説明

開閉体駆動装置及び開閉体の駆動方法

【課題】不揮発性半導体メモリを用いることなく、開閉体を違和感なく開閉操作することができる開閉体駆動装置及び開閉体の駆動方法を提供する。
【解決手段】IGスイッチSW1がオフされ、再びオン操作されると、制御回路31はサンシェード位置フラグが「格納位置」に初期設定される。サンシェード操作スイッチSW2が操作される。この時、初期設定されたサンシェード位置フラグが示すサンシェード18の「格納位置」を示しているにも拘わらず、実際には「展開位置」にある場合には、予め定めた時間内に駆動モータMが停止状態になる。この短時間での停止により、制御回路31はサンシェード位置フラグが実際のサンシェード18の「展開位置」とは異なる「格納位置」を示していると判断し、駆動モータを反転駆動しサンシェード18を「展開位置」から「格納位置」へ移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体駆動装置及び開閉体の駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、開閉体、例えば、車両の後方に設けられたリアガラスからの光を遮るためのブラインド(サンシェード)を開閉駆動するサンシェード装置が設けられている。(例えば、特許文献1,2)
この種のサンシェード装置は、操作スイッチをオン操作することで、モータを駆動(例えば、正転駆動)してサンシェードを格納位置から展開位置に移動させたり、反対に、モータを、例えば、逆転駆動させて、サンシェードを展開位置から格納位置に移動させたりしていた。
【0003】
つまり、サンシェードが格納位置にあるときに、操作スイッチをオン操作すると、モータが正転駆動されて、サンシェードが格納位置から展開位置に移動する。そして、サンシェードが展開位置に達すると、モータがロック状態となりそのロック状態を検出してモータの駆動を停止して、サンシェードを展開位置に保持する。
【0004】
反対に、サンシェードが展開位置にあるときに、操作スイッチをオン操作すると、モータが逆転駆動されて、サンシェードが展開位置から格納位置に移動する。そして、サンシェードが格納位置に達すると、モータがロック状態となりそのロック状態を検出してモータの駆動を停止して、サンシェードを格納位置に保持する。
【0005】
この操作スイッチをオン操作に基づく、(1)サンシェードを格納位置から展開位置への移動(モータの正転駆動)、(2)サンシェードを格納位置から展開位置への移動(モータの逆転駆動)は、操作スイッチのオン操作する直前のサンシェードの位置情報に基づいて行われる。
【0006】
このサンシェードの位置情報は、操作スイッチをオン操作し、モータの駆動によって、サンシェードが格納位置又は展開位置に保持される毎に、そのときのサンシェードの位置が位置情報としてメモリに記憶される。そして、操作スイッチがオン操作されると、メモリに記憶されたそのサンシェードの位置情報に基づいて、モータを正逆回転させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−136958号公報
【特許文献2】特開2010−70921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記車両用のサンシェード装置においては、サンシェードの位置情報を記憶させるためのメモリを必要としていた。しかも、イグニッションスイッチがオフされて、電源が遮断されても、位置情報が消去されず保持されるために、不揮発性半導体メモリとしてEEPROMが使用されていた。
【0009】
この不揮発性半導体メモリであるEEPROMは、他の半導体メモリに比べて高価であって、車両用サンシェード装置のコストダウンを図る上で問題があった。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、不揮発性半導体メモリを用いることなく、開閉体を違和感なく開閉操作することができる開閉体駆動装置及び開閉体の駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、開閉体を開位置と閉位置の2位置に移動案内させる駆動モータと、イグニッションスイッチのオン信号に基づいて電力が供給されて待機状態となり、開閉体操作手段からの操作信号により、前記開閉体を前記2位置のいずれか一方の位置から他方の位置に移動させるべく前記駆動モータを駆動制御するとともに、前記駆動モータの停止状態になった時、前記駆動モータへの電力を遮断し停止させる制御回路とを備える開閉体駆動装置であって、開閉体の位置情報が記憶され、前記イグニッションスイッチのオン信号の消失により前記位置情報が消去され、前記イグニッションスイッチのオン信号により前記位置情報が開位置と閉位置の2位置のいずれか一方に初期化される位置フラグを有する記憶部と、前記待機状態において、前記開閉体操作手段からの操作信号に応答して、前記位置フラグが示す位置情報の一方の位置とは異なる他方の位置に前記開閉体を移動させるべく前記駆動モータに電力を供給して駆動させるとともに、予め定めた時間内に前記駆動モータが停止状態になった時、前記他方の位置から前記位置フラグが示す位置情報の一方の位置に前記開閉体を反転移動させるべく前記駆動モータを駆動するように電力を前記駆動モータへ供給する駆動制御部とを備える。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、イグニッションスイッチがオフされ、再びオン操作されると、位置フラグが初期設定される。開閉体操作手段が操作されると、初期設定された位置フラグが示す開閉体の位置が実際の開閉体の位置と相違していると、予め定めた時間内に前記駆動モータが停止状態になる。この短時間での停止により、位置フラグが実際の開閉体の位置とは異なる位置を示していると判断し、駆動モータを反転駆動する開閉体を反転移動させることができる。
【0012】
従って、イグニッションスイッチがオフされる毎に、不揮発性メモリ(EEPROM)を用いてその時の開閉体の「開位置」又は「閉位置」を記憶させる必要がなくなる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の開閉体駆動装置において、前記駆動制御部は、反転移動が終了した時、前記位置フラグの位置情報を初期値の一方の位置から現在位置の他方に位置を現在位置情報として保持する。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、開閉体が反転移動を終了した時、その時の開閉体の位置を現在位置として位置フラグに書き込まれる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の開閉体駆動装置において、前記記憶部は、イグニッションスイッチがオンされてから、初めて前記駆動モータが起動した時、その旨が記憶される初回起動済フラグを有し、前記駆動制御回路は、前記予め定めた時間内に前記駆動モータが停止状態になった時、前記初回起動済フラグに基づいて、前記イグニッションスイッチがオンされて初回の起動時の停止かどうかを判別し、初回以外のときには、前記反転移動をキャンセルする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、予め定めた時間内に駆動モータが停止状態になっても、初回起動済フラグが、初回以外を示すときには、反転移動はキャンセルされる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の開閉体駆動装置において、前記駆動制御部は、反転移動をキャンセルしたときに、前記位置フラグの位置情報を初期値の一方の位置から現在位置の他方に位置に書き換える。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、反転移動をキャンセルした時、位置フラグを開閉体の位置を初期設定の位置と異なる位置に書き込まれる。
請求項5に記載の発明は、イグニッションスイッチのオン信号に基づいて待機状態となり、開閉体操作手段からの操作信号により、駆動モータを駆動して開閉体を「開位置」から「閉位置」に又は「閉位置」から開位置」にのいずれかの位置に移動案内させるようにした開閉体の駆動方法であって、開閉体の位置情報が記憶され、前記イグニッションスイッチのオン信号の消失により前記位置情報が消去され、前記イグニッションスイッチのオン信号により前記位置情報が開位置と閉位置の2位置のいずれか一方に初期化される位置フラグを有する記憶部を備え、前記待機状態において、前記開閉体操作手段からの操作信号に応答して、前記位置フラグが示す位置情報の一方の位置とは異なる他方の位置に前記開閉体を移動させるべく前記駆動モータを駆動させた時、予め定めた時間以上に前記駆動モータが停止状態になった時、前記駆動モータを停止させ、予め定めた時間未満に前記駆動モータが停止状態になった時、前記駆動モータを反転駆動させて、前記他方の位置から前記位置フラグが示す位置情報の一方の位置に前記開閉体を反転移動させるようにした。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、イグニッションスイッチがオフされ、再びオン操作されると、位置フラグが初期設定される。開閉体操作手段が操作されると、初期設定された位置フラグが示す開閉体の位置が実際の開閉体の位置と相違していると、予め定めた時間内に前記駆動モータが停止状態になる。この短時間での停止により、位置フラグが実際の開閉体の位置とは異なる位置を示していると判断し、駆動モータを反転駆動する開閉体を反転移動させることができる。
【0017】
従って、イグニッションスイッチがオフされる毎に、不揮発性メモリ(EEPROM)を用いてその時の開閉体の「開位置」又は「閉位置」を記憶保持させる必要がなくなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、不揮発性半導体メモリを用いることなく、開閉体を違和感なく開閉操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】車両用のリアサンシェード装置の取り付け状態を示す斜視図である。
【図2】車両用のリアサンシェード装置の電気ブロック回路図である。
【図3】リアサンシェード装置の作用を説明するためのフローチャート図である。
【図4】リアサンシェード装置の作用を説明するためのフローチャート図である。
【図5】リアサンシェード装置の作用を説明するためのフローチャート図である。
【図6】リアサンシェード装置の作用を説明するためのフローチャート図である。
【図7】リアサンシェード装置の作用を説明するためのフローチャート図である。
【図8】(a)〜(g)はサンシェードの動きを説明する説明図。
【図9】(a)〜(h)は同じくサンシェードの動きを説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に開閉体駆動装置を具体化した車両用のリアサンシェード装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1において、車両用のリアサンシェード装置10は、車両1の後方に設けられたリアウィンドガラス2の下端部近傍の内側であって、車両1の後部座席の後側に設けられたリアパッケージトリム3上に設置されている。
【0021】
リアサンシェード装置10は、左右方向(車幅方向)に長手で、且つ、上方に向けて開口した箱状の格納ボックス11が、リアパッケージトリム3上に固設されている。
この格納ボックス11の内部であってその左右両端部には、左右一対のアクチュエータ12が設けられている。一対のアクチュエータ12は、それぞれに設けられた駆動モータMを駆動源として駆動し、それぞれに駆動連結された回動アーム14を回動させるようになっている。
【0022】
左右一対の回動アーム14は、その基端部が格納ボックス11の内部に設けられたそれぞれのアクチュエータ12と駆動連結され、その基端部を回動中心として、リアウィンドガラス2の内側面に沿って回動するようになっている。左右一対の回動アーム14の先端までの長さは、リアウィンドガラス2の上端部近傍位置まで延びている。そして、左右一対の回動アーム14は、左右一対の回動アーム14が互いに近づく側に回動し、格納ボックス11内に折り畳まれるとき、格納ボックス11内で一直線上に配置され先端同士が衝突しない長さに形成されている。
【0023】
左右一対の回動アーム14の先端部には、支軸15が取着され、その支軸15には従動ローラ(図示せず)が回転可能に支持されている。
左右一対の回動アーム14の先端部間には、ガイド部材16が連結されている。ガイド部材16は、左右方向に延びる四角筒状なし、左右一対の回動アーム14と対峙する面に、従動ローラを支持する支軸15を左右方向に案内する案内溝17が形成されている。そして、四角筒状のガイド部材16の筒内に、それぞれの支軸15に回動可能に支持した従動ローラが配置される。これによって、左右一対の回動アーム14とガイド部材16は連結される。
【0024】
そして、図1に示す状態から、左側の回動アーム14と右側の回動アーム14が、互いに近づく方向に回動すると、ガイド部材16内の左右一対の従動ローラが筒内を互いに近づく方向に転動する。これによって、左右一対の回動アーム14は、回動が許容され、ガイド部材16を、リアウィンドガラス2の内側面に沿って格納ボックス11に向かって姿勢を変えず平行移動させ、格納ボックス11内に格納するようになっている。
【0025】
また、ガイド部材16が格納ボックス11に隣り合うように配置され、左右一対の回動アーム14が互いに近づく側に回動し折り畳まれた状態から、左右一対の回動アーム14を、互いに離間する方向に回動すると、ガイド部材16内の左右一対の従動ローラが筒内を互いに離間する方向に転動する。これによって、左右一対の回動アーム14は、回動が許容され、格納ボックス11に格納されたガイド部材16を、リアウィンドガラス2の内側面に沿って、図1に示す状態に向かって、姿勢を変えず平行移動させるようになっている。
【0026】
格納ボックス11の内部には、左右方向に巻取軸(図示せず)が回転可能に支持されている。この巻取軸には、リアウィンドガラス2から入射する光を遮光するための布地よりなるサンシェード18の基端辺が固着されている。巻取軸は、図示しない、例えば渦巻きバネによって、サンシェード18を巻き取り方向に回転力が付与されていて、サンシェード18の先端辺を、渦巻きバネの弾性力に抗して、引き出せば、巻取軸は巻き戻し方向に回転し、サンシェード18は引き出されるようになっている。
【0027】
そして、サンシェード18の先端辺をはなせば、渦巻きバネの弾性力にて巻取軸は巻き取り方向に回転し、サンシェード18を巻き取るようになっている。
図1に示すように、サンシェード18の先端辺は、ガイド部材16に連結されている。従って、左右一対の回動アーム14が互いに離間する方向に回動して、ガイド部材16が、図1に示すリアウィンドガラス2の上端部近傍位置に配置されると、サンシェード18は、巻取軸から巻き戻されてリアウィンドガラス2全面を覆った状態となる。その結果、リアウィンドガラス2から入射する光は遮光される。
【0028】
反対に、図1に示す状態から、左右一対の回動アーム14が互いに近づく方向に回動して、ガイド部材16が、格納ボックス11と平行に隣接する位置に配置されると、サンシェード18は、巻取軸に巻き取られ格納ボックス11に完全に格納される。
【0029】
なお、ここで、サンシェード18が、巻取軸から巻き戻されてリアウィンドガラス2全面を覆った状態(図1に示す状態)を、説明の便宜上、「展開位置」又は「展開状態」という。また、サンシェード18が、巻取軸に巻き取られ格納ボックス11に完全に格納された状態を、説明の便宜上、「格納位置」又は「格納状態」という。
【0030】
ここで、左右一対の回動アーム14が互いに近づく方向に回動して、サンシェード18が巻き取られて「展開位置」から「格納位置」に達したとき、左右一対の回動アーム14はそれ以上の回動が規制されるようになっている。そして、左右一対の回動アーム14の回動が規制されることで、左右一対の回動アーム14を作動させている駆動モータMはロック状態となる。
【0031】
反対に、左右一対の回動アーム14が互いに離間する方向に回動して、サンシェード18が巻き戻されて「格納位置」から「展開位置」に達したとき、左右一対の回動アーム14はそれ以上の回動が規制されるようになっている。そして、左右一対の回動アーム14の回動が規制されることで、左右一対の回動アーム14を作動させている駆動モータMはロック状態となる。
【0032】
次に、上記のように構成したリアサンシェード装置10の電気的構成について、図2に従って説明する。
図2に示すように、リアサンシェード装置10は、アクチュエータ12を介して回動アーム14を駆動する駆動モータMを制御するECU(電子制御ユニット)30を備えている。
【0033】
ECU30は、制御回路31と、制御回路31に定格電圧を供給する電源回路32と、制御回路31からの制御信号に基づいて左右一対の駆動モータMを回転駆動制御する駆動回路33とを備えている。
【0034】
制御回路31は、ワンチップマイコンよりなり、1つのチップ上に制御部(CPU(中央処理装置))31a、ROM31b、RAM31c、各種入出力インターフェース等が形成されている。制御回路31は、電源回路32と接続され、電源回路32から定格電圧を入力する。電源回路32は、車両1に搭載されたバッテリーBのプラス電源端子にヒューズFを介して接続されている。電源回路32は、バッテリーBの電源電圧VBがヒューズFを介して入力され、その電源電圧VBをレベル変換し制御回路31に動作電圧Vd1を出力する。また、電源回路32は、駆動回路33に駆動モータMに供給するための駆動電圧Vd2を出力する。
【0035】
制御回路31は、イグニッションスイッチ(以下、IGスイッチという)SW1を介して、バッテリーBのプラス電源端子に接続されている。つまり、制御回路31は、IGスイッチSW1がオンされると、IGオン信号SG1が入力される。IGスイッチSW1は、自己保持型のスイッチであって、そのオン・オフ操作はユーザの操作によって行われる。
【0036】
IGスイッチSW1は、イグニッション作動させるためのイグニッションキーが操作されることによって、オン・オフするスイッチである。そして、IGスイッチSW1は、イグニッションキーがアクセサリ位置に回動操作されている時、IGオンとなりIGオン信号SG1を出力する。反対に、IGスイッチSW1は、イグニッションキーがオフ(OFF)位置に回動操作されている時、IGオフとなり、IGオン信号SG1は消失する。
【0037】
つまり、イグニッションキーがオン操作されたとき、ユーザがオフ操作をしない限り、IGスイッチSW1はオン状態に保持され、IGオン信号SG1を出力し続ける。反対に、イグニッションキーがオフ操作されたとき、ユーザがオン操作をしない限り、IGスイッチSW1はオフ状態のままとなり、IGオン信号SG1は出力されない。
【0038】
制御回路31は、サンシェード操作スイッチSW2を介して、バッテリーBのマイナス電源端子に接続されている。サンシェード操作スイッチSW2は、サンシェード18を「格納位置」から「展開位置」又は「展開位置」から「格納位置」に移動させるためのスイッチであって、例えば、運転席の近くであってドライバの手の届く位置に設けられている。
【0039】
制御回路31は、サンシェード操作スイッチSW2がオンされると、サンシェードオン信号SG2が入力される。サンシェード操作スイッチSW2は、自動復帰型のスイッチであって、そのオン操作はユーザの操作によって行われる。
【0040】
つまり、サンシェード操作スイッチSW2がオン操作した後に、サンシェード操作スイッチSW2を放すと、自動復帰してサンシェード操作スイッチSW2はオフ状態に保持され、サンシェードオン信号SG2は消失する。従って、ユーザがオン操作をしない限り、サンシェード操作スイッチSW2からのサンシェードオン信号SG2は出力されない。
【0041】
制御回路31は、リバーススイッチSW3を介して、バッテリーBのマイナス電源端子に接続されている。リバーススイッチSW3は、シフトレバーのシフト位置がリバース位置にあるかどうかを検出するスイッチである。そして、リバーススイッチSW3はシフトレバーがリバース位置にあるときにはオンして、制御回路31にリバースオン信号SG3を出力し、シフトレバーがリバース位置以外の位置にあるときにはリバースオン信号SG3を消失させる。これによって、制御回路31には、リバースオン信号SG3が入力されると、シフトレバーがリバース位置にあると認識し、リバースオン信号SG3が消失されると、シフトレバーがリバース位置以外の位置にあると認識する。
【0042】
また、制御回路31は、駆動回路33と接続され、駆動回路33に駆動制御信号CTを出力する。駆動回路33は、制御回路31からの駆動制御信号CTに基づいて、左右一対の駆動モータMにそれぞれ電力を供給し、左右一対の駆動モータMを回転制御する。
【0043】
そして、駆動回路33は、駆動制御信号CTに基づいて、左右一対の回動アーム14を互いに近づく方向に回動(例えば、正転駆動)させてサンシェード18を「格納状態」にする。反対に、駆動回路33は、駆動制御信号CTに基づいて、左右一対の回動アーム14を互いに離間する方向に回動(例えば、逆転駆動)させてサンシェード18を「展開状態」にしたりする。
【0044】
駆動回路33は、左右一対の駆動モータMのモータ電流を検出するモータ電流検出回路部33aを備えている。モータ電流検出回路部33aは、駆動する駆動モータMのその時々の電流を検出し、モータ電流が予め定めた閾値Istに達したかどうか検出する。
【0045】
モータ電流は、駆動モータMの負荷が大きくなればそれに相対して大きくなる。従って、前述したように、(1)サンシェード18が巻き取られて「展開位置」から「格納位置」に達し、左右一対の回動アーム14の回動が規制されて、駆動モータMがそれ以上正転できないロック状態となるとき、(2)サンシェード18が巻き戻されて「格納位置」から「展開位置」に達し、左右一対の回動アーム14はそれ以上の回動が規制されて、駆動モータMがそれ以上逆転できないロック状態となるとき、大きなモータ電流が流れる。
【0046】
そして、モータ電流検出回路部33aは、そのロック状態時の大きなモータ電流値を閾値Istとして事前に求めておき、その時々のモータ電流と比較する。これによって、モータ電流検出回路部33aは、サンシェード18が「展開位置」又は「格納位置」にいずれかの位置に到達して駆動モータMがロック状態ことを検出することができる。
【0047】
モータ電流検出回路部33aは、モータ電流が閾値Istに達した時、制御回路31に対して、格納・展開位置到達信号SGXを出力する。制御回路31は、格納・展開位置到達信号SGXを入力すると、サンシェード18が「展開位置」又は「格納位置」のいずれかの位置に到達したことを判断するようになっている。
【0048】
制御回路31は、第1タイマTM1、第2タイマTM2を備えている。第1タイマTM1は、IGスイッチSW1がオフになった時(イグニッションキーがアクセサリ位置からオフ位置に操作された時)、計時動作を開始し予め定めた電源オフ時間Toff(例えば、30秒間)に達するまで計時動作をする。そして、電源オフ時間Toffに達すると、タイムアップし、制御回路31は、タイムアップに応答して、電源回路32に対して定格電圧の供給を遮断する遮断信号SG4を出力するようになっている。
【0049】
つまり、IGスイッチSW1がオフされても、制御回路31は、直ちに、電源回路32からの動作電圧Vd1及び駆動電圧Vd2の供給が遮断されるのではなく、電源オフ時間Toff経過後に定格電圧の供給が遮断されて動作を停止(シャットダウン)する。
【0050】
第2タイマTM2は、制御回路31がサンシェード18を「展開位置」に移動させるべく、駆動回路33を介して駆動モータMの起動を開始して、モータ電流検出回路部33aからの格納・展開位置到達信号SGXを入力するまでの実移動時間Tnを計時する。
【0051】
第2タイマTM2で計時された実移動時間Tnは、制御回路31において最短移動時間Tkと比較される。最短移動時間Tkは、駆動モータMを駆動して、サンシェード18が「展開位置」から「格納位置」に最短で到達する時間である。この最短移動時間Tkは、予め試験や実験を行って求めた時間である。そして、この最短移動時間Tkは、制御回路31内のROM31bに記憶されている。
【0052】
制御回路31は、実移動時間Tnと最短移動時間Tkを比較する。制御回路31は、実移動時間Tnが最短移動時間Tk以上長かった時、サンシェード18が「格納位置」から「展開位置」への移動が通常に行われたと判断する。
【0053】
反対に、制御回路31は、実移動時間Tnが最短移動時間Tkより短い時、サンシェード18(ガイド部材16又は回動アーム14)が何らかの原因で「展開位置」への移動が規制され駆動モータMがロック状態になったと判断する。
【0054】
次に、上記のように構成したリアサンシェード装置10の作用を説明する。ここで、制御回路31内に設けたROM31bに記憶したプログラムに基づく制御回路31(制御部31a)の処理動作を説明する図3〜図7に示すフローチャートと、図8、図9に示すサンシェード18の状態説明図に従って説明する。
【0055】
今、図8(a)に示すように、サンシェード18が巻取軸に巻き取られ格納ボックス11に完全に格納された「格納状態」にある。
この状態からIGスイッチSW1がオンされると、図3に示すように、制御回路31は、ステップS1において、内部に設けたサンシェード位置フラグFpj、停止中フラグFst、マニュアルアップ・ダウンフラグFmn、リバースダウンフラグFrbを初期設定(イニシャライズ)する。
【0056】
サンシェード位置フラグFpjは、サンシェード18が「格納位置」にあるか「展開位置」にあるかを示すフラグである。サンシェード位置フラグFpjは、制御回路31内に設けられたRAM31c中の1ビットの記憶領域が割り当てられている。本実施形態では、サンシェード位置フラグFpjは、その記憶内容が「0」のとき、「格納位置」を意味し、記憶内容が「1」のとき「展開位置」を意味するように定義されている。そして、制御回路31は、初期値の値としてサンシェード位置フラグFpjを「0」(即ち、「格納位置」)に初期設定する。
【0057】
停止中フラグFstは、サンシェード18が「格納位置」又「展開位置」にあって、サンシェード18が停止しているかどうかを示すフラグである。停止中フラグFstは、同じく制御回路31内に設けられたRAM31c中の1ビットの記憶領域が割り当てられている。本実施形態では、停止中フラグFstは、その記憶内容が「0」のとき、サンシェード18が移動停止状態(停止モード)していることを意味し、記憶内容が「1」のとき、いずれかの方向にサンシェード18が移動中(他の動作モード)」であることを意味するように定義されている。そして、制御回路31は、停止中フラグFstを「0」(即ち、停止モード)に初期設定する。
【0058】
マニュアルアップ・ダウンフラグFmnは、サンシェード18を「格納位置」又は「展開位置」のいずれか位置へ移動させるための移動処理モードを示すフラグである。マニュアルアップ・ダウンフラグFmnは、同じく制御回路31内に設けられたRAM31c中の1ビットの記憶領域が割り当てられている。
【0059】
本実施形態では、マニュアルアップ・ダウンフラグFmnは、その記憶内容が「0」のとき、サンシェード18が「格納位置」に向かって移動させるマニュアルダウンモードであることを意味し、記憶内容が「1」のとき、サンシェード18が「展開位置」に向かって移動させるマニュアルアップモードであることを意味するように定義されている。そして、制御回路31は、マニュアルアップ・ダウンフラグFmnを「0」(即ち、マニュアルダウンモード)に初期設定する。
【0060】
リバースダウンフラグFrbは、シフトレバーがリバース位置に操作されているかどうか示すフラグである、リバースダウンフラグFrbは、同じく制御回路31内に設けられたRAM31c中の1ビットの記憶領域が割り当てられている。
【0061】
本実施形態では、リバースダウンフラグFrbは、その記憶内容が「0」のとき、シフトレバーがリバース位置になくそれ以外の操作位置にあることを意味し、記憶内容が「1」のとき、シフトレバーがリバース位置にあってサンシェード18を「格納位置」に格納させるためのリバースダウンモードにあることを意味するように定義されている。そして、制御回路31は、リバースダウンフラグFrbを「0」(即ち、リバースダウンモード以外のモード)に初期設定する。
【0062】
なお、制御回路31は、停止中フラグFst、マニュアルアップ・ダウンフラグFmn、リバースダウンフラグFrbについて、その内容を全て「0」にすることはあっても、いずれか1つのフラグの内容が「1」のとき、それ以外のフラグの内容が全て「0」になるように処理動作をしている。つまり、制御回路31は、停止中フラグFst、マニュアルアップ・ダウンフラグFmn、リバースダウンフラグFrbについて、2つ以上のフラグが同時に「1」とならないように処理をしている。
【0063】
制御回路31は、各フラグFpj,Fst,Fmn,Frbを初期設定すると、ステップS2に移り、初回起動済フラグFfeを初期設定する。
初回起動済フラグFfeは、マニュアルアップモード、マニュアルダウンモード又はリバースダウンモードにおいて、そのいずれかのモードに入った時、サンシェード18を移動させ、初めてサンシェード18が「格納位置」又は「展開位置」までの移動を完結させたかどうかを示すフラグである。初回起動済フラグFfeは、同じく制御回路31内に設けられたRAM31c中の1ビットの記憶領域が割り当てられている。
【0064】
そして、本実施形態では、初回起動済フラグFfeは、その記憶内容が「0」のとき、いずれかのモードに入っても、サンシェード18が「格納位置」又は「展開位置」までの初めての移動が未だ完結してないことを意味するように定義されている。つまり、いずれかのモードに入っても、サンシェード18の「格納位置」又は「展開位置」への移動が、未だ1回も行われていなこと示す。
【0065】
反対に、記憶内容が「1」のとき、サンシェード18が「格納位置」又は「展開位置」までの初めての移動が完結したことを意味するように定義されている。つまり、いずれかのモードに入って、サンシェード18の「格納位置」又は「展開位置」への移動が、1回以上、行われたことがあることを示す。
【0066】
そして、制御回路31は、初回起動済フラグFfeを「0」(即ち、初めての「格納位置」又は「展開位置」への移動が未だ行われていない内容)に初期設定する。
(動作モード判定)
続いて、制御回路31は、ステップS3〜ステップS5において、リアサンシェード装置10の動作モード判定処理動作を、停止中フラグFst、マニュアルアップ・ダウンフラグFmn、リバースダウンフラグFrbの内容から判定処理を行う。
【0067】
この時、ステップS1において、停止中フラグFst、マニュアルアップ・ダウンフラグFmn、リバースダウンフラグFrbの内容は全て「0」となっている。そのため、ステップS3において、制御回路31は、停止中フラグFstの内容「0」から停止モードと判定し(ステップS3でYES)、図4に示すステップS3−1に移り、停止モードの処理動作を実行する。
【0068】
(停止モード)
図4に示すように、制御回路31は、まず、リバーススイッチSW3からのリバースオン信号SG3の有無を判定する(ステップS3−1)。即ち、シフトレバーがリバース位置に操作され車両1をバックさせる運転操作にあるかどうかを判断する。そして、リバーススイッチSW3からのリバースオン信号SG3がない(シフトレバーがリバース位置以外の位置)と判断したとき(ステップS3−1でNO)、制御回路31は、ステップS3−2に移り、サンシェード操作スイッチSW2からサンシェードオン信号SG2が有ったかどうか判断する。
【0069】
この時、サンシェード操作スイッチSW2からのサンシェードオン信号SG2なかった時、制御回路31は、サンシェード操作スイッチSW2がオン操作されなかったと判断し(ステップS3−2でNO)、ステップS3−3に移り、IGスイッチSW1からのIGオン信号SG1が消失したかどうか判断する。
【0070】
そして、IGスイッチSW1からのIGオン信号SG1が消失してなかった時、制御回路31は、IGスイッチSW1がオン状態であると判断し(ステップS3−3でNO)、ステップS3を介してステップS3−1に戻り、再び、停止モードに戻る。
【0071】
すなわち、制御回路31は、リバーススイッチSW3又はサンシェード操作スイッチSW2がオン操作されるまで、この処理動作を繰り返す。
この状態において、運転者等のユーザが、サンシェード操作スイッチSW2を操作すると、制御回路31は、ステップS3−2において、そのサンシェードオン信号SG2を検出し、サンシェード操作スイッチSW2が操作されたことを判断し(ステップS3−2でYES)、ステップS3−2−1に移る。
【0072】
この時点でのサンシェード操作スイッチSW2のオン操作は、IGスイッチSW1をオフからオンにする前は、図8(a)に示すように、サンシェード18は巻取軸に巻き取られ格納ボックス11に完全に格納された「格納状態」にあったことから、ユーザがサンシェード18を「展開位置」に移動させたい意思で操作したものとする。
【0073】
ステップS3−2−1において、制御回路31は、サンシェード18が「格納位置」にあるかどうか判断する。この判断は、サンシェード位置フラグFpjの記憶内容によって判断される。この時点では、ステップS1において、サンシェード位置フラグFpjは初期設定されていて、サンシェード18が「格納位置」にあるという記憶内容の「0」が記憶されている。
【0074】
従って、制御回路31は、サンシェード18が「格納位置」にあるものとして判断し(ステップS3−2−1でYES)、ステップS3−2−2に移る。制御回路31は、サンシェード18を「格納位置」から「展開位置」の巻き戻すために、左右一対の駆動モータMの正転駆動を開始させる。即ち、それぞれの回動アーム14を回動させて、巻取軸に巻き取られていたサンシェード18を巻き戻し、「格納位置」から「展開位置」への展開を開始する。
【0075】
この時、駆動モータMの正転起動開始とともに、制御回路31は、第2タイマTM2の計時動作を開始させる。
左右一対の駆動モータMの正転駆動を開始すると、制御回路31は、ステップS3−2−3に移りマニュアルアップ・ダウンフラグFmnの記憶内容を「0」から「1」に書き換える。即ち、制御回路31は、サンシェード18を「展開位置」に展開させるマニュアルアップモードの動作に移った記憶内容にマニュアルアップ・ダウンフラグFmnを書き換える。この時、制御回路31は、停止モードではなくなったことを示すために、停止中フラグFstを、「0」から「1」に書き換えるようになっている。
【0076】
そして、マニュアルアップ・ダウンフラグFmnをマニュアルアップモードである「1」に書き換えると、制御回路31は、ステップS3−3に移り、IGスイッチSW1からのIGオン信号SG1が消失したかどうか判断する。
【0077】
そして、IGスイッチSW1がオフ状態でなかった時、制御回路31は、IGオン信号SG1が消失してないと判断し(ステップS3−3でNO)、ステップS3を介してステップS4に移る。
【0078】
ステップS4において、制御回路31は、シフトレバーがリバース位置にあるかどうかを判断する。この判断は、リバースダウンフラグFrbの記憶内容によって判断される。この時点では、停止モード中にシフトレバーがリバース位置に操作されていないこと、及び、ステップS1において、リバースダウンフラグFrbは初期設定されていて、シフトレバーがリバース位置以外の位置にあるという記憶内容の「0」が記憶されている。
【0079】
従って、制御回路31は、シフトレバーがリバース位置以外の位置にあると判断し(ステップS4でNO)、ステップS5に移る。
ステップS5において、制御回路31は、マニュアルアップモードにあるかどうかを判断する。この判断は、マニュアルアップ・ダウンフラグFmnの記憶内容によって判断される。この時、制御回路31は、停止モード中のステップS3−2−3において、マニュアルアップモードの書き換えられたマニュアルアップ・ダウンフラグFmnの「1」をみてマニュアルアップモードと判定し(ステップS5でYES)、図6に示すステップS4−1に移り、マニュアルアップモードの処理動作を実行する。
【0080】
(マニュアルアップモード)
図6に示すように、制御回路31は、まず、ステップS4−1において、駆動回路33のモータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXがあったかどうかを判断する。このとき、格納・展開位置到達信号SGXがないと判断したとき(ステップS4−1でNO)、制御回路31は、ステップS4−2に移り、駆動モータMの正転駆動を維持しつつ、ステップS3、ステップ4及びステップS4を介して、ステップS4−1に戻り、再び、マニュアルアップモードに戻る。
【0081】
すなわち、制御回路31は、駆動回路33内のモータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXがあるまで、このマニュアルアップモードの処理動作を繰り返す。つまり、制御回路31は、サンシェード18が「展開位置」まで到達していないと認識して駆動モータMの正転駆動をさせ続ける。これによって、サンシェード18は、図8(b)に示すように、「展開位置」に向かって移動する。
【0082】
やがて、モータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXが出力されると、制御回路31は、ステップS4−1において、格納・展開位置到達信号SGXがあったと判断し(ステップS4−1でYES)、ステップS4−1−1に移り、第2タイマTM2の計時動作を停止させ、それまでの時間、即ち、サンシェード18の実移動時間Tnを求め、その実移動時間Tnと予めROM31bに記憶されている最短移動時間Tkと比較する。
【0083】
そして、実移動時間Tnが最短移動時間Tk以上に長かった判断した時(ステップS4−1−1でNO)、制御回路31は、ステップS4−1−2に移り、駆動モータMを停止させる。つまり、図8(c)に示すように、サンシェード18が「格納位置」から「展開位置」に正常に到達して駆動モータMがロック状態になったと判断する。
【0084】
制御回路31は、駆動モータMを停止させると、ステップS4−1−3に移り、停止中フラグFstの記憶内容を「1」から「0」に書き換える。即ち、サンシェード18が、「展開位置」に正常に到達し、次の新たな操作を待つべく停止モードの記憶内容を「0」に書き換える。この時、制御回路31は、マニュアルアップモードではなくなったことを示すために、マニュアルアップ・ダウンフラグFmnを、「1」から「0」に書き換えるようになっている。
【0085】
続いて、制御回路31は、ステップS4−1−4に移り、サンシェード位置フラグFpjの内容を「0」から「1」に書き換える。つまり、サンシェード18の現在位置が「展開位置」にあることをサンシェード位置フラグFpjに記憶する。
【0086】
続いて、制御回路31は、ステップS4−1−5に移り、初回起動済フラグFfeの内容を、「0」から「1」に書き換える。つまり、マニュアルアップモードに入って、サンシェード18を「展開位置」までの移動を完結させたことを、初回起動済フラグFfeに記憶する。
【0087】
そして、初回起動済フラグFfeを「0」から「1」に書き換えると、ステップS3を介して、図4に示す停止モードの処理動作を実行するステップS3−1に移る。
そして、制御回路31は、前述したように、リバーススイッチSW3又はサンシェード操作スイッチSW2がオン操作されるまで、この停止モードの処理動作を繰り返す。ここで、ユーザが、サンシェード操作スイッチSW2を操作すると、制御回路31は、ステップS3−2において、そのオン操作に基づくサンシェードオン信号SG2を検出し、サンシェード操作スイッチSW2が操作されたことを判断し(ステップS3−2でYES)、ステップS3−2−1に移る。
【0088】
この時点でのサンシェード操作スイッチSW2のオン操作は、前述したマニュアルアップモードにおいて、サンシェード18は巻取軸から巻き戻され、図8(c)に示す「展開位置」にあるので、ユーザがサンシェード18を「格納位置」に移動させたい意思で操作したものとする。
【0089】
そして、制御回路31は、ステップS3−2−1において、サンシェード位置フラグFpjの内容が「1」であって、サンシェード18が「展開位置」にあると判断し(ステップS3−2−1でNO)、ステップS3−2−4に移る。制御回路31は、ステップS3−2−4において、サンシェード18を「展開位置」から「格納位置」に巻き取るために、左右一対の駆動モータMを逆転駆動させる。即ち、それぞれの回動アーム14を反転回動させて、巻き戻されていたサンシェード18を巻取軸に巻き取り、「展開位置」から「格納位置」への格納を開始する。
【0090】
左右一対の駆動モータMの逆転駆動を開始すると、制御回路31は、ステップS3−2−5に移りマニュアルアップ・ダウンフラグFmnの記憶内容を「1」から「0」に書き換える。即ち、制御回路31は、サンシェード18を格納ボックス11に格納するマニュアルダウンモードの動作に移った記憶内容にマニュアルアップ・ダウンフラグFmnを書き換える。この時、制御回路31は、停止モードではなくなったことを示すために、停止中フラグFstを、「0」から「1」に書き換えるようになっている。
【0091】
そして、マニュアルアップ・ダウンフラグFmnをマニュアルダウンモードに書き換えると、制御回路31は、ステップS3−3に移り、IGスイッチSW1からのIGオン信号SG1が消失したかどうか判断する。
【0092】
そして、IGスイッチSW1からのIGオン信号SG1が消失していなかった時、制御回路31は、IGスイッチSW1がオン状態であると判断し(ステップS3−3でNO)、ステップS3及びステップS4を介してステップS5に移る。
【0093】
ステップS5において、制御回路31は、マニュアルアップモードにあるかどうかを判断する。この判断は、マニュアルアップ・ダウンフラグFmnの記憶内容によって判断される。この時、制御回路31は、前述の停止モード中のステップS3−2−5において、マニュアルダウンモードに「0」に書き換えられたマニュアルアップ・ダウンフラグFmnをみてマニュアルアップモードと判定し(ステップS5でNO)、図7に示すステップS5−1に移り、マニュアルダウンモードの処理動作を実行する。
【0094】
(マニュアルダウンモード)
図7に示すように、制御回路31は、まず、ステップS5−1において、駆動回路33のモータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXがあったかどうかを判断する。このとき、格納・展開位置到達信号SGXがないと判断したとき(ステップS5−1でNO)、制御回路31は、ステップS5−2に移り、駆動モータMの逆転駆動を維持しつつ、ステップS3、ステップ4及びステップS5を介して、ステップS5−1に戻り、再び、マニュアルダウンモードに戻る。
【0095】
つまり、制御回路31は、駆動回路33のモータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXがあるまで、このマニュアルダウンモードの処理動作を繰り返す。詳述すると、制御回路31は、サンシェード18が「格納位置」まで到達していないと認識して駆動モータMの逆転駆動をさせ続ける。これによって、サンシェード18は、図8(d)に示すように、「格納位置」に向かって移動する。
【0096】
やがて、モータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXが出力されると、制御回路31は、ステップS5−1において、格納・展開位置到達信号SGXがあったと判断し(ステップS5−1でYES)、ステップS5−1−1に移る。
【0097】
制御回路31は、ステップS5−1−1に移り、駆動モータMを停止させる。つまり、図8(e)に示すように、サンシェード18が「格納位置」から「展開位置」に到達して駆動モータMがロック状態になったと判断して駆動モータMを停止する。
【0098】
制御回路31は、駆動モータMを停止させると、ステップ5−1−2に移り、停止中フラグFstの記憶内容を「1」から「0」に書き換える。即ち、サンシェード18が、「格納位置」に到達し、次の新たな操作を待つべく停止モードの「0」の記憶内容に書き換える。この時、制御回路31は、マニュアルダウンモードではなくなったことを示すために、マニュアルアップ・ダウンフラグFmnを、「0」から「1」に書き換えるようになっている。
【0099】
続いて、制御回路31は、ステップS5−1−3に移り、サンシェード位置フラグFpjの内容を「1」から「0」に書き換える。つまり、サンシェード18の現在位置が「格納位置」にあることをサンシェード位置フラグFpjに記憶する。
【0100】
続いて、制御回路31は、ステップS5−1−4に移り、初回起動済フラグFfeの内容を、「0」から「1」に書き換える。つまり、先のマニュアルアップモードで、サンシェード18を「展開位置」まで移動させているので、初回起動済フラグFfeの記憶内容は「1」に記憶されているので、内容は変更されない。
【0101】
そして、初回起動済フラグFfeへの「1」に書き込みを終えると、ステップS3を介して、図4に示す停止モードの処理動作を実行するステップS3−1に移る。
そして、制御回路31は、前述したように、リバーススイッチSW3又はサンシェード操作スイッチSW2がオン操作されるまで、この停止モードの処理動作を繰り返す。
【0102】
従って、IGスイッチSW1、シフトレバーがリバース位置に操作され限り、ユーザがサンシェード操作スイッチSW2を操作する毎に、マニュアルアップモードとマニュアルダウンモードが交互に繰り返され、サンシェード18は、「格納位置」と「展開位置」に制御される。
【0103】
ちなみに、図8(e)の状態から、サンシェード操作スイッチSW2がオン操作されると、図8(f)を経て図8(g)に示すように、サンシェード18は「展開位置」まで移動する。
【0104】
また、この停止モード中に、IGスイッチSW1をオフ操作しIGオン信号SG1が出力されると(ステップS3−3でYES)、制御回路31は、ステップS3−4に移り、第1タイマTM1の計時動作を開始させる。続いて、制御回路31は、第1タイマTM1が電源オフ時間Toffに達したかを計時したかどうか判断する(ステップS3−5)。そして、制御回路31は、第1タイマTM1が電源オフ時間Toffに達していない時(ステップS3−5でNO)、電源オフ時間Toffに達するまで停止モードを続ける。
【0105】
つまり、IGスイッチSW1をオフ操作しても、電源オフ時間Toffを経過するまでの間に、サンシェード操作スイッチSW2の操作(シフトレバーのリバース位置への操作も同様)が行われると、サンシェード18は「格納位置」又は「展開位置」に移動制御される。
【0106】
そして、制御回路31は、第1タイマTM1が電源オフ時間Toffに達した時(ステップS3−5でYES)、ステップS3−6に移り、電源回路32に遮断信号SG4を出力して電源回路32からの動作電圧Vd1及び駆動電圧Vd2の供給を遮断させて一連の処理動作を終了する。
【0107】
ちなみに、マニュアルアップモードでサンシェード18を「展開位置」に展開中、又は、マニュアルダウンモードでサンシェード18を「格納位置」に格納中に、IGスイッチSW1がオフされる場合がある。
【0108】
このような場合、サンシェード18が「展開位置」又は「格納位置」に達して停止モードになって、ステップS3−3において、IGスイッチSW1がオフかどうか判断され、電源オフ時間Toff経過するまで動作電圧Vd1及び駆動電圧Vd2が遮断されない。従って、その間に、サンシェード18が「展開位置」又は「格納位置」への到達するため、制御回路31への動作電圧Vd1及び駆動電圧Vd2が遮断されて、移動中に停止されることはない。
【0109】
(シフトレバーの操作)
次に、ユーザが、シフトレバーをリバース位置に操作した場合について説明する。
今、制御回路31は、ステップS2から、ステップS3を介して、ステップS3−1に移り、リバーススイッチSW3又はサンシェード操作スイッチSW2がオン操作を待つ、停止モードの処理動作を繰り返す状態にあるとする。
【0110】
この状態で、ユーザがシフトレバーをリバース位置に操作しリバーススイッチSW3からリバースオン信号SG3が出力されると、制御回路31は、ステップS3−1において、そのリバースオン信号SG3を検出し、シフトレバーがリバース位置に操作されたことを判断し(ステップS3−1でYES)、ステップS3−1−1に移る。
【0111】
ステップS3−1−1において、制御回路31は、サンシェード18が「展開位置」か「格納位置」にあるかどうかを、サンシェード位置フラグFpjの記憶内容をみて判断する。この時、ステップS1において、サンシェード位置フラグFpjは「0」(即ち、「格納位置」)に初期設定されている。従って、制御回路31は、サンシェード18が「格納位置」にあると判断し(ステップS3−1−1でNO)、ステップS3−1−2に移る。
【0112】
ステップS3−1−2において、制御回路31は、サンシェード18が移動動作して既に1回「格納位置」に到達していたかどうかを、初回起動済フラグFfeをみて判断する。この時、ステップS2において、初回起動済フラグFfeは「0」に初期設定されている。従って、制御回路31は、サンシェード18について「格納位置」への移動の処理をしていない判断し(ステップS3−1−2でYES)、ステップS3−1−3に移る。
【0113】
ステップS3−1−3において、制御回路31は、サンシェード18を「展開位置」から「格納位置」に巻き取るために、左右一対の駆動モータMの逆転駆動を開始させる。即ち、それぞれの回動アーム14を反転回動させて、巻取軸にてサンシェード18の巻き取り動作を開始する。
【0114】
左右一対の駆動モータMの逆転駆動を開始すると、制御回路31は、ステップS3−1−4に移り、リバースダウンフラグFrbの記憶内容を「0」から「1」に書き換える。即ち、制御回路31は、バック走行における視界を確保するためにサンシェード18を格納ボックス11に格納するリバースダウンモードの動作に移ったことを示す記憶内容にリバースダウンフラグFrbを書き換える。この時、制御回路31は、停止モードではなくなったことを示すために、停止中フラグFstを、「0」から「1」に書き換えるようになっている。
【0115】
そして、リバースダウンフラグFrbをリバースダウンモードに書き換えると、制御回路31は、ステップS3−3に移り、IGスイッチSW1からIGオン信号SG1が消失したかどうか判断する。IGスイッチSW1からIGオン信号SG1が消失していない時、制御回路31は、IGスイッチSW1がオン状態であると判断し(ステップS3−3でNO)、ステップS3を介してステップS4に移る。
【0116】
ステップS4において、制御回路31は、リバースダウンモードにあるかどうかを判断する。この判断は、リバースダウンフラグFrbの記憶内容によって判断される。この時、制御回路31は、前述のステップ3−1−4において、「1」に書き換えられたリバースダウンフラグFrbをみてリバースダウンモードと判定し(ステップS4でYES)、図5に示すステップS6−1に移り、リバースダウンモードの処理動作を実行する。
【0117】
(リバースダウンモード)
図5に示すように、制御回路31は、まず、ステップS6−1において、駆動回路33のモータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXがあったかどうかを判断する。
【0118】
このとき、サンシェード18は「格納位置」に格納されているため、サンシェード18を「格納位置」に格納すべく逆転駆動している駆動モータMはロック状態となっている。従って、この時点で、駆動回路33内のモータ電流検出回路部33aから、直ちに、格納・展開位置到達信号SGXが出力されることになる。
【0119】
モータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXが出力されると、制御回路31は、ステップS6−1において、格納・展開位置到達信号SGXがあったと判断し(ステップS6−1でYES)、ステップS6−1−1に移る。
【0120】
制御回路31は、ステップS6−1−1に移り、駆動モータMを停止させる。つまり、制御回路31は、サンシェード18が既に「格納位置」にあってロック状態にあるとして駆動モータMを停止させる。
【0121】
制御回路31は、駆動モータMを停止させると、ステップ6−1−2に移り、停止中フラグFstの記憶内容を「1」から「0」に書き換える。即ち、サンシェード18が、「格納位置」にあるので、次の新たな操作を待つべく停止モードの記憶内容に停止中フラグFstを「0」に書き換える。この時、制御回路31は、リバースダウンモードではなくなったことを示すために、リバースダウンフラグFrbを、「1」から「0」に書き換えるようになっている。
【0122】
続いて、制御回路31は、ステップS6−1−3に移り、サンシェード位置フラグFpjの内容を「1」から「0」に書き換える。つまり、サンシェード18の現在位置が「格納位置」にあることをサンシェード位置フラグFpjに記憶する。
【0123】
続いて、制御回路31は、ステップS6−1−4に移り、初回起動済フラグFfeの内容を、「0」から「1」に書き換える。つまり、今回のリバースダウンモードで、サンシェード18を「格納位置」まで移動させたので、制御回路31は、初回起動済フラグFfeの記憶内容を「0」から「1」に書き換える。
【0124】
そして、初回起動済フラグFfeを「1」に書き換えると、制御回路31は、ステップS3を介して、図4に示す停止モードの処理動作を実行するステップS3−1に移る。
そして、制御回路31は、前述したように、リバーススイッチSW3又はサンシェード操作スイッチSW2がオン操作されるまで、この停止モードの処理動作を繰り返す。
【0125】
(「展開位置からリバース操作」)
次に、サンシェード18が、図8(c)に示すように、「格納位置」から「展開位置」に配置されている状態から、ユーザがシフトレバーをリバース位置に操作した場合について説明する。従って、サンシェード位置フラグFpjの記憶内容は、「展開位置」を示す「1」となっている。また、停止中フラグFst及びリバースダウンフラグFrbの記憶内容は、ともに「0」となっている。さらに、初回起動済フラグFfeの記憶内容は、「1」である。
【0126】
この状態で、ユーザがシフトレバーをリバース位置に操作してリバーススイッチSW3がオンすると、制御回路31は、ステップS3−1において、リバースオン信号SG3を検出し、シフトレバーがリバース位置に操作されたことを判断し(ステップS3−1でYES)、ステップS3−1−1に移る。
【0127】
ステップS3−1−1において、制御回路31は、サンシェード18が「展開位置」か「格納位置」にあるかどうかを、サンシェード位置フラグFpjの記憶内容をみて判断する。この場合、サンシェード位置フラグFpjは「1」(即ち、「展開位置」)であるので、制御回路31は、サンシェード18が「展開位置」にあると判断し(ステップS3−1−1でYES)、ステップS3−1−3に移る。
【0128】
ステップS3−1−3において、制御回路31は、サンシェード18を「展開位置」から「格納位置」に巻き取るために、左右一対の駆動モータMの逆転駆動を開始させる。即ち、回動アーム14を反転回動させて、巻取軸にてサンシェード18の巻き取り動作を開始する。
【0129】
左右一対の駆動モータMの逆転駆動を開始すると、制御回路31は、ステップS3−1−4に移り、リバースダウンフラグFrbの記憶内容を「0」から「1」に書き換える。即ち、制御回路31は、バック走行における視界を確保するためにサンシェード18を格納ボックス11に格納するリバースダウンモードの動作に移ったことを示す記憶内容にリバースダウンフラグFrbを書き換える。この時、制御回路31は、停止モードではなくなったことを示すために、停止中フラグFstを、「0」から「1」に書き換える。
【0130】
リバースダウンフラグFrbをリバースダウンモードに書き換えると、制御回路31は、ステップS3−3に移り、IGスイッチSW1からのIGオン信号SG1が消失したかどうか判断する。IGスイッチSW1がオフ操作されていない時、制御回路31は、IGスイッチSW1からのIGオン信号SG1が消失してないと判断し(ステップS3−3でNO)、ステップS3及びステップS4を介して、図5に示すステップS6−1に移り、リバースダウンモードの処理動作を実行する。
【0131】
図5に示すように、制御回路31は、まず、ステップS6−1において、駆動回路33のモータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXがあったかどうかを判断する。この時、格納・展開位置到達信号SGXがないと判断したとき(ステップS6−1でNO)、制御回路31は、ステップS6−2に移り、駆動モータMの逆転駆動を維持しつつ、ステップS3及びステップ4を介して、ステップS6−1に戻り、再び、リバースダウンモードに戻る。
【0132】
つまり、制御回路31は、駆動回路33内のモータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXがあるまで、このリバースダウンモードの処理動作を繰り返す。詳述すると、制御回路31は、サンシェード18が「格納位置」まで到達していないと認識して駆動モータMを逆転駆動させ続ける。
【0133】
やがて、モータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXが出力されると、制御回路31は、ステップS6−1において、格納・展開位置到達信号SGXがあったと判断し(ステップS6−1でYES)、ステップS6−1−1に移る。制御回路31は、ステップS6−1−1に移り、駆動モータMを停止させる。つまり、制御回路31は、サンシェード18が「格納位置」に到達してロック状態にあるとして駆動モータMを停止させる。
【0134】
制御回路31は、駆動モータMを停止させると、前述したステップS6−1−2〜ステップS6−1−4の実行した後、ステップS3を介して、図4に示す停止モードの処理動作を実行するステップS4−1に移る。
【0135】
そして、制御回路31は、前述したように、リバーススイッチSW3又はサンシェード操作スイッチSW2がオン操作されるまで、この停止モードの処理動作を繰り返す。
(サンシェード18の現在位置とサンシェード位置フラグFpjが異なる場合)
次に、サンシェード位置フラグFpjが記憶するサンシェード18の位置と、サンシェード18の実際の現在位置とが一致しない場合に、サンシェード操作スイッチSW2が操作された場合について説明する。
【0136】
この一致しない状態が生じる場合として、サンシェード18が、図9(a)に示す「展開位置」にある時に、IGスイッチSW1がオフされた時に発生する。
今、IGスイッチSW1がオンされると、制御回路31は、ステップS1において、内部に設けたサンシェード位置フラグFpj、停止中フラグFst、マニュアルアップ・ダウンフラグFmn、リバースダウンフラグFrbを初期設定する。この時、サンシェード位置フラグFpjは、サンシェード18が「展開位置」にあるにも拘わらず、記憶内容は「0」(「格納位置」)に初期設定される。
【0137】
続いて、制御回路31は、ステップS2に移り、初回起動済フラグFfeを初期設定した後、前述と同様に、ステップS3を介してステップS3−1に移り、停止モードの処理動作を実行する。そして、制御回路31は、リバーススイッチSW3又はサンシェード操作スイッチSW2のオン操作を待つ。
【0138】
この状態において、運転者等のユーザが、サンシェード操作スイッチSW2を操作すると、制御回路31は、ステップS3−2において、サンシェードオン信号SG2を検出し、サンシェード操作スイッチSW2が操作されたことを判断し(ステップS3−2でYES)、ステップS3−2−1に移る。
【0139】
ステップS3−2−1において、制御回路31は、サンシェード18が「格納位置」にあるかどうか判断する。この判断は、サンシェード位置フラグFpjの記憶内容によって判断される。この時、ステップS1において、サンシェード位置フラグFpjは初期設定されていて、サンシェード18が「格納位置」にあるという記憶内容の「0」が記憶されている。
【0140】
従って、制御回路31は、サンシェード18が実際には「展開位置」にあるにも拘わらず「格納位置」にあるものとして判断し(ステップS3−2−1でYES)、ステップS3−2−2に移る。制御回路31は、サンシェード18を「格納位置」から「展開位置」の巻き戻すために、左右一対の駆動モータMの正転駆動を開始させる。即ち、それぞれの回動アーム14を回動させて、巻取軸に巻き取られていたサンシェード18を巻き戻し、図9(b)に示すように、「展開位置」への展開を開始する。
【0141】
この時、駆動モータMの正転起動開始とともに、制御回路31は、第2タイマTM2の計時動作を開始させる。
左右一対の駆動モータMの正転駆動を開始すると、制御回路31は、ステップS3−2−3に移り、前記と同様に、マニュアルアップ・ダウンフラグFmnの記憶内容を「0」から「1」のマニュアルアップモードに書き換えるともに、停止中フラグFstを、「0」から「1」に書き換えるようになっている。マニュアルアップ・ダウンフラグFmnをマニュアルアップモードである「1」に書き換えると、制御回路31は、ステップS3−3に移り、IGスイッチSW1がオフ状態どうか判断する。
【0142】
そして、IGスイッチSW1がオフ状態でなかった時、制御回路31は、IGスイッチSW1からのIGオン信号SG1が消失してないと判断し(ステップS3−3でNO)、ステップS3を介してステップS4に移る。ステップS4において、前記と同様に、制御回路31は、シフトレバーがリバース位置にあるかどうかを判断する。この時、停止モード中にシフトレバーがリバース位置に操作されていないことから、制御回路31は、リバースダウンフラグが「1」でないと判断して(ステップS4でNO)、ステップS5に移る。
【0143】
ステップS5において、制御回路31は、マニュアルアップモードにあるかどうかを判断する。この時、制御回路31は、停止モード中のステップS3−2−3において、マニュアルアップモードの書き換えられたマニュアルアップ・ダウンフラグFmnの「1」をみてマニュアルアップモードと判定し(ステップS5でYES)、図6に示すステップS4−1に移り、マニュアルアップモードの処理動作を実行する。
【0144】
図6に示すように、制御回路31は、まず、ステップS4−1において、駆動回路33のモータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXがあったかどうかを判断する。
【0145】
この時、サンシェード18は「展開位置」に展開されているため、サンシェード18を「展開位置」に展開すべく正転駆動している駆動モータMは直ちにロック状態となっている。従って、この時点で、駆動回路33内のモータ電流検出回路部33aから、直ちに、格納・展開位置到達信号SGXが出力されることになる。
【0146】
モータ電流検出回路部33aから格納・展開位置到達信号SGXが出力されると、制御回路31は、ステップS6−1において、格納・展開位置到達信号SGXがあったと判断し(ステップS4−1でYES)、ステップS4−1−1に移る。
【0147】
制御回路31は、ステップS4−1−1に移ると、第2タイマTM2の計時動作を停止させ、それまでのサンシェード18の実移動時間Tnと最短移動時間Tkと比較する。この時、モータMが短時間でロック状態となるために実移動時間Tnは非常に短い。そのため、最短移動時間Tkより短いと判断し(ステップS4−1−1でYES)、制御回路31は、ステップS4−1−6に移る。
【0148】
ステップS4−1−6に移ると、制御回路31は、初回起動済フラグFfeが「0」かどうかを判断する。この時、ステップS2において、初回起動済フラグFfeは「0」に初期設定されているので、制御回路31は、初回起動済フラグFfeは「0」と判断し(ステップS4−1−6でYES)、ステップS4−1−7に移る。
【0149】
ステップS4−1−7において、制御回路31は、図9(c)に示すように、サンシェード18を「展開位置」から「格納位置」に巻き取るために、左右一対の駆動モータMの逆転駆動を開始させる。即ち、それぞれの回動アーム14を反転回動させて、巻取軸にてサンシェード18の巻き取り動作を開始する。つまり、制御回路31は、既にサンシェード18は「展開位置」にあって、サンシェード操作スイッチSW2のオン操作はサンシェード18を「格納位置」に格納させるための操作と判断して、左右一対の駆動モータMの逆転駆動を開始させる。
【0150】
左右一対の駆動モータMの逆転駆動を開始すると、制御回路31は、ステップS4−1−8に移り、マニュアルアップ・ダウンフラグFmnの記憶内容を「1」から「0」に書き換える。即ち、制御回路31は、格納ボックス11に格納するリバースダウンモードの動作に移ったことを示す記憶内容にリバースダウンフラグFrbを書き換える。この時、制御回路31は、停止モードではなくなったことを示すために、停止中フラグFstを、「0」から「1」に書き換えるようになっている。
【0151】
次に、制御回路31は、ステップS4−1−9おいて、初回起動済フラグFfeを「0」から「1」にした後、ステップS3及びステップS4を介してステップS5に移る。
ステップS5において、制御回路31は、マニュアルアップモードにあるかどうかを判断する。この時、制御回路31は、ステップS4−1−8において、マニュアルダウンモードに「0」に書き換えられたマニュアルアップ・ダウンフラグFmnをみてマニュアルダウンモードと判定し(ステップS5でNO)、図7に示すステップS5−1に移り、マニュアルダウンモードの処理動作を実行する。
【0152】
そして、前記したように、制御回路31は、マニュアルダウンモードの処理動作を実行して駆動モータMを駆動制御し、図9(d)に示すように、サンシェード18を「格納位置」である格納ボックス11に収納してマニュアルダウンモードの処理を終了する。
【0153】
つまり、サンシェード18が「展開位置」にある時に、IGスイッチSW1がオフされ、再びオン操作されると、サンシェード位置フラグFpjは、サンシェード18が「展開位置」にあるにも拘らず、「格納位置」を示す「0」の内容に初期設定される。そして、この状態から、ユーザがサンシェード18を格納すべく、サンシェード操作スイッチSW2がオン操作された場合、サンシェード位置フラグFpjの初期設定された記憶内容に基づいて、一旦、マニュアルアップモードになるが、違和感なく短時間で、マニュアルダウンモードとなってサンシェード18を確実に「格納位置」に移動させることができる。
【0154】
従って、IGスイッチSW1がオフされてもいいように、不揮発性メモリ(EEPROM)にサンシェード18の「格納位置」又は「展開位置」を記憶させる必要がなくなる。
ちなみに、図9(d)の状態から、サンシェード操作スイッチSW2がオン操作されると、図9(e)を経て図9(f)に示すように、サンシェード18は「展開位置」まで移動する。その後、サンシェード操作スイッチSW2がオン操作されると、図9(g)を経て図9(h)に示すように、サンシェード18は「展開位置」まで移動する。
【0155】
次に、上記のように構成した実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、IGスイッチSW1がオン操作されると、制御回路31はサンシェード位置フラグFpjが「格納位置」に初期設定するようにした。この時、サンシェード18が「展開位置」にある状態で、サンシェード操作スイッチSW2が操作されると、サンシェード位置フラグFpjが示すサンシェード18の「格納位置」の内容に基づいて、駆動モータMを正転駆動させる。この時、既に、サンシェード18は「展開位置」にあることから、最短移動時間Tkよりも短い時間で駆動モータMが停止状態になる。制御回路31は、この短時間での停止により、サンシェード位置フラグFpjが実際のサンシェード18の「展開位置」とは異なる「格納位置」を示していると判断する。そして、制御回路31は、駆動モータMを反転駆動しサンシェード18を「展開位置」から「格納位置」へ移動させるようにした。
【0156】
従って、イグニッションスイッチSW1がオフされる毎に、サンシェード位置フラグFpjが初期設定されて、しかも、サンシェード18の実際の位置と異なっていても、違和感なく短時間で、マニュアルダウンモードとなってサンシェード18を確実に「格納位置」に移動させることができる。その結果、従来のように、IGスイッチSW1がオフされてもいいように、常時、サンシェード18の「格納位置」又は「展開位置」を記憶させるための不揮発性メモリ(EEPROM)が不要となり、その分、リアサンシェード装置10を安価につくることができる。
【0157】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、サンシェード位置フラグFpjの初期設定を「格納位置」に設定した。これを、「展開位置」に初期設定して実施してもよい。
【0158】
・上記実施形態では、駆動モータMのロック状態をモータ電流で検出した。これを、駆動モータMの回転数を検出する例えばロータリエンコーダ等の回転検出器で、駆動モータMのロック状態を検出したり、回動アーム14の回動位置を検出する回動位置検出器の位置検出を介して駆動モータMのロック状態を検出したりしてもよい。
【符号の説明】
【0159】
1…車両、2…リアウィンドガラス、3…リアパッケージトリム、10…リアサンシェード装置、11…格納ボックス、12…アクチュエータ、14…回動アーム、15…支軸、16…ガイド部材、18…サンシェード(開閉体)、30…ECU(電子制御ユニット)、31…制御回路(駆動制御部)、31a…制御部(CPU(中央処理装置))、31b…ROM、31c…RAM、32…電源回路、33…駆動回路、33a…モータ電流検出回路部、F…ヒューズ、M…駆動モータ、SW1…イグニッションスイッチ(IGスイッチ)、SW2…サンシェード操作スイッチ(開閉体操作手段)、SW3…リバーススイッチ、TM1…第1タイマ、TM2…第2タイマ、Fpj…サンシェード位置フラグ(記憶部)、Fst…停止中フラグ、Fmn…マニュアルアップ・ダウンフラグ、Ffe…初回起動済フラグ、CT…駆動制御信号、SG1…IGオン信号、SG2…サンシェードオン信号(操作信号)、SG3…リバースオン信号、SG4…遮断信号、SGX…格納・展開位置到達信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体を開位置と閉位置の2位置に移動案内させる駆動モータと、
イグニッションスイッチのオン信号に基づいて電力が供給されて待機状態となり、開閉体操作手段からの操作信号により、前記開閉体を前記2位置のいずれか一方の位置から他方の位置に移動させるべく前記駆動モータを駆動制御するとともに、前記駆動モータの停止状態になった時、前記駆動モータへの電力を遮断し停止させる制御回路と
を備える開閉体駆動装置であって、
開閉体の位置情報が記憶され、前記イグニッションスイッチのオン信号の消失により前記位置情報が消去され、前記イグニッションスイッチのオン信号により前記位置情報が開位置と閉位置の2位置のいずれか一方に初期化される位置フラグを有する記憶部と、
前記待機状態において、前記開閉体操作手段からの操作信号に応答して、前記位置フラグが示す位置情報の一方の位置とは異なる他方の位置に前記開閉体を移動させるべく前記駆動モータに電力を供給して駆動させるとともに、予め定めた時間内に前記駆動モータが停止状態になった時、前記他方の位置から前記位置フラグが示す位置情報の一方の位置に前記開閉体を反転移動させるべく前記駆動モータを駆動するように電力を前記駆動モータへ供給する駆動制御部と
を備えることを特徴とする開閉体駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉体駆動装置において、
前記駆動制御部は、反転移動が終了した時、前記位置フラグの位置情報を初期値の一方の位置から現在位置の他方に位置を現在位置情報として保持することを特徴とする開閉体駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の開閉体駆動装置において、
前記記憶部は、イグニッションスイッチがオンされてから、初めて前記駆動モータが起動した時、その旨が記憶される初回起動済フラグを有し、
前記駆動制御部は、前記予め定めた時間内に前記駆動モータが停止状態になった時、前記初回起動済フラグに基づいて、前記イグニッションスイッチがオンされて初回の起動時の停止かどうかを判別し、初回以外のときには、前記反転移動をキャンセルすることを特徴とする開閉体駆動装置。
【請求項4】
請求項3に記載の開閉体駆動装置において、
前記駆動制御部は、反転移動をキャンセルしたときに、前記位置フラグの位置情報を初期値の一方の位置から現在位置の他方に位置に書き換えることを特徴とする開閉体駆動装置。
【請求項5】
イグニッションスイッチのオン信号に基づいて待機状態となり、開閉体操作手段からの操作信号により、駆動モータを駆動して開閉体を「開位置」から「閉位置」に又は「閉位置」から「開位置」にのいずれかの位置に移動案内させるようにした開閉体の駆動方法であって、
開閉体の位置情報が記憶され、前記イグニッションスイッチのオン信号の消失により前記位置情報が消去され、前記イグニッションスイッチのオン信号により前記位置情報が開位置と閉位置の2位置のいずれか一方に初期化される位置フラグを有する記憶部を備え、
前記待機状態において、前記開閉体操作手段からの操作信号に応答して、前記位置フラグが示す位置情報の一方の位置とは異なる他方の位置に前記開閉体を移動させるべく前記駆動モータを駆動させた時、
予め定めた時間以上に前記駆動モータが停止状態になった時、前記駆動モータを停止させ、
予め定めた時間未満に前記駆動モータが停止状態になった時、前記駆動モータを反転駆動させて、前記他方の位置から前記位置フラグが示す位置情報の一方の位置に前記開閉体を反転移動させるようにしたことを特徴とする開閉体の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−148706(P2012−148706A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9804(P2011−9804)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】