説明

集客情報提供システム

【課題】来訪者が集客領域ごとの混雑の具合を把握できることで、利便性を向上する。
【解決手段】集客情報提供システム1は、複数のブース101〜107のうち少なくとも1つへ訪問予定の来訪者P1に関連づけられ、第1アンテナ手段を備えた移動局T1と、既知の位置に固定的に配置された基地局R1〜R4とを有し、移動局T1から送信された電波信号に基づき、それら移動局T1の位置検出を行い、その位置検出結果と地図情報とに基づき、各ブース101〜107ごとの来訪者P2の人数を算出し、その算出結果に基づき、各ブース101〜107ごとのブース集客密度を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集客領域に来訪する来訪者に対し、集客領域の集客情報を提供するための集客情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
混雑状況を管理して集計し、利用者にその集計した混雑情報を提供する従来技術として、例えば特許文献1記載のものがある。
【0003】
この従来技術では、路上を走行する各自動車にGPS装置が備えられ、各自動車において自らの位置情報を検出する。そして検出された各自動車の位置情報が、各車搭載の移動体端末より移動体通信によって送信され、位置情報管理コンピュータへ入力される。位置情報管理コンピュータは、このようにして取得した多数の自動車の位置情報に基づき渋滞状況の検出を行い、その渋滞状況を移動体通信によって再び各自動車へ送信する。これにより、各自動車において対応する渋滞情報の表示を行うことができ、運転者は車上にて道路渋滞情報を確認することができる。
【特許文献1】特開2001−155290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、展示会のブース、馬券・宝くじ・チケット売場、ショッピングセンター内の各種販売店・飲食店等、不特定多数の人々が集まる集客領域がある。このような集客領域に赴こうとしている来訪者にとって、当該集客領域が混雑しているか空いているかが事前に把握できれば、混雑具合に応じた適切な訪問計画(訪問するかしないか、訪問する集客領域をどれに絞るか、訪問順序をどのようにするか、等)をたてることが可能となり、非常に便利なものとなる。
【0005】
しかしながら、上記従来技術は、自動車の道路における混雑状況(渋滞状況)を検出して報知するものであり、上記のような複数の集客領域における人間の集団の混雑状況を検出して訪問計画を対応させるものではない。
【0006】
本発明の目的は、来訪者が集客領域ごとの混雑の具合を把握でき、利便性を向上できる集客情報提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、複数の集客領域のうち少なくとも1つの集客領域へ訪問予定あるいは訪問中の来訪者に関連づけられ、情報を送受信する第1アンテナ手段を備え、前記複数の集客領域を含む所定の移動可能領域を移動可能な第1移動局と、前記第1移動局に対し無線通信により情報送受信を行う基地局アンテナ手段を備えた基地局とを有し、前記来訪者に対し前記集客領域の集客情報を提供するための集客情報提供システムであって、前記第1移動局の前記第1アンテナ手段から送信され前記基地局の前記基地局アンテナ手段で受信した電波信号に基づき、前記第1移動局の位置検出を行う位置検出手段と、前記位置検出手段による前記第1移動局の位置検出結果と、地図情報とに基づき、各集客領域ごとの前記来訪者の人数を算出する集客人数算出手段と、前記集客人数算出手段の算出結果に基づき、各集客領域ごとの来訪者人数指標を算出する集客指標算出手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明は、複数の集客領域(例えば展示会のブース、馬券・宝くじ・チケット売場、ショッピングセンター内の各種販売店・飲食店、等)のいずれかを訪問しようとするあるいは既に訪問している来訪者とを対象としている。来訪者には第1移動局が関連づけられて第1移動局が来訪者とともに移動する。この第1移動局の位置は、位置検出手段によって検出される。このとき、集客人数算出手段によって、位置検出結果や地図情報に基づき各集客領域ごとの来訪者の人数が算出され、さらにこれに基づき集客指標算出手段によって各集客領域ごとの来訪者人数指標が算出される。
【0009】
これにより、各集客領域別の来訪者の混み具合の程度を概ね指標として検出できるので、この情報を他の来訪者(例えば各集客領域の外にいる来訪者)側に提供(例えば無線端末に送信等)することで、当該他の来訪者は集客領域ごとの混雑の具合を把握できる。この結果、混雑具合に応じた適切な訪問計画(訪問するかしないか、訪問する集客領域をどれに絞るか、訪問順序をどのようにするか、等)をたてることが可能となり、利便性を向上することができる。
【0010】
第2発明は、上記第1発明において、前記集客指標算出手段は、前記来訪者人数指標として、各集客領域ごとの来訪者人数密度を算出する集客密度算出手段であることを特徴とする。
【0011】
これにより、各集客領域別の来訪者の密集度(密な人混みか疎な人混みか等)が検出できるので、この情報を他の来訪者(例えば各集客領域の外にいる来訪者)側に提供(例えば無線端末に送信等)することで、当該他の来訪者は集客領域ごとの混雑の具合をさらに具体的に把握することができる。
【0012】
第3発明は、上記第2発明において、前記来訪者の識別情報又は対応する前記第1移動局の識別情報と、当該来訪者の訪問予定の複数の前記集客領域の識別情報とを、予め関連づけて登録情報として記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
【0013】
これにより、複数の集客領域のうち、来訪者が行きたいと思っている集客領域を特に選定して特定の処理を行うことが可能となり、利便性が向上する。
【0014】
第4発明は、上記第3発明において、複数の前記来訪者のそれぞれごとに、前記記憶手段の前記登録情報に含まれる前記複数の集客領域のうち各来訪者の訪問に最適な前記集客領域を個別に決定する訪問領域決定手段を有することを特徴とする。
【0015】
複数の来訪者がそれぞれ行きたいと思っている集客領域のうち、現在の混雑状況に基づき最適な集客領域を、各来訪者に対し自動的に指示することが可能となる。この結果、来訪者は迷うことなく迅速に行動することができるので、さらに利便性が向上する。
【0016】
第5発明は、上記第4発明において、前記集客領域において前記来訪者に対する接客を行う接客者に関連づけられ、情報を送受信する第2アンテナ手段を備え、少なくとも対応する前記集客領域を移動可能な少なくとも1つの第2移動局とを有し、前記基地局の前記基地局アンテナ手段は、前記第2移動局に対し無線通信により情報送受信を行い、前記位置検出手段は、前記第2移動局の前記第2アンテナ手段から送信され前記基地局の前記基地局アンテナ手段で受信した電波信号に基づき、前記第2移動局の位置検出を行うことを特徴とする。
【0017】
これにより、第2移動局に関連づけられた接客者(ブースの説明員、チケットや物品の販売員、飲食サービス従事者等)の位置や、接客者の忙しさ状況(接客状態にあるかないか、まわりを来訪者が取り囲んでいるか、まわりに来訪者が誰もいないか、等)等の情報を来訪者側に提供することが可能となり、さらに利便性が向上する。
【0018】
第6発明は、上記第5発明において、前記位置検出手段による前記第2移動局の位置検出結果と、前記地図情報とに基づき、各集客領域ごとの前記接客者の人数を算出する接客者人数算出手段と、前記位置検出手段による前記第1移動局及び前記第2移動局の位置検出結果と、前記地図情報と、前記接客者人数算出手段の算出結果とに基づき、一人の前記接客者が接客している来訪者数を各集客領域ごとに集計した接客人数密度を算出する接客人数密度算出手段とを有し、前記訪問領域決定手段は、前記集客密度算出手段で算出した前記複数の集客領域それぞれにおける前記来訪者人数密度に基づき、前記来訪者の訪問に最適な前記集客領域を決定することを特徴とする。
【0019】
訪問領域決定手段が来訪者人数密度で最適集客領域を決定することにより、集客領域の来訪者の人混みの度合いに応じ、なるべく人混みが疎である集客領域を訪問するように他の来訪者に指示することが可能となる。この結果、当該他の来訪者は自動的に空いている集客領域へ誘導されることになり、利便性が向上する。また、接客人数密度算出手段で接客人数密度を算出することにより、接客人数密度が0である場合には、接客者のまわりに来訪者が誰もおらず、当該集客領域の接客者が誰も接客をしていないことがわかる。接客人数密度が小さい場合には当該集客領域の接客者は(少なくとも一人は)接客状態にあるが、接客している来訪者の人数が比較的少なく忙しくない状態であることがわかる。接客人数密度が大きい場合にはまわりを来訪者が取り囲んでおり、当該集客領域の接客者が接客している来訪者の人数が比較的多く、忙しい状態であることがわかる。このような接客者側の細かい状況を来訪者に提供可能となるので、さらに利便性が向上する。
【0020】
第7発明は、上記第6発明において、接客人数密度算出手段は、前記位置検出手段での検出結果に基づく、前記第2移動局の位置から所定範囲内における前記第1移動局の数に応じて、前記接客人数密度を算出することを特徴とする。
【0021】
接客者の近傍範囲に来訪者が存在する場合には、その来訪者は接客者から(説明・販売・飲食物提供等の)接客を受けている可能性が高い。したがって、第2移動局の近傍の第1移動局の数をカウントすることにより、接客者が接客している来訪者の人数、さらにはその密度(接客人数密度)を算出することができる。
【0022】
第8発明は、上記第6又は第7発明において、前記訪問領域決定手段は、前記接客人数密度算出手段で算出した前記複数の集客領域それぞれにおける前記接客人数密度に基づき、前記来訪者の訪問に最適な前記集客領域を決定することを特徴とする。
【0023】
これにより、集客領域での接客者の忙しさの度合いに応じ、なるべく接客者の手が空いている集客領域を訪問するように来訪者に指示することが可能となる。この結果、来訪者は自動的に手が空いている接客者のいる集客領域へ誘導されることになり、到着後直ちに接客を受けることができるので、利便性が向上する。
【0024】
第9発明は、上記第6又は第7発明において、前記記憶手段は、前記複数の集客領域それぞれの識別情報に対し、前記来訪者の当該集客領域での接客希望の有無を関連づけて記憶しており、前記訪問領域決定手段は、前記記憶手段において前記接客希望なしとして登録されている集客領域に関しては、前記集客密度算出手段で算出した前記複数の集客領域それぞれにおける前記来訪者人数密度に基づいて、前記来訪者の訪問に最適な前記集客領域を決定し、前記記憶手段において前記接客希望ありとして登録されている集客領域に関しては、前記接客人数密度算出手段で算出した前記複数の集客領域それぞれにおける前記接客人数密度に基づき、前記来訪者の訪問に最適な前記集客領域を決定することを特徴とする。
【0025】
来訪者が集客領域を訪問する際、積極的に接客者の接客を希望する場合と、接客者の接客を必要としない(単なる見学で足りる場合等)場合とがある。そこで、来訪者が接客を希望する場合には、接客者の手が空いているか忙しいかを主眼におき、接客人数密度を最適集客領域の決定基準とする。また、来訪者が接客を希望しない場合には、集客領域における人混みが密であるか疎であるかを主眼におき、来訪者人数密度を最適集客領域の決定基準とする。これにより、来訪者の来訪目的に沿った適正かつ円滑な情報提供を行うことが可能となる。
【0026】
第10発明は、上記第8又は第9発明において、前記位置検出手段の前記第1移動局の位置検出結果と、前記地図情報とに基づき、前記第1移動局から前記訪問予定の各集客領域までの距離をそれぞれ算出する距離算出手段と、前記距離算出手段で算出した各集客領域までの距離を、当該距離の移動に要する移動所要時間に変換する移動時間算出手段と、前記集客密度算出手段で算出した各集客領域における前記来訪者人数密度、若しくは、前記接客人数密度算出手段で算出した各集客領域における前記接客人数密度に基づき、当該集客領域における待ち時間を算出する待ち時間算出手段と、前記移動時間算出手段で算出した各集客領域ごとの前記移動所要時間と、対応する集客領域について前記待ち時間算出手段で算出した待ち時間情報とに基づき、第1評価値を算出する第1評価値算出手段とを有し、前記訪問領域決定手段は、前記第1評価値算出手段で算出した前記第1評価値に応じて、前記最適な集客領域を決定することを特徴とする。
【0027】
来訪者が現在位置(他の集客領域にいる場合を含む)から目的の集客領域に到達し、所定の見学を行う又は接客等を受けようとする場合には、集客領域までの移動に要する時間がどれくらいであるかと、集客領域に到達してから所定の見学を行う又は接客等を受けるまでに要する時間がどれくらいであるかとの両方が問題となる。そこで、本願第10発明においては、移動時間算出手段で各集客領域ごとに移動所要時間を算出し、さらに各集客領域における待ち時間を待ち時間算出手段で算出する。そして、これら移動所要時間と待ち時間情報との両方を勘案して第1評価値を算出し、これに応じて最適な集客領域を決定する。このように、上記2つの時間要素の両方を組み込んだ形で最適な集客領域を決定できるので、確実に来訪者の利便性を向上することができる。
【0028】
第11発明は、上記第10発明において、前記第1評価値算出手段は、前記移動所要時間と前記待ち時間情報との合計値に基づき、前記第1評価値を算出し、前記訪問領域決定手段は、前記第1評価値が最も小さい前記集客領域を、前記最適な集客領域として決定することを特徴とする。
【0029】
これにより、来訪者は、移動所要時間と待ち時間との合計が最も短い集客領域へ誘導されることになり、最速で集客領域の所定の見学を完了する(又は接客等を受ける)ことができる。したがって、確実に利便性を向上できる。
【0030】
第12発明は、上記第8又は第9発明において、前記位置検出手段の前記第1移動局の位置検出結果と、前記地図情報とに基づき、前記第1移動局から前記訪問予定の各集客領域までの距離をそれぞれ算出する距離算出手段と、前記集客密度算出手段で算出した各集客領域における前記来訪者人数密度、若しくは、前記接客人数密度算出手段で算出した各集客領域における前記接客人数密度に基づき、対応する密度指標値を設定する密度指標値設定手段と、前記距離算出手段で算出した前記集客領域までの距離と、前記密度指標値設定手段で算出した前記密度指標値とに基づき、第2評価値を算出する第2評価値算出手段とを有し、前記訪問領域決定手段は、前記第2評価値算出手段で算出した前記第2評価値に応じて、前記最適な集客領域を決定することを特徴とする。
【0031】
来訪者が現在位置(他の集客領域にいる場合を含む)から目的の集客領域に到達し、所定の見学を行う(又は接客等を受けようとする)場合には、集客領域までの移動に要する時間がどれくらいであるかと、集客領域に到達してから所定の見学を行う(又は接客等を受ける)までに要する時間がどれくらいであるかとの両方が問題となる。そこで、本願第12発明においては、距離算出手段で(上記移動所要時間に対応した)各集客領域までの距離を算出し、さらに各集客領域における(既に訪問している)来訪者の密集具合を表す来訪者人数密度(又は接客者の忙しさを表す接客人数密度)に対応した密度指標値を密度指標値設定手段で算出する。そして、これら集客領域までの距離と密度指標値との両方を勘案して第2評価値を算出し、これに応じて最適な集客領域を決定する。このように、上記2つの時間要素の両方を組み込んだ形で最適な集客領域を決定できるので、確実に来訪者の利便性を向上することができる。また、来訪者の密集具合(又は接客者の忙しさ)を指標化した密度指標値を用いることで、他の数値(この場合は距離)との演算が可能となる。これにより、その演算結果の数値的大小により、最適な集客領域であるかどうかを演算で明確に判断したり区別することが可能となる。
【0032】
第13発明は、上記第12発明において、前記第2評価値算出手段は、前記集客領域までの距離と、前記密度指標値との乗算値に基づき、第2評価値を算出し、前記訪問領域決定手段は、前記第2評価値が最も小さい前記集客領域を、前記最適な集客領域として決定することを特徴とする。
【0033】
これにより、来訪者は、なるべく現在位置からの距離が近く(既に訪問している)来訪者の密集具合が低い(又は接客者があまり忙しくない)集客領域へ誘導されるので、最速で集客領域の所定の見学を完了する(又は接客等を受ける)ことができる。したがって、確実に利便性を向上できる。
【0034】
第14発明は、上記第8又は第9発明において、前記位置検出手段の前記第1移動局の位置検出結果と、前記地図情報とに基づき、前記第1移動局から前記訪問予定の各集客領域までの距離をそれぞれ算出する距離算出手段と、前記集客密度算出手段で算出した各集客領域における前記来訪者人数密度、若しくは、前記接客人数密度算出手段で算出した各集客領域における前記接客人数密度に基づき、対応する密度指標値を設定する密度指標値設定手段とを有し、前記記憶手段は、前記複数の集客領域それぞれの識別情報に対し、前記来訪者にとっての当該集客領域の重要度を関連づけて記憶しており、かつ、各集客領域における前記重要度に基づき、対応する重要度指標値を設定する重要度指標値設定手段と、前記距離算出手段で算出した前記集客領域までの距離と、前記密度指標値設定手段で算出した前記密度指標値と、前記重要度指標値設定手段で設定した前記重要度指標値とに基づき、第3評価値を算出する第3評価値算出手段とを設け、前記訪問領域決定手段は、前記第3評価値算出手段で算出した前記第3評価値に応じて、前記最適な集客領域を決定することを特徴とする。
【0035】
来訪者によっては、各集客領域に対する重要度が異なる場合がある。すなわち例えば、ある集客領域は非常に重要なので多少混雑していてもぜひ行きたいが、別の集客領域はそれほど重要でないので混雑していれば行きたくない、等の状況がありうる。そこで本願第14発明においては、来訪者が重要と考える集客領域、それほど重要と考えない集客領域等を区別するために、重要度指標値設定手段で重要度指標値を設定する。そして、前述の集客領域と、密度指標値とに、さらに重要度指標値をも勘案して第3評価値を算出し、これに応じて最適な集客領域を決定する。このように、前述の2つの時間要素にさらに重要度の要素を加えた3つの要素を組み込んだ形で最適な集客領域を決定できるので、確実に来訪者の利便性を向上することができる。また、来訪者の重要度を指標化した重要度指標値を用いることで、他の数値(この場合は距離及び密度指標値)との演算が可能となる。これにより、その演算結果の数値的大小により、最適な集客領域であるかどうかを演算で明確に判断したり区別することが可能となる。
【0036】
第15発明は、上記第14明において、前記第3評価値算出手段は、前記集客領域までの距離と、前記密度指標値と、前記重要度指標値との乗算値に基づき、第3評価値を算出し、前記訪問領域決定手段は、前記第3評価値が最も小さい前記集客領域を、前記最適な集客領域として決定することを特徴とする。
【0037】
これにより、来訪者は、なるべく現在位置(他の集客領域にいる場合を含む)からの距離が近く(既に訪問している)来訪者の密集具合が低い(又は接客者があまり忙しくない)集客領域で、かつなるべく重要度が高い集客領域へと誘導される。この結果、来訪者本人にとって最も都合のよい状態で集客領域の所定の見学を完了する(又は接客等を受ける)ことができ、確実に利便性を向上できる。
【0038】
第16発明は、上記第11乃至第15発明のいずれかにおいて、前記訪問領域決定手段は、前記位置検出手段での前記第1移動局の検出結果に基づく移動履歴に応じ、前記登録情報に含まれる前記複数の集客領域のうち既に前記来訪者が訪問した前記集客領域を除外して、前記最適な集客領域を決定することを特徴とする。
【0039】
これにより、一度来訪者が訪問した集客領域に対し誤って再度来訪するように指示するのを回避できるので、より効率のよいガイドが可能となり、さらに利便性を向上することができる。
【0040】
第17発明は、上記第3乃至第16発明のいずれかにおいて、前記基地局に対しネットワーク接続され、前記集客密度算出手段で算出した前記来訪者人数密度、前記接客人数密度算出手段で算出した前記接客人数密度、及び前記訪問領域決定手段での決定結果のうち、少なくとも1つの情報を、無線通信を介し、前記来訪者の所持する無線端末へ送信する情報送信手段を有することを特徴とする。
【0041】
これにより、来訪者側で、各集客領域の混雑具合や接客者の忙しさ具合を表示させ、自分で把握して適切な訪問計画をたてたり、あるいは最適な集客領域として指示された集客領域へ直ちに向かうことができる。この結果、利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、来訪者が集客領域ごとの混雑の具合を把握できるので、利便性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0044】
図1は、本発明の集客情報提供システムの一実施形態の全体構成を概略的に示す説明図である。
【0045】
図1において、この例では、本実施形態の集客情報提供システム1を、展示会の会場2全体に適用した場合を示している。当該会場2には、見学対象のブース(集客領域)として、Aブース101、Bブース102、Cブース103、Dブース104、Eブース105、Fブース106、Gブース107の7つのブースが設けられており、それらブース101〜107を含む会場2全体が後述の位置検出対象領域(所定の移動可能領域)となっている。また、それらブース101〜107とは別に、管理サーバS1を備えた管理室Z1と、ウェブサーバS2を備えた管理室Z2とが、会場2に設けられている。
【0046】
この会場2に対して、ブース101〜107には既に複数の来訪者P2が来訪しており、各ブース101〜107には、来訪者P2(及び後述の来訪者P1)に対し所定の接客を行う(この例では説明を行う)ために説明員P3(接客者)が配置されている。以下適宜、これら来訪者P1,P2及び説明員P3を、単に「人物P」と総称する。なお、この図1を含む以降の各図において、人物Pを表す○印や□印は、それぞれが1名の人物Pを表すものではなく、各ブース101〜107等における来訪者P2や説明員P3の分布割合を概念的に示したものである(例えば1つの○印や□印が10名単位に相当する等)。
【0047】
そして、本実施形態の集客情報提供システム1は、このような状況にあるブース101〜107のうち少なくとも1つへこれから赴こうとする来訪者P1(後述の図12参照)に対し、各ブース101〜107の集客情報(混雑情報)を提供するためのものである。なお、来訪者P1としては、(まだいずれのブースにも赴いておらず)これから目的とするブース101〜107へ赴く場合と、既にどこかのブースにいるがこれからさらに次の目的のブース101〜107へ赴こうとしている場合との、両方が含まれる。
【0048】
すなわち、集客情報提供システム1は、上記来訪者P1が所持する移動局T1(第1移動局。後述の図2参照)と、上記来訪者P2が所持する移動局T2(第1移動局。後述の図2参照)と、上記説明員T3が所持する移動局T3(第2移動局。後述の図2参照)と、会場2内にそれぞれ設置された複数(図示の例では4つ)の基地局(基地局)R1,R2,R3,R4と、上記各基地局R1〜R4と通信ネットワークNWを介して接続されている上記管理サーバS1と、この管理サーバS1に通信ネットワークNWを介して接続される上記ウェブサーバS2とを有している。
【0049】
各基地局R1,R2,R3,R4は、人物Pとともに移動する移動局T1,T2,T3(以下適宜、単に「移動局T」という)に対し無線通信を介した情報送受信を行い、その結果によって各人物Pの位置検出を行うと共に、後述する会場2の地図情報を参照して、人物Pのいずれのブース101〜107への入退場を管理サーバS1にて検出できるようになっている。
【0050】
管理サーバS1は、当該会場2の地図情報を記憶している。この管理サーバS1は、各基地局R1〜R4にそれぞれ検出させた移動局Tまでの距離に基づく、移動局Tの会場2内存在位置(つまり人物Pの存在位置)の監視を行う。また、ウェブサーバS2は、管理サーバS1から取得した上記人物P(来訪者P1,P2及び説明員P3)の位置検出結果に基づき各ブース101〜107ごとの集客密度を(後述の(2)(3)の変形例ではブース混雑度や説明員周辺混雑度等も併せて)算出し、ブース101〜107のうち、来訪者P1の希望する目的地(以下適宜、「目的地ブース」という)として最も適したブースを決定して来訪者P1に通知する。このとき、複数の来訪者P1それぞれをユーザ名及びパスワードで識別して認識し、各来訪者P1に対する最適ブースを決定して通知する(詳しくは後述する)。
【0051】
なお、会場2には例えば平面座標系が設定され、予め各ブース101〜107が占有する座標領域、各基地局R1〜R4の設置位置等が地図情報として管理サーバS1に記憶されている(後述の図5や図6等参照)。
【0052】
図2は、本実施形態の集客情報提供システム1の機能的構成を表す機能ブロック図である。なお、図示の煩雑を回避するために基地局及び移動局はそれぞれ1つのみ示す。
【0053】
図2において、集客情報提供システム1は、前述したように、人物P(詳細には人物P1,P2,P3)がそれぞれ所持する上記移動局T(詳細には移動局T1,T2,T3)と、それら移動局Tと無線通信を行う上記基地局R1〜R4と、これら基地局R1〜R4に適宜の通信ネットワークNWでそれぞれ接続された上記管理サーバS1と、携帯端末200(無線端末)に対し無線通信を介して情報送受信可能な端末用基地局BAと上記管理サーバS1とに対して通信ネットワークNWを介して接続された上記ウェブサーバS2とを有している。
【0054】
基地局R1〜R4(以下、単体を指す場合は単に「基地局R」と称する)は、本体部11と、アンテナ(基地局アンテナ手段)12とを有している。
【0055】
本体部11は、無線部16と、ネットワーク通信制御部18と、時計部19Aと、到来時間検出部19と、制御部20とを有する。
【0056】
無線部16は、いわゆる無線通信機能を実現するものであって、アンテナ12を用いて電波の送受信を行なう。無線部16は、前期移動局Tの作動を制御する指令を含む電波を送信する。また、無線部16は、移動局Tによって送信される電波を受信し、その内容を必要に応じて後述する到来時刻検出部19などに渡し、処理を実行させる。すなわち、無線部16は、所定の周波数の搬送波を発生する発振器、電波により送信する信号に基づいて前記搬送波を変調し、またデジタル変調などを行なう変調器、前記変調された搬送波を所定の出力に増幅する送信アンプなどを有し、また、アンテナ12によって受信された受信波を増幅する受信アンプ、受信波から所定の周波数成分のみを取り出すフィルタ、デジタル復調や検波器などによる復調を行なう復調器などによって実現される。このとき、無線部16が行なう無線通信は例えばいわゆるデジタル通信が好適に用いられるので、無線部16はそのデジタル通信に必要となる変調あるいは復調のための機構を含む。
【0057】
到来時刻検出部19は、移動局Tから送信される電波に含まれる拡散符号と、その拡散符号のレプリカ符号との相関値を算出する。具体的には、予め移動局Tが送信する拡散符号と同一のレプリカ符号を到来時刻検出部19が有しておき、そのレプリカ符号と、受信された移動局Tからの電波から取り出された拡散符号(受信符号)とをマッチドフィルタに入力することにより、両者の相関値を得ることができる。この相関値のピークを示す時刻が電波の受信時刻となる。したがって相関値のピークを示す時刻を後述の時計19Aより得ることにより受信時刻が検出される。
【0058】
ネットワーク通信制御部18は、上記通信ネットワークNWを介して管理サーバS1との制御信号及び情報信号の授受の制御を行う。時計部19Aは、現在時刻(時刻情報)を出力する機能を備えている。各基地局R1〜R4は各々の時計を有しており、それらの時刻は予め基地局間通信を行うことにより同期されている。なお、本実施形態では、通信ネットワークNWにケーブル等を使用した有線ネットワークを想定しているが、これに限らず、無線ネットワークを用いてもよい。
【0059】
制御部20は、上記無線部16、RSSI部17、ネットワーク通信制御部18、到来時間検出部19、及び時計部19Aを含む基地局R全体の動作を制御する。すなわち、制御部20は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。具体的には、制御部20は、管理サーバS1からの位置検出処理の実行命令の入力を受け付け、アンテナ12を介した無線通信により移動局Tへの送信指令、及び移動局Tからの送信信号の検出処理を行い、その検出結果を上記通信ネットワークNWを介して管理サーバS1へ出力する。
【0060】
アンテナ12は、上述したように、無線部16が電波の送受信を行う際に用いられる。移動局Tの位置に関わらず電波が受信できるように、アンテナ12には無指向性アンテナが好適に使用される。
【0061】
管理サーバS1は、CPU(中央演算装置)21Aと、メモリ22Aと、操作部23Aと、表示部24Aと、大容量記憶装置25A(記憶手段)と、ネットワーク通信制御部26Aとを備えている。
【0062】
メモリ22Aは、例えばRAMやROM等から構成される。操作部23Aには、管理者からの指示や情報が入力される。表示部24Aでは、各種情報やメッセージを表示される。大容量記憶装置25Aは、ハードディスク装置からなり、会場2の地図情報を記憶したブース位置データベース(後述の図6参照)として機能する。ネットワーク通信制御部26Aは、上記通信ネットワークNWを介し各基地局R1〜R4との制御信号及び情報信号の授受の制御を行う。
【0063】
ウェブサーバS2は、上記管理サーバS1と同様、CPU(中央演算装置)21Bと、メモリ22Bと、操作部23Bと、表示部24Bと、大容量記憶装置25Bと、ネットワーク通信制御部26Bとを備えている。大容量記憶装置25Bは上記同様のハードディスク装置からなり、来訪者P1,P2の各種情報(来訪を希望する目的地ブース等)を記憶した登録用データベース(後述の図10参照)や、各ブース101〜107ごとに算出した各ブース101〜107ごとの来訪者2の存在密度(以下適宜、「ブース集客密度」という。詳細は後述)をリアルタイムで更新しつつ格納する集客密度データベース(後述の図9参照)として機能する。ネットワーク通信制御部26Bは、上記通信ネットワークNWを介し管理サーバS1や端末用基地局BAとの制御信号及び情報信号の授受の制御を行う。
【0064】
移動局Tは、例えば図3に示すように、カードの形でポケットに入れたり、あるいは首からぶら下げたり等の適宜の手法で、前述したように対応する人物P(来訪者P1,P2又は説明員P3)により所持又は付随されている。この移動局Tは、IC回路部31と、タグアンテナ(第1移動局の第1アンテナ手段;第2移動局の第2アンテナ手段)32とを有している(時計部35については後述)。
【0065】
IC回路部31は、電波信号を送受信するための変調、復調、増幅などの無線機能を実現する無線部33と、この無線部33を含む移動局T全体の動作を制御する制御部34とを有する。
【0066】
無線部33は、所定の周波数の搬送波を発生する発振器、電波により送信する信号に基づいて前記搬送波を変調し、またデジタル変調などを行なう変調器、前記変調された搬送波を所定の出力に増幅する送信アンプなどを有する。さらに、無線部33は、アンテナ32によって受信された受信波を増幅する受信アンプ、受信波から所定の周波数成分のみを取り出すフィルタ、デジタル復調や検波器などによる復調を行なう復調器などによって実現される受信機能を含む。このとき、無線部33が行なう無線通信は例えばいわゆるデジタル通信が好適に用いられるので、無線部33はそのデジタル通信に必要となる変調あるいは復調のための機構を含む。
【0067】
制御部34は無線部33に対して送信または受信の切り替え、搬送波周波数の設定、送信アンプにおける出力の設定を行なう。また、無線部33で復調された、基地局R1〜R4からの電波の内容より、移動局Tの制御作動に関する指令を解析する。また制御部34は、移動局Tが電波によって送信する拡散符号を、図示しない記憶手段から記憶された拡散符号を読み出すことにより、あるいは所定の生成方法、例えば予め定められた原始多項式に基づいて生成することにより決定する。
【0068】
なお、この例で用いる移動局Tは、その内部に独自に備えた電源(特に図示せず)を有するアクティブタグである。この結果、移動局Tは、自ら電波を発信することができ、距離の離れた基地局と通信することが可能となっている。
【0069】
以上において、本実施形態の最も大きな特徴は、来訪者P2に係る移動局T2の位置検出結果に応じ各ブース101〜107のブース集客密度を算出し、来訪者P1の目的地ブースの中でなるべく混んでいないもの(早く見学できるもの)を決定し、来訪者P1へ報知することにある。以下、その詳細を順次説明する。
【0070】
(A)移動局の位置検出原理
図4は、本実施形態の集客情報提供システム1において移動局Tの位置を検出する方法の原理を説明する図である。なお、図4中においては、図示の煩雑を避けるために3つの基地局R1〜R3によって一つの移動局Tの位置を検出する例を示している。
【0071】
図4において、人物Pが所持する移動局Tは上述したように平面座標系が設定されている会場2内を自由な座標位置に移動できるのに対し、3つの基地局R1〜R3は同じ会場2内でそれぞれ既知の設置位置に固定的に配置されている。そして各基地局R1〜R3は通信ネットワークNWを介して一つの管理サーバS1に情報を送受可能に接続されている。
【0072】
この構成において、各基地局R1〜R3での移動局Tからの電波信号の受信時刻差に基づき、管理サーバS1は、各基地局R1〜R3から移動局Tまでの距離をそれぞれ測定検出する。つまり、各基地局R1〜R3の少なくとも1つが移動局Tに対し所定の送信要求信号を送信し、それに対応して移動局Tが電波信号(距離検出用の電波信号)を各基地局R1〜R3に向けて送信する。このとき、移動局Tが距離検出用の電波信号を送信してから基地局Rにおいて受信されるまでの時間(到来時間)は、基地局Rと移動局Tとの空間的な距離に比例する。各基地局Rから移動局Tまでの距離が異なる場合には、上記到来時間は、各基地局Rごとに異なる値となって時間差が生じる。管理サーバS1は、その時間差に基づいて移動局Tの位置を算出することができる。
【0073】
基地局R1、R2、R3の座標をそれぞれ、(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)とする。そして、第1基地局R1、第2基地局R2、第3基地局R3それぞれにおいて、移動局Tから時刻T0で送信された距離検出用の電波信号を受信した受信時刻をT1,T2,T3とする。
【0074】
以上のような条件においては、図4において、
c×(T1−T0)=√{(x−x1)+(y−y1)} ・・(1A)
c×(T2−T0)=√{(x−x2)+(y−y2)} ・・(1B)
c×(T3−T0)=√{(x−x3)+(y−y3)} ・・(1C)
が成り立つ。
【0075】
すると、式(1A)から式(1B)を減じることで、
√{(x−x1)+(y−y1)}−√{(x−x2)+(y−y2)}=c×(T1−T2) …(1D)
また、式(1A)から式(1C)を減じることで、
√{(x−x1)+(y−y1)}−√{(x−x3)+(y−y3)}=c×(T1−T3) …(1E)
で表される関係が成り立つ。なお、cは電波速度(光速:約3.0×10[m/s])である。
【0076】
このとき、(受信時刻T1,T2,T3は測定値として既知であり)変数はx、yの2つのみであるから、上記(1D)(1E)の2つの式を例えばニュートンラプソン法などにより解くことにより、移動局Tの位置のx,y座標(x,y)を特定することができる。なお、本実施形態のように4つの基地局R1〜R4を設けることで、さらに精度のよい位置検出を行うことができる。
【0077】
なお、上記の例では、各基地局R1〜R3は電波信号の受信時刻を検出し管理サーバS1に送信するのみであり、測位処理(基地局R1〜R3から移動局Tまでの距離の算出)は管理サーバS1が行うが、これに限られない。すなわち、各基地局R1〜R3のうちの1つの制御部20が他の受信時刻情報を収集し、測位するようにしてもよい。
【0078】
(B)地図情報を用いた来訪者の入場検出
次に、前述した会場2の地図情報の詳細について説明する。地図情報は、図5に概念的に示すように、平面座標系において、各ブース101〜107が占有する座標領域を含んでおり、ブース位置データベースにより構成される。
【0079】
図6は、管理サーバS1の大容量記憶装置25Aに記憶されている、上記ブース位置データベースを表す図である。図6に示すように、Aブース101が配置されている座標領域範囲は、x座標が10<x<60(便宜的に単位なしで示すが、実際には所定距離、この例では「メートル」単位である。以下同様)かつy座標が60<y<100の範囲となっている。同様に、Bブース102は、x座標が10<x<60かつy座標が10<y<50の範囲であり、Cブース103は、x座標が70<x<150かつy座標が80<y<100の範囲である。同様に、Dブース104は、x座標が160<x<210かつy座標が80<y<100の範囲であり、Eブース105は、x座標が70<x<210かつy座標が50<y<70の範囲である。また、Fブース106は、x座標が70<x<130かつy座標が10<y<40の範囲であり、Gブース107は、x座標が140<x<210かつy座標が10<y<40の範囲である。したがって、検出された移動局T2,T3の座標と上記した各ブース101〜107の座標範囲データとを管理サーバS1のCPU21で比較することで、移動局T2,T3(言い換えれば来訪者P2や説明員P3)がどのブースに何人いるかという分布情報を得られるようになっている。
【0080】
図7は、上記のようにして算出した来訪者P2の分布を説明員P3とともに概念的に示した図である。図7において、この例では、Aブース101には来訪者P2と説明員P3の人数存在割合が6:2(例えば60人と20人。以下同様)である。Bブース102では来訪者P2と説明員P3の人数存在割合が8:1である。Cブース103では来訪者P2と説明員P3の人数存在割合が7:1である。Dブース104では来訪者P2と説明員P3の人数存在割合が3:1である。Eブース101では来訪者P2と説明員P3の人数存在割合が4:2である。Fブース101では来訪者P2と説明員P3の人数存在割合が12:1である。Gブース101では来訪者P2と説明員P3の人数存在割合が6:1である。また、会場2内にはいるが、いずれのブース101〜107にも入場していない来訪者P2が合計50人存在している。なお、後述するように、移動局Tの位置検出は適宜の間隔で随時行われ、これによって上記分布情報はリアルタイムで随時更新されている。
【0081】
(C)各ブースの集客密度算出
ウェブサーバS2のCPU21Bは、上記のように管理サーバS1においてリアルタイムで随時得られる分布情報に基づき、以下のような手順で各ブースの集客密度を随時算出する。
【0082】
まず、上記各ブース101〜107の分布情報に基づき、各ブース101〜107ごとの上記ブース集客密度(来訪者人数密度)を求める。すなわち、
ブース集客密度=ブースにいる来訪者P2の数/ブース面積 ・・(式1)
により、算出する。
【0083】
図8は、Aブース101の例を示しており、Aブース101は(横50[m]×縦40[m])の大きさであるから、面積は50×40=2000[m]となり、来訪者P2は60[人]存在していることから、(式1)により、ブース集客密度は、
60/2000=0.03[人/m
となる。同様の計算を、全ブース101〜107についてそれぞれ行う。図9は、このようにして算出したブース集客密度を格納した上記集客密度データベースの一例を表す図である。この例では、上記Aブース101の0.030[人/m]のほか、Bブース102が0.040[人/m]、Cブース103が0.044[人/m]、Dブース104が0.030[人/m]、Eブース105が0.014[人/m]、Fブース106が0.056[人/m]、Gブース107が0.029[人/m]となっている。なお、上記ブース集客密度の算出は、前述した適宜の間隔によりリアルタイムで実行され、これに伴って集客密度データベースも随時更新されている。
【0084】
(D)目的地ブース等の登録
本実施形態の集客情報提供サービスを受けるにあたり、来訪者P1は、目的地ブースの登録を上記携帯端末200によって行う。すなわち、来訪者P1は、事前に、予め主催者側に適宜の手段(自宅パソコンや携帯端末200のアクセス、あるいは電話やファックス、申込書郵送等による受付)によりこの展示会の入場チケット入手を申し込み、ユーザ名(来訪者識別情報)とパスワードを申請しておく。そして、会場2に来訪した際、上記ユーザ名を提示することで対応する移動局T1を(例えば入口ゲート等で)与えられる。主催者側では、これに対応して、事前に当該来訪者P1のユーザ名、パスワード、配布する移動局T1のタグID(識別情報)等を記録し(さらに後述のようにメールアドレス及び目的地ブース等を携帯端末200からの操作で登録するための)登録用データベースを、ウェブサーバS2の上記大容量記憶装置25Bに構築しておく。
【0085】
図10は、上記登録用データベースの一例を表す図である。図10において、このデータベースには、記憶項目として、来訪者P1の上記ユーザ名、パスワード、及び移動局T1の識別情報(タグID)が設けられている。またこれに加え、後述する携帯端末200を用いた来訪者P1の操作によって入力される、携帯端末200のメールアドレスと、来訪者P1の目的地ブースの名称(集客領域の識別情報)とが、記憶項目として設けられている。また、目的地ブースが複数あるときの優先順位を決めるための重要度(重要度指標値;後述の変形例にて詳述)も記憶項目として設けられ、携帯端末200を用いた来訪者P1の操作入力時に書き込まれるようになっている。さらに、目的地ブースの各欄には、既に来訪したかまだ来訪していないかを表す来訪履歴のチェックフラグ(=来訪済で1、未来訪で0)も、移動局T1の位置検出結果に基づいて書き込まれるようになっている。
【0086】
来訪者P1は、会場2に来訪して上記移動局T1(上記登録用データベースにおいて当該来訪者P1に割り当てられたタグIDを備える)を受け取った後、所持する携帯端末200によりウェブサーバS2へアクセスし(上記ユーザ名及びパスワードでログイン)、上記目的地ブースやメールアドレス等の登録を行うのである。
【0087】
図11は、上記携帯端末200の外観図である。携帯端末200は、アンテナ202を介し周知の電話機能、ネットワーク機能、及び近距離通信機能を有する携帯電話型端末である。携帯端末200の前面パネルには、各種表示を行う表示部209と、電話機能を使用する際の番号入力や表示部209内の表示情報に基づき各種操作入力を行うための複数の操作キーからなる操作部210とが設けられている。この例では、表示部209に、システムへのログインが完了し、上記目的地ブースの選択を促す画面が表示された例を示している(後述の図18のステップSW17及びステップSM30参照)。
【0088】
上記目的地ブースの登録において、来訪者P1は、ブース101〜107のうち複数個を、目的地ブースとして登録することができる。図11に示した例ではAブース101、Cブース103、Fブース106の3箇所の登録が済んだ状態を表している(図10最上段における「名古屋太郎」の例に対応)。このような目的ブースの登録完了時にはウェブサーバS2から、個人のwebサイトページにアクセスできるURL(例:http://www.abcd.co.jp/name?ID = nagoya)が通知される。来訪者P1は、登録した後でも、このサイトにアクセスして登録画面(後述)を表示させることで、常時、目的地ブースの登録追加・変更・削除等を行うことができる。なお、上記個人のwebサイトページには、上記登録画面のほかに、サービス提供画面が含まれ、来訪者P1は、このサービス提供画面で所定の操作を行うことにより、システムによるお勧めブースを表示させることができる(詳細は後述)。
【0089】
また、上記メールアドレスの登録により、本実施形態の情報提供サービスの提供情報が、当該登録したメールアドレスへのメールによって通知される。
【0090】
(E)目的地ブースの評価
(E−1)移動時間の算出
本実施形態では、上記のようにして来訪者P1が登録した目的地ブースに対し、(前述の移動局Tの位置検出結果に基づくブース集客密度を含む)種々の要素を用いて評価を行い、来訪者がなるべく早く見学できるものを決定する。そのために、ウェブサーバS2のCPU21Bは、まず、来訪者P1の現在位置から来訪者P1の目的地ブースまでの距離を算出する。
【0091】
図12は、前述の例に沿い、目的地ブースがAブース101、Cブース103、Fブース106の3つである来訪者P1の現在位置と、それらAブース101、Cブース103、Fブース106(以下適宜、「目的地ブース101,103,106」と称するが、これ以外の各ブースも適宜目的地ブースとして指定可能であることは言うまでもない)までの位置関係の一例を概念的に表した図である。この例では、来訪者P1の位置から目的地ブース101,103,106(ブース中心)それぞれまでの距離は、図13に示すように、Aブース101までの距離LA=700[m]、Cブース103までの距離LC=400[m]、Fブース106までの距離LF=100[m]となる。
【0092】
次に、ウェブサーバS2のCPU21Bは、上記算出した距離に基づき、各目的地ブースまで移動すると仮定したときの徒歩による移動時間を算出する。例えば歩く速さを50[m/分]とした場合、図14に示すように、Aブース101までの移動時間が14[分]、Cブース103までの移動時間が8[分]、Fブース106までの移動時間が2[分]となる。
【0093】
(E−2)待ち時間の算出
一方、来訪者P1がなるべく早く見学できるようにするためには、上記移動時間のみならず、各ブースにおける待ち時間を加味する必要がある。そこで次に、ウェブサーバS2のCPU21Bは、先に述べたようにリアルタイムで算出している前記ブース集客密度(図9参照)を用いて、各ブース101〜107において想定される待ち時間を算出する(言い換えればブース集客密度を待ち時間に変換する)。図15はこのときの変換に用いる変換テーブルを表す図である。図15に示すように、本実施形態では、一例として、ブース集客密度0.000以上〜0.025未満で待ち時間5[分]、ブース集客密度0.025以上〜0.050未満で待ち時間10[分]、ブース集客密度0.050以上〜0.075未満で待ち時間15[分]、ブース集客密度0.075以上〜0.100未満で待ち時間20[分]、ブース集客密度0.100以上〜で待ち時間25[分]と想定する。なお、後述する(2)の変形例で詳述する説明員周辺密度や説明員周辺混雑度について(あるいはこれらを加味した)同様の変換テーブルを設け、その変換テーブルを用いて待ち時間を算出するようにしてもよい。
【0094】
図16は、図9の例に基づき算出された、上記目的地ブース101,103,106の待ち時間をまとめて表した図である。上記演算の結果、図示のように、上記Aブース101での待ち時間が10[分]、Cブース103での待ち時間が10[分]、Fブース106での待ち時間が15[分]となっている。
【0095】
(E−3)見学待機時間の算出
そして、ウェブサーバS2のCPU21Bは、以上のようにして算出した目的地ブース101,103,106までの移動時間と、目的地ブース101,103,106での待ち時間とを合計し、来訪者P1が実際に見学可能となるまでの所要時間(=見学待機時間)を、
見学待機時間=移動時間+待ち時間 ・・(式2)
により、目的地ブース101,103,106に対する最終評価値として算出する。
【0096】
図17は、上述の例に沿って算出された、上記目的地ブース101,103,106の見学待機時間をまとめて表した図である。上記演算の結果、図示のように、上記Aブース101では移動時間14[分]+待ち時間10[分]=見学待機時間24[分]、Cブース103では移動時間8[分]+待ち時間10[分]=見学待機時間18[分]、Fブース106では移動時間2[分]+待ち時間15[分]=見学待機時間17[分]となっている。
【0097】
(E−4)お勧めブースの決定、表示
本実施形態では、上記のようにして算出した見学待機時間が短い順に、お勧めブースとして来訪者P1にメールで報知を行う。すなわち、お勧めブースの情報を含む通知メールを作成し、通信ネットワークNW及び端末用基地局BAから携帯端末200へと送信する。これにより、携帯端末200の表示部209において、対応するお勧め表示(上記の例では、Fブース→Cブース→Aブースの順)を行う。
【0098】
(F)制御シーケンス
図18は、以上説明した処理のうち、会場2への入場後における来訪者P1の操作により、携帯端末200とウェブサーバS2との間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図である。図18において、基本的に図中上側から下側に向かっての時系列変化で各手順を表している。上述したように、携帯端末200とウェブサーバS2との間は、端末用基地局BA及び通信ネットワークNWを介した信号の送受となっている。
【0099】
まず最初に、携帯端末200の制御部206が、ステップSM10において、入力されたウェブサーバS2のURLにより該ウェブサーバS2にアクセスする。ウェブサーバS2はログイン画面をステップSW10で携帯端末200に送信するので表示部209に所定のログイン用画面が設定表示された状態となる。操作部210を介し操作者(来訪者P1)によってユーザ名とパスワードが入力されるとステップSM15の判定が満たされて、入力されたID.パスワードはステップSM20でウェブサーバS2に送信され、ステップSW15でウェブサーバS2により正しいかどうかを判定される。
【0100】
IDに対応するパスワードが正しいと判定された時にはステップSW15の判定が満たされてこのシステムへのログインがなされ、ステップSW17で、ウェブサーバS2のCPU21Bにより通信ネットワークNW及び端末用基地局BAを介し、入力画面が携帯端末200へ送信される。
【0101】
これにより、携帯端末200の表示部209には、ログイン後の各種項目(携帯端末200のメールアドレス、来訪者P1の目的地ブース101,103,106及びその重要度等)の入力画面が表示される。携帯端末200の制御部206は、ステップSM30で、これら各種項目が来訪者P1によって入力されたかどうかを判定する。入力完了するまで判定が満たされずループ待機し、入力が完了したら判定が満たされ、ステップSM40に移る。
【0102】
ステップSM40では、ステップSM30で入力された各種項目のデータ(メールアドレス、来訪者P1の目的地ブース及びその重要度等)を、携帯端末200の制御部206が、端末用基地局BA及び通信ネットワークNWを介しウェブサーバS2へ送信する。ウェブサーバS2のCPU21Bは、送信されたデータに基づき、ステップSW20で登録用データベース(図10参照)への書き込みを行い、当該データの登録を行う。なお、このステップSW20が、各請求項記載の重要度指標値設定手段を構成する。
【0103】
その後、ステップSW30において、上記ステップSM40での登録完了に対応し、ウェブサーバS2のCPU21Bが、通信ネットワークNW及び端末用基地局BAを介し、登録画面(来訪者P1が前述のようにして登録事項の変更等を可能な画面)のURLを携帯端末200へ送信する。これに応じて、携帯端末200の制御部206は、表示部209に、対応する登録画面を表示して登録完了を来訪者P1に報知し、このフローを終了する。
【0104】
図19は、前述のようにリアルタイムで実行される、移動局Tの位置検出に基づくブース集客密度の算出処理において、管理サーバS1、基地局R1〜R4、移動局T1〜T3、ウェブサーバS2の間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図である。図19において、上述したように、管理サーバS1と基地局R1〜R4及びウェブサーバS2との間は、通信ネットワークNWを介した信号の送受である。また、基地局R1〜R4と移動局T1〜T3との間は、無線通信を介した信号の送受となっている。
【0105】
まず最初に、ステップSS10において、管理サーバS1のCPU21Aがネットワーク通信制御部26Aを介し、各基地局R1〜R4(あるいは特定の1つの基地局Rでもよい)に対し、移動局Tへの距離検出用の電波送信要求を送信するよう指示信号を出力する。これにより、ステップSR10で、各基地局R1〜R4(又は特定の1つの基地局R)の無線部16がアンテナ12を介し移動局Tに向けて電波送信要求信号を送信する。
【0106】
そして、この送信要求信号を受信した移動局Tの無線部33が、ステップST10において、タグアンテナ32を介し、対応する距離検出用の電波信号を送信する。各基地局R1〜R4の無線部16は、ステップSR20で、アンテナ12を介しそれぞれ距離検出用の電波信号を受信する。そして、到来時間検出部19がそのときの受信時刻情報を検出し、制御部20がその受信時刻情報をネットワーク通信制御部18を介して管理サーバS1に出力する。
【0107】
そして管理サーバS1のCPU21Aが、ステップSS20において、各基地局R1〜R4から入力した受信時刻の差(=到来時間の差)に基づき、それぞれの移動局Tとの間の距離を算出し、さらに移動局Tの位置座標を、図4を用いて上述した手法により算出する(=位置検出手段)。そして、その検出した全移動局Tの位置情報を、ネットワーク通信制御部26Aを介し、ウェブサーバS2へ出力する。
【0108】
なお、上記ステップSS10における管理サーバS1から基地局Rへの送信要求の送信は、前述したように所定の時間間隔で常時行われる。この結果、上記移動局T1,T2,T3の位置検出も、リアルタイムで常時行われることとなっている。また、このような基地局R1〜R4(又は特定の基地局R)からの送信要求に応じた移動局Tからの距離検出用電波信号の送信にも限られない。すなわち、移動局Tが一定時間間隔で自発的に電波信号を発信し続け、各基地局Rがその発信し続ける電波信号を受信し、これに基づき管理サーバS1で距離検出を行うようにしてもよい。この場合も、移動局T1,T2,T3の位置検出はリアルタイムで常時行われる。
【0109】
次に、ステップSW110で、ウェブサーバS2のCPU21Bは、上記ステップSS20で送信されてきた全移動局Tの位置情報と、予め大容量記憶装置25Aに記憶している前述のブース位置データベース(図6参照)とに基づき、上記(B)及び上記(C)において説明した手法により、移動局T2,T3の分布情報を算出し(集客人数算出手段)、さらに各ブース101〜107ごとのブース集客密度を算出する(集客密度算出手段、集客指標算出手段)。
【0110】
その後、ステップSW130に移り、ウェブサーバS2のCPU21Bが、上記ステップSW110で算出したブース集客密度を大容量記憶装置25Bの上記集客密度データベースに書き込んで更新する。その後、このフローを終了する。
【0111】
図20は、来訪者P1が携帯端末200を操作して、前述のお勧めブースの表示を行わせる(サービスの提供を受ける)際の、携帯端末200、ウェブサーバS2、管理サーバS1の間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図である。
【0112】
まず最初に、携帯端末200の制御部206は、ステップSM110において、(既に登録時に通知されている個人のwebサイトページの上記サービス提供画面を表示させた状態で)操作部210を介し、操作者(来訪者P1)によってサービス提供要求の操作入力がなされたかどうかを判定する。入力がなされるまでループ待機し、入力がなされたらステップSM110の判定が満たされて、ステップSM120へ移る。
【0113】
ステップSM120では、上記ステップSM110での入力に対応し、携帯端末200の制御部206が、携帯用基地局BAを介し端末ウェブサーバS2のURLへアクセスする。これに対応して、ウェブサーバS2は、ステップSW210で、来訪者P1のユーザ名をキーとして大容量記憶装置25Bの登録用データベースを検索して対応する移動局T1のタグIDを取得する。そしてこのタグIDを通信ネットワークNWを介し管理サーバS1へ出力(通知)する。
【0114】
これを受けて、管理サーバS1のCPU21Aは、ステップSS110において、上記図19に示すフローにおいて管理サーバS1にてリアルタイムで随時検出している全移動局T1,T2,T3の位置検出情報の中から上記SW20で入力したタグIDに対応した移動局T1の位置情報(言い換えれば来訪者P1の現在位置)を、通信ネットワークNWを介しウェブサーバS2に出力する。
【0115】
ウェブサーバS2のCPU21Bは、上記ステップSS110で入力した移動局T1の位置情報に基づき、ステップSW220において、上記(E−1)で説明した手法によって来訪者P1の現在位置から来訪者P1の目的地ブースまでの距離を算出する(距離算出手段)。その後、ステップSW230において、上記図19に示すフローにおいてウェブサーバS2にてリアルタイムで随時算出し集客密度データベースに格納している目的地ブース101,103,106のブース集客密度を取得する。
【0116】
そして、ウェブサーバS2のCPU21Bは、ステップSW240において、まず、上記ステップSW230で取得したブース集客密度を用いて上記(E−2)の手法により目的地ブース101,103,106ごとの待ち時間を算出する(ここの内容が待ち時間算出手段を構成する)。その一方、ステップSW220で算出した目的地ブース101,103,106までの距離を用いて上記(E−1)の手法により目的地ブース101,103,106までの移動時間(移動所要時間)を算出する(この内容が移動時間算出手段を構成する)。そして、それら目的地ブース101,103,106への移動時間及び待ち時間を用いて、上記(E−3)の手法により、最終評価値としての見学待機時間(第1評価値)を算出する。以上の流れ(待ち時間算出手段としての機能と移動時間算出手段としての機能)により、ステップSW240は各請求項記載の第1評価値算出手段を構成するのである。
【0117】
その後、ステップSW250に移り、ウェブサーバS2のCPU21Bは、上記ステップSW240で算出した目的地ブース101,103,106ごとの見学待機時間に基づき、その時間が最短であるブースを最適ブースとして決定する(訪問領域決定手段)。そして、ステップSW260で、上記ステップSW250で決定した最適ブースを含むメールを作成し、その作成したメールを、端末用基地局BAを介してお勧めブースとして携帯端末200へ送信する(情報送信手段)。このメールを受信した携帯端末200の制御部206は、ステップSM130で、メールに対応してお勧めブースの表示を表示部209に行い、このフローを終了する。なおこのときのウェブサーバS2から携帯端末200への通知は、メール送信ではなく、操作者からのwebアクセスにより所定のページによって表示させるようにしてもよい。また、携帯端末200へ送信して表示部209に表示させる内容も、上記お勧めブースに代えて(あるいはお勧めブースとともに)上記ブース集客密度を表示させるようにしてもよい。
【0118】
以上のように構成した本実施形態においては、移動局T1〜T3から距離検出用の電波信号が送信されると、その電波信号が基地局R1〜R4の無線部16にて受信され、このときの電波信号の受信時刻が到来時間検出部19で検出される。これにより、管理サーバS1が、基地局R1〜R4の受信時刻差情報に基づき各移動局T1〜T3の位置検出を行い(ステップSS20)、さらに位置検出結果を集計して各ブースのブース集客密度をリアルタイムで検出する(ステップSW110)。
【0119】
これにより、各ブース101〜107別の来訪者P2の密集度(密な人混みか疎な人混みか等)が検出され、対応した情報が来訪者P1側の携帯端末200に提供されて表示され、来訪者P1はブース101〜107ごとの混雑の具合を把握できる(この例では最終結論としての混雑していないお勧めブースの形で表示され、来訪者P1は、最も混雑しておらず早く見学できるブースがどれであるかという形で認識することができる)。この結果、来訪者P1は上記に応じた適切な訪問計画(この例ではお勧めブースを真っ先に訪問し、それ以外を後回しにする等)をたてることが可能となるので、来訪者P1の利便性を向上することができる。
【0120】
特に、上記お勧めブースの決定の際、本実施形態では、見学待機時間を算出しその見学待機時間が最短となるブースをお勧めブースとする。すなわち、来訪者P1が現在位置からブース101〜107に到達し、所定の見学等を行う場合には、ブース101〜107までの移動時間がどれくらいであるかと、ブース101〜107に到達してから所定の見学を行うまでの待ち時間がどれくらいであるかとの両方が問題となる。そこで、上記移動時間と待ち時間の両方を勘案して見学待機時間を算出し、これに応じて最適なブースを決定することで、最速で当該ブースの見学を完了することができ、確実に来訪者P1の効率良い計画を立てることができ、利便性を向上することができる。
【0121】
また、本実施形態では特に、来訪者P1が来訪(見学)を希望する複数のブースを目的地ブースとして登録でき、全ブース101〜107のうち来訪者P1が行きたいと思っているブースを特に選定し、各種演算を行ってその中からお勧めブースを決定する。したがって、全ブース101〜107について同様の演算処理を行うよりも効率的に迅速にお勧めブースを決定することができる。またこのとき、複数の来訪者P1それぞれをユーザ名及びパスワードで識別して認識し、各来訪者P1に対する最適ブースを決定して通知する。これにより、各来訪者P1は迷うことなくそれぞれ迅速に目的地ブースへと行動することができる。
【0122】
また、本実施形態では特に、登録用データベースにブース101〜107ごとに来訪履歴の項目を設け、目的地ブース101,103,106の決定の際には、来訪履歴のチェックフラグが1であるもの、すなわち来訪者P1が一度来訪したブース(位置検出結果に基づき判別する)を除外して、お勧めブースを決定する。これにより、一度来訪者P1が訪問したブースに対し誤って再度来訪するように指示するのを回避できるので、より効率のよいガイドが可能となり、さらに利便性を向上することができる。
【0123】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0124】
(1)ブース重要度を加味する場合
前述したように、来訪者P1は、入場後に携帯端末200にて目的地ブース101,103,106を登録する際、見学する優先順位を重要度として設定することができる。この例では前述の図10に示したように重要度は1〜3の範囲で指定でき、値が小さいほど、重要度が高い(見学のための優先度が高い)ことを表している。
【0125】
本変形例では、ウェブサーバS2のCPU21Bが、上述のようにして算出した見学待機時間に対し、さらに上記重要度を加味して目的地ブース101,103,106の評価を行う。前述の図10の最上段に示した「名古屋太郎」の例に沿うと、上記重要度設定は、図21に示すように、Aブース101が最も見学優先度が高い重要度=1であり、Cブースがその次に見学優先度が高い重要度=2であり、Fブースは見学優先度が最も低い重要度=3となっている。
【0126】
一方、本変形例では、上記重要度を加味した演算により目的地ブース101,103,106の評価を行うために、前述のブース集客密度から(ブース集客密度が小さい程小さくなる)ブース混雑度を算出する(言い換えればブース集客密度をブース混雑度に変換する)。
【0127】
図22はこのときの指標化に用いる変換テーブルを表す図である。図22に示すように、本実施形態では、一例として、ブース集客密度0.000以上〜0.025未満で混雑度1、ブース集客密度0.025以上〜0.050未満で混雑度2、ブース集客密度0.050以上〜0.075未満で混雑度3、ブース集客密度0.075以上〜0.100未満で混雑度4、ブース集客密度0.100以上〜で混雑度5と規定する。
【0128】
本変形例では、以上のようにして算出した、各ブース101〜107ごとの混雑度を含めて、前述の集客密度データベースを構築する。図23は、その集客密度データベースの一例を表す図であり、上記図9に対応する図である。上記の演算の結果、図示のように、上記Aブース101の混雑度が2、Bブース102が混雑度2、Cブース103が混雑度2、Dブース104が混雑度2、Eブース105が混雑度1、Fブース106が混雑度3、Gブース107が混雑度2となっている。なお、上記ブース混雑度の算出は、前述した適宜の間隔によりリアルタイムで実行され、これに伴って集客密度データベースも随時更新されている(後述の図25のフローのステップSW120及びステップSW130を参照)。
【0129】
そして、本変形例では、各目的地ブース101,103,106ごとの上記重要度及び上記混雑度と、上記(E−1)で説明した手法により算出した各目的地ブース101,103,106までの距離とによって、各目的地ブース101,103,106の評価を行い、最適なブースを決定する。すなわち、
評価値=重要度×混雑度×移動距離 ・・(式3)
により算出した評価値を、目的地ブース101,103,106に対する最終評価値とする。なお、上記「重要度」「混雑度」「移動距離」をそのまま乗ずるのではなく、いずれかの項目に重み付けを行ってから乗算して評価値とするようにしてもよい。すなわち、例えばnを2以上の整数として
評価値=重要度のn乗×混雑度×移動距離 ・・(式3′)
評価値=重要度×混雑度のn乗×移動距離 ・・(式3″)
評価値=重要度×混雑度×移動距離のn乗 ・・(式3″′)
等のような式を用いてもよい。
【0130】
図24は、上記目的地ブース101,103,106についての上記評価値をまとめて示す図である。この例では、Aブース101の評価値は、移動距離700[m]×重要度1×ブース混雑度2=1400となり、Cブース103の評価値は、移動距離400[m]×重要度2×ブース混雑度2=1600となり、Fブース106の評価値は、移動距離100[m]×重要度3×ブース混雑度3=900となる。したがって、この場合、Fブース106の評価値が最小であるため、お勧めブースとして携帯端末200へ送信する。
【0131】
図25は、本変形例において、管理サーバS1、基地局R1〜R4、及び移動局T1〜T3の間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図であり、上記図19に対応する図である。本変形例においては、ウェブサーバS2の実行するステップSW110とステップSW130との間に、新たにステップSW120を設けた点が図19と異なる。
【0132】
すなわち、ステップSW110で、ウェブサーバS2のCPU21Bが、移動局T2,T3の分布情報を算出し(集客人数算出手段)さらに各ブース101〜107ごとのブース集客密度を算出した(集客密度算出手段、集客指標算出手段)後、新たに設けたステップSW120に移る。
【0133】
ステップSW120では、上記図22に一例を示した変換テーブルを用い、ステップSW110で算出したブース集客密度からブース混雑度(密度指標値)を算出する(密度指標値設定手段)。
【0134】
ステップSW120が完了した後、上記同様、ステップSW130に移り、
本変形例の場合には、ウェブサーバS2のCPU21Bが、上記ステップSW120で算出したブース混雑度を(上記ステップSW110で算出したブース集客密度とともに)大容量記憶装置25Bの上記集客密度データベースに書き込んで更新する。その後、このフローを終了する。
【0135】
図26は、本変形例において、来訪者P1が携帯端末200を操作してサービスの提供を受ける際の、携帯端末200、ウェブサーバS2、管理サーバS1の間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図であり、上記図20に対応する図である。
【0136】
図26では、図20においてウェブサーバS2の実行するステップSW230に代えて、これに対応したステップSW230′を設けている。これ以外は図20と同様である。
【0137】
すなわち、ウェブサーバS2のCPU21Bは、上記ステップSW220において、来訪者P1の現在位置から来訪者P1の目的地ブースまでの距離を算出(距離算出手段)した後、ステップSW230′に移る。
【0138】
ステップSW230′では、上記図25に示すフローにおいてウェブサーバS2にてリアルタイムで随時算出し集客密度データベースに格納している目的地ブース101,103,106のブース混雑度を取得する。その後、上記同様、ステップSW240に移る。
【0139】
ステップSW240では、ウェブサーバS2のCPU21Bは、上記ステップSW230′で取得したブース混雑度と、ステップSW220で算出した目的地ブース101,103,106までの距離と、登録用データベース(図10参照)に登録済みの各目的地ブース101,103,106の重要度とを用いて、上記(式3)を用いて、最終評価値(第2評価値;第3評価値)を算出する(第2評価値算出手段;第3評価値算出手段)。
【0140】
その後、ステップSW250に移り、ウェブサーバS2のCPU21Bは、上記ステップSW240で算出した最終評価値が最小であるブースを最適ブースとして決定する(訪問領域決定手段)。その後、ステップSW260以降は図20と同様であるので、説明を省略する。
【0141】
以上のように構成した本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得る。また、ブースの混雑の度合いを指標化したブース混雑度を用いることで、他の数値(目的地ブースまでの距離)との演算が可能である。これにより、その演算結果(上記の最終評価値)の数値的大小に基づき(上記の例では最小値となるもの)、最適なブースであるかどうかを演算で明確に判断したり区別することができる。
【0142】
また、本変形例では登録用データベース(図10参照)に予め設定登録された目的地ブース101,103,106の重要度を用いて最終評価値を決定する。これには以下のような意義がある。すなわち、来訪者P1によっては、あるブース101〜107は非常に重要なので多少混雑していてもぜひ行きたいが、別のブース101〜107はそれほど重要でないので混雑していれば行きたくない、等の状況がありうる。本変形例では、来訪者P1が重要と考えるブースとそれほど重要と考えないブース等を重要度で区別し、これを加味してお勧めブースを決定する。これにより、確実に来訪者の利便性を向上することができる。また、来訪者の重要度として1〜3の数値を用いることで、上記同様、他の数値(この場合は移動距離やブース混雑度)との演算が可能である。
【0143】
(2)説明員の忙しさを加味する場合
本変形例は、来訪者P1の目的地ブースのうち、最適なブースを決定するにあたり、説明員P3の配置や忙しさをも加味して決定を行う場合である。
【0144】
説明員P3が忙しいかどうかの評価について、本変形例では、各説明員P3の周辺の来訪者P2の人口密度(以下適宜、「説明員周辺集客密度」という)を用いる。すなわち、まず、ブースの説明員P3の周辺の所定範囲(この例では半径R[m]以内)を、説明員1人あたりの説明員周辺面積とすると、
説明員周辺面積=π×R ・・(式4)
【0145】
そして、各ブースにおいて、説明員全員の説明員周辺面積に、総計でどれだけの人数の来訪者P2がいるかは、
説明員周辺集客密度=(全説明員P3の半径R[m]以内の来訪者P2の総数)
/{(4)×説明員P3の数) ・・(式5)
により算出することができる。
【0146】
上記実施形態等において先に示した例(図1、図301等を参照)において、Aブース101の場合を考える。単純な例として、例えば図27に示すように、R=2[m]として20名の説明員P3それぞれの周り2mの範囲内に、3名ずつの来訪者P2がまんべんなく存在している場合を想定する。この場合、(式5)より、
Aブース説明員周辺集客密度=(3×20)/((π×2)×20)
=0.24
となる。同様の計算を、全ブース101〜107についてそれぞれ行う。図28は目的地ブース101,103,106についてそれぞれ算出した値を示す。また、図29は、このようにして算出した説明員周辺集客密度を、上記ブース集客密度とともにまとめて表した一例を表す図である。この例では、上記Aブース101のブース集客密度0.030[人/m]及び説明員周辺集客密度0.24[人/m]のほか、Bブース102のブース集客密度0.040[人/m]及び説明員周辺集客密度0.32[人/m]、Cブース103のブース集客密度0.044[人/m]及び説明員周辺集客密度0.32[人/m]、Dブース104のブース集客密度0.030[人/m]及び説明員周辺集客密度0.24[人/m]、Eブース105のブース集客密度0.014[人/m]及び説明員周辺集客密度0.32[人/m]、Fブース106のブース集客密度0.056[人/m]及び説明員周辺集客密度0.48[人/m]、Gブース107のブース集客密度0.029[人/m]及び説明員周辺集客密度0.48[人/m]となっている。なお、上記説明員周辺集客密度及びブース集客密度の算出は、前述した適宜の間隔によりリアルタイムで実行され、これに伴って集客密度データベースも随時更新されている。なお、本実施例では、説明員P3の忙しさについて、説明員周辺面積における来訪者P2の人数より求めた説明員周辺集客密度を用いたが、単にブース内に存在する来訪者P2の人数を、説明員P3の人数で割った値を用いてもよい。
【0147】
一方、本変形例では、上記(1)の変形例と同様ブース集客密度から変換して算出したブース混雑度を用いるとともに、上記説明員周辺集客密度から(説明員周辺集客密度が小さい程小さくなる)説明員周辺混雑度を算出する(言い換えれば説明員周辺集客密度を説明員周辺混雑度に変換する)。
【0148】
図30はこのときの指標化に用いる変換テーブルを表す図である。図30に示すように、本実施形態では、一例として、説明員周辺集客密度0.00以上〜0.10未満で混雑度1、説明員周辺集客密度0.10以上〜0.20未満で混雑度2、説明員周辺集客密度0.20以上〜0.30未満で混雑度3、説明員周辺集客密度0.30以上〜0.40未満で混雑度4、説明員周辺集客密度0.40以上〜で混雑度5と規定する。
【0149】
本変形例では、以上のようにして算出した、各ブース101〜107ごとのブース混雑度や説明員周辺密度を含めて、前述の集客密度データベースを構築する。図31は、その集客密度データベースの一例を表す図であり、上記図9や図23に対応する図である。上記の演算の結果、図示のように、上記Aブース101の説明員周辺混雑度が3、Bブース102が説明員周辺混雑度4、Cブース103が説明員周辺混雑度4、Dブース104が説明員周辺混雑度3、Eブース105が説明員周辺混雑度4、Fブース106が説明員周辺混雑度5、Gブース107が説明員周辺混雑度5となっている。なお、上記説明員周辺混雑度の算出は、ブース混雑度の算出とともに、前述した適宜の間隔によりリアルタイムで実行され、これに伴って集客密度データベースも随時更新されている(後述の図34のフローのステップSW125及びステップSW130を参照)。
【0150】
ところで、本変形例では、来訪者P1が目的地ブース101,103,106に行く目的として、単に見学すれば足りる(説明員P3による説明は不要である)場合と、説明員P3から説明を聞きたい場合とに分けて設定できるようになっている(前述の登録用データベースにおいても当該設定入力に応じた書き込みがなされる)。詳細な説明は省略するが、前述のブース重要度と同様、来訪者P1は、入場後に携帯端末200にて目的地ブース101,103,106を登録する際、上記いずれの目的であるか、すなわち接客(この例では説明)希望の有無を設定でき、後述する演算のためにその設定に応じたフラグ(行動目的フラグ)を決定する。図32に示すように、この例では、単なる見学の場合を行動目的フラグ=1、説明を聞きたい場合を行動目的フラグ=2としている。これは、後述のように説明員周辺混雑度を加味した演算を行う際に、単なる見学の場合にはブース混雑度を評価値算出に用い、説明を聞きたい場合には説明員周辺混雑度を評価値算出に用いる。これは言い換えれば、単なる見学(行動目的フラグ=1)の場合にはブース集客密度(ブース混雑度)に応じてお勧めブースを決定し、説明を聞きたい場合(行動目的フラグ=2)には説明員周辺集客密度(説明員周辺混雑度)に応じてお勧めブースを決定していることに相当している。
【0151】
そして、本変形例では、ウェブサーバS2のCPU21Bが、目的地ブース101,103,106に対して上述のようにして算出したブース混雑度と、説明員周辺混雑度と、位置検出結果に応じて上記(E−1)の手法により算出した、来訪者P1の現在位置から目的地ブース101,103,106までの距離と、上記行動目的フラグとにより、各目的地ブース101,103,106の評価を行い、最適なブースを決定する。すなわち、
評価値=ブース混雑度×移動距離(行動目的フラグが1の場合)
評価値=説明員周辺混雑度×移動距離(行動目的フラグが2の場合) ・・(式6)
により算出した評価値を、目的地ブース101,103,106に対する最終評価値とする。なお、前述と同様、上記「行動目的フラグ」「ブース混雑度」「説明周辺混雑度」「移動距離」をそのまま乗ずるのではなく、いずれかの項目に重み付けを行ってから乗算して評価値とするようにしてもよい。
【0152】
図33は、上記目的地ブース101,103,106についての上記評価値をまとめて示す図である。この例では、Aブース101の評価値は、ブース混雑度2×移動距離700[m]=1400となり、Cブース103の評価値は、説明員周辺混雑度4×移動距離400[m]=1600となり、Fブース106の評価値は、説明員周辺混雑度5×移動距離100[m]=500となる。したがって、この場合、Fブース106の評価値が最小であるため、お勧めブースとして携帯端末200へ送信する。
【0153】
図34は、本変形例において、管理サーバS1、基地局R1〜R4、及び移動局T1〜T3の間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図であり、上記図26に対応する図である。本変形例においては、ウェブサーバS2の実行するステップSW110とステップSW120との間に新たにステップSW115を設け、またステップSW120とステップSW130との間にも新たにステップSW125を設けた点が図25と異なる。
【0154】
すなわち、前述と同様、ステップSW110で、ウェブサーバS2のCPU21Bが、移動局T2,T3の分布情報を算出し(集客人数算出手段)さらに各ブース101〜107ごとのブース集客密度を算出した(集客密度算出手段、集客指標算出手段)後、新たに設けたステップSW115に移る。
【0155】
ステップSW115では、ウェブサーバS2のCPU21Bが、前述のステップSS20で送信されてきた全移動局Tの位置情報と、予め大容量記憶装置25Aに記憶している前述のブース位置データベース(図6参照)とに基づき、上記(B)及び上記(C)において説明した手法により、移動局T3の分布情報を算出し(接客者人数算出手段)、さらに上記(式5)を用いた上述の手法により目的地ブース101,103,106ごとの上記説明員周辺集客密度を算出する(接客人数密度算出手段)。
【0156】
その後、上記ステップSW120に移り、前述と同様、ステップSW110で算出したブース集客密度からブース混雑度(密度指標値)を算出する(密度指標値設定手段)。
【0157】
そして、新たに設けたステップSW125に移り、上記図30に一例を示した変換テーブルを用い、ステップSW115で算出した説明員周辺集客密度から説明員周辺混雑度(密度指標値)を算出する(密度指標値設定手段)。
【0158】
ステップSW125が完了した後、上記同様のステップSW130に移り、
本変形例の場合には、ウェブサーバS2のCPU21Bが、上記ステップSW120及びステップSW125で算出したブース混雑度及び説明員周辺混雑度を(上記ステップSW110で算出したブース集客密度や上記ステップSW115で算出した説明員周辺集客密度とともに)大容量記憶装置25Bの上記集客密度データベースに書き込んで更新する。その後、このフローを終了する。
【0159】
図35は、本変形例において、来訪者P1が携帯端末200を操作してサービスの提供を受ける際の、携帯端末200、ウェブサーバS2、管理サーバS1の間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図であり、上記図26に対応する図である。
【0160】
図35では、図26においてウェブサーバS2の実行するステップSW230′の次に、新たにステップSW230″を設けている。これ以外は図26と同様である。
【0161】
すなわち、ウェブサーバS2のCPU21Bは、上記ステップSW220において、来訪者P1の現在位置から目的地ブースまでの距離を算出(距離算出手段)し、ステップSW230′で集客密度データベースから上記ブース混雑度を取得した後、ステップSW230″に移る。
【0162】
ステップSW230″では、上記図34に示すフローにおいてウェブサーバS2にてリアルタイムで随時算出し集客密度データベースに格納している目的地ブース101,103,106ごとの上記説明員周辺混雑度を取得する。その後、上記同様、ステップSW240に移る。
【0163】
ステップSW240では、ウェブサーバS2のCPU21Bは、上記ステップSW230′で取得したブース混雑度と、ステップSW230″で取得した説明員周辺混雑度と、ステップSW220で算出した目的地ブース101,103,106までの距離と、登録用データベース(図10参照)に登録済みの各目的地ブース101,103,106の行動目的フラグとを用いて、上記(式6)を用いて、最終評価値(第2評価値;第3評価値)を算出する(第2評価値算出手段;第3評価値算出手段)。
【0164】
その後、ステップSW250に移り、ウェブサーバS2のCPU21Bは、上記ステップSW240で算出した最終評価値が最小であるブースを最適ブースとして決定する(訪問領域決定手段)。その後、ステップSW260以降は図26と同様であるので、説明を省略する。なお、ステップSW260でお勧めブース情報を含むメールを携帯端末200へ送信する(情報送信手段)とき、前述と同様、メール送信ではなく、操作者からのwebアクセスにより所定のページによって表示させるようにしてもよい。また、携帯端末200へ送信して表示部209に表示させる内容も、上記お勧めブースに代えて(あるいはお勧めブースとともに)上記説明員周辺集客密度を表示させるようにしてもよい。
【0165】
以上のように構成した本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得る。
【0166】
また、本変形例においては、移動局T3に関連づけられた接客者(この例ではブースの説明員P3。その他、チケットや物品の販売員、飲食サービス従事者等への適用も考えられる)の位置や、接客者の忙しさ状況(接客状態にあるかないか、まわりを来訪者が取り囲んでいるか、まわりに来訪者が誰もいないか、等)等の情報を説明員周辺集客密度として検出可能である。例えば説明員周辺集客密度が0である場合には、説明員P3のまわりに来訪者P2が誰もおらず、当該ブースの説明員P3が誰も説明をしていないことがわかる。説明員周辺集客密度が小さい場合には当該ブースの説明員P3は(少なくとも一人は)接客状態にあるが、説明している来訪者P2の人数が比較的少なく忙しくない状態であることがわかる。説明員周辺集客密度が大きい場合にはまわりを来訪者P2が取り囲んでおり、当該ブースの説明員P3が説明している来訪者P2の人数が比較的多く、忙しい状態であることがわかる。このように、説明員P2側の細かい状況を来訪者P1に提供できる(この例では最終結論としての最も早く説明を受けられるお勧めブースの形で表示され、来訪者P1は、最も混雑しておらず早く説明を受けられるブースがどれであるかという形で認識することができる)ので、さらに利便性が向上する。
【0167】
また、説明員P3の忙しさの度合いを指標化した説明員周辺混雑度を用いることで、他の数値(目的地ブースまでの距離等)との演算が可能である。これにより、その演算結果(上記の最終評価値)の数値的大小に基づき(上記の例では最小値となるもの)、最適なブースであるかどうかを演算で明確に判断したり区別することができる。
【0168】
また、本変形例では登録用データベース(図10参照)に予め設定登録された目的地ブース101,103,106への行動目的に対応した行動目的フラグ(フラグの値=1又は2)を用いて最終評価値を決定する。これには以下のような意義がある。すなわち、既に述べたように、来訪者P1が目的地ブース101,103,106を訪問する際、積極的に説明員P3の説明を希望する場合と、説明員P3の説明を必要としない(単なる見学で足りる場合等)場合とがある。そこで、来訪者P1が説明を希望する場合には、説明員P3の手が空いているか忙しいかを主眼におき、行動目的フラグの値を2として説明員周辺集客密度の値の影響を大きくして最適ブース(お勧めブース)の主たる決定基準とする。一方、来訪者P2が説明を希望しない場合には、ブース101〜107における人混みが密であるか疎であるかを主眼におき、(行動目的フラグの値を2として説明員周辺集客密度の値の影響を小さくすることで)ブース集客密度を最適ブース(お勧めブース)の主たる決定基準とする。これにより、来訪者P2の来訪目的に沿った適正かつ円滑な情報提供を行うことができる。
【0169】
(3)TOA方式で測位を行う場合
なお、以上においては、移動局Tからの距離検出用の電波信号に対する各基地局Rの受信時刻差により測距処理を行う、いわゆるTDOA(Time Difference of Arrival)方式を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、TOA(Time of Arrival)方式を用いて測距処理を行うようにしてもよい。この場合は移動局T1〜T3に前述の時計35を設けるともに移動局T1〜T3と基地局R1〜R4との時計合わせを行う。そして、移動局T1〜T3での送信時刻と基地局R1〜R4での受信時刻とにより、移動局T1〜T3から基地局R1〜R4までの到来時間(伝搬時間)を算出し、これに基づき、各移動局T1〜T3で位置検出処理を行うことができる。
【0170】
本変形例によっても、上記実施形態や各変形例と同様の効果を得る。
【0171】
(4)その他
なお、来訪者人数指標としては、上記ブース集客密度以外にも種々考えられる。すなわち、来訪者人数指標として、位置検出時点でのブース101〜107での滞留時間が一定時間以上である来訪者P2の数を用いてもよい。すなわち、位置検出毎に得られるブース毎の来訪者の分布情報を記録しておくことで、各来訪者P2について、ブース101〜107での滞留時間を算出し、それによって、例えば一時的にブースを通り過ぎた来訪者P2を除外する等、対象とする来訪者を絞り込むことも可能である。そのほか、説明員P3ひとり当たりの来訪者P2数(密度ではなく)や、ある特定の説明員P3(あるいはブース内特定箇所)の周りの人数等も、来訪者人数指標として用いることができる。これら来訪者人数指標を検出あるいは算出し(=集客指標算出手段)、それらのうちいずれかを加味してお勧めブースを決定することで、さらに詳細な状況に応じたきめ細かなガイドが可能となり、さらに来訪者の利便性を向上できる。
【0172】
また、以上においては、集客領域として、展示会の会場2のブース101〜107を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、その他、馬券売場、宝くじセンター、ブランドショップ、化粧品売場、みどりの窓口等、複数の並び列の選択肢があり来訪者P1がよく待たされる状況が起こりうる箇所や領域に対しても本発明は適用でき、同様の効果を得ることができる。
【0173】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0174】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本発明の集客情報提供システムの一実施形態の全体構成を概略的に示す説明図である。
【図2】集客情報提供システムの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図3】移動局の所持態様を表す説明図である。
【図4】集客情報提供システムにおいて移動局の位置を検出する方法の原理を説明する図である。
【図5】地図情報を概念的に表す図である。
【図6】管理サーバの大容量記憶装置に記憶されている、ブース位置データベースを表す図である。
【図7】来訪者の分布を説明員とともに概念的に示した図である。
【図8】Aブースの位置情報を概念的に示す図である。
【図9】ブース集客密度を格納した上記集客密度データベースの一例を表す図である。
【図10】登録用データベースの一例を表す図である。
【図11】携帯端末の外観図である。
【図12】来訪者の現在位置と、目的地ブースまでの位置関係の一例を概念的に表した図である。
【図13】来訪者から目的地ブースまでの距離をまとめて表した図である。
【図14】来訪者から目的地ブースまでの移動時間を表した図である。
【図15】ブース集客密度を待ち時間に変換する変換テーブルを表す図である。
【図16】図9の例に基づき算出された、目的地ブースの待ち時間をまとめて表した図である。
【図17】上述の例に沿って算出された、目的地ブースの見学待機時間をまとめて表した図である。
【図18】携帯端末とウェブサーバとの間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図である。
【図19】ブース集客密度の算出処理において、管理サーバ、基地局、移動局、ウェブサーバの間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図である。
【図20】来訪者が携帯端末を操作して、前述のお勧めブースの表示を行わせる際の、携帯端末、ウェブサーバ、管理サーバの間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図である。
【図21】ブース重要度を加味する変形例において、目的地ブースごとの重要度を表す図である。
【図22】ブース集客密度からブース混雑度を算出する変換テーブルを表す図である。
【図23】集客密度データベースの一例を表す図である。
【図24】目的地ブースについての評価値をまとめて示す図である。
【図25】管理サーバ、基地局、及び移動局の間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図である。
【図26】来訪者が携帯端末を操作してサービスの提供を受ける際の、携帯端末、ウェブサーバ、管理サーバの間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図である。
【図27】説明員の忙しさを加味する変形例において、Aブースの位置情報を概念的に示す図である。
【図28】目的地ブースそれぞれについて算出した説明員周辺集客密度の値を示す図である。
【図29】説明員周辺集客密度を、ブース集客密度とともにまとめて表した一例を表す図である。
【図30】説明員周辺集客密度を説明員周辺混雑度に変換する変換テーブルを表す図である。
【図31】その集客密度データベースの一例を表す図である。
【図32】行動目的フラグの設定例を表す図である。
【図33】目的地ブースについての評価値をまとめて示す図である。
【図34】管理サーバ、基地局、及び移動局の間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図である。
【図35】来訪者が携帯端末を操作してサービスの提供を受ける際の、携帯端末、ウェブサーバ、管理サーバの間で送受される各種信号の送受と制御動作の一例を表すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0176】
1 集客情報提供システム
2 会場
12 アンテナ(基地局アンテナ手段)
25A 大容量記憶装置(記憶手段)
32 タグアンテナ(第1アンテナ手段;第2アンテナ手段)
101〜107 ブース(集客領域)
200 携帯端末(無線端末)
P1 来訪者
P2 来訪者
P3 説明員(接客者)
R1〜R4 基地局
T1 移動局(第1移動局)
T2 移動局(第1移動局)
T3 移動局(第2移動局)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の集客領域のうち少なくとも1つの集客領域へ訪問予定あるいは訪問中の来訪者に関連づけられ、情報を送受信する第1アンテナ手段を備え、前記複数の集客領域を含む所定の移動可能領域を移動可能な第1移動局と、
前記第1移動局に対し無線通信により情報送受信を行う基地局アンテナ手段を備えた基地局と
を有し、
前記来訪者に対し前記集客領域の集客情報を提供するための集客情報提供システムであって、
前記第1移動局の前記第1アンテナ手段から送信され前記基地局の前記基地局アンテナ手段で受信した電波信号に基づき、前記第1移動局の位置検出を行う位置検出手段と、
前記位置検出手段による前記第1移動局の位置検出結果と、地図情報とに基づき、各集客領域ごとの前記来訪者の人数を算出する集客人数算出手段と、
前記集客人数算出手段の算出結果に基づき、各集客領域ごとの来訪者人数指標を算出する集客指標算出手段と
を有することを特徴とする集客情報提供システム。
【請求項2】
前記集客指標算出手段は、
前記来訪者人数指標として、各集客領域ごとの来訪者人数密度を算出する集客密度算出手段である
ことを特徴とする請求項1記載の集客情報提供システム。
【請求項3】
前記来訪者の識別情報又は対応する前記第1移動局の識別情報と、当該来訪者の訪問予定の複数の前記集客領域の識別情報とを、予め関連づけて登録情報として記憶する記憶手段を有する
ことを特徴とする請求項2記載の集客情報提供システム。
【請求項4】
複数の前記来訪者のそれぞれごとに、前記記憶手段の前記登録情報に含まれる前記複数の集客領域のうち各来訪者の訪問に最適な前記集客領域を個別に決定する訪問領域決定手段
を有することを特徴とする請求項3記載の集客情報提供システム。
【請求項5】
前記集客領域において前記来訪者に対する接客を行う接客者に関連づけられ、情報を送受信する第2アンテナ手段を備え、少なくとも対応する前記集客領域を移動可能な少なくとも1つの第2移動局とを有し、
前記基地局の前記基地局アンテナ手段は、
前記第2移動局に対し無線通信により情報送受信を行い、
前記位置検出手段は、
前記第2移動局の前記第2アンテナ手段から送信され前記基地局の前記基地局アンテナ手段で受信した電波信号に基づき、前記第2移動局の位置検出を行う
ことを特徴とする請求項4記載の集客情報提供システム。
【請求項6】
前記位置検出手段による前記第2移動局の位置検出結果と、前記地図情報とに基づき、各集客領域ごとの前記接客者の人数を算出する接客者人数算出手段と、
前記位置検出手段による前記第1移動局及び前記第2移動局の位置検出結果と、前記地図情報と、前記接客者人数算出手段の算出結果とに基づき、一人の前記接客者が接客している来訪者数を各集客領域ごとに集計した接客人数密度を算出する接客人数密度算出手段と
を有し、
前記訪問領域決定手段は、
前記集客密度算出手段で算出した前記複数の集客領域それぞれにおける前記来訪者人数密度に基づき、前記来訪者の訪問に最適な前記集客領域を決定する
ことを特徴とする請求項5記載の集客情報提供システム。
【請求項7】
接客人数密度算出手段は、
前記位置検出手段での検出結果に基づく、前記第2移動局の位置から所定範囲内における前記第1移動局の数に応じて、前記接客人数密度を算出する
ことを特徴とする請求項6記載の集客情報提供システム。
【請求項8】
前記訪問領域決定手段は、
前記接客人数密度算出手段で算出した前記複数の集客領域それぞれにおける前記接客人数密度に基づき、前記来訪者の訪問に最適な前記集客領域を決定する
ことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の集客情報提供システム。
【請求項9】
前記記憶手段は、
前記複数の集客領域それぞれの識別情報に対し、前記来訪者の当該集客領域での接客希望の有無を関連づけて記憶しており、
前記訪問領域決定手段は、
前記記憶手段において前記接客希望なしとして登録されている集客領域に関しては、前記集客密度算出手段で算出した前記複数の集客領域それぞれにおける前記来訪者人数密度に基づいて、前記来訪者の訪問に最適な前記集客領域を決定し、
前記記憶手段において前記接客希望ありとして登録されている集客領域に関しては、前記接客人数密度算出手段で算出した前記複数の集客領域それぞれにおける前記接客人数密度に基づき、前記来訪者の訪問に最適な前記集客領域を決定する
ことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の集客情報提供システム。
【請求項10】
前記位置検出手段の前記第1移動局の位置検出結果と、前記地図情報とに基づき、前記第1移動局から前記訪問予定の各集客領域までの距離をそれぞれ算出する距離算出手段と、
前記距離算出手段で算出した各集客領域までの距離を、当該距離の移動に要する移動所要時間に変換する移動時間算出手段と、
前記集客密度算出手段で算出した各集客領域における前記来訪者人数密度、若しくは、前記接客人数密度算出手段で算出した各集客領域における前記接客人数密度に基づき、当該集客領域における待ち時間を算出する待ち時間算出手段と、
前記移動時間算出手段で算出した各集客領域ごとの前記移動所要時間と、対応する集客領域について前記待ち時間算出手段で算出した待ち時間情報とに基づき、第1評価値を算出する第1評価値算出手段とを有し、
前記訪問領域決定手段は、
前記第1評価値算出手段で算出した前記第1評価値に応じて、前記最適な集客領域を決定する
ことを特徴とする請求項8又は請求項9記載の集客情報提供システム。
【請求項11】
前記第1評価値算出手段は、
前記移動所要時間と前記待ち時間情報との合計値に基づき、前記第1評価値を算出し、
前記訪問領域決定手段は、
前記第1評価値が最も小さい前記集客領域を、前記最適な集客領域として決定する
ことを特徴とする請求項10記載の集客情報提供システム。
【請求項12】
前記位置検出手段の前記第1移動局の位置検出結果と、前記地図情報とに基づき、前記第1移動局から前記訪問予定の各集客領域までの距離をそれぞれ算出する距離算出手段と、
前記集客密度算出手段で算出した各集客領域における前記来訪者人数密度、若しくは、前記接客人数密度算出手段で算出した各集客領域における前記接客人数密度に基づき、対応する密度指標値を設定する密度指標値設定手段と、
前記距離算出手段で算出した前記集客領域までの距離と、前記密度指標値設定手段で算出した前記密度指標値とに基づき、第2評価値を算出する第2評価値算出手段とを有し、
前記訪問領域決定手段は、
前記第2評価値算出手段で算出した前記第2評価値に応じて、前記最適な集客領域を決定する
ことを特徴とする請求項8又は請求項9記載の集客情報提供システム。
【請求項13】
前記第2評価値算出手段は、
前記集客領域までの距離と、前記密度指標値との乗算値に基づき、第2評価値を算出し、
前記訪問領域決定手段は、
前記第2評価値が最も小さい前記集客領域を、前記最適な集客領域として決定する
ことを特徴とする請求項12記載の集客情報提供システム。
【請求項14】
前記位置検出手段の前記第1移動局の位置検出結果と、前記地図情報とに基づき、前記第1移動局から前記訪問予定の各集客領域までの距離をそれぞれ算出する距離算出手段と、
前記集客密度算出手段で算出した各集客領域における前記来訪者人数密度、若しくは、前記接客人数密度算出手段で算出した各集客領域における前記接客人数密度に基づき、対応する密度指標値を設定する密度指標値設定手段と
を有し、
前記記憶手段は、
前記複数の集客領域それぞれの識別情報に対し、前記来訪者にとっての当該集客領域の重要度を関連づけて記憶しており、
かつ、
各集客領域における前記重要度に基づき、対応する重要度指標値を設定する重要度指標値設定手段と、
前記距離算出手段で算出した前記集客領域までの距離と、前記密度指標値設定手段で算出した前記密度指標値と、前記重要度指標値設定手段で設定した前記重要度指標値とに基づき、第3評価値を算出する第3評価値算出手段とを設け、
前記訪問領域決定手段は、
前記第3評価値算出手段で算出した前記第3評価値に応じて、前記最適な集客領域を決定する
ことを特徴とする請求項8又は請求項9記載の集客情報提供システム。
【請求項15】
前記第3評価値算出手段は、
前記集客領域までの距離と、前記密度指標値と、前記重要度指標値との乗算値に基づき、第3評価値を算出し、
前記訪問領域決定手段は、
前記第3評価値が最も小さい前記集客領域を、前記最適な集客領域として決定する
ことを特徴とする請求項14記載の集客情報提供システム。
【請求項16】
前記訪問領域決定手段は、
前記位置検出手段での前記第1移動局の検出結果に基づく移動履歴に応じ、前記登録情報に含まれる前記複数の集客領域のうち既に前記来訪者が訪問した前記集客領域を除外して、前記最適な集客領域を決定する
ことを特徴とする請求項11乃至請求項15のいずれか1項記載の集客情報提供システム。
【請求項17】
前記基地局に対しネットワーク接続され、前記集客密度算出手段で算出した前記来訪者人数密度、前記接客人数密度算出手段で算出した前記接客人数密度、及び前記訪問領域決定手段での決定結果のうち、少なくとも1つの情報を、無線通信を介し、前記来訪者の所持する無線端末へ送信する情報送信手段を有する
ことを特徴とする請求項3乃至請求項16のいずれか1項記載の集客情報提供システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate


【公開番号】特開2009−245213(P2009−245213A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−91716(P2008−91716)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】