説明

鉱物質及び非鉱物質基材の表面処理のための液状弗素含有組成物

固体樹脂に対して弗素含有率約5〜75質量%を有する、多孔質及び非孔質基材の永久的表面処理のための液状弗素含有組成物が記載されており、これは、差し当たりa)ペルフルオロアルキル−成分(A)を製造し、b)反応の前、間及び後に、工程a)からのペルフルオロアルキル−成分(A)約5〜100質量部を、溶剤−成分(K)約0〜100質量部中に溶解させ、c)場合により、工程a)又はb)からのペルフルオロアルキル−成分(A)を、アミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)及び/又はアミノシラン−成分(E)(ii)約0〜50質量部の存在下に、水約1〜50質量部を用いて(部分的に)加水分解又はシラノール化し、c)このアミノ官能性付加生成物を、酸−成分(L)約5〜50質量部を用いて第4級化(直接中和)し、c)場合により遊離アルコール及び/又は溶剤−成分(K)を除去し、d)工程c)からの反応生成物を、引き続き又は同時に水約50〜1000質量部中に溶かし、かつオリゴマー化し、d)場合により遊離アルコール及び/又は溶剤−成分(K)を除去し、e)この際、場合により工程a)及び/又はb)及び/又はc)及び/又はd)の間又は後に、任意の方法で、配合−成分(M)約0〜50質量部を添加し、かつ/又は官能化−成分(N)約0〜50質量部を添加する及び/又は共に反応させることによって得られている。このようにして、鉱物質及び非鉱物質基材の永久的な撥油性、撥水性及び汚れ拒絶性表面処理又は変性のための、水蒸気通過性の被覆系が入手されている。更に、本発明による液状弗素含有組成物は、技術水準に相応する生成物と比べて、同じかつ低い弗素含有率で、明らかに良好な使用技術的特性を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
鉱物質及び非鉱物質基材を同時に疎水性化及び疎油性化するために使用することができる弗素含有オルガノシランが、EP0846715、EP846716、EP846717及びEP0960921から周知である。記載のこれら刊行物中には、水及び/又はアルコールベースのフルオロアルキル官能性オルガノポリシロキサンが記載されており、これらは弗素官能性オルガノシランをベースとしている。記載の弗素官能性オルガノシラン、例えばトリデカフロオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−トリメトキシシラン及びトリデカフロオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−トリエトキシシランは、不飽和化合物への、例えば(ペル)フルオロアルキルアルキルアルケンへのトリアルコキシシランの工業的にコストのかかるヒドロシリル化反応を介してのみ入手されている。この(ペル)フルオロアルキル変性されたアルケン及び従って弗素官能性オルガノシランの工業的入手性は限られているので、ペルフルオロアルキル−成分に関して大きい合成帯域幅を可能とし、同時に公知の系よりもコスト的に好適に製造することのできる選択的弗素含有組成物への需要が存在した。正に建築化学においては、建築物保護のための、コスト的に好適に生産可能で、広範に使用可能である疎水性化剤及び疎油性化剤(Oleo-phobierungsmitteln)への需要がある。
【0002】
従って本発明は、技術水準の前記の欠点を有せず、非常に良好な使用技術特性を有し、かつ同時に環境的、経済的及び生理学的観点を考慮して製造することのできる、種々の用途範囲用の鉱物質及び非鉱物質基材を永久的な撥油性(oelabweisenden)及び撥水性に表面処理又は表面変性するための、改良された表面特性を有する新種の弗素含有組成物を開発することを課題とした。
【0003】
この課題は、本発明により、次の方法によって得られる、固体樹脂に対して約5〜75質量%、好ましくは約10〜70質量%の弗素含有率を有する液状弗素含有組成物の提供によって解決された:
差し当たり
a)ペルフルオロアルキル−成分(A)を、
)一般式:
CF−(CF−(CH−OH
[式中、x=3〜20、y=1〜6、ここで、x=5〜13及び/又はy=1〜2が好ましい]の末端メチレン−基(炭化水素−スぺーサー)を有するペルフルオロアルキルアルコール及び/又は一般式:
CFCFCFO−(CF(CF)CFO)−CF(CF)CH−OH
[式中、z=1〜10、ここで、z=4〜10が好ましい]のヘキサフルオロプロペンオキシド(HFPO)−オリゴマー−アルコール
を包含する(ペル)フルオロアルキルアルコール−成分(B)(i)及び/又は(ペル)フルオロアルキルアルキレンアミン−成分(B)(ii)
及び/又は
約1〜99質量%、好ましくは約10〜90質量%のポリマー結合弗素含有率を有し、約100〜10000ドルトン、好ましくは約・・・ドルトンの分子量を有し、
主鎖及び/又は側鎖中に鎖間(intrachenal)及び/又は側面(lateral)及び/又は末端に配置された構造因子:−(CFCF−(ここで、n≧3)及び/又は
−(CFCFRO)−(ここで、n≧3 及びR=F、CF
を含有し、反応性脂肪族及び/又は芳香族ヒドロキシル−基及び/又は第1級及び/又は第2級のアミノ−基及び/又はメルカプト−基それぞれ1個以上を有する、弗素変性されたマクロモノマー又はテレケレ(Telechele)(B)(iii)
約5〜95質量%、有利には約10〜90質量%
を、一般式:
OCN−(CH−Si(OR3−x
[式中、x=0、1、2、 R、R=C−原子1〜25を有するアルキル]の
3−イソシアナートプロピル−トリアルコキシシラン及び/又は3−イソシアナートプロピルアルコキシアルキルシラン及び/又はイソシアナートアルキルアルコキシシランを包含するイソシアナートアルキル−アルコキシシラン−成分(C)(i)
及び/又は弗素含有組成物の(環状)脂肪族及び/又は芳香族イソシアナート−基1個以上及びアルコキシシラン−基1個以上を有する、約200〜2000ドルトン、好ましくは約200〜500ドルトンの分子量の他のイソシアナートシラン−成分(C)(ii)
約95〜5質量%、好ましくは90〜10質量%
と反応させることによって製造するか、又は
2.1)(ペル)フルオロアルキルアルコール−成分(B)(i)及び/又は(ペル)フルオロアルキルアルキレンアミン−成分(B)(ii)及び/又は弗素変性されたマクロモノマー又はテレケレ(B)(iii)
約5〜95質量%、好ましくは約10〜90質量%
を、同じ又は異なる反応性の(環状)脂肪族及び/又は芳香族イソシアナート−基2個以上を有するジイソシアナート、ポリイソシアナート、ポリイソシアナート−誘導体又はポリイソシアナート−同族体少なくとも1種から成るポリイソシアナート−成分(D)
47.5〜5質量%、好ましくは約45〜10質量%
と反応させ(この際、反応条件及び成分(B)及び(D)の選択性を、成分(D)のイソシアネート−基1個のみが成分(B)と反応するように選択する)、
2.2)引き続き、工程a2.1)からの前付加生成物を、
一般式:
−NH−(CH−Si(OR3−x
N−(CH−Si(OR3−x
[式中、x=0、1、2、 R、R=C−原子1〜25、好ましくはC−原子1〜4を有するアルキル、
=H、C−原子1〜10、殊にC−原子1〜4を有するアルキル、C−原子6〜14、殊に6〜12、好ましくは6〜10を有するアリール、
(RO)3−xSi(CH
N−(CH−[NH−(CH
(ここで、n=0〜10、好ましくはn=0〜1である)]の3−アミノプロピルトリアルコキシシラン及び/又は(置換)3−アミノプロピルアルコキシアルキルシランを包含するアミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)
及び/又は約200〜2000ドルトン、好ましくは約200〜1000ドルトンの分子量を有し、第1級及び/又は第2級及び/又は第3級のアミノ基1個以上及びアルコキシシラン−基1個以上を有する他のアミノシラン−成分(E)(ii)
約47.5〜5質量%、有利には約45〜10質量%
と更に反応させることによって製造するか、又は
)(ペル)フルオロアルキルアルコール−成分(B)(i)及び/又は(ペル)フルオロアルキルアルキレンアミン−成分(B)(ii)及び/又はフルオロ変性マクロモノマー又はテレケレ(B)(iii)
約5〜95質量%、好ましくは約10〜90質量%
を、一般式:
CHOCH−CHO−(CH−Si(OR3−x
[式中、x=0、1、2、 R、R=C−原子1〜25、殊にC−原子1〜4を有するアルキル]の(置換)3−グリシジルオキシプロピルトリアルコキシシランから成るエポキシアルキロールアルコキシシラン−成分(F)(i)及び/又は
エポキシド−基1個以上及びアルコキシシラン−基1個以上を有する、約200〜2000ドルトン、好ましくは約200〜1000ドルトンの分子量の他のエポキシシラン−成分(F)(ii) 約95〜5質量%、好ましくは約90〜10質量%
と反応させることによって製造するか、又は
)(ペル)フルオロアルキルアルコール−成分(B)(i)及び/又は(ペル)フルオロアルキルアルキレンアミン−成分(B)(ii)及び/又は弗素変性されたマクロモノマー又はテレケレ(B)(iii)
約5〜95質量%、好ましくは約10〜90質量%
を、ポリイソシアナート−成分(D)
約47.5〜5質量%、好ましくは約45〜10質量%
及びエポキシアルキロールアルコキシシラン−成分(F)(i)及び/又はエポキシシラン−成分(F)(ii)
約47.5〜5質量%、好ましくは約45〜10質量%
と反応させることによって製造するか、又は
)一般式:
CF−(CF−(CH−CHOCH
[式中、x=3〜20、y=1〜6、ここで、x=5〜13及び/又はy=1〜2が好ましい]の(ペル)フルオロアルキルアルキレンオキシド−成分(G)
約5〜95質量%、好ましくは約10〜90質量%
を、アミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)及び/又はアミノシラン−成分(E)(ii) 約95〜5質量%、好ましくは約90〜10質量%
と反応させることによって製造するか、又は
)(ペル)フルオロアルキルアルキレンオキシド−成分(G)
約5〜95質量%、好ましくは約10〜90質量%
を、イソシアナートアルキルアルコキシシラン−成分(C)(i)及び/又はイソシアナートシラン−成分(C)(ii)
約95〜5質量%、好ましくは約90〜10質量%
と反応させることによって製造するか、又は
)一般式:
CF−(CF−CH=CH
[式中、x=3〜20、殊にx=5〜13]の(ペル)フルオロアルキルアルケン−成分(H) 約5〜95質量%、好ましくは約10〜90質量%
を、アミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)及び/又はアミノシラン−成分(E)(ii) 約95〜5質量%、好ましくは約90〜10質量%
と反応させることによって製造するか、又は
)(ペル)フルオロアルキルアルコール−成分(B)(i)及び/又は(ペル)フルオロアルキルアルキレンアミン−成分(B)(ii)
約5〜95質量%、好ましくは約10〜90質量%
を、一般式:
CH=C(CH)−CO−(CH−Si(OR3−x
[式中、x=0、1、2、 R、R=C−原子1〜25、殊にC−原子1〜4を有するアルキル]のメタクリロイルオキシアルキルアルコキシシラン−成分(I)(i)及び/又は(メタ)アクリレート−1個以上及びアルコキシシラン−基1個以上を有する、約200〜2000ドルトン、殊に200〜1000ドルトンの分子量の他のメタクリロイルシラン−成分(I)(ii) 約95〜5質量%、好ましくは約90〜10質量%
と反応させることによって製造するか、又は
)(ペル)フロオロアルキルアルキレン(メタ)アクリレート−成分(J)
約5〜95質量%、好ましくは約10〜90質量%
を、アミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)及び/又はアミノシラン−成分(E)(ii) 約95〜5質量%、好ましくは約90〜10質量%
と反応させることによって製造し、
引き続き、
b) 工程a)からのペルフロオロアルキル−成分(A)の約5〜100質量部、好ましくは約10〜95質量部を、この反応の前、間又は後に、溶剤−成分(K)約0〜100質量部、好ましくは約0〜95質量部中に溶解させ、
) 工程a)又はb)からのペルフルオロアルキル−成分(A)を、アミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)及び/又はアミノシラン−成分(E)(ii)約0〜50質量部、好ましくは約0〜45質量部の存在下に、水約1〜50質量部、好ましくは約5〜45質量部を用いて(部分的に)加水分解又はシラノール化し、
)このアミノ官能性付加生成物を、酸−成分(L)約1〜50、好ましくは約5〜45質量部を用いて第4級化し、
)場合により遊離アルコール及び/又は溶剤−成分(K)を除去し、
)工程c)からの反応生成物を、引き続き又は同時に、水約50〜1000、好ましくは約100〜900質量部中に溶かし、かつオリゴマー化し、
)場合により遊離アルコール及び/又は溶剤−成分(K)を除去し、
e)この際、場合により、工程a)及び/又はb)及び/又はc)及び/又はd)の間又は後に、任意の方法で、配合−成分(M)約0〜50、好ましくは約0〜45質量部を添加し及び/又は官能化−成分(N)約0〜50、好ましくは約0〜45質量部を添加し及び/又は共に反応させる。
【0004】
好ましい1実施形によれば、反応工程a2.1)で、成分(B)が、前装入された成分(D)に配量添加されるのが有利であり、この際、大過剰のNCO−基が過少量のOH−及び/又はNH(2)−基と反応し、その際、こうして不所望の副反応又はオリゴマー化が抑制される。
【0005】
意外にも、この液状弗素含有組成物の使用によって、鉱物質及び非鉱物質基材の永久的な撥油性、撥水性及び汚れ拒絶性の表面処理又は表面変性のための水蒸気通過性被覆系を提供することができるだけではなく、これはなお、同じ及び低い弗素含有率の場合に、技術水準と比べて明らかに良好な使用技術的特性を有することが判明した。好適な弗素含有構成成分の使用によって、弗素含有組成物の臨界表面張力γ及び接触角θを、疎水性及び疎油性が非常に低い作用物質用量で又は非常に低い弗素含有率で既に達することができるように至適化することができた。更に、弗素変性された反応性樹脂系が、なお溶剤不含でも又は溶剤少量でも製造できることは予測可能ではなかった。
【0006】
ペルフルオロアルキル−成分(A)は、例えば、
成分(B)(i)及び/又は(B)(ii)並びに場合による(B)(iii)と
成分(C)(i)及び/又は(C)(ii)もしくは
(D)並びに(E)(i)及び/又は(E)(ii)もしくは
(F)(ii)もしくは
(D)及び(F)(i)及び/又は(F)(ii)もしくは
(I)(i)及び/又は(I)(ii)とからの、又は
成分(G)と
成分(E)(i)及び/又は(E)(ii)もしくは
(C)(i)及び/又は(C)(ii)とからの、
又は成分(E)(i)及び/又は(E)(ii)と成分(H)又は成分(J)並びに場合によっては(N)とからの反応生成物である。
【0007】
好適な(ペル)フルオロアルキルアルキレンアルコール−成分(B)(i)としては、例えばペルフルオロアルキルアルコールの市販混合物(Zonyl(登録商標)BA、BAL、BALD、Fa.Du Pont de Nemours)又はヘキサフルオロプロペンオキシド(HFPO)−オリゴマー−アルコールの市販混合物(Krytox(登録商標)、Fa.Du Pont de Nemours)又はこれらの好適な組み合わせ物を使用することができる。
【0008】
好適な(ペル)フルオロアルキルアルキレンアルコール−成分(B)(i)としては、例えば特に次のものが使用できる:2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロパノール、1H,1H−2,5−ジ(トリフルオロメチル)−3,6−ジオキサウンデカフルオロノナノール、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオール、1H,1H−ヘプタフルオロブタノール、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノナノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブタノール、2H−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、1H,1H,5H−オクタフルオロペンタノール、1H,1H−ペンタフルオロプロパノール、2−(ペルフルオロブチル)エタノール、3−(ペルフルオロブチル)プロパノール、6−(
ペルフルオロブチル)ヘキサノール、1H,1H−ペルフルオロ−1−デカノール、2−(ペルフルオロデシル)エタノール、6−(ペルフルオロエチル)ヘキサノール、2−(ペルフルオロヘキシル)エタノール、6−(ペルフルオロヘキシル)ヘキサノール、3−(ペルフルオロヘキシル)プロパノール、1H,1H−ペルフルオロ−1−ノナノール、1H,1H−ペルフルオロ−1−オクタノール、2−(ペルフルオロオクチル)エタノール、6−(ペルフルオロオクチル)ヘキサノール、3−(ペルフルオロオクチル)プロパノール、2−(ペルフルオロ−3−メチルブチル)エタノール、6−(ペルフルオロ−1−メチルエチル)ヘキサノール、2−(ペルフルオロ−5−メチルヘキシル)エタノール、2−(ペルフルオロ−7−メチルオクチル)エタノール、2−ペルフルオロプロポキシ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、1H,1H,3H−テトラフルオロプロパノール、1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロ−1−ヘキサデカノール、1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロ−1−テトラデカノール並びに1H,1H−トリフルオロエタノール又はこれらの工業的異性体混合物、市販品Fa.ClariantのFluowet(登録商標)EA600、EA800、EA093、EA612、EA612N、EA812AC、EA812IW、EA812EP、EA6/1020、Fa.Du Pont de Nemoursの市販品Zonyl(登録商標)FSH、FSO、FSN、FS−300、FSN−100、FSO−100又はこれらの好適な組み合わせ物。
【0009】
好適な(ペル)フルオロアルキルアルキレンアミン−成分(B)(ii)としては、例えば、1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−1−オクチルヨーダイド、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロ−1−オクチルヨーダイド及び好適なアミノ化試薬又はこれらの好適な組み合わせ物が使用できる。
【0010】
好適な弗素変性マクロモノマー又はテレケレ(B)(iii)としては、例えばテトラフルオロエチレン及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをベースとするヒドロキシ官能性コポリマー、例えばFa.Daikinの市販品Zeffle(登録商標)GK−500、GK−510、GK550又はこれらの好適な組み合わせ物が使用できる。
【0011】
好適なイソシアナートアルキルアルコキシシラン−成分(C)(i)及び/又はイソシアナートシラン−成分(C)(ii)としては、例えばFa.GE Siliconsの市販品Silquest(登録商標)A−1310Silane、Silquest(登録商標)A−Link(商標)25Silane、Silquest(登録商標)A−Link(商標)35Silane((3−イソシアナートプロピル)トリメトキシシラン)、Silquest(登録商標)A−Link(商標)597Silane、Silquest(登録商標)FR−522Silane、Silquest(登録商標)Y−5187Silane、Fa.Wacker-Chemie GmbHの市販品 GENIOSIL(登録商標)GF40((3−イソシアナートプロピル)トリメトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)XL42((イソシアナートメチル)メチルジメトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)XL43((イソシアナートメチル)トリメトキシシラン)又はこれらの好適な組み合わせ物が使用できる。3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン及び/又は3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが有利に使用される。
【0012】
好適なポリイソシアナート−成分(D)としては、例えば:同じ又は異なる反応性を有する脂肪族又は芳香族イソシアナート基2個以上を有するポリイソシアナート又はポリイソシアナート−誘導体又はポリイソシアナート−同族体又はそれらの好適な組み合わせ物が使用できる。殊にポリウレタン−化学で周知のポリイソシアナート又はこれらの組み合わせ物が好適である。好適な脂肪族ポリイソシアナートとしては、例えば1,6−ジイソシアナートヘキサン(HDI)、1−イソシアナート−5−イソシアナートメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン又はイソホロンジイソシアナート(IPDI、Fa.Degussa AGの市販品VESTANAT(登録商標)IPDI)、ビス−(4−イソシアナートシクロ−ヘキシル)−メタン(H12MDI、Fa.Degussa AGの市販品VESTANAT(登録商標)H12MDI−P)、1,3−ビス−(1−イソシアナート−1−メチル−エチル)−ベンゾール(m−TMXDI)又は個々の芳香族ポリイソシアナートの工業的異性体−混合物が使用できる。好適な芳香族ポリイソシアナートとしては、例えば2,4−ジイソシアナートトルオール又はトルオールジイソシアナート(TDI)、ビス−(4−イソシアナートフェニル)−メタン(MDI)及び場合によるその高級同族体(ポリマーMDI)又は個々の芳香族ポリイソシアナートの工業的異性体−混合物が使用できる。更に、ビス−(4−イソシアナートシクロ−ヘキシル)−メタン(H12MDI)、1,6−ジイソシアナートヘキサン(HDI)、1−イソシアナート−5−イソシアナートメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン(IPDI)をベースとするいわゆる「ラックポリイソシアナート(Lackpolyisocyanate)」も原則的に好適である。この概念「ラックポリイソシアナート」は、モノマージイソシアナートの基含有率が技術水準に相応して最小まで減少された、ジイソシアナートのアロファナート−、ビウレット−、カルボジイミド−、イソシアヌレート−、ウレトジオン−、ウレタン−基を有する誘導体を特徴付けている。これと並んでなお、例えば1,6−ジイソシアナートヘキサン(HDI)をベースとする「ラックポリイソシアナート」の親水性変性により入手される、変性ポリイソシアナートも使用することができる。イソホロンジイソシアナート及び/又はトルエンジイソシアナートが有利に使用される。
【0013】
好適なアミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)及び/又はアミノシラン−成分(E)(ii)としては、例えば次のものが使用できる:Fa.Degussa AGの市販品DYNASILAN(登録商標)AMMO((3−アミノプロピル)トリメトキシシラン)、DYNASILAN(登録商標)AMEO(AMEO−P)((3−アミノプロピル)トリエトキシシラン)、DYNASILAN(登録商標)AMEO−T、DYNASILAN(登録商標)DAMO(DAMO−P)((N−(2−アミノエチル)(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン)、DYNASILAN(登録商標)DAMO−T、DYNASILAN(登録商標)TRIAMO、DYNASILAN(登録商標)1122(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン)、DYNASILAN(登録商標)1126、DYNASILAN(登録商標)1146、DYNASILAN(登録商標)1161、DYNASILAN(登録商標)1172、DYNASILAN(登録商標)1189(N−(N−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、DYNASILAN(登録商標)1204、DYNASILAN(登録商標)1211、DYNASILAN(登録商標)1411(2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)、DYNASILAN(登録商標)1505(3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン)、DYNASILAN(登録商標)1506、DYNASILAN(登録商標)2201、DYNASILAN(登録商標)1151()、DYNASILAN(登録商標)HS2627(HYDROSIL(登録商標)2627)、DYNASILAN(登録商標)HS2775(HYDROSIL(登録商標)2775)、DYNASILAN(登録商標)HS2776(HYDROSIL(登録商標)2776)、DYNASILAN(登録商標)HS2781(HYDROSIL(登録商標)2781)、DYNASILAN(登録商標)HS2907(HYDROSIL(登録商標)2907)、DYNASILAN(登録商標)2909(HYDROSIL(登録商標)2909)、Fa GE .Siliconsの市販品Silquest(登録商標)A−1100Silane、Silquest(登録商標)A−1101Silane、Silquest(登録商標)A−1102Silane、Silquest(登録商標)A−1106 Silane、Silquest(登録商標)A−1110Silane、Silquest(登録商標)A−1120Silane、Silquest(登録商標)A−1130Silane、Silquest(登録商標)A−1160Silane、Silquest(登録商標)A−1170Silane、Silquest(登録商標)A−1637Silane、Silquest(登録商標)A−2120Silane、Silquest(登録商標)A−2639Silane、Silquest(登録商標)A−Link(商標)15Silane、Silquest(登録商標)Y−9669Silane、Fa.Wacker Chemie GmbHの市販品GENIOSIL(登録商標)GF9(N−(2−アミノエチル)(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)GF91((N−(2−アミノエチル)(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)GF93((3−アミノプロピル)トリエトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)GF95((N−(2−アミノエチル)(3−アミノプロピル)メチルジメトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)GF96(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)GF XL924((N−シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)XL926((N−シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)GF XL972((N−フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)XL973((N−フェニルアミノメチル)トリメトキシシラン)又はこれらの好適な組み合わせ物。3−アミノプロピルトリメトキシシラン及び/又は3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び/又はN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及び/又はN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランが有利に使用される。
【0014】
好適なエポキシアルキロールアルコキシシラン−成分(F)(i)又はエポキシシラン−成分(F)(ii)としては、例えば次のものが使用できる:Fa.Degussa AGの市販品DYNASILAN(登録商標)GLYMO((3−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン)、DYNASILAN(登録商標)GLYEO((3−グリシジルオキシプロピル)トリエトキシシラン)、DYNASILAN(登録商標)HS2926(HYDROSIL(登録商標)2926)、Fa.GE Siliconesの市販品CoatOSil(登録商標)1770、Silquest(登録商標)A−187Silane、Silquest(登録商標)A−186Silane、Silquest(登録商標)WetLink 78Silane、Fa.Wacker Chemie GmbHの市販品GENIOSIL(登録商標)GF80((3−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)GF82((3−グリシジルオキシプロピル)トリエトキシシラン)又はこれらの適当な組み合わせ物。3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン及び/又は3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシランが有利に使用される。
【0015】
好適な(ペル)フルオロアルキルアルキレンオキシド−成分(G)としては、例えば次のものが使用できる:4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフロオロヘキセン−1,2−オキシド、4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプテン−1,2−オキシド、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロノネン−1,2−オキシド、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロウンデセン−1,2−オキシド又はこれらの好適な組み合わせ物。4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロノネン−1,2−オキシド及び/又は4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロウンデセン−1,2−オキシドが有利に使用される。
【0016】
好適な(ペル)フルオロアルキルアルケン−成分(H)としては、例えば、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデセン、Fa.DuPont de Nemoursの市販品Zonyl(登録商標)PFBE(オレフィン−ベース)又はこれらの好適な組み合わせ物が使用できる。3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン及び/又は3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−1−デセンが有利に使用される。
【0017】
好適なメタクリロイルオキシアルキルアルコキシシラン−成分(I)(i)及び/又はメタクリロイルシラン−成分(I)(ii)としては、例えば次のものが使用できる:Fa.Degussa AGの市販品DYNASILAN(登録商標)MEMO((3−メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン)、Fa.GE Siliconesの市販品Silquest(登録商標)A−174Silane、Wacker-Chemie GmbHの市販品GENIOSIL(登録商標)GF31((3−メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)GF XL32((3−メタクリロイルオキシメチル)メチルジメトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)XL33((3−メタクリロイルオキシメチル)トリメトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)XL34((3−メタクリロイルオキシメチル)メチルジエトキシシラン)、GENIOSIL(登録商標)XL36((3−メタクリロイルオキシメチル)トリエトキシシラン)又はこれらからの好適な組み合わせ物。3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン及び/又は3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランが有利に使用される。
【0018】
好適な(ペル)フルオロアルキルアルキレン(メタ)アクリレート−成分(J)としては、例えば次のものが使用できる:1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、2−(ペルフルオロブチル)エチルアクリレート、3−(ペルフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(ペルフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアクリレート、3−ペルフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(ペルフルオロ−3−メチルブチル)エチルアクリレート、3−(ペルフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(ペルフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルアクリレート、3−(ペルフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(ペルフルオロ−7−メチルオクチル)エチルアクリレート、3−(ペルフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(ペルフルオロオクチル)エチルアクリレート、3−ペルフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチルアクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−(ペルフルオロブチル)エチルメタクリレート、3−(ペルフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(ペルフルオロデシル)エチルメタクリレート、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルメタクリレート、3−ペルフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(ペルフルオロ−3−メチルブチル)エチルメタクリレート、3−(ペルフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(ペルフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルメタクリレート、3−(ペルフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(ペルフルオロ−7−メチルオクチル)エチルメタクリレート、3−(ペルフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(ペルフルオロオクチル)エチルメタクリレート、3−ペルフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、1H−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチルメタクリレート、Fa.DuPont de Nemoursの市販品Zonyl(登録商標)TA−N(アクリル−ベース)及びTM(メタクリレート−ベース)又はこれらの好適な組み合わせ物。メタクリル酸−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルエステル)及び/又はメタクリル酸−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルエステル)が有利に使用される。
【0019】
溶剤−成分(K)は、例えば低沸点及び/又は高沸点の溶媒である。好適な溶剤としては、例えば低沸点溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、高沸点溶媒、例えばN−メチルピロリドン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(Fa.Dow Chemicalの市販品Proglyde(登録商標)DMM)、環状プロピレンカーボネート又はこれらの好適な組み合わせ物を使用することができる。成分(C)及び/又は(D)及び/又は(F)及び/又は(G)に対して反応性の水素原子を有する溶剤の使用時には、これらを場合によっては反応工程a)の後にはじめて添加するのが有利である。
【0020】
酸−成分(L)は、例えば1塩基性又は多塩基性の無機及び/又は有機の酸である。好適な酸として、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸のような有機酸、例えば硝酸、塩酸、硫酸、二酸化炭素又は炭酸、燐酸のような無機酸、第1〜3主族の元素の酸性塩又はこれらの好適な組み合わせ物が使用できる。ギ酸及び/又は酢酸及び/又は二酸化炭素が有利に使用される。
【0021】
配合−成分(M)は、例えば(官能化された)無機及び/又は有機の充填剤、軽質充填剤、顔料及び担体物質、無機及び/又は有機のナノ物質、無機及び/又は有機の繊維、他のポリマー及び/又はポリマー分散液及び/又は全ての種類の再分散可能なポリマー−粉末、消泡剤、脱気剤、潤滑−及びレベリング添加剤、基質湿潤化添加剤、湿潤−及び分散添加剤、疎水性化剤、レオロジー添加剤、脱乳化助剤、艶消し剤、付着助剤、凍結防止剤、酸化防止剤、UV−安定剤、殺細菌剤、殺真菌剤、水、溶剤及び全ての種類の触媒並びにこれらの好適な組み合わせ物である。これらの成分は、塗装−及び被覆技術から周知であり、これに関しては、U.Zorll(Herausg.): Lehrbuch der Lacktechnologie,Curt R. Vincentz Verlag Hannover 1998も参照されたし。
【0022】
成分(M)は、被覆され及び/又はマイクロカプセル化され及び/又は担体固定され及び/又は親水性化された及び/又は溶剤含有の形で存在していてよい。
【0023】
官能化−成分(N)は、例えば約10〜1000、好ましくは約32〜499ドルトンの分子量の低分子ポリオール及び/又はポリアミン及び/又は約500〜10000ドルトン、好ましくは1000〜5000ドルトンの分子量の高分子(ポリマー)ポリオール及び/又はポリアミン及び/又は1個以上のヒドロキシル−及び/又はアミノ基を有する、約50〜10000、好ましくは118〜5000ドルトンの分子量のアニオン及び/又はカチオン変性可能な(ポリマー)ポリオール及び/又はポリアミン及び/又は(親水性又は疎水性変性された)(ポリマー)ポリオール及び/又は1個以上のアルコキシシラン−基及び場合によっては1個以上のアミノ−及び/又はヒドロキシル−及び/又はメルカプト−及び/又はイソシアナート−及び/又はエポキシド−基を有する、約250〜10000、好ましくは500〜5000ドルトンの分子量の(ポリマー)化合物(この際、これらの化合物は成分(C)、(E)、(F)及び(I)から選択されてはいない)である。ジメチロールプロピオン酸及び/又はヒドロキシピバリン酸及び/又は2(3−ヒドロキシプロピオン酸が有利に使用される。官能化−成分(N)を用いて、更なる官能基を弗素含有組成物中に導入することができる。この場合に結合は、任意な方法で、反応工程a)による成分(A)を介して及び/又は縮合反応及び/又は反応工程b)〜d)による更なる反応を介して行われ、この際に、オリゴマー生成物ではなく特定のウレタン付加生成物がモノマーの形で形成される。成分(N)を用いて、例えばカルボキシル−又はカルボキシレート−基(これらは適当なアンモニウム−基に対する対アニオン、例えばヒドロゲンカーボネートと共同して、専門文献から公知のコアセルベーシヨン−特性を有する弗素含有組成物をもたらす)を導入することができる。
【0024】
弗素含有組成物は、成分(B)及び/又は(C)及び/又は(D)及び/又は(E)及び/又は(F)及び/又は(G)及び/又は(H)及び/又は(I)及び/又は(J)及び/又は(L)及び/又は(N)から成る固体樹脂に対して約5〜75質量%、好ましくは約10〜70質量%の弗素含有率を有し、側面及び/又は末端に配置された構造因子:
−(CFCF−(ここで、n≧3)及び/又は
−(CFCFRO)−(ここで、n≧3、R=F、CF)並びに
−NRH"RCO"及び/又は
−NRH"CO"
と−COHとの組み合わせ
(ここで、R、R=H、C−原子約1〜100、好ましくはC−原子1〜4及びN−原子0〜約100、好ましくは約0〜10及び/又はO−原子0〜100、好ましくは約0〜10及び/又はF−原子0〜約1000、好ましくは約0〜10及び/又はSi−原子0〜約100、好ましくは約0〜10を有する、任意の無機及び/又は有機の、かつ場合によってはポリマーの基である)を含有している。
【0025】
本発明のもう一つの課題は、本発明による弗素含有組成物の製造法であり、これは次の特徴を有する:
a)
成分(B)(i)及び/又は(B)(ii)並びに場合により(B)(iii)と
成分(C)(i)及び/又は(C)(ii)もしくは
(D)並びに(E)(i)及び/又は(E)(ii)もしくは
(F)(i)及び/又は(F)(ii)もしくは
(D)及び(F)(i)及び/又は(F)(ii)もしくは
(I)(i)及び/又は(I)(ii)
との反応によって、又は
成分(G)と
成分(E)(i)及び/又は(E)(ii)もしくは
(C)(i)及び/又は(C)(ii)との反応によって、又は
成分(E)(i)及び/又は(E)(ii)と
成分(H)もしくは(J)との反応によって、
ペルフルオロアルキル−成分(A)を製造し、
b) 工程a)からのペルフルオロアルキル−成分を、この反応の前、間又は後に、場合により溶剤−成分(K)中に溶解させ、
) 工程a)又はb)からのペルフルオロアルキル−成分(A)を、場合により、更なるアミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)及び/又はアミノシラン−成分(E)(ii)の存在下に、水で(部分的に)加水分解又はシラノール化し、
)アミノ官能性付加生成物を、酸−成分(L)で第4級化(直接中和)し、かつ引き続き又は同時に水中に溶解させ、
) 場合により遊離アルコール及び/又は溶剤−成分(K)を除去し、
) 工程c)からの反応生成物を、引き続き又は同時に水中に溶かし、かつオリゴマー化し、
) 場合により遊離アルコール及び/又は溶剤−成分(K)を留去し、
e) この際、場合により、工程a)及び/又はb)及び/又はc)及び/又はd)の間又は後に、任意の方法で配合−成分(M)を添加し及び/又は官能化−成分(N)を添加し及び/又はこれと反応させる。
【0026】
反応工程c)及びd)は、任意の方法でかつ順序で組み合わせることができる。
【0027】
工程b)では、付加的にアルコール性溶剤−成分(K)を用いて、ペルフルオロアルキル−成分(A)のアルコキシシラン−基のエステル交換を実施することができる。
【0028】
工程d)で、遊離アルコール及び/又は溶剤−成分(K)を(共沸)蒸留によって除去し、かつ場合によっては、この際に取り出される水を引き続き又は同時に再び添加することができる。
【0029】
工程d)で、酸−成分(L)を水と一緒に装入することができる(間接的中和)。
【0030】
反応工程a)による弗素含有組成物は、有利に純粋な形で装入されるが、反応工程b)による弗素含有組成物は、殊に反応工程d)による溶剤含有及び弗素含有組成物中に、水性の及び場合により溶剤含有形で存在するのが有利である。
【0031】
反応工程a)は、殊に約40〜120℃、有利には約50〜110℃の温度で実施される。反応工程b)は、殊に約20〜60℃、有利には約20〜30℃の温度で実施される。反応工程c)及びd)は、殊に約30〜110℃、有利には約40〜100℃の温度で実施される。
【0032】
反応工程c)及び/又はd)は、殊に約1〜7のpH値、有利には約2〜6のpH値、特に好ましくは約3〜5のpH値で実施される。
【0033】
工程c)及びd)の反応生成物中の弗素原子と窒素原子との当量比は、殊に約1:50〜50:1、有利には約1:25〜25:1、特に好ましくは約1:10〜10:1に調節される。
【0034】
工程c)中のアルコキシシラン−基と水との当量比は、殊に約1:10〜10:1、有利には約1:5〜5:1に調節される。
【0035】
反応工程a)における成分(B)と(C)及び場合による(N)のNCO/OH+NH(2)−当量比を、約0.95〜1.05の値に調節するのが有利である。
【0036】
反応工程a)における成分(B)及び(D)及び場合による(N)のNCO/OH+NH(2)−当量比を、約1.9〜2.1に、かつ反応工程a)における前付加生成物及び成分(E)及び場合による(N)のNCO/OH+NH(2)−当量比は、殊に約0.95〜1.05に調節するのが有利である。
【0037】
反応工程a)及び/又はa)及び/又はa)は、反応生成物に対して約0.01〜1質量%の、ポリイソシアネートへの重付加反応のために慣用の触媒の存在下に実施することができる。
【0038】
反応工程a)及び/又はa)及び/又はa)及び/又はa)及び/又はa)及び/又はa)は、反応生成物に対して約0.01〜1質量%の、好適な触媒の存在下に実施することができる。
【0039】
反応工程a)及びb)における成分(B)及び/又は(C)及び/又は(D)及び/又は(E)及び/又は(F)及び/又は(G)及び/又は(H)及び/又は(I)及び/又は(J)及び場合による(N)から成っている弗素含有組成物の固体含有率は、殊に約10〜100質量%、有利には約100質量%に調節される。
【0040】
反応工程d)及びe)における成分(B)及び/又は(C)及び/又は(D)及び/又は(E)及び/又は(F)及び/又は(G)及び/又は(H)及び/又は(I)及び/又は(J)及び(L)及び場合による(N)から成っている弗素含有組成物の固体含有率は、殊に約10〜90質量%、有利には約20質量%に調節される。
【0041】
反応工程d)及びe)中の成分(B)及び/又は(C)及び/又は(D)及び/又は(E)及び/又は(F)及び/又は(G)及び/又は(H)及び/又は(I)及び/又は(J)及び場合による(K)及び(L)及び場合による(M)及び場合による(N)から成っている弗素含有組成物のpH値は、殊に約1〜7、有利には約2〜6に調節される。
【0042】
反応工程d)及びe)中の成分(B)及び/又は(C)及び/又は(D)及び/又は(E)及び/又は(F)及び/又は(G)及び/又は(H)及び/又は(I)及び/又は(J)及び場合による(K)及び(L)及び場合による(M)及び場合による(N)から成っている弗素含有組成物の粘度(ブルックフィールド)は、有利に約1〜10000mPa・sに調節される。
【0043】
工程c)で使用される水は、成分(A)及び場合によっては(E)中に含有されている加水分解可能なアルコキシシラン−基(RO−Si)を加水分解してシラノール基(HO−Si)(これは、シロキサン−基(Si−O−Si)の形成下に共縮合することができる)にする作用をする。工程d)で使用される水は、更なる縮合反応の領域でオリゴマー化して、オリゴマー化されたオルガノシロキサン−共縮合物を形成する作用をする。通常、工程c)における水量は、差し当たり、制御された共縮合が行われるように計量される。工程c)及びd)で進行する反応は、pH値、反応温度及び反応時間の適切な組み合わせによって制御することができ、これらは当業者によって困難なく決めることができる。
【0044】
本発明の方法で製造された弗素含有組成物は、安定であり、かつ通常は澄明な溶液である。本発明による弗素含有組成物は、適宜、水及び/又はアルコールで任意の割合で希釈することができる。
【0045】
本発明のもう一つの課題は、本発明による弗素含有組成物を、建築−又は工業分野で、下記のような鉱物質及び非鉱物質基材の永久的な撥油性、撥水性及び汚れ拒絶性の表面処理又は表面変性のために使用することに関する:
・ 無機表面、
例えば全ての種類の多孔質で吸収性の、粗面の及び研磨された建築材料及び建築加工材料(例えばコンクリート、石膏、珪酸及び珪酸塩、人造石材、天然石材、例えば花崗岩、大理石、砂岩、板岩、蛇紋岩、粘土、セメント、煉瓦)並びにエナメル、充填剤及び顔料、ガラス及びガラス繊維、セラミック、金属及び合金、
・ 有機表面
例えば織布及び繊維材料、木材及び木材加工材料、木材家具、ガラス繊維強化プラスチック(GFK)、プラスチック、皮革、天然繊維、全ての種類のポリマー、複合材料。
【0046】
更に本発明による弗素含有組成物は、下記の用途分野での永久的な撥油性、撥水性及び汚れ拒絶性の表面処理又は表面変性のために好適である:
建築、例えば
・ 落書き防止コーティング(Antigraffiti Coatings)
・ 汚れ防止コーティング(Antisoiling Coatings)
・ 易清掃コーティング(Easy-to-clean Coatings)
・ 全ての種類の他の被覆処理(例えば、バルコニー被覆、屋根(瓦)被覆、焼付け塗装、彩色塗装及びラッカー塗装、屋外建造物塗装、床被覆、低−、中−及び高度負荷可能な工業用床張り、駐車場カバー被覆、スポーツ用床張り、粉体塗装)
・ コーキング(Abdichtung)
・ 建築物及び屋外建造物保護材
・ コンクリート既成部材
・ コンクリート成形部材
・ タイル及びジョイント
・ 接着−及び封隙剤
・ 防音壁
・ 防食剤
・ 漆喰及び装飾漆喰
・ 断熱複合系(WDVS)及び断熱系(WDS)、
並びに
非建築及び工業、例えば
・ 添加剤(例えば付着助剤、分離剤、架橋剤)
・ 自動車工業
・ コイルコーティング
・ 焼き付け塗料
・ 彩色塗料及びラッカー
・ 織布−及び繊維材料被覆
・ ガラス繊維及びガラス表面
・ セラミック及び衛生用セラミック
・ 皮革仕上げ剤
・ 表面変性された充填剤及び顔料
・ 紙用塗料
・ 風力発電装置のロータ
・ 船舶塗料。
【0047】
更に本発明による弗素含有組成物は、建築−又は工業分野における、例えば次のようなコンクリートの大量−疎水性化/−疎油性化のために好適である:
・ コンクリート既成部材
・ コンクリート成形部材
・ 場所うちコンクリート
・ 吹き付けコンクリート
・ 輸送コンクリート。
【0048】
本発明による弗素含有組成物は、そのオリゴマー構造に基づき、有利に、ヒドロキシル基含有基材表面と優れて反応することのできる、高濃度のシラノール−官能基を含有する。多様な基材と結びつく被覆及び含浸は、熱処理、界面活性剤処理及びUV−処理の後にも、優れた撥油性と同時に撥水性を与える。更に相応する検査で、種々の基材上で、>6ヶ月後にも、本発明による弗素含有組成物のその作用効果の低下又は不安定化は認められなかったことが明らかにできた。本発明による弗素含有組成物の使用の場合に、簡単かつ優れた方法で、同時に疎水性、疎油性で、汚れ−及び色拒絶性の作用効果を、種々異なる基材表面上で得ることができる。
【0049】
本発明による弗素含有組成物の適用は、塗装技術から公知の方法、例えば流し塗り、フローコーティング、ドクター塗り、ローラ塗り、スプレー、刷毛塗り、浸積、ローラコーティングを用いて行うことができる。
【0050】
本発明による弗素含有組成物から製造された被覆の乾燥及び硬化は、一般に約0〜50℃の範囲の通常の(外部−及び内部)温度で、即ち被覆の特別な加熱をせずに行われるが、用途に応じて、約50〜150℃の範囲の高い温度で行うこともできる。
【0051】
次の実施例につき、本発明を詳述する。
【0052】
例1〜4
工程a)からの(ペル)フルオロアルキル−成分(A)をベースとする弗素含有組成物
内部温度計、滴下ロート、空気冷却器及び撹拌マグネットを備えた100ml三首丸底フラスコ中に、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタノール25.00g(0.069モル、M=364.11g/モル)を装入した。触媒としてのジブチル錫ラウレート(DBTL)1滴の添加の後に、この混合物を70℃まで加熱した。この温度で、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアナート16.98g(0.069モル、M=247.37g/モル)を2時間かかって滴加した。反応の完結のために、室温で更に2時間後撹拌した。
【0053】
イソシアナート−含有率: 計算値: 0質量%、実測値: 0.08質量%。
【0054】
珪化(第1表参照)及びオリゴマー化:
内部温度計、滴下ロート及び撹拌マグネットを備えた100ml三首丸底フラスコ中に、得られたフルオロシランとDYNASYLAN(登録商標)AMEO((3−アミノプロピル)トリエトキシシラン)との混合物を装入した。相応する量の水を滴下ロートから添加した。引き続き反応混合物を、60℃の温度で3時間加熱した。室温まで冷却の後に、ギ酸を添加し(DYNASYLAN(登録商標)AMEOに対して1.1当量、約45℃まで温度上昇)、かつ短時間後撹拌した。全ての場合に、粘稠で帯黄色の澄明液体が得られた。
【0055】
生成物のオリゴマー化のために、5.00gを水45.00gと混合し、100℃で1時間加熱した。全ての場合に、乳白色水溶液が得られた。
【0056】
【表1】

【0057】
例5〜8
工程a)からの(ペル)フルオロアルキル−成分(A)をベースとする弗素含有組成物
内部温度計、滴下ロート及び撹拌マグネットを備えた250ml三首丸底フラスコ中に、イソホロンジイソシアナート(3−(イソシアナートメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアナート、VESTNAT(登録商標)IPDI)20.00g(90.0ミリモル、M=222.3g/モル)とNMP15.00gとからの混合物を装入し、触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.09gを加えた。3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカノール41.77g(0.090モル、M=464.11g/モル)を、加熱下にNMP11.76g中に溶解させ、内部温度40℃で90分かかって滴加した。この反応の完結のために、短時間後撹拌した。
【0058】
イソシアナート含有率: 計算値:4.27質量%、実測値:4.13質量%。
【0059】
内部温度計、滴下ロート及び撹拌マグネットを備えた250ml三首丸底フラスコ中に、NMP中の前生成物87.42g(0.089モル)を装入した。1時間かかってDYNASYLAN(登録商標)AMEO((3−アミノプロピル)トリエトキシシラン)17.82g(0.080モル、M=221.37g/モル)とNMP15.96gとからの混合物を、温度が40℃を超えないように滴加した。この反応の完結のために、この温度で更に30分間後撹拌した。生成物として、澄明で淡黄色の液体が得られた。
【0060】
イソシアナート−含有率:0質量%。
【0061】
珪化(第2表参照)及びオリゴマー化
内部温度計、滴下ロート及び撹拌マグネットを備えた100ml三首丸底フラスコ中に、第2表に示すように、得られたフルオロシランとDYNASYLAN(登録商標)AMEO((3−アミノプロピル)トリエトキシシラン)との混合物を装入した。相応する量の水を滴下ロートから添加した。引き続き、反応混合物を60℃の温度で3時間加熱した。室温まで冷却の後に、ギ酸(DYNASYLAN(登録商標)AMEOに対して1.56当量、約45℃まで温度上昇)を加え、短時間後撹拌した。全ての場合に、粘稠性の白濁液体が得られた。
【0062】
生成物のオリゴマー化のために、125.80gを水392.00gと混合し、94〜100℃で1時間加熱した。全ての場合に、乳白色水溶液が得られた。
【0063】
表面エネルギー及び接触角
例5〜8の組成物は、8〜12mN/mの表面エネルギー及び95〜125°の接触角θ(水)を有する。
【0064】
【表2】

【0065】
例9
例1〜8からの弗素含有組成物での鉱物質表面の表面処理
煉瓦、石灰質砂岩及びコンクリート石を、約5cmの縁長の直方体に切断し、例1〜8からの弗素含有組成物(固体樹脂に対して1質量%まで水で希釈)中に約5分間浸漬させた。室温で又は乾燥箱中約120℃でこの石の乾燥の後に、この石の表面上に載せられた水も油(鉱油、サーモオイル Marlotherm S=Tritoluol又はシリコーンオイル)も、もはや構造材料の表面中に侵入しなかった。記載の液体に関するはじき効果は非常に良好であった。非処理試料では、記載の液体は直ちにその表面中に侵入した。従ってこの弗素含有組成物は、鉱物質構造材料の撥水性化と同時の疎油性化(Oleo-phobierung)のために好適である。
【0066】
例10
例1〜8からの弗素含有組成物での鉱物質屋外建造物要素の表面処理
研磨された花崗岩、大理石、砂岩、人造石及びセラミックタイルに、例1〜8からの弗素含有組成物(固体樹脂に対して1質量%まで水で希釈)をスプレーした。この表面上に形成された液滴を、ゴムワイパーで除去した。表面の乾燥の後に、非処理の表面と比べて載せられた油滴及び水滴に対する明白なはじき効果が明らかであり、油及び水は、この多孔質基材中にもはや侵入しなかった。これら表面は、汚れ付けの後に容易に清浄化することができた。従ってこの弗素含有組成物は、屋外建造物、壁、床及び類似物の落書き防止−、汚れ防止−、易清掃−仕上げ加工のために好適である。
【0067】
例11
例1〜8からの弗素含有組成物でのガラスの表面処理
約10×20cmの縁長を有するガラス板を、例1〜8からの弗素含有組成物(固体樹脂に対して1質量%まで水で希釈)中に約5分間浸漬させた。液滴切り及び室温で又は乾燥箱中約120℃でのこのガラス板の乾燥の後に、このガラス板の表面上に載せられた水も油(鉱油、サーモオイル Marlotherm S=Tritoluol又はシリコンオイル)も、明らかにはじき飛ばされた。記載の液体の接触角は>90°であった。非処理試料では、接触角は明らかに<90°であった。この弗素含有組成物はガラス板上に膜を残したので、ガラスの同時の疎水性化及び疎油性化のために好適である。
【0068】
例12
例1〜8からの弗素含有組成物での金属表面の表面処理
砂吹き処理された、約10×20cmの縁長を有する約1mm厚さの鋼板及びAl−シートを、例1〜8からの弗素含有組成物(固体樹脂に対して1質量%まで水で希釈)中に約5分間浸漬させた。液滴切り及び室温で又は乾燥箱中約120℃でのこの鋼片の乾燥の後に、この鋼板の表面上に載せられた水も油(鉱油、サーモオイルMarlotherm S=Tritoluol又はシリコンオイル)も明らかにはじき飛ばされた。視覚で評価される接触角は、処理された金属試料では非処理のものよりも明らかに高かった。生成物は金属表面上の膜を生じさせた。この弗素含有組成物は金属表面上に膜を生じさせ、従って金属表面の同時の疎水性化及び疎油性化のために好適である。HCl−水溶液中での被覆−及び非被覆鋼板の貯蔵の結果は、弗素含有組成物で被覆された鋼板で明らかに低下された腐食を示した。
【0069】
例13
例1〜8からの弗素含有組成物での木材の表面処理
約0.5cm厚さの木材板を、約3×5cmの縁長の長方形に切断し、例1〜8からの弗素含有組成物(固体樹脂に対して1質量%まで水で希釈)中に約5分間浸漬させた。この木材片を室温で又は乾燥箱中約120℃で乾燥させた後に、この木材片の表面上に載せられた水も油(鉱油、サーモオイルMarlotherm S=Tritoluol又はシリコーンオイル)も、もはや木材片の表面中に侵入しなかった。記載の液体のこのはじき効果は非常に良好であった。非処理の試料では、記載の液体が表面中に直ちに侵入した。従ってこの弗素含有組成物は、木材の同時の疎水性化及び疎油性化のために好適である。
【0070】
例14
例1〜8からの弗素含有組成物でのプラスチック表面の表面処理
約1mm厚さのMMA−プラスチック板を、例1〜8からの弗素含有組成物(固体樹脂に対して1質量%まで水で希釈)中に約5分間浸漬させた。液滴切り及び室温で又は乾燥箱中、約90℃でのこのプラスチック板の乾燥の後に、このプラスチック片の表面上に載せられた水も油(鉱油、サーモオイルMarlotherm S=Tritoluol又はシリコーンオイル)も、明らかにはじき飛ばされた。記載の液体のはじき効果は非常に良好であった。視覚で評価される接触角は、処理された金属試料では非処理のものよりも明らかに高かった。従ってこの弗素含有組成物は、プラスチック表面の同時の疎水性化及び疎油性化のために好適である。
【0071】
例15
例1〜8からの弗素含有組成物での皮革の表面処理
吸収性皮革(窓拭き用セーム皮)を、例1〜8からの弗素含有組成物(固体樹脂に対して1質量%まで水で希釈)中に約5分間浸漬させた。この皮片を室温で又は乾燥箱中、約120℃で乾燥させた後に、この皮片の表面上に載せられた水も油(鉱油、サーモオイルMarlotherm S=Tritoluol又はシリコーンオイル)も、もはやこの皮片の表面中に侵入しなかった。記載の液体に関するこのはじき効果は非常に良好であった。非処理試料では、記載の液体が直ちに表面中に侵入した。従ってこの弗素含有組成物は、皮革の同時の疎水性化及び疎油性化のために好適である。
【0072】
例16
例1〜8からの弗素含有組成物での木綿の表面処理
木綿を約5cmの縁長で切断し、例1〜8からの弗素含有組成物(固体樹脂に対して1質量%まで水で希釈)中に約5分間浸漬させた。この物質片を室温で又は乾燥箱中、約120℃で乾燥させた後に、この物質片の表面上に載せられた水も油(鉱油、サーモオイルMartotherm S=Triloluol又はシリコーンオイル)も、もはやこの物質片の表面中に侵入しなかった。記載の液体に関するはじき効果は非常に良好であった。非処理試料では、記載の液体が直ちにこの表面中に侵入した。従ってこの弗素含有組成物は、木綿の同時の疎水性化及び疎油性化のために好適である。
【0073】
例17
例1〜8からの弗素含有組成物での紙の表面処理
紙片を約5cmの縁長の片に切断し、例1〜8からの弗素含有組成物(固体樹脂に対して1質量%まで水で希釈)中に約5分間浸漬させた。この紙片を室温で又は乾燥箱中、約120℃で乾燥させた後に、この紙片の表面上に載せられた水も油(鉱油、サーモオイルMartotherm S=Tritoluol又はシリコーンオイル)も、もはやこの紙片の表面中に侵入しなかった。記載の液体に関するこのはじき効果は非常に良好であった。非処理試料では、記載の液体は直ちにこの表面中に侵入した。従ってこの弗素含有組成物は、紙の同時の疎水性化及び疎油性化のために好適である。
【0074】
例18
例1〜8からの弗素含有組成物での自動車塗装表面の表面処理
自動車塗装表面に、例1〜8からの弗素含有組成物(固体樹脂に対して1質量%まで水で希釈)をスプレーした。約15分後に、この塗装表面上で、持続的な撥水効果が明らかであった。汚れは非処理塗装表面からよりもより容易に除去できた。この被覆は、耐久性であり、かつ後処理を必要とすることなしに半年を超える自動車運転に耐えた。従ってこの弗素含有組成物は、例えばPKW、LKW、鉄道車両、機械、屋外建造物及び屋内用途及び屋外用途での類似物の塗装表面の落書き防止−、汚れ防止−、易清掃−仕上げのために好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体樹脂に対して5〜75質量%の弗素含有率を有する、多孔質又は非多孔質基材の永久的表面処理のための液状弗素含有組成物であって、差し当たり
a)ペルフルオロアルキル成分(A)を、
)一般式:
CF−(CF−(CH−OH
[式中、x=3〜20、y=1〜6]の末端メチレン−基(炭化水素−スぺーサー)を有するペルフルオロアルキルアルコール及び/又は一般式:
CFCFCFO−(CF(CF)CFO)−CF(CF)CH−OH
[式中、z=1〜10]のヘキサフルオロプロペンオキシド(HFPO)−オリゴマー−アルコールを包含する、(ペル)フルオロアルキルアルコール−成分(B)(i)
及び/又は(ペル)フルオロアルキルアルキレンアミン−成分(B)(ii)
及び/又は1〜99質量%のポリマー結合弗素含有率及び約100〜10000ドルトンの分子量を有し、主鎖及び/又は側鎖中に、鎖間及び/又は側面及び/又は末端に配置された構造要素:
−(CFCF− (ここで、n≧3)
及び/又は
−(CFCFRO)− (ここで、n≧3 及びR=F、CF
と共に反応性脂肪族及び/又は芳香族ヒドロキシル−基及び/又は第1級及び/又は第2級アミノ−基及び/又はメルカプト−基それぞれ1個以上を有している、弗素変性されたマクロモノマー又はテレケレ(B)(iii)
5〜95質量%
を、一般式:
OCN−(CH−Si(OR3−x
[式中、x=0、1、2、 R、R=C−原子1〜25を有するアルキル]の3−イソシアナートプロピル−トリアルコキシシラン及び/又は3−イソシアナートプロピルアルコキシアルキルシラン及び/又はイソシアナートアルキルアルコキシシランを包含する、イソシアナートアルキルアルコキシシラン−成分(C)(i)
及び/又は弗素含有組成物の(環状)脂肪族及び/又は芳香族イソシアナート−基1個以上及びアルコキシシラン−基1個以上を有する、約200〜2000ドルトンの分子量の他のイソシアナートシラン−成分(C)(ii)
95〜5質量%
と反応させることによって製造するか、又は
2.1)(ペル)フルオロアルキルアルコール−成分(B)(i)
及び/又は(ペル)フルオロアルキルアルキレンアミン−成分(B)(ii)
及び/又は弗素変性されたマクロモノマー又はテレケレ(B)(iii)
5〜95質量%
を、同じ又は異なる反応性の(環状)脂肪族及び/又は芳香族イソシアナート−基2個以上を有するジイソシアナート、ポリイソシアナート、ポリイソシアナート−誘導体又はポリイソシアナート−同族体少なくとも1種を包含するポリイソシアナート−成分(D)
47.5〜5質量%
と反応させ、この際、反応条件及び成分(B)及び(D)の選択性を、成分(D)のイソシアネート−基1個のみが成分(B)と反応するように選択する、
2.2)引き続き、工程a2.1)からの前付加生成物を、
一般式:
−NH−(CH−Si(OR3−x
N−(CH−Si(OR3−x
[式中、x=0、1、2、R、R=C−原子1〜25を有するアルキル、
=H、C−原子1〜10を有するアルキル、C−原子6〜12を有するアリール、
(RO)3−xSi(CH
N−(CH−[NH−(CH(n=0〜10)]
の3−アミノプロピルトリアルコキシシラン及び/又は(置換)3−アミノプロピルアルコキシアルキルシランを包含する、アミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)
及び/又は第1級及び/又は第2級及び/又は第3級アミノ基1個以上及びアルコキシシラン−基1個以上を有する約200〜2000ドルトンの分子量を有する、他のアミノシラン−成分(E)(ii) 47.5〜5質量%
と更に反応させることによって製造するか、又は
)(ペル)フルオロアルキルアルコール−成分(B)(i)
及び/又は(ペル)フルオロアルキルアルキレンアミン−成分(B)(ii)
及び/又は弗素変性されたマクロモノマー又はテレケレ(B)(iii)
5〜95質量%
を、一般式:
CHOCH−CHO−(CH−Si(OR3−x
[式中、x=0、1、2、 R、R=C−原子1〜25を有するアルキル]の(置換)3−グリシジルオキシプロピルトリアルコキシシランを包含する、エポキシアルキロールアルコキシシラン−成分(F)(i)
及び/又はエポキシド−基1個以上及びアルコキシシラン−基1個以上を有する200〜2000ドルトンの分子量を有する、他のエポキシシラン−成分(F)(ii)
95〜5質量%
と反応させることによって製造するか、又は
)(ペル)フルオロアルキルアルコール−成分(B)(i)
及び/又は(ペル)フルオロアルキルアルキレンアミン−成分(B)(ii)
及び/又は弗素変性されたマクロモノマー又はテレケレ(B)(iii)
5〜95質量%
を、ポリイソシアナート−成分(D) 47.5〜5質量%
及びエポキシアルキロールアルコキシシラン−成分(F)(i)
及び/又はエポキシシラン−成分(F)(ii) 47.5〜5質量%
と反応させることによって製造するか、又は
)一般式:
CF−(CF−(CH−CHOCH
[式中、x=3〜20、y=1〜6]の(ペル)フルオロアルキルアルキレンオキシド−成分(G) 5〜95質量%
を、アミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)
及び/又はアミノシラン−成分(E)(ii) 95〜5質量%
と反応させることによって製造するか、又は
)(ペル)フルオロアルキルアルキレンオキシド−成分(G) 5〜95質量%
を、イソシアナートアルキルアルコキシシラン−成分(C)(i)
及び/又はイソシアナートシラン−成分(C)(ii) 95〜5質量%
と反応させることによって製造するか、又は
)一般式:
CF−(CF−CH=CH
[式中、x=3〜20]の(ペル)フルオロアルキルアルケン−成分(H)
5〜95質量%
を、アミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)
及び/又はアミノシラン−成分(E)(ii) 95〜5質量%
と反応させることによって製造するか、又は
)(ペル)フルオロアルキルアルコール−成分(B)(i)
及び/又は(ペル)フルオロアルキルアルキレンアミン−成分(B)(ii)
5〜95質量%
を、一般式:
CH=C(CH)−CO−(CH−Si(OR3−x
[式中、x=0、1、2、 R、R=C−原子1〜25を有するアルキル]のメタクリロイルオキシアルキルアルコキシシラン−成分(I)(i)
及び/又は(メタ)アクリレート−基1個以上及びアルコキシシラン−基1個以上を有する、200〜2000ドルトンの分子量の他のメタクリロイルシラン−成分(I)(ii) 95〜5質量%
と反応させることによって製造するか、又は
)(ペル)フロオロアルキルアルキレン(メタ)アクリレート−成分(J)
5〜95質量%
を、アミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)
及び/又はアミノシラン−成分(E)(ii) 95〜5質量%
と反応させる
ことによって製造し:
引き続き、
b) 工程a)からのペルフロオロアルキル−成分(A) 5〜100質量部を、
この反応の前、間又は後に、溶剤成分(K) 0〜100質量部中に溶解させ、
) 場合により、工程a)又はb)からのペルフルオロアルキル−成分(A)を、アミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)及び/又はアミノシラン−成分(E)(ii)0〜50質量部の存在下に、水1〜50質量部を用いて(部分的に)加水分解又はシラノール化し、
)このアミノ官能性付加生成物を、酸−成分(L)1〜50質量部を用いて第4級化(直接中和)し、
)場合により遊離アルコール及び/又は溶剤−成分(K)を除去し、
)工程c)からの反応生成物を、引き続き又は同時に、水50〜1000質量部中に溶解させ、かつオリゴマー化し、
)場合により遊離アルコール及び/又は溶剤−成分(K)を除去し、
e)この際、場合により、工程a)及び/又はb)及び/又はc)及び/又はd)の間又は後に、任意の方法で、配合−成分(M)0〜50質量部を添加する及び/又は官能化−成分(N)0〜50質量部を添加する及び/又は共に反応させる
ことによって得られることを特徴とする弗素含有組成物。
【請求項2】
成分(C)(i)として、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン及び/又は
3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが使用されていることを特徴とする、請求項1に記載の弗素含有組成物。
【請求項3】
成分(D)として、イソホロンジイソシアナート及び/又はトルエンジイソシアナートが使用されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の弗素含有組成物。
【請求項4】
成分(E)(i)として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン及び/又は3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び/又はN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及び/又はN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランが使用されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項5】
成分(F)(i)として、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン及び/又は3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシランが使用されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項6】
成分(G)として、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロノネン−1,2−オキシド及び/又は4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロウンデセン−1,2−オキシドが使用されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項7】
成分(H)として、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン及び/又は3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−1−デセンが使用されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項8】
成分(I)(i)として、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン及び/又は3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランが使用されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項9】
成分(J)として、メタクリル酸−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルエステル)及び/又はメタクリル酸−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルエステル)が使用されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項10】
溶剤−成分(K)として、低沸点及び/又は高沸点溶媒が使用されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項11】
成分(L)として、ギ酸及び/又は酢酸及び/又は二酸化炭素が使用されていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項12】
成分(M)として、(官能化された)無機及び/又は有機の充填剤、軽質充填剤、顔料及び担体物質、無機及び/又は有機のナノ物質、無機及び/又は有機の繊維、他のポリマー及び/又はポリマー分散液及び/又は全ての種類の再分散可能なポリマー粉末、消泡剤、脱気剤、潤滑−及びレベリング添加剤、基質湿潤化添加剤、湿潤−及び分散化添加剤、疎水性化剤、レオロジー添加剤、脱乳化助剤、艶消し剤、付着助剤、凍結防止剤、酸化防止剤、UV−安定剤、殺細菌剤、殺真菌剤、水、溶剤及び全ての種類の触媒並びにこれらの好適な組み合わせ物が使用されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項13】
成分(M)が、被覆され及び/又はマイクロカプセル化され及び/又は担体固定され及び/又は親水性化された及び/又は溶剤含有している形で存在していることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項14】
官能化−成分(N)として、32〜499ドルトンの分子量の低分子ポリオール及び/又はポリアミン及び/又は500〜10000ドルトンの分子量の高分子(ポリマー)ポリオール及び/又はポリアミン及び/又は118〜5000の分子量のアニオン及び/又はカチオン変性可能な(ポリマー)ポリオール及び/又はポリアミン及び/又は少なくとも1個のアルコキシシラン基及び場合により1個以上のアミノ−及び/又はヒドロキシル−及び/又はメルカプト−及び/又はイソシアナート−及び/又はエポキシ−基を有する、分子量250〜10000ドルトンの(ポリマー)化合物が使用されており、ここで、この化合物は成分(C)、(E)、(F)、(G)及び(I)からは選択されていないことを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項15】
官能化−成分(N)として、ジメチロールプロピオン酸及び/又はヒドロキシピバリン酸及び/又は2(3)−ヒドロキシプロピオン酸が使用されていることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項16】
成分(B)及び/又は(C)及び/又は(D)及び/又は(E)及び/又は(F)及び/又は(G)及び/又は(H)及び/又は(I)及び/又は(J)及び/又は(L)及び場合による(N)から成る、固体樹脂に対して5〜75質量%の弗素含有率を有し、かつ側面及び/又は末端に配置されている構造要素:
−(CFCF− (ここで、n≧3)
及び/又は
−(CFCFRO)− (ここで、n≧3、 R=F、CF
並びに
−NRH"RCO"
及び/又は
−NRH"HCO"
と−COHとの組み合わせ
[式中、R、R=H、任意の無機及び/又は有機の及び場合によりポリマーの、C−原子1〜100及びN−原子0〜100及び/又はO−原子0〜100及び/又はF−原子0〜1000及び/又はSi−原子0〜100を有している基]を含有していることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物。
【請求項17】
請求項1から16までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物の製造方法において、
a)ペルフルオロ成分(A)を、
成分(B)(i)及び/又は(B)(ii)並びに場合により(B)(iii)と
成分(C)(i)及び/又は(C)(ii)もしくは
(D)並びに(E)(i)及び/又は(E)(ii)もしくは
(F)(i)及び/又は(F)(ii)もしくは
(D)及び(F)(i)及び/又は(F)(ii)もしくは
(I)(i)及び/又は(I)(ii)との反応によって製造するか、又は
成分(G)と
成分(E)(i)及び/又は(E)(ii)もしくは
(C)(i)及び/又は(C)(ii)との反応によって製造するか、又は
成分(E)(i)及び/又は(E)(ii)と
成分(H)もしくは(J)との反応によって製造し、
b)工程a)からのペルフルオロアルキル−成分(A)を、この反応の前、間又は後に、場合により溶剤−成分(K)中に溶解させ、
)場合により、工程a)又はb)からのペルフルオロアルキル−成分(A)を、場合によりもう1種のアミノアルキルアルコキシシラン−成分(E)(i)及び/又はアミノシラン−成分(E)(ii)の存在下に、水で(部分的に)加水分解又はシラノール化し、
)このアミノ官能性付加生成物を、酸−成分(L)で第4級化(直接中和)し、
)場合により遊離アルコール及び/又は溶剤−成分(K)を除去し、
)工程c)からの反応生成物を、引き続き又は同時に水中に溶解させ、かつオリゴマー化し、
)場合により遊離アルコール及び/又は溶剤−成分(K)を除去し、
e)場合により、工程a)及び/又はb)及び/又はc)及び/又はd)の間又は後に、任意の方法で、配合−成分(M)を添加し及び/又は官能化−成分(N)を添加し及び/又は共に反応させることを特徴とする製造方法。
【請求項18】
反応工程c)及びd)を任意の方法及び順序で組み合わせることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
工程b)で付加的に、アルコール性溶剤−成分(K)を用いてペルフルオロアルキル−成分(A)のアルコキシシラン−基のエステル交換を実施することを特徴とする、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
遊離アルコール及び/又は溶剤−成分(K)を、工程d)で(共沸)蒸留により除去し、かつ場合によっては、この場合に取り出される水を引き続き又は同時に、再添加することを特徴とする、請求項17から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
工程d)で酸−成分(L)を水と一緒に装入する(間接的中和)ことを特徴とする、請求項17から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
反応工程a)による弗素含有組成物を純粋な形で存在させることを特徴とする、請求項17から21までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
反応工程b)による弗素含有組成物を溶剤含有形で存在させることを特徴とする、請求項17から21までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
反応工程d)による弗素含有組成物を水性及び場合によっては溶剤含有形で存在させることを特徴とする、請求項17から21までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
反応工程a)を40〜120℃、有利には50〜110℃の温度で実施することを特徴とする、請求項17から24までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
反応工程b)を20〜60℃、有利には20〜30℃の温度で実施することを特徴とする、請求項17から25までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
反応工程c)及びd)を30〜110℃、有利には40〜100℃の温度で実施することを特徴とする、請求項17から26までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
反応工程c)及び/又はd)を1〜7のpH値、有利には2〜6のpH値、特に好ましくは3〜5のpH値で実施することを特徴とする、請求項17から27までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
工程c)及びd)の反応生成物中の弗素原子と窒素原子との当量比を、1:50〜50:1、有利には1:25〜25:1、特に好ましくは1:10〜10:1に調節することを特徴とする、請求項17から28までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
工程c)におけるアルコキシシラン−基と水との当量比を、1:10〜10:1、有利には1:5〜5:1に調節することを特徴とする、請求項17から29までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
反応工程a)における成分(B)及び(C)及び場合による(N)のNCO/OH+NH(2)−当量比を、0.95〜1.05の値に調節することを特徴とする、請求項17から30までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
反応工程a)における成分(B)及び(D)及び場合による(N)のNCO/OH+NH(2)−当量比を1.9〜2.1の値に、かつ反応工程a)における前付加生成物及び成分(E)及び場合による(N)のNCO/OH+NH(2)−当量比を、0.95〜1.05に調節することを特徴とする、請求項17から31までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
反応工程a)及び/又はa)及び/又はa)を、反応生成物に対して0.01〜1質量%のポリイソシアナートへの重付加反応のために慣用の触媒の存在下に実施することを特徴とする、請求項17から32までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
反応工程a)及び/又はa)及び/又はa)及び/又はa)及び/又はa)及び/又はa)を、反応生成物に対して0.01〜1質量%の好適な触媒の存在下に実施することを特徴とする、請求項17から33までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
反応工程a)及びb)における成分(B)及び/又は(C)及び/又は(D)及び/又は(E)及び/又は(F)及び/又は(G)及び/又は(H)及び/又は(I)及び/又は(J)及び場合による(N)から成る弗素含有組成物の固体含有率を、10〜100質量%、有利には100質量%に調節することを特徴とする、請求項17から34までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
反応工程d)及びe)における成分(B)及び/又は(C)及び/又は(D)及び/又は(E)及び/又は(F)及び/又は(G)及び/又は(H)及び/又は(I)及び/又は(J)及び(L)及び場合による(N)から成る弗素含有組成物の固体含有率を、10〜90質量%、有利には20質量%に調節することを特徴とする、請求項17から35までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
反応工程d)及びe)における成分(B)及び/又は(C)及び/又は(D)及び/又は(E)及び/又は(F)及び/又は(G)及び/又は(H)及び/又は(I)及び/又は(J)及び場合による(K)及び(L)及び場合による(M)及び場合による(N)から成る弗素含有組成物のpH値を、1〜7、有利には2〜6に調節することを特徴とする、請求項17から36までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
反応工程d)及びe)における成分(B)及び/又は(C)及び/又は(D)及び/又は(E)及び/又は(F)及び/又は(G)及び/又は(H)及び/又は(I)及び/又は(J)及び場合による(K)及び(L)及び場合による(M)及び場合による(N)から成る弗素含有組成物の粘度(ブルックフィールド)を、1〜10000mPa・sに調節することを特徴とする、請求項17から37までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
請求項1から16までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物を、鉱物質及び非鉱物質基材、例えば
・ 無機表面
例えば全ての種類の多孔質で吸収性の、粗面の及び研磨された建築材料及び建築加工材料(例えば、コンクリート、石膏、珪酸及び珪酸塩、人造石材、天然石材(例えば花崗岩、大理石、砂岩、板岩、蛇紋石)、粘土、セメント、煉瓦)並びにエナメル、充填剤及び顔料、ガラス及びガラス繊維、セラミック、金属及び合金、
・ 有機表面
例えば、織布及び繊維材料、木材及び木材加工材料、木材家具、ガラス繊維強化プラスチック(GFK)、プラスチック、皮革、天然繊維、全ての種類のポリマー、複合材料
の永久的な撥油性、撥水性及び汚れ拒絶性の表面処理又は表面変性のために、建築−及び工業分野において用いる使用。
【請求項40】
請求項1から16までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物を、建築分野において、例えば
・ 落書き防止コーティング
・ 汚れ防止コーティング
・ 易清掃コーティング
・ 全ての種類の他の被覆加工(例えばバルコニー被覆、屋根(煉瓦)被覆、焼き付け塗装、彩色塗装及びラッカー塗装、屋外建造物彩色塗装、床被覆、低−、中−及び高負荷可能な工業用床張り、駐車場カバー被覆、スポーツ用床張り、粉体塗装)
・ コーキング
・ コンクリート既成部材
・ コンクリート成形部材
・ タイル及びジョイント
・ 接着剤及び封隙剤
・ 防音壁
・ 防食剤
・ 漆喰及び装飾漆喰
・ 断熱複合系(WDVS)及び断熱系(WDS)
の永久的な撥油性、撥水性及び汚れ拒絶性表面処理又は表面変性のために用いる使用。
【請求項41】
請求項1から16までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物を、非建築及び工業分野において、例えば
・ 添加剤(例えば付着助剤、分離剤、架橋剤)
・ 自動車工業
・ コイルコーティング
・ 焼き付け塗料
・ 彩色塗料及びラッカー
・ 織布−及び繊維材料被覆
・ ガラス屋外建造物及びガラス表面
・ セラミック及び衛生用セラミック
・ 皮革仕上げ
・ 表面変性された充填剤及び顔料
・ 紙用塗料
・ 風力発電装置のロータ
・ 船舶塗料
の永久的な撥油性、撥水性及び汚れ拒絶性表面処理又は表面変性のために用いる使用。
【請求項42】
請求項1から16までのいずれか1項に記載の弗素含有組成物を、建築分野又は工業分野において、コンクリート、例えば
・ コンクリート既成部材
・ コンクリート成形部材
・ 場所うちコンクリート
・ 吹き付けコンクリート
・ 輸送コンクリート
の大量疎水性化/大量疎油性化のために用いる使用。

【公表番号】特表2008−514744(P2008−514744A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532841(P2007−532841)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010287
【国際公開番号】WO2006/032512
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】