説明

電動パワーステアリング装置

【課題】組み立て工程中でも部品交換可能で、防水性が高く、ギヤハウジングとラックハウジング間の厳しい隙間管理を必要とせず、コンパクト化が可能な、ピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】トルクセンサー部3、減速部、入・出力軸31,32、及びモータ23が、一体的に組み付けられたギヤハウジング24に、出力軸32を支持する軸受21が、軸方向に移動不可能な状態で固定された軸受支持部材20が内嵌している。軸受支持部材20は、ギヤハウジング24内に設けた環状溝24bに嵌合された止輪29により、軸方向に移動不可能に固定されている。環状溝24bの深さsより、環状溝24bからラックハウジング8が接合しているギヤハウジング24の端部までの距離nが小さく設定されており、その接合部で、ラックハウジング8側にシール部材45が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングホイールに印加された操舵トルクをトルクセンサーにより検知し、この検知した操舵トルクに対応してモータから補助操舵トルクを発生して減速機構により減速し、操舵機構の出力軸に伝達するピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モータを動力源とする電動パワーステアリング装置では、ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、モータから補助操舵トルクを発生して、動力伝達機構(減速機構)により減速して操舵機構の出力軸に伝達するようになっている。
【0003】
この動力伝達機構として、ウォーム減速機構を用いた電動パワーステアリング装置では、モータの軸に取り付けたウォームに、ウォームホイールが噛合してあり、このウォームホイールは、操舵機構の出力軸、例えば、ピニオン軸やコラム軸に嵌合されている。
【0004】
一方、乗用車用のステアリングギヤとしては、高剛性且つ軽量であること等から、現在ではラック・ピニオン式が主流となっている。ラック・ピニオン式ステアリングギヤを採用した電動パワーステアリング装置としては、ステアリングシャフト又はピニオン自体を駆動するためにステアリングコラム側部にモータを配備したピニオンアシストタイプ(又はコラムアシストタイプ)等の他、電動式のボールねじ機構によりラックシャフトを駆動するボールねじ式ラックアシストタイプも用いられている。
【0005】
ところで、出願人は先願に係る特許文献1で上記ピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置として、図7に示すようなユニット式の構成のものを提案している。すなわち、図7において、軸受支持部材20がギヤハウジング24に圧入されてユニット部25を形成し、この軸受支持部材20はその外径部が、ギヤハウジング24とラックハウジング8が各々のフランジ24c,8bにてボルト44で締結されることにより、これらの間に径方向と軸方向に移動不可能に挟み込まれて固定されている。軸受支持部材20の内径部には、出力軸32を軸支した軸受21が内嵌・固定されている。
【0006】
なお、図7において、図1〜図5を参照して説明する本発明の一実施形態の電動パワーステアリング装置との対応が明瞭となるよう、同じ機能を果たす部材の幾つかについて符号のみを図示するが、説明を省略している。
【特許文献1】特願2006−120915号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記先願のピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置においては、図7に示すように、軸受支持部材20には、軸受21を介して出力軸32が取り付けられているため、軸受支持部材20をギヤハウジング24に圧入する際、かじりが発生し易く、所定の位置に組み付けることが困難である。また、圧入のため、組み立て工程中に、何らかの理由でユニット部25内の部品を交換することは略不可能であり、組み立て上リスクの高い構造になっている。
【0008】
また、軸受支持部材20をギヤハウジング24とラックハウジング8で挟み込んで圧接する構造のため、両ハウジング24,8間には必ず隙間が存在し、これが防水性を低下させるだけでなく、両ハウジング24,8をボルト44により締結する際、隙間が存在する分だけ双方のフランジ24c,8bが撓み、フランジ隅Rが割れる可能性がある。
【0009】
このような不具合を防止するために、両ハウジング24,8間の隙間管理を厳しくする必要があるため、組み立て工程から考えて、達成が非常に困難な構造と言える。
【0010】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、組み立て工程中であってもユニット部内の部品を交換可能で、防水性が高く、ギヤハウジングとラックハウジング間の厳しい隙間管理を必要とせず、コンパクト化が可能な、ピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、入力軸に付与される操舵トルクを検出するトルクセンサー部と、当該トルクセンサー部の出力に応じてモータを駆動する制御部と、当該モータからの駆動力を減速して、端部にピニオンを有する出力軸に伝達する減速部と、前記トルクセンサー部、減速部、入・出力軸、及びモータが、―体的に組み付けられており、当該出力軸を支持する軸受が、軸方向に移動不可能の状態で内嵌・固定された軸受支持部材を内嵌するギヤハウジングと、前記ピニオンと噛み合うラック軸を有するラックハウジングと、を備えており、前記ギヤハウジングが、前記ラックハウジングに着脱自在に取り付けられた構成の、ピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置において、前記軸受支持部材は、前記ギヤハウジング内に設けた環状溝に、止輪が嵌合することにより、軸方向に移動不可能に固定されていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項2では、前記環状溝の深さより、当該環状溝から前記ラックハウジングが接合しているギヤハウジングの端部までの距離が小さく設定されており、その接合部で、前記ラックハウジング側にシール部材が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、軸受支持部材は、ギヤハウジング内で止輪により軸方向に移動不可能に固定されているので、ギヤハウジングのユニット単体で性能測定が可能となり、性能を保証して後工程に回すことができる。また、組み立て工程中に、ギヤハウジング内の部品を交換することも可能であることから、先願のものより歩留まりを向上させることができる。
【0014】
ギヤハウジングとラックハウジングの接合部を隙間無く密着して組み立てられるため、先願構造より防水性が向上すると共に、組み立て工程上の厳密な隙間管理を必要としないので、先願のものより組み立てが容易になる。
【0015】
本発明の好ましい態様によれば、環状溝の溝深さより、環状溝からギヤハウジングの端部までの距離が小さく設定されていても、ギヤハウジングの端部にはラックハウジングが接合しており、シール部材もラックハウジング側に設けているので、溝壁の強度が失われることなく、装置のコンパクト化に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、ピニオンアシストタイプの電動式パワーステアリング装置を示す概略構成図、図2は、図1の電動式パワーステアリング装置のユニット部及びラックハウジングを示す部分断面図である。
【0018】
先ず、本発明に係わるピニオンアシストタイプの電動式パワーステアリング装置の全体構成の概略について説明する。
【0019】
図1において、ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト2の上部を構成するアッパーシャフト2aに連結されている。アッパーシャフト2aの下端は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト2bの上端に連結され、さらに、ロアシャフト2bの下端は、ユニバーサルジョイント5を介して電動パワーステアリング装置の入力軸31に連結されている。
【0020】
ラックハウジング8内には、ラック22(図2参照)が挿通され、ラック22は、その両端において、タイロッド9,10に連結されている。タイロッド9,10は、図示しない操向機構に連結されている。
【0021】
電動パワーステアリング装置は、入力軸31、出力軸32、トルクセンサー部3、コントローラ13、電動モータ23、及び減速部とから構成されている。
【0022】
トルクセンサー部3は、図3を参照して後述するように、入力軸31に伝達された操舵トルクを検出するものであり、例えば、操舵トルクを入力軸31及び出力軸32間に介装したトーションバー33のねじれ角変位に変換し、このねじれ角変位を、磁気的又は機械的に検出するように構成され、操作者がステアリングホイール1を操舵操作することによって、入力軸31と出力軸32間に生じるねじれの大きさと方向とに応じたアナログ電圧からなるトルク検出信号Tvを、コントローラ13に出力するようになっている。
【0023】
かかるトルクセンサー部3は、例えば、ステアリングホイール1が中立状態にある場合には、所定の中立電圧をトルク検出信号Tvとして出力し、これよりステアリングホイール1を右旋した場合には、そのときの操舵トルクに応じて中立電圧より増加する電圧を、左旋した場合には、そのときの操舵トルクに応じて中立電圧より減少する電圧を出力するようになされている。
【0024】
出力軸32の下端には、端部にピニオン30が設けられている。出力軸32には、後述するように、減速部であるウォームギヤ機構を介して、電動モータ23の駆動力が伝達されるようになっている。
【0025】
電動モータ23は図4に示すように後述するギヤハウジング24と一体的に構成されている。ギヤハウジング24内には電動モータ23の出力軸に連結されたウォーム38が軸受138a,138bを介して回転自在に支持されている。
【0026】
電動モータ23を駆動制御し、操舵系への操舵補助力の制御を行うための制御部であるコントローラ13が設けられている。コントローラ13は、車載のバッテリ16から電源供給されることによって作動する。バッテリ16の負極は接地され、その正極はエンジン始動を行うイグニッションスイッチ14及びヒューズ15aを介してコントローラ13に接続されると共に、ヒューズ15bを介してコントローラ13に直接接続されており、このヒューズ15bを介して供給される電源は例えば、メモリバックアップ用に使用される。
【0027】
コントローラ13は、トルクセンサー部3からのトルク検出信号Tvと、例えば、図示しない変速機の出力軸に配設された車速センサ17からの車速検出信号Vpとに基づき電動モータ23を駆動制御することができる。
【0028】
図3は、ピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置のユニット部を示す軸方向断面図、図4は、図3の電動パワーステアリング装置の減速部を示す部分断面図、図5は、ピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置を示す軸方向断面図である。
【0029】
図3に示すように、トーションバー33は、中空に形成した入力軸31の内部に延在して、その基端が出力軸32に圧入固定されており、その先端が固定ピン34により入力軸31の端部に固定されている。
【0030】
入力軸31の周囲には、トルクセンサー部3が設けられている。即ち、入力軸31の車両前方側(図3の下側)には、トルクセンサー部3の検出用溝35が形成してあり、これらの溝35の径方向外方には、トルクセンサー部3のスリーブ(円筒部材)36が配置されている。このスリーブ36は、出力軸32に加締め等により固定されている。スリーブ36の径方向外方には、検出コイル37や基板、ギヤハウジング24に内嵌したヨーク40等が設けられている。スリーブ36には、検出コイル37に対向する位置に、軸方向に延びる複数の長方形窓(図示無し)が周方向に等間隔に形成されている。
【0031】
出力軸32には、図4にも示すように、電動モータ23の軸に取り付けたウォーム38に噛合したウォームホイール39が固定されている。ウォームホイール39は、出力軸32に外嵌した芯金39aと、この芯金39aに形成した樹脂製のギヤ歯39bとから成っている。
【0032】
ウォーム38とウォームホイール39により減速部が構成され、この減速部は、ギヤハウジング24により形成され、このギヤハウジング24に内嵌した環状の軸受支持部材20により仕切られた空間内に収納されている。
【0033】
入力軸31は、ギヤハウジング24の内壁に介装した第1軸受18により軸支され、出力軸32は、軸受支持部材20の内周面に内嵌した第2軸受21の内輪21bに内嵌・固定されることにより、第2軸受21に軸支されている。また、第2軸受21は出力軸32に螺合するナット51によりウォームホイール39の芯金39aを出力軸32に形成された拡径段部32aに圧し付けて芯金39aを軸方向に位置決めしている。軸受支持部材20は、後述するように、軸方向及び径方向に移動不可能の状態でギヤハウジング24に内嵌している。
【0034】
こうして本実施の形態では、トルクセンサー部3、入・出力軸31,32を含めて上記減速部、及び電動モータ23は、ギヤハウジング24内にユニット化されてユニット部25を形成しており、またギヤハウジング24はボルト44によりラックハウジング8に着脱可能に取り付けられている。
【0035】
図5に示すように、出力軸32のピニオン30には、ラック22のラック歯が噛合され、このラック22の背面側には、ラックガイド26が、コイルバネ41を介してアジャストカバー28によって常時、弾性的に付勢された状態で当接している。これによって、ピニオン30とラック22の噛み合い部のバックラッシュを無くし、ラック22が円滑に移動するようになっている。出力軸32の下端部は、ニードル軸受46を介してラックハウジング8に回転自在に支持されている。
【0036】
従って、運転者がステアリングホイール1を操舵することにより発生した操舵力は、入力軸31、トーションバー33を介して出力軸32に伝達される。この時、操舵側の抵抗によって、入力軸31と出力軸32を連結するトーションバー33に捩れが生じ、検出用溝35とスリーブ36の窓との間に相対回転が生じる。この相対回転で、入力軸31に発生する磁束が増減し、この磁束の増減を検出コイル37がインダクタンスの変化として検出する。この検出結果をトーションバー33に作用するトルクとして検出し、このトルクに応じてコントローラ13により適宜制御することにより、電動モータ23を駆動してウォーム38を所要の操舵補助力で回転させる。ウォーム38の回転はウォームホイール39、出力軸32、ピニオン30を介してラック22に伝達され、ラック22に連結されたタイロッド9,10を介して操舵輪の向きを変更する。
【0037】
ところで、第2軸受21は、図5に示すように、軸受支持部材20の軸受嵌合部20bに、その外輪21aが圧入され、軸受支持部材20に設けた第1止輪溝である環状溝20aに内嵌したスナップリングである第1止輪27によって係止されることにより、軸受支持部材20に対して出力軸32方向に移動不可能の状態で固定されている。この第2軸受21は、4点接触軸受が望ましい。
【0038】
軸受支持部材20は、その外周部で円板状に成形された第1インロウ部20cと、この第1インロウ部20cより小さい外径の筒状に成形された第2インロウ部20dとを有している。この第1インロウ部20cは、軸受支持部材20をギヤハウジング24に嵌合する際のインロウ、第2インロウ部20dは、ラックハウジング8をギヤハウジング24に結合する際のインロウとなる。
【0039】
この軸受支持部材20は、その第1インロウ部20cをギヤハウジング24の支持部材嵌合部24aに内嵌させた後、第2止輪29を、ギヤハウジング24に設けた第2止輪溝(環状溝)24bに嵌合させることにより、ギヤハウジング24に対して軸方向に移動不可能の状態で固定されている。図6に示すように、この第2止輪溝24bの溝深さをs、第2止輪溝24bからギヤハウジング24の端部までの距離をnとすると、n<s の関係に設定されている。軸受支持部材20のギヤハウジング24に対する径方向の位置決めは、第1インロウ部20cにより行われる。
【0040】
これにより、図3に示すピニオン30を含んだ上側減速部、即ちユニット部25は、それ自体でフリクション、アシストトルクといった性能を測定することが可能である。
【0041】
ラックハウジング8の、ギヤハウジング24への接合側には、筒状部8aとフランジ8bが設けられている。またギヤハウジング24の、ラックハウジング8への接合側にはフランジ24cが設けられている。ラックハウジング8の筒状部8aは、軸受支持部材20の第2インロウ部20dに外嵌すると共に、第2止輪29の内径側に延びている。ラックハウジング8のフランジ8bとギヤハウジング24のフランジ部24cとは端面接合させて、両フランジ24c,8bをボルト44で締結することによりギヤハウジング24とラックハウジング8が結合されている。
【0042】
両フランジ24c,8bをボルト44で締結した際、図6にも示すように、ラックハウジング8の接合端面と第2止輪29間には、若干の隙間dが空くように設定されているので、両フランジ24c,8bは完全に密着した状態で接合され、これがシール性を高めている。
【0043】
したがって、軸受支持部材20は、ギヤハウジング24とラックハウジング8がボルト44で締結されることにより、これらの間に径方向と軸方向に移動不可能に挟み込まれて配置されているとも言える。
【0044】
さらに、ギヤハウジング24とラックハウジング8の各々のフランジ24c,8b間には、シール部材45が配置されることにより軸方向にシールされている。これにより、結合部のさらなる機密性を確保している。このシール部材45は、図6にも示すように、第2止輪溝24bの溝壁24dの強度の関係から、ラックハウジング8側に設けられたシール溝45aに嵌め込まれている。
【0045】
上記構成において、出力軸32は、第2軸受21及び軸受支持部材20により、軸方向位置を規制され、軸受支持部材20は、ギヤハウジング24内で第2止輪29により軸方向に移動不可能に固定されて、ユニット部25の一部を構成しているので、ユニット部25の性能測定をユニット単体で実施することができ、その性能を保証して、後の工程に回すことができる。
【0046】
軸受支持部材20は、第2止輪29によりギヤハウジング24に固定されているため、組み立て工程中に、何らかの理由でユニット部25内の部品を交換することが可能になり、先願開示の軸受支持部材20を圧入する構造より歩留まりを向上させることができる。
【0047】
また、ギヤハウジング24にラックハウジング8をボルト44で締結する際に、両ハウジング24,8の接合部を隙間無く密着して組み立てられるため、先願構造より防水性(シール性)を高くすることができると共に、組み立て工程上の厳密な隙間管理を必要としないので、先願のものより組み立てが容易になる。
【0048】
第2止輪溝24bの溝深さsより、第2止輪溝24bからギヤハウジング24の端部までの距離nが小さく設定(n<s)されていても、ギヤハウジング24の端部にはラックハウジング8が接合しており、シール部材45もラックハウジング8側に設けているので、第2止輪29に負荷されるスラスト荷重P(図6参照)に対する溝壁24dの強度が失われることなく、距離nを短縮することでき、装置のコンパクト化に寄与することができる。
【0049】
なお、上記実施形態においては、第1止輪27に対して、出力軸32に外嵌した別部材である芯金39aの基部が対向する構成を示したが、第1止輪27が出力軸32に直接対向する構成の電動パワーステアリング装置にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】ピニオンアシストタイプの電動式パワーステアリング装置を示す全体概略構成図である。
【図2】図1の電動式パワーステアリング装置のユニット部及びラックハウジングを示す部分断面図である。
【図3】ピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置のユニット部を示す軸方向断面図である。
【図4】図3の電動パワーステアリング装置の減速部を示す部分断面図である。
【図5】本発明の実施形態を示すピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置の軸方向断面図である。
【図6】図5の電動パワーステアリング装置のA部分を示す拡大図である。
【図7】先願開示のピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置を示す軸方向断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
2a 入力軸
2b ロアシャフト
3 トルクセンサー部
4,5 ユニバーサルジョイント
7 ピニオンシャフト
8 ラックハウジング
8a 筒状部
8b フランジ
9,10 タイロッド
13 コントローラ(制御部)
14 イグニッションスイッチ
15a,15b ヒューズ
16 バッテリ
17 車速センサ
18 第1軸受
20 軸受支持部材
20a 第1止輪溝(環状溝)
20b 軸受嵌合部
20c 第1インロウ部
20d 第2インロウ部
21 第2軸受
21a 外輪
21b 内輪
22 ラック軸
23 モータ
24 ギヤハウジング
24a 支持部材嵌合部
24b 第2止輪溝
24c フランジ
24d 溝壁
25 ユニット部
27 第1止輪
29 第2止輪
30 ピニオン
31 入力軸
32 出力軸
32a 拡径段部
35 検出用溝
36 スリーブ
37 検出コイル
38 ウォーム
39 ウォームホイール
39a 芯金
39b ギヤ歯
44 ボルト
45 シール部材
45a シール溝
46 ニードル軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイールに印加される操舵トルクを入力軸を介して付与され検出するトルクセンサー部と、
当該トルクセンサー部の出力に応じてモータを駆動し当該モータからの駆動力を減速して端部にピニオンを有する出力軸に伝達する減速部と、
前記入力軸を軸受を介して回転自在に支持するギヤハウジングと該ギヤハウジングに内嵌固定され前記出力軸を軸受を介して回転自在に支持する軸受支持部材とから成り、該ギヤハウジングに前記トルクセンサー部、減速部及びモータを一体に構成してなるユニット部と、
前記ギヤハウジングに着脱自在に取り付けられ前記ピニオンと噛み合うラック軸を有するラックハウジングと、から成るピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置において、
前記軸受支持部材は、前記ギヤハウジング内に設けた環状溝に、止輪が嵌合することにより、軸方向に移動不可能に固定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項2】
前記環状溝の深さより、当該環状溝から前記ラックハウジングが接合しているギヤハウジングの端部までの距離が小さく設定されており、その接合部で、前記ラックハウジング側にシール部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−1243(P2009−1243A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−166806(P2007−166806)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】