調整剤を用いてエチレンと
プロピレン(重量で50:50)を共重合する。触媒前駆体として使用される金属錯体は
2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニルアミド)−o−イソプロピルフェニルメチ
ル]−6−(2−η−1−ナフチル)−ピリジルハフニウム(IV)ジメチル(C5)(
2003年5月2日出願のUSSΝ60/429,024の教示にしたがって製造される
)である。C5の構造を図5に開示する。使用される共触媒は、ハフニウム基準で1.2
:1のモル比で使用されるメチルジ(C14-18)長鎖アルキルアンモニウムテトラキス(
ペンタフルオロフェニル)ボレート塩の混合物である。トリイソプロピルアルミニウム変
成メチルアルモキサン(MMAO−IP,Akzo−Noble Corporatio
nから入手し得る)を掃去剤としてハフニウム基準で30:1のモル比で添加する。混合
アルカン溶媒と掃去剤と、続けて重合調整剤(50:1、ハフニウムのモル数基準で)と
共触媒を各セルに添加する。使用される溶媒の量(ほぼ2ml)を予め計算して、6.0
mlの最終の反応混合物容積を得る。この反応器を120℃の反応温度まで撹拌しながら
加熱し、そしてエチレン/プロピレン混合物により加圧(250psig、1.83MP
a)し、その後金属錯体を添加する。
【0183】
重合を10分間あるいは120パーセントの最大転換率に等しい圧力低下まで行う。M
MAO−IP単独(Hfに対するモル比=30:1)の使用と比較した相対的なモノマー
吸収に基づいて合計162個の重合調整剤をスクリーニングする。選択された結果を表9
に示す。4個のPM候補(太字タイプで示す)のみが1よりも大きい相対的なモノマー吸
収を示す。3個のPM候補のみが少なくとも10パーセントの改善(相対的なモノマー吸
収>1.1)を示した。

【表9】

【0184】
表8および9の結果を比較することによって、ある重合、例えばエチレン/1−オクテ
ン共重合に対する好適な性質を有する重合調整剤は、他の反応、例えばエチレン/プロピ
レン共重合における重合調整剤としての使用に必ずしも適合していないということが見ら
れ得る。コンビナトリアルスクリーニング条件下で、トリオクチルアルミニウムと1−ド
デカノール、ビス(トリメチルシリル)アミン、フェノールおよび4−メチル−2,6−
ジ(t−ブチル)フェノールとの1:1反応生成物のみがハフニウムピリジルアミン金属
錯体、特に2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニルアミド)−o−イソプロピルフ
ェニルメチル]−6−(2−η−1−ナフチル)−ピリジルハフニウム(IV)ジメチル
およびアンモニウムボレート活性化剤、特にメチルジ(C14-18)長鎖アルキルアンモニ
ウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩とアルモキサン掃去剤、特にトリ
(イソプロピル)アルミニウム変成メチルアルモキサンの混合物と共に改善されたエチレ
ンの相対的な組み込み速度を示した。これらの重合調整剤は、(ドデシルオキシ)ジオク
チルアルミニウム、(ビス(トリメチルシリル)−アミノ)ジオクチルアルミニウム、フ
ェノキシジオクチルアルミニウムおよび(4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノキ
シ)ジオクチル−アルミニウムとして同定される。
【0185】
実施例4の重合条件を同等の重合条件下で1リットルのバッチ反応器にスケールアップ
する場合には、前出のPM候補は実際の使用条件下で卓越した性能を示し、成功をもたら
す重合調整剤の性能を予測するための前出のスクリーニング法の信頼性を例示する。大規
模のバッチ重合条件下の他の好適な重合調整剤は、コンビナトリアル条件下で1.0の相
対的な活性(表9中のB15A5)を有する(t−ブチルジメチルシロキシ)ジオクチル
アルミニウム、コンビナトリアル条件下で0.78の相対的な活性(表9中のB9A2)
を有する(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ジエチルアルミニウムおよびコンビナトリ
アル条件下で0.96の相対的な活性(表9中のB152Al)を有するビス(t−ブチ
ルジメチルシロキシ)イソプロピルアルミニウムを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたはそれ以上の付加重合性モノマーの均一な付加重合で使用する触媒組成物を同
定するための方法であって、前記触媒組成物が元素周期律表の3−11族の金属の触媒前
駆体化合物、共触媒および1つまたはそれ以上のポリマーまたは工程の性質を改善可能な
重合調整剤を含んでなり、前記方法が
A)元素周期律表の3−11族の金属を含んでなる複数の触媒前駆体化合物i);触
媒前駆体化合物を活性な重合触媒に変換する能力のある少なくとも1つの共触媒ii);
および重合調整剤iii)として評価対象とされる少なくとも1つの化合物を含んでなる
複数の触媒前駆体化合物、を含んでなる少なくとも1つのライブラリーを準備すること;
B)これらと1つまたはそれ以上の共触媒ii)および1つまたはそれ以上の重合調
整剤iii)との反応により、多数のこの触媒前駆体化合物i)を重合性について試験対
象とされる組成物に順次変換すること;
C)段階B)の得られた組成物またはこれらの一部を1つまたはそれ以上の付加重合
性モノマーとオレフィン付加重合条件下で重合反応器中で接触させること;
D)関心のある少なくとも1つの工程変数または製品変数を測定すること;および
E)前記少なくとも1つの工程変数または製品変数を参照することにより、関心のあ
る触媒組成物を選択すること
を含んでなり、2つまたはそれ以上の出発試剤の間の反応によりこの重合調整剤iii)
を使用前に製造することを特徴とする方法。
【請求項2】
1つまたはそれ以上の付加重合性モノマーの均一な付加重合で使用する触媒組成物を同
定するための方法であって、前記触媒組成物が元素周期律表の3−11族の金属の触媒前
駆体化合物、共触媒および1つまたはそれ以上のポリマーまたは工程の性質を改善する能
力のある重合調整剤を含んでなり、前記方法が
A)元素周期律表の3−11族の金属を含んでなる少なくとも1つの触媒前駆体化合
物i);触媒前駆体化合物i)を活性な重合触媒に変換するために評価対象とする複数の
候補共触媒ii)を含んでなる少なくとも1つのライブラリー;および重合調整剤として
評価対象とされる少なくとも1つの化合物iii)を準備すること;
B)多数のこの共触媒化合物ii)を順次使用して、これらと1つまたはそれ以上の
触媒i)および1つまたはそれ以上の重合調整剤iii)との反応により、重合性につい
て試験対象とする組成物を作製すること;
C)この得られた組成物またはこれらの一部を1つまたはそれ以上の付加重合性モノ
マーとオレフィン付加重合条件下で重合反応器中で接触させること;
D)関心のある少なくとも1つの工程変数または製品変数を測定すること;および
E)前記少なくとも1つの工程変数または製品変数を参照することにより、関心のあ
る触媒組成物を選択すること
を含んでなり、2つまたはそれ以上の出発試剤の間の反応によりこの重合調整剤iii)
を使用前に製造することを特徴とする方法。
【請求項3】
1つまたはそれ以上の付加重合性モノマーの均一な付加重合で使用する触媒組成物を同
定するための方法であって、前記触媒組成物が元素周期律表の3−11族の金属の触媒前
駆体化合物、共触媒および1つまたはそれ以上のポリマーまたは工程の性質を改善する能
力のある重合調整剤を含んでなり、前記方法が
A)元素周期律表の3−11族の金属を含んでなる少なくとも1つの触媒前駆体化合
物i);触媒前駆体化合物i)を活性な重合触媒に変換可能な少なくとも1つの共触媒i
i);および重合調整剤として評価対象とされる複数の候補化合物iii)を含んでなる
少なくとも1つのライブラリーを準備すること;
B)多数のこの候補重合調整剤化合物iii)を順次使用して、これらと1つまたは
それ以上の触媒i)および1つまたはそれ以上の共触媒ii)との反応により、重合性に
ついて試験対象とされる組成物を作製すること;
C)この得られた組成物またはこれらの一部を1つまたはそれ以上の付加重合性モノ
マーとオレフィン付加重合条件下で重合反応器中で接触させること;
D)関心のある少なくとも1つの工程変数または製品変数を測定すること;および
E)前記少なくとも1つの工程変数または製品変数を参照することにより、関心のあ
る触媒組成物を選択すること
を含んでなり、2つまたはそれ以上の出発試剤の間の反応によりこの重合調整剤iii)
を使用前に製造することを特徴とする方法。
【請求項4】
この重合調整剤が式[M41x'y'z'
(式中、
4は2−13族の金属、Ge、Sn、またはBiであり;
1は独立してアニオン性あるいはポリアニオン性の配位子であり;
x’はゼロよりも大きく、そして6未満あるいは6に等しい数であり;
Gは場合によってはA1に結合した、中性ルイス塩基であり;
y’は0−4の数であり;
z’は1〜10の数である)
の1つまたはそれ以上の金属化合物と
式[(H−J1z"2z"'
(式中、
1はNA3、PA3、SまたはOであり;
z”は1または2であり;
2はC1-20ヒドロカルビルまたは不活性置換ヒドロカルビルまたはこれらの多価誘導
体であり;
3は水素、C1-20ヒドロカルビルまたは不活性置換ヒドロカルビルまたは共有結合(
2が二価配位子の基であり、そしてz”が1である場合には);そして
z’”は1〜10の数である)
の1つまたはそれ以上の化合物とを反応させることにより作製される、請求項1から3の
いずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
この重合調整剤が溶液中で作製され、そして単離または精製せずに使用される、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
この重合調整剤がこの出発試剤の炭化水素溶液を接触させることにより作製される、請
求項5に記載の方法。
【請求項7】
段階C)が重合調整剤溶液、モノマー、3−11族金属錯体および共触媒を任意の順序
で、あるいは任意のこれらの下位組み合わせ物を形成することにより組み合わせることを
含んでなる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
この共触媒がアルモキサン、トリ(フルオロアリール)ボランまたはテトラ(フルオロ
フェニル)ボレートのアンモニウム塩を含んでなる、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
エチレン、プロピレン、エチレンとプロピレンの組み合わせ物または前出のもののいず
れかと、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレ
ンまたはエチリデンノルボルネンの組み合わせ物が共重合される、請求項8に記載の方法

【請求項10】
この触媒が(1H−シクロペンタ[l]フェナントレン−2−イル)ジメチル(t−ブ
チルアミド)シランチタンジメチルを含んでなり、この共触媒がテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレートのトリアルキルアンモニウム塩を含んでなり、そしてエチレンと
スチレンの混合物が共重合される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
この共触媒がメチルジ(C14-18アルキル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート塩の混合物を含んでなる、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
工程変数と製品変数から選択される少なくとも2つの変数を参照することにより、関心
のある触媒組成物が選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
この工程変数が高い触媒効率、モノマー消費、高い重合温度での改善された触媒効率お
よび遷移金属化合物に対する重合調整剤のモル比の増加にともなう生産性の漸増または増
加であり;そしてこの製品変数が高結晶性ポリマー区分の形成の低下またはエチレンと少
なくとも1つの共重合性コモノマーのコポリマー中へのコモノマーの組み込みの増加であ
る、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
この工程段階のすべてがコンピューター制御されたロボット処理により同一の反応器容
器中で行われ、そしてこのスクリーニング結果が少なくとも1つのメモリー素子に保存さ
れる、請求項4に記載の方法。
【請求項15】
A×BアレーのA軸の形成にこのライブラリーが使用され、そして前記A×Bアレーの
B軸の形成に組成または工程条件の第2の選択が使用され、そして前記A×Bアレーの二
次元の対の組の中から関心のある性質を選択するのにリレーショナルデータベースソフト
ウエアが使用される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
測定される工程変数がこの重合時に消費される少なくとも1つのモノマーの量である、
請求項4に記載の方法。
【請求項17】
段階d)において関心のある性質が下記の重合モデル
〜C*r+M→〜C*r+1p ガス状モノマー伝播
〜C*r→DC kd 活性点不活性化
(式中、
〜C*rは鎖長rの成長鎖であり、
Mはモノマーであり、
DCは不活性化したポリマー鎖であり、
pはガス状モノマーの成長速度定数であり、そして
dは活性点不活性化速度定数である)
に基づき、式:

【数1】

(式中、
[M]液体は液相中のガス状モノマー濃度であり、そして
[C]0はt=0における触媒の初期濃度である)
によりLevenberg−Marquart非線形回帰法により求めて、時間(t秒で
の)に対する全ガス状モノマー吸収として計算される、300秒後の計算された転換率で
ある、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
この300秒のモノマー吸収がこの重合調整剤の代わりにトリイソブチルアルミニウム
で変成されたメチルアルモキサン(MMAO)を5:1のMMAO:Tiモル比で用いた
対応する値よりも大きい、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのオレフィンモノマーとスチレンを含んでなる重合性混合物を重合条件
下で遷移金属錯体、共触媒および重合調整剤を含んでなる触媒組成物と接触させることに
より、オレフィンを重合させるプロセスであって、この重合調整剤がエチルアルミニウム
ビス(N,N−ジフェニルアミド)およびジ(2,7−ジメチル−6−オクテン−1−イ
ル)アルミニウムN,N−ジフェニルアミドからなる群から選択されることを特徴とする
プロセス。
【請求項20】
この金属錯体が4族金属錯体であり、そしてこの共触媒がルイス酸または非配位性コン
パチブルアニオンのトリヒドロカルビルアンモニウム塩である、請求項19に記載のプロ
セス。
【請求項21】
エチレンとスチレンを含んでなる混合物を重合条件下で金属錯体、共触媒および重合調
整剤を含んでなる触媒組成物と接触させることにより、擬ランダムコポリマーを形成する
エチレンとスチレンを共重合させるプロセスであって、
この金属錯体が(1H−シクロペンタ[l]フェナントレン−2−イル)ジメチル(t
−ブチルアミド)シランチタンジメチルを含んでなり;
この共触媒がトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素またはテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレートトリアルキルアンモニウム塩を含んでなり;そして
この重合調整剤がエチルアルミニウムビス(N,N−ジフェニルアミド)およびジ(2
,7−ジメチル−6−オクテン−1−イル)アルミニウムN,N−ジフェニルアミドから
なる群から選択されることを特徴とするプロセス。
【請求項22】
エチレンと1−オクテンを含んでなる混合物を重合条件下で金属錯体、共触媒および重
合調整剤を含んでなる触媒組成物と接触させることにより、コポリマーを形成するエチレ
ンと1−オクテンを共重合させるプロセスであって、
この金属錯体がチタンの3−アミノ−置換インデン−1−イル錯体を含んでなり;
この共触媒がトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素またはテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレートのトリアルキルアンモニウム塩を含んでなり;そして
この重合調整剤がt−ブタノールとトリオクチルアルミニウムとの1:1モルの反応生
成物;2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノー
ル、フェノールおよびt−ブチルジ(メチル)ヒドロキシシランとトリイソブチルアルミ
ニウムとの1:1モルの反応生成物;ジ(n−ペンチル)アミンとトリイソブチルアルミ
ニウムとの2:1モルの反応生成物;2,6−ジフェニルフェノールおよびt−ブチルジ
(メチル)ヒドロキシシランとトリエチルアルミニウムとの2:1モルの反応生成物;2
,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノール、フェ
ノール、t−ブタノール、1−ドデカノール、t−ブチルジ(メチル)ヒドロキシシラン
およびp−メトキシフェノールとトリオクチルアルミニウムとの1:1モルの反応生成物
;および2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノ
ールおよびt−ブチルジ(メチル)ヒドロキシシランとトリ(オクチル)アルミニウムと
の2:1モルの反応生成物からなる群から選択される化合物を含んでなることを特徴とす
るプロセス。
【請求項23】
この金属錯体が(N−1,1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチル−1−((1,2
,3,3a,7a−η)−3−(テトラヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−1Η−イ
ンデン−1−イル)シラナミナト−(2−)−N−)−チタン(II)1,3−ペンタジ
エンまたは(N−1,1−ジメチルエチル)−1,1−(4−n−ブチルフェニル)−1
−((1,2,3,3a,7a−η)−3−(1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール
−2−イル)−1H−インデン−1−イル)シラナミナト−(2−)−N−)−ジメチル
チタンを含んでなり、そしてこの重合調整剤が(t−ブチルジメチルシロキシ)ジイソブ
チルアルミニウムまたはビス(t−ブチルジメチルシロキシ)オクチルアルミニウムを含
んでなる、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
エチレンと1−オクテンを含んでなる混合物を重合条件下で金属錯体、共触媒および重
合調整剤を含んでなる触媒組成物と接触させることにより、コポリマーを形成するエチレ
ンと1−オクテンを共重合させるプロセスであって、
この金属錯体がチタンのs−インダセニルシラナミナト錯体を含んでなり;
この共触媒がトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素またはテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレートのトリアルキルアンモニウム塩を含んでなり;そして
この重合調整剤がフェニルナフチルアミン、トリエチルヒドロキシシラン、n−ブタノ
ール、または安息香酸とトリイソブチルアルミニウムとの1:1モルの反応生成物;2,
6−ジフェニルフェノール、4−メチル−2,6−ジ(t−ブチル)フェノール、トリエ
チルヒドロキシシラン、n−ブタノールまたは2−ヒドロキシメチルフランとトリオクチ
ルアルミニウムとの反応生成物;およびフェノールまたは2−(ヒドロキシメチル)ピリ
ジンとジブチルマグネシウムとの反応生成物からなる群から選択される化合物を含んでな
ることを特徴とするプロセス。
【請求項25】
この金属錯体が[N−(1,1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチル−[1,2,3
,3a,8a−η)−1,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチル−s−インダセン−1
−イル]シラナミナト(2−)−N]チタン(II)1,3−ペンタジエンを含んでなり
、そしてこの重合調整剤が(フェニル(ナフチル)アミノ)ジイソブチルアルミニウム、
(トリエチルシロキシ)ジイソブチルアルミニウム、(n−ブトキシ)−ジイソブチルア
ルミニウム、ジイソブチルアルミニウムベンゾエート;2,6−ジフェニルフェノキシ(
ジオクチル)アルミニウム、4−メチル−2,6−ジt−ブチルフェノキシ)ジオクチル
アルミニウム、(トリエチルシロキシ)ジオクチルアルミニウム、(n−ブトキシ)−ジ
オクチルアルミニウム、(2−フラニルメトキシ)ジオクチルアルミニウム;フェノキシ
−n−ブチルマグネシウムまたは(2−ピリジニルメトキシ)−n−ブチルマグネシウム
を含んでなる、請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
エチレンとプロピレンを含んでなる混合物を重合条件下で金属錯体、共触媒および重合
調整剤を含んでなる触媒組成物と接触させることにより、コポリマーを形成するエチレン
とプロピレンを共重合させるプロセスであって、
この金属錯体がハフニウムとピリジルアミンの錯体を含んでなり;
この共触媒がトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素またはテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレートのトリアルキルアンモニウム塩を含んでなり;そして
この重合調整剤がトリ(C2-20アルキル)アルミニウムとビス(トリメチルシリル)ア
ミン、1−オクタノール、1−ドデカノール、フェノール、4−メチル−2,6−ジ(t
−ブチル)フェノール、またはt−ブチルジメチルシロキサンとの反応生成物を含んでな
ることを特徴とするプロセス。
【請求項27】
この金属錯体が2−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニルアミド)−o−イソプロ
ピルフェニルメチル]−6−(2−η−1−ナフチル)−ピリジルハフニウム(IV)ジ
メチルを含んでなり、この共触媒がメチルジ(C14-18)長鎖アルキルアンモニウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩の混合物を含んでなり、そしてこの重合調
整剤が(ドデシルオキシ)ジオクチルアルミニウム、(ビス(トリメチルシリル)アミノ
)ジオクチルアルミニウム、フェノキシジオクチルアルミニウム、(4−メチル−2,6
−ジ(t−ブチル)フェノキシ)ジオクチルアルミニウム、(t−ブチルジメチルシロキ
シ)ジオクチルアルミニウム、ビス(トリメチルシリル)アミノジエチルアルミニウムま
たはビス(t−ブチルジメチルシロキシ)イソプロピルアルミニウムを含んでなる、請求
項26に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−7178(P2012−7178A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196379(P2011−196379)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【分割の表示】特願2007−516498(P2007−516498)の分割
【原出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】