説明

電子機器及びナビゲーション装置

【課題】消費電力を抑えることができる電子機器及びナビゲーション装置において、ユーザの好みを反映できてユーザにとって使い勝手がよいものとする。
【解決手段】ナビゲーション装置1において、ナビゲーション装置1の動作モードを、通常動作モードと、省電力動作モードと、の何れかに設定する設定プログラム173gを実行したCPU171と、省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ユーザにより入力された継続時間に達したか否かを判定する判定プログラム173eを実行したCPU171と、を備え、ユーザにより省電力動作モードに設定するよう指示された場合に、ナビゲーション装置1の動作モードを省電力動作モードに設定し、その後、省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ユーザにより入力された継続時間に達したと判定された場合に、ナビゲーション装置1の動作モードを通常動作モードに設定するよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用して現在位置を測位し、その測位した現在位置を地図情報とともに表示画面上に表示するナビゲーション装置が知られている。
ところで、従来から、ナビゲーション装置の消費電力を抑えるために様々な技術が提案されている。
【0003】
具体的には、例えば、測位した2点間の移動距離と、その間に得られた走行ピッチ数と、から走行ストライドを演算して、当該演算された走行ストライドから移動距離や移動速度を求めることができるナビゲーション装置において、走行ストライドを演算するまでの間のみ連続的に測位動作を実行することによって、連続測位時間を最小限にして、消費電力を抑制するナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、表示手段に表示される現在位置の位置変化に応じて測位手段による現在位置の測位間隔を制御したり、受信手段によるGPS信号の受信対象となるGPS衛星の数を制御したり、受信手段に電力を供給する二次電源の消耗度合いに応じて受信手段によるGPS信号の受信間隔を制御したり、受信手段によるGPS信号の受信終了後に受信手段の電源を直ちに遮断したりすることによって、消費電力を抑制するナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、主電源がONされた後、定期的にハードウエアのチェックや、GPS衛星の選択、現在位置の測位などを実行する間欠受信モードを採用しているナビゲーション装置において、ハードウエアのチェックとGPS衛星の選択を主電源がONされたときにのみ実行することによって、消費電力を抑制するナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−162250号公報
【特許文献2】特開2000−249565号公報
【特許文献3】特開平8−146115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜3では、ユーザが意図しないタイミングやユーザが意図しない期間、受信動作や測位動作を中断していたり、ハードウエアのチェックを行っていたりする場合があるため、ユーザにとって使い勝手が悪い場合がある。
【0007】
本発明の課題は、消費電力を抑えることができる電子機器及びナビゲーション装置において、ユーザの好みを反映できてユーザにとって使い勝手がよいものとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
現在位置を測位する測位手段と、当該測位手段により測位された現在位置を表示部に表示させる表示制御手段と、を備える携帯可能な電子機器において、
当該電子機器の動作モードを、第1動作モードと、当該第1動作モードよりも消費電力の少ない第2動作モードと、の何れかに設定する設定手段と、
ユーザが、前記第2動作モードに設定するよう指示するための指示手段と、
ユーザが、前記第2動作モードに設定された状態を継続させる継続時間を入力するための入力手段と、
前記設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記設定手段は、前記指示手段により前記第2動作モードに設定するよう指示された場合に、前記電子機器の動作モードを前記第2動作モードに設定し、その後、前記判定手段によって、当該設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したと判定された場合に、前記電子機器の動作モードを前記第1動作モードに設定することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の電子機器において、
前記判定手段によって、前記設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したと判定された場合に、その旨を報知する報知手段と、
ユーザが、前記報知手段により報知された場合に、前記第2動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示するための第2指示手段と、を備え、
前記設定手段は、前記判定手段によって、当該設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したと判定されて、前記第2指示手段により前記第2動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示されない場合は、前記電子機器の動作モードを前記第1動作モードに設定するとともに、前記第2指示手段により前記第2動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示された場合は、前記電子機器の動作モードを前記第2動作モードに設定したままにすることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の電子機器において、
前記第1動作モード時は、前記表示部による表示及び前記測位手段による測位を行うように構成され、
前記第2動作モード時は、少なくとも前記表示部による表示及び前記測位手段による測位を行わないように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、
現在位置を測位する測位手段と、当該測位手段により測位された現在位置を表示部に表示させる表示制御手段と、を備える携帯可能なナビゲーション装置において、
当該ナビゲーション装置の動作モードを、前記表示部による表示及び前記測位手段による測位を行う第1動作モードと、少なくとも前記表示部による表示及び前記測位手段による測位を行わない第2動作モードと、の何れかに設定する設定手段と、
ユーザが、前記第2動作モードに設定するよう指示するための第1指示手段と、
ユーザが、前記第2動作モードに設定された状態を継続させる継続時間を入力するための入力手段と、
前記設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したと判定された場合に、その旨を報知する報知手段と、
ユーザが、前記報知手段により前記報知された場合に、前記第2動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示するための第2指示手段と、を備え、
前記設定手段は、前記第1指示手段により前記第2動作モードに設定するよう指示された場合に、前記ナビゲーション装置の動作モードを前記第2動作モードに設定し、その後、前記判定手段によって、当該設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したと判定されて、前記第2指示手段により前記第2動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示されない場合は、前記ナビゲーション装置の動作モードを前記第1動作モードに設定するとともに、前記第2指示手段により前記第2動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示された場合は、前記ナビゲーション装置の動作モードを前記第2動作モードに設定したままにすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、現在位置を測位する測位手段と、当該測位手段により測位された現在位置を表示部に表示させる表示制御手段と、を備える携帯可能な電子機器において、設定手段によって、電子機器の動作モードを、第1動作モードと、当該第1動作モードよりも消費電力の少ない第2動作モードと、の何れかに設定することができ、指示手段(第1指示手段)によって、ユーザが、第2動作モードに設定するよう指示することができ、入力手段によって、ユーザが、第2動作モードに設定された状態を継続させる継続時間を入力することができ、判定手段によって、設定手段により第2動作モードに設定されてからの経過時間が、入力手段により入力された継続時間に達したか否かを判定することができ、そして、設定手段は、指示手段(第1指示手段)により第2動作モードに設定するよう指示された場合に、電子機器の動作モードを第2動作モードに設定し、その後、判定手段によって、当該設定手段により第2動作モードに設定されてからの経過時間が、入力手段により入力された継続時間に達したと判定された場合に、電子機器の動作モードを第1動作モードに設定することができる。
すなわち、ユーザは、消費電力の少ない第2動作モードに設定するタイミングを指示することができるとともに、当該第2動作モードを継続させる継続時間を入力することができるため、ユーザの好みを反映できてユーザにとって使い勝手がよい電子機器となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図を参照して、本発明にかかる電子機器であるナビゲーション装置の最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0014】
<ナビゲーション装置の構成>
ナビゲーション装置1は、例えば、携帯可能な大きさに構成されており、GPSを利用して現在位置を測位し、その測位した現在位置を歩行(走行)案内表示等とともに、表示部12の表示画面上の地図に表示する電子機器である。
【0015】
具体的には、ナビゲーション装置1は、例えば、図1に示すように、GPSアンテナ11と、表示部12と、音声出力部13と、操作部14と、計時部15と、電源部16と、制御部17と、などを備えて構成される。
【0016】
ナビゲーション装置1の動作モードには、例えば、第1動作モードとしての通常動作モードと、この通常動作モードよりも消費電力の少ない第2動作モードとしての省電力動作モードと、がある。
【0017】
具体的には、通常動作モード時は、例えば、電源部16から、GPSアンテナ11と表示部12と音声出力部13と操作部14と計時部15と制御部17となどのナビゲーション装置1を構成する各部位への通電が行われている。すなわち、通常動作モード時は、例えば、GPSアンテナ11によるGPS信号の受信、表示部12による表示(表示制御プログラム173cを実行したCPU171による表示制御)、音声出力部13による音声出力(音声出力制御プログラム173dを実行したCPU171による音声出力制御)、操作部14による操作信号の出力、計時部15による計時、測位プログラム173bを実行したCPU171による測位、設定プログラム173gを実行したCPU171による動作モード設定、などを行うように構成されている。
【0018】
一方、省電力動作モード時は、例えば、電源部16から、ナビゲーション装置1を構成する各部位のうちの操作部14、計時部15及び制御部17への通電が行われている。すなわち、省電力動作モード時は、例えば、操作部14のよる操作信号の出力、計時部15による計時、判定プログラム173eを実行したCPU171による判定、報知制御プログラム173fを実行したCPU171による報知制御、設定プログラム173gを実行したCPU171による動作モード設定、などを行うよう構成されており、GPSアンテナ11によるGPS信号の受信、表示部12による表示(表示制御プログラム173cを実行したCPU171による表示制御)、音声出力部13による音声出力(音声出力制御プログラム173dを実行したCPU171による音声出力制御)、測位プログラム173bを実行したCPU171による測位、などを行わないように構成されている。
【0019】
ここで、省電力動作モード時は、制御部17への通電が行われているのにも関わらず、表示制御プログラム173cを実行したCPU171による表示制御が行われないのは、表示部12への通電が行われていないからであり、音声出力制御プログラム173dを実行したCPU171による音声出力制御が行われないのは、音声出力部13への通電が行われていないからであり、測位プログラム173bを実行したCPU171による測位が行われないのは、GPSアンテナ11への通電が行われていないために当該測位に必要なGPS信号を取得できないからである。
なお、省電力動作モード時は、音声出力部13への通電は行われていないが、報知制御プログラム173fを実行したCPU171による報知制御によって、報知のときのみ、音声出力部13への通電が行われるようになっている。
【0020】
GPSアンテナ11は、例えば、制御部17から入力される制御信号に従って、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して、制御部17に出力する。
【0021】
表示部12は、例えば、液晶表示機器などから構成され、制御部17から入力される制御信号に従って、所与の表示処理を行う。
【0022】
音声出力部13は、例えば、スピーカ機器などから構成され、制御部17から入力される制御信号に従って、所与の音声出力処理を行う。
【0023】
具体的には、音声出力部13は、例えば、報知手段として、判定プログラム173eを実行したCPU171によって、設定プログラム173gを実行したCPU171により省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ユーザによる操作部14の操作により入力された継続時間に達したと判定された場合に、その旨を報知する。
なお、当該報知の際に音声出力部13により出力される音声(音)は、ナビゲーション装置1の動作モードが省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ユーザにより入力された継続時間に達した旨を報知することができるのであれば任意であり、例えば、「省電力動作モードをさらに継続しますか?」などの音声であってもよいし、ブザー音などであってもよい。
【0024】
操作部14は、例えば、文字/数字キーや各種機能キーなどから構成され、ユーザにより操作されると、当該操作に伴う操作信号を制御部17に出力する。
なお、操作部14は、例えば、表示部12の表示画面と一体的に構成されたタッチパネルなどを備える構成であってもよい。
【0025】
具体的には、操作部14は、例えば、第1指示手段(指示手段)として、ユーザが、ナビゲーション装置1の動作モードを省電力動作モードに設定するよう指示する際に操作される。
【0026】
より具体的には、ユーザは、例えば、表示部12に表示される「動作モード選択画面」において、操作部14を操作して、ナビゲーション装置1の動作モードを、通常動作モードに設定させるか、省電力動作モードに設定させるか、を指示できるようになっている。
なお、省電力動作モードに設定するよう指示する方法は、「動作モード選択画面」において指示する方法に限ることはなく、ユーザがナビゲーション装置1の動作モードを省電力動作モードに設定するよう指示することができるのであれば任意であり、例えば、操作部14に「省電力動作モード」キーを備えて、その「省電力動作モード」キーを押下する方法であってもよい。
【0027】
また、操作部14は、例えば、第2指示手段として、ユーザが、音声出力部13により報知された場合に、ナビゲーション装置1の動作モードが省電力動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示する際に操作される。
【0028】
より具体的には、ユーザは、例えば、音声出力部13による報知の間に表示部12に表示される「動作モード選択画面」において、操作部14を操作して、ナビゲーション装置1の動作モードを、通常動作モードに設定させるか、省電力動作モードに設定させるか、を指示できるようになっている。
なお、省電力動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示するための「動作モード選択画面」が表示されるタイミングは、音声出力部13による報知の間に限ることはなく、ユーザが、音声出力部13による報知に応答して、ナビゲーション装置1の動作モードが省電力動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示することができるのであれば任意である。
また、省電力動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示する方法は、「動作モード選択画面」において指示する方法に限ることはなく、ユーザがナビゲーション装置1の動作モードが省電力動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示することができるのであれば任意であり、例えば、操作部14に「省電力動作モード」キーを備えて、その「省電力動作モード」キーを押下する方法であってもよい。
【0029】
また、操作部14は、例えば、入力手段として、ユーザが、ナビゲーション装置1の動作モードが省電力動作モードに設定された状態を継続させる継続時間を入力する際に操作される。
なお、継続時間は、ユーザが、ナビゲーション装置1の動作モードが省電力動作モードに設定された状態を継続させたい時間であれば任意であり、具体的には、例えば、ナビゲーション装置1にて現在位置を確認することなく、長時間(例えば、1〜2時間)連続歩行する予定であれば、ユーザは、その連続歩行する予定の時間を継続時間として入力するとよい。
【0030】
より具体的には、例えば、ユーザによる操作部14の操作によって、ナビゲーション装置1の動作モードを省電力動作モードに設定するよう指示されると、表示部12には「継続時間入力画面」が表示されるようになっており、ユーザは、この「継続時間入力画面」において、操作部14を操作して、継続時間を入力できるようになっている。
なお、継続時間を入力する方法は、「継続時間入力画面」において設定する方法に限ることはなく、ユーザがナビゲーション装置1の動作モードが省電力動作モードに設定された状態を継続させたい時間を設定できるのであれば任意である。
また、継続時間を入力するタイミングは、ユーザがナビゲーション装置1の動作モードを省電力動作モードに設定するよう指示した後に限ることはなく、ユーザがナビゲーション装置1の動作モードが省電力動作モードに設定された状態を継続させたい時間を設定できるのであれば任意である。
【0031】
計時部15は、例えば、制御部17から入力される制御信号に従って、所与の計時処理を行う。
【0032】
電源部16は、例えば、蓄電池などを備え、制御部17から入力される制御信号に従って、ナビゲーション装置1を構成する各部位に通電を行う。
【0033】
制御部17は、例えば、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)171と、RAM(Random Access Memory)172と、記憶部173と、などを備えて構成される。
【0034】
CPU171は、例えば、記憶部173に記憶されたナビゲーション装置1用の各所処理プログラムに従って各所の制御動作を行う。
【0035】
RAM172は、例えば、CPU171によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0036】
記憶部173は、例えば、ナビゲーション装置1で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU171によって演算処理された処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部173に記憶されている。
【0037】
具体的には、記憶部173は、例えば、図1に示すように、地図情報データベース173aと、測位プログラム173bと、表示制御プログラム173cと、音声出力制御プログラム173dと、判定プログラム173eと、報知制御プログラム173fと、設定プログラム173gと、などを記憶している。
【0038】
地図情報データベース173aは、例えば、所定の地域内(例えば、日本全土)を表現したナビゲーション用の地図に関する地図情報を記憶する。
【0039】
測位プログラム173bは、例えば、GPSアンテナ11により入力されたGPS信号に基づいてナビゲーション装置1の絶対的な2次元の現在位置(緯度、経度)或いは3次元の現在位置(緯度、経度、高度)を測位する機能を、CPU171に実現させる。
CPU171は、かかる測位プログラム173bを実行することによって、測位手段として機能する。
【0040】
表示制御プログラム173cは、例えば、測位プログラム173bを実行したCPU171により測位された現在位置などを、地図情報データベース173aに記憶された地図情報とともに表示部12に表示させる機能を、CPU171に実現させる。
さらに、表示制御プログラム173cは、例えば、ユーザによる操作部14の操作によってユーザ所望の目的地が設定された場合には、現在位置からその目的地までの歩行(走行)案内表示などを、地図情報とともに表示部12に表示させる機能を、CPU171に実現させる。
CPU171は、かかる表示制御プログラム173cを実行することによって、表示制御手段として機能する。
【0041】
音声出力制御プログラム173dは、例えば、測位プログラム173bを実行したCPU171により測位された現在位置などに関する音声情報を、音声出力部12に出力させる機能を、CPU171に実現させる。
さらに、音声出力制御プログラム173dは、例えば、ユーザによる操作部14の操作によってユーザ所望の目的地が設定された場合には、現在位置からその目的地までの歩行(走行)案内などに関する音声情報を、音声出力部12に出力させる機能を、CPU171に実現させる。
【0042】
判定プログラム173eは、例えば、計時部15による計時結果に基づいて、設定プログラム173gを実行したCPU171により省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ユーザによる操作部14の操作により入力された継続時間に達したか否かを判定する機能を、CPU171に実現させる。
CPU171は、かかる判定プログラム173eを実行することによって、判定手段として機能する。
【0043】
報知制御プログラム173fは、例えば、判定プログラム173eを実行したCPU171によって、設定プログラム173gを実行したCPU171により省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ユーザによる操作部14の操作により入力された継続時間に達したと判定された場合に、音声出力部13に制御信号を入力して、その旨を報知させる機能を、CPU171に実現させる。
なお、省電力動作モード時は、音声出力部13への通電は行われていないが、報知制御プログラム173fを実行したCPU171による報知制御によって、報知のときのみ、音声出力部13への通電が行われるようになっている。
【0044】
設定プログラム173gは、例えば、ナビゲーション装置1の動作モードを、通常動作モードと、省電力動作モードと、の何れかに設定する機能を、CPU171に実現させる。
【0045】
具体的には、CPU171は、例えば、ユーザによる操作部14の操作により省電力動作モードに設定するよう指示された場合に、ナビゲーション装置1の動作モードを省電力動作モードに設定する。
その後、CPU171は、例えば、判定プログラム173eを実行したCPU171によって、省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ユーザによる操作部14の操作により入力された継続時間に達したと判定されて、ユーザによる操作部14の操作により省電力動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示されない場合は、ナビゲーション装置1の動作モードを通常動作モードに設定するとともに、ユーザによる操作部14の操作により省電力動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示された場合は、ナビゲーション装置1の動作モードを省電力動作モードに設定したままにする。
CPU171は、かかる設定プログラム173gを実行することによって、設定手段として機能する。
【0046】
<動作モード設定処理>
ナビゲーション装置1による動作モードの設定に関する処理について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
まず、ユーザにより操作された操作部14からの指示に従って、ナビゲーション装置1の電源をONすると(ステップS11)、CPU171は、表示部12に「動作モード選択画面」を表示させて、ユーザに、ナビゲーション装置1の動作モードを選択させる(ステップS12)。
【0048】
ステップS12で、ユーザによる操作部14の操作によって、ナビゲーション装置1の動作モードが選択されると、CPU171は、当該選択された動作モードが省電力動作モードであるか否かを判断する(ステップS13)。
【0049】
ステップS13で、当該選択された動作モードが省電力動作モードでないと判断すると(ステップS13;No)、すなわち、当該選択された動作モードは通常動作モードであると判断すると、CPU171は、設定プログラム173gを実行して、ナビゲーション装置1の動作モードを通常動作モードに設定する(ステップS14)。
【0050】
次いで、CPU171は、ユーザによる操作部14の操作によって、ナビゲーション装置1の動作モードが選択されたか否かを判断する(ステップS15)。
具体的には、CPU171は、例えば、ユーザによる操作部14の操作によって、「動作モード選択画面」を表示部12に表示するよう指示されて、その「動作モード選択画面」において、ナビゲーション装置1の動作モードが選択されたか否かを判断する。
【0051】
ステップS15で、ナビゲーション装置1の動作モードが選択されていないと判断すると(ステップS15;No)、CPU171は、ステップS15の処理を繰り返して行う。
【0052】
一方、ステップS15で、ナビゲーション装置1の動作モードが選択されたと判断すると(ステップS15;Yes)、CPU171は、ステップS13以降の処理を繰り返して行う。
【0053】
また、ステップS13で、当該選択された動作モードが省電力動作モードであると判断すると(ステップS13;Yes)、CPU171は、表示部12に「継続時間入力画面」を表示させて、ユーザに、ナビゲーション装置1の動作モードが省電力動作モードに設定された状態を継続させたい時間(継続時間)を入力させる(ステップS16)。
【0054】
ステップS16で、ユーザによる操作部14の操作によって、継続時間が入力されると、CPU171は、設定プログラム173gを実行して、ナビゲーション装置1の動作モードを省電力動作モードに設定する(ステップS17)。
【0055】
次いで、CPU171は、判定プログラム173eを実行して、省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、すなわち、ステップS17からの経過時間が、ステップS16で入力された継続時間に達したか否かを判定する(ステップS18)。
【0056】
ステップS18で、省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ステップS16で入力された継続時間に達していないと判定すると(ステップS18;No)、CPU171は、ユーザによる操作部14の操作によって、ナビゲーション装置1の動作モードが選択されたか否かを判断する(ステップS19)。
【0057】
ステップS19で、ナビゲーション装置1の動作モードが選択されていないと判断すると(ステップS19;No)、CPU171は、ステップS18以降の処理を繰り返して行う。
【0058】
一方、ステップS19で、ナビゲーション装置1の動作モードが選択されたと判断すると(ステップS19;Yes)、CPU171は、ステップS13以降の処理を繰り返して行う。
【0059】
また、ステップS18で、省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ステップS16で入力された継続時間に達したと判定すると(ステップS18;Yes)、CPU171は、報知制御プログラム173fを実行して、音声出力部13に制御信号を入力して、その旨を報知させ(ステップS20)、ユーザによる操作部14の操作によって、ナビゲーション装置1の動作モードが選択されたか否かを判断する(ステップS21)。
【0060】
ステップS21で、ナビゲーション装置1の動作モードが選択されたと判断すると(ステップS21;Yes)、CPU171は、ステップS13以降の処理を繰り返して行う。
【0061】
一方、ステップS21で、ナビゲーション装置1の動作モードが選択されていないと判断すると(ステップS21;No)、CPU171は、報知を開始してからの経過時間(報知時間)が、予め設定された所定時間(例えば、5分)に達したか否かを判断する(ステップS22)。
【0062】
ステップS22で、報知時間が、予め設定された所定時間に達していないと判断すると(ステップS22;No)、CPU171は、ステップS20以降の処理を繰り返して行う。
【0063】
一方、ステップS22で、報知時間が、予め設定された所定時間に達したと判断すると(ステップS22;Yes)、CPU171は、ステップS14の処理に移行する。
【0064】
以上説明した本発明のナビゲーション装置1によれば、現在位置を測位する測位プログラム173bを実行したCPU171と、測位プログラム173bを実行したCPU171により測位された現在位置を表示部12に表示させる表示制御プログラム173cを実行したCPU171と、を備え、携帯可能であり、さらに、設定プログラム173gを実行したCPU171によって、ナビゲーション装置1の動作モードを、通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力の少ない省電力動作モードと、の何れかに設定することができ、操作部14によって、ユーザが、省電力動作モードに設定するよう指示するためことができるとともに、ユーザが、省電力動作モードに設定された状態を継続させる継続時間を入力することができ、判定プログラム173eを実行したCPU171によって、設定プログラム173gを実行したCPU171により省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ユーザによる操作部14の操作により入力された継続時間に達したか否かを判定することができ、そして、設定プログラム173gを実行したCPU171は、ユーザによる操作部14の操作により省電力動作モードに設定するよう指示された場合に、ナビゲーション装置1の動作モードを省電力動作モードに設定し、その後、判定プログラム173eを実行したCPU171によって、当該設定プログラム173gを実行したCPU171により省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ユーザによる操作部14の操作により入力された継続時間に達したと判定された場合に、ナビゲーション装置1の動作モードを通常動作モードに設定することができる。
すなわち、ユーザは、消費電力の少ない省電力動作モードに設定するタイミングを指示することができるとともに、当該省電力動作モードを継続させる継続時間を入力することができるため、ユーザの好みを反映できてユーザにとって使い勝手がよいナビゲーション装置1となる。
【0065】
また、本発明のナビゲーション装置1によれば、音声出力部13によって、判定プログラム173eを実行したCPU171によって、設定プログラム173gを実行したCPU171により省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ユーザによる操作部14の操作により入力された継続時間に達したと判定された場合に、その旨を報知することができ、操作部14によって、ユーザが、音声出力部13により報知された場合に、省電力動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示することができ、そして、設定プログラム173gを実行したCPU171は、判定プログラム173eを実行したCPU171によって、当該設定プログラム173gを実行したCPU171により省電力動作モードに設定されてからの経過時間が、ユーザによる操作部14の操作により入力された継続時間に達したと判定されて、ユーザによる操作部14の操作により省電力動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示されない場合は、ナビゲーション装置1の動作モードを通常動作モードに設定するとともに、ユーザによる操作部14の操作により省電力動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示された場合は、ナビゲーション装置1の動作モードを省電力動作モードに設定したままにすることができる。
すなわち、ユーザは、省電力動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示することができるため、より一層、ユーザの好みを反映できてユーザにとって使い勝手がよいナビゲーション装置1となる。
また、ナビゲーション装置1は、現在位置や歩行(走行)案内を表示するだけでなく、継続時間が入力されると報知するため、例えば、歩行(走行)する際に目標とする時間がある場合には、その目標とする時間を継続時間として入力することによって、ナビゲーション装置1による報知を歩行(走行)時間の目安にすることができる。
【0066】
また、本発明のナビゲーション装置1によれば、省電力動作モード時は、少なくとも表示部12による表示を行わないように構成されているとともに、測位プログラム173bを実行したCPU171による測位を行わないように構成されているため、省電力動作モード時に表示のみを行わないように構成している場合や測位のみを行わないように構成している場合と比較して、より一層、消費電力を抑制することができる。
【0067】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0068】
電子機器は、GPS信号に基づいて測位された現在位置を歩行(走行)案内表示とともに表示するナビゲーション装置1の限りではなく、GPS信号に基づいて測位された現在位置を表示することができる機能が内蔵された装置であれば、例えば、携帯電話機、PDAなどでもよい。
【0069】
省電力動作モードの内容は、省電力動作モードが通常動作モードよりも消費電力を抑制できるモードであれば任意である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明のナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置1による動作モードの設定に関する処理について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
1 ナビゲーション装置(電子機器)
12 表示部
13 音声出力部(報知手段)
14 操作部(第1指示手段(指示手段)、第2指示手段、入力手段)
171 CPU(測位手段、表示制御手段、判定手段、設定手段)
173b 測位プログラム(測位手段)
173c 表示制御プログラム(表示制御手段)
173e 判定プログラム(判定手段)
173g 設定プログラム(設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を測位する測位手段と、当該測位手段により測位された現在位置を表示部に表示させる表示制御手段と、を備える携帯可能な電子機器において、
当該電子機器の動作モードを、第1動作モードと、当該第1動作モードよりも消費電力の少ない第2動作モードと、の何れかに設定する設定手段と、
ユーザが、前記第2動作モードに設定するよう指示するための指示手段と、
ユーザが、前記第2動作モードに設定された状態を継続させる継続時間を入力するための入力手段と、
前記設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記設定手段は、前記指示手段により前記第2動作モードに設定するよう指示された場合に、前記電子機器の動作モードを前記第2動作モードに設定し、その後、前記判定手段によって、当該設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したと判定された場合に、前記電子機器の動作モードを前記第1動作モードに設定することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記判定手段によって、前記設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したと判定された場合に、その旨を報知する報知手段と、
ユーザが、前記報知手段により報知された場合に、前記第2動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示するための第2指示手段と、を備え、
前記設定手段は、前記判定手段によって、当該設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したと判定されて、前記第2指示手段により前記第2動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示されない場合は、前記電子機器の動作モードを前記第1動作モードに設定するとともに、前記第2指示手段により前記第2動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示された場合は、前記電子機器の動作モードを前記第2動作モードに設定したままにすることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子機器において、
前記第1動作モード時は、前記表示部による表示及び前記測位手段による測位を行うように構成され、
前記第2動作モード時は、少なくとも前記表示部による表示及び前記測位手段による測位を行わないように構成されていることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
現在位置を測位する測位手段と、当該測位手段により測位された現在位置を表示部に表示させる表示制御手段と、を備える携帯可能なナビゲーション装置において、
当該ナビゲーション装置の動作モードを、前記表示部による表示及び前記測位手段による測位を行う第1動作モードと、少なくとも前記表示部による表示及び前記測位手段による測位を行わない第2動作モードと、の何れかに設定する設定手段と、
ユーザが、前記第2動作モードに設定するよう指示するための第1指示手段と、
ユーザが、前記第2動作モードに設定された状態を継続させる継続時間を入力するための入力手段と、
前記設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したと判定された場合に、その旨を報知する報知手段と、
ユーザが、前記報知手段により前記報知された場合に、前記第2動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示するための第2指示手段と、を備え、
前記設定手段は、前記第1指示手段により前記第2動作モードに設定するよう指示された場合に、前記ナビゲーション装置の動作モードを前記第2動作モードに設定し、その後、前記判定手段によって、当該設定手段により前記第2動作モードに設定されてからの経過時間が、前記入力手段により入力された継続時間に達したと判定されて、前記第2指示手段により前記第2動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示されない場合は、前記ナビゲーション装置の動作モードを前記第1動作モードに設定するとともに、前記第2指示手段により前記第2動作モードに設定された状態をさらに継続するよう指示された場合は、前記ナビゲーション装置の動作モードを前記第2動作モードに設定したままにすることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−268015(P2008−268015A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111952(P2007−111952)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】