説明

電動乗物用のAC駆動システム

【課題】実用的な乗物用の駆動システムを提供する。
【解決手段】この駆動システムは、駆動トルクを提供するための交流(AC)モータを含んでいる。ACモータコントローラは、電源電圧信号、スロットルペダル位置信号、ブレーキペダル位置信号、キースイッチ信号、前進/ニュートラル/後退(FNR)信号、および、実用的な乗物が駆動するように設定されているか、牽引されるように設定されているかを示す走行/牽引信号を受信する。ACモータコントローラは、ACモータのためのAC駆動信号を生成し、AC駆動信号は、電源電圧信号、スロットルペダル位置信号、ブレーキペダル位置信号、キースイッチ信号、FNR信号、および走行/牽引信号に基づいている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、主に、電動乗物の駆動輪に原動力を与えるブラシレス交流(AC)駆動システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この項での記述は、単に、本開示に関連する基本的な情報を与えるものであって、従来技術を構成するものではない。
【0003】
交流(AC)モータまたは直流(DC)モータのような全てのモータは、互いに近接する2つの磁界は一列に並ぶ傾向があるという原則に基づいて、作動する。磁界を誘起する1つの方法は、ワイヤのコイルに電流を流すことである。電流が流れている2つのコイルが互いに近接する場合、発生した各磁界は一列に並ぶ傾向がある。電流が流れている2つのコイルが一列に並んだ状態から0〜180度離れている場合、上記傾向によって、2つのコイルの間にトルクが生成される。これらのコイルの内の1つが機械的に軸に固定され、もう一方が外側ハウジングに固定される構成が、電気モータとして知られている。こうしたコイルの間に発生するトルクは、コイルを流れる電流によって異なるであろう。
【0004】
ACモータは、例えば、単相交流電動機/多相電動機、交直両用電動機、サーボ電動機、交流誘導電動機、交流同期電動機、および歯車モータを含む、幅広い種類のモータを含んでいてもよい。ACモータによって発生させられる磁界は、モータコイルとして同じAC電圧を動力源とした電磁石によって、発生させられてもよい。伝統的に、磁界を発生させるコイルは、フィールドコイルと呼ばれ、一方コイルおよび回転する塊状鉄心は、アーマチュアコイルと呼ばれる。
【0005】
ACモータは、DCモータ以上の利点を有するかもしれない。DCモータの中には、整流器として知られている装置を含む種類がある。整流器は、180度以上の角度でモータ軸が回転しながらトルクを発生させ続けるために、確実に、2つのコイルの間に常に角度があるようにしている。整流器は、アーマチュアコイルからの電流を切断し、アーマチュアコイルとモータハウジングに接続されたフィールドコイルとの角度が0になる前に、電流を第二のアーマチュアコイルに再接続する。
【0006】
アーマチュアコイルの両端が、整流子片として知られるインターフェースを有してもよい。カーボンで作られ、ブラシと呼ばれる接点は、モータハウジングに固定される。例えば、整流器およびブラシを有するDCモータは、「ブラシ」DCモータとして知られている。DCモータ軸が回転する時、ブラシは一組の整流子片と接触しなくなり、次の組の整流子片と接触することになる。この工程によって、アーマチュアコイルとフィールドコイルとの角度が比較的一定に維持される、言い換えると、DCモータの回転を通してトルクが一定に維持されることになる。
【0007】
ブラシレスACモータとして知られている種類のACモータは、ブラシまたは整流子片を使用しない。一般に、ブラシDCモータは、定期的に整備され、点検され、磨り減ったブラシを取り替え、かつ点火する危険が潜在的にある炭粉をモータの様々な面から取り除かれなければならない。したがって、ブラシDCモータの代わりにブラシレスACモータを使用することによって、整備および磨耗に関する問題が解消され、かつ点火の危険という問題も解消されるであろう。また、ACモータは、定速での使用にも適しているかもしれない。なぜなら、DCモータとは異なり、ACモータのモータ速度は、モータ端子に適用されるAC電圧の周波数によって決定されるためである。
【0008】
ACモータには、交流同期電動機、および交流誘導電動機という2つの異なる種類がある。交流同期電動機は、簡単な回転領域を有する固定子部分にある一連の巻き線からなる。電流がコイルに流され、コイル上でトルクを発生させる。電流が行ったり来たりするので、一般に、モータは正弦波の周波数に応じて、なめらかに作動する。これにより、無負荷から全負荷まで誤りなく、不変で一定の速度が可能となる。
【0009】
交流誘導電動機は、一般に、上記2種類のACモータの中で、より普及したものである。交流誘導電動機は、直接的に回転を提供するというよりもむしろ、電流を使用してコイルでの回転を誘導する。また、交流誘導電動機は、短縮したワイヤループを回転アーマチュア上で使用し、フィールドコイル上で発生する磁界を変化させることによって、短縮したワイヤループに誘導される電流からモータトルクを得る。
【0010】
ゴルフカーや小型の実用的な乗物のような従来の電動乗物は、DC電源を動力源としており、主として分巻型DC駆動システムを備えている。分巻型DCモータは、ゴルフカーのような乗物に動力を供給する従来の多くの直巻DCモータに取って代わっている。分巻型DCモータは、共通の電源に並列に接続されたアーマチュア巻き線および界磁巻き線を有し、直巻DCモータよりも柔軟にモータの性能を制御できる構成を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、これら分巻型DCモータには、まだ整備に関する問題および点火する危険が潜在的にあるという問題がある。まだ、これまでにゴルフカーのような乗物の駆動輪に原動力を供給するブラシレスAC駆動システムが開発されたとは信じられていない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る駆動システムは、実用的な乗物用の駆動システムであって、駆動トルクを供給するための交流(AC)モータと、電源電圧信号、スロットルペダル位置信号、ブレーキペダル位置信号、キースイッチ信号、前進/ニュートラル/後退(FNR)信号、および、上記実用的な乗物が駆動するように設定されているか、牽引されるように設定されているかを示す、走行/牽引信号を受信し、上記ACモータ用のAC駆動信号を生成するACモータコントローラとを備え、上記AC駆動信号は、上記電源電圧信号、上記スロットルペダル位置信号、上記ブレーキペダル位置信号、上記キースイッチ信号、上記FNR信号、および上記走行/牽引信号に基づいていることを特徴としている。
【0013】
本明細書にて与えられる説明により、さらなる応用範囲が明らかにされるであろう。なお、説明と具体例とは、あくまでも説明を目的とするものであり、本開示の範囲を限定するものではないと理解されたい。
【0014】
本明細書に記載されている図面は、あくまでも説明を目的とするものであり、決して本開示の範囲を限定することを意図したものではない。本開示を通して、同種の構成要素は同種の参照番号によって示されており、それらはあくまでも説明のために付与されたものである。したがって、各種の実施形態を限定するものではない。
【0015】
〔関連出願の参照〕
本出願は、米国仮出願第60/623,149号(2004年10月28日提出)の利益を主張する。上記出願の明細書は、そのままの引用により開示される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、各種の実施形態に基づくAC駆動システムのブロック図である。
【図2】図2は、各種の実施形態に基づく計器板のブロック図である。
【図3】図3は、各種の実施形態に基づくCAN通信チップの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、各種の実施形態に基づく前輪速度センサを示すブロック図である。
【図5】図5は、各種の実施形態に基づく複輪または総輪駆動の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、各種の実施形態に基づくAC駆動システムの好例となるブロック図である。図1には、AC駆動システム100が示されており、交流誘導電動機または永久磁石モータのような三相(3φ)ACモータ110と、ゴルフカーおよび/または小型の実用的な乗物のような電動乗物190に連動して使用されるのに対応した駆動モータコントローラ120とを含む。以下により詳細に記述するように、AC駆動システム100は、牽引力と、常用ブレーキの機能性とを提供し、かつ乗物190運動による運動エネルギーを起電力(EMF)という形での位置エネルギーへの変換および回復を提供する。
【0018】
図1を参照すると、モータコントローラ120に応えて、モータ110は、車軸192を介し、後輪198へのロッキングディファレンシャル194および軸196を通して、原動力または牽引力を伝えている駆動輪198に、原動力を提供することができる。モータ110は、信号線185および/またはモータ110を介して、モータコントローラ120の制御を受けて動作できるように、電気ブレーキ180に接続されてもよい。また、スロットル(アクセルペダル)170のスロットル制御は、モータコントローラ120から信号線126を越えて受信した信号に基づいて、スロットル位置センサ175およびスロットル可能センサ177を介して行われてもよい。さらに、AC駆動システム100は、モータコントローラ120からの信号にしたがって、モータ110によって動作時に制動を制御する常用ブレーキペダル160を含んでもよい。常用ブレーキペダル160の動作は、通信回線122を介してモータコントローラ120に送られる制御信号を生成する1つまたは両方のセンサによって、検出される。ブレーキペダル160に関連するセンサは、以下により詳細に記述するように、ブレーキ位置センサ163およびフルストロークセンサ165を含んでもよい。
【0019】
モータコントローラ120は、図1に示すように、1つ以上の携帯用のバッテリーパック130、充電器140、および外部ネットワーク150と動作時に通信できる。また、後退アラームセンサのような他の外部装置または出力155と、直接接続またはコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)バス145および関連するコネクタインターフェースを介して、動作時に通信できる。モータコントローラ120、充電器140、および外部ネットワーク150間においての動作制御およびデータ交換について、以下に詳細に記述する。
【0020】
AC駆動システム100のためのACシステム論理は、一連の駆動入力および駆動出力を含んでいる。以下、モータコントローラ120のような高度な装置において実行されるシステム論理への入力、およびシステム論理からの出力の例について説明する。以下に記載した以外の入力および出力パラメータ、または信号が、AC駆動システムの例において実行されてもよいということが当業者には理解されるであろう。
【0021】
図2は、各種の実施形態に基づく計器板の好例となるブロック図である。図2を参照すると、好適な計器板200はキースイッチ220、前進、ニュートラル、および後退(FNR)スイッチ230、ローバッテリー表示器235、アンペアメータ240、LED245、コントローラ表示器248、並びに後退アラーム表示器250を含んでいる。コントローラ表示器248は、正常および警告などのような状態、ACコントローラ120の状態、またはACモータ制御システムの他の構成要素の状態を示す。LED245は、単一のLEDまたは複数のLEDとして統合されてもよいし、数字または英数字の適切なエラーコードを表示するように設定されてもよい。エラーコードは、閾値への接近と、モータ110、モータコントローラ120、バッテリーパック130、常用ブレーキ160、または電動ブレーキ180などの警告状態とに関するエラーコードを含んでいてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0022】
乗物190は、運転者が乗物190を作動させるために、所望の場所に設けられる好適な走行/牽引スイッチ210を含んでもよい。走行/牽引スイッチ210は、スイッチが運転者(または乗客)の位置からは容易に操作されない場所にあっても、乗物190が正常に駆動している間、意図的にまたは不注意によりスイッチ210の電源を切って入れなおすことを避けられるように、乗物190上の牽引に好適な場所に配置されてもよい。
【0023】
走行/牽引スイッチ210が、走行に選択されている場合、原動力はモータコントローラ120およびモータ110を介して、乗物190を駆動させるために供給されている。走行/牽引スイッチ210が、牽引に選択されている場合、電気ブレーキ180は、電気ブレーキ180およびモータコントローラ120を作動させるのに充分な時間、例えば1秒間、動力を与えられ、その後、電気ブレーキ180を固定するために例えば40%といった所定のパルス幅変調(PWM)率を適用する。以下にきわめて詳細に記述するように、このことによって、乗物190は、加速しながら、または、例えばゴルフカーの例では、およそ4650RPMである定格モータ速度よりも少し上の速度で牽引できる。走行/牽引スイッチ210が、牽引である場合、ホイールトルクを提供しない牽引モードが可能である。
【0024】
上記システム論理への他の入力は、オン/オフスイッチ位置を有するキースイッチ220を介して行われてもよい。キースイッチ220がオンの位置にある場合、モータコントローラ120への論理駆動力を有効にし、電気ブレーキ180への論理駆動力を有効にすることができる。キースイッチ220をオフの位置にすると、モータコントローラ120への論理駆動力を無効にし、電気ブレーキ180の電源を切ることができる。
【0025】
FNRスイッチ230を前進の位置で作動すると、論理駆動力によって、前方を運転方向として選択できる。前進速度は、定格モータ速度または定格モータ速度に応じた乗物速度まで増加する。FNRスイッチ230をニュートラルの位置で作動すると、論理駆動力が無効になり、ACモータ110を比較的一定のRPM(すなわち遊休状態)でフリーホイーリングモードを維持できるように、前方または後方のどちらかの運転方向を選択する。FNRスイッチ230を後退の位置で作動すると、論理駆動力によって、後方を運転方向として選択できる。このスイッチ位置は、状況に応じて後退アラームを鳴らしてもよい。後退速度は、最大モータ速度の60%または約10MPHの乗物速度といった、定格速度未満に限定されていることが望ましい。
【0026】
上記システム論理への他の駆動入力は、図1に示すように、スロットル位置センサ175を含んでもよい。スロットル位置センサ175は、アクセルペダルまたはスロットル170とモータコントローラ120との間の信号線126に配置され、かつ、コントローラ120のAD変換器内においてデジタル信号に変換できるアナログ電圧を出力するように構成されている。電圧は、スロットル170の位置または下降に応じて、およそ0〜5.0Vの間で変化する。構成の一例において、0〜0.5Vは0RPM指令速度を示し、4.5V以上は最大モータ指令速度を示す。言い換えると、0.5Vの出力は、0%モータ指令速度または0RPMに相当し、4.5V以上の出力は、前進方向での100%モータ指令速度(4650RPM)および後退方向でのおよそ60%モータ指令速度(2790RPM)に相当する。スロットル位置センサ175は、好適な電位差計またはホール効果センサとされてもよく、かつ、このように前進方向または後退方向のどちらかでのモータ速度の100%まで実速度に制限を設けてもよい。
【0027】
上記システム論理への他の駆動入力は、スロットル可能センサ177を介したものであってもよい。スロットル可能センサ177は、ペダルアップセンサとも呼ばれることもあるのだが、アクセルペダルまたはスロットル170の位置に基づいて、駆動モードおよびペダルアップモードのうちの1つを検知することができる。駆動モード(いずれかの位置にペダルが押し下げられている)を検知すると、スロットル可能センサ177は、モータコントローラ120およびモータ110を介する車輪198への駆動力を有効にするために、主要接触器に動力を与えてACモータ110を動作可能にし、かつ電気ブレーキ180の電源を切る。ペダルアップモードが検知された場合(アクセルペダルが充分に「上がって」おり、押し下げられていないことを示す)には、主要接触器が駆動しないように電源を切ることができる。
【0028】
したがって、車輪198に原動力を供給することのできる入力条件の例は、キースイッチ220がオンにセットされ、かつFNRスイッチ230が前進または後退位置に選択されること、走行/牽引スイッチ210が走行に選択されること、ブレーキ位置センサ163がモータコントローラ120から0%のブレーキ指令を受けること、およびバッテリー130が少なくとも20%の充電状態(SOC)にあることを含むことである。これらは、あくまでも原動力を供給するための条件の例であり、従来技術の範囲内で他の条件が設定されてもよい。
【0029】
上記システム論理への他の駆動入力は、ブレーキ位置センサ163を介して行われてもよい。例えば、ブレーキ位置センサ163は、0.5V以下の出力を検知すると、0%のブレーキングを示し、車輪198への原動力を有効にする。例えば、0.51〜1.0Vの出力の間では、再生制動を介して実速度を維持することができ、原動力は車輪198に伝達されることはない。1.01〜4.0Vの出力の間では、比例的に減少する速度勾配は、入力電圧の増加に伴って増加し、例えば、開始と終了との状態を調節することができる。ブレーキ位置センサ163からの、4.1〜4.5Vの間またはそれ以上の出力では、モータ指令速度は0%であり、電気ブレーキ180は、モータ110にブレーキ圧を加えることができるように、電源を切ることができる。湿っている、乾燥している、険しい地形ならびに平坦な地形といったコースの状況、および、一貫したブレーキ動作を提供する乗物の性能に応じて、ブレーキ操作を調整することができる。
【0030】
例えば、ブレーキ位置センサ163の論理関数は、スロットル170へのどのようなスロットル入力よりも優位に立ち、優先することができる。ブレーキ位置センサ163の論理関数は、キースイッチ220をオンにし、FNRスイッチ230を前進または後退にし、走行/牽引スイッチ210を走行または牽引にし、スロットル可能センサ177が駆動モードまたはペダルアップモードを検知し、かつ、スロットル位置センサ175が0〜100%の間のどこかでモータ指令速度を検知した状態において機能できる。さらなる条件としては、バッテリーSOC値が0%以上であればよい。
【0031】
上記システム論理への他の入力は、電源電圧であってもよい。モータコントローラ120は、バッテリーパック130の充電状態(SOC)を判断するために、負荷を受けたバッテリーパック130の電圧またはバッテリーパック130の内部抵抗(電気抵抗)を監視する。SOCが100%〜25%のとき、コントローラ120は、原動力を有効にし、乗物190を駆動させる。SOCが24%〜20%のとき、モータコントローラ120における論理によって、指令速度を最大駆動速度の40%、約1860RPM、または約6MPHに制限し、limp-home 能力(limp-home capability)を提供することができる。SOCが20%未満のとき、原動力は電動乗物190に供給されない。論理は、電気ブレーキ180の電源を切り、モータ110を介したモータ制動によりバッテリーパック130が放電しすぎるのを避けるように指令速度を0RPMに制限してもよい。電気ブレーキ180はこのSOC値域の後半において、走行/牽引スイッチを牽引にすることにより、動力を与えられてもよい。
【0032】
表1は、モータコントローラ120の上記論理への好例となる駆動入力をまとめたものである。
【0033】
【表1】

【0034】
AC駆動システム100は、モータコントローラ120によって発生される駆動出力の例をいくつか含んでいてもよい。例えば、後退アラーム出力は、モータコントローラ120によって発生され、例えば、キースイッチ220がオフであり、FNRスイッチ230が後退であり、かつ走行/牽引スイッチ210が走行に選択された場合に、後退アラーム250を作動させる。キースイッチ220がオフであるか、または、走行/牽引スイッチ210が牽引に選択された場合に、モータコントローラ120は、後退アラーム250を動作不可能にすることができる。
【0035】
駆動出力論理(drive output logic)は、電気ブレーキ180に提供されてもよい。モータコントローラ120の駆動出力論理は、電気ブレーキ180を、1秒間で48V程の最大活性化電圧(activation voltage)まで動作可能にし、その後、例えば、走行/牽引スイッチ210が牽引に選択された場合か、または、キースイッチ220がオンに選択され、FNRスイッチ230が前進もしくは後退であり、スロットル可能センサ177が駆動モードにあり、かつ実際のモータ速度が0RPMである場合に、40%PWMまで下げることができる。これらは、あくまでも条件の例であり、従来技術の範囲内で他の条件が適用されてもよい。
【0036】
AC駆動システム100は、駆動出力論理を、主要接触器を制御するために与えてもよい。駆動出力論理は、1秒間で、選択された最大電圧、例えば36V(もしくは他の電圧)まで主要接触器を動作可能にし、その後、走行/牽引スイッチ210が牽引に選択された場合か、または、走行/牽引スイッチ210が走行に選択され、キースイッチ220がオンに選択され、FNRスイッチ230が前進もしくは後退であり、かつスロットル可能センサ177が駆動モードにある場合には、40%PWMまで下げることができる。コントローラ120は、例えば、走行/牽引スイッチ210が走行に選択され、キースイッチ220がオンに選択され、FNRスイッチ230が前進または後退であり、かつスロットル可能センサ177の位置が駆動モードにある場合には、0Vにして主要接触器を動作不可能にすることができる。
【0037】
駆動出力論理は、また、ロッキングディファレンシャル194を制御するために与えられてもよい。駆動出力論理は、1秒間で、選択された最大電圧、例えば12Vにて使用するようにロッキングディファレンシャル194を動作可能にし、その後、40%PWMまたは他の選択された中間の電圧まで下げることができる。例えば、走行/牽引スイッチ210が牽引に選択された場合か、または、キースイッチ220がオンに選択され、FNRスイッチ230が前進および後退であり、スロットル可能センサ177が駆動モードにあり、かつ実際のモータ速度が0RPM以上である場合には、ロッキングディファレンシャル194を使用する条件が満たされる。駆動出力論理は、例えば、走行/牽引スイッチ210が走行に選択され、キースイッチ220がオフに選択された場合か、または、キースイッチ220がオンに選択され、FNRスイッチ230が前進もしくは後退であり、かつスロットル可能センサ177がペダルアップモードにあり、かつ実際のモータ速度が0RPMである場合には、0Vにしてロッキングディファレンシャル194を動作不可能にすることができる。これらは、あくまでもロッキングディファレンシャル194を動作可能/不可能にする条件の例であり、従来技術の範囲内で他の条件が設定されてもよい。
【0038】
表2は、モータコントローラ120の上記論理からの駆動出力をまとめたものである。
【0039】
【表2】

【0040】
モータコントローラ120、バッテリーパック130、充電器140、および外部ネットワーク150のような高度な装置と、様々なセンサと、スロットル170、電気ブレーキ180、常用ブレーキペダル160などのような作動装置との間の通信は、コントローラ・エリア・ネットワークCANバス145および関連するCANコネクタインターフェースを介して、提供されてもよい。例えば、多ピン、少ピン、およびグランドピンを有するCANチップは、モータコントローラ120にて、適切な駆動コネクタ内に備えられる。以下により詳細に記述すると、通信プロトコルは、CANopen2.0Bのような適切なCANプロトコル、または互換プロトコルであってもよい。AC駆動システム100内のCANバスのインターフェースは、充電器140と通信するだけでなく、例えば、外部ネットワーク150を介して、断続的な診断能力を提供することができる。データは、AC駆動システム100の様々な構成要素の間で交換され、モータコントローラ120内に保存される。そのようなデータは、例えば、駆動エラー、警告コードおよび故障コード、バッテリーの充電状態、電源電圧、充電サイクルの回数、実行時間および充電の量、総走行時間、並びに総論理入力時間を含んでいるが、それに限定されるものではない。他の好適なバス構成は、例えば、RS232、RS422、USB、直列バス、並列バス、ワイヤレスバス、ブルートゥースおよび/または光バスを含んでもよいが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0041】
〔ACモータ〕
もう一度図1を参照すると、モータ110は、交流誘導電動機、または永久磁石モータのような三相四極ACモータとして構成されてもよい。そのようなモータは、ブラシレスであろう。モータ110は内部に、屈曲した固定子および永久磁石回転子を含んでいてもよく、固定子の中に巻き線を有するので、巻き線の熱を効果的に散らすことができる。固定子の巻き線は、例えば、ここで3つの、U、V、およびW(図1ではワイヤU、V、およびWとして具体化されている)として示されているように、三相間の構成に接続されていてもよい。回転子は、軸および希土類永久磁石を有する鉄心から構成されてもよく、その周囲は元来慣性が低い。
【0042】
一般に、回転子の運動は、固定子の巻き線内に永久磁石の磁界と相互作用する回転磁界を発生させることによって開始される。回転磁界は、3つの駆動位相、U、V、およびWの巻き線の相に連続して動力を与えることによって発生させることもできる。巻き線の相は、電流によって、所望の回転方向を得るための一定の順序で動力を得ることができ、三相のうちの2つは常時動力を与えられ、一方3つめの相は与えられない。2つの相に同時に動力を与えることによって、両方の相のトルク出力が結合される。
【0043】
上記AC駆動システム100は、例えば、DC電圧電源をはずすこともできるが、ブラシレスDC駆動システムよりも少し複雑な整流理論(commutation logic)を有する。AC駆動システム100において、各相への電力は、パルス幅変調(PWM)を使用することによって、だんだんと作動されたり停止されたりする。
【0044】
一般に、PWMとは、パルスの持続期間が変調信号のいくつかの特徴によって変化する変調である。例えば、FET(電子産業において一般に使用されている)のようなパルス半導体またはパルス幅変調器は、負荷サイクルに比例した所望の電圧を発生させることができ、また、動力によって特定の相を作動させたり停止させたりする。または、パルス周波数変調を使用してこの所望の電圧を発生させることもできる。どちらの場合においても、FETはオンとオフの間で切り換えられ、切り換えられた時点の負荷サイクルに比例した所望の電圧を発生させる。
【0045】
乗物190にACモータ110を使用することによって、点検の必要がより少なく、実質的に寿命が長く、EMIが低く、かつ実質的に静かに作動するモータが提供される。実例とされているモータ110のようなACモータは、PMまたは分巻型DCモータおよびギアモータよりも大きなフレーム・サイズ毎の出力を発生させることができる。モータ110の回転子の慣性が低いので、動作サイクルを短縮する一方で加速時間および減速時間が改善され、モータ110のようなブラシレスACモータの線形速度/トルク特性は、予測可能な速度変動率を発生させる。また、ブラシレスACモータにはブラシ点検の必要がなく、ゴルフカーのような限られたアクセス領域および修理の難しい応用例に対し理想的なものとなっている。
【0046】
〔モータコントローラ〕
モータコントローラ120は、例えば、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて、プリント基板カード上に設けられる1つ以上のデジタル・マイクロプロセッサーとして実現されてもよい。しかしながら、デジタル・マイクロプロセッサーとしてではなく、モータコントローラ120は、アナログプロセッサー、デジタル信号プロセッサーおよび/または好適なマイクロコントローラもしくはマイクロプロセッサー(図示せず)によって制御される、1つ以上の特定用途向け集積回路として実現されてもよい。
【0047】
〔コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)〕
コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)は、実時間アプリケーション用の高品質シリアルデータ通信バスである。CANは、1メガビット/秒(Mbps)以下のデータ転送速度で作動し、優れたエラー検出および閉じ込め能力を有する。一般に、CANは、例えば、自動車制御、工業自動化、および産業用制御に使用することができる。
【0048】
上述したように他のバス構成も好適であるのだが、図1を参照すると、CANバス145は、駆動システム100内のセンサや駆動装置だけでなくモータコントローラ120のようなネットワークに関する高度な装置に、特に好適なシリアルバスシステムである。一般に、CANバスは、マルチマスター能力(multi-master capability)を有するシリアルバスシステムである。つまり、全てのCANノードがデータ送信可能であり、同時にCANバス145を要求するCANノードもある。実時間能力を有するシリアルバスシステムは、ISO11898国際規格の対象であり、ISO/OSI参照モデルの下位2層をカバーしている。コントローラ・エリア・ネットワークには、従来の意味での加入者または局のアドレス指定はないが、その代わりに優先されたメッセージを送信することができる。
【0049】
一般に、CAN内の送信器が全てのCANノードにメッセージを送る。各ノードは、メッセージを処理すべきかどうかを受信した識別子に基づいて判断する。識別子はまた、CANバス145にアクセスするための競争において、メッセージが享受する優先権を決定する。比較的簡素なCANプロトコルはコストの安さを意味し、CANチップ接続によって、プログラミングを比較的容易にすることができる。
【0050】
AC駆動システム100用に準備されるCANチップは、市販されている低価格のコントローラチップであってもよい。そのようなコントローラチップが、シリコンなど好適な物質においてCANデータリンク層プロトコルを実行し、例えば、モータコントローラ120のようなマイクロコントローラ、または充電器140の好適なコントローラに、単純に接続されるように構成されてもよい。
【0051】
CANプロトコルの特徴は、通信の信頼性が高いことである。CANコントローラは、例えば、モータコントローラ120を有するICカード上にチップとして好適に実現されてもよいし、位置エラーを記録し、適切な手段を講じるためにそのエラーを統計的に評価する。こういった手段は、例えば、偏差の原因である特定のCANノードの切断にまで及んでもよい。また、各CANメッセージは0〜8ビットの情報を伝達することができる。周知のように、これより長いデータ情報を分割して伝達することも、もちろん可能である。ISO11898に定められている最大伝達情報速度は、1メガビット/秒であるが、このデータ転送速度は40メートル以下のネットワークにあてはまり、それより長い距離ではデータ転送速度は減少する。例えば、500メートル以下の距離では125キロビット/秒が可能であり、1キロ以下の伝達においては少なくとも約50キロビット/秒のデータ転送速度が可能である。
【0052】
図3は、各種の実施形態に基づくCAN通信チップの構成を示すブロック図である。図3を参照すると、好適なCAN通信チップ310は、乗物190のモータ110またはモータコントローラ120においてのモータドライブ内に設置されてもよい。第二CAN通信チップ320は、充電器140に設置されてもよく、停止時間および夜間に乗物を停めておき、110Vコンセントに接続するような、乗物を再充電する場所に設置されるのが一般的である。DC充電器のプラグ330は、バッテリーパック130を必要なだけ、例えば毎晩、再充電するために、乗物190の充電器のレセプタクル340に接続されてもよい。1つ以上のDC充電器のケーブル350、プラグ330、乗物用充電器のレセプタクル340、および乗物190用の乗物用ワイヤハーネス(図示せず)は、専用のCAN、高、低、および地面信号線(high, low, and in-ground signal wires)を含んでもよい。充電のために接続されると、これらの連結部は、例えば、データ交換のために、モータコントローラ120と、充電器140および他の高度な装置とをつなぐCANバス145を形成する。
【0053】
上述したように、乗物190が使用される時、モータコントローラ120は、好適なメモリまたは記憶装置に、情報を記録し保存する。内蔵式記憶手段には、ROM、フラッシュメモリ、およびハードディスク・ドライブのような書換可能で不揮発性のメモリが含まれるが、これに限定されるものではない。取り外し可能な記憶媒体の例には、例えば、CD−ROMやDVDのような光記憶媒体、MOのような光磁気の記憶媒体、フロッピー(登録商標)ディスク、カセットテープ、および着脱式ハードディスクのような磁気記憶媒体、メモリカードのような、書換可能で不揮発性の内蔵式メモリを有する媒体、ならびにROMカセットのような、内蔵式ROMを有する媒体が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0054】
モータコントローラ120の関連するメモリまたは記憶装置に記憶され、後で充電器140と交換される一般的なデータには、前方への走行時間、後方への走行時間、論理時間オン(すなわち、キースイッチ220がオンであり、論理入力がモータコントローラ120に適用される時間)、各種の警告、条件および障害、バッテリーパック130のSOC、消費されたアンペア時および電圧のデータ、ならびに充電器140の作動をアシストするためのデータが含まれるが、これに限定されるものではない。CANバス145上での通信データの交換は、双方向であってもよい。すなわち、充電器140がモータコントローラ120にデータを送ることもできるのである。この性能によって、乗物集団の中に何台の個々の乗物190が含まれていても、全乗物のために購入された任意の点検を可能にする、全乗物のパラメータを変化させる手段を提供することができる。
【0055】
充電器140はいくつ接続されてもよく、例えば、より大きなコントローラ・エリア・ネットワークを形成してもよい。ドングル、ラップトップ型コンピュータ、ハンドヘルド・コンピュータ、またはサーバのような、CANを支持できる外部ネットワーク150がCANバス145に接続され、例えば、CANに支持されたリモート・コンピュータと乗物集団中の任意の乗物190との間で、データ交換が行われるようなシステムを提供してもよい。したがって、CANバス145を介した双方向データ交換によって、乗物集団を循環させて乗物190の使用を維持する能力を提供し、および/または、例えば使用(すなわち時間、マイル距離)に基づいて乗物190を保証する能力を提供することができる。さらに、CANバス145を介した双方向データ交換によって、点検の必要性を予測し、かつコース使用、負荷サイクル、熱サイクル、および運転スタイルなどに関するデータを集める能力を提供することもできる。
【0056】
バッテリーパック130は、直列につながれた複数の電池(すなわち、電動乗物190への、直列につながれた4つの12Vdc電池を介した48Vdcの電力)を含んでもよい。バッテリーパック130の個々の電池、電極、および電解質を化学的に見てみると、バッテリーパック130は、例えば、リチウムイオン(Li+)バッテリーパック、ニッケルカドミウム(NiCd)バッテリーパック、ニッケル水素(NiMH)バッテリーパック、または鉛電池バッテリーパックとして実現されてもよい。
【0057】
他の各種の実施形態において、モータコントローラ120は、バッテリー130の充電状態(SOC)を百分率値として決定するために、最後の充電サイクル以降、乗物190が作動中にモータ110に適用される電力を監視することによって、乗物のバッテリーパック130に戻す理想的な電力量を決定するように構成されてもよい。SOCに基づいて、モータコントローラ120が充電器140にデータを提供することができるので、充電器140が乗物190に動作可能に接続されている場合、SOCにしたがって、または比例して、充電器140は電力をバッテリーパック130に戻すことが可能となる。
【0058】
例えば、モータコントローラ120は、最後の既知充電サイクル以降、乗物190の作動中に消費される電力量を合計することができる。取り除かれた電力は所定の最後の既知充電サイクルから差し引かれ、その結果、バッテリーパック130の充電状態(SOC)が決定される。バッテリーパック130に戻された電力に対する取り除かれた電力の比率と等しい所定の電力量は、モータコントローラ120内の好適なソフトウェア、または、充電器140のような他の高度な装置によって計算されてもよい。バッテリーパック130に戻された電力に対する取り除かれた電力の比率を最大限に利用するために他のパラメータを使用することもできる。例えば、駆動システムの効率の良さ、バッテリーパックの種類、バッテリーパックの寿命、およびエネルギー消費率と関連づけながら、この比率を最大限に利用することができる。これはバッテリーパック130の内部抵抗と比例している。
【0059】
実施形態の例の他の特徴は、電気式駐車ブレーキ180を対象としてもよい。ブレーキペダル160は、乗物190のブレーキアクセルペダル160が最大のストロークにある場合に作動される。ブレーキ180は、図1に示したように、ブレーキペダル位置センサ163およびブレーキフルストロークセンサ165を含む、ワイヤで設計されたブレーキでもよい。
【0060】
図1を参照すると、通常の運転状況においては、電気ブレーキ180は、モータコントローラ120によって解放位置まで電力を供給される。ブレーキ位置センサ163は、ブレーキペダル160の位置を決定し、信号線122を介してブレーキ180に供給される電力を変化させる。例えば、ブレーキペダル160が、最大ブレーキペダルストロークの約5%以内に押し下げられている場合、ブレーキ180に供給される電力は遮断され、駐車または非常ブレーキ操作をもたらす。一旦この回路が開くと、電力は電気ブレーキ180から取り除かれ、ばねのような摩擦材料がディスクに適用される。電気ブレーキ180のばねは、圧力を摩擦材料に適用し、モータ110の最大ダイナミックトルクの120%と等しいか、またはそれ以上の制動トルクを提供するような大きさにあわせて作られてもよい。この動作によって、乗物190の速度が0になるまで、または、ブレーキフルストロークセンサ165が動作を停止するまで、モータ速度を低減できる。別の方法として、コントローラ120は、ブレーキ位置センサ163のフルストロークセンサを単独で利用し、その入力だけを使用して駐車ブレーキ操作を開始してもよい。また、上記システムは、速度0でブレーキペダル160を起動させることによって電気ブレーキ180を解放し、乗物190を停止状態にしておくように構成されてもよい。ブレーキペダル160が解放されるといつでも、ブレーキフルストロークセンサ165の動作が停止され、通常指令される乗物運転が再開される。
【0061】
ブレーキ位置センサ163は、単位時間あたりの所定のモータ速度を低減させることによって、常用ブレーキに使用されてもよい。ブレーキペダルセンサ163が検知したブレーキペダル160の位置によって、コントローラ120に入力が行われ、乗物190の減速率が決定される。電気式ブレーキ180は、例えば、主軸ブレーキ(motor shaft mounted)、ばねブレーキ、または電気によって解放されるディスクブレーキであってもよい。電気ブレーキ180は、また、下り坂でのブレーキング(down-hill braking)を補助できる。
【0062】
ブレーキペダル160の位置によって、ブレーキペダル位置センサ163は、モータコントローラ120に信号を送り、モータ速度を低減させ、かつペダルの位置に比例した制動トルクを誘導することができる。例えば、制動トルクは、ブレーキペダル160の押し下げが最小の場合には最小であり、最大に押し下げられている場合は最大である。
【0063】
ブレーキフルストロークセンサ165は、緊急停止を補完するが、それに取って代わるものではなく、キースイッチ220をオフの位置まで回すことによって始動することができ、その結果確実に乗物190を停止させる。ブレーキフルストロークセンサ165は、余剰の安全スイッチとして上記のように機能し、かつ、恐慌状態または予見されなかった緊急の事故において、乗物190が停止できるような安全な走行条件を維持するために提供される。上記のような出来事には、モータコントローラ120の作動の遮断、故障、オペレータ・エラー、および/または他の外部的事象が含まれる。
【0064】
他の状況において、モータコントローラ120は、自動駐車制動機能を提供するように構成されてもよい。モータコントローラ120は、いつ駐車ブレーキ180を自動的に連動させるべきかを決定するために、例えば、モータ指令速度、実速度、キースイッチの位置、スロットルおよびブレーキの状態を監視することができる。
【0065】
モータコントローラ120を、駐車ブレーキ180と自動的に連動させる、様々な条件が考えられる。例えば、乗物190が、アクセル(スロットル170)およびブレーキペダル160のどちらからも指令を受けずに惰力で進行している場合、ある状態が発生し得る。乗物190が動いており、キースイッチ220がオンに選択され、かつ、FNRスイッチ230が前進位置にあるとき、このような状態が存在する。上記のような入力状態に基づいて、モータコントローラ120は、モータ速度を、単位時間あたりの所定の量だけ低減することができ、このことは「ニュートラルブレーキング」と称される。乗物190が上記状態のままであり、モータの実速度が速度0に近い所定の範囲内にある場合は、モータコントローラ120は、電気ブレーキ180から電力を取り除き、駐車ブレーキ180が設定されるように指令される。所定の時間後、モータコントローラ120は、モータ110を動作不可能にする。モータコントローラ120が速度0に近い所定の範囲を超えたモータの実速度を検知した場合、モータコントローラ120は、モータ110を回転させずに乗物190を停止させたままにすることができる。
【0066】
ブレーキペダル160が、乗物190を完全に停車させるのに充分な時間押し下げられ、駐車ブレーキ180が連動する場合には、他の条件が発生する。完全な停車とは、例えば、速度0に近い速度の所定の範囲と定義されてもよい。乗物190がブレーキペダル160を押し下げることによって停止されるように指令され、キースイッチ220がオンであり、かつ指令速度と実速度がともに0RPMまたは速度0に近い所定の速度の範囲内であるとき、このような条件が存在する。上記の入力に基づいて、モータコントローラ120は、電気ブレーキ180に連動するよう指令する。所定の時間後、モータコントローラ120は、モータ110を動作不可能にする。モータコントローラ120が速度0に近い所定の範囲を超えたモータの実速度を検知した場合、モータコントローラ120は、モータ110を回転させずに乗物190を停止させたままにすることができる。
【0067】
AC駆動システム100への論理入力時にエラーがあった場合、センサが範囲外である場合、または、例えば、過電流、過電圧、不足電圧、温度が高すぎる状態もしくは低すぎる状態によってモータコントローラ120が故障した場合には、他の条件が発生する。各故障状態は、予防手段またはモータコントローラ120の制御下での反応の点からみて、それぞれ独特の結果をもたらす。それらは、計測器240を介する警告コードの信号送信、または計器板のLED245上の警告灯、運転動作を持続させるためのモータ110の動作低減、迅速な運転停止、などを含むが、これに限定されるものではない。上記のような故障状態は、どんな乗物速度においても、また、モータコントローラ120が1つまたはそれ以上の上述した故障状態を検知したどんな操作状態においても起こり得る。この例においては、モータコントローラ120は、例えば、0モータ速度を指令し、駐車ブレーキ180を短時間のうちにまたは即座に連動させ、また、より危機的な場合には、モータ110を動作不可能にするという予防手段を講じることができる。
【0068】
キースイッチ220がオフの位置に設定された場合には、他の条件が発生する。モータコントローラ120は、乗物190の速度を含む他の入力条件にかかわらず、キースイッチ220がオフの位置に設定された場合にはいつでも、電気ブレーキ180を連動させることができる。キースイッチ220が乗物190上での運転者の唯一の緊急停止スイッチでもあるので、これにより、必要な安全機能が提供される。
【0069】
他の各種実施形態によって、モータコントローラ120は、ブレーキペダルが連動しない場合に実施されている所望のブレーキング状態を検知するために、所定の監視された入力に基づいて、ペダルアップブレーキングまたはニュートラルブレーキング機能を提供することが可能になった。ペダルアップブレーキングによって、乗物のアクセルペダルが解放されている間に、モータコントローラ120は、積極的に再生制動を実行し、モータ110の基底速度まで乗物190の速度を下げることができる。したがって、ペダルアップブレーキングまたはニュートラルブレーキングは、ブレーキペダル160もアクセルペダル(スロットル)170も関与しない場合に、乗物の傾斜(例えば丘や斜面での乗物の傾き)とは無関係に、乗物速度を単位時間あたりの所定の量だけ低減するための乗物190の能力を表している。
【0070】
乗物190の通常の動作において、モータコントローラ120は、様々な動作入力および乗物の状況を監視できる。例えば、ブレーキペダルの位置、アクセルペダルの位置、およびモータの実速度は、ペダルアップブレーキングを可能にするために、モータコントローラ120によって監視されてもよい。例えば、アクセルペダル170およびブレーキペダル160が運転者によって連動されておらず、かつ乗物190のモータの実速度が所定の範囲内にあると判断された場合、モータコントローラ120は、モータ110に単位時間あたりの所定の量だけ速度を低減させるよう指令できる。この単位時間あたりのモータ速度の低減は、入力状況まで、または、モータ速度が速度0に近い状態になるまで継続されてもよい。モータ速度が0に近くなったら、モータコントローラ120は、自動駐車ブレーキの特性を使用するよう指令し、モータの実速度を低減して、かつ乗物190を停止させることができる。したがって、下り坂においても自動的に乗物速度を低減できるという美点によって、各種実施形態によるペダルアップブレーキングは、乗物190の動作にさらなる安全手段を提供できる。
【0071】
他の各種実施形態は、牽引モードの実行を対象としている。牽引モードにおいて、モータコントローラ120は、乗物190の最大牽引速度を限定し、かつモータ110を制御するよう構成されている。これは、乗物190が牽引されている間にモータ110が電力を消費したり、電力を発生させたりしないようにするためである。
【0072】
上記牽引モードは、キースイッチ220をオン位置に設定し、FNRスイッチ230を後退位置に設定し、かつ走行/牽引スイッチ210で牽引を選択することによって選択することができる。上述したように、走行/牽引スイッチ210は、スイッチ210が運転者(または乗客)の位置からは容易に駆動されない場所であっても、乗物190上の牽引に好適な場所に配置されていればよい。このことによって、乗物190が正常に駆動されている間、意図的にまたは不注意で走行/牽引スイッチ210の電源を切って入れなおすことを避けられるということが合理的に保証される。
【0073】
ANSI Z130に規定されているように、牽引モードの機能の1つは、乗物190の速度を、一例としては、1時間あたり15マイルまで低減することである。キースイッチ220をオン状態にすることによって、論理入力はモータコントローラ120を動作可能にさせることができる。走行/牽引スイッチ210で牽引位置を選択することによって、乗物190の牽引に備えるために、電気ブレーキ180の電源を切ることができる。常用ブレーキペダル160は、乗物190が牽引モードにあるときも、通常の機能を行うことができる。FNRスイッチ230を優先的な位置に設定してもよい構造もある。
【0074】
キーがオンになった状態によって、モータコントローラ120に供給された論理が作動されるので、モータコントローラ120は、乗物190の牽引実速度を監視することができる。このことは、モータ110または車輪198からモータコントローラ120へのフィードバック信号を介して成される。モータ信号は、好適な車速エンコーダ、車輪速度エンコーダ、センサレスデバイス、および/またはモータ110の周波数もしくは電圧を監視することによって提供されてもよい。このような入力に基づいて、モータコントローラ120は、乗物190が、一例としては、15MPH±所定の許容誤差と等しい速度に達することを算出することができる。モータコントローラ120は、それから、モータ110および/または電気ブレーキ180を介して乗物190に、一例としては、15MPHまで減速するよう指令することによって、乗物の動きに抵抗しようとする。
【0075】
牽引モードの他の機能は、バッテリーパック130の充電状態にほとんど影響を与えずに牽引を補助することである。例えば、乗物190が牽引されている間、モータコントローラ120は、バッテリーパック130とモータコントローラ120との間の電流を監視できる。その後、モータコントローラ120は、モータ速度またはトルクが0アンペア電流の純消費を実行し、逆EMFとEMFとを相殺するよう指令することができる。モータコントローラ120は、回転子を速く回転させることしかできないので、電流は制限される。実際は0アンペアの消費が得られないとしても、AC駆動システム100の許容誤差は、バッテリーパック130のSOC状態にほとんど影響を与えずに、バッテリーパック130との間を行ったり来たりする正と負の電流によって、牽引動作を促進させることが可能になる。また、乗物が牽引モードである間に、コントローラ120は、ブレーキ180を作動させ、選択的に、牽引速度を、所定の1分当たりのモータ回転のような所定の値、例えば4800RPM以下に限定することができる。そのような牽引速度は、コントローラ120がモータ110を作動させる能力によって決定される。
【0076】
図4は、各種の実施形態に基づく前輪速度センサを示すブロック図である。図4を参照すると、この実施例は前輪速度センサ510を対象とすることができる。前輪速度センサ510は、ゴルフカーまたは小型の実用的な乗物のような乗物190上で、アンチロックブレーキングとトラクションコントロールの特性との1つまたは両方を実行することを可能にすることができる。アンチロックブレーキングおよびトラクションコントロールは、駆動されている車輪、または、ブレーキをかけられた車輪が路面に対してスリップする力を制限することができる。車輪のスリップを低減すると、乗物190が横滑りを低減することになるので、乗物190の制御を改善することができる。この特性によって、例えば、ぬれた草の上など、摩擦の少ない路面での乗物の停止距離を大幅に低減することができる。乗物が走る路面が芝地である場合、アンチロックブレーキングおよびトラクションコントロールの特性は、車輪198と芝生の面との間でのスリップを減らして、芝生に与える損傷を低減することができる。
【0077】
モータコントローラ120は、駆動されている車輪速度に比例するモータ速度を監視することができる。モータコントローラ120は、例えば、駆動されている車輪速度を計算できるように、乗物190の全体的な歯車比に関する、前もってプログラムされ記憶されたデータを含んでいてもよい。
【0078】
図4に示したように、好適な車輪速度センサ510は、路面または芝生の面に対してスリップしていない車輪の車輪速度を測定するために、駆動されずかつブレーキをかけられてもいない車輪198のハブに取り付けられてもよい。センサ510によって測定可能なデータを使用して、スリップすることなく、最大のブレーキングまたは加速を可能にすることができる。このデータは、例えばCANバス145を介してモータコントローラ120に伝達することができる。モータコントローラ120は、駆動されている車輪198の計算された車輪速度とブレーキをかけられていない車輪198から入力された車輪速度とを比較する。その後、モータコントローラ120は、駆動されている車輪と駆動されていない車輪との間の誤差を低減させることを目的として速度が一致するように、モータ速度を調節する。一旦誤差が低減されると、モータ110は、実際のモータ速度がモータ指令速度と一致するように、加速したり減速したりすることができる。モータコントローラ120によって、駆動されている車輪と駆動されていない車輪との間のさらなる誤差が測定されると、モータコントローラ120は、所定の誤差を許容範囲内で低減するためにさらにモータ速度を調節する。上記のような制御によって、スリップの程度を最小にしながら、最大のブレーキングまたは加速を提供することができるのである。
【0079】
図5は、各種の実施形態に基づく複輪または総輪駆動の構成を示す好例となるブロック図である。図1では、モータ110が後輪198を後ろ車軸192およびロッキングディファレンシャル194を介して駆動させる実施形態を示しているが、乗物190は、複輪または総輪駆動システムを含んで構成されていてもよい。例えば、個々の、または対応する車輪198に電力を与えるために、直列2重電動機配列または4つのセパレートACモータ610A−Dが設けられてもよい。
【0080】
乗物190の2つかそれ以上の車輪を単独で駆動させることによって、ゴルフカーのような乗物で従来使用されていた一般のソリッドアクセルを超える様々な利点を提供することができる。例えば、ディファレンシャルキャリアを取り除いてもよい。ディファレンシャル194を取り除くことによって、車輪速度に機械的に違いをつけることに関する機械損失をなくすことができる。センサに基づいてハンドル操作方向を提供し、異なるトルクまたは速度を有する車輪に電力を与えることによって、乗物運転中のステアリング操作力を低減し、ステアリング装置を援助することができる。さらに、2つの車輪を直接駆動させることによって、ディファレンシャルロックという機能性を提供できる。この特性によって、さらなる牽引力または制動力を備えることができる。また、2輪駆動または総輪駆動では、リヤ・サスペンションを容易にするために、固定ビーム車軸192を取り除いてもよい。したがって、各車輪は、対応するブラシレスACモータ610A−Dによって駆動され、各モータ610A−Dは3φの出力を供給する。さらに、各車輪は、例えば、図4に示されているように、状況に応じては、対応する車速センサ510を含むこともできる。別法として、4−モータ構成の代わりに、1つのACブラシレスモータ(610Aまたは610B)が前輪を駆動させ、もう1つのACブラシレスモータ(610Cまたは610D)が後輪を駆動させるタンデム配置が想定される。
【0081】
2〜4つのセパレートACモータ110で乗物190の各車輪を駆動させることによって、乗物の加速またはブレーキングの間必要に応じて、静止摩擦を増加させるために乗物の独立したブレーキングを行い、独立して駆動される車輪速度を前輪センサで測定することができる。センサは、例えば、モータ110に内蔵されてもよい。また、そのような構成によって、モータが動作不能になった場合でも非常に豊富な操作が得られるので、乗物190は駆動システムのみによって動作可能のままでいられる。さらに、乗物190の同等のまたはそれ以上の性能を提供しながら、モータのサイズを減少させることもできる。電力レベルを下げることによって、本明細書に記述したブラシレスACモータのような直接駆動モータは、技術的に実現される可能性をより高め、かつより経済的でもある。最後に、ばね下重量が低減されるため、懸架装置を介した運転特性を改善できる。
【0082】
したがって、ゴルフカーおよび/または小型の実用的な乗物のような乗物にAC駆動システムを使用することによって、正確な位置制御が主要目的ではなく、および/または、AC電流源が容易には入手できないが、三相電力変換器(three-phase power inverter)およびDCバッテリーパック130を使用してシミュレートされるといった、様々な利点がもたらされる。
【0083】
例えば、選択されたACモータの駆動能力は、標準的な直列DCモータまたは別々に励起されたアーマチュア、およびフィールド(分巻型)DCモータをはるかに上回る。この高い能力によって、乗物190がより小さなバッテリーパック130でより長く作動し、かつより遠くへ移動することができる。
【0084】
さらに、0RPMのモータにおいて最大のモータトルクが得られるので、モータ110によって乗物190の環境を整えておくことができる。これにより、乗物190が長時間危機的な状況に陥ることを防ぐことができ、例えば、駐車ブレーキ180が動作可能にされて、乗物が移動することが避けられる。
【0085】
また、モータ110は、どちらか一方の回転方向に制御トルクを発生できるよう、モータコントローラ120によって制御されてもよい。例えば、これにより、モータ110が常用ブレーキとして使用されることが可能となるので、機械的な常用ブレーキが必要なくなる。AC駆動システムを乗物の常用ブレーキとして機能させることによって、乗物190の運動エネルギーの電位エネルギーに対する比率を変えることができるので、関連するバッテリーパック130を充電する能力を提供できる。さらに、モータ110を常用ブレーキとして使用すると、機械的な常用ブレーキを使用することによって発生される熱エネルギーを低減することができる。常用ブレーキからこの熱を取り除くことによって、より低温のプラスチックを、例えば、乗物190の車体パネル、部品、および車輪に使用することができる。そしてさらに、ブラシレス永久磁石モータまたは誘導電動機の高い性能によって、直列モータまたは分巻型モータに比べてより小さく、軽いモータを使用することができる。
【0086】
本明細書でなされた記述は、あくまでも例であり、記述の主旨から逸脱していない変形例は、本開示の範囲内であると考えられる。そのような変形例は、本開示の精神と範囲から逸脱したものとはみなされない。
【0087】
また、駆動システムを以下のように構成してもよい。
【0088】
<1>
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
前記モータにブレーキトルクを供給する電子駆動ブレーキと、
電源電圧入力、スロットルペダル位置入力、ブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力、および、前記ブレーキペダル位置入力に付加されるブレーキフルストローク入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号を生成するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記ブレーキペダル位置入力と前記ブレーキフルストローク入力とに基づいて前記電子駆動ブレーキに信号を送信する駆動システム。
【0089】
<2>
上記モータは、交流誘導電動機および永久磁石モータのうちの1つを含む<1>に記載の駆動システム。
【0090】
<3>
上記モータは、三相四極ブラシレスモータである<2>に記載の駆動システム。
【0091】
<4>
上記モータは、屈曲した固定子および永久磁石回転子を含む<2>に記載の駆動システム。
【0092】
<5>
上記永久磁石は、希土類磁石を含む<4>に記載の駆動システム。
【0093】
<6>
上記コントローラは、取り外し可能な記憶媒体を受け入れるためのメディアドライブをさらに含み、
上記取り外し可能な記憶媒体には、コンパクト・ディスク(CDs)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVDs)、磁気媒体、およびメモリカードが含まれる<1>に記載の駆動システム。
【0094】
<7>
上記コントローラは、スロットル可能入力をさらに受信する<1>に記載の駆動システム。
【0095】
<8>
上記コントローラは、警告信号をさらに生成する<1>に記載の駆動システム。
【0096】
<9>
上記駆動信号は、三相AC駆動信号を含む<1>に記載の駆動システム。
【0097】
<10>
上記駆動信号は、パルス幅変調信号およびパルス周波数変調信号のうちの少なくとも1つを含む<1>に記載の駆動システム。
【0098】
<11>
上記コントローラは、上記電源電圧入力に基づいて上記モータの最大速度を決定する<1>に記載の駆動システム。
【0099】
<12>
上記コントローラは、前記乗物が駆動されるように構成されているか、牽引されるように構成されているかを示す駆動/牽引入力をさらに受信し、
上記コントローラは、上記牽引スイッチ入力および上記FNR入力に基づいて上記モータの最大速度を決定する<1>に記載の駆動システム。
【0100】
<13>
上記コントローラは、表示部に伝達される状態信号をさらに生成する<1>に記載の駆動システム。
【0101】
<14>
上記状態信号は、バッテリー状態、アンペア時、エラーコード、および後退駆動状態のうちの少なくとも1つを示す<13>に記載の駆動システム。
【0102】
<15>
上記表示部は、発光ダイオード(LED)、数値表示、および英数字表示のうちの少なくとも1つを含む<13>に記載の駆動システム。
【0103】
<16>
上記ブレーキ入力が0%より高いブレーキコマンドを示す場合、上記電源電圧入力、上記スロットルペダル位置入力、および上記FNR入力にかかわらず、上記コントローラは、上記モータを減速させる<1>に記載の駆動システム。
【0104】
<17>
上記コントローラは、バッテリーのSOCを決定し、かつ該SOCに基づいて上記モータの最大速度を決定する<1>に記載の駆動システム。
【0105】
<18>
上記駆動信号と上記モータとを選択的に接続させる接触器をさらに備え、
上記コントローラは、上記接触器に伝達されるPWM接触器制御信号をさらに生成し、
該コントローラは、
該接触器を閉鎖させる時には、第一のPWM負荷サイクルにおいて、該PWM接触器制御信号を生成し、
該接触器が閉鎖された後では、第二のPWM負荷サイクルにおいて、該PWM接触器制御信号を生成する<1>に記載の駆動システム。
【0106】
<19>
上記コントローラは、上記電子駆動ブレーキに伝達されるブレーキ制御信号をさらに生成し、
該コントローラは、
該電子駆動ブレーキを作動させる時には、第一のPWM負荷サイクルにおいて、該ブレーキ制御信号を生成し、
該電子駆動ブレーキが作動された後では、第二のPWM負荷サイクルにおいて、該ブレーキ制御信号を生成する<1>に記載の駆動システム。
【0107】
<20>
上記電子駆動ブレーキは、上記モータの停止時の駐車ブレーキ機能を供給する<19>に記載の駆動システム。
【0108】
<21>
上記ブレーキペダル位置入力が0%のブレーキ指令を示し、かつ上記スロットルペダル位置入力が0%のスロットル指令を示す場合、上記コントローラは、上記モータを所定の割合で減速させる<1>に記載の駆動システム。
【0109】
<22>
上記コントローラに電力源を供給する充電式バッテリーをさらに備え、
上記充電式バッテリーの種類に、リチウムイオン、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、および鉛電池のうちの1つが含まれる<1>に記載の駆動システム。
【0110】
<23>
上記モータコントローラは、上記モータから受け取った電力で上記充電式バッテリーを充電する<22>に記載の駆動システム。
【0111】
<24>
上記モータコントローラは、上記充電式バッテリーに供給する上記電力の比率を、バッテリーパックの種類、バッテリーパックの寿命、および電力消費率に基づいて決定する<23>に記載の駆動システム。
【0112】
<25>
上記モータコントローラは、データを通信するための通信バスインターフェースをさらに含む<1>に記載の駆動システム。
【0113】
<26>
上記データは、実時間制御データを含む<25>に記載の駆動システム。
【0114】
<27>
上記通信バスインターフェースは、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)、RS‐232、RS‐422、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、直列、並列、ワイヤレス、ブルートゥースおよび光フォーマットのうちの1つに対応する<25>に記載の駆動システム。
【0115】
<28>
上記実時間制御データは、上記電源電圧入力、上記スロットルペダル位置入力、上記ブレーキペダル位置入力、上記キースイッチ入力、および上記FNR信号のうちの少なくとも1つを含む<26>に記載の駆動システム。
【0116】
<29>
バッテリーの充電状態(SOC)を上記コントローラの上記通信バスインターフェースに伝える第二の通信バスインターフェースを含む充電器をさらに備える<25>に記載の駆動システム。
【0117】
<30>
上記駆動トルクを受け、該駆動トルクを一対の車軸へ振り分けるロッキングディファレンシャルをさらに備える<1>に記載の駆動システム。
【0118】
<31>
上記ロッキングディファレンシャルは、上記コントローラによって生成される差動制御信号にしたがって、ロックしたり解除したりする<30>に記載の駆動システム。
【0119】
<32>
上記コントローラは、
上記ロッキングディファレンシャルをロックする時には、第一のPWM負荷サイクルにおいて、上記差動制御信号を生成し、
該ロッキングディファレンシャルがロックされた後では、第二のPWM負荷サイクルにおいて、上記差動制御信号を生成する<31>に記載の駆動システム。
【0120】
<33>
複数の車輪速度入力をさらに備え、
上記駆動信号は、さらに上記車輪速度入力に基づいている<1>に記載の駆動システム。
【0121】
<34>
上記コントローラは、上記車輪速度入力を受信するとともに上記モータの加速および減速を制限するアンチロックブレーキシステムおよびトラクションコントロールシステムのうちの少なくとも1つを含む<33>に記載の駆動システム。
【0122】
<35>
上記トラクションコントロールシステムは、駆動されている車輪および駆動されていない車輪のそれぞれに関する車輪速度入力の比較に基づいて、上記加速および減速を制限する<34>に記載の駆動システム。
【0123】
<36>
第二の駆動トルクを供給するための第二のモータを備え、
上記モータコントローラは、第二の駆動信号を上記第二のモータに伝え、該第二の駆動信号は該第二のモータの作動状態に基づいている<1>に記載の駆動システム。
【0124】
<37>
前記電子駆動ブレーキは、前記モータにブレーキトルクを掛けて動力源を絶たれる<1>に記載の駆動システム。
【0125】
<38>
前記ブレーキペダルが、そのフルストロークの所定のパーセンテージの中に押し下げられたときに、前記電子駆動ブレーキは、前記モータにブレーキトルクを掛けて動力源を絶たれる<1>に記載の駆動システム。
【0126】
<39>
前記コントローラへの前記ブレーキフルストロークセンサー入力が、前記ブレーキペダルが、そのフルストロークの所定のパーセンテージの中に押し下げられたことを示したときに、前記電子駆動ブレーキは、前記モータにブレーキトルクを掛けて動力源を絶たれる<1>に記載の駆動システム。
【0127】
<40>
前記コントローラは、前記ブレーキペダル位置入力に基づいて、前記電子駆動ブレーキに供給される電気エネルギーを変えるように構成されている<1>に記載の駆動システム。
【0128】
<41>
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
前記モータにブレーキトルクを供給する電子駆動ブレーキと、
電源電圧入力、前記スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、前記ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力、および、前記ブレーキペダル位置入力に付加されるブレーキフルストローク入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号を生成するコントローラとを備え、
前記電子駆動ブレーキは、前記ブレーキフルストローク入力に応じて動作する駆動システム。
【0129】
<42>
前記電子駆動ブレーキは、前記コントローラとは独立に駆動される<41>記載の駆動システム。
【0130】
<43>
前記電子駆動ブレーキは、前記モータにブレーキトルクを掛けて動力源を絶たれる<41>記載の駆動システム。
【0131】
<44>
前記ブレーキペダルが、そのフルストロークの所定のパーセンテージの中に押し下げられたときに、前記電子駆動ブレーキは、前記モータにブレーキトルクを掛けて動力源を絶たれる<41>に記載の駆動システム。
【0132】
<45>
前記ブレーキフルストロークセンサー入力が、前記ブレーキペダルが、そのフルストロークの所定のパーセンテージの中に押し下げられたことを示したときに、前記電子駆動ブレーキは、前記モータにブレーキトルクを掛けて動力源を絶たれる<41>に記載の駆動システム。
【0133】
<46>
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
前記モータにブレーキトルクを供給する電子駆動ブレーキと、
電源電圧入力、前記スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、前記ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号を生成するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記キースイッチ入力がオフ状態を示したときに、前記モータに前記電子駆動ブレーキを供給する駆動システム。
【0134】
<47>
前記キースイッチ入力がオフ状態を示し、前記乗物が動いているときに、前記コントローラは、ブレーキ制御信号を送信して、前記電子駆動ブレーキを供給する<46>記載の駆動システム。
【0135】
<48>
前記キースイッチ入力がオフ状態を示し、前記乗物が止まっているときに、前記コントローラは、ブレーキ制御信号を送信して、前記電子駆動ブレーキを供給する<46>記載の駆動システム。
【0136】
<49>
前記キースイッチ入力以外のどの入力があっても、前記コントローラは、前記電子駆動ブレーキを供給する<46>記載の駆動システム。
【0137】
<50>
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
前記モータにブレーキトルクを供給する電子駆動ブレーキと、
電源電圧入力、前記スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、前記ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力、および、前記乗物が駆動されるように構成されているか、牽引されるように構成されているかを示す駆動/牽引入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号と、前記電子駆動ブレーキのためのブレーキ制御信号とを生成するコントローラとを備え、
前記駆動/牽引入力が牽引モードに切り換えられたときに、前記コントローラは、前記電子駆動ブレーキを活性化する駆動システム。
【0138】
<51>
牽引モードにおいて、前記コントローラは、前記電子駆動ブレーキを活性化し、前記乗物のスピードを制限する<50>記載の駆動システム。
【0139】
<52>
前記駆動/牽引入力が牽引モードのとき、前記コントローラは、牽引の間の前記モータによるパワーの浪費、消費を制限する前記モータへの信号をさらに生成する<50>記載の駆動システム。
【0140】
<53>
前記駆動/牽引入力が牽引モードを示すとき、前記コントローラは、前記システムのメイン接触器の動力源を絶つ<50>記載の駆動システム。
【0141】
<54>
前記キースイッチが動作中であり、前記FNRスイッチが順位置および逆位置のうちの一方の位置にあり、前記駆動/牽引入力が駆動モードを示し、前記ブレーキペダル位置入力が0%ブレーキ指令を示し、および、電池の充電状態(SOC)が所定のSOCよりも大きいときに、前記コントローラは、前記駆動信号を生成する<50>記載の駆動システム。
【0142】
<55>
前記電池電圧入力、前記スロットルペダル位置入力、および前記FNR入力にかかわらず、前記ブレーキペダル位置入力が0%ブレーキ指令よりも大きいことを示すときに、前記コントローラは前記モータを減速する<50>記載の駆動システム。
【0143】
<56>
前記駆動/牽引が前記乗物の牽引モードを示すときに、前記コントローラは、前記駆動トルクを順方向および逆方向に最小化する<50>記載の駆動システム。
【0144】
<57>
前記コントローラは、前記ブレーキペダル位置入力、前記キースイッチ入力、および前記駆動/牽引入力に基づいて、前記電子駆動ブレーキを制御する前記ブレーキ制御信号を生成する<50>記載の駆動システム。
【0145】
<58>
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
前記モータにブレーキトルクを供給する電子駆動ブレーキと、
電源電圧入力、前記スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、前記ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力、および、前記乗物が駆動されるように構成されているか、牽引されるように構成されているかを示す駆動/牽引入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号を生成するコントローラとを備え、
前記駆動/牽引入力が牽引モードを示すときに、前記コントローラは、牽引の間の前記モータによるパワー浪費および消費を制限する前記モータへの信号を生成する駆動システム。
【0146】
<59>
前記駆動/牽引入力が牽引モードを示すときに、前記コントローラは、前記乗物の牽引動作の間、後退−EMFと実質的に等しい前進EMFを前記モータに生成させる前記モータへの信号を生成する<58>に記載の駆動システム。
【0147】
<60>
前記コントローラは、前記牽引モードの間、前記電池の充電状態(SOC)を維持するように前記モータを動作させる<58>に記載の駆動システム。
【0148】
<61>
前記コントローラは、牽引速度を所定値よりも小さくするように前記電子駆動ブレーキを選択的に活性化させる<58>に記載の駆動システム。
【0149】
<62>
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
電源電圧入力、前記スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、前記ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力、および、前記乗物が駆動されるように構成されているか、牽引されるように構成されているかを示す駆動/牽引入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号を生成するコントローラとを備え、
前記駆動/牽引入力が牽引モードであるときに、前記コントローラは、前記モータのメイン接触器を活性化する駆動システム。
【0150】
<63>
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
電源電圧入力、前記スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、前記ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、および、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号を生成するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記乗物が動いており、前記スロットルペダルも前記ブレーキペダルもかみ合っていないときに、前記モータの速度を減少させる信号を前記モータに送信する駆動システム。
【0151】
<64>
前記コントローラは、前記乗物の速度を停止位置に減少させ、前記乗物が停止したときに、前記コントローラは、前記電子駆動ブレーキをかみ合わせる<63>に記載の駆動システム。
【0152】
<65>
前記コントローラは、前記乗物の速度を減少させ、前記乗物が停止したときに、前記電子駆動ブレーキの動力を絶つ<64>に記載の駆動システム。
【0153】
<66>
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
電源電圧入力、前記スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、前記ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、および、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号を生成するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記スロットルペダルがかみ合っていないときに、前記システムのメイン接触器の動力を絶つ駆動システム。
【0154】
<67>
前記スロットルペダルが押し下げられているか否かを検出するスロットルイネーブルセンサをさらに含む<66>に記載の駆動システム。
【0155】
<68>
前記スロットルイネーブルセンサは、ペダルアップ位置を判定し、前記コントローラは、前記検出されたペダルアップ位置に応じて前記メイン接触器の動力を絶つ<67>に記載の駆動システム。
【0156】
<69>
前記メイン接触器の動力が絶たれたときに、前記モータは活性化できない<66>に記載の駆動システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
前記モータにブレーキトルクを供給する電子駆動ブレーキと、
電源電圧入力、スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号を生成するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記キースイッチ入力がオフ状態を示したときに、前記モータに前記電子駆動ブレーキを供給する駆動システム。
【請求項2】
前記キースイッチ入力がオフ状態を示し、前記乗物が動いているときに、前記コントローラは、ブレーキ制御信号を送信して、前記電子駆動ブレーキを供給する請求項1記載の駆動システム。
【請求項3】
前記キースイッチ入力がオフ状態を示し、前記乗物が止まっているときに、前記コントローラは、ブレーキ制御信号を送信して、前記電子駆動ブレーキを供給する請求項1記載の駆動システム。
【請求項4】
前記キースイッチ入力以外のどの入力があっても、前記コントローラは、前記電子駆動ブレーキを供給する請求項1記載の駆動システム。
【請求項5】
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
前記モータにブレーキトルクを供給する電子駆動ブレーキと、
電源電圧入力、スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力、および、前記乗物が駆動されるように構成されているか、牽引されるように構成されているかを示す駆動/牽引入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号と、前記電子駆動ブレーキのためのブレーキ制御信号とを生成するコントローラとを備え、
前記駆動/牽引入力が牽引モードに切り換えられたときに、前記コントローラは、前記電子駆動ブレーキを活性化する駆動システム。
【請求項6】
牽引モードにおいて、前記コントローラは、前記電子駆動ブレーキを活性化し、前記乗物のスピードを制限する請求項5記載の駆動システム。
【請求項7】
前記駆動/牽引入力が牽引モードのとき、前記コントローラは、牽引の間の前記モータによるパワーの浪費、消費を制限する前記モータへの信号をさらに生成する請求項5記載の駆動システム。
【請求項8】
前記駆動/牽引入力が牽引モードを示すとき、前記コントローラは、前記システムのメイン接触器の動力源を絶つ請求項5記載の駆動システム。
【請求項9】
前記キースイッチが動作中であり、前記FNRスイッチが順位置および逆位置のうちの一方の位置にあり、前記駆動/牽引入力が駆動モードを示し、前記ブレーキペダル位置入力が0%ブレーキ指令を示し、および、電池の充電状態(SOC)が所定のSOCよりも大きいときに、前記コントローラは、前記駆動信号を生成する請求項5記載の駆動システム。
【請求項10】
前記電源電圧入力、前記スロットルペダル位置入力、および前記FNR入力にかかわらず、前記ブレーキペダル位置入力が0%ブレーキ指令よりも大きいことを示すときに、前記コントローラは前記モータを減速する請求項5記載の駆動システム。
【請求項11】
前記駆動/牽引が前記乗物の牽引モードを示すときに、前記コントローラは、前記駆動トルクを順方向および逆方向に最小化する請求項5記載の駆動システム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記ブレーキペダル位置入力、前記キースイッチ入力、および前記駆動/牽引入力に基づいて、前記電子駆動ブレーキを制御する前記ブレーキ制御信号を生成する請求項5記載の駆動システム。
【請求項13】
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
前記モータにブレーキトルクを供給する電子駆動ブレーキと、
電源電圧入力、スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力、および、前記乗物が駆動されるように構成されているか、牽引されるように構成されているかを示す駆動/牽引入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号を生成するコントローラとを備え、
前記駆動/牽引入力が牽引モードを示すときに、前記コントローラは、牽引の間の前記モータによるパワー浪費および消費を制限する前記モータへの信号を生成する駆動システム。
【請求項14】
前記駆動/牽引入力が牽引モードを示すときに、前記コントローラは、前記乗物の牽引動作の間、後退−EMFと実質的に等しい前進EMFを前記モータに生成させる前記モータへの信号を生成する請求項13に記載の駆動システム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記牽引モードの間、電池の充電状態(SOC)を維持するように前記モータを動作させる請求項13に記載の駆動システム。
【請求項16】
前記コントローラは、牽引速度を所定値よりも小さくするように前記電子駆動ブレーキを選択的に活性化させる請求項13に記載の駆動システム。
【請求項17】
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
電源電圧入力、スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力、および、前記乗物が駆動されるように構成されているか、牽引されるように構成されているかを示す駆動/牽引入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号を生成するコントローラとを備え、
前記駆動/牽引入力が牽引モードであるときに、前記コントローラは、前記モータのメイン接触器を活性化する駆動システム。
【請求項18】
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
電源電圧入力、スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、および、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号を生成するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記乗物が動いており、前記スロットルペダルも前記ブレーキペダルもかみ合っていないときに、前記モータの速度を減少させる信号を前記モータに送信する駆動システム。
【請求項19】
前記コントローラは、前記乗物の速度を停止位置に減少させ、前記乗物が停止したときに、前記コントローラは、電子駆動ブレーキをかみ合わせる請求項18に記載の駆動システム。
【請求項20】
前記コントローラは、前記乗物の速度を減少させ、前記乗物が停止したときに、前記電子駆動ブレーキの動力を絶つ請求項19に記載の駆動システム。
【請求項21】
乗物用の駆動システムであって、
駆動トルクを供給するためのモータと、
電源電圧入力、スロットルペダルの位置に応じて変化するスロットルペダル位置入力、ブレーキペダルの位置に応じて変化するブレーキペダル位置入力、キースイッチ入力、および、前進/ニュートラル/後退(FNR)入力を受信し、前記入力に基づいて前記モータのための駆動信号を生成するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記スロットルペダルがかみ合っていないときに、前記システムのメイン接触器の動力を絶つ駆動システム。
【請求項22】
前記スロットルペダルが押し下げられているか否かを検出するスロットルイネーブルセンサをさらに含む請求項21に記載の駆動システム。
【請求項23】
前記スロットルイネーブルセンサは、ペダルアップ位置を判定し、前記コントローラは、前記検出されたペダルアップ位置に応じて前記メイン接触器の動力を絶つ請求項22に記載の駆動システム。
【請求項24】
前記メイン接触器の動力が絶たれたときに、前記モータは活性化できない請求項21に記載の駆動システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−235689(P2012−235689A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156833(P2012−156833)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2009−144637(P2009−144637)の分割
【原出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(508174780)テキストロン イノベーションズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】