説明

電子機器及びプログラム

【課題】画像内の被写体のサイズに対応した表示レンジを設定して、画像と図形とを重ね合わせて表示する。
【解決手段】関数電卓1は、表示部15と、所定の各基準物における少なくとも1つの特定部分と、当該特定部分の実長とを対応付けて記憶する基準物テーブル132と、複数の画像を記憶する記憶部13と、記憶部13により記憶された画像のうち、ユーザ操作に基づいて指定される指定画像を表示手段に表示させるCPU11とを備える。CPU11は、指定画像中の基準物における特定部分を検知して特定画像部分として設定し、複数の座標軸により定まる座標系を指定画像に重ねて設定するとともに、当該指定画像中の特定画像部分の実長に基づいて座標系の表示レンジを設定し、ユーザ操作に基づき指定画像に重ねて図形を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影画像を表示する電子機器においては、実際のサイズに対応した目盛を画像内に表示することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。より具体的には、特許文献1記載の技術によれば、水平な電線を含めて風景を撮影すると、撮影画像が表示されるとともに、撮影者と電線との距離が検知されて、その距離に基づいて撮影画像内の高さ1m毎に目盛が表示される結果、電線の高さが確認できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−42580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、画像内の被写体のサイズに対応した表示レンジを設定して、画像と図形(グラフや幾何図形など)とを重ね合わせて表示することはできない。
【0005】
本発明の課題は、画像内の被写体のサイズに対応した表示レンジを設定して、画像と図形とを重ね合わせて表示することのできる電子機器及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電子機器において、
表示手段と、
所定の各基準物における少なくとも1つの特定部分と、当該特定部分の実長とを対応付けて記憶する基準物長さ記憶手段と、
複数の画像を記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段により記憶された画像のうち、ユーザ操作に基づいて指定される指定画像を前記表示手段に表示させる画像表示制御手段と、
前記指定画像中の前記基準物における前記特定部分を検知して特定画像部分として設定する特定画像部分設定手段と、
複数の座標軸により定まる座標系を前記指定画像に重ねて設定するとともに、当該指定画像中の前記特定画像部分の実長に基づいて前記座標系の表示レンジを設定する座標系設定手段と、
ユーザ操作に基づき前記指定画像に重ねて図形を表示させる図形表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所定の各基準物における少なくとも1つの特定部分と、当該特定部分の実長とが対応付けて記憶され、ユーザ操作に基づいて指定される指定画像が表示されると、指定画像中の基準物における特定部分が検知されて特定画像部分として設定され、複数の座標軸により定まる座標系が指定画像に重ねて設定されるとともに、当該指定画像中の特定画像部分の実長に基づいて座標系の表示レンジが設定され、ユーザ操作に基づき指定画像に重ねて図形が表示されるので、画像内の被写体のサイズに対応した表示レンジを設定して、画像と図形とを重ね合わせて表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】関数電卓の概略構成を示す平面図である。
【図2】関数電卓の機能構成を示すブロック図である。
【図3】画面表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】画面表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】画面表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】特定画像部分と基準物長さに応じたレンジ設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図8】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図9】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図10】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図11】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図12】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図13】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図14】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
[1.関数電卓の構成]
[1−1.外観構成]
図1は、関数電卓1の概略構成を示す概念図である。
この図に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備えている。
【0011】
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。本実施の形態においては、入力キー群2は、テンキー20や演算記号キー21、カーソルキー22、EXEキー23、削除キー24等を備えている。
【0012】
このうち、テンキー20は数値の入力操作を受けるキーであり、演算記号キー21は四則演算の記号や括弧、分数の括線、根号(√)、対数記号、定数(円周率「π」や光速度「c」等)、三角関数記号など、各種演算記号の入力操作を受けるキーである。
【0013】
カーソルキー22は、ディスプレイ3内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルを所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施の形態においては、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
【0014】
EXEキー23は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーであり、例えば数式の入力後に演算処理の実行を指示するキーとして機能するようになっている。削除キー24は、ディスプレイ3に表示されている数値や演算記号などの削除操作を受けるキーである。
【0015】
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、数式、演算結果、座標軸、グラフなどの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データを複数のドットにより表示するようになっている。なお、本実施の形態におけるディスプレイ3では、横方向にX軸、縦方向にY軸が表示され、当該XY軸によりXY座標系が表示されるようになっており、Y軸方向,X軸方向のドット数は「192」,「384」となっている。また、本実施の形態におけるディスプレイ3には、タッチパネル30が表示画面全面に亘って一体的に設けられている。
【0016】
[1−2.機能構成]
続いて、関数電卓1の機能構成を説明する。
図2は、関数電卓1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
【0017】
この図に示すように、関数電卓1は、入力部14と、表示部15と、通信部16と、記録媒体読取部17と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)11と、を備えて構成されている。
【0018】
入力部14は、上述の入力キー群2及びタッチパネル30を備えており、押下されたキーやタッチパネル30の位置に対応する信号をCPU11に出力するようになっている。
【0019】
表示部15は、上述のディスプレイ3を備えており、CPU11からの表示信号に従って各種情報をディスプレイ3に表示するようになっている。
【0020】
通信部16は、インターネットに接続可能となっており、これにより、インターネットに接続される外部機器との通信が可能となっている。
記録媒体読取部17は、着脱自在に装着されるUSBメモリ等の外部情報記憶媒体17Aから情報を読み取るものである。
【0021】
RAM12は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。
【0022】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)等により構成される不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。具体的には、記憶部13は、本発明に係るプログラムとしての画面表示プログラム130と、画像ファイル群131と、基準物テーブル132とを記憶している。
【0023】
画面表示プログラム130は、後述の画面表示処理(図3〜図5参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0024】
画像ファイル群131は、ディスプレイ3に表示可能な画像についての画像ファイル100を複数記憶している。これらの画像ファイル100は、通信部16を介して受信されるようになっている。
【0025】
基準物テーブル132は、後述の画面表示処理(図3〜図5参照)においてXY座標系の表示レンジ(XYの最大最小座標の値;すなわちXmin,Xmax,Ymin,Ymax)の基準となる複数種類の被写体(以下、基準物とする)と、当該基準物における特定の部分の実際の寸法(実長)と、当該基準物の階層的な分類とを対応付けて記憶している。ここで実際の寸法である「実長」とは、表示画面上の長さと対比される概念であり、具体例としては写真等の画像における被写体で測定される実際の長さ等を言う。なお、本実施の形態における基準物テーブル132では、基準物の大まかな分類として「スポーツ」,「有名建築物」,「JIS規格」,「ユーザによる登録内容」などが用いられており、例えば「スポーツ」の分類には、より具体的な分類として「サッカー」,「バスケット」,「バレーボール」,…など用いられている。
【0026】
CPU11は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0027】
[2.関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1の動作について説明する。
【0028】
図3〜図5は、画面表示処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、この画面表示処理は、ユーザにより入力部14を介して画面表示処理の実行指示が入力されると、記憶部13から画面表示プログラム130が読み出されてRAM12に適宜展開される結果、当該画面表示プログラム130とCPU11との協働によって実行される。
【0029】
図3に示すように、画面表示処理においては、まず関数電卓1内の画像ファイル100を読み出す旨のユーザ操作が行われるか否かをCPU11が判定し(ステップS1)、行われたと判定した場合(ステップS1;Yes)には、関数電卓1内の画像ファイル100のうち、ユーザにより指定される画像ファイル(以下、指定画像ファイル100Sとする)を読み出し、その画像(以下、指定画像とする)をディスプレイ3に背景として表示させた後(ステップS2)、後述のステップS5に移行する。
【0030】
また、ステップS1において関数電卓1内の画像ファイル100を読み出す旨のユーザ操作が行われないと判定した場合(ステップS1;No)には、CPU11は、通信部16を介してインターネット上から画像ファイル100をダウンロードする旨のユーザ操作が行われるか否かを判定し(ステップS2)、行われないと判定した場合(ステップS2;No)には他の処理へ移行する。
【0031】
また、ステップS2においてインターネット上から画像ファイル100をダウンロードする旨のユーザ操作が行われたと判定した場合(ステップS2;Yes)には、CPU11は、ユーザにより指定される画像ファイル(以下、指定画像ファイル100Sとする)をダウンロードして記憶部13に記憶させるとともに、その画像(以下、指定画像とする)をディスプレイ3に背景として表示させる(ステップS4)。
【0032】
次に、CPU11は、ディスプレイ3に表示されている指定画像上の線分を範囲指定する旨のユーザ操作が行われるか否かを判定し(ステップS5)、行われたと判定した場合(ステップS5;Yes)には、ユーザ操作に応じて線分の開始位置と、終了位置とを指定画像内で指定し(ステップS6)、これら開始位置及び終了位置を連結した線分を指定画像上に描画させ(ステップS7)、後述のステップS11に移行する。なお、本実施の形態においては、このステップS6〜S7で描画される線分は、指定画像内の基準物に含まれる線分のうち、基準物テーブル132に寸法の記憶された特定部分に対して描画されることとして説明する。
【0033】
また、上述のステップS5において線分を範囲指定する旨のユーザ操作が行われないと判定した場合(ステップS5;No)には、CPU11は、指定画像上に図形(ここでは幾何図形)を描画する旨のユーザ操作が行われるか否かを判定し(ステップS8)、行われないと判定した場合(ステップS8;No)には後述のステップS11に移行する。
【0034】
また、ステップS8において指定画像上に図形を描画する旨のユーザ操作が行われたと判定した場合(ステップS8;Yes)には、CPU11は、ユーザ操作に応じて幾何図形の種類を指定するとともに、指定された幾何図形の各特徴点(三角形の頂点や円の中心点など)の位置を指定し(ステップS9)、指定内容に応じた幾何図形を指定画像上に描画させる(ステップS10)。
【0035】
次に、CPU11は、指定画像内の特定の部分を基準として座標系の表示レンジを設定する旨のユーザ操作が行われるか否かを判定し(ステップS11)、行われないと判定した場合(ステップS11;No)には他の処理へ移行する。
【0036】
また、ステップS11において指定画像内の特定の部分を基準として座標系の表示レンジを設定する旨のユーザ操作が行われたと判定した場合(ステップS11;Yes)には、CPU11は、基準物テーブル132に記憶された基準物の分類と、新たな種類の基準物の登録を指示するための選択肢「新規ユーザ登録」とを表示させる(ステップS12)。なお、本実施の形態においては、このとき基準物の分類としては大まかな分類名から具体的な分類名までが順を追って階層的に表示されるようになっている。
【0037】
次に、CPU11は、「新規ユーザ登録」の選択肢が選択されるか否かを判定し(ステップS13)、選択されないと判定した場合(ステップS13;No)には、基準物テーブル132内の分類に従い、ユーザ操作に応じて基準物の分類を指定した後(ステップS14)、指定された選択肢の分類に属する具体物(例えば、スポーツの選択肢が選択された場合には、そのスポーツに用いられる用具など)を基準物として指定した後(ステップS15)、図4に示すように、後述のステップS21に移行する。なお、本実施の形態におけるステップS15では、指定された基準物が指定画像上に重ねて表示されるとともに、当該基準物における特定部分(基準物テーブル132に長さの記憶されている部分)に矢印記号が表示されるようになっている。このとき、ユーザは何れかの矢印記号に対応する部分を、後述の特定画像部分として選択しても良い。また、指定画像上に基準物を重ねて表示する場合には、CPU11は、背景の指定画像を淡色化したり白黒化したりして表示させても良い。
【0038】
また、図3に示すように、上述のステップS13において「新規ユーザ登録」の選択肢が選択されたと判定した場合(ステップS13;Yes)には、CPU11は、形状の選択肢をディスプレイ3に表示させた後、ユーザ操作に応じて何れかの形状を指定する(ステップS16)。
【0039】
次に、ユーザが指定形状の物体の名称と寸法とを入力すると、CPU11は、指定された形状の物体を基準物とし、寸法の入力された対象部分を基準物の特定部分とし、入力された寸法を特定部分の長さとして、これら基準物と、その特定部分と、特定部分の長さとを対応付けて基準物テーブル132に記憶させるとともに、当該物体を基準物として指定する(ステップS17)。
【0040】
次に、CPU11は、図4に示すように、指定画像上に線分が描画されているか否かを判定し(ステップS21)、描画されていると判定した場合(ステップS21;Yes)には、当該線分を特定画像部分として設定した後(ステップS22)、後述のステップS25に移行する。ここで、特定画像部分とは、座標系の表示レンジの基準となる長さを示す部分である。
【0041】
また、ステップS21において指定画像上に線分が描画されていないと判定した場合(ステップS21;No)には、CPU11は、指定画像に対して画像認識処理を行い、上述のステップS15で指定された基準物を指定画像内で検知する(ステップS23)。
【0042】
次に、CPU11は、検知された基準物内の所定の部分を特定画像部分として設定するとともに、特定画像部分の長さを基準物テーブル132から読み出して、指定画像内の特定画像部分に対応付ける(ステップS24)。具体的には、例えば基準物が有名建築物である場合には、このステップS24においてCPU11は、当該建築物の底面から頂点までの部分を特定画像部分として設定するようになっている。
【0043】
次に、CPU11は、基準物の分類が「スポーツ」であるか否かを判定し(ステップS25)、「スポーツ」であると判定した場合(ステップS25;Yes)には、特定画像部分と基準物長さに応じたレンジ設定処理を行う(ステップS26)。
【0044】
具体的には、図6に示すように、このレンジ設定処理においてまずCPU11は、特定画像部分の長さ「L」を基準物テーブル132から読み出すとともに(ステップT1)、ディスプレイ3上での特定画像部分のドット数「D」を検知する(ステップT2)。
【0045】
次に、CPU11は、座標系の数値単位をm(メートル)に合わせるための単位長セット「L’」(=1×10(Lの桁数―1))を算出するとともに(ステップT3)、単位長のドット数「D’」(≒int(D×L’/L)を算出する(ステップT4)。
【0046】
次に、CPU11は、X軸(横軸)の長さ「横L」(=L’/D’×横画素数)を算出するとともに(ステップT5)、Y軸(縦軸)の長さ「縦L」(=L’/D’×縦画素数)を算出する(ステップT6)。なお、横画素数,縦画素数とは、ディスプレイ3に表示された指定画像の横方向,縦方向の総画素数である。
【0047】
そして、CPU11は、X軸の最小値Xmin(=−横L/2),最大値Xmax(=横L/2)と、Y軸の最小値Ymin(=−縦L/2),最大値Ymax(=縦L/2)と、目盛間隔Scale(=L’)とを算出し、算出された表示レンジ(Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)及び目盛間隔Scaleで、指定画像に重ねて座標系を設定して(ステップT7)、レンジ設定処理を終了した後、図4,図5に示すように、後述のステップS41に移行する。これにより、指定画像中の特定画像部分の実長に基づいて座標系の表示レンジが設定される。
【0048】
また、図4に示すように、上述のステップS25において基準物の分類が「スポーツ」でないと判定した場合(ステップS25;No)には、CPU11は、基準物の分類が「有名建築物」であるか否かを判定し(ステップS31)、「有名建築物」であると判定した場合(ステップS31;Yes)には、上述のステップS26と同様のレンジ設定処理を行った後(ステップS32)、図5に示すように、後述のステップS41に移行する。但し、このステップS32のレンジ設定処理においてCPU11は、ステップT7でY軸の最小値Ymin(=−縦L/2),最大値Ymax(=縦L/2)を算出した後、基準物の底面位置にX軸(Y=0)を合わせてY軸の表示レンジを修正するようになっている。
【0049】
また、図4に示すように、上述のステップS31において基準物の分類が「有名建築物」でないと判定した場合(ステップS31;No)には、CPU11は、指定画像上に幾何図形が描画されているか否かを判定し(ステップS33)、描画されていないと判定した場合(ステップS33;No)には、上述のステップS26に移行する。
【0050】
また、ステップS33において指定画像上に幾何図形が描画されていると判定した場合(ステップS33;Yes)には、CPU11は、上述のステップS26と同様のレンジ設定処理を行う(ステップS34)。但し、このステップS34のレンジ設定処理においてCPU11は、ステップT7でX軸の最小値Xmin(=−横L/2),最大値Xmax(=横L/2)と、Y軸の最小値Ymin(=−縦L/2),最大値Ymax(=縦L/2)とを算出した後、図形の中心に原点が位置するようX軸,Y軸の表示レンジを修正するようになっている。
【0051】
次に、CPU11は、図5に示すように、原点位置の修正を指示するユーザ操作が行われるか否かを判定し(ステップS35)、行われないと判定した場合(ステップS35;No)には、後述のステップS41に移行する。
【0052】
また、ステップS35において原点位置の修正を指示するユーザ操作が行われたと判定した場合(ステップS35;Yes)には、CPU11は、上述のステップS26と同様のレンジ設定処理を行う(ステップS36)。但し、このステップS36のレンジ設定処理においてCPU11は、ステップT7でX軸の最小値Xmin(=−横L/2),最大値Xmax(=横L/2)と、Y軸の最小値Ymin(=−縦L/2),最大値Ymax(=縦L/2)とを算出した後、ユーザによる指定位置に原点が位置するようX軸,Y軸の表示レンジを修正するようになっている。
【0053】
次に、CPU11は、グラフ機能の実行を指示するユーザ操作が行われるか否かを判定し(ステップS41)、行われたと判定した場合(ステップS41;Yes)には、ユーザ操作に応じてグラフ式を入力した後(ステップS42)、入力されたグラフ式のグラフ図形を指定画像に重ねてディスプレイ3に描画させる(ステップS43)。
【0054】
次に、CPU11は、トレース機能の実行を指示するユーザ操作が行われるか否かを判定し(ステップS51)、行われないと判定した場合(ステップS51;No)には他の処理へ移行する。
【0055】
また、ステップS51においてトレース機能の実行を指示するユーザ操作が行われたと判定した場合(ステップS51;Yes)には、CPU11は、グラフ図形のグラフ式をディスプレイ3に表示させるとともに、トレースポインタT(図9参照)をグラフ図形上の初期位置に表示させ、その座標を表示させる(ステップS52)。ここで、トレースポインタTの初期位置としては、例えばグラフ図形上の各点のうち、X軸における何れかの目盛との対応点や、X軸の表示範囲における最大値(Xmax)または最小値(Xmin)との対応点などを用いることができる。
【0056】
次に、CPU11は、改めてトレースポインタTのXY座標をディスプレイ3の下部に表示させる(ステップS53)。
【0057】
次に、CPU11は、トレースポインタTに対する移動操作が行われるか否かを判定し(ステップS54)、行われたと判定した場合(ステップS54;Yes)には、操作によって指定された方向にグラフ図形上でトレースポインタTを移動させて上述のステップS53に移行する一方、行われないと判定した場合(ステップS54;No)には、画面表示処理を終了する。
【0058】
また、ステップS41においてグラフ機能の実行を指示するユーザ操作が行われないと判定した場合(ステップS41;No)には、CPU11は、面積・体積の計算機能の実行を指示するユーザ操作が行われるか否かを判定し(ステップS45)、行われないと判定した場合(ステップS45;No)には他の処理へ移行する。
【0059】
また、ステップS45において面積・体積の計算機能の実行を指示するユーザ操作が行われたと判定した場合(ステップS45;Yes)には、CPU11は、ユーザ操作に基づいて、既に描画されている幾何図形から計算対象の図形を指定する(ステップS46)。但し、このときCPU11は、ユーザ操作に基づいて新たに図形の種類と、その図形の各特徴点の位置とを指定し、指定内容に応じた幾何図形を指定画像上に描画させ、この図形を計算対象として指定しても良い。
【0060】
そして、CPU11は、指定された図形の面積または体積を座標軸の値に従って算出し、算出結果をディスプレイ3に表示させた後(ステップS47)、画面表示処理を終了する。
【0061】
[3.動作例]
続いて、図面を参照しつつ、上述の動作を具体的に説明する。
【0062】
(動作例(1))
まず、関数電卓1内の画像ファイル100を読み出す旨の操作をユーザが行い(ステップS1;Yes)、バスケットボールの画像についての画像ファイル100を指定すると、図7(a)に示すように、指定画像ファイル100Sの指定画像がディスプレイ3に背景として表示される(ステップS2)。
【0063】
次に、ディスプレイ3に表示されている指定画像上の線分を範囲指定する旨の操作をユーザが行い(ステップS5;Yes)、線分の開始位置と、終了位置とを指定画像内で指定すると(ステップS6)、図7(b)に示すように、これら開始位置及び終了位置を連結した線分が指定画像上に描画される(ステップS7)。なお、本動作例においては、バスケットゴールのボードにおける右辺に線分が描画されている。
【0064】
次に、指定画像内の特定の部分を基準として座標系の表示レンジを設定する旨の操作をユーザが行うと(ステップS11;Yes)、図7(c)に示すように、基準物テーブル132に記憶された基準物の分類「スポーツ」,「有名建築物」,…と、新たな種類の基準物の登録を指示するための選択肢「新規ユーザ登録」とが表示される(ステップS12)。
【0065】
次に、図7(c),(d)に示すように、基準物テーブル132内の分類に従い、ユーザが基準物の分類「スポーツ」,「バスケット」等を順に指定した後(ステップS14)、指定された選択肢の分類「バスケット」に属する具体物(ここではバスケットゴール)を基準物として指定すると(ステップS15)、図7(e)に示すように、指定された基準物が指定画像上に重ねて表示されるとともに、当該基準物における特定部分(基準物テーブル132に長さの記憶されている部分)に矢印記号が表示される。
【0066】
次に、指定画像上に線分が描画されていると判定され(ステップS21;Yes)、当該線分が特定画像部分として設定される(ステップS22)。
【0067】
次に、基準物の分類が「スポーツ」であると判定された後(ステップS25;Yes)、特定画像部分(バスケットゴールのボード右辺)の長さ「L」が基準物テーブル132から読み出されるとともに(ステップT1)、ディスプレイ3上での特定画像部分のドット数「D」が検知される(ステップT2)。
【0068】
次に、単位長セット「L’」(=1×10(Lの桁数―1))が算出されるとともに(ステップT3)、単位長のドット数「D’」(≒int(D×L’/L)が算出される(ステップT4)。
【0069】
次に、X軸(横軸)の長さ「横L」(=L’/D’×横画素数)が算出されるとともに(ステップT5)、Y軸(縦軸)の長さ「縦L」(=L’/D’×縦画素数)が算出される(ステップT6)。
【0070】
そして、図8(a)に示すように、X軸の最小値Xmin(=-505.263),最大値Xmax(=505.263)と、Y軸の最小値Ymin(=-252.631),最大値Ymax(=252.631)と、目盛間隔Scale(=100)とが算出され、算出された表示レンジ(Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)及び目盛間隔Scaleで、指定画像に重ねて座標系が設定される(ステップT7)。
【0071】
次に、グラフ機能の実行を指示する操作をユーザが行い(ステップS41;Yes)、グラフ式を入力すると(ステップS42)、図8(b)に示すように、入力されたグラフ式のグラフ図形が指定画像に重ねてディスプレイ3に描画される(ステップS43)。
【0072】
また、図8(a)に示した状態から、原点位置の修正を指示する操作をユーザが行うと(ステップS35;Yes)、図8(c)に示すように、ユーザによる指定位置に原点が位置するようX軸,Y軸の表示レンジが修正される(ステップS36)。
【0073】
次に、グラフ機能の実行を指示する操作をユーザが行い(ステップS41;Yes)、グラフ式「Y1=−0.004(X−230)+390」を入力すると(ステップS42)、入力されたグラフ式「Y1=−0.004(X−230)+390」のグラフ図形が指定画像に重ねてディスプレイ3に描画される(ステップS43)。
【0074】
次に、トレース機能の実行を指示する操作をユーザが行うと(ステップS51;Yes)、図9(a)に示すように、グラフ図形のグラフ式「Y1=−0.004(X−230)+390」がディスプレイ3に表示されるとともに、トレースポインタTがグラフ図形上の初期位置に表示され、その座標「(1.3785,180.92)」が表示される(ステップS52)。
【0075】
そして、トレースポインタTに対する移動操作をユーザが行うと(ステップS54;Yes)、図9(b),(c)に示すように、操作によって指定された方向にグラフ図形上でトレースポインタTが移動して、その座標が表示される(ステップS52)。
【0076】
(動作例(2))
まず、インターネット上から画像ファイル100をダウンロードする旨の操作をユーザが行い(ステップS2;Yes)、スカイツリーについての画像ファイル100を指定すると、図10(a)に示すように、指定画像ファイル100Sの指定画像がディスプレイ3に背景として表示される(ステップS4)。
【0077】
次に、指定画像内の特定の部分を基準として座標系の表示レンジを設定する旨の操作をユーザが行うと(ステップS11;Yes)、図10(b)に示すように、基準物テーブル132に記憶された基準物の分類「スポーツ」,「有名建築物」,…と、新たな種類の基準物の登録を指示するための選択肢「新規ユーザ登録」とが表示される(ステップS12)。
【0078】
次に、図10(b),(c)に示すように、基準物テーブル132内の分類に従い、ユーザが基準物の分類「有名建築物」等を指定した後(ステップS14)、指定された選択肢の分類に属する具体物(ここではスカイツリー)を基準物として指定する(ステップS15)。
【0079】
次に、指定画像上に線分が描画されていないと判定されて(ステップS21;No)、指定画像に対して画像認識処理が行われ、指定された基準物(スカイツリー)が指定画像内で検知される(ステップS23)。
【0080】
次に、検知された基準物内の所定の部分(ここではスカイツリーの底面から頂点までの部分)が特定画像部分として設定されるとともに、特定画像部分の長さ(634m)が基準物テーブル132から読み出されて、指定画像内の特定画像部分に対応付けられる(ステップS24)。
【0081】
次に、基準物の分類が「有名建築物」であると判定された後(ステップS31;Yes)、特定画像部分(スカイツリーの底面から頂点までの部分)の長さ「L」(634m)が基準物テーブル132から読み出されるとともに(ステップT1)、ディスプレイ3上での特定画像部分のドット数「D」(ここでは147ドット)が検知される(ステップT2)。
【0082】
次に、単位長セット「L’」(=1×10(Lの桁数―1)、ここでは100)が算出されるとともに(ステップT3)、単位長のドット数「D’」(≒int(D×L’/L)が算出される(ステップT4)。
【0083】
次に、X軸(横軸)の長さ「横L」(=L’/D’×横画素数、ここでは1644)が算出されるとともに(ステップT5)、Y軸(縦軸)の長さ「縦L」(=L’/D’×縦画素数、ここでは822)が算出される(ステップT6)。
【0084】
そして、図10(d)に示すように、X軸の最小値Xmin(=-822.47),最大値Xmax(=822.47)と、Y軸の最小値Ymin(=-411),最大値Ymax(=411)と、目盛間隔Scale(=100)とが算出された後、基準物の底面位置にX軸(Y=0)を合わせてY軸の表示レンジが最小値Ymin(=-107),最大値Ymax(=715)に修正され、この表示レンジ(Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)及び目盛間隔Scaleで、指定画像に重ねて座標系が設定される(ステップT7)。
【0085】
次に、面積・体積の計算機能の実行を指示する操作をユーザが行い(ステップS45;Yes)、図11(a)〜(c)に示すように、新たに図形の種類(ここでは円錐)と、その図形の各特徴点の位置(底面の中心点、円周部、頂点)とを指定すると、指定内容に応じた幾何図形が指定画像上に描画され、この図形が計算対象として指定される(ステップS46)。ここで、図11(a)は、円錐の底面の中心点を指定した状態を示す図であり、図11(b)は底面の円周部を指定した状態を示す図であり、図11(c)は頂点を指定した状態を示す図である。
【0086】
そして、図11(d)に示すように、指定された図形の体積が座標軸の値に従って算出され、算出結果がディスプレイ3に表示される(ステップS47)。
【0087】
(動作例(3))
まず、インターネット上から画像ファイル100をダウンロードする旨の操作をユーザが行い(ステップS2;Yes)、アイドルについての画像ファイル100を指定すると、図12(a)に示すように、指定画像ファイル100Sの指定画像がディスプレイ3に背景として表示される(ステップS4)。
【0088】
次に、指定画像上に図形を描画する旨の操作をユーザが行い(ステップS8;Yes)、幾何図形の種類(ここでは楕円)を指定するとともに、指定された幾何図形(楕円)の各特徴点(焦点など)の位置を指定すると(ステップS9)、図12(b)に示すように、指定内容に応じた幾何図形が指定画像上に描画される(ステップS10)。なお、本動作例では、アイドルの顔に合わせて楕円が描画されることとして説明する。
【0089】
次に、指定画像内の特定の部分を基準として座標系の表示レンジを設定する旨の操作をユーザが行うと(ステップS11;Yes)、図12(c)に示すように、基準物テーブル132に記憶された基準物の分類「スポーツ」,「有名建築物」,…と、新たな種類の基準物の登録を指示するための選択肢「新規ユーザ登録」とが表示される(ステップS12)。
【0090】
次に、「新規ユーザ登録」の選択肢をユーザが選択すると(ステップS13;Yes)、図12(d)に示すように、形状の選択肢「直方体」,「ボトル形状」,…がディスプレイ3に表示され、ユーザが「直方体」の形状を指定する(ステップS16)。
【0091】
次に、図13(a)に示すように、ユーザが指定形状の物体の名称(キャラメル)と寸法とを入力すると、指定された形状の物体が基準物とされ、寸法の入力された対象部分が基準物の特定部分とされ、入力された寸法が特定部分の長さとされて、これら基準物と、その特定部分と、特定部分の長さとが対応付けられて基準物テーブル132に記憶されるとともに、当該物体が基準物として指定される(ステップS17)。
【0092】
次に、指定画像に対して画像認識処理が行われ、上述のステップS15で指定された基準物(キャラメル)が指定画像内で検知される(ステップS23)。
【0093】
次に、検知された基準物内の所定の部分(ここではキャラメルの一辺)が特定画像部分として設定されるとともに、特定画像部分の長さが基準物テーブル132から読み出されて、指定画像内の特定画像部分に対応付けられる(ステップS24)。
【0094】
次に、指定画像上に幾何図形が描画されていると判定された後(ステップS33;Yes)、特定画像部分(キャラメルの一辺)の長さ「L」が基準物テーブル132から読み出されるとともに(ステップT1)、ディスプレイ3上での特定画像部分のドット数「D」が検知される(ステップT2)。
【0095】
次に、単位長セット「L’」(=1×10(Lの桁数―1))が算出されるとともに(ステップT3)、単位長のドット数「D’」(≒int(D×L’/L)が算出される(ステップT4)。
【0096】
次に、X軸(横軸)の長さ「横L」(=L’/D’×横画素数)が算出されるとともに(ステップT5)、Y軸(縦軸)の長さ「縦L」(=L’/D’×縦画素数)が算出される(ステップT6)。
【0097】
そして、X軸の最小値Xmin,最大値Xmaxと、Y軸の最小値Ymin,最大値Ymaxと、目盛間隔Scaleとが算出された後、楕円の中心に原点を合わせてX軸,Y軸の表示レンジが修正され、図13(b)に示すように、この表示レンジ(Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)及び目盛間隔Scaleで、指定画像に重ねて座標系が設定される(ステップT7)。
【0098】
次に、面積・体積の計算機能の実行を指示する操作をユーザが行い(ステップS45;Yes)、既に描画されている幾何図形(楕円)を計算対象の図形として指定すると(ステップS46)、図13(c)に示すように、指定された図形の面積が座標軸の値に従って算出され、算出結果がディスプレイ3に表示される(ステップS47)。なお、この図では、楕円の長径及び短径も表示されている。
【0099】
また、図13(b)に示した状態から、グラフ機能の実行を指示する操作をユーザが行い(ステップS41;Yes)、グラフ式「x/9.6+y/13.8=1」を入力すると(ステップS42)、図14(a)に示すように、入力されたグラフ式「x/9.6+y/13.8=1」のグラフ図形が指定画像に重ねてディスプレイ3に描画される(ステップS43)。
【0100】
次に、トレース機能の実行を指示する操作をユーザが行うと(ステップS51;Yes)、グラフ図形のグラフ式「x/9.6+y/13.8=1」がディスプレイ3に表示されるとともに、トレースポインタTがグラフ図形上の初期位置に表示され、その座標「(−9.6,0)」が表示される(ステップS52)。
【0101】
そして、トレースポインタTに対する移動操作をユーザが行うと(ステップS54;Yes)、図14(b),(c)に示すように、操作によって指定された方向にグラフ図形上でトレースポインタTが移動して、その座標が表示される(ステップS52)。
【0102】
以上、本実施の形態によれば、図4のステップS23〜S26,図5のステップS43、図7〜図14等に示したように、所定の各基準物における少なくとも1つの特定部分と、当該特定部分の実長とが対応付けて記憶され、ユーザ操作に基づいて指定される指定画像が表示されると、指定画像中の基準物における特定部分が検知されて特定画像部分として設定され、複数の座標軸により定まる座標系が指定画像に重ねて設定されるとともに、当該指定画像中の特定画像部分の実長に基づいて座標系の表示レンジが設定され、ユーザ操作に基づき指定画像に重ねて図形が表示されるので、画像内の被写体のサイズに対応した表示レンジを設定して、画像と図形とを重ね合わせて表示することができる。
【0103】
また、図3のステップS16,S17や図13等に示したように、ユーザ操作に基づいて任意の形状と、当該形状に含まれる何れかの部分の長さとが対応付けて入力されると、入力された形状の物体が基準物とされ、長さの入力された対象部分が基準物の特定部分とされ、入力された長さが当該特定部分の長さとされて、これら基準物の特定部分と、当該特定部分の長さとが対応付けられて記憶されるので、任意の形状の基準物の長さを新たに記憶させて利用することができる。
【0104】
なお、上記の実施の形態における関数電卓1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0105】
例えば、本発明に係る電子機器を関数電卓1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る画面表示プログラム130は、関数電卓1に対して着脱可能なメモリカード、CD等に記憶されることとしてもよい。
【0106】
また、ステップS15ではユーザ操作により指定された種類の基準物を指定画像中で検知することとして説明したが、基準物テーブル132に記憶された何れかの基準物をCPU11が指定画像中から画像認識により検知することとしても良い。
【0107】
また、座標系の縦軸をY軸、横軸をX軸として説明したが、他の座標軸名としても良い。更に、座標系を直交座標系として説明したが、斜交座標系や極座標系など、他の種類の座標系としても良い。
【0108】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
表示手段と、
所定の各基準物における少なくとも1つの特定部分と、当該特定部分の実長とを対応付けて記憶する基準物長さ記憶手段と、
複数の画像を記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段により記憶された画像のうち、ユーザ操作に基づいて指定される指定画像を前記表示手段に表示させる画像表示制御手段と、
前記指定画像中の前記基準物における前記特定部分を検知して特定画像部分として設定する特定画像部分設定手段と、
複数の座標軸により定まる座標系を前記指定画像に重ねて設定するとともに、当該指定画像中の前記特定画像部分の実長に基づいて前記座標系の表示レンジを設定する座標系設定手段と、
ユーザ操作に基づき前記指定画像に重ねて図形を表示させる図形表示制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項2>
請求項1記載の電子機器において、
前記基準物の分類を記憶する基準物分類記憶手段と、
前記基準物分類記憶手段に記憶された分類に従い、ユーザ操作に応じて何れかの基準物を指定する基準物指定手段と、
前記基準物指定手段により指定された基準物を前記指定画像中で検知する基準物検知手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項3>
請求項1記載の電子機器において、
前記指定画像中で基準物を画像認識により検知する基準物検知手段を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項4>
請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器において、
前記特定画像部分設定手段は、
前記指定画像中の基準物が建築物である場合には、当該建築物の底面から頂点までの部分を前記特定画像部分として設定し、
前記座標系設定手段は、
前記基準物としての建築物の底面に横軸を合わせて、前記座標系の表示レンジを設定することを特徴とする電子機器。
<請求項5>
請求項1〜4の何れか一項に記載の電子機器において、
ユーザ操作に基づいて任意の形状と、当該形状に含まれる何れかの部分の長さとを対応付けて入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された形状の物体を基準物とし、前記入力手段により長さの入力された対象部分を基準物の特定部分とし、前記入力手段により入力された長さを当該特定部分の長さとして、これら基準物の特定部分と、当該特定部分の長さとを対応付けて前記基準物長さ記憶手段に記憶させる基準物長さ追加記憶手段を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項6>
請求項1〜5の何れか一項に記載の電子機器において、
前記図形表示制御手段は、
前記図形としてグラフ図形を表示させるとともに、当該グラフ図形を表すグラフ式を表示させることを特徴とする電子機器。
<請求項7>
請求項6記載の電子機器において、
前記グラフ図形上にトレースポインタを表示させつつ、ユーザ操作に応じて当該グラフ図形上で当該トレースポインタを移動させるとともに、当該トレースポインタの座標値を表示させるトレース制御手段を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項8>
表示手段を備えるコンピュータに、
所定の各基準物における少なくとも1つの特定部分と、当該特定部分の実長とを対応付けて記憶する基準物長さ記憶機能と、
複数の画像を記憶する画像記憶機能と、
前記画像記憶機能により記憶された画像のうち、ユーザ操作に基づいて指定される指定画像を前記表示手段に表示させる画像表示制御機能と、
前記指定画像中の前記基準物における前記特定部分を検知して特定画像部分として設定する特定画像部分設定機能と、
複数の座標軸により定まる座標系を前記指定画像に重ねて設定するとともに、当該指定画像中の前記特定画像部分の実長に基づいて前記座標系の表示レンジを設定する座標系設定機能と、
ユーザ操作に基づき前記指定画像に重ねて図形を表示させる図形表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0109】
1 関数電卓
2 入力キー群
3 ディスプレイ
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
14 入力部
15 表示部
130 画面表示プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
所定の各基準物における少なくとも1つの特定部分と、当該特定部分の実長とを対応付けて記憶する基準物長さ記憶手段と、
複数の画像を記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段により記憶された画像のうち、ユーザ操作に基づいて指定される指定画像を前記表示手段に表示させる画像表示制御手段と、
前記指定画像中の前記基準物における前記特定部分を検知して特定画像部分として設定する特定画像部分設定手段と、
複数の座標軸により定まる座標系を前記指定画像に重ねて設定するとともに、当該指定画像中の前記特定画像部分の実長に基づいて前記座標系の表示レンジを設定する座標系設定手段と、
ユーザ操作に基づき前記指定画像に重ねて図形を表示させる図形表示制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器において、
前記基準物の分類を記憶する基準物分類記憶手段と、
前記基準物分類記憶手段に記憶された分類に従い、ユーザ操作に応じて何れかの基準物を指定する基準物指定手段と、
前記基準物指定手段により指定された基準物を前記指定画像中で検知する基準物検知手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1記載の電子機器において、
前記指定画像中で基準物を画像認識により検知する基準物検知手段を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器において、
前記特定画像部分設定手段は、
前記指定画像中の基準物が建築物である場合には、当該建築物の底面から頂点までの部分を前記特定画像部分として設定し、
前記座標系設定手段は、
前記基準物としての建築物の底面に横軸を合わせて、前記座標系の表示レンジを設定することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の電子機器において、
ユーザ操作に基づいて任意の形状と、当該形状に含まれる何れかの部分の長さとを対応付けて入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された形状の物体を基準物とし、前記入力手段により長さの入力された対象部分を基準物の特定部分とし、前記入力手段により入力された長さを当該特定部分の長さとして、これら基準物の特定部分と、当該特定部分の長さとを対応付けて前記基準物長さ記憶手段に記憶させる基準物長さ追加記憶手段を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の電子機器において、
前記図形表示制御手段は、
前記図形としてグラフ図形を表示させるとともに、当該グラフ図形を表すグラフ式を表示させることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項6記載の電子機器において、
前記グラフ図形上にトレースポインタを表示させつつ、ユーザ操作に応じて当該グラフ図形上で当該トレースポインタを移動させるとともに、当該トレースポインタの座標値を表示させるトレース制御手段を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
表示手段を備えるコンピュータに、
所定の各基準物における少なくとも1つの特定部分と、当該特定部分の実長とを対応付けて記憶する基準物長さ記憶機能と、
複数の画像を記憶する画像記憶機能と、
前記画像記憶機能により記憶された画像のうち、ユーザ操作に基づいて指定される指定画像を前記表示手段に表示させる画像表示制御機能と、
前記指定画像中の前記基準物における前記特定部分を検知して特定画像部分として設定する特定画像部分設定機能と、
複数の座標軸により定まる座標系を前記指定画像に重ねて設定するとともに、当該指定画像中の前記特定画像部分の実長に基づいて前記座標系の表示レンジを設定する座標系設定機能と、
ユーザ操作に基づき前記指定画像に重ねて図形を表示させる図形表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−168921(P2012−168921A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142709(P2011−142709)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】