説明

集合住宅インターホンシステム及びインターホンシステム

【課題】 居室親機で地震情報報知が行われた場合に、避難場所情報も合わせて報知でき、更にどこに避難したのかを外出している家族に通知できる集合住宅インターホンシステムを提供する。
【解決手段】 制御装置4は、地震情報を外部から入手する地震情報受信装置5が接続されると共に、予め地域などで決められた避難場所情報を記憶する避難場所記憶部、携帯電話のメールアドレスを記憶するアドレス記憶部を有し、地震情報受信装置5から地震情報を受信したら、各居室親機2,2・・へ通知して居住者に対して地震情報の報知制御を行い、引き続き各居室親機2,2・・に対して記憶している避難場所情報を送信すると共に、登録されている携帯電話6に対して避難場所情報をメール送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集合住宅インターホンシステム及びインターホンシステムに関し、特に居室親機に地震情報報知機能を設けた集合住宅インターホンシステム及びインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震が発生したら、その情報を入手して報知する地震情報報知機能を備え、地震発生時に居室親機から警報を発するインターホンシステムがある。例えば、このようなインターホンシステムのうち集合住宅に設置した集合住宅インターホンシステムとして、特許文献1に開示された構成のものがある。これは、集合住宅の管理人室などに設置される警報監視盤と、集合住宅の各住戸に設置される住宅情報盤とを組み合わせて構成され、地震検知手段が地震を検知したら地震発生を上記警報監視盤に通知する通知手段と、警報監視盤からの地震確定情報を受けて、所定の対処ガイダンスを報知する報知手段とを備えている。そして、警報監視盤は何れかの住宅情報盤からの地震通知を受け付けたら、続けて他の住宅情報盤から通知される地震通知のサンプリングを行い、そのサンプリングにおいて地震通知受信回数が所定回数以上となったときには、地震発生を確定し地震確定情報として各住宅情報盤に出力するよう動作した。
【0003】
【特許文献1】特開2003−67866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の集合住宅インターホンシステムは、地震発生に関する情報を居室親機としての住宅情報盤にて報知できるので地震情報報知機能を簡易に構成できた。しかしながら、居住者はその報知を聞いて自身の判断により避難場所へ避難することになるが、予めどこに避難するのかを家族で決めて個々の家族がそれを把握していればよいが、決めていなかったり、避難場所がどこであったかを忘れてしまうことがあり、スムーズな避難ができない事態が考えられた。
また、仕事等で家にいなかったり外出中の家族は、家にいる家族がどこに避難したのか把握できなかったり、無事であるのかを確認することができない事態が考えられた。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、居室親機で地震情報報知が行われた場合に、避難場所情報も合わせて報知でき、更にどこに避難したのかを外出している家族に通知できる集合住宅インターホンシステム、及びインターホンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、来訪者が居住者を呼び出すために集合住宅のエントランス等に設置された集合玄関機と、集合玄関機からの呼び出しに応答するために各住戸内に設置された居室親機と、集合玄関機、及び居室親機を制御する制御機と、外部に設置されて地震情報を発信する地震情報発信手段から地震情報を受信したら制御機に送信する地震情報受信装置とを有し、制御機が地震情報を受信したら各居室親機へ通知して居住者に対して地震情報の報知制御を行う集合住宅インターホンシステムにおいて、制御機は、予め地域などで決められた避難場所情報を記憶する避難場所記憶部と、各居室親機へ地震情報の送信に連動させて同時に或いは地震情報送信後に、記憶している避難場所情報を送信する報知制御手段とを備える一方、居室親機は避難場所情報を表示する表示部を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、地震情報の報知に連動させて避難場所情報が居室親機に表示されるので、居住者は速やかに避難場所を認識でき、避難場所に迷い混乱するようなことが無くなる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、避難場所記憶部が記憶する避難場所情報が地図から成る画像情報を含むと共に、表示部は画像情報を表示可能であることを特徴とする。
この構成によれば、避難場所が地図で表示されるので、避難場所までの経路を把握しやすく分かり易い。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、制御機は、居室親機毎に関連付けられて登録された携帯電話端末等の通信機器のメールアドレスを記憶するアドレス記憶部と、通信機器へメール送信するための通信ネットワーク接続部とを有し、報知制御手段は、避難場所情報を居室親機に送信するのに加えて、登録されたメールアドレスに対しても避難場所情報をメール送信する制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、居室親機に表示された避難場所情報が携帯電話等にも送信されるので、地震発生時に外出している家族に対しても避難場所を通知することができ、家族が同一の避難場所に集まることが可能となる。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、避難場所記憶部が複数の避難場所を記憶し、居室親機が避難場所を選択する選択手段を有する一方、制御機は、居室親機毎に関連付けられて登録された携帯電話端末等の通信機器のメールアドレスを記憶するアドレス記憶部と、通信機器へメール送信するための通信ネットワーク接続部とを有し、選択手段の操作により、制御機から居室親機に送信された複数の避難場所情報から1つが選択されたら、報知制御手段は、登録されたメールアドレスに対して選択された避難場所情報をメール送信する制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、避難場所が複数ある場合は、居住者が特定した1箇所の避難場所情報のみ携帯電話等に送信されるので、外出している家族がいても避難場所を家族の間で間違えることが無く、家族が同一の避難場所に集まることが可能となる。また、居住者が選択操作する行程を備えるため、避難場所情報のメールを受け取った家族は、居住者が動ける状態にあることを認識でき安心できる。
【0010】
請求項5の発明は、来訪者が居住者を呼び出すために玄関等に設置された玄関子機と、玄関子機からの呼び出しに応答するために住戸内に設置された居室親機と、外部に設置されて地震情報を発信する地震情報発信手段から地震情報を受信したら居室親機に送信する地震情報受信装置とを有したインターホンシステムであって、居室親機は、予め地域などで決められた避難場所情報を記憶する避難場所記憶部と、地震情報受信装置から受信したら地震情報を報知制御する報知制御手段と、避難場所を表示する表示部とを備え、報知制御手段は、地震情報の送信に連動させて同時に或いは地震情報報知後に、記憶している避難場所情報を表示部に表示することを特徴とする。
この構成によれば、地震情報の報知に連動させて避難場所情報が居室親機に表示されるので、居住者は速やかに避難場所を認識でき、避難場所に迷い混乱するようなことが無くなる。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載の発明において、避難場所記憶部が記憶する避難場所情報が、地図から成る画像情報を含むと共に、表示部は画像情報を表示可能であることを特徴とする。
この構成によれば、避難場所が地図で表示されるので、避難場所までの経路を把握しやすく分かり易い。
【0012】
請求項7の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、居室親機は、登録された携帯電話端末等の通信機器のメールアドレスを記憶するアドレス記憶部と、通信機器へメール送信するための通信ネットワーク接続部とを有し、報知制御手段は、避難場所情報を表示するのに加えて、登録されたメールアドレスに対しても避難場所情報をメール送信する制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、居室親機に表示された避難場所情報が携帯電話等にも送信されるので、地震発生時に外出している家族に対しても避難場所を通知することができ、家族が同一の避難場所に集まることが可能となる。
【0013】
請求項8の発明は、請求項5又は6記載の発明において、避難場所記憶部が複数の避難場所を記憶し、居室親機が避難場所を選択する選択手段を有する一方、居室親機は、登録された携帯電話端末等の通信機器のメールアドレスを記憶するアドレス記憶部と、通信機器へメール送信するための通信ネットワーク接続部とを有し、選択手段の操作により、表示された避難場所情報から1つの避難場所が選択されたら、報知制御手段は、登録されたメールアドレスに対して選択された避難場所情報をメール送信する制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、避難場所が複数ある場合は、居住者が特定した1箇所のみ携帯電話等に送信されるので、外出している家族がいても避難場所を間違えることが無く、家族が同一の避難場所に集まることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、地震情報の報知に連動して避難場所情報が居室親機に表示されるので、居住者は速やかに避難場所を認識でき、避難場所に迷い混乱するようなことが無くなる。また、居室親機に表示された避難場所情報が携帯電話等にも送信されるので、地震発生時に外出している家族に対しても避難場所を通知することができ、家族が同一の避難場所に集まることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る集合住宅インターホンシステムの一例を示す構成図であり、1は集合住宅のエントランス等に設置され来訪者が居住者を呼び出すための集合玄関機、2は集合玄関機1からの呼び出しに応答するための居室親機、3は管理室等に設置されて集合玄関機1又は居室親機2と通話を実施できる管理室親機、4はこれら各機器間の通信を制御する制御機、5は外部から入手した地震情報を制御機4に通知する地震情報受信装置、6は居住者が携行する携帯電話を示している。尚、Mは集合住宅、Nはインターネット網等の通信ネットワーク、Pは居室親機2の拡大図、Tは地震の震源地を示している。
【0016】
そして、集合玄関機1は伝送線T1により制御機4に接続され、居室親機2は親機幹線T2により制御機4に接続され、管理室親機3は伝送線T3により制御機4に接続され、地震情報受信装置5は伝送線T4により制御機4に接続されている。また、地震情報受信装置5は、通信ネットワークNに接続されて、同様に通信ネットワークNに接続された気象庁のサーバ8から発信された地震情報を自動入手するよう構成されている。この地震情報受信装置5は、サーバ8から入手した地震情報を解析し、集合住宅Mでの震度、地震発生までにかかる時間(S波到達までの時間)等を計算し、この解析された地震情報を制御機4に送信する。尚、計算に必要な集合住宅Mの位置情報は地震情報受信装置5を設置する際に設定される。
【0017】
集合玄関機1は、複数の住戸のうちの何れかを選択して居住者を呼び出すための操作部1aを備えると共に、来訪者を撮像するカメラ1bを備え、呼び出し操作が成されたらカメラ1bが撮像した映像信号が制御機4を介して呼出先の居室親機2に伝送される。
【0018】
居室親機2は図2に示すような回路を備えている。具体的に、集合玄関機1に備えられているカメラ1bが撮像した映像を出画するモニタ11、モニタ11に出画する映像信号を処理する映像処理部12、マイク2a及びスピーカ2b(図1に示す)を備えた通話部13、通話部13を制御する通話回路14、呼び出しに対して応答するための通話ボタン15、タッチパネルや押ボタンから成る操作部16、居室親機2の各部を制御する親機制御部17、制御機4と通信するためのインターフェース(親機IF)18を備えている。
【0019】
また、制御機4は図3に示すような回路を備えている。具体的に、避難場所を記憶する避難場所記憶部21、避難場所情報を携帯電話等の通信機器に送信するためのメールアドレスが登録されたアドレス記憶部22、集合玄関機1及び管理室親機3と通信するためのインターフェース(第1IF)23、居室親機2と通信するためのインターフェース(第2IF)24、地震情報受信装置5と通信するためのインターフェース(第3IF)25、通信ネットワークNに接続するためのインターフェース(第4IF)26、機器間の通話路及び映像路を制御する通話/映像路制御部27、制御機4の各部を制御する制御機制御部28を備えている。
【0020】
そして、避難場所記憶部21には、避難場所情報が地図として画像情報で記憶され、居室親機2で表示される場合、図1に示すようにモニタ34に地図画像Qが表示される。また、アドレス記憶部22には、居室親機2毎に登録したメールアドレスが記憶される。
【0021】
このように構成された集合住宅インターホンシステムは、以下のように動作する。但し、集合玄関機1を操作して居住者を呼び出し、居室親機2との間で通話を実施すること、その際カメラ1bが撮像した映像が居室親機2のモニタ11に出画される等の集合住宅インターホンシステムにおける通常の動作は、従来と同様であるため説明を省略し、地震情報受信装置5が地震情報を受信した場合の動作を説明する。
【0022】
震源地Tで地震が発生するとサーバ8から地震情報が発信され、通信ネットワークNを介して地震情報受信装置5にて受信される。地震情報受信装置5は、この地震情報を解析して集合住宅Mでの震度、地震発生までにかかる時間(S波到達までの時間)等を計算し、この解析された地震情報を例えば音声放送信号により制御機4に送信する。
【0023】
この地震情報を受信した制御機4は、制御機制御部28が、親機幹線T2内及び伝送線T3の通話路を使用して、送信された地震情報を各居室親機2,2・・及び管理室親機3に送信する。この地震情報を受けた居室親機2は、親機制御部17の制御により、通話部13のスピーカ2bから地震発生を知らせる放送が流れ、同時にモニタ11に震度、地震発生までにかかる時間が表示される。こうして、居住者に音と表示により地震発生が通知される。尚、管理室親機3も同様に報知動作が成される。
【0024】
地震情報の放送が終了すると、制御機制御部28は予め避難場所記憶部21に記憶している避難場所の地図情報を各居室親機2,2・・に送信する。尚、地震情報の放送は、地震情報受信装置5からの地震情報の送信が停止したら終了するが、居室親機2の操作で停止させることもできる。
避難場所情報を受信した居室親機2では、親機制御部17が、図1の居室親機2の拡大図Pに示すように、地図画像Qがモニタ11に表示する。ここでは、2箇所の避難場所が四角で表示された地図が表示されている。
【0025】
そして、この画像を見た居住者により、何れの避難場所に避難するか操作部16が操作(例えば、一方の避難場所部位をタッチ操作)されて選択されると、親機制御部17はその選択情報を制御機4に送信し、選択された避難場所が制御機制御部28で認識される。制御機制御部28は、その特定した避難場所を認識するとアドレス記憶部22に登録されたメールアドレスのうち、選択操作された居室親機2に関連付けられているメールアドレス宛にその選択された避難場所情報を地図画像でメール送信する。
こうして、例えば家族の携帯電話6のメールアドレスに対してメール送信操作が成され、外出している家族に対して避難場所が自動通知される。そして、この送信制御が居室親機2毎に実施される。
尚、地図画像Q上に避難場所が1箇所しかない場合は、選択操作を待たずに制御機制御部28は、アドレス記憶部22に登録されたメールアドレス宛に避難場所画像をメール送信する。
【0026】
このように、地震情報の報知に連動して避難場所情報が居室親機2に表示されるので、居住者は速やかに避難場所を認識でき、避難場所に迷い混乱するようなことが無くなる。そして、避難場所が地図で表示されるので、避難場所までの経路を把握しやすく分かり易い。
また、居室親機2に表示された避難場所情報が登録された携帯電話6等にも送信されるので、地震発生時に仕事先にいる家族や外出している家族に対して避難場所を通知することができ、家族が同一の避難場所に集まることが可能となる。
更に、登録された避難場所が複数ある場合は、居住者が地震発生時に特定した1箇所のみ携帯電話6等に送信されるので、外出している家族がいても避難場所を間違えることが無く、家族が同一の避難場所に集まることが可能となるし、居住者が選択操作する行程を備えるため、避難場所情報のメールを受け取った家族は、居住者が動ける状態にあることを認識でき安心できる。
【0027】
尚、上記実施例においても各種メモリは、居室親機2に備えてもよい。また、避難場所記憶部21に記憶させる避難場所は、各居室親機2,2・・で作成した個別のものであっても良いし、集合住宅や町内で決めた共通の避難場所情報であってもよい。
【0028】
次に、戸建住宅に使用するインターホンシステムについて本発明の一例を説明する。図4は構成図であり、31は玄関等に設置されて居住者を呼び出して通話するための玄関子機、32は住戸内に設置されて玄関子機31からの呼び出しに応答するための居室親機である。そして、上記図1と同様に地震情報受信装置5を備え、通信ネットワークNを介してサーバ8から地震情報を受信したら報知する機能を備えている。尚、図1と同一の構成要素には同一の符号を付与してある。
【0029】
玄関子機31は、居住者を呼び出すための呼出ボタン31a、来訪者を撮像するカメラ31bを備え、呼出操作が成されたらカメラ31bが撮像した映像信号が居室親機32に伝送される。
【0030】
居室親機32は図5に示すような回路を備えている。具体的に、玄関子機31のカメラ31bが撮像した映像を出画するモニタ34、モニタ34に出画する映像信号を処理する映像処理部35、マイク32a及びスピーカ32bを備えた通話部36、通話部36を制御する通話回路37、呼び出しに対して応答するための通話ボタン38、タッチパネルや操作ボタンから成る操作部39、避難場所を記憶する避難場所記憶部40、避難場所情報を携帯電話等の通信機器に送信するためのメールアドレスが登録されたアドレス記憶部41、居室親機32の各部及び玄関子機31を制御する親機制御部42、玄関子機31と通信するためのインターフェース(第5IF)43、地震情報受信装置5と通信するためのインターフェース(第6IF)44、通信ネットワークNに接続するためのインターフェース(第7IF)45を備えている。
【0031】
そして、避難場所記憶部40には、避難場所情報が地図として画像情報で記憶され、モニタ34に表示される場合、図4に示すように地図画像Qとして表示される。また、アドレス記憶部41には、登録されたメールアドレスが記憶される。
【0032】
このように構成されたインターホンシステムは、以下のように動作する。但し、玄関子機31を操作して居住者を呼び出し、居室親機32との間で通話を実施すること、その際カメラ31bが撮像した映像が居室親機32のモニタ34に出画される等のインターホンシステムにおける通常の動作は、従来と同様であるため説明を省略し、地震情報受信装置5が地震情報を受信した場合の動作を説明する。
【0033】
震源地Tで地震が発生すると、上記集合住宅インターホンシステムの実施形態と同様に、サーバ8から地震情報が発信され、通信ネットワークNを介して地震情報受信装置5にて受信される。地震情報受信装置5は、この地震情報を解析してインターホンが設置された住戸での震度、地震発生までにかかる時間(S波到達までの時間)等を計算し、この解析された地震情報を例えば音声放送信号により居室親機32に送信する。尚、計算に必要な住戸の位置情報は地震情報受信装置5を設置する際に入力される。
【0034】
この地震情報を受けた居室親機32では、親機制御部42の制御により、通話部36のスピーカ32bから地震発生を知らせる放送が流れ、同時にモニタ34に震度、地震発生までにかかる時間が表示される。こうして、居住者に音と表示により地震発生が通知される。
地震情報の放送が終了すると、親機制御部42は引き続き避難場所記憶部40に記憶されている避難場所の地図情報Qを、図4に示すようにモニタ34に表示させる。ここでは、2箇所の避難場所が四角で表示された地図画像Qが表示される。
尚、地震情報の放送は、地震情報受信装置5からの地震情報の送信が停止したら終了するが、居室親機2の操作で停止させることもできる。
【0035】
そして、この画像を見た居住者により、何れの避難場所に避難するか操作部39が操作(例えば、一方の避難場所部位をタッチ操作)されて選択されると、選択された避難場所を親機制御部42が認識し、その特定した避難場所情報がアドレス記憶部41に登録されたメールアドレス宛に送信される。こうして例えば、外出している家族が携行する携帯電話6に避難場所情報が地図画像としてメール送信される。
尚、表示した画像上に避難場所が1箇所しかない場合は、選択操作を待たずにアドレス記憶部41に登録されたメールアドレス宛に避難場所画像がメール送信される。
【0036】
このように、地震情報の報知に連動して避難場所情報が居室親機32に表示されるので、居住者は速やかに避難場所を認識でき、避難場所に迷い混乱するようなことが無くなる。そして、避難場所が地図で表示されるので、避難場所までの経路を把握しやすく分かり易い。
また、居室親機32に表示された避難場所情報が登録された携帯電話6等にも送信されるので、地震発生時に外出している家族に対しても避難場所を通知することができ、家族が同一の避難場所に集まることが可能となる。
更に、登録された避難場所が複数ある場合は、地震発生時に居住者が特定した1箇所のみ携帯電話6等に送信されるので、外出している家族がいても避難場所を間違えることが無く、家族が同一の避難場所に集まることが可能となるし、居住者が選択操作する行程を備えるため、避難場所情報のメールを受け取った家族は、居住者が動ける状態にあることを認識でき安心できる。
【0037】
尚、何れの実施形態も、居室親機2,32に表示する避難場所情報、及びメール送信する避難場所情報を地図情報としているが、勿論住所等の文字情報としても良く、避難場所を特定できる。また、地図及び住所の双方を表示するようにしても良い。また、地震情報報知後に避難場所情報を表示しているが、地震情報報知の終了を待たずに避難場所情報を表示させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る集合住宅インターホンシステムの一例を示す構成図である。
【図2】図1の居室親機の回路ブロック図である。
【図3】図1の制御機の回路ブロック図である
【図4】本発明に係るインターホンシステムの構成図である。
【図5】図4の居室親機の回路ブロック図である。
【符号の説明】
【0039】
1・・集合玄関機、2・・居室親機、4・・制御機、5・・地震情報受信装置、6・・携帯電話(通信機器)、8・・サーバ(地震情報発信手段)、11・・モニタ、16・・操作部、17・・親機制御部、21・・避難場所記憶部、22・・アドレス記憶部、26・・第4IF(通信ネットワーク接続部)、28・・制御機制御部(報知制御手段)、31・・玄関子機、32・・居室親機、34・・モニタ(表示部)、39・・操作部、40・・避難場所記憶部、41・・アドレス記憶部、42・・親機制御部(報知制御手段)、45・・第7IF(通信ネットワーク接続部)、N・・通信ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者が居住者を呼び出すために集合住宅のエントランス等に設置された集合玄関機と、前記集合玄関機からの呼び出しに応答するために各住戸内に設置された居室親機と、前記集合玄関機、及び前記居室親機を制御する制御機と、外部に設置されて地震情報を発信する地震情報発信手段から地震情報を受信したら前記制御機に送信する地震情報受信装置とを有し、前記制御機が地震情報を受信したら各居室親機へ通知して居住者に対して地震情報の報知制御を行う集合住宅インターホンシステムにおいて、
前記制御機は、予め地域などで決められた避難場所情報を記憶する避難場所記憶部と、各居室親機への地震情報の送信に連動させて同時に或いは地震情報送信後に、前記記憶している避難場所情報を送信する報知制御手段とを備える一方、前記居室親機は避難場所情報を表示する表示部を備えたことを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【請求項2】
前記避難場所記憶部が記憶する避難場所情報が地図から成る画像情報を含むと共に、前記表示部は前記画像情報を表示可能であることを特徴とする請求項1記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項3】
前記制御機は、前記居室親機毎に関連付けられて登録された携帯電話端末等の通信機器のメールアドレスを記憶するアドレス記憶部と、前記通信機器へメール送信するための通信ネットワーク接続部とを有し、
前記報知制御手段は、避難場所情報を前記居室親機に送信するのに加えて、登録されたメールアドレスに対しても避難場所情報をメール送信する制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項4】
前記避難場所記憶部が複数の避難場所を記憶し、前記居室親機が避難場所を選択する選択手段を有する一方、前記制御機は、居室親機毎に関連付けられて登録された携帯電話端末等の通信機器のメールアドレスを記憶するアドレス記憶部と、前記通信機器へメール送信するための通信ネットワーク接続部とを有し、
前記選択手段の操作により、前記制御機から前記居室親機に送信された複数の避難場所情報から1つが選択されたら、前記報知制御手段は、登録されたメールアドレスに対して選択された避難場所情報をメール送信する制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項5】
来訪者が居住者を呼び出すために玄関等に設置された玄関子機と、前記玄関子機からの呼び出しに応答するために住戸内に設置された居室親機と、外部に設置されて地震情報を発信する地震情報発信手段から地震情報を受信したら前記居室親機に送信する地震情報受信装置とを有したインターホンシステムであって、
前記居室親機は、予め地域などで決められた避難場所情報を記憶する避難場所記憶部と、前記地震情報受信装置から受信したら地震情報を報知制御する報知制御手段と、避難場所を表示する表示部とを備え、
前記報知制御手段は、地震情報の送信に連動させて同時に或いは地震情報報知後に、前記記憶している避難場所情報を前記表示部に表示することを特徴とするインターホンシステム。
【請求項6】
前記避難場所記憶部が記憶する避難場所情報が、地図から成る画像情報を含むと共に、前記表示部は前記画像情報を表示可能であることを特徴とする請求項5記載のインターホンシステム。
【請求項7】
前記居室親機は、登録された携帯電話端末等の通信機器のメールアドレスを記憶するアドレス記憶部と、前記通信機器へメール送信するための通信ネットワーク接続部とを有し、
前記報知制御手段は、避難場所情報を表示するのに加えて、登録されたメールアドレスに対しても避難場所情報をメール送信する制御を行うことを特徴とする請求項5又は6記載のインターホンシステム。
【請求項8】
前記避難場所記憶部が複数の避難場所を記憶し、前記居室親機が避難場所を選択する選択手段を有する一方、前記居室親機は、登録された携帯電話端末等の通信機器のメールアドレスを記憶するアドレス記憶部と、前記通信機器へメール送信するための通信ネットワーク接続部とを有し、
前記選択手段の操作により、表示された避難場所情報から1つの避難場所が選択されたら、前記報知制御手段は、登録されたメールアドレスに対して選択された避難場所情報をメール送信する制御を行うことを特徴とする請求項5又は6記載のインターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−111752(P2009−111752A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282239(P2007−282239)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】