電子写真画像形成装置
【課題】現像カートリッジの交換時の作業性の向上を図った電子写真画像形成装置を提供する。
【解決手段】引き出し部材51が外側位置に位置した状態で、引き出し部材51に現像カートリッジ50を支持させるために、引き出し部材51に現像カートリッジ50を進入させる際に、力受け部52aが斜面51b,51cと接触して、引き出し部材51に現像カートリッジ50が進入するのに連動して、斜面51b,51cと接触した力受け部52aが斜面51b,51cから前記力を受けて、現像ローラシャッタ52を保護位置から退避位置に移動させることを特徴とする。
【解決手段】引き出し部材51が外側位置に位置した状態で、引き出し部材51に現像カートリッジ50を支持させるために、引き出し部材51に現像カートリッジ50を進入させる際に、力受け部52aが斜面51b,51cと接触して、引き出し部材51に現像カートリッジ50が進入するのに連動して、斜面51b,51cと接触した力受け部52aが斜面51b,51cから前記力を受けて、現像ローラシャッタ52を保護位置から退避位置に移動させることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば電子写真複写機,電子写真プリンタ(例えばレーザビームプリンタ,LEDプリンタ等)、及びフアクシミリ装置等が含まれる。尚、記録媒体とは、電子写真画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、紙,OHPシート等が含まれる。ここで、電子写真画像形成装置では、装置本体に対して、出し入れ自在に構成した引き出し部材を設ける構成が知られている。この構成によれば、複数のカートリッジを引き出し部材に支持させた状態で、引き出し部材を装置本体に押し込む。これによって、カートリッジをまとめて装置本体内に装着させることができる。また、引き出し部材を装置本体から外部に引き出す。これによって、カートリッジをまとめて装置本体外に取り出すことができる。この技術の場合には、引き出し部材を装置本体外部に引き出した状態で、カートリッジの交換作業を行うことができる。そのため、使用者による、カートリッジの交換作業を向上させることができる(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記の構成においては、引き出し部材を装置本体から引き出した場合に、現像ローラは、その周面の一部が現像カートリッジから露出している。そのため、現像カートリッジの交換作業時に、ユーザが現像ローラや電子写真感光体ドラムに不用意に接触する虞があった。また、現像ローラが他の部材に不用意に接触する虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−15378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、現像カートリッジの交換時の作業性の向上を図った電子写真画像形成装置を提供することにある。本発明の他の目的は、ユーザが現像ローラに不用意に接触することを防止することのできる電子写真画像形成装置を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、ユーザが電子写真感光体ドラムに不用意に接触することを防止することのできる電子写真画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像ローラと、前記現像ローラが前記静電潜像の現像に用いる現像剤を収容する現像剤収容部と、を有して、前記電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着される現像カートリッジと、前記電子写真感光体ドラムと前記現像カートリッジとを前記装置本体に装着するために、前記装置本体の内側に位置する内側位置と、前記現像カートリッジを前記装置本体から引き出すために、前記装置本体の外側に位置する外側位置との間を、前記電子写真感光体ドラムを据え付けた状態で、かつ前記現像カートリッジを取り外し可能に支持した状態で移動するカートリッジ支持部材と、前記カートリッジ支持部材に設けられた、前記電子写真感光体ドラムの周面の一部分を覆う保護位置と、前記保護位置から退避して前記電子写真感光体ドラムの周面の一部分を露出させる退避位置との間を移動するドラムシャッタと、前
記カートリッジ支持部材に設けられた力受け部であって、前記ドラムシャッタを前記保護位置から前記退避位置に移動させるための力を受ける力受け部と、前記現像カートリッジに設けられた力付与部と、を有し、前記カートリッジ支持部材が前記外側位置に位置した状態で、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジを支持させるために、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジを進入させる際に、前記力受け部が前記力付与部と接触して、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジが進入するのに連動して、前記力付与部と接触した前記力受け部が前記力付与部から前記力を受けて、前記ドラムシャッタを前記保護位置から前記退避位置に移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、本発明によれば、現像カートリッジの交換時の作業性の向上を図ることができる。また、本発明によれば、ユーザが現像ローラ・電子写真感光体ドラムに不用意に接触することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1に係る画像形成装置の断面図。
【図2】実施例1に係る引き出し部材の装着部を示す斜視図。
【図3】実施例1に係る引き出しユニットの説明図。
【図4】実施例1に係る引き出しユニットの斜視図。
【図5】実施例1に係る現像カートリッジの断面図。
【図6】実施例1に係る現像カートリッジの斜視図。
【図7】実施例1に係る現像カートリッジの装着時の様子を示す斜視図。
【図8】実施例1に係る引き出し部材に関する斜視図。
【図9】実施例1に係る引き出し部材の装置本体内への装着説明図。
【図10】実施例1に係る引き出し部材の装置本体内に装着した状態説明図。
【図11】実施例1に係る現像カートリッジの位置決めが完了した状態説明図。
【図12】実施例1に係るドアと押圧部材の連動メカニズム説明図。
【図13】実施例2に係る現像カートリッジの斜視図。
【図14】実施例2に係る引き出し部材に関する斜視図。
【図15】実施例2に係る現像カートリッジを装着する際のメカニズムを示す図。
【図16】実施例2に係る現像カートリッジの位置決めが完了した状態を示す図。
【図17】実施例3に係る画像形成装置の断面図。
【図18】実施例3に係る画像形成装置の断面図。
【図19】実施例4に係る現像カートリッジの説明図。
【図20】実施例4に係る現像カートリッジを装着する際のメカニズムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1〜図11を用いて、本発明の実施例1に係る電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称する)について説明する。
【0010】
<画像形成装置の全体構成>
本発明の実施例1に係る画像形成装置の構成について、図1を参照して説明する。図1(a)は前記画像形成装置の断面図である。図1(b)は前記画像形成装置において、引き出し部材を引き出した状態を示す断面図である。図1(c)は図1(a)(b)における一部(現像カートリッジ付近)拡大図である。
【0011】
本実施例に係る画像形成装置100は、設置面(不図示)に対して水平方向に並べて設けられた4個の電子写真感光体ドラム1(以下、感光体ドラム又はドラムと称す)を備え
ている。ドラム1は、駆動手段(不図示)によって、時計回り(図1(a))に回転する。また、画像形成装置100には、電子写真画像形成プロセス手段として、ドラム1の他にも、帯電部材2,スキャナユニット3,複数個の現像カートリッジ4(4y,4m,4c,4k)、及び静電転写手段5が設けられている。カートリッジ4yは、トナー容器(現像剤収容部)41a(図5)内に、イエロー色の現像剤(以下、トナーと称す)tが収納されており、イエロー色の画像を形成する。カートリッジ4mは、トナー容器41b内に、マゼンタ色のトナーtが収納されており、マゼンタ色の画像を形成する。カートリッ
ジ4cは、トナー容器41c内に、シアン色のトナーtが収納されており、シアン色の画
像を形成する。カートリッジ4kは、トナー容器41d内に、ブラック色のトナーtが収納されており、ブラック色の画像を形成する。各カートリッジ4は、収納しているトナーの色が異なるだけで、構成は同じである。各カートリッジ4は、引き出し部材13の所定の場所に装着される。ここで、帯電部材2は、ドラム1の表面を均一に帯電する。スキャナユニット3は、画像情報に基づいてレーザービームを感光体ドラム1に照射して、感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する。カートリッジ4は、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像を、トナーt(図5)を用いて現像する。転写手段5は、感光体ドラム1に形成されたトナー画像をシート材(記録媒体)Sに転写する。尚、シート材Sの具体例としては、紙,OHPシート及び布を挙げることができる。
【0012】
また、画像形成装置100には、転写後の感光体ドラム1の周面に残った残留トナーtを除去するクリーニング部材(クリーニングブレード)6が設けられている。ドラム1は、アルミシリンダの外周面に有機光導伝体層(OPC感光体)が塗布されたものである。ドラム1は、その両端部が軸受(不図示)によって、回転自在に引き出し部材13に支持されている。そして、その一方の端部には、モータ(不図示)からの回転力を受けるためギア(不図示)が配置されている。これにより、感光体ドラム1は、モータからの回転力がギアを介して伝達され、回転する。帯電部材2は、接触帯電方式である。より具体的には、帯電部材2はローラ状に構成された導電性ローラであり、このローラを感光体ドラム1の表面に当接させている。そして、このローラに帯電バイアス電圧を印加することによって、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる。従って、帯電部材2は、帯電ローラである。スキャナユニット3は、感光体ドラム1の上側に配置されている。ユニット3においては、画像信号に対応する画像光(レーザービーム)を、レーザーダイオード(不図示)から照射して、帯電された感光体ドラム1の表面を露光する。これにより、画像信号に応じた静電潜像が、感光体ドラム1の表面に形成される。各現像カートリッジ4は、トナーtをそれぞれ収納したトナー容器41(41a,41b,41c,41d)を有している。トナー容器41内のトナーtは、トナー供給ローラ43に送り込まれる。そして、トナー供給ローラ43と、現像ローラ40の外周に圧接された現像ブレード44とによって、現像ローラ40の外周にトナーが塗布され、かつ、トナーtに電荷が付与される。
【0013】
そして、装置本体(以下、本体100aと言う)から現像ローラ40に現像バイアスを印加する。これにより、ドラム1に形成された潜像にトナーtが付着してトナー画像が形成される。即ち、現像ローラ40は、トナーtを用いて、ドラム1に形成された静電潜像を現像する。なお、現像ローラ40は、ドラム1に対向するように配置されている。現像カートリッジ4は、トナーtが消費され寿命となった際には、現像カートリッジ4ごと交換される(所謂カートリッジ方式)。
【0014】
図1に示すように、画像形成装置100には、全ての感光体ドラム1に対向し、かつ、接触するように循環移動する転写ベルト11が設けられている。そして、ベルト11によって、シート材Sは転写位置まで搬送され、ドラム1の表面に形成されたトナー画像がシ
ート材Sに転写される。ベルト11の内側には、各ドラム1に対向する位置に、それぞれ転写ローラ12が設けられている。これらの転写ローラ12から正極性の電荷がベルト11を介してシート材Sに印加される。これによりシート材Sに感光体ドラム1上のトナー画像が転写される。
【0015】
また、装置100には、画像形成部にシート材Sを給送する給送部16が設けられている。給送部16には、複数枚のシート材Sを収納するカセット17が設けられている。そして、画像形成時には、給送ローラ18が画像形成動作に応じて回転する。これによって、カセット17内のシート材Sが1枚ずつ給送される。そして、ベルト11の回転とトナー画像との同期をとって、シート材Sは、レジストローラ対19によってベルト11に送られる。更に、装置100には、シート材Sに転写された複数色のトナー画像を定着させる定着部20が設けられている。定着部20は、回転する加熱ローラ21bと、これに圧接する加圧ローラ21aとを有する。即ち、ドラム1上のトナー画像が転写されたシート材Sは、ローラ21b、21aに挟持されながら搬送され、その際に熱及び圧力が付与される。これによってトナー画像がシート材Sの表面に定着される。
【0016】
画像形成プロセスについて簡単にまとめると次の通りである。画像形成動作が開始されると、ドラム1は回転する。そして、帯電部材(帯電ローラ)2が、ドラム1の表面に一様な電荷を付与する。ユニット3は、画像信号に応じて、帯電されたドラム1の表面に露光を行い、ドラム1の表面に静電潜像を形成する。そして、現像ローラ40によって、この静電潜像を現像する。一方、給送部16により給送され、ベルト11によって搬送されるシート材Sには、各ドラム1の表面に形成されたトナー画像が順次転写される。トナー画像の転写は、各ドラム1と転写ローラ12との間に形成される電界によって行われる。4色のトナー画像が転写されたシート材Sは、定着部20に送られ、カラー画像が定着される。そして、定着部20を通過したシート材Sは、排出ローラ対23によって、排出部24から装置の外部に排出される。
【0017】
<引き出し部材>
引き出し部材(カートリッジ支持部材)13について説明する。引き出し部材13は、カートリッジ4が取り外し可能に取り付けられる。また、引き出し部材13は、装置本体100aに対して、カートリッジ4を本体100aの内部に収納させる収納位置(内側位置I)と、カートリッジ4を装置本体の外部に引き出す引き出し位置(外側位置O)との間を移動可能である。即ち、引き出し部材13は、カートリッジ4を支持して、本体100aの内側に位置する内側位置Iと、本体100aの外側に位置する外側位置Oと、の間を移動する。引き出し部材13の前記移動は、ユーザによって行われる。ここで、図1(a),図17(b),図18に、引き出し部材13が内側位置Iに位置している状態を示す。また、図1(b),図8(b),図14(b),図17(a)に、引き出し部材13が外側位置Oに位置している状態を示す。尚、図1(a)、図17(b)、図18では、引き出し部材13が内側位置Iに位置しており、かつ、ドラム1がベルト11に接触している状態を図示している。この位置が、画像形成位置である。ここで、本実施例において、「本体100a」とは、装置100を構成する各種部材(部品)のうち、少なくとも引き出し部材13及びこの引き出し部材13に固定または着脱自在に構成された部材(部品)を除くものを意味する。
【0018】
図1(b)に示すように、引き出し部材13は、本体100aの設置面(不図示)に対して水平方向(矢印D1,D2方向)に直線的に移動する。矢印D1は、ユーザが、引き出し部材13を外側位置Oから内側位置Iに押し込む方向である。矢印D2は、ユーザが、引き出し部材13を内側位置Iから外側位置Oに引き出す方向である。そして、引き出し部材13が外側位置Oに位置した状態で、ユーザが引き出し部材13に対してカートリッジ4の交換(着脱)を行う。そして、引き出し部材13が外側位置O(引き出し位置)
に位置した状態で、ユーザが、カートリッジ4を、実質的に重力方向(図1(b)の矢印C方向)に移動させて、引き出し部材13に装着する。このように装着されたカートリッジ4は、その長手方向(現像ローラ40の軸線方向)が引き出し部材13の移動方向に直交する方向となるよう配置される。なお、4個の現像カートリッジ4は、引き出し部材13の移動方向に並べて配置される。尚、カートリッジ4を引き出し部材13から取り出す際には、ユーザが、カートリッジ4を引き出し部材13から持ち上げる(矢印C方向とは反対方向)。
【0019】
カートリッジ4は、引き出し部材13に装着された状態(支持された状態)で、引き出し部材13と共に装置本体100a内に移動する。そして、引き出し部材13が内側位置Iに位置した状態で、ユーザがドア10を閉じる。これによって、引き出し部材13が下降して、全てのカートリッジ4が本体100a内の所定の位置(画像形成が可能となる画像形成位置)に装着される。画像形成位置では、ドラム1がベルト11に接触している。
【0020】
このように、装置100によれば、4個のカートリッジ4をまとめて装置本体内に装着させることができる。かつ、4個のカートリッジ4をまとめて装置本体の外部に引き出すことができる。従って、カートリッジを個別に装置本体内に装着する構成を採用したものに比較して、カートリッジの交換時の作業性が優れている。なお、本実施例においては、ドラム1,帯電部材(帯電ローラ)2、及びクリーニング部材6は、引き出し部材13に取り付けられている。しかし、感光体ドラム1,帯電部材2、及び、クリーニング部材6を一体的にカートリッジ化して、プロセスカートリッジとしても良い。プロセスカートリッジとした場合には、プロセスカートリッジとして引き出し部材13に着脱可能な構成にしても良い。そして、プロセスカートリッジは、引き出し部材13の前記移動によって、本体100aに取り外し可能に装着される。
【0021】
<引き出し部材の装着部>
図2(a)(b)を用いて、本体100aに設けられた引き出し部材13の装着部Gの構成について説明する。図2(a)(b)は、実施例1に係る引き出し部材の装着部Gを示す斜視図である。尚、図においては、装着部Gの構成が分かり易いように、本体100aを構成する部材(部品)のうち、スキャナユニット3等を省略している。また、図2(a)(b)は、それぞれ異なる方向から見た斜視図である。
【0022】
本体フレーム100bの内壁面100b1,100b2には、一対のガイド部材14(14R,14L)がそれぞれ対向するように設けられている。ガイド部材14によって、引き出し部材13の移動方向が規制される。即ち、ガイド部材14に沿って、引き出し部材13が移動する。ガイド部材14は、引き出し部材13が有する被ガイド部13a,13b,13c,13d(図4(a)(b)参照)をガイドする、断面がコの字状のレール形状部材である。また、ガイド部材14は、本体100aの入口付近(ドア10付近)から奥側まで略水平方向に設けられている。これによって、ガイド部材14は、引き出し部材13を外側位置Oから内側位置Iまで案内できる。また、ガイド部材14の上方には、カートリッジ4を所定の位置に押圧して位置決めするための押圧部材65,66が設けられている。これらの押圧部材65,66は、ドア(開閉部材)10を閉める動作に連動して下方に移動する。これによって、押圧部材65,66は、カートリッジ4を本体100aに設けられた本体側位置決め部(不図示)に押圧する。即ち、カートリッジ3は、押圧部材65,66によって、本体内の前述した画像形成位置に位置決めされる。尚、ドア(開閉部材)10は、開口部100cを開放可能に閉じるものである。開口部100cは、引き出し部材13が内側位置Iと外側位置Oとの間を移動する際に、引き出し部材13が通過するものである。
【0023】
図2(a)に示すように、ガイド部材14Rの下方には、シャッタガイド25,64が
設けられている。ガイド25は、引き出し部材13が外側位置Oに位置した状態で、ドラム1の上方を覆うドラムシャッタ29を移動させる(開閉させる)ための部材である(図3)。また、ガイド64は、引き出し部材13が外側位置Oに位置した状態で、カートリッジ4のフレーム4sから現像ローラ40が露出する部分を覆う現像ローラシャッタ42を移動させる(開閉させる)ための部材である(図5,図6)。ガイド25,64は、本体100aの入口付近から奥側にわたって、略水平方向に、延びている。 図2(b)に示すように、ガイド部材14Lの下方には、カップリング部材(本体側カップリング部材)26が、各カートリッジ4に対応するように、それぞれ略等間隔に水平方向に並べて配置されている。カップリング部材26は、本体100aからカートリッジ4に現像ローラ40を回転するための回転力を伝達する。尚、前記回転力は、トナー供給ローラ43にも伝達されて、ローラ43も回転する。カップリング部材26は、ドア10を開いた状態では、本体フレーム100b内に退避した状態となっている(図2(b))。そして、カップリング部材26は、ドア10を閉める動作に連動して、カートリッジ4側に進入する。そして、カップリング部材26は、カートリッジ側カップリング部材45と係合する。更に、カップリング部材26の下方には、本体100aから、ドラム1を回転するための回転力をドラム1に伝達するためのドラム駆動ギア(本体側ギア)27が設けられている。ギア27は、略等間隔に水平方向に並べて配置されている。ギア27及びカップリング部材26は、同じ本体フレーム100b側に設けられており、本体100aに設けられた駆動源(不図示)からの回転力で回転する。
【0024】
<引き出し部材>
図3〜図4を用いて、引き出し部材13について説明する。図3(a)は実施例1に係る引き出しユニットU1の断面図である。図3(b)(c)は感光体ドラム1が設けられている部分の斜視図である。図4(a)(b)は、引き出しユニットU1の斜視図である。尚、図4(a)(b)は、それぞれ異なる方向から見た斜視図である。
【0025】
本実施例は、引き出し部材13に、ドラム1,帯電部材2及びクリーニング部材6が固設されており、これらによって引き出しユニットU1が構成されている。具体的には、ユニットU1は、引き出し部材13,感光体ドラム1,帯電部材2,クリーニング容器30,クリーニング部材6,シャッタ29,支持部31,32、及び付勢部材33,34を有する。尚、ドラム1及び帯電部材2は、回転可能に、ユニットU1に設けられている。従って、前記「固設」とは、ユーザがユニットU1から取り外すことを想定した構成ではないことを意味する。引き出し部材13の四隅には、本体100aのガイド部材14R,14Lにガイドされる被ガイド部13(13a,13b,13c,13d)が設けられている。被ガイド部13a,13cはガイド部材14Rにガイドされ、被ガイド部13b,13dはガイド部材14Lにガイドされる。被ガイド部13a,13bは、引き出し方向D2の上流側であって、引き出し方向D2と交差する方向に、側壁13(13r,13s)から外方に突出している。また、被ガイド部13a,13bは、引き出し方向D2において上流側に突出している。これによって、被ガイド部13a,13bは、引き出し部材13が外側位置Oに位置した状態で、下方へ傾くのを抑制している。また、被ガイド部13c,13dは、引き出し方向D2の下流側であって、引き出し方向D2と交差する方向に、側壁13(13r,13s)から外方に突出している。尚、被ガイド部13c,13dは、円柱形状である。また、引き出し部材13の引き出し方向D2下流側一端には、引き出しユニットU1をユーザが操作するための把手部28が設けられている。更に、図4(a)に示すように、引き出し部材13の一方の側壁13sには、カップリング部材26が進入する開口部13eが設けられている。カップリング部材26は、ドア10を閉める動作に連動して、開口部13eに進入する。開口部13eから進入したカップリング部材26は、カートリッジ4が有するカートリッジ側カップリング部材45(図6(a)参照)と係合する。これにより、本体100aに設けられた駆動源(不図示)から、カップリング部材26とカップリング部材45とを介して現像カートリッジ4に回転力が伝達される
。
【0026】
<ドラムシャッタ>
特に、図3〜図4(b)を用いて、ドラムシャッタ29について説明する。ドラム1の上方には、ドラム1の表面を保護するためのシャッタ29が設けられている。シャッタ29は、引き出し部材13に固定されたクリーニング容器30に軸支されており、一定の範囲内で回転可能に構成されている。なお、容器30は、感光体ドラム1も支持している。また、引き出し部材13を外側位置Oに引き出した状態では、シャッタ29は、感光体ドラム1が現像ローラ40と接触する接触面となる部分を覆う位置、即ち保護位置P1(図3に示す)にある。保護位置P1は、それぞれのドラム1の中心(軸線)Oを通る水平面Lよりも上側に位置する部分である。シャッタ29は感光体ドラム1の少なくとも上記部分を長手方向にわたって覆っている。
【0027】
シャッタ29の長手方向一端には、シャッタガイド25から力を受ける力受け部29aが設けられている。力受け部29aは、引き出し部材13に設けられた開口部13fを通過して外側に突出している(図4参照)。引き出し部材13が外側位置Oから内側位置Iに向かって移動すると、力付与部としてのガイド25が力受け部29aに突き当たり、力受け部29aを押し込む。即ち、力受け部29aが、弓形形状の開口部13fの一端13f1から他端13f2に、ねじりコイルバネ(弾性部材)29bの弾性力に抗して移動する。これによって、シャッタ29が回転する。これにより、シャッタ29は、図3(a)(b)に示す保護位置P1から、ドラム1の周面のうち現像ローラ40と接触する接触面となる部分を露出させる露出位置P2(図3(c),図11に示す位置)に移動する。なお、シャッタ29は、ねじりコイルバネ(弾性部材)29bの弾性力によって、保護位置P1方向へ、常に付勢されている。これによって、引き出し部材13が外側位置Oにあるときには、シャッタ29は常に保護位置P1にある(図3(a)(b))。バネ29bは、その一端がシャッタ29に取り付けられており、その他端は引き出し部材13に取り付けられている。弾性部材としては、ねじりコイルバネに限定されずに、例えば、引っ張りばね、圧縮コイルバネ、板バネ等でも良い。尚、本実施例では、バネ29b及び力受け部29aは、ドラム1の長手方向において、各々一端側と他端側とに設けられている。ここで、ドラム1の長手方向とは、引き出し部材13が移動する移動方向(矢印D1,D2方向)と直交する方向である。これによって、各機構を効率的に配置することができる。
【0028】
このように、引き出し部材13が本体100aの外部に引き出された状態においては、ドラム1の表面は、シャッタ29によって保護された状態になっている。従って、カートリッジ4の着脱作業時等において、ドラム1の上側表面に何らかの部材や落下物が衝突してしまうことを防止できる。また、ユーザが不用意に感光体ドラム1の表面に触れてしまうことを防ぐことができる。尚、本実施例では現像ローラ40の表面を覆うシャッタ部材42を用いる例に関して説明するが、上述の作用効果を発揮させる為には必ずしもシャッタ部材42を設ける必要は無い。
【0029】
また、引き出し部材13において、各ドラム1に対向する位置には、カートリッジ4を装着するための装着部13hが各々設けられている(図4(a)参照)。そして、装着部13hの両側には、カートリッジ4を引き出し部材13内にガイドするガイド部13i,13j,13k,13lが設けられている。各ガイド部13i,13j,13k,13lは縦長の溝で構成されている。そして、ガイド部13i,13jの下側にはカートリッジ4を位置決めする位置決め部13i1,13j1が設けられている。ガイド部13jの下端付近には、開口部13eが設けられている。また、ガイド部13k,13lの内部には、引き出し部材13が引き出された状態で、カートリッジ4をドラム1から離間した位置に保持する支持部31,32が設けられている。また、ガイド部13k,13lの内部には、支持部31,32を付勢する圧縮コイルバネ(弾性部材)33,34が設けられてい
る。また、ガイド部13kの側方には、シャッタ42に設けられた力受け部42aが進入する開口部13gが設けられている(図4(b)参照)。尚、シャッタ42に関しては以下に説明する。
【0030】
<現像カートリッジ及び現像ローラ用のシャッタ>
次に、図5〜図6(a)(b)(c)を用いて、引き出し部材13に対して取り外し可能に構成されたカートリッジ4について、説明する。図5はカートリッジ4の断面図である。図6(a)(b)はカートリッジ4の斜視図である。尚、図6(a)(b)はそれぞれ異なる方向から見た斜視図である。図6(c)は図6(b)の一部拡大図である。
【0031】
カートリッジ4は、現像ローラ40,トナー供給ローラ43,現像ブレード44,トナー収納容器41、及び、シャッタ42を備えている。ブレード44は、現像ローラ40の周面に圧接しており、ローラ40の周面に付着するトナーt量を規制する。カートリッジ4は、ユーザによって、引き出し部材13に取り外し可能に装着され、しいては、本体100aに取り外し可能に装着される。容器41内のトナーtは、ローラ43に送り込まれる。そして、ローラ43と、ブレード44によって、現像ローラ40の周面にトナーtが付着され、かつトナーtに電荷が付与される。そして、本体100aから現像ローラ40に現像バイアスを印加する。これにより、ドラム1に形成された潜像にトナーtが付着してトナー画像が形成される。即ち、現像ローラ40によって、前記潜像が現像される。ここで、容器41内のトナーtが消費された場合には、ユーザはカートリッジ4を交換する。これによって、再び画像形成を行うことができる。
【0032】
図6(a)に示すように、カートリッジ4の長手方向一端部には、カップリング部材26から回転力を受けるカップリング部材45が回転可能に支持されている。カップリング部材45は、カップリング部材26と係合して回転力を受ける。前記回転力は、ギア(不図示)を介して、現像ローラ40及びローラ43に伝達される。これによって、ローラ40,43が所定方向に回転する。カップリング部材45の外周は円筒状のリブで覆われている。前記リブの部分が、引き出し部材13に設けられたガイド部13jにガイドされる被ガイド部46である。被ガイド部46は、容器41の一端に設けられたサイドカバー4s1に設けられている。被ガイド部46は、引き出し部材13に設けられた位置決め部13j1(図4(b)参照)にカートリッジ4を位置決めするための被位置決め部としての機能も有している。
【0033】
また、図6(b)に示すように、カートリッジ4の長手方向反対側には、同じく引き出し部材13に設けられたガイド部13iにガイドされる被ガイド部47が設けられている。被ガイド部47は、容器41の他端に設けられたサイドカバー4s2に設けられている。尚、カートリッジ4の長手方向とは、現像ローラ40の長手方向(軸線方向)と同じである。被ガイド部46,47は共に、カートリッジ4のフレーム4sの側端(サイドカバー4s1,4s2)から長手方向外方に突出している。被ガイド部46,47は、引き出し部材13にカートリッジ4を装着する際、及び、取り出す際のガイド機能と、引き出し部材13内における現像カートリッジ4の位置決め機能を有している。
【0034】
図6(a)(b)に示すように、カートリッジ4の両側端上側には、突出した突起48a,48bが設けられている。尚、上側とは、カートリッジ4が引き出し部材13(本体100a)に装着された状態で、側端(サイドカバー4s)の上側の位置である。突起(被ガイド部)48aは、カートリッジ4を引き出し部材13に着脱する際に、ガイド部13kにガイドされる。また、突起(被ガイド部)48bは、カートリッジ4を引き出し部材13に着脱する際に、ガイド部13lにガイドされる。尚、突起48a,48bは、カートリッジ4(現像ローラ40)を感光体ドラム1から離間した位置に支持するために、支持部31,32(図4(a)(b)参照)に支持される被支持部としての機能も有する
。即ち、現像ローラ40と感光体ドラム1とが離間した状態にするために、突起48aは支持部31に支持される。同様に、突起48bは支持部32に支持される。また、突起48a,48bは、カートリッジ4を本体100aの所定の位置に位置決めする際に、本体より押圧される被押圧部としての機能も有する。即ち、突起48aは、押圧部材65(図2(a))に押圧される。また、突起48bは、押圧部材66(図2(b))に押圧される。
【0035】
次に、カートリッジ4のフレーム4sから現像ローラ40が露出している部分を覆うシャッタ42について詳細に説明する。カートリッジ4には、容器41に対して、回転軸42b,42cを中心にして一定の範囲内で回転するシャッタ42が設けられている。シャッタ42は、カートリッジ4が単体の状態においては、保護位置Q1(図5,図6)に位置している。そして、シャッタ42は、現像ローラ40がフレーム4s(容器41)から露出した部分40sを覆っている。シャッタ42は、保護位置Q1(図5に示す位置)に位置した状態で、現像ローラ40の長手方向のほぼ全領域を覆うように、前記長手方向に伸びた形状である(図6(a)(b)参照)。尚、現像ローラ40がフレーム4sから露出した部分40sとは、現像時に、現像ローラ40が感光体ドラム1と向い合う領域である。また、カートリッジ4が単体の状態とは、カートリッジ4が引き出し部材13に装着されていない状態である。また、シャッタ42は、現像ローラ40の露出部分40sを覆う保護位置Q1と、露出部分40sを露出させる退避位置Q2(図10(b)参照)との間を移動可能である。そして、シャッタ42の長手方向一端側には、ねじりコイルバネ(弾性部材)49が設けられている。バネ49は、その一端がシャッタ42に取り付けられており、その他端は側端(サイドカバー4s2)に取り付けられている。これにより、シャッタ42は、バネ49の弾性力によって、保護位置Q1方向に付勢されている。従って、シャッタ42は、通常は保護位置Q1に位置している。尚、バネ49は、ねじりコイルバネに限定されることはなく、引っ張りバネ、圧縮コイルバネ、板バネ或いはゴム等適宜の弾性部材を適用することができる。更に、シャッタ42の前記一端側には、現像ローラシャッタガイド64(図2(a))から力を受ける力受け部42aが、長手方向外方に向って突出して設けられている。ガイド64は、引き出し部材13の移動方向に沿って、かつ、移動方向と直交する方向の一端側に設けられている内壁面100b1に設けられている(図2(a))。引き出し部材13が本体100a内に向かって移動すると、力受け部42aがガイド64に突き当たって押し込まれる。これによって、シャッタ42は回転する。そして、これにより、シャッタ42は、保護位置Q1(図5)から、現像ローラ40の表面を露出させる退避位置Q2(図10(b))に移動する。
【0036】
このように、現像ローラ40の表面は、通常状態では、シャッタ42によって、ほぼ覆われた状態となっている。そのため、ユーザがカートリッジ4を取り扱う際に、不用意に現像ローラ40の表面に触れてしまうことがない。従って、現像ローラ40の表面からトナーtが飛散したり、現像ローラ40の表面が傷ついたりすることを防ぐことができる。また、引き出し部材13にカートリッジ4を装着する際に、現像ローラ40が引き出し部材13に衝突し、その表面を損傷してしまうことも防止できる。
【0037】
<引き出し部材への現像カートリッジの装着>
引き出し部材13に対するカートリッジ4の装着について、特に図7〜図8(a)を用いて説明する。図7(a)(b)は、引き出し部材13にカートリッジ4を装着する状態を示す斜視図である。尚、カートリッジ4を装着する際には、引き出し部材13を本体100aから引き出した状態で行う。しかしながら、図7(a)(b)においては、本体100aを省略している。また、図7(a)(b)は、それぞれ異なる方向から見た斜視図である。図8(a)は引き出し部材13に全てのカートリッジ4を装着した状態を示す斜視図である。尚、図8(a)においても本体については図示を省略している。
【0038】
カートリッジ4は、引き出し部材13に設けられた各装着部13hにそれぞれ装着される。ユーザは、実質的に重力方向(鉛直方向上方から下方に向かう方向)である矢印C方向へ現像カートリッジ4の装着を行う(図7参照)。装着に際しては、まず、カートリッジ4の両端部に設けられた被ガイド部46,47を、引き出し部材13におけるそれぞれに対応するガイド部13j,13iに嵌まるように装着する。即ち、ユーザが、被ガイド部46をガイド部13jに、また、被ガイド部47をガイド部13iに、また突起(被ガイド部)48aをガイド部13kに、及び、突起(被ガイド部)48bをガイド部13lにそれぞれ位置合わせする。そして、カートリッジ4を引き出し部材13に落とし込む。この際に、シャッタ42の一端部に設けられた力受け部42aを開口部13g内に挿入する。このようにして、カートリッジ4は、各ガイド部13j,13i,13k,13lにガイドされて、引き出し部材13内に装着される(図8(a)参照)。なお、図1(b)は、その時の断面図を示している。これによって、突起48a,48bは、支持部(離間部材)31,32上に載置される。即ち、突起48aは、支持部31に、突起48bは、支持部32に支持される(図7(b)、図8(a))。従って、突起48aはバネ33の弾性力によって、突起48bはバネ34の弾性力によって、上方へ押し上げられている。従って、カートリッジ4は、引き出し部材13が外側位置Oに位置した状態では、その長手方向の一端がバネ33の弾性力によって押し上げられ、他端がバネ34の弾性力によって押し上げられている(図1(b)(c))。この状態では、カートリッジ4は、現像ローラ40が感光体ドラム1とは離間した状態である(図2)。そして、ドラム1と現像ローラ40との間に、シャッタ29,42が位置している。即ち、シャッタ29がドラム1の上方を覆う保護位置P1に、及び、シャッタ42が現像ローラ40の露出部分40sを覆う保護位置Q1に位置している。この時、カートリッジ4に設けられた被ガイド部46,47は、カートリッジ4を本体100aに位置決めするための本体側位置決め部13i1,13j1には接触していない。
【0039】
このように、カートリッジ4(現像ローラ40)は、引き出し部材13に落とし込んだ状態(引き出し部材13に装着した状態)において、感光体ドラム1から離間した状態が維持される。従って、カートリッジ4を引き出し部材13に装着する動作によって、感光体ドラム1の表面を傷つけてしまうことを抑制できる。尚、図8に示すように、シャッタ42の力受け部42aは、開口部13gから引き出し部材13の外方に突出した状態となっている。また、シャッタ29の力受け部29aも、引き出し部材13に設けられた開口部13fから外方に突出した状態となっている。力受け部29a,42aは、引き出し部材13の移動方向と直交する方向(引き出し部材13の短手方向、カートリッジ4の長手方向)に突出している。
【0040】
以上のように、引き出し部材13にカートリッジ4を装着しただけの状態(乗せただけの状態)においては、現像ローラ40は、感光体ドラム1から離間した位置にある。また、この時、力受け部29a,42aは、引き出し部材13の外側に突出した状態にある。
【0041】
<引き出し部材の装置本体内への装着>
引き出し部材13の本体100a内への装着動作について、図8(b)〜図10(b)を参照して説明する。図8(b)は引き出し部材13を本体100aから引き出した状態を示す斜視図である。図9(a)は引き出し部材13を本体100a内に装着する途中の状態を示す斜視図である。図9(b)は引き出し部材13を本体100a内に装着する途中の状態を示す断面図である。図9(c)は図9(b)の一部拡大図である。図10(a)は、引き出し部材13を本体100a内に装着した状態を示す斜視図である。図10(b)は、引き出し部材13を本体100a内に装着した状態を示す断面図である。尚、図9、及び、図10においては、本体側の各種部材のうち、引き出し部材13の装着に関係する部材のみを示している。
【0042】
前述した通り、引き出し部材13は、引き出し部材13に設けられた被ガイド部13(13a,13b,13c,13d)(図4)が、本体100aに設けられたガイド部材14R,14L(図2(a)(b))に沿うように、矢印D1方向に押し込まれる。また、矢印D2方向に引き出される。引き出し部材13を本体100aに押し込む動作に応じて、力受け部42aが、ガイド64に設けられた力付与部である斜面64aに接触する(図9参照)。引き出し部材13が本体100a内に進入する移動動作に応じて、シャッタ42は、斜面64aから力を受けて、バネ49(図6(c)参照)の弾性力に抗して、矢印E1方向(図9(a))に回転する。シャッタ42は、力受け部42aが、ガイド64に設けられた平面部64bに至るまで回転する。そして、引き出し部材13が内側位置Iに位置した状態では、各力受け部42aが平面部64bに支持された状態となる。これによって、引き出し部材13が内側位置Iに位置した状態では、シャッタ42は、退避位置Q2(図11)に位置する。シャッタ29についても、同様である。シャッタ29は、引き出し部材13を本体100aに押し込む動作に応じて、感光体ドラム1の表面を保護する保護位置P1(図3(b))から感光体ドラム1のうち現像ローラ40との接触面となる部分を露出させる退避位置P2(図11)まで回転する。つまり、引き出し部材13を本体100aに押し込む動作に応じて、力受け部29aが、シャッタガイド25の端面25aに接触して、シャッタ29は、端面25aから力を受ける。そして、シャッタ29は、矢印E2方向(図9(a))に回転する。シャッタ29は、力受け部29aが、シャッタガイド25に設けられた平面部25bに至るまで回転する。そして、引き出し部材13が内側位置Iに位置した状態では、各力受け部29aが平面部25bに支持された状態となる。これによって、引き出し部材13が内側位置Iに位置した状態では、シャッタ29は、退避位置P2(図11)に位置する。
【0043】
ここで、図9(b)は、引き出し部材13を本体100a内に押し込む途中の状態を示したものである。このとき、4個のカートリッジ4のうちカートリッジ4yのシャッタ42は現像ローラ40の表面を露出させる退避位置Q2にある。そして、カートリッジ4mのシャッタ42は、現像ローラ40の表面を覆う保護位置Q1から露出させる退避位置Q2に移動している途中の位置にある。また、カートリッジ4c,4kのシャッタ42は保護位置Q1にある。尚、シャッタ29についても、同様である。引き出し部材13を本体100の内部に完全に装着した状態においては、カートリッジ4の各シャッタ42は、いずれも退避位置Q2にある。また、各シャッタ29についても、いずれも感光体ドラム1のうち現像ローラ40との接触面となる部分を露出させる退避位置P2にある(図11参照)。従って、画像形成装置100は、シャッタ29,42が設けられているにもかかわらず、シート材Sに画像を形成することができる。ここで、シャッタガイド64は、内側面100b1に、引き出し部材13の移動方向に沿って固設されている。また、ガイド64には、等間隔に凹部64c,64d,64e,64fが設けられている(図2(a)参照)。更に、シャッタ42には、保護位置Q1に向かってシャッタ42を付勢するバネ(弾性部材)49が設けられている(図6(c)参照)。そのため、引き出し部材13を本体100a内に装着する際に、各力受け部42aが、凹部64c,64d,64e,64fの入口に差し掛かった際に、バネ49の引き込み力によって、力受け部42aが凹部64c乃至64fの内部に部分的に侵入する。しかし、これら凹部64c乃至64fの入口には、両側に傾斜面(不図示)が設けられている。そのため、各力受け部42aが凹部64c乃至64f内に必要以上に入り込み、引き出し部材13の移動を妨げることは無い。つまり、各力受け部42aは、凹部64c乃至64fに差し掛かった際に、各入口に設けられた傾斜面の作用により持ち上げられ、再びシャッタガイド64上を進むことができる。ここで凹部64c乃至64fは、後述する押圧部材65,66に押圧されてカートリッジ4が下方に移動する際に、力受け部42aがその移動を妨げないように設けたものである。
【0044】
引き出し部材13はその移動に応じて、シャッタ42が斜面64aから力を受ける際に
、バネ49の付勢力によって、装着方向(矢印D1)と反対方向に反力を受ける。しかし、各カートリッジ4の力受け部42aが斜面64aに接触して反力を受けるタイミングはずれている。そのため、引き出し部材13の押し込み力(装着力)が著しく重くなることが無い。従って、ユーザは、軽い力で引き出し部材13の移動を行うことができる。尚、本実施例においては、引き出し部材13はその移動に応じて、シャッタ29が端面25aから力を受ける際に、バネ29b(図3(b)(c))の付勢力によって、反力を受ける。しかしながら,本実施例においては、このタイミングがそれぞれのカートリッジ4毎にずれているために、引き出し部材13の押し込み力が著しく重くなることが無い。つまり斜面64a、端面25aと接触した場合には反力を受けるが、一度、シャッタ42、29が退避位置Q2、P2に移動してしまえば、装着方向と反対方向の力はほぼ発生しないので、引き出し部材13の押し込み力に影響することは無い。また、各カートリッジ4(現像ローラ40)は、引き出し部材13を本体100aに装着する過程においては、それぞれドラム1から離間した状態を保っている。即ち、カートリッジ4(現像ローラ40)と感光体ドラム1との間に隙間g(図9(c),図10(b))を構成している。そのため、シャッタ42はドラム1に干渉することなく回転する。同様に、シャッタ29も、カートリッジ4と干渉することなく、回転する。即ち、本実施例によれば、引き出し部材13が外側位置Oに位置している状態では、シャッタ42が保護位置に位置することができるように、感光体ドラム1と現像ローラ40との間に隙間gを構成している。これは、引き出し部材13が外側位置Oに位置している状態では、支持部(離間部材)31,32によって、カートリッジ4の長手方向の両端を持ち上げているからである。これによって、ドラム1と現像ローラ40との間に隙間gを構成している。また、本実施例によれば、隙間gは、シャッタ42に加えて、シャッタ29も位置することができる大きさである。これによって、本実施例によれば、隙間gには、シャッタ29も位置することができる。また、引き出し部材13にカートリッジ4を装着する際に加えて、引き出し部材13を本体100aに押し込む際にも、現像ローラ40が感光体ドラム1に接触しない。そのため、装着動作に伴う振動等で現像ローラ40及び感光体ドラム1の表面が傷ついてしまうことを抑制できる。
【0045】
<現像カートリッジの位置決め構成>
カートリッジ4を本体100aに対して位置決めする構成について、図11を用いて説明する。図11はカートリッジ4の位置決めが完了した状態を示す断面図である。尚、図11において、本体側の各種部材のうちカートリッジ4の位置決めに関係する部材のみを示している。カートリッジ4は、ドア10を閉める動作に連動して、現像ローラ40が感光体ドラム1と離間した位置(図10(b))から、現像ローラ40がドラム1と接触した位置(図1(a)及び図11)まで移動する。これにより、画像形成が可能な状態になる。尚、この際に、ドラム1はベルト11と接触する。
【0046】
かかる連動メカニズムについて以下に説明する。本体100aには、上記の通り、押圧部材(当接機構)65,66が設けられている。押圧部材65,66は、ドア(開閉部材)10を閉める動作に伴って下方に移動して、カートリッジ4の上面4rを弾性的に押圧する。これによって、カートリッジ4を本体100内で位置決めする。押圧部材65,66は連結手段によって、ドア10の開閉動作と連動する(詳細は後述する)。ドア10が開いた状態(図2(a)(b))では、押圧部材65,66は引き出し部材13の移動を妨げない位置に退避している。従って、引き出し部材13の装着作業には何ら支障はない。そして、引き出し部材13が内側位置Iに位置し、ドア10を閉める。これによって、押圧部材65,66は、バネ32,33の弾性力に抗して、カートリッジ4を下方に向かって移動させる。
【0047】
図12を用いて、押圧部材65,66とドア10との連結手段に関して説明する。図12(a)はドア10が開いた状態、図12(b)はドア10が閉じた状態を示している。
尚、ドア10と押圧部材65、及びそれらの連結手段等以外の構成は省略している。
【0048】
図12(a)に示すように、ドア10の回転軸J1の両端部には欠け歯ギア101(他端側は不図示)が設けられている。ギア101はドア10と連動して回転する。ギア101は、中間ギア103、及び伝達ギア104を介して、レールユニット106へ駆動を伝達する。ユニット106の一端部には、ギア104と係合する為のラック部106fが設けられている。従って、ドア10の開閉動作に応じて、ギア103、104が各矢印方向に回転して、ユニット106を矢印S1,S2方向に移動させることができる。ユニット106には、押圧部材65,66を押圧する付勢部材107と、付勢部材107の先端に取り付けられた付勢片108が設けられている。付勢部材107と付勢片108は共に凹部106a内に収納され、鉛直方向に移動可能な構成となっている。凹部106aの引き出し部材13の挿入方向下流側には、押圧部材65,66を押圧位置(図12(b))から非押圧位置(図12(a))に移動させる為の力付与部106bが設けられている。なお、押圧部材65,66のメカニズムは同一のため、押圧部材65のメカニズムについてのみ説明する。
【0049】
先ず、図12(a)の状態からドア10を閉める動作を行う。ギア101は、ギア103,104を介して、ユニット106を矢印S1方向に移動させる。非押圧位置(図12(a))にあった押圧部材65は、付勢片108に設けられたテーパ面108aに、その一端部65bが当接し、回転軸J2を中心に矢印方向に回転する。押圧部材65の他端に設けられた押圧子65aは、その回転動作により、カートリッジ4の上面4rを弾性的に押圧し、カートリッジ4が本体100内で位置決めされる。付勢部材107と付勢片108は凹部106a内で圧縮された状態となり、付勢部材107の圧縮量に応じた付勢力でカートリッジを押圧する。この時、付勢部材107の付勢力を、引き出し部材に設けられたバネ33,34の付勢力よりも高く設定することで、所定の押圧力を発生させることができる。所定の画像形成が終了し、ドア10を開けると、ギア101は、ギア103,ギア104が先ほどとは逆方向に回転する。ユニット106は矢印S2方向に移動する。そして、押圧部材の一端部65bがユニット106に設けられたテーパ面である力付与部106bに当接し、回転軸J2を中心として図12(a)に示す非押圧位置に回転する。一端部65bはユニット106に設けられた凹部106c内に収容される。付勢部材107と付勢片108は元の位置に戻る。押圧部材65,66の押圧が解除されたカートリッジ4(現像ローラ40)は、バネ33,34の付勢力により、再び感光体ドラム1と離間する。前述した通り、カートリッジ4の長手方向両端部には、突起48a,48bが設けられている(図6(a)(b))。そして、押圧部材65,66は、カートリッジ4の短手方向において、突起48a,48bと対応するカートリッジ4の上面4rを下方に向かって押圧する(図10)。この押圧力(弾性力)によって、突起48a,48bは支持部31,32(図6及び図7参照)をバネ(弾性部材)33,34の弾性力に抗して下方に押し下げる。これにより、カートリッジ4の端部に設けられた被ガイド部46,47(図7(a)(b))がガイド部13i,13jに沿って下方に移動する。そして、被ガイド部46,47は、最終的に位置決め部13i1,13j1に接触して止まる。この状態で、現像ローラ40は感光体ドラム1に接触する。そして、画像形成が可能な状態となる(図1(a))。つまり、押圧部材(当接機構)65,66は、支持部(離間機構)31,32による現像ローラ40の表面と感光体ドラム1の表面の離間状態を解除する。そして、押圧部材65,66は、両者の表面を接触させる。尚、カートリッジ4の短手方向とは、カートリッジ4の前記長手方向と直交する方向(現像ローラ40と直交する方向)である。
【0050】
なお、図2(a)及び図9(a)に示すように、ガイド64には、等間隔に凹部64c乃至64fが設けられている。また、開口部13gの一部には逃げ部13g1が設けられている。凹部64c乃至64f及び逃げ部13g1は、押圧部材65,66に押圧されて
カートリッジ4が下方に移動する際に、力受け部42aがその移動を妨げないように設けたものである。つまり、押圧部材65,66によってカートリッジ4が下方に押圧される際には、力受け部42aは凹部64c,64d,64e,64f及び逃げ部13g1を移動する。従って、カートリッジ4の移動が妨げられることはない。さらに、シャッタ42が露出位置から大きくずれることもない。
【0051】
以上のように、ドア10を閉じると、画像形成が可能な状態となり、上述の画像形成プロセスによる画像形成動作が可能となる。尚、転写ベルト11は、引き出し部材13の移動時に感光体ドラム1と摺擦しないように、離間手段(不図示)により退避している。そして、ドア10が閉じられると離間状態が解除され、感光体ドラム1は転写ベルト11と接触する。
【0052】
<現像カートリッジの取り外し作業>
次に、カートリッジ4の交換について説明する。カートリッジ4の交換は、例えば、トナーが消費されて無くなった際に行われる。カートリッジ4を本体100aから取り外す場合には、まず、ドア10を開く。これにより、押圧部材65,66による突起48a,48bへの押圧が解除される。これにより、カートリッジ4は、バネ33,34の弾性力によって、上方に移動する(図10に示す状態)。そして、ユーザが引き出し部材13を本体100aから矢印D2方向(図1(b))に引き出す。引き出し部材13を引き出す過程において、力受け部42aがシャッタガイド64の端部64aを通り過ぎると、シャッタ42はバネ49の弾性力(付勢力)によって保護位置Q1に戻る。シャッタ29についても同様である。即ち、力受け部29aがシャッタガイド25の端部25aを通り過ぎると、シャッタ29はバネ(弾性部材)29bの弾性力(付勢力)によって保護位置P1に戻る。
【0053】
このように、引き出し部材13を引き出した状態にすれば、全てのシャッタ42,29は保護位置(元の位置)に戻る。これにより、引き出し部材13が外側位置Oに位置した状態では、現像ローラ40及び感光体ドラム1は保護された状態になる。この状態で、ユーザがカートリッジ4を上方向に持ち上げることで、引き出し部材13からカートリッジ4を取り外すことができる。尚、この際に、支持部31,32によって、現像ローラ40と感光体ドラム1とは隙間gで持って離れている。これは前述した通りである。
【0054】
<本実施例に係る画像形成装置の優れた点>
以上のように、本実施例に係る画像形成装置100によれば、引き出し部材13によって、複数のカートリッジ4をまとめて本体100a内に装着することができ、かつ、装置本体外部に引き出すことができる。そして、カートリッジ4には、現像ローラ40の表面を覆う保護位置Q1と、現像ローラ40の表面を露出させる退避位置Q2との間を移動可能に構成されたシャッタ42が設けられている。シャッタ42は、カートリッジ4が単体の状態、及び、引き出し部材13が本体100aの外部に引き出された外側位置Oに位置する状態では、保護位置Q1にある。従って、カートリッジ4を引き出し部材13に対して着脱する作業時において、ユーザが現像ローラ40の表面に不用意に触れたりしない。よって、カートリッジ4の交換時の作業性が向上する。また、カートリッジ4の交換作業時等において、現像ローラ40の表面が傷つくことを抑制できる。また、シャッタ42は、引き出し部材13にカートリッジ4が装着された状態で、引き出し部材13の移動動作に連動するように構成されている。即ち、引き出し部材13が外側位置Oから内側位置Iに移動する際に、シャッタ42はこの移動に連動して、保護位置Q1から退避位置Q2に移動する。反対に、引き出し部材13が内側位置Iから外側位置Oに移動すると、シャッタ42は、この移動に連動して、退避位置Q2から保護位置Q1に移動する。このように、ユーザの引き出し部材13の移動操作によって、シャッタ42の開閉動作を自動的に行うことができる。従って、ユーザが、別途、シャッタ42の開閉作業をする必要もない。
また、本実施例においては、4個のカートリッジ4にそれぞれ備えられているシャッタ42の移動タイミングをそれぞれ異ならせている。即ち、引き出し部材13が外側位置Oから内側位置Iに移動する過程において、カートリッジ4y,カートリッジ4m,カートリッジ4c,及び、カートリッジ4kの順番にシャッタ42を移動させる。従って、引き出し部材13を押し込む力に加えて、シャッタ42を移動させるための力が必要になるものの、引き出し部材13の装着作業性を低下させることはない。これは、4個のシャッタ42の移動タイミングが異なっているからである。また、本実施例においては、カートリッジ4が引き出し部材13に装着された(支持された)状態で、ドラム1と現像ローラ40を接触させ、または離間させる支持部(接離機構)が設けられている。即ち、引き出し部材13が外側位置Oに引き出された状態では、ドラム1と現像ローラ40は離間している。また、本実施例によれば、引き出し部材13が内側位置Iに位置した状態であっても、ドア10が開いた状態では、ドラム1と現像ローラ40は離間している。そして、引き出し部材13が本体内部に装着され、かつドア10が閉じられると、ドラム1と現像ローラ40は接触する。従って、現像カートリッジ4の着脱作業時等において、ドラム1の表面や現像ローラ40の表面が傷ついてしまうことを抑制できる。またシャッタ29,42が、退避位置P2,Q2から保護位置P1,Q1に移動できるように両者の間に隙間gを構成することができる。即ち、シャッタ29,42が,退避位置P2,Q2に位置することができる。また、本実施例においては、保護位置P1と、退避位置P2との間を移動可能に構成されたシャッタ29を設けている。シャッタ29は、引き出し部材13が本体100aから引き出された状態では、保護位置P1にある。シャッタ29が覆う位置は、ドラム1の中心Oを通る水平面Lよりも上側に位置する部分であり、ドラム1の周面のうち現像ローラ40との接触面となる部分である(図3(a))。また、本実施例では、カートリッジ4は、引き出し部材13に装着された状態(支持された状態)では、離間位置に位置している。ここで、前記離間位置とは、ドラム1とカートリッジ4が離れている位置である(図1(b)(c),図9(b)(c),図10)。即ち、感光体ドラム1と現像ローラ40とが離れている位置である。更に、カートリッジ4は、引き出し部材13に対して、鉛直方向上方から下方に装着する。従って、前述した通り、カートリッジ4が引き出し部材13に対して、前記離間位置に装着されることと相まって、カートリッジ4の装着作業時等において、ドラム1の表面が傷つくことを抑制できる。また、本実施例によれば、装着作業の過程で、異物がドラム1の表面に向かって落下したとしても、シャッタ29により阻止できる。尚、本実施例によれば、水平面Lよりも上側を覆うので、落下物の影響を受けにくい。
【0055】
シャッタ29の作用は、仮に現像ローラ40の表面を覆うシャッタ42が無い場合にも適用できることは言うまでも無い。尚、シャッタ29が覆っているドラム1の領域であるが、ドラム1の中心線(軸線)Oを通る水平面Lよりも上側に位置する部分を全部覆う必要は無く、部分的にも覆ってあれば前述した目的は達成できる。前述した通り、装置100によれば、カートリッジ4の交換作業を極めて簡単に行うことができる。しかも、交換作業時に現像ローラ40が傷ついてしまうことを抑制できる。
【0056】
<その他>
実施例1においては、引き出し部材13に、ドラム1、及び、帯電部材2が回転可能に据え付けられており、かつ、クリーニング部材6が据え付けられている。即ち、これらが、ユーザ自身では、取り外すことができないように引き出し部材13に取り付けられている。しかしながら、これらの部材(部品)等がカートリッジ化された装置(即ちユーザが交換可能な方式)に対しても、本発明を適用することが可能である。また、実施例1においては、ドラム1の表面を保護するためのシャッタ29を備える場合の構成を示した。しかしながら、本発明は、シャッタ29を備えていない装置に対しても適用し得る。或はシャッタ29のみ備え、シャッタ42を備えていない装置にも適用できる。
【0057】
(実施例2)
図13〜図16(b)を用いて、本発明を適用した実施例2について説明する。実施例1では、シャッタ42が、引き出し部材13の移動に連動する構成を示した。本実施例は、現像ローラを保護するためのシャッタの開閉が、引き出し部材にカートリッジを着脱する動作に連動する構成である。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については適宜同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0058】
図13は実施例2に係る現像カートリッジの斜視図である。図14(a)は実施例2に係る引き出し部材の斜視図である。図14(b)は前記引き出し部材に現像カートリッジを装着する状態を示す斜視図である。尚、図14(b)において、本体については簡略的に示している。図15は前記引き出し部材に現像カートリッジを装着する際のメカニズムを示す図である。図16(a)は現像カートリッジの位置決めが完了した状態を示す側面図である。図16(b)は現像カートリッジの位置決めが完了した状態を示す断面図である。尚、図16(a)(b)においては、本体側の各種部材のうち現像カートリッジの位置決めに関係する部材のみを示している。
【0059】
本実施例が、実施例1と異なる点は、現像カートリッジ50を引き出し部材51に対して着脱する動作によって、現像ローラ40の表面を保護するためのシャッタ52が連動する点である。
【0060】
図13に示すように、現像ローラ40の表面を保護するためのシャッタ52は、現像ローラ40の長手領域ほぼ全面を覆うように、長手方向に伸びた形状である。シャッタ52は、実施例1の場合と同様に、一定の範囲内で回転可能に軸支されており、現像ローラ40の表面を覆う保護位置R1(図15(a))と、現像ローラ40の表面を露出させる退避位置R2(図15(d))との間を移動可能に構成されている。そして、シャッタ52はバネ(弾性部材)53の弾性力によって保護位置方向へ付勢されており、外力が作用しない限り、シャッタ52は保護位置R1に維持されている。また、シャッタ52の長手方向一端部(現像ローラ40の長手方向一端部)には、力受け部52aが、長手方向外方に突出している。力受け部52aは、引き出し部材51に設けられた斜面(力付与部)51b,51cから力を受けて、バネ53の弾性力に抗して、シャッタ52を退避位置R2に移動させる。
【0061】
図14(a)に示すように、引き出し部材51の側方には、力受け部52aが挿入される開口部51aが設けられている。開口部51aには、斜面(力付与部)51b,51cが設けられている。そして、斜面51bの下側には直線的に延出する直線部51dが設けられている。また、斜面51cの下側にも直線的に延出する直線部51eが設けられている。本実施例に係るカートリッジ50(50y,50m,50c,50k)は、引き出し部材51に設けられた各装着部51hにそれぞれ装着される。本実施例の場合においても、引き出し部材51が本体100aから引き出された外側位置Oに位置している状態で、カートリッジ50は、ユーザによって装着される。すなわち、カートリッジ50は、実質的に鉛直方向において上方から下方に向かって(図14(b)における矢印C方向、重力方向)、引き出し部材51に対して装着される。また、カートリッジ50は、それとは反対方向に、引き出し部材51から取り外される。
【0062】
次に、図15を用いて、引き出し部材51にカートリッジ50を装着する際のメカニズムを説明する。ユーザが、引き出し部材51に対して、矢印C方向にカートリッジ50を装着する。この際に、まず、力受け部52aが斜面51bに突き当たる。更に、カートリッジ50を矢印C方向に移動させることで、シャッタ52は斜面51bから力を受けて矢印F1方向に移動を開始する(図15(a)参照)。カートリッジ50を、更に下方向に移動させると、力受け部52aが斜面51bを通り過ぎて直線部51dに達する。シャッ
タ52は、バネ(弾性部材)53による弾性力(付勢力)によって、力受け部52aが直線部51dの側面を摺接しながら下方に移動する(図15(b)参照)。その後、力受け部52aは、斜面51cに接触し、シャッタ52は更に矢印F1方向に移動する(図15(c)参照)。
【0063】
最終的に、突起48aが引き出し部材51に設けられた支持部31に突き当たるまで、カートリッジ50を移動させる(図15(d)参照)。尚、力受け部52aが直線部51eを移動している間も、シャッタ52は更に退避位置R2方向へ回転する。そして、シャッタ52は、図15(d)に示す位置で停止する。この位置がシャッタ52の退避位置R2である。この時、力受け部52aは、バネ53による弾性力によって斜面51cに接触している。このようにして、シャッタ52は、退避位置R2まで移動し、その状態で維持される。尚、実施例1と同様に、各現像ローラ40は、シャッタ52の動作時にはドラム1から離間した状態を保っている。従ってシャッタ52はドラム1に干渉することなく移動(回転)する。同様に、シャッタ29に関しても、カートリッジ4と干渉することなく、移動(回転)する。尚、ドラム1と現像ローラ40とを離間、及び、接触させる構成は、実施例1と同じである。本実施例において、支持部31,32を設けたことで、斜面51b,斜面51c、及び、直線部51d等を設ける際に、これらをより一層、ドラム1の近傍側に配置できる。その為、引き出し部材51の高さを小さくすることができる。そこで、仮に、支持部31,32を設けなかった場合には、シャッタ52を回転させる際に、ドラム1の表面から遠い所で回転させる必要がある。これは、シャッタ52がドラム1と干渉することを避ける為である。支持部31,32を設けなかった場合には、シャッタ52に接触してシャッタ52を回転させる部位(本実施例では斜面51b、斜面51c、直線部51d)をドラム1から遠い所に配置する必要がある。このような場合には、引き出し部材51を大型化する必要がある。しかしながら本実施例によれば、支持部31,32を設けたから、引き出し部材51を格別大型化する必要がない。また、本実施例によれば、引き出し部材51の装着動作中に、現像ローラ40がドラム1と接触しない。そのため、装着動作に伴う振動等で現像ローラ40及びドラム1の表面が傷付くことを抑制できる。また、全てのカートリッジ50が引き出し部材51に装着された状態で、引き出し部材51は本体100a内に装着される。また、引き出し部材51が本体100a内に装着される過程で、シャッタ29は、保護する保護位置P1から退避位置P2に移動する。この構成は、実施例1と同じである。
【0064】
そして、ドア10が閉じる動作に連動して、押圧部材65,66は下方に移動し、カートリッジ50の上面を押圧する。これによって、カートリッジ50が下方に移動する。この時、現像ローラ40はドラム1と離間した位置から、ドラム1と接触する位置まで移動する。
【0065】
図16(a)(b)は、現像ローラ40が感光体ドラム1に接触したときの状態を示している。このとき、力受け部52aは、それぞれ直線部51c内に位置している、また、このとき、シャッタ52は退避位置にある。図16(b)は、引き出しユニットU2及びカートリッジ50の断面図を示したものである。この図では、ドラム1と現像ローラ40とが接触し、画像形成が可能な状態である。即ち、ドラム1とベルト11とが接触した状態である。
【0066】
以上のような構成により、本実施例においても、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、本実施例においては、シャッタ52は、引き出し部材51に対するカートリッジ50の着脱動作に連動するように構成されている。すなわち、カートリッジ50を引き出し部材51に装着する過程で、シャッタ52はこの装着動作と連動して、保護位置R1から退避位置R2に移動する。反対に、カートリッジ50を引き出し部材51から取り外す過程で、シャッタ52はこの取り外す動作に連動して、退避位置R2から保護位置R
1に移動する。尚、カートリッジ50を引き出し部材51から取り外すと、元の位置(保護位置R1)に戻る。これは、シャッタ52はバネ(弾性部材)53の弾性力によって保護位置R1方向に付勢されているからである。このように、本実施例によれば、カートリッジ50引き出し部材51に対する着脱操作により、シャッタ52の開閉動作が自動的に行われる。従って、ユーザが、別途、シャッタ52の開閉作業をする必要もない。このように、本実施例においても、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。また、本実施例では、引き出し部材51を移動操作する際に、シャッタ52を移動させるための力が不要である。そのため、本実施例においては、引き出し部材51を移動操作する際に必要な力を実施例1の場合と比較して軽減させることができる。尚、カートリッジ50が引き出し部材51に装着された状態で、現像ローラ40は感光体ドラム1と離間した状態である。また、引き出し部材51を内側位置Iに位置させた状態でドア10を閉じる動作に連動させて、両者を接触させる。これらの接離機構が設けられていることについては、実施例1の場合と同様である。従って、この接離機構に関する作用効果については、実施例1と同様である。
【0067】
(実施例3)
図17、図18を用いて、本発明を適用した実施例3について説明する。実施例1では、感光体ドラム,帯電部材、及びクリーニング部材等が引き出し部材に据え付けられている(固定されている)構成を示した。本実施例においては、これらが本体100a側に設けられており、引き出し部材には現像カートリッジのみが装着される構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については適宜同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0068】
図17(a)は、実施例3に係る画像形成装置において、引き出し部材を引き出した状態を示す断面図である。図17(b)は、実施例3に係る画像形成装置において、本体内に引き出し部材を装着させ、かつドアを開いた状態を示す断面図である。図18は、実施例3に係る画像形成装置の断面図である。
【0069】
本実施例が、上記実施例1と異なる点は、感光体ドラム81,帯電部材(帯電ローラ)82、及びクリーニング部材(クリーニングブレード)83が、本体100a内に設けられている点である。従って、引き出し部材80には、現像カートリッジ84(84y,84m,84c,84k)のみが装着される。
【0070】
本実施例においても、引き出し部材80が外側位置Oに位置する状態で、カートリッジ84は引き出し部材80に装着される。この時、カートリッジ84に設けられたシャッタ85は、実施例1の場合と同様に、保護位置Q1にある(図17(a))。カートリッジ84を引き出し部材80に装着させた状態で、引き出し部材80を本体100a内に押し込む(図17(a)における矢印D1方向)。引き出し部材80を押し込み方向に移動させると、シャッタ85が、引き出し部材80の移動動作に連動する。すなわち、本体100aに、現像ローラシャッタガイド87が設けられており、引き出し部材80の移動に伴って、シャッタ85は保護位置Q1(図17(a))から、退避位置Q2(図17(b)に示す位置)に移動する。この構成は実施例1の構成と同じである。シャッタ85はシャッタ42に相当し、シャッタガイド87はシャッタガイド64に相当する。本実施例では、ドラム81,帯電部材82及びクリーニング部材83は、引き出し部材80及び引き出し部材80に装着されたカートリッジ84の通過領域よりも下方に設けられている(図17(a)(b))。そのため、これらの部材が、引き出し部材80の移動の妨げにはならない。そして、引き出し部材80を本体100a内に装着した後に、ドア10を閉じると、連結手段(不図示)により、引き出し部材80は下方に移動する(引き出し部材80は、図17(b)に示す位置から下降する)。これにより、カートリッジ84に設けられた現像ローラ86がドラム81に接触し、画像形成動作が可能な状態となる(図18参照)
。尚、ドラム81はベルト11と接触した状態となる。そして、カートリッジ84には、保護位置Q1と、退避位置Q2との間を移動可能に構成されたシャッタ85が設けられている。シャッタ85は、カートリッジ84が単体の状態、及び、本体100aの外部に引き出された引き出し部材80にカートリッジ84を装着しただけの状態では、保護位置Q1にある。従って、カートリッジ84を引き出し部材80に対して着脱する操作時において、ユーザが現像ローラ86の表面に不用意に接触することを抑制できる。また、カートリッジ84の交換操作時等において、現像ローラ86の表面が傷ついてしまうことを抑制できる。また、本実施例においても、シャッタ85の開閉は、引き出し部材80にカートリッジ84が装着された状態で、引き出し部材80の移動動作に連動するように構成されている。これは、実施例1の場合と同様である。従って、引き出し部材80の移動操作によって、シャッタ85の開閉動作を自動的に行うことができる。よって、ユーザが、別途、シャッタ85の開閉作業をする必要がない。また、本実施例においては、引き出し部材80が本体100aの外部に引き出された状態、及び、引き出し部材80が本体100a内部に装着された状態であって且つドア10が開いている状態では、感光体ドラム81と現像ローラ86は離間している。そして、引き出し部材80が本体100a内部に装着され、且つドア10が閉じられると、ドラム81と現像ローラ86は接触する。従って、カートリッジ84を引き出し部材80に対して着脱する際に、ドラム81の表面や現像ローラ86の表面が傷付くことを抑制できる。なお、本実施例においては、実施例1の場合と同様に、引き出し部材80の移動に連動してシャッタ85が移動する場合の構成を示した。しかしながら、感光体ドラム81が本体100a側に設けられた構成において、実施例2に示したように、現像ローラの表面を保護するためのシャッタの開閉が、カートリッジを引き出し部材に着脱する動作に連動する構成を採用することもできる。
【0071】
(実施例4)
図19(a)(b)及び図20(a)(b)(c)を用いて、本発明を適用した実施例4について説明する。実施例1では、ドラムシャッタの開閉が、引き出し部材の移動に連動する構成について説明した。本実施例においては、ドラムシャッタの開閉が、現像カートリッジを引き出し部材に着脱する動作に連動する構成について説明する。
【0072】
本実施例の現像カートリッジ94を図19(a)に示す。本実施例が実施例1と異なる点は、カートリッジ94の一端に、ドラムシャッタ96を開放するための力を本体100aから受ける突起(力付与部)97を有する点である。
【0073】
突起97は、カートリッジ94を引き出し部材51に装着する装着方向(鉛直方向において上方から下方に向かう方向、図19(b)の矢印C方向)下流側に向かって突出している。突起97は、カートリッジ94の長手方向(現像ローラの長手方向)一端であって、前記長手方向において、シャッタ52の更に外側に配置されている。突起97はサイドカバー94s1に固定されている。
【0074】
図19(b)は、カートリッジ94を引き出し部材51に装着する前の状態を示した図である。本実施例ではシャッタ96の長手方向端部で、装着されるカートリッジ94の有する突起97に対応した位置に、係合部(力受け部)96aが設けられている。係合部96aはシャッタ96と一体に設けられている。従って、シャッタ96と係合部96aは連動する。つまり係合部96aをドラム1の回りに回転させると、シャッタ96も回転する。尚、両者が連動する構成であるならば、係合部96aはシャッタ96と別体でも良い。
【0075】
図20を用いて、カートリッジ94の装着動作に伴い、シャッタ96が連動する状態を説明する。図19に示す状態では、ドラム1の表面の内、少なくともドラム1の中心(軸線)を通る水平面Lよりも上側に位置する部分は覆われている(図19(b))。従って、カートリッジ94の着脱作業時等において、ドラム1の上側に何らかの部材や落下物が
衝突することを防止できる。よって、ドラム1の表面が傷付くことを防ぐことができる。また、ユーザが不用意に感光体ドラム1の表面に触れることを防ぐことができる。
【0076】
図19(b)に示す状態から更にカートリッジ94を降下していくと、突起97が係合部96aに接触し始める(図20(a))。更に、カートリッジ94が降下していくと、係合部96aが移動(回転)するのに連動して、シャッタ96は保護位置P1から退避位置P2方向へ移動(回転)を始める。これによって、感光体ドラム1の一部分が露出して、現像ローラ40の表面と接触できる状態となる(図20(b))。つまり、本実施例によれば、カートリッジ94を装着していない時に、不用意にシャッタ96が移動してしまうことが無い。従って、感光体ドラム1の表面を保護することができる。その後、引き出
し部材51を本体100a内に押し込む。そして、ドア10を閉める。ドア10を閉める動作に連動して、押圧部材65,66がカートリッジ94の上面を下方に押圧する。これによって、バネ33,34によって支持されていたカートリッジ94が降下する(下方に移動する)。これによって、現像ローラ40がドラム1から離間した位置から、ドラム1に接触する位置まで移動する(図20(c))。尚、現像ローラ40をドラム1と離間する構成,及び、両者を接触させる構成は、実施例1と同様である。
【0077】
本実施例では、現像ローラ4の表面にシャッタ52を設けた構成である。シャッタ52の開閉は、例えば、実施例2と同様であっても良い。即ち、カートリッジ94を引き出し部材51に装着する動作に連動して、シャッタ52が保護位置Q1から退避位置Q2に移動するようにしても良い。また、実施例1に示したように、シャッタ52の移動を、引き出し部材51が外側位置Oから内側位置Iに移動する動作に連動させても良い。或は、感光体ドラム1の上側表面を保護する目的のみであればシャッタ52を省略しても良い。
【0078】
本実施例によれば、前述した各実施例と同様の前述した効果を得ることができる。また、本実施例によれば、実施例1と同様に、ドラム1と現像ローラ40とを接触させ、または、離間させる接離機構(当接機構、及び離間機構)を設けている。従って、カートリッジ94の着脱操作時等において、ドラム1の表面や現像ローラ40の表面が傷ついてしまうことを抑制できる。またシャッタ52及びドラムシャッタ96が、各々の表面を覆う位置から露出させる位置に移動できるように両者の間に隙間gを構成することができる。
【符号の説明】
【0079】
1,81 電子写真感光体ドラム(感光体ドラム、ドラム)、4,50,84,94 現像カートリッジ、10 ドア(開閉部材)、13,51,80 引き出し部材(カートリッジ支持部材)、25,64 シャッタガイド、29,96 ドラムシャッタ、40 現像ローラ、42,52,85 シャッタ、97 突起、100 電子写真画像形成装置(画像形成装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば電子写真複写機,電子写真プリンタ(例えばレーザビームプリンタ,LEDプリンタ等)、及びフアクシミリ装置等が含まれる。尚、記録媒体とは、電子写真画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、紙,OHPシート等が含まれる。ここで、電子写真画像形成装置では、装置本体に対して、出し入れ自在に構成した引き出し部材を設ける構成が知られている。この構成によれば、複数のカートリッジを引き出し部材に支持させた状態で、引き出し部材を装置本体に押し込む。これによって、カートリッジをまとめて装置本体内に装着させることができる。また、引き出し部材を装置本体から外部に引き出す。これによって、カートリッジをまとめて装置本体外に取り出すことができる。この技術の場合には、引き出し部材を装置本体外部に引き出した状態で、カートリッジの交換作業を行うことができる。そのため、使用者による、カートリッジの交換作業を向上させることができる(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記の構成においては、引き出し部材を装置本体から引き出した場合に、現像ローラは、その周面の一部が現像カートリッジから露出している。そのため、現像カートリッジの交換作業時に、ユーザが現像ローラや電子写真感光体ドラムに不用意に接触する虞があった。また、現像ローラが他の部材に不用意に接触する虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−15378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、現像カートリッジの交換時の作業性の向上を図った電子写真画像形成装置を提供することにある。本発明の他の目的は、ユーザが現像ローラに不用意に接触することを防止することのできる電子写真画像形成装置を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、ユーザが電子写真感光体ドラムに不用意に接触することを防止することのできる電子写真画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像ローラと、前記現像ローラが前記静電潜像の現像に用いる現像剤を収容する現像剤収容部と、を有して、前記電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着される現像カートリッジと、前記電子写真感光体ドラムと前記現像カートリッジとを前記装置本体に装着するために、前記装置本体の内側に位置する内側位置と、前記現像カートリッジを前記装置本体から引き出すために、前記装置本体の外側に位置する外側位置との間を、前記電子写真感光体ドラムを据え付けた状態で、かつ前記現像カートリッジを取り外し可能に支持した状態で移動するカートリッジ支持部材と、前記カートリッジ支持部材に設けられた、前記電子写真感光体ドラムの周面の一部分を覆う保護位置と、前記保護位置から退避して前記電子写真感光体ドラムの周面の一部分を露出させる退避位置との間を移動するドラムシャッタと、前
記カートリッジ支持部材に設けられた力受け部であって、前記ドラムシャッタを前記保護位置から前記退避位置に移動させるための力を受ける力受け部と、前記現像カートリッジに設けられた力付与部と、を有し、前記カートリッジ支持部材が前記外側位置に位置した状態で、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジを支持させるために、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジを進入させる際に、前記力受け部が前記力付与部と接触して、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジが進入するのに連動して、前記力付与部と接触した前記力受け部が前記力付与部から前記力を受けて、前記ドラムシャッタを前記保護位置から前記退避位置に移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、本発明によれば、現像カートリッジの交換時の作業性の向上を図ることができる。また、本発明によれば、ユーザが現像ローラ・電子写真感光体ドラムに不用意に接触することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1に係る画像形成装置の断面図。
【図2】実施例1に係る引き出し部材の装着部を示す斜視図。
【図3】実施例1に係る引き出しユニットの説明図。
【図4】実施例1に係る引き出しユニットの斜視図。
【図5】実施例1に係る現像カートリッジの断面図。
【図6】実施例1に係る現像カートリッジの斜視図。
【図7】実施例1に係る現像カートリッジの装着時の様子を示す斜視図。
【図8】実施例1に係る引き出し部材に関する斜視図。
【図9】実施例1に係る引き出し部材の装置本体内への装着説明図。
【図10】実施例1に係る引き出し部材の装置本体内に装着した状態説明図。
【図11】実施例1に係る現像カートリッジの位置決めが完了した状態説明図。
【図12】実施例1に係るドアと押圧部材の連動メカニズム説明図。
【図13】実施例2に係る現像カートリッジの斜視図。
【図14】実施例2に係る引き出し部材に関する斜視図。
【図15】実施例2に係る現像カートリッジを装着する際のメカニズムを示す図。
【図16】実施例2に係る現像カートリッジの位置決めが完了した状態を示す図。
【図17】実施例3に係る画像形成装置の断面図。
【図18】実施例3に係る画像形成装置の断面図。
【図19】実施例4に係る現像カートリッジの説明図。
【図20】実施例4に係る現像カートリッジを装着する際のメカニズムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1〜図11を用いて、本発明の実施例1に係る電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称する)について説明する。
【0010】
<画像形成装置の全体構成>
本発明の実施例1に係る画像形成装置の構成について、図1を参照して説明する。図1(a)は前記画像形成装置の断面図である。図1(b)は前記画像形成装置において、引き出し部材を引き出した状態を示す断面図である。図1(c)は図1(a)(b)における一部(現像カートリッジ付近)拡大図である。
【0011】
本実施例に係る画像形成装置100は、設置面(不図示)に対して水平方向に並べて設けられた4個の電子写真感光体ドラム1(以下、感光体ドラム又はドラムと称す)を備え
ている。ドラム1は、駆動手段(不図示)によって、時計回り(図1(a))に回転する。また、画像形成装置100には、電子写真画像形成プロセス手段として、ドラム1の他にも、帯電部材2,スキャナユニット3,複数個の現像カートリッジ4(4y,4m,4c,4k)、及び静電転写手段5が設けられている。カートリッジ4yは、トナー容器(現像剤収容部)41a(図5)内に、イエロー色の現像剤(以下、トナーと称す)tが収納されており、イエロー色の画像を形成する。カートリッジ4mは、トナー容器41b内に、マゼンタ色のトナーtが収納されており、マゼンタ色の画像を形成する。カートリッ
ジ4cは、トナー容器41c内に、シアン色のトナーtが収納されており、シアン色の画
像を形成する。カートリッジ4kは、トナー容器41d内に、ブラック色のトナーtが収納されており、ブラック色の画像を形成する。各カートリッジ4は、収納しているトナーの色が異なるだけで、構成は同じである。各カートリッジ4は、引き出し部材13の所定の場所に装着される。ここで、帯電部材2は、ドラム1の表面を均一に帯電する。スキャナユニット3は、画像情報に基づいてレーザービームを感光体ドラム1に照射して、感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する。カートリッジ4は、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像を、トナーt(図5)を用いて現像する。転写手段5は、感光体ドラム1に形成されたトナー画像をシート材(記録媒体)Sに転写する。尚、シート材Sの具体例としては、紙,OHPシート及び布を挙げることができる。
【0012】
また、画像形成装置100には、転写後の感光体ドラム1の周面に残った残留トナーtを除去するクリーニング部材(クリーニングブレード)6が設けられている。ドラム1は、アルミシリンダの外周面に有機光導伝体層(OPC感光体)が塗布されたものである。ドラム1は、その両端部が軸受(不図示)によって、回転自在に引き出し部材13に支持されている。そして、その一方の端部には、モータ(不図示)からの回転力を受けるためギア(不図示)が配置されている。これにより、感光体ドラム1は、モータからの回転力がギアを介して伝達され、回転する。帯電部材2は、接触帯電方式である。より具体的には、帯電部材2はローラ状に構成された導電性ローラであり、このローラを感光体ドラム1の表面に当接させている。そして、このローラに帯電バイアス電圧を印加することによって、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる。従って、帯電部材2は、帯電ローラである。スキャナユニット3は、感光体ドラム1の上側に配置されている。ユニット3においては、画像信号に対応する画像光(レーザービーム)を、レーザーダイオード(不図示)から照射して、帯電された感光体ドラム1の表面を露光する。これにより、画像信号に応じた静電潜像が、感光体ドラム1の表面に形成される。各現像カートリッジ4は、トナーtをそれぞれ収納したトナー容器41(41a,41b,41c,41d)を有している。トナー容器41内のトナーtは、トナー供給ローラ43に送り込まれる。そして、トナー供給ローラ43と、現像ローラ40の外周に圧接された現像ブレード44とによって、現像ローラ40の外周にトナーが塗布され、かつ、トナーtに電荷が付与される。
【0013】
そして、装置本体(以下、本体100aと言う)から現像ローラ40に現像バイアスを印加する。これにより、ドラム1に形成された潜像にトナーtが付着してトナー画像が形成される。即ち、現像ローラ40は、トナーtを用いて、ドラム1に形成された静電潜像を現像する。なお、現像ローラ40は、ドラム1に対向するように配置されている。現像カートリッジ4は、トナーtが消費され寿命となった際には、現像カートリッジ4ごと交換される(所謂カートリッジ方式)。
【0014】
図1に示すように、画像形成装置100には、全ての感光体ドラム1に対向し、かつ、接触するように循環移動する転写ベルト11が設けられている。そして、ベルト11によって、シート材Sは転写位置まで搬送され、ドラム1の表面に形成されたトナー画像がシ
ート材Sに転写される。ベルト11の内側には、各ドラム1に対向する位置に、それぞれ転写ローラ12が設けられている。これらの転写ローラ12から正極性の電荷がベルト11を介してシート材Sに印加される。これによりシート材Sに感光体ドラム1上のトナー画像が転写される。
【0015】
また、装置100には、画像形成部にシート材Sを給送する給送部16が設けられている。給送部16には、複数枚のシート材Sを収納するカセット17が設けられている。そして、画像形成時には、給送ローラ18が画像形成動作に応じて回転する。これによって、カセット17内のシート材Sが1枚ずつ給送される。そして、ベルト11の回転とトナー画像との同期をとって、シート材Sは、レジストローラ対19によってベルト11に送られる。更に、装置100には、シート材Sに転写された複数色のトナー画像を定着させる定着部20が設けられている。定着部20は、回転する加熱ローラ21bと、これに圧接する加圧ローラ21aとを有する。即ち、ドラム1上のトナー画像が転写されたシート材Sは、ローラ21b、21aに挟持されながら搬送され、その際に熱及び圧力が付与される。これによってトナー画像がシート材Sの表面に定着される。
【0016】
画像形成プロセスについて簡単にまとめると次の通りである。画像形成動作が開始されると、ドラム1は回転する。そして、帯電部材(帯電ローラ)2が、ドラム1の表面に一様な電荷を付与する。ユニット3は、画像信号に応じて、帯電されたドラム1の表面に露光を行い、ドラム1の表面に静電潜像を形成する。そして、現像ローラ40によって、この静電潜像を現像する。一方、給送部16により給送され、ベルト11によって搬送されるシート材Sには、各ドラム1の表面に形成されたトナー画像が順次転写される。トナー画像の転写は、各ドラム1と転写ローラ12との間に形成される電界によって行われる。4色のトナー画像が転写されたシート材Sは、定着部20に送られ、カラー画像が定着される。そして、定着部20を通過したシート材Sは、排出ローラ対23によって、排出部24から装置の外部に排出される。
【0017】
<引き出し部材>
引き出し部材(カートリッジ支持部材)13について説明する。引き出し部材13は、カートリッジ4が取り外し可能に取り付けられる。また、引き出し部材13は、装置本体100aに対して、カートリッジ4を本体100aの内部に収納させる収納位置(内側位置I)と、カートリッジ4を装置本体の外部に引き出す引き出し位置(外側位置O)との間を移動可能である。即ち、引き出し部材13は、カートリッジ4を支持して、本体100aの内側に位置する内側位置Iと、本体100aの外側に位置する外側位置Oと、の間を移動する。引き出し部材13の前記移動は、ユーザによって行われる。ここで、図1(a),図17(b),図18に、引き出し部材13が内側位置Iに位置している状態を示す。また、図1(b),図8(b),図14(b),図17(a)に、引き出し部材13が外側位置Oに位置している状態を示す。尚、図1(a)、図17(b)、図18では、引き出し部材13が内側位置Iに位置しており、かつ、ドラム1がベルト11に接触している状態を図示している。この位置が、画像形成位置である。ここで、本実施例において、「本体100a」とは、装置100を構成する各種部材(部品)のうち、少なくとも引き出し部材13及びこの引き出し部材13に固定または着脱自在に構成された部材(部品)を除くものを意味する。
【0018】
図1(b)に示すように、引き出し部材13は、本体100aの設置面(不図示)に対して水平方向(矢印D1,D2方向)に直線的に移動する。矢印D1は、ユーザが、引き出し部材13を外側位置Oから内側位置Iに押し込む方向である。矢印D2は、ユーザが、引き出し部材13を内側位置Iから外側位置Oに引き出す方向である。そして、引き出し部材13が外側位置Oに位置した状態で、ユーザが引き出し部材13に対してカートリッジ4の交換(着脱)を行う。そして、引き出し部材13が外側位置O(引き出し位置)
に位置した状態で、ユーザが、カートリッジ4を、実質的に重力方向(図1(b)の矢印C方向)に移動させて、引き出し部材13に装着する。このように装着されたカートリッジ4は、その長手方向(現像ローラ40の軸線方向)が引き出し部材13の移動方向に直交する方向となるよう配置される。なお、4個の現像カートリッジ4は、引き出し部材13の移動方向に並べて配置される。尚、カートリッジ4を引き出し部材13から取り出す際には、ユーザが、カートリッジ4を引き出し部材13から持ち上げる(矢印C方向とは反対方向)。
【0019】
カートリッジ4は、引き出し部材13に装着された状態(支持された状態)で、引き出し部材13と共に装置本体100a内に移動する。そして、引き出し部材13が内側位置Iに位置した状態で、ユーザがドア10を閉じる。これによって、引き出し部材13が下降して、全てのカートリッジ4が本体100a内の所定の位置(画像形成が可能となる画像形成位置)に装着される。画像形成位置では、ドラム1がベルト11に接触している。
【0020】
このように、装置100によれば、4個のカートリッジ4をまとめて装置本体内に装着させることができる。かつ、4個のカートリッジ4をまとめて装置本体の外部に引き出すことができる。従って、カートリッジを個別に装置本体内に装着する構成を採用したものに比較して、カートリッジの交換時の作業性が優れている。なお、本実施例においては、ドラム1,帯電部材(帯電ローラ)2、及びクリーニング部材6は、引き出し部材13に取り付けられている。しかし、感光体ドラム1,帯電部材2、及び、クリーニング部材6を一体的にカートリッジ化して、プロセスカートリッジとしても良い。プロセスカートリッジとした場合には、プロセスカートリッジとして引き出し部材13に着脱可能な構成にしても良い。そして、プロセスカートリッジは、引き出し部材13の前記移動によって、本体100aに取り外し可能に装着される。
【0021】
<引き出し部材の装着部>
図2(a)(b)を用いて、本体100aに設けられた引き出し部材13の装着部Gの構成について説明する。図2(a)(b)は、実施例1に係る引き出し部材の装着部Gを示す斜視図である。尚、図においては、装着部Gの構成が分かり易いように、本体100aを構成する部材(部品)のうち、スキャナユニット3等を省略している。また、図2(a)(b)は、それぞれ異なる方向から見た斜視図である。
【0022】
本体フレーム100bの内壁面100b1,100b2には、一対のガイド部材14(14R,14L)がそれぞれ対向するように設けられている。ガイド部材14によって、引き出し部材13の移動方向が規制される。即ち、ガイド部材14に沿って、引き出し部材13が移動する。ガイド部材14は、引き出し部材13が有する被ガイド部13a,13b,13c,13d(図4(a)(b)参照)をガイドする、断面がコの字状のレール形状部材である。また、ガイド部材14は、本体100aの入口付近(ドア10付近)から奥側まで略水平方向に設けられている。これによって、ガイド部材14は、引き出し部材13を外側位置Oから内側位置Iまで案内できる。また、ガイド部材14の上方には、カートリッジ4を所定の位置に押圧して位置決めするための押圧部材65,66が設けられている。これらの押圧部材65,66は、ドア(開閉部材)10を閉める動作に連動して下方に移動する。これによって、押圧部材65,66は、カートリッジ4を本体100aに設けられた本体側位置決め部(不図示)に押圧する。即ち、カートリッジ3は、押圧部材65,66によって、本体内の前述した画像形成位置に位置決めされる。尚、ドア(開閉部材)10は、開口部100cを開放可能に閉じるものである。開口部100cは、引き出し部材13が内側位置Iと外側位置Oとの間を移動する際に、引き出し部材13が通過するものである。
【0023】
図2(a)に示すように、ガイド部材14Rの下方には、シャッタガイド25,64が
設けられている。ガイド25は、引き出し部材13が外側位置Oに位置した状態で、ドラム1の上方を覆うドラムシャッタ29を移動させる(開閉させる)ための部材である(図3)。また、ガイド64は、引き出し部材13が外側位置Oに位置した状態で、カートリッジ4のフレーム4sから現像ローラ40が露出する部分を覆う現像ローラシャッタ42を移動させる(開閉させる)ための部材である(図5,図6)。ガイド25,64は、本体100aの入口付近から奥側にわたって、略水平方向に、延びている。 図2(b)に示すように、ガイド部材14Lの下方には、カップリング部材(本体側カップリング部材)26が、各カートリッジ4に対応するように、それぞれ略等間隔に水平方向に並べて配置されている。カップリング部材26は、本体100aからカートリッジ4に現像ローラ40を回転するための回転力を伝達する。尚、前記回転力は、トナー供給ローラ43にも伝達されて、ローラ43も回転する。カップリング部材26は、ドア10を開いた状態では、本体フレーム100b内に退避した状態となっている(図2(b))。そして、カップリング部材26は、ドア10を閉める動作に連動して、カートリッジ4側に進入する。そして、カップリング部材26は、カートリッジ側カップリング部材45と係合する。更に、カップリング部材26の下方には、本体100aから、ドラム1を回転するための回転力をドラム1に伝達するためのドラム駆動ギア(本体側ギア)27が設けられている。ギア27は、略等間隔に水平方向に並べて配置されている。ギア27及びカップリング部材26は、同じ本体フレーム100b側に設けられており、本体100aに設けられた駆動源(不図示)からの回転力で回転する。
【0024】
<引き出し部材>
図3〜図4を用いて、引き出し部材13について説明する。図3(a)は実施例1に係る引き出しユニットU1の断面図である。図3(b)(c)は感光体ドラム1が設けられている部分の斜視図である。図4(a)(b)は、引き出しユニットU1の斜視図である。尚、図4(a)(b)は、それぞれ異なる方向から見た斜視図である。
【0025】
本実施例は、引き出し部材13に、ドラム1,帯電部材2及びクリーニング部材6が固設されており、これらによって引き出しユニットU1が構成されている。具体的には、ユニットU1は、引き出し部材13,感光体ドラム1,帯電部材2,クリーニング容器30,クリーニング部材6,シャッタ29,支持部31,32、及び付勢部材33,34を有する。尚、ドラム1及び帯電部材2は、回転可能に、ユニットU1に設けられている。従って、前記「固設」とは、ユーザがユニットU1から取り外すことを想定した構成ではないことを意味する。引き出し部材13の四隅には、本体100aのガイド部材14R,14Lにガイドされる被ガイド部13(13a,13b,13c,13d)が設けられている。被ガイド部13a,13cはガイド部材14Rにガイドされ、被ガイド部13b,13dはガイド部材14Lにガイドされる。被ガイド部13a,13bは、引き出し方向D2の上流側であって、引き出し方向D2と交差する方向に、側壁13(13r,13s)から外方に突出している。また、被ガイド部13a,13bは、引き出し方向D2において上流側に突出している。これによって、被ガイド部13a,13bは、引き出し部材13が外側位置Oに位置した状態で、下方へ傾くのを抑制している。また、被ガイド部13c,13dは、引き出し方向D2の下流側であって、引き出し方向D2と交差する方向に、側壁13(13r,13s)から外方に突出している。尚、被ガイド部13c,13dは、円柱形状である。また、引き出し部材13の引き出し方向D2下流側一端には、引き出しユニットU1をユーザが操作するための把手部28が設けられている。更に、図4(a)に示すように、引き出し部材13の一方の側壁13sには、カップリング部材26が進入する開口部13eが設けられている。カップリング部材26は、ドア10を閉める動作に連動して、開口部13eに進入する。開口部13eから進入したカップリング部材26は、カートリッジ4が有するカートリッジ側カップリング部材45(図6(a)参照)と係合する。これにより、本体100aに設けられた駆動源(不図示)から、カップリング部材26とカップリング部材45とを介して現像カートリッジ4に回転力が伝達される
。
【0026】
<ドラムシャッタ>
特に、図3〜図4(b)を用いて、ドラムシャッタ29について説明する。ドラム1の上方には、ドラム1の表面を保護するためのシャッタ29が設けられている。シャッタ29は、引き出し部材13に固定されたクリーニング容器30に軸支されており、一定の範囲内で回転可能に構成されている。なお、容器30は、感光体ドラム1も支持している。また、引き出し部材13を外側位置Oに引き出した状態では、シャッタ29は、感光体ドラム1が現像ローラ40と接触する接触面となる部分を覆う位置、即ち保護位置P1(図3に示す)にある。保護位置P1は、それぞれのドラム1の中心(軸線)Oを通る水平面Lよりも上側に位置する部分である。シャッタ29は感光体ドラム1の少なくとも上記部分を長手方向にわたって覆っている。
【0027】
シャッタ29の長手方向一端には、シャッタガイド25から力を受ける力受け部29aが設けられている。力受け部29aは、引き出し部材13に設けられた開口部13fを通過して外側に突出している(図4参照)。引き出し部材13が外側位置Oから内側位置Iに向かって移動すると、力付与部としてのガイド25が力受け部29aに突き当たり、力受け部29aを押し込む。即ち、力受け部29aが、弓形形状の開口部13fの一端13f1から他端13f2に、ねじりコイルバネ(弾性部材)29bの弾性力に抗して移動する。これによって、シャッタ29が回転する。これにより、シャッタ29は、図3(a)(b)に示す保護位置P1から、ドラム1の周面のうち現像ローラ40と接触する接触面となる部分を露出させる露出位置P2(図3(c),図11に示す位置)に移動する。なお、シャッタ29は、ねじりコイルバネ(弾性部材)29bの弾性力によって、保護位置P1方向へ、常に付勢されている。これによって、引き出し部材13が外側位置Oにあるときには、シャッタ29は常に保護位置P1にある(図3(a)(b))。バネ29bは、その一端がシャッタ29に取り付けられており、その他端は引き出し部材13に取り付けられている。弾性部材としては、ねじりコイルバネに限定されずに、例えば、引っ張りばね、圧縮コイルバネ、板バネ等でも良い。尚、本実施例では、バネ29b及び力受け部29aは、ドラム1の長手方向において、各々一端側と他端側とに設けられている。ここで、ドラム1の長手方向とは、引き出し部材13が移動する移動方向(矢印D1,D2方向)と直交する方向である。これによって、各機構を効率的に配置することができる。
【0028】
このように、引き出し部材13が本体100aの外部に引き出された状態においては、ドラム1の表面は、シャッタ29によって保護された状態になっている。従って、カートリッジ4の着脱作業時等において、ドラム1の上側表面に何らかの部材や落下物が衝突してしまうことを防止できる。また、ユーザが不用意に感光体ドラム1の表面に触れてしまうことを防ぐことができる。尚、本実施例では現像ローラ40の表面を覆うシャッタ部材42を用いる例に関して説明するが、上述の作用効果を発揮させる為には必ずしもシャッタ部材42を設ける必要は無い。
【0029】
また、引き出し部材13において、各ドラム1に対向する位置には、カートリッジ4を装着するための装着部13hが各々設けられている(図4(a)参照)。そして、装着部13hの両側には、カートリッジ4を引き出し部材13内にガイドするガイド部13i,13j,13k,13lが設けられている。各ガイド部13i,13j,13k,13lは縦長の溝で構成されている。そして、ガイド部13i,13jの下側にはカートリッジ4を位置決めする位置決め部13i1,13j1が設けられている。ガイド部13jの下端付近には、開口部13eが設けられている。また、ガイド部13k,13lの内部には、引き出し部材13が引き出された状態で、カートリッジ4をドラム1から離間した位置に保持する支持部31,32が設けられている。また、ガイド部13k,13lの内部には、支持部31,32を付勢する圧縮コイルバネ(弾性部材)33,34が設けられてい
る。また、ガイド部13kの側方には、シャッタ42に設けられた力受け部42aが進入する開口部13gが設けられている(図4(b)参照)。尚、シャッタ42に関しては以下に説明する。
【0030】
<現像カートリッジ及び現像ローラ用のシャッタ>
次に、図5〜図6(a)(b)(c)を用いて、引き出し部材13に対して取り外し可能に構成されたカートリッジ4について、説明する。図5はカートリッジ4の断面図である。図6(a)(b)はカートリッジ4の斜視図である。尚、図6(a)(b)はそれぞれ異なる方向から見た斜視図である。図6(c)は図6(b)の一部拡大図である。
【0031】
カートリッジ4は、現像ローラ40,トナー供給ローラ43,現像ブレード44,トナー収納容器41、及び、シャッタ42を備えている。ブレード44は、現像ローラ40の周面に圧接しており、ローラ40の周面に付着するトナーt量を規制する。カートリッジ4は、ユーザによって、引き出し部材13に取り外し可能に装着され、しいては、本体100aに取り外し可能に装着される。容器41内のトナーtは、ローラ43に送り込まれる。そして、ローラ43と、ブレード44によって、現像ローラ40の周面にトナーtが付着され、かつトナーtに電荷が付与される。そして、本体100aから現像ローラ40に現像バイアスを印加する。これにより、ドラム1に形成された潜像にトナーtが付着してトナー画像が形成される。即ち、現像ローラ40によって、前記潜像が現像される。ここで、容器41内のトナーtが消費された場合には、ユーザはカートリッジ4を交換する。これによって、再び画像形成を行うことができる。
【0032】
図6(a)に示すように、カートリッジ4の長手方向一端部には、カップリング部材26から回転力を受けるカップリング部材45が回転可能に支持されている。カップリング部材45は、カップリング部材26と係合して回転力を受ける。前記回転力は、ギア(不図示)を介して、現像ローラ40及びローラ43に伝達される。これによって、ローラ40,43が所定方向に回転する。カップリング部材45の外周は円筒状のリブで覆われている。前記リブの部分が、引き出し部材13に設けられたガイド部13jにガイドされる被ガイド部46である。被ガイド部46は、容器41の一端に設けられたサイドカバー4s1に設けられている。被ガイド部46は、引き出し部材13に設けられた位置決め部13j1(図4(b)参照)にカートリッジ4を位置決めするための被位置決め部としての機能も有している。
【0033】
また、図6(b)に示すように、カートリッジ4の長手方向反対側には、同じく引き出し部材13に設けられたガイド部13iにガイドされる被ガイド部47が設けられている。被ガイド部47は、容器41の他端に設けられたサイドカバー4s2に設けられている。尚、カートリッジ4の長手方向とは、現像ローラ40の長手方向(軸線方向)と同じである。被ガイド部46,47は共に、カートリッジ4のフレーム4sの側端(サイドカバー4s1,4s2)から長手方向外方に突出している。被ガイド部46,47は、引き出し部材13にカートリッジ4を装着する際、及び、取り出す際のガイド機能と、引き出し部材13内における現像カートリッジ4の位置決め機能を有している。
【0034】
図6(a)(b)に示すように、カートリッジ4の両側端上側には、突出した突起48a,48bが設けられている。尚、上側とは、カートリッジ4が引き出し部材13(本体100a)に装着された状態で、側端(サイドカバー4s)の上側の位置である。突起(被ガイド部)48aは、カートリッジ4を引き出し部材13に着脱する際に、ガイド部13kにガイドされる。また、突起(被ガイド部)48bは、カートリッジ4を引き出し部材13に着脱する際に、ガイド部13lにガイドされる。尚、突起48a,48bは、カートリッジ4(現像ローラ40)を感光体ドラム1から離間した位置に支持するために、支持部31,32(図4(a)(b)参照)に支持される被支持部としての機能も有する
。即ち、現像ローラ40と感光体ドラム1とが離間した状態にするために、突起48aは支持部31に支持される。同様に、突起48bは支持部32に支持される。また、突起48a,48bは、カートリッジ4を本体100aの所定の位置に位置決めする際に、本体より押圧される被押圧部としての機能も有する。即ち、突起48aは、押圧部材65(図2(a))に押圧される。また、突起48bは、押圧部材66(図2(b))に押圧される。
【0035】
次に、カートリッジ4のフレーム4sから現像ローラ40が露出している部分を覆うシャッタ42について詳細に説明する。カートリッジ4には、容器41に対して、回転軸42b,42cを中心にして一定の範囲内で回転するシャッタ42が設けられている。シャッタ42は、カートリッジ4が単体の状態においては、保護位置Q1(図5,図6)に位置している。そして、シャッタ42は、現像ローラ40がフレーム4s(容器41)から露出した部分40sを覆っている。シャッタ42は、保護位置Q1(図5に示す位置)に位置した状態で、現像ローラ40の長手方向のほぼ全領域を覆うように、前記長手方向に伸びた形状である(図6(a)(b)参照)。尚、現像ローラ40がフレーム4sから露出した部分40sとは、現像時に、現像ローラ40が感光体ドラム1と向い合う領域である。また、カートリッジ4が単体の状態とは、カートリッジ4が引き出し部材13に装着されていない状態である。また、シャッタ42は、現像ローラ40の露出部分40sを覆う保護位置Q1と、露出部分40sを露出させる退避位置Q2(図10(b)参照)との間を移動可能である。そして、シャッタ42の長手方向一端側には、ねじりコイルバネ(弾性部材)49が設けられている。バネ49は、その一端がシャッタ42に取り付けられており、その他端は側端(サイドカバー4s2)に取り付けられている。これにより、シャッタ42は、バネ49の弾性力によって、保護位置Q1方向に付勢されている。従って、シャッタ42は、通常は保護位置Q1に位置している。尚、バネ49は、ねじりコイルバネに限定されることはなく、引っ張りバネ、圧縮コイルバネ、板バネ或いはゴム等適宜の弾性部材を適用することができる。更に、シャッタ42の前記一端側には、現像ローラシャッタガイド64(図2(a))から力を受ける力受け部42aが、長手方向外方に向って突出して設けられている。ガイド64は、引き出し部材13の移動方向に沿って、かつ、移動方向と直交する方向の一端側に設けられている内壁面100b1に設けられている(図2(a))。引き出し部材13が本体100a内に向かって移動すると、力受け部42aがガイド64に突き当たって押し込まれる。これによって、シャッタ42は回転する。そして、これにより、シャッタ42は、保護位置Q1(図5)から、現像ローラ40の表面を露出させる退避位置Q2(図10(b))に移動する。
【0036】
このように、現像ローラ40の表面は、通常状態では、シャッタ42によって、ほぼ覆われた状態となっている。そのため、ユーザがカートリッジ4を取り扱う際に、不用意に現像ローラ40の表面に触れてしまうことがない。従って、現像ローラ40の表面からトナーtが飛散したり、現像ローラ40の表面が傷ついたりすることを防ぐことができる。また、引き出し部材13にカートリッジ4を装着する際に、現像ローラ40が引き出し部材13に衝突し、その表面を損傷してしまうことも防止できる。
【0037】
<引き出し部材への現像カートリッジの装着>
引き出し部材13に対するカートリッジ4の装着について、特に図7〜図8(a)を用いて説明する。図7(a)(b)は、引き出し部材13にカートリッジ4を装着する状態を示す斜視図である。尚、カートリッジ4を装着する際には、引き出し部材13を本体100aから引き出した状態で行う。しかしながら、図7(a)(b)においては、本体100aを省略している。また、図7(a)(b)は、それぞれ異なる方向から見た斜視図である。図8(a)は引き出し部材13に全てのカートリッジ4を装着した状態を示す斜視図である。尚、図8(a)においても本体については図示を省略している。
【0038】
カートリッジ4は、引き出し部材13に設けられた各装着部13hにそれぞれ装着される。ユーザは、実質的に重力方向(鉛直方向上方から下方に向かう方向)である矢印C方向へ現像カートリッジ4の装着を行う(図7参照)。装着に際しては、まず、カートリッジ4の両端部に設けられた被ガイド部46,47を、引き出し部材13におけるそれぞれに対応するガイド部13j,13iに嵌まるように装着する。即ち、ユーザが、被ガイド部46をガイド部13jに、また、被ガイド部47をガイド部13iに、また突起(被ガイド部)48aをガイド部13kに、及び、突起(被ガイド部)48bをガイド部13lにそれぞれ位置合わせする。そして、カートリッジ4を引き出し部材13に落とし込む。この際に、シャッタ42の一端部に設けられた力受け部42aを開口部13g内に挿入する。このようにして、カートリッジ4は、各ガイド部13j,13i,13k,13lにガイドされて、引き出し部材13内に装着される(図8(a)参照)。なお、図1(b)は、その時の断面図を示している。これによって、突起48a,48bは、支持部(離間部材)31,32上に載置される。即ち、突起48aは、支持部31に、突起48bは、支持部32に支持される(図7(b)、図8(a))。従って、突起48aはバネ33の弾性力によって、突起48bはバネ34の弾性力によって、上方へ押し上げられている。従って、カートリッジ4は、引き出し部材13が外側位置Oに位置した状態では、その長手方向の一端がバネ33の弾性力によって押し上げられ、他端がバネ34の弾性力によって押し上げられている(図1(b)(c))。この状態では、カートリッジ4は、現像ローラ40が感光体ドラム1とは離間した状態である(図2)。そして、ドラム1と現像ローラ40との間に、シャッタ29,42が位置している。即ち、シャッタ29がドラム1の上方を覆う保護位置P1に、及び、シャッタ42が現像ローラ40の露出部分40sを覆う保護位置Q1に位置している。この時、カートリッジ4に設けられた被ガイド部46,47は、カートリッジ4を本体100aに位置決めするための本体側位置決め部13i1,13j1には接触していない。
【0039】
このように、カートリッジ4(現像ローラ40)は、引き出し部材13に落とし込んだ状態(引き出し部材13に装着した状態)において、感光体ドラム1から離間した状態が維持される。従って、カートリッジ4を引き出し部材13に装着する動作によって、感光体ドラム1の表面を傷つけてしまうことを抑制できる。尚、図8に示すように、シャッタ42の力受け部42aは、開口部13gから引き出し部材13の外方に突出した状態となっている。また、シャッタ29の力受け部29aも、引き出し部材13に設けられた開口部13fから外方に突出した状態となっている。力受け部29a,42aは、引き出し部材13の移動方向と直交する方向(引き出し部材13の短手方向、カートリッジ4の長手方向)に突出している。
【0040】
以上のように、引き出し部材13にカートリッジ4を装着しただけの状態(乗せただけの状態)においては、現像ローラ40は、感光体ドラム1から離間した位置にある。また、この時、力受け部29a,42aは、引き出し部材13の外側に突出した状態にある。
【0041】
<引き出し部材の装置本体内への装着>
引き出し部材13の本体100a内への装着動作について、図8(b)〜図10(b)を参照して説明する。図8(b)は引き出し部材13を本体100aから引き出した状態を示す斜視図である。図9(a)は引き出し部材13を本体100a内に装着する途中の状態を示す斜視図である。図9(b)は引き出し部材13を本体100a内に装着する途中の状態を示す断面図である。図9(c)は図9(b)の一部拡大図である。図10(a)は、引き出し部材13を本体100a内に装着した状態を示す斜視図である。図10(b)は、引き出し部材13を本体100a内に装着した状態を示す断面図である。尚、図9、及び、図10においては、本体側の各種部材のうち、引き出し部材13の装着に関係する部材のみを示している。
【0042】
前述した通り、引き出し部材13は、引き出し部材13に設けられた被ガイド部13(13a,13b,13c,13d)(図4)が、本体100aに設けられたガイド部材14R,14L(図2(a)(b))に沿うように、矢印D1方向に押し込まれる。また、矢印D2方向に引き出される。引き出し部材13を本体100aに押し込む動作に応じて、力受け部42aが、ガイド64に設けられた力付与部である斜面64aに接触する(図9参照)。引き出し部材13が本体100a内に進入する移動動作に応じて、シャッタ42は、斜面64aから力を受けて、バネ49(図6(c)参照)の弾性力に抗して、矢印E1方向(図9(a))に回転する。シャッタ42は、力受け部42aが、ガイド64に設けられた平面部64bに至るまで回転する。そして、引き出し部材13が内側位置Iに位置した状態では、各力受け部42aが平面部64bに支持された状態となる。これによって、引き出し部材13が内側位置Iに位置した状態では、シャッタ42は、退避位置Q2(図11)に位置する。シャッタ29についても、同様である。シャッタ29は、引き出し部材13を本体100aに押し込む動作に応じて、感光体ドラム1の表面を保護する保護位置P1(図3(b))から感光体ドラム1のうち現像ローラ40との接触面となる部分を露出させる退避位置P2(図11)まで回転する。つまり、引き出し部材13を本体100aに押し込む動作に応じて、力受け部29aが、シャッタガイド25の端面25aに接触して、シャッタ29は、端面25aから力を受ける。そして、シャッタ29は、矢印E2方向(図9(a))に回転する。シャッタ29は、力受け部29aが、シャッタガイド25に設けられた平面部25bに至るまで回転する。そして、引き出し部材13が内側位置Iに位置した状態では、各力受け部29aが平面部25bに支持された状態となる。これによって、引き出し部材13が内側位置Iに位置した状態では、シャッタ29は、退避位置P2(図11)に位置する。
【0043】
ここで、図9(b)は、引き出し部材13を本体100a内に押し込む途中の状態を示したものである。このとき、4個のカートリッジ4のうちカートリッジ4yのシャッタ42は現像ローラ40の表面を露出させる退避位置Q2にある。そして、カートリッジ4mのシャッタ42は、現像ローラ40の表面を覆う保護位置Q1から露出させる退避位置Q2に移動している途中の位置にある。また、カートリッジ4c,4kのシャッタ42は保護位置Q1にある。尚、シャッタ29についても、同様である。引き出し部材13を本体100の内部に完全に装着した状態においては、カートリッジ4の各シャッタ42は、いずれも退避位置Q2にある。また、各シャッタ29についても、いずれも感光体ドラム1のうち現像ローラ40との接触面となる部分を露出させる退避位置P2にある(図11参照)。従って、画像形成装置100は、シャッタ29,42が設けられているにもかかわらず、シート材Sに画像を形成することができる。ここで、シャッタガイド64は、内側面100b1に、引き出し部材13の移動方向に沿って固設されている。また、ガイド64には、等間隔に凹部64c,64d,64e,64fが設けられている(図2(a)参照)。更に、シャッタ42には、保護位置Q1に向かってシャッタ42を付勢するバネ(弾性部材)49が設けられている(図6(c)参照)。そのため、引き出し部材13を本体100a内に装着する際に、各力受け部42aが、凹部64c,64d,64e,64fの入口に差し掛かった際に、バネ49の引き込み力によって、力受け部42aが凹部64c乃至64fの内部に部分的に侵入する。しかし、これら凹部64c乃至64fの入口には、両側に傾斜面(不図示)が設けられている。そのため、各力受け部42aが凹部64c乃至64f内に必要以上に入り込み、引き出し部材13の移動を妨げることは無い。つまり、各力受け部42aは、凹部64c乃至64fに差し掛かった際に、各入口に設けられた傾斜面の作用により持ち上げられ、再びシャッタガイド64上を進むことができる。ここで凹部64c乃至64fは、後述する押圧部材65,66に押圧されてカートリッジ4が下方に移動する際に、力受け部42aがその移動を妨げないように設けたものである。
【0044】
引き出し部材13はその移動に応じて、シャッタ42が斜面64aから力を受ける際に
、バネ49の付勢力によって、装着方向(矢印D1)と反対方向に反力を受ける。しかし、各カートリッジ4の力受け部42aが斜面64aに接触して反力を受けるタイミングはずれている。そのため、引き出し部材13の押し込み力(装着力)が著しく重くなることが無い。従って、ユーザは、軽い力で引き出し部材13の移動を行うことができる。尚、本実施例においては、引き出し部材13はその移動に応じて、シャッタ29が端面25aから力を受ける際に、バネ29b(図3(b)(c))の付勢力によって、反力を受ける。しかしながら,本実施例においては、このタイミングがそれぞれのカートリッジ4毎にずれているために、引き出し部材13の押し込み力が著しく重くなることが無い。つまり斜面64a、端面25aと接触した場合には反力を受けるが、一度、シャッタ42、29が退避位置Q2、P2に移動してしまえば、装着方向と反対方向の力はほぼ発生しないので、引き出し部材13の押し込み力に影響することは無い。また、各カートリッジ4(現像ローラ40)は、引き出し部材13を本体100aに装着する過程においては、それぞれドラム1から離間した状態を保っている。即ち、カートリッジ4(現像ローラ40)と感光体ドラム1との間に隙間g(図9(c),図10(b))を構成している。そのため、シャッタ42はドラム1に干渉することなく回転する。同様に、シャッタ29も、カートリッジ4と干渉することなく、回転する。即ち、本実施例によれば、引き出し部材13が外側位置Oに位置している状態では、シャッタ42が保護位置に位置することができるように、感光体ドラム1と現像ローラ40との間に隙間gを構成している。これは、引き出し部材13が外側位置Oに位置している状態では、支持部(離間部材)31,32によって、カートリッジ4の長手方向の両端を持ち上げているからである。これによって、ドラム1と現像ローラ40との間に隙間gを構成している。また、本実施例によれば、隙間gは、シャッタ42に加えて、シャッタ29も位置することができる大きさである。これによって、本実施例によれば、隙間gには、シャッタ29も位置することができる。また、引き出し部材13にカートリッジ4を装着する際に加えて、引き出し部材13を本体100aに押し込む際にも、現像ローラ40が感光体ドラム1に接触しない。そのため、装着動作に伴う振動等で現像ローラ40及び感光体ドラム1の表面が傷ついてしまうことを抑制できる。
【0045】
<現像カートリッジの位置決め構成>
カートリッジ4を本体100aに対して位置決めする構成について、図11を用いて説明する。図11はカートリッジ4の位置決めが完了した状態を示す断面図である。尚、図11において、本体側の各種部材のうちカートリッジ4の位置決めに関係する部材のみを示している。カートリッジ4は、ドア10を閉める動作に連動して、現像ローラ40が感光体ドラム1と離間した位置(図10(b))から、現像ローラ40がドラム1と接触した位置(図1(a)及び図11)まで移動する。これにより、画像形成が可能な状態になる。尚、この際に、ドラム1はベルト11と接触する。
【0046】
かかる連動メカニズムについて以下に説明する。本体100aには、上記の通り、押圧部材(当接機構)65,66が設けられている。押圧部材65,66は、ドア(開閉部材)10を閉める動作に伴って下方に移動して、カートリッジ4の上面4rを弾性的に押圧する。これによって、カートリッジ4を本体100内で位置決めする。押圧部材65,66は連結手段によって、ドア10の開閉動作と連動する(詳細は後述する)。ドア10が開いた状態(図2(a)(b))では、押圧部材65,66は引き出し部材13の移動を妨げない位置に退避している。従って、引き出し部材13の装着作業には何ら支障はない。そして、引き出し部材13が内側位置Iに位置し、ドア10を閉める。これによって、押圧部材65,66は、バネ32,33の弾性力に抗して、カートリッジ4を下方に向かって移動させる。
【0047】
図12を用いて、押圧部材65,66とドア10との連結手段に関して説明する。図12(a)はドア10が開いた状態、図12(b)はドア10が閉じた状態を示している。
尚、ドア10と押圧部材65、及びそれらの連結手段等以外の構成は省略している。
【0048】
図12(a)に示すように、ドア10の回転軸J1の両端部には欠け歯ギア101(他端側は不図示)が設けられている。ギア101はドア10と連動して回転する。ギア101は、中間ギア103、及び伝達ギア104を介して、レールユニット106へ駆動を伝達する。ユニット106の一端部には、ギア104と係合する為のラック部106fが設けられている。従って、ドア10の開閉動作に応じて、ギア103、104が各矢印方向に回転して、ユニット106を矢印S1,S2方向に移動させることができる。ユニット106には、押圧部材65,66を押圧する付勢部材107と、付勢部材107の先端に取り付けられた付勢片108が設けられている。付勢部材107と付勢片108は共に凹部106a内に収納され、鉛直方向に移動可能な構成となっている。凹部106aの引き出し部材13の挿入方向下流側には、押圧部材65,66を押圧位置(図12(b))から非押圧位置(図12(a))に移動させる為の力付与部106bが設けられている。なお、押圧部材65,66のメカニズムは同一のため、押圧部材65のメカニズムについてのみ説明する。
【0049】
先ず、図12(a)の状態からドア10を閉める動作を行う。ギア101は、ギア103,104を介して、ユニット106を矢印S1方向に移動させる。非押圧位置(図12(a))にあった押圧部材65は、付勢片108に設けられたテーパ面108aに、その一端部65bが当接し、回転軸J2を中心に矢印方向に回転する。押圧部材65の他端に設けられた押圧子65aは、その回転動作により、カートリッジ4の上面4rを弾性的に押圧し、カートリッジ4が本体100内で位置決めされる。付勢部材107と付勢片108は凹部106a内で圧縮された状態となり、付勢部材107の圧縮量に応じた付勢力でカートリッジを押圧する。この時、付勢部材107の付勢力を、引き出し部材に設けられたバネ33,34の付勢力よりも高く設定することで、所定の押圧力を発生させることができる。所定の画像形成が終了し、ドア10を開けると、ギア101は、ギア103,ギア104が先ほどとは逆方向に回転する。ユニット106は矢印S2方向に移動する。そして、押圧部材の一端部65bがユニット106に設けられたテーパ面である力付与部106bに当接し、回転軸J2を中心として図12(a)に示す非押圧位置に回転する。一端部65bはユニット106に設けられた凹部106c内に収容される。付勢部材107と付勢片108は元の位置に戻る。押圧部材65,66の押圧が解除されたカートリッジ4(現像ローラ40)は、バネ33,34の付勢力により、再び感光体ドラム1と離間する。前述した通り、カートリッジ4の長手方向両端部には、突起48a,48bが設けられている(図6(a)(b))。そして、押圧部材65,66は、カートリッジ4の短手方向において、突起48a,48bと対応するカートリッジ4の上面4rを下方に向かって押圧する(図10)。この押圧力(弾性力)によって、突起48a,48bは支持部31,32(図6及び図7参照)をバネ(弾性部材)33,34の弾性力に抗して下方に押し下げる。これにより、カートリッジ4の端部に設けられた被ガイド部46,47(図7(a)(b))がガイド部13i,13jに沿って下方に移動する。そして、被ガイド部46,47は、最終的に位置決め部13i1,13j1に接触して止まる。この状態で、現像ローラ40は感光体ドラム1に接触する。そして、画像形成が可能な状態となる(図1(a))。つまり、押圧部材(当接機構)65,66は、支持部(離間機構)31,32による現像ローラ40の表面と感光体ドラム1の表面の離間状態を解除する。そして、押圧部材65,66は、両者の表面を接触させる。尚、カートリッジ4の短手方向とは、カートリッジ4の前記長手方向と直交する方向(現像ローラ40と直交する方向)である。
【0050】
なお、図2(a)及び図9(a)に示すように、ガイド64には、等間隔に凹部64c乃至64fが設けられている。また、開口部13gの一部には逃げ部13g1が設けられている。凹部64c乃至64f及び逃げ部13g1は、押圧部材65,66に押圧されて
カートリッジ4が下方に移動する際に、力受け部42aがその移動を妨げないように設けたものである。つまり、押圧部材65,66によってカートリッジ4が下方に押圧される際には、力受け部42aは凹部64c,64d,64e,64f及び逃げ部13g1を移動する。従って、カートリッジ4の移動が妨げられることはない。さらに、シャッタ42が露出位置から大きくずれることもない。
【0051】
以上のように、ドア10を閉じると、画像形成が可能な状態となり、上述の画像形成プロセスによる画像形成動作が可能となる。尚、転写ベルト11は、引き出し部材13の移動時に感光体ドラム1と摺擦しないように、離間手段(不図示)により退避している。そして、ドア10が閉じられると離間状態が解除され、感光体ドラム1は転写ベルト11と接触する。
【0052】
<現像カートリッジの取り外し作業>
次に、カートリッジ4の交換について説明する。カートリッジ4の交換は、例えば、トナーが消費されて無くなった際に行われる。カートリッジ4を本体100aから取り外す場合には、まず、ドア10を開く。これにより、押圧部材65,66による突起48a,48bへの押圧が解除される。これにより、カートリッジ4は、バネ33,34の弾性力によって、上方に移動する(図10に示す状態)。そして、ユーザが引き出し部材13を本体100aから矢印D2方向(図1(b))に引き出す。引き出し部材13を引き出す過程において、力受け部42aがシャッタガイド64の端部64aを通り過ぎると、シャッタ42はバネ49の弾性力(付勢力)によって保護位置Q1に戻る。シャッタ29についても同様である。即ち、力受け部29aがシャッタガイド25の端部25aを通り過ぎると、シャッタ29はバネ(弾性部材)29bの弾性力(付勢力)によって保護位置P1に戻る。
【0053】
このように、引き出し部材13を引き出した状態にすれば、全てのシャッタ42,29は保護位置(元の位置)に戻る。これにより、引き出し部材13が外側位置Oに位置した状態では、現像ローラ40及び感光体ドラム1は保護された状態になる。この状態で、ユーザがカートリッジ4を上方向に持ち上げることで、引き出し部材13からカートリッジ4を取り外すことができる。尚、この際に、支持部31,32によって、現像ローラ40と感光体ドラム1とは隙間gで持って離れている。これは前述した通りである。
【0054】
<本実施例に係る画像形成装置の優れた点>
以上のように、本実施例に係る画像形成装置100によれば、引き出し部材13によって、複数のカートリッジ4をまとめて本体100a内に装着することができ、かつ、装置本体外部に引き出すことができる。そして、カートリッジ4には、現像ローラ40の表面を覆う保護位置Q1と、現像ローラ40の表面を露出させる退避位置Q2との間を移動可能に構成されたシャッタ42が設けられている。シャッタ42は、カートリッジ4が単体の状態、及び、引き出し部材13が本体100aの外部に引き出された外側位置Oに位置する状態では、保護位置Q1にある。従って、カートリッジ4を引き出し部材13に対して着脱する作業時において、ユーザが現像ローラ40の表面に不用意に触れたりしない。よって、カートリッジ4の交換時の作業性が向上する。また、カートリッジ4の交換作業時等において、現像ローラ40の表面が傷つくことを抑制できる。また、シャッタ42は、引き出し部材13にカートリッジ4が装着された状態で、引き出し部材13の移動動作に連動するように構成されている。即ち、引き出し部材13が外側位置Oから内側位置Iに移動する際に、シャッタ42はこの移動に連動して、保護位置Q1から退避位置Q2に移動する。反対に、引き出し部材13が内側位置Iから外側位置Oに移動すると、シャッタ42は、この移動に連動して、退避位置Q2から保護位置Q1に移動する。このように、ユーザの引き出し部材13の移動操作によって、シャッタ42の開閉動作を自動的に行うことができる。従って、ユーザが、別途、シャッタ42の開閉作業をする必要もない。
また、本実施例においては、4個のカートリッジ4にそれぞれ備えられているシャッタ42の移動タイミングをそれぞれ異ならせている。即ち、引き出し部材13が外側位置Oから内側位置Iに移動する過程において、カートリッジ4y,カートリッジ4m,カートリッジ4c,及び、カートリッジ4kの順番にシャッタ42を移動させる。従って、引き出し部材13を押し込む力に加えて、シャッタ42を移動させるための力が必要になるものの、引き出し部材13の装着作業性を低下させることはない。これは、4個のシャッタ42の移動タイミングが異なっているからである。また、本実施例においては、カートリッジ4が引き出し部材13に装着された(支持された)状態で、ドラム1と現像ローラ40を接触させ、または離間させる支持部(接離機構)が設けられている。即ち、引き出し部材13が外側位置Oに引き出された状態では、ドラム1と現像ローラ40は離間している。また、本実施例によれば、引き出し部材13が内側位置Iに位置した状態であっても、ドア10が開いた状態では、ドラム1と現像ローラ40は離間している。そして、引き出し部材13が本体内部に装着され、かつドア10が閉じられると、ドラム1と現像ローラ40は接触する。従って、現像カートリッジ4の着脱作業時等において、ドラム1の表面や現像ローラ40の表面が傷ついてしまうことを抑制できる。またシャッタ29,42が、退避位置P2,Q2から保護位置P1,Q1に移動できるように両者の間に隙間gを構成することができる。即ち、シャッタ29,42が,退避位置P2,Q2に位置することができる。また、本実施例においては、保護位置P1と、退避位置P2との間を移動可能に構成されたシャッタ29を設けている。シャッタ29は、引き出し部材13が本体100aから引き出された状態では、保護位置P1にある。シャッタ29が覆う位置は、ドラム1の中心Oを通る水平面Lよりも上側に位置する部分であり、ドラム1の周面のうち現像ローラ40との接触面となる部分である(図3(a))。また、本実施例では、カートリッジ4は、引き出し部材13に装着された状態(支持された状態)では、離間位置に位置している。ここで、前記離間位置とは、ドラム1とカートリッジ4が離れている位置である(図1(b)(c),図9(b)(c),図10)。即ち、感光体ドラム1と現像ローラ40とが離れている位置である。更に、カートリッジ4は、引き出し部材13に対して、鉛直方向上方から下方に装着する。従って、前述した通り、カートリッジ4が引き出し部材13に対して、前記離間位置に装着されることと相まって、カートリッジ4の装着作業時等において、ドラム1の表面が傷つくことを抑制できる。また、本実施例によれば、装着作業の過程で、異物がドラム1の表面に向かって落下したとしても、シャッタ29により阻止できる。尚、本実施例によれば、水平面Lよりも上側を覆うので、落下物の影響を受けにくい。
【0055】
シャッタ29の作用は、仮に現像ローラ40の表面を覆うシャッタ42が無い場合にも適用できることは言うまでも無い。尚、シャッタ29が覆っているドラム1の領域であるが、ドラム1の中心線(軸線)Oを通る水平面Lよりも上側に位置する部分を全部覆う必要は無く、部分的にも覆ってあれば前述した目的は達成できる。前述した通り、装置100によれば、カートリッジ4の交換作業を極めて簡単に行うことができる。しかも、交換作業時に現像ローラ40が傷ついてしまうことを抑制できる。
【0056】
<その他>
実施例1においては、引き出し部材13に、ドラム1、及び、帯電部材2が回転可能に据え付けられており、かつ、クリーニング部材6が据え付けられている。即ち、これらが、ユーザ自身では、取り外すことができないように引き出し部材13に取り付けられている。しかしながら、これらの部材(部品)等がカートリッジ化された装置(即ちユーザが交換可能な方式)に対しても、本発明を適用することが可能である。また、実施例1においては、ドラム1の表面を保護するためのシャッタ29を備える場合の構成を示した。しかしながら、本発明は、シャッタ29を備えていない装置に対しても適用し得る。或はシャッタ29のみ備え、シャッタ42を備えていない装置にも適用できる。
【0057】
(実施例2)
図13〜図16(b)を用いて、本発明を適用した実施例2について説明する。実施例1では、シャッタ42が、引き出し部材13の移動に連動する構成を示した。本実施例は、現像ローラを保護するためのシャッタの開閉が、引き出し部材にカートリッジを着脱する動作に連動する構成である。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については適宜同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0058】
図13は実施例2に係る現像カートリッジの斜視図である。図14(a)は実施例2に係る引き出し部材の斜視図である。図14(b)は前記引き出し部材に現像カートリッジを装着する状態を示す斜視図である。尚、図14(b)において、本体については簡略的に示している。図15は前記引き出し部材に現像カートリッジを装着する際のメカニズムを示す図である。図16(a)は現像カートリッジの位置決めが完了した状態を示す側面図である。図16(b)は現像カートリッジの位置決めが完了した状態を示す断面図である。尚、図16(a)(b)においては、本体側の各種部材のうち現像カートリッジの位置決めに関係する部材のみを示している。
【0059】
本実施例が、実施例1と異なる点は、現像カートリッジ50を引き出し部材51に対して着脱する動作によって、現像ローラ40の表面を保護するためのシャッタ52が連動する点である。
【0060】
図13に示すように、現像ローラ40の表面を保護するためのシャッタ52は、現像ローラ40の長手領域ほぼ全面を覆うように、長手方向に伸びた形状である。シャッタ52は、実施例1の場合と同様に、一定の範囲内で回転可能に軸支されており、現像ローラ40の表面を覆う保護位置R1(図15(a))と、現像ローラ40の表面を露出させる退避位置R2(図15(d))との間を移動可能に構成されている。そして、シャッタ52はバネ(弾性部材)53の弾性力によって保護位置方向へ付勢されており、外力が作用しない限り、シャッタ52は保護位置R1に維持されている。また、シャッタ52の長手方向一端部(現像ローラ40の長手方向一端部)には、力受け部52aが、長手方向外方に突出している。力受け部52aは、引き出し部材51に設けられた斜面(力付与部)51b,51cから力を受けて、バネ53の弾性力に抗して、シャッタ52を退避位置R2に移動させる。
【0061】
図14(a)に示すように、引き出し部材51の側方には、力受け部52aが挿入される開口部51aが設けられている。開口部51aには、斜面(力付与部)51b,51cが設けられている。そして、斜面51bの下側には直線的に延出する直線部51dが設けられている。また、斜面51cの下側にも直線的に延出する直線部51eが設けられている。本実施例に係るカートリッジ50(50y,50m,50c,50k)は、引き出し部材51に設けられた各装着部51hにそれぞれ装着される。本実施例の場合においても、引き出し部材51が本体100aから引き出された外側位置Oに位置している状態で、カートリッジ50は、ユーザによって装着される。すなわち、カートリッジ50は、実質的に鉛直方向において上方から下方に向かって(図14(b)における矢印C方向、重力方向)、引き出し部材51に対して装着される。また、カートリッジ50は、それとは反対方向に、引き出し部材51から取り外される。
【0062】
次に、図15を用いて、引き出し部材51にカートリッジ50を装着する際のメカニズムを説明する。ユーザが、引き出し部材51に対して、矢印C方向にカートリッジ50を装着する。この際に、まず、力受け部52aが斜面51bに突き当たる。更に、カートリッジ50を矢印C方向に移動させることで、シャッタ52は斜面51bから力を受けて矢印F1方向に移動を開始する(図15(a)参照)。カートリッジ50を、更に下方向に移動させると、力受け部52aが斜面51bを通り過ぎて直線部51dに達する。シャッ
タ52は、バネ(弾性部材)53による弾性力(付勢力)によって、力受け部52aが直線部51dの側面を摺接しながら下方に移動する(図15(b)参照)。その後、力受け部52aは、斜面51cに接触し、シャッタ52は更に矢印F1方向に移動する(図15(c)参照)。
【0063】
最終的に、突起48aが引き出し部材51に設けられた支持部31に突き当たるまで、カートリッジ50を移動させる(図15(d)参照)。尚、力受け部52aが直線部51eを移動している間も、シャッタ52は更に退避位置R2方向へ回転する。そして、シャッタ52は、図15(d)に示す位置で停止する。この位置がシャッタ52の退避位置R2である。この時、力受け部52aは、バネ53による弾性力によって斜面51cに接触している。このようにして、シャッタ52は、退避位置R2まで移動し、その状態で維持される。尚、実施例1と同様に、各現像ローラ40は、シャッタ52の動作時にはドラム1から離間した状態を保っている。従ってシャッタ52はドラム1に干渉することなく移動(回転)する。同様に、シャッタ29に関しても、カートリッジ4と干渉することなく、移動(回転)する。尚、ドラム1と現像ローラ40とを離間、及び、接触させる構成は、実施例1と同じである。本実施例において、支持部31,32を設けたことで、斜面51b,斜面51c、及び、直線部51d等を設ける際に、これらをより一層、ドラム1の近傍側に配置できる。その為、引き出し部材51の高さを小さくすることができる。そこで、仮に、支持部31,32を設けなかった場合には、シャッタ52を回転させる際に、ドラム1の表面から遠い所で回転させる必要がある。これは、シャッタ52がドラム1と干渉することを避ける為である。支持部31,32を設けなかった場合には、シャッタ52に接触してシャッタ52を回転させる部位(本実施例では斜面51b、斜面51c、直線部51d)をドラム1から遠い所に配置する必要がある。このような場合には、引き出し部材51を大型化する必要がある。しかしながら本実施例によれば、支持部31,32を設けたから、引き出し部材51を格別大型化する必要がない。また、本実施例によれば、引き出し部材51の装着動作中に、現像ローラ40がドラム1と接触しない。そのため、装着動作に伴う振動等で現像ローラ40及びドラム1の表面が傷付くことを抑制できる。また、全てのカートリッジ50が引き出し部材51に装着された状態で、引き出し部材51は本体100a内に装着される。また、引き出し部材51が本体100a内に装着される過程で、シャッタ29は、保護する保護位置P1から退避位置P2に移動する。この構成は、実施例1と同じである。
【0064】
そして、ドア10が閉じる動作に連動して、押圧部材65,66は下方に移動し、カートリッジ50の上面を押圧する。これによって、カートリッジ50が下方に移動する。この時、現像ローラ40はドラム1と離間した位置から、ドラム1と接触する位置まで移動する。
【0065】
図16(a)(b)は、現像ローラ40が感光体ドラム1に接触したときの状態を示している。このとき、力受け部52aは、それぞれ直線部51c内に位置している、また、このとき、シャッタ52は退避位置にある。図16(b)は、引き出しユニットU2及びカートリッジ50の断面図を示したものである。この図では、ドラム1と現像ローラ40とが接触し、画像形成が可能な状態である。即ち、ドラム1とベルト11とが接触した状態である。
【0066】
以上のような構成により、本実施例においても、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、本実施例においては、シャッタ52は、引き出し部材51に対するカートリッジ50の着脱動作に連動するように構成されている。すなわち、カートリッジ50を引き出し部材51に装着する過程で、シャッタ52はこの装着動作と連動して、保護位置R1から退避位置R2に移動する。反対に、カートリッジ50を引き出し部材51から取り外す過程で、シャッタ52はこの取り外す動作に連動して、退避位置R2から保護位置R
1に移動する。尚、カートリッジ50を引き出し部材51から取り外すと、元の位置(保護位置R1)に戻る。これは、シャッタ52はバネ(弾性部材)53の弾性力によって保護位置R1方向に付勢されているからである。このように、本実施例によれば、カートリッジ50引き出し部材51に対する着脱操作により、シャッタ52の開閉動作が自動的に行われる。従って、ユーザが、別途、シャッタ52の開閉作業をする必要もない。このように、本実施例においても、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。また、本実施例では、引き出し部材51を移動操作する際に、シャッタ52を移動させるための力が不要である。そのため、本実施例においては、引き出し部材51を移動操作する際に必要な力を実施例1の場合と比較して軽減させることができる。尚、カートリッジ50が引き出し部材51に装着された状態で、現像ローラ40は感光体ドラム1と離間した状態である。また、引き出し部材51を内側位置Iに位置させた状態でドア10を閉じる動作に連動させて、両者を接触させる。これらの接離機構が設けられていることについては、実施例1の場合と同様である。従って、この接離機構に関する作用効果については、実施例1と同様である。
【0067】
(実施例3)
図17、図18を用いて、本発明を適用した実施例3について説明する。実施例1では、感光体ドラム,帯電部材、及びクリーニング部材等が引き出し部材に据え付けられている(固定されている)構成を示した。本実施例においては、これらが本体100a側に設けられており、引き出し部材には現像カートリッジのみが装着される構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については適宜同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0068】
図17(a)は、実施例3に係る画像形成装置において、引き出し部材を引き出した状態を示す断面図である。図17(b)は、実施例3に係る画像形成装置において、本体内に引き出し部材を装着させ、かつドアを開いた状態を示す断面図である。図18は、実施例3に係る画像形成装置の断面図である。
【0069】
本実施例が、上記実施例1と異なる点は、感光体ドラム81,帯電部材(帯電ローラ)82、及びクリーニング部材(クリーニングブレード)83が、本体100a内に設けられている点である。従って、引き出し部材80には、現像カートリッジ84(84y,84m,84c,84k)のみが装着される。
【0070】
本実施例においても、引き出し部材80が外側位置Oに位置する状態で、カートリッジ84は引き出し部材80に装着される。この時、カートリッジ84に設けられたシャッタ85は、実施例1の場合と同様に、保護位置Q1にある(図17(a))。カートリッジ84を引き出し部材80に装着させた状態で、引き出し部材80を本体100a内に押し込む(図17(a)における矢印D1方向)。引き出し部材80を押し込み方向に移動させると、シャッタ85が、引き出し部材80の移動動作に連動する。すなわち、本体100aに、現像ローラシャッタガイド87が設けられており、引き出し部材80の移動に伴って、シャッタ85は保護位置Q1(図17(a))から、退避位置Q2(図17(b)に示す位置)に移動する。この構成は実施例1の構成と同じである。シャッタ85はシャッタ42に相当し、シャッタガイド87はシャッタガイド64に相当する。本実施例では、ドラム81,帯電部材82及びクリーニング部材83は、引き出し部材80及び引き出し部材80に装着されたカートリッジ84の通過領域よりも下方に設けられている(図17(a)(b))。そのため、これらの部材が、引き出し部材80の移動の妨げにはならない。そして、引き出し部材80を本体100a内に装着した後に、ドア10を閉じると、連結手段(不図示)により、引き出し部材80は下方に移動する(引き出し部材80は、図17(b)に示す位置から下降する)。これにより、カートリッジ84に設けられた現像ローラ86がドラム81に接触し、画像形成動作が可能な状態となる(図18参照)
。尚、ドラム81はベルト11と接触した状態となる。そして、カートリッジ84には、保護位置Q1と、退避位置Q2との間を移動可能に構成されたシャッタ85が設けられている。シャッタ85は、カートリッジ84が単体の状態、及び、本体100aの外部に引き出された引き出し部材80にカートリッジ84を装着しただけの状態では、保護位置Q1にある。従って、カートリッジ84を引き出し部材80に対して着脱する操作時において、ユーザが現像ローラ86の表面に不用意に接触することを抑制できる。また、カートリッジ84の交換操作時等において、現像ローラ86の表面が傷ついてしまうことを抑制できる。また、本実施例においても、シャッタ85の開閉は、引き出し部材80にカートリッジ84が装着された状態で、引き出し部材80の移動動作に連動するように構成されている。これは、実施例1の場合と同様である。従って、引き出し部材80の移動操作によって、シャッタ85の開閉動作を自動的に行うことができる。よって、ユーザが、別途、シャッタ85の開閉作業をする必要がない。また、本実施例においては、引き出し部材80が本体100aの外部に引き出された状態、及び、引き出し部材80が本体100a内部に装着された状態であって且つドア10が開いている状態では、感光体ドラム81と現像ローラ86は離間している。そして、引き出し部材80が本体100a内部に装着され、且つドア10が閉じられると、ドラム81と現像ローラ86は接触する。従って、カートリッジ84を引き出し部材80に対して着脱する際に、ドラム81の表面や現像ローラ86の表面が傷付くことを抑制できる。なお、本実施例においては、実施例1の場合と同様に、引き出し部材80の移動に連動してシャッタ85が移動する場合の構成を示した。しかしながら、感光体ドラム81が本体100a側に設けられた構成において、実施例2に示したように、現像ローラの表面を保護するためのシャッタの開閉が、カートリッジを引き出し部材に着脱する動作に連動する構成を採用することもできる。
【0071】
(実施例4)
図19(a)(b)及び図20(a)(b)(c)を用いて、本発明を適用した実施例4について説明する。実施例1では、ドラムシャッタの開閉が、引き出し部材の移動に連動する構成について説明した。本実施例においては、ドラムシャッタの開閉が、現像カートリッジを引き出し部材に着脱する動作に連動する構成について説明する。
【0072】
本実施例の現像カートリッジ94を図19(a)に示す。本実施例が実施例1と異なる点は、カートリッジ94の一端に、ドラムシャッタ96を開放するための力を本体100aから受ける突起(力付与部)97を有する点である。
【0073】
突起97は、カートリッジ94を引き出し部材51に装着する装着方向(鉛直方向において上方から下方に向かう方向、図19(b)の矢印C方向)下流側に向かって突出している。突起97は、カートリッジ94の長手方向(現像ローラの長手方向)一端であって、前記長手方向において、シャッタ52の更に外側に配置されている。突起97はサイドカバー94s1に固定されている。
【0074】
図19(b)は、カートリッジ94を引き出し部材51に装着する前の状態を示した図である。本実施例ではシャッタ96の長手方向端部で、装着されるカートリッジ94の有する突起97に対応した位置に、係合部(力受け部)96aが設けられている。係合部96aはシャッタ96と一体に設けられている。従って、シャッタ96と係合部96aは連動する。つまり係合部96aをドラム1の回りに回転させると、シャッタ96も回転する。尚、両者が連動する構成であるならば、係合部96aはシャッタ96と別体でも良い。
【0075】
図20を用いて、カートリッジ94の装着動作に伴い、シャッタ96が連動する状態を説明する。図19に示す状態では、ドラム1の表面の内、少なくともドラム1の中心(軸線)を通る水平面Lよりも上側に位置する部分は覆われている(図19(b))。従って、カートリッジ94の着脱作業時等において、ドラム1の上側に何らかの部材や落下物が
衝突することを防止できる。よって、ドラム1の表面が傷付くことを防ぐことができる。また、ユーザが不用意に感光体ドラム1の表面に触れることを防ぐことができる。
【0076】
図19(b)に示す状態から更にカートリッジ94を降下していくと、突起97が係合部96aに接触し始める(図20(a))。更に、カートリッジ94が降下していくと、係合部96aが移動(回転)するのに連動して、シャッタ96は保護位置P1から退避位置P2方向へ移動(回転)を始める。これによって、感光体ドラム1の一部分が露出して、現像ローラ40の表面と接触できる状態となる(図20(b))。つまり、本実施例によれば、カートリッジ94を装着していない時に、不用意にシャッタ96が移動してしまうことが無い。従って、感光体ドラム1の表面を保護することができる。その後、引き出
し部材51を本体100a内に押し込む。そして、ドア10を閉める。ドア10を閉める動作に連動して、押圧部材65,66がカートリッジ94の上面を下方に押圧する。これによって、バネ33,34によって支持されていたカートリッジ94が降下する(下方に移動する)。これによって、現像ローラ40がドラム1から離間した位置から、ドラム1に接触する位置まで移動する(図20(c))。尚、現像ローラ40をドラム1と離間する構成,及び、両者を接触させる構成は、実施例1と同様である。
【0077】
本実施例では、現像ローラ4の表面にシャッタ52を設けた構成である。シャッタ52の開閉は、例えば、実施例2と同様であっても良い。即ち、カートリッジ94を引き出し部材51に装着する動作に連動して、シャッタ52が保護位置Q1から退避位置Q2に移動するようにしても良い。また、実施例1に示したように、シャッタ52の移動を、引き出し部材51が外側位置Oから内側位置Iに移動する動作に連動させても良い。或は、感光体ドラム1の上側表面を保護する目的のみであればシャッタ52を省略しても良い。
【0078】
本実施例によれば、前述した各実施例と同様の前述した効果を得ることができる。また、本実施例によれば、実施例1と同様に、ドラム1と現像ローラ40とを接触させ、または、離間させる接離機構(当接機構、及び離間機構)を設けている。従って、カートリッジ94の着脱操作時等において、ドラム1の表面や現像ローラ40の表面が傷ついてしまうことを抑制できる。またシャッタ52及びドラムシャッタ96が、各々の表面を覆う位置から露出させる位置に移動できるように両者の間に隙間gを構成することができる。
【符号の説明】
【0079】
1,81 電子写真感光体ドラム(感光体ドラム、ドラム)、4,50,84,94 現像カートリッジ、10 ドア(開閉部材)、13,51,80 引き出し部材(カートリッジ支持部材)、25,64 シャッタガイド、29,96 ドラムシャッタ、40 現像ローラ、42,52,85 シャッタ、97 突起、100 電子写真画像形成装置(画像形成装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像ローラと、前記現像ローラが前記静電潜像の現像に用いる現像剤を収容する現像剤収容部と、を有して、前記電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着される現像カートリッジと、
前記電子写真感光体ドラムと前記現像カートリッジとを前記装置本体に装着するために、前記装置本体の内側に位置する内側位置と、前記現像カートリッジを前記装置本体から引き出すために、前記装置本体の外側に位置する外側位置との間を、前記電子写真感光体ドラムを据え付けた状態で、かつ前記現像カートリッジを取り外し可能に支持した状態で移動するカートリッジ支持部材と、
前記カートリッジ支持部材に設けられた、前記電子写真感光体ドラムの周面の一部分を覆う保護位置と、前記保護位置から退避して前記電子写真感光体ドラムの周面の一部分を露出させる退避位置との間を移動するドラムシャッタと、
前記カートリッジ支持部材に設けられた力受け部であって、前記ドラムシャッタを前記保護位置から前記退避位置に移動させるための力を受ける力受け部と、
前記現像カートリッジに設けられた力付与部と、
を有し、
前記カートリッジ支持部材が前記外側位置に位置した状態で、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジを支持させるために、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジを進入させる際に、前記力受け部が前記力付与部と接触して、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジが進入するのに連動して、前記力付与部と接触した前記力受け部が前記力付与部から前記力を受けて、前記ドラムシャッタを前記保護位置から前記退避位置に移動させることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項2】
更に、前記カートリッジ支持部材には、前記電子写真感光体ドラムに帯電を行う帯電部材と、前記電子写真感光体ドラムに残留する前記現像剤を除去するクリーニング部材と、が据え付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像ローラと、前記現像ローラが前記静電潜像の現像に用いる現像剤を収容する現像剤収容部と、を有して、前記電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着される現像カートリッジと、
前記電子写真感光体ドラムと前記現像カートリッジとを前記装置本体に装着するために、前記装置本体の内側に位置する内側位置と、前記現像カートリッジを前記装置本体から引き出すために、前記装置本体の外側に位置する外側位置との間を、前記電子写真感光体ドラムを据え付けた状態で、かつ前記現像カートリッジを取り外し可能に支持した状態で移動するカートリッジ支持部材と、
前記カートリッジ支持部材に設けられた、前記電子写真感光体ドラムの周面の一部分を覆う保護位置と、前記保護位置から退避して前記電子写真感光体ドラムの周面の一部分を露出させる退避位置との間を移動するドラムシャッタと、
前記カートリッジ支持部材に設けられた力受け部であって、前記ドラムシャッタを前記保護位置から前記退避位置に移動させるための力を受ける力受け部と、
前記現像カートリッジに設けられた力付与部と、
を有し、
前記カートリッジ支持部材が前記外側位置に位置した状態で、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジを支持させるために、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジを進入させる際に、前記力受け部が前記力付与部と接触して、前記カートリッジ支持部材に前記現像カートリッジが進入するのに連動して、前記力付与部と接触した前記力受け部が前記力付与部から前記力を受けて、前記ドラムシャッタを前記保護位置から前記退避位置に移動させることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項2】
更に、前記カートリッジ支持部材には、前記電子写真感光体ドラムに帯電を行う帯電部材と、前記電子写真感光体ドラムに残留する前記現像剤を除去するクリーニング部材と、が据え付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−63797(P2012−63797A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−286697(P2011−286697)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【分割の表示】特願2010−108666(P2010−108666)の分割
【原出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【分割の表示】特願2010−108666(P2010−108666)の分割
【原出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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