集積アンテナパッケージ
【課題】信号挿入損失を低減し、パッケージ絶縁性を改善するレーダー用途の安価な高周波パッケージングソリューションを提供する。
【解決手段】集積アンテナパッケージ(100)は、インタポーザ(110)、集積回路ダイ(120)および集積アンテナパッケージ(100)内に空洞部を形成するキャップ(130)を有する。損失性の電磁バンドギャップ構造体(131)は、集積回路装置を覆うキャップに存在する。非損失性の電磁バンドギャップ構造体(132)は、マイクロストリップ給電線路(113)を覆うキャップに存在する。レーダーモジュール(1100)は、複数の受信部分(1111〜1114)を有し、各受信部分は、反射面(1633)、吸収体構造体(1675)、レンズ(1653)およびアンテナ(1313)を有する放物線状構造体(1420)を有する。
【解決手段】集積アンテナパッケージ(100)は、インタポーザ(110)、集積回路ダイ(120)および集積アンテナパッケージ(100)内に空洞部を形成するキャップ(130)を有する。損失性の電磁バンドギャップ構造体(131)は、集積回路装置を覆うキャップに存在する。非損失性の電磁バンドギャップ構造体(132)は、マイクロストリップ給電線路(113)を覆うキャップに存在する。レーダーモジュール(1100)は、複数の受信部分(1111〜1114)を有し、各受信部分は、反射面(1633)、吸収体構造体(1675)、レンズ(1653)およびアンテナ(1313)を有する放物線状構造体(1420)を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、パッケージング、さらに詳しくは集積アンテナパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
ミリメートル単位で測定される無線周波数で動作する集積回路ダイのパッケージングは、信号挿入損失および電磁干渉をもたらす可能性がある。さらに電子回路システムのサイズを減少することは、電気機器メーカーの中では、共通の目標であるが、そうすると減少したサイズの結果として、特定の性能に関するシステムの複雑さが増大する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公開第2009/0051467号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって信号挿入損失を低減し、パッケージ絶縁性を改善するレーダー用途の安価な高周波パッケージングソリューションは、有用であると思われる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、良く理解することができ、添付の図面を参照することによって、当業者に対して、多くの機能および利点が明確となりうる。
集積アンテナパッケージは、レーダーモジュールなどの安価な商用用途に使用するために開示される。レーダーモジュールは、本開示の特定の実施形態による衝突防止レーダーへの利用を目標とする。集積アンテナパッケージアーキテクチャは、フリップチップのスタッドバンプの接合法を用いて、ボールグリッドアレイ(BGA)にダイを連結するインタポーザを含む。共平面導波路(CPW)などの高周波(RF)信号伝送構造体は、インタポーザに集積され、ダイとインタポーザ上にも集積されるマイクロストリップ給電線路との間でRF信号を通信する。キャップは、ダイ、送信構造体および空洞部のマイクロストリップ給電線路をカプセル化するために、インタポーザに装着され、それによって、中心周波数などの動作特性の望ましくない変化を引き起こす可能性があるダイの直接カプセル化を回避する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本開示の特定の実施形態による集積アンテナパッケージの側面図である。
【図2】本開示の特定の実施形態による図1の集積パッケージの一部の側面図である。
【図3】本開示の特定の実施形態による図2の集積パッケージの一部の側面図である。
【図4】本開示の特定の実施形態による図2のアンテナ構造体の外側部分の平面図である。
【図5】本開示の特定の実施形態による図4のアンテナ構造体の外側部分の平面図である。
【図6】本開示の特定の実施形態による図3のアンテナ構造体の内側部分の平面図である。
【図7】本開示の特定の実施形態による図2の集積パッケージの一部の外側部分の平面図である。
【図8】本開示の特定の実施形態によるインタポーザの外側部分の平面図である。
【図9】本開示の特定の実施形態によるインタポーザ110の内側部分の平面図である。
【図10】本開示の特定の実施形態による基板貫通ビアの位置を示す図9の平面図である。
【図11】本開示の特定の実施形態によるインタポーザの一部をさらに詳細に示す図9の平面図の一部の図である。
【図12】本開示の特定の実施形態によるインタポーザの一部をさらに詳細に示す図9の平面図の一部の図である。
【図13】本開示の特定の実施形態による図9の平面図に示すパッチの一部の図である。
【図14】本開示の特定の実施形態による図13に示すパッチを含む電磁バンドギャップユニットセルの断面図である。
【図15】本開示の特定の実施形態によるインタポーザにマウントされたダイをさらに含む図2の集積パッケージの一部の側面図である。
【図16】本開示の特定の実施形態による図2のダイおよびインタポーザの一部の側面図である。
【図17】図9の平面図であり、本開示の特定の実施形態によるダイおよびダイの相互接続部の相対的位置の図である。
【図18】本開示の特定の実施形態による図17の平面図の一部をさらに詳細に示す平面図である。
【図19】本開示の特定の実施形態による環状構造体を含む図15の集積パッケージの一部の側面図である。
【図20】本開示の特定の実施形態による図15のダイと図19の環状構造体とを含む図9の平面図である。
【図21】本開示の特定の実施形態による集積アンテナ装置の側面図である。
【図22】本開示の特定の実施形態による図21の集積アンテナ装置の一部の側面図である。
【図23】本開示の特定の実施形態によるキャップの外側部分を示す図21の集積アンテナ装置の平面図である。
【図24】本開示の特定の実施形態による集積アンテナ装置のキャップの内側部分の第1の導電層の平面図である。
【図25】本開示の特定の実施形態による下層のダイ120および基板貫通ビアの位置をさらに示す図24の平面図である。
【図26】本開示の特定の実施形態による図25の集積アンテナパッケージの一部のさらに詳細な平面図である。
【図27】本開示の特定の実施形態によるキャップの第2の導電層での導電性パッチの位置をさらに示す図25の集積パッケージアンテナの平面図である。
【図28】本開示の特定の実施形態による図27の集積アンテナパッケージの一部のさらに詳細な平面図である。
【図29】本開示の特定の実施形態による方法のフローチャートである。
【図30】本開示の特定の実施形態による方法のフローチャートである。
【図31】本開示の特定の実施形態による方法のフローチャートである。
【図32】本開示の特定の実施形態によるアンテナ構造体の代替の実施形態の平面図である。
【図33】本開示の特定の実施形態によるレーダーモジュールの上面図である。
【図34】本開示の特定の実施形態によるレーダーモジュールの正面図である。
【図35】本開示の特定の実施形態による図1のレーダーモジュールのさまざまな部分の等角図である。
【図36】本開示の特定の実施形態による図35の電子アセンブリの背面側のさらに詳細な等角図である。
【図37】本開示の特定の実施形態による図36の電子アセンブリの前面側の一部の等角図である。
【図38】本開示の特定の実施形態による電子アセンブリの一部のさらに詳細な断面図である。
【図39】本開示の特定の実施形態による図1のレーダーモジュールの断面等角図である。
【図40】本開示の特定の実施形態による図39のレーダーモジュールの断面図である。
【図41】本開示の特定の実施形態による図40のレーダーモジュールの断面図において反射されているレーダー信号の図である。
【図42】本開示の特定の実施形態による自動車両に組み込まれるレーダーモジュールの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
インタポーザと共にダイをカプセル化するキャップは、77GHzなどの所望のミリ波周波数で集積アンテナパッケージの効率的運用を容易にするために、さまざまな種類のメタマテリアルを含む。特定の実施形態では、さまざまな種類のメタマテリアルは、損失性および非損失性の電磁バンドギャップ(EBG)表面などの損失性メタマテリアルおよび非損失性メタマテリアルを含み、動作時に集積アンテナパッケージの空洞部に発生する可能性がある高周波モードを減衰させる。スロット共振器は、マイクロストリップ給電線路からインタポーザの対向する共表面に形成される。パッチアンテナなどの外側表面の印刷アンテナを含むアンテナ構造体が、スロット共振器の上に空洞部を形成するように、インタポーザの外側表面に装着される。高周波送信時に、スロット共振器はパッチアンテナを励起する。
【0008】
そのような集積パッケージの特定の実施形態は、別個の送信セクションおよび受信セクションを提供することによって、同時送受信動作を得るレーダーモジュールを示す図1〜図32を参照することにより、さらに良く理解されよう。別個の送信セクションおよび受信セクションは、各アンテナにそれぞれ関連し、互いのセクションとは独立して動作する。送信システムは、モジュール一次給電として作用する送信アンテナ素子に電力を供給することにより実現され、一次給電素子は、パッチアンテナなどの印刷アンテナでありうる。給電アンテナ素子の実装は、本願明細書に集積回路アンテナに関して記載するパッチアンテナなどの電磁(EM)エネルギーを伝播できる任意のアンテナ素子でありうる。送信アンテナ素子は、反射表面、レンズまたはその両方の組み合せなどの二次アンテナまたは複合アンテナを照射し、回避すべき潜在的オブジェクトの所望の方向に電磁エネルギーを再輻射する。送信部分は、他の受信反射表面とは独立している別個の反射器表面を含む。受信システムは、受信部分の集まりによって実施され、各受信部分は、所望の振動数に近い周波数範囲の対応するアンテナ素子に向かって、電磁エネルギーのほぼすべてを反射する対応するパラボラ反射鏡を有する。本願明細書に記載するように、アンテナ素子はパッチアンテナであるが、受信アンテナ素子の実装は、電磁エネルギーを受信できるあらゆるアンテナ素子でありうる。これらの受信アンテナは、パラボラ反射鏡の表面、レンズまたはその両方の組み合せなどの二次アンテナまたは複合アンテナによって照射される。受信システムセクションは、送信反射器表面とは独立している別個の反射器表面を含む。受信反射器表面の目的は、潜在的な対象物体から戻ってくる送信レーダーパルスなどのレーダー信号から反射された電磁エネルギーを再輻射することである。さらに、偏光フィルターの使用は、環境からのレーダークラッターへのシステム全体の妨害感受性を最小にする。
【0009】
送信部、受信部、二次アンテナ素子およびシステム電子装置の組み合わせは、レーダーシステムの機械的パッケージ、環境パッケージおよびマウント構造体を含む1または複数のハウジングにパッケージ化される。そのようなレーダーモジュールの特定の実施形態は、図33〜図42を参照することによって、さらに良く理解されよう。
【0010】
本願明細書に示す特定の実施形態は、77GHz用途に関して記載する。以下にさらに詳細に記載するように、その特定の目的が特定の周波数範囲に維持される限り、説明するさまざまな形状、寸法および材料が変化しうることが認識されよう。
【0011】
図1は、さまざまな特徴の相対的位置を示すために、原寸に比例して描画されていない集積パッケージ100の断面図を示す。集積パッケージ100は、インタポーザ110、ダイ120、キャップ130、アンテナ構造体140およびスペーサ150を含む。ダイ120は、シリコン、シリコンゲルマニウム、ガリウム砒素、窒化シリコンなどを使用して実装される回路を含むことができる半導体ダイである。ダイ120は、トランジスタ、抵抗器、コンデンサなどの能動部品および受動部品を含み、ダイ120とインタポーザ110との間で情報を通信するために相互接続部121でインタポーザ110に取り付けられる。一実施形態では、送信機ダイまたは送信機ダイの送信機部分は、集積PLL、電力増幅器、局部発振器(LO)出力およびオンチップのランプ波発生器を含む。
【0012】
一実施形態ではインタポーザ110は、少なくとも100Ωcmの範囲、約1〜3KΩcmなどの抵抗率を有し、低損失正接を有する高抵抗シリコン基板であり、内側導電層117、外側導電層116および基板貫通ビア(TSV)115を含む。インタポーザの内側導電層117は、送信構造体113を含み、外側導電層116は、スロット共振器114を含む。空洞部は、ダイ120とインタポーザ110との間で形成される。インタポーザ110の領域111は、ダイ120の下層にあり、チップの下のモード抑制をもたらすために、ほぼ周期的な損失性の電磁バンドギャップ構造体などのメタマテリアルを含む。キャップ130は、少なくとも100Ωcm、約1〜3KΩcmなどの抵抗率を有し、低損失正接を有する高抵抗シリコン基板を含み、空洞部152を形成するようにスペーサ150を通してインタポーザ110に装着される。キャップ130は、外側導電層136、内側導電層137およびTSV135を含む。キャップ130の領域131は、ダイ120を覆い、ほぼ周期的な損失性の電磁バンドギャップ構造体を含む。キャップの領域132は、送信構造体113のマイクロストリップの一部を覆い、多重積層で周期的な非損失性の電磁バンドギャップ構造体を含むように形成される。
【0013】
アンテナ構造体140は、インタポーザ110に接続され、周辺部分141によって囲まれる中心部142を有する。アンテナ構造体140は、インタポーザ110から最も離れた主要表面に外側導電層146と、インタポーザ110に最も近い主要表面に内側導電層147と、外側導電層146の一部を内側導電層147に接続するTSV145とを含む。外側導電層146は、パッチアンテナ143と、非損失性の電磁バンドギャップ構造体などのメタマテリアルに関連する周辺部分141に周期構造体とを含む。空洞部144は、アンテナ構造体140とインタポーザ110との間にある。図1の集積アンテナに関し、図2〜図28を参照してさらに詳細に記載する。
【0014】
図2は、インタポーザ110に装着されたアンテナ構造体140の特定の実施形態の側面図を示す。図1に示す素子に加えて、図2は、はんだボール相互接続などのパッケージ相互接続部160の相対位置を示す。アンテナ構造体140は、少なくとも100Ωcm、たとえば1〜3KΩcmなどの抵抗率を有し、低損失正接でインタポーザ110に装着される高抵抗率のシリコン基板445と、インタポーザ110に最も近い内側主要表面と、内側主要表面と向かい合う外側主要表面とを含む。アンテナ構造体140の内側主要表面および外側主要表面は、中心位置142に上側平面部と周辺位置141に下側平面部とを含む複数の隆起部をそれぞれ含む。
【0015】
図3は、アンテナ構造体140およびインタポーザ110のさまざまな特徴を含む図2の一部をさらに詳細に示す。アンテナ構造体140の説明する特徴は、外側導電層146、内側導電層147、空洞部144およびTSV145(図3に示す)を含む。外側導電層146および内側導電層147は、シリコン基板445の対向する主要表面に存在する。インタポーザ110の説明する特徴は、基板118、外側導電層116、内側導電層およびTSV115(図3に示される)を含む。導電層116および117は、シリコン基板118の対向する主要表面に存在する。
【0016】
導電層116、117、146および147のそれぞれは、パターン層であり、寸法11の厚さを有する金を含むことができる。すべての寸法は、表1の符号によって示していることに留意されたい。
【0017】
アンテナ140のシリコン基板445は、周辺位置141で厚さ寸法441と、周辺位置141での外側の下側平面から中心位置142での外側の上側平面部までの厚さ寸法を有する。アンテナ140のシリコン基板の総厚は、したがって、寸法443である。空洞部144は、インタポーザ110およびアンテナ構造体140によって形成され、高さ寸法460を有する。インタポーザ110の最も近くにある空洞部142の長さは寸法447であり、インタポーザ110から最も遠い空洞部142の長さは寸法446である。
【0018】
アンテナ構造体140の内側導電層147は、寸法12(図示せず)の厚みを有する導電性エポキシなどの導電層449によって、インタポーザ110の外側導電層116に機械的かつ電気的に接続される。
【0019】
図4は、内側の空洞部の位置と、TSV145が外側の導電性表面146に接する位置とを含むアンテナ構造体140の外部の平面図を示す。外側の導電性表面146は、パッチアンテナ143および複数の周期パッチ410を含む。複数のパッチ410の各パッチは、導電層をエッチングすることによって形成される。周期パッチ410は、アンテナ構造体140の周辺位置141(図3)で、個々のパッチ間に一定の空隙を有する格子構造体を形成するように、行411〜行418および列421〜列428に配置される。複数のTSV145が複数のパッチ410に接し、これにより、各パッチ410が異なるTSV145に接する。アンテナ構造体140によって形成された空洞部144は、最も広い部分でx寸法447、y寸法457、最も狭い部分でx寸法446、y寸法456を有する。アンテナ構造体140の(中心位置142での)外側の平面部分は、x寸法448およびy寸法458を有する。シリコン基板の異方性エッチングは、選択的湿式エッチングの結果およびシリコン基板の格子構造に基づき54.7度の角度で、内側表面および外側表面のそれぞれ上側平面部分および下側平面部分との間でそれぞれ遷移する表面をもたらす。54.7角度を定義する表面の外側周縁部は、アンテナ構造体140の下側平面部と接し、x寸法449およびy寸法459を有する。x寸法431およびy寸法432を有するパッチアンテナ143は、上平面部分に存在し、空洞部144の上で中心に置かれる。
【0020】
図5は、さまざまな寸法を明らかにするために、図4のアンテナ構造体140の一部をさらに詳細に示す。特に、各パッチ410は、x寸法461と、y寸法462と、同じ行または同じ列の隣接するパッチ間の周期寸法463と、同じ行または同じ列の隣接するパッチ間の空隙寸法464とを有し、最外側パッチは、アンテナ構造体140の端部から寸法466分オフセットされる。TSV145は、パッチ410内の中心に配置され、これにより、パッチ410と同じ周期寸法463を有する。TSV145は、直径寸法467を有し、パッチ145に接続する。
【0021】
図6は、内側導電層147と、空洞構造体144と、導電層147に接するTSV145の相対的位置とを含むアンテナ構造体140の内側部分の平面図を示す。TSV145は、導電層147に接続する直径477を有する。
【0022】
図7は、インタポーザ110の外側導電層116およびアンテナ構造体140の相対的位置の平面図を示す。外側導電層116は、グラウンド層166と、グラウンド層166によって囲まれ、グラウンド層166から電気的に絶縁されている複数のはんだボールパッド161とを含む。はんだボールパッド161は、内側導電層117にも接続される下層のTSV(図示せず)に接続され、はんだボールパッドは、ボール型パッケージ相互接続部160(図2)が装着される構造体である。はんだボールパッド161の直径は寸法163である。グラウンド層166の開口部は、本願明細書にさらに詳細に記載されるように、スロット共振器114を形成する。
【0023】
図8は、図7の外側導電層116の平面図を示し、インタポーザ110のシリコン基板445内に存在する複数のTSV115が導電層116に接する位置を含む。TSV115の4つのコンセントリックリングは、導電層116の周辺部の近くのシリコン基板445内に位置している。TSV115の各コンセントリックリングは、端部から45度回転して正方格子を形成するように、隣接する同心円状のTSVリングからオフセットされ、さまざまな領域間に改善した絶縁性をもたらすために、電磁波侵入を実質的に減衰させるビアの最密充填性を付与する。各列内のTSVの周期は寸法181である。TSVの列間の周期は寸法184である。TSV115の5列目および6列目は、部分的なコンセントリックリングを形成するように、インタポーザ110の周辺部の右側部分の近くに位置している。
【0024】
図9は、インタポーザ110の内側導電層117の平面図を示す。導電層117は、接地リング、複数のダイパッド134、複数の絶縁されたTSVランディング133、導電構造体127〜129、送信構造体113およびパッチ139を形成する導電性環状構造体124を含む。ダイパッド134は、ダイ120のバンプ構造体相互接続部121に装着される導電構造体であり、これにより、インタポーザ110へのダイ120のフリップチップ装着を容易にする。導電環状構造体124、絶縁されたTSVランディング133、導電構造体127〜129およびパッチ139のそれぞれは、図10に示すように、対応するTSV115と接する。TSV115は、インタポーザ110の対向する面で外側導電層116のグラウンド層166(図8)にも接続されることに留意されたい。
【0025】
図11は、図10の一部を詳細に示す。各パッチ139は、x寸法176およびy寸法177を有する。隣接するパッチの空隙は、図に示すように、寸法171と寸法172との間で交互に反復するパターンで変化し、これにより、パッチ配列は、パッチ間の平均周期が1つおきのパッチの周期の半分に等しく、ほぼ周期的であると見なすことができる。寸法178は、導電層117に接するTSV115の直径である。導電構造体127は、y寸法179を有する。導電構造体128(図9)および127は、同じ寸法であることに留意されたい。
【0026】
図12は、インタポーザ110の内部層117のさまざまな導電性部分と、TSV115とに対するスロット共振器114の相対的位置を含む図10の別の部分をさらに詳細に示す。
【0027】
スロット共振器114の特定の実施形態は、インタポーザ110の外側導電層116内のI形状の開口部であり、空隙寸法193、x寸法191およびy寸法192を有する。内側導電層117の共平面導波路(CPW)は、送信構造体113の一部と、グラウンド層である導電構造体129の一部とを含み、それらは寸法153分だけy方向に隔てられている。特に、送信構造体113の薄型の導電部分167は、マイクロストリップ給電線路165と呼ばれる送信構造体113の厚い部分に接続する共平面導波路の導体部分である。マイクロストリップ給電線路165は、x寸法194およびy寸法195を有する。遷移部196は、マイクロストリップ給電線路165と導電部分167との間に存在する。
【0028】
スロット共振器114を囲む導電構造体129の環状部分は幅寸法180を有する。送信構造体114の薄型部分の両側における導電構造体129の厚型部分は、共平面導波路の一部であり、y寸法182を有し、マイクロストリップ給電線路165の向きにグラウンド層139の環状部分を越えて寸法183だけ延伸する。導電構造体129の環状部分内でのインタポーザ110の露出している基板は、x寸法197およびy寸法198を有する開口部を形成する。TSV115は、共平面導波路および開口の導電部分167を囲むように導電構造体129に接し、隣接するTSV115間の周期寸法189を有する。マイクロストリップ給電線路165および共平面導波路導体175を含む送信構造体113の全長は、x寸法185(図示せず)である。
【0029】
図10に戻って、パッチ139の各1つは、対応するTSV115によってインタポーザ110の対向するグラウンド層166に接続されることが認識されよう。パッチ139、TSV115およびグラウンド層166のこの組み合せは、EBGユニットセルを形成し、複数のEBGユニットセルは、電磁バンドギャップ構造体と呼ばれるメタマテリアルを形成する。同様に、図4のアンテナ構造体に戻り、パッチ410、TSV145および導電層147の各組み合せがEBGユニットセルを形成し、複数のEBGユニットセルは、アンテナ構造体140と一体化される電磁バンドギャップ構造体でもあるメタマテリアルを形成することが認識されよう。本願明細書に記載する電磁バンドギャップ構造体は、77GHzレーダー用途を支援するために選択されている。
【0030】
2つのタイプのEBGユニットセルを、本願明細書で言及する。第1のタイプのEBGユニットセルは、非損失性の電磁バンドギャップ構造体を形成するように他の非損失性のEBGユニットセルが併用される非損失性のEBGユニットセルと本願明細書では呼ばれ、所望の周波数範囲にわたって横電場モード(TEモード)における電力を有意に吸収しないため、非損失性の電磁バンドギャップ構造体はこのように名付けられる。したがって、TEモードは、反動減衰を受ける可能性はあるが、吸収減衰を受けない。一実施形態では、隣接するEBGユニットセルのパッチが、互いに電気的に絶縁されることを確実にすることによって非損失性のEBGユニットセルが実装され、隣接するパッチは、それらの間の実効抵抗が10MΩ超などのように大きい場合、互いに電気的に絶縁されていると考えられる。EBGユニットセルパッチ間の実効抵抗に関して、本願明細書で使用される用語「実効抵抗」は、それぞれのTSVおよび下層のグラウンド層を介して電気的に接続していない隣接する電磁バンドギャップパッチを想定して測定されうる直接(DC)抵抗を指す。アンテナ構造体140の電磁バンドギャップ構造体は、非損失性の電磁バンドギャップ構造体である。
【0031】
第2のタイプのEBGユニットセルは、損失性の電磁バンドギャップ構造体と呼ばれるメタマテリアルを形成するように、他の損失性のEBGユニットセルと併用される損失性のEBGユニットセルと本願明細書では呼ばれ、損失性の電磁バンドギャップ構造体は、TEモードで所望の周波数範囲にわたって電力を有意に吸収する。たとえば、本願明細書に記載する損失性の電磁バンドギャップ構造体は、ダイ120の上および下を伝播する77GHz信号に関して、本願明細書に開示する集積アンテナパッケージのTEモードで、1つのEGBユニットセル当り少なくとも3dB分、1つのEGBユニットセル当り5dB分などの電力を吸収できるが、本願明細書に記載する非損失性の電磁バンドギャップ構造体は、スロット共振器の上の集積アンテナパッケージのTEモードで電力を吸収しない。その代わりに、スロット共振器によって励起されたTEモードは、非損失性の電磁バンドギャップ構造体による吸収とは対照的に、反動的に減衰し、これにより、90度位相が異なるため、所定の位置で反動性のE場およびH場に伝播しない。図13は、配置図の形式で、特定の実施形態による損失性の電磁バンドギャップ構造体の一例を示し、損失性のEBGユニットセルのパッチ139は、非損失性の電磁バンドギャップ構造体の隣接パッチ間の実効抵抗未満である実効抵抗190(図示される)によって、隣接するEBGユニットセルのパッチ139に電気的に接続される。たとえば、実効抵抗190は、非損失性の電磁バンドギャップパッチの隣接するパッチ間の実効抵抗より少なくとも1桁少ない、2桁少ない、あるいは、3桁少ないことがある。一実施形態では、実効抵抗190は175Ωである。図14に示す特定の実施形態では、パッチ間の有効抵抗180は、隣接するEBGユニットセル間でグリッドを形成する空隙に、1KΩ/sq.のシート抵抗を有するドープポリシリコンなどの抵抗物質で満たすことによって規定され、非損失性のEBGユニットセルのパッチ間の材料のシート抵抗は、少なくとも10倍、100倍または1000倍などかなり大きい。そのような抵抗層の一部168は、図14の断面図でのパッチ139間に示される。損失性の電磁バンドギャップ構造体のパッチ間に形成される意図的な抵抗器に関連する物理構造は、非損失性の電磁バンドギャップ構造体には存在しない。
【0032】
図15は、インタポーザ110に装着されたダイ120を追加した図2の断面図を示す。ダイ120は、ベースバンド情報などの情報を他の制御装置に供給するため、動作時にマイクロストリップ給電線路165で受信したRF信号を復調する能動電気部品および受動電気部品を含むRF受信機チップでありうる。ダイ120は、動作時にマイクロストリップ給電線路165に提供されるRF信号にベースバンド情報などの情報を調節するRF送信機チップでありうる。あるいは、ダイ120は、上に示すように、RF信号を送受信するRFトランシーバチップでありうる。動作では、ダイ120のアクティブ構造体は、受信または送信される77GHz信号などのミリ波信号を増幅するために使用されるRF増幅器(図示せず)を含む。ダイ120は、インタポーザに最も近いダイの側面であるアクティブ側(図示せず)の外側周辺部に沿って、1または複数の接地リングを含む端部シールを有することができ、接地リングは、所望の周波数の波長以下の周期寸法を有するTSVによって接地した背面側に接続される。
【0033】
図16は、図15のダイ120およびインタポーザ110の一部を詳細に示す。図16では、ダイ120は、ダイ基板の背面側にわたる導電層123と、ダイボンドパッド134と、スタッドバンプ相互接続部121とを含むことを示している。導電層123は、寸法220の厚みを有する金を含むことができる。スタッドバンプ121は、ダイボンドパッド134およびインタポーザボンドパッド134(図9)に接続される。寸法223の空間は、ダイパッド134を含むダイの金属層と、インタポーザの導電層117との間で形成される。スタッドバンプ相互接続部121は、銅を含むことができる。データ情報とグラウンドなどの基準電圧とを含む信号は、ダイ120とインタポーザ110との間でスタッドバンプ相互接続部121を介して通信される。
【0034】
動作では、ダイ120の回路部および相互接続部は、望ましくない電波信号を放射する可能性があり、たとえば、それらを介して流れる高周波電流に応じて信号を送信する高周波雑音源として動作しうる。記載するタイプの遮蔽されたパッケージ内に封入される場合、これは、インタポーザ110で共平面導波路に連結できる広範囲の周波数にわたって望ましくないTEモードをもたらす可能性がある。ダイ120によって生成される望ましくないTEモードの影響を減少させるために、ダイ120の下のEBGユニットセルと、ダイ120に隣接する第1の完全なEBGユニットセルは、損失性のEBGユニットセルであるように形成される。図17を参照すると、表示線13の左側のパッチ139は、図14に示すタイプのものでありうる損失性のEBG電磁バンドギャップrに関連する。残りのEBGユニットセル(図17の表示線13の右側)は、非損失性のEBGユニットセルに関連する。本願明細書に記載する77GHz装置に関して、たとえば、60〜130GHzまたは65〜120GHzなどの広範囲の周波数を用いるTEモードの電力を吸収することができる。
【0035】
図17は、図15のアセンブリの上面図を示し、インタポーザ110に対して、ダイ120と、そのスタッドバンプ相互接続部219との相対位置を示す。図18は、導電層117の共平面導波路部分に近い図17の一部をさらに詳細に示す。特に、導電層129の左端部から、共平面導波路の導電部分167を囲む空隙の左端部までの距離は寸法158である。導電部分167と導電層129との間のx軸方向の距離は寸法152である。導電部分167と導電層129との間のy軸方向の距離は寸法153である。導電構造体167の共平面導波路部分の最左端部とダイ120の最右端部との間の距離は寸法151である。
【0036】
図19は、導電性スペーサ150をインタポーザ110に追加した図17の断面図を示す。スペーサ150は、寸法511の高さを有し、導電性接着材層521によってインタポーザ110に接続される(図22)。スペーサ150は、基板インタポーザ110の導電リング124に電気的に接続する導電体を含む。一実施形態では、スペーサ150は、低導電性の中心部を囲む金属層などの導電性の外層を含む。図20は、図19のアセンブリの平面図を示し、スペーサ150、ダイ120、インタポーザ110およびスロット共振器114の相対的位置を示す。スペーサ150は、内側縁部から外側縁部の寸法512と、全体のx寸法513と、全体のy寸法514とを有する環状形を有する。
【0037】
図21は、キャップ130を追加した図19と同じ断面図を示す。キャップ130は、x寸法301、厚さ寸法302を有し、導電性接着材層522(図22)によってスペーサ150に接続される。図22は、ボール型相互接続部160、インタポーザ110、スペーサ150、キャップ130ならびに導電性接着材層521および522を含む図21の一部を示し、導電性接着材層は、0.02Ωcmの抵抗率と、厚さ寸法523とを有するエポキシ層でありうる。
【0038】
図23は、キャップ130のシリコン基板の端部から寸法331オフセットされた強固なグラウンド層として、外側導電層136を含むキャップ130を示す。キャップ130は、全体のx寸法333および全体のy寸法332を有する。外側導電層136は、x寸法335およびy寸法334を有する。
【0039】
図24は、内側導電層137を形成する誘電部によって分離された2つの共平面導電層の1つである導電層342を示す。2つの導電層342および343(図27)のそれぞれは、厚さ寸法11を有する金であってよく、寸法13を有する誘電体層の厚みによって分離されうる。導電層342は、パッチ346を含むキャップ130のシリコン基板に最も近い層であり、第2の導電層は、図27に示しており、導電層342を覆うパッチ356を含む。
【0040】
図24に示すものは、導電リング341、パッチ345、パッチ346および導電構造体349を含む導電層342のさまざまな部分である。導電リング341は、内側縁部から外側縁部の寸法312と、全体のx寸法313と、全体のy寸法314とを有する環状形を有する。パッチ345は、上に記載したように、パッチ139と同じ寸法および間隔の正方形のパッチである。導電構造体349の左側部分は、y寸法316およびx寸法315を有する。導電構造体349の環状部分は、y寸法317の厚みとx寸法317の厚みとを有する。図25に関してさらに詳細に記載するように、導電リング341、導電構造体349、パッチ345およびパッチ346は、それぞれ対応するTSV135に接続される。
【0041】
図25は、TSV135が層137の導電層342に接する位置およびダイ120の相対的位置を示す図24の平面図である。図に示すように、TSV135の6つのコンセントリックリングが層342の周辺部の近くで形成される。TSVの各コンセントリックリングは、隣接する同心のTSVリングからオフセットされ、三角格子構造を形成する。各列内のTSVの周期は寸法381である。導電層137に接続するTSV135の直径は寸法382(図示せず)である。パッチ345および346の各1つは、対応するTSV135によってキャップ130の反対側でグラウンド層136に接続されることが認識されよう。パッチ345、TSV135およびグラウンド層136の各組み合せは、上に記載するEBGユニットセルを形成する。特定の実装では、EBGユニットセルは、ダイ120の周辺位置の内部または部分的に内部にあると示され、ダイ120の位置に隣接するユニットセルは、上に記載する損失性のEBGユニットセルであり、このため、ダイ120の上でTEモードを大幅に抑制する。パッチ346に関連する他のEBGユニットセルのそれぞれは、非損失性のEBGユニットセルであり、このため、TEモードを有意に吸収しない。同様に、パッチ346、TSV135およびグラウンド層316の各組み合せは、図27に示すように、上を覆う導電層343で、複数のパッチにも関連する非損失性のEBGユニットセルの一部を形成する。
【0042】
図26に示すように、パッチ346は、オフセットされた列および行に配置され、共通列におけるパッチと周期寸法351を有し、パッチ346の列と行との間の距離は周期寸法352となる。パッチ346のそれぞれは、x寸法353およびy寸法353を有する。パッチ346の最左端および最右端の行は、導電構造体349の環状部分から寸法354分オフセットされる。パッチ346の最上端および最下端の列は、導電構造体349の環状部分から寸法355分オフセットされる。
【0043】
図27は、図24のような第1の導電層342と、第1の導電層を覆う第2の導電層343とを示し、このため、第1の導電層342は、第2の導電層343とキャップ構造体130の基板との間にある。一実施形態では、第2の導電層は、グリッドパターンを形成する行および列の方向に配置された複数のパッチ356を含み、これらのパッチは、誘電体層によってパッチ346から分離され、図示するようにパッチ346に重なる。特に、第2の導電層343の4つのパッチ356は、対応する第1の導電層342の各パッチ346の隅部に重なる。第2の導電層343のパッチ356は、互いに電気的に絶縁され、これにより、ビア135には接続されない。図28に示すように、各パッチ356は、側面寸法357を有する正方形であり、共通パッチ346を覆う隣接パッチ356の中心間距離は、x寸法362およびy寸法363である。パッチ346と、その上を覆う4つのパッチ356(他のパッチ346と共有される)と、TSV135と、グラウンド層136の各組み合せは、複数のパッチ層を有する非損失性のEBGユニットセルを形成する。
【0044】
図29は、本開示の特定の実施形態による方法のフローチャートを示す。処理601では、集積回路ダイから輻射したRF信号の第1の周波数範囲にわたるTEモードの電力は、集積回路ダイ上のメタマテリアルで吸収される。一実施形態では、メタマテリアルは、図1に示すようにキャップ130の位置131における開示する損失性の電磁バンドギャップ構造体などの損失性の周波数選択面(FSS)であり、吸収される信号は、ダイ120の上と、ダイ120の主要表面とに対して平行方向に伝播される。一実施形態では、所望の中心周波数の両側で最小上下幅の所望のバンド幅に等しい周波数範囲でTEモードが1つのEGBユニットセル当り少なくとも3dB、1つのEGBユニットセル当り5dBなどだけ吸収される。たとえば、77GHzの中心周波数の所望の信号を有する集積アンテナパッケージに関しては、60〜130GHzまたは74〜83GHzの周波数範囲にわたるTEモードにおける電力は、集積回路ダイを覆う損失性の電磁バンドギャップ構造体によって1単位セル当り少なくとも3dB分減衰する。
【0045】
処理602では、スロット共振器から放射されたRF信号の周波数範囲のTEモードにおける電力は、マイクロストリップ給電線路の上方のメタマテリアルによって反動的に減衰するが、吸収はされず、反動的に減衰する電磁場は、全半径方向にスロット共振器から外側に伝播されている。一実施形態では、メタマテリアルは、図1に示すように、キャップ130の位置132における開示する非損失性の電磁バンドギャップ構造体などの非損失性の周波数選択面(FSS)である。一実施形態では、マイクロストリップ給電線路の上方のメタマテリアルは、TEモードを反動的に減衰させるが、所望の中心周波数の両側で最小上下幅の所望のバンド幅に等しい周波数範囲においてTEモードを吸収しない。たとえば、77GHzの中心周波数の所望の信号を有する集積アンテナパッケージに関しては、74〜80GHzの周波数範囲のTEモードにおける電力は、実質的に吸収されないが、反動的に減衰している。したがって、TEモードにおける磁界は、スロットからの半径方向距離に従って減少するが、電力は、非損失性の電磁バンドギャップ構造体によってマイクロストリップ上の位置132において実質的に伝達もされず、吸収もされない。非損失性の電磁バンドギャップ構造体による反動性減衰によるTEモードの減衰は、損失性の電磁バンドギャップ構造体による吸収のため、TEモードの減衰より狭い帯域幅にわたって発生することに留意されたい。
【0046】
図30は、本開示の特定の実施形態による方法のフローチャートを示す。処理611では、集積回路ダイから輻射したRF信号の第1の周波数範囲にわたるTEモードにおける電力が、集積回路ダイの下方のメタマテリアルによって吸収される。一実施形態では、メタマテリアルは、図1に示すように、インタポーザ110の位置111の損失性の電磁バンドギャップ構造体であり、吸収される信号は、ダイ120の下と、ダイ120の主要表面と平行な方向に伝播される。一実施形態では、所望の中心周波数の両側で最小上下幅の所望のバンド幅に等しい周波数範囲のTEモードにおける電力は、1つのEGBユニットセル当り少なくとも3dB、1つのEGBユニットセル当り5dBなどが吸収される。たとえば、77GHzの中心周波数の所望の信号を有する集積アンテナパッケージに関して、60〜130GHzまたは74〜80GHzの周波数範囲にわたるTEモードにおける電力は、集積回路ダイを覆う損失性の電磁バンドギャップ構造体によって1単位セル当り少なくとも3dB分減衰する。
【0047】
処理612では、スロット共振器から放射されたRF信号の周波数範囲のTEモードにおける電力は、マイクロストリップ給電線路の上方のメタマテリアルによって反動的に減衰するが、吸収されない。反動的に減衰する信号は、全半径方向でスロット共振器から外側に伝播される。一実施形態では、メタマテリアルは、図1に示すように、キャップ130の位置132における非損失性の電磁バンドギャップ構造体である。一実施形態では、マイクロストリップ給電線路の上方のメタマテリアルは、TEモードを反動的に減衰させるが、所望の中心周波数の両側で最小上下幅の所望のバンド幅に等しい周波数範囲でTEモードを吸収しない。たとえば、77GHzの中心周波数の所望の信号を有する集積アンテナパッケージにおいては、74〜80GHzの周波数範囲のTEモードにおける電力は、実質的に吸収されないが、TEモード場は反動的に減衰している。非損失性の電磁バンドギャップ構造体による反動性減衰によるTEモードの電力の減衰は、損失性の電磁バンドギャップ構造体による吸収のため、TEモードの電力の減衰より狭い帯域幅にわたって発生することに留意されたい。
【0048】
図31は、ダイの上および下の周波数選択面を含む本開示の特定の実施形態による方法のフローチャートを示す。処理621では、集積回路から放射された第1の周波数範囲のTEモードにおける電力は、図29の処理601に示すように減衰する。処理622では、集積回路ダイから放射された第1の周波数範囲のTEモードにおける電力は、図30の処理611に示すように減衰する。処理623では、スロット共振器から放射された第1の周波数範囲のTEモードは、図29の処理602に示すように減衰する。
【0049】
図32は、代替のアンテナ構造体の平面図を示す。図32のアンテナ構造体は、寸法654の長さ、寸法655の幅、寸法652の空洞長、寸法653の空洞幅を有し、パッチ625および626を含む2つのパッチアンテナを含む。パッチ625および626のそれぞれは、下層のインタポーザの外側の導電性表面に、対応するスロット共振器614および615を有する。スロット共振器614および615のそれぞれは、インタポーザの内側の導電性表面における対応するマイクロストリップ給電線路(図示せず)に関連し、ダイ接触を分離するために接続される。パッチ625および626の寸法は、パッチ143と同じでありうる。振動子スロット614および615の寸法は、スロット共振器114と同じでありうる。以下に記載するレーダーシステムなどの信号処理時には、単一パルスレーダーシステムでより正確な角度測定を実施するために、2つのパッチアンテナ受信機から受信された情報を使用することによって、合計および差分パターンを作製することができる。代替の実施形態では、集積アンテナパッケージに実装される2つのパッチアンテナの1つは送信機に関連させることができ、2つのパッチアンテナのもう1つを受信機側に関連させることができる。
【0050】
【表1】
図33は、レーダーモジュール1100の機械的パッケージの上面図を示す。明確には示さないが、機械的パッケージは環境パッケージ内に入れることができる。一実施形態では、反射信号は、レーダーモジュール1100の1または複数の受信モジュールで受信され、障害の位置を求めるために制御/処理回路によって処理される。レーダーモジュール1100は、位相アレイレーダー方式とは対照的に、混信の可能性を減少させ、簡易型キャリブレーションを容易にするために、単一パルスレーダー方式を実装することができる。一実施形態では、反射信号は、レーダーモジュール1100の1または複数の受信モジュールで受信され、障害の位置を求めるために制御/処理回路によって処理される。レーダーモジュール1100を実装する乗用車は、障害の検出された位置に基づき、衝突防止警告または衝突防止動作を実施することができる。
【0051】
レーダーモジュール1100は、外部の電気的インタフェース1120を有し、多重のコネクタと、別個の送信部分および受信部分に関連する複数の位置とを含むことを示す。別個の送信部分および受信部分のそれぞれは、図33に示す放物線状構造体1111〜1115の1つに関連しており、互いに対して異なる方向に面するように配置される。特定の実施形態によれば、放物線状構造体1111〜1114は対応するRF受信機に関連し、放物線状構造体1115はRF送信機に関連する。特定の実施形態では、RF受信機1111〜1114は、反射したレーダー信号を受信し、送信能力を有しない。RF送信機1115は、反射するRF信号を送信し、受信能力を有しない。
【0052】
放物線状構造体1111は、中心線1710で示す方向に面して配列する。放物線状構造体1112は、中心線1720で示す方向に面して配列する。放物線状構造体1115は、中心線1750で示す方向に面して配列する。放物線状構造体1113は、中心線1730で示す方向に面して配列する。放射状構造体1114は、中心線1740で示す方向に面して配列する。レーダーモジュール110の中心線は、放物線状構造体1115への中心線と同じである。放物線状構造体1111は、中心線1750から20〜35度の角度分、28度分などオフセットされた中心線1710によって規定された方向に面する。放物線状構造体1111は、20〜35度の角度分、28度分など、線分1711と線分1712との間の角度分によって規定された総方位角ビーム幅を有する。放物線状構造体1112は,中心線1750から15度の角度分オフセットされた中心線1720によって規定された方向に面する。放物線状構造体1113は、中心線1750から15度の角度分オフセットされた中心線1730によって定義された方向に面する。放物線状構造体1114は、中心線1750から30度分オフセットされた中心線1740によって定義された方向に面する。受信構造1111〜1114のそれぞれは、隣接する放物線状構造体の輻射パターンに重なるそれぞれの中心線に対して、同じ方位角ビーム幅を有する。線分1711と線分1742との間のレーダーモジュール1100の受信機の有効な総方位角ビーム幅は、45〜90度、60度などである。受信構造体である放物線状構造体1111〜1114間の方位角ビーム幅の重なる広がりと、送信構造体である放物線状構造体1115の方位角ビーム幅は、レーダーモジュールで利用可能な角カバレッジを提供する。中心線1750、放物線状構造体1115および放物線状構造体111〜1114は、線分1751と線分1752との間の角度、45〜90度などによって規定される方位角ビーム幅を有する。たとえば、60度などである。
【0053】
動作では、放物線状の送信構造体1115を含むレーダーモジュール1100の送信機部分は、77GHzなどの所望の周波数で高周波レーダー信号を送信する。送信機部分は、集積アンテナパッケージ(図1)内の単一パッチアンテナまたはデュアルパッチアンテナなどのアンテナ構造体を含むことができ、これは反射表面、レンズなどまたは、それらの組み合せなどの二次アンテナまたは複合アンテナを照射し、回避すべき潜在的障害物の所望の方向に電磁エネルギーを再輻射する。放物線状構造体1115は、受信後に受信したレーダー信号を向ける受信機部分1111〜1114の反射器表面から独立している送信レーダー信号を向けるために別個の反射器表面を有する。
【0054】
図34は、図33のレーダーモジュール1100の正面図を示す。特に、図34は各放物線状構造体1111〜1115のそれぞれに対する偏光表面を有する各フロントカバーレイドームを示す。
【0055】
図35は、ハウジングベース1210およびハウジングカバー1220を含むレーダーモジュール1100のさまざまな構成要素の等角図を示し、これらの構成要素は電子アセンブリ1300を受けて、収納する。ハウジングカバー1220を覆うのは、電磁(EM)吸収材1410と、レンズ1500と、放物線状構造体1111〜1115に対応するパラボラ反射鏡1420と、偏光部分1430とを含むフロントカバーである。
【0056】
一実施形態によると、動作では、電子アセンブリ1300の背面側にマウントされる集積アンテナパッケージは、プリント回路基板、電磁波吸収体1410およびケーシングカバー1220に存在する配列した開口部を通して、レーダー信号を送信または受信する。レンズ1500は、受信信号および送信信号に焦点を合わせる。たとえば、送信信号は、吸収材1410の開口部と連携するレンズを通過後、パラボラ反射鏡1420の内側反射面から反射される。モジュールの送信部分では、レンズは、下層のアンテナからエネルギーを形成して、さらに効率的に反射器表面を照射し、吸収材1410は、モジュールによって内部的に生成される望ましくない信号であり所望の信号の高調波分を含む、スプリアス信号を吸収する。モジュールの受信部分では、受信信号は、下層のアンテナに信号エネルギーを形成して、焦点を合わせるレンズを通過する前に、パラボラ反射鏡構造体1420の内側の反射面から反射され、吸収材1410は、特定の望ましくない方向から受信した信号などの望ましくない外部信号を吸収する。
【0057】
図36は、電子アセンブリ1300の一部をさらに詳細に示す。特に、図36は、外部インタフェース1120(コネクタ)、受信装置1311〜1314、送信装置1315および処理/制御装置1320を含む電子アセンブリの背面側部分を示す。送信装置1311〜1314および受信装置1315は、上に記載するような集積アンテナパッケージ(図1)または他の集積化されていない装置であってもよい。処理/制御装置は、さまざまな信号処理または制御用電子機器を含むことができ、パッケージ化された、または、フリップマウントされた半導体ダイを含むことができる。上に記載するタイプの集積アンテナ装置が使用される場合、各アンテナ部分は、図37にさらに詳細に示すように、プリント回路基板の対応する開口部の上に位置決めされる。
【0058】
図37を参照すると、装置1313および1314のアンテナ部分は、集積アンテナパッケージであり、電子アセンブリ1300のプリント回路基板の開口部に示す。特に、集積アンテナ1313および1314の一部1303および1304は、それぞれ、プリント回路基板の開口部によって示し、反射したレーダー信号を受信するためのパッチアンテナ(図示せず)を含む。電磁バンドギャップ構造体1324および1323などの周期構造体は、対応する開口部でプリント回路基板に集積される。たとえば、電磁バンドギャップ構造体1323および1324は、開口部1323および1324をそれぞれ囲む非損失性のEBGユニットセルを含むことができ、開口部を通ってレーダー信号が送受信される。電磁バンドギャップ構造体は、図38に、さらに詳細に示す。
【0059】
図38は、開口部1324と、受信装置1314と、対応するEBGユニットセルに関連する複数の電磁バンドギャップパッチのうち6つの電磁バンドギャップパッチとを示し、6つのパッチのうち3つが開口部1324のいずれか一方の側に電磁バンドギャップ構造体を形成する。受信機1314は、電子アセンブリの印刷されたPCB基板に装着されたはんだボールと、開口部1324でマウントされるパッチアンテナ1334を含むアンテナ部分1304とを含む集積アンテナパッケージである。上に記載するように、電磁バンドギャップ構造体は、複数のEBGユニットセルを含み、各EBGユニットセルは、導電性のパッチ1391と、基板貫通ビア1392と、背面金属1393によって実装されたグラウンド層との組み合せによって形成される。EBGユニットセルの周期は、本実施例の77GHz設計周波数では150μmである。プリント回路基板の各開口部は、対応する電磁バンドギャップ構造体によって囲まれることが認識されよう。
【0060】
図39は、レーダーモジュール1100の放物線状構造体1112における部分の断面等角図を示す。放物線状構造体1112は、フェンス吸収材1642、反射鏡部分1622、前方部分および下層の電子アセンブリ1300の一部を含む。表面部分は、反射部分1622によって形成される放物線状構造体1112の開口部1673を含む偏光表面1632を含む。各放物線状構造体1111〜1115のそれぞれは、独立した放射開口部およびエッジ処理部1662を含むことが認識されよう。
【0061】
偏光表面1632は、開口部1673で受信された反射信号を偏光し、反射器部分1622の放物線形によって形成される。一実施形態では、開口部1673の高さは60mm超、67mmなどであり、最終的なアンテナビームの所望のパターン特性に依存する。放物線状構造体1112の内側でのエッジ処理部1662は、エッジで望ましくない表面電流を減少させ、望ましくない方向からの信号を抑圧する吸収材である。したがってエッジ処理部1662は、動作時に送信信号に対して望ましくない影響を引き起こすエッジ電流を減少させる。エッジ処理部1662は、吸収特性のために選択されるさまざまな市販材料のいずれのものであってよく、磁性があり、炭素を含むなど、および、それらの組み合せである吸収剤を含む。
【0062】
フェンス吸収材1642は、レンズ1653と連携する開口部および電子アセンブリ1300のアンテナ構造体を含むグレーデッド構造体(graded structure)である。レンズ1653の上側部分は、フェンス吸収材1642の開口部を通して露出している。
【0063】
図40は、放物線状構造体1112をさらに詳細に断面図に示す。反射鏡部分1622の内側表面は、77GHz信号などの受信信号を反射する高品質な反射表面である。高品質な表面は、選択的に配置することができる。たとえば、反射鏡部分1622の構造部分は、射出成形構造などのプラスチック材であってもよく、高反射性の表面を備えるために内側表面に沿って金属化されている。放物線状構造体1112の形状は、放物線状構造体1622の開口部1674(図40)を形成し、図41に示すように、レンズ1653への受信信号の焦点を合わせる。
【0064】
また、図40に示すものは、フェンス吸収材1642である。フェンス吸収材1642は、望ましくない周波数範囲を吸収するために、1または複数の個々のレベル中で連続的に変化し、1または複数の個々のレベルで離散的に変化するなど、および、それらを組み合せたグレーデッド吸収材でありうる。たとえば、フェンス吸収材を形成する材料は、1または複数のレベルを通して連続的または離散的に変化する特性を有することができる。「連続的に」という用語は、グレーデッド吸収材に関して使用され、特定のレベル通じて比較的一定である特性変化を示す。「離散的に」という用語は、グレーデッド吸収材に関して使用され、レベルの離散層間で比較的突然発生する特性変化を示す。たとえば、グレーデッド吸収材は、特定のレベルを形成する材料にわたって徐々に変化する特性を有することができる。そのような特性の例は、特定の材料の存在、材料割合、レベルの電導性など、および、それらの組み合せなどの物理学的特性を含みうる。その代わりに、グレーデッド吸収材の特徴は、連続的とは対照的に、上部から下部まで同量ずつ離散的に変化することができ、離散的な層は、「階段ステップ」勾配になるなど、特性は複数の位置でさらに突然に変化し、たとえば、離散層はさまざまな特性を有する。グレーデッド吸収材の例は、導電体および非導電体、多層状に装填した発泡材、多層状に磁気的に装填したセラミックス、および、それらの組み合せなど材料の相対量を変化させることによって、広帯域吸収材になるように調整された成形シンタクチックフォームを含む。
【0065】
説明する実施形態では、フェンス吸収材1642は、望ましくない方向からの反射および信号を抑制する多層を有するグレーデッド吸収材を含む。たとえば、吸収材1642は、表面電流を抑制でき、プリント回路カードおよびパラボラ反射鏡によって定義される量の範囲内で信号を吸収する。説明する実施形態では、フェンス吸収材1642は、電導性のグレーデッド構造体であり、交通騒音または他の平滑表面に起因する反射などの高角度入射高周波反射を吸収するために配置される。フェンス構造体1642は、下側レベル、すなわち、電子アセンブリ1300にさらに近くでは、1/4波長厚さである部分1674と、中間レベルでは、3/4波長厚さである吸収材部分1673と、上側レベルでは、2波長厚さである吸収材部分1672とを含む。さまざまな層の厚さは、特定のレベルで吸収材帯域幅を改善するように変化する。フェンス吸収材1642の吸収剤部分1672〜1674を覆う層1671は、表面端部で電流を減少させる磁気的に装填した材料である。各フェンス吸収材部分1672〜1674は、上側部分より高い導電性である下位部を含む。たとえば、1/4波長であるフェンス吸収材部分1674は、1/4の波長信号を吸収し、存在するレベル範囲内の下側部分を有し、対応するレベルの上側部分よりも高い導電性である。たとえば、レベルの下側部分は銀を含むことができるが、上側部分は、銀の少ない、あるいは、銀が存在しない導電性炭素材を含むことができ、レベルの下側部分ほど導電性を有しない。反射器1622の内側表面は、1/4、3/4および2波長信号をほぼすべて吸収するフェンス吸収材と対照的に、1/4、3/4および2波長信号を含む所望の周波数付近の周波数範囲を実質的に同量分ほぼすべて反射することに留意されたい。
【0066】
フェンス構造体1642は、受信信号によって生成される表面エッジ電流を減少させるために傾斜し、角度があり、前方に面する部分を有する。
動作では、図41にさらに示すように、反射したレーダー信号は、放物線状構造体1111の内側の反射面からレンズ1653に反射し、下層のパッチアンテナに信号の焦点を合わせるか、あるいは反射器の反射面を照射するために選択されたビームを形成するように選択される。たとえば、広い円錐ビームは、下層のアンテナ素子上に投射でき、このアンテナは、特定の実装においてパッチアンテナである。
【0067】
図42は、1または複数のレーダーモジュールを配置できる自動車990、乗用車などの前部を示す。各レーダーモジュールは、自動車の対応するコンセント(図示せず)にコネクタ1120を差し込むことによって、自動車両と物理的かつ電気的に連動する。特に、レーダーモジュール1101および1103は、車両の隅部の近くに搭載されることを示し、レーダーモジュール1100の曲面形状が、乗用車の前面から側面に移行する乗用車の隅部の移行部分と一致している。特に、モジュール1101および1103の中心線1750は、乗用車の前方に面する中心線である前向き方向999からオフセットされる。レーダーモジュール1102が、図42の乗用車990の前部に実装されている。特に、モジュール1102の中心線は、図33に示す中心線1750であり、前向き方向999と一致する。多かれ少なかれレーダーモジュールは、使用できることが認識されよう。たとえば、モジュール1102のみを使用してもよく、モジュール1101および1103のみを使用してもよく、あるいは、モジュールをすべて使用してもよい。さらに、乗用車後部などの車両の他の位置にレーダーモジュールを実装することができる。角カバレッジを単一面に提供し、その面から外れたオブジェクトを拒絶するように、モジュールを搭載することができる。
【0068】
本願明細書で使用するように、用語メタマテリアルは、有効媒質モデルによって示されうる複合材を示すのに使用されることが認識されよう。一般に、メタマテリアルは、性質が周囲の母材と異なる1または複数の材料のサブ波長含有物から成る。そのようなメタマテリアルは、幅広い範囲の物理的尺度にわたってさまざまな電磁特性を有するように形成してもよく、設計尺度は波長で測定される。メタマテリアルは、あらゆる単一材料中には一般に見られない電磁特性を示す。
【0069】
空洞部を有する特定の集積アンテナパッケージは、本願明細書に記載する位置で、損失性の電磁バンドギャップ構造体などの損失性メタマテリアルを組み込むことによって、かつ、本願明細書に記載する位置で、非損失性の電磁バンドギャップ構造体などの非損失性メタマテリアルを組み込むことによって、77GHzで使用される場合に、空洞部の内側金属表面によって引き起こされる共振を緩和することが特定されている。空洞パッケージの使用は、所望の信号の中心周波数を移行させる可能性があり、あるいは、ポリマーモールド合成物の経時変化により、伝送損失性能が経時劣化する可能性があるオーバーモールディグ法を回避する。しかし、上の記載は、集積アンテナパッケージの実装およびレーダーモジュールの実装の具体例の説明に有用である実施形態を示すことが認識されよう。本開示の他の実施形態、用途および利点は、本願明細書に開示する仕様および実施を考慮すれば、当業者には明らかになることがさらに認識されよう。明細書および図面は、例示的なものであり、開示の範囲は、これに応じて、本願特許請求の範囲およびその同等物によってのみ限定されることを意図している。
【0070】
たとえば、開示するレーダーモジュールは、たとえば、個人用、家族用または家庭用の製品、自動車以外の他の道路走行が合法な車両(二輪車両、バスなど)、監視用途(ホームセキュリティ、交通量計測装置など)などの消費者製品で使用することができる。
【0071】
特定の材料や物質の特徴を本願明細書に示す場合には、同じ機能を実装するのに適した他の材料を使用してもよいことが認識されよう。たとえば、それらの動作機能性が維持される限り、導電構造体および導電表面は、さまざまな導体材料と、さまざまな寸法を使用して実装することができる。たとえば、0.02Ωcm未満の導電性を有する導電性エポキシを使用してもよい。または、動作が維持される限り0.02Ωcm超の伝導率を有する導電性エポキシを使用してもよい。さらに、十分な電導性が維持される限りは、金以外の他の導電体を使用できることが認識されよう。
【0072】
特定の寸法が77GHz集積アンテナパッケージの特定の実施形態のために提供されるが、これらの寸法は、77GHzでの動作機能性に比例した許容誤差によって変化し、適切に調整された動作を維持するために他の周波数の動作に基づく量によって増減できることが認識されよう。たとえば、77GHzでは、RF信号の送信に影響するさまざまな特性、たとえば共平面導波路、マイクロストリップ給電線路、スロット共振器、パッケージサイズ、空洞部サイズ、TSV周期、パッチなどは、公称量によって変化しうる寸法を有することができる。しかし、他のミリ波長周波数においては、これらの同じ特徴は、動作を維持するために、実装される周波数によって測定することができることが認識されよう。たとえば、さまざまな電磁バンドギャップパッチの平均周期およびサイズならびに指示されるTSVの周期は、高周波数信号に対して小さい寸法に通常縮小され、スロット共振器は、標的の77GHz動作または他の標的の動作周波数の付近で、広帯域性能を有する電磁結合を供給するように、単純なI−スロット以外の多くの形状の1つを有することができる。本願明細書に記載するさまざまな空洞部の寸法は、設計周波数によって変化し、さまざまな基板の周辺部のTSVの周期は、基板端部を通して送信されるRF雑音を減少させるように、所望の信号の波長よりかなり短くなるように選択され、電磁バンドギャップパッチのサイズおよび間隔は、周波数によって決められ得る。たとえば、77GHz設計のTSV間の周期は、77GHz信号の自由空間波長の約1/20である。本願明細書に示すさまざまなTSVは、端部から45度回転した正方格子に配列されるが、他の実施形態は、三角格子で配置されたTSVなどを実装することができる。
【0073】
特定の特徴のさまざまな実装は、他の実装に置き換えることができることもまた認識されよう。たとえば、本願明細書に開示する周期的な電磁バンドギャップ構造体は、ほぼ周期的な電磁バンドギャップ構造体または非周期的な表面として実装することができることが認識されよう。本願明細書に開示するほぼ周期的な表面は、周期的または非周期的として実装してもよい。さらに、説明するようにTE信号を減衰させる他の損失性メタマテリアルおよび非損失性メタマテリアルを含む他のメタマテリアルは、所望の成果を得るように示される位置で使用できることが認識されよう。さらに、図17の線13の右側の非損失性のEBGユニットセルは、損失性のEBGユニットセルであってもよく、電磁バンドギャップパッチ間の抵抗層は、導電構造体129のリング部分内に延伸しない。米国特許出願第12/711,923号明細書に開示されているような他のさまざまな電磁バンドギャップ構造体を使用することができ、その明細書は、全体を参照することにより本願明細書に引用したものとする。
【0074】
開示するレーダーモジュールに関して、大規模な準光学アンテナシステムへの給電時における開示する集積アンテナパッケージの使用によって、自動車衝突警告および自動車レーダー衝突回避システムなどの低コストかつ信頼性のある目標検出器を提供することが認識されよう。しかし、説明したもの以外の別種のアンテナ構造体を使用することができる。たとえば、パッチアンテナは、プリント回路基板自体に形成でき、他のさまざまなタイプのカプラーのいずれかによって給電することができる。さらに、それぞれの構成要素の方位角ビーム幅およびモジュール自体は変化しうる。たとえば、モジュールは、65度などの大きい方位角ビーム幅、または、小さい方位角ビーム幅を有する放物線状構造体からの送信を容易にすることが可能であり、モジュールの大きいあるいは120度などの小さい総受信方位角ビーム幅をさらに容易にすることが可能である。さまざまな数の送信部分および受信部分を実装することができる。たとえば、多数の送信部分を使用することができる。
【0075】
上に記載する機能または素子のすべてが必要ではなく、特定の機能または装置の一部は必要でなくてもよく、記載するもの加えて、1または複数の機能をさらに実行してもよく、あるいは、素子を含んでもよいことに留意されたい。さらに、機能が記載される順番は、必ずしも実行される順番を示さない。
【0076】
また、特定の実施形態に関して概念を記載している。しかし、当業者は、本願の特許請求の範囲に記載するように、本開示の範囲から逸脱することなくさまざまな変更および改変を行うことができることを認識する。
【0077】
便益、他の利点および問題の解決法は、特定の実施形態を参照して上に記載している。しかし、便益、利点、問題の解決法および便益、利点または解決法をもたらしうる、もしくは、さらに顕著となりうるあらゆる特徴が、本願特許請求の範囲のいずれか、あるいは、すべての重要な、必要な、または、不可欠な特徴であると解釈すべきではない。
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、パッケージング、さらに詳しくは集積アンテナパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
ミリメートル単位で測定される無線周波数で動作する集積回路ダイのパッケージングは、信号挿入損失および電磁干渉をもたらす可能性がある。さらに電子回路システムのサイズを減少することは、電気機器メーカーの中では、共通の目標であるが、そうすると減少したサイズの結果として、特定の性能に関するシステムの複雑さが増大する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公開第2009/0051467号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって信号挿入損失を低減し、パッケージ絶縁性を改善するレーダー用途の安価な高周波パッケージングソリューションは、有用であると思われる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、良く理解することができ、添付の図面を参照することによって、当業者に対して、多くの機能および利点が明確となりうる。
集積アンテナパッケージは、レーダーモジュールなどの安価な商用用途に使用するために開示される。レーダーモジュールは、本開示の特定の実施形態による衝突防止レーダーへの利用を目標とする。集積アンテナパッケージアーキテクチャは、フリップチップのスタッドバンプの接合法を用いて、ボールグリッドアレイ(BGA)にダイを連結するインタポーザを含む。共平面導波路(CPW)などの高周波(RF)信号伝送構造体は、インタポーザに集積され、ダイとインタポーザ上にも集積されるマイクロストリップ給電線路との間でRF信号を通信する。キャップは、ダイ、送信構造体および空洞部のマイクロストリップ給電線路をカプセル化するために、インタポーザに装着され、それによって、中心周波数などの動作特性の望ましくない変化を引き起こす可能性があるダイの直接カプセル化を回避する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本開示の特定の実施形態による集積アンテナパッケージの側面図である。
【図2】本開示の特定の実施形態による図1の集積パッケージの一部の側面図である。
【図3】本開示の特定の実施形態による図2の集積パッケージの一部の側面図である。
【図4】本開示の特定の実施形態による図2のアンテナ構造体の外側部分の平面図である。
【図5】本開示の特定の実施形態による図4のアンテナ構造体の外側部分の平面図である。
【図6】本開示の特定の実施形態による図3のアンテナ構造体の内側部分の平面図である。
【図7】本開示の特定の実施形態による図2の集積パッケージの一部の外側部分の平面図である。
【図8】本開示の特定の実施形態によるインタポーザの外側部分の平面図である。
【図9】本開示の特定の実施形態によるインタポーザ110の内側部分の平面図である。
【図10】本開示の特定の実施形態による基板貫通ビアの位置を示す図9の平面図である。
【図11】本開示の特定の実施形態によるインタポーザの一部をさらに詳細に示す図9の平面図の一部の図である。
【図12】本開示の特定の実施形態によるインタポーザの一部をさらに詳細に示す図9の平面図の一部の図である。
【図13】本開示の特定の実施形態による図9の平面図に示すパッチの一部の図である。
【図14】本開示の特定の実施形態による図13に示すパッチを含む電磁バンドギャップユニットセルの断面図である。
【図15】本開示の特定の実施形態によるインタポーザにマウントされたダイをさらに含む図2の集積パッケージの一部の側面図である。
【図16】本開示の特定の実施形態による図2のダイおよびインタポーザの一部の側面図である。
【図17】図9の平面図であり、本開示の特定の実施形態によるダイおよびダイの相互接続部の相対的位置の図である。
【図18】本開示の特定の実施形態による図17の平面図の一部をさらに詳細に示す平面図である。
【図19】本開示の特定の実施形態による環状構造体を含む図15の集積パッケージの一部の側面図である。
【図20】本開示の特定の実施形態による図15のダイと図19の環状構造体とを含む図9の平面図である。
【図21】本開示の特定の実施形態による集積アンテナ装置の側面図である。
【図22】本開示の特定の実施形態による図21の集積アンテナ装置の一部の側面図である。
【図23】本開示の特定の実施形態によるキャップの外側部分を示す図21の集積アンテナ装置の平面図である。
【図24】本開示の特定の実施形態による集積アンテナ装置のキャップの内側部分の第1の導電層の平面図である。
【図25】本開示の特定の実施形態による下層のダイ120および基板貫通ビアの位置をさらに示す図24の平面図である。
【図26】本開示の特定の実施形態による図25の集積アンテナパッケージの一部のさらに詳細な平面図である。
【図27】本開示の特定の実施形態によるキャップの第2の導電層での導電性パッチの位置をさらに示す図25の集積パッケージアンテナの平面図である。
【図28】本開示の特定の実施形態による図27の集積アンテナパッケージの一部のさらに詳細な平面図である。
【図29】本開示の特定の実施形態による方法のフローチャートである。
【図30】本開示の特定の実施形態による方法のフローチャートである。
【図31】本開示の特定の実施形態による方法のフローチャートである。
【図32】本開示の特定の実施形態によるアンテナ構造体の代替の実施形態の平面図である。
【図33】本開示の特定の実施形態によるレーダーモジュールの上面図である。
【図34】本開示の特定の実施形態によるレーダーモジュールの正面図である。
【図35】本開示の特定の実施形態による図1のレーダーモジュールのさまざまな部分の等角図である。
【図36】本開示の特定の実施形態による図35の電子アセンブリの背面側のさらに詳細な等角図である。
【図37】本開示の特定の実施形態による図36の電子アセンブリの前面側の一部の等角図である。
【図38】本開示の特定の実施形態による電子アセンブリの一部のさらに詳細な断面図である。
【図39】本開示の特定の実施形態による図1のレーダーモジュールの断面等角図である。
【図40】本開示の特定の実施形態による図39のレーダーモジュールの断面図である。
【図41】本開示の特定の実施形態による図40のレーダーモジュールの断面図において反射されているレーダー信号の図である。
【図42】本開示の特定の実施形態による自動車両に組み込まれるレーダーモジュールの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
インタポーザと共にダイをカプセル化するキャップは、77GHzなどの所望のミリ波周波数で集積アンテナパッケージの効率的運用を容易にするために、さまざまな種類のメタマテリアルを含む。特定の実施形態では、さまざまな種類のメタマテリアルは、損失性および非損失性の電磁バンドギャップ(EBG)表面などの損失性メタマテリアルおよび非損失性メタマテリアルを含み、動作時に集積アンテナパッケージの空洞部に発生する可能性がある高周波モードを減衰させる。スロット共振器は、マイクロストリップ給電線路からインタポーザの対向する共表面に形成される。パッチアンテナなどの外側表面の印刷アンテナを含むアンテナ構造体が、スロット共振器の上に空洞部を形成するように、インタポーザの外側表面に装着される。高周波送信時に、スロット共振器はパッチアンテナを励起する。
【0008】
そのような集積パッケージの特定の実施形態は、別個の送信セクションおよび受信セクションを提供することによって、同時送受信動作を得るレーダーモジュールを示す図1〜図32を参照することにより、さらに良く理解されよう。別個の送信セクションおよび受信セクションは、各アンテナにそれぞれ関連し、互いのセクションとは独立して動作する。送信システムは、モジュール一次給電として作用する送信アンテナ素子に電力を供給することにより実現され、一次給電素子は、パッチアンテナなどの印刷アンテナでありうる。給電アンテナ素子の実装は、本願明細書に集積回路アンテナに関して記載するパッチアンテナなどの電磁(EM)エネルギーを伝播できる任意のアンテナ素子でありうる。送信アンテナ素子は、反射表面、レンズまたはその両方の組み合せなどの二次アンテナまたは複合アンテナを照射し、回避すべき潜在的オブジェクトの所望の方向に電磁エネルギーを再輻射する。送信部分は、他の受信反射表面とは独立している別個の反射器表面を含む。受信システムは、受信部分の集まりによって実施され、各受信部分は、所望の振動数に近い周波数範囲の対応するアンテナ素子に向かって、電磁エネルギーのほぼすべてを反射する対応するパラボラ反射鏡を有する。本願明細書に記載するように、アンテナ素子はパッチアンテナであるが、受信アンテナ素子の実装は、電磁エネルギーを受信できるあらゆるアンテナ素子でありうる。これらの受信アンテナは、パラボラ反射鏡の表面、レンズまたはその両方の組み合せなどの二次アンテナまたは複合アンテナによって照射される。受信システムセクションは、送信反射器表面とは独立している別個の反射器表面を含む。受信反射器表面の目的は、潜在的な対象物体から戻ってくる送信レーダーパルスなどのレーダー信号から反射された電磁エネルギーを再輻射することである。さらに、偏光フィルターの使用は、環境からのレーダークラッターへのシステム全体の妨害感受性を最小にする。
【0009】
送信部、受信部、二次アンテナ素子およびシステム電子装置の組み合わせは、レーダーシステムの機械的パッケージ、環境パッケージおよびマウント構造体を含む1または複数のハウジングにパッケージ化される。そのようなレーダーモジュールの特定の実施形態は、図33〜図42を参照することによって、さらに良く理解されよう。
【0010】
本願明細書に示す特定の実施形態は、77GHz用途に関して記載する。以下にさらに詳細に記載するように、その特定の目的が特定の周波数範囲に維持される限り、説明するさまざまな形状、寸法および材料が変化しうることが認識されよう。
【0011】
図1は、さまざまな特徴の相対的位置を示すために、原寸に比例して描画されていない集積パッケージ100の断面図を示す。集積パッケージ100は、インタポーザ110、ダイ120、キャップ130、アンテナ構造体140およびスペーサ150を含む。ダイ120は、シリコン、シリコンゲルマニウム、ガリウム砒素、窒化シリコンなどを使用して実装される回路を含むことができる半導体ダイである。ダイ120は、トランジスタ、抵抗器、コンデンサなどの能動部品および受動部品を含み、ダイ120とインタポーザ110との間で情報を通信するために相互接続部121でインタポーザ110に取り付けられる。一実施形態では、送信機ダイまたは送信機ダイの送信機部分は、集積PLL、電力増幅器、局部発振器(LO)出力およびオンチップのランプ波発生器を含む。
【0012】
一実施形態ではインタポーザ110は、少なくとも100Ωcmの範囲、約1〜3KΩcmなどの抵抗率を有し、低損失正接を有する高抵抗シリコン基板であり、内側導電層117、外側導電層116および基板貫通ビア(TSV)115を含む。インタポーザの内側導電層117は、送信構造体113を含み、外側導電層116は、スロット共振器114を含む。空洞部は、ダイ120とインタポーザ110との間で形成される。インタポーザ110の領域111は、ダイ120の下層にあり、チップの下のモード抑制をもたらすために、ほぼ周期的な損失性の電磁バンドギャップ構造体などのメタマテリアルを含む。キャップ130は、少なくとも100Ωcm、約1〜3KΩcmなどの抵抗率を有し、低損失正接を有する高抵抗シリコン基板を含み、空洞部152を形成するようにスペーサ150を通してインタポーザ110に装着される。キャップ130は、外側導電層136、内側導電層137およびTSV135を含む。キャップ130の領域131は、ダイ120を覆い、ほぼ周期的な損失性の電磁バンドギャップ構造体を含む。キャップの領域132は、送信構造体113のマイクロストリップの一部を覆い、多重積層で周期的な非損失性の電磁バンドギャップ構造体を含むように形成される。
【0013】
アンテナ構造体140は、インタポーザ110に接続され、周辺部分141によって囲まれる中心部142を有する。アンテナ構造体140は、インタポーザ110から最も離れた主要表面に外側導電層146と、インタポーザ110に最も近い主要表面に内側導電層147と、外側導電層146の一部を内側導電層147に接続するTSV145とを含む。外側導電層146は、パッチアンテナ143と、非損失性の電磁バンドギャップ構造体などのメタマテリアルに関連する周辺部分141に周期構造体とを含む。空洞部144は、アンテナ構造体140とインタポーザ110との間にある。図1の集積アンテナに関し、図2〜図28を参照してさらに詳細に記載する。
【0014】
図2は、インタポーザ110に装着されたアンテナ構造体140の特定の実施形態の側面図を示す。図1に示す素子に加えて、図2は、はんだボール相互接続などのパッケージ相互接続部160の相対位置を示す。アンテナ構造体140は、少なくとも100Ωcm、たとえば1〜3KΩcmなどの抵抗率を有し、低損失正接でインタポーザ110に装着される高抵抗率のシリコン基板445と、インタポーザ110に最も近い内側主要表面と、内側主要表面と向かい合う外側主要表面とを含む。アンテナ構造体140の内側主要表面および外側主要表面は、中心位置142に上側平面部と周辺位置141に下側平面部とを含む複数の隆起部をそれぞれ含む。
【0015】
図3は、アンテナ構造体140およびインタポーザ110のさまざまな特徴を含む図2の一部をさらに詳細に示す。アンテナ構造体140の説明する特徴は、外側導電層146、内側導電層147、空洞部144およびTSV145(図3に示す)を含む。外側導電層146および内側導電層147は、シリコン基板445の対向する主要表面に存在する。インタポーザ110の説明する特徴は、基板118、外側導電層116、内側導電層およびTSV115(図3に示される)を含む。導電層116および117は、シリコン基板118の対向する主要表面に存在する。
【0016】
導電層116、117、146および147のそれぞれは、パターン層であり、寸法11の厚さを有する金を含むことができる。すべての寸法は、表1の符号によって示していることに留意されたい。
【0017】
アンテナ140のシリコン基板445は、周辺位置141で厚さ寸法441と、周辺位置141での外側の下側平面から中心位置142での外側の上側平面部までの厚さ寸法を有する。アンテナ140のシリコン基板の総厚は、したがって、寸法443である。空洞部144は、インタポーザ110およびアンテナ構造体140によって形成され、高さ寸法460を有する。インタポーザ110の最も近くにある空洞部142の長さは寸法447であり、インタポーザ110から最も遠い空洞部142の長さは寸法446である。
【0018】
アンテナ構造体140の内側導電層147は、寸法12(図示せず)の厚みを有する導電性エポキシなどの導電層449によって、インタポーザ110の外側導電層116に機械的かつ電気的に接続される。
【0019】
図4は、内側の空洞部の位置と、TSV145が外側の導電性表面146に接する位置とを含むアンテナ構造体140の外部の平面図を示す。外側の導電性表面146は、パッチアンテナ143および複数の周期パッチ410を含む。複数のパッチ410の各パッチは、導電層をエッチングすることによって形成される。周期パッチ410は、アンテナ構造体140の周辺位置141(図3)で、個々のパッチ間に一定の空隙を有する格子構造体を形成するように、行411〜行418および列421〜列428に配置される。複数のTSV145が複数のパッチ410に接し、これにより、各パッチ410が異なるTSV145に接する。アンテナ構造体140によって形成された空洞部144は、最も広い部分でx寸法447、y寸法457、最も狭い部分でx寸法446、y寸法456を有する。アンテナ構造体140の(中心位置142での)外側の平面部分は、x寸法448およびy寸法458を有する。シリコン基板の異方性エッチングは、選択的湿式エッチングの結果およびシリコン基板の格子構造に基づき54.7度の角度で、内側表面および外側表面のそれぞれ上側平面部分および下側平面部分との間でそれぞれ遷移する表面をもたらす。54.7角度を定義する表面の外側周縁部は、アンテナ構造体140の下側平面部と接し、x寸法449およびy寸法459を有する。x寸法431およびy寸法432を有するパッチアンテナ143は、上平面部分に存在し、空洞部144の上で中心に置かれる。
【0020】
図5は、さまざまな寸法を明らかにするために、図4のアンテナ構造体140の一部をさらに詳細に示す。特に、各パッチ410は、x寸法461と、y寸法462と、同じ行または同じ列の隣接するパッチ間の周期寸法463と、同じ行または同じ列の隣接するパッチ間の空隙寸法464とを有し、最外側パッチは、アンテナ構造体140の端部から寸法466分オフセットされる。TSV145は、パッチ410内の中心に配置され、これにより、パッチ410と同じ周期寸法463を有する。TSV145は、直径寸法467を有し、パッチ145に接続する。
【0021】
図6は、内側導電層147と、空洞構造体144と、導電層147に接するTSV145の相対的位置とを含むアンテナ構造体140の内側部分の平面図を示す。TSV145は、導電層147に接続する直径477を有する。
【0022】
図7は、インタポーザ110の外側導電層116およびアンテナ構造体140の相対的位置の平面図を示す。外側導電層116は、グラウンド層166と、グラウンド層166によって囲まれ、グラウンド層166から電気的に絶縁されている複数のはんだボールパッド161とを含む。はんだボールパッド161は、内側導電層117にも接続される下層のTSV(図示せず)に接続され、はんだボールパッドは、ボール型パッケージ相互接続部160(図2)が装着される構造体である。はんだボールパッド161の直径は寸法163である。グラウンド層166の開口部は、本願明細書にさらに詳細に記載されるように、スロット共振器114を形成する。
【0023】
図8は、図7の外側導電層116の平面図を示し、インタポーザ110のシリコン基板445内に存在する複数のTSV115が導電層116に接する位置を含む。TSV115の4つのコンセントリックリングは、導電層116の周辺部の近くのシリコン基板445内に位置している。TSV115の各コンセントリックリングは、端部から45度回転して正方格子を形成するように、隣接する同心円状のTSVリングからオフセットされ、さまざまな領域間に改善した絶縁性をもたらすために、電磁波侵入を実質的に減衰させるビアの最密充填性を付与する。各列内のTSVの周期は寸法181である。TSVの列間の周期は寸法184である。TSV115の5列目および6列目は、部分的なコンセントリックリングを形成するように、インタポーザ110の周辺部の右側部分の近くに位置している。
【0024】
図9は、インタポーザ110の内側導電層117の平面図を示す。導電層117は、接地リング、複数のダイパッド134、複数の絶縁されたTSVランディング133、導電構造体127〜129、送信構造体113およびパッチ139を形成する導電性環状構造体124を含む。ダイパッド134は、ダイ120のバンプ構造体相互接続部121に装着される導電構造体であり、これにより、インタポーザ110へのダイ120のフリップチップ装着を容易にする。導電環状構造体124、絶縁されたTSVランディング133、導電構造体127〜129およびパッチ139のそれぞれは、図10に示すように、対応するTSV115と接する。TSV115は、インタポーザ110の対向する面で外側導電層116のグラウンド層166(図8)にも接続されることに留意されたい。
【0025】
図11は、図10の一部を詳細に示す。各パッチ139は、x寸法176およびy寸法177を有する。隣接するパッチの空隙は、図に示すように、寸法171と寸法172との間で交互に反復するパターンで変化し、これにより、パッチ配列は、パッチ間の平均周期が1つおきのパッチの周期の半分に等しく、ほぼ周期的であると見なすことができる。寸法178は、導電層117に接するTSV115の直径である。導電構造体127は、y寸法179を有する。導電構造体128(図9)および127は、同じ寸法であることに留意されたい。
【0026】
図12は、インタポーザ110の内部層117のさまざまな導電性部分と、TSV115とに対するスロット共振器114の相対的位置を含む図10の別の部分をさらに詳細に示す。
【0027】
スロット共振器114の特定の実施形態は、インタポーザ110の外側導電層116内のI形状の開口部であり、空隙寸法193、x寸法191およびy寸法192を有する。内側導電層117の共平面導波路(CPW)は、送信構造体113の一部と、グラウンド層である導電構造体129の一部とを含み、それらは寸法153分だけy方向に隔てられている。特に、送信構造体113の薄型の導電部分167は、マイクロストリップ給電線路165と呼ばれる送信構造体113の厚い部分に接続する共平面導波路の導体部分である。マイクロストリップ給電線路165は、x寸法194およびy寸法195を有する。遷移部196は、マイクロストリップ給電線路165と導電部分167との間に存在する。
【0028】
スロット共振器114を囲む導電構造体129の環状部分は幅寸法180を有する。送信構造体114の薄型部分の両側における導電構造体129の厚型部分は、共平面導波路の一部であり、y寸法182を有し、マイクロストリップ給電線路165の向きにグラウンド層139の環状部分を越えて寸法183だけ延伸する。導電構造体129の環状部分内でのインタポーザ110の露出している基板は、x寸法197およびy寸法198を有する開口部を形成する。TSV115は、共平面導波路および開口の導電部分167を囲むように導電構造体129に接し、隣接するTSV115間の周期寸法189を有する。マイクロストリップ給電線路165および共平面導波路導体175を含む送信構造体113の全長は、x寸法185(図示せず)である。
【0029】
図10に戻って、パッチ139の各1つは、対応するTSV115によってインタポーザ110の対向するグラウンド層166に接続されることが認識されよう。パッチ139、TSV115およびグラウンド層166のこの組み合せは、EBGユニットセルを形成し、複数のEBGユニットセルは、電磁バンドギャップ構造体と呼ばれるメタマテリアルを形成する。同様に、図4のアンテナ構造体に戻り、パッチ410、TSV145および導電層147の各組み合せがEBGユニットセルを形成し、複数のEBGユニットセルは、アンテナ構造体140と一体化される電磁バンドギャップ構造体でもあるメタマテリアルを形成することが認識されよう。本願明細書に記載する電磁バンドギャップ構造体は、77GHzレーダー用途を支援するために選択されている。
【0030】
2つのタイプのEBGユニットセルを、本願明細書で言及する。第1のタイプのEBGユニットセルは、非損失性の電磁バンドギャップ構造体を形成するように他の非損失性のEBGユニットセルが併用される非損失性のEBGユニットセルと本願明細書では呼ばれ、所望の周波数範囲にわたって横電場モード(TEモード)における電力を有意に吸収しないため、非損失性の電磁バンドギャップ構造体はこのように名付けられる。したがって、TEモードは、反動減衰を受ける可能性はあるが、吸収減衰を受けない。一実施形態では、隣接するEBGユニットセルのパッチが、互いに電気的に絶縁されることを確実にすることによって非損失性のEBGユニットセルが実装され、隣接するパッチは、それらの間の実効抵抗が10MΩ超などのように大きい場合、互いに電気的に絶縁されていると考えられる。EBGユニットセルパッチ間の実効抵抗に関して、本願明細書で使用される用語「実効抵抗」は、それぞれのTSVおよび下層のグラウンド層を介して電気的に接続していない隣接する電磁バンドギャップパッチを想定して測定されうる直接(DC)抵抗を指す。アンテナ構造体140の電磁バンドギャップ構造体は、非損失性の電磁バンドギャップ構造体である。
【0031】
第2のタイプのEBGユニットセルは、損失性の電磁バンドギャップ構造体と呼ばれるメタマテリアルを形成するように、他の損失性のEBGユニットセルと併用される損失性のEBGユニットセルと本願明細書では呼ばれ、損失性の電磁バンドギャップ構造体は、TEモードで所望の周波数範囲にわたって電力を有意に吸収する。たとえば、本願明細書に記載する損失性の電磁バンドギャップ構造体は、ダイ120の上および下を伝播する77GHz信号に関して、本願明細書に開示する集積アンテナパッケージのTEモードで、1つのEGBユニットセル当り少なくとも3dB分、1つのEGBユニットセル当り5dB分などの電力を吸収できるが、本願明細書に記載する非損失性の電磁バンドギャップ構造体は、スロット共振器の上の集積アンテナパッケージのTEモードで電力を吸収しない。その代わりに、スロット共振器によって励起されたTEモードは、非損失性の電磁バンドギャップ構造体による吸収とは対照的に、反動的に減衰し、これにより、90度位相が異なるため、所定の位置で反動性のE場およびH場に伝播しない。図13は、配置図の形式で、特定の実施形態による損失性の電磁バンドギャップ構造体の一例を示し、損失性のEBGユニットセルのパッチ139は、非損失性の電磁バンドギャップ構造体の隣接パッチ間の実効抵抗未満である実効抵抗190(図示される)によって、隣接するEBGユニットセルのパッチ139に電気的に接続される。たとえば、実効抵抗190は、非損失性の電磁バンドギャップパッチの隣接するパッチ間の実効抵抗より少なくとも1桁少ない、2桁少ない、あるいは、3桁少ないことがある。一実施形態では、実効抵抗190は175Ωである。図14に示す特定の実施形態では、パッチ間の有効抵抗180は、隣接するEBGユニットセル間でグリッドを形成する空隙に、1KΩ/sq.のシート抵抗を有するドープポリシリコンなどの抵抗物質で満たすことによって規定され、非損失性のEBGユニットセルのパッチ間の材料のシート抵抗は、少なくとも10倍、100倍または1000倍などかなり大きい。そのような抵抗層の一部168は、図14の断面図でのパッチ139間に示される。損失性の電磁バンドギャップ構造体のパッチ間に形成される意図的な抵抗器に関連する物理構造は、非損失性の電磁バンドギャップ構造体には存在しない。
【0032】
図15は、インタポーザ110に装着されたダイ120を追加した図2の断面図を示す。ダイ120は、ベースバンド情報などの情報を他の制御装置に供給するため、動作時にマイクロストリップ給電線路165で受信したRF信号を復調する能動電気部品および受動電気部品を含むRF受信機チップでありうる。ダイ120は、動作時にマイクロストリップ給電線路165に提供されるRF信号にベースバンド情報などの情報を調節するRF送信機チップでありうる。あるいは、ダイ120は、上に示すように、RF信号を送受信するRFトランシーバチップでありうる。動作では、ダイ120のアクティブ構造体は、受信または送信される77GHz信号などのミリ波信号を増幅するために使用されるRF増幅器(図示せず)を含む。ダイ120は、インタポーザに最も近いダイの側面であるアクティブ側(図示せず)の外側周辺部に沿って、1または複数の接地リングを含む端部シールを有することができ、接地リングは、所望の周波数の波長以下の周期寸法を有するTSVによって接地した背面側に接続される。
【0033】
図16は、図15のダイ120およびインタポーザ110の一部を詳細に示す。図16では、ダイ120は、ダイ基板の背面側にわたる導電層123と、ダイボンドパッド134と、スタッドバンプ相互接続部121とを含むことを示している。導電層123は、寸法220の厚みを有する金を含むことができる。スタッドバンプ121は、ダイボンドパッド134およびインタポーザボンドパッド134(図9)に接続される。寸法223の空間は、ダイパッド134を含むダイの金属層と、インタポーザの導電層117との間で形成される。スタッドバンプ相互接続部121は、銅を含むことができる。データ情報とグラウンドなどの基準電圧とを含む信号は、ダイ120とインタポーザ110との間でスタッドバンプ相互接続部121を介して通信される。
【0034】
動作では、ダイ120の回路部および相互接続部は、望ましくない電波信号を放射する可能性があり、たとえば、それらを介して流れる高周波電流に応じて信号を送信する高周波雑音源として動作しうる。記載するタイプの遮蔽されたパッケージ内に封入される場合、これは、インタポーザ110で共平面導波路に連結できる広範囲の周波数にわたって望ましくないTEモードをもたらす可能性がある。ダイ120によって生成される望ましくないTEモードの影響を減少させるために、ダイ120の下のEBGユニットセルと、ダイ120に隣接する第1の完全なEBGユニットセルは、損失性のEBGユニットセルであるように形成される。図17を参照すると、表示線13の左側のパッチ139は、図14に示すタイプのものでありうる損失性のEBG電磁バンドギャップrに関連する。残りのEBGユニットセル(図17の表示線13の右側)は、非損失性のEBGユニットセルに関連する。本願明細書に記載する77GHz装置に関して、たとえば、60〜130GHzまたは65〜120GHzなどの広範囲の周波数を用いるTEモードの電力を吸収することができる。
【0035】
図17は、図15のアセンブリの上面図を示し、インタポーザ110に対して、ダイ120と、そのスタッドバンプ相互接続部219との相対位置を示す。図18は、導電層117の共平面導波路部分に近い図17の一部をさらに詳細に示す。特に、導電層129の左端部から、共平面導波路の導電部分167を囲む空隙の左端部までの距離は寸法158である。導電部分167と導電層129との間のx軸方向の距離は寸法152である。導電部分167と導電層129との間のy軸方向の距離は寸法153である。導電構造体167の共平面導波路部分の最左端部とダイ120の最右端部との間の距離は寸法151である。
【0036】
図19は、導電性スペーサ150をインタポーザ110に追加した図17の断面図を示す。スペーサ150は、寸法511の高さを有し、導電性接着材層521によってインタポーザ110に接続される(図22)。スペーサ150は、基板インタポーザ110の導電リング124に電気的に接続する導電体を含む。一実施形態では、スペーサ150は、低導電性の中心部を囲む金属層などの導電性の外層を含む。図20は、図19のアセンブリの平面図を示し、スペーサ150、ダイ120、インタポーザ110およびスロット共振器114の相対的位置を示す。スペーサ150は、内側縁部から外側縁部の寸法512と、全体のx寸法513と、全体のy寸法514とを有する環状形を有する。
【0037】
図21は、キャップ130を追加した図19と同じ断面図を示す。キャップ130は、x寸法301、厚さ寸法302を有し、導電性接着材層522(図22)によってスペーサ150に接続される。図22は、ボール型相互接続部160、インタポーザ110、スペーサ150、キャップ130ならびに導電性接着材層521および522を含む図21の一部を示し、導電性接着材層は、0.02Ωcmの抵抗率と、厚さ寸法523とを有するエポキシ層でありうる。
【0038】
図23は、キャップ130のシリコン基板の端部から寸法331オフセットされた強固なグラウンド層として、外側導電層136を含むキャップ130を示す。キャップ130は、全体のx寸法333および全体のy寸法332を有する。外側導電層136は、x寸法335およびy寸法334を有する。
【0039】
図24は、内側導電層137を形成する誘電部によって分離された2つの共平面導電層の1つである導電層342を示す。2つの導電層342および343(図27)のそれぞれは、厚さ寸法11を有する金であってよく、寸法13を有する誘電体層の厚みによって分離されうる。導電層342は、パッチ346を含むキャップ130のシリコン基板に最も近い層であり、第2の導電層は、図27に示しており、導電層342を覆うパッチ356を含む。
【0040】
図24に示すものは、導電リング341、パッチ345、パッチ346および導電構造体349を含む導電層342のさまざまな部分である。導電リング341は、内側縁部から外側縁部の寸法312と、全体のx寸法313と、全体のy寸法314とを有する環状形を有する。パッチ345は、上に記載したように、パッチ139と同じ寸法および間隔の正方形のパッチである。導電構造体349の左側部分は、y寸法316およびx寸法315を有する。導電構造体349の環状部分は、y寸法317の厚みとx寸法317の厚みとを有する。図25に関してさらに詳細に記載するように、導電リング341、導電構造体349、パッチ345およびパッチ346は、それぞれ対応するTSV135に接続される。
【0041】
図25は、TSV135が層137の導電層342に接する位置およびダイ120の相対的位置を示す図24の平面図である。図に示すように、TSV135の6つのコンセントリックリングが層342の周辺部の近くで形成される。TSVの各コンセントリックリングは、隣接する同心のTSVリングからオフセットされ、三角格子構造を形成する。各列内のTSVの周期は寸法381である。導電層137に接続するTSV135の直径は寸法382(図示せず)である。パッチ345および346の各1つは、対応するTSV135によってキャップ130の反対側でグラウンド層136に接続されることが認識されよう。パッチ345、TSV135およびグラウンド層136の各組み合せは、上に記載するEBGユニットセルを形成する。特定の実装では、EBGユニットセルは、ダイ120の周辺位置の内部または部分的に内部にあると示され、ダイ120の位置に隣接するユニットセルは、上に記載する損失性のEBGユニットセルであり、このため、ダイ120の上でTEモードを大幅に抑制する。パッチ346に関連する他のEBGユニットセルのそれぞれは、非損失性のEBGユニットセルであり、このため、TEモードを有意に吸収しない。同様に、パッチ346、TSV135およびグラウンド層316の各組み合せは、図27に示すように、上を覆う導電層343で、複数のパッチにも関連する非損失性のEBGユニットセルの一部を形成する。
【0042】
図26に示すように、パッチ346は、オフセットされた列および行に配置され、共通列におけるパッチと周期寸法351を有し、パッチ346の列と行との間の距離は周期寸法352となる。パッチ346のそれぞれは、x寸法353およびy寸法353を有する。パッチ346の最左端および最右端の行は、導電構造体349の環状部分から寸法354分オフセットされる。パッチ346の最上端および最下端の列は、導電構造体349の環状部分から寸法355分オフセットされる。
【0043】
図27は、図24のような第1の導電層342と、第1の導電層を覆う第2の導電層343とを示し、このため、第1の導電層342は、第2の導電層343とキャップ構造体130の基板との間にある。一実施形態では、第2の導電層は、グリッドパターンを形成する行および列の方向に配置された複数のパッチ356を含み、これらのパッチは、誘電体層によってパッチ346から分離され、図示するようにパッチ346に重なる。特に、第2の導電層343の4つのパッチ356は、対応する第1の導電層342の各パッチ346の隅部に重なる。第2の導電層343のパッチ356は、互いに電気的に絶縁され、これにより、ビア135には接続されない。図28に示すように、各パッチ356は、側面寸法357を有する正方形であり、共通パッチ346を覆う隣接パッチ356の中心間距離は、x寸法362およびy寸法363である。パッチ346と、その上を覆う4つのパッチ356(他のパッチ346と共有される)と、TSV135と、グラウンド層136の各組み合せは、複数のパッチ層を有する非損失性のEBGユニットセルを形成する。
【0044】
図29は、本開示の特定の実施形態による方法のフローチャートを示す。処理601では、集積回路ダイから輻射したRF信号の第1の周波数範囲にわたるTEモードの電力は、集積回路ダイ上のメタマテリアルで吸収される。一実施形態では、メタマテリアルは、図1に示すようにキャップ130の位置131における開示する損失性の電磁バンドギャップ構造体などの損失性の周波数選択面(FSS)であり、吸収される信号は、ダイ120の上と、ダイ120の主要表面とに対して平行方向に伝播される。一実施形態では、所望の中心周波数の両側で最小上下幅の所望のバンド幅に等しい周波数範囲でTEモードが1つのEGBユニットセル当り少なくとも3dB、1つのEGBユニットセル当り5dBなどだけ吸収される。たとえば、77GHzの中心周波数の所望の信号を有する集積アンテナパッケージに関しては、60〜130GHzまたは74〜83GHzの周波数範囲にわたるTEモードにおける電力は、集積回路ダイを覆う損失性の電磁バンドギャップ構造体によって1単位セル当り少なくとも3dB分減衰する。
【0045】
処理602では、スロット共振器から放射されたRF信号の周波数範囲のTEモードにおける電力は、マイクロストリップ給電線路の上方のメタマテリアルによって反動的に減衰するが、吸収はされず、反動的に減衰する電磁場は、全半径方向にスロット共振器から外側に伝播されている。一実施形態では、メタマテリアルは、図1に示すように、キャップ130の位置132における開示する非損失性の電磁バンドギャップ構造体などの非損失性の周波数選択面(FSS)である。一実施形態では、マイクロストリップ給電線路の上方のメタマテリアルは、TEモードを反動的に減衰させるが、所望の中心周波数の両側で最小上下幅の所望のバンド幅に等しい周波数範囲においてTEモードを吸収しない。たとえば、77GHzの中心周波数の所望の信号を有する集積アンテナパッケージに関しては、74〜80GHzの周波数範囲のTEモードにおける電力は、実質的に吸収されないが、反動的に減衰している。したがって、TEモードにおける磁界は、スロットからの半径方向距離に従って減少するが、電力は、非損失性の電磁バンドギャップ構造体によってマイクロストリップ上の位置132において実質的に伝達もされず、吸収もされない。非損失性の電磁バンドギャップ構造体による反動性減衰によるTEモードの減衰は、損失性の電磁バンドギャップ構造体による吸収のため、TEモードの減衰より狭い帯域幅にわたって発生することに留意されたい。
【0046】
図30は、本開示の特定の実施形態による方法のフローチャートを示す。処理611では、集積回路ダイから輻射したRF信号の第1の周波数範囲にわたるTEモードにおける電力が、集積回路ダイの下方のメタマテリアルによって吸収される。一実施形態では、メタマテリアルは、図1に示すように、インタポーザ110の位置111の損失性の電磁バンドギャップ構造体であり、吸収される信号は、ダイ120の下と、ダイ120の主要表面と平行な方向に伝播される。一実施形態では、所望の中心周波数の両側で最小上下幅の所望のバンド幅に等しい周波数範囲のTEモードにおける電力は、1つのEGBユニットセル当り少なくとも3dB、1つのEGBユニットセル当り5dBなどが吸収される。たとえば、77GHzの中心周波数の所望の信号を有する集積アンテナパッケージに関して、60〜130GHzまたは74〜80GHzの周波数範囲にわたるTEモードにおける電力は、集積回路ダイを覆う損失性の電磁バンドギャップ構造体によって1単位セル当り少なくとも3dB分減衰する。
【0047】
処理612では、スロット共振器から放射されたRF信号の周波数範囲のTEモードにおける電力は、マイクロストリップ給電線路の上方のメタマテリアルによって反動的に減衰するが、吸収されない。反動的に減衰する信号は、全半径方向でスロット共振器から外側に伝播される。一実施形態では、メタマテリアルは、図1に示すように、キャップ130の位置132における非損失性の電磁バンドギャップ構造体である。一実施形態では、マイクロストリップ給電線路の上方のメタマテリアルは、TEモードを反動的に減衰させるが、所望の中心周波数の両側で最小上下幅の所望のバンド幅に等しい周波数範囲でTEモードを吸収しない。たとえば、77GHzの中心周波数の所望の信号を有する集積アンテナパッケージにおいては、74〜80GHzの周波数範囲のTEモードにおける電力は、実質的に吸収されないが、TEモード場は反動的に減衰している。非損失性の電磁バンドギャップ構造体による反動性減衰によるTEモードの電力の減衰は、損失性の電磁バンドギャップ構造体による吸収のため、TEモードの電力の減衰より狭い帯域幅にわたって発生することに留意されたい。
【0048】
図31は、ダイの上および下の周波数選択面を含む本開示の特定の実施形態による方法のフローチャートを示す。処理621では、集積回路から放射された第1の周波数範囲のTEモードにおける電力は、図29の処理601に示すように減衰する。処理622では、集積回路ダイから放射された第1の周波数範囲のTEモードにおける電力は、図30の処理611に示すように減衰する。処理623では、スロット共振器から放射された第1の周波数範囲のTEモードは、図29の処理602に示すように減衰する。
【0049】
図32は、代替のアンテナ構造体の平面図を示す。図32のアンテナ構造体は、寸法654の長さ、寸法655の幅、寸法652の空洞長、寸法653の空洞幅を有し、パッチ625および626を含む2つのパッチアンテナを含む。パッチ625および626のそれぞれは、下層のインタポーザの外側の導電性表面に、対応するスロット共振器614および615を有する。スロット共振器614および615のそれぞれは、インタポーザの内側の導電性表面における対応するマイクロストリップ給電線路(図示せず)に関連し、ダイ接触を分離するために接続される。パッチ625および626の寸法は、パッチ143と同じでありうる。振動子スロット614および615の寸法は、スロット共振器114と同じでありうる。以下に記載するレーダーシステムなどの信号処理時には、単一パルスレーダーシステムでより正確な角度測定を実施するために、2つのパッチアンテナ受信機から受信された情報を使用することによって、合計および差分パターンを作製することができる。代替の実施形態では、集積アンテナパッケージに実装される2つのパッチアンテナの1つは送信機に関連させることができ、2つのパッチアンテナのもう1つを受信機側に関連させることができる。
【0050】
【表1】
図33は、レーダーモジュール1100の機械的パッケージの上面図を示す。明確には示さないが、機械的パッケージは環境パッケージ内に入れることができる。一実施形態では、反射信号は、レーダーモジュール1100の1または複数の受信モジュールで受信され、障害の位置を求めるために制御/処理回路によって処理される。レーダーモジュール1100は、位相アレイレーダー方式とは対照的に、混信の可能性を減少させ、簡易型キャリブレーションを容易にするために、単一パルスレーダー方式を実装することができる。一実施形態では、反射信号は、レーダーモジュール1100の1または複数の受信モジュールで受信され、障害の位置を求めるために制御/処理回路によって処理される。レーダーモジュール1100を実装する乗用車は、障害の検出された位置に基づき、衝突防止警告または衝突防止動作を実施することができる。
【0051】
レーダーモジュール1100は、外部の電気的インタフェース1120を有し、多重のコネクタと、別個の送信部分および受信部分に関連する複数の位置とを含むことを示す。別個の送信部分および受信部分のそれぞれは、図33に示す放物線状構造体1111〜1115の1つに関連しており、互いに対して異なる方向に面するように配置される。特定の実施形態によれば、放物線状構造体1111〜1114は対応するRF受信機に関連し、放物線状構造体1115はRF送信機に関連する。特定の実施形態では、RF受信機1111〜1114は、反射したレーダー信号を受信し、送信能力を有しない。RF送信機1115は、反射するRF信号を送信し、受信能力を有しない。
【0052】
放物線状構造体1111は、中心線1710で示す方向に面して配列する。放物線状構造体1112は、中心線1720で示す方向に面して配列する。放物線状構造体1115は、中心線1750で示す方向に面して配列する。放物線状構造体1113は、中心線1730で示す方向に面して配列する。放射状構造体1114は、中心線1740で示す方向に面して配列する。レーダーモジュール110の中心線は、放物線状構造体1115への中心線と同じである。放物線状構造体1111は、中心線1750から20〜35度の角度分、28度分などオフセットされた中心線1710によって規定された方向に面する。放物線状構造体1111は、20〜35度の角度分、28度分など、線分1711と線分1712との間の角度分によって規定された総方位角ビーム幅を有する。放物線状構造体1112は,中心線1750から15度の角度分オフセットされた中心線1720によって規定された方向に面する。放物線状構造体1113は、中心線1750から15度の角度分オフセットされた中心線1730によって定義された方向に面する。放物線状構造体1114は、中心線1750から30度分オフセットされた中心線1740によって定義された方向に面する。受信構造1111〜1114のそれぞれは、隣接する放物線状構造体の輻射パターンに重なるそれぞれの中心線に対して、同じ方位角ビーム幅を有する。線分1711と線分1742との間のレーダーモジュール1100の受信機の有効な総方位角ビーム幅は、45〜90度、60度などである。受信構造体である放物線状構造体1111〜1114間の方位角ビーム幅の重なる広がりと、送信構造体である放物線状構造体1115の方位角ビーム幅は、レーダーモジュールで利用可能な角カバレッジを提供する。中心線1750、放物線状構造体1115および放物線状構造体111〜1114は、線分1751と線分1752との間の角度、45〜90度などによって規定される方位角ビーム幅を有する。たとえば、60度などである。
【0053】
動作では、放物線状の送信構造体1115を含むレーダーモジュール1100の送信機部分は、77GHzなどの所望の周波数で高周波レーダー信号を送信する。送信機部分は、集積アンテナパッケージ(図1)内の単一パッチアンテナまたはデュアルパッチアンテナなどのアンテナ構造体を含むことができ、これは反射表面、レンズなどまたは、それらの組み合せなどの二次アンテナまたは複合アンテナを照射し、回避すべき潜在的障害物の所望の方向に電磁エネルギーを再輻射する。放物線状構造体1115は、受信後に受信したレーダー信号を向ける受信機部分1111〜1114の反射器表面から独立している送信レーダー信号を向けるために別個の反射器表面を有する。
【0054】
図34は、図33のレーダーモジュール1100の正面図を示す。特に、図34は各放物線状構造体1111〜1115のそれぞれに対する偏光表面を有する各フロントカバーレイドームを示す。
【0055】
図35は、ハウジングベース1210およびハウジングカバー1220を含むレーダーモジュール1100のさまざまな構成要素の等角図を示し、これらの構成要素は電子アセンブリ1300を受けて、収納する。ハウジングカバー1220を覆うのは、電磁(EM)吸収材1410と、レンズ1500と、放物線状構造体1111〜1115に対応するパラボラ反射鏡1420と、偏光部分1430とを含むフロントカバーである。
【0056】
一実施形態によると、動作では、電子アセンブリ1300の背面側にマウントされる集積アンテナパッケージは、プリント回路基板、電磁波吸収体1410およびケーシングカバー1220に存在する配列した開口部を通して、レーダー信号を送信または受信する。レンズ1500は、受信信号および送信信号に焦点を合わせる。たとえば、送信信号は、吸収材1410の開口部と連携するレンズを通過後、パラボラ反射鏡1420の内側反射面から反射される。モジュールの送信部分では、レンズは、下層のアンテナからエネルギーを形成して、さらに効率的に反射器表面を照射し、吸収材1410は、モジュールによって内部的に生成される望ましくない信号であり所望の信号の高調波分を含む、スプリアス信号を吸収する。モジュールの受信部分では、受信信号は、下層のアンテナに信号エネルギーを形成して、焦点を合わせるレンズを通過する前に、パラボラ反射鏡構造体1420の内側の反射面から反射され、吸収材1410は、特定の望ましくない方向から受信した信号などの望ましくない外部信号を吸収する。
【0057】
図36は、電子アセンブリ1300の一部をさらに詳細に示す。特に、図36は、外部インタフェース1120(コネクタ)、受信装置1311〜1314、送信装置1315および処理/制御装置1320を含む電子アセンブリの背面側部分を示す。送信装置1311〜1314および受信装置1315は、上に記載するような集積アンテナパッケージ(図1)または他の集積化されていない装置であってもよい。処理/制御装置は、さまざまな信号処理または制御用電子機器を含むことができ、パッケージ化された、または、フリップマウントされた半導体ダイを含むことができる。上に記載するタイプの集積アンテナ装置が使用される場合、各アンテナ部分は、図37にさらに詳細に示すように、プリント回路基板の対応する開口部の上に位置決めされる。
【0058】
図37を参照すると、装置1313および1314のアンテナ部分は、集積アンテナパッケージであり、電子アセンブリ1300のプリント回路基板の開口部に示す。特に、集積アンテナ1313および1314の一部1303および1304は、それぞれ、プリント回路基板の開口部によって示し、反射したレーダー信号を受信するためのパッチアンテナ(図示せず)を含む。電磁バンドギャップ構造体1324および1323などの周期構造体は、対応する開口部でプリント回路基板に集積される。たとえば、電磁バンドギャップ構造体1323および1324は、開口部1323および1324をそれぞれ囲む非損失性のEBGユニットセルを含むことができ、開口部を通ってレーダー信号が送受信される。電磁バンドギャップ構造体は、図38に、さらに詳細に示す。
【0059】
図38は、開口部1324と、受信装置1314と、対応するEBGユニットセルに関連する複数の電磁バンドギャップパッチのうち6つの電磁バンドギャップパッチとを示し、6つのパッチのうち3つが開口部1324のいずれか一方の側に電磁バンドギャップ構造体を形成する。受信機1314は、電子アセンブリの印刷されたPCB基板に装着されたはんだボールと、開口部1324でマウントされるパッチアンテナ1334を含むアンテナ部分1304とを含む集積アンテナパッケージである。上に記載するように、電磁バンドギャップ構造体は、複数のEBGユニットセルを含み、各EBGユニットセルは、導電性のパッチ1391と、基板貫通ビア1392と、背面金属1393によって実装されたグラウンド層との組み合せによって形成される。EBGユニットセルの周期は、本実施例の77GHz設計周波数では150μmである。プリント回路基板の各開口部は、対応する電磁バンドギャップ構造体によって囲まれることが認識されよう。
【0060】
図39は、レーダーモジュール1100の放物線状構造体1112における部分の断面等角図を示す。放物線状構造体1112は、フェンス吸収材1642、反射鏡部分1622、前方部分および下層の電子アセンブリ1300の一部を含む。表面部分は、反射部分1622によって形成される放物線状構造体1112の開口部1673を含む偏光表面1632を含む。各放物線状構造体1111〜1115のそれぞれは、独立した放射開口部およびエッジ処理部1662を含むことが認識されよう。
【0061】
偏光表面1632は、開口部1673で受信された反射信号を偏光し、反射器部分1622の放物線形によって形成される。一実施形態では、開口部1673の高さは60mm超、67mmなどであり、最終的なアンテナビームの所望のパターン特性に依存する。放物線状構造体1112の内側でのエッジ処理部1662は、エッジで望ましくない表面電流を減少させ、望ましくない方向からの信号を抑圧する吸収材である。したがってエッジ処理部1662は、動作時に送信信号に対して望ましくない影響を引き起こすエッジ電流を減少させる。エッジ処理部1662は、吸収特性のために選択されるさまざまな市販材料のいずれのものであってよく、磁性があり、炭素を含むなど、および、それらの組み合せである吸収剤を含む。
【0062】
フェンス吸収材1642は、レンズ1653と連携する開口部および電子アセンブリ1300のアンテナ構造体を含むグレーデッド構造体(graded structure)である。レンズ1653の上側部分は、フェンス吸収材1642の開口部を通して露出している。
【0063】
図40は、放物線状構造体1112をさらに詳細に断面図に示す。反射鏡部分1622の内側表面は、77GHz信号などの受信信号を反射する高品質な反射表面である。高品質な表面は、選択的に配置することができる。たとえば、反射鏡部分1622の構造部分は、射出成形構造などのプラスチック材であってもよく、高反射性の表面を備えるために内側表面に沿って金属化されている。放物線状構造体1112の形状は、放物線状構造体1622の開口部1674(図40)を形成し、図41に示すように、レンズ1653への受信信号の焦点を合わせる。
【0064】
また、図40に示すものは、フェンス吸収材1642である。フェンス吸収材1642は、望ましくない周波数範囲を吸収するために、1または複数の個々のレベル中で連続的に変化し、1または複数の個々のレベルで離散的に変化するなど、および、それらを組み合せたグレーデッド吸収材でありうる。たとえば、フェンス吸収材を形成する材料は、1または複数のレベルを通して連続的または離散的に変化する特性を有することができる。「連続的に」という用語は、グレーデッド吸収材に関して使用され、特定のレベル通じて比較的一定である特性変化を示す。「離散的に」という用語は、グレーデッド吸収材に関して使用され、レベルの離散層間で比較的突然発生する特性変化を示す。たとえば、グレーデッド吸収材は、特定のレベルを形成する材料にわたって徐々に変化する特性を有することができる。そのような特性の例は、特定の材料の存在、材料割合、レベルの電導性など、および、それらの組み合せなどの物理学的特性を含みうる。その代わりに、グレーデッド吸収材の特徴は、連続的とは対照的に、上部から下部まで同量ずつ離散的に変化することができ、離散的な層は、「階段ステップ」勾配になるなど、特性は複数の位置でさらに突然に変化し、たとえば、離散層はさまざまな特性を有する。グレーデッド吸収材の例は、導電体および非導電体、多層状に装填した発泡材、多層状に磁気的に装填したセラミックス、および、それらの組み合せなど材料の相対量を変化させることによって、広帯域吸収材になるように調整された成形シンタクチックフォームを含む。
【0065】
説明する実施形態では、フェンス吸収材1642は、望ましくない方向からの反射および信号を抑制する多層を有するグレーデッド吸収材を含む。たとえば、吸収材1642は、表面電流を抑制でき、プリント回路カードおよびパラボラ反射鏡によって定義される量の範囲内で信号を吸収する。説明する実施形態では、フェンス吸収材1642は、電導性のグレーデッド構造体であり、交通騒音または他の平滑表面に起因する反射などの高角度入射高周波反射を吸収するために配置される。フェンス構造体1642は、下側レベル、すなわち、電子アセンブリ1300にさらに近くでは、1/4波長厚さである部分1674と、中間レベルでは、3/4波長厚さである吸収材部分1673と、上側レベルでは、2波長厚さである吸収材部分1672とを含む。さまざまな層の厚さは、特定のレベルで吸収材帯域幅を改善するように変化する。フェンス吸収材1642の吸収剤部分1672〜1674を覆う層1671は、表面端部で電流を減少させる磁気的に装填した材料である。各フェンス吸収材部分1672〜1674は、上側部分より高い導電性である下位部を含む。たとえば、1/4波長であるフェンス吸収材部分1674は、1/4の波長信号を吸収し、存在するレベル範囲内の下側部分を有し、対応するレベルの上側部分よりも高い導電性である。たとえば、レベルの下側部分は銀を含むことができるが、上側部分は、銀の少ない、あるいは、銀が存在しない導電性炭素材を含むことができ、レベルの下側部分ほど導電性を有しない。反射器1622の内側表面は、1/4、3/4および2波長信号をほぼすべて吸収するフェンス吸収材と対照的に、1/4、3/4および2波長信号を含む所望の周波数付近の周波数範囲を実質的に同量分ほぼすべて反射することに留意されたい。
【0066】
フェンス構造体1642は、受信信号によって生成される表面エッジ電流を減少させるために傾斜し、角度があり、前方に面する部分を有する。
動作では、図41にさらに示すように、反射したレーダー信号は、放物線状構造体1111の内側の反射面からレンズ1653に反射し、下層のパッチアンテナに信号の焦点を合わせるか、あるいは反射器の反射面を照射するために選択されたビームを形成するように選択される。たとえば、広い円錐ビームは、下層のアンテナ素子上に投射でき、このアンテナは、特定の実装においてパッチアンテナである。
【0067】
図42は、1または複数のレーダーモジュールを配置できる自動車990、乗用車などの前部を示す。各レーダーモジュールは、自動車の対応するコンセント(図示せず)にコネクタ1120を差し込むことによって、自動車両と物理的かつ電気的に連動する。特に、レーダーモジュール1101および1103は、車両の隅部の近くに搭載されることを示し、レーダーモジュール1100の曲面形状が、乗用車の前面から側面に移行する乗用車の隅部の移行部分と一致している。特に、モジュール1101および1103の中心線1750は、乗用車の前方に面する中心線である前向き方向999からオフセットされる。レーダーモジュール1102が、図42の乗用車990の前部に実装されている。特に、モジュール1102の中心線は、図33に示す中心線1750であり、前向き方向999と一致する。多かれ少なかれレーダーモジュールは、使用できることが認識されよう。たとえば、モジュール1102のみを使用してもよく、モジュール1101および1103のみを使用してもよく、あるいは、モジュールをすべて使用してもよい。さらに、乗用車後部などの車両の他の位置にレーダーモジュールを実装することができる。角カバレッジを単一面に提供し、その面から外れたオブジェクトを拒絶するように、モジュールを搭載することができる。
【0068】
本願明細書で使用するように、用語メタマテリアルは、有効媒質モデルによって示されうる複合材を示すのに使用されることが認識されよう。一般に、メタマテリアルは、性質が周囲の母材と異なる1または複数の材料のサブ波長含有物から成る。そのようなメタマテリアルは、幅広い範囲の物理的尺度にわたってさまざまな電磁特性を有するように形成してもよく、設計尺度は波長で測定される。メタマテリアルは、あらゆる単一材料中には一般に見られない電磁特性を示す。
【0069】
空洞部を有する特定の集積アンテナパッケージは、本願明細書に記載する位置で、損失性の電磁バンドギャップ構造体などの損失性メタマテリアルを組み込むことによって、かつ、本願明細書に記載する位置で、非損失性の電磁バンドギャップ構造体などの非損失性メタマテリアルを組み込むことによって、77GHzで使用される場合に、空洞部の内側金属表面によって引き起こされる共振を緩和することが特定されている。空洞パッケージの使用は、所望の信号の中心周波数を移行させる可能性があり、あるいは、ポリマーモールド合成物の経時変化により、伝送損失性能が経時劣化する可能性があるオーバーモールディグ法を回避する。しかし、上の記載は、集積アンテナパッケージの実装およびレーダーモジュールの実装の具体例の説明に有用である実施形態を示すことが認識されよう。本開示の他の実施形態、用途および利点は、本願明細書に開示する仕様および実施を考慮すれば、当業者には明らかになることがさらに認識されよう。明細書および図面は、例示的なものであり、開示の範囲は、これに応じて、本願特許請求の範囲およびその同等物によってのみ限定されることを意図している。
【0070】
たとえば、開示するレーダーモジュールは、たとえば、個人用、家族用または家庭用の製品、自動車以外の他の道路走行が合法な車両(二輪車両、バスなど)、監視用途(ホームセキュリティ、交通量計測装置など)などの消費者製品で使用することができる。
【0071】
特定の材料や物質の特徴を本願明細書に示す場合には、同じ機能を実装するのに適した他の材料を使用してもよいことが認識されよう。たとえば、それらの動作機能性が維持される限り、導電構造体および導電表面は、さまざまな導体材料と、さまざまな寸法を使用して実装することができる。たとえば、0.02Ωcm未満の導電性を有する導電性エポキシを使用してもよい。または、動作が維持される限り0.02Ωcm超の伝導率を有する導電性エポキシを使用してもよい。さらに、十分な電導性が維持される限りは、金以外の他の導電体を使用できることが認識されよう。
【0072】
特定の寸法が77GHz集積アンテナパッケージの特定の実施形態のために提供されるが、これらの寸法は、77GHzでの動作機能性に比例した許容誤差によって変化し、適切に調整された動作を維持するために他の周波数の動作に基づく量によって増減できることが認識されよう。たとえば、77GHzでは、RF信号の送信に影響するさまざまな特性、たとえば共平面導波路、マイクロストリップ給電線路、スロット共振器、パッケージサイズ、空洞部サイズ、TSV周期、パッチなどは、公称量によって変化しうる寸法を有することができる。しかし、他のミリ波長周波数においては、これらの同じ特徴は、動作を維持するために、実装される周波数によって測定することができることが認識されよう。たとえば、さまざまな電磁バンドギャップパッチの平均周期およびサイズならびに指示されるTSVの周期は、高周波数信号に対して小さい寸法に通常縮小され、スロット共振器は、標的の77GHz動作または他の標的の動作周波数の付近で、広帯域性能を有する電磁結合を供給するように、単純なI−スロット以外の多くの形状の1つを有することができる。本願明細書に記載するさまざまな空洞部の寸法は、設計周波数によって変化し、さまざまな基板の周辺部のTSVの周期は、基板端部を通して送信されるRF雑音を減少させるように、所望の信号の波長よりかなり短くなるように選択され、電磁バンドギャップパッチのサイズおよび間隔は、周波数によって決められ得る。たとえば、77GHz設計のTSV間の周期は、77GHz信号の自由空間波長の約1/20である。本願明細書に示すさまざまなTSVは、端部から45度回転した正方格子に配列されるが、他の実施形態は、三角格子で配置されたTSVなどを実装することができる。
【0073】
特定の特徴のさまざまな実装は、他の実装に置き換えることができることもまた認識されよう。たとえば、本願明細書に開示する周期的な電磁バンドギャップ構造体は、ほぼ周期的な電磁バンドギャップ構造体または非周期的な表面として実装することができることが認識されよう。本願明細書に開示するほぼ周期的な表面は、周期的または非周期的として実装してもよい。さらに、説明するようにTE信号を減衰させる他の損失性メタマテリアルおよび非損失性メタマテリアルを含む他のメタマテリアルは、所望の成果を得るように示される位置で使用できることが認識されよう。さらに、図17の線13の右側の非損失性のEBGユニットセルは、損失性のEBGユニットセルであってもよく、電磁バンドギャップパッチ間の抵抗層は、導電構造体129のリング部分内に延伸しない。米国特許出願第12/711,923号明細書に開示されているような他のさまざまな電磁バンドギャップ構造体を使用することができ、その明細書は、全体を参照することにより本願明細書に引用したものとする。
【0074】
開示するレーダーモジュールに関して、大規模な準光学アンテナシステムへの給電時における開示する集積アンテナパッケージの使用によって、自動車衝突警告および自動車レーダー衝突回避システムなどの低コストかつ信頼性のある目標検出器を提供することが認識されよう。しかし、説明したもの以外の別種のアンテナ構造体を使用することができる。たとえば、パッチアンテナは、プリント回路基板自体に形成でき、他のさまざまなタイプのカプラーのいずれかによって給電することができる。さらに、それぞれの構成要素の方位角ビーム幅およびモジュール自体は変化しうる。たとえば、モジュールは、65度などの大きい方位角ビーム幅、または、小さい方位角ビーム幅を有する放物線状構造体からの送信を容易にすることが可能であり、モジュールの大きいあるいは120度などの小さい総受信方位角ビーム幅をさらに容易にすることが可能である。さまざまな数の送信部分および受信部分を実装することができる。たとえば、多数の送信部分を使用することができる。
【0075】
上に記載する機能または素子のすべてが必要ではなく、特定の機能または装置の一部は必要でなくてもよく、記載するもの加えて、1または複数の機能をさらに実行してもよく、あるいは、素子を含んでもよいことに留意されたい。さらに、機能が記載される順番は、必ずしも実行される順番を示さない。
【0076】
また、特定の実施形態に関して概念を記載している。しかし、当業者は、本願の特許請求の範囲に記載するように、本開示の範囲から逸脱することなくさまざまな変更および改変を行うことができることを認識する。
【0077】
便益、他の利点および問題の解決法は、特定の実施形態を参照して上に記載している。しかし、便益、利点、問題の解決法および便益、利点または解決法をもたらしうる、もしくは、さらに顕著となりうるあらゆる特徴が、本願特許請求の範囲のいずれか、あるいは、すべての重要な、必要な、または、不可欠な特徴であると解釈すべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、前記装置は、
インタポーザに連結された集積回路ダイであって、前記集積回路ダイは、ミリ波信号を受信する集積回路ダイと;
前記ミリ波信号を受信するために前記集積回路ダイに連結されたマイクロストリップ給電線路を備える前記インタポーザと;
前記集積回路ダイおよび前記マイクロストリップ給電線路を覆うカバーと
を備え、
空気を満たした空隙は、前記カバーと前記ダイとの間に存在し、
前記カバーは、前記集積回路ダイを直接に覆う損失性の電磁バンドギャップ構造体と、前記マイクロストリップ給電線路を直接覆う非損失性の電磁バンドギャップ構造体とを備える、装置。
【請求項2】
前記損失性の電磁バンドギャップ構造体の第1の導電性パッチと第2の導電性パッチとの間の第1の実効抵抗は、前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体の第3の導電性パッチと第4の導電性パッチとの間の第2の実効抵抗よりも小さく、
前記第1の導電性パッチと前記第2の導電性パッチは、互いに隣接し、
前記第3の導電性パッチと前記第4の導電性パッチは、互いに隣接する、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第2の実効抵抗は、前記第1の実効抵抗の少なくとも10倍超である、
請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記第1の実効抵抗は、前記第1の導電性パッチを前記第2の導電性パッチに連結する第1層の第1の部分に基づき、
前記第2の導電性パッチは、第1のシート抵抗を有し、
前記第1のシート抵抗は、前記第3の導電性パッチを前記第4の導電性パッチに連結する第2層の第2の部分の第2のシート抵抗よりも小さい、
請求項2記載の装置。
【請求項5】
前記第2のシート抵抗は、前記第1のシート抵抗の少なくとも10倍超である、
請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記第1のパッチと前記第2のパッチとを有する、複数の互いに隣接する導電性パッチどうしの間の平均周期は、250ミクロンである、
請求項2記載の装置。
【請求項7】
前記導電性パッチはそれぞれ、1辺が約230ミクロンの長さを有する正方形である、
請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体は、複数のレベルの導電性パッチを有する、
請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第1の損失性の電磁バンドギャップ構造体であり、
前記装置はさらに、前記集積回路ダイの下に直接に横たわる第2の損失性の電磁バンドギャップ構造体を備え、
前記集積回路は、前記第1の損失性の電磁バンドギャップ構造体と前記第2の損失性の電磁バンドギャップ構造体との間にある、
請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第1の非損失性の電磁バンドギャップ構造体であり、
前記装置はさらに、前記インタポーザに連結されるパッチアンテナを有するアンテナ構造体を備え、
前記アンテナ構造体は、周辺位置に非損失性の電磁バンドギャップ構造体を有する、
請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第1の非損失性の電磁バンドギャップ構造体であり、
前記装置はさらに、前記インタポーザに連結されるパッチアンテナを有するアンテナ構造体を備え、
前記アンテナ構造体は、周辺位置に非損失性の電磁バンドギャップ構造体を有する、
請求項1記載の装置。
【請求項12】
前記インタポーザはさらに、スロット共振器を備える、
請求項1記載の装置。
【請求項13】
前記マイクロストリップ給電線路は、160ミクロンの幅寸法を有する、
請求項12記載の装置。
【請求項14】
空気を満たした第2の空隙は、前記集積回路ダイと前記インタポーザとの間に存在する、
請求項1記載の装置。
【請求項15】
第1の周波数範囲の第1の高周波信号のTEモードを吸収するステップであって、前記第1の高周波信号は、損失性の電磁バンドギャップ構造体に基づき、集積回路ダイから放射され、前記損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第1の導電性パッチと第2の導電性パッチとの間に第1の実効抵抗を有し、前記第1の高周波信号は、前記集積回路ダイの上でありかつ前記集積回路ダイに平行な方向に伝播され、前記集積回路ダイの背面側金属が、前記第1の導電性パッチと前記第2の導電性パッチの下に直接に横たわるステップと;
前記第1の周波数範囲の第2の高周波信号のTEモードを吸収するステップであって、前記第2の高周波信号は、非損失性の電磁バンドギャップ構造体に基づき、スロット共振器から放射され、前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第3の導電性パッチを第4の電導性パッチに電気的に連結する第2の実効抵抗を有し、前記第2の高周波信号は、マイクロストリップ給電線路の上でありかつ前記マイクロストリップ給電線路に平行な方向に伝播され、前記第2の実効抵抗は、前記第1の抵抗の少なくとも10倍超であり、前記マイクロストリップ給電線路は、前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体の下に直接に横たわるステップと
を有する方法。
【請求項16】
前記損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第1の損失性の電磁バンドギャップ構造体であり、前記方法はさらに、
第5の導電性パッチと第6の導電性パッチとを有する第2の損失性の電磁バンドギャップ構造体に基づき、前記第1の周波数範囲の前記第1の高周波信号のTEモードを吸収するステップを有し、
前記集積回路ダイは、前記第5の導電性パッチと前記第1の導電性パッチとの間に配置される、
請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第1の導電性パッチと前記第3の導電性パッチは、共通の導電層から形成される、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記第1の実効抵抗と、前記第5の導電性パッチと前記第6の導電性パッチとの間の第3の実効抵抗とは、前記第2の抵抗の10分の1未満である抵抗である、
請求項16記載の方法。
【請求項19】
インタポーザに配置される集積回路ダイを提供するステップであって、前記インタポーザは、導電性平板を有する第1の主表面と、前記集積回路ダイで生成されるミリ波信号を送信するために連結されるマイクロストリップ給電線路を有する第2の主表面とを備えるステップと;
第2の導電性パッチに電気的に連結された第1の導電性パッチを有する損失性の電磁バンドギャップ構造体と、第4の導電性パッチと電気的に絶縁された第3の導電性パッチを有する非損失性の電磁バンドギャップ構造体とを備えるカバー構造体を提供するステップと;
前記カバー構造体を前記インタポーザに連結することによって、前記カバーと前記インタポーザとの間に空洞部を形成するステップであって、前記集積回路ダイは、前記損失性の電磁バンドギャップ構造体と前記インタポーザとの間に存在し、マイクロストリップアンテナは、前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体の下に存在するステップと
を有する方法。
【請求項20】
前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第1の非損失性の電磁バンドギャップ構造体であり、
前記インタポーザに配置される前記集積回路ダイを提供する前記ステップはさらに、スロット共振器を実質的に囲む第2の非損失性の電磁バンドギャップ構造体を有する、
請求項19記載の方法。
【請求項21】
インタポーザに連結された、ミリ波信号を提供する集積回路ダイと;
前記ミリ波信号を受信するために集積回路ダイに連結されたマイクロストリップ給電線路を有する前記インタポーザと;
前記集積回路ダイと前記マイクロストリップ給電線路を覆うカバーと
を備える装置であって、
前記カバーと前記ダイとの間に空気を満たした空隙が存在し、
前記カバーは、前記集積回路ダイを直接に覆う損失性の電磁バンドギャップ構造体と、前記マイクロストリップ給電線路を直接覆う非損失性の電磁バンドギャップ構造体とを備える、装置。
【請求項1】
装置であって、前記装置は、
インタポーザに連結された集積回路ダイであって、前記集積回路ダイは、ミリ波信号を受信する集積回路ダイと;
前記ミリ波信号を受信するために前記集積回路ダイに連結されたマイクロストリップ給電線路を備える前記インタポーザと;
前記集積回路ダイおよび前記マイクロストリップ給電線路を覆うカバーと
を備え、
空気を満たした空隙は、前記カバーと前記ダイとの間に存在し、
前記カバーは、前記集積回路ダイを直接に覆う損失性の電磁バンドギャップ構造体と、前記マイクロストリップ給電線路を直接覆う非損失性の電磁バンドギャップ構造体とを備える、装置。
【請求項2】
前記損失性の電磁バンドギャップ構造体の第1の導電性パッチと第2の導電性パッチとの間の第1の実効抵抗は、前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体の第3の導電性パッチと第4の導電性パッチとの間の第2の実効抵抗よりも小さく、
前記第1の導電性パッチと前記第2の導電性パッチは、互いに隣接し、
前記第3の導電性パッチと前記第4の導電性パッチは、互いに隣接する、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第2の実効抵抗は、前記第1の実効抵抗の少なくとも10倍超である、
請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記第1の実効抵抗は、前記第1の導電性パッチを前記第2の導電性パッチに連結する第1層の第1の部分に基づき、
前記第2の導電性パッチは、第1のシート抵抗を有し、
前記第1のシート抵抗は、前記第3の導電性パッチを前記第4の導電性パッチに連結する第2層の第2の部分の第2のシート抵抗よりも小さい、
請求項2記載の装置。
【請求項5】
前記第2のシート抵抗は、前記第1のシート抵抗の少なくとも10倍超である、
請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記第1のパッチと前記第2のパッチとを有する、複数の互いに隣接する導電性パッチどうしの間の平均周期は、250ミクロンである、
請求項2記載の装置。
【請求項7】
前記導電性パッチはそれぞれ、1辺が約230ミクロンの長さを有する正方形である、
請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体は、複数のレベルの導電性パッチを有する、
請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第1の損失性の電磁バンドギャップ構造体であり、
前記装置はさらに、前記集積回路ダイの下に直接に横たわる第2の損失性の電磁バンドギャップ構造体を備え、
前記集積回路は、前記第1の損失性の電磁バンドギャップ構造体と前記第2の損失性の電磁バンドギャップ構造体との間にある、
請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第1の非損失性の電磁バンドギャップ構造体であり、
前記装置はさらに、前記インタポーザに連結されるパッチアンテナを有するアンテナ構造体を備え、
前記アンテナ構造体は、周辺位置に非損失性の電磁バンドギャップ構造体を有する、
請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第1の非損失性の電磁バンドギャップ構造体であり、
前記装置はさらに、前記インタポーザに連結されるパッチアンテナを有するアンテナ構造体を備え、
前記アンテナ構造体は、周辺位置に非損失性の電磁バンドギャップ構造体を有する、
請求項1記載の装置。
【請求項12】
前記インタポーザはさらに、スロット共振器を備える、
請求項1記載の装置。
【請求項13】
前記マイクロストリップ給電線路は、160ミクロンの幅寸法を有する、
請求項12記載の装置。
【請求項14】
空気を満たした第2の空隙は、前記集積回路ダイと前記インタポーザとの間に存在する、
請求項1記載の装置。
【請求項15】
第1の周波数範囲の第1の高周波信号のTEモードを吸収するステップであって、前記第1の高周波信号は、損失性の電磁バンドギャップ構造体に基づき、集積回路ダイから放射され、前記損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第1の導電性パッチと第2の導電性パッチとの間に第1の実効抵抗を有し、前記第1の高周波信号は、前記集積回路ダイの上でありかつ前記集積回路ダイに平行な方向に伝播され、前記集積回路ダイの背面側金属が、前記第1の導電性パッチと前記第2の導電性パッチの下に直接に横たわるステップと;
前記第1の周波数範囲の第2の高周波信号のTEモードを吸収するステップであって、前記第2の高周波信号は、非損失性の電磁バンドギャップ構造体に基づき、スロット共振器から放射され、前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第3の導電性パッチを第4の電導性パッチに電気的に連結する第2の実効抵抗を有し、前記第2の高周波信号は、マイクロストリップ給電線路の上でありかつ前記マイクロストリップ給電線路に平行な方向に伝播され、前記第2の実効抵抗は、前記第1の抵抗の少なくとも10倍超であり、前記マイクロストリップ給電線路は、前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体の下に直接に横たわるステップと
を有する方法。
【請求項16】
前記損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第1の損失性の電磁バンドギャップ構造体であり、前記方法はさらに、
第5の導電性パッチと第6の導電性パッチとを有する第2の損失性の電磁バンドギャップ構造体に基づき、前記第1の周波数範囲の前記第1の高周波信号のTEモードを吸収するステップを有し、
前記集積回路ダイは、前記第5の導電性パッチと前記第1の導電性パッチとの間に配置される、
請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第1の導電性パッチと前記第3の導電性パッチは、共通の導電層から形成される、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記第1の実効抵抗と、前記第5の導電性パッチと前記第6の導電性パッチとの間の第3の実効抵抗とは、前記第2の抵抗の10分の1未満である抵抗である、
請求項16記載の方法。
【請求項19】
インタポーザに配置される集積回路ダイを提供するステップであって、前記インタポーザは、導電性平板を有する第1の主表面と、前記集積回路ダイで生成されるミリ波信号を送信するために連結されるマイクロストリップ給電線路を有する第2の主表面とを備えるステップと;
第2の導電性パッチに電気的に連結された第1の導電性パッチを有する損失性の電磁バンドギャップ構造体と、第4の導電性パッチと電気的に絶縁された第3の導電性パッチを有する非損失性の電磁バンドギャップ構造体とを備えるカバー構造体を提供するステップと;
前記カバー構造体を前記インタポーザに連結することによって、前記カバーと前記インタポーザとの間に空洞部を形成するステップであって、前記集積回路ダイは、前記損失性の電磁バンドギャップ構造体と前記インタポーザとの間に存在し、マイクロストリップアンテナは、前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体の下に存在するステップと
を有する方法。
【請求項20】
前記非損失性の電磁バンドギャップ構造体は、第1の非損失性の電磁バンドギャップ構造体であり、
前記インタポーザに配置される前記集積回路ダイを提供する前記ステップはさらに、スロット共振器を実質的に囲む第2の非損失性の電磁バンドギャップ構造体を有する、
請求項19記載の方法。
【請求項21】
インタポーザに連結された、ミリ波信号を提供する集積回路ダイと;
前記ミリ波信号を受信するために集積回路ダイに連結されたマイクロストリップ給電線路を有する前記インタポーザと;
前記集積回路ダイと前記マイクロストリップ給電線路を覆うカバーと
を備える装置であって、
前記カバーと前記ダイとの間に空気を満たした空隙が存在し、
前記カバーは、前記集積回路ダイを直接に覆う損失性の電磁バンドギャップ構造体と、前記マイクロストリップ給電線路を直接覆う非損失性の電磁バンドギャップ構造体とを備える、装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【公開番号】特開2012−105261(P2012−105261A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237604(P2011−237604)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】
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