説明

電動車両

【課題】走行用の駆動力の符号が変化するときに生じ得るトルクショックを抑制する。
【解決手段】駆動軸に出力すべき要求トルクの符号が変化するときに要求トルクを緩変化させる緩変化処理が実行されているときに値1となる緩変化処理フラグF0の値を調べ(S110)、フラグF0が値1のときには、昇圧コンバータのトランジスタをスイッチングするキャリア周波数fcとして通常用いる周波数fc1より高い周波数fc2を設定する(S130)。そして、この周波数fc2が設定されたキャリア周波数fcで昇圧コンバータのトランジスタのスイッチングを行なう。これにより、昇圧コンバータより昇圧側の電圧を安定させ、昇圧側の電力で駆動するモータの制御性を高くして、緩変化処理を高い精度で行なうことができるようにする。この結果、要求トルクの符号が変化するときに生じ得るギヤのガタによるトルクショックを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両に関し、詳しくは、走行用の動力を入出力する電動機と、電動機を駆動するインバータと、充放電可能な二次電池と、二次電池が接続された電池電圧系とインバータが接続された駆動電圧系とに接続されてスイッチング素子をスイッチングすることにより駆動電圧系の電圧を電池電圧系の電圧以上に昇圧して駆動電圧系と電池電圧系とで電力の授受を行なう昇圧コンバータと、を備え、走行に要求される走行用駆動力により走行するよう昇圧コンバータとインバータとを制御する電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては、スイッチング素子としての2つのIGBT素子とリアクトルとからなるコンバータによりバッテリの電圧を昇圧してモータを駆動するインバータに供給する装置において、リアクトルのインダクタンスが低くなるに従ってIGBT素子をスイッチングする周波数(キャリア周波数)が高くなるようにキャリア周波数を変更するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、リアクトルのインダクタンスが低くなるに従ってキャリア周波数を高くすることにより、リアクトルの過熱を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−098819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した装置のように、バッテリの電圧をコンバータで昇圧してモータのインバータに供給する電動車両では、エネルギ効率の向上のために、コンバータのスイッチング素子のスイッチングの周波数(キャリア周波数)を変更することが望まれる。キャリア周波数は、低いほどスイッチング損失が小さくなるため、低くすることによりエネルギ効率を向上させることができるが、キャリア周波数が低いほど昇圧側の電圧の安定性が低くなることから、モータの制御性も低下し、トルクショックを生じさせるおそれがある。減速から加速に切り替わったり加速から減速に切り替わったときには、デファレンシャルギヤなどのギヤ機構におけるトルクの作用方向が変化するため、ギヤのガタによるトルクショックが生じる。これを抑制するために駆動力の符号が変化するときには駆動力の変化を通常よりゆっくりにする緩変化処理が行なわれるが、キャリア周波数が低くてモータの制御性が低下すると、緩変化処理を行なっているにも拘わらず、ギヤのガタによるトルクショックが生じてしまう。
【0005】
本発明の電動車両は、走行用の駆動力の符号が変化するときに生じ得るトルクショックを抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電動車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の電動車両は、
走行用の動力を入出力する電動機と、前記電動機を駆動するインバータと、充放電可能な二次電池と、前記二次電池が接続された電池電圧系と前記インバータが接続された駆動電圧系とに接続されてスイッチング素子をスイッチングすることにより前記駆動電圧系の電圧を前記電池電圧系の電圧以上に昇圧して前記駆動電圧系と前記電池電圧系とで電力の授受を行なう昇圧コンバータと、走行に要求される走行用駆動力により走行するよう前記昇圧コンバータと前記インバータとを制御する制御手段と、を備える電動車両において、
前記制御手段は、前記走行用駆動力の符号が変更するときには、前記昇圧コンバータのスイッチング素子のスイッチングを、前記走行用駆動力の符号が変更されないときに比して大きな周波数を用いて行なう手段である、
ことを特徴とする。
【0008】
この本発明の電動車両では、走行に要求される走行用駆動力の符号が変更するときには、駆動電圧系の電圧を電池電圧系の電圧以上に昇圧して駆動電圧系と電池電圧系とで電力の授受を行なう昇圧コンバータのスイッチング素子のスイッチングを、走行用駆動力の符号が変更されないときに比して大きな周波数を用いて行なう。これにより、走行用駆動力の符号が変更されないときに比して駆動電圧系の電圧の安定性を高くし、インバータによる電動機の制御性を高くすることによって、電動機の制御性の低下に伴って生じ得るギヤのガタによるトルクショックを抑制することができる。即ち、走行用駆動力の符号が変化するときに生じ得るトルクショックを抑制することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】モータ32やインバータ34を中心とした電機駆動系の構成図である。
【図3】電子制御ユニット50により実行されるキャリア周波数設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【図5】変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図示するように、例えば同期発電電動機として構成されて駆動輪26a,26bにデファレンシャルギヤ24を介して接続された駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32と、モータ32を駆動するためのインバータ34と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ36と、インバータ34が接続された電力ライン(以下、高電圧系電力ラインという)42とバッテリ36が接続された電力ライン(以下、電池電圧系電力ラインという)44とに接続されて高電圧系電力ライン42の電圧VHを電池電圧系電力ライン44の電圧VL以上かつ最大許容電圧VHmax以下の範囲内で調節すると共に高電圧系電力ライン42と電池電圧系電力ライン44との間で電力のやりとりを行なう昇圧コンバータ40と、車両全体をコントロールする電子制御ユニット50と、を備える。ここで、最大許容電圧VHmaxは、後述のコンデンサ46の耐圧以下の電圧として予め定められたものを用いることができる。
【0012】
モータ32は、永久磁石が埋め込まれたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備える周知の同期発電電動機として構成されており、回転に伴って逆起電圧を発生する。インバータ34は、図2のモータ32やインバータ34を中心とした電機駆動系の構成図に示すように、6つのスイッチング素子としてのトランジスタT11〜T16と、トランジスタT11〜T16に逆方向に並列接続された6つのダイオードD11〜D16と、により構成されている。トランジスタT11〜T16は、高電圧系電力ライン42の正極母線と負極母線とに対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置されており、対となるトランジスタ同士の接続点の各々にモータ32の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、インバータ34に電圧が作用している状態でトランジスタT11〜T16のオン時間の割合を制御することにより、三相コイルに回転磁界を形成でき、モータ32を回転駆動することができる。高電圧系電力ライン42の正極母線と負極母線とには平滑用のコンデンサ46が接続されている。
【0013】
昇圧コンバータ40は、図2に示すように、2つのトランジスタT31,T32とトランジスタT31,T32に逆方向に並列接続された2つのダイオードD31,D32とリアクトルLとからなる昇圧コンバータとして構成されている。2つのトランジスタT31,T32は、それぞれ高電圧系電力ライン42の正極母線と高電圧系電力ライン42および電池電圧系電力ライン44の負極母線とに接続されており、その接続点にリアクトルLが接続されている。また、リアクトルLと高電圧系電力ライン42および電池電圧系電力ライン44の負極母線とにはそれぞれバッテリ36の正極端子と負極端子とが接続されている。したがって、トランジスタT31,T32をオンオフ制御することにより、電池電圧系電力ライン44の電力を昇圧して高電圧系電力ライン42に供給したり、高電圧系電力ライン42の電力を降圧して電池電圧系電力ライン44に供給したりすることができる。リアクトルLと高電圧系電力ライン42および電池電圧系電力ライン44の負極母線とには平滑用のコンデンサ48が接続されている。
【0014】
電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU52の他に処理プログラムを記憶するROM54と、データを一時的に記憶するRAM56と、図示しない入出力ポートと、を備える。電子制御ユニット50には、モータ32のロータの回転位置を検出する回転位置検出センサ32aからのモータ32のロータの回転位置や、モータ32とインバータ34との接続ライン(電力ライン)に取り付けられた図示しない電流センサからの相電流,バッテリ36の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vb,バッテリ36の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ36に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度,コンデンサ46の端子間に取り付けられた電圧センサ46aからのコンデンサ46の電圧(高電圧系電力ライン42の電圧)VHやコンデンサ48の端子間に取り付けられた電圧センサ48aからのコンデンサ48の電圧(電池電圧系電力ライン44の電圧)VL,イグニッションスイッチ60からのイグニッション信号,シフトレバー61の操作位置を検出するシフトポジションセンサ62からのシフトポジションSP,アクセルペダル63の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル65の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ66からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ68からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット50からは、インバータ34のトランジスタT11〜T16へのスイッチング制御信号や昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、電子制御ユニット50は、回転位置検出センサ32aからのモータ32のロータの回転位置に基づいてモータ32の回転数Nmも演算している。
【0015】
こうして構成された実施例の電気自動車20は、図示しない駆動制御ルーチンにより駆動制御されている。駆動制御では、アクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Accと車速センサ68からの車速Vとに応じて駆動軸22に出力すべき要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*をモータ32から出力すべきトルク指令Tm*として設定し、設定したトルク指令Tm*と回転数Nmとからなる動作点でモータ32を駆動するのに必要な電圧を高電圧系電力ライン42の目標電圧VH*として設定し、設定したトルク指令Tm*でモータ32が駆動されるようインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチング制御すると共に高電圧系電力ライン42の電圧VHが目標電圧VH*となるよう昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32をスイッチング制御する。走行中にアクセオフして減速するときには、ブレーキペダル65の踏み込み量と車速Vとに応じて制動力としての要求トルクTr*(負の値のトルク)を設定し、設定した要求トルクTr*のうちモータ32の定格値の範囲内で出力可能なトルクをトルク指令Tm*として設定し、設定したトルク指令Tm*と回転数Nmとからなる動作点でモータ32を駆動するのに必要な電圧を高電圧系電力ライン42の目標電圧VH*として設定し、設定したトルク指令Tm*でモータ32が駆動されるようインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチング制御すると共に高電圧系電力ライン42の電圧VHが目標電圧VH*となるよう昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32をスイッチング制御する。制動力としての要求トルクTr*のうちモータ32からの制動トルク出力では不足する制動トルクは、これに相当する制動力が図示しない油圧ブレーキ装置から出力されるよう油圧ブレーキ装置を制御する。そして、車速が小さくなると車両にショックなどを生じさせずに車両をスムーズに停止するために、モータ32による制動力を油圧ブレーキ装置による制動力に置き換える処理が行なわれる。
【0016】
また、実施例の電気自動車20では、要求トルクTr*の符号が変化するとき、即ち、加速用のトルクから減速用のトルク(負の値のトルク)に変化するときや逆に減速用のトルクから加速用のトルクに変化するときには、デファレンシャルギヤ24のギヤのガタによって生じ得るトルクショックを抑制するために、要求トルクTr*が値0を含む所定トルク範囲内となる間は要求トルクTr*を緩変化処理により変化させる。具体的には、アクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Accやブレーキペダルポジションセンサ66からのブレーキポジションBPと車速センサ68からの車速Vとに応じて駆動軸22に出力すべき目標トルクT*を設定し、目標トルクT*を要求トルクTr*に設定すると要求トルクTr*の符号が変化するときには、要求トルクTr*が値0を含む所定トルク範囲内となるまでは、単位時間(例えば8msecなど)毎に、それまでの要求トルクTr*に通常時に用いるレート値Tr1だけ目標トルクT*の方向に変化させたトルクを新たな要求トルクTr*として設定し、要求トルクTr*が値0を含む所定トルク範囲内のときには、単位時間(例えば8msecなど)毎に、それまでの要求トルクTr*に大きなレート値Tr2だけ目標トルクT*の方向に変化させたトルクを新たな要求トルクTr*として設定する。このように緩変化処理によって要求トルクTr*の符号が変化することにより、デファレンシャルギヤ24のギヤのガタによって生じ得るトルクショックを抑制することができる。
【0017】
次に、こうして構成された実施例の電気自動車20の動作、特に、要求トルクTr*の符号が変化するときの昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32のスイッチングの周波数(キャリア周波数)を設定する際の動作について説明する。図3は、電子制御ユニット50により実行されるキャリア周波数設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは所定時間毎に繰り返し実行される。
【0018】
キャリア周波数設定処理ルーチンが実行されると、電子制御ユニット50のCPU52は、まず、要求トルクTr*の符号が変化するときに実行される緩変化処理が実行されているか否かを示す緩変化処理フラグF0を入力する処理を実行する(ステップS100)。緩変化処理フラグF0は、実施例では、要求トルクTr*の符号が変化するときに実行される緩変化処理で実行開始したときに値1が設定され、緩変化処理を終了するときに値0が設定されるものであり、電子制御ユニット50が緩変化処理を実行したときに電子制御ユニット50のRAM56の所定アドレスに書き込むことによって記憶することができるから、本ルーチンのステップS100ではその所定アドレスから読み込むことによって緩変化処理フラグF0を入力することができる。
【0019】
次に、緩変化処理フラグF0の値を調べ(ステップS110)、緩変化処理フラグF0が値0のときには、要求トルクTr*の符号が変化するときに実行される緩変化処理は実行されていないと判断し、通常用いる周波数fc1を昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32のスイッチングの周波数(キャリア周波数)fcに設定して(ステップS120)、本ルーチンを終了する。一方、緩変化処理フラグF0が値1のときには、要求トルクTr*の符号が変化するときに実行される緩変化処理が実行されている最中であると判断し、通常用いる周波数fc1より大きな周波数fc2をキャリア周波数fcに設定して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。キャリア周波数fcが設定されると、電子制御ユニット50は、高電圧系電力ライン42の電圧VHが目標電圧VH*となるよう昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32を設定されたキャリア周波数fcを用いてスイッチング制御する。キャリア周波数fcは、低いほどスイッチング損失が小さくなるため、通常用いる周波数fc1を低くしておくことにより、車両のエネルギ効率を向上させることができる。そして、要求トルクTr*の符号が変化するときに実行される緩変化処理が実行されている最中には、昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32のスイッチングするキャリア周波数fcとして通常用いる周波数fc1より高い周波数fc2を用いて昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32のスイッチングを行なうことにより、高電圧系電力ライン42の電圧VHを安定させ、モータ32の制御性を高くして、緩変化処理を高い精度で行なうことができるようにすることができる。この結果、デファレンシャルギヤ24におけるギヤのガタによるトルクショックを抑制することができる。
【0020】
以上説明した実施例の電気自動車20によれば、駆動軸22に出力すべき要求トルクTr*の符号が変化するときに要求トルクTr*を緩変化させる緩変化処理が実行されているときには、昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32をスイッチングするキャリア周波数fcとして通常用いる周波数fc1より高い周波数fc2を用いて昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32のスイッチングを行なうことにより、昇圧コンバータ40より昇圧側の高電圧系電力ライン42の電圧VHを安定させ、モータ32の制御性を高くして、緩変化処理を高い精度で行なうことができる。この結果、デファレンシャルギヤ24におけるギヤのガタによるトルクショックを抑制することができる。
【0021】
実施例では、駆動輪26a,26bに接続された駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32とモータ32を駆動するためのインバータ34とを備える電気自動車20に適用するものしたが、例えば、図4の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、遊星歯車機構126を介して駆動軸22に接続されたエンジン122およびモータ124と、駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32と、を備えるハイブリッド自動車120に適用するものとしてもよいし、図5の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、駆動軸22にモータ32を取り付けると共に、モータ32の回転軸にクラッチ229を介してエンジン122を接続する構成とし、エンジン122からの動力をモータ32の回転軸を介して駆動軸22に出力すると共にモータ32からの動力を駆動軸22に出力するハイブリッド自動車220に適用するものとしてもよい。
【0022】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータ32が「電動機」に相当し、インバータ34が「インバータ」に相当し、バッテリ36が「二次電池」に相当し、昇圧コンバータ40が「昇圧コンバータ」に相当し、電子制御ユニット50が「制御手段」に相当する。
【0023】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0024】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、電動車両の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0026】
20 電気自動車、22 駆動軸、24 デファレンシャルギヤ、26 バッテリ、26a,26b 駆動輪、32 モータ、32a 回転位置検出センサ、34 インバータ、36 バッテリ、40 昇圧コンバータ、42 高電圧系電力ライン、44 電池電圧系電力ライン、46 コンデンサ、46a 電圧センサ、48 コンデンサ、48a 電圧センサ、50 電子制御ユニット、52 CPU、54 ROM、56 RAM、60 イグニッションスイッチ、61 シフトレバー、62 シフトポジションセンサ、63 アクセルペダル、64 アクセルペダルポジションセンサ、65 ブレーキペダル、66 ブレーキペダルポジションセンサ、68 車速センサ、120,220 ハイブリッド自動車、122 エンジン、124 モータ、126 遊星歯車機構、229 クラッチ、D11〜D16,D31,D32 ダイオード、L リアクトル、T11〜T16,T31,T32 トランジスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用の動力を入出力する電動機と、前記電動機を駆動するインバータと、充放電可能な二次電池と、前記二次電池が接続された電池電圧系と前記インバータが接続された駆動電圧系とに接続されてスイッチング素子をスイッチングすることにより前記駆動電圧系の電圧を前記電池電圧系の電圧以上に昇圧して前記駆動電圧系と前記電池電圧系とで電力の授受を行なう昇圧コンバータと、走行に要求される走行用駆動力により走行するよう前記昇圧コンバータと前記インバータとを制御する制御手段と、を備える電動車両において、
前記制御手段は、前記走行用駆動力の符号が変更するときには、前記昇圧コンバータのスイッチング素子のスイッチングを、前記走行用駆動力の符号が変更されないときに比して大きな周波数を用いて行なう手段である、
ことを特徴とする電動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−196082(P2012−196082A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59372(P2011−59372)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】