説明

電力変換装置

【課題】還流ダイオードに流れる電流の振動によって発生するノイズを抑制する電力変換装置を提供する。
【解決手段】複数のスイッチング素子Q1〜Q6と還流ダイオードD1〜D6とを有し、前記複数のスイッチング素子Q1〜Q6のオン及びオフを切り換えることで、入力された電力を変換し、負荷に出力する電力変換回路と、前記複数のスイッチング素子Q1〜Q6を駆動する駆動回路20と、前記電力変換回路及び前記駆動回路20を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記電力変換回路から前記負荷に供給される供給電流が0アンペア付近にある場合に、前記スイッチング素子Q1〜Q6をターンオンさせる際のスイッチング速度を、前記供給電流が0アンペア付近ではない場合のスイッチング速度より低下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブリッジ接続された複数のダイオードと各ダイオードに並列接続された半導体スイッチング素子とを有し、直流電源と発電電動機との間に配置されて供給された直流電力を交流電力に変換して発電電動機に給電する交直変換回路と、半導体スイッチング素子を断続制御する制御回路とを備え、制御回路が発電電動機のエンジン始動時に最大の抵抗値となるゲート抵抗器を通じて半導体スイッチング素子を駆動させることで、スイッチング素子のオン状態とオフ状態との間の状態遷移を遅らせて、スイッチングノイズを許容レベル範囲に抑制する車両用発電電動機制御装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−65460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の車両用発電電動機制御装置では、スイッチング素子のオン状態とオフ状態との間の状態遷移を遅らせることにより、スイッチング素子に流れる電流の変化を緩慢にしてスイッチングノイズを抑制しているが、ノイズを抑制するには不充分であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
スイッチング素子のスイッチング動作によって発生するノイズは、スイッチング素子に流れる電流の変化によって発生するノイズ以外にも、スイッチング素子に並列接続された還流ダイオードに流れる電流の振動によっても発生する。
【0006】
本発明は、電力変換回路から負荷に供給される供給電流が0アンペア付近にある場合に、スイッチング素子をターンオンさせる際のスイッチング速度を、供給電流が0アンペア付近ではない場合のスイッチング速度より低下させることによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スイッチング素子をターンオンさせることで還流ダイオードに流れるリカバリ電流の変化率が抑制されるため、負荷への供給電流が0アンペア付近にある場合に、還流ダイオードの電流の振動によって発生するノイズを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る電力変換装置を含むモータ制御システムのブロック図である。
【図2】図1の駆動回路の回路図である。
【図3】図1の制御回路のブロック図である。
【図4a】図1のインバータのU相に相当する部分の回路図である。
【図4b】図4aのダイオードを流れる電流の時間特性を示すグラフである。
【図5】図1のインバータにおける供給電流に対するdi/dtの特性を示すグラフである。
【図6】図1のインバータにおける、コレクタ電流特性及びコレクタ−エミッタ間の電圧特性を示すグラフである。
【図7】本発明の変形例に係る制御回路のブロック図である。
【図8】本発明の変形例に係る制御回路のブロック図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る電力変換装置の駆動回路の回路図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る電力変換装置における、電流指定値に対するゲート電圧の特性を示すグラフである。
【図11】本発明の他の実施形態に係る電力変換装置の駆動回路の回路図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る電力変換装置の駆動回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る電力変換装置を含むモータ制御システムを示すブロック図である。詳細な図示は省略するが、本例の電気自動車は、三相交流電力の永久磁石モータ3を走行駆動源として走行する車両であり、モータ3は電気自動車の車軸に結合されている。以下、電気自動車を例に説明するが、ハイブリッド自動車(HEV)にも本発明を適用可能であり、車両以外の装置の電力変換装置にも本発明を適用可能である。
【0011】
本例のモータ制御システムは、インバータ1と、モータ3の電源であるバッテリ2と、上述した三相交流モータ3と、リレー4と、車両コントローラ5と、回転子位置センサ6とを備える。
【0012】
バッテリ2は、リレー4を介してインバータ1に接続されている。バッテリ2には、例えばリチウムイオン電池などの二次電池が搭載されている。リレー4は、車両のキースイッチ(図示しない)のON/OFF操作に連動して、車両コントローラ5により開閉駆動する。キースイッチ(図示しない)がオンの時に、リレー4が閉じられ、キースイッチ(図示しない)がオフの時に、リレー4が開かれる。
【0013】
インバータ1は、複数のスイッチング素子(絶縁ゲートバイポーラトランジスタIGBT)Q1〜Q6と、各スイッチング素子Q1〜Q6に並列に接続され、スイッチング素子Q1〜Q6の電流方向とは逆方向に電流が流れる整流素子(還流ダイオード)D1〜D6を有し、バッテリ1の直流電力を交流電力に変換して、モータ3に供給する。本例では、2つのスイッチング素子を直列に接続した3対の回路がバッテリ1に並列に接続され、各対のスイッチング素子間とモータ3の三相入力部とがそれぞれ電気的に接続されている。各スイッチング素子Q1〜Q6には、同一のスイッチング素子が用いられ、例えば、絶縁ゲートパイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられる。またスイッチング素子Q1、Q2及びダイオードD1、D2がパワーモジュール11としてモジュール化されており、同様に、スイッチング素子Q3、Q4及びダイオードD3、D4がパワーモジュール12として、スイッチング素子Q5、Q6及びダイオードD5、D6がパワーモジュール13としてモジュール化されている。
【0014】
図1に示す例でいえば、スイッチング素子Q1とQ2、スイッチング素子Q3とQ4、スイッチング素子Q5とQ6がそれぞれ直列に接続され、スイッチング素子Q1とQ2の間とモータ3のU相、スイッチング素子Q3とQ4の間とモータ3のV相、スイッチング素子Q5とQ6の間とモータ3のW相がそれぞれ接続されている。スイッチング素子Q1、Q3、Q5は、バッテリ1の正極側に電気的に接続されており、スイッチング素子Q2、Q4、Q6は、バッテリ1の負極側に電気的に接続されている。各スイッチング素子Q1〜Q6のオン及びオフの切り換えは、駆動回路20を介して制御回路30により制御される。
【0015】
インバータ1は、パワーモジュール11〜13、コンデンサ14、電圧センサ15、電流センサ16、駆動回路20及び制御回路30を備えている。コンデンサ14及び電圧センサ15は、リレー2と各スイッチング素子Q1〜Q6との間に接続されている。コンデンサ14は、バッテリ1から供給される直流電力を平滑化するために設けられる。電圧センサ15は、コンデンサ14の電圧を検出することで、P側及びN側のDC電源ライン間の電圧を検出するセンサである。電流センサ16は、インバータ1からモータ3に供給される各相電流(Iu、Iv、Iw)を検出センサであって、スイッチング素子Q1、Q2の接続点、スイッチング素子Q3、Q4の接続点及びスイッチング素子Q5、Q6の接続点と、モータ3との間の各相に設けられ、検出電流の信号を制御回路30に出力する。
【0016】
駆動回路20は、各スイッチング素子Q1〜Q6に対してゲート信号を送信し、各スイッチング素子Q1〜Q6のオン及びオフを駆動させる。駆動回路20は、電圧センサ15からの信号を入力とし、当該信号を制御回路30により認識できる波形レベルに変換し、コンデンサ14の電圧を示す信号として、制御回路30に送信する。なお、駆動回路20の具体的な構成は後述する。
【0017】
制御回路30は、駆動回路20を介して各スイッチング素子Q1〜Q6を制御し、モータ3の動作を制御する。制御回路30は、車両コントローラ5から送信されるトルク指令値(T)を示す信号、回転子位置センサ6からの信号、電流センサ16から送信されるフィードバック信号、及び、電圧センサ7からの信号を読み込み、PWM(パルス幅変調)信号を生成し、当該信号を駆動回路20に送信する。そして、駆動回路20は、当該パルス幅変調信号に基づき、スイッチング素子Q1〜Q6を所定のタイミングでオン及びオフさせる。なお、制御回路30の具体的な構成は後述する。
【0018】
車両コントローラ5は、中央演算装置(CPU)、リードオンメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)を備え、本例の車両の全体を制御する制御部であって、アクセル信号等に基づきトルク指令値(T)を算出し、当該トルク指令値(T)を制御回路30に出力する。また車両コントローラ5は、車両の駆動に基づく起動要求司令と車両の停止に基づく停止要求司令を制御回路30に出力する。また車両コントローラ5は、リレー4の開閉情報を制御回路30へ送信する。
【0019】
回転子位置センサ12は、レゾルバやエンコーダなどのセンサであって、モータ3に設けられ、モータ3の回転子の位置を検出し、回転子の位置をモータコントローラ9に出力する。
【0020】
次に、図2を用いて駆動回路20の構成を説明する。図2は駆動回路20のゲート電源部と駆動部との回路図を示す。なお、図2では半導体モジュール11と接続される駆動回路20の回路を示しているが、半導体モジュール12及び半導体モジュール13とそれぞれ接続される駆動回路20の回路も同じ構成であるため、説明を省略する。
【0021】
駆動回路20は、ゲート電源部21と、駆動部22とを有している。ゲート電源部21は、ゲート電源21との間で絶縁された駆動部22に電源を供給する回路であり、スイッチング素子Q1〜Q6を駆動させる駆動電源回路である。ゲート電源は、1次側の電源から供給される電力を制御する電源IC211と、FET1(電界効果トランジスタ)と、フライバックトランス212と、電圧切替部213とを有している。ゲート電源部21はフライバックコンバータで構成され、フライバックトランス212の電圧検出用の巻線からの電圧を抵抗R1及びR2で分圧したものが電源制御IC211のFB(フィードバック)端子へ入力される。電源IC221は、FB端子に入力される検出電圧信号と基準電圧を比較し、FET1のオン及びオフのデューティ比を制御し、フライバックトランス212の巻線の出力電圧を一定にする。フライバックトランス212は、インバータ1の主回路側と駆動回路20の一次電源側とを絶縁している。スイッチング素子Q2、Q4、Q6の電源は、N側のDC電源ラインを同一の基準電源としてとっており、スイッチング素子Q1、Q3、Q5の電源は、それぞれ絶縁された巻線からとっている。
【0022】
電圧切替部213は、スイッチング素子Q1〜Q6のゲート電圧を切り替えるための回路であって、フライバックトランス212の1次巻線側に接続された、抵抗R1及び抵抗R2の直列回路に流れる電流経路を切り替えることで、電源IC221のFB端子への入力電圧を切り替えて、スイッチング素子Q1〜Q6のゲート電圧を調整する。電圧切替部213はFET2と抵抗R3との直列回路を有し、当該直列回路は抵抗R2に対して並列に接続されている。電圧切替部213は、制御回路30から送信されるゲート電源電圧切替信号(L)によりFET2をターンオフさせる。FET2がオフになると、電源IC211のFB端子へ入力される電圧が上昇し、スイッチング素子Q1〜Q6のゲート電圧が低下する。
【0023】
駆動部22は、駆動IC221と、プッシュプル回路222とを有している。駆動部IC221は、制御回路30から出力されるPWM信号に基づき、プッシュプル回路222を制御し、ゲート抵抗Rg1、Rg2をそれぞれ介して、スイッチング素子Q1、Q2のゲート−エミッタ間にゲート電圧を印加して、スイッチング素子Q1、Q2のオン及びオフを切り替える。複数のプッシュプル回路222の入力側はフライバックトランス212に含まれる複数のトランスにそれぞれ接続され、出力側はゲート抵抗R1、R2を介して、スイッチング素子Q1、Q2にそれぞれ接続されている。駆動部22は、制御回路30との間でフォトカプラ等により絶縁される。
【0024】
次に、図3を用いて制御回路30の構成を説明する。図3は制御回路30のブロック図である。図3に示すように、制御回路30は、電流指令値算出部31と、電流制御部32と、dq三相変換部33と、PWM信号生成部34と、三相dq変換部35と、位相演算部36と、回転数演算部37と、電圧切替判定部28とを備えている。
【0025】
電流指令値算出部31は、トルク指令値(T)と、回転数演算部37により演算されるモータ3の角周波数(回転速度)(ω)、及び、電圧センサ15により検出されるコンデンサ5の検出電圧(Vdc)を入力として、マップを参照し、インバータ1からモータ3に供給される交流電流の目標値を示す、dq軸電流指令値(I、I)を算出する。当該マップは、トルク指令値(T)、角周波数(ω)、電圧(Vdc)を指標として、dq軸電流指令値(I、I)を出力するために、電流指令値算出部31に予め格納されており、入力に対して、インバータ1の損失及びモータ3の損失を最小限に抑える最適な指令値を出力するよう対応づけられている。ここで、dq軸は、回転座標系の成分を示している。
【0026】
電流制御器32は、dq軸電流指令値(I、I)、3相dq変換部35の出力であるdq軸電流(I、I)を入力として、dq軸電流(I、I)をdq軸電流指令値(I、I)と一致させるdq軸電圧指令値(V、V)を演算し、出力する。
【0027】
dq3相変換部33は、dq軸電圧指令値(V、V)及び位相演算部36の位相検出値(θ)を入力として、当該回転座標系のdq軸電圧指令値(V、V)を固定座標系のu、v、w軸の電圧指令値(V、V、V)に変換する。またdq3相変換部33は、変換された電圧指令値(V、V、V)をPWM信号生成部34に出力する。
【0028】
PWM信号生成部34は、検出電圧(Vdc)、電圧指令値(V、V、V)に基づき、スイッチング素子Q1〜Q6をスイッチング制御するためのPWM信号を生成し、駆動回路20に出力する。
【0029】
3相dq変換部35は、3相2相変換を行う制御部であり、電流センサ16で検出される相電流(I、I、I)及び位相演算部36の位相検出値(θ)を入力として、固定座標系の相電流(I、I、I)を回転座標系の相電流(I、I)に変換する。また3相dq変換部35は、変換された回転座標系の相電流(I、I)を、電流制御部32に出力する。
【0030】
位相演算部36は、回転子位置センサ6から送信される、モータ3の回転子の位置を示す信号に基づき、回転子の位相(θ)を演算し、dq3相変換部33、3相dq変換部35及び回転数演算部37に出力する。回転数演算部37は、当該位相(θ)を微分演算することで回転数(電気角速度)(ω)を演算し、電流指令値算出部31に出力する。
【0031】
電圧切替判定部38は、電流指令値算出部31から出力されるdq軸電流指令値(I、I)に基づいて、スイッチング素子Q1〜Q6のゲート電圧を切り替えるか否か判定し、判定結果に応じたゲート電源電圧切替信号を電圧切替部213に送信する。なお、電圧切替判定部38の具体的な制御内容は、後述する。
【0032】
ここで、ダイオードD1〜D6に流れるリカバリ電流について図4a及び図4bを用いて説明する。図4aは、還流電流の電流経路を説明するための、U相部分である、スイッチング素子Q1、Q2及びダイオードD1、D2の回路図である。図4bは還流電流の時間特性を示すグラフである。
【0033】
図4aに示すように、モータ3からインバータ1に向かって還流電流(If)がながれ、ダイオードD1に電流(If)が流れている状態で、スイッチング素子Q2をターンオンすると、ダイオードD1に流れていた還流電流が、スイッチング素子D1に流れ出す。この時、ダイオードD1におけるキャリアの蓄積によって、ダイオードD1の逆方向に電流が流れ、その後、ゼロに収束する。図4bに示すように、還流電流(If)がダイオードD1に流れている状態で、時間tでスイッチング素子Q1をターンオンさせると、時間t1でゼロになった後に振動して、ゼロに収束する。そして、この振動している電流がリカバリ電流である。
【0034】
ところで、本例の電力変換装置を例えば車両に搭載して、モータ3の最大駆動電流値を約600Aにして、モータ3を駆動させると、インバータ1からモータ3に供給される電流が0A付近(上記最大駆動電流値に対して充分小さい電流値であり、ここでは約30A以下)になった場合に、上記のリカバリ電流を起因としたノイズが発生することが本発明により確認された。そして、当該ノイズは、車両に搭載されたラジオなどと干渉するため当該ノイズを抑制する必要があった。また、半導体モジュールにおいては、スイッチング素子Q1〜Q6の発熱を抑制することが求められているため、パワーモジュール11〜13の損失も抑制する必要がある。
【0035】
本発明は、以下のように、スイッチング素子Q1〜Q6のターンオンさせる際のスイッチング速度を複数設定し、インバータ1からモータ3に供給される供給電流が0アンペア付近にある場合には、スイッチング素子Q1〜Q6のターンオンさせる際のスイッチング速度を、当該供給電流が0アンペア付近ではない場合のスイッチング速度より低くする。
【0036】
次に、図1〜図3及び図5を用いて、制御回路30の制御内容を説明する。図5は、インバータ1の出力電流に対する、リカバリ電流の変化率(di/dt)の特性を示すグラフである。制御回路30は、インバータ1からモータ3に供給される供給電流が0アンペア付近か否かを判定するために、電流指定値算出部31から出力されるdq軸電流指令値(I、I)を用いる。
【0037】
電圧切替判定部38は、電流指定値算出部31から出力されるdq軸電流指令値(I、I)と、予め設定されている電流閾値とを比較し、比較結果に応じて、電源電圧切替信号のオン(H)及びオフ(L)波形を生成する。供給電流が0アンペア付近にある場合には、リカバリ電流の振動が大きくなり、それによってノイズが発生するため、本例は、リカバリ電流の変化率(di/dt)に応じて電流閾値を設定する。すなわち、本例の電力変換装置を搭載する車両などの装置において、リカバリ電流の振動により放射するノイズの許容される大きさを予め計測し、許容範囲内に入るよう、供給電流に対するリカバリ電流の変化率(di/dt)を評価した上で、設計段階で電流閾値を定める。
【0038】
図5に示すように、インバータ1からモータ3への供給電流に対して、リカバリ電流の変化率(di/dt)の特性は予め評価される。そのため、許容ノイズ範囲内に入る、リカバリ電流の限界変化率(di/dt_max)を定め、当該限界変化率に対応する供給電流を、基準値(Ith)に設定する。また、当該供給電流はdq軸電流指令値(I、I)と相関性をもっているため、制御回路30は、必ずしも供給電流を直接検出した上で、供給電流が0アンペア付近であるか否かを判定する必要はなく、当該基準値(Ith)に相当する電流指令値の閾値を、電流閾値として、電圧切替判定部38に格納する。
【0039】
そして、電圧切替判定部38は、dq軸電流指令値(I、I)が電流閾値より低い場合には、モータ3への供給電流が0アンペア付近にあると判定し、ゲート電源電圧切替信号(L)を駆動回路20に送信する。駆動回路20は、当該ゲート電源電圧切替信号(L)に基づき、スイッチング素子Q1〜Q6のゲート電圧を低下する。駆動回路20は、PWM信号により、スイッチング素子Q1〜Q6をターンオンする際には、低いゲート電圧でスイッチング素子Q1〜Q6をターンオンするため、当該スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度が低下し、還流電流が流れていたダイオードD1〜D6における、リカバリ電流の変化率(di/dt)を限界変化率(di/dt_max)以下に抑えることができる。
【0040】
一方、電圧切替判定部38は、dq軸電流指令値(I、I)が電流閾値より高い場合には、モータ3への供給電流が0アンペア付近ではないと判定し、ゲート電源電圧切替信号(H)を駆動回路20に送信する。駆動回路20は、当該ゲート電源電圧切替信号(H)に基づき、スイッチング素子Q1〜Q6のゲート電圧を、通常のゲート電圧、言い換えると、供給電流が0アンペア付近にある場合のゲート電圧より高いゲート電圧、に設定する。駆動回路20は、PWM信号により、スイッチング素子Q1〜Q6をターンオンする際には、通常のゲート電圧でスイッチング素子Q1〜Q6をターンオンするため、当該スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度が通常制御時の速度となる。すなわち、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度が低下させるためにゲート電圧を低くすると、スイッチング素子Q1〜Q6の損失が大きくなるため、供給電流の大きさに関わらず、常時、ゲート電圧を低い状態にすると、スイッチング素子Q1〜Q6からの発熱が大きくなる。そのため、本例では、モータ3への供給電流が0アンペア付近ではないと判定した場合には、ゲート電圧を通常時に戻して、スイッチング素子Q1〜Q6の損失を抑制している。
【0041】
次に、図6を用いて、ゲート電圧と、スイッチング速度に対応する変化率(di/dt)との関係について説明する。図6はコレクタ電流(Ic)及びコレクタ−エミッタ間の電圧(Vce)の時間特性を示し、グラフaはゲート電圧を低下させた時のIc、グラフbはゲート電圧を通常時にした時のIc、グラフcはゲート電圧を低下させた時のVce、グラフdはゲート電圧を通常時にした時のVceを示す。
【0042】
ゲート電圧を低下させると、スイッチング素子Q1〜Q6のゲート−エミッタ間の入力容量を充電する時間が長くなるため、グラフa及びグラフbに示すように、ゲート電圧を低下させた時のIcは、ゲート電圧を通常時にした時のIcと比較して、緩やかに流れている。そのため、コレクタ電流(Ic)のd(Ic)/dtも小さくなる。また、Vceについても同様に、グラフc及びグラフdに示すように、ゲート電圧を低下させた時のVceは、ゲート電圧を通常時にした時のVceと比較して、緩やかに変化する。そのため、ゲート−エミッタ間電圧(Vce)のd(Vce)/dtも小さくなる。
【0043】
これにより、ゲート電圧を低下させることで、Icの変化率(d(Ic)/dt)及びVceのd(Vce)/dtを抑制することができる。そして、Icの変化率(d(Ic)/dt)及びVceのd(Vce)/dtは、ダイオードD1〜D6のリカバリ電流の変化率と等価であるため、本例は、供給電流が0アンペア付近である場合に、ゲート電圧を低下させてスイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度が低下させることで、ノイズを低減することができる。
【0044】
上記のように、本例において、制御回路30は、インバータ1からモータ3に供給される供給電流が0アンペア付近にある場合に、スイッチング素子Q1〜Q6をターンオンさせる際のスイッチング速度を、供給電流が0アンペア付近ではない場合のスイッチング速度より低下させる。これにより、供給電流が0アンペア付近にある場合に、スイッチング素子Q1〜Q6をターンオンさせることでダイオードD1〜D6に流れるリカバリ電流の変化率が抑制され、供給電流が0アンペア付近にある場合にリカバリ電流の振動によって発生するノイズを抑制することができる。また、本例は、供給電流が0アンペア付近にはない場合には、スイッチング速度を通常時の速度に戻すため、スイッチング素子Q1〜Q6を含むパワーモジュール11〜13での損失を抑制することができる。
【0045】
また本例において、制御回路30は、スイッチング素子Q1〜Q6をターンオンさせることでダイオードD1〜D6に流れるリカバリ電流の限界変化率に対応する電流閾値と、供給電流とを比較し、供給電流が電流閾値より低い場合に、供給電流が0アンペア付近にあると判定し、スイッチング速度より低下させる。これにより、供給電流が0アンペア付近にある場合にリカバリ電流の振動によって発生するノイズを抑制することができる。
【0046】
また本例において、制御回路30は、電流指令値算出部31により算出された電流指定値に基づき、供給電流が0アンペア付近にあるか否かを判定する。これにより、電流指定値を用いて、電流閾値と供給電流とを比較し、供給電流が0アンペア付近にあるか否かを判定することができる。
【0047】
また本例において、制御回路30は、スイッチング素子Q1〜Q6のゲート電圧を低下させることで、スイッチング速度を低下させる。これにより、供給電流が0アンペア付近にある場合にリカバリ電流の振動によって発生するノイズを抑制することができる。
【0048】
なお本例は、電圧切替判定部38において、dq軸電流指令値(I、I)と電流指令値と対応する電流閾値とを比較して、供給電流が0アンペア付近にあるか否かを判定したが、電流センサ16の検出電流に基づいて、供給電流が0アンペア付近にあるか否かを判定してもよい。すなわち、電流閾値を、上記のように電流指令値ではなく、モータ3への供給電流に対応する閾値に予め設定し、制御回路30は、電流センサ16の検出電流と電流閾値とを比較して、検出電流が電流閾値より低い場合に、供給電流が0アンペア付近にあると判定する。これにより、電流センサ16の検出値を用いて、供給電流が0アンペア付近にあるか否かを判定することができる。
【0049】
また本例は、図7に示すように、3相dq変換部35の出力であるdq軸電流(I、I)に基づいて、供給電流が0アンペア付近にあるか否かを判定してもよい。図7は、本発明の変形例に係る電力変換装置の制御回路30のブロック図である。電圧切替判定部38は、dq軸電流(I、I)からモータ電流成分(Ia)を抽出し、当該モータ電流成分(Ia)と電流閾値とを比較して、供給電流が0アンペア付近にあるか否かを判定し、判定結果に応じて、ゲート電圧を低下させる。なお、当該電流閾値は、モータ電流成分(Ia)と対応する閾値を設定する。
【0050】
また本例は、図8に示すように、インバータ1の外部から入力されるトルク指令値(T)、モータ3の角周波数(ω)に基づいて、供給電流が0アンペア付近にあるか否かを判定してもよい。図8は、本発明の変形例に係る電力変換装置の制御回路30のブロック図である。電圧切替判定部38には、モータ3への供給電流がゼロ付近になるトルク及び角周波数の範囲が予め設定されている。そして、電圧切替判定部38は、トルク指令値(T)及びモータ3の角周波数(ω)を入力とし、トルク指令値(T)及びモータ3の角周波数(ω)が当該範囲内にある場合に、供給電流が0アンペア付近にあると判定し、判定結果に応じて、ゲート電圧を低下させる。これにより、トルク指令値及びモータ3の回転速度を用いて、供給電流が0アンペア付近にあるか否かを判定することができる。
【0051】
なお、上記のダイオードD1〜D6は本発明の「還流ダイオード」に相当し、モータ3が「負荷」に相当し、制御回路30は「制御手段」に相当し、インバータ1に含まれる回路が「電力変換回路」に相当し、電流指定値算出部31が「指令値算出手段」に相当する。
【0052】
《第2実施形態》
図9は、発明の他の実施形態に係る電力変換装置の駆動回路20の回路図である。本例では上述した第1実施形態に対して、駆動回路20及び制御回路30の一部の構成が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を援用する。
【0053】
第1実施形態と異なり、制御回路30は、電流指定値算出部31から出力されるdq軸電流指令値(I、I)を駆動回路20に、ゲート電源電圧指令値として、直接出力する。そして、図9に示すように、電源IC211には、制御回路30からのゲート電源電圧指令値である、dq軸電流指令値(I、I)が入力される。電源IC211は、dq軸電流指令値(I、I)が所定の閾値(Ids)以下であって、dq軸電流指令値(I、I)がゼロに近いほど、ゲート電圧が低くなるように、FET1を制御する。
【0054】
図10は、電流指令値に対するゲート電圧の特性を示すグラフである。すなわち、図10に示すように、駆動回路20は、dq軸電流指令値(I、I)が所定の電流閾値(Ids)より高い場合には、ゲート電圧を、通常時のゲート電圧(Vg1)にする。また、dq軸電流指令値(I、I)が電流閾値(Ids)以下においては、dq軸電流指令値(I、I)がゼロに近づくほど、ゲート電圧がリニアに低下させ、ゲート電圧(Vg1)より低いゲート電圧(Vg2)に近づくように、駆動回路20はゲート電圧を低下させる。
【0055】
上記のように本例において、駆動回路20は、供給電流が0アンペア付近に近いほど、スイッチング速度を低下させる。これにより、供給電流が0アンペア付近にある場合にリカバリ電流の振動によって発生するノイズを抑制することができる。また、本例は、供給電流が0アンペア付近にはない場合には、スイッチング速度を通常時の速度に戻すため、スイッチング素子Q1〜Q6を含むパワーモジュール11〜13での損失を抑制することができる。
【0056】
《第3実施形態》
図11は、発明の他の実施形態に係る電力変換装置の駆動回路20の回路図である。本例では上述した第1実施形態に対して、駆動回路20の一部の構成が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、第1実施形態及び第2実施形態の記載を適宜、援用する。
【0057】
図11に示すように、駆動回路20は、ゲート電源部21と、駆動部22と、ゲート電源部23とを有している。ゲート電源部21は、ゲート電源電圧切替信号に基づきゲート電圧を低下させるための回路である電圧切替部213を有し、下アーム回路のスイッチング素子Q2に電気的に接続されている。一方、ゲート電源部23は、電圧切替部213を有しておらず、上アーム回路のスイッチング素子Q1に電気的に接続されている。すなわち、本例の駆動回路20は、ゲート電源電圧切替信号に基づき、インバータ1の電力変換回路のうち下アーム回路に含まれるスイッチング素子Q2、Q4、Q6のゲート電圧を低下させて、上アーム回路に含まれるスイッチング素子Q1、Q3、Q5のゲート電圧を低下させない。
【0058】
上記のように、本例は、モータ3に供給される供給電流が0アンペア付近にある場合に、直列接続されたスイッチング素子Q1〜Q6のうち、一方のスイッチング素子Q2、Q4、Q6のゲート電圧を低下させて、他方のスイッチング素子Q1、Q3、Q5のゲート電圧を低下させない。これにより、供給電流が0アンペア付近にある場合にリカバリ電流の振動によって発生するノイズを抑制することができる。また、損失を増加させる制御が、一部にスイッチング素子Q1〜Q6に限定されるため、パワーモジュール11〜13での損失を抑制することができる。
【0059】
《第4実施形態》
図12は、発明の他の実施形態に係る電力変換装置の駆動回路20の回路図である。本例では上述した第1実施形態に対して、駆動回路20及び制御回路30の一部の構成が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、第1〜第3実施形態の記載を適宜、援用する。
【0060】
制御回路30は、モータ3への供給電流が0アンペア付近にあるか否かの判定結果に基づいて、駆動回路20にゲート抵抗切替信号を送信する。ゲート抵抗切替信号は、スイッチング素子Q1〜Q6のゲート抵抗を切り替えるための制御信号である。制御回路30は、供給電流が0アンペア付近にある場合には、ゲート抵抗切替信号(H)を送信し、供給電流が0アンペア付近ではない場合には、ゲート抵抗切替信号(L)を送信する。
【0061】
駆動回路20は、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2と対応させて、駆動IC221、プッシュプル回路222、絶縁素子223及びスイッチング素子224、225を有している。絶縁素子223は、フォトカプラ等で駆動回路20の電源部分と制御回路30とを絶縁するための素子である。また絶縁素子223は、制御回路30から送信されるゲート抵抗切替信号に基づいてスイッチング素子224及びスイッチング素子225を制御する。スイッチング素子Q1、Q2のゲート端子には、ゲート抵抗を設定するための抵抗Rg1、Rg2及び抵抗Rg1’、Rg2’を並列接続させた抵抗回路がそれぞれ接続されている。また、抵抗Rg1’、Rg2’の一端にはスイッチング素子225が接続されており、スイッチング素子225のオン及びオフに応じて、当該抵抗回路の抵抗値が変わる。すなわち、当該抵抗回路において、抵抗Rg1、Rg2及び抵抗Rg1’、Rg2’を並列回路にすれば、ゲート抵抗は低くなり、抵抗Rg1、Rg2のみ導通する回路にすれば、ゲート抵抗は高くなる。
【0062】
駆動回路20は、絶縁素子223により制御回路30から送信されるゲート抵抗切替信号(L)を受信すると、スイッチング素子224及びスイッチング素子225を制御して、抵抗Rg1、Rg2及び抵抗Rg1’、Rg2’を並列回路にする。一方、駆動回路20は、絶縁素子223により制御回路30から送信されるゲート抵抗切替信号(H)を受信すると、スイッチング素子224及びスイッチング素子225を制御して、抵抗Rg1’、Rg2’の電流経路を遮断して、抵抗Rg1、Rg1’、Rg2、Rg2’の抵抗回路を抵抗Rg1、Rg2の導通回路とする。これにより、例えば、Rg1=Rg1’、Rg2=Rg2’とすると、供給電流が0アンペア付近にある場合には、供給電流が0アンペア付近ではない場合と比較して、ゲート抵抗が2倍になるため、スイッチング速度が低下する。これにより、本例は、ゲート抵抗を高くすることで、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を低下させる。
【0063】
上記のように、本例は、スイッチング素子225、抵抗Rg1、Rg2及び抵抗Rg1’、Rg2’で形成される、複数のゲート抵抗を設定する抵抗回路を備え、ゲート抵抗を高くする方の回路に切り替えることで、スイッチング速度を低下させる。これにより、供給電流が0アンペア付近にある場合にリカバリ電流の振動によって発生するノイズを抑制することができる。
【符号の説明】
【0064】
1…インバータ
Q1〜Q6…スイッチング素子
D1〜D6…ダイオード
11、12、13…パワーモジュール
14…コンデンサ
15…電圧センサ
16…電流センサ
20…駆動回路
21、23…ゲート電源部
211…電源IC
212…フライバックトランス
213…電圧切替部
22…駆動部
221…駆動IC
222…プッシュプル回路
223…絶縁素子
224、225…スイッチング素子
30…制御回路
31…電流指令値算出部
32…電流制御部
33…dq3相変換部
34…PWM信号生成部
35…3相dq変換部
36…位相演算部
37…回転数演算部
38…電圧切替判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチング素子と前記複数のスイッチングにそれぞれ並列接続された複数の還流ダイオードとを有し、前記複数のスイッチング素子のオン及びオフを切り換えることで、入力された電力を変換し、負荷に出力する電力変換回路と、
前記複数のスイッチング素子を駆動する駆動回路と、
前記電力変換回路及び前記駆動回路を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記電力変換回路から前記負荷に供給される供給電流が0アンペア付近にある場合に、前記スイッチング素子をターンオンさせる際のスイッチング速度を、前記供給電流が0アンペア付近ではない場合のスイッチング速度より低下させる
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記スイッチング素子をターンオンさせることで前記還流ダイオードに流れるリカバリ電流の限界変化率に対応する電流閾値と、前記供給電流とを比較し、
前記供給電流が前記電流閾値より低い場合に、前記供給電流が0アンペア付近にあると判定する
ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記電力変換回路と前記負荷との間に接続される電流センサをさらに備え、
前記制御手段は、
前記電流センサにより検出される検出電流に基づき、前記供給電流が0アンペア付近にあるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記負荷であるモータの回転速度、前記電力変換回路に接続された電源の電圧、及び、外部から入力されるトルク指令値に基づき、前記電力変換回路から前記負荷に出力される交流電流の電流指令値を算出する指令値算出手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記指令値算出手段により算出された電流指定値に基づき、前記供給電流が0アンペア付近にあるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記負荷であるモータの回転速度及び外部から入力されるトルク指令値に基づき、前記供給電流が0アンペア付近にあるか否かを判定する
ことを特徴とする
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記駆動回路は、
前記スイッチング素子のゲート抵抗を複数設定する抵抗回路を含み、
前記制御手段は、
前記抵抗回路を制御し、前記ゲート抵抗を高くする方の回路に切り替えることで、前記スイッチング素子速度を低下させる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記駆動回路は、
前記スイッチング素子のゲート−エミッタ間にゲート電圧を印加して前記スイッチング素子をターンオンさせ、
前記制御手段は、
前記ゲート電圧を低下させることで、前記スイッチング速度を低下させる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記駆動回路は、
前記供給電流が0アンペア付近に近いほど、前記スイッチング速度を低下させる
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記電力変換回路は、
前記複数のスイッチング素子を複数の電源線の間で直列に接続させた直列回路を含み、
前記駆動回路は、
前記複数のスイッチングのうち少なくとも一方のスイッチング素子のゲート電圧を低下させる
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電力変換装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−90350(P2013−90350A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225533(P2011−225533)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】