説明

電子キーシステム

【課題】内蔵電池の消費電流低減を図ることのできる電子キーシステムを提供する。
【解決手段】携帯機1を構成する受信部12は、携帯機側受信アンテナ10にて受信される信号がノイズであるか否かを判別し、ノイズであると判別するとさらに、ノイズの電圧レベルを判断する。そして、携帯機1を構成する制御部13は、その判断されたノイズの電圧レベルに応じたパターンにてLED19を点消灯する。これにより、ユーザは、携帯機1のノイズ受信状況を確認することが可能になるため、携帯機1がノイズを多く受信していることをユーザが確認した場合、例えば携帯機の保管場所を変更する等、携帯機1がノイズ環境下に保管されることを防ぐことができるようになる。したがって、内蔵電池15の消費電流低減を図ることができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに携帯される携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて、車両の制御を行なう電子キーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電子キーシステムとして、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この文献に記載の技術では、携帯機は、車両側装置から送信されるリクエスト信号を受信するための受信部や、この受信部の受信感度を手動で切り換える受信感度切換スイッチ等々を備える。そして、例えば家電製品等から出るノイズの影響を受けてコード照合を行なうことができないと考えられる場合に、受信感度切換スイッチの手動操作によって受信部の受信感度を低感度に切り換えつつ、リクエスト信号の発信元に携帯機を物理的に近づける。このようにして、ノイズの影響を受ける状況下であってもコード照合が可能となる確率を高めようとしている。
【特許文献1】特開2006−306161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、携帯機がノイズを受信する状況下に置かれると、使用されていないにもかかわらず、内蔵電池が短期間に消耗されてしまうことがある。
【0004】
詳しくは、携帯機がノイズを受信する状況下に置かれると、例えば受信用アンテナによって受信したノイズが車両側装置から送信されたリクエスト信号であるか否かを判断する等、携帯機を構成する受信部が作動し、消費電流が増加してしまう。また、携帯機を構成する受信部は、受信用アンテナによって受信したノイズを車両側装置から送信されたリクエスト信号であると誤認してしまうことがあり、この場合には、携帯機を構成する制御部が起動し、IDコードを含むID信号を送信用アンテナから送信する。これにより、消費電流がさらに増加してしまう。こうした作動を繰り返すことで、使用されていないにもかかわらず、内蔵電池が短期間に消耗されてしまう。上記従来技術では、携帯機がノイズを受信する状況下に置かれているか否かについて、ユーザが判断することはできなかった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、内蔵電池の消費電流低減を図ることのできる電子キーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ユーザに携帯される携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて、前記車両の制御を行なう電子キーシステムであって、前記携帯機は、前記車両側装置から送信される信号を無線にて受信するための携帯機側受信アンテナと、前記携帯機側受信アンテナによって受信される信号がノイズであるか否かを判別するとともに、ノイズであると判別されることに基づいてノイズの電圧レベルを判断する携帯機側受信部と、前記携帯機側受信部によって判断されたノイズの電圧レベルを表示する携帯機側ノイズレベル表示部とを備えることを特徴とする。
【0007】
電子キーシステムとしてのこのような構成では、まず、携帯機側受信部によって、携帯機側受信アンテナにて受信される信号がノイズであるか否かが判別され、ノイズであると判別されることに基づいてノイズの電圧レベルが判断される。そして、携帯機側受信部によって判断されたノイズの電圧レベルが携帯機側ノイズレベル表示部に表示される。これにより、ユーザは、携帯機のノイズ受信状況を確認することが可能になる。そのため、携帯機がノイズを多く受信していることをユーザが確認した場合、例えば携帯機の保管場所を変更する等、携帯機がノイズ環境下に保管されることを防ぐことができるようになる。したがって、内蔵電池の消費電流低減を図ることができるようになる。
【0008】
上記請求項1に記載の構成において、請求項2に記載の発明では、前記携帯機は、所定のノイズ検知指示操作が行われたと判断したことに基づいて、前記携帯機側受信部の動作モードを通常モードからノイズ検知モードに切り換える動作モード切換部をさらに備え、前記携帯機側受信部の動作モードがノイズ検知モードである場合にのみ、前記携帯機側受信部はノイズの電圧レベルを判断し、前記携帯機側ノイズレベル表示部はノイズの電圧レベルを表示することを特徴とする。これにより、ユーザは、携帯機の保管場所でノイズ検知指示操作を行なうことで、ノイズの電圧レベルを確認することができるようになる。また、ノイズ検知モードである場合にのみ、ノイズの電圧レベルが表示されるようになるため、内蔵電池の消費電流をより低減することができるようになる。
【0009】
上記請求項2に記載の構成において、請求項3に記載の発明のように、前記携帯機は、前記車両のドアを施錠するための施錠スイッチと、前記車両のドアを解錠するための解錠スイッチとをさらに備え、前記ノイズ検知条件は、前記施錠スイッチを用いた施錠操作及び前記解錠スイッチを用いた解錠操作とは異なる所定操作が、これら施錠スイッチ及び解錠スイッチを用いて行われることを含むこととしてもよい。
【0010】
上記請求項2に記載の構成において、請求項3に記載の発明のように、前記携帯機は、前記車両のドアを施錠するための施錠スイッチと、前記車両のドアを解錠するための解錠スイッチとをさらに備え、前記ノイズ検知指示操作は、前記施錠スイッチを用いた施錠操作及び前記解錠スイッチを用いた解錠操作とは異なり、かつ、これら施錠スイッチ及び解錠スイッチを用いた所定操作であることとしてもよい。あるいは、請求項4に記載の発明のように、前記携帯機は、前記ノイズ検知モードに切り換えるための携帯機側専用スイッチをさらに備え、前記ノイズ検知指示操作は、前記携帯機側専用スイッチを用いた所定操作であることとしてもよい。
【0011】
上記請求項3に記載の構成によれば、携帯機側専用スイッチを備える必要がないため、携帯機の体格の大型化を招かずに済むようになる。一方、上記請求項4に記載の構成によれば、携帯機側専用スイッチの操作が容易になる。
【0012】
また、上記請求項2に記載の構成において、請求項5に記載の発明のように、前記車両側装置は、前記ノイズ検知モードへの切り換えを指示するための車両側専用スイッチをさらに備えているとともに、前記ノイズ検知指示操作は、この車両側専用スイッチを用いた所定操作であり、前記車両側装置は、前記車両側専用スイッチが操作されることに基づいて、前記指示信号を送信することとしてもよい。こうした構成によれば、携帯機の体格の大型化を招かずに済むようになり、且つ、車両側専用スイッチの操作が容易になる。
【0013】
また、上記請求項2〜5のいずれか一項に記載の構成において、請求項6に記載の発明では、前記動作モード切換部は、所定の解除条件が成立したことに基づいて、前記携帯機側受信部の動作モードをノイズ検知モードから通常モードへ切り換えることとした。これにより、解除条件が成立すると、携帯機は通常モードへ切り換えられるようになる。
【0014】
上記請求項6に記載の構成において、請求項7に記載の発明のように、前記携帯機は、前記ノイズ検知モードへ切り換えられてからの経過時間を計時する計時部をさらに備えており、前記解除条件は、前記計時部によって計時された時間が一定時間経過したことを含むことが望ましい。これにより、ノイズ検知モードへ切り換えられてから一定時間経過すると、自動的に通常モードとなる。
【0015】
また、上記請求項2〜7のいずれか一項に記載の構成において、請求項8に記載の発明では、前記携帯機は、当該携帯機の動作モードを表示する携帯機側動作モード表示部をさらに備えることとした。これにより、ユーザは、動作モードを確認することができるようになる。
【0016】
また、上記携帯機側ノイズレベル表示部によってノイズの電圧レベルを表示する表示態様は任意である。例えば、携帯機側ノイズレベル表示部としてモニタ画面を採用し、テキストや画像によって表示することとしてもよい。他にも、請求項9に記載の発明のように、前記携帯機側ノイズレベル表示部は、発光素子を有し、前記ノイズの電圧レベルに応じたパターンにて、この発光素子を点消灯させることとしてもよい。なお、この発光素子を点消灯させるパターンも任意であり、例えばノイズの電圧レベルが大きいほど点消灯間隔を短くしてもよい。
【0017】
また、上記請求項1に記載の構成において、請求項10に記載の発明では、前記携帯機は、前記車両側装置へ信号を送信するための携帯機側送信アンテナと、前記携帯機側受信部によって判断されたノイズの電圧レベルを示す情報を前記携帯機側送信アンテナから送信する携帯機側送信部とをさらに備えるとともに、前記車両側装置は、前記携帯機送信アンテナから送信される信号を無線にて受信するための車両側受信アンテナと、前記車両側アンテナによって受信した前記情報を表示する車両側情報表示部とを備えることを特徴とする。
【0018】
電子キーシステムとしてのこのような構成では、まず、携帯機側受信部によって、携帯機側受信アンテナにて受信される信号がノイズであるか否かが判別され、ノイズであると判別されることに基づいてノイズの電圧レベルが判断される。次に、携帯機側送信部によって、携帯機側受信部によって判断されたノイズの電圧レベルを示す情報が携帯機側送信アンテナから車両側装置へ送信される。そして、車両側情報表示部によって、車両側受信アンテナによって受信された上記情報が表示される。これにより、ユーザは、携帯機のノイズ受信状況を車室内で確認することが可能になる。そのため、ユーザが乗車した際に、携帯機がノイズを多く受信していることを確認した場合、例えば携帯機の保管場所を変更する等、次回から携帯機がノイズ環境下に保管されることを防ぐことができるようになる。したがって、内蔵電池の消費電流低減を図ることができるようになる。
【0019】
また、上記目的を達成するため、請求項11に記載の発明では、ユーザに携帯される携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて、前記車両の制御を行なう電子キーシステムであって、前記携帯機は、前記車両側装置から送信される信号を無線にて受信するための携帯機側受信アンテナと、前記携帯機側受信アンテナによって受信される信号が前記車両側装置から送信された正規の信号であるか否かを判別する信号判別部と、前記信号判別部によって正規の信号でないと判別されることに基づいてその信号の強度を判断する信号強度判断部と、前記信号強度判断部によって判断された信号強度を表示する携帯機側信号強度表示部とを備えることを特徴とする。
【0020】
電子キーシステムとしてのこのような構成では、まず、信号判別部によって、携帯機側受信アンテナにて受信される信号が正規の信号であるか否かが判別され、正規の信号でないと判別されることに基づいて信号強度判断部によってその信号の強度を判断される。そして、信号強度判断部によって判断された信号強度が携帯機側信号強度表示部に表示される。これにより、ユーザは、携帯機による正規信号の受信状況、ひいてはノイズ受信状況を確認することが可能になる。そのため、携帯機がノイズを多く受信していることをユーザが確認した場合、例えば携帯機の保管場所を変更する等、携帯機がノイズ環境下に保管されることを防ぐことができるようになる。したがって、内蔵電池の消費電流低減を図ることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る電子キーシステムの第1の実施の形態について、図1〜図4を参照しつつ説明する。
【0022】
電子キーシステムは、ユーザに携帯される携帯機1(図1参照)と車両に搭載される車両側装置(図示略)との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて車両の制御を行なうシステムである。なお、本実施の形態では、電子キーシステムは、例えば車両ドアの施錠及び解錠並びに車載エンジンの始動を行なういわゆるスマートエントリー&スタートシステムとして具体化されている。
【0023】
携帯機1が用いられる電子キーシステムでは、ユーザが携帯機1を携帯しつつ車両ドアに接近すると、車両側装置はリクエスト信号を送信し、このリクエスト信号を受信した携帯機1は、予め記憶保持された自己のIDコードを含むID信号を送信する。一方、車両側装置は、このID信号を携帯機1から受信すると、このIDコードと車両固有のIDコードとの照合を行い、両者が一致し、且つ、車両ドアのノブにユーザが触れることを条件に、車両ドアを解錠するようになっている。また、携帯機1を携帯するユーザが車両の外から施錠スイッチを押すとIDコードが一致している条件で施錠される。このため、携帯機1を携帯するユーザは、携帯機1を操作することなく車両ドアの施錠及び解錠をすることができる。なお、本実施の形態では、リクエスト信号としてLF(low frequency)信号を採用しており、このLF信号の周波数は例えば「およそ134[kHz]」であるものとする。また、ID信号としてRF(radio frequency)信号を採用している。
【0024】
以下、図1を参照しつつ説明する。なお、図1は、本実施の形態の電子キーシステムの携帯機1の構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、携帯機1は、X軸アンテナ10a、Y軸アンテナ10b、Z軸アンテナ10c、可変コンデンサ11a〜11c、受信部12、制御部13及びRF送信部20等々を備えている。
【0026】
このうち、X軸アンテナ10a、Y軸アンテナ10b及びZ軸アンテナ10cは、車両側装置(図示略)から送信されるリクエスト信号を無線にて受信するためのアンテナである。これらX軸アンテナ10a、Y軸アンテナ10b及びZ軸アンテナ10cは、あらゆる方向からの電波を受信可能なように3軸方向に対して設けられている。そして、これらX軸アンテナ10a、Y軸アンテナ10b及びZ軸アンテナ10cは、信号を受信した場合に、受信した信号を受信部12に送信する。なお、これらX軸アンテナ10a、Y軸アンテナ10b及びZ軸アンテナ10cは特許請求の範囲に記載した携帯機側受信アンテナに相当する。
【0027】
また、可変コンデンサ11a〜11cは、X軸アンテナ10a、Y軸アンテナ10b及びZ軸アンテナ10cの受信帯域を微調整するためのコンデンサある。詳しくは、可変コンデンサ11aはX軸アンテナ10aと並列に接続されており、可変コンデンサ11bはY軸アンテナ10bと並列に接続されており、可変コンデンサ11cはZ軸アンテナ10cと並列に接続されている。また、これら可変コンデンサ11a〜11cは受信部12にそれぞれ接続されている。そして、受信部12から信号を出力することで可変コンデンサ11a〜11cの容量を変更することが可能であり、容量を変更することで、X軸アンテナ10a、Y軸アンテナ10b及びZ軸アンテナ10cの各共振周波数を変更することが可能である。なお、可変コンデンサ11a〜11cに変えて可変容量ダイオードを用いてもよく、X軸アンテナ10a、Y軸アンテナ10b及びZ軸アンテナ10cの受信帯域を微調整する必要が無ければ、容量が固定されたコンデンサを用いてもよい。
【0028】
受信部12は、動作モードとして通常モード及びノイズ検知モードを有しており、通常、通常モードにて動作する。ただし、ノイズ検知指示操作が行われたと判断した旨の信号を制御部13から受信すると、受信部12は、動作モードを通常モードからノイズ検知モードへ切り換える。また、解除条件が成立した旨の信号を制御部13から受信すると、受信部12はノイズ検知モードから通常モードへ動作モードを切り換える。なお、これらノイズ検知指示操作や解除条件等については後述する。
【0029】
動作モードが通常モードである場合、受信部12は、X軸アンテナ10a、Y軸アンテナ10b及びZ軸アンテナ10c(以下、これらを総称する場合、携帯機側受信アンテナ10と記載する)によって受信された信号が、車両側装置から送信された正規のリクエスト信号であるか、あるいは、ノイズであるかを判別する。詳しくは、車両側装置から送信された正規のリクエスト信号には所定のIDコードが含まれている一方、例えば家電製品等から出るノイズにはそうした所定のIDコードは含まれていない。そのため、受信部12は、携帯機側受信アンテナ10によって受信した信号に対し信号処理(例えばA/D変換等)を行い、信号処理された信号に所定のIDコードが含まれている場合には、車両側装置から送信された正規のリクエスト信号であると判別する一方、所定のIDコードが含まれていない場合には、ノイズであると判別する。そして、受信部12は、携帯機側受信アンテナ10によって受信された信号が正規のリクエスト信号であると判別すると、図1に矢印Aとして示すように、制御部13に対してウェイクアップ信号を送信する。また、受信部12は、携帯機側受信アンテナ10によって受信された信号がノイズであると判別すると、制御部13に対してウェイクアップ信号を送信しない。
【0030】
動作モードがノイズ検知モードである場合、受信部12は、携帯機側受信アンテナ10によって受信された信号が正規のリクエスト信号であるか、あるいは、ノイズであるかを判別し、ノイズであると判別すると、このノイズの電圧レベルを判断する。そして、受信部12は、図1に矢印Aとして示すように、制御部13に対してウェイクアップ信号を送信するとともに、図1に矢印Bとして示すように、制御部13に対してノイズの電圧レベルを示すデータを送信する。このように、受信部12は、特許請求の範囲に記載した携帯機側受信部に相当する。
【0031】
なお、受信部12は、トランスポンダ機能部12aを有する。例えば内蔵電池15が消耗されてしまった場合等、電子キーシステムがうまく作動しない場合に、車両側装置が備えるエンジンスイッチ(図示略)に携帯機1をかざすことで、エンジンスイッチ周辺に磁界が形成される。すると、トランスポンダ機能部12aは、後述のRF送信部20によってIDコードを発信することが可能となり、照合が行なわれる。このトランスポンダ機能部12aについては公知であるため、ここでのこれ以上詳しい説明を割愛する。
【0032】
制御部13は、周知のCPU、ROMやRAM、EEPROMなどのメモリ、I/O及びこれらを接続するバスライン(いずれも図示略)を有する通常のコンピュータとして構成されており、受信部12、発振子14、内蔵電池15、ロックボタン(施錠スイッチ)16、アンロックボタン(解錠スイッチ)17、ラゲージボタン18、LED(発光素子)19及びRF送信部20等々と接続されている。なお、制御部13が有するEEPROMには、固有のIDコードや各種の制御プログラム等が記憶保持されている。
【0033】
制御部13は、車両ドアを施錠するためのロックボタン16が操作された場合、車両ドアを解錠するためのアンロックボタン17が操作された場合、車両のトランクを解錠するためのラゲージボタン18が操作された場合、あるいは、上記受信部12から送信されたウェイクアップ信号(矢印A参照)を受信した場合等々に、内蔵電池15から電力が供給されて起動する。ちなみに、本実施の形態では、内蔵電池15として例えばリチウムコイン電池が採用されている。そして、内蔵電池15は、制御部13だけでなく、受信部12、LED19及びRF送信部20等々にも電力を供給する。また、発振子14は、制御部13の起動時に所定周波数にて振動開始し、クロックを形成する。制御部13は、この発振子14によって形成されるクロックに同期して、各種制御処理を実行する。
【0034】
以下、制御部13によって実行される各種制御処理について説明する。上記ロックボタン16を用いた施錠操作(例えば短時間だけ1回押す等)がユーザによって行なわれると、制御部13は起動する。この起動後、制御部13は、車両ドアを施錠する旨のデータを生成するとともに、その生成したデータを後述のRF送信部20に送信する(いわゆるワイヤレスドアロック機能)。また、上記アンロックボタン17を用いた解錠操作(例えば短時間だけ1回押す等)がユーザによって行なわれると、制御部13は起動する。この起動後、制御部13は、車両ドアを開錠する旨のデータを生成するとともに、その生成したデータをRF送信部20に送信する(いわゆるワイヤレスドアアンロック機能)。また、上記ラゲージボタン18を用いた所定操作(例えば短時間だけ1回押す等)がユーザによって行なわれると、制御部13は起動する。この起動後、制御部13は、車両トランクを解錠して開扉する旨のデータを生成するとともに、その生成したデータをRF送信部20に送信する(いわゆるラゲージドアオープン機能)。
【0035】
また、制御部13は、ノイズ検知指示操作が行なわれたと判断すると、受信部12の動作モードを通常モードからノイズ検知モードに切り換える。詳しくは、制御部13は、ノイズ検知指示操作として、ロックボタン16及びアンロックボタン17を用いた特殊操作がユーザによって行われるか否かを判断する。なお、この特殊操作は、ロックボタン16を用いた上記施錠操作やアンロックボタン17を用いた上記解錠操作と異なれば任意である。そして、ノイズ検知指示操作が行われたと判断すると、制御部13は、図1中に矢印Cとして示すように、ノイズ検知指示操作が行われた旨を示す信号を受信部12に送信する。この信号を受信すると、受信部12は、通常モードからノイズ検知モードへ動作モードを切り換える。
【0036】
また、制御部13は、解除条件が成立したと判断すると、受信部12の動作モードをノイズ検知モードから通常モードに切り換える。詳しくは、制御部13は、解除条件として、ロックボタン16及びアンロックボタン17を用いた上記特殊操作がユーザによって再度行われるか否かを判断する。なお、この特殊操作は、ロックボタン16を用いた上記施錠操作やアンロックボタン17を用いた上記解錠操作と異なれば任意である。そして、解除条件が成立したと判断すると、制御部13は、図1中に矢印Dとして示すように、解除条件が成立した旨を示す信号を受信部12に送信する。この信号を受信すると、受信部12は、ノイズ検知モードから通常モードへ動作モードを切り換える。このように、制御部13は特許請求の範囲に記載した動作モード切換部に相当する。
【0037】
また、制御部13は、ノイズの電圧レベルに応じたパターンにてLED19を点消灯させる。以下、図2及び図3を参照しつつ説明する。図2は、ノイズの電圧レベルとLED19の点灯間隔との対応マップの一例を示す図であり、図3は、ノイズの電圧レベルが例えば「105[dBμV/m]」である場合におけるLED19の点消灯態様の一例を示すタイミングチャートである。ちなみに、図2に示す対応マップM1は、制御部13が有する上記EEPROMに記憶保持されている。
【0038】
既述したように、受信部12は、制御部13に対してノイズの電圧レベルを示すデータを送信する(図1の矢印B参照)。このデータを受信すると、制御部13は、マップM1を参照してLED19の点灯間隔を決定する。具体的には、ノイズの電圧レベルが例えば「105[dBμV/m]」である場合、制御部13は点灯間隔を「2[回/秒]」とする(図2参照)。そして、制御部13は、例えば図3に示す態様にて、1秒間に2回、LED19を点灯する。具体的には、制御部13は、最初にLED19を「0.1[秒]」だけ点灯した後、LED19を「0.4[秒]」だけ消灯する。再度、LED19を「0.1[秒]」だけ点灯した後、LED19を「0.4[秒]」だけ消灯する。
【0039】
なお、本実施の形態では、ノイズの電圧レベルが例えば「100[dBμV/m]」以下である場合、ノイズの電圧レベルが微弱であると判断し、制御部13はLED19を点灯しないこととしている。また、本実施の形態では、ノイズの電圧レベルが大きいほどLED19の1秒間当たりの点灯回数を多くしているが、ノイズの電圧レベルが大きいほどLED19の1秒間当たりの点灯回数を少なくしてもよい。要は、制御部13は、ノイズの電圧レベルに応じたパターンにてLED19を点灯させればよい。
【0040】
また、図1に示されるように、RF送信部20は、発振子21及び携帯機側送信アンテナ22に接続されている。発振子21も、上記発振子14と同様に、所定周波数にて振動しクロックを形成する。そして、RF送信部20は、この発振子21によって形成されるクロックに同期し、制御部13から送信されてきたデータ(例えば、車両ドアを施錠する旨のデータ、車両ドアを解錠する旨のデータ、トランクを解錠して開扉する旨のデータ等)をRF信号に変換した上で、携帯機側送信アンテナ22を送信する。携帯機側送信アンテナ22は、RF送信部20から送られてきたRF信号を無線にて送信する。
【0041】
以上のように構成された電子キーシステムを構成する携帯機1の動作について図4を参照しつつ説明する。なお、図4は、携帯機1によって実行されるノイズレベル表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0042】
このノイズレベル表示処理S1の開始にあたり、受信部12は、通常モードにて動作しているとする(ステップS10の処理)。受信部12が通常モードにて動作中、携帯機側受信アンテナ10にて車両側装置からリクエスト信号を受信すると、ウェイクアップ信号が受信部12から受信することで、制御部13は起動する。あるいは、ロックボタン16、アンロックボタン17及びラゲージボタン18のいずれかが操作されて信号が入力されると、制御部13は起動する。
【0043】
起動後、制御部13は、続くステップS11の処理として、ノイズ検知指示操作が行われたか否かを判断する。具体的には、制御部13は、ロックボタン16及びアンロックボタン17を用いた特殊操作がユーザによって行われたか否かを判断する。ここで、特殊操作が行われていないと判断された場合(ステップS11の判断処理で「No」)、制御部13は、再度、このステップS11の判断処理を実行する。一方、特殊操作が行われたと判断される場合(ステップS11の判断処理で「Yes」)、制御部13は、続くステップS20の処理に移行する。換言すれば、制御部13は、ステップS11の判断処理を繰り返し実行することで、特殊操作が行われたと判断されるまで待機する。
【0044】
特殊操作が行われたと判断した場合、制御部13は、続くステップS20の処理として、受信部12の動作モードをノイズ検知モードに切り換えるとともに、続くステップS21の判断処理として、解除条件が成立するか否かを判断する。具体的には、制御部13は、上記特殊操作がユーザによって再度行われたか否かを判断する。ここで、上記特殊操作が再度行われたと判断した場合(ステップS21の判断処理で「Yes」)、制御部13は、上記ステップS10の処理として、受信部12の動作モードを通常モードに切り換え、続くステップS11の判断処理を繰り返し実行する。
【0045】
一方、上記特殊操作が再度行われたと判断されない場合(ステップS21の判断処理で「No」)、受信部12は、続くステップS22の判断処理として、携帯機側受信アンテナ10にてノイズを受信したか否かを判断する。
【0046】
ここで、ノイズを受信していないと判断する場合(ステップS22の判断処理で「No」)、制御部13は、上記ステップS21の判断処理を再度実行する。一方、ノイズを受信したと判断する場合(ステップS22の判断処理で「Yes」)、受信部12は、続くステップS23の判断処理として、ノイズの電圧レベルをデータに変換する。詳しくは、受信部12は、例えばA/D変換等をすることで、携帯機側受信アンテナ10にて受信したノイズの電圧レベルを示すデータを生成する。このデータを生成すると、受信部12は、続くステップS24の処理として、生成したデータを制御部13に送信する。そして、制御部13は、ステップS25の処理として、受信したデータに応じてLED19の点消灯を行なうとともに、先のステップS21の判断処理を再度実行する。
【0047】
以上説明した上記第1の実施の形態では、受信部12は、携帯機側受信アンテナ10にて受信される信号がノイズであるか否かを判別し、ノイズであると判別するとさらに、ノイズの電圧レベルを判断する。そして、制御部13は、その判断されたノイズの電圧レベルに応じたパターンにてLED19を点消灯することとした。これにより、ユーザは、携帯機1のノイズ受信状況を確認することが可能になるため、携帯機1がノイズを多く受信していることをユーザが確認した場合、例えば携帯機の保管場所を変更する等、携帯機1がノイズ環境下に保管されることを防ぐことができるようになる。したがって、内蔵電池15の消費電流低減を図ることができるようになる。
【0048】
また、上記第1の実施の形態では、制御部13は、ノイズ検知指示操作としてロックボタン16及びアンロックボタン17を用いた特殊操作が行われたか否かを判断し、このノイズ検知指示操作が行われたと判断される場合、受信部12の動作モードを通常モードからノイズ検知モードに切り換える。そして、受信部12は、ノイズ検知モードである場合にのみ、ノイズの電圧レベルを判断し、制御部13は、この判断されたノイズの電圧レベルに応じたパターンにてLED19を点消灯することとした。これにより、受信部12がノイズ検知モードである場合にのみ、LED19が点消灯されるようになるため、内蔵電池の消費電流をより低減することができるようになる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明に係る電子キーシステムの第2の実施の形態について、図5を参照しつつ説明する。なお、図5は、図1に対応する図であり、本発明に係る電子キーシステムの携帯機1aについて、第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。この図5に示されるように、第2の実施の形態は、先の第1の実施の形態(図1)に準じた構成を有するため、第1の実施の形態と重複する説明を割愛する。
【0049】
受信部32は、携帯機側受信アンテナ10によって受信されたLF電波が、車両側装置から送信された正規のリクエスト信号であるか否かを判別する。ここで、正規のリクエスト信号であると判別すると、受信部32は、図5に矢印Eとして示すように、制御部33に対してウェイクアップ信号を送信する。一方、正規のリクエスト信号でないと判別すると、受信部32は、図5に矢印Fとして示すように、制御部33に対してこのLF電波の強度(RSSI)及びそのデータを出力する。
【0050】
制御部33は、ロックボタン16が操作された場合、アンロックボタン17が操作された場合、ラゲージボタン18が操作された場合、あるいは、上記受信部32から送信されたウェイクアップ信号(矢印E参照)を受信した場合等々に、内蔵電池15から電力が供給されて起動する。
【0051】
また、制御部33は、動作モードとして通常モード及びノイズ検知モードを有している。制御部33は、上述のようにして起動されると、まず、通常モードにて動作し、この通常モードにて動作中にノイズ検知指示操作が行われたと判断すると、動作モードを通常モードからノイズ検知モードへ切り換える。一方、制御部33は、ノイズ検知モードにて動作中、解除条件が成立したと判断すると、動作モードをノイズ検知モードから通常モードへ動作モードを切り換える。
【0052】
また、当然ながら、制御部33は、起動していない場合、受信部32からLF電波の強度及びデータが出力されてもこれを受信することはできず、起動していても、ノイズ検知モードである場合にのみ受信部32からLF電波の強度及びデータを受信する。このLF電波の強度及びデータを受信すると、制御部33は、マップM1を参照してLED19の点灯間隔を決定し、LED19を点消灯する。
【0053】
以上のように構成された電子キーシステムを構成する携帯機1aの動作について図6を参照しつつ説明する。なお、図6は、携帯機1aによって実行されるノイズレベル表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0054】
このノイズレベル表示処理S3の開始にあたり、制御部33は、通常モードにて動作しているとする(ステップS30の処理)。通常モードにて動作中、制御部33は、続くステップS31の処理として、ノイズ検知指示操作が行われたか否かを判断する。具体的には、制御部33は、ロックボタン16及びアンロックボタン17を用いた特殊操作がユーザによって行われたか否かを判断する。ここで、特殊操作が行われていないと判断された場合(ステップS31の判断処理で「No」)、制御部33は、再度、このステップS31の判断処理を実行する。一方、特殊操作が行われたと判断される場合(ステップS31の判断処理で「Yes」)、制御部33は、続くステップS30の処理に移行する。換言すれば、制御部33は、ステップS31の判断処理を繰り返し実行することで、特殊操作が行われたと判断されるまで待機する。
【0055】
特殊操作が行われたと判断した場合、制御部33は、続くステップS40の処理として、動作モードをノイズ検知モードに切り換えるとともに、続くステップS41の判断処理として、解除条件が成立するか否かを判断する。具体的には、制御部33は、上記特殊操作がユーザによって再度行われたか否かを判断する。ここで、上記特殊操作が再度行われたと判断した場合(ステップS31の判断処理で「Yes」)、制御部33は、上記ステップS30の処理として、動作モードを通常モードに切り換え、続くステップS31の判断処理を繰り返し実行する。
【0056】
一方、上記特殊操作が再度行われたと判断されない場合(ステップS41の判断処理で「No」)、制御部33は、続くステップS42の判断処理として、受信部32からLF電波の強度及びそのデータを受信したか否かを判断する。
【0057】
ここで、LF電波の強度及びそのデータを受信していないと判断する場合(ステップS42の判断処理で「No」)、制御部33は、上記ステップS41の判断処理を再度実行する。一方、LF電波の強度及びそのデータを受信したと判断する場合(ステップS42の判断処理で「Yes」)、制御部33は、続くステップS43の処理として、LF電波の強度及びそのデータに応じてLED19の点消灯を行なうとともに、先のステップS41の判断処理を再度実行する。
【0058】
以上説明した上記第2の実施の形態では、受信部32は、携帯機側受信アンテナ10にて受信されるLF電波が正規のリクエスト信号であるか否かを判別し、正規のリクエスト信号でないと判別すると、制御部33に対してこのLF電波の強度(RSSI)及びそのデータを出力する。そして、制御部13は、ノイズ検知モードにて動作中に、このLF電波の強度及びデータを受信すると、このデータに応じたパターンにてLED19を点消灯することとした。これにより、ユーザは、携帯機1のノイズ受信状況を確認することが可能になるため、携帯機1aがノイズを多く受信していることをユーザが確認した場合、例えば携帯機の保管場所を変更する等、携帯機1がノイズ環境下に保管されることを防ぐことができるようになる。したがって、内蔵電池15の消費電流低減を図ることができるようになる。
(他の実施の形態)
なお、本発明に係る電子キーシステムは、上記各実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記各実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
【0059】
上記第1の実施の形態では、制御部13は、ノイズの電圧レベルに応じたパターンにてLED19を点消灯させていたが、表示内容はこれに限らない。ノイズの電圧レベルに加え、制御部13によって設定された受信部12の動作モードをLED19にて表示することとしてもよい。これにより、ユーザは、動作モードを確認することができるようになる。なお、この場合、携帯機側ノイズレベル表示部が携帯機側動作モード表示部を兼ねていることとなり、ノイズの電圧レベルに応じたパターンとは異なる特殊なパターンにて、LED19を点消灯することで動作モードを表示することが望ましい。また、携帯機側動作モード表示部としてのLEDを、携帯機側ノイズレベル表示部としてのLEDとは別に携帯機1に備えることとしてもよい。さらに、携帯機側動作モード表示部としてモニタ画面を採用し、制御部13は、受信部12の動作モードをテキストや画像等によって表示することとしてもよい。ユーザが携帯機1(詳しくは受信部12)の動作モードを確認することができれば、その表示態様は任意である。
【0060】
上記各実施の形態では、携帯機側ノイズレベル表示部としてLED19を採用し、制御部13あるいは33は、ノイズの電圧レベルに応じたパターンにてLED19を点消灯させていたが、表示態様はこれに限らない。他に例えば、携帯機側ノイズレベル表示部としてモニタ画面を採用し、制御部13あるいは33は、ノイズの電圧レベルをテキストや画像等によって表示することとしてもよい。ユーザが携帯機1あるいは1aのノイズ受信状況を確認することができれば、その表示態様は任意である。
【0061】
上記各実施の形態(変形例を含む)では、制御部13あるいは33は、上記解除条件として、ノイズ検知指示操作と同一の特殊操作が行われることを採用していたが、これに限らない。携帯機1あるいは1aは、ノイズ検知モードへ切り換えられてからの経過時間を計時する公知のカウンタ回路をさらに備え、上記解除条件としてカウンタ回路によって計時された時間が一定時間経過することを採用してもよい。これにより、受信部12の動作モードあるいは制御部33の動作モードは自動的に通常モードに切り換えられるようになる。もっとも、ノイズ検知モードから通常モードへ切り換えられればよいのであって、上記解除条件は任意である。
【0062】
また、上記各実施の形態(変形例を含む)では、制御部13あるいは33は、上記ノイズ検知指示操作として、ロックボタン16及びアンロックボタン17を用いた特殊操作が行われることを採用していたが、これに限らない。他に例えば、ノイズ検知モードに切り換えるための専用スイッチを携帯機1あるいは1aに設けておき、この携帯機側専用スイッチが操作されることをノイズ検知指示操作として採用してもよい。あるいは、ノイズ検知モードへの切換を指示するための専用スイッチを車両側装置に設けておき、この車両側専用スイッチが操作されることをノイズ検知指示操作として採用してもよい。この場合、ノイズ検知指示操作が行われると、ノイズ検知モードへの切換を指示する指示信号が車両側送信アンテナから送信され、携帯機側受信アンテナ10によって受信され、受信部12あるいは制御部33の動作モードが切り換えられるように構成することになる。
【0063】
また、上記第1の実施の形態(変形例を含む)では、受信部12はその動作モードとして通常モード及びノイズ検知モードを有し、受信部12がノイズ検知モードである場合にのみノイズの電圧レベルを表示していたが、こうした動作モードを設定することなく、ノイズの電圧レベルを常時表示することとしてもよい。これによっても、ユーザは、携帯機のノイズ受信状況を確認することが可能になるため、例えば携帯機の保管場所の変更等をすることで、内蔵電池の消費電流低減を図ることはできる。
【0064】
また、上記第1の実施の形態では、ノイズの電圧レベルを表示する表示部として携帯機側ノイズレベル表示部を備えていたが、携帯機側でのみ携帯機1のノイズ受信状況を確認可能とする必要もない。携帯機側に加えて車両側装置でも携帯機1のノイズ受信状況を確認可能としてもよい。詳しくは、携帯機1は、車両側装置へ信号を送信するための携帯機側送信アンテナと、受信部12によって判断されたノイズの電圧レベルを示す情報を携帯機側送信アンテナから送信する携帯機側送信部とをさらに備え、車両側装置は、携帯機側送信アンテナから送信される信号を無線にて受信するための車両側受信アンテナと、車両側受信アンテナによって受信した情報を表示する車両側表示部とを備えるようにすればよい。これにより、ユーザは、携帯機1のノイズ受信状況を車両側情報表示部でも確認することが可能になる。そのため、ユーザが乗車した際に、携帯機がノイズを多く受信していることを確認した場合、例えば携帯機1の保管場所を変更する等、次回から携帯機1がノイズ環境下に保管されることを防ぐことができるようになる。したがって、内蔵電池の消費電流低減を図ることができるようになる。なお、車両側情報表示部としては、例えば車載ナビゲーション装置やメータ等のLEDやモニタ画面を採用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る電子キーシステムの携帯機について、第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】ノイズの電圧レベルとLEDの点灯間隔との対応マップの一例を示す図である。
【図3】LEDの点消灯態様に係るタイミングチャートの一例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態によって実行されるノイズレベル表示処理について、その処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る電子キーシステムの携帯機について、第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図6】第2の実施の形態によって実行されるノイズレベル表示処理について、その処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1、1a…携帯機、10…携帯機側受信アンテナ、10a…X軸アンテナ、10b…Y軸アンテナ、10c…Z軸アンテナ、11a〜11c…可変コンデンサ、12、32…受信部、12a…トランスポンダ機能部、13、33…制御部、14…発振子、15…内蔵電池、16…ロックボタン(施錠スイッチ)、17…アンロックボタン(解錠スイッチ)、18…ラゲージボタン、19…LED(携帯機側ノイズレベル表示部、発光素子)、20…RF送信部、21…発振子、22…送信アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに携帯される携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて、前記車両の制御を行なう電子キーシステムであって、
前記携帯機は、
前記車両側装置から送信される信号を無線にて受信するための携帯機側受信アンテナと、
前記携帯機側受信アンテナによって受信される信号がノイズであるか否かを判別するとともに、ノイズであると判別されることに基づいてノイズの電圧レベルを判断する携帯機側受信部と、
前記携帯機側受信部によって判断されたノイズの電圧レベルを表示する携帯機側ノイズレベル表示部とを備えることを特徴とする電子キーシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機は、所定のノイズ検知指示操作が行われたと判断したことに基づいて、前記携帯機側受信部の動作モードを通常モードからノイズ検知モードに切り換える動作モード切換部をさらに備え、
前記携帯機側受信部の動作モードがノイズ検知モードである場合にのみ、前記携帯機側受信部はノイズの電圧レベルを判断し、前記携帯機側ノイズレベル表示部はノイズの電圧レベルを表示することを特徴とする電子キーシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機は、前記車両のドアを施錠するための施錠スイッチと、前記車両のドアを解錠するための解錠スイッチとをさらに備え、
前記ノイズ検知指示操作は、前記施錠スイッチを用いた施錠操作及び前記解錠スイッチを用いた解錠操作とは異なり、かつ、これら施錠スイッチ及び解錠スイッチを用いた所定操作であることを特徴とする電子キーシステム。
【請求項4】
請求項2に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機は、前記ノイズ検知モードに切り換えるための携帯機側専用スイッチをさらに備え、
前記ノイズ検知指示操作は、前記携帯機側専用スイッチを用いた所定操作であることを特徴とする電子キーシステム。
【請求項5】
請求項2に記載の電子キーシステムにおいて、
前記車両側装置は、前記ノイズ検知モードへの切り換えを指示するための車両側専用スイッチをさらに備えているとともに、前記ノイズ検知指示操作は、この車両側専用スイッチを用いた所定操作であり、
前記車両側装置は、前記車両側専用スイッチが操作されることに基づいて、前記指示信号を送信することを特徴とする電子キーシステム。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、
前記動作モード切換部は、所定の解除条件が成立したことに基づいて、前記携帯機側受信部の動作モードをノイズ検知モードから通常モードへ切り換えることを特徴とする電子キーシステム。
【請求項7】
請求項6に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機は、前記ノイズ検知モードへ切り換えられてからの経過時間を計時する計時部をさらに備えており、
前記解除条件は、前記計時部によって計時された時間が一定時間経過したことを含むことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機は、当該携帯機の動作モードを表示する携帯機側動作モード表示部をさらに備えることを特徴とする電子キーシステム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機側ノイズレベル表示部は、発光素子を有し、前記ノイズの電圧レベルに応じたパターンにて、この発光素子を点消灯させることを特徴とする電子キーシステム。
【請求項10】
請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機は、前記車両側装置へ信号を送信するための携帯機側送信アンテナと、前記携帯機側受信部によって判断されたノイズの電圧レベルを示す情報を前記携帯機側送信アンテナから送信する携帯機側送信部とをさらに備えるとともに、
前記車両側装置は、前記携帯機側送信アンテナから送信される信号を無線にて受信するための車両側受信アンテナと、前記車両側受信アンテナによって受信した前記情報を表示する車両側情報表示部とを備えることを特徴とする電子キーシステム。
【請求項11】
ユーザに携帯される携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて、前記車両の制御を行なう電子キーシステムであって、
前記携帯機は、
前記車両側装置から送信される信号を無線にて受信するための携帯機側受信アンテナと、
前記携帯機側受信アンテナによって受信される信号が前記車両側装置から送信された正規の信号であるか否かを判別する信号判別部と、
前記信号判別部によって正規の信号でないと判別されることに基づいてその信号の強度を判断する信号強度判断部と、
前記信号強度判断部によって判断された信号強度を表示する携帯機側信号強度表示部とを備えることを特徴とする電子キーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−105645(P2010−105645A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282651(P2008−282651)
【出願日】平成20年11月3日(2008.11.3)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】