説明

金型装置

【課題】射出成形用の型面に成膜されるワークを支持する第一金型と、真空引きされる成膜チャンバーを備えた第二金型とを用いてワークを成膜するにあたり、成膜チャンバーの真空引きにかかる時間を短縮する。
【解決手段】 第一金型2に、該第一金型2に形成される型面2aからコア2b内部に至る隙間S1、S2をコア2b内部側から第二金型3の成膜チャンバー3b内に連通せしめる連通孔11を形成して、成膜チャンバー3bの真空引き時に前記連通孔11を通して間隙S1、S2を真空引きする構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形されたワークを成膜するための金型装置の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、フロントランプ、ウィンカー、テールランプ等の車両用ランプを構成する部品のように、射出成形された成形体に反射面となる金属膜を成膜して、光量を増加したり広い照射範囲を確保できるようにしたものがある。この様に射出成形された成形体を成膜する場合、従来、成形体を金型から取出し、該取出した多数の成膜体を成膜室に移してセットした後、真空蒸着装置等の成膜手段を用いて成膜を施していた。しかるにこのものでは、射出成形と成膜とを一連の工程で行うことができず、作業効率に劣るという問題があった。
そこで、成膜されるワークが組込まれる第一金型と、該ワークに成膜するための成膜手段が組込まれる第二金型とを備えて構成した成膜用金型が提唱されている(例えば、特許文献1参照。)。このものでは、第一金型と第二金型とを用いて射出成形を行なうと共に、射出成形に用いた第一金型の型面にワークを支持せしめたままの状態で、第二金型に形成した凹部を成膜チャンバー(成膜室)にして成膜を行なうように構成されており、これによって、一連の工程で射出成形と成膜とを行うことができるようになっている。
【特許文献1】特許第3677033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、射出成形用の金型には、一般的に、ワークを金型から離脱させるためのエジェクタが設けられるが、該エジェクタは、例えば、ワークを脱型させるときにエジェクタ先端部が型面から突出できるように、コアに形成されたエジェクタ用挿通孔に移動自在に挿通されている。この様なものにおいては、非脱型時であっても、エジェクタとエジェクタ用挿通孔内面との間に、エジェクタの移動を許容する微少な隙間が、型面からコア内部に至る状態で形成されている。
また、射出用成形の金型のなかには、細長いリブを有するワークや複雑な形状のワークを成形するために、型面の一部を形成する入れ子や中子をコアに組込む場合がある。この場合、入れ子や中子とコアとの間には、入れ子や中子の組込みに必要な微少な隙間が、型面からコア内部に至る状態で形成されている。
而して、射出成形用の金型には、エジェクタ、或いは入れ子や中子によって、型面からコア内部に至る微小な隙間部が形成されるが、該隙間部は、エジェクタ、或いは入れ子や中子の数が多いほど数多く形成されることになる。
一方、前記特許文献1のように、第一金型の型面に射出成形されたワークを支持せしめた状態で、第二金型に形成された凹部を成膜チャンバーにして真空蒸着装置等の成膜手段で成膜を行なう場合、成膜チャンバーは真空引きされることになるが、このとき、前記エジェクタとエジェクタ様挿通孔内面との間の隙間、或いは入れ子や中子とコアとの間の隙間のように、第一金型に形成される型面からコア内部に至る隙間部内の空気も、型面側から流出して真空引きされることになる。しかるに、第一金型の型面は、該型面に支持されたワークによって覆われた状態になっているため、隙間部内の空気が型面側から速やかに流出することが妨げられ、而して、ワークに妨げられながら隙間部内の空気が少しづつ成膜チャンバー内に流出することになって、成膜チャンバーの真空引きに時間がかかってしまうという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、射出成形用の型面を備え、該型面に成膜されるワークを支持する第一金型と、該第一金型の型面に支持されたワークを成膜するための成膜手段が組込まれ、成膜工程時に真空引きされる成膜チャンバーを備えた第二金型とを用いて金型装置を構成するにあたり、前記第一金型に、該第一金型に形成される型面からコア内部に至る隙間部を、コア内部側からコア外部に連通せしめる連通孔を形成すると共に、成膜工程時に該連通孔を通して前記隙間部を真空引きする構成にしたことを特徴とする請求項1に記載の金型装置である。
請求項2の発明は、第一金型は、型面の一部を形成する入れ子や中子がコアに組込まれる構造であると共に、該第一金型に形成される型面からコア内部に至る隙間部は、前記入れ子や中子とコアとの間の隙間であることを特徴とする請求項1に記載の金型装置である。
請求項3の発明は、第一金型は、成膜されたワークを第一金型の型面から脱型させるためのエジェクタを備えると共に、該第一金型に形成される型面からコア内部に至る隙間部は、前記エジェクタが移動自在に挿通されるエジェクタ用挿通孔内面とエジェクタとの間の隙間であることを特徴とする請求項1または2に記載の金型装置である。
請求項4の発明は、成膜工程時における第一金型と第二金型との型閉じ状態で、第一金型の連通孔のコア外部側出口が第二金型の成膜チャンバー内に連通する構成にして、成膜チャンバーの真空引きに伴い連通孔を通して前記隙間部を真空引きする構成にしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の金型装置である。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明とすることにより、第一金型に形成される型面からコア内部に至る隙間部は、該隙間部をコア内部側からコア外部に連通せしめる連通孔を通して速やかに真空引きされることになり、この結果、真空引きに要する時間を大幅に短縮することができて、生産効率の向上に大きく貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、第一金型に、入れ子や中子とコアとの間に型面からコア内部に至る隙間が形成されていても、速やかに真空引きすることができる。
請求項3の発明とすることにより、第一金型に、エジェクタ用挿通孔内面とエジェクタとの間に型面からコア内部に至る隙間が形成されていても、速やかに真空引きすることができる。
請求項4の発明とすることにより、成膜チャンバーの真空引きに伴って、第一金型に形成される型面からコア内部に至る隙間部も連通孔を通して速やかに真空引きされることになり、この結果、隙間部を真空引きするためのポンプや配管を別途必要とせず、コスト低減に寄与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は射出成形および成膜を行なう金型装置、2、3は該金型装置1を構成する第一、第二金型であって、本実施の形態では、第一金型2は可動金型、第二金型3は固定金型で構成されており、そして、可動金型である第一金型2は、固定金型である第二金型3に対して対向方向に離接移動できると共に、第二金型3から離間した状態で第二金型3に対して面に沿う方向にスライド移動できるように構成されている。該第一金型2の移動機構については、従来のダイスライドインジェクションに用いられる技術を採用することができ、その説明は省略する。
尚、本実施の形態では、第一金型2は可動金型、第二金型3は固定金型であるが、これに限定されることなく、第一金型を固定金型、第二金型を可動金型にしてもよく、また、第一、第二金型の両方が移動する構成にすることもできる。さらに、金型のスライド移動は、面に沿う方向の移動であれば、直線方向の移動に限らず、軸を中心とする回転移動であってもよい。
【0007】
一方、4は車両用ランプの構成部品であるワークであって、該ワーク4は、前記第一、第二金型2、3を用いて構成される金型装置1によって、射出成形されると共に、反射面4aとなる金属膜が成膜されるようになっている。
【0008】
つまり、前記第一金型2には、第二金型3に対向する側に、射出成形用のキャビティを形成する凸状の型面2aが形成される一方、第二金型3には、第一金型2に対向する側に、射出成形用のキャビティを形成する凹状の型面3aと、射出成形されたワーク4を成膜するためのスパッタリング装置5が組込まれる成膜チャンバー3bとが形成されている。そして、後述するように、第一金型2の型面2aと第二金型3の型面3aとを型合わせしてワーク4を射出成形した後、第一金型2の型面2aにワーク4を支持せしめたままの状態で第一金型2をスライド移動させ、しかる後、第一金型2の型面2aに支持されたワーク4を第二金型3の成膜チャンバー3b内に配置させて、スパッタリング装置5によりワーク4の成膜を行なう構成になっている。
【0009】
ここで、前記射出成形されたワーク4は、反射面4aに対して裏側となる面部に複数本のリブ4bを有しているが、これらリブ4bは、第一金型2の型面2aの一部を形成する複数本の型面形成用入れ子6によって成形されるように構成されている。
【0010】
前記型面形成用入れ子6は、第一金型2のコア2bに形成された入れ子組込み用孔2cに組込まれているが、該入れ子組込み用孔2cは、型面2aから、該型面2aの反対側のコア面部に凹設された凹部2dに嵌合されるシール入れ子7の溝部7aに至るように形成されている。そして、型面形成用入れ子6は、凹部2d側から入れ子組込み用孔2cに組み込まれ、その先端部が入れ子組込み用孔2cから突出して型面2aの一部を形成する一方、該型面形成用入れ子6の基端部は、シール入れ子7の溝部7aによって支持される構成になっているが、この場合、型面形成用入れ子6と入れ子組込み用孔2cの内面との間には、型面形成用入れ子6の組込みに必要な微小な隙間S1が、型面2aからコア2b内部に至る状態で形成されている。尚、8は前記シール入れ子7と凹部2d内面との間をシールするシール部材であって、該シール部材8によって、前記隙間S1は、型面2aの反対側については外部に対して気密状に遮断されている。
【0011】
また、第一金型2には、成膜されたワーク4を第一金型2の型面2aから離脱させるための複数本のエジェクタピン9を備えているが、該エジェクタピン9が移動自在に挿通されるエジェクタ用挿通孔2eは、型面2aから前記シール入れ子7を貫通して型面2aの反対側に至るように形成されている。そして、エジェクタピン9は、図示しないエジェクタ移動手段の作動に基づいて、ピン先端部が型面2aと略面一状になる非脱型姿勢と、ピン先端部が型面2aから突出してワーク4を脱型させる脱型姿勢とに移動する構成になっているが、この場合、エジェクタピン9とエジェクタ用挿通孔2eの内面の間には、エジェクタピン9の移動を許容する微少な隙間S2が、型面2aからコア2b内部を通って型面2aの反対側に至る状態で形成されている。尚、10は前記エジェクタピン9とエジェクタ用挿通孔2eの反型面側端部との間をシールするシール部材であって、該シール部材10によって、前記隙間S2は、型面2aの反対側については外部に対して気密状に遮断されている。
【0012】
さらに、第一金型2には、前記型面形成用入れ子6と入れ子組込み用孔2c内面との間の隙間S1、およびエジェクタピン9とエジェクタ用挿通孔2e内面の間の隙間S2を、コア2b内部側からコア2b外部に連通させる連通孔11が形成されている。該連通孔11のコア外部側出口11aは、後述する成膜工程において第一金型2と第二金型3とを型閉じしたときに、第二金型3の成膜チャンバー3b内に連通するように設計されており、而して、該連通孔11によって、前記隙間S1およびS2を、コア2b内部側から第二金型3の成膜チャンバー3b内に連通させることができるようになっている。
【0013】
一方、第二金型3には、前述したように成膜チャンバー3bが形成されているが、該成膜チャンバー3bは、第一金型2に対向する側が開口した有天筒状の凹部であって、該成膜チャンバー3bには、前述したように、スパッタリング装置5が組込まれている。該スパッタリング装置5は、本発明の成膜手段に相当するものであって、本実施の形態では、マグネトロン式のスパッタリング装置5が用いられている。該マグネトロン式のスパッタリング装置5は、汎用のものであるため詳細な説明は省略するが、成膜チャンバー3bの天井部に配置されるマグネット11およびターゲット12、成膜チャンバー3bの外部に設置される真空ポンプ13、成膜チャンバー3bの内外を貫通するように形成される吸気路14、図示しない不活性ガス供給路等の各種部材装置を備えて構成されている。尚、成膜手段としては、これに限定されることなく、種々のスパッタリング装置、真空蒸着装置等の成膜手段を適宜採用することができる。
【0014】
そして、ワーク4の成膜を行なう場合には、図5に示す如く、射出成形したワーク4を第一金型2の型面2aに支持せしめたままの状態で、該ワーク4とターゲット12とが対向するよう第一金型2と第二金型3とを型閉じするが、該型閉じされた状態で、第二金型3の成膜チャンバー3b内に第一金型2の型面2aに支持されたワーク4が配置されると共に、前述したように、第一金型2に形成された連通孔11のコア外部側出口11aが成膜チャンバー3b内に連通するように設計されていて、前記隙間S1およびS2をコア2b内部側から成膜チャンバー3b内に連通させることができるようになっている。
【0015】
次に、前記金型装置1によるワーク4の射出成形および成膜の工程について、図2〜図6に基づいて説明する。
まず、図2において、第一金型2と第二金型3とは、型面2a、3a同士が互いに対向する状態で離間している(型開き状態)。
【0016】
前記型開き状態から、図3に示すように、第一金型2を第二金型3側に移動させて型閉じすることにより、型面2a、3a同士が型合わせされて、第一金型2の型面2aと第二金型3の型面3aとの間に樹脂材が射出されるキャビティが形成される。この状態で樹脂材を射出することによって、ワーク4が射出成形される(射出成形工程)。この場合、前述したように、第一金型2に組込まれた型面形成用入れ子6によって、ワーク4にリブ4bが成形されるようになっている。
【0017】
次いで、図4に示すように、前記射出成形されたワーク4を第一金型2の型面2aに支持せしめた状態で、第一金型2を第二金型3から離間させ(型開き)、しかる後、前記型面2aに支持されたワーク4が第二金型3の成膜チャンバー3bの開口側に対向するように、第一金型2をスライド移動させる。
【0018】
さらに、図5に示すように、第一金型2を第二金型3側に移動させて型閉じすることにより、第一金型2の型面2aに支持されたワーク4が成膜チャンバー3b内に配置される。そして、該型閉じした状態で、真空ポンプ13を作動させて成膜チャンバー3b内を真空引きし、さらに成膜チャンバー3b内に不活性ガスを導入して、スパッタリング装置5によりワーク4を成膜することで、ワーク4に反射面4aが形成される(成膜工程)。
【0019】
ここで、前記成膜工程における型閉じ状態では、前述したように、第一金型2の型面形成用入れ子6と入れ子組込み用孔2c内面との間の隙間S1、およびエジェクタピン9とエジェクタ用挿通孔2e内面の間の隙間S2は、連通孔11によって、コア2b内部側から成膜チャンバー3b内に連通している。而して、成膜チャンバー3b内を真空引きするときに、前記隙間S1、S2内の空気は、前記連通孔11を通してコア2b内部側から真空引きされることになり、これによって、隙間S1、S2内の空気を素早く真空引きすることができるようになっている。
【0020】
前記成膜工程の終了後、図6に示すごとく、第一金型2を第二金型3から離間させ(型開き)、さらに、エジェクタ移動手段を作動させてエジェクタピン9を脱型姿勢にして、ワーク4を第一金型2の型面2aから離脱させる。しかる後、ワーク4を金型装置1から取出して、再び前記図2に示す状態まで第一金型2をスライド移動させ、以降、前述した工程を繰り返すことによって、ワーク4の射出成形および成膜を順次行なえるようになっている。
【0021】
叙述の如く構成された本形態において、第一金型2は、射出成形用の型面2aを備えると共に、型面形成用入れ子6やエジェクタピン9によって、型面2aからコア2b内部に至る微少な隙間S1、S1が形成されている。そして、射出成形されたワーク4を成膜するに際し、ワーク4は、第一金型2の型面2aに支持された状態で、第二金型3の成膜チャンバー3b内に配置されることになるが、この場合に、第一金型2には、前記隙間S1、S2をコア2b内部側からコア2b外部に連通せしめる連通孔11が形成されていると共に、該連通孔11のコア外部側出口11aは成膜チャンバー3b内に連通しており、而して、成膜チャンバー3bを真空引きするときに、前記隙間S1、S2内の空気を連通孔11を通して真空引きできることになる。
【0022】
この結果、型面2aに成膜されるワーク4を支持する第一金型2に、型面形成用入れ子6やエジェクタピン9によって型面2aからコア内部2bに至る隙間S1、S2が形成されていても、成膜チャンバー3bの真空引き時に、前記隙間S1、S2内の空気は、型面2aに支持されているワーク4によって妨げられることなく、連通孔11を通して速やかに真空引きされることになり、よって、真空引きに要する時間を大幅に短縮することができて、生産効率の向上に大きく貢献できる。
【0023】
しかも、本実施の形態では、成膜工程時に第一金型2と第二金型3とを型閉じした状態で、連通孔11のコア外部側出口11aが成膜チャンバー3b内に連通する構成になっているから、成膜チャンバ3bの真空引きに伴い連通孔11を通して隙間S1、S2も真空引きされることになり、而して、隙間S1、S2を真空引きをするためのポンプや配管を別途必要とせず、コスト低減に寄与できる。
【0024】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、第一金型に形成される型面からコア内部に至る隙間部として、上記実施の形態では、型面形成用入れ子6と入れ子組込み用孔2c内面との間の隙間S1、およびエジェクタピン9とエジェクタ用挿通孔2e内面の間の隙間S2を例示したが、これに限定されることなく、例えば、型面の一部を形成する中子がコアに組込まれる構造の場合には、該中子とコアとの間の隙間でも、本発明を実施できることは勿論である。
【0025】
さらに、上記実施の形態では、前述したように、成膜工程時に連通孔11のコア外部側出口11aが成膜チャンバー3b内に連通する構成にし、これによって、成膜チャンバー3bの真空引きに伴い連通孔11を通して隙間S1、S2を真空引きする構成になっているが、これに限定されることなく、図7に示す第二の実施の形態の如く、第一金型2に、連通孔11を通して隙間S1、S2を真空引きするための真空ポンプ15を別途設けても良い。さらに、図8に示す第三の実施の形態の如く、外部配管16を介して、成膜チャンバー3bを真空引きする真空ポンプ13に連通孔11を接続し、該真空ポンプ13によって連通孔11を通して隙間S1、S2を真空引きする構成にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(A)は金型装置によって形成されるワークの断面図、(B)は第一金型を示す図である。
【図2】射出工程前の型開き状態の金型装置を示す図である。
【図3】射出成形工程における金型装置を示す図である。
【図4】射出成形工程後の型開き状態の金型装置を示す図である。
【図5】成膜工程における金型装置を示す図である。
【図6】成膜工程後の型開き状態の金型装置を示す図である。
【図7】第二の実施の形態の金型装置を示す図である。
【図8】第三の実施の形態の金型装置を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1 金型装置
2 第一金型
2a 型面
2b コア
2e エジェクタ用挿通孔
3 第二金型
3b 成膜チャンバー
4 ワーク
5 スパッタリング装置
6 型面形成用入れ子
9 エジェクタピン
11 連通孔
11a コア外部側出口
S1、S2 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形用の型面を備え、該型面に成膜されるワークを支持する第一金型と、該第一金型の型面に支持されたワークを成膜するための成膜手段が組込まれ、成膜工程時に真空引きされる成膜チャンバーを備えた第二金型とを用いて金型装置を構成するにあたり、前記第一金型に、該第一金型に形成される型面からコア内部に至る隙間部を、コア内部側からコア外部に連通せしめる連通孔を形成すると共に、成膜工程時に該連通孔を通して前記隙間部を真空引きする構成にしたことを特徴とする請求項1に記載の金型装置。
【請求項2】
第一金型は、型面の一部を形成する入れ子や中子がコアに組込まれる構造であると共に、該第一金型に形成される型面からコア内部に至る隙間部は、前記入れ子や中子とコアとの間の隙間であることを特徴とする請求項1に記載の金型装置。
【請求項3】
第一金型は、成膜されたワークを第一金型の型面から脱型させるためのエジェクタを備えると共に、該第一金型に形成される型面からコア内部に至る隙間部は、前記エジェクタが移動自在に挿通されるエジェクタ用挿通孔内面とエジェクタとの間の隙間であることを特徴とする請求項1または2に記載の金型装置。
【請求項4】
成膜工程時における第一金型と第二金型との型閉じ状態で、第一金型の連通孔のコア外部側出口が第二金型の成膜チャンバー内に連通する構成にして、成膜チャンバーの真空引きに伴い連通孔を通して前記隙間部を真空引きする構成にしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の金型装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−58358(P2010−58358A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225552(P2008−225552)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000149468)株式会社大嶋電機製作所 (89)
【Fターム(参考)】