説明

電子スロットル制御装置

【課題】スロットルバルブを全閉位置から所定の開度だけ開く側に強制的に回動させて所望の開度位置にすることができる電子スロットル制御装置を得る。
【解決手段】スロットルバルブ1の開度位置を検出するスロットル開度センサ3と、スロットルバルブ1を開閉させるスロットルアクチュエータ4と、第1の目標開度位置を設定する第1の目標開度位置設定手段7と、スロットルバルブ1をフィードバック制御するスロットル開度フィードバック制御手段11と、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であることの有無を判定するスロットルバルブ全閉位置判定手段9と、第2の目標開度位置を設定する第2の目標開度位置設定手段8と、スロットル開度フィードバック制御手段11に入力される信号を、第1の目標開度位置から第2の目標開度位置に切り換える目標開度位置切換手段12とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スロットル開度センサに検出された開度位置を用いてスロットルバルブをフィードバック制御するスロットル開度フィードバック制御手段を備えた電子スロットル制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開閉することでエンジンへ吸入される空気の量を調節するスロットルバルブの開度位置を検出するスロットル開度センサと、モータを有し、前記モータが通電されることで前記スロットルバルブを開閉させるスロットルアクチュエータと、前記エンジンの制御手段からの信号により、前記スロットルバルブの目標開度位置を設定する目標開度位置設定手段と、前記スロットル開度センサから前記開度位置が入力され、前記目標開度位置設定手段から前記目標開度位置が入力され、前記開度位置と前記目標開度位置とが一致するように前記スロットルバルブをフィードバック制御するスロットル開度フィードバック制御手段とを備えた電子スロットル制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このものの場合、エンジンの始動時には、モータに基準値を超えた電流を所定の時間流すことでスロットルバルブを全閉位置とした後、モータに流す電流を基準値より小さくすることで、スロットルバルブを全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させることで、モータに過電流が流れることを抑制するとともに燃料の微粒子化を向上させて、燃費の向上を図っている。
【0003】
【特許文献1】特許第3713998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このものの場合、モータに流れる電流と、スロットルバルブの開度位置との間には、ヒステリシスの関係があるので、同一の開度位置であっても駆動方向に応じて、モータに必要な電流が異なる。
その結果、モータに流れる電流をオープンループ制御して基準値より小さくするだけでは、スロットルバルブを全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させて所望の開度位置にすることが困難であるという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような問題点を解決することを課題とするものであって、その目的は、スロットルバルブを全閉位置から所定の開度だけ開く側に強制的に回動させて所望の開度位置にすることができる電子スロットル制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電子スロットル制御装置は、開閉することでエンジンへ吸入される空気の量を調節するスロットルバルブの開度位置を検出するスロットル開度センサと、モータを有し、前記モータが通電されることで前記スロットルバルブを開閉させるスロットルアクチュエータと、前記エンジンの制御手段からの信号により、前記スロットルバルブの第1の目標開度位置値を設定する第1の目標開度位置設定手段と、前記スロットル開度センサに検出された前記開度位置が入力され、前記第1の目標開度位置設定手段から前記第1の目標開度位置が入力され、前記開度位置と前記第1の目標開度位置とが一致するように前記スロットルバルブをフィードバック制御するスロットル開度フィードバック制御手段とを備えた電子スロットル制御装置において、前記スロットルバルブが全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であることの有無を判定するスロットルバルブ全閉位置判定手段と、前記スロットルバルブ全閉位置判定手段により前記スロットルバルブが全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定されたときの前記スロットル開度センサに検出された検出全閉位置に、第1の所定開度が加算された第2の目標開度位置を設定する第2の目標開度位置設定手段と、前記第1の目標開度位置設定手段から前記第1の目標開度位置が入力され、前記第2の目標開度位置設定手段から前記第2の目標開度位置が入力され、前記スロットル開度フィードバック制御手段に入力される信号を、前記第1の目標開度位置から前記第2の目標開度位置に切り換える目標開度位置切換手段とを備え、前記スロットルバルブ全閉位置判定手段により前記スロットルバルブが全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定されたときに、前記目標開度位置切換により、前記スロットル開度フィードバック制御手段は、前記開度位置と前記第2の目標開度位置とが一致するように前記スロットルバルブをフィードバック制御する。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る電子スロットル制御装置によれば、スロットルバルブ全閉位置判定手段によりスロットルバルブが全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定されたときに、スロットル開度フィードバック制御手段は、開度位置と第2の目標開度位置とが一致するようにスロットルバルブをフィードバック制御することで、スロットルバルブを全閉位置から所定の開度だけ開く側に強制的に回動させて所望の開度位置にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の各実施の形態を図に基づいて説明するが、各図において、同一または相当の部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1はこの実施の形態に係る電子スロットル制御装置を示すブロック図である。
この実施の形態に係る電子スロットル制御装置は、開閉することでエンジンへ吸入される空気の量を調節するスロットルバルブ1のスロットルシャフト2に設けられた、スロットルバルブ1の開度位置VTPを検出するスロットル開度センサ3と、スロットルシャフト2に設けられた、スロットルバルブ1を開閉させるスロットルアクチュエータ4とを備えている。
スロットル開度センサ3は、スロットルバルブ1の開度位置VTPを検出する、第1の開度センサ部(図示せず)と第2の開度センサ部(図示せず)とを有している。
第1の開度センサ部および第2の開度センサ部は、それぞれが同一特性となるようにスロットルバルブ1に取り付けられている。
なお、第1の開度センサ部および第2の開度センサ部は、それぞれが逆特性となるようにスロットルバルブ1に取り付けられてもよい。
スロットルアクチュエータ4は、DCモータ5と、このDCモータ5から伝達される回転力を減速してスロットルシャフト2に伝達する減速ギヤ6とを有している。
【0009】
また、この電子スロットル制御装置は、スロットルバルブ1の第1の目標開度位置VTT1を設定する第1の目標開度位置設定手段7と、スロットルバルブ1の第2の目標開度位置VTT2を設定する第2の目標開度位置設定手段8と、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であることの有無を判定するスロットルバルブ全閉位置判定手段9と、駆動回路10を介してスロットルバルブ1をフィードバック制御(PID制御)するスロットル開度フィードバック制御手段11とを備えている。
なお、フィードバック制御は、PID制御に限らず、その他の制御であってもよい。
【0010】
また、この電子スロットル制御装置は、第1の目標開度位置設定手段7から第1の目標開度位置VTT1が入力され、第2の目標開度位置設定手段8から第2の目標開度位置VTT2が入力されて、第1の目標開度位置VTT1と第2の目標開度位置VTT2とを切り換えてスロットル開度フィードバック制御手段11に出力する目標開度位置切換手段12を備えている。
第1の目標開度位置設定手段7、第2の目標開度位置設定手段8、スロットルバルブ全閉位置判定手段9、スロットル開度フィードバック制御手段11および目標開度位置切換手段12は、マイコン13に設けられており、マイコン13および駆動回路10は、電子制御ユニット14(ECU)に設けられている。
【0011】
第1の目標開度位置設定手段7は、アクセル開度センサ15(APS)のアクセル開度信号がA/D変換器(図示せず)を介して入力され、さらに、エンジンの回転速度信号(図示せず)が入力され、アクセル開度信号および回転速度信号からスロットルバルブ1の第1の目標開度位置VTT1を設定する。
第2の目標開度位置設定手段8は、スロットル開度センサ3からスロットルバルブ1の開度位置VTPがA/D変換器(図示せず)を介して入力される。
スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であるとスロットルバルブ全閉位置判定手段9に判定された場合には、スロットル開度センサ3に検出されたスロットルバルブ1の検出全閉位置VTPFCが第2の目標開度位置設定手段8に入力され、この第2の目標開度位置設定手段8は、検出全閉位置VTPFCに第1の所定開度C1(5mV)が加算された第2の目標開度位置VTT2を設定する。
なお、第2の目標開度位置設定手段8は、第2の目標開度位置VTT2を、検出全閉位置VTPFCに第3の所定開度である目標開度嵩上げ量上限値CLMT(100mV)が加算された第1の制限開度位置より閉じる側に制限している。
【0012】
スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、第1の目標開度位置設定手段7から第1の目標開度位置VTT1が入力され、スロットル開度センサ3からスロットルバルブ1の開度位置VTPがA/D変換器(図示せず)を介して入力される。
スロットル開度フィードバック制御手段11は、駆動回路10がPWMによってDCモータを駆動するための、DCモータ5に流れる電流のオン時間とオフ時間との割合であるモータ駆動デューティ値DDTYを駆動回路10に出力しており、このモータ駆動デューティ値DDTYは、フィルタ(図示せず)によりノイズが低減されてデューティフィルタ値DDTYFとなり、このデューティフィルタ値DDTYFがスロットルバルブ全閉位置判定手段9に入力される。
なお、フィルタは、マイコン13の内部で演算により行われる。
【0013】
また、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であることの有無を示す全閉押し付け判定フラグFCFLGを有しており、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態である場合には全閉押し付け判定フラグFCFLGが1となり、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態でない場合には全閉押し付け判定フラグFCFLGが0となる。
【0014】
また、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、計時するためのカウンタCNT1を有しており、所定の条件の下でカウントアップされ、所定値CNTR(0.5s)となったときに、カウンタCNT1は0となる。
【0015】
また、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットルバルブ1が全閉位置であったときにスロットル開度センサ3に検出されたスロットルバルブ1の学習全閉位置であるスロットル全閉位置学習値VTPFCLを、エンジンが停止した時に記憶する。
【0016】
マイコン13にはバッテリ(図示せず)からA/D変換器を介してバッテリの電圧値VBが入力されており、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、入力されたバッテリの電圧値VBに基づいて、予めテーブルに設定された監視デューティ値MDTYを読み込むようになっている。
【0017】
目標開度位置切換手段12は、スロットルバルブ全閉位置判定手段9から切換信号が入力され、その切換信号に基づいて、第1の目標開度位置VTT1または第2の目標開度位置VTT2の何れか一方をスロットル開度フィードバック制御手段11に出力する。
【0018】
スロットル開度フィードバック制御手段11は、目標開度位置切換手段12から第1の目標開度位置VTT1または第2の目標開度位置VTT2が入力され、スロットル開度センサ3からスロットルバルブ1の開度位置VTPがA/D変換器(図示せず)を介して入力される。
【0019】
図2は図1のDCモータ5に電流が流れていない場合のスロットルバルブ1の開度位置を示す説明図、図3は図2のDCモータ5に電流が流れている場合のスロットルバルブ1の開度位置を示す説明図である。
スロットルバルブ1が取り付けられる吸気通路には、スロットルバルブ1を閉じる方向に付勢したリターンスプリング16と、スロットルバルブ1を開く方向に付勢したオープナスプリング17とが設けられている。
また、この吸気通路には、スロットルバルブ1に当接することで、スロットルバルブ1が全閉位置となる全閉ストッパ18と、スロットルバルブ1に当接することで、スロットルバルブ1が全開位置となる全開ストッパ19と、スロットルバルブ1が所定開度以上に開いたときに、オープナスプリング17がスロットルバルブ1を開く方向に付勢することを規制するデフォルト開度ストッパ20とが設けられている。
【0020】
DCモータ5に電流が流れていない場合では、スロットルバルブ1にはDCモータ5から駆動力FMが伝達されず、リターンスプリング16の付勢力F1およびオープナスプリング17の付勢力F2のみがスロットルバルブ1に伝達される。
オープナスプリング17は、付勢力F2がリターンスプリング16の付勢力F1より大きく設定されており、デフォルト開度ストッパ20に当接した位置でスロットルバルブ1を開く方向に押圧する。
これにより、スロットルバルブ1はデフォルト開度位置となる。
【0021】
スロットルバルブ1がデフォルト開度位置にある状態で、DCモータ5に、スロットルバルブ1が閉じる方向に駆動力FMが発生するように電流を流した場合には、スロットルバルブ1に、DCモータ5の駆動力FMと、リターンスプリング16の付勢力F1と、オープナスプリング17の付勢力F2とが伝達される。
DCモータ5の駆動力FMおよびリターンスプリング16の付勢力F1が、オープナスプリング17の付勢力F2より大きくなると、スロットルバルブ1が閉じる方向に回動し全閉ストッパ18に当接することで、スロットルバルブ1が全閉位置となる。
一方、スロットルバルブ1がデフォルト開度位置にある状態で、DCモータ5に、スロットルバルブ1が開く方向に駆動力FMが発生するように電流を流す場合には、スロットルバルブ1はDCモータ5の駆動力FMと、リターンスプリング16の付勢力F1とが伝達される。
DCモータ5の駆動力FMがリターンスプリング16の付勢力F1より大きくなると、スロットルバルブ1が開く方向に回動し全開ストッパ19に当接することで、スロットルバルブ1が全開位置となる。
【0022】
次に、スロットル開度センサ3の出力特性について説明する。
図4は、図1のスロットル開度センサ3の出力特性を示した図である。
スロットル開度センサ3により検出されるスロットルバルブ1の開度位置VTPは、スロットルバルブ1が全閉位置にある場合には、検出全閉位置VTPFC(0.5V)となり、スロットルバルブ1が全開位置にある場合には、検出全開位置VTPFO(4.5V)となり、スロットルバルブ1がデフォルト開度位置にある場合には、検出デフォルト開度位置VTPDEF(0.8V)となる。
【0023】
次に、DCモータ5に流れる電流と、スロットル開度センサ3に検出されるスロットルバルブ1の開度位置VTPとの関係について説明する。
図5は、図1のDCモータ5に流れる電流と、スロットル開度センサ3に検出されるスロットルバルブ1の開度位置VTPとの関係を示した図である。
減速ギヤ6、リターンスプリング16およびオープナスプリング17等の摺動部に発生する摩擦力およびDCモータ5のロストルク等により、DCモータ5に流れる電流と、スロットル開度センサ3に検出されるスロットルバルブ1の開度位置VTPとの間にはヒステリシスの関係がある。
これにより、スロットルバルブ1が同一の開度位置VTPであっても、スロットルバルブ1の開閉方向によってDCモータ5に流れる電流が異なる。
また、リターンスプリング16およびオープナスプリング17のバネ定数は、DCモータ5の駆動力と比べて小さい値に設定されているので、DCモータ5に流れる電流が微小に変化しても、スロットルバルブ1の開度位置VTPは大きく変化する。
【0024】
次に、この実施の形態に係る電子スロットル制御装置のスロットルバルブ1を全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させて所望の開度位置に制御するフローについて説明する。
図6および図7は、図1の電子スロットル制御装置のスロットルバルブ1を全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させて所望の開度位置に制御するフローを示すフローチャート図である。
この実施の形態に係る電子スロットル制御装置では、各処理が所定の周期(5ms)毎に行われる。
なお、この所定の周期は、勿論5msに限らない。
まず、電子制御ユニット14に入力されたバッテリの電圧値VBがA/D変換器を介してマイコン13に入力され(ステップS1)、このバッテリの電圧値VBに基づいて、予めテーブルに設定された監視デューティ値MDTYをスロットルバルブ全閉位置判定手段9が読み込まれる(ステップS2)。
次に、スロットル開度フィードバック制御手段11から出力されたモータ駆動デューティ値DDTYが、フィルタによってノイズが低減されてデューティフィルタ値DDTYFとなり(ステップS3)、このデューティフィルタ値DDTYFがスロットルバルブ全閉位置判定手段9に入力される。
【0025】
次に、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると既に判定されているかどうかを判定する(ステップS4)。
ステップS4で、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定されていない(全閉押し付け判定フラグFCFLG=0)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットル開度センサ3により検出された開度位置VTPが、スロットル全閉位置学習値VTPFCLに第2の所定開度C2(50mV)が加算された加算開度位置より小さいかどうかを判定する(ステップS5)。
一方、ステップS4で、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると既に判定されている(全閉押し付け判定フラグFCFLG=1)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、第1の目標開度位置VTT1が、開度位置VTPに第4の所定開度C4(15mV)が加算された切換開度位置より大きいかどうかを判定する(ステップS19)。
【0026】
ステップS5で、開度位置VTPがスロットル全閉位置学習値VTPFCLに第2の所定開度C2が加算された加算開度位置より小さい(VTP<VTPFCL+C2)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、第1の目標開度位置VTT1が開度位置VTPより小さいかどうかを判定する(ステップS6)。
ステップS6で、第1の目標開度位置VTT1が開度位置VTPより小さい(VTT1<VTP)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、全閉押し付け状態を計時するカウンタCNT1をカウントアップ(CNT1=CNT1+1)する(ステップS8)。
一方、ステップS6で、第1の目標開度位置VTT1が開度位置VTPより大きい(VTT1>VTP)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、デューティフィルタ値DDTYFが監視デューティ値MDTYより大きいかどうかを判定する(ステップS7)。
【0027】
ステップS7で、デューティフィルタ値DDTYFが監視デューティ値MDTYより大きい(DDTYF>MDTY)と判定された場合には、DCモータ5に過電流が供給されている状態であるとして、ステップS8へ進む。
一方、ステップS7で、デューティフィルタ値DDTYFが監視デューティ値MDTYより小さい(DDTYF<MDTY)と判定された場合には、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態でないとして、全閉押し付け判定フラグFCFLGが0となる(ステップS16)。
【0028】
ステップ8で、カウンタCNT1がカウントアップされた後、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、カウンタCNT1が所定値CNTR以上となったかどうかを判定する(ステップS9)。
ステップS9で、カウンタCNT1が所定値CNTR以上(CNT1>CNTR)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、DCモータ5に過電流が供給され、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定して、全閉押し付け判定フラグFCFLGが1となる(ステップS10)。
一方、ステップS9で、カウンタCNT1が所定値CNTR以下(CNT1<CNTR)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9により、目標開度位置切換手段12は、第1の目標開度位置設定手段7から入力された第1の目標開度位置VTT1をスロットル開度フィードバック制御手段11に出力する(ステップS18)。
【0029】
ステップS10で、全閉押し付け判定フラグFCFLGが1となった後、カウンタCNT1を0とする(ステップS11)。
次に、このときの開度位置VTPをスロットルバルブ1の検出全閉位置VTPFCとし(ステップS12)、第2の目標開度位置設定手段8は、検出全閉位置VTPFCに第1の所定開度C1が加算された第2の目標開度位置VTT2を設定する。
次に、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、目標開度位置切換手段12に切換信号を出力して、目標開度位置切換手段12は、第2の目標開度位置設定手段8から入力された第2の目標開度位置VTT2をスロットル開度フィードバック制御手段11に出力する(ステップS13)。
さらに、スロットル開度フィードバック制御手段11は、スロットルバルブ1の開度位置VTPを第2の目標開度位置VTT2と一致するようにスロットルバルブ1をフィードバック制御し(ステップS14)、スロットル開度フィードバック制御手段11は駆動回路10にモータ駆動デューティ値DDTYを出力する(ステップS15)。
【0030】
ステップS19で、第1の目標開度位置VTT1が、開度位置VTPに第4の所定開度C4が加算された切換開度位置より大きい(VTT1>VTP+C4)と判定された場合には、ステップS16に進む。
一方、ステップS19で、第1の目標開度位置VTT1が、開度位置VTPに第4の所定開度C4が加算された切換開度位置より小さい(VTT1<VTP+C4)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、デューティフィルタ値DDTYFが監視デューティ値MDTYより大きいかどうかを判定する(ステップS20)。
【0031】
ステップS20で、デューティフィルタ値DDTYFが監視デューティ値MDTYより大きい(DDTYF>MDTY)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、カウンタCNT1をカウントアップ(CNT1=CNT1+1)する(ステップS21)。
一方、ステップS20で、デューティフィルタ値DDTYFが監視デューティ値MDTYより小さい(DDTYF<MDTY)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態でないと判定して、全閉押し付け判定フラグFCFLGが0となり(ステップS25)、ステップS14に進む。
【0032】
ステップS21で、カウンタCNT1がカウントアップ(CNT1=CNT1+1)された後、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、カウンタCNT1が所定値CNTR以上となったかどうかを判定する(ステップS22)。
ステップS22で、カウンタCNT1が所定値CNTR以上(CNT1>CNTR)と判定された場合には、カウンタCNT1が0となる(ステップS23)。
次に、第2の目標開度位置設定手段8は、第2の目標開度位置VTT2に第1の所定開度C1が加算された値と、スロットルバルブ1の検出全閉位置VTPFCに目標開度嵩上げ量上限値CLMTが加算された第1の制限開度位置との内で、小さい方を第2の目標開度位置VTT2に設定する。
さらに、目標開度位置切換手段12は、スロットル開度フィードバック制御手段11に第2の目標開度位置VTT2を出力し(ステップS24)、ステップS14に進む。
一方、ステップS22で、カウンタCNT1が所定値CNTR以下(CNT1<CNTR)と判定された場合には、ステップS14に進む。
【0033】
図8は、図1の電子スロットル制御装置のスロットルバルブ1を全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させて所望の開度位置に制御したときのタイムチャート図である。
スロットル開度センサ3の温度特性によって、実際のスロットルバルブ1の全閉位置VTPFCAが、前回のエンジン停止時に記憶されたスロットル全閉位置学習値VTPFCLより開き側にずれている場合には、アクセル開度信号等が変化することによって第1の目標開度位置VTT1が閉じる方向に移動しスロットル全閉位置学習値VTPFCLに近づくと、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられる力が加えられる。
このとき、第1の目標開度位置VTT1とスロットル開度センサ3によって検出された開度位置VTPとの差である開度偏差が0とならず、この開度偏差が0となるようにモータ駆動デューティ値DDTYとともにデューティフィルタ値DDTYFが増大する。
【0034】
デューティフィルタ値DDTYFが増大することにより、スロットルバルブ1が全閉ストッパ18を押圧して、全閉ストッパ18が撓み、実際のスロットルバルブ1の全閉位置VTPFCAが、スロットル全閉位置学習値VTPFCLの近傍まで近づく。
時刻t1で、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、所定の間、第1の目標開度位置VTT1が開度位置VTPより小さいと判定するすると、カウンタCNT1がカウントアップされる。
カウンタCNT1がカウントアップする間に、第1の目標開度位置VTT1と開度位置VTPとの間の開度偏差が0(マイコン13での開度偏差の量子化レベル以下、例えば1.2mV以下)となるが、デューティフィルタ値DDTYFが監視デューティ値MDTYより大きいので、カウンタCNT1のカウントアップが継続される。
【0035】
時刻t2で、カウンタCNT1が所定値CNTRに達すると、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられていると判定して、全閉押し付け判定フラグが1となり、続いて、カウンタCNT1が0となる。
このとき、スロットル開度センサ3に検出された開度位置VTPを検出全閉位置VTPFCとし、第2の目標開度位置設定手段8は、この検出全閉位置VTPFCに第1の所定開度C1が加算された第2の目標開度位置VTT2を設定し、この第2の目標開度位置VTT2を目標開度位置切換手段12に出力する。
目標開度位置切換手段12は、スロットルバルブ全閉位置判定手段9からの切換信号により、第2の目標開度位置設定手段8から入力された第2の目標開度位置VTT2をスロットル開度フィードバック制御手段11に出力する。
スロットル開度フィードバック制御手段11は、開度位置VTPと第2の目標開度位置VTT2とが一致するようにスロットルバルブ1をフィードバック制御する。
これにより、開度位置VTPは、第2の目標開度位置VTT2に近づく。しかしながら、スロットルバルブ1はまだ全閉ストッパ18を押圧し、全閉ストッパ18がまだ撓んでおり、デューティフィルタ値DDTYFが監視デューティ値MDTYより大きいので、カウンタCNT1は、カウントアップが継続される。
【0036】
時刻t3で、カウンタCNT1が再度所定値CNTR以上となったため、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定して、CNT1が0となる。
さらに、第2の目標開度位置設定手段8は、第2の目標開度位置VTT2に第1の所定開度C1が加算された値と、第1の制限開度位置との内で、小さい方を第2の目標開度位置VTT2とする。
また、スロットルバルブ全閉位置判定手段9からの切換信号により、目標開度位置切換手段12は、スロットル開度フィードバック制御手段11に第2の目標開度位置VTT2を出力し、スロットル開度フィードバック制御手段11は、開度位置VTPと第2の目標開度位置VTT2とが一致するようにスロットルバルブ1をフィードバック制御する。
開度位置VTPが開くことにより、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられることが解消され、デューティフィルタ値DDTYFが監視デューティ値MDTYより小さくなり、DCモータ5への過電流供給が抑制される。
【0037】
以上説明したように、この実施の形態に係る電子スロットル制御装置によれば、スロットルバルブ全閉位置判定手段9によりスロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定されたときに、スロットル開度フィードバック制御手段11は、開度位置VTPと第2の目標開度位置VTT2とが一致するようにスロットルバルブ1をフィードバック制御することで、スロットルバルブ1を全閉位置から所定の開度だけ開く側に強制的に回動させて所望の開度位置にすることができる。
その結果、エンジンのアイドル回転数の低回転数化が可能となり、燃費の向上を図ることができる。
【0038】
また、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットル全閉位置学習値VTPFCLと、このスロットル全閉位置学習値VTPFCLに第2の所定開度C2が加算された加算開度位置との間に開度位置VTPがあるときにスロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であることの有無を判定するので、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態を確実に判定することができる。
【0039】
また、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットル開度センサ3により検出されたスロットルバルブ1の開度位置VTPが、所定の間、第1の目標開度位置VTT1よりも開き側にある場合に、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定するので、スロットル開度センサ3が温度特性により、実際のスロットルバルブ1の全閉位置VTPFCAが、前回のエンジン停止時に記憶されたスロットル全閉位置学習値VTPFCLより開き側にずれている場合に、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態を確実に判定することができる。
【0040】
また、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットル開度フィードバック制御手段11が出力した、モータ駆動デューティ値DDTYが、所定の間、予め設定された監視デューティ値MDTYより大きい場合に、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定するので、スロットルバルブ1が全閉ストッパ18に押圧されて撓むことで、第1の目標開度位置VTT1と開度位置VTPとの間の開度偏差が0となったり、開度偏差がスロットル開度信号をA/D変換したときの量子化レベル(±1LSD)で変動して、正負を繰り返す状態になったりしたときに、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態を確実に判定することができる。
【0041】
また、スロットル開度フィードバック制御手段11から出力されたモータ駆動デューティ値DDTYは、フィルタによりノイズが低減された後、スロットルバルブ全閉位置判定手段9に入力されるので、モータ駆動デューティ値DDTYがノイズにより変動しても、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態を確実に判定することができる。
【0042】
また、監視デューティ値MDTYは、入力されるバッテリの電圧値VBに対応して変化するので、バッテリの電圧値VBが変動した場合であっても、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態を確実に判定することができる。
【0043】
また、第2の目標開度位置設定手段8は、目標開度位置切換手段12によりスロットル開度フィードバック制御手段11に入力される信号が第1の目標開度位置VTT1から第2の目標開度位置VTT2に切り替えられている場合であって、モータ駆動デューティ値DDTYが、所定の間、監視デューティ値MDTYより大きいときに、第2の目標開度位置VTT2に第1の所定開度C1をさらに加算するので、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられることを防止して、DCモータ5に過電流が供給されるのを抑制することができるとともに、スロットルバルブ1を全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させて所望の開度位置にすることができる。
【0044】
また、第2の目標開度位置設定手段8は、第2の目標開度位置VTT2を、検出全閉位置VTPFCに目標開度嵩上げ量上限値CLMTが加算された第1の制限開度位置より閉じる側に制限するので、スロットルバルブ1が全閉位置から必要以上に開くことを防止することができる。
【0045】
また、目標開度位置切換手段12は、スロットル開度フィードバック制御手段11が開度位置VTPと第2の目標開度位置VTT2とが一致するようにスロットルバルブ1をフィードバック制御している場合であって、第1の目標開度位置VTT1が、開度位置VTPに第4の所定開度C4が加算された切換開度位置以上となったときに、スロットル開度フィードバック制御手段11に入力される信号が第2の目標開度位置VTT2から第1の目標開度位置VTT1に切り替えられるので、エンジンの制御手段からの信号により設定された第1の目標開度位置VTT1にスロットルバルブ1を迅速に追従させることができる。
【0046】
実施の形態2.
この実施の形態に係る電子スロットル制御装置は、エンジンの冷却水の温度を測定する温度センサ(図示せず)をさらに備えている。
エンジンの冷却水の温度は、DCモータ5の温度を同等とみることができるので、温度センサによって検出された温度により、DCモータ5の温度を推定する。
スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、温度センサによって検出された温度からDCモータ5の温度が推定され、このDCモータ5の温度から推定されたDCモータ5のモータ駆動回路抵抗値と、バッテリの電圧値と、モータ駆動デューティ値DDTYとからDCモータ5に流れるモータ電流値IMCを算出して推定する。
また、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、算出したDCモータ5に流れるモータ電流値IMCが、所定の間、所定の値IMR以上となったときに、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定する。
その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0047】
次に、この実施の形態に係る電子スロットル制御装置のスロットルバルブ1を全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させて所望の開度位置に制御するフローについて説明する。
図9および図10はこの実施の形態に係る電子スロットル制御装置のスロットルバルブ1を全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させて所望の開度位置に制御するフローを示すフローチャート図である。
まず、温度センサは、エンジンの冷却水温度WTを検出し、A/D変換器を介して、信号をスロットルバルブ全閉位置判定手段9に出力する。
スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、エンジンの冷却水温度WTを温度パラメータTMPとして読み込む(ステップS50)。
次に、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、温度パラメータTMPを用いて、下記の式(1)より、モータ巻線抵抗値RMAを算出する(ステップS51)。
RMA=Ktmp×TMP+R0 (1)
ここで、Ktmpは抵抗温度係数、R0はオフセット抵抗値である。
【0048】
次に、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、モータ巻線抵抗値RMAと、予め設定されたモータハーネス抵抗値RHNと、モータ駆動素子のON抵抗値RTRとを加算して、モータ駆動回路抵抗値RDRVを算出して推定する(ステップS52)。
【0049】
次に、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、バッテリの電圧値VBと、モータ駆動デューティ値DDTYと、モータ駆動回路抵抗値RDRVとを用いて、下記の式(2)より、モータ電流値IMCを算出して推定する(ステップS53)。
IMC=VB×DDTY/RDRV (2)
【0050】
次に、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると既に判定されているかどうかを判定する(ステップS54)。
ステップS54で、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定されていない(全閉押し付け判定フラグFCFLG=0)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットル開度センサ3により検出された開度位置VTPが、スロットル全閉位置学習値VTPFCLに第2の所定開度C2(50mV)が加算された加算開度位置より小さいかどうかを判定する(ステップS55)。
一方、ステップS54で、ステップS4で、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると既に判定されている(全閉押し付け判定フラグFCFLG=1)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、第1の目標開度位置VTT1が、開度位置VTPに第4の所定開度C4が加算された切換開度位置より大きいかどうかを判定する(ステップS68)。
【0051】
ステップS55で、開度位置VTPがスロットル全閉位置学習値VTPFCLに第2の所定開度C2が加算された加算開度位置より小さい(VTP<VTPFCL+C2)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、モータ電流値IMCが所定の値IMRより大きいかどうかを判定する(ステップS56)。
ステップS56で、モータ電流値IMCが所定の値IMRより大きい(IMC>IMR)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、全閉押し付け状態を計時するカウンタCNT1がカウントアップ(CNT1=CNT1+1)される(ステップS57)。
一方、ステップS56で、モータ電流値IMCが所定の値IMRより小さい(IMC<IMR)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態でないとして、全閉押し付け判定フラグFCFLGが0となる(ステップS65)。
【0052】
ステップ57で、カウンタCNT1がカウントアップされた後、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、カウンタCNT1が所定値CNTR以上となったかどうかを判定する(ステップS58)。
ステップS58で、カウンタCNT1が所定値CNTR以上(CNT1>CNTR)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、DCモータ5に過電流が供給され、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定して、全閉押し付け判定フラグFCFLGが1となる(ステップS59)。
一方、ステップS58で、カウンタCNT1が所定値CNTR以下(CNT1<CNTR)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9からの切換信号により、目標開度位置切換手段12は、第1の目標開度位置設定手段7から入力された第1の目標開度位置VTT1をスロットル開度フィードバック制御手段11に出力する(ステップS67)。
【0053】
ステップS59で、全閉押し付け判定フラグFCFLGが1となった後、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、カウンタCNT1を0とする(ステップS60)。
次に、このときの開度位置VTPをスロットルバルブ1の検出全閉位置VTPFCとし(ステップS61)、第2の目標開度位置設定手段8はこの検出全閉位置VTPFCに第1の所定開度C1が加算された第2の目標開度位置VTT2を設定する。
次に、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、目標開度位置切換手段12に切換信号を出力して、目標開度位置切換手段12は、第2の目標開度位置設定手段8から入力された第2の目標開度位置VTT2をスロットル開度フィードバック制御手段11に出力する(ステップS62)。
さらに、スロットル開度フィードバック制御手段11は、スロットルバルブ1の開度位置VTPを第2の目標開度位置VTT2と一致するようにスロットルバルブ1をフィードバック制御し(ステップS63)、スロットル開度フィードバック制御手段11は駆動回路10にモータ駆動デューティ値DDTYを出力する(ステップS64)。
【0054】
ステップS68で、第1の目標開度位置VTT1が、開度位置VTPに第4の所定開度C4が加算された切換開度位置より大きい(VTT1>VTP+C4)と判定された場合には、ステップS65に進む。
一方、ステップS19で、第1の目標開度位置VTT1が、開度位置VTPに第4の所定開度C4が加算された切換開度位置より小さい(VTT1<VTP+C4)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、モータ電流値IMCが所定の値IMRより大きいかどうかを判定する(ステップS69)。
【0055】
ステップS69で、モータ電流値IMCが所定の値IMRより大きい(IMC>IMR)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、全閉押し付け状態を計時するカウンタCNT1をカウントアップ(CNT1=CNT1+1)する(ステップS70)。
一方、ステップS69で、モータ電流値IMCが所定の値IMRより小さい(IMC<IMR)と判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態でないと判定して、全閉押し付け判定フラグFCFLGが0となり(ステップS74)、ステップS63に進む。
【0056】
ステップS70で、カウンタCNT1がカウントアップ(CNT1=CNT1+1)された後、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、カウンタCNT1が所定値CNTR以上となったかどうかを判定する(ステップS71)。
ステップS71で、カウンタCNT1が所定値CNTR以上(CNT1>CNTR)と判定された場合には、カウンタCNT1が0となる(ステップS72)。
次に、第2の目標開度位置設定手段8は、第2の目標開度位置VTT2に第1の所定開度C1が加算された値と、スロットルバルブ1の検出全閉位置VTPFCに目標開度嵩上げ量上限値CLMTが加算された第1の制限開度位置との内で、小さい方を第2の目標開度位置VTT2とする。
さらに、スロットルバルブ全閉位置判定手段9からの切換信号により、目標開度位置切換手段12は、スロットル開度フィードバック制御手段11に第2の目標開度位置VTT2を出力し(ステップS73)、ステップS63に進む。
一方、ステップS71で、カウンタCNT1が所定値CNTR以下(CNT1<CNTR)と判定された場合には、ステップS63に進む。
【0057】
この実施の形態に係る電子スロットル制御装置によれば、DCモータ5の温度を測定する温度センサをさらに備え、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、温度センサによって検出された温度から推定されたDCモータ5のモータ駆動回路抵抗値RDRVと、バッテリの電圧値VBと、スロットル開度フィードバック制御手段11が出力したモータ駆動デューティ値DDTYとDCモータ5に流れるモータ電流値IMCを算出するので、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態で、DCモータ5に流れるモータ電流値IMCを精度よく推定することができる。
【0058】
また、温度センサは、エンジンの冷却水の温度からDCモータ5の温度を測定し、DCモータ5の温度に基づいて推定されたモータ巻線抵抗値RMAと、モータハーネス抵抗値RHNと、モータ駆動素子のON抵抗値RTRとからモータ駆動回路抵抗値RDRVが算出されるので、新たに温度センサを追加することなく、モータ駆動回路抵抗値RDRVを推定することができる。
【0059】
実施の形態3.
この実施の形態に係る電子スロットル制御装置は、DCモータ5の断線等の故障が発生し、DCモータ5を非通電状態にしてスロットルバルブ1をデフォルト開度ストッパに固定して退避走行する第1のモードと、スロットル開度センサ3の第1の開度センサが故障し、第2の開度センサから出力された信号をスロットルバルブ1の開度位置VTPとして、スロットル開度フィードバック制御手段11に出力して走行する第2のモードと、エンスト状態と、通常の走行とによって、スロットル開度フィードバック制御手段11に入力される信号を切り換える。
走行が第1のモードの場合には、第1の目標開度位置設定手段7は、検出デフォルト開度位置VTPDEFを第1の目標開度位置VTT1に設定する。
走行が第2のモードの場合またはエンスト状態では、第1の目標開度位置設定手段7は、第1の目標開度位置VTT1と、スロットル全閉位置学習値VTPFCLに第5の所定開度C5(100mV)が加算された第2の制限開度位置との内で、大きい方を第1の目標開度位置VTT1に設定する。
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0060】
次に、この実施の形態に係る電子スロットル制御装置のスロットル開度フィードバック制御手段11に入力される信号を切り換えるフローについて説明する。
図11はこの実施の形態に係る電子スロットル制御装置のスロットル開度フィードバック制御手段11に入力される信号を切り換えるフローを示すフローチャート図である。
まず、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、走行が第1のモードであるかどうかを判定する(ステップS100)。
ステップS100で、走行が第1のモードであると判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、全閉押し付け判定フラグFCFLGを0とし(ステップS109)、第1の目標開度位置設定手段7は、検出デフォルト開度位置VTPDEFを第1の目標開度位置VTT1に設定し、目標開度位置切換手段12により、第1の目標開度位置VTT1がスロットル開度フィードバック制御手段11に出力される(ステップS110)。
次に、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、モータ駆動デューティ値DDTYを0とし(ステップS111)、スロットル開度フィードバック制御手段11は駆動回路10にモータ駆動デューティ値DDTYを出力する(ステップS106)。
【0061】
ステップS100で、走行が第1のモードではないと判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、走行が第2のモードであるかどうかを判定する(ステップS101)。
ステップS101で、走行が第2のモードであると判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、全閉押し付け判定フラグFCFLGを0とする(ステップS107)。
次に、第1の目標開度位置設定手段7は、第1の目標開度位置VTT1と、スロットル全閉位置学習値VTPFCLに第5の所定開度C5(100mV)が加算された第2の制限開度位置との内で、大きい方を第1の目標開度位置VTT1に設定し、目標開度位置切換手段12により、第1の目標開度位置VTT1がスロットル開度フィードバック制御手段11に出力される(ステップS108)。
次に、スロットル開度フィードバック制御手段11は、スロットルバルブ1の開度位置VTPと、第1の目標開度位置VTT1および第2の制限開度位置の内、大きい方とが一致するようにスロットルバルブ1をフィードバック制御し(ステップS105)、ステップS106に進む。
【0062】
ステップS101で、走行が第2のモードではないと判定された場合には、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、エンスト状態かどうかを判定する(ステップS102)。
ステップS102で、エンスト状態であると判定された場合には、ステップS107に進む。
一方、ステップS102で、エンスト状態ではないと判定された場合には、目標開度位置切換手段により、第1の目標開度位置VTT1がスロットル開度フィードバック制御手段11に出力され(ステップS103)、実施の形態1に係る電子スロットル制御装置と同様にして、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であることの有無を判定し(ステップS104)、ステップS105に進む。
【0063】
この実施の形態に係る電子スロットル制御装置によれば、エンスト時に、第1の目標開度位置VTT1を、スロットル全閉位置学習値VTPFCLに第5の所定開度C5が加算された第2の制限開度位置より開く側に制限するので、エンスト時に、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられることを抑制することができる。
【0064】
また、スロットル開度センサ3は、第1の開度センサと第2の開度センサとを有し、第1の開度センサが故障し、第2の開度センサからの開度位置と第1の目標開度位置とが一致するようにスロットル開度フィードバック制御手段11がスロットルバルブ1をフィードバック制御する場合に、第1の目標開度位置設定手段7は、第1の目標開度位置VTT1を、スロットル全閉位置学習値VTPFCLに第5の所定開度C5が加算された第2の制限開度位置より開く側に制限するので、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられることを抑制することができる。
【0065】
また、スロットルバルブ全閉位置判定手段9は、DCモータ5を非通電状態にして退避走行する場合、または、スロットル開度センサ3の第2の開度センサが故障した場合には、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態の有無を判定しないので、スロットルバルブ1が全閉位置で閉じる方向に押し付けられることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施の形態1に係る電子スロットル制御装置を示すブロック図である。
【図2】図1のDCモータに電流が流れていない場合のスロットルバルブの開度位置を示す説明図である。
【図3】図2のDCモータに電流が流れている場合のスロットルバルブの開度位置を示す説明図である。
【図4】図1のスロットル開度センサの出力特性を示した図である。
【図5】図1のDCモータに流れる電流と、スロットル開度センサに検出されるスロットルバルブの開度位置との関係を示した図である。
【図6】図1の電子スロットル制御装置のスロットルバルブ1を全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させて所望の開度位置に制御するフローの前半部分を示すフローチャート図である。
【図7】図1の電子スロットル制御装置のスロットルバルブ1を全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させて所望の開度位置に制御するフローの後半部分を示すフローチャート図である。
【図8】図1の電子スロットル制御装置のスロットルバルブを全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させて所望の開度位置に制御したときのタイムチャート図である。
【図9】この発明の実施の形態2にかかる電子スロットル制御装置のスロットルバルブを全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させて所望の開度位置に制御するフローの前半部分を示すフローチャート図である。
【図10】この発明の実施の形態2にかかる電子スロットル制御装置のスロットルバルブを全閉位置から所定の開度だけ開く側に回動させて所望の開度位置に制御するフローの後半部分を示すフローチャート図である。
【図11】この発明の実施の形態3に係る電子スロットル制御装置のスロットル開度フィードバック制御手段に入力される信号を切り換えるフローを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0067】
1 スロットルバルブ、2 スロットルシャフト、3 スロットル開度センサ、4 スロットルアクチュエータ、5 DCモータ、6 減速ギヤ、7 第1の目標開度位置設定手段、8 第2の目標開度位置設定手段、9 スロットルバルブ全閉位置判定手段、10 駆動回路、11 スロットル開度フィードバック制御手段、12 目標開度位置切換手段、13 マイコン、14 電子制御ユニット、15 アクセル開度センサ、16 リターンスプリング、17 オープナスプリング、18 全閉ストッパ、19 全開ストッパ、20 デフォルト開度ストッパ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉することでエンジンへ吸入される空気の量を調節するスロットルバルブの開度位置を検出するスロットル開度センサと、
モータを有し、前記モータが通電されることで前記スロットルバルブを開閉させるスロットルアクチュエータと、
前記エンジンの制御手段からの信号により、前記スロットルバルブの第1の目標開度位置値を設定する第1の目標開度位置設定手段と、
前記スロットル開度センサに検出された前記開度位置が入力され、前記第1の目標開度位置設定手段から前記第1の目標開度位置が入力され、前記開度位置と前記第1の目標開度位置とが一致するように前記スロットルバルブをフィードバック制御するスロットル開度フィードバック制御手段とを備えた電子スロットル制御装置において、
前記スロットルバルブが全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であることの有無を判定するスロットルバルブ全閉位置判定手段と、
前記スロットルバルブ全閉位置判定手段により前記スロットルバルブが全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定されたときの前記スロットル開度センサに検出された検出全閉位置に、第1の所定開度が加算された第2の目標開度位置を設定する第2の目標開度位置設定手段と、
前記第1の目標開度位置設定手段から前記第1の目標開度位置が入力され、前記第2の目標開度位置設定手段から前記第2の目標開度位置が入力され、前記スロットル開度フィードバック制御手段に入力される信号を、前記第1の目標開度位置から前記第2の目標開度位置に切り換える目標開度位置切換手段とを備え、
前記スロットルバルブ全閉位置判定手段により前記スロットルバルブが全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定されたときに、前記目標開度位置切換により、前記スロットル開度フィードバック制御手段は、前記開度位置と前記第2の目標開度位置とが一致するように前記スロットルバルブをフィードバック制御することを特徴とする電子スロットル制御装置。
【請求項2】
前記スロットルバルブ全閉位置判定手段は、前記エンジンの停止時に記憶された、前記スロットルバルブが全閉位置であったときの前記スロットル開度センサに検出された前記スロットルバルブの学習全閉位置と、この学習全閉位置に第2の所定開度が加算された加算開度位置との間に前記開度位置があるときに、前記スロットルバルブが全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であることの有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の電子スロットル制御装置。
【請求項3】
前記スロットルバルブ全閉位置判定手段は、前記スロットル開度センサにより検出された前記スロットルバルブの前記開度位置が、所定の間、前記第1の目標開度位置よりも開き側にある場合に、前記スロットルバルブが全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子スロットル制御装置。
【請求項4】
前記スロットルバルブ全閉位置判定手段は、前記スロットル開度フィードバック制御手段が出力した、前記モータに流れる電流のオン時間とオフ時間との割合であるモータ駆動デューティ値が、所定の間、予め設定された監視デューティ値より大きい場合に、前記スロットルバルブが全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態であると判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子スロットル制御装置。
【請求項5】
前記モータの温度を測定する温度センサをさらに備え、
前記スロットルバルブ全閉位置判定手段は、前記温度センサによって検出された前記温度から推定された前記モータのモータ駆動回路抵抗値と、前記バッテリの電圧値と、前記スロットル開度フィードバック制御手段が出力した、前記モータに流れる電流のオン時間とオフ時間との割合であるモータ駆動デューティ値とから算出された前記モータに流れる電流値が、所定の間、所定の値以上となったときに、前記スロットルバルブが全閉位置で閉じる側に押し付けられた状態であると判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子スロットル制御装置。
【請求項6】
前記温度センサは、前記エンジンの冷却水の温度から前記モータの温度を測定し、
前記モータの温度に基づいて推定されたモータ巻線抵抗値と、モータハーネス抵抗値と、モータ駆動素子のON抵抗値とから前記モータ駆動回路抵抗値が算出されることを特徴とする請求項5に記載の電子スロットル制御装置。
【請求項7】
前記スロットル開度フィードバック制御手段から出力された前記モータ駆動デューティ値は、フィルタによりノイズが低減された後、前記スロットルバルブ全閉位置判定手段に入力されることを特徴とする請求項4ないし請求項6の何れか1項に記載の電子スロットル制御装置。
【請求項8】
前記監視デューティ値は、入力されるバッテリの電圧値に対応して変化することを特徴とする請求項4ないし請求項7の何れか1項に記載の電子スロットル制御装置。
【請求項9】
前記第2の目標開度位置設定手段は、前記目標開度位置切換手段により前記スロットル開度フィードバック制御手段に入力される信号が前記第1の目標開度位置から前記第2の目標開度位置に切り替えられている場合であって、前記モータ駆動デューティ値が、所定の間、前記監視デューティ値より大きいときに、前記第2の目標開度位置に前記第1の所定開度をさらに加算することを特徴とする請求項4ないし請求項8の何れか1項に記載の電子スロットル制御装置。
【請求項10】
前記第2の目標開度位置設定手段は、前記第2の目標開度位置を、前記検出全閉位置に第3の所定開度が加算された第1の制限開度位置より閉じる側に制限することを特徴とする請求項9に記載の電子スロットル制御装置。
【請求項11】
前記目標開度位置切換手段は、前記スロットル開度フィードバック制御手段が前記開度位置と前記第2の目標開度位置とが一致するように前記スロットルバルブをフィードバック制御している場合であって、前記第1の目標開度位置が、前記開度位置に第4の所定開度が加算された切換開度位置以上となったときに、前記スロットル開度フィードバック制御手段に入力される信号を、前記第2の目標開度位置から前記第1の目標開度位置に切り替えることを特徴とする請求項1ないし請求項10の何れか1項に記載の電子スロットル制御装置。
【請求項12】
前記第1の目標開度位置設定手段は、エンスト時に、前記第1の目標開度位置を、前記検出全閉位置に第5の所定開度が加算された第2の制限開度位置より開く側に制限することを特徴とする請求項1ないし請求項11の何れか1項に記載の電子スロットル制御装置。
【請求項13】
前記スロットル開度センサは、前記スロットルバルブの前記開度位置を検出する、第1の開度センサ部と第2の開度センサ部とを有し、
前記第1の開度センサ部が故障し、前記第2の開度センサ部からの前記開度位置と前記第1の目標開度位置とが一致するように前記スロットル開度フィードバック制御手段が前記スロットルバルブをフィードバック制御する場合に、前記第1の目標開度位置設定手段は、前記第1の目標開度位置を、前記検出全閉位置に第5の所定開度が加算された第2の制限開度位置より開く側に制限することを特徴とする請求項1ないし請求項11の何れか1項に記載の電子スロットル制御装置。
【請求項14】
前記スロットルバルブ全閉位置判定手段は、前記モータを非通電状態にして退避走行する場合、または、前記スロットル開度センサが故障した場合には、前記スロットルバルブが全閉位置で閉じる方向に押し付けられた状態の有無を判定しないことを特徴とする請求項1ないし請求項13の何れか1項に記載の電子スロットル制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−281265(P2009−281265A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133820(P2008−133820)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】