説明

金属バンプを持つプリント基板及びその製造方法

【課題】微細なピッチを持つとともに均一な直径及び高さを持つ金属バンプを持つプリント基板の構造及び製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁層700上に埋め込まれた電気伝導性金属でなる接続パッド630を含む上部回路層600;及び接続パッド630と一体を成し、接続パッド630の上部に突出するとともに絶縁層700の上部に突出した一定直径の金属バンプ500を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属バンプを持つプリント基板及びその製造方法に係り、より詳しくは一定の直径を持ち、直径が一定して微細なピッチで形成されることができる金属バンプを持つプリント基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子産業の発達につれて、電子部品が高性能化していき、これに応えてパッケージ(PKG)も小型化、高密度化することが要求される。また、ICとメインボードを連結するインターポーザー(基板)も高密度化しなければならない。パッケージの高密度化の原因は、ICのI/Oの数が増えることによるもので、インターポーザーと連結する方法もよりよい方向に進んでいる。現在の高密度パッケージにおけるIC実装方法には、ワイヤボンディング方式とフリップボンディング方式が使用されており、I/Oが一定の数以上に増えると、実装にかかる費用のため、フリップボンディング方式が好まれている。
【0003】
図1A〜図1Mは従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【0004】
まず、図1Aに示すように、両面銅張積層板でなるキャリア1が提供されれば、図1Bに示すように、ソルダレジスト3を塗布し、図1Cに示すように、ドライフィルム5を塗布してからパターニングする。その後、図1Dに示すように、電解メッキを施した後、図1Eに示すように、ドライフィルム5を除去して接続パッド7を形成する。ついで、図1Fに示すように、第1絶縁層9を積層し、図1Gに示すように、第1回路層11を形成する。
【0005】
その後、図1Hに示すように、前述した工程を繰り返して追加のビルドアップ層13を形成し、図1Iに示すように、ソルダレジスト15を塗布する。
【0006】
ついで、図1Jに示すように、ルーティング工程を行ってキャリア1を分離し、図1Kに示すように、キャリア銅箔をエッチングで除去する。その後、図1Lに示すように、ソルダレジスト3、15をパターニングして接続パッド7を露出する開口部17を形成する。
【0007】
ついで、図1Mに示すように、上部接続パッド上にフリップチップボンディングウのためのソルダボール19を形成する。ソルダボール19の形成は、スクリーンプリンティングによるソルダペーストの印刷、及びリフロー(reflow)工程でなされる。
【0008】
しかし、前述したように、プリンティング方式を用いるプリント基板のバンプ形成方法は広い接続パッドを要求するため、120μm以下の微細ピッチ(pitch)を持つバンプを具現しにくいという問題点を持つ。
【0009】
また、プリンティング方式を用いるバンプ形成方法は、微細なバンプを形成する場合、バンプが形成されないか、形成されても体積が非常に小さく形成される問題点をもたらす。
【0010】
また、接続パッドはメッキ方式で形成されるため、メッキ偏差によって厚さが均一でなく、ソルダペーストを印刷する工程においても印刷量をまったく均一に合わせるのが難しいため、ソルダボールの高さが均一ではなく、これによって半導体チップと連結されないソルダボールが形成される問題点がある。
【0011】
また、ソルダレジスト15の段差が大きいため、電子部品の実装後に行われるアンダーフィル工程でボイド(void)が発生する問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前述したような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、微細なピッチを持つとともに均一な直径及び高さを持つ金属バンプを持つプリント基板の構造及び製造方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、一観点によれば、本発明は、絶縁上に埋め込まれた電気伝導性金属でなる接続パッドを含む上部回路層;及び前記接続パッドと一体を成し、前記接続パッドの上部に突出するとともに前記絶縁層の上部に突出した一定直径の金属バンプ;を含む、金属バンプを持つプリント基板を提供する。
【0014】
前記接続パッドは前記絶縁層の表面と一致する露出面を持つことができる。
【0015】
前記絶縁層はソルダレジストでなることができる。
【0016】
前記プリント基板は、前記金属バンプの上端部に形成された接続金属層をさらに含むことができる。
【0017】
前記プリント基板は、前記絶縁層の下に積層された下部回路層を持つビルドアップ層をさらに含むことができる。
【0018】
前記下部回路層は下部接続パッドを含み、前記プリント基板は、前記下部回路層を覆い、前記下部接続パッドを露出する開口部を持つソルダレジスト層をさらに含むことができる。
【0019】
また、前記課題を解決するために、他の観点によれば、本発明は、(A)キャリア上にドライフィルムを塗布し、金属バンプ形成用開放ホールをパターニングする段階;(B)前記開放ホールを充填する金属バンプ、及び前記ドライフィルム上に接続パッドを含む上部回路層を形成する段階;(C)前記ドライフィルム上に絶縁層を積層する段階;(D)前記絶縁層上に下部回路層を含むビルドアップ層を形成する段階;(E)前記キャリアを除去する段階;及び(F)前記ドライフィルムを除去する段階;を含む、金属バンプを持つプリント基板の製造方法を提供する。
【0020】
前記(B)段階は、(I)前記開放ホールを含む前記ドライフィルム上にシード層を形成する段階;(II)前記シード層上に、前記開放ホールを露出する接続パッド形成用開口を含む上部回路層形成用開口をパターニングする段階;(III)前記上部回路層形成用開口をメッキすることで、金属バンプ及び接続パッドを含む上部回路層を形成する段階;及び(IV)前記シード層を除去する段階;を含むことができる。
【0021】
前記(D)段階の後、前記下部回路層上にソルダレジスト層を形成する段階をさらに含むことができる。
【0022】
前記(E)段階は、(I)前記キャリアから、前記キャリアの外層を構成する金属ホイルを分離する段階;及び(II)前記ドライフィルムから前記金属ホイルを除去する段階;を含むことができる。
【0023】
前記方法は、前記(A)段階の後、前記開放ホールの底面に接続金属層を形成する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によるプリント基板は、電気伝導特性に優れたポスト形状の金属バンプを含むので、プリント基板に実装される電子部品との電気的な接続が良好である。また、金属バンプは上部直径より下部直径が広くなる形状ではなく、一定の直径を持つので、微細なピッチの金属バンプを持つ利点がある。
【0025】
本発明によるプリント基板の製造工程によれば、キャリア上にドライフィルムを先に積層し、これによって金属バンプを形成するので、高さが一定であり、電気伝導特性に優れたポスト形状の金属バンプを持つプリント基板を製造することができる。
【0026】
また、金属バンプをドライフィルムに形成された一定直径の開放ホールをメッキ方式で充填して形成するので、一定直径の金属バンプを形成することができ、これによって微細ピッチを持つバンプを形成することが可能である利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図1B】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図1C】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図1D】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図1E】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図1F】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図1G】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図1H】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図1I】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図1J】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図1K】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図1L】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図1M】従来技術による半導体チップ実装基板を製造する工程を示す図である。
【図2】本発明の好適な一実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図3】本発明の好適な一実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図4】本発明の好適な一実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図5】本発明の好適な一実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図6】本発明の好適な一実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図7】本発明の好適な一実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図8】本発明の好適な一実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図9】本発明の好適な一実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図10】本発明の好適な一実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図11】本発明の好適な一実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図12】本発明の他の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図13】本発明の他の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図14】本発明の他の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図15】本発明の他の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図16】本発明の他の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図17】本発明の他の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図18】本発明の他の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図19】本発明の他の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図20】本発明の他の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図21】本発明の他の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【図22】本発明の他の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明による金属バンプを持つプリント基板及びその製造方法の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明すれば次のようである。添付図面の全般にわたって、同一または対応の構成要素は同一図面符号を付け、重複する説明は省略する。本明細書において、上部、下部などの用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別するために使用されるもので、構成要素が前記用語によって制限されるものではない。
【0029】
図11は本発明の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の断面図である。これに示すように、本実施例によるプリント基板は、絶縁層700上に埋め込まれた電気伝導性金属でなる接続パッド630を含む上部回路層600、及び接続パッド630と一体を成し、接続パッド630の上部に突出するとともに絶縁層700の上部に突出した一定直径の金属バンプ500を含む構成である。
【0030】
絶縁層700はソルダレジスト層でなることができ、または層間絶縁材として通常に使用される複合高分子樹脂でなることができる。絶縁層700は、例えば、プリプレグ、またはFR−4、BT(Bismaleimide Triazine)、ABF(Ajinomoto Buildup Film)などのエポキシ系樹脂を使用することができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0031】
金属バンプ500は絶縁層700の上部に突出し、後にプリント基板に実装される電子部品とプリント基板に形成された配線層を電気的に接続する機能を果たす。金属バンプ500は絶縁層700上に埋め込まれた接続パッド630と一体を成し、接続パッド630と同じ物質で構成される。よって、金属バンプ500と接続パッド610が明確に区別されるものではないが、接続パッド630より直径が小さくて接続パッド630の他の部分に比べて上部に突設された部分を金属バンプ500と名付けることができる。本実施例の金属バンプ500は下部直径と上部直径が一定であるポスト形状である。ここで、一定であるという意味は、金属バンプ500の上部直径と下部直径が数学的にまったく同一であることを意味するものではなく、基板の製造工程で発生する加工誤差などによる微細な直径の変化を含む意味で使用される。
【0032】
この際、金属バンプ500は、金属バンプ500の上端部に形成された接続金属層410をさらに含むことができる。接続金属層410はすず(Sn)、またはすず(Sn)と銀(Ag)の合金などの金属でなることができる。
【0033】
上部回路層600は、絶縁層700上に埋め込まれ、金属バンプ500と連結される接続パッド630を含む構成である。本実施例の接続パッド630は絶縁層700に埋め込まれているが、絶縁層700の外部に露出した露出面を含む。ここで、露出面とは接続パッド630が埋め込まれた絶縁層700によって覆われていない面を意味し、絶縁層700の外部に形成できる他の絶縁層またはソルダレジスト層の外部に露出することを意味するものではない。この際、接続パッド630の露出面は絶縁層700の表面と一致することが好ましい。接続パッド630は、例えば金、銀、銅、ニッケルなどの電気伝導性金属でなることができる。
【0034】
一方、前記では本実施例の特徴部であるプリント基板の上部構造について説明したが、本実施例によるプリント基板は絶縁層700の下に積層され、上部回路層600と電気的に接続する下部回路層830を持つビルドアップ層800をさらに含む。ビルドアップ層800は、上部回路層600と下部回路層830の間に形成された内層回路層810(図7参照)をさらに含むことができ、本実施例では、単層の内層回路層810のみを例示的に示したが、このような内層回路層810の数は制限されない。必要によって内層回路層810の数を調節することができることは当業者に明らかである。
【0035】
この際、下部回路層830は下部接続パッドを含むことができ、下部回路層830を覆い、下部接続パッドを露出する開放部855を持つソルダレジスト層850をさらに含むことができる。
【0036】
前述したようなプリント基板は、電気伝導特性に優れたポスト形状の金属バンプ500を含むので、プリント基板に実装される電子部品との電気的な接続が良好である。
【0037】
また、金属バンプ500は上部直径に比べて下部直径が広くなる形状ではない一定の直径を持つから微細なピッチの金属バンプ500持つ利点がある。
【0038】
また、絶縁接続パッドの上面が一致して段差がないので、アンダーフィル工程の際にボイドの発生がない利点がある。
【0039】
図2〜図11は本発明の好適な一実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。以下、これら図に基づいて本実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造工程を説明する。
【0040】
まず、キャリア100上にドライフィルム310を塗布し、金属バンプ500形成用開放ホール315をパターニングする段階である。本実施例では例示的にキャリア100の一面にだけプリント基板を積層する工程を説明するが、キャリア100の両面に同時にプリント基板の積層工程を行うこともできる。
【0041】
図2に示すように、製造工程中にプリント基板が撓む問題を防止するために、支持体機能をするキャリア100を準備する。例えば、キャリア100は、絶縁樹脂層110の両面に銅箔層130が形成された両面銅張積層板に絶縁材150及び離型層170が形成された構造を持つ。
【0042】
この際、両面銅張積層板は、一定の剛性を持つために、絶縁樹脂層110にガラス材が含まれており、その厚さは約100〜800μmであることが好ましい。
【0043】
また、離型層170は銅箔130より小さな長さ及び面積を持ち、銅箔130の両側部を除き、絶縁材150上に形成されることが好ましい。これは、プリント基板の製造工程の後半に金属ホイル190をキャリア100から容易に分離するためのものである。一方、離型層170は一般的な離型物質を薄膜コーティングまたはスパッタリング工程で形成されることができる。キャリア100上には、離型層170が形成されない絶縁材150の部分によってキャリア100に拘束される金属ホイル190が積層されている。金属ホイル190は銅、金、銀などのような伝導性金属でなることができ、本実施例では銅ホイルを使用する。
【0044】
キャリア100が提供されれば、図3に示すように、キャリア100上にドライフィルム310を塗布し、金属バンプ500形成用開放ホール315をパターニングする。ドライフィルム310は好ましくは感光性ドライフィルム310である。ドライフィルム310を塗布し、光遮断パターンを持つマスク(図示せず)を利用してドライフィルム310を選択的に露光及び硬化して未硬化部分を除去することで、パターニングを行うことができる。
【0045】
ついで、図4に示すように、開放ホール315の底面に接続金属層410を形成する。接続金属層410の形成は選択的である。接続金属層410は金属ホイル190を引込線とする電解メッキ方式で形成されることができる。接続金属層410は、後に電子部品と接続する金属バンプ500の上端面を保護して電子部品と金属バンプ500との電気的接続を円滑にする機能を果たす。接続金属層410は電気伝導性金属でなり、例えばすず(Sn)、またはすず(Sn)と銀(Ag)の合金などの金属でなることができる。接続金属層410はキャリア100上に形成された銅ホイルに対して、銅ホイルが選択的にエッチングされるようにする金属でなることが好ましい。
【0046】
ついで、図5に示すように、開放ホール315を充填する金属バンプ500、及びドライフィルム310上に接続パッド630を含む上部回路層600を形成する段階である。まず、開放ホール315の内壁を含むドライフィルム310上にシード層(図示せず)を形成する。その後、好ましくは感光性素材でなるメッキレジスト(図示せず)を積層し、開放ホール315を露出する接続パッド630形成用開口を含む上部回路層600形成用開口をパターニングする。その後、開口に電解メッキを行う通常のSAP工程によって、開放ホール315を充填する金属バンプ500と接続パッド630を含む上部回路層600を形成することができる。その後、フラッシュエッチングまたはクィックエッチングでシード層の露出部を除去する。この際、上部回路層600が回路パターン610を含むように形成することは選択的であり、メッキレジストのパターニング形態によって回路パターン610の有無を決めることができる。
【0047】
この際、露光及び現像工程によってパターニングされたドライフィルム310の開放ホール315は直径が一定であり、これに金属バンプ500が形成されるので、一定直径の、つまり側面にテーパーがないポスト形状の金属バンプ500を形成することが可能である。ここで、直径が一定であるという意味は金属バンプ500の上部直径と下部直径が数学的にまったく同一であることを意味するものではなく、基板の製造工程で発生する加工誤差などによる微細な直径の変化を含む意味で使用される。また、金属バンプ500はドライフィルムの厚さに相当する一定の高さを有するように形成されることが分かる。
【0048】
ついで、図6に示すように、ドライフィルム310上に絶縁層700を積層する段階である。絶縁層700はソルダレジストでなることができ、または層間絶縁材として通常に使用される複合高分子樹脂でなることができる。絶縁層700は、例えば、プリプレグ、またはFR−4、BT(Bismaleimide Triazine)、ABF(Ajinomoto Buildup Film)などのエポキシ系樹脂を使用することができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0049】
ついで、図7及び図8に示すように、絶縁層700上に下部回路層830を含むビルドアップ層800を形成する段階である。絶縁層700に、例えばYAGレーザーまたはCOレーザードリルを利用してビアホールを形成し、ついでセミアディティブ工程を行って内層回路層810を形成し、同一工程を繰り返すことにより、下部回路層830を形成することができる。本実施例では1層の内層回路層810を含むビルドアップ工程を例示的に説明するが、本発明がこれに制限されるものではないし、内層回路層810の数は制限的ではなく、内層回路層がないことも可能である。下部回路層830が完成されれば、下部回路層830上に下部回路層830を覆うソルダレジスト層850を形成する。
【0050】
ついで、図9に示すように、キャリア100を除去する段階である。キャリア100とキャリア100上に積層されたプリント基板の側部をルーティング工程で切断することにより、キャリア100からキャリア100の外層を構成する金属ホイル190を分離することができる。ここで、ルーティング工程はルーティングビットを利用して機械的に切断/裁断工程を行うことをいい、プリント基板及びキャリア100の側部を切断して除去することにより、キャリア100に積層された金属ホイル190を拘束している絶縁層700の部分が除去されるので、金属ホイル190及びプリント基板がキャリア100から分離される。その後、エッチング工程を行ってドライフィルム310から金属ホイル190を除去する。
【0051】
ついで、図10に示すように、ソルダレジス層に、下部回路層830に形成された下部接続パッドを露出する開放部855を形成する。
【0052】
ついで、図11に示すように、剥離液を用いてドライフィルム310を除去する。
【0053】
その後、金属バンプ500の露出面及び接続パッド630の露出面に表面保護層を形成することができる。例えば、OSP処理を行うかニッケルメッキ及び金メッキを行って表面保護層を形成することが可能である。
【0054】
前述したようなプリント基板の製造工程によれば、キャリア100上にドライフィルム310を先に積層し、これを用いて金属バンプ500を形成するので、高さが一定であり、電気伝導特性に優れたポスト形状の金属バンプを持つプリント基板を製造することができる。
【0055】
また、金属バンプ500をドライフィルム310に形成された一定直径の開放ホール315をメッキ方式で充填して形成するので、一定直径の金属バンプ500を形成することができ、これによって微細ピッチを持つバンプを形成することが可能である利点がある。
【0056】
図12〜図22は本発明の他の好適な実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造方法を工程順に示す図である。以下、これら図に基づいて本実施例による金属バンプを持つプリント基板の製造工程を説明する。ここで、前述した実施例と重複する説明は省略する。
【0057】
まず、図12に示すように、金属ホイル190を持つキャリア100を提供する。
【0058】
ついで、図13に示すように、金属ホイル190上に金属バンプ500形成用開放ホール335を有する金属層330を形成する。金属層330の形成は、金属ホイル190上に感光性メッキレジスト(図示せず)を積層してからパターニングした後、金属ホイル190を引込線とする電解メッキ工程で行うことができる。金属層330は伝導性金属でなることができ、本実施例では銅を利用する。
【0059】
ついで、図14に示すように、開放ホール335の内壁を含む金属層330上に食刻防止層としてバリアー層430を形成する。バリアー層430の形成は、無電解メッキまたは電解メッキによって行うことができる。この際、バリアー層430は、金属層330、及び後に形成される金属バンプ500及び上部回路層600に対する選択的エッチング特性を有する金属でなる。本実施例ではニッケルでなるバリアー層430を形成する。
【0060】
ついで、図15に示すように、開放ホール335を充填する金属バンプ500及び上部回路層600を形成し、図16に示すように、絶縁層700を積層する。
【0061】
ついで、図17〜図18に示すように絶縁層700上に内層回路層810及び下部回路層830を形成し、下部回路層830上にソルダレジスト層850を形成する。
【0062】
ついで、図19に示すように、金属ホイル190をキャリア100から分離し、金属ホイル190を除去する。
【0063】
ついで、図20に示すように、ソルダレジスト層850に、下部回路層830に形成された下部接続パッドを露出する開放部855を形成する。
【0064】
ついで、図21に示すように、金属層330をエッチングで除去し、図22に示すように、バリアー層430を除去する。バリアー層430の除去には、ニッケル選択エッチング液が使用できる。バリアー層430と上部回路層600は選択的にエッチング可能な金属でなり、上部回路層600の損傷なしにバリアー層430を除去することができる。
【0065】
以上本発明を好適な実施例に基づいて説明したが、本発明が前述した実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱しない範囲内で多様に修正及び変形することができるのは、この技術分野で通常の知識を持った者には明らかである。よって、そのような変形例または修正例は本発明の特許請求範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、微細なピッチを持つとともに均一な直径及び高さを持つ金属バンプを持つプリント基板の構造及び製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
100 キャリア
110 絶縁樹脂層
130 銅箔
150 絶縁材
170 離型層
190 金属ホイル
310 ドライフィルム
315、335 金属パターン形成用開放ホール
330 金属層
410 接続金属層
430 バリアー層
500 金属バンプ
600 上部回路層
610 回路パターン
630 接続パッド
700 絶縁層
800 ビルドアップ層
810 内層回路層
830 下部回路層
850 ソルダレジスト層
855 開放部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層上に埋め込まれた電気伝導性金属でなる接続パッドを含む上部回路層;及び
前記接続パッドと一体を成し、前記接続パッドの上部に突出するとともに前記絶縁層の上部に突出した一定直径の金属バンプ;
を含むことを特徴とする、金属バンプを持つプリント基板。
【請求項2】
前記接続パッドは前記絶縁層の表面と一致する露出面を持つことを特徴とする、請求項1に記載の金属バンプを持つプリント基板。
【請求項3】
前記絶縁層はソルダレジストでなることを特徴とする、請求項1に記載の金属バンプを持つプリント基板。
【請求項4】
前記金属バンプの上端部に形成された接続金属層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の金属バンプを持つプリント基板。
【請求項5】
前記絶縁層の下に積層された下部回路層を持つビルドアップ層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の金属バンプを持つプリント基板。
【請求項6】
前記下部回路層は下部接続パッドを含み、
前記プリント基板は、前記下部回路層を覆い、前記下部接続パッドを露出する開口部を持つソルダレジスト層をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載のプリント基板。
【請求項7】
(A)キャリア上にドライフィルムを塗布し、金属バンプ形成用開放ホールをパターニングする段階;
(B)前記開放ホールを充填する金属バンプ、及び前記ドライフィルム上に接続パッドを含む上部回路層を形成する段階;
(C)前記ドライフィルム上に絶縁層を積層する段階;
(D)前記絶縁層上に下部回路層を含むビルドアップ層を形成する段階;
(E)前記キャリアを除去する段階;及び
(F)前記ドライフィルムを除去する段階;
を含むことを特徴とする、金属バンプを持つプリント基板の製造方法。
【請求項8】
前記(B)段階は、
(I)前記開放ホールを含む前記ドライフィルム上にシード層を形成する段階;
(II)前記シード層上に、前記開放ホールを露出する接続パッド形成用開口を含む上部回路層形成用開口をパターニングする段階;
(III)前記上部回路層形成用開口をメッキすることで、金属バンプ及び接続パッドを含む上部回路層を形成する段階;及び
(IV)前記シード層を除去する段階;
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の金属バンプを持つプリント基板の製造方法。
【請求項9】
前記(D)段階の後、前記下部回路層上にソルダレジスト層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の金属バンプを持つプリント基板の製造方法。
【請求項10】
前記(E)段階は、
(I)前記キャリアから、前記キャリアの外層を構成する金属ホイルを分離する段階;及び
(II)前記ドライフィルムから前記金属ホイルを除去する段階;
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の金属バンプを持つプリント基板の製造方法。
【請求項11】
前記(A)段階の後、前記開放ホールの底面に接続金属層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の金属バンプを持つプリント基板の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図1J】
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【図1K】
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【図1L】
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【図1M】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−135721(P2010−135721A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54288(P2009−54288)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】