説明

録画装置

【課題】従来の録画装置と比較して録画対象となる被写体に関する設定が容易な録画装置を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るドライブレコーダは、移動体に搭載される録画装置であって、移動体の位置情報を取得するGPS受信部8と、該GPS受信部8により取得される位置情報に基づいて、移動体の位置と予め設定された位置との間の距離が基準値以下であるか否かを判定する距離判定部81と、制御回路5とを具えている。制御回路5は、前記距離が基準値以下になったと距離判定部81が判定したとき、カメラ1から得られる映像信号の記録メディア21への記録を開始させる一方、前記距離が基準値より大きくなったと距離判定部81が判定したとき、カメラ1から得られる映像信号の記録メディア21への記録を停止させる。ここで、移動体の位置情報は、移動体の位置に応じて変化するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダ等、移動中に撮像装置から得られる映像信号を記録媒体に記録することが可能な録画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の録画装置は、衝撃検知センサが配備された自動車等の車両に搭載され、該車両の移動中に撮像装置から得られる一連の画像をバッファに一時的に記録し、事故の発生や急な減速等が原因となって車両に加わった衝撃が衝撃検知センサによって検知されたとき、検知前後の一連の画像をバッファから読み出して不揮発性メモリに記録することが可能である。
【0003】
近年、上記録画装置を、移動中の風景を録画することに利用することが考えられている。しかし、単に上記録画装置を利用して移動中の風景を録画したのでは、移動中に撮像装置により取得される一連の画像が全て不揮発性メモリに記録されることになり、このため大容量の不揮発性メモリを用意する必要があった。又、撮影後、録画した画像の編集に多くの時間と労力が必要であった。
【0004】
そこで、録画すべき映像を予め登録しておき、該映像が含まれる画像を抽出して不揮発性メモリに記録する録画装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−207842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の録画装置においては、録画すべき映像を予め登録しておく必要があるため、録画したい被写体の映像、例えば人物、風景、標識等の映像を予め取得しなければならず、映像として取得できなかった或いは取得していなかった被写体については、それが特徴のあるものであったとしても録画することが出来ない問題がある。
【0007】
又、予め登録されている映像が撮像装置から得られる画像に含まれているか否かを判定するためには、複雑な映像解析が必要となる。更には、予め登録されている映像が含まれた画像が撮像装置によって取得される様に、撮像装置の撮影方向を常に変化させておかなければならない問題がある。
【0008】
そこで本発明の目的は、従来の録画装置と比較して録画対象に関する設定が容易な録画装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る第1の録画装置は、移動体に搭載される録画装置であって、前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、該位置情報取得手段により取得される位置情報に基づいて、移動体の位置と予め設定された位置との間の距離が基準値以下であるか否かを判定する距離判定手段と、録画制御手段とを具えている。該録画制御手段は、前記距離が基準値以下になったと距離判定手段が判定したとき、撮像装置から得られる映像信号の記録媒体への記録を開始させる一方、前記距離が基準値より大きくなったと距離判定手段が判定したとき、撮像装置から得られる映像信号の記録媒体への記録を停止させる。ここで、移動体の位置情報は、移動体の位置に応じて変化するものである。
【0010】
上記第1の録画装置においては、移動体の移動中に予め設定された位置に近づいて移動体から該位置までの距離が基準値以下となった場合、記録媒体への映像信号の記録が開始されることになる。一方、移動体の移動中に予め設定された位置から遠ざかって移動体から該位置までの距離が基準値より大きくなった場合、録画装置による記録が停止されることになる。よって、予め設定された位置又はその周辺の風景が写った画像のみが、録画装置により録画されることになる。
この様に予め設定された位置又はその周辺の風景が写った画像の映像信号のみを記録媒体に記録することにより、従来の如く全ての画像(動画)の映像信号を記録媒体に記録する場合と比較して、記録媒体の容量は小さくて済むことになる。
【0011】
上記第1の録画装置の具体的構成において、録画装置は更に、前記撮像装置の姿勢を制御する姿勢変更手段と、位置情報取得手段により取得される位置情報に基づいて、移動体の位置から予め設定された位置へ向かう方向を算出する方向算出手段とを更に具え、前記録画制御手段は、記録媒体への記録を開始させるとき、姿勢変更手段を制御して撮像装置の撮影方向を方向算出手段により算出される方向へ向ける。
該具体的構成によれば、撮像装置の撮影方向を予め設定された位置の方へ向けて録画装置による録画が実行されるので、予め設定された位置又はその周辺が写った画像が録画されることになる。
【0012】
本発明に係る第2の録画装置は、移動体に搭載される録画装置であって、前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、該位置情報取得手段により取得される位置情報に基づいて、移動体の位置と予め設定された位置との間の距離が基準値以下であるか否かを判定する距離判定手段と、録画制御手段とを具えている。該録画制御手段は、前記距離が基準値以下であると距離判定手段が判定したときは、撮像装置から得られる映像信号の記録媒体への記録を行わず、前記距離が基準値より大きいと距離判定手段が判定したとき、撮像装置から得られる映像信号の記録媒体への記録を行う。
【0013】
上記第2の録画装置においては、移動体の移動中であっても予め設定された位置からの距離が基準値以下である場合には、記録媒体への映像信号の記録が実行されないので、予め設定された位置周辺の風景が写った画像の録画が排除されることになる。例えば、予め設定された位置が自宅の位置である場合には、自宅周辺の風景が写った特徴のない画像の録画が排除されることになる。
この様に予め設定された位置周辺の風景が写った画像の録画を排除することにより、従来の如く全ての画像(動画)の映像信号を記録媒体に記録する場合と比較して、記録媒体の容量は小さくて済むことになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る録画装置によれば、位置情報に基づいて録画が実行されるので、従来の録画装置と比較して録画対象に関する設定が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るドライブレコーダの構成を示すブロック図である。
【図2】上記ドライブレコーダにて実行される第1の録画制御手続きを示すフローチャートである。
【図3】該第1の録画制御手続きにおいて特徴量を算出するべく映像信号が解析される領域を示した図である。
【図4】該第1の録画制御手続きについて、画像を録画すべきか否かの判断のタイミングを示した図である。
【図5】該第1の録画制御手続きの改良形態の例を示すフローチャートである。
【図6】該改良形態に係る録画制御手続きについて、画像を録画すべきか否かの判断のタイミングを示した図である。
【図7】上記ドライブレコーダにて実行される第2の録画制御手続きを示すフローチャートである。
【図8】該第2の録画制御手続きにおいて特徴量を算出するべく映像信号が解析される2つの領域を示した図である。
【図9】該第2の録画制御手続きにおいて実行されるカーブ判定手続きの一例を示すフローチャートである。
【図10】該カーブ判定手続きの他の例を示すフローチャートである。
【図11】上記ドライブレコーダにて実行される第3の録画制御手続きを示すフローチャートである。
【図12】該第3の録画制御手続きにおいて特徴量を算出するべく映像信号が解析される2つの領域を示した図である。
【図13】上記ドライブレコーダにて実行される第4の録画制御手続きを示すフローチャートである。
【図14】該第4の録画制御手続きにおいて特徴量を算出するべく映像信号が解析される領域を示した図である。
【図15】上記ドライブレコーダにて実行される第5の録画制御手続きを示すフローチャートである。
【図16】上記ドライブレコーダにて実行される第6の録画制御手続きを示すフローチャートである。
【図17】該第6の録画制御手続きの改良形態の例を示すフローチャートである。
【図18】上記ドライブレコーダにて実行される第7の録画制御手続きを示すフローチャートである。
【図19】該第7の録画制御手続きについて、選択する録画条件と基準値の設定値との関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明をドライブレコーダに実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
1.ドライブレコーダの構成
本発明の一実施形態に係るドライブレコーダ(2)は、自動車に搭載して使用される録画装置であり、図1に示す如く、撮影方向を自動車の前方に向けて配備されたカメラ(1)が接続されており、移動中にカメラ(1)から得られる映像信号を記録メディア(21)やメモリカード(22)等の不揮発性メモリに記録することが出来る。ドライブレコーダ(2)には、カメラ(1)の他、該カメラ(1)を支持すると共にカメラ(1)の姿勢を変更するための雲台(3)と、自動車の加速度を計測する加速度センサ(4)とが接続されている。
尚、上記ドライブレコーダ(2)は、これにカメラ(1)を着脱することが可能な形態のものであってもよいし、該ドライブレコーダ(2)にカメラ(1)が内蔵された形態のものであってもよい。
【0017】
ドライブレコーダ(2)には、該ドライブレコーダ(2)の記録動作等を制御する制御回路(5)が配備されており、該制御回路(5)は、CPU(Central Processing Unit)(51)と、RAM(Random Access Memory)(52)と、ROM(Read Only Memory)(53)とから構成されている。ここで、ドライブレコーダ(2)の記録動作には、カメラ(1)からの映像信号を不揮発性メモリに記録する動作が含まれている。
制御回路(5)は、ドライブレコーダ(2)に配設されたバス(201)に接続されており、該バス(201)には、カメラ(1)からの映像信号が入力される映像入力部(23)と、該映像入力部(23)に入力された映像信号を一時的に記録する映像バッファ(24)と、該映像バッファ(24)に記録されている映像信号を解析する映像解析部(6)と、記録メディア(21)やメモリカード(22)等に記録すべき映像信号を符号化するAVコーデック(25)とが接続されている。
【0018】
映像解析部(6)は、映像処理部(61)と類似度判定部(62)とから構成されている。映像処理部(61)は、映像バッファ(24)に記録されている映像信号により構成される一連の画像から複数枚の画像を取得し、各画像について少なくとも一部の領域に写っている映像の映像信号を解析して該映像の特徴量を算出する。類似度判定部(62)は、映像処理部(61)により2つの映像からそれぞれ算出された特徴量を用いて該2つの映像の類似度を算出し、算出した類似度が基準値以上或いは以下であるか否かを判定する。
ここで、映像の特徴量には、色情報、エッジ情報、画像の複雑さを示すフラクタル次元、DFT(Discrete Fourier Transform)等により得られるスペクトル情報等、映像に関する種々の情報が含まれるものとする。尚、類似度の算出手法については、後述する。
【0019】
制御回路(5)は、類似度判定部(62)の判定結果に基づいてドライブレコーダ(2)の記録動作の開始及び/又は停止を制御する。即ち、制御回路(5)は、映像処理部(61)により算出される特徴量に基づいてドライブレコーダ(2)の記録動作の開始及び/又は停止を制御する録画制御手段として機能する。
【0020】
バス(201)には更に、雲台(3)を制御してカメラ(1)の姿勢を変更することによりカメラ(1)の撮影方向を変化させる雲台制御部(31)と、自動車に設置されている加速度センサ(4)等の各種センサが接続された車両I/F(インターフェース)(41)と、メモリカード(22)が接続されるカードI/F(221)とが接続されている。
【0021】
尚、本実施形態のドライブレコーダ(2)には、音声を出力するスピーカ(71)と、外部からの音声を取得するマイクロフォン(72)と、設定画面や画像等を表示する表示デバイス(73)と、操作信号を入力するための入力デバイス(74)とが配備されている。そして、バス(201)には、スピーカ(71)及びマイクロフォン(72)が接続された音声I/F(75)と、表示デバイス(73)が接続された映像出力部(76)と、入力デバイス(74)が接続されたユーザI/F(77)とが接続されている。
ここで、マイクロフォン(72)から得られる音声信号は、該音声信号と同期する映像信号と共に映像バッファ(24)に一時的に記録され、記録メディア(21)やメモリカード(22)等に映像信号が記録されるとき、該映像信号と共に音声信号もAVコーデック(25)により符号化されることになる。
【0022】
更に、ドライブレコーダ(2)は、GPS(Global Positioning System)測位機能を有しており、GPS受信部(8)により受信された信号に基づいて自動車の現在位置の経度と緯度が測定され、その測定結果に応じて変化する位置情報がGPS受信部(8)から出力される。
【0023】
又、上記ドライブレコーダ(2)のバス(201)には、距離判定部(81)が接続されており、該距離判定部(81)は、GPS受信部(8)により取得される位置情報と基準位置に対応する位置情報とに基づいて、自動車の位置と基準位置との間の距離、即ちカメラ(1)の位置と基準位置との間の距離を算出し、算出した距離が基準値以上或いは以下であるか否かを判定する。
ここで、基準位置には、撮影対象となる被写体の位置や、移動開始地点となる自宅の位置等、種々の位置が含まれるものとする。
【0024】
制御回路(5)は、上述の如く映像処理部(61)により算出される特徴量に基づいてドライブレコーダ(2)の記録動作の開始及び/又は停止を制御する録画制御手段として機能する他、距離判定部(81)の判定結果に基づいてドライブレコーダ(2)の記録動作の開始及び/又は停止を制御する録画制御手段としても機能する。
更に、制御回路(5)は、GPS受信部(8)により取得される位置情報と基準位置に対応する位置情報とに基づいてカメラ(1)の位置から基準位置へ向かう方向を算出する方向算出手段としても機能する。
【0025】
以下、上記ドライブレコーダ(2)の録画制御手続きについて説明する。
2.第1の録画制御手続き
図2は、上記ドライブレコーダ(2)にて実行される第1の録画制御手続きを示すフローチャートである。第1の録画制御手続きでは、時刻が入力されるべき変数tが設定されており、映像解析部(6)の映像処理部(61)は、制御回路(5)から処理動作開始指令を受けると、映像バッファ(24)に記録されている映像信号により構成される一連の画像から、変数tに入力されている時刻の画像P(t)を取得し、該画像P(t)について図3に示す如く領域Aに写る映像の映像信号を解析して該映像の特徴量FA(t)を算出する。
【0026】
ここで領域Aは、図3に示す様に、画像P(t)において道路に沿って拡がる風景が写ることとなる領域である。具体的に領域Aは、画像P(t)の一方の側端縁から中央に向かって三角形状を有する領域である。
【0027】
第1の録画制御手続きが開始されると、先ずステップS11では、録画制御手続きの開始時刻t0が変数tに入力される。次にステップS12では、制御回路(5)が、映像解析部(6)の映像処理部(61)に対して処理動作開始指令を送信し、これにより映像処理部(61)は、映像バッファ(24)に記録されている映像信号により構成される一連の画像から、変数tに入力されている開始時刻t0の画像P(t0)を取得し、該画像P(t0)について領域Aに写っている映像の映像信号を解析して該映像の特徴量FA(t0)を算出する。続いてステップS13では、変数として設定されている基準特徴量FArefに、ステップS12にて算出された特徴量FA(t0)が入力される。
【0028】
次にステップS14では、制御回路(5)が、変数tに入力されている時刻から所定の時間xが経過したか否かを判断する。具体的には、変数tに入力されている時刻と所定の時間xとを加算した時刻(t+x)に現在時刻が等しいか否かを判定する。
現在時刻が時刻(t+x)に等しくなくて(時刻(t+x)より小さくて)ステップS14にてノーと判定されたときは、再びステップS14にて現在時刻が時刻(t+x)に等しいか否かが判定され、ステップS14にてイエスと判定される迄、ステップS14が繰り返し実行される。
【0029】
一方、現在時刻が時刻(t+x)に等しくてステップS14にてイエスと判定されたときは、ステップS15に移行して、変数tが時刻(t+x)によって書き換えられる。続いてステップS16では、制御回路(5)が、映像解析部(6)の映像処理部(61)に対して処理動作開始指令を送信し、これにより映像処理部(61)は、映像バッファ(24)に記録されている映像信号により構成される一連の画像から、変数tに入力されている時刻の画像P(t)を取得し、該画像P(t)について領域Aに写っている映像の映像信号を解析して該映像の特徴量FA(t)を算出する。
【0030】
次にステップS17では、制御回路(5)が、映像解析部(6)の類似度判定部(62)に対して判定動作開始指令を送信し、これにより類似度判定部(62)は、基準特徴量FArefとステップS16にて算出された特徴量FA(t)とを用いて、これらのユークリッド距離を類似度D(FA(t):FAref)として算出する。ここで、類似度D(FA(t):FAref)は、その値が小さい程、比較する2つの映像が類似していることを表す量である。
その後、ステップS18にて基準特徴量FArefが、ステップS16にて算出された特徴量FA(t)によって書き換えられる。
【0031】
続いてステップS19では、類似度判定部(62)は、算出した類似度D(FA(t):FAref)が基準値Dref(1)以上であるか否かを判定する。
ここで、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動中に道路両側の風景が変化した場合、領域Aに写る映像は変化することになるので、変化前後の2つの映像(具体的には時刻tの映像と時刻(t+x)の映像)は非類似なものとなる。従って、ステップS19では、類似度判定部(62)により類似度D(FA(t):FAref)は基準値Dref(1)以上であると判定されることになる。
【0032】
一方、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動中であっても道路両側の風景に変化がない場合には、領域Aには同じ映像が写ったままとなるので、2つの映像は殆ど一致或いは類似したものとなる。従って、ステップS19では、類似度判定部(62)により類似度D(FA(t):FAref)は基準値Dref(1)以上でないと判定されることになる。
【0033】
類似度D(FA(t):FAref)が基準値Dref(1)以上であってステップS19にてイエスと判定されたときは、ステップS20に移行する。ステップS20では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を開始させ、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作を継続させる。
一方、類似度D(FA(t):FAref)が基準値Dref(1)以上でなくてステップS19にてノーと判定されたときは、ステップS21に移行する。ステップS21では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を停止させ、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態を継続させる。
【0034】
ステップS20又はステップS21の実行後、ステップS22では、制御回路(5)が、入力デバイス(74)から撮影を停止するための撮影停止信号が入力されたか否かを判定する。
入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されておらずステップS22にてノーと判定されたときはステップS14に戻り、変数tに入力されている時刻と所定の時間xとを加算した時刻(t+x)に現在時刻が等しいか否かが判定される。そして、ステップS14にてイエスと判定されると再びステップS15からの制御手続きが実行される。その後、ステップS22にてイエスと判定される迄、ステップS14〜S22の制御手続きが繰り返し実行される。従って、第1の録画制御手続きにおいては、図4において下向きの矢印にて示す様に、入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力される迄、開始時刻t0から所定の時間xが経過する毎に画像を録画すべきか否かの判断が実行されることになる。
【0035】
一方、入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されてステップS22にてイエスと判定されたときは、第1の録画制御手続きが終了する。
【0036】
上記第1の録画制御手続きにおいては、映像処理部(61)は、1枚の画像の領域Aに写った映像からは1つの特徴量FA(t)のみを算出しているが、本発明はこれに限られるものではなく、映像処理部(61)は、同じ画像P(t)の領域Aに写った映像から複数の特徴量を算出してもよい。
例えば、映像処理部(61)は、同じ画像P(t)の領域Aに写った映像から、色情報に関する特徴量FA1(t)とスペクトル情報に関する特徴量FA2(t)とを算出することが出来る。この場合、ステップS12では映像処理部(61)は、同じ画像P(t0)の領域Aに写った映像から、色情報に関する特徴量FA1(t0)とスペクトル情報に関する特徴量FA2(t0)とを算出する。そしてステップ13では、変数として設定されている基準特徴量FA1refと基準特徴量FA2refにそれぞれ、特徴量FA1(t0)と特徴量FA2(t0)が入力される。又、ステップS16では、映像処理部(61)は、同じ画像P(t)の領域Aに写った映像から、色情報に関する特徴量FA1(t)とスペクトル情報に関する特徴量FA2(t)とを算出する。
【0037】
そしてステップS17では、類似度判定部(62)は、基準特徴量FA1refとステップS16にて算出されたFA1(t)とを用いて、これらのユークリッド距離U1を求めると共に、基準特徴量FA2refとステップS16にて算出されたFA2(t)とを用いて、これらのユークリッド距離U2を求め、式(1)に示す様に、求めたユークリッド距離U1,U2にそれぞれ重み付けを行って類似度Dを算出する。
【0038】
D=W1×U1+W2×U2 (W1,W2は重み) ・・・ (1)
【0039】
上述したドライブレコーダ(2)においては、該ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動中に道路両側の風景が変化した場合、領域Aに写る映像は変化することになるので、変化前後の2つの映像(具体的には時刻tの映像と時刻(t+x)の映像)は非類似なものとなる。この場合、上述した第1の録画制御手続きでは、類似度判定部(62)によって2つの映像の類似度D(FA(t):FAref)は基準値Dref(1)以上であると判定され、これによりドライブレコーダ(2)による記録動作が開始され、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作が継続されることになる。
【0040】
一方、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動中であっても道路両側の風景に変化がない場合、領域Aには同じ映像が写ったままとなるので、2つの映像は殆ど一致或いは類似したものとなる。この場合、上述した第1の録画制御手続きでは、類似度判定部(62)によって2つの映像の類似度D(FA(t):FAref)は基準値Dref(1)以上でないと判定され、これによりドライブレコーダ(2)による記録動作が停止され、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態が継続されることになる。
【0041】
よって、上述した第1の録画制御手続きによれば、図4に示す様に、道路両側の風景の変化により領域Aに写る映像が変化した場合にのみ、ドライブレコーダ(2)による画像の録画が実行されることになる。従って、移動中にカメラ(1)により取得される画像(動画)から特徴ある映像を含んだ画像が抽出され、抽出された画像の映像信号が記録メディア(21)やメモリカード(22)等の不揮発性メモリに記録されることになる。
この様に特徴ある映像を含んだ画像の映像信号のみを不揮発性メモリに記録することにより、従来の如く全ての画像(動画)の映像信号を不揮発性メモリに記録する場合と比較して、不揮発性メモリの容量は小さくて済むことになる。
【0042】
又、上述した第1の録画制御手続きにおいて、所定の時間xを小さい値に設定し、基準値Dref(1)を小さい値に設定することにより、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車が停止又は低速度で走行しているときの画像の録画を排除することが出来る。
【0043】
具体的には、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車が停止又は低速度で走行している場合、短時間では画像が殆ど変化しないので、時刻tの映像と時刻(t+x)の映像は殆ど一致或いは類似したものとなる。従って、ステップS19において類似度D(FA(t):FAref)は基準値Dref(1)以上でないと判定され、ドライブレコーダ(2)による記録動作が停止され、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態が継続されることになる。
【0044】
図5は、上記第1の録画制御手続きの改良形態の例を示したフローチャートである。改良形態の例においては、ステップS19にてイエスと判定されたとき、ステップS24に移行する。ステップS24では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を開始させ、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作を継続させ、所定の時間yだけ記録動作を実行する。
【0045】
次にステップS25では、制御回路(5)が、入力デバイス(74)から撮影を停止するための撮影停止信号が入力されたか否かを判定する。
入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されておらずステップS25にてノーと判定されたときは、ステップS26に移行して、変数tに入力されている時刻から所定の時間yだけ経過した時刻(t+y)によって変数tが書き換えられ、その後、ステップS16に再び戻る。一方、入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されてステップS25にてイエスと判定されたときは、改良形態の例に係る第1の録画制御手続きが終了する。
【0046】
ステップS19にてノーと判定されたときは、ステップS27に移行する。ステップS27では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を停止させ、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態を継続させる。
【0047】
次にステップS28では、制御回路(5)が、入力デバイス(74)から撮影を停止するための撮影停止信号が入力されたか否かを判定する。
入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されておらずステップS28にてノーと判定されたときは、ステップS14に戻り、変数tに入力されている時刻と所定の時間xとを加算した時刻(t+x)に現在時刻が等しいか否かが判定される。そして、ステップS14にてイエスと判定されると再びステップS15からの制御手続きが実行される。その後、ステップS25又はステップS28にてイエスと判定される迄、ステップS14〜S28の制御手続きが繰り返し実行される。
【0048】
上記改良形態の例に係る第1の録画制御手続きによれば、図6において下向きの矢印にて示す様に、画像を録画すべきか否かの判断は、前回の判断により画像の記録動作が開始又は継続された場合には、前回の判断時点から所定の時間yが経過したときに実行される一方、前回の判断により画像の記録動作が停止又は停止状態が継続された場合には、前回の判断時点から所定の時間xが経過したときに実行されることになる。
従って、画像を記録すべき不揮発性メモリの容量に応じて、所定の時間xと所定の時間yの長さを調整することが可能である。
【0049】
3.第2の録画制御手続き
図7は、上記ドライブレコーダ(2)にて実行される第2の録画制御手続きを示すフローチャートである。第2の録画制御手続きでは、上述した第1の録画制御手続きと同様、時刻が入力されるべき変数tが設定されており、映像解析部(6)の映像処理部(61)は、制御回路(5)から処理動作開始指令を受けると、映像バッファ(24)に記録されている映像信号により構成される一連の画像から、変数tに入力されている時刻の画像P(t)を取得する。そして、第2の録画制御手続きでは、映像処理部(61)は、取得した画像P(t)について図8に示す如く領域A及び領域Bに写る2つの映像の映像信号を解析して該2つの映像の特徴量FA(t),FB(t)を算出する。
【0050】
ここで領域Aは、図8に示す様に、画像P(t)において道路に沿って拡がる風景が写ることとなる領域である。一方、領域Bは、画像P(t)において道路の側端縁近傍の部分(具体的には側道)が写ることとなる領域である。具体的に領域Aは、画像P(t)の一方の側端縁から中央に向かって三角形状を有する領域であり、領域Bは、領域Aの下方位置に配置された領域である。
【0051】
第2の録画制御手続きが開始されると、先ずステップS51では、録画制御手続きの開始時刻t0が変数tに入力される。次にステップS52では、制御回路(5)が、映像解析部(6)の映像処理部(61)に対して処理動作開始指令を送信し、これにより映像処理部(61)は、映像バッファ(24)に記録されている映像信号により構成される一連の画像から、変数tに入力されている開始時刻t0の画像P(t0)を取得し、該画像P(t0)について領域Aと領域Bに写っている2つの映像の映像信号を解析して該2つの映像の特徴量FA(t0),FB(t0)を算出する。続いてステップS53では、変数として設定されている基準特徴量FAref,FBrefにそれぞれ、ステップS52にて算出された特徴量FA(t0),FB(t0)が入力される。
【0052】
次にステップS54では、制御回路(5)が、変数tに入力されている時刻から所定の時間xが経過したか否かを判断する。具体的には、変数tに入力されている時刻と所定の時間xとを加算した時刻(t+x)に現在時刻が等しいか否かを判定する。
現在時刻が時刻(t+x)に等しくなくて(時刻(t+x)より小さくて)ステップS54にてノーと判定されたときは、再びステップS54にて現在時刻が時刻(t+x)に等しいか否かが判定され、ステップS54にてイエスと判定される迄、ステップS54が繰り返し実行される。
【0053】
一方、現在時刻が時刻(t+x)に等しくてステップS54にてイエスと判定されたときは、ステップS55に移行して、変数tが時刻(t+x)により書き換えられる。続いてステップS56では、制御回路(5)が、映像解析部(6)の映像処理部(61)に対して処理動作開始指令を送信し、これにより映像処理部(61)は、映像バッファ(24)に記録されている映像信号により構成される一連の画像から、変数tに入力されている時刻の画像P(t)を取得し、該画像P(t)について領域Aと領域Bに写っている2つ映像の映像信号を解析して該2つの映像の特徴量FA(t),FB(t)を算出する。
【0054】
次にステップS57では、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車が走行している道路がカーブしているか否かを判定するカーブ判定手続きが実行される。
【0055】
図9は、上記カーブ判定手続きの一例を示すフローチャートである。カーブ判定手続きが開始されると、先ずステップS61では、制御回路(5)が、映像解析部(6)の類似度判定部(62)に対して第1の判定動作開始指令を送信し、これにより類似度判定部(62)は、基準特徴量FArefとステップS56にて算出された特徴量FA(t)とを用いて、これらのユークリッド距離を類似度D(FA(t):FAref)として算出する。ここで、類似度D(FA(t):FAref)は、その値が小さい程、比較する2つの映像が類似していることを表す量である。
その後、ステップS62にて基準特徴量FArefが、ステップS56にて算出された特徴量FA(t)によって書き換えられる。
【0056】
続いてステップS63では、類似度判定手段(62)は、算出した類似度D(FA(t):FAref)が基準値Dref(1)以上であるか否かを判定する。
ここで、道路がカーブしており自動車の進行方向が変化して道路両側の風景が変化した場合、或いは自動車が直進しているにも拘わらず道路両側の風景が変化した場合、領域Aに写る映像は変化することになるので、変化前後の2つの映像(具体的には時刻tの映像と時刻(t+x)の映像)は非類似なものとなる。従って、ステップS63では、類似度判定部(62)により類似度D(FA(t):FAref)は基準値Dref(1)以上であると判定されることになる。
【0057】
一方、自動車が直進していて道路両側の風景に変化がない場合、領域Aには同じ映像が写ったままとなるので、2つの映像は殆ど一致或いは類似したものとなる。従って、ステップS63では、類似度判定部(62)により類似度D(FA(t):FAref)は基準値Dref(1)以上でないと判定されることになる。
【0058】
類似度D(FA(t):FAref)が基準値Dref(1)以上であってステップS63にてイエスと判定されたときは、ステップS64に移行する。ステップS64では制御回路(5)が、映像解析部(6)の類似度判定部(62)に対して第2の判定動作開始指令を送信し、これにより類似度判定部(62)は、基準特徴量FBrefとステップS56にて算出された特徴量FB(t)とを用いて、これらのユークリッド距離を類似度D(FB(t):FBref)として算出する。ここで、類似度D(FB(t):FBref)は、その値が小さい程、比較する2つの映像が類似していることを表す量である。
その後、ステップS65にて基準特徴量FBrefが、ステップS56にて算出された特徴量FB(t)によって書き換えられる。
【0059】
続いてステップS66では、類似度判定手段(62)は、算出した類似度D(FB(t):FBref)が基準値Dref(2)以上であるか否かを判定する。
ここで、道路両側の風景の変化が自動車の進行方向の変化(走行している道路がカーブしていること)に依拠するものである場合、領域Bからは道路の映像が外れて該領域Bに写る映像は変化することになるので、変化前後の2つの映像(具体的には時刻tの映像と時刻(t+x)の映像)は非類似なものとなる。従って、ステップS66では、類似度判定部(62)により類似度D(FB(t):FBref)は基準値Dref(2)以上であると判定されることになる。
【0060】
一方、自動車が直進したままである場合、領域Bには道路の映像が写ったままとなるので、上記2つの映像は殆ど一致或いは類似したものとなる。従って、ステップS66では、類似度判定部(62)により類似度D(FB(t):FBref)は基準値Dref(2)以上でないと判定されることになる。
【0061】
類似度D(FB(t):FBref)が基準値Dref(2)以上であってステップS66にてイエスと判定されたときは、ステップS67に移行する。ステップS67では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を停止させ、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態を継続させ、これによりカーブ判定手続きが終了する。
一方、類似度D(FB(t):FBref)が基準値Dref(2)以上でなくてステップS66にてノーと判定されたときは、ステップS68に移行する。ステップS68では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を開始させ、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作を継続させ、これによりカーブ判定手続きが終了する。
【0062】
ステップS63において、類似度D(FA(t):FAref)が基準値Dref(1)以上でなくてノーと判定されたときは、ステップS69に移行する。ステップS69では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を停止させ、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態を継続させ、これによりカーブ判定手続きが終了する。
【0063】
ステップS57の実行後、図7に示す様にステップS58では、制御回路(5)が、入力デバイス(74)から撮影を停止するための撮影停止信号が入力されたか否かを判定する。
入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されておらずステップS57にてノーと判定されたときはステップS54に戻り、変数tに入力されている時刻と所定の時間xとを加算した時刻(t+x)に現在時刻が等しいか否かが判定される。そして、ステップS54にてイエスと判定されると再びステップS55からの制御手続きが実行される。その後、ステップS58にてイエスと判定される迄、ステップS54〜S58の制御手続きが繰り返し実行される。
【0064】
一方、入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されてステップS57にてイエスと判定されたときは、第2の録画制御手続きが終了する。
【0065】
上記第2の録画制御手続きにおいては、映像処理部(61)は、1枚の画像の領域Aに写った映像からは1つの特徴量FA(t)のみを算出しているが、本発明はこれに限られるものではなく、第1の録画制御手続きで説明したのと同様、映像処理部(61)は、同じ画像P(t)の領域Aに写った映像から複数の特徴量を算出してもよい。画像P(t)の領域Bに写った映像についても同様である。
【0066】
上述したドライブレコーダ(2)においては、道路がカーブしており自動車の進行方向が変化して道路両側の風景が変化した場合、領域Bからは道路の映像が外れて該領域Bに写る映像は変化することになるので、変化前後の2つの映像(具体的には時刻tの映像と時刻(t+x)の映像)は非類似なものとなる。この場合、上述した第2の録画制御手続きでは、類似度判定部(62)によって2つの映像の類似度D(FB(t):FBref)は基準値Dref(2)以上であると判定され、これによりドライブレコーダ(2)による記録動作が停止され、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態を継続されることになる。
【0067】
一方、自動車が直進したままである場合、領域Bには道路の映像が写ったままとなるので、上記2つの映像は殆ど一致或いは類似したものとなる。この場合、上述した第2の録画制御手続きでは、類似度判定部(62)によって2つの映像の類似度D(FB(t):FBref)は基準値Dref(2)以上でないと判定され、これによりドライブレコーダ(2)による記録動作が開始され、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作を継続されることになる。
【0068】
よって、上述した第2の録画制御手続きによれば、道路がカーブしており自動車の進行方向が変化した場合には、そのときの画像の録画が排除されることになり、これにより移動中にカメラ(1)により取得される画像(動画)から特徴のない画像が排除されることになる。従って、従来の如く全ての画像(動画)の映像信号を不揮発性メモリに記録する場合と比較して、不揮発性メモリの容量は小さくて済むことになる。
【0069】
図10は、上記ステップ57にて実行されるカーブ判定手続きの他の例を示すフローチャートである。他の例に係るカーブ判定手続きにおいては、ステップS63にてイエスと判定されたとき、ステップS70に移行する。ステップS70では制御回路(5)が、移動中の自動車に設置されている加速度センサ(4)から加速度データを読み込み、該加速度データを解析することにより横方向の加速度Fを算出する。
【0070】
続いてステップS71では、制御回路(5)が、ステップS70にて算出された横方向の加速度Fが基準値Fref以上であるか否かを判定する。
ここで、道路がカーブしており自動車の進行方向が変化している場合、横方向の加速度Fは大きくなるので、ステップS71では、制御回路(5)により横方向の加速度Fは基準値Fref以上であると判定されることになる。
【0071】
一方、自動車が直進したままである場合、横方向の加速度Fは0に近い値となるので、ステップS71では、制御回路(5)により横方向の加速度Fは基準値Fref以上でないと判定されることになる。
【0072】
横方向の加速度Fが基準値Fref以上であってステップS71にてイエスと判定されたときは、ステップS72に移行する。ステップS72では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を停止させ、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態を継続させ、これによりカーブ判定手続きが終了する。
一方、横方向の加速度Fが基準値Fref以上でなくてステップS71にてノーと判定されたときは、ステップS73に移行する。ステップS73では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を開始させ、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作を継続させ、これによりカーブ判定手続きが終了する。
【0073】
上述した他の例に係るカーブ判定手続きを採用した第2の録画制御手続きにおいても、道路がカーブしており自動車の進行方向が変化した場合には、そのときの画像の録画が排除されることになり、これにより移動中にカメラ(1)により取得される画像(動画)から特徴のない画像が排除されることになる。従って、従来の如く全ての画像(動画)の映像信号を不揮発性メモリに記録する場合と比較して、不揮発性メモリの容量は小さくて済むことになる。
【0074】
4.第3の録画制御手続き
図11は、上記ドライブレコーダ(2)にて実行される第3の録画制御手続きを示すフローチャートである。第3の録画制御手続きでは、上述した第1の録画制御手続きと同様、時刻が入力されるべき変数tが設定されており、映像解析部(6)の映像処理部(61)は、制御回路(5)から処理動作開始指令を受けると、映像バッファ(24)に記録されている映像信号により構成される一連の画像から、変数tに入力されている時刻の画像P(t)を取得する。そして、第3の録画制御手続きでは、映像処理部(61)は、取得した画像P(t)について図12(a)に示す如く領域B及び領域Cに写る2つの映像の映像信号を解析して該2つの映像の特徴量FB(t),FC(t)を算出する。
【0075】
ここで領域Cは、図12(b)に示す様に、画像P(t)において前方を走行する他の自動車が写ることとなる領域である。一方、領域Bは、画像P(t)において前方を他の自動車が走行している場合でも道路が写ることとなる領域である。具体的には、図12(a)に示す様に、領域Cは、道路の中央近傍の部分が写ることとなる領域であり、領域Bは、道路の側端縁近傍の部分(具体的には側道)が写ることとなる領域である。即ち、2つの領域B,Cは、画像P(t)に写ることとなる道路上の異なる2つの領域である。
【0076】
第3の録画制御手続きが開始されると、先ずステップS31では、録画制御手続きの開始時刻t0が変数tに入力される。次にステップS32では、制御回路(5)が、変数tに入力されている時刻から所定の時間xが経過したか否かを判断する。具体的には、変数tに入力されている時刻と所定の時間xとを加算した時刻(t+x)に現在時刻が等しいか否かを判定する。
現在時刻が時刻(t+x)に等しくなくて(時刻(t+x)より小さくて)ステップS32にてノーと判定されたときは、再びステップS32にて現在時刻が時刻(t+x)に等しいか否かが判定され、ステップS32にてイエスと判定される迄、ステップS32が繰り返し実行される。
【0077】
一方、現在時刻が時刻(t+x)に等しくてステップS32にてイエスと判定されたときは、ステップS33に移行して、変数tが時刻(t+x)により書き換えられる。続いてステップS34では、制御回路(5)が、映像解析部(6)の映像処理部(61)に対して処理動作開始指令を送信し、これにより映像処理部(61)は、映像バッファ(24)に記録されている映像信号により構成される一連の画像から、変数tに入力されている時刻の画像P(t)を取得し、該画像P(t)について領域Bと領域Cに写っている2つ映像の映像信号を解析して該2つの映像の特徴量FB(t),FC(t)を算出する。
【0078】
次にステップS35では、制御回路(5)が、映像解析部(6)の類似度判定部(62)に対して判定動作開始指令を送信し、これにより類似度判定部(62)は、ステップS34にて算出された特徴量FA(t)と特徴量FB(t)を用いて、これらのユークリッド距離を類似度D(FB(t):FC(t))として算出する。ここで、類似度D(FB(t):FC(t))は、その値が小さい程、比較する2つの映像が類似していることを表す量である。
【0079】
続いてステップS36では、類似度判定部(62)は、算出した類似度D(FB(t):FC(t))が基準値Dref(3)以上であるか否かを判定する。
ここで、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動中、前方を他の自動車が走行している場合、図12(b)に示す様に、領域Bには側道が写ったままであるが、領域Cには前方を走行する自動車が写ることになるので、2つの領域B,Cに写った映像は非類似なものとなる。従って、ステップS36では、類似度判定部(62)により類似度D(FB(t):FC(t))は基準値Dref(3)以上であると判定されることになる。
【0080】
一方、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動中、前方を他の自動車が走行していない場合、図12(a)に示す様に2つの領域B,Cには道路が写ることになるので、上記2つの映像は殆ど一致或いは類似したものとなる。従って、ステップS36では、類似度判定部(62)により類似度D(FB(t):FC(t))は基準値Dref(3)以上でないと判定されることになる。
【0081】
類似度D(FB(t):FC(t))が基準値Dref(3)以上であってステップS36にてイエスと判定されたときは、ステップS37に移行する。ステップS37では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を停止させ、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態を継続させる。
一方、類似度D(FB(t):FC(t))が基準値Dref(3)以上でなくてステップS36にてノーと判定されたときは、ステップS38に移行する。ステップS38では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を開始させ、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作を継続させる。
【0082】
ステップS37又はステップS38の実行後、ステップS39では、制御回路(5)が、入力デバイス(74)から撮影を停止するための撮影停止信号が入力されたか否かを判定する。
入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されておらずステップS39にてノーと判定されたときはステップS32に戻り、変数tに入力されている時刻に所定の時間xを加算した時刻(t+x)に現在時刻が等しいか否かが判定される。そして、ステップS32にてイエスと判定されると再びステップS33からの制御手続きが実行される。その後、ステップS39にてイエスと判定される迄、ステップS32〜39の制御手続きが繰り返し実行される。
【0083】
一方、入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されてステップS39にてイエスと判定されたときは、第3の録画制御手続きが終了する。
【0084】
上記第3の録画制御手続きにおいては、映像処理部(61)は、1枚の画像の領域Bに写った映像からは1つの特徴量FB(t)のみを算出しているが、本発明はこれに限られるものではなく、第1の録画制御手続きで説明したのと同様、映像処理部(61)は、同じ画像P(t)の領域Bに写った映像から複数の特徴量を算出してもよい。画像P(t)の領域Cに写った映像についても同様である。
【0085】
上述したドライブレコーダ(2)においては、該ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動中、前方を他の自動車が走行している場合、図12(b)に示す様に、領域Bには側道が写ったままであるが、領域Cには前方を走行する自動車が写ることになるので、2つの領域B,Cに写った映像は非類似なものとなる。この場合、上述した第3の録画制御手続きでは、類似度判定部(62)によって類似度D(FB(t):FC(t))は基準値Dref(3)以上であると判定され、これによりドライブレコーダ(2)による記録動作が停止され、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態が継続されることになる。
【0086】
一方、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動中、前方を他の自動車が走行していない場合、図12(a)に示す様に2つの領域B,Cには道路が写ることになるので、2つの映像は殆ど一致或いは類似したものとなる。この場合、上述した第3の録画制御手続きでは、類似度判定部(62)によって類似度D(FB(t):FC(t))は基準値Dref(3)以上でないと判定され、これによりドライブレコーダ(2)による記録動作が開始され、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作が継続されることになる。
【0087】
よって、上述した第3の録画制御手続きによれば、前方を走行する自動車が写った単調な画像の録画が排除されることになり、これにより移動中にカメラ(1)により取得される画像(動画)から特徴のない画像が排除されることになる。従って、従来の如く全ての画像(動画)の映像信号を不揮発性メモリに記録する場合と比較して、不揮発性メモリの容量は小さくて済むことになる。
【0088】
5.第4の録画制御手続き
図13は、上記ドライブレコーダ(2)にて実行される第4の録画制御手続きを示すフローチャートである。第4の録画制御手続きでは、上述した第1の録画制御手続きと同様、時刻が入力されるべき変数tが設定されており、映像解析部(6)の映像処理部(61)は、制御回路(5)から処理動作開始指令を受けると、映像バッファ(24)に記録されている映像信号により構成される一連の画像から、変数tに入力されている時刻の画像P(t)を取得する。そして、第4の録画制御手続きでは、映像処理部(61)は、取得した画像P(t)について図14に示す如く領域Dに写る映像の映像信号を解析して該映像の特徴量FD(t)を算出する。
【0089】
ここで領域Dは、図14に示す様に、画像P(t)において道路標識が写ることとなる領域である。具体的には、領域Dは、画像P(t)の上端部近傍の領域である。
【0090】
第4の録画制御手続きが開始されると、先ずステップS41では、録画制御手続きの開始時刻t0が変数tに入力される。次にステップS42では、制御回路(5)が、変数tに入力されている時刻から所定の時間xが経過したか否かを判断する。具体的には、変数tに入力されている時刻と所定の時間xとを加算した時刻(t+x)に現在時刻が等しいか否かを判定する。
現在時刻が時刻(t+x)に等しくなくて(時刻(t+x)より小さくて)ステップS42にてノーと判定されたときは、再びステップS42にて現在時刻が時刻(t+x)に等しいか否かが判定され、ステップS42にてイエスと判定される迄、ステップS42が繰り返し実行される。
【0091】
一方、現在時刻が時刻(t+x)に等しくてステップS42にてイエスと判定されたときは、ステップS43に移行して、変数tが時刻(t+x)により書き換えられる。続いてステップS44では、制御回路(5)が、映像解析部(6)の映像処理部(61)に対して処理動作開始指令を送信し、これにより映像処理部(61)は、映像バッファ(24)に記録されている映像信号により構成される一連の画像から、変数tに入力されている時刻の画像P(t)を取得し、該画像P(t)について領域Dに写っている映像の映像信号を解析して該映像の特徴量FD(t)を算出する。
【0092】
次にステップS45では、制御回路(5)が、映像解析部(6)の類似度判定部(62)に対して判定動作開始指令を送信し、これにより類似度判定部(62)は、ステップS44にて算出された特徴量FA(t)と基準特徴量FDrefとを用いて、これらのユークリッド距離を類似度D(FD(t):FDref)として算出する。
ここで、基準特徴量FDrefは、道路標識が写っている基準映像の映像信号を解析して算出された特徴量である。尚、道路標識が画像P(t)の領域Dに写っているか否かを判定するためには、特徴量として色情報を用いることが好ましい。
又、類似度D(FD(t):FDref)は、その値が小さい程、比較する2つの映像が類似していることを表す量である。
【0093】
続いてステップS46では、類似度判定部(62)は、算出した類似度D(FD(t):FDref)が基準値Dref(4)以下であるか否かを判定する。
ここで、領域Dに道路標識が写り且つ該道路標識が基準映像の道路標識と同じ又は類似している場合、ステップS46では、類似度判定部(62)により類似度D(FD(t):FDref)は基準値Dref(4)以下であると判定されることになる。
【0094】
一方、領域Dに道路標識が写っていない場合、或いは領域Dに道路標識が写っているが該道路標識が基準映像の道路標識と非類似である場合、ステップS46では、類似度判定部(62)により類似度D(FD(t):FDref)は基準値Dref(4)以下でないと判定されることになる。
【0095】
類似度D(FD(t):FDref)が基準値Dref(4)以下であってステップS46にてイエスと判定されたときは、ステップS47に移行する。ステップS47では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を開始させ、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作を継続させる。
一方、類似度D(FD(t):FDref)が基準値Dref(4)以下でなくてステップS46にてノーと判定されたときは、ステップS48に移行する。ステップS48では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を停止させ、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態を継続させる。
【0096】
ステップS47又はステップS48の実行後、ステップS49では、制御回路(5)が、入力デバイス(74)から撮影を停止するための撮影停止信号が入力されたか否かを判定する。
入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されておらずステップS49にてノーと判定されたときはステップS42に戻り、変数tに入力されている時刻に所定の時間xを加算した時刻(t+x)に現在時刻が等しいか否かが判定される。そして、ステップS42にてイエスと判定されると再びステップS43からの制御手続きが実行される。その後、ステップS49にてイエスと判定される迄、ステップS42〜49の制御手続きが繰り返し実行される。
【0097】
一方、入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されてステップS49にてイエスと判定されたときは、第4の録画制御手続きが終了する。
【0098】
上記第4の録画制御手続きにおいては、映像処理部(61)は、1枚の画像の領域Dに写った映像からは1つの特徴量FD(t)のみを算出しているが、本発明はこれに限られるものではなく、第1の録画制御手続きで説明したのと同様、映像処理部(61)は、同じ画像P(t)の領域Dに写った映像から複数の特徴量を算出してもよい。
【0099】
上述した第4の録画制御手続きでは、領域Dに道路標識が写り且つ該道路標識が基準映像の道路標識と同じ又は類似している場合、類似度判定部(62)によって類似度D(FD(t):FDref)は基準値Dref(4)以下であると判定され、これによりドライブレコーダ(2)による記録動作が開始され、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作が継続されることになる。
【0100】
一方、領域Dに道路標識が写っていない場合、或いは領域Dに道路標識が写っているが該道路標識が基準映像の道路標識と非類似である場合、類似度判定部(62)によって類似度D(FD(t):FDref)は基準値Dref(4)以下でないと判定され、これによりドライブレコーダ(2)による記録動作が停止され、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態が継続されることになる。
【0101】
よって、上述した第4の録画制御手続きによれば、基準画像の道路標識と同じ又は類似した道路標識が写った画像のみが、ドライブ本体(2)により録画されることになる。従って、移動中にカメラ(1)により取得される画像(動画)から特徴ある映像を含んだ画像が抽出され、抽出された画像の映像信号が記録メディア(21)やメモリカード(22)等の不揮発性メモリに記録されることになる。
この様に特徴ある映像を含んだ画像の映像信号のみを不揮発性メモリに記録することにより、従来の如く全ての画像(動画)の映像信号を不揮発性メモリに記録する場合と比較して、不揮発性メモリの容量は小さくて済むことになる。
【0102】
尚、上述した第4の録画制御手続きは、道路標識が写った画像を録画する場合に限らず、信号や看板等の所定の被写体が写った画像を録画する場合にも適用することが出来る。
【0103】
6.第5の録画制御手続き
図15は、上記ドライブレコーダ(2)にて実行される第5の録画制御手続きを示すフローチャートである。第5の録画制御手続きでは、該手続きの開始の前に、撮影対象とする1又は複数の被写体の位置(基準位置)Rを設定するための設定信号が入力デバイス(74)から入力される。尚、被写体の位置Rに限らず、地図上の1又は複数の位置を設定するための設定信号が入力デバイス(74)から入力されてもよい。
入力デバイス(74)から設定信号が入力されて第5の録画制御手続きが開始されると、先ずステップS81では、制御回路(5)が、入力デバイス(74)から入力された設定信号に基づいて撮影対象とする被写体の位置Rに対応する位置情報Grefを取得する。続いてステップS82では、制御回路(5)は、現在位置R(t)に関する位置情報G(t)をGPS受信部(8)から取得する。
【0104】
次にステップS83では、制御回路(5)が、距離判定部(81)に対して判定動作開始指令を送信し、これにより距離判定部(81)は、ステップS81にて取得された位置情報GrefとステップS82にて取得された位置情報G(t)とに基づいて、自動車の現在位置R(t)と被写体の位置(基準位置)Rとの間の距離、即ちカメラ(1)と被写体との間の距離L1を算出する。
【0105】
続いてステップS84では、距離判定部(81)は、算出した距離L1が基準値Lref(1)以下であるか否かを判定する。
ここで、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動中に該自動車が被写体に近づいて、該被写体の位置(基準位置)Rを中心とした半径が基準値Lref(1)の範囲内を自動車が走行している場合、ステップS84では、距離判定部(81)により距離L1は基準値Lref(1)以下であると判定されることになる。
【0106】
一方、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動中に該自動車が被写体から遠ざかって、該被写体の位置(基準位置)Rを中心とした半径が基準値Lref(1)の範囲外を自動車が走行している場合、ステップS84では、距離判定部(81)により距離L1は基準値Lref(1)以下でないと判定されることになる。
【0107】
距離L1が基準値Lref(1)以下であってステップS84にてイエスと判定されたときは、ステップS85に移行する。ステップS85では制御回路(5)が、ステップS81にて取得した位置情報GrefとステップS82にて取得した位置情報G(t)とに基づいて、カメラ(1)の位置から被写体の位置(基準位置)Rへ向かう方向D(t)を算出する。
【0108】
続いてステップS86では、制御回路(5)が、雲台制御部(31)に対して雲台制御開始指令を送信し、これにより雲台制御部(31)は、雲台(3)の姿勢を制御することによって、カメラ(1)の撮影方向がステップS85にて算出された方向D(t)へ向く様にカメラ(1)の姿勢を変更する。その後、制御回路(5)は、ドライブレコーダ(2)に記録動作を開始させ、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作を継続させる。
【0109】
ステップS84において、距離L1が基準値Lref(1)以下でなくてノーと判定されたときは、ステップS87に移行する。ステップS87では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を停止させ、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態を継続させる。
【0110】
ステップS86又はステップS87の実行後、ステップS88では、制御回路(5)が、入力デバイス(74)から撮影を停止するための撮影停止信号が入力されたか否かを判定する。
入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されておらずステップS88にてノーと判定されたときはステップS82に戻り、再び現在位置R(t)に関する位置情報G(t)がGPS受信部(8)から取得され、ステップS83からの制御手続きが実行される。その後、ステップS88にてイエスと判定される迄、ステップS82〜S88の制御手続きが繰り返し実行される。
【0111】
一方、入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されてステップS88にてイエスと判定されたときは、第5の録画制御手続きが終了する。
【0112】
上述した第5の録画制御手続きにおいては、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動中に該自動車が被写体に近づいて、該被写体の位置(基準位置)Rを中心とした半径が基準値Lref(1)の範囲内を自動車が走行している場合、距離判定部(81)によって距離L1は基準値Lref(1)以下であると判定され、これによりドライブレコーダ(2)による記録動作が開始され、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作が継続されることになる。
そして、ドライブレコーダ(2)による記録動作が実行されるときには、カメラ(1)の撮影方向が被写体の方へ向けられる。
【0113】
一方、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動中に該自動車が被写体から遠ざかって、該被写体の位置(基準位置)Rを中心とした半径が基準値Lref(1)の範囲外を自動車が走行している場合、距離判定部(81)によって距離L1は基準値Lref(1)以下でないと判定され、これによりドライブレコーダ(2)による記録動作が停止され、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態が継続されることになる。
【0114】
よって、上述した第5の録画制御手続きによれば、被写体又は被写体周辺の風景が写った画像のみが、ドライブ本体(2)により録画されることになる。従って、被写体又は被写体周辺の風景が写った特徴ある映像を含んだ画像の映像信号のみが、記録メディア(21)やメモリカード(22)等の不揮発性メモリに記録されることになる。
この様に特徴ある映像を含んだ画像の映像信号のみを不揮発性メモリに記録することにより、従来の如く全ての画像(動画)の映像信号を不揮発性メモリに記録する場合と比較して、不揮発性メモリの容量は小さくて済むことになる。
【0115】
又、上述した第5の録画制御手続きにおいては、カメラ(1)の撮影方向を被写体の方へ向けてドライブレコーダ(2)による記録動作が実行されるので、被写体が写った画像が録画され易い。
尚、被写体の位置が自動車の後方に存在する場合には、カメラ(1)の撮影方向を被写体の方へ向けたとしても自動車の車内が撮影されることになる。そこで、カメラ(1)の撮影方向が自動車の進行方向を含む所定の角度範囲内の方向に向けられているときに、ドライブレコーダ(2)による記録動作を開始させ、カメラ(1)の撮影方向が角度範囲外の方向(例えば自動車の進行方向とは逆方向)に向けられたときには、ドライブレコーダ(2)による記録動作を停止させ、或いは記録動作を継続したままカメラ(1)の撮影方向を前方に向けてもよい。
【0116】
更に、上記第5の録画制御手続きにおいて、基準値Lref(1)を、その値の変更が可能なものにしてもよい。自動車の平均速度と基準値Lref(1)とから、基準位置Rを中心とした半径が基準値Lref(1)の範囲を自動車が通過する時間、即ち該範囲内での撮影時間を計算することが出来、該撮影時間は、基準値Lref(1)が小さい程、短くなる。よって、基準値Lref(1)を、その値の変更が可能なものにすることによって、記録メディア(21)やメモリカード(22)等の不揮発性メモリの容量に応じて基準値Lref(1)の値を変更し、これにより基準位置Rの設定数を変更することが可能になる。
【0117】
7.第6の録画制御手続き
図16は、上記ドライブレコーダ(2)にて実行される第6の録画制御手続きを示すフローチャートである。第6の録画制御手続きでは、該手続きの開始の前に、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車の移動開始地点となる該自動車の車庫の位置(基準位置)R0を設定するべく設定信号が入力デバイス(74)から入力される。
入力デバイス(74)から設定信号が入力されて第6の録画制御手続きが開始されると、先ずステップS101では、制御回路(5)が、入力デバイス(74)から入力された設定信号に基づいて車庫の位置R0に対応する位置情報Gref0を取得する。続いてステップS102では、制御回路(5)は、現在位置R(t)に関する位置情報G(t)をGPS受信部(8)から取得する。
【0118】
次にステップS103では、制御回路(5)が、距離判定部(81)に対して判定動作開始指令を送信し、これにより距離判定部(81)は、ステップS101にて取得された位置情報Gref0とステップS102にて取得された位置情報G(t)とに基づいて、自動車の現在位置R(t)と車庫の位置(基準位置)R0との間の距離、即ちカメラ(1)と車庫との間の距離L2を算出する。
【0119】
続いてステップS104では、距離判定部(81)は、算出した距離L2が基準値Lref(2)以下であるか否かを判定する。
ここで、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車が移動中であっても、車庫の位置(基準位置)R0を中心とした半径が基準値Lref(2)の範囲内を自動車が走行している場合、ステップS104では、距離判定部(81)により距離L2は基準値Lref(2)以下であると判定されることになる。
【0120】
一方、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車が車庫から遠ざかって、車庫の位置(基準位置)R0を中心とした半径が基準値Lref(2)の範囲外を自動車が走行している場合、ステップS104では、距離判定部(81)により距離L2は基準値Lref(2)以下でないと判定されることになる。
【0121】
距離L2が基準値Lref(2)以下であってステップS104にてイエスと判定されたときは、ステップS105に移行する。ステップS105では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)の録画機能を無効にする。
一方、距離L2が基準値Lref(2)以下でなくてステップS104にてノーと判定されたときは、ステップS106に移行する。ステップS106では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)の録画機能を有効にする。
【0122】
ステップS105又はステップS106の実行後、ステップS107では、制御回路(5)が、入力デバイス(74)から撮影を停止するための撮影停止信号が入力されたか否かを判定する。
入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されておらずステップS107にてノーと判定されたときはステップS102に戻り、再び現在位置R(t)に関する位置情報G(t)がGPS受信部(8)から取得され、ステップS103からの制御手続きが実行される。その後、ステップS107にてイエスと判定される迄、ステップS102〜S107の制御手続きが繰り返し実行される。
【0123】
一方、入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されてステップS107にてイエスと判定されたときは、第6の録画制御手続きが終了する。
【0124】
上述した第6の録画制御手続きにおいては、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車が移動中であっても、車庫の位置(基準位置)R0を中心とした半径が基準値Lref(2)の範囲内を自動車が走行している場合、距離判定部(81)によって距離L2は基準値Lref(2)以下であると判定され、その後、ドライブレコーダ(2)の録画機能は無効になる。
【0125】
一方、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車が車庫から遠ざかって、車庫の位置(基準位置)R0を中心とした半径が基準値Lref(2)の範囲外を自動車が走行している場合、距離判定部(81)によって距離L2は基準値Lref(2)以下でないと判定され、その後、ドライブレコーダ(2)の録画機能は有効になる。
【0126】
よって、上述した第6の録画制御手続きによれば、車庫の位置(基準位置)R0周辺の風景が写った特徴のない画像の録画が排除されることになる。従って、従来の如く全ての画像(動画)の映像信号を不揮発性メモリに記録する場合と比較して、不揮発性メモリの容量は小さくて済むことになる。
【0127】
図17は、上記第6の録画制御手続きの改良形態の例を示したフローチャートである。該改良形態の例に係る第6の録画制御手続きは、ドライブレコーダ(2)が起動されたときに開始され、先ずステップS91では、制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)の録画機能を無効にする。次にステップS92では、制御回路(5)が時間計測手段(図示せず)を起動して、ドライブレコーダ起動時点からの時間tsを計測する。
【0128】
続いてステップS93では、制御回路(5)が、ステップS92にて計測された時間tsが、予め設定されている設定時間z以上であるか否かを判定する。
時間tsが設定時間z以上であってステップS93にてイエスと判定されたときは、ステップS94に移行する。ステップS94では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)の録画機能を有効にし、これにより改良形態の例に係る第6の制御手続きが終了する。
【0129】
一方、時間tsが設定時間z以上でなくてステップS93にてノーと判定されたときは、ステップS92に戻ってドライブレコーダ起動時点からの時間tsが計測され、再びステップS93にて時間tsが設定時間z以上であるか否かが判定される。そして、ステップS93にてイエスと判定される迄、ステップS92,S93の制御手続きが繰り返し実行される。
【0130】
よって、上述した改良形態の例に係る第6の録画制御手続きによれば、ドライブレコーダ(2)が搭載されている自動車が車庫から出発した後、車庫周辺の特徴のない風景が写ることとなる時間(設定時間z)分の画像の録画が排除されることになる。従って、従来の如く全ての画像(動画)の映像信号を不揮発性メモリに記録する場合と比較して、不揮発性メモリの容量は小さくて済むことになる。
【0131】
8.第7の録画制御手続き
図18は、上記ドライブレコーダ(2)にて実行される第7の録画制御手続きを示すフローチャートである。ここで、第7の録画制御手続きは、上述した第1の録画制御手続きと、第4の録画制御手続きと、第5の録画制御手続きとを組み合わせたものである。即ち、第7の録画制御手続きは、道路に沿って拡がる風景の変化(録画条件a)を画像から判定して録画を開始する制御手続きと、道路標識の存在(録画条件b)を画像から判定して録画を開始する制御手続きと、撮影対象である被写体に近づいたこと(録画条件c)を位置情報から判定して録画を開始する制御手続きとを組み合わせたものである。
【0132】
第7の録画制御手続きが開始されると、先ず第1の録画制御手続き(図2参照)のステップS11〜S18が実行され、続いてステップS19が実行される。
ステップS19において類似度D(FA(t):FAref)が基準値Dref(1)以上であってイエスと判定されたときは、ステップS111に移行する。ステップS111では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を開始させ、或いは既に記録動作が実行されている場合には該記録動作を継続させる。
【0133】
一方、ステップS19において類似度D(FA(t):FAref)が基準値Dref(1)以上でなくてノーと判定されたときは、第4の録画制御手続き(図13参照)のステップS44,S45が実行され、続いてステップS46が実行される。
【0134】
ステップS46において類似度D(FD(t):FDref)が基準値Dref(4)以下であってイエスと判定されたときは、ステップS111に移行する。
一方、ステップS46において類似度D(FD(t):FDref)が基準値Dref(4)以下でなくてノーと判定されたときは、第5の録画制御手続き(図15参照)のステップS81〜S83が実行され、続いてステップS84が実行される。
【0135】
ステップS84において距離L1が基準値Lref(1)以下であってイエスと判定されたときは、第5の録画制御手続きのステップS85,S86が実行され、その後、ステップS111に移行する。
一方、ステップS84において距離L1が基準値Lref(1)以下でなくてノーと判定されたときは、ステップS112に移行する。ステップS112では制御回路(5)が、ドライブレコーダ(2)に記録動作を停止させ、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態を継続させる。
【0136】
ステップS111又はステップS112の実行後、ステップS113では、制御回路(5)が、入力デバイス(74)から撮影を停止するための撮影停止信号が入力されたか否かを判定する。
入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されておらずステップS113にてノーと判定されたときはステップS14に戻り、ステップS14からの制御手続きが再び実行される。その後、ステップS113にてイエスと判定される迄、ステップS14から制御手続きが繰り返し実行される。
【0137】
一方、入力デバイス(74)から撮影停止信号が入力されてステップS113にてイエスと判定されたときは、第7の録画制御手続きが終了する。
【0138】
上述した第7の録画制御手続きによれば、3つの録画条件a〜cから少なくとも1つの録画条件を選択することが可能であり、該選択された録画条件の何れかが満たされたときに画像の録画が実行されることになる。
【0139】
具体的には、図19に示す様に、録画条件aが満たされたときのみ録画を実行したい場合(設定No.1)には、基準値Dref(1)を、類似度判定部(62)により算出され得る類似度(FA(t):FAref)の範囲内の適切な値D1に設定し、基準値Dref(4)を、類似度判定部(62)により算出され得る類似度D(FD(t):FDref)の最小値より小さい値(=0−ε)に設定し、基準値Lref(1)を、距離判定部(81)により算出され得る距離L1の最小値より小さい値(=0−ε)に設定する。基準値Dref(4)を最小値より小さい値に設定することにより、ステップS46では必ずノーと判定されることになる。又、基準値Lref(1)を最小値より小さい値に設定することにより、ステップS84では必ずノーと判定されることになる。よって、ステップS19にてノーと判定された場合には、ステップS46とステップS84を経て必ずステップS112に移行し、ドライブレコーダ(2)による記録動作が停止され、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態が継続されることになる。
【0140】
録画条件bが満たされたときのみ録画を実行したい場合(設定No.2)には、基準値Dref(1)を、類似度判定部(62)により算出され得る類似度(FA(t):FAref)の最大値より大きい値(=Max+ε)に設定し、基準値Dref(4)を、類似度判定部(62)により算出され得る類似度D(FD(t):FDref)の範囲内の適切な値D4に設定し、基準値Lref(1)を最小値より小さい値(=0−ε)に設定する。基準値Dref(1)を最大値より大きい値に設定することにより、ステップS19では必ずノーと判定される。よって、ステップS46が必ず実行されることになる。又、基準値Lref(1)を最小値より小さい値に設定することにより、ステップS84では必ずノーと判定されるので、ステップS46にてノーと判定された場合には、ステップ84を経て必ずステップS112に移行し、ドライブレコーダ(2)による記録動作が停止され、或いは既に記録動作が停止されている場合には停止状態が継続されることになる。
【0141】
録画条件cが満たされたときのみ録画を実行したい場合(設定No.3)には、基準値Dref(1)を最大値より大きい値(=Max+ε)に設定し、基準値Dref(4)を最小値より小さい値(=0−ε)に設定し、基準値Lref(1)を、距離判定部(81)により算出され得る距離L1の範囲内の適切な値L1に設定する。基準値Dref(1)を最大値より大きい値に設定することにより、ステップS19では必ずノーと判定される。又、基準値Dref(4)を最小値より小さい値に設定することにより、ステップS46では必ずノーと判定されることになる。よって、ステップS84が必ず実行されることになる。
【0142】
同様の考え方により、2つの録画条件a,bの何れか一方の条件が満たされたときに録画を実行したい場合(設定No.4)には、基準値Dref(1)を適切な値D1に設定し、基準値Dref(4)を適切な値D4に設定し、基準値Lref(1)を最小値より小さい値(=0−ε)に設定する。
2つの録画条件b,cの何れか一方の条件が満たされたときに録画を実行したい場合(設定No.5)には、基準値Dref(1)を最大値より大きい値(=Max+ε)に設定し、基準値Dref(4)を適切な値D4に設定し、基準値Lref(1)を適切な値L1に設定する。
2つの録画条件a,cの何れか一方の条件が満たされたときに録画を実行したい場合(設定No.6)には、基準値Dref(1)を適切な値D1に設定し、基準値Dref(4)を最小値より小さい値(=0−ε)に設定し、基準値Lref(1)を適切な値L1に設定する。
【0143】
又、3つの録画条件a〜cの何れか一つの条件が満たされたときに録画を実行したい場合(設定No.7)には、基準値Dref(1)を適切な値D1に設定し、基準値Dref(4)を適切な値D4に設定し、基準値Lref(1)を適切な値L1に設定する。
【0144】
上記第7の録画制御手続きにおいては、上述した第1の録画制御手続きと、第4の録画制御手続きと、第5の録画制御手続きとが組み合わせされていたが、本発明はこれに限られるものでなく、第1〜第6の録画制御手続きを任意に組み合わせることが可能である。
【0145】
尚、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、特徴量を算出するべく映像信号が解析される領域は、上述した領域A〜Dに限らず、撮影対象となる被写体に応じて道路を基準とした様々な位置に設定することが出来る。例えば、特徴量を算出するべく映像信号が解析される領域を、道路両側の位置に配置することが出来る。勿論、特徴量を算出するべく映像信号が解析される領域は、道路を基準として設定されたものでなくてもよく、画像内の任意の領域或いは画像の全領域であってもよい。
【0146】
又、上述したドライブレコーダ(2)の録画制御手続きにおいては、特徴量の算出及び類似度の判定は映像解析部(6)によって実行されるが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、特徴量の算出及び類似度の判定を、制御回路(5)にて実行してもよい。
【0147】
更に、自動車に、事故の発生や急な減速等が原因で該自動車に加わる衝撃を検知する衝撃検知センサを配備し、上述したドライブレコーダ(2)において、自動車での移動中にカメラ(1)から得られる一連の画像を映像バッファ(24)に一時的に記録し、衝撃検知センサにより衝撃が検知されたとき、検知前後の一連の画像を映像バッファ(24)から読み出して不揮発性メモリに記録する録画制御手続きを実行してもよい。
【0148】
上述したドライブレコーダ(2)において、該ドライブレコーダ(2)に配備されているマイクロフォン(72)によって音声を取得し、該音声の音声信号に基づいてドライブレコーダ(2)による画像の記録動作を制御してもよい。
又、自動車に速度センサを取り付けると共に、上述したドライブレコーダ(2)の車両I/F(41)に速度センサを接続し、該ドライブレコーダ(2)において、速度センサにより検知される自動車の速度を取得し、該自動車の速度に基づいて自動車が停止又は低速で走行しているか否かを判断し、自動車が停止又は低速で走行していると判断することが出来る場合には、ドライブレコーダ(2)による画像の記録動作を停止させてもよい。
【0149】
上述したドライブレコーダ(2)においては、類似度判定部(62)又は距離判定部(81)の判定結果に基づいて、ドライブレコーダ(2)による記録動作の開始又は停止を制御していたが、前記判定結果に基づいて録画時の画像圧縮レートを変更してもよい。具体的には、ドライブレコーダ(2)の記録動作を継続させた状態で、記録動作を停止させる代わりに、画像圧縮レートを上げて画像を低画質にて録画し、記録動作を開始させる代わりに、画像圧縮レートを下げて画像を高画質にて録画する。
【0150】
或いは、類似度判定部(62)又は距離判定部(81)の判定結果に基づいて雲台(3)を制御してカメラ(1)の姿勢を変更してもよい。具体的には、ドライブレコーダ(2)の記録動作を継続させた状態で、記録動作を停止させる代わりに、カメラ(1)の姿勢を変更することによって、前方を向いていたカメラ(1)の撮影方向を斜め前方或いは横方向に向けて撮影を行い、記録動作を開始させる代わりに、カメラ(1)の撮影方向を自動車の前方に向け直して撮影を行う。
【0151】
更に又、上述したドライブレコーダ(2)は、自動車に限らず、自転車や自動2輪車等の種々の車両にも搭載することが出来る。又、上述したドライブレコーダ(2)に採用した各種構成は、自動車に限らず自転車や自動2輪車等に搭載される種々の録画装置にも採用することが出来る。又、上述したドライブレコーダ(2)に採用した各種構成は、ビデオカメラ等の携帯用の録画装置にも採用することが出来る。
【符号の説明】
【0152】
(1) カメラ(撮像装置)
(2) ドライブレコーダ(録画装置)
(21) 記録メディア(記録媒体)
(3) 雲台(姿勢変更手段)
(4) 加速度センサ
(5) 制御回路(録画制御手段、方向算出手段)
(6) 映像解析部(検出手段)
(61) 映像処理部(映像処理手段)
(62) 類似度判定部(類似度判定手段)
(8) GPS受信部(位置情報取得手段)
(81) 距離判定部(距離判定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される録画装置であって、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
該位置情報取得手段により取得される位置情報に基づいて、移動体の位置と予め設定された位置との間の距離が基準値以下であるか否かを判定する距離判定手段と、
前記距離が基準値以下になったと距離判定手段が判定したとき、撮像装置から得られる映像信号の記録媒体への記録を開始させる一方、前記距離が基準値より大きくなったと距離判定手段が判定したとき、撮像装置から得られる映像信号の記録媒体への記録を停止させる録画制御手段
とを具えている録画装置。
【請求項2】
前記撮像装置の姿勢を制御する姿勢変更手段と、
位置情報取得手段により取得される位置情報に基づいて、移動体の位置から予め設定された位置へ向かう方向を算出する方向算出手段
とを更に具え、
前記録画制御手段は、記録媒体への記録を開始させるとき、姿勢変更手段を制御して撮像装置の撮影方向を方向算出手段により算出される方向へ向ける請求項1に記載の録画装置。
【請求項3】
移動体に搭載される録画装置であって、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
該位置情報取得手段により取得される位置情報に基づいて、移動体の位置と予め設定された位置との間の距離が基準値以下であるか否かを判定する距離判定手段と、
前記距離が基準値以下であると距離判定手段が判定したときは、撮像装置から得られる映像信号の記録媒体への記録を行わず、前記距離が基準値より大きいと距離判定手段が判定したとき、撮像装置から得られる映像信号の記録媒体への記録を行う録画制御手段
とを具えている録画装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−13742(P2011−13742A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155027(P2009−155027)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】